JPWO2009069752A1 - 撮像装置および電子機器 - Google Patents
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Abstract
Description
特に、デジタルカメラに象徴されるように撮像面は従来のフィルムに変わって固体撮像素子であるCCD(Charge Coupled Device),CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサが使用されているのが大半である。
この種の撮像レンズ装置は、デジタルスチルカメラの他、ビデオカメラ、デジタルビデオユニット、パーソナルコンピュータ、携帯電話機、携帯情報端末(PDA:Personal DigitalAssistant)、画像検査装置、自動制御用産業カメラ等に用いられている。
この撮像レンズ装置1は、光学系2とCCDやCMOSセンサ等の撮像素子3とを有する。
光学系は、物体側レンズ21,22、絞り23、および接合レンズ24を物体側(OBJS)から撮像素子3側に向かって順に配置されている。
図2A〜図2Cは、撮像レンズ装置1の撮像素子3の受光面でのスポット像を示している。
また、伝達関数を用いたフィルタ処理を行うデジタルカメラの自動露出制御システムが提案されている(たとえば特許文献6参照)。
バーコードの読み取りは、たとえば第一の例としてレンズを繰り出すオートフォーカスでピントを合わせる技術や、第二の例として深度拡張技術としては、たとえばカメラにおいてF値を絞ることで被写界深度を広げて固定ピントとしているものが知られている。
したがって、単焦点でのレンズではともかく、ズーム系やAF系などのレンズでは、その光学設計の精度の高さやそれに伴うコストアップが原因となり採用するには大きな問題を抱えている。
換言すれば、従来の撮像装置においては、適正なコンボリューション演算を行うことができず、ワイド(Wide)時やテレ(Tele)時のスポット(SPOT)像のズレを引き起こす非点収差、コマ収差、ズーム色収差等の各収差を無くす光学設計が要求される。
しかしながら、これらの収差を無くす光学設計は光学設計の難易度を増し、設計工数の増大、コスト増大、レンズの大型化の問題を引き起こす。
これはアウトフォーカス時の光学的伝達関数(OTF:Optical Transfer Function)が一定であれば良好な復元結果となるのであるが、現実問題OTFは劣化してくる。そして、復元処理を行ってもボカして復元するという工程上、完全には復元しない。
そのため、良好な復元画を得ることが困難である。
これにピント復元の画像処理を施すことによって深度拡張効果を得ることができる。
したがって、ピント復元の画像処理を施さなければ、画質は非常に劣化した状態のものとなる。
図4A〜図4Cは、情報コードの例を示す図である。
図5は、図3の情報コード読取装置に適用可能な撮像装置の構成例を示すブロックである。
なおここでは、本実施形態の撮像装置が適用可能な電子機器として、情報コード読取装置を例示している。
読み取り対象の情報コードとしては、たとえば図4Aに示すような、JANコードのような1次元のバーコード122と、図4Bおよび図4Cに示すようなスタック式のCODE49、あるいはマトリックス方式のQRコードのような2次元のバーコード123が挙げられる。
換言すれば、撮像装置200は、MTFにおいて任意の周波数の主像面シフト領域で1つではなく、2つ以上のピークを持たせるように構成される。
すなわち、撮像装置200は、MTFピーク値の低下を抑えつつ深度拡張を可能にする収差制御光学系システムというシステムを採用し、ピント復元の画像処理を施さなくとも、JANコードのような1次元のバーコードとQRコードのような2次元のバーコードのような情報コードを的確に高精度で読み取ることが可能に構成されている。
本実施形態の収差制御光学系210Aは、第4レンズ215と第5レンズ216が接続されている。すなわち、本実施形態の収差制御光学系210Aのレンズユニットは、接合レンズを含んで構成されている。
本実施形態においては、球面収差のみを発生させるために、収差制御面を挿入する必要がある。なお、収差制御効果を発現するためには別素子の収差制御素子を挿入しても良い。
その例を示すと図6Aのようになり、通常の光学系に収差制御面(第3レンズR2面)を含んだ形となっている。
ここでいう収差制御面とは、収差制御素子の持つ収差制御効果をレンズ面に内包したものをいう。好適には収差制御面213aは絞り214に隣接していることが好ましい。
換言すれば、本実施形態は、上述したように、収差制御光学系を用いてPSFを2画素以上にまたがるようにし、所定の周波数において偽解像しない主像面シフト領域でディフォーカスに対するMTF特性が2つ以上のピークを持つ深度拡張光学系として構成される。
本実施形態においては、収差制御機能を用いてピークを複数持つようにすることで、ピーク値の低下を抑えつつ深度拡張を実現できる。
球面収差を適切に制御することで画像復元処理を施さなくても深度拡張することができる。
具体的には、本実施形態の収差制御光学系210Aは、主に球面収差を発生させる収差制御部(収差制御素子、または収差制御面)によりディフォーカスに対するMTFのピークを複数に分ける(ここでは2分)することでアウトフォーカスにおける深度を拡張する。そして、ピークを分割するために、球面収差に変曲点を持たせる。
本実施形態においては、収差制御機能を用いてディフォーカスに対するMTFのピーク位置が周波数によって異なる特性をもつようにすることで、要望される物体距離に対して十分な性能を持たせることが可能となり、ピーク値の低下を抑えつつ深度拡張を実現できる。
上述したと同様に、球面収差を適切に制御することで画像復元処理を施さなくても深度拡張することができる。
図7Bおよび図8Bに示すように、1画素PXLの中にPSFが納まってしまうサイズで球面収差を発生させてもそれは通常の光学系と同じである。通常光学系では一般的にピント位置の中心PSFのサイズが最小となる。
これに対して、本実施形態に係る収差制御光学系210Aでは、図7Cに示すように、PSFはアウトフォーカスに限らずピント位置までも1画素PXLに収まらないサイズに制御される。
たとえばあるPSFサイズを持った収差制御光学系があるとすると、図8Cに示すように、センサの画素ピッチがPSFのサイズより小さいものを選ぶことが好ましい。
仮に画素ピッチがPSFより大きいものを選んだとすると通常光学系と同じとなってしまい、そこがピントとなってしまう。よって、その場合、収差制御光学系の球面収差の効果を有効に得ることができない。
図9Aは通常光学系のディフォーカスに対するMTFの状態を示し、図9Bは本実施形態に係る収差制御光学系のディフォーカスに対するMTFの状態を示し、図9Cは1つのピークを拡大したディフォーカスに対するMTFの状態を示している。
そのため、解像する領域は網掛けで示す主像面シフト領域MSARとなる。通常光学系の1つのピークを深度拡張すると、図9Cに示すように、MTFは大きく劣化してしまう。
MTFは若干劣化するが、深度は2つに分割したことによって2倍程度に伸びていて、さらにひとつのピークを深度拡張するより劣化を抑えていることがわかる。
図10Aが球面収差カーブを示し、図10Bが低周波での主像面シフト領域エリアMSARのMTFのピークの状態を示し、図10Cが高周波での主像面シフト領域エリアMSARのMTFのピークの状態を示している。
図11Aが球面収差カーブを示し、図11Bが低周波での主像面シフト領域エリアMSARのMTFのピークの状態を示し、図11Cが高周波での主像面シフト領域エリアMSARのMTFのピークの状態を示している。
振幅の大きさをコントロールすることによって任意の周波数のディフォーカスMTFを2分割することができる。つまり任意の周波数の深度を拡張することができる。
この特性を有する収差制御素子(収差制御面)を持つことにより、要望される物体距離に対して十分な性能を持たせることが可能となる。
一般的に、物体距離が近い側では低周波、物体距離が遠い場合では高周波が必要とされるため、上記の収差制御素子を使用するとより性能を向上させることが可能となる。
ただし、ナイキスト周波数Nfは下記の定義のとおりとする。
Nf=1/(PTC×2)
また、収差制御素子を用いずに、光学系全体で、ディフォーカスに対するMTFのピーク位置を周波数に対して異ならせることにより、通常の光学系よりも、要求される物体距離に対して、必要なOTFを得る作用を持つことが可能となる。
また、本実施形態においては、収差制御素子の焦点距離の絶対値が光学系210全体の焦点距離の絶対値に対して大きい。
このように、収差制御面を含むレンズの焦点距離または収差制御素子の焦点距離の各絶対値が光学系全体の焦点距離の絶対値より大きくすることにより、収差制御面または収差制御素子の画面周辺部における影響を和らげ、画面内の中心、周辺によらず均一な画質が得られるようになる。
図13は、収差制御面の焦点距離の絶対値が光学系全体の焦点距離の絶対値より大きい本実施形態に係る光学系によるスポット像を示す図である。
これに対して、収差制御面の焦点距離の絶対値が光学系全体の焦点距離の絶対値より大きい本実施形態に係る光学系によれば、図13に示しように、画面中心と周辺部でスポット像の大きさの差が小さい。したがって、本実施形態においては、画面内の中心、周辺によらず、画面全体で均一な画質が得られる。
以下に、撮像素子、画像処理部等の他の構成部分の構成、機能について説明する。
収差制御光学系210Aを介した被写体OBJからの光が、撮像素子220の撮像面222上に結像される。
なお、撮像素子220で撮像される被写体分散像は、収差制御面213aにより撮像素子220上ではピントが合わず、深度の深い光束とボケ部分が形成された像である。
上述したように、撮像素子220は、CCDあるいはCMOSセンサ等により構成される。図5においては、撮像素子220を一例としてCCDとして記載している。
タイミングジェネレータ231では、CCD等により構成される撮像素子220の駆動タイミングを生成する。A/Dコンバータ232は、撮像素子220から入力されるアナログ信号をデジタル信号に変換し、このデジタル信号を画像処理装置240に出力する。
図14中に曲線Bで示す特性は、たとえば本実施形態のように、収差制御部(収差制御面または収差制御光学素子)を用いない場合に得られる特性である。
なお、本実施形態における全ての補正は、空間周波数のパラメータによる。
たとえば、図14のMTF特性の場合、空間周波数に対するエッジ強調の曲線は、図15に示すようになる。
本実施形態では、撮像素子220による1次画像は深度が非常に深い光束条件にしている。そのために、1次画像のMTFは本質的に低い値になっており、そのMTFの補正を画像処理装置240で行う。
図17は、収差制御素子を有する本実施形態の光学系の場合において物体が焦点位置にあるときと焦点位置から外れたときのMTFのレスポンスを示す図である。
また、図18は、本実施形態に係る撮像装置の画像処理後のMTFのレスポンスを示す図である。
この光学系によって結像された画像を、後段の画像処理装置240によって画像処理することにより、MTFのレスポンスが向上させることができる。
ただし、画像処理を行うとノイズが増加してしまう場合には、好適にはMTFのレスポンスを向上させるような画像処理は行わないようにすることも可能である。
上述したように、目的に応じて意図的に収差を発生させる光学系を収差制御光学系という。
なぜなら、図18に示した復元後のOTFを達成するためには画像処理でゲインを上げることになるが、センサのノイズも同時に上げることになる。そのため、ナイキスト周波数付近の高周波ではできるだけゲインを上げずに画像処理を行うことが好ましい。
通常の光学系の場合、ナイキスト周波数でのMTFが0.1以上あれば解像する。
したがって、画像処理前のMTFが0.1以上あれば、画像処理でナイキスト周波数でのゲインを上げずに済む。画像処理前のMTFが0.1未満であると、画像処理後の画像がノイズの影響を大きく受けた画像になるため好ましくない。
収差制御光学系210Aは、収差を意図的に発生させる収差制御機能を持つ収差制御部を内包する収差制御光学系を用いてPSFを2画素以上にまたがるようにし、所定の周波数において偽解像しない主像面シフト領域でディフォーカスに対するMTF特性が2つ以上のピークを持つ深度拡張光学系として形成されている。
したがって、本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
すなわち、本実施形態によれば、球面収差を適切に制御することで、画像復元処理を施さなくても深度を拡張することができ、適切な画質の、ノイズの影響が小さい良好な画像を得ることが可能となる。
したがって、本実施形態によれば、要望される物体距離に対して十分な性能を持たせることが可能となり、ピーク値の低下を抑えつつ深度拡張を実現できる。
その結果、球面収差を適切に制御することで画像復元処理を施さなくても深度拡張することができる。
すなわち、上述したように、本実施形態によれば、球面収差を適切に制御することで、画像復元処理を施さなくても深度を拡張することができ、適切な画質の、ノイズの影響が小さい良好な画像を得ることが可能となる。
また、収差制御素子を用いずに、光学系全体で、ディフォーカスに対するMTFのピーク位置を周波数に対して異ならせることにより、通常の光学系よりも、要求される物体距離に対して、必要なOTFを得る作用を持つことが可能となる。
そして、本実施形態に係る撮像装置200は、デジタルカメラやカムコーダー等の民生機器の小型、軽量、コストに考慮が必要な光学システムに使用することが可能である。
また、収差制御光学系210の構成を簡単化でき、製造が容易となり、コスト低減を図ることができる。
Claims (16)
- レンズと収差を発生させる収差制御機能を有する収差制御部を含む収差制御光学系と、
前記収差制御光学系を通過した被写体像を撮像する撮像素子と、を有し、
前記収差制御機能により、前記撮像素子における点像強度分布(PSF)が2画素以上にまたがる
撮像装置。 - 前記収差制御機能は、球面収差を発生させ、深度を拡張させる機能を含む
請求項1記載の撮像装置。 - 前記収差制御光学系のディフォーカスに対するMTFにおいて、任意の周波数の主像面シフト領域で2つ以上のピークを含む
請求項1記載の撮像装置。 - 前記収差制御光学系の球面収差の縦収差特性において少なくとも1つの変曲点を有する
請求項1記載の撮像装置。 - 前記収差制御部は、
ディフォーカスに対する変調伝達関数(MTF)のピーク位置が周波数によって異なる特性を有する
請求項1記載の撮像装置。 - 前記収差制御光学系のディフォーカスに対するMTFのピーク位置が、低周波側で近距離側に位置し、高周波側で遠距離側に位置する
請求項5記載の撮像装置。 - 前記収差制御光学系は
絞りを含み、前記収差制御素子または収差制御面が前記絞りの近傍に配置されている
請求項1記載の撮像装置。 - 前記収差制御素子自体が絞りの機能を有する
請求項1記載の撮像装置。 - 前記収差制御面を含むレンズの焦点距離の絶対値が前記光学系全体の焦点距離の絶対値に対して大きい
請求項1記載の撮像装置。 - 前記収差制御素子の焦点距離の絶対値が前記光学系全体の焦点距離の絶対値に対して大きい
請求項1記載の撮像装置。 - 前記撮像素子で得られた画像信号に対して画像処理を施し、前記収差制御光学系の収差により低下したコントラストを向上させる画像処理部を有する
請求項1記載の撮像装置。 - 撮像装置を有し、
前記撮像素子は、
レンズと収差を発生させる収差制御機能を有する収差制御部を含む収差制御光学系と、
前記収差制御光学系を通過した被写体像を撮像する撮像素子と、を有し、
前記収差制御機能により、前記撮像素子における点像強度分布(PSF)が2画素以上にまたがる
電子機器。 - 前記収差制御光学系のディフォーカスに対するMTFにおいて、任意の周波数の主像面シフト領域で2つ以上のピークを含む
請求項12記載の電子機器。 - 前記収差制御光学系の球面収差の縦収差特性において少なくとも1つの変曲点を有する
請求項12記載の電子機器。 - 前記収差制御部は、
ディフォーカスに対する変調伝達関数(MTF)のピーク位置が周波数によって異なる特性を有する
請求項12記載の電子機器。 - 前記収差制御光学系のディフォーカスに対するMTFのピーク位置が、低周波側で近距離側に位置し、高周波側で遠距離側に位置する
請求項15記載の電子機器。
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