JP2011008045A - 撮像装置および撮像システム - Google Patents

撮像装置および撮像システム Download PDF

Info

Publication number
JP2011008045A
JP2011008045A JP2009151744A JP2009151744A JP2011008045A JP 2011008045 A JP2011008045 A JP 2011008045A JP 2009151744 A JP2009151744 A JP 2009151744A JP 2009151744 A JP2009151744 A JP 2009151744A JP 2011008045 A JP2011008045 A JP 2011008045A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
image
imaging
mtf
substantially constant
imaging apparatus
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2009151744A
Other languages
English (en)
Inventor
Masako Asakura
理子 朝倉
Shoichi Yanai
章一 谷内
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Olympus Corp filed Critical Olympus Corp
Priority to JP2009151744A priority Critical patent/JP2011008045A/ja
Publication of JP2011008045A publication Critical patent/JP2011008045A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】
画像回復処理に合わせた特性を有する光学系を備えた撮像装置、撮像システムを提供することで、効果的な画像回復処理を実現する。
【解決手段】
撮像素子12と、撮像素子12に被写体の像を結像する光学系11と、撮像素子12が出力する観測画像に対して画像処理を実行する画像処理手段14を有し、光学系11は、撮像素子12の設置位置およびその前後の所定距離において略一定なMTFを有することを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、デジタルカメラなどの各種撮像装置、または撮像装置と外部装置にて構成される撮像システムに関するものであり、特に、撮像した画像に対して実行される画像復元処理に適した光学系を有する撮像装置および撮像システムに関するものである。
従来より、光学系を通して集光した被写体の像をCCD等の撮像素子に投影し、撮像を行う各種撮像装置が知られている。このような撮像装置においては、撮像して得られた画像に対して、所定の特性を有するフィルタにて加工する各種画像処理が行われることが一般的である。
このような、画像処理を可能とする撮像装置として、特許文献1には、光学系と、撮像素子と、変換手段と、信号処理手段とを備え、第1フィルタと第2フィルタを用いる撮像装置が開示されている。光学系は、合焦位置およびその前後の距離において焦点のボケ量が略一定となるように形成されている。撮像素子は、光学系によって結像された被写体像を撮像する。変換手段は、撮像素子から得た画像における焦点のボケを補正して、復元した画像を生成する。信号処理手段は、画像信号に所定の画像処理を行う。また、第1フィルタは、静止画撮影モード時に、変換手段の画像復元処理のために用いられる。第2フィルタは、動画撮影モード時、またはスルー画像表示時に、変換手段の画像復元処理のために用いられる。
この特許文献1の開示によれば、動画撮影モード時やスルー画像表示時において第2フィルタを用いた簡易な画像復元処理を行うこができる。そして、これにより、高価な変換手段を必要することなく光学系を簡単化できるので、コスト低減を図ることができる。また、復元画像を劣化させることのない撮像装置を提供することができる。
特開2008−011492号公報
特許文献1では、画像における焦点のボケを補正して画像を復元している。しかしながら、復元した画像における解像は十分とはいえなかった。
本発明は、復元した画像において解像が十分得られ、また、焦点深度が拡大した画像を簡単に得ることを課題とするものである。
上述の課題を解決するために、本発明の撮像装置、及び、撮像システムは以下の何れかとするものである。
本発明の撮像装置の第1の構成は、撮像素子と、前記撮像素子に被写体の像を結像する光学系と、前記撮像素子が出力する観測画像に対して画像処理を実行する画像処理手段を有し、前記光学系は、前記撮像素子の設置位置およびその前後の所定距離において略一定なMTFを有することを特徴とするものである。
本発明の撮像装置の第2の構成は、第1の構成において、前記略一定なMTFは、条件式(1)を満足する空間周波数を有することを特徴とするものである。
ν=1/(2×P×A)、1<A<20 …(1)
ただし、ν:空間周波数、P:撮像素子の画素ピッチである。
本発明の撮像装置の第3の構成は、第1の構成において、前記略一定なMTFは、条件式(2)を満足する空間周波数を有することを特徴とするものである。
ν=1/(2×P×A)、2<A<8 …(2)
ただし、ν:空間周波数、P:撮像素子の画素ピッチである。
本発明の撮像装置の第4の構成は、第1の構成において、前記略一定なMTFは、条件式(3)を満足する空間周波数を有することを特徴とするものである。
0.001<ν/N<3 …(3)
ただし、ν:空間周波数、N:撮像素子一辺の画素数である。
また、この撮像装置の第1〜第4の構成に、以下に記載する何れかの構成を同時に満足することがより好ましい。
本発明の撮像装置の第5の構成は、第1から第4の何れかの撮像装置において、前記光学系は、開放Fナンバーにおいて、前記略一定なMTFを有することを特徴とするものである。
本発明の撮像装置の第6の構成は、第1から第5の何れかの撮像装置において、前記略一定なMTFは、コントラストが0にならない範囲で他の空間周波数のMTFと交差することを特徴とするものである。
本発明の撮像装置の第7の構成は、第6の撮像装置において、前記略一定なMTFは、他の空間周波数のMTFと10%以下の位置で交差することを特徴とするものである。
本発明の撮像装置の第8の構成は、第1から第7の何れかの撮像装置において、前記光学系の球面収差特性が、ピークを有することを特徴とするものである。
本発明の撮像装置の第9の構成は、第8の撮像装置において、前記光学系の球面収差特性は、2つ以上のピークを有することを特徴とするものである。
本発明の撮像装置の第10の構成は、第9の撮像装置において、前記球面収差特性のピークは、プラス側とマイナス側に位置することを特徴とするものである。
本発明の撮像装置の第11の構成は、第1から第10の撮像装置において、前記光学系は、前記略一定なMTFを実現するための波面制御素子を備えることを特徴とするものである。
本発明の撮像装置の第12の構成は、第11の撮像装置において、前記略一定なMTFを実現するための波面制御素子は、非球面を有することを特徴とするものである。
本発明の撮像装置の第13の構成は、第11の撮像装置において、前記略一定なMTFを実現するための波面制御素子は、位相板であることを特徴とするものである。
本発明の撮像装置の第14の構成は、第11の撮像装置において、前記略一定なMTFを実現するための波面制御素子は、1面に複数の曲率を有するレンズであることを特徴と
するものである。
本発明の撮像装置の第15の構成は、第14の撮像装置において、前記略一定なMTFを実現するための波面制御素子は、中心と周辺で異なる曲率を有するレンズであることを特徴とするものである。
本発明の撮像装置の第16の構成は、第14または第15の撮像装置において、前記略一定なMTFを実現するための波面制御素子は、1面に3つの曲率を有するレンズであることを特徴とするものである。
本発明の撮像装置の第17の構成は、第11から第16の何れか1つの撮像装置において、前記略一定なMTFを実現するための波面制御素子は、その材質に複屈折結晶が用いられることを特徴とするものである。
本発明の撮像装置の第18の構成は、第11から第17の何れか1つの撮像装置において、前記略一定なMTFを実現するための波面制御素子は、着脱可能とすることを特徴とするものである。
この第18の構成は、第11から第17の何れか1つの構成において略一定なMTFを実現するための波面制御素子を着脱可能としたものである。
本発明の撮像装置の第19の構成は、第1から第18の何れか1つの撮像装置において、前記画像処理手段において実行される画像処理は、前記撮像素子が出力する観測画像に対して画像回復処理を含むことを特徴とするものである。
本発明の撮像装置の第20の構成は、第19の撮像装置において、前記画像回復処理は、前記光学系の結像特性を用いることを特徴とするものである。
本発明の撮像装置の第21の構成は、第20の撮像装置において、前記画像回復処理は、回復画像が下記微分方程式で表される処理を実行することを特徴とするものである。
f(x,y)=g(x,y)+a1(x,y)・g'(x,y)+ … +an(x,y)・g(n)(x,y)
ただし、
f:回復画像、g:観測画像、a1、a2、…an:劣化パラメータ
(n):観測画像に対するn次微分。
本発明の第1の撮像システムの構成は、第1から第21の何れか1つの撮像装置と、前記撮像装置で撮像された観測画像に対して画像回復処理を実行する外部装置とを有することを特徴とするものである。
本発明の第2の撮像システムの構成は、第1の撮像システムにおいて、前記画像回復処理は、前記光学系の結像特性を用いることを特徴とするものである。
本発明の第3の撮像システムの構成は、第1または第2の撮像システムにおいて、前記画像回復処理は、回復画像が下記微分方程式で表される処理を実行することを特徴とするものである。
f(x,y)=g(x,y)+a1(x,y)・g'(x,y)+ … +an(x,y)・g(n)(x,y)
ただし、
f:回復画像、g:観測画像、a1、a2、…an:劣化パラメータ
(n):観測画像に対するn次微分。
本発明の第4の撮像システムの構成は、前記撮像装置と前記外部装置はそれぞれ通信手段を備え、前記撮像装置で撮像された観測画像を、前記通信手段を介して前記外部装置に送信することを特徴とするものである。
本発明に拠れば、復元した画像において、十分な解像が得られる。また、焦点深度が拡大した画像を簡単に得ることが可能となる。
比較例1、並びに、本発明の実施例1〜実施例3の光学系を展開して光軸に沿ってとった断面図。 比較例1のMTF特性を示す図。 比較例1の球面収差特性を示す図。 本発明の実施例1の光学系のMTF特性を示す図。 本発明の実施例1の球面収差特性を示す図。 本発明の実施例2で用いる2焦点レンズの構成を示した模式図。 本発明の実施例2の光学系のMTF特性を示す図。 本発明の実施例2の球面収差特性を示す図。 本発明の実施例3で用いる2焦点レンズの構成を示した模式図。 本発明の実施例3の光学系のMTF特性を示す図。 本発明の実施例3の球面収差特性を示す図。 比較例2の光学系を展開して光軸に沿ってとった断面図。 比較例2のMTF特性を示す図。 比較例2の球面収差特性を示す図。 本発明の実施例4の光学系を展開して光軸に沿ってとった断面図。 本発明の実施例4の光学系のMTF特性を示す図。 本発明の実施例4の球面収差特性を示す図。 本発明の撮像装置の構成を示す概略図。 本発明の画像回復処理を示す概略図。 本発明の撮像システムの構成を示す概略図。
本実施形態の撮像装置の第1の構成は、撮像素子と、撮像素子に被写体の像を結像する光学系と、撮像素子で得られた画像に対して画像処理を実行する画像処理手段を有し、光学系は、撮像素子の設置位置およびその前後の所定距離において略一定なMTFを有することを特徴としている。なお、MTFとはModulation Transfer Functionのことである。
以下に、この撮像装置の第1の構成を採用する理由と作用について説明する。
この第1の構成は、撮像装置で使用する光学系が持つ光学特性を、MTFを用いて規定したものである。すなわち、この光学系が持つMTFを、撮像素子の設置位置との関係を使って、その形状で規定したものである。第1の構成では、撮像素子の設置位置およびその前後の所定位置において、光学系のMTFを略一定あるいは一定なものとするようにしている。言い換えれば、光学系は、このような特徴のMTFを持つということである。このような光学系を備えることで、この撮像装置で得られた画像に対して画像回復処理が実行された場合、十分に解像された画像回復ができる。また、焦点深度が広い画像を復元することができる。また、画像回復処理を効果的に行うことが可能となる。
以下、更に説明を行なう。撮像装置では、光学系によって被写体の像が形成される。このとき、被写体の位置に応じて形成される像の位置も異なる。複数の被写体でそれぞれの位置が異なっている場合、各被写体の像の位置も異なる。ここで、ある被写体を基準として、この被写体にピントを合わせたとする。この場合、この被写体の像位置(以下、基準像位置)の前後に、他の被写体の像が形成される。そして、基準像位置ではピントの合った被写体像が得られるが、基準像位置の前後では、ピントのずれた(ぼけた)被写体像になる。
第1の構成では、光学系のMTFの値が、基準像位置と基準像位置の前後の位置(所定距離)で、ほぼ同じになっている。これは、位置(被写体の像位置)を横軸、MTFの値を縦軸にとった場合、横軸のある範囲でMTFの値が略一定となっているということである。なお、撮像装置では、通常、基準像位置に撮像素子が設置される。よって、撮像素子の設置位置を基準像位置と見なせば良い。
このように、第1の構成では、基準像位置およびその前後の位置において、MTFを略一定としているので、基準位置とその近傍位置で得られた画像それぞれについて、画像特性(画質、ボケ具合等)をほぼ同じようにすることができる。よって、画像処理手段で、例えばMTFを上昇させる回復処理を行った場合、各位置の画像において同じようにMTFを回復させることができる。すなわち、画像全体の各画素で、十分に解像された画像回復ができる。また、焦点深度が広い画像を復元することができる。なお、第1の構成における略一定とは、画像回復処理が実行された時に、多くの画素で同じように像の回復が行なわれる(例えば、十分な解像が得られる程度となる)範囲(変動幅)いう。
一方、撮像素子の設置位置におけるMTFとその前後の所定距離におけるMTFとの差(変動幅)が大きいと、画像回復処理が実行されたとしても、解像の低さが目立つ画像となってしまう。
また、第1の構成において、以下に記載する第2〜第4の何れかの構成を備えることがより好ましい。
第2の構成は、第1の構成において、略一定なMTFとなる空間周波数が、条件式(1)を満足することを特徴としている。
ν=1/(2×P×A)、1<A<20 …(1)
ただし、ν:空間周波数、P:撮像素子の画素ピッチ
以下に、この撮像装置の第2の構成を採用する理由と作用について説明する。この第2の構成は、略一定なMTFが存在する空間周波数を規定したものである。第2の構成では、画素ピッチPを有する撮像素子における最大空間周波数νmax=1/(2×P)と係数
Aを用いて、略一定なMTFが存在する空間周波数を規定している。この第2の構成では、特に、空間周波数νの下限をνmax/20に規定している。撮像素子の設置位置および
その前後の所定距離において略一定なMTFが、この空間周波数νの範囲内で少なくとも1つ存在することを条件としている。このような条件を有する光学系を用いることで、十分に解像された画像回復ができる。また、画像回復処理を効果的に行うことが可能となる。
第3の構成は、第1の構成において、略一定なMTFとなる空間周波数が、条件式(2)を満足することを特徴としている。
ν=1/(2×P×A)、2<A<8 …(2)
ただし、ν:空間周波数、P:撮像素子の画素ピッチ
以下に、この撮像装置の第3の構成を採用する理由と作用について説明する。この第3の構成は、第2の構成と同様、略一定なMTFが存在する空間周波数を規定したものであ
って、第2の構成より空間周波数の範囲を狭め、更に良好な画像回復処理を行うことを可能としている。具体的には、最大空間周波数νmaxとすると、空間周波数の上限をνmax/2、下限をνmax/8とするものである。この条件を満足することで、より解像された画
像回復ができる。また、画像回復処理を更に効果的に行うことが可能となる。
第4の構成は、第1の構成において、略一定なMTFとなる空間周波数が、条件式(3)を満足することを特徴としている。
0.001<ν/N<3 …(3)
ただし、ν:空間周波数、N:撮像素子一辺の画素数
以下に、この撮像装置の第4の構成を採用する理由と作用について説明する。この第4の構成も、略一定なMTFが存在する空間周波数を規定したものである。この第4の構成では、撮像装置で使用される撮像素子の一辺の画素数を用いて、空間周波数の上限と下限を規定したものである。ここで撮像素子一辺の画素数とは、矩形の撮像素子の場合、縦、横どちらか一辺の画素の並びにおいて多い方の画素数をいうものである。撮像素子の設置位置およびその前後の所定距離において略一定なMTFが、この空間周波数νの範囲内で少なくとも1つ存在することを条件としている。この条件を満足することで、十分に解像された画像回復ができる。また、画像回復処理を効果的に行うことが可能となる。
また、この撮像装置の第1〜第4の構成に、以下に記載する何れかの構成を備えることがより好ましい。
第5の構成は、第1から第4の何れかの撮像装置において、光学系が、開放Fナンバーにおいて略一定なMTFを有することを特徴としている。
この第5の構成は、焦点深度の一番浅くなる開放Fナンバーにおいて、光学系が略一定なMTFを有することを規定したものである。光学系が可変絞りを有する場合、このように開放Fナンバーにおいて、略一定なMTFを有することを規定したものである。このようにすることで、可変絞りを変更した場合においても、略一定なMTFを得ることができる。その結果、どの絞り位置の撮影で得られた画像に対しても、十分に解像された画像回復ができる。また、効果的な画像回復処理を実現できる。
第6の構成は、第1から第5の何れかの撮像装置において、略一定なMTFが、コントラストが0にならない範囲で他の空間周波数のMTFと交差することを特徴としている。
この第6の構成は、目的とする空間周波数のMTFにおいて、撮像素子の設置位置およびその前後の所定位置におけるMTFが、略一定な箇所を有することを、他の空間周波数のMTFとの関係において保証するものである。具体的には、目的とする空間周波数におけるMTFと、他の空間周波数におけるMTFを重ね合わせたとする。この場合、目的とする空間周波数のMTFが略一定であれば、コントラストが0とならない範囲で他の空間周波数のMTFと交差する。なお、コントラストが0とは、着目する空間周波数のMTFにおいて、白黒が反転する位置であって、ちょうどMTFが0となる位置に相当している。
第7の構成は、第6の撮像装置において、略一定なMTFが、他の空間周波数のMTFと10%以下の位置で交差することを特徴としている。
この第7の構成は、第6の構成において更に良好となる条件を規定したものである。この第7の構成によれば、目的とする空間周波数のMTFにおいて、撮像素子の設置位置およびその前後の所定位置におけるMTFが、略一定な箇所を有することを、他の空間周波数のMTFとの関係においてさらに保証するものである。
第8の構成は、第1から第7の何れかの撮像装置において、光学系の球面収差特性が、ピークを有することを特徴としている。
この第8の構成は、光学系の球面収差特性に基づいて、撮像素子の設置位置およびその前後の所定位置におけるMTFが略一定であることを規定したものである。球面収差特性がピークを有する場合、球面収差特性はプラス側、および、マイナス側の両方向に変動することとなる。このように、球面収差特性を両方向に変動させることで、撮像素子の設置位置近傍において光線を分散させることができる。このような特性を持たせることで、略一定なMTFを持つ光学系を実現できる。
第9の構成は、第8の撮像装置において、光学系の球面収差特性が、2つ以上のピークを有することを特徴としている。
この第9の構成は、第8の構成において更に良好となる条件を規定したものである。このように球面収差特性が2つ以上のピークを有することで、球面収差特性は、プラス側、および、マイナス側の両方向へ少なくとも2回変動することとなる。このような特性を持たせることで、略一定なMTFを持つ光学系を実現できる。
第10の構成は、第9の撮像装置において、球面収差特性のピークが、プラス側とマイナス側に位置することを特徴としている。
この第10の構成は、第9の構成において更に良好となる条件を規定したものである。このように、球面収差特性のピークをプラス側、マイナス側の両方に位置させることで、略一定なMTFを持つ光学系を実現できる。
第11の構成は、第1から第10の撮像装置において、光学系が、略一定なMTFを実現するための波面制御素子を備えることを特徴としている。
光波面制御素子を設けることで、略一定なMTFを持つ光学系を実現することができる。
第12の構成は、第11の撮像装置において、一定なMTFを実現するための波面制御素子が、非球面を有することを特徴としている。
波面制御素子が非球面を有することで、略一定なMTFを持つ光学系を実現することができる。この非球面を有する波面制御素子としては、非球面レンズや非球面板、または、何れかの領域を非球面とする多少点レンズなどを採用することができる。
第13の構成は、第11の撮像装置において、略一定なMTFを実現するための波面制御素子が、位相板であることを特徴としている。
位相板を波面制御素子として用いることで、略一定なMTFを持つ光学系を実現することができる。
第14の構成は、第11の撮像装置において、略一定なMTFを実現するための波面制御素子が、1面に複数の曲率を有するレンズであることを特徴としている。
1面に複数の曲率を有するレンズを波面制御素子として用いることで、略一定なMTFを持つ光学系を実現することができる。1つの曲率としては、球面形状のような所定の曲
率半径を有するものの他、非球面形状のように所定の計算式で得られる曲率を含むものである。
第15の構成は、第14の撮像装置において、略一定なMTFを実現するための波面制御素子が、中心と周辺で異なる曲率を有するレンズであることを特徴としている。
中心と周辺で異なる曲率を有するレンズを波面制御素子として用いることで、略一定なMTFを持つ光学系を実現することができる。
第16の構成は、第14または第15の撮像装置において、略一定なMTFを実現するための波面制御素子が、1面に3つの曲率を有するレンズであることを特徴としている。
1面に3つの曲率を有するレンズを波面制御素子として用いることで、略一定なMTFを持つ光学系を実現することができる。
第17の構成は、第11から第16の何れか1つの撮像装置において、略一定なMTFを実現するための波面制御素子が、その材質に複屈折結晶が用いられることを特徴としている。
波面制御素子の材質に複屈折結晶を用いることで、略一定なMTFを持つ光学系を実現することができる。
第18の構成は、第11から第17の何れか1つの撮像装置において、略一定なMTFを実現するための波面制御素子が、着脱可能であることを特徴としている。
このような構成に拠れば、略一定なMTFを実現するための波面制御素子を光学系から抜く、あるいは、別の光学素子と交換することができる。略一定なMTFを有する光学系と他の光学系を1つの装置にて実現し、必要なときに所望のMTF特性に変更することができる。
第19の構成は、第1から第18の何れか1つの撮像装置において、画像処理手段において実行される画像処理が、撮像素子から得られた画像に対して画像回復処理を含むことを特徴としている。
この第19の構成に拠れば、1つの撮像装置のみで撮像、並びに撮像した画像に対する画像回復処理を実行することが可能となる。
第20の構成は、第19の撮像装置において、画像回復処理が、光学系の結像特性を用いることを特徴としている。
この第20の構成に拠れば、光学系の結像特性を利用して画像回復処理を行うことで、さらに効果的な画像回復処理を行うことができる。
第21の構成は、第20の撮像装置において、画像回復処理が、回復画像が下記微分方程式で表される処理を実行することを特徴としている。
f(x,y)=g(x,y)+a1(x,y)・g'(x,y)+ … +an(x,y)・g(n)(x,y)
ただし、
f:回復画像、g:観測画像、a1、a2、…an:劣化パラメータ
(n):観測画像に対するn次微分。
この第21の構成に拠れば、光学系の結像特性として、画像の位置に応じて変化する劣化パラメータ、いわゆる、スペースバリアントなパラメータにてフィルタリングすることで、さらに効果的な画像回復処理を行うことができる。
第1の撮像システムの構成は、第1から第21の何れか1つの撮像装置と、撮像装置で撮像された画像に対して画像回復処理を実行する外部装置とを有することを特徴としている。
この第1の撮像システムの構成に拠れば、画像回復処理を外部装置にて行うことで、撮像装置内での処理負担を削減することが可能となる。その結果、撮像装置の低コスト化、高速処理を実現することができる。
第2の撮像システムの構成は、第1の撮像システムにおいて、画像回復処理が、光学系の結像特性を用いることを特徴としている。
この第2の撮像システムの構成に拠れば、光学系の結像特性を利用して画像回復処理を行うことで、さらに効果的な画像回復処理を行うことができる。
第3の撮像システムの構成は、第1または第2の撮像システムにおいて、画像回復処理が、回復画像が下記微分方程式で表される処理を実行することを特徴としている。
f(x,y)=g(x,y)+a1(x,y)・g'(x,y)+ … +an(x,y)・g(n)(x,y)
ただし、
f:回復画像、g:観測画像、a1、a2、…an:劣化パラメータ
(n):観測画像に対するn次微分。
この撮像システムの第3の構成に拠れば、光学系の結像特性として、画像の位置に応じて変化する劣化パラメータ、いわゆる、スペースバリアントなパラメータにてフィルタリングすることができる。これにより、さらに効果的な画像回復処理を行うことができる。
第4の撮像システムの構成は、撮像装置と外部装置はそれぞれ通信手段を備え、撮像装置で撮像された画像を、通信手段を介して外部装置に送信することを特徴としている。
この第4の撮像システムの構成に拠れば、撮像装置で撮像した画像を簡易に外部装置に提供することが可能となる。また、撮像装置における記録容量や処理量を削減することが可能となる。
図1から図17を用い、本実施形態の撮像装置で用いる光学系について説明を行う。
図1は、比較例1、並びに、本発明の実施例1〜実施例3で使用する光学系の概略を展開して光軸に沿ってとった断面図である。比較例1、実施例1〜実施例3は、図中、第3レンズL3の詳細において異なっている。
この比較例1は、実施例1〜実施例3を説明するために例示するものであり、第3レンズL3の両面を球面形状としている。これに対し、実施例1では第3レンズL3の6面を非球面形状とし、実施例2では第3レンズL3の5面を2焦点レンズとし、実施例3では第3レンズL3の5面を3焦点レンズとしている点において異なったものとなっている。
比較例1において、図1に示す光学系Oは、物体側から射出側に向かって順に、第1レ
ンズL1、第2レンズL2、第3レンズL3、明るさ絞りSにて構成されている。図中、r8で示される撮像面には、CCDなどの撮像素子が設置される。
第1レンズL1は、物体側に凸面を向けた正メニスカス形状の単レンズであり、第2レンズL2は、負屈折力を有する両凹形状の単レンズであり、第3レンズL3は、正屈折力を有する両凸形状の単レンズである。
また、本比較例では、撮像面に設置される撮像素子には、縦または横方向の最大画素数を4000、画素ピッチを1.7(μm)のものを想定して設計を行っている。なお、これは、実施例でも同じである。
以下に上記比較例1の数値データを示す。数値データ中、rは各レンズ面(光学面)の曲率半径、dは各レンズ面(光学面)間の間隔、ndは各レンズ(光学媒質)のd線の屈折率、Vdは各レンズ(光学媒質)のアッベ数、Fは焦点距離である。
各種データには、光学系の焦点距離、Fナンバーが示されている。焦点距離の単位は、ミリメートル(mm)であって、Fナンバーは、本測定に用いた開放時のものが示されている。
深度特性は、評価空間周波数84(lp/mm)におけるMTF20%、10%時、それぞれのMTFの幅を示したものであり、その単位は、ミリメートル(mm)である。
数値比較例1
単位 mm
面データ
面番号 r d nd Vd F
1 3.0139 1.2800 1.72341 50.20 6.1743
2 7.6146 0.1923
3 -10.5848 0.2367 1.70448 30.10 -3.5085
4 3.2544 0.3997
5 10.7443 0.4438 1.81067 41.00 5.0931
6 -6.5817 0.2367
7(絞り) ∞ 7.7389
8(撮像面) ∞

各種データ
焦点距離 9.9902
Fナンバー 3.5

深度特性(評価空間周波数:84[lp/mm])
深度
MTF20% 0.09
MTF10% 0.11 。
図2は、この比較例1における評価空間周波数84(lp/mm)でのMTF特性を示した図である。図2には、軸上でのデフォーカス量(単位:ミリメートル(mm))に対するMTF(単位:%)が示されている。この比較例1のMTF特性は、基準位置に対して−0.05(mm)付近に約70%の尖鋭なピークを持つ形状となっている。 図3は、この比較例1における球面収差特性を示した図であり、ここでは、波長546.07(nm)での球面収差特性が示されている。
次に、実施例1について数値実施例、並びに各種特性を以下に説明する。この実施例1は、図1における第3レンズL3の6面を非球面形状とすることで、撮像素子の設置位置およびその前後の所定距離において略一定なMTFを実現している。各数値の意味、各種設計条件は、比較例1において説明したものと同様である。
深度特性に記載する対比較例は、比較例1に対するMTF20%、10%時、それぞれのMTFの幅の比を示したものである。また、換算Fナンバーは、本実施例1のMTFの幅を比較例1において実現する場合に必要とされるFナンバーを示したものである。
また、非球面形状は、xを光の進行方向を正とした光軸とし、yを光軸と直交する方向にとると下記の式にて表される。
x=(y2/r)/[1+{1−(K+1)(y/r)21/2
+A2y2+A4y4+A6y6+A8y8+A10y10+ …
ただし、rは近軸曲率半径、Kは円錐係数、A2〜A10はそれぞれ2次〜10次の非球面係数である。
数値実施例1
単位 mm
面データ
面番号 r d nd Vd F
1 3.0139 1.2800 1.72341 50.20 6.1743
2 7.6146 0.1923
3 -10.5848 0.2367 1.70448 30.10 -3.5085
4 3.2544 0.3997
5 10.7443 0.4438 1.81067 41.00 5.0931
6* -6.5817 0.2367
7(絞り) ∞ 7.7389
8(撮像面) ∞

非球面データ
第6面
K=0
A2=-2.01E-12
A4=5.98E-03
A6=-2.08E-02
A8=2.19E-02
A10=-7.06E-03

各種データ
焦点距離 9.9902
Fナンバー 3.5

深度特性(評価空間周波数:84[lp/mm])
深度 対比較例[%] 換算Fナンバー
MTF20% 0.16 182 6.4
MTF10% 0.25 223 7.8 。
図4は、この実施例1におけるMTF特性を示した図であり、図4(a)は、軸上でのMTF特性を示したものである。また、図4(b)は、軸外でのMTF特性を示したもの
である。ここでは、0.25dと、0.35d(ただし、0.5d:撮像面最大高)、2つの軸外におけるMTF特性が示されている。なお、図4(a)、(b)ともに評価空間周波数は、84(lp/mm)としている。
図4(c)は、評価空間周波数が異なる場合のMTF特性を示したものである。ここでは、図4(a)と同じ84(lp/mm)のMTF特性と、50(lp/mm)のMTF特性が示されている。
このように図4(a)に示される軸上でのMTF特性は、図2の比較例1のMTF特性と比較してみると分かるように、デフォーカス量を0とする位置、すなわち、撮像素子が設置される位置、そしてその前後の所定距離範囲内において、低い値ではあるものの略一定なMTFを実現するものである。
このような特性(曲線)を有するMTFでは、得られた画像に対し各種画像回復処理を施すことで、所定の範囲でデフォーカスした画像において、一様にMTFを上昇させることができる。これにより、十分な解像を持つ画像を復元することができる。また、焦点深度の深い画像を実現することが可能となる。なお、デフォーカス量を0とする位置、すなわち、撮像素子の設置位置は、各種MTF特性の形状を考慮して適宜な位置とすることが可能である。
図4(b)からは、軸上と同様、軸外においても略一定なMTF特性を有することがみてとれる。そして、図4(c)からは、84(lp/mm)のMTF特性においてコントラストが0とならない範囲で、84(lp/mm)のMTF特性と50(lp/mm)のMTF特性が交差している。このような状態であれば、84(lp/mm)のMTF特性が略一定であることが保証されているといえる。なお、コントラストが0とは、着目する評価空間周波数のMTFにおいて、白黒が反転する位置であって、MTFが0になる位置に相当している。
図5は、この実施例1における球面収差特性を示した図であり、ここでは、波長546.07(nm)での球面収差特性が示されている。この球面収差特性は、図3の球面収差特性と比較して、収差を表す曲線がプラス側、マイナス側に変動している。図5では、収差曲線は、矢印で示すように、3つのピークを有する。このピークの前後では、収差の発生方向がプラス側からマイナス側、あるいはその逆になっている。
このように、球面収差特性をプラス側、マイナス側の両方向に変動させることで、デフォーカス量0の位置付近において、略一定なMTFを実現することが可能となる。この実施例1のように、球面収差特性において、プラス側、マイナス側の両方に複数のピークを形成することが好ましい。なお、球面収差数特性において、2つ以上のピークを持たせることだけでもで、MTFを略一定とすることができる。
次に、実施例2について数値実施例、並びに各種特性を説明する。この実施例2は、図1における第3レンズL3の5面を2焦点レンズとすることで、撮像素子の設置位置およびその前後の所定距離において略一定なMTFを実現している。各種数値の意味、各種設計条件は、比較例1、実施例1において説明したものと同様である。
図6は、第3レンズL3の5面に採用される2焦点レンズの正面図、並びに、光軸に沿ってとった断面図である。この図は複数焦点レンズを説明するため模式的に示した図であって、その形状は実際の数値による形状とは異なっている。
図6に示されるように、この2焦点レンズは、その中央に領域Aが設けられ、領域Aを
取り巻くように領域Bが設けられている。本実施例では領域A、領域Bは、共に球面形状を有するとともに、領域Aと領域B間は段差を有すること無く連続的に変化する形状となっている。下記数値実施例に、領域毎の半径、曲率、各レンズ面(光学面)間の間隔d4、d5を示しておく。ここで、領域Bの面間隔d4、d5は、図6に示すように、領域Bのレンズ面が形成する仮想面が光軸と交差する位置での面間隔(図中d4'、d5')をいうものである。
数値実施例2
単位 mm
面データ
面番号 r d nd Vd F
1 3.0139 1.2800 1.72341 50.20 6.1743
2 7.6146 0.1923
3 -10.5848 0.2367 1.70448 30.10 -3.5085
4 3.2544 0.3997
5(2焦点) 10.7443 0.4438 1.81067 41.00 8.1189
6 -6.5817 0.2367
7(絞り) ∞ 7.7389
8(撮像面) ∞

2焦点レンズデータ(面番号5)
半径 曲率 d4 d5
領域A 0.715 10.7443 0.3997 0.4438
領域B 1.2 11.0443 0.4003 0.4432

各種データ
焦点距離 9.9902
Fナンバー 3.5

深度特性(評価空間周波数:84[lp/mm])
深度 対比較例[%] 換算Fナンバー
MTF20% 0.16 177 6.2
MTF10% 0.19 175 6.1 。
図7は、この実施例2における軸上でのMTF特性を示した図である。評価空間周波数は、比較例1と同様、84(lp/mm)としている。このように図7に示される軸上でのMTF特性においても、デフォーカス量を0とする位置、すなわち、撮像素子が設置される位置、そしてその前後の所定距離範囲内において略一定なMTFを実現することがみてとれる。
図8は、この実施例2における球面収差特性を示した図であって、比較例1と同様、波長546.07(nm)での球面収差特性が示されている。この球面収差特性は、プラス側、マイナス側にいくつかのピークを有するものとなっている。よって、実施例2においても、デフォーカス量0となる前後の位置においてMTFを略一定となっている。
次に、実施例3についての数値実施例、並びに各種特性を説明する。この実施例3は、図1における第3レンズL3の5面を3焦点レンズとすることで、撮像素子の設置位置およびその前後の所定距離において略一定なMTFを実現している。各種数値の意味、各種設計条件は、比較例1、実施例1、2において説明したものと同様である。
図9は、第3レンズL3の5面に採用される3焦点レンズの正面図、並びに、光軸に沿ってとった断面図を示す。この図は複数焦点レンズを説明するため、模式的に示した図であって、その形状は実際の数値による形状とは異なったものとなっている。
図9に示されるように、この3焦点レンズは、その中央に領域Aが設けられ、領域Aを取り巻くように領域B、さらに領域Bを取り巻くように領域Cが設けられている。本実施例では領域A、領域B、領域Cは、それぞれが球面形状を有するとともに、各領域間は段差を有すること無く連続的に変化する形状となっている。下記数値実施例に、領域毎の半径、曲率、各レンズ面(光学面)間の間隔d4、d5を示しておく。ここで、領域Bの面間隔d4、d5は、図9に示すように、領域Bのレンズ面が形成する仮想面が光軸と交差する位置での面間隔(図中d4'、d5')であり、また、領域Cの面間隔d4、d5は、領域Cのレンズ面が形成する仮想面が光軸と交差する位置での面間隔(図中d4''、d5'')である。
数値実施例3
単位 mm
面データ
面番号 r d nd Vd F
1 3.0139 1.2800 1.72341 50.20 6.1743
2 7.6146 0.1923
3 -10.5848 0.2367 1.70448 30.10 -3.5085
4 3.2544 0.3997
5(3焦点) 10.7443 0.4438 1.81067 41.00 8.1189
6 -6.5817 0.2367
7(絞り) ∞ 7.7389
8(撮像面) ∞

3焦点レンズデータ(面番号5)
半径 曲率 d4 d5
領域A 0.715 10.7443 0.3997 0.4438
領域B 1.105 11.0443 0.4003 0.4432
領域C 1.2 11.2943 0.4025 0.4410

各種データ
焦点距離 9.9902
Fナンバー 3.5

深度特性(評価空間周波数:84[lp/mm])
深度 対比較例[%] 換算Fナンバー
MTF20% 0.17 184 6.5
MTF10% 0.22 195 6.8 。
この3焦点レンズを用いた実施例3についてもそのMTF特性、並びに球面収差特性を示しておく。
図10は、この実施例3における軸上でのMTF特性を示した図であり、図10(a)は、比較例1と同様、評価空間周波数が84(lp/mm)における軸上でのMTF特性を示したものである。また、図10(c)は、評価空間周波数が異なる場合のMTF特性を示したものである。ここでは、図10(a)と同じ84(lp/mm)と、50(lp/mm)、2つのMTF特性を併せて示している。
このように図10(a)に示される軸上でのMTF特性においても、デフォーカス量を0とする位置、すなわち、撮像素子が設置される位置、そしてその前後の所定距離範囲内において、略一定なMTFが実現されている。また、図10(c)では、84(lp/mm)のMTF特性においてコントラストが0とならない範囲で、84(lp/mm)のMTF特性と50(lp/mm)のMTF特性が交差している。このような状態であれば、84(lp/mm)のMTF特性が略一定であることが保証されているといえる。また、この実施例3では、10%以下の位置で交差したものとなっており、84(lp/mm)のMTF特性が略一定であることを更に裏付けている。
図11は、この実施例3における球面収差特性を示した図であって、比較例1と同様、波長546.07(nm)での球面収差特性が示されている。この球面収差特性は、プラス側、マイナス側にいくつかのピークを有するものとなっている。よって、実施例3においても、デフォーカス量0となる前後の位置においてMTFを略一定となっている。
次に、別の光学系を用いた実施例4について、その比較例2とともに説明を行う。図12は、この比較例2で使用する光学系を展開して光軸に沿ってとった断面図である。
この比較例2の光学系Oは、物体側から射出側に向かって配列された第1レンズL1、明るさ絞りS、第2レンズL2、第3レンズL3にて構成されている。図中、r9で示される撮像面には、CCDなどの撮像素子が設置される。
第1レンズL1は、物体側に凸面を向けた正メニスカス形状の単レンズであり、第2レンズL2は、物体側に凹面を向けた正メニスカス形状の単レンズであり、第3レンズL3は、正屈折力を有する両凸形状の単レンズである。また、実施例4との比較のため、明るさ絞りSの前段に仮想面r3を設けて設計を行うこととしている。
また、本実施例では、撮像面に設置される撮像素子には、縦または横方向の最大画素数を353、画素ピッチを3.0(μm)のものを想定して設計を行っている。
以下に上記比較例2の数値実施例を示す。各種数値の意味は、比較例1、実施例1〜3において説明したものと同様である。また、深度特性における評価空間周波数は111(lp/mm)としている。
数値比較例2
単位 mm
面データ
面番号 r d nd Vd F
1* 1.0577 0.4200 1.59008 29.90 3.5608
2 1.8160 0.3820
3 ∞ 0.0500
4(絞り) ∞ 0.2020
5 -0.3626 0.4200 1.49380 57.40 4.1989
6* -0.4268 0.0380
7 1.1353 0.3530 1.69979 55.50 1.2981
8 -3.9640 0.6686
9(撮像面) ∞

非球面データ
第1面
K=0
A2=0.00E+00
A4=1.58E-01
A6=0.00E+00
A8=0.00E+00
A10=0.00E+00
第6面
K=0
A2=0.00E+00
A4=1.08E+00
A6=-5.63E+00
A8=7.40E+01
A10=0.00E+00

各種データ
焦点距離 0.9971
Fナンバー 2.8

深度特性(評価空間周波数:111[lp/mm])
深度
MTF20% 0.06
MTF10% 0.07 。
図13は、この比較例2における評価空間周波数111(lp/mm)でのMTF特性を示した図であり、軸上でのデフォーカス量(単位:ミリメートル(mm))に対するMTF(単位:%)が示されている。この比較例1のMTF特性は、0(mm)付近に約65%の尖鋭なピークを持つ形状となっている。
図14は、この比較例1における球面収差特性を示した図であり、ここでは、波長546.07(nm)での球面収差特性が示されている。この図からは変動の少ない球面収差特性がみてとれる。
次に、実施例4について数値実施例、並びに各種特性を以下に説明する。図15に実施例4の光学系を展開して光軸に沿ってとった断面図を示す。この実施例4は、図12における仮想面r3と明るさ絞りS間に非球面板Cを挿入することで、撮像素子の設置位置およびその前後の所定距離において略一定なMTFを実現するものである。各数値の意味、各種設定条件は、比較例2のものと同様である。
数値実施例4
単位 mm
面データ
面番号 r d nd Vd F
1* 1.0577 0.4200 1.59008 29.90 3.5608
2 1.8160 0.3820
3* ∞ 0.0500 2.11986 36.80 11.0766
4(絞り) ∞ 0.2020
5 -0.3626 0.4200 1.49380 57.40 4.1989
6* -0.4268 0.0380
7 1.1353 0.3530 1.69979 55.50 1.2981
8 -3.9640 0.6222
9(撮像面) ∞

非球面データ
第1面
K=0
A2=0.00E+00
A4=1.58E-01
A6=0.00E+00
A8=0.00E+00
A10=0.00E+00
第3面
K=0
A2=4.01E-02
A4=-3.95E+00
A6=6.19E+02
A8=-7.92E-01
A10=-1.04E+06
第6面
K=0
A2=0.00E+00
A4=1.08E+00
A6=-5.63E+00
A8=7.40E+01
A10=0.00E+00

各種データ
焦点距離 0.9973
Fナンバー 2.8

深度特性(評価空間周波数:111[lp/mm])
深度 対比較例[%] 換算Fナンバー
MTF20% 0.09 159 4.4
MTF10% 0.11 158 4.4 。
図16は、この実施例4におけるMTF特性を示した図であり、図16(a)は、軸上でのMTF特性を示したものである。また、図16(b)は、軸外でのMTF特性を示したものである。ここでは、0.25dと、0.35d(ただし、0.5d:撮像面最大高)、2つの軸外におけるMTF特性が示されている。なお、図4(a)、(b)ともに評価空間周波数は、111(lp/mm)としている。
このように図16(a)に示される軸上でのMTF特性は、図13の比較例2のMTF特性と比較してみると分かるように、デフォーカス量を0とする位置、すなわち、撮像素子が設置される位置、そしてその前後の所定距離範囲内において、低い値ではあるものの略一定なMTFを実現するものである。
また、図16(b)からは、軸上と同様、軸外においても略一定なMTF特性を有することがみてとれる。
図17は、この実施例4における球面収差特性を示した図であり、ここでは、波長546.07(nm)での球面収差特性が示されている。この球面収差特性は、図14の球面
収差特性と比較して、大幅に変動する特性となっており、マイナス側に2つのピークをとって変動することがみてとれる。
このように、球面収差特性を変動させることで、デフォーカス量0の位置付近において、略一定なMTFを実現することが可能となる。
以上、図1〜図11を用いて実施例1〜実施例3、並びにその比較例1を、図12〜図17を用いて実施例4、並びにその比較例2について説明を行ったが、このような実施例1から実施例4の光学系によれば、デフォーカス量が0となる位置、すなわち、撮像素子の設置位置およびその前後の所定距離において略一定なMTFを実現している。このような光学系を介して画像を得た場合、得られた画像に対して画像回復処理を施すことで、十分な解像を持った画像を得る事ができる。また、焦点深度の広い画像を得るることが可能となる。
なお、略一定なMTFを実現するため、比較例1に対し、実施例1では非球面形状を、実施例2では2焦点レンズを、実施例3では3焦点レンズを設けた点。が、また、比較例2に対し実施例4では非球面板を設けた点が異なっている。なお、略一定なMTFを実現するための波面制御素子としては、このようなレンズの非球面形状、複数焦点レンズ、非球面板だけでなく、位相板を用いてもよい。更に、複数の波面制御素子にて略一定なMTFを実現することとしても構わない。実施例2、3では複数焦点レンズの各々の領域を球面形状としたが、何れかの領域を非球面形状としてもよい。また、波面制御素子の材質に複屈折結晶を採用することで略一定なMTFを実現してもよい。
また、これら略一定なMTFを実現するための波面制御素子を着脱可能としても良い。このようにすることで、尖鋭なMTF特性を有する通常の光学系(比較例1、比較例2)として用いることができるようにしてもよい。例えば、実施例1〜実施例3では、第3レンズL3を交換することで比較例1の光学系に変更することができ、実施例4では、非球面板Cを取り除くことで比較例2の光学系に変更することが可能となる。
上記実施例1〜実施例4について、各条件式(1)〜条件式(3)の値を下記に示しておく。
実施例1 実施例2 実施例3 実施例4
条件式(1) 84 84 84 111
条件式(2) 84 84 84 111
条件式(3) 0.021 0.021 0.021 0.314 。
では、次に図18〜図20を用い、本実施形態の撮像装置および撮像システムについて説明を行う。図18は、本実施形態の撮像装置の構成を示した概略図である。この撮像装置10は、光学系11と、撮像素子12と、画像処理手段14と、制御手段13により構成されている。なお、本実施形態では、画像処理手段14により画像回復処理30を実行することとしているが、この画像回復処理30は撮像装置10の外部で行うこととしてもよい。
この撮像装置10において、光学系11は、これまで説明してきた撮像素子12の設置位置およびその前後の所定距離において略一定なMTFを有するものである。被写体からの光は、この光学系11により集光され、この集光位置に被写体の像が結像される。そして、この集光位置には、CCD等の撮像素子12が配置されている。撮像素子12は、規則正しく配列された光電変換素子(画素)の集まりにて形成されている。
撮像素子12に入射した光束は、この撮像素子12の光電変換素子により電気信号(画像信号)に変換される。この電気信号は画像処理手段14に入力され、画像処理手段14にて現像処理、ガンマー補正、画像圧縮処理、画像回復処理30等、各種信号処理が施される。信号処理が施された電気信号は、図示しない撮像装置10内の内蔵メモリーや各種インターフェイスを介し、外部メモリーあるいは外部装置に出力される。
制御手段13は、光学系11、撮像素子12、画像処理手段14を統括して制御する手段である。この制御手段13は、CPU、ROMやRAMなどの記憶手段、記憶手段に記憶された各種プログラムによって構成されている。この制御手段13は、画像処理手段14と兼用することとしてもよい。
画像回復処理30では、光学系11の結像特性に基づいた処理を行う。この場合、制御手段13は、光学系11の結像特性に関する情報を取得して画像回復処理30に引き渡す。このような構成に拠れば、交換可能な光学系11を有する撮像装置10においても光学系11に応じた画像回復処理30を実行することができる。光学系11の結像特性としては、絞り値、焦点距離など結像特性を実際に示す情報に限らず、製品番号など光学系11の識別情報を用い、制御手段13にて識別情報に対応する実際の結像特性に変換することとしてもよい。
では、次に実施形態の撮像装置における画像回復処理について説明する。なお、以下の説明では、画像回復処理の対象となる画像を、観測画像と称する。画像回復処理では各種の処理(変換)を利用することができるが、利用可能な画像回復処理を大別すると以下の3つに分類することができる。
(1)光学系11の結像特性を利用するとともに、観測画像の位置に応じた処理が行われる画像回復処理。
(2)光学系11の結像特性を利用するとともに、観測画像全体に対し一定の処理が行われる画像回復処理。
(3)光学系11の結像特性を利用することなく、観測画像全体に対し一定の処理が行われる画像回復処理。
(1)の画像回復処理は、観測画像の各画素について異なる処理、いわゆるスペースバリアントな処理が施される画像処理である。この画像処理は、本実施形態の光学系11で撮像した画像に対し、きわめて効果的な画像回復ができる。すなわち、撮像素子12が設置される位置、および、その近傍におけるMTFを略均等に上昇させることができる。この画像回復処理の詳細については後述する。なお、各画素ごとに処理を異ならせるのではなく、画素群ごとに処理を異ならせても良い。
(2)、(3)の画像回復処理は、観測画像の各画素について同じ処理、いわゆるスペースインバリアントな処理が施される画像処理である。(2)のような画像回復処理としては、画像に対し、光学系11の結像特性に対応した劣化関数の逆関数にてフィルタリングすることで、効果的な画像回復を行うことができる。
また(3)の画像回復処理としては、所定の帯域を持ち上げる帯域強調や、観測画像から抽出したエッジ情報を加算するエッジ強調などがあり、これらの画像回復処理に拠れば、光学系11の結像特性を用いることなく簡易に画像回復を行うことが可能となる。これら(2)、(3)の画像回復処理は、空間上で行う処理であっても、フーリエ変換などを用いて周波数軸上で行われる処理であってもよい。
では、(1)の画像回復処理について詳細な説明を以下に行う。
奥行きが連続的に変化する被写体を撮影すると、手前側から奥側にかけてボケ方が異なる観測画像が得られる。被写体の中心部にピントが合っているとすると、撮影で得られた被写体の観測画像のボケ量は、大→小→大と連続性を持って変化することとなる。このような場合を、観測画像の各画素のボケ方が観測画像の座標位置に応じて変動する状態、いわゆるスペースバリアントな状態と定義することができる。
まず、回復画像をf(x、y)、観測画像をg(x、y)、劣化関数をh(x、y、α、β)と定義すると、f(x、y)、g(x、y)のx、y周りでのm、n次微分、h(x、y、α、β)のi,k次モーメントは、それぞれ(数1)内に示す式で定義することができる。ただし、劣化関数h(x、y、α、β)は、観測画像g(x、y)の画素位置、及び、光学系の結像特性を示すPSF(α、β)によって変化するボケ量を示す関数である。
Figure 2011008045
次に観測画像g、回復画像f、劣化関数hの関係をモデル化すると(数2)のようにgは、hとfの畳み込み積分で表すことができる。
Figure 2011008045
この(数2)において、右辺のh、fをそれぞれテーラー展開(h:N次打ち切り、f:M次打ち切り)にて展開すると、
Figure 2011008045
(数3)を(数2)に代入し、h、fの積より導かれる各項毎の積分で表すと、各積分の項は、数1にて定義したhのモーメントに置き換えることが可能となり、(数4)を導くことができる。
Figure 2011008045
この(数4)の両辺をx、yに関して微分し、f、hの微分係数>N、Mの場合には、各微分係数を0とし、これをg(p,q)=f(p,q)となるまでx、yについてp、q回繰り返し、逆算して(数4)のfの微分値に代入していく。このような手順により(数4)に残るfの関数は0次の微分の項のみとなり、回復画像fは、下記に示すように観測画像gと劣化関数hの積和演算により表すことができる。
f(x,y)=g(x,y)+a1(x,y)・g'(x,y)+ … +an(x,y)・g(n)(x,y)
ただし、
f:回復画像、g:観測画像、a1、a2、…an:劣化パラメータ
(n):観測画像に対するn次微分。
ここで劣化パラメータは、劣化関数hによって定まるパラメータであり、観測画像g(x、y)の画素位置、及び、光学系の結像特性によって変化するパラメータである。
本実施形態では、光学系11の結像特性を利用するとともに、観測画像の位置に応じた変換が行われる(1)の画像回復処理を、観測画像に施している。すなわち、被写体を、撮像素子の設置位置およびその前後の所定距離において略一定なMTFを有する光学系で撮像した場合、撮像で得られた観測画像に(1)の画像回復処理を施すことで、(2)、(3)の画像回復処理と比べて、更に効果的に画像の解像を回復する(十分に解像された画像にする)ことができる。
では、この画像回復処理30の処理の一例について図19を参照しつつ説明を行う。図19は、画像回復処理30のブロック図を示したものであり、本実施形態では、入力信号微分手段31、劣化パラメータ読み出し手段32、劣化パラメータルックアップテーブル33、乗加算手段34より構成されている。
入力信号微分手段31は、観測画像gを微分する手段であり、ここでは1次微分を実行するソーベルフィルタ、2次微分を実行するラプラシアンフィルタ、2つのフィルタを用いている。
劣化パラメータルックアップテーブル33には、観測画像gの画素位置(x、y)、及び、光学系11の光学特性に応じた劣化パラメータa1、a2、…anが予め記憶されてい
る。このように、本実施形態では、光学系11の設計値に基づくルックアップテーブルを予め用意しておくことで、演算時間を短縮することができる。なお、ソーベルフィルタとラプラシアンフィルタを用いた場合は、劣化パラメータルックアップテーブル33から読み出す係数はa1、a2までになるので、a3〜anは使わなくても良い。
劣化パラメータの取得は、このようなルックアップテーブル33を用意することに代え、光学特性からリアルタイム演算により算出したり、光学特性に沿った近似式を予め複数用意したりしておき、選択的に利用して演算することとしてもよい。
劣化パラメータ読み出し手段32は、この劣化パラメータルックアップテーブル33から、画素の位置(x、y)に応じた値を読み出して、乗加算手段34に出力する。
乗加算手段34は、入力信号微分手段31から出力される信号と読み出された劣化パラメータを乗加算するとともに、観測画像gを加算して回復画像fの出力を行う。
図20は、画像回復処理を外部装置にて行う場合の撮像装置10の構成、並びに、当該撮像装置10と外部装置20からなる撮像システムの構成を示した概略図である。本実施形態は、画像回復処理30を外部装置20にて行う構成としている。
撮像装置10は、光学系11、撮像素子12、第1画像処理手段14、第1制御手段13を備え、それぞれの構成は、図18で説明した撮像装置で同符号を有する構成と同様である。また本実施形態では、第1通信手段15が設けられている。この第1通信手段15は、撮像装置10で撮像した画像(観測画像)を外部装置20に送信する。外部装置20にて実行される画像回復処理30において、光学系11の結像特性が必要とされる場合は、この結像特性を観測画像に対応付くようにして送信することとしてもよい。
一方、外部装置20は、第2通信手段21、画像回復処理30を実行可能とする第2画像処理手段22、第2制御手段23が設けられている。第2通信手段21は、第1通信手段15から送信された画像を受信するための手段である。これら第1通信手段15、第2通信手段は有線、無線を問わず各種方式のものを採用することができる。
第2画像処理手段22では、第2通信手段21を介して受信した観測画像、あるいは、観測画像と結像特性により画像回復処理30が実行される。画像回復処理30が施された画像は、図示しない内部メモリーや、各種インターフェイスを介し、外部メモリーあるいは他の外部装置に出力される。なお、この第2画像処理手段22では、画像回復処理30のみだけでなく他の各種画像処理を行うこととしてもよい。
このように、外部装置20にて画像回復処理30を実行することで、撮像装置10内での処理負担を軽減することが可能となる。なお、本実施形態では観測画像など各種情報のやりとりを通信手段15、21にて行うこととしたが、各種情報のやりとりは撮像装置10、外部装置20に装着可能な外部メモリーを介して行うものであってもよい。
以上、本発明における撮像装置、並びに撮像システムについて説明したが、これら本発明における撮像装置、撮像システムとしては、一般的なデジタルカメラ(OVF、EVF問わず)のみならず、医療分野などで利用される被検体内部に挿入して観察を行う内視鏡や、被検体となる患者が飲み込むことで体内の観察を行うカプセル内視鏡、あるいは、顕微鏡など各種光学装置に用いることができる。
以上、本発明の種々の実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態のみに限られるものではなく、それぞれの実施形態の構成を適宜組み合わせて構成した実施形態も本発明の範疇となるものである。
L1…第1レンズ
L2…第2レンズ
L3…第3レンズ
S…明るさ絞り
C…非球面板
10…撮像装置
11…光学系
12…撮像素子
13…(第1)制御手段
14…(第1)画像処理手段
15…第1通信手段
20…外部装置
21…第2通信手段
22…第2画像処理手段
23…第2制御手段
30…画像回復処理
31…入力信号微分手段
32…劣化パラメータ読み出し手段
33…劣化パラメータLUT
34…乗加算手段

Claims (25)

  1. 撮像素子と、
    前記撮像素子に被写体の像を結像する光学系と、
    前記撮像素子が出力する観測画像に対して画像処理を実行する画像処理手段を有し、
    前記光学系は、前記撮像素子の設置位置およびその前後の所定距離において略一定なMTFを有することを特徴とする
    撮像装置。
  2. 前記略一定なMTFは、条件式(1)を満足する空間周波数を有することを特徴とする
    請求項1に記載の撮像装置。
    ν=1/(2×P×A)、1<A<20 …(1)
    ただし、ν:空間周波数、P:撮像素子の画素ピッチ
  3. 前記略一定なMTFは、条件式(2)を満足する空間周波数を有することを特徴とする
    請求項1に記載の撮像装置。
    ν=1/(2×P×A)、2<A<8 …(2)
    ただし、ν:空間周波数、P:撮像素子の画素ピッチ
  4. 前記略一定なMTFは、条件式(3)を満足する空間周波数を有することを特徴とする
    請求項1に記載の撮像装置。
    0.001<ν/N<3 …(3)
    ただし、ν:空間周波数、N:撮像素子一辺の画素数
  5. 前記光学系は、開放Fナンバーにおいて、前記略一定なMTFを有することを特徴とする
    請求項1から請求項4の何れか1項に記載の撮像装置。
  6. 前記略一定なMTFは、コントラストが0にならない範囲で他の空間周波数のMTFと交差することを特徴とする
    請求項1から請求項5の何れか1項に記載の撮像装置。
  7. 前記略一定なMTFは、他の空間周波数のMTFと10%以下の位置で交差することを特徴とする
    請求項6に記載の撮像装置。
  8. 前記光学系の球面収差特性は、ピークを有することを特徴とする
    請求項1から請求項7の何れか1項に記載の撮像装置。
  9. 前記光学系の球面収差特性は、2つ以上のピークを有することを特徴とする
    請求項8に記載の撮像装置。
  10. 前記球面収差特性のピークは、プラス側とマイナス側に位置することを特徴とする
    請求項9に記載の撮像装置。
  11. 前記光学系は、前記略一定なMTFを実現するための波面制御素子を備えることを特徴とする
    請求項1から請求項10の何れか1項に記載の撮像装置。
  12. 前記略一定なMTFを実現するための波面制御素子は、非球面を有することを特徴とす

    請求項11に記載の撮像装置。
  13. 前記略一定なMTFを実現するための波面制御素子は、位相板であることを特徴とする
    請求項11に記載の撮像装置。
  14. 前記略一定なMTFを実現するための波面制御素子は、1面に複数の曲率を有するレンズであることを特徴とする
    請求項11に記載の撮像装置。
  15. 前記略一定なMTFを実現するための波面制御素子は、中心と周辺で異なる曲率を有するレンズであることを特徴とする
    請求項14に記載の撮像装置。
  16. 前記略一定なMTFを実現するための波面制御素子は、1面に3つの曲率を有するレンズであることを特徴とする
    請求項14または請求項15の何れか1項に記載の撮像装置。
  17. 前記略一定なMTFを実現するための波面制御素子は、その材質に複屈折結晶が用いられることを特徴とする
    請求項11から請求項16の何れか1項に記載の撮像装置。
  18. 前記略一定なMTFを実現するための波面制御素子は、着脱可能とすることを特徴とする
    請求項11から請求項17の何れか1項に記載の撮像装置。
  19. 前記画像処理手段において実行される画像処理は、前記撮像素子が出力する観測画像に対して画像回復処理を含むことを特徴とする
    請求項1から請求項18の何れか1項に記載の撮像装置。
  20. 前記画像回復処理は、前記光学系の結像特性を用いることを特徴とする
    請求項19に記載の撮像装置。
  21. 前記画像回復処理は、回復画像が下記微分方程式で表される処理を実行することを特徴とする
    請求項20に記載の撮像装置。
    f(x,y)=g(x,y)+a1(x,y)・g'(x,y)+ … +an(x,y)・g(n)(x,y)
    ただし、
    f:回復画像、g:観測画像、a1、a2、…an:劣化パラメータ
    (n):観測画像に対するn次微分
  22. 請求項1から請求項19の何れか1項に記載の撮像装置と、
    前記撮像装置で撮像された観測画像に対して画像回復処理を実行する外部装置とを有することを特徴とする
    撮像システム。
  23. 前記画像回復処理は、前記光学系の結像特性を用いることを特徴とする
    請求項22に記載の撮像システム。
  24. 前記画像回復処理は、回復画像が下記微分方程式で表される処理を実行することを特徴とする
    請求項22または請求項23に記載の撮像システム。
    f(x,y)=g(x,y)+a1(x,y)・g'(x,y)+ … +an(x,y)・g(n)(x,y)
    ただし、
    f:回復画像、g:観測画像、a1、a2、…an:劣化パラメータ
    (n):観測画像に対するn次微分
  25. 前記撮像装置と前記外部装置はそれぞれ通信手段を備え、
    前記撮像装置で撮像された観測画像を、前記通信手段を介して前記外部装置に送信することを特徴とする
    請求項22から請求項24の何れか1項に記載の撮像システム。
JP2009151744A 2009-06-26 2009-06-26 撮像装置および撮像システム Pending JP2011008045A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009151744A JP2011008045A (ja) 2009-06-26 2009-06-26 撮像装置および撮像システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009151744A JP2011008045A (ja) 2009-06-26 2009-06-26 撮像装置および撮像システム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2011008045A true JP2011008045A (ja) 2011-01-13

Family

ID=43564786

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009151744A Pending JP2011008045A (ja) 2009-06-26 2009-06-26 撮像装置および撮像システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2011008045A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017519254A (ja) * 2014-08-28 2017-07-13 ハンズ レーザー テクノロジー インダストリー グループ カンパニー リミテッド 光学レンズ

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008011492A (ja) * 2005-12-27 2008-01-17 Kyocera Corp 撮像装置およびその方法
JP2008167040A (ja) * 2006-12-27 2008-07-17 Kyocera Corp 撮像装置、その製造装置および製造方法、並びに情報コード読取装置
JP2008276732A (ja) * 2007-03-30 2008-11-13 Fujifilm Corp 画像処理装置、画像処理方法、画像管理装置、画像管理方法、プログラム、及び画像注文票
JP2009008935A (ja) * 2007-06-28 2009-01-15 Kyocera Corp 撮像装置
WO2009069752A1 (ja) * 2007-11-29 2009-06-04 Kyocera Corporation 撮像装置および電子機器

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008011492A (ja) * 2005-12-27 2008-01-17 Kyocera Corp 撮像装置およびその方法
JP2008167040A (ja) * 2006-12-27 2008-07-17 Kyocera Corp 撮像装置、その製造装置および製造方法、並びに情報コード読取装置
JP2008276732A (ja) * 2007-03-30 2008-11-13 Fujifilm Corp 画像処理装置、画像処理方法、画像管理装置、画像管理方法、プログラム、及び画像注文票
JP2009008935A (ja) * 2007-06-28 2009-01-15 Kyocera Corp 撮像装置
WO2009069752A1 (ja) * 2007-11-29 2009-06-04 Kyocera Corporation 撮像装置および電子機器

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017519254A (ja) * 2014-08-28 2017-07-13 ハンズ レーザー テクノロジー インダストリー グループ カンパニー リミテッド 光学レンズ

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2011027536A1 (ja) 光学装置、およびそれを用いた撮像装置、撮像システム
JP4732480B2 (ja) 内視鏡用対物光学系
JP4934233B2 (ja) 対物光学系
JP6204676B2 (ja) 撮像レンズ及びそれを有する撮像装置
CN101390382B (zh) 成像设备和图像处理方法
JP5450028B2 (ja) 撮像レンズおよび撮像装置
WO2011070897A1 (ja) 対物レンズおよび内視鏡装置
WO2016167063A1 (ja) 撮像ユニットおよび撮像装置
JP6540031B2 (ja) 結像レンズおよび撮像装置
JP2016001209A (ja) 接眼レンズおよび撮像装置
JP6356622B2 (ja) ズームレンズおよび撮像装置
US9651768B2 (en) Eyepiece lens and imaging apparatus
JP5587017B2 (ja) ファインダー用接眼レンズ
JP6643201B2 (ja) 撮像レンズおよび撮像装置
WO2020017200A1 (ja) 撮像光学系、撮像装置及び撮像システム
JP7382568B2 (ja) レンズ系、撮像装置及び撮像システム
JP2009003292A5 (ja)
JP2009282180A (ja) 観察光学系及びそれを用いた撮像装置
CN108957712A (zh) 变焦透镜及摄像装置
JP5649622B2 (ja) 光学系および撮像装置
JP6363570B2 (ja) ファインダーおよび撮像装置
JP2011053418A (ja) 光学装置、およびそれを用いた撮像装置、撮像システム
JP2011028166A (ja) 光学装置、およびそれを用いた撮像装置、撮像システム
JP2010026491A (ja) ズームレンズ及びそれを有するカメラ
JP2011090233A (ja) 光学装置、およびそれを用いた撮像装置、撮像システム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120427

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130531

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20131108

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20131127

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140117

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20140730