JP5188397B2 - 撮像装置および情報コード読取装置 - Google Patents
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Description
特に、デジタルカメラに象徴されるように撮像面はフィルムに変わって固体撮像素子であるCCD(Charge Coupled Device),CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサが使用されているのが大半である。
この撮像レンズ装置1は、光学系2とCCDやCMOSセンサ等の撮像素子3とを有する。
光学系は、物体側レンズ21,22、絞り23、および結像レンズ24を物体側(OBJS)から撮像素子3側に向かって順に配置されている。
図2A〜図2Cは、撮像レンズ装置1の撮像素子3の受光面でのスポット像を示している。
また、伝達関数を用いたフィルタ処理を行うデジタルカメラの自動露出制御システムが提案されている(たとえば特許文献6,7参照)。
バーコードの読み取りは、たとえば第一の例としてレンズを繰り出すオートフォーカスでピントを合わせる技術や、第二の例として深度拡張技術としては、たとえばカメラにおいてF値を絞ることで被写界深度を広げて固定ピントとしているものがある。
さらに、ピントの合う被写界を増やす手法は、たとえば特許文献8に開示されている。
したがって、単焦点でのレンズではともかく、ズーム系やAF系などのレンズでは、その光学設計の精度の高さやそれに伴うコストアップが原因となり採用するには大きな問題を抱えている。
換言すれば、従来の撮像装置においては、適正なコンボリューション演算を行うことができず、ワイド(Wide)時やテレ(Tele)時のスポット(SPOT)像のズレを引き起こす非点収差、コマ収差、ズーム色収差等の各収差を無くす光学設計が要求される。
しかしながら、これらの収差を無くす光学設計は光学設計の難易度を増し、設計工数の増大、コスト増大、レンズの大型化の問題を引き起こす。
さらに、樹脂レンズが強いパワーを持ってしまうと、温度変化による性能変化は著しく復元処理を行っても十分な画質を得ることができず、また、環境により被写界深度が異なってくる。
さらに、樹脂レンズとレンズ保持部の線膨張が異なると、温度変化に伴う膨張率の違いで、レンズががたついたり、クラックの入るおそれもある。
fpla ≧ 15.0mm
図4A〜図4Cは、情報コードを例を示す図である。
図5は、図3の情報コード読取装置に適用される撮像装置の構成例を示すブロックである。
読み取り対象の情報コードとしては、たとえば図4Aに示すような、JANコードのような1次元のバーコード122と、図4Bおよび図4Cに示すようなスタック式のCODE49、あるいはマトリックス方式のQRコードのような2次元のバーコード123が挙げられる。
撮像装置200は、後で詳述するように、光学系に光波面変調素子を適用し、光波面変調素子により光束を規則的に分散し、デジタル処理により復元させ被写界深度の深い画像撮影を可能にする波面収差制御光学系システム、あるいは深度拡張光学系システム(DEOS:Depth Expantion Optical system)というシステムを採用し、JANコードのような1次元のバーコードとQRコードのような2次元のバーコードのような情報コードを的確に高精度で読み取ることが可能に構成されている。
光学系210Aは、被写体物体OBJを撮影した像を撮像素子220に供給する。また、光学系210Aは、第1レンズ211、第2レンズ212、絞り213、第3レンズ214、および第4レンズ215を有している。
光学系210Aは、物体側から順に、第1レンズ211、第2レンズ212、絞り213、第3レンズ214、第4レンズ215が配置されている。
本実施形態の光学系210Aは、第3レンズ214と第4レンズ215が接続されている。すなわち、本実施形態の光学系210Aのレンズユニットは、接合レンズを含んで構成されている。
物体と接触する側の第1レンズ211、第3レンズ214、および第4レンズ215はガラスにより形成され、第2レンズ212は樹脂により形成されている。
そして、ガラスに比べて線膨張が大きく、温度変化に敏感に反応する樹脂レンズのパワーを制御することにより使用環境が低温から高温にまで及んだとしても十分な性能を確保することができ、さらに深度拡張光学系において、被写界深度の温度変化を緩和することができるように構成されている。
fpla ≧ 15.0mm (条件式1)
さらに、光学系210Aにおいて、レンズを保持する部分(ホルダ)210aの線膨張係数が樹脂レンズに比べて小さいように設定されることが望ましい。
第2レンズ212の撮像面側の面の光軸を中心とした中央部212aが所定の曲率を持たせて凹状に形成されており、この形状により第2レンズ212は、光波面変調素子の機能を有している。
図8は、樹脂レンズが強い正のパワーを持ったアナログのスポット像のディフォーカス図である。
図9は、本実施形態の光学系のように、樹脂レンズのパワーを抑えたアナログのスポット像のディフォーカス図である。
これに対して、本実施形態の光学系210Aは、樹脂レンズのパワーはガラスレンズのパワーに比べて小さく、光学系210Aのパワーに比べて小さくなるように各パワーが設定されていることから、図9に示すように、使用環境が低温から高温にまで及んだとしても十分な性能を確保することができ、さらに深度拡張光学系において、被写界深度の温度変化を緩和することができる。
また、第1レンズ211の屈折率はn1、分散値はν1、第2レンズ212の屈折率はn2、分散値はν2、第3レンズ214の屈折率はn3、分散値はν3、第4レンズ215の屈折率はn4、分散値はν4に設定される。
撮像光学系210を介した被写体OBJからの光が、撮像素子220の撮像面222上に結像される。
なお、撮像素子220で撮像される被写体分散像は、撮像素子220上ではピントが合わず、深度の深い光束とボケ部分が形成された像である。
そして、本実施形態においては、画像処理装置240にてフィルタ処理を加えることにより2物体間の距離の解像を補完することができるように構成されている。
この光学系210については、後でさらに詳述する。
図3においては、撮像素子220を一例としてCCDとして記載している。
タイミングジェネレータ231では、撮像素子220のCCDの駆動タイミングを生成している。A/Dコンバータ232は、CCDから入力されるアナログ信号をデジタル信号に変換し、画像処理装置240に出力する。
画像処理装置240、制御装置290の露出情報に応じて、光学的伝達関数(OTF)に対してフィルタ処理を行う。なお、露出情報として絞り情報を含む。
画像処理装置240は、撮像素子220による複数の画像に対して、光学的伝達関数(OTF)のレスポンスを向上させ、物体距離に応じた光学的伝達関数(OTF)の変化をなくすようにフィルタ処理(たとえばコンボリューションフィルタ処理)を行う機能を有し、複数の物体距離に依存しながらも、深い被写界深度を得る。また、画像処理装置240は、最初のステップでノイズ低減フィルタリングを施す機能を有する。
画像処理装置240は、光学的伝達関数(OTF)に対してフィルタ処理を行いコントラストを改善する処理を施す機能を有する。
画像処理装置240の処理については後でさらに詳述する。
そして、本実施形態においては、光学系210の最も撮像素子220側に配置される最終レンズ(図6の場合、第4レンズ215)の撮像素子側の面から撮像素子までの間隔の熱によって伸縮する量が、撮像素子保持部の線膨張係数により調整される。
また、光学系の最も撮像素子220側に配置される最終レンズ(図6の場合、第4レンズ215)の撮像素子側の面から撮像素子までの間隔の熱によって伸縮する量が、レンズ保持部と撮像素子保持部の固定位置を変えることによって調整される。
以下に、前者の調整法方を第1の実施形態として、後者の調整方法を第2の実施形態として、鏡枠構造部の具体的な構成も含めて説明する。
本第1の実施形態におけるいわゆる鏡枠構造部300,300Aは、基本的に、図10および図11に示すように、レンズ保持部310と撮像素子保持部320とが別個に構成され、これらのレンズ保持部310と撮像素子保持部320は中間部材330によって固定されている。そして、レンズ保持部310と撮像素子保持部320の線膨張係数が異なる。
さらにこの線膨張係数による影響はレンズ保持部310の係数が撮像素子保持部320の係数に比べて大きく、この係数を制御することによりバックフォーカス位置ズレを緩和し使用環境が低温から高温にまで及んだとしても十分な性能を確保することができるように構成することができる。さらにDEOS(深度拡張光学系)において、被写界深度の温度変化も緩和することができるように構成されている。
そして、光学系210の最も撮像素子220側に配置される最終レンズ(図6の場合、第4レンズ215)の撮像素子側の面から撮像素子までの間隔の熱によって伸縮する量が、撮像素子保持部320の線膨張係数により調整される。
そして、レンズ保持部310の外側部の軸方向の中央より物体側が中間部材330の一端部と、たとえば接着剤340により固定されている。
レンズ保持部310は、たとえば樹脂により形成される。
また、撮像素子保持部320の上面側(物体側面)322には中間部材330の一端部331が接着剤等により固定されている。
撮像素子保持部320は、たとえば樹脂により形成される。
また、中間部材330の他端部は、内側に延びるように鍔部333が形成されており、この鍔部333の外側面(底面)が撮像素子保持部320の上面側322と当接するようにして固定されている。
この中間部材330は、線膨張係数が小さい金属材料、たとえばアルミニウム(Al)により形成される。
さらに、レンズ部分は高温になると屈折率は小さくなるため、特に影響力のある樹脂レンズが負のパワーをもつ場合、レンズパワーが弱くなりバックは短い方にシフトしてしまう。つまり鏡枠とレンズが悪い方向に温度変化してしまうことになる。
そのため、撮像素子保持部320が樹脂の場合、レンズ系の樹脂レンズは正のパワーであることが好ましい。
以下の実例で、樹脂レンズのパワーが正の場合に鏡枠でどのように緩和するかを示している。
今回の温度補正バレルについて高温の場合を想定すると
<1>:撮像素子保持部320は樹脂で形成されていて撮像素子220面を基準として物体側に大きくバックが伸びる。
<2>:アルミニウムにより形成される中間部材330は樹脂に比べて線膨張が小さいため撮像素子保持部320との受けを基準に小さくバックが伸びる。
<3>:レンズ保持部310は樹脂で形成されていて接着位置を基準に撮像素子側に大きく伸びる。
以上のことから、鏡枠構造部300の部品材料の異なる線膨張係数の組み合わせで高温でも鏡枠によってレンズ最終面から撮像素子面までの間隔は短くすることができ、温度によるバックフォーカス変動を抑えることができる。
そのため、鏡枠の膨張により最終レンズである第4レンズ215の撮像素子面側から撮像素子面までの間隔は高温で長くなるようにシフトするのが好ましい。
図11に示す実例では、樹脂レンズのパワーが正の場合に鏡枠でどのように緩和するかを示している。
今回の温度補正バレルについて高温の場合を想定すると、
<1>:撮像素子保持部320は樹脂で形成されていて撮像素子220面を基準として物体側に大きくバックが伸びる。
<2>レンズのバック変動にリンクするようにレンズ保持部310の線膨張を調整して、高温でもバックフォーカスが変動しないようにする。
以上のことから鏡枠部品材料の異なる線膨張係数の組み合わせで高温で伸びるレンズ最終面から撮像素子面までの間隔を適正にして温度によるバックフォーカス変動を抑えることができる。
<1>:撮像素子保持部320は樹脂で形成されていて撮像素子220面を基準として物体側に大きくバックが伸びる。
<2>:レンズのバック変動にリンクするようにレンズ保持部310の線膨張を調整して、高温でもバックフォーカスが変動しないようにする。たとえば、樹脂レンズのパワーが正で弱いようならバックフォーカスの変動量が軽減されるため、アルミニウムのような線膨張係数の小さい金属でもよい。逆に樹脂レンズが支配的な正のパワーを有する場合には高温でバックはかなり伸びてしまうため、撮像素子保持部320は線膨張係数の大きい樹脂を用いるのが好ましい。
以上のことから、鏡枠部品材料の組み合わせで、高温で延びる最終レンズの撮像素子側面から撮像素子220面までの間隔を適正にして温度によるバックフォーカス変動を抑えている。
なお、本固着は、レンズ保持部(バレル)または中間部材に凸部、反対側に凹部を設けるように構成し、その部分をはめ込むようにして固着してもよい。このような機構的な固着方法により、接着剤を用いた場合に生じるおそれがある経時変化の影響を抑えることができる。
本第2の実施形態における鏡枠構造部300B,300C,300Dは、基本的に、図12、図13、および図14に示すように、レンズ保持部310と撮像素子保持部320とが別個に構成され、これらのレンズ保持部310と撮像素子保持部320は中間部材330によって固定されており、レンズ保持部310と撮像素子保持部320の固定位置が中間部材330により調整できるように構成されている。
この固定位置を制御することによりバックフォーカス位置ズレを制御し使用環境が低温重視から高温重視と様々なニーズに及んだとしても十分な性能を確保することができる。さらにDEOS(深度拡張光学系)において、被写界深度の温度変化も緩和することができるように構成されている。
この例では、光学系210の最も撮像素子220側に配置される最終レンズ(図6の場合、第4レンズ215)の撮像素子側の面から撮像素子220までの間隔の熱によって伸縮する量が、レンズ保持部310と撮像素子保持部320の固定位置を変えることによって調整される。
そして、レンズ保持部310の外側部の軸方向の中央より物体側が中間部材330の一端部331と、たとえば接着剤340により固定されている。
レンズ保持部310は、たとえば樹脂により形成される。
また、撮像素子保持部320の上面側(物体側面)322には中間部材330の一端部が接着剤等により固定されている。
撮像素子保持部320は、たとえば樹脂により形成される。
また、中間部材330の他端部は、内側に延びるように鍔部338が形成されており、この鍔部338の外側面(底面)が撮像素子保持部320の上面側322と当接するようにして固定されている。
この中間部材330は、たとえば樹脂あるいは金属、たとえばアルミニウム(Al)により形成される。
そして、光学系210の最も撮像素子220側に配置される最終レンズ(図6の場合、第4レンズ215)の撮像素子側の面から撮像素子220までの間隔の熱によって伸縮する量が、レンズ保持部310と撮像素子保持部320の固定位置を変えることによって調整される。
光学系210に含まれる樹脂が弱い正のパワーであった場合、たとえば高温において最終レンズの撮像素子側面(レンズ最終面)から撮像素子220までの間隔は保持部に使用した部材の線膨張係数に応じて延びる。しかし、レンズ系としては樹脂レンズのパワーが弱いとバックフォーカスの変動量は少ない。
そこで、図14に示すように、固定位置を<1>(固定部335)のようにレンズトップ面に近いところにすることでバックフォーカス変動を相殺することができる。
逆に、樹脂レンズのパワーの合算が強い正になるレンズとなった場合、高温では鏡枠としてバックは伸びて、レンズとしては正のパワーが弱くなり長いバックフォーカスとなる。その場合、図13に示すように、固定位置を<3>(固定部337)の位置に固定することが好ましい。位置<3>に固定すればレンズ最終面と撮像素子220までの面の間隔は相殺されない。
<3>の位置に固定すればレンズ最終面と撮像素子までの面の間隔は相殺されない。
その場合、図14に示すように、<1>(固定部335)の位置に固定することが好ましい。<1>の位置に固定すればレンズ最終面である第4レンズ215の面と撮像素子220までの面の間隔は相殺されてさらに短くすることができる。
接着剤による固定法を用いる場合は、レンズ保持部(バレル)を自由に調整した後に(たとえば、光軸と非平行方向にも調整した後に)固定することができる。ねじによる固定方法を用いる場合は、接着剤を用いた場合に生じるおそれがある経時変換の影響を抑えることができる。
ガラスと樹脂のレンズを含む光学系の各レンズをレンズ保持部310にセットする。本実施形態においては、物体側から、第1レンズ211、第2レンズ212、第3レンズ214、および第4レンズ215を順となるようにレンズ保持部310に配置する。
撮像素子220を撮像素子保持部320にセットする。
なお、第1ステップとST301と第2ステップST302の順番がいずれが先であっても後であってもよい。
最も撮像素子側に配置される最終レンズである第4レンズ215の撮像素子側の面と撮像素子220の受光面とを対向させる。
温度変化に伴うバックフォーカスの位置の変動を相対的に吸収可能な位置に、レンズ保持部310と撮像素子保持部320を選択的に固定する。
本実施形態においては、中間部材330を用いて固定する。
図10および図11に示す本発明の第1の実施形態に関連付けた処理としては、レンズ保持部310と撮像素子保持部320の固定位置もしくは材料(線膨張係数)の選択によって温度変化に伴うバックフォーカスの位置の変動を相対的に吸収可能に固定するようにしてもよい。
なお、各実施例1,2においては、撮像レンズユニット210Aの各レンズ群を構成する、各レンズ211,212,214,215、並びに撮像素子220を構成するカバーガラス221に対して、図6に示すような面番号を付与した。
表1および表2に実施例1の各数値を示す。実施例の各数値は図6の撮像レンズユニット210Aに対応している。表1は、実施例1における撮像レンズの各面番号に対応した絞り、各レンズ、カバーガラスの曲率半径(R:mm),間隔(D:mm)、屈折率(N)、および分散値(ν)を示している。
表3および表4に実施例2の各数値を示す。実施例の各数値は図16の撮像レンズユニット210Bに対応している。表3は、実施例2における撮像レンズの各面番号に対応した絞り、各レンズ、カバーガラスの曲率半径(R:mm),間隔(D:mm)、屈折率(N)、および分散値(ν)を示している。
以上のことから、第2レンズ212Bを樹脂とした場合、温度による屈折率変動が起きた場合においても実施例2の第2レンズパワーを抑えているため、温度によるバックフォーカス位置の変動を緩和できる。
実施例3,4,5は、撮像レンズユニット210Aが、樹脂レンズとガラスレンズを含み、樹脂レンズのパワー合算を正とし、レンズ保持部と撮像素子保持部の固着位置もしくは部材の線膨張係数が調整されるという観点による実施例である。
なお、各実施例3においては、撮像レンズユニット210Aの各レンズ群を構成する、各レンズ211,212,214,215、並びに撮像素子220を構成するカバーガラス221に対して、図6に示すような面番号を付与した。
図17の光学系210Cは、第1レンズ211C、第2レンズ212C、第3レンズ213C、絞り214C、第4レンズ215C、および第5レンズ216Cを有している。
光学系210Cは、物体側から順に、第1レンズ211C、第2レンズ212C、第3レンズ213C、絞り214C、第4レンズ215C、第5レンズ216Cが配置されている。
光学系210Cは、第4レンズ215Cと第5レンズ216Cが接続されている。すなわち、本実施形態の光学系210Cのレンズユニットは、接合レンズを含んで構成されている。
そして、光学系210Cにおいて、第1レンズ211C、第2レンズ212C、第4レンズ215C、および第5レンズ216Cはガラスにより形成され、第3レンズ213Cは樹脂により形成されている。
第3レンズ213Bの撮像面側の面の光軸を中心とした中央部213aが所定の曲率を持たせて凹状に形成されており、この形状により第3レンズ213Cは、光波面変調素子の機能を有している。
また、第1レンズ211Cの屈折率はn1、分散値はν1、第2レンズ212Cの屈折率はn2、分散値はν2、第3レンズ213Cの屈折率はn3、分散値はν3、第4レンズ215Cの屈折率はn4、分散値はν4、第5レンズ216Cの屈折率はn5、分散値はν5に設定される。
表7および表8に実施例3の各数値を示す。実施例の各数値は図6の撮像レンズユニット210Aに対応している。表7は、実施例3における撮像レンズの各面番号に対応した絞り、各レンズ、カバーガラスの曲率半径(R:mm),間隔(D:mm)、屈折率(N)、および分散値(ν)を示している。
以上のことから、第2レンズ212を樹脂とした場合、温度による屈折率変動が起きた場合においても実施例3の第2レンズパワーを抑えているため、温度によるバックフォーカス位置の変動を緩和できる。
表11および表12に実施例4の各数値を示す。実施例の各数値は図17の撮像レンズユニット210Cに対応している。表11は、実施例4における撮像レンズの各面番号に対応した絞り、各レンズ、カバーガラスの曲率半径(R:mm),間隔(D:mm)、屈折率(N)、および分散値(ν)を示している。
表13および表14に実施例5の各数値を示す。実施例の各数値は図16の撮像レンズユニット210Cに対応している。表13は、実施例5における撮像レンズの各面番号に対応した絞り、各レンズ、カバーガラスの曲率半径(R:mm),間隔(D:mm)、屈折率(N)、および分散値(ν)を示している。
図19A〜図19Dは、実施例5に係る樹脂レンズのパワーを抑えない場合の温度変化に伴うバック変動を示した図を示す図である。
図18Aにおける樹脂レンズの焦点距離は約25.0mmであり、図19Aにおける樹脂レンズの焦点距離は約14.8mmである。
また、図18Bおよび図19Bは常温時の中心MTFを、図18Cおよび図19Cは高温時(たとえば65度程度)の中心MTFを、図18Dおよび図19Dは低温時(たとえばー20度程度)の中心MTFを、それぞれ示している。
そこで、本実施形態においては、前述したように、樹脂レンズは、合算焦点距離が下記条件式を満たすようなパワーに設定されている。
fpla ≧ 15.0mm (条件式1)
本実施形態においては、光学系210により収束される光束を規則正しく分散する光学レンズである。ここに光波面変調素子を挿入することにより、撮像素子220上ではピントのどこにも合わない画像を実現する。
換言すれば、光学系210によって深度の深い光束(像形成の中心的役割を成す)とフレアー(ボケ部分)を形成している。
前述したように、この規則的に分散した画像をデジタル処理により、光学系210を移動させずにピントの合った画像に復元する手段を波面収差制御光学系システム、あるいは深度拡張光学系システム(DEOS:Depth Expantion Optical System)といい、この処理を画像処理装置240において行う。
なお、本実施形態では第2レンズの撮像素子側の面に光波面変調素子となる自由曲面を形成した場合について説明したが、光波面変調素子としては波面を変形させるものであればどのようなものでもよく、厚みが変化する光学素子(たとえば、上述の3次の位相板)、屈折率が変化する光学素子(たとえば屈折率分布型波面変調レンズ)、レンズ表面へのコーディング等により厚み、屈折率が変化する光学素子(たとえば、波面変調ハイブリッドレンズ、あるいはレンズ面上に形成される位相面として形成される状態)、光の位相分布を変調可能な液晶素子(たとえば、液晶空間位相変調素子)等の光波面変調素子であればよい。
図20に示すように、被写体の画像fがDEOS光学系Hに入ることにより、g画像が生成される。
これは、次のような式で表される。
g=H*f
ただし、*はコンボリューションを表す。
f=H-1*g
ズームポジションをZPn,ZPn−1・・・とする。また、それぞれのH関数をHn,Hn−1、・・・・とする。
各々のスポット像が異なるため、各々のH関数は、次のようになる。
ここで、各々のH関数はメモリに格納しておいても構わないし、PSFを物体距離の関数としておき、物体距離によって計算し、H関数を算出することによって任意の物体距離に対して最適なフィルタを作るように設定できるようにしても構わない。また、H関数を物体距離の関数として、物体距離によってH関数を直接求めても構わない。
図22は、前記波面収差の形状と0.5λ以下の範囲を太線で表したものである。
ただし、λはたとえば可視光領域、赤外領域の波長を用いる。
なお、露出情報には、絞り情報が含まれる。
まず、露出情報(RP)が検出されコンボリューション制御部244に供給される(ST101)。
コンボリューション制御部244においては、露出情報RPから、カーネルサイズ、数値演係数がレジスタにセットされる(ST102)。
そして、撮像素子220で撮像され、AFE230を介して二次元コンボリューション演算部242に入力された画像データに対して、レジスタに格納されたデータに基づいてコンボリューション演算が行われ、演算され変換されたデータがカメラ信号処理部250に転送される(ST103)。
図27の例は露出情報に応じたフィルタカーネルを予め用意した場合のブロック図である。
図28の例は、画像処理装置240の最初にノイズ低減フィルタ処理のステップを有し、フィルタカーネルデータとして露出情報に応じたノイズ低減フィルタ処理ST1を予め用意した場合の例である。
二次元コンボリューション演算部242においては、前記ノイズ低減フィルタ処理ST1を施した後、カラーコンバージョン処理ST2によって色空間を変換、その後カーネルデータを用いてコンボリューション処理(OTF復元フィルタ処理)ST3を施す。
再度ノイズ処理ST4を行い、カラーコンバージョン処理ST5によって元の色空間に戻す。カラーコンバージョン処理は、たとえばYCbCr変換が挙げられるが、他の変換でも構わない。
なお、再度のノイズ処理ST4は省略することも可能である。
図29の例は、露出設定時に決まる露出情報を露出情報検出部253より取得し、コンボリューション制御部244を通じてカーネルデータを選択制御する。
再度ノイズ処理ST14を行い、カラーコンバージョン処理ST15によって元の色空間に戻す。カラーコンバージョン処理は、たとえばYCbCr変換が挙げられるが、他の変換でも構わない。
なお、ノイズ低減処理ST11、ST14は、いずれか一方のみでもよい。
図30の例は、ノイズ低減フィルタ処理のステップを有し、フィルタカーネルデータとして露出情報に応じたノイズ低減フィルタを予め用意した場合のブロック図である。
なお、再度のノイズ処理ST4は省略することも可能である。
露出設定時に決まる露出情報を露出情報検出部253より取得し、コンボリューション制御部244を通じてカーネルデータを選択制御する。
二次元コンボリューション演算部242においては、ノイズ低減フィルタ処理ST21を施した後、カラーコンバージョン処理ST22によって色空間を変換、その後カーネルデータを用いてコンボリューション処理ST23を施す。
再度、露出情報に応じたノイズ処理ST24を行い、カラーコンバージョン処理ST25によって元の色空間に戻す。カラーコンバージョン処理は、たとえばYCbCr変換が挙げられるが、他の変換でも構わない。
なお、ノイズ低減フィルタ処理ST21は省略することも可能である。
本例においては、主被写体までの距離を、距離検出センサを含む物体概略距離情報検出装置500により検出し、検出した距離に応じて異なる画像補正の処理を行うことにように構成されている。
この構成の他にも、以下の構成を採用することが可能である。
そして、変換手段としてのコンボリューション装置401が、係数選択手段としての画像処理演算プロセッサ403で選択された変換係数によって、画像信号の変換を行う。
そして、変換手段としてのコンボリューション装置401が、変換係数演算手段としての画像処理演算プロセッサ403で得られカーネル・数値演算係数格納レジスタ402に格納された変換係数によって、画像信号の変換を行う。
そして、被写体距離情報生成手段としての物体概略距離情報検出装置500により生成された距離情報に基づき、補正値選択手段としての画像処理演算プロセッサ403が、補正値記憶手段としてのカーネル・数値演算係数格納レジスタ402から被写体までの距離に応じた補正値を選択する。
変換手段としてのコンボリューション装置401が、第2変換係数記憶手段としてのカーネル・数値演算係数格納レジスタ402から得られた変換係数と、補正値選択手段としての画像処理演算プロセッサ403により選択された補正値とに基づいて画像信号の変換を行う。
なお、本実施形態では第2レンズ212のみを樹脂レンズとした場合について説明したが、第2〜4レンズのいずれか1枚または2枚以上を樹脂レンズとし、個々の樹脂レンズのパワーをガラスレンズのパワーに比べて小さくし、樹脂レンズの総合的なパワーを光学系のパワーに比べて小さくするようにすれば同様の効果を得ることができる。
また、本実施形態の4枚のレンズ構成以外の枚数構成であっても良いが、第1レンズ211(物体側のレンズ)は物体や外気に接触することがあるために、キズ防止および腐食防止の目的からガラスレンズであることが好ましい。さらに、第4レンズ(撮像素子側のレンズ)もガラスレンズとすることにより、樹脂レンズがガラスレンズと鏡筒内で密封されるために、耐環境効果を向上することができるようになる。
また、本実施形態の4枚または5枚のレンズ構成以外の枚数構成であっても良いが、第1レンズ211,211B,211C(物体側のレンズ)は物体や外気に接触することがあるために、キズ防止および腐食防止の目的からガラスレンズであることが好ましい。さらに、第4レンズ、第5レンズ216C(撮像素子側のレンズ)もガラスレンズとすることにより、樹脂レンズがガラスレンズと鏡筒内で密封されるために、耐環境効果を向上することができるようになる。
また、難度が高く、高価でかつ大型化した光学レンズを必要とせずに、かつ、レンズを駆動させること無く、自然な画像を得ることができる利点がある。
そして、本実施形態に係る撮像装置200は、デジタルカメラやカムコーダー等の民生機器の小型、軽量、コストを考慮されたDEOSの光学システムに使用することが可能である。
また、光学系210の構成を簡単化でき、製造が容易となり、コスト低減を図ることができる。
画質向上のため、可能な限りコントラストを上げることが望ましいが、そのことは高性能なレンズ系を必要とする。
現在、エリアジングの発生を避けるため、撮像レンズ装置では、一軸結晶系からなるローパスフィルタを併用し、エリアジングの現象の発生を避けている。
このようにローパスフィルタを併用することは、原理的に正しいが、ローパスフィルタそのものが結晶でできているため、高価であり、管理が大変である。また、光学系に使用することは光学系をより複雑にしているという不利益がある。
しかし、本実施形態によれば、ローパスフィルタを用いなくとも、エリアジングの現象の発生を避けることができ、高精細な画質を得ることができる。
Claims (14)
- 光波面変調機能を有する光学系と、
前記光学系を通過した被写体像を撮像する撮像素子と、
前記撮像素子からの信号により画像信号を生成する画像処理部と、を有し、
前記光学系は、ガラスレンズと樹脂レンズとを含み、
樹脂レンズのパワーはガラスレンズのパワーに比べて小さく、樹脂レンズのパワー は、光学系のパワーに比べて小さいようにパワーが設定されており、
前記撮像素子で撮像される前記光波面変調機能による被写体分散像は、撮像素子上で はピントが合わず、深度の深い光束とボケ部分が形成された像で、
前記画像処理部は、
前記撮像素子からの被写体分散画像信号より分散のない画像信号を生成する
撮像装置。 - 前記光学系は、
物体側の第1レンズと、
前記第1レンズより撮像素子側に配置された第2レンズを少なくとも含み、
前記第1レンズはガラスレンズにより形成され、前記第2レンズは樹脂レンズに より形成される
請求項1記載の撮像装置。 - 前記光学系は、物体側から、
第1レンズ、第2レンズ、第3レンズ、および第4レンズが順に配置され、
前記第1レンズはガラスレンズにより形成され、前記第2、第3、および第4レ ンズのうち少なくとも第2レンズは樹脂レンズにより形成される
請求項1記載の撮像装置。 - 前記光学系において、前記レンズを保持する部分の線膨張係数が前記樹脂レンズに 比べて小さい
請求項1記載の撮像装置。 - 前記光学系の光波面変調機能は、前記光学系の光軸をz軸とし、互いに直交する2 軸をx、yとしたとき、位相が下記式で表される
請求項1記載の撮像装置。
- 光波面変調機能を有する光学系と、
前記光学系を通過した被写体像を撮像する撮像素子と、
前記撮像素子からの信号により画像信号を生成する画像処理部と、を有し、
前記光学系は、ガラスレンズと樹脂レンズとを含み、
樹脂レンズのパワーの合算が正であり、
前記撮像素子で撮像される前記光波面変調機能による被写体分散像は、撮像素子上 ではピントが合わず、深度の深い光束とボケ部分が形成された像で、
前記画像処理部は、
前記撮像素子からの被写体分散画像信号より分散のない画像信号を生成する
撮像装置。 - 前記光学系の各レンズを保持するレンズ保持部と、
前記撮像素子を保持する撮像素子保持部と、を有し、
前記レンズ保持部と前記撮像素子保持部は、前記樹脂レンズのパワーの大きさに応 じて相対的な前記光学系の光軸方向の位置関係を変更して固定されている
請求項6記載の撮像装置。 - 前記樹脂レンズは、合算焦点距離(fpla)が下記条件式を満たすようなパワーに設 定されている
請求項6記載の撮像装置。
fpla ≧ 15.0mm - 前記光学系の最も前記撮像素子側に配置される最終レンズの撮像素子側の面と撮像 素子との間隔の熱によって伸縮する量と光学系の温度変化に伴うバック変動量が合致 する
請求項6記載の撮像装置。 - 前記光学系の各レンズを保持するレンズ保持部と、
前記撮像素子を保持し、前記レンズ保持部と互いに固定される撮像素子保持部と、 を有し、
前記光学系の最も前記撮像素子側に配置される最終レンズの撮像素子側の面から撮 像素子までの間隔の熱によって伸縮する量が、前記撮像素子保持部の線膨張係数によ り調整されている
請求項6記載の撮像装置。 - 前記光学系の各レンズを保持するレンズ保持部と、
前記撮像素子を保持し、前記レンズ保持部と互いに固定される撮像素子保持部と、 を有し、
光学系の最終レンズ面から撮像素子までの間隔の熱によって伸縮する量がレンズ保 持部と撮像素子保持部の固定位置を変えることによって調整されている
請求項6記載の撮像装置。 - 前記光学系の光波面変調機能は、前記光学系の光軸をz軸とし、互いに直交する2 軸をx、yとしたとき、位相が下記式で表される
請求項6記載の撮像装置。
- 情報コードを光学的に読み取る情報コード読取装置であって、
光波面変調機能を有する光学系と、
前記光学系を通過した被写体像を撮像する撮像素子と、
前記撮像素子からの信号により画像信号を生成する画像処理部と、を有し、
前記光学系は、ガラスレンズと樹脂レンズとを含み、
樹脂レンズのパワーはガラスレンズのパワーに比べて小さく、樹脂レンズのパ ワーは、光学系のパワーに比べて小さいようにパワーが設定されており、
前記撮像素子で撮像される前記光波面変調機能による被写体分散像は、撮像素子上 ではピントが合わず、深度の深い光束とボケ部分が形成された像で、
前記画像処理部は、
前記撮像素子からの被写体分散画像信号より分散のない画像信号を生成する
情報コード読取装置。 - 情報コードを光学的に読み取る情報コード読取装置であって、
光波面変調機能を有する光学系と、
前記光学系を通過した被写体像を撮像する撮像素子と、
前記撮像素子からの信号により画像信号を生成する画像処理部と、を有し、
前記光学系は、ガラスレンズと樹脂レンズとを含み、
樹脂レンズのパワーの合算が正であり、
前記撮像素子で撮像される前記光波面変調機能による被写体分散像は、撮像素子上 ではピントが合わず、深度の深い光束とボケ部分が形成された像で、
前記画像処理部は、
前記撮像素子からの被写体分散画像信号より分散のない画像信号を生成する
情報コード読取装置。
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