JP5185911B2 - 樹脂塗装金属板 - Google Patents
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Description
本発明では、無機成分としてケイ酸リチウムを用いない。吸水性を示すケイ酸リチウムを用いないことにより、樹脂塗装金属板の表面に後塗装を行い、クロスカットした後に耐塩水浸漬試験や塩水噴霧試験などの過酷な耐食性試験を行っても、塗膜の密着性が劣化するのを抑制できる。
本発明の特徴の一つは、無機成分として、表面積平均粒子径の異なる複数種のコロイダルシリカを用いたことにある。これにより、バインダー樹脂(樹脂成分)とコロイダルシリカとの親和性(馴染み)が良くなり、形成される樹脂皮膜の造膜性(コロイダルシリカ粒子同士の結合力)が向上するとともに、緻密な皮膜を形成することができる。
本発明で用いる表面処理組成物は、上記無機成分に加えて、オレフィン−α,β−不飽和カルボン酸共重合体(以下、「オレフィン−酸共重合体」と称することがある。)と、α,β−不飽和カルボン酸重合体(以下、「カルボン酸重合体」と称することがある。)、及びアクリル変性エポキシ樹脂から構成される樹脂成分を含むものである。
本発明で用いるオレフィン−酸共重合体は、オレフィンとα,β−不飽和カルボン酸とを既知の方法で共重合させることにより製造でき、また市販されている。本発明において、1種または2種以上のオレフィン−酸共重合体を使用することができる。
本発明で用いるカルボン酸重合体としては、1種または2種以上のα,β−不飽和カルボン酸の単独重合体若しくは共重合体、またはさらに他の単量体を共重合させた共重合体が挙げられる。このようなカルボン酸重合体は、既知の方法で製造でき、また市販されている。本発明において、1種または2種以上のカルボン酸重合体を使用できる。
上記樹脂成分には、アクリル変性エポキシ樹脂も含まれる。従来より、後塗装の塗膜密着性を向上させる方法として、樹脂成分としてブロックイソシアネート(感熱架橋剤)を皮膜中に存在させ、後塗装後の焼付け時の熱(焼付け温度)を利用してブロックイソシアネートのブロック剤を解離させ活性イソシアネート基を再生させて、皮膜と塗膜とを硬化・架橋させる技術が知られている。しかしながら、後塗装の塗料として建材分野で使用されている鉛酸カルシウム錆止め塗料は、熱による焼付け(乾燥)が不要な常乾タイプが主流であり、上記技術を使用できない。
本発明の表面処理組成物には、グリシドキシ基含有シランカップリング剤(より詳細には、末端にグリシドキシ基を有するシランカップリング剤)が含まれる。グリシドキシ基含有シランカップリング剤を用いると、金属板と樹脂皮膜との密着性が向上する。また、樹脂皮膜中の無機成分と樹脂成分との結合力を向上させる効果も併せ持つと考えられ、耐ロール成形性や裸耐食性の向上効果が大きい。さらに、グリシドキシ基含有ランカップリング剤を添加しておくと、表面処理組成物の表面張力が低下するため金属板との濡れ性が良くなって表面処理組成物の塗布性が向上し、均一な樹脂皮膜の形成が可能になる。また、表面処理組成物をスプレーリンガー方式(表面処理組成物を金属板の表面にスプレーした後、リンガーロールで絞る塗布方法)で循環使用した場合に、組成物中の界面活性剤に起因する発泡を抑制する効果も発現する。
本発明の表面処理組成物には、さらにメタバナジン酸塩が含まれる。メタバナジン酸塩もコロイダルシリカと同様に溶出することによって金属板の溶解・溶出を抑制し、耐食性を高める効果を有する。メタバナジン酸塩は、特に、GA材に対して裸耐食性向上効果を発揮する。この効果を有効に発揮させるためには、無機成分と樹脂成分の合計100質量部に対し、メタバナジン酸塩を0.5〜3質量部用いるとよい。0.5質量部より少ないと、裸耐食性向上効果が不充分となる。また、3質量部を超えて添加すると、裸耐食性が若干低下する傾向が認められる。これは、過剰のメタバナジン酸塩がグリシドキシ基含有シランカップリング剤の加水分解反応を抑制し、若干であるが無機成分と樹脂成分の結合力に影響を及ぼしたためであると推定される。さらに、塗膜密着性が著しく低下し、表面処理組成物の液安定性も悪化する傾向がある。メタバナジン酸塩量は、0.7〜1.5質量部がより好ましい。なお、このメタバナジン酸塩の好適量は、V元素換算量である。
本発明の表面処理組成物は、さらにカルボジイミド基含有化合物を含んでいても良い。カルボジイミド基は、オレフィン−酸共重合体およびカルボン酸重合体中のカルボキシル基と反応して、樹脂皮膜中のカルボキシル基量を減少させて、耐アルカリ性を向上させることができる。本発明において、1種または2種以上のカルボジイミド基含有化合物を使用できる。
本発明で用いる表面処理組成物は、無機成分と樹脂成分の配合割合を適宜調整(具体的には、無機成分:樹脂成分=60:40〜80:20)することにより、表面処理組成物の表面張力を低くすることが好ましく、具体的には50dyn/cm以下、より好ましくは48dyn/cm以下にする。これにより、表面の粗度が粗く水濡れ性に劣るGA材の表面(凹部)にも表面処理組成物が侵入して、GA材の裸耐食性や塗膜密着性を向上することができる。なお、表面処理組成物の表面張力の測定方法については後述する。
本発明の表面処理組成物は、金属板の表面に塗布することができる溶剤系組成物または水系組成物のいずれでも良いが、環境上の問題から、水系組成物であることが好ましい。表面処理組成物は、有機溶剤(溶剤系組成物の場合)または水、好ましくは脱イオン水(水系組成物の場合)、コロイダルシリカ、オレフィン−酸共重合体、カルボン酸重合体、アクリル変性エポキシ樹脂、グリシドキシ基含有シランカップリング剤、メタバナジン酸塩、必要に応じてカルボジイミド基含有化合物またはその他の成分を所定量配合して撹拌することによって調製することができる。
本発明で用いる表面処理組成物の固形分は、特に限定は無く、金属板への表面処理組成物の塗布方法にあわせて調整すれば良い。表面処理組成物の固形分は、一般に5〜20質量%程度であり、例えばスプレーリンガー法(表面処理組成物を金属板の表面にスプレーした後、リンガーロールで絞る塗布方法)により塗布する場合、10〜18質量%程度が好適である。
本発明において、金属板上に樹脂皮膜を形成する方法および条件には特に限定は無く、既知の塗布方法で、表面処理組成物を金属板表面の片面または両面に塗布し、加熱乾燥することにより樹脂塗装金属板を製造することができる。表面処理組成物の塗布方法として、例えばバーコーター法、カーテンフローコーター法、ロールコーター法、スプレー法、スプレーリンガー法等を挙げることができ、これらの中でも、コスト等の観点からバーコーター法やスプレーリンガー法が好ましい。また加熱乾燥条件にも特に限定は無く、加熱乾燥温度として50〜120℃程度、好ましくは70〜100℃程度を例示することができる。あまりに高い加熱乾燥温度は、樹脂皮膜が劣化するので好ましくない。
樹脂塗装金属板における樹脂皮膜の付着量は、乾燥質量で、好ましくは0.2〜1g/m2、より好ましくは0.3〜0.7g/m2である。付着量が0.2g/m2未満の場合には、金属板表面を覆うことが困難となり、耐ロール成形性や塗膜密着性、裸耐食性が大きく損なわれる。一方、付着量が1g/m2を超えると、耐食性は良好となるが、ロール成形時に剥離する皮膜量が増加するため、水切りパッドへの皮膜カスの堆積量が増加して、トラブルの原因となるおそれがあって好ましくない。また、塗膜密着性が大きく損なわれる。なお、本発明の樹脂皮膜は、無機成分を多く含み、比重が大きい。このため、樹脂成分リッチな従来の樹脂皮膜に比べ、付着量が同じでも薄膜化に成功している。このことも、皮膜カスの低減に寄与している。
本発明で用いる金属板には、特に限定は無く、例えば非めっき冷延鋼板、溶融亜鉛めっき鋼板(GI)、合金化溶融亜鉛めっき鋼板(GA)、電気亜鉛めっき鋼板(EG)、アルミ板およびチタン板等を挙げることができる。これらの中でも、クロメート処理が行われていない溶融亜鉛めっき鋼板(GI)や合金化溶融亜鉛めっき鋼板(GA)に本発明を適用するのが好ましい。
樹脂塗装金属板から、40mm×300mmの試料を切り出し、引張試験機に垂直にセットし、試料背面に平板ダイス(材質:SKD11)を当接させた。次いで、当該平板ダイスと当接する試料の反対面(正面)に、先端半径R=9.1mmの凸部を有する治具(半円柱ダイス、材質:SKD11)を当接させ、治具に4900N(500kgf)の負荷を水平方向にかけつつ、治具を下方へ300mm/minで、試料背面に平板ダイスが当接している範囲内で引き下げた。その後、半円柱ダイスを試料から離して摺動前の位置に戻した後、上記と同様の摺動操作を9回繰り返した(合計10回)。その後、半円柱ダイスを繰り返し摺動させた部分(W1)と未摺動部分(W0)の皮膜付着量を、蛍光X線分析装置でそれぞれ分析して、下記式(1)から皮膜残存率を算出して、下記基準で評価した。
○:皮膜残存率90%以上95%未満
△:皮膜残存率80%以上90%未満
×:80%未満
JIS Z2371に基づいて、樹脂塗装金属板に塩水噴霧試験を実施して、白錆発生率(100×白錆が発生した面積/樹脂塗装金属板の全面積)が5%になるまでの時間を測定した。なお、建材用途での裸耐食性は、GI材およびGA材ともクロメート処理並のSST経過時間48時間で白錆発生5%以内であれば、実用上問題がない。また、その他の用途でも、GI材で96時間以上、GA材で72時間以上であれば問題ない。
JIS H8502に基づき、JASOサイクル試験を行った。1サイクルは、塩水噴霧(温度35℃×2時間)→乾燥(温度35℃×湿度30%以下×4時間)→湿潤(温度50℃×湿度95%以上×2時間)である(それぞれ移行時間を含む。)。20サイクル実施した後に、白錆発生率(100×白錆が発生した面積/樹脂塗装金属板の全面積)を下記基準で評価した。
◎:白錆発生率5%未満
○:白錆発生率5%以上〜10%未満
△:白錆発生率10%以上〜20%未満
×:白錆発生率20%以上
JIS K2241に準じて、イオン交換水を用いて表面処理組成物の23%水溶液を調製し、該水溶液の表面張力を、室温条件下、表面張力測定装置(島津製作所製)、及びプローブとして金属リングを使用してデュヌイ法により求めた。
先ず、鉛酸カルシウム錆止め塗料(日本ペイント株式会社製、ヘルゴンCPライトグレー)をシンナー(日本ペイント株式会社製、塗料シンナーA)で希釈し、粘度調整(フォードカップ#4で20秒)した後、樹脂塗装金属板にスプレー圧39N(4kgf)でスプレー塗装し、12時間エージングした後、温度80℃で60分間乾燥して、塗膜厚35〜40μmの塗装材を作製した。
次いで、塗装材の裏面・エッジにシールを施した後、カッターナイフでクロスカットを入れ、JIS Z2371に準じて塩水噴霧試験(SST)を実施して、360時間経過後、クロスカット部からの片側最大膨れ幅を測定し、下記基準で評価した。
◎:膨れ幅1.0mm未満
○:膨れ幅1.0mm以上1.5mm未満
△:膨れ幅1.5mm以上2.0mm未満
×:膨れ幅2.0mm以上
塗装材の裏面・エッジにシールを施した後、カッターナイフでクロスカットを入れ、液温23℃±2℃の塩化ナトリウム水溶液(30g/L)に96時間浸漬した後、水洗し、次いで表面の水分を拭き取り、直ちにクロスカット部のテープ剥離試験を実施した。剥離試験後の塗装材について、クロスカット部からの片側最大剥離幅を測定し、下記基準で評価した。
◎:剥離幅1.0mm未満
○:剥離幅1.0mm以上1.5mm未満
△:剥離幅1.5mm以上2.0mm未満
×:剥離幅2.0mm以上
撹拌機、温度計、温度コントローラーを備えた乳化設備を有するオートクレイブに、オレフィン−酸共重合体としてエチレン−アクリル酸共重合体(ダウケミカル社製、プリマコール(登録商標)5990I、アクリル酸由来の構成単位:20質量%、質量平均分子量(Mw):20,000、メルトインデックス:1300、酸価:150)200.0質量部、カルボン酸重合体としてポリマレイン酸水溶液(日油社製「ノンポール(登録商標)PMA−50W」、Mw:約1100(ポリスチレン換算)、50質量%品)8.0質量部、トリエチルアミン35.5質量部(エチレン−アクリル酸共重合体のカルボキシル基に対して0.63当量)、48%NaOH水溶液6.9質量部(エチレン−アクリル酸共重合体のカルボキシル基に対して0.15当量)、トール油脂肪酸(ハリマ化成社製、ハートールFA3)3.5質量部、イオン交換水792.6質量部を加えて密封し、150℃および5気圧で3時間高速撹拌してから、30℃まで冷却した。次いでグリシドキシ基含有シランカップリング剤(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ(旧社名:GE東芝シリコーン)社製、TSL8350、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)10.4質量部、カルボジイミド基含有化合物(日清紡社製「カルボジライト(登録商標)SV−02」、ポリカルボジイミド、Mw:2,700、固形分40質量%)31.2質量部、イオン交換水72.8質量部を添加し、10分間撹拌して、オレフィン−酸共重合体とカルボン酸重合体の乳化物(エマルション)を調製した(固形分濃度約20質量%、JIS K6833に準じて測定)。
<表面処理組成物の調製>
上記乳化物に、表面積平均粒子径4〜6nm(公証値)のコロイダルシリカ(A)(日産化学工業社製、スノーテックス(登録商標)XS(固形分濃度20%))と表面積平均粒子径10〜20nm(公証値)のコロイダルシリカ(B)(日産化学工業社製、スノーテックス(登録商標)40(固形分濃度40%))とを順次加え、両者をよく混合した後、グリシドキシ基含有シランカップリング剤(信越化学工業社製、KBM403(固形分濃度100%))、次いでメタバナジン酸塩としてメタバナジン酸ナトリウム(新興化学工業社製、メタバナジン酸ソーダ(固形分濃度約66%))を添加した。この混合物に、さらにアクリル変性エポキシ樹脂(荒川化学工業社製、モデピクス(登録商標)302(固形分濃度33.5%))を加え、表面処理組成物を作製した。
コロイダルシリカ(A)と(B)の質量比 50:50
無機成分と樹脂成分(上記乳化物中の全固形分とアクリル変性エポキシ樹脂との混合量、以下同じ)の質量比 30:70〜95:5
アクリル変性エポキシ樹脂の混合量 上記乳化物中の全固形分95質量部に対して5質量部(樹脂成分中5質量%)
グリシドキシ基含有シランカップリング剤の混合量 無機成分と樹脂成分との合計100質量部に対して10質量部
メタバナジン酸塩の混合量 無機成分と樹脂成分との合計100質量部に対して1質量部
金属板として、アルカリ脱脂した溶融亜鉛めっき鋼板GI材(Zn付着量45g/m2)、または合金化溶融亜鉛めっき鋼板GA材(Zn付着量45g/m2)を使用し、鋼板の表面に、上記表面処理組成物をバーコート(バーNo.3または4)にて塗布し、板温90℃で約12秒間加熱乾燥して、樹脂皮膜付着量が0.5g/m2の樹脂塗装金属板を製造した。得られた樹脂塗装金属板の評価結果を、表1に示す。
<表面処理組成物の調製>
SiO2/Li2Oモル比が4.5のケイ酸リチウム(日産化学工業社製「リチウムシリケート45」)と、表面積平均粒子径(公証値)4〜6nmのコロイダルシリカ(日産化学工業社製、スノーテックス(登録商標)XS)とを、質量比で90:10となるように混合して、無機成分を調製した。
オキサゾリン基含有共重合体の混合量 上記乳化物中の全固形分95質量部に対して5質量部
グリシジル基含有シランカップリング剤の混合量 無機成分と、上記乳化物中の全固形分とオキサゾリン基含有共重合体の混合物との合計100質量部に対し15質量部
メタバナジン酸ナトリウムの混合量 無機成分と、上記乳化物中の全固形分とオキサゾリン基含有共重合体の混合物との合計100質量部に対し5質量部
実験例1−11で調製した表面処理組成物を用いた以外は実験例1−1と同様にして、樹脂塗装金属板を製造した。得られた樹脂塗装金属板の評価結果を、表1に示す。
<表面処理組成物の調製>
コロイダルシリカ(A)とコロイダルシリカ(B)の質量比を100:0〜0:100で変化させた以外は実験例1−3と同様にして、表面処理組成物を作製した。
実験例2−1〜2−10で調製した表面処理組成物を用いた以外は実験例1−3と同様にして、樹脂塗装金属板を製造した。得られた樹脂塗装金属板の評価結果を、表2に示す。
コロイダルシリカ(B)に代えて、表面積平均粒子径20〜30nm(公証値)のコロイダルシリカ(日産化学工業社製、スノーテックス(登録商標)50)、あるいは、表面積平均粒子径40〜50nm(公証値)のコロイダルシリカ(日産化学工業社製、スノーテックス(登録商標)20L)を用いた以外は実験例2−1と同様にして、表面処理組成物を作製した。
実験例2−11〜2−12で調製した表面処理組成物を用いた以外は実験例2−1と同様にして、樹脂塗装金属板を製造した。得られた樹脂塗装金属板の評価結果を、表2に示す。
<表面処理組成物の調製>
アクリル変性エポキシ樹脂の混合量を、上記乳化物中の全固形分80〜100質量部に対して0〜20質量部(樹脂成分中0〜20質量%)とした以外は実験例1−3と同様にして、表面処理組成物を作製した。
実験例3−1〜3−11で調製した表面処理組成物を用いた以外は実験例1−3と同様にして、樹脂塗装金属板を製造した。得られた樹脂塗装金属板の評価結果を、表3に示す。
<表面処理組成物の調製>
グリシドキシ基含有シランカップリング剤の混合量を、無機成分と樹脂成分との合計100質量部に対して0〜20質量部とした以外は実験例1−3と同様にして、表面処理組成物を作製した。
実験例4−1〜4−9で調製した表面処理組成物を用いた以外は実験例1−3と同様にして、樹脂塗装金属板を製造した。得られた樹脂塗装金属板の評価結果を、表4に示す。
<表面処理組成物の調製>
メタバナジン酸塩の混合量を、無機成分と樹脂成分との合計100質量部に対して0〜5質量部とした以外は実験例1−3と同様にして、表面処理組成物を作製した。
実験例5−1〜5−10で調製した表面処理組成物を用いた以外は実験例1−3と同様にして、樹脂塗装金属板を製造した。得られた樹脂塗装金属板の評価結果を、表5に示す。
<樹脂塗装金属板の作製>
樹脂皮膜付着量を0.1〜1.5g/m2とした以外は実験例1−3と同様にして、樹脂塗装金属板を製造した。得られた樹脂塗装金属板の評価結果を、表6に示す。
Claims (5)
- クロメートフリーの表面処理組成物から得られる樹脂皮膜を備えた樹脂塗装金属板であって、前記表面処理組成物が、
表面積平均粒子径の異なる複数種のコロイダルシリカから構成される無機成分を60〜80質量部と、
オレフィン−α,β−不飽和カルボン酸共重合体、α,β−不飽和カルボン酸重合体、及びアクリル変性エポキシ樹脂から構成される樹脂成分を20〜40質量部と、
前記無機成分と前記樹脂成分との合計100質量部に対し、さらに、グリシドキシ基含有シランカップリング剤5〜15質量部とメタバナジン酸塩0.5〜3質量部とを含有すると共に、
前記樹脂成分が、前記アクリル変性エポキシ樹脂を2〜15質量%含有することを特徴とする樹脂塗装金属板。 - 前記無機成分が、表面積平均粒子径4〜6nmのコロイダルシリカ(A)と表面積平均粒子径10〜20nmのコロイダルシリカ(B)とを含み、前記(A)と(B)との混合比が70:30〜40:60(質量比)である請求項1に記載の樹脂塗装金属板。
- 前記表面処理組成物の表面張力が50dyn/cm以下である請求項1または2に記載の樹脂塗装金属板。
- 前記樹脂皮膜の付着量が、乾燥質量で0.2〜1g/m2である請求項1から3のいずれか一項に記載の樹脂塗装金属板。
- 前記樹脂皮膜を備える金属板が、溶融亜鉛めっき鋼板、または合金化溶融亜鉛めっき鋼板である請求項1から4のいずれか一項に記載の樹脂塗装金属板。
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