JP5189266B2 - ビス−(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートの製造方法およびポリエチレンテレフタレートの製造方法 - Google Patents

ビス−(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートの製造方法およびポリエチレンテレフタレートの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ビス−(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートの製造方法およびポリエチレンテレフタレートの製造方法に関する。
ポリエチレンテレフタレート(以下、「PET」と記載する。)の用途は繊維から始まり、フィルム、ボトル、シートベルトの如き産業用資材等、多分野に広がっており、その消費量も年々増大している。
今後も、PET製品の消費量は年々増加すると予測されており、廃PET製品の循環リサイクル率を向上させることは地球規模で必要不可欠な命題となっている。
しかしながら、廃PET製品の内、循環リサイクルが工業的に検討・実用化されているのは、廃PETボトルからビス−(2−ヒドロキシエチル)テレフタレート(以下、「BHET」と記載する。)、またはジメチルテレフタレート(以下、「DMT」と記載する。)を得て、これらをPETにリサイクルする方法のみであった。
換言すれば、PETボトル以外の廃PET製品、すなわち廃PETフィルム、廃PET繊維、廃PET産業用資材等からの循環リサイクルについては、具体的な検討がなされていないのが現状である。
純粋なPET(PET樹脂)は、そのほぼ100%がエチレンテレフタレートユニット(−OOC−C−COO−CH−CH−)から構成されているために、エチレングリコール(以下、「EG」と記載する。)で解重合すると、ほぼ全量がBHETとして回収される。
PETの循環リサイクル(ケミカルリサイクル)を行う場合、まず、PETを水、メタノールまたはEGで解重合反応を行い、それぞれ対応するテレフタル酸(以下、「TPA」と記載する。)、DMTまたはBHETとする。
PETの原料として、TPAまたはDMTを採用する場合、まず、EGと反応させて中間体であるBHETを合成した後、このBHETの重縮合反応によりPETを製造する。また、PETの原料としてBHETを用いた場合、BHETを直接重縮合反応させることにより、PETを製造することができる。
したがって、PETのケミカルリサイクルを行う場合には、PETを水またはメタノールで解重合するプロセスよりも、PETをEGで直接解重合するプロセスの方がより合理的である。
このようなPETをEGで解重合するプロセスとしては、例えば特許文献1に開示された方法がある。
この特許文献1に記載の方法では、解重合反応からBHETを精製して回収するまでの全工程において、溶媒としてEGが使用される。ところが、解重合反応において副反応生成物が生じた場合、溶媒としてEGを使用するこの方法では、副反応生成物を完全に除去しきれないことが判明した。そして、副反応生成物が着色している場合には、精製されたBHETが着色することとなる。
また、最近のPET製品であるボトル、フィルム、繊維や、産業用資材は、その用途に応じた要求特性を満足させる目的で、種々の化合物、例えば安定剤、帯電防止剤、易染化剤、艶消剤、難燃化剤、吸湿剤、ガスバリア剤、着色剤等が添加されている。そして、これらの添加剤をほぼ完全に除去しないと、得られたBHETの品質が悪くなるという問題がある。
しかしながら、特許文献1に記載の方法では、これらの添加剤を除去するのが困難であり、特に、分解により着色性物質を生成する添加剤が存在する場合、この着色性物質を除去することが極めて困難であることが判明した。
特開2000−169623号公報
本発明の目的は、高純度のビス−(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートを簡便に製造し得るビス−(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートの製造方法、および品質の高いポリエチレンテレフタレートを製造し得るポリエチレンテレフタレートの製造方法を提供することにある。
このような目的は、下記の本発明により達成される。
(1) ポリエチレンテレフタレートを含む原料と、触媒とを、エチレングリコールに混合して、混合液を調製する混合液調製工程と、
前記混合液中において、前記触媒の作用により、前記ポリエチレンテレフタレートを解重合してビス−(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートを得る解重合工程と、
前記混合液中から、前記ビス−(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートを回収する回収工程と、
回収された前記ビス−(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートを、加熱した水に溶解して水溶液を調整する熱水溶解工程と、
前記水溶液中において、前記ビス−(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートを晶析する晶析工程と、
結晶化した前記ビス−(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートを、前記水溶液から分離する分離工程とを有することを特徴とするビス−(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートの製造方法。
これにより、高純度のビス−(2−ヒドロキシエチル)テレフタレート(以下、「BHET」と記載する場合もある。)を簡便に製造し得る。
(2) 前記解重合工程において、解重合反応開始時の前記混合液中の水分の含有量を1000ppm以下とする上記(1)に記載のビス−(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートの製造方法。
これにより、触媒の活性が低下するのを防止することができるとともに、副反応生成物の量を減少させることができる。その結果、BHETの収率を向上させることができるとともに、BHETの品質が低下するのを好適に防止することができる。
(3) 前記解重合工程において、解重合反応開始時の雰囲気中の酸素ガスの含有量を1000ppm以下とする上記(1)または(2)に記載のビス−(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートの製造方法。
これにより、混合液の酸化分解反応が抑制されるので着色要因物質の含有量を減少させることができる。その結果、着色度の低いBHETを得ることができる。
(4) 前記回収工程は、前記ビス−(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートより沸点の低い低沸点成分を蒸発させることにより、前記混合液中から低沸点成分を除去して残留物を得るステップと、
前記ビス−(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートを蒸発させることにより、前記残留物中からビス−(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートを回収するステップとを有する上記(1)ないし(3)のいずれかに記載のビス−(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートの製造方法。
このようにして、BHETを回収することにより、得られるBHET(粗BHET)の回収率(収率)を向上させ、かつ、粗BHETの品質をより向上させることができる。
(5) 前記熱水溶解工程と前記晶析工程との間に、さらに前記水溶液が着色する要因となる着色要因物質を除去する着色要因物質除去工程を有する上記(1)ないし(4)のいずれかに記載のビス−(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートの製造方法。
これにより、得られるBHET(精製BHET)は、より着色度の低い(すなわち、純度が高く光学密度が低い)ものとなる。
(6) 前記着色要因物質除去工程において、前記着色要因物質の除去は、前記着色要因物質を吸着剤に接触させる吸着処理、前記着色要因物質を分解剤で分解する分解処理、および前記着色要因物質を還元剤で還元する還元処理のうちの少なくとも1つにより行われる上記(1)ないし(5)のいずれかに記載のビス−(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートの製造方法。
これらの処理を用いることにより、簡便かつ短時間で着色要因物質の除去が可能となる。
(7) 前記着色要因物質除去工程において、前記着色要因物質の除去は、前記分解処理、前記還元処理、前記吸着処理の順で行われる上記(6)に記載のビス−(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートの製造方法。
このような順で着色要因物質の除去をおこなうことにより、着色要因物質を、効率よく除去することができる。
(8) 前記晶析工程は、前記水溶液を急冷する急冷ステップを有する上記(1)ないし(7)のいずれかに記載のビス−(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートの製造方法。
これにより、BHETの良好な針状結晶を得ることができ、より高品質の精製BHETを得ることができる。
(9) 前記晶析工程は、前記急冷ステップの後、該急冷ステップにおける冷却速度より遅い冷却速度で前記水溶液を冷却する徐冷ステップを有する上記(8)に記載のビス−(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートの製造方法。
これにより、BHETの良好な針状結晶を得ることができ、より高品質の精製BHETを得ることができる。
(10) 前記徐冷ステップにおいて、前記水溶液を冷却する速度を少なくとも2回変化させる上記(9)に記載のビス−(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートの製造方法。
これにより、BHETの良好な針状結晶を得ることができ、より高品質の精製BHETを得ることができる。
(11) 前記分離工程において、前記ビス−(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートは、遠心分離により前記水溶液から分離される上記(1)ないし(10)のいずれかに記載のビス−(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートの製造方法。
遠心分離法によれば、水溶液から容易にBHETを分離することができる。なお、水から再結晶したBHETは良好な針状結晶であるため、遠心分離法により容易に固液分離を行うことができる。
(12) 前記分離工程の後、さらに、前記ビス−(2−ヒドロキシエチル)テレフタレート中に含まれる水分を、加熱真空蒸発乾燥法により除去する水分除去工程を有し、
該水分除去工程において、前記加熱真空蒸発乾燥法は、前記ビス−(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートを鉛直方向に沿って落下させるとともに、攪拌しつつ行われる上記(1)ないし(11)のいずれかに記載のビス−(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートの製造方法。
これにより、BHET(精製BHET)中の水分の量を、目的とする程度にまで十分に減少せしめることができる。
(13) ポリエチレンテレフタレートを含む原料と、触媒とを、エチレングリコールに混合して、混合液を調製する混合液調製工程と、
前記混合液中において、前記触媒の作用により、前記ポリエチレンテレフタレートを解重合してビス−(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートを得る解重合工程と、
前記混合液中から、前記ビス−(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートを回収する回収工程とを有するビス−(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートの製造方法であって、
前記解重合工程において、解重合反応開始時の前記混合液中の水分の含有量を1000ppm以下とすることを特徴とするビス−(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートの製造方法。
これにより、高純度のBHETを簡便に製造し得る。
(14) ポリエチレンテレフタレートを含む原料と、触媒とを、エチレングリコールに混合して、混合液を調製する混合液調製工程と、
前記混合液中において、前記触媒の作用により、前記ポリエチレンテレフタレートを解重合してビス−(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートを得る解重合工程と、
前記混合液中から、前記ビス−(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートを回収する回収工程とを有するビス−(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートの製造方法であって、
前記解重合工程において、解重合反応開始時の雰囲気中の酸素ガスの含有量を1000ppm以下とすることを特徴とするビス−(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートの製造方法。
これにより、高純度のBHETを簡便に製造し得る。
(15) 上記(1)ないし(14)のいずれかに記載のビス−(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートの製造方法によりビス−(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートを得る工程と、
前記ビス−(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートを重合してポリエチレンテレフタレートを製造する工程とを有することを特徴とするポリエチレンテレフタレートの製造方法。
これにより、品質の高いポリエチレンテレフタレートを製造し得る。
本発明によれば、ポリエチレンテレフタレートを含む各種の原料から、高純度のビス−(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートを簡便に製造することができる。
また、本発明によれば、着色要因物質の生成を防止または抑制することができる。
また、たとえ原料から、ビス−(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートの製造工程に、各種の不純物が持ち込まれたとしても、これらを効率よく除去することができる。
このようなことから、本発明によれば、廃ポリエチレンテレフタレートボトルを初めとして、廃ポリエチレンテレフタレートフィルム、廃ポリエチレンテレフタレート繊維、廃ポリエチレンテレフタレート産業用資材等のあらゆる廃PET原料から、再度、循環リサイクルに使用可能な高純度のビス−(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートを回収することができる。
以下、本発明のビス−(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートの製造方法およびポリエチレンテレフタレートの製造方法について、図示の好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明のビス−(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートの製造方法の実施形態を示すフローチャートである。
本発明のビス−(2−ヒドロキシエチル)テレフタレート(BHET)の製造方法は、ポリエチレンテレフタレート(以下、「PET」と記載する。)を解重合した後、BHET(以下、「粗BHET」と記載する場合もある。)を得、この粗BHETを精製して、粗BHETより純度の高いBHET(以下、「精製BHET」と記載する場合もある。)を得る方法である。
図1に示すBHETの製造方法は、混合液調製工程1と、解重合工程2と、異物除去工程3と、低沸点成分蒸発除去工程4と、粗BHET回収工程5と、熱水溶解工程6と、着色要因物質除去工程7と、晶析工程8と、分離工程9と、乾燥工程10とを有している。以下、各工程について順に説明する。
<混合液調製工程1>
まず、処理対象物であるPETを含む原料を用意する。
原料としては、例えば、廃PETボトル、廃PETフィルム、廃PET繊維、廃PET産業用資材等が挙げられる。
また、これらの原料は、ほぼ100%PET(PET樹脂)で構成されるものであってもよく、例えば、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフエニルジカルボン酸のような芳香族ジカルボン酸、セバチン酸、アジピン酸のような脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸のような脂環族カルボン酸等の他のカルボン酸成分や、1,4−シクロヘキサンジメタノール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール等の他のジオール成分のうちの少なくとも1種を含む共重合体(コポリエステル)であってもよい。
共重合体の場合、この共重合体中においてPETと共重合する成分の含有量は、全酸当たり、好ましくは30モル%以下、より好ましくは20モル%以下である。なお、かかる共重合体は、いかなる方法により製造されたものであってもよい。
さらに、原料は、異種ポリマー、例えば、ポリエチレンイソフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリメタキシリレンアジパミド(ナイロンMXD−6)、ポリグリコール酸等が混合されていてもよい。
この場合、異種ポリマーの含有量は、全構成ポリマー当たり、好ましくは40wt%以下、より好ましくは30wt%以下である。
また、ポリエステルの重縮合反応に用いた触媒(例えば、アンチモン化合物、ゲルマニウム化合物、チタン化合物、アルミニウム化合物等)、安定剤(例えば、リン化合物)、着色剤(例えば、フタロシアニン系色素、アンソランキノン系色素、モノアゾ系色素、カーボンブラック等)、および繊維用油剤などを含有していてもよい。
後述するが、本発明によれば、このような原料から容易に高純度のBHET(精製BHET)を製造することができる。
次に、原料を、例えば湿式粉砕機で粉砕し、水洗した後、脱水(遠心脱水、乾燥等)する。
次に、脱水後の原料、触媒、およびエチレングリコール(以下、「EG」と記載する。)を、例えば攪拌機付きオートクレーブに投入、混合して、混合液を調製する。
ここで、触媒(解重合触媒)としては、例えば、アルカリ金属の水酸化物、アルカリ金属の炭酸塩、アルカリ金属の脂肪酸塩、アルカリ金属のアルコキシド、アルカリ土類金属の水酸化物、アルカリ土類金属の炭酸塩、アルカリ土類金属の脂肪酸塩、アルカリ土類金属のアルコキシド、アルカリ土類金属の酸化物、遷移金属の水酸化物、遷移金属の炭酸塩、遷移金属の脂肪酸塩、遷移金属のアルコキシド等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの触媒を用いることにより、PETを効率よく解重合させること、すなわちBHETを得ることができる。
アルカリ金属としては、例えばLi、Na、K等が、アルカリ土類金属としては、例えばMg、Ca等が、遷移金属としては、例えばTi,Zn、Mn等が挙げられる。
また、混合液中の触媒の含有量は、特に限定されないが、触媒の金属分(M)の合計量が原料中のPET成分重量に対して、100〜10000ppm程度であるのが好ましく、800〜3000ppm程度であるのがより好ましい。このように少量の触媒で、PETを効率よく解重合させることができる。
また、原料とEGとの配合比は、原料に対してEGが過剰量であればよく、特に限定されないが、原料中のPET成分とEGとの割合が、PET成分1重量部に対して、EGを4〜13重量部程度とするのが好ましく、5.5〜7.8重量部程度とするのがより好ましい。原料とEGとの配合比を前記範囲とすることにより、PETの解重合を十分に行うことができる。その結果、BHETの収率を向上させることができる。
<解重合工程2>
次に、オートクレーブ内において、混合液中で前記触媒の作用により、PETを解重合してBHETにする。
なお、本発明者の分析結果によれば、混合液(解重合溶液)中には、主にBHETが生成するが、モノ−(2−ヒドロキシエチル)テレフタレート(以下、「MHET」と記載する。)、2−ヒドロキシエチル[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル]テレフタレート(以下、「DEG−Ester」と記載する。)、ジエチレングリコール(以下、「DEG」と記載する。)、着色性不純物等の副反応生成物や未反応オリゴマーも存在することが判明している。ここで、未反応オリゴマーとは、BHETにまで分解されずに残存するPETの分解物、例えばBHETの2〜5量体である。
そこで、本発明者が鋭意検討を重ねた結果、副反応生成物や未反応オリゴマーの量は、前記混合液調製工程1において調製した混合液中の水分の含有量や、解重合反応を行う際の雰囲気(オートクレーブ気相部)中の酸素ガスの含有量に依存して変化することが判ってきた。すなわち、調製した混合液中の水分の含有量や、解重合反応を行う際の雰囲気中の酸素ガスの含有量を減少させると、副反応生成物や未反応オリゴマーの量が減少し、混合液中の水分の含有量や、解重合反応を行う際の雰囲気(オートクレーブ内に存在する気体)中の酸素ガスの含有量を増加させると、副反応生成物や未反応オリゴマーの量が増加する傾向を示すことが判ってきた。
調製した混合液中の水分の含有量が増加すると、解重合反応時の温度等の他の条件にもよるが、生成したBHETが水により加水分解され、MHETとなり易くなる。このMHETは、解離することにより酸性を示すカルボキシル基(−COOH)を含んでいるため、MHETの存在量が増加すると、反応系の酸性度が強くなる。その結果、EG相互の反応によりDEGの生成が促進されるものと推察される。また、DEG−Esterは、DEGとBHETとのエステル交換反応で生成するので、DEGの量が増加すると、必然的にDEG−Esterの生成量も増加するものと推察される。
具体的には、前記混合液調製工程1(具体的には、解重合工程2における解重合反応開始時)において、混合液中の水分の含有量を1000ppm以下とするのが好ましく、500ppm以下とするのがより好ましく、100ppm以下とするのがさらに好ましい。
解重合反応開始時において、混合液中の水分の含有量をかかる数値範囲とすることにより、触媒の活性が低下するのを防止することができるとともに、副反応生成物や未反応オリゴマーの量を減少させることができる。その結果、BHETの収率を向上させることができるとともに、BHETの品質が低下するのを好適に防止することができる。
特に、DEG−Esterは、BHETからの分離が困難であるため、DEG−Esterの生成量が増加すると、製造したPET主鎖中において、エーテル結合の数が増加して、PETの品質が悪化する傾向を示す。しかしながら、解重合反応の開始時において、混合液中の水分の含有量を前記範囲とすることにより、DEG−Esterが生成するのを防止または生成量を減少させることができる。その結果、PETの解重合を効率良く生じさせ、高純度のBHETを収率よく得ることができる。
混合液中において水分の含有量を減少させるためには、原料および解重合に用いるEG中の水分の含有量も可能な限り減少させることが有効である。
前述したように、通常、原料(廃PET)は、粉砕された後、水で洗浄して使用されるので、この際付着した水分を乾燥して、十分除去しておくのが好ましい。
また、EGも極めて吸水性が高く、水分を含みやすいので、特に、PETの解重合で一度使用したEGを蒸留して再使用する場合には、EGは、高性能の蒸留塔を使用して、EG中の水分を十分に除去しておくのが好ましい。
具体的には、EG中に含まれる水分の含有量は、1000ppm以下であるのが好ましく、500ppm以下であるのがより好ましく、300ppm以下であるのがさらに好ましい。
また、前記混合液調製工程1において、触媒をオートクレーブに投入(供給)する場合、水に溶解して、この溶液をオートクレーブに供給することがある。ところが、触媒を水に溶解した場合には、加えた水が混合液中に持ち込まれるので、触媒を溶解するのに使用する水の量はできる限り少なくするのが好ましい。
その他、混合液には、触媒を、EGに分散または溶解して添加してもよいし、直接添加するようにしてもよい。なお、触媒の種類等によっては、EG中の溶存酸素によって、EGが褐色に着色する場合がある。
したがって、これらのことを考慮した場合、触媒は、混合液(反応系)に直接添加するのが好ましい。
さらには、オートクレーブ(解重合反応装置)に精留塔を設け、最初から解重合槽に原料(廃PET原料)とともに混入した水分、およびEG相互の反応によりDEGが生成(副生)する際に生じる水分を、解重合槽(反応系)外へ留去しながら解重合反応を行うのが好ましい。これにより、混合液(解重合溶液)中の水分の含有量をより少なくすることができる。
また、この場合、水ととともに蒸発したEGを、解重合槽内へ還流させて、EGとPETとのモル比を一定に保持するのが好ましい。これにより、EGとPETとの反応(PETの解重合反応)をより効率よく行うことができる。
このようなことから、解重合反応開始時のみならずPETの解重合を行っている間も、混合液中の水分の含有量を、前述のような範囲に維持するのが好ましい。これにより、より確実に副反応生成物や未反応オリゴマーの生成を防止または抑制することができる。
一方、解重合反応を行う際の雰囲気中の酸素ガスの含有量が増加すると、解重合反応時の温度等の他の条件にもよるが、酸素ガスは分子中に反応性の高い不対電子を2個有する「ビラジカル」であるから、混合液の加熱に伴い酸素ガスによる混合液の酸化分解反応が促進されてアセトアルデヒドが発生し易くなる。そして、このアセトアルデヒドがアルドール縮合を繰り返すことにより、共役二重結合を有するアルデヒド化合物(CH(CH=CH)CHO、n>1)が生成する。これが原因となって、混合液(解重合溶液)が着色する場合がある。
したがって、解重合反応を行う際の雰囲気中の酸素ガスの含有量を減少させることにより、混合液が着色するのを防止または抑制することができる。
具体的には、前記混合液調製工程1(具体的には、解重合工程2における解重合反応開始時)において、雰囲気中の酸素ガスの含有量を1000ppm以下とするのが好ましく、500ppm以下とするのがより好ましく、100ppm以下とするのがさらに好ましい。
解重合反応開始時において、雰囲気中の酸素ガスの含有量をかかる数値範囲とすることにより、解重合反応中の混合液の酸化分解を抑制することができ、着色要因物質の生成を抑制、防止することができる。その結果、BHETの品質が低下するのを好適に防止することができる。
雰囲気中における酸素ガスの含有量を減少させるためには、原料仕込み時に原料に同伴する酸素ガスの含有量を少なくすることが有効である。具体的には、原料仕込み時に原料に同伴する酸素ガスの含有量は、1000ppm以下であるのが好ましく、500ppm以下であるのがより好ましい。これには、例えば、原料中に同伴される酸素ガスを、不活性ガス(例えば窒素ガス等)で置換する方法が挙げられる。
さらには、原料、EGおよび触媒をオートクレーブ(反応器)に投入した後、再度、オートクレーブ内を、不活性ガスでガス置換することや、オートクレーブ内を真空脱気(減圧脱気)することが好ましい。なお、これらのガス置換の操作および真空脱気の操作は、組み合わせて行ってもよく、これらの操作を交互に繰り返して複数回行うようにしてもよい。
このようなことから、解重合反応開始時のみならずPETの解重合反応を行っている間も、雰囲気(雰囲気ガス)中の酸素ガスの含有量を、前述のような範囲に維持するのが好ましい。これにより、より確実に着色要因物質の生成を防止または抑制することができる。
解重合の際の混合液の温度(解重合温度)は、特に限定されないが、180〜210℃程度であるのが好ましく、185〜200℃程度であるのがより好ましい。
また、解重合の際の時間(解重合時間)も、特に限定されないが、混合液の温度を前記範囲とする場合、1〜3時間程度であるのが好ましく、1.5〜2時間程度であるのがより好ましい。
解重合の際の雰囲気圧力(解重合圧力)は、60kPa(450Torr)〜160kPa(1.6kg/cmG)程度であるのが好ましい。
次に、解重合反応終了後には、混合液(解重合溶液)を、30分以内に125℃以下、次なる30分以内に100℃以下に冷却することが好ましい。これにより、混合液が長時間解重合温度(高温)に保持されることを防止することができる。このため、過剰量のEG相互の反応によりDEGが生成するとともに水が生成するのを防止することができる。その結果、PETの解重合で一度使用した過剰量のEGを再度解重合反応に、直接使用した場合でも、解重合反応で得られるBHETの品質が著しく低下するのを確実に防止することができる。
<異物除去工程3>
次に、混合液中から固形異物および/または沈殿物を除去する。この固形異物や沈殿物としては、例えば、キャップ、ラベル、ポリエステル繊維に添加されている艶消剤である酸化チタン、顔料、ポリエステル繊維との混紡材料である綿、麻のような天然繊維、レーヨンのような合成繊維や、各種合成樹脂等のPET以外の異種ポリマー、金属、ガラス、砂等が挙げられる。
これにより、次の低沸点成分蒸発除去工程4において、低沸点成分をより効率よく蒸発させることができるようになる。
固形異物または沈殿物の除去には、例えば、平均細孔径が30〜60μmのフィルターや1〜5μmの平均繊維経の繊維フィルターを単独または組み合わせて用いることができる。
<低沸点成分蒸発除去工程4>
次に、BHETより沸点の低い低沸点成分を蒸発させることにより、混合液中から低沸点成分を除去して、残留物を得る。すなわち、混合液中から低沸点成分を蒸発留去する。
ここで、低沸点成分としては、主にEGやDEG等が挙げられる。
低沸点成分の蒸発留去は、例えば、撹件機付きジャケット式縦型薄膜蒸発機(UIC社製、「RF−6型」)を使用して、2段(2回)に分けて行うことができる。具体的には、1段目(1回目)の蒸発工程では、混合液中の低沸点成分のうちの90%〜95%程度を蒸発留去し、2段目(2回目)の蒸発工程にて、1段目の蒸発工程で蒸発処理しきれなかった混合液中の残存低沸点成分を蒸発留去する。これにより、混合液中の低沸点成分をより確実に減少させることができる。
1段目の低沸点成分の蒸発留去条件は、ジャケット温度を130〜170℃程度とするのが好ましく、150〜160℃程度とするのがより好ましい。
蒸発機本体の内部圧力は、1330Pa(10Torr)以下とするのが好ましく、665Pa(5Torr)以下とするのが好ましい。
蒸発時間は、10分以内とするのが好ましく、3分以内とするのがより好ましい。
1段目の蒸発留去条件を、このように設定することにより、混合液中の低沸点成分のうちの90%以上を確実に蒸発留去することができる。
また、2段目の残存低沸点成分の蒸発留去条件は、ジャケット温度を130〜170℃程度とするのが好ましく、150〜160℃程度とするのが好ましい。
蒸発機本体の内部圧力は、133Pa(1Torr)〜400Pa(3Torr)程度とするのが好ましい。
蒸発時間は、5分以内とするのが好ましく、3分以内とするのがより好ましい。
2段目の蒸発留去条件を、このように設定することにより、混合液中の残存低沸点成分を確実に少なくすることができる。
なお、このような条件に設定して本工程を行うことにより、混合液(解重合溶液)中の残存低沸点成分の含有量を、好ましくは15分以内、より好ましくは10分以内に、好ましくは1000ppm以下、より好ましくは500ppm以下、さらに好ましくは100ppm以下にすることができる。
<粗BHET回収工程5>
主にBHETを蒸発させることにより、残留物中からBHETを回収して、粗BHETを得る。一方、蒸発機内には、主にBHETより沸点の高い高沸点成分が残留することとなる。
BHETの蒸発留去は、例えば、撹枠機付きジャケット式縦型薄膜蒸発機(UIC社製、「KD−6型」)を使用して行うことができる。
この蒸発機は、液体(残留物)を膜状に流下させつつ攪拌機により薄膜化し、蒸発に必要な熱を与える加熱ジャケットと、蒸発したBHETを短行程で凝縮させる内部コンデンサーを備える流下薄膜式蒸発装置である。
BHETは、熱的に非常に不安定であるため、本工程でのジャケット温度を可能な限り下げ、蒸発機の内部の真空度を高め、かつ残量物の蒸発機内での滞留時間を短くするのが好ましい。
残留物中からのBHETの蒸発留去条件は、ジャケット温度を190〜240℃程度とするのが好ましく、200〜210℃程度とするのがより好ましい。
蒸発機本体の内部圧力は、66.7Pa(0.5Torr)以下とするのが好ましく、13.3Pa(0.1Torr)以下とするのがより好ましい。
蒸発時間は、10分以内とするのが好ましく、3分以内であるのがより好ましい。
この蒸発機を用いて、残留物中からBHETを蒸発留去する際に、留出(回収)するBHET量と、蒸発残渣との割合とは、任意にコントロールすることができるが、留出するBHETの割合を70%〜85%程度とすることが好ましい。
なお、留出するBHET量を少なくすると、留出した粗BHETの品質はよくなるが、収率が低下する傾向がある。一方、留出するBHET量を多くすると、留出したBHET(粗BHET)の収率はよくなるが、品質が低下する傾向がある。
留出する粗BHETの品質は、後述する晶析工程8で得られる精製BHETの品質、ひいては、この精製BHETを原料として製造される循環リサイクルPET(PET樹脂)の品質に大きく影響する。このため、留出する粗BHETの割合は、この蒸発機へ供給される残留物の品質や組成に応じて適宜設定するのが好ましい。
一方、蒸発残渣中には、蒸発機で蒸発しきれなかったBHET、解重合反応によっても分解しきれなかった未反応オリゴマー、解重合反応に使用した触媒、解重合反応で生成した副反応生成物(MHETやDEG−Ester等)等が含まれるとともに、原料であるボトル、フィルム、繊維、産業用資材等に含まれている種々の化合物、例えば安定剤、帯電防止剤、易染化剤、艶消剤、難燃化剤、吸湿剤、ガスバリア剤、着色剤等も含まれる。
すなわち、これらの原料から持ち込まれる不純物は、留出する粗BHETの割合を調整することにより、一部例外を除いてほぼ全て蒸発残渣側に残すことができる。そして、この蒸発残渣は、廃棄処分に供される。
なお、この蒸発残渣は、その中の不純物の含有量等が許容値以内であれば、再度、解重合前の原料として繰り返して使用することもできる。この蒸発残渣を、再度、原料として繰り返して使用する場合の循環量は、留出する粗BHETの品質(回収された粗BHET中の不純物組成量や、着色度等)に基づいて設定するのが好ましい。
なお、本実施形態では、本BHET蒸発回収工程5と前記低沸点成分蒸発除去工程4とにより、混合液中から粗BHETを回収する回収工程が構成されている。このようにして、粗BHETを回収することにより、粗BHETの品質をより向上させることができる。
<熱水溶解工程6>
次に、回収された粗BHETを、加熱した水に溶解して水溶液を調整する。なお、BHETは、ある程度の温度にまで加熱した水(以下、「熱水」と記載する。)に容易に溶解させることができる。
また、BHETの熱水に対する溶解度は、熱水の温度が高くなるのにしたがって増加する傾向を示すが、熱効率を考慮すると、熱水の温度は、65〜85℃程度であるのが好ましく、65〜75℃程度であるのがより好ましい。
また、水溶液中のBHETの濃度は、熱水の温度に対するBHETの飽和溶解度以下ならばよく、特に限定されない。粗BHETと熱水との混合比で表した場合、粗BHET1重量部に対して、熱水を3〜10重量部とするのが好ましく、4〜7重量部とするのがより好ましく、4〜5重量部とするのがさらに好ましい。これにより、次の晶析工程(粗BHET精製工程)7での処理が行い易くなる。
なお、粗BHETと熱水との混合比は、晶析工程7での処理のし易さを含め、結晶化する精製BHETの結晶のサイズ、形状および得られる精製BHETの純度の点から適宜決定するのが好ましい。
<着色要因物質除去工程7>
次に、水溶液が着色する要因となる着色要因物質を含有する場合、この着色要因物質を除去する。これにより、得られる精製BHETは、より着色度の低い(すなわち、純度が高く光学密度が低い)ものとなる。
なお、この着色要因物質としては、例えば、アルデヒド化合物(以下詳述する。)や、原料に含まれていた色素(染料等)が挙げられる。
一般的に、PETを触媒の存在下、過剰のEGで解重合すると、得られるPETの解重合溶液は、淡黄色ないし褐色に着色することがある。
着色要因物質の構造は明らかではないが、一般に有機化合物の着色は、二重結合に関係している。すなわち、解重合溶液の着色は、発色団−助色団理論によれば有機化合物中の不飽和結合、共役二重結合が光の選択的な吸収を引き起こすためと考えられている。
ここで発色団には、例えば、カルボニル基(>C=O)、アゾ基(−N=N−)、ビニル基(>C=C<)などがあり、助色団には、アミノ基(−NH)、ヒドロキシル基(−OH)等が知られている。
例えば、EGを酸素ガス存在下で加熱すると着色してくる。この着色に関与する着色物質の構造は明らかでないが、着色の理由は、次のようなことであろうと推察される。
すなわち、まず、EGは加熱により分解してアセトアルデヒド(以下、「AA」と記載する。)が生成する。このAAのアルドール縮合の繰り返しにより共役二重結合を有するアルデヒド化合物(CH(CH=CH)CHO、n>1)(以下、「CAA」と記載する。)が生成する。AAの縮合度が低い場合には、紫外光が吸収されるが、縮合が進みCAAの共役二重結合の数(すなわち、nの数)が大きくなってくると、可視光が吸収されるようになる。その結果、EGが着色してくると考えられる。
ところで、このCAA(着色要因物質)を除去する方法としては、CAAを、I:活性炭、酸性処理粘土、白土等の吸着剤に接触させる吸着剤処理、II:塩素系漂白剤、過酸化物系漂白剤、還元漂白剤等の漂白剤(分解剤)で、CAAを分解(二重結合を破壊)する漂白剤処理(分解処理)、およびIII:CAAを水添触媒(還元剤)の存在下に、二重結合およびアルデヒド基を還元する水添処理(還元処理)等が挙げられる。これらの処理を用いることにより、簡便かつ短時間で着色要因物質の除去が可能となる。
中でも、水添処理を行うと、CAAは、飽和の脂肪族アルコールとなり、水に易溶性となるため、除去し易くなるというメリットがある。
具体的には、吸着処理では、吸着剤として、特定の活性炭を使用することが極めて有効であり、特に、800〜1200m/gの表面積を有し、かつ薬品賦活した活性炭を使用するのが好ましい。この場合、水溶液(着色要因物質)と吸着剤との接触時間は、特に限定されないが、10〜60分間程度とするのが好ましい。
また、漂白剤処理では、過酸化水素、オゾン等の過酸化物を1種または2種以上を組み合わせて使用することが好ましく、水溶液中の過酸化物の濃度は、0.001%(10ppm)以上(特に、0.001%(10ppm)〜1%(10000ppm)程度)とするのが好ましい。この場合、水溶液(着色要因物質)と過酸化物との接触時間は、特に限定されないが、10〜60分間程度とするのが好ましい。
また、水添処理では、Ni、Pd、Pt等の還元触媒、または炭素、シリカ、アルミナに還元触媒を担持させた担持触媒を用いるのが好ましい。中でも、水添処理では、特に、炭素にNiまたはPdを1〜5%程度、担持させた触媒を用いるのが好ましい。
また、水溶液中の水素濃度は、0.001%(10ppm)〜1%(10000ppm)程度とするのが好ましい。この場合、水溶液(着色要因物質)と触媒との接触時間は、特に限定されないが、5〜60分間程度とするのが好ましい。
各処理の条件を上記のように設定することにより、水溶液中の着色要因物質をより確実に除去すること、すなわち、水溶液の脱色をより確実に行うことができる。
上記の吸着剤処理、漂白剤処理および水添処理は、前記粗BHET回収工程5において回収された粗BHET中に含まれる着色要因物質の量に応じて、1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記の処理の3種を組み合わせて用いる場合、その処理の順序は、特に制限されないが、漂白剤処理、水添処理、吸着剤処理の順で行うのが好ましい。
このような順番で処理を行うことにより、まず、漂白剤処理により、着色要因物質の二重結合が酸化分解されてカルボニル基(>C=O基)が生成するとともに、共役二重結合が消失するので色が消える。そして、このカルボニル基は、水添処理により、より水に溶解しやすいアルコール(>CH−OH基)に還元される。この低分子量のアルコール化合物は、活性炭素に吸着され易い。したがって、このような順で着色要因物質の除去をおこなうことにより、着色要因物質を、効率よく除去し得るものと推察される。
なお、この着色要因物質除去工程7は、必要に応じて設けるようにすればよく、省略することもできる。
<晶析工程8>
次に、水溶液中において、BHETを晶析(結晶化)する。
BHETを再結晶する場合、得られる精製BHETの収率や品質は、用いる溶媒に大きく影響される。
BHETの再結晶用の溶媒としては、例えば、THF、アセトン、ジオキサン等の有機溶剤類、メタノール、エタノール、EG等のアルコール類や、水が知られている。
有機溶剤類やアルコール類を用いてBHETの再結晶を行うと、析出してくるBHETは、圧倒的に鱗片状の板状結晶となる。この場合、結晶中に溶媒が取り込まれやすく、結晶と溶媒とを固液分離するのが困難となる。さらに、結晶中に溶媒が取り込まれると、溶媒中に溶存する各種不純物も結晶に取り込まれる。このため、精製BHETの収率および品質が低下する。
また、アルコール類は、空気中の水分を吸収し易いために、アルコール中の水分含有率が変動し、析出する結晶状態も一定しなくなる。このように析出する結晶状態が変動すると、BHETと溶媒との固液分離が安定せず、変動しやすくなるという欠点がある。
さらに、有機溶剤類やアルコール類は、低温においてもBHETに対する溶解度が大きいため、仮に晶析温度を低温としても、精製BHETの収率が低下するという欠点がある。また、低温で晶析を行うと、有機溶剤類やアルコール類の粘度が上昇し、BHETと有機溶剤類やアルコール類との固液分離が困難になるという欠点もある。
以下に、有機溶剤類およびアルコール類に対するBHETの溶解度を示す。
アセトン(5℃) :3.7(w/v%)
THE(5℃) :5.2(w/v%)
ジオキサン(15℃):5.2(w/v%)
メタノール(15℃):8.4(w/v%)
ブタノール(15℃):6.6(w/v%)
EG(15℃) :3.7(w/v%)
一方、本発明者の検討によれば、水をBHETの再結晶用の溶媒として用いる場合には、析出してくるBHETは、極めて高品質な針状結晶であることが判った。また、低温時では水の粘度が低いため、BHETと水との固液分離が容易である。このようなことから、水は、BHETの極めて優れた再結晶溶媒であるという結論に至った。
なお、水(20℃)に対するBHETの溶解度は、0.5(w/v%)である。
ちなみに、20℃におけるEGの粘度は、20cP程度であり、水の粘度は、1cP程度である。
このように、水中においてBHETの晶析(結晶化)を行うことにより、高品質の精製BHETを高収率で得ることができる。
また、本工程においては、水溶液(BHET水溶解液)を急冷する急冷ステップを有するのが好ましく、急冷ステップの後、この急冷ステップにおける冷却速度より遅い冷却速度で水溶液を徐冷する徐冷ステップを有するのがより好ましい。さらに、徐冷ステップでは、溶解液を冷却する速度を少なくとも2回変化させるのが好ましい。これにより、より高品質の精製BHETを得ることができる。
具体的には、水溶液を、前記熱水溶解工程6における熱水の温度から65℃までを急冷し、65℃から40℃までを1〜10℃/時間で徐冷し、40℃から20℃(室温)までを5〜20℃/時間で徐冷するのが好ましい。これにより、高品質なBHETの針状結晶を析出させることができる。
<分離工程9>
次に、結晶化したBHETを水溶液から分離して、精製BHETを得る。
BHETを水溶液から分離する方法(分離方法)としては、例えば、遠心分離法、デカンテーション法、加圧濾過法、真空濾過法、クロマトグラフィー法等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。中でも、分離方法には、遠心分離法が好適に用いられる。遠心分離法によれば、水溶液から容易にBHETを分離することができる。なお、水から再結晶したBHETは良好な針状結晶であるため、遠心分離法により容易に固液分離を行うことができる。
また、分離された結晶は、必要に応じて純水等の水で洗浄(リンス)するようにしてもよい。洗浄(リンス)を行うことにより、BHETの精製度を更に高めることができる。
例えば、縦型の遠心分離機で800Gの遠心力をかけて固液分離を行った後、純水でBHETを洗浄し、再度800Gの遠心力をかけて固液分離を行うことができる。これにより、BHET中に残存する水分の量を、8〜12%と低い状態にすることができる。その結果、次の乾燥工程10における水分負荷量を減少することができる。さらには、遠心分離されたままのBHETを直接PET重合工程中のエステル化設備に供給して使用することができる。
また、室温程度の水に対するBHETの溶解度は低いため、精製BHETの収率も工業的に十分満足できるものとなる。
一方、再結晶溶媒としてEGを用いた場合、圧倒的に鱗片状の板状結晶となり、かつ、固液分離時の温度におけるEG粘度が高いため、通常の遠心分離機では固液分離を行うことが困難を極める。したがって、再結晶溶媒としてEGを用いた場合には、固液分離には、特殊なフィルタープレスを使用せざるを得ず、固液分離が極めて煩雑となる。
また、室温程度のEGに対するBHETの溶解度が高いため、精製BHETを十分な収率で得ることができない。
さらに、再結晶溶媒として解重合溶液から分離したEGを使用して晶析を行うと、結晶の殆ど全てが鱗片状の板状結晶となる。このため、固液分離がなお―層困難となり、BHETの収率が悪化する。これは、解重合溶液中のEGに対するBHETの溶解度が、純粋なEGのそれに対して20〜30%程度増加することが原因である。
この理由は、解重合溶液中のEGに含まれるDEG、DEG−Esterが影響を及ぼし、純粋なEGの溶解度からBHETの溶解度が大きく乖離するのではないかと推測される。
以上の分離工程9では、固液分離された精製BHET中の残存水分量が8〜20wt%程度(特に、8〜12wt%程度)となるように行うのが好ましい。これは、良好な晶析条件、すなわち、結晶形状が良好な針状となるように晶析温度を調整する方法(冷却方法)を選定し、同時に、最適な固液分離機の選定を行うことにより可能である。
<乾燥工程(水分除去工程)10>
次に、得られた精製BHET中に含まれる水分を除去する。すなわち、精製BHETを乾燥する。
乾燥の方法としては、例えば、熱風加熱乾燥法、低温減圧乾燥法、加熱真空蒸発乾燥法、フリーズドライ、乾燥剤による乾燥等の方法が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。中でも、乾燥の方法は、加熱真空蒸発乾燥法を用いるのが好ましい。加熱真空蒸発乾燥法によれば、容易かつ確実に、精製BHET中の水分の量を減少せしめることができる。
この場合、加熱真空蒸発乾燥法は、BHETを鉛直方向に沿って落下させつつ行う方法(流下薄膜式加熱真空蒸発乾燥法)が好ましく、特に、落下するBHETを攪拌しつつ行うのが好ましい。なお、かかる方法は、攪拌機付き流下薄膜式加熱真空蒸発装置を用いることにより好適に行うことができる。このようにして、精製BHETを乾燥することにより、精製BHET中の水分の量を、目的とする程度にまで十分に減少せしめることができる。
流下薄膜式加熱真空蒸発乾燥を行う際の温度は、特に限定されないが、150℃以下とするのが好ましく、120℃以下とするのがより好ましい。
流下薄膜式加熱真空蒸発乾燥を行う際の真空度は、2660Pa(20Torr)以下とするのが好ましく、1330Pa(10Torr)以下とするのがより好ましい。
このような条件で精製BHETの乾燥を行うことにより、乾燥効率が悪くなること、乾燥機が大型化することや、残存水分の影響で精製BHET中のMHET量が増加することを好適に防止することができる。
なお、固液分離された精製BHET中の残存水分量は低い程、これを使用したPETの製造を経済効率的に行えるが、あまりに低くすることは固液分離におけるコストが増大するため、工業的な経済合理性から逸脱するため好ましくない。
この乾燥後の精製BHET中の残存水分量は、任意に調整することができる。
なお、この乾燥工程10は、必要に応じて設けるようにすればよく、省略することもできる。
例えば、固液分離後のBHET中の残存水分量が8〜12wt%程度である場合、精製BHETを乾燥することなく、直接PET重合工程中のエステル化設備に供給して使用することができる。
かかる精製BHETを直接PET重合工程中のエステル化設備に供給して使用する場合、A:ウェットな精製BHETを粉体状で直接エステル化設備に供給する方法、B:ウェットな精製BHETに、さらに水を適量添加してスラリー化し、このスラリーをポンプによりエステル化設備に供給する方法、C:ウェットな精製BHETにEGを適量添加してスラリー化し、このスラリーをポンプによりエステル化設備に供給する方法のいずれかを選択することができる。これらの方法は、状況に応じて適宜選択するようにすればよいが、特にCの方法を使用するのが好ましい。Cの方法によれば、添加したEGのモル数に相当する高純度テレフタル酸をエステル化設備に追加することにより、そのままPET(PET樹脂)を製造し得るという利点がある。
なお、Aの方法を使用する場合、粉体の状況等によっては、搬送容器、仕込み配管等にウェットな精製BHETが付着し、仕込みに困難が生じるおそれがあり、Bの方法を使用する場合、添加する水の量等によっては、余分な水分をエステル化設備で蒸発させるための追加の熱エネルギーが必要となり好ましくない。
そして、精製BHETを、例えば、Sb、Ge、又はチタン系触媒の存在下に重合する。これにより、PETが製造される。
なお、以上説明した各工程1〜10は、それぞれ、回分式、連続式、または回分式と連続式とを組合わせて行なうことができる。
以上、本発明のビス−(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートの製造方法およびポリエチレンテレフタレートの製造方法について図示の実施形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、任意の目的の1または2以上の工程を追加するようにしてもよい。
以下、本発明の具体的実施例について説明する。
1.BHETおよびPETの製造
(実施例1)
まず、着色PETボトル10wt%を含む、使用済みPETボトルをカッターナイフ付き湿式粉砕機に投入、粉砕して、平均サイズ8mm角のフレークを得た。
次に、フレークを取り出し、このフレーク50kgに対して、4wt%濃度のNaOH水溶液200kgを添加して、80〜85℃に加温して30分間攪拌洗浄した。
その後、固液分離し、水洗してNaOH分を除き、このフレークを純水で濯ぎ、遠心脱水した後、このフレークを真空乾燥した。
なお、乾燥後のフレーク中の水分の含有量は500ppmであった。
また、染色された市販の100%PET繊維を無作為に購入し、鋏で8mm角程度に裁断したものを真空乾燥した。
なお、乾燥後の繊維中の水分の含有量は60ppmであった。
また、染色された自動車(トヨタ社製、「セルシオ」)の廃シートベルトを、鋏で8mm角程度に裁断し、真空乾燥した。
なお、乾燥後のシートベルト中の水分の含有量は50ppmであった。
次に、攪拌機および精留塔を備えたオートクレーブに、上記乾燥フレーク20kg、上記乾燥繊維8kg、および上記乾燥シートベルト2kg(PET成分合計30kg:156モル)と、EG168kg(EG/PET=5.6重量比)と、触媒としてMg(OH)108g(Mg=1500ppm/PET)とを供給して混合液を得た。
なお、上記EG中の水分の含有量は1000ppmであった。
その後、窒素置換および減圧脱気を3回繰り返して行った後、EGよりも沸点の低い留分を精留塔々頂から系外に除去しつつ、常圧下で197〜200℃の温度×1.5時間で、解重合反応を行った。
なお、解重合開始時および解重合反応中における、混合液中の水分の含有量は、100ppm、雰囲気中の酸素ガスの含有量は、ほぼ0であった。
反応終了後、攪拌しつつ混合液の温度を、45分間で97〜98℃まで冷却した。
冷却後の混合液は、激しく着色していた。
なお、冷却混合液中に含まれる高沸点成分の組成は、以下の通りであった。
BHET :94wt%
MHET :0.2wt%
DEG−Ester:0.3wt%
未反応オリゴマー :5.5wt%
冷却後、平均細孔径60μmのステンレス製の金網フィルターを用いて、熱時粗大物を濾過し、さらに1μmの繊維フェルトバグフィルターで濾過して、混合液中の浮遊物および沈殿物を除去した。
濾過後の混合液も、激しく着色していた。
次に、上記混合液を、攪拌機付きジャケット式縦型薄膜蒸発機(UIC社製、「RF−6型」)に供給し、ジャケット温度150℃、蒸発機本体の内部圧力533Pa(4Torr)の条件で、混合液から低沸点成分を蒸発させて、1段目の濃縮液を得た。
なお、蒸発機内における低沸点成分の滞留時間は、計算では概略1分であった。
また、1段目の濃縮液は、激しく着色していたが、濃縮液中の残存低沸点成分の含有量は、5.8wt%であった。
次いで、1段目の着色した濃縮液を、再度、上記の攪拌機付きジャケット式縦型薄膜蒸発機(UIC社製、「RF−6型」)に供給し、ジャケット温度150℃、蒸発機本体の内部圧力133Pa(1Torr)の条件で濃縮液中の残存低沸点成分を蒸発させて、2段目の濃縮液(高沸点成分)を得た。
蒸発機内における濃縮液の滞留時間は、計算では概略1分であった。
また、2段目の濃縮液は、激し<着色していたが、濃縮液中の残存低沸点成分の含有量は、40ppmであった。
次に、2段目の激しく着色した濃縮液(高沸点成分)を、攪拌機付きジャケット式縦型薄膜蒸発機(UIC社製、「RF−6型」)に供給し、BHET蒸発留分と蒸発残渣(釜残)との重量比が8:2となるように条件設定をした。
なお、このときの設定条件は、ジャケット温度202℃、蒸発機本体の内部圧力13Pa(0.1Torr)であった。
蒸発機内における高沸点成分の滞留時間は、計算では概略1.5分であった。
また、蒸発留去して得られた粗BHETには、目視では着色は見られなかった。
次に、得られた粗BHET27kgを、70℃の熱水108kg(粗BHET/水=1/4重量比)に溶解させた。
なお、この粗BHETは、完全に熱水に溶解していることが目視にて確認された。
次に、この水溶液を晶折槽に供給し、70℃から65℃まで急冷し、65℃から40℃までを5時間かけて徐冷し、40℃から20℃までを2時間かけて徐冷し、BHETの結晶を晶折、析出させた。
なお、得られた結晶は、良好な針状結晶であり、結晶の平均長は、80〜120μmであった。
その後、水溶液を20℃に維持しながら、縦型の遠心分離機で固液分離を行い、遠心分離機内に得られた精製BHETを15℃の純水で洗浄した後、再度固液分離した。
次に、この精製BHETを原料として、アンチモン系触媒を用いて溶融重縮合反応を行って、PETを得た。
(実施例2)
次に、染色された市販の100%PET繊維を無作為に購入し、鋏で8mm角程度に裁断したものを真空乾燥した。
なお、繊維中の水分の含有量は60ppmであった。
次に、攪拌機および精留塔を備えたオートクレーブに、上記乾燥繊維30kg(156モル)と、EG168kg(EG/PET=5.6重量比)と、触媒としてMg(OH)108g(Mg=1500ppm/PET)とを供給して混合液を得た。
なお、上記EG中の水分の含有量は1000ppmであった。
その後、前記実施例1と同様の条件で、解重合反応を行った。
次いで、前記実施例1と同様の条件で、各工程の操作を行い、蒸発留去された粗BHETを得た。
なお、蒸発留去して得られた粗BHETは、目視で視認できる程度に着色していた。
次に、着色した粗BHETを、実施例1と同様の条件で、熱水に溶解し、粗BHETが完全に溶解していることを確認した後、この水溶液中に、30%濃度の過酸化水素水1.8kg(熱水中の過酸化水素濃度=概略4000ppm)とNaOH50gとを添加して15分間攪拌、酸化した(漂白剤処理)。
次いで、5%Pd/炭素の担持触媒50kgを充鎮した水添塔(直径30cm×高さ90cm)に、水溶液をSV=0.57/hr(SV=時間当たり通液量/触媒充填量)で通液し(通液時間=28分)、かつ水溶液中の水素ガスの含有量が0.01%(100ppm)となるように、水素ガスの添加量を調整しつつ還元処理を行った(水添処理)。
次いで、リン酸賦活した表面積1000m/gの活性炭55Lを充填したカラム(直径30cm×高さ90cm)に、SV=0.57/hrで水溶液を通液し(通液時間=17分)吸着処理を行った(吸着剤処理)。
次に、上記のように、着色要因物質の除去処理を施した水溶液を、前記実施例1と同様の条件で晶析、固液分離し、精製BHETを得た。
次に、この精製BHETを原料として、アンチモン系触媒を用いて溶融重縮合反応を行って、PETを得た。
(実施例3)
まず、着色PETボトル10wt%を含む、使用済みPETボトルをカッターナイフ付き湿式粉砕機に投入、粉砕して、平均サイズ8mm角のフレークを得た。
次に、フレークを取り出し、このフレーク50kgに対して、前記実施例1と同様にして200kgの4%NaOH水溶液を添加して、80〜85℃に加温して30分間洗浄した。
その後、固液分離し、水洗してNaOH分を除き、このフレークを純水で濯ぎ、遠心脱水して、湿潤フレークとした。
この湿潤フレークを、そのまま原料として使用した。
湿潤フレーク中の水分の含有量は、付着水分も含めて1.5%であった。
次いで、解重合反応に使用するEG中の水分の含有量を1%に調整した。
次に、攪拌機および全還流冷却器(精留塔なし)を備えたオートクレーブに、上記湿潤フレーク30kgと、上記EG170kg(EG純分/PET=5.61重量比)と、触媒としてMg(OH)108g(Mg=1500ppm/PET)とを供給して混合液を得た。
その後、減圧脱気も窒素置換も行うことなく、常圧下に、沸騰状態(197〜200℃の温度)×4時間で解重合反応を行った。
なお、解重合開始時および解重合反応中における、混合液中の水分の含有量は1.4%、雰囲気中の酸素ガスの含有量は1000ppmであった。混合液中の水分が1.4%となった原因は、EG相互の反応によりDEGが生成する際に生じる水分が増加したものと推定される。
次に、解重合反応終了後、前記実施例1と同様の条件で、混合液を冷却した。
冷却後の混合液は、茶褐色に着色していた。
なお、冷却混合液中に含まれる高沸点成分の組成は、以下の通りであった。
BHET :85wt%
MHET :3.0wt%
DEG−Ester:4.0wt%
未反応オリゴマー :8.0wt%
次いで、前記実施例1と同様の条件で、混合液中の浮遊物および沈殿物を濾過した。
濾過後の混合液も、茶褐色に着色していた。
以降の工程は、前記実施例1と同様の条件で、晶析、固液分離までの処理を行い、精製BHETを得た。なお、前記実施例2に記載した着色要因物質の除去は、省略した。
次に、この精製BHETを原料として、アンチモン系触媒を用いて溶融重縮合反応を行って、PETを得た。
(実施例4)
まず、着色PETボトル10wt%を含む、使用済みPETボトルをカッターナイフ付き湿式粉砕機に投入、粉砕して、平均サイズ8mm角のフレークを得た。
次に、フレークを取り出し、このフレーク50kgに対して、前記実施例1と同様にして200kgの4%NaOH水溶液を添加して、80〜85℃に加温して30分間洗浄した。
その後、固液分離し、水洗してNaOH分を除き、このフレークを純水で濯ぎ、遠心脱水して、湿潤フレークとした。
この湿潤フレークを、そのまま原料として使用した。
湿潤フレーク中の水分の含有量は、付着水分も含めて1.5%であった。
次に、攪拌機および全還流冷却器(精留塔なし)を備えたオートクレーブに、上記湿潤フレーク30kgと、上記EG170kg(EG純分/PET=5.61重量比)と、触媒としてMg(OH)108g(Mg=1500ppm/PET)とを供給して混合液を得た。
なお、上記EG中の水分の含有量は1000ppmであった。
その後、オートクレーブ中に1L/分の速度で乾燥空気(露点=−20℃)を吹き込みつつ、常圧下に、沸騰状態(197〜200℃の温度)×4時間で解重合反応を行った。
なお、解重合開始時および解重合反応中における、混合液中の水分の含有量は4000ppm、雰囲気中の酸素ガスの含有量は3500ppmであった。
次に、解重合反応終了後、前記実施例1と同様の条件で混合液を冷却した。
冷却後の混合液は、茶褐色に着色していた。
なお、冷却混合液中に含まれる高沸点成分の組成は、以下の通りであった。
BHET :88wt%
MHET :2.0wt%
DEG−Ester:2.5wt%
未反応オリゴマー :7.5wt%
次いで、前記実施例1と同様の条件で、混合液中の浮遊物および沈殿物を濾過した。
濾過後の混合液も、茶褐色に着色していた。
以降の工程は、前記実施例1と同様の条件で、晶析、固液分離までの処理を行い、精製BHETを得た。なお、前記実施例2に記載した着色要因物質の除去は、省略した。
次に、この精製BHETを原料として、アンチモン系触媒を用いて溶融重縮合反応を行って、PETを得た。
(比較例)
実施例4で得られた冷却混合液の濾過液を25kg/Hrの速度で連続的に晶折槽に供給し、25℃×8時間で、EG中でBHETの結晶を晶折、析出させた。
得られた結晶は、殆どが鱗片状の板状結晶であり、結晶の平均長は、10〜40μmであった。
その後、フィルタープレス機で固液分離を行った。
固液分離されたBHET結晶中に含まれるEG残存含有量は48wt%であった。
次いで、このBHET結晶を、攪拌機を備えたオートクレーブに仕込み、100℃×1330Pa(10Torr)の条件で8時間かけてBHET結晶中の残存EGを留去した。
上記操作中にBHETが一部重縮合し、EG留去後に得られたBHET中のオリゴマー含有量は28wt%であった。
次に、得られたBHETおよびオリゴマーを原料として、アンチモン系触媒を用いて溶融重縮合反応を行って、PETを得た。
2.分析結果
各実施例および比較例で得られた精製BHETの分析結果を、下記表1に示す。なお、表1には、市販の試薬グレードBHETの分析結果を併せて示す。
Figure 0005189266
なお、表1中の「S%」は、精製BHETを液体クロマトグラフィーで分析したときに得られるチャートのピーク面積から求めた比率(面積%)を示す。
表1に示すように、実施例1および実施例2で得られた精製BHETは市販の試薬グレードBHETと同等の品質を有するものであった。
なお、実施例3で得られた精製BHETは、実施例1および実施例2で得られた精製BHETに比較して、純度が若干低下する傾向を示した。これは、解重合反応時の混合液中の水分が影響したものと推察される。
また、実施例4で得られた精製BHETも、実施例1および実施例2で得られた精製BHETに比較して、カラー(特にb値)が若干低下する傾向を示した。これは、解重合反応時の雰囲気中の酸素ガスが影響したものと推察される。
これに対して、比較例で得られた精製BHETは、全ての点で明らかに品質が劣るものであった。
また、各実施例および比較例で得られたPETの分析結果を、下記表2に示す。なお、表には、原料として高純度テレフタル酸と市販EGを使用し、触媒としてアンチモン系触媒を用いて製造したオリジナルPET(参考例)の分析結果を併せて示す。
Figure 0005189266
表2に示すように、実施例1および実施例2で得られたPETは、いずれも色調(L、a、b値)において参考例と同等または近いものであった。また、実施例1および2で得られたPETは、末端カルボキシル基、DEG含有量が少なく、品質が優れていることが確認された。
実施例3および実施例4で得られたPETは、参考例と比較してカラー(特にb値)が低下する傾向を示した。
これに対して、比較例で得られたPETは、明らかに品質が劣るものであった。
本発明のビス−(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートの製造方法の実施形態を示すフローチャートである。
符号の説明
1……混合液調製工程 2……解重合工程 3……異物除去工程 4……低沸点成分蒸発除去工程 5……粗BHET回収工程 6……熱水溶解工程 7……着色要因物質除去工程 8……晶析工程 9……分離工程 10……乾燥工程

Claims (13)

  1. ポリエチレンテレフタレートを含む原料と、触媒とを、エチレングリコールに混合して、混合液を調製する混合液調製工程と、
    前記混合液中において、前記触媒の作用により、前記ポリエチレンテレフタレートを解重合してビス−(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートを得る解重合工程と、
    前記混合液中から、前記ビス−(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートを回収する回収工程と、
    回収された前記ビス−(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートを、加熱した水のみに溶解して水溶液を調整する熱水溶解工程と、
    前記水溶液を急冷する急冷ステップと、該急冷ステップにおける冷却速度より遅い冷却速度で前記水溶液を冷却する徐冷ステップとを経ることにより、前記水溶液中において、前記ビス−(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートを晶析して、その針状結晶を得る晶析工程と、
    前記ビス−(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートの針状結晶を、前記水溶液から分離する分離工程とを有することを特徴とするビス−(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートの製造方法。
  2. 前記解重合工程において、解重合反応開始時の前記混合液中の水分の含有量を100ppm以下とする請求項1に記載のビス−(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートの製造方法。
  3. 前記解重合工程において、解重合反応開始時の雰囲気中の酸素ガスの含有量を100ppm以下とする請求項1または2に記載のビス−(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートの製造方法。
  4. 前記回収工程は、前記ビス−(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートより沸点の低い低沸点成分を蒸発させることにより、前記混合液中から低沸点成分を除去して残留物を得るステップと、
    前記ビス−(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートを蒸発させることにより、前記残留物中からビス−(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートを回収するステップとを有する請求項1ないし3のいずれかに記載のビス−(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートの製造方法。
  5. 前記熱水溶解工程と前記晶析工程との間に、さらに前記水溶液が着色する要因となる着色要因物質を除去する着色要因物質除去工程を有する請求項1ないし4のいずれかに記載のビス−(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートの製造方法。
  6. 前記着色要因物質除去工程において、前記着色要因物質の除去は、前記着色要因物質を吸着剤に接触させる吸着処理、前記着色要因物質を分解剤で分解する分解処理、および前記着色要因物質を還元剤で還元する還元処理のうちの少なくとも1つにより行われる請求項1ないし5のいずれかに記載のビス−(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートの製造方法。
  7. 前記着色要因物質除去工程において、前記着色要因物質の除去は、前記分解処理、前記還元処理、前記吸着処理の順で行われる請求項6に記載のビス−(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートの製造方法。
  8. 前記晶析工程における前記急冷ステップでは、前記水溶液の温度を65℃まで急冷する請求項1ないし7のいずれかに記載のビス−(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートの製造方法。
  9. 前記晶析工程における前記徐冷ステップでは、前記水溶液を冷却する速度を少なくとも2回変化させる請求項1ないし8のいずれかに記載のビス−(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートの製造方法。
  10. 前記晶析工程における前記徐冷ステップでは、前記水溶液を65℃から40℃まで1〜10℃/時間で除冷し、40℃から20℃まで5〜20℃/時間で除冷する請求項9に記載のビス−(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートの製造方法。
  11. 前記分離工程において、前記ビス−(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートは、遠心分離により前記水溶液から分離される請求項1ないし10のいずれかに記載のビス−(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートの製造方法。
  12. 前記分離工程の後、さらに、前記ビス−(2−ヒドロキシエチル)テレフタレート中に含まれる水分を、加熱真空蒸発乾燥法により除去する水分除去工程を有し、
    該水分除去工程において、前記加熱真空蒸発乾燥法は、前記ビス−(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートを鉛直方向に沿って落下させるとともに、攪拌しつつ行われる請求項1ないし11のいずれかに記載のビス−(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートの製造方法。
  13. 請求項1ないし12のいずれかに記載のビス−(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートの製造方法によりビス−(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートを得る工程と、
    前記ビス−(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートを重合および/または前記ビス−(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートとテレフタル酸とを重合してポリエチレンテレフタレートを製造する工程とを有することを特徴とするポリエチレンテレフタレートの製造方法。
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