JP4658162B2 - 撮像装置および電子機器 - Google Patents
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Description
特に、デジタルカメラに象徴されるように撮像面は従来のフィルムに変わって固体撮像素子であるCCD(Charge Coupled Device),CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサが使用されているのが大半である。
この撮像レンズ装置1は、光学系2とCCDやCMOSセンサ等の撮像素子3とを有する。
光学系は、物体側レンズ21,22、絞り23、および接合レンズ24を物体側(OBJS)から撮像素子3側に向かって順に配置されている。
図26(A)〜(C)は、撮像レンズ装置1の撮像素子3の受光面でのスポット像を示している。
このような背景の中、固体撮像素子を用いた撮像装置においては、さらに高感度化が求められている。
これに対応した技術として、マイクロレンズアレイを固体撮像素子の前段に設けて、固体撮像素子の各画素に入射する光量を効率的に得て感度を向上させる方法が、感度を増す方法の1つとして、広く知られている。
この方法によれば、各固体撮像素子の画素の中心からの法線上にマイクロレンズの中心を配置した場合、周辺部では、光が斜めに入射するために集光率が下がり、結果として周辺部の暗い画像となることを防止できる。
したがって、単焦点でのレンズではともかく、ズーム系やAF系などのレンズでは、その光学設計の精度の高さやそれに伴うコストアップが原因となり採用するには大きな問題を抱えている。
換言すれば、従来の撮像装置においては、適正なコンボリューション演算を行うことができず、ワイド(Wide)時やテレ(Tele)時のスポット(SPOT)像のズレを引き起こす非点収差、コマ収差、ズーム色収差等の各収差を無くす光学設計が要求される。
しかしながら、これらの収差を無くす光学設計は光学設計の難易度を増し、設計工数の増大、コスト増大、レンズの大型化の問題を引き起こす。
しかしながら、画像信号処理による補正は画素数の増大に伴って処理量も増加し、条件のパラメータが増えれば更に処理量は増えて処理装置に多大な負担をかけるものとなる。
1/(2*sin Um) > 1/(2*sin K)
1/(2*sin Um) > 1/(2*sin K)
図2(A)〜(C)は、情報コードの例を示す図である。
図3は、図1の情報コード読取装置に適用可能な撮像装置の構成例を示すブロックである。
なおここでは、本実施形態の撮像装置が適用可能な電子機器として、情報コード読取装置を例示している。
読み取り対象の情報コードとしては、たとえば図2(A)に示すような、JANコードのような1次元のバーコード122と、図2(B)および(C)に示すようなスタック式のCODE49、あるいはマトリックス方式のQRコードのような2次元のバーコード123が挙げられる。
撮像装置200は、後で詳述するように、光学系に収差制御面、または収差制御素子を適用し、収差制御素子により収差(本実施形態においては球面収差)を意図的に発生させ、Fナンバによって決まる像側開口数の光線最大入射角度に比べて収差制御素子または収差制御面を通った光線最大入射角度は緩く、シェーディングによる光量劣化を軽減し、拡散したPSFは画像処理で復元する、いわゆる収差制御光学系システムというシステムを採用し、JANコードのような1次元のバーコードとQRコードのような2次元のバーコードのような情報コードを的確に高精度で読み取ることが可能に構成されている。
収差制御光学系とは、目的に応じて意図的に収差を発生させる光学系をいう。
収差制御光学系210は、被写体物体OBJを撮影した像を撮像素子220に供給する。また、収差制御光学系210は、物体側から順に、第1レンズ211、第2レンズ212、第3レンズ213、絞り214、第4レンズ215、第5レンズ216が配置されている。
本実施形態の収差制御光学系210は、第4レンズ215と第5レンズ216が接続されている。すなわち、本実施形態の収差制御光学系210のレンズユニットは、接合レンズを含んで構成されている。
本実施形態においては、球面収差のみを発生させるために、収差制御面を挿入する必要がある。なお、収差制御効果は別素子の収差制御素子を挿入しても良い。
その例を示すと図4のようになり、通常の光学系に収差制御面(第3レンズR2面)を含んだ形となっている。
ここでいう収差制御面とは、収差制御素子の持つ収差制御効果をレンズ面に内包したものをいう。好適には収差制御面213aは絞り214に隣接していることが好ましい。
また、図4の下方に収差制御面を形成する前と後の球面収差の変化を示しているが、収差制御素子を絞り214の近傍に、あるいは収差制御面自身に絞り機能を持たせることにより、収差制御面を最適化することで、物体が画面の中心に写る場合も周辺に写る場合も均一な画質とすることが可能となり、撮像装置の最終出力画像信号として性能の高い固定焦点レンズとすることができる。
換言すれば、収差制御機能は、少なくともプラス側の球面収差を発生し、撮像素子の受光面への光線の最大入射角度が収差制御機能を有さない状態に比べてより垂直に近い。
1/(2*sin Um) > 1/(2*sin K)
Fno=1/2NA=1/2sinU
一般的には、撮像素子のNAでレンズの開放Fnoも制限されるが、本実施形態の構成を用いると撮像素子のNAに合わせてレンズの開放Fnoを維持しながら、光量を落とすことなく光学系を最適化することができる。
本実施形態においては、その手段として球面収差をもちいる。球面収差を用いることにより上記[数1]の式を満足する。
上記式では、収差制御素子を用いた光軸と平行な周縁光線が像界において光軸となす各をUmとし、撮像素子がシェーディングの影響を許容できる限界の入射光線が光軸となす角度をKとしている。
図7(A)および(B)は、収差制御機能を有していない通常光学系の光線図および撮像素子上のスポット像の例を示す図である。
この例では、Fナンバ(Fno)が3.5の場合の例である。
これに対して、本実施形態の収差制御機能を有する光学系は、図6に示すように、撮像素子の受光面で焦点が合わず、さらに遠方側(プラス側)に合焦点位置が形成される。したがって、PSFは2画素以上にまたがるようになっている。
以下、この収差制御光学系210の特徴的な構成、機能についてさらに詳述する。
図9(A)および図10(A)に示すように、1画素の中にPSFが納まってしまうサイズで球面収差を発生させてもそれは通常の光学系と同じである。通常光学系では一般的にピント位置の中心PSFのサイズが最小となる。
これに対して、本実施形態に係る収差制御光学系210では、図9(B)に示すように、PSFはアウトフォーカスに限らずピント位置までも1画素に収まらないサイズに制御される。
たとえばあるPSFサイズを持った収差制御光学系があるとすると、図10(B)に示すように、センサの画素ピッチがPSFのサイズより小さいものを選ぶことが好ましい。
仮に画素ピッチがPSFより大きいものを選んだとすると通常光学系と同じとなってしまい、そこがピントとなってしまう。よって、その場合、収差制御光学系の球面収差の効果を有効に得ることができない。
図11(A)は収差制御素子を持たない一般的な光学系の球面収差と結像との関係を示し、図11(B)は光軸側の中央エリアが近焦点側、周辺エリアが遠焦点側とした本実施形態に係る光学系の球面収差と結像との関係を示し、図11(C)は中央エリアが遠焦点側、周辺エリアが近焦点側とした本実施形態に係る光学系の球面収差と結像との関係を示している。
図13は、センサのマイクロレンズが集光できる範囲を超えた明るさのレンズを用いた場合の光路を示す図である。
図14は、本実施形態の収差制御素子を用いることによってセンサへの光線入射角度を緩和している場合を示す図である。
1画素に集光しようとすると図13に示すように、Fnoに応じてセンサへの光線入射角度がきつくなってしまう。
これを画像処理を前提として、図14に示すように、周囲の画素に発散させることで、センサに効率よく光を受光させることができる。
図16は、通常光学系のシェーディング特性の例を示す図である。図16中、斜線で囲まれた箇所はFnoが3.5の角度特性を示す。
図17は、収差制御光学系のシェーディング特性の例を示す図である。図17中、斜線で囲まれた箇所はFnoが3.5の角度特性を示す。
図18は、通常光学系を適用した場合のシェーディング効率の計算例を示す図である。
図19は、本実施形態の収差制御光学系を適用した場合のシェーディング効率の計算例を示す図である。
このために、NAが大きくなればなるほど劣化量も増えていく。理想は、光線入射角度に限らず100%効率が最も優れているが、図18のように、通常光学系では、80%の明るさしか得られない。
ただし、PSFも広がってしまうために画像処理によって一点に戻す必要がある。
一点に戻すということは明るさを積算することと同等なので、通常のようにレンズで一点に集光させた場合と比べて、シェーディングによる劣化が少なく感度として効率が良い結果となる。
図19の例では、90.2%の明るさが得られている。
以下に、撮像素子、画像処理部等の他の構成部分の構成、機能について説明する。
収差制御光学系210を介した被写体OBJからの光が、撮像素子220の撮像面222上に結像される。
なお、撮像素子220で撮像される被写体分散像は、収差制御面213aにより撮像素子220上ではピントが合わず、深度の深い光束とボケ部分が形成された像である。
図3においては、撮像素子220を一例としてCCDとして記載している。
タイミングジェネレータ231では、撮像素子220のCCDの駆動タイミングを生成しており、A/Dコンバータ232は、CCDから入力されるアナログ信号をデジタル信号に変換し、画像処理装置240に出力する。
図20中曲線Bで示す特性は、たとえば本実施形態のように、収差制御面または収差制御光学素子を用いずに波面を変形させない場合に得られる特性である。
なお、本実施形態における全ての補正は、空間周波数のパラメータによる。
たとえば、図20のMTF特性の場合、空間周波数に対するエッジ強調の曲線は、図21に示すようになる。
本実施形態では、撮像素子220による1次画像は深度が非常に深い光束条件にしている。そのために、1次画像のMTFは本質的に低い値になっており、そのMTFの補正を画像処理装置240で行う。
図23は、収差制御素子を有する本実施形態の光学系の場合において物体が焦点位置にあるときと焦点位置から外れたときのMTFのレスポンスを示す図である。
また、図24は、本実施形態に係る撮像装置の画像処理後のMTFのレスポンスを示す図である。
この光学系によって結像された画像を、後段の画像処理装置240によって画像処理することにより、MTFのレスポンスが向上させることができる。
ただし、画像処理を行うとノイズが増加してしまう場合には、好適にはMTFのレスポンスを向上させるような画像処理は行わないようにすることも可能である。
なぜなら、図24に示した復元後のOTFを達成するためには画像処理でゲインを上げることになるが、センサのノイズも同時に上げることになる。そのため、ナイキスト周波数付近の高周波ではできるだけゲインを上げずに画像処理を行うことが好ましい。
通常の光学系の場合、ナイキスト周波数でのMTFが0.1以上あれば解像する。
したがって、画像処理前のMTFが0.1以上あれば、画像処理でナイキスト周波数でのゲインを上げずに済む。画像処理前のMTFが0.1未満であると、画像処理後の画像がノイズの影響を大きく受けた画像になるため好ましくない。
その結果、各画素に入射する光量を、より効率的に得て感度を向上させることができ、しかもシェーディングの発生を極力抑えることができる。
そして、本実施形態に係る撮像装置200は、デジタルカメラやカムコーダー等の民生機器の小型、軽量、コストに考慮が必要な光学システムに使用することが可能である。
また、収差制御光学系210の構成を簡単化でき、製造が容易となり、コスト低減を図ることができる。
なお、本実施形態に係る撮像装置200が適用可能な電子機器としては、情報読み取り装置やデジタルスチルカメラの他に、ビデオカメラ、デジタルビデオユニット、パーソナルコンピュータ、携帯電話機、携帯情報端末(PDA)、画像検査装置、自動制御用産業カメラ等を例示することができる。
Claims (4)
- レンズと収差を発生させる収差制御機能を有する収差制御素子または収差制御面を含む収差制御光学系と、
前記収差制御光学系を通過した被写体像を撮像する撮像素子と、
前記撮像素子で得られた画像信号に対して画像処理を施す画像処理部と、を有し、
前記収差制御光学系を通過した光線と光軸がなす角度が、前記収差制御機能を有しない場合の光学系の像側開口数を定義するレンズ最外周部からの光線と光軸がなす角度に比べて小さく、
前記収差制御機能は、少なくともプラス側の球面収差を発生し、
前記撮像素子の受光面への光線の最大入射角度が前記収差制御機能を有さない状態に比べてより垂直に近く、
前記収差制御機能によって拡散される点像強度分布(PSF)は前記撮像素子の2画素以上にまたがり、
前記画像処理部は、
前記収差制御機能によって拡散される点像強度分布(PSF)の回復処理を行い、
前記収差制御光学系は、
絞りを含み、前記収差制御素子または収差制御面が前記絞りの近傍に配置され、
前記収差制御光学系を通過した光線が光軸となす角度のうち最大となるものをUm、
撮像素子の画素開口の縁に接して入射する入射光線が光軸となす角度をKとしたときに次の式を満足する
撮像装置。
1/(2*sin Um) > 1/(2*sin K) - 前記収差制御素子自体が絞りの機能を有する
請求項1記載の撮像装置。 - 撮像装置を有する電子機器であって、
前記撮像装置は、
レンズと収差を発生させる収差制御機能を有する収差制御素子または収差制御面を含む収差制御光学系と、
前記収差制御光学系を通過した被写体像を撮像する撮像素子と、
前記撮像素子で得られた画像信号に対して画像処理を施す画像処理部と、を有し、
前記収差制御光学系を通過した光線と光軸がなす角度が、前記収差制御機能を有しない場合の光学系の像側開口数を定義するレンズ最外周部からの光線と光軸がなす角度に比べて小さく、
前記収差制御機能は、少なくともプラス側の球面収差を発生し、
前記撮像素子の受光面への光線の最大入射角度が前記収差制御機能を有さない状態に比べてより垂直に近く、
前記収差制御機能によって拡散される点像強度分布(PSF)は前記撮像素子の2画素以上にまたがり、
前記画像処理部は、
前記収差制御機能によって拡散される点像強度分布(PSF)の回復処理を行い、
前記収差制御光学系は、
絞りを含み、前記収差制御素子または収差制御面が前記絞りの近傍に配置され、
前記収差制御光学系を通過した光線が光軸となす角度のうち最大となるものをUm、
撮像素子の画素開口の縁に接して入射する入射光線が光軸となす角度をKとしたときに次の式を満足する
電子機器。
1/(2*sin Um) > 1/(2*sin K) - 前記収差制御素子自体が絞りの機能を有する
請求項3記載の電子機器。
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