JP5182913B2 - パターン描画装置およびパターン描画方法 - Google Patents

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Description

本発明は、感光材料に空間変調された光を照射してパターンを描画するパターン描画装置および方法に関する。
従来より、空間変調される光を感光材料上にて走査することにより、感光材料上に微細なパターンを描画する技術が知られており、空間光変調器として微小ミラー群を有するDMD(デジタルマイクロミラーデバイス)の利用が提案されている。
例えば、特許文献1では、DMDの微小ミラー群からの光が導かれる感光材料上の照射領域群の配列を主走査方向に対して傾斜させつつ照射領域群を主走査することにより、解像度を向上する技術が開示されている。この装置では、照射領域群の主走査が行われる毎に、照射領域群が副走査方向へ間欠的に移動される。照射領域群が傾斜している場合、1回の主走査で光の照射が行われるストライプ状の領域の(副走査方向における)両側では、通過する照射領域の個数が中央部よりも少なくなってしまう。そこで、特許文献1の装置では、先行する主走査にて描画が行われる領域と後続の主走査にて描画が行われる領域とを部分的に重ねることにより、描画領域全体に十分な光を照射することが実現されている。
なお、特許文献2では、光が照射される領域群を傾斜させる装置ではないが、2つのDMDからの光を走査して互いに離れた2つの走査バンドに一度に光を照射するパターン描画装置において、全走査バンドに光を照射する順序を工夫することにより、走査バンド間の一部の境界線において両側の走査バンドの露光タイミングが大幅にずれてしまうことを防止し、全ての境界線においてフォトレジスト層に残膜が発生することを防止する技術が開示されている。
特開2004−326076号公報 特開2005−243870号公報
ところで、感光材料の特性によっては、光の照射を2回に分けて行うと、同じ光量の光を一度に照射する場合よりも感光の程度が大きくなることが確認されている。したがって、特許文献1に開示されている手法において、先行する主走査にて光の照射が行われる領域と後続の主走査にて光の照射が行われる領域との重複部分、すなわち、DMDの微小ミラー群からの光が導かれる照射領域群が2度通過することにより描画が行われる領域において、感光の度合いが他の領域よりも許容できないほど高くなってしまうことがある。
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、パターンの描画に際して、照射領域群の1回の通過により描画が行われる領域と2回の通過により描画が行われる領域とが感光材料上に存在する場合に、描画されたパターンにムラが生じてしまうことを抑制することを目的としている。
請求項1に記載の発明は、感光材料に光を照射して前記感光材料上にパターンを描画するパターン描画装置であって、感光材料上に光を照射する光照射部と、前記光照射部から光が照射される照射領域群を前記感光材料上において移動する照射領域移動機構と、前記照射領域群の移動および前記照射領域群の各照射領域への光の照射を制御し、前記感光材料上の各位置に対して複数の照射領域を通過させつつ前記各位置に光を照射することにより前記感光材料上に描画を行う制御部とを備え、前記光照射部が、空間光変調器を備え、前記空間光変調器において複数の光変調素子が矩形領域内に2次元に配列され、前記複数の光変調素子に対応する前記感光材料上の複数の領域が、互いに垂直な行方向および列方向に矩形に配列されており、前記列方向が主走査方向に対して傾斜し、前記複数の光変調素子が、姿勢が個別に変更可能な複数の微小ミラーであり、前記制御部の制御により、前記空間光変調器からの先行照射領域群への光の照射を制御するとともに前記先行照射領域群を前記主走査方向に平行に移動することにより、前記感光材料上の先行ストライプ領域に光の照射が行われ、前記空間光変調器からの後続照射領域群への光の照射を制御するとともに前記後続照射領域群を前記主走査方向に平行に移動することにより、副走査方向において前記先行ストライプ領域に隣接し、かつ、部分的に重なる後続ストライプ領域に光の照射が行われ前記先行ストライプ領域および前記後続ストライプ領域の描画時に能動化される光変調素子に対応する前記感光材料上の照射領域が、それぞれ前記先行照射領域群および前記後続照射領域群であり前記先行ストライプ領域および前記後続ストライプ領域における非重複領域の各位置において、前記先行照射領域群または前記後続照射領域群が連続的に一定の時間で通過し前記先行ストライプ領域と前記後続ストライプ領域とが重なる重複領域の各位置において、前記先行照射領域群および前記後続照射領域群が通過する累計時間前記一定の時間とする場合に能動化される光変調素子の一部が、前記先行ストライプ領域および前記後続ストライプ領域の少なくともいずれか一方の描画時に無効化されることにより、前記累計時間が前記一定の時間より短い。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のパターン描画装置であって、前記光照射部が、前記空間光変調器と同様の他の空間光変調器をさらに備え、前記他の空間光変調器が前記空間光変調器に対して前記副走査方向に位置し、前記空間光変調器と前記他の空間光変調器との相対位置が固定され、前記空間光変調器により、前記副走査方向に並ぶ複数のストライプ領域に順次光の照射が行われ、互いに隣接する各対のストライプ領域の一方が前記先行ストライプ領域であり、他方が前記後続ストライプ領域であり、前記他の空間光変調器により、前記空間光変調器と同様に、前記副走査方向に並ぶ複数のストライプ領域に順次光の照射が行われ、互いに隣接する各対のストライプ領域の一方が前記先行ストライプ領域であり、他方が前記後続ストライプ領域であり、前記空間光変調器により最後に光が照射される最終ストライプ領域が、前記他の空間光変調器により最初に光が照射される先頭ストライプ領域に隣接し、かつ、部分的に重なり、前記先頭ストライプ領域および前記最終ストライプ領域の描画時に能動化される光変調素子に対応する前記感光材料上の照射領域、それぞれ先頭照射領域群および最終照射領域群として、記先頭ストライプ領域および前記最終ストライプ領域における非重複領域の各位置において、前記先頭照射領域群または前記最終照射領域群が連続的に前記一定の時間で通過し記先頭ストライプ領域と前記最終ストライプ領域とが重なる重複領域の各位置において、前記先頭照射領域群および前記最終照射領域群が通過する他の累計時間を前記一定の時間とする場合に能動化される光変調素子の一部が、記先頭ストライプ領域および前記最終ストライプ領域の少なくともいずれか一方の描画時に無効化されることにより、前記他の累計時間が前記累計時間よりも短い。
請求項に記載の発明は、請求項1または2に記載のパターン描画装置であって、前記非重複領域の前記副走査方向の幅が、前記矩形に配列される前記複数の領域の前記行方向の辺を前記副走査方向を向く直線に投影した長さに等しい。
請求項に記載の発明は、請求項に記載のパターン描画装置であって、前記重複領域と前記非重複領域との間の境界近傍において、前記重複領域の各位置を前記先行照射領域群および前記後続照射領域群が通過する前記累計時間が、前記境界から離れるほど減少する。
請求項5に記載の発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載のパターン描画装置であって、前記複数の光変調素子のうち、前記重複領域に対応する光変調素子の一部のみが無効化される。
請求項6に記載の発明は、請求項1ないし5のいずれかに記載のパターン描画装置であって、前記先行ストライプ領域および前記後続ストライプ領域の少なくともいずれか一方の描画途上において、前記重複領域に対応する光変調素子のうち無効化される素子の数が変更される。
請求項7に記載の発明は、光照射部から光が照射される照射領域群を感光材料上において移動するとともに前記照射領域群の各照射領域への光の照射を制御し、前記感光材料上の各位置に対して複数の照射領域を通過させつつ前記各位置に光を照射することにより前記感光材料上にパターンを描画するパターン描画方法であって、前記光照射部が、空間光変調器を備え、前記空間光変調器において複数の光変調素子が矩形領域内に2次元に配列され、前記複数の光変調素子に対応する前記感光材料上の複数の領域が、互いに垂直な行方向および列方向に矩形に配列されており、前記列方向が主走査方向に対して傾斜し、前記複数の光変調素子が、姿勢が個別に変更可能な複数の微小ミラーであり、前記空間光変調器からの先行照射領域群への光の照射を制御するとともに前記先行照射領域群を前記主走査方向に平行に移動することにより、前記感光材料上の先行ストライプ領域に光の照射を行う工程と、前記空間光変調器からの後続照射領域群への光の照射を制御するとともに前記後続照射領域群を前記主走査方向に平行に移動することにより、前記先行ストライプ領域に隣接するとともに部分的に重なる後続ストライプ領域に光の照射を行う工程とを備え、記先行ストライプ領域および前記後続ストライプ領域の描画時に能動化される光変調素子に対応する前記感光材料上の照射領域が、それぞれ前記先行照射領域群および前記後続照射領域群であり、前記先行ストライプ領域および前記後続ストライプ領域における非重複領域の各位置において、前記先行照射領域群または前記後続照射領域群が連続的に一定の時間で通過し前記先行ストライプ領域と前記後続ストライプ領域とが重なる重複領域の各位置において、前記先行照射領域群および前記後続照射領域群が通過する累計時間前記一定の時間とする場合に能動化される光変調素子の一部が、前記先行ストライプ領域および前記後続ストライプ領域の少なくともいずれか一方の描画時に無効化されることにより、前記累計時間が前記一定の時間より短
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載のパターン描画方法であって、前記先行ストライプ領域および前記後続ストライプ領域の少なくともいずれか一方の描画途上において、前記重複領域に対応する光変調素子のうち無効化される素子の数が変更される。
本発明によれば、先行ストライプ領域と後続ストライプ領域とが重なる重複領域の感光を非重複領域における感光と同程度にすることができ、これにより、描画されるパターンのムラを抑制することができる。また、描画されるパターンの解像度を向上することができる。
請求項および5の発明では、多くの光変調素子を描画に利用することができる。請求項6および8の発明では重複領域におけるムラの発生を一層抑制することができる。
図1は本発明の第1の実施の形態に係るパターン描画装置1の構成を示す図であり、パターン描画装置1は、基板9上のフォトレジスト膜である感光材料に光を照射して感光材料上にパターンを描画する。パターン描画装置1には2つのヘッド部20を有する光照射部2が設けられ、各ヘッド部20は光源ユニット21に接続される。2つのヘッド部20は、相対位置が互いに固定されており、リニアモータであるヘッド部移動機構32により図1中のX方向に一体的に移動する。図1および以下の説明では、ヘッド部20の数は2つであるものとして(または、2つに注目して)説明するが、ヘッド部20は3以上設けられてもよい。
光照射部2の下方には、基板9を保持するステージ11、および、ステージ11を図1中のY方向へと移動するリニアモータであるステージ移動機構31が設けられ、光照射部2、ステージ移動機構31およびヘッド部移動機構32は制御部4に接続される。
図2は、1つのヘッド部20および光源ユニット21の内部構造を示す図である。光源ユニット21は、光を出射する水銀ランプ等の光源211を有し、光源211からの光は光ファイバ212を介してヘッド部20へと導かれる。ヘッド部20は、空間変調器としてデジタルマイクロミラーデバイス(以下、DMDという)22を有し、光ファイバ212からの光がDMD22にて反射されて2次元に空間変調された光ビームが導き出される。
具体的には、光ファイバ212から出射された光はロッドインテグレータ233、レンズ234およびミラー235を介してミラー236へと導かれ、ミラー236は光ビームを集光させつつDMD22へと導く。DMD22へと入射する光ビームは所定の入射角でDMD22の微小ミラー群に均一に照射される。
DMD22の各微小ミラーのうち所定のON状態の姿勢にある微小ミラーからの反射光のみにより形成される変調された光の束(すなわち、空間変調された光ビーム)はキューブビームスプリッタ241へと入射して反射され、ズームレンズ242により倍率が調整されて投影レンズ243へと導かれる。ズームレンズ242はズーム用のアクチュエータ242aにより変倍可能とされ、投影レンズ243はオートフォーカス(AF)用のアクチュエータ243aにて焦点合わせが可能とされる。
そして、投影レンズ243からの光ビームは微小ミラー群に対して光学的に共役とされる基板9上の領域へと導かれる。以上のように、パターン描画装置1では、ロッドインテグレータ233、レンズ234、ミラー235およびミラー236により光源ユニット21からの光をDMD22へと導く照明光学系23が構成され、キューブビームスプリッタ241、ズームレンズ242、投影レンズ243により、各微小ミラーからの光を基板9上へと縮小投影する投影光学系24が構成される。
なお、キューブビームスプリッタ241の上方には、ハーフミラー251、AF用のレーザダイオード(LD)252およびAF検出用のセンサ253が配置され、LD252からの光がハーフミラー251を透過してキューブビームスプリッタ241、ズームレンズ242、投影レンズ243を介して基板9に照射され、基板9からの光が逆方向に進んでハーフミラー251にて反射されてセンサ253により検出される。センサ253の出力はAF時のアクチュエータ243aの制御に利用される。
図3はDMD22を示す図である。DMD22は、1辺が14μm弱の複数の微小ミラー(以下、「微小ミラー群222」と総称する。)がシリコン基板221の上の矩形領域内に2次元に配列された(互いに垂直な2方向にM行N列に配列されているものとして以下説明する。)空間光変調デバイスであり、各微小ミラーに対応するメモリセルに書き込まれた描画データ(以下、「描画セルデータ」という。)に従って、各微小ミラーは静電界作用により姿勢(傾斜角)が個別に変更可能とされる。なお、光は、DMD22に垂直であって列方向に対して45度の角度をなす面に沿って入射角24度で入射し、微小ミラー群222を均一に照明する。DMD22は実際には768行1024列の微小ミラーを有するものが使用され、48行1024列の微小ミラーからなる16個のブロックに分割されており、各ブロック毎にリセットが可能とされる。
DMD22には、ステージ移動機構31からのエンコーダ信号に基づいて、基板9がヘッド部20に対して所定の微小距離(後述の描画領域のピッチ)だけ移動する毎に、図1に示す制御部4からリセットパルスが入力され、リセットパルスが入力される毎に各微小ミラーは対応する描画セルデータに従って微小ミラー面の対角線を軸としてON状態またはOFF状態の姿勢に一斉に傾く。これにより、DMD22に照射された光ビームは各微小ミラーの傾く方向に応じて反射され、基板9上の対応する照射領域への光照射のON/OFFが行われる。つまり、メモリセルにONを示すデータが書き込まれた微小ミラーがリセットパルスを受信すると、その微小ミラーに入射する光はキューブビームスプリッタ241へと反射され、対応する照射領域に光(微小な光ビーム)が照射される。また、微小ミラーがOFF状態とされると、微小ミラーは入射した光をキューブビームスプリッタ241とは異なる所定の位置へと反射し、対応する照射領域は光が導かれない状態とされる。以上の動作により、複数の微小ミラーはそれぞれ複数の光変調素子として機能する。
図4は、微小ミラー群222に対応する基板9の感光材料上の照射領域群6、すなわち、光照射部2からの光照射(正確には、光照射のON/OFF制御)が行われる単位となる領域の集合を示す図であり、1つの照射領域61が1つの微小ミラーに対応する。DMD22はヘッド部20内において傾斜して設けられており、照射領域群6の列方向も後述の主走査方向であるY方向に対して傾斜している。以下の説明において、照射領域群6の2つの配列方向のうち主走査方向におよそ沿う方向(主走査方向とのなす角が小さい方向)を照射領域群6における列方向といい、副走査方向(すなわち、X方向)におよそ沿うもう一つの方向を行方向という。照射領域群6の列方向は微小ミラー群222の列方向に対応し、照射領域群6の行方向は微小ミラー群222の行方向に対応する。
なお、実際にはDMD22の微小ミラー群222の一部は無効化され、照射領域群6は一部が欠落した略矩形状とされるが、その詳細については後述する。
ここで、照射領域群6は光照射部2に対して相対的に固定されるため、制御部4の制御によりステージ移動機構31がステージ11を移動すると照射領域群6が感光材料上を図1中のY方向である主走査方向に相対的に連続的に移動する。また、ヘッド部移動機構32によるヘッド部20の移動により、主走査方向に対して垂直な副走査方向(X方向)に照射領域群6が間欠的に移動する。すなわち、ステージ移動機構31およびヘッド部移動機構32が感光材料上において照射領域群6を移動する照射領域移動機構となっている。ステージ移動機構31による照射領域群6の主走査が終了する毎にヘッド部移動機構32により照射領域群6が次の主走査の開始位置へと移動する。
図5は基板9上に固定された描画の単位となる描画領域620に照射領域61を重ねて示す図である。前述のように照射領域61はヘッド部20に対して固定された領域であることから、ヘッド部20が基板9に対して相対的に移動することにより、照射領域61が描画領域620上を移動することとなる。図5では、DMD22の微小ミラーに対応する照射領域群6を二点鎖線にて示し、基板9上の描画領域群を実線にて示している。また、描画領域620および照射領域61の一部のみが図示されている。
描画領域620はX方向(副走査方向)およびY方向(主走査方向)の双方にピッチPで配列された正方形領域であり、描画領域620のピッチPは描画の最小制御単位に等しくされ、列方向に隣接する照射領域61の副走査方向に関する中心間距離Dに等しい。したがって、各描画領域620は、DMD22によるいずれかの時点での光照射の制御におけるいずれかの照射領域61の中心(正確には、連続的に移動している途中の照射領域61の中心)に位置することとなり、各描画領域620上を照射領域61が通過する際には、この描画領域620に対応する描画セルデータに従った光照射が描画領域620を中心として行われる。なお、描画領域620は副走査方向のピッチと主走査方向のピッチとが異なる矩形領域であってもよい。
ここで、行方向に関して互いに隣接する2つの照射領域61の副走査方向に関する中心間距離を描画領域620のピッチPのK倍の距離に等しくする(すなわち、行方向に隣接する照射領域61間をK個の描画領域620(または、Kアドレスともいう。)で補間する)場合、照射領域群6における行方向とX方向(副走査方向)とのなす角θは、(θ=arctan(1/K))となる。よって、図5に示すように照射領域61間を4アドレスで補間する場合には、照射領域群6のなす角θはおよそ14度となり、照射領域61のピッチRは、描画領域620のピッチPに17の平方根を掛けた値になる。
次に、パターン描画装置1が基板9上の感光材料にパターンを描画する基本動作について図6並びに図5、図7および図8を参照して説明する。以下のパターン描画装置1の動作の説明では、描画領域群に対して照射領域群6が主走査方向および副走査方向に移動するものとして説明を行う。
パターン描画では、まず、照射領域群6の主走査が開始されて描画開始位置へと照射領域群6が到達すると(ステップS1,S2)、制御部4がDMD22にリセットパルスを送信することにより、各微小ミラーが描画セルデータに応じた姿勢となり、図5に示す描画領域620のうち各照射領域61の中央に位置する最初の描画領域621への光照射、すなわち、各描画領域621を中心とする照射領域61への光照射のON/OFFを制御する動作が行われる(ステップS3)。
なお、最初の光照射時の描画セルデータは制御部4からDMD22の各微小ミラーのメモリセルに予め送信されている。また、ステップS3では、各照射領域61への光照射のON/OFF制御の他に、微小ミラー群222の一部を強制的にOFF状態として無効化する制御も行われるが、その詳細については後述する。
リセットパルスが送信された後、すぐに図5中の次の描画領域622のそれぞれ(各描画領域621の(+Y)側に隣接する描画領域622)に対応する描画セルデータが微小ミラーのメモリセルに送信されてメモリセルに書き込まれる。リセットパルスのDMD22への送信は、ステージ移動機構31がステージ11を主走査方向へ連続的に移動する動作に同期して行われる。すなわち、1回目のリセットパルスから照射領域61が主走査方向(図5では(+Y)方向)へピッチPの距離だけ移動した時点で次のリセットパルスがDMD22へと送信され、各微小ミラーが描画セルデータに従った姿勢となる。これにより、図7に示すように2回目のリセットパルスにより描画領域622に対応する光照射が行われる。
照射領域群6が感光材料上の各描画領域620を通過しつつ、各描画領域620に光を照射する制御を繰り返し、18回目のリセットパルスで最初に光照射が行われた描画領域621を中心とする2度目の光照射が行われる。図8は18回目のリセットパルスによる光照射が行われた様子を示す図である。図8では平行斜線の向きを変えることにより1回の光照射のみが行われた描画領域623と2回の光照射が行われた描画領域624とを区別して示している。
例えば、図5に示す1回目のリセットパルスにおいて照射領域61aに対応する描画領域621aに注目した場合、図8に示すように、18回目のリセットパルスにより(図5において照射領域61aの(−Y)側に位置する)照射領域61bが描画領域621aを中心とする光照射を行うこととなる。すなわち、照射領域61aに対応する光照射が行われた描画領域621aに対して、照射領域61aからDMD22の列方向((−Y)方向)に4つ、行方向((+X)方向)に1つ離れた照射領域61bが通過し、描画領域621aに対応した光照射を再度行う。
実際には、照射領域群6には多数の照射領域61が含まれるため、制御部4により照射領域群6の移動および照射領域群6の各照射領域61への光の照射が高速に繰り返し制御されることにより、感光材料上の各位置に対して複数の照射領域61が通過することとなる。これにより、各位置に所望の光量の光を照射することができ、感光材料上にパターンが描画される。また、微小ミラー群222に対応する感光材料上の複数の領域の列方向が、主走査方向に対して傾斜していることにより、描画領域620のピッチを照射領域群6のピッチよりも小さくすることができ、描画されるパターンの解像度が向上される。
照射領域群6を移動しつつ照射制御が高速に繰り返され、やがて照射領域群6が描画の停止位置に到達すると照射制御が停止され(ステップS3,S4)、照射領域群6の主走査も停止される(ステップS5)。以上の動作により、感光材料上において照射領域群6が通過した領域、すなわち、主走査方向に伸びるストライプ状の領域(以下、「ストライプ領域」と呼ぶ。)に光の照射が行われる。制御部4では、次の主走査が必要か否か確認され(ステップS6)、次の主走査が行われる場合は、照射領域群6を副走査方向へと移動し(ステップS7)、次の主走査の開始位置へと移動する。
その後、主走査方向を(−Y)方向に反転して、ステップS1〜S6が繰り返される。すなわち、照射領域群6が(−Y)方向に移動して描画開始位置に到達すると(ステップS1,S2)照射制御が繰り返し実行され(ステップS3,S4)、描画停止位置に到達すると照射制御が停止される(ステップS5)。これにより、次のストライプ領域への光の照射が完了する。さらに描画が行われる場合は(ステップS6)、照射領域群6が副走査されて(ステップS7)主走査方向が(+Y)方向に反転され、ステップS1〜S6が実行されて次のストライプ領域に光の照射が行われる。以上のように、パターン描画装置1では主走査方向を反転しつつ、より一般的に表現すれば、(+Y)および/または(−Y)方向である主走査方向に平行に照射領域群6の主走査を繰り返し、主走査が行われる毎に照射領域群6を副走査方向に移動することにより、描画すべき領域全体に描画が行われる。
図9は、照射領域群6の移動の様子を示す図である。図9では照射領域群6を矩形にて示し、既に描画が行われたストライプ領域(以下、「先行ストライプ領域」という。)に符号711を付し、描画途上である後続のストライプ領域(以下、「後続ストライプ領域」という。)に符号712を付している。なお、図9および後述する図10を参照する説明では、パターン描画装置1が実際には行う微小ミラー群222の一部の無効化について無視し、照射領域群6が完全な矩形であるものとして説明を行う。
図4に示すように、照射領域群6では照射領域61が互いに垂直な行方向および列方向に矩形に配列されており、列方向が主走査方向に対して傾斜している。図9に示すように、先行ストライプ領域711と後続ストライプ領域712とは副走査方向((+X)方向)に距離Aだけ離れており、1回の間欠移動における照射領域群6の副走査方向への移動距離Aは、照射領域群6の副走査方向の幅Wにより規定される1つのストライプ領域の幅よりも小さく、先行ストライプ領域711と後続ストライプ領域712とは副走査方向に関して一部が重なった状態とされる。
図10は感光材料上の副走査方向の位置と副走査前後の主走査における照射領域群6の通過時間との関係を説明するための図である。図10の上段は先行ストライプ領域711(先行ストライプ領域の幅方向の範囲に符号711を付している。)上の照射領域群6(以下、「先行照射領域群6a」という。)と後続ストライプ領域712(後続ストライプ領域の幅方向の範囲に符号712を付している。)上の照射領域群6(以下、「後続照射領域群6b」という。)とを並べて示す図である。図10の下段は、副走査方向の各位置と先行照射領域群6aおよび後続照射領域群6bの通過時間との関係を折れ線にて示している。
既述のように、制御部4の制御により、光照射部2のヘッド部20からの先行照射領域群6aへの光の照射が制御されるとともに先行照射領域群6aを先行して主走査方向に平行に移動することにより、先行ストライプ領域711に光の照射が行われ、その後、ヘッド部20からの後続照射領域群6bへの光の照射が制御されるとともに後続照射領域群6bを主走査方向に平行に移動することにより、先行ストライプ領域711に隣接し、かつ、部分的に重なる後続ストライプ領域712に光の照射が行われる。以上の動作は、図6のステップS1〜S5を2回行う動作に相当するが、2回のステップS1〜S5は、後述するように同一のヘッド部20により順次行われてもよく、異なるヘッド部20にてそれぞれ行われてもよい。
図10の上段に示すようにパターン描画装置1では、照射領域群6の間欠移動距離Aが照射領域群6の行方向に平行な辺(すなわち、副走査方向におよそ沿う辺)を副走査方向を向く直線に投影した長さに等しくされる。すなわち、照射領域群6の間欠移動距離Aは、照射領域群6の行方向に平行な辺の長さBと、照射領域群6の行方向と副走査方向とのなす角θとにより、(A=B×cosθ)として求められる。また、副走査方向に関して先行ストライプ領域711と後続ストライプ領域712とが重なる幅Cは、照射領域群6の列方向の辺を副走査方向を向く直線に投影した長さに等しく、先行照射領域群6aの副走査方向の幅Wを用いて、(C=W−B×cosθ)とされる。
(A=B×cosθ)の関係が満たされることにより、図10の上段に示す先行照射領域群6aの右側の直角三角形である符号731を付す領域と後続照射領域群6bの左側の直角三角形である符号732を付す領域とが、先行ストライプ領域711と後続ストライプ領域712との重なり合う領域73(図10ではこの領域の幅方向の範囲に符号73を付している。)を重複して通過することとなる。以下、領域73を「重複領域」と呼ぶ。また、先行照射領域群6aの左右の直角三角形以外の領域が通過する領域(図10にて符号721を付す範囲にて主走査方向に伸びる領域)を非重複領域721と呼び、後続照射領域群6bの左右の直角三角形以外の領域が通過する領域(符号722を付す範囲にて主走査方向に伸びる領域)を非重複領域722と呼ぶ。
図10の下段中の折れ線751にて示すように、先行ストライプ領域711の非重複領域721の各位置において、先行照射領域群6aが連続的に通過する時間は一定であり、重複領域73では、位置x1から位置x2に向かって通過時間が線形に減少する。一方、折れ線752にて示すように、後続ストライプ領域712における非重複領域722の各位置において、後続照射領域群6bが連続的に通過する時間は非重複領域721の場合と同じで一定であり、位置x1と位置x2との間では、位置x2から位置x1に向かって通過時間が線形に減少する。
したがって、重複領域73における先行照射領域群6aおよび後続照射領域群6bの累計通過時間は、非重複領域721,722における先行照射領域群6aまたは後続照射領域群6bの通過時間と等しくなる。また、図5に示すように照射領域61は4行おきに同一の描画領域620を通過するため、照射領域群6がM行の場合、非重複領域721,722の各位置において実質的にM/4個の照射領域61が通過し、重複領域73の各位置においても実質的にM/4個の照射領域61が2回に分けて通過する。その結果、基板9の全体において各描画領域620を中心とする(M/4)階調の露光が実現される。
なお、行方向に隣接する照射領域61間を4アドレスに代えてKアドレスで補間する場合には、ストライプ領域711,712の非重複領域721,722に対して(M/K)個(切り捨てにより整数として求められるものとする。以下同様。)の照射領域61が通過し、重複領域73においても1対の直角三角形の領域731,732により(M/K)個の照射領域61が通過し、基板9全体において各描画領域620を中心とする(M/K)階調の露光が実現される。
次に、パターン描画装置1の2つのヘッド部20(以下、(−X)側のものを「第1ヘッド部20a」、(+X)側のものを「第2ヘッド部20b」という。)により、基板9上にて2つの照射領域群6が並行して走査される様子について説明する。
図11は、2つのヘッド部20により感光材料上の複数のストライプ領域71a,71bに描画が行われる様子を示す図である。ストライプ領域71aは第1ヘッド部20aにより光照射が行われる領域であり、ストライプ領域71bは第2ヘッド部20bにより光照射が行われる領域である。矢印60aにて示すように、第1ヘッド部20aに対応する照射領域群6は、(+Y)方向である主走査方向に移動した後、(+X)方向である副走査方向に移動し、主走査方向が(−Y)方向に反転されて(−Y)方向に移動する。その後、副走査方向への移動、主走査方向の反転および主走査方向への移動が繰り返され、複数のストライプ領域71aに順次光の照射が行われる。
一方、第2ヘッド部20bには第1ヘッド部20aと同様のDMD22が設けられ、第2ヘッド部20bは第1ヘッド部20aに対して相対的に固定されている。換言すれば、光照射部2が備える2つの空間変調器であるDMD22には、複数の光変調素子が同様に配列され、かつ、2つのDMD22の相対位置が固定されている。したがって、第2ヘッド部20bに対応する照射領域群6は矢印60bにて示すように、第1ヘッド部20aに対応する照射領域群6と同様に移動する。すなわち、主走査方向への移動、副走査方向への移動、および、主走査方向の反転が繰り返され、複数のストライプ領域71bに順次光の照射が行われる。符号60cは各照射領域群6の主走査が奇数回行われる場合の最後の主走査の方向((+Y)方向)を示しており、符号60dは主走査が偶数回行われる場合の最後の主走査の方向((−Y)方向)を示している。
ここで、複数のストライプ領域71aにおいて、互いに隣接する1対のストライプ領域71aに注目した場合、(−X)側のストライプ領域71aが図9および図10の先行ストライプ領域711に対応し、(+X)側のストライプ領域71aが図9および図10の後続ストライプ領域712に対応する。そして、これらの領域が重なる重複領域73aが図10の重複領域73に対応する。同様に、互いに隣接する1対のストライプ領域71bに注目した場合、(−X)側のストライプ領域71bが先行ストライプ領域に対応し、(+X)側のストライプ領域71bが後続ストライプ領域に対応し、これらの領域の重なる領域が重複領域73bとなる。したがって、これらのストライプ領域に注目した場合、1つのDMD22が先行照射領域群6aおよび後続照射領域群6bに向けて順次光を照射する空間光変調器としての役割を果たす。
図11に示す最も(−X)側の(すなわち、最初に光照射が行われた)ストライプ領域71b、および、最も(+X)側の(すなわち、最後に光照射が行われた)ストライプ領域71aも、図10に示す2つのストライプ領域711,712と同様に重複領域73cにて部分的に重ね合わされ、これにより、2つの照射領域群6が重複領域73cを通過する累計時間が、1つの照射領域群6が非重複領域を通過する時間と等しくされる。したがって、ストライプ領域71bが先行ストライプ領域に相当し、ストライプ領域71aが後続ストライプ領域に相当し、図10のストライプ領域711,712を入れ替えた状態として捉えることができ、光照射部2では、2つのDMD22が先行照射領域群6aおよび後続照射領域群6bに向けてそれぞれ光を照射することとなる。
なお、最初に描画が行われるストライプ領域71aの(−X)側の領域74aは、照射領域群6の(−X)側の直角三角形に対応し、照射領域群6がこの領域74aを通過する時間は照射領域群6が非重複領域を通過する時間に満たないため、描画には利用されない。最後に描画が行われるストライプ領域71bの(+X)側の領域74bも同様に描画には利用されない。
以上のように、パターン描画装置1では同一のヘッド部20により描画が行われるストライプ領域間の重複領域および異なるヘッド部20により描画が行われるストライプ領域間の重複領域において、照射領域群6を2回通過させることにより、2つのヘッド部20を用いて効率よく描画を行うことができ、高精度なパターンを高速に描画することができる。
以上、照射領域群6が矩形であることを前提としてパターン描画装置1の構成および動作について説明したが、感光材料によっては同じ光量の光を短時間の間に一度に照射する場合と、時間を空けて2回に分けて照射する場合とでは感光の程度が異なる(通常、感光の程度が大きくなる。)ことがある。したがって、このような感光材料の場合、パターン描画装置1により図11の同一ヘッド部20による重複領域73a,73bや異なるヘッド部20による重複領域73cにおいて時間を空けて光の照射が繰り返されると、重複領域において他の領域よりも感光の程度が大きくなり、パターン中の線が部分的に太くなったり、パターン中に筋状のムラが現れることとなる。
そこで、パターン描画装置1では先行ストライプ領域および後続ストライプ領域の少なくともいずれか一方の描画時に、当該描画を行うDMD22の微小ミラー群222(図3参照)のうち、重複領域に対応する微小ミラー群222の一部、すなわち、感光材料上の投影位置が重複領域上に存在する微小ミラーの一部を無効化して重複領域に照射される光の量を強制的に低減することが行われる。これにより、重複領域における感光と非重複領域における感光とを同程度として描画されたパターンにおけるムラの発生が抑制される。
なお、微小ミラー群222の一部の無効化とは、一部の微小ミラーを強制的にOFF状態に維持することを指し、一部の微小ミラーの無効化により、照射領域群6の形状が矩形から変更されることとなる(あるいは、描画とは無関係の仮想的な照射領域と描画に利用される有効な照射領域61とを合わせて微小ミラー群222に対応する矩形の領域群となる)。また、パターン描画装置1では図8に示すように1つの描画領域に対して多数の照射領域61が通過して繰り返し光照射が行われるため、微小ミラー群222の一部を無効化しても累積光量が主走査方向に関して均一な割合で低減されるのみであり、描画されるパターンに影響は生じない。
図12.Aは、図11中のストライプ領域71a,71bのうち、最初および最後のもの以外に光照射が行われる際の微小ミラー群222の状態を示し、符号223を付す部分が無効化された微小ミラーであり、符号220を付す残りの部分が有効な、すなわち、能動化されてON/OFF制御される微小ミラーを示す。
図12.Bは、図12.Aに示す微小ミラー群222を用いて先行ストライプ領域711および後続ストライプ領域712(双方が図11中のストライプ領域71aまたは71bに対応する。)に光の照射が行われる様子を示す図であり、図10と同様に、上段に照射領域群およびストライプ領域を示し、下段に副走査方向の各位置における照射領域群の通過時間を線75にて示している。なお、通過時間は、先行ストライプ領域711の非重複領域721、両ストライプ領域間の重複領域(図11中の重複領域73aまたは73bに対応し、以下、「重複領域73a」と呼ぶ。)および後続ストライプ領域712の非重複領域722に対応する部分のみを示している。図12.Bでは主走査方向に伸びる非重複領域721、重複領域73aおよび非重複領域722を、これらの符号を付す範囲にて示している。
図12.Bにおいて、先行照射領域群6aおよび後続照射領域群6bは、矩形から領域651(以下、「マスク領域」という。)を除去した形状となっており、マスク領域651は図12.Aの無効化された微小ミラー223に対応する。すなわち、先行ストライプ領域および後続ストライプ領域の描画時に能動化される光変調素子に対応する感光材料上の照射領域が、それぞれ先行照射領域群6aおよび後続照射領域群6bとされる。さらに換言すれば、微小ミラー群222に対応する感光材料上の領域群は互いに垂直な行方向および列方向に矩形に配列されるとともに列方向が主走査方向に対して傾斜しており、領域群のうち描画に利用されるものが照射領域群6を構成し、描画に利用されないものがマスク領域651を構成する。
後続照射領域群6bと共に矩形を形成する(すなわち、接する)マスク領域651は重複領域73aに含まれ、先行照射領域群6aと共に矩形を形成するマスク領域651も(−X)側に隣接するストライプ領域との重複領域に含まれる。したがって、非重複領域721,722では、先行照射領域群6aまたは後続照射領域群6bが通過する時間は図10の場合と同様に一定となる。以下の説明では後続照射領域群6bに接するマスク領域651に注目して説明を行うが、ここでの後続照射領域群6bは図11中のストライプ領域71a,71bのうち最初および最後のもの以外の任意のストライプ領域を描画する照射領域群6に当てはめることができる。
マスク領域651は後続照射領域群6bの(−Y)側の辺に接する三角形とされ、これにより、マスク領域651の主走査方向の幅は非重複領域721,722と重複領域73aとの境界730から離れるほど増大する。ただし、描画をより良好に行うために、マスク領域651の最も(+Y)側(図12.B中の下側)の頂点は、重複領域73aの中央ではなく、若干、非重複領域722側(マスク領域が重複領域を通過する際に描画が行われる非重複領域側)に偏っている。換言すれば、無効化された微小ミラー223に対応する領域の主走査方向に並ぶ個数が、少なくとも重複領域73aと非重複領域721,722との間の境界730近傍において、境界730から離れるほど増大している。マスク領域651の大きさおよび(+Y)側の頂点の位置は感光材料の特性に応じて適宜変更される。
重複領域73aにおいて先行照射領域群6aが通過する時間は、図12.Bの下段にて符号7511を付す破線のように、図10の場合と同様に位置x1から位置x2に向かって線形に減少するが、マスク領域651が設けられることにより、重複領域73aにおいて後続照射領域群6bが通過する時間は、符号7521を付す破線のように位置x1から位置x2に向かって途中まで増加の程度が抑制される。その結果、線75にて示すように、重複領域73aの各位置において先行照射領域群6aおよび後続照射領域群6bが通過する累計時間が、非重複領域721,722を先行照射領域群6aまたは後続照射領域群6bが通過する一定の時間よりも短くなる。また、少なくとも重複領域73aと非重複領域721,722との間の境界730近傍において、重複領域73aの各位置を先行照射領域群6aおよび後続照射領域群6bが通過する累計時間は、境界730から離れるほど減少する。
その結果、重複領域73aに照射される光量が描画データが示す光量から強制的に低減され、重複領域73aにおける感光を非重複領域721,722の感光と同程度として描画の質を良好なものとすることが実現される。
図13.Aは、図11中の最後のストライプ領域71aに光の照射が行われる際の微小ミラー群222の状態を示し、図13.Bは、最初のストライプ領域71bに光の照射が行われる際の微小ミラー群222の状態を示す。図13.Aにおいて符号223を付す部分が図12.Aの場合と同様に無効化される微小ミラーであり、符号224を付す部分がさらに無効化される微小ミラーを示し、符号220を付す残りの部分が有効な、すなわち、能動化されてON/OFF制御される微小ミラーを示す。図13.Bでは符号220にて示すように、微小ミラー群222の全体が能動化される。
図13.Cは、図13.Bに示す微小ミラー群222を用いて先行ストライプ領域711(図11の最も(−X)側のストライプ領域71bに対応する。)に光が照射され、図13.Aに示す微小ミラー群222を用いて後続ストライプ領域712(図11の最も(+X)側のストライプ領域71aに対応する。)に光が照射される様子を示す図であり、上段に照射領域群およびストライプ領域を示し、下段に副走査方向の各位置における照射領域群の通過時間を線75にて示している。通過時間は、先行ストライプ領域711の非重複領域721、両ストライプ領域間の重複領域73cおよび後続ストライプ領域712の非重複領域722に対応する部分のみを示している。図13.Cにおいても主走査方向に伸びる非重複領域721、重複領域73cおよび非重複領域722を、これらの符号を付す範囲にて示している。
図13.Cにおいて、先行照射領域群6aは矩形であり、後続照射領域群6bは矩形からマスク領域651およびもう1つのマスク領域652を除去した形状となっており、マスク領域651は図13.Aの無効化された微小ミラー223に対応し、マスク領域652は無効化された微小ミラー224に対応する。すなわち、微小ミラー群222に対応する感光材料上の領域群のうち、描画に利用されるものが先行照射領域群6a(または後続照射領域群6b)を構成し、描画に利用されないものがマスク領域651,652を構成する。
マスク領域651は、図12.Bのマスク領域651と同様の役割を果たし、後続ストライプ領域712と(−X)側の先行ストライプ領域(図示省略)との間の重複領域において感光の程度を非重複領域721と同程度とすることを実現する。もう1つのマスク領域652は(+X)側の先行ストライプ領域711との間の重複領域73cに含まれる。したがって、非重複領域721,722では、照射領域群6a,6bが通過する時間が図10の場合と同様に一定となる。
マスク領域652は後続照射領域群6bの(+Y)側の辺および(+X)側の辺に接する直角三角形とされ、これにより、マスク領域652の主走査方向の幅は非重複領域721,722と重複領域73cとの境界730から離れるほど増大する。なお、描画をより良好に行うために、マスク領域652の最も(−Y)側(図13.C中の上側)の頂点は、重複領域73cの中央ではなく、若干、非重複領域722側(マスク領域が重複領域を通過する際に描画が行われる非重複領域側)に偏っている。また、マスク領域651の大きさおよび(−Y)側の頂点の位置は感光材料の特性に応じて適宜変更される。
重複領域73cにおいて先行照射領域群6aが通過する時間は符号7511を付す破線のように位置x4から位置x3に向かって線形に減少するが、後続照射領域群6bの重複領域73cと重なる部分にマスク領域652を設けることにより、重複領域73cにおいて後続照射領域群6bが通過する時間は、図12.Bの場合と同様に、符号7521を付す破線のように位置x4から位置x3に向かって途中まで増加が抑制される。その結果、線75にて示すように、重複領域73cの各位置において先行照射領域群6aおよび後続照射領域群6bが通過する累計時間が、非重複領域721,722を先行照射領域群6aまたは後続照射領域群6bが通過する一定の時間よりも短くなる。また、少なくとも重複領域73cと非重複領域721,722との間の境界730近傍において、重複領域73cの各位置を先行照射領域群6aおよび後続照射領域群6bが通過する累計時間は、境界730から離れるほど減少する。
その結果、第1ヘッド部20aにより描画が行われる領域と第2ヘッド部20bにより描画が行われる領域との間の重複領域73cに照射される光の光量が描画データが示す光量から強制的に低減され、重複領域73cにおける感光とを非重複領域721,722の感光と同程度とすることができ、描画の質を良好なものとすることが実現される。特に、重複領域73cでは先行照射領域群6aが通過してから後続照射領域群6bが通過するまでの時間が極めて長く(1つのヘッド部20がn本のストライプ領域を描画する場合、描画時刻の差の平均が(n−1)本のストライプ領域を描画する時間となる。)、多くの感光材料において重複領域と非重複領域とで感光の程度が異なってしまうため、マスク領域652を設ける技術は重要となる。
実際の動作では、最も(−X)側のストライプ領域71aの描画が行われる際に、図11に示す最も(−X)の領域74aに対して光の照射は行われないため、最も(−X)側のストライプ領域71bの描画と同様に図13.Bに示す微小ミラー群222が利用される。また、最も(+X)側のストライプ領域71bの描画が行われる際にも、最も(+X)側の領域74bに対して光の照射が行われないため、図13.Aに示す微小ミラー群222が利用される。これにより、2つのヘッド部20のDMD22におけるマスク領域が常に同じとされる。
図14は制御部4の1つのDMD22の制御に係る構成を示すブロック図である。制御部4には2つのDMD22のそれぞれに対して図14に示す構成が設けられる。制御部4は各種情報を記憶する記憶装置411、描画パターンの全体(または広範囲の部分)を示す描画データを記憶する描画データメモリ412、図12.Aおよび図13.Aに示す無効化される微小ミラーの領域を示すマスクデータを記憶するマスクデータメモリ413を備え、描画データメモリ412およびマスクデータメモリ413には記憶装置411から描画データおよびマスクデータが読み出し可能とされる。
描画データメモリ412には描画データのうち1回の照射制御に使用される描画データを一時的に記憶する描画データバッファ414が接続され、マスクデータメモリ413には複数のマスクデータのうちのいずれかを一時的に記憶するマスクデータバッファ415が接続される。描画データバッファ414およびマスクデータバッファ415は両データを合成する(例えば、両データの対応する値の論理積を求めてマージする)マージ回路416に接続され、合成後の描画データが微小ミラーの各メモリセルに記憶される描画セルデータとしてDMD22に送信される。
描画データメモリ412から描画データバッファ414およびマージ回路416を経由してDMD22へと描画セルデータを出力する制御は、データ出力制御回路421により実行され、マスクデータメモリ413からマスクデータバッファ415を経由してマージ回路416へとマスクデータを転送する制御は、マスクデータ制御回路422により実行され、データ出力制御回路421およびマスクデータ制御回路422の動作はタイミング回路423により同期される。
図15は、光照射部2から感光材料への光照射を制御部4が制御する図6中のステップS3の流れを示す図である。実際には図15に示す動作が2つのDMD22のそれぞれに対して並行して行われる。
1回の照射制御(ステップS3)では、まず、予め描画データメモリ412に記憶されている描画データのうち、照射領域群6の位置に対応する描画データが特定され、この描画データが描画データバッファ414へ読み出される(ステップS31)。一方、既にマスクデータバッファ415に記憶されているマスクデータが使用すべきマスクデータと異なる場合は、マスクデータメモリ413に記憶されている複数のマスクデータのうちいずれかのものがマスクデータバッファ415へと読み出される(ステップS32)。既にマスクデータバッファ415に記憶されているマスクデータが使用すべきマスクデータと同じである場合はステップS32は実行されない。
例えば、図11のストライプ領域71a,71bのうち最初のものに対する描画における最初の照射制御では、マスク領域が存在しないマスクデータがマスクデータバッファ415に読み出され(図13.B参照)、2番目のストライプ領域71a,71bの描画における最初の照射制御では、図12.Bに示すマスク領域651のみが存在するマスクデータがマスクデータバッファ415に読み出される(図12.A参照)。ストライプ領域71a,71bのうち最後のものに対する描画における最初の照射制御では、図13.Cに示すマスク領域651,652が存在するマスクデータがマスクデータバッファ415に読み出される(図13.A参照)。その他のストライプ領域に対する最初の照射制御や各ストライプ領域における2回目以降の照射制御では、マスクデータの書き換えは行われない。
描画データバッファ414およびマスクデータバッファ415に保持された描画データおよびマスクデータはマージ回路416にて合成され、マスク領域に対応する描画セルデータが強制的に0に置き換えられる。合成後の描画データは所定のタイミングにてDMD22の各微小ミラーのメモリセルに書き込まれる(ステップS33)。そして、感光材料上を移動する照射領域群6が所望の位置に到達すると、制御部4のタイミング回路423からリセットパルスがDMD22に入力され、これにより、各微小ミラーが対応するメモリセルに書き込まれている描画セルデータに従った姿勢とされ、ON状態またはOFF状態とされる(ステップS34)。このとき、マスク領域に対応する微小ミラーは必ずOFF状態とされることから、マスク領域に対応する微小ミラーを実質的に無効化することが実現される。
その後、図6に示すステップS4により速やかにステップS31へと戻り、微小ミラー群222の部分的な無効化を伴う照射制御が、照射領域群6が描画停止位置に到達するまで高速に繰り返される。なお、描画データの読み出し(ステップS31)およびマスクデータの読み出し(ステップS32)の順序は変更されてもよく、同時に行われてもよい。
以上、パターン描画装置1の構成および動作について説明したが、パターン描画装置1では、DMD22の微小ミラー群222の一部を無効化することにより、連続して描画が行われる2つのストライプ領域の間の重複領域への光の照射量を強制的に削減することにより、非重複領域と重複領域とでの感光の程度を同程度として描画パターンにおけるムラの発生を抑制することができる。さらに、異なるヘッド部20にて隣接して描画される2つのストライプ領域の間の重複領域においても光の照射量を強制的に削減することにより、重複領域でのムラの発生が抑制される。その結果、感光材料上の描画領域全体に適切にパターンを描画することが実現される。
図16.Aは図12.Aに対応する他の微小ミラー群222を示す図であり、図16.Bは図12.Bに対応し、同様の部位に同符号をしている。図16.Aに示す微小ミラー群222では、図12.Aの微小ミラー群222の場合とは反対側(対角側)に無効化される微小ミラー225が設定される。したがって、図16.Bに示すように、重複領域73aでは先行照射領域群6aにマスク領域653が設定されることとなる。これにより、図12.Bの場合と同様に、線75にて示すように重複領域73aにて先行照射領域群6aおよび後続照射領域群6bの累計通過時間が非重複領域721,722の通過時間よりも短くされる。なお、最も累計通過時間が短くなる位置は、重複領域73aの中央ではなく、若干、非重複領域721側(マスク領域が重複領域を通過する際に描画が行われる非重複領域側)に偏っている。
また、図17.Aおよび図17.Bはそれぞれ図13.Aおよび図13.Bに対応する他の微小ミラー群222を示す図であり、図11のストライプ領域71aの最後のものへの光照射に図17.Aの微小ミラー群222が使用され、ストライプ領域71bの最初のものへの光照射に図17.Bの微小ミラー群222が使用される。図17.Cは図13.Cに対応し、同様の部位に同符号をしている。図17.Bに示す微小ミラー群222では、図16.Aに示す無効化される微小ミラー225に加えて微小ミラー226がさらに無効化され、図17.Cに示すように、先行照射領域群6aにはマスク領域653に加えて、マスク領域654が追加される。マスク領域653は図16.Bと同様の役割を果たし、マスク領域654により、異なるヘッド部20により光が照射されるストライプ領域間の重複領域73cにおいて先行照射領域群6aおよび後続照射領域群6bが通過する累計時間が、線75にて示すように非重複領域721,722に対する通過時間よりも短縮される。なお、最も累計通過時間が短くなる位置は、重複領域73cの中央ではなく、若干、非重複領域722側に偏っている。
以上のように、マスク領域は後続照射領域群6bではなくて先行照射領域群6aを基準に設けられてもよい。
図18は、マスク領域のさらに他の例を示す図である。図18に示すマスク領域651は図12.Bのマスク領域651に代えて用いられるものであり、図12.Bの三角形のマスク領域651の最も(+Y)側の頂点近傍の部位を削除して台形としたものである。なお、図13.Cのマスク領域652、図16.Bおよび図17.Cのマスク領域653,654も台形に変更されてよい。このように、重複領域と非重複領域との間の境界近傍において、重複領域の各位置を先行照射領域群6aおよび後続照射領域群6bが通過する累計時間が、境界から離れるほど減少する(より正確には、一方の境界から他方の境界に向かって単調増加し、必要に応じて一定の区間が設けられ、その後、単調減少する)のであれば、無効化される微小ミラーは様々な領域に設定されてよい。無効化される微小ミラーの領域は、実際の描画および描画結果の確認を繰り返すことにより決定される。
次に、本発明の第2の実施の形態に係るパターン描画装置について説明する。第2の実施の形態に係るパターン描画装置の構成および基本動作は第1の実施の形態に係るパターン描画装置1と同様であり、使用されるマスクデータおよびマスクデータの変更タイミングのみが異なる。以下の説明では第1の実施の形態と同様の符号を参照する。
図19は、図11の各ストライプ領域71a,71bを主走査方向の一定の距離毎に複数のブロックに分割した図である。図19において、最も左側のブロック1,2,3,4,5は、最初のストライプ領域71aにて光照射が行われるブロックの順序を示しており、左から2番目のブロック6,7,8,9,10は、2番目のストライプ領域71aにて光照射が行われるブロックの順序を示しており、左から3番目のブロック11,12,13,14,15は、3番目のストライプ領域71aにて光照射が行われるブロックの順序を示している。
副走査方向に並ぶブロック1,10、ブロック2,9、・・・、ブロック5,6のうち、照射時刻の差はブロック1,10で最も大きく、ブロック5,6では最も小さい。また、ブロック10,11、ブロック9,12、・・・、ブロック6,15のうち、照射時刻の差はブロック10,11で最も小さく、ブロック6,15では最も大きい。したがって、感光材料の性質によっては、この時間差が重複領域73aにおける感光の程度に差を与える場合がある。そこで、第2の実施の形態に係るパターン描画装置1では、ブロック毎に重複領域に対応する微小ミラーのうち無効にされる微小ミラーの数を変更する、すなわち、マスク領域の大きさを変更するようになっている。
また、ブロック(m−4),(m−3),(m−2),(m−1),mは、最後のストライプ領域71aにて描画が行われる順序を示しており、ストライプ領域71aの数が奇数の場合は、異なるヘッド部20により光照射が行われるストライプ領域71bのブロック1,2,3,4,5との間の重複領域73cにおける照射時刻の差は一定となる。ストライプ領域71aの数が偶数の場合は、(−Y)側の1対のブロックで最も照射時刻に差が生じ、(+Y)側の1対のブロックで最も照射時刻の差が小さくなる。
以上、ブロックを参照して隣接ストライプ領域間の照射時刻の差について説明したが、図20は、隣接ストライプ領域間の照射時刻の差とY方向の位置との一般的な関係を示す図である。図20中の直線51は同一のヘッド部20により光照射が行われる奇数番目のストライプ領域と次のストライプ領域との間の照射時刻の差を示しており、Y座標の値が大きいほど照射時刻の差が減少する。直線52は同一のヘッド部20により光照射が行われる偶数番目のストライプ領域と次のストライプ領域との間の照射時刻の差を示しており、Y座標の値が大きいほど照射時刻の差が増大する。
符号53,54にて示す直線は、異なるヘッド部20にて光照射が行われるストライプ領域間の照射時刻の差を示しており、この照射時刻の差は直線51,52に比べて当然に大きくなる。1つのヘッド部20にて奇数個のストライプ領域に光が照射される場合は、隣接する2つのストライプ領域は異なるヘッド部20にて同方向に光照射が行われるため、符号53にて示すように両ストライプ領域間で照射時刻の差は一定となる。1つのヘッド部20にて偶数個のストライプ領域に光が照射される場合は、隣接する2つのストライプ領域は異なるヘッド部20にて互いに反対方向に光照射が行われるため、符号54にて示すように両ストライプ領域間で照射時刻の差はY座標の値が大きいほど小さくなる。
図21.A〜図21.E並びに図22.A〜図22.Eは、微小ミラー群222の状態を示す図であり、無効化される微小ミラーに符号223a〜223eおよび符号224を付しており、有効な、すなわち、能動化される微小ミラーに符号220を付している。図21.A〜図21.Eは図12.Aの微小ミラー223の三角形領域の高さを変更したものであり、図22.A〜図22.Eは図13.Aの微小ミラー223の三角形領域の高さを変更したものであり、微小ミラー224の領域は変更されない。
図23は、図19に示すブロックとマスク領域との関係を抽象的に示す図であり、平行斜線にて各ブロックへの光照射の際のマスク領域の大きさを示している。最初のストライプ領域71aのブロック1〜5に光照射が行われる際には、微小ミラー群222の一部の無効化は行われない。次のストライプ領域71aのブロック6〜10に描画が行われる際には、微小ミラー群222が図21.A〜図21.Eに示す状態に順に変更される。すなわち、無効化される微小ミラーの数が漸次増加し、感光材料上においてマスク領域が増大し、照射領域群6が減少する。これにより、ブロック5,6間の重複領域の各位置において往路および復路の照射領域群6が通過する累計の時間が非重複領域にて照射領域群6が通過する時間よりも僅かに短くされ、ブロック1,10間の重複領域の各位置において往路および復路の照射領域群6が通過する累計の時間が非重複領域にて照射領域群6が通過する時間よりも大幅に短くされる。
その結果、往路および復路の照射領域群6が通過する時刻の差が小さいブロック5,6間の重複領域の各位置では、感光の程度の低減が僅かだけ行われ、往路および復路の照射領域群6が通過する時刻の差が大きいブロック1,10間の重複領域の各位置では、感光の程度が大きく低減され、往路および復路の通過時刻の差に起因して生じる感光ムラを重複領域全体で適切に抑制することが実現される。
同様に、ブロック10,11間では照射領域群6の通過する時刻の差が小さく、ブロック6,15間では照射領域群6の通過する時刻の差が大きいため、ブロック11〜15に光照射が行われる際には、微小ミラー群222が図21.A〜図21.Eに示す状態に順に変更される。
最後のストライプ領域71aのブロック(m−4),(m−3),(m−2),(m−1),mに光照射が行われる際には、図13.Cの場合と同様に、異なるヘッド部20にて最初に描画が行われたストライプ領域71bのブロック1〜5との間の照射時刻の差に起因する感光の程度の増大を低減するために、無効化される微小ミラー224を有する図22.A〜図22.Eに示す状態が順に適用される。
なお、1つのヘッド部20にて光が照射されるストライプ領域の数が奇数の場合、既述のように異なるヘッド部20にて光が照射された2つのストライプ領域間の照射時刻の差は一定であり、図22.A〜図22.Eに示すように無効化される微小ミラー224の範囲が一定とされるが、1つのヘッド部20にて光が照射されるストライプ領域の数が偶数の場合、図20の直線54にて示すように、異なるヘッド部20にて光が照射される2つのストライプ領域間の照射時刻の差は変化するため、図22.A〜図22.Eにおける微小ミラー224の領域は漸次変化するものに変更される。これにより、異なるヘッド部20にて光が照射された2つのストライプ領域間の重複領域においてムラの発生を一層抑制することが実現される。
もちろん、図16.Bの場合のように、先行ストライプ領域に光の照射が行われているときに微小ミラー群222の一部が無効化され、さらに無効化される微小ミラーの数が主走査方向の位置に応じて変更されてもよい。一般的には、先行ストライプ領域および後続ストライプ領域の少なくともいずれか一方の描画途上において、重複領域に対応する光変調素子のうち無効化される素子の数が変更されることにより、より適切なパターン描画が実現される。図18の場合のように、無効化される微小ミラーの領域が台形の場合は、ブロック間の照射時刻の差に応じて台形の高さが変更されたマスクデータが準備される。また、一のストライプ領域が分割されるブロックの個数は感光材料の特性に応じて適宜変更される。
次に、本発明の第3の実施の形態に係るパターン描画装置について説明する。図24は第3の実施の形態に係るパターン描画装置のDMD22の制御に係る構成を示すブロック図であり、第1の実施の形態における図14に対応する。他の装置構成は第1の実施の形態と同様であり、動作は第2の実施の形態とほぼ同様である。
図24に示すブロック図は、図14に示すブロック図におけるマスクデータメモリ413を第1マスクデータメモリ413aおよび第2マスクデータメモリ413bに置き換え、マスクデータバッファ415を第1マスクデータバッファ415aおよび第2マスクデータバッファ415bに置き換えたものとなっており、マージ回路416では第1マスクデータバッファ415aおよび第2マスクデータバッファ415bからのマスクデータが描画データバッファ414からの描画データに合成される。その他の構成要素は図14と同様であり、同符号を付している。
既述のように、マスクデータは無効化される微小ミラーの領域を示すデータであり、感光材料上においては照射領域群6の一部を欠落させるマスク領域を示すデータでもある。また、無効化される微小ミラーは、図12.A、図13.A、図16.Aおよび図17.Bに示す微小ミラー223,225、並びに、図21.A〜図21.Eおよび図22.A〜図22.Eに示す微小ミラー223a〜223eのように同一のヘッド部20にて光が照射されるストライプ領域間の重複領域に対応するものと、図13.A、図17.Bおよび図22.A〜図22.Eに示す微小ミラー224,226のように異なるヘッド部20にて光が照射される隣接ストライプ領域間の重複領域に対応するものとに分けることができる。
そこで、第3の実施の形態に係るパターン描画装置1では、同一のヘッド部20にて描画されるストライプ領域間の重複領域に対応して無効化される微小ミラーを示すマスクデータ(以下、「ストライプ間マスクデータ」という。)と、異なるヘッド部20にて描画される隣接ストライプ領域間の重複領域に対応して無効化される微小ミラーを示すマスクデータ(以下、「ヘッド間マスクデータ」という。)とを個別に扱うようになっている。
図25.A〜図25.Eはストライプ間マスクデータを可視化した図であり、矩形8がDMD22の微小ミラー群222に対応し、領域81a〜81eが無効化される微小ミラーに対応する。これらのストライプ間マスクデータがそのままDMD22に適用された場合、DMD22は図21.A〜図21.Eに示すの状態となる。図26はヘッド間マスクデータを可視化した図であり、矩形8がDMD22の微小ミラー群222に対応し、領域82が無効化される微小ミラーに対応する。
第3の実施の形態に係るパターン描画装置1にて図23を参照して説明した描画を行う場合、まず、第1マスクデータバッファ415aおよび第2マスクデータバッファ415bにデータが存在しない状態、または、無効にする微小ミラーが存在しないマスクデータが第1マスクデータメモリ413aおよび第2マスクデータメモリ413bから転送された状態で、ブロック1〜5への光照射が行われる。次のストライプ領域71aのブロック6〜10に光照射が行われる際には、第1マスクデータメモリ413aから第1マスクデータバッファ415aに図25.A〜図25.Eに示すストライプ間マスクデータが順次転送され、微小ミラー群222が図21.A〜図21.Eに示す状態に順に変更される。その結果、無効化される微小ミラーの数を漸次増大させつつパターン描画が行われ、重複領域でのムラが抑制される。その後、照射領域群6の主走査方向を変更しつつ同様の動作が繰り返されて複数のストライプ領域71aに光照射が行われる。
複数のストライプ領域71aのうち最後のものに対して光の照射が行われる際には、すなわち、ブロック(m−4),(m−3),(m−2),(m−1),mに光照射が行われる際には、第2マスクデータメモリ413bから第2マスクデータバッファ415bに図26に示すヘッド間マスクデータが転送され、第1マスクデータメモリ413aから第1マスクデータバッファ415aに図25.A〜図25.Eに示すストライプ間マスクデータが順次転送される。そして、描画データに2つのマスクデータが合成されることにより、微小ミラー群222が図22.A〜図22.Eに示す状態に順に変更される。これにより、第2の実施の形態と同様に、異なるヘッド部20にて描画される隣接ストライプ領域間の重複領域においてもムラを抑制することが実現される。
以上に説明したように、第3の実施の形態に係るパターン描画装置1では、マスクデータがストライプ間マスクデータとヘッド間マスクデータとに分けて準備されるため、マスクデータの量を少なくすることができる。
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は上記実施の形態に限定されず様々な変更が可能である。
例えば、パターン描画装置1のヘッド部20は3以上設けられてもよく、1つであってもよい。照射領域群6を移動する機構は、ステージ11または光照射部2のいずれか一方を主走査方向および副走査方向に移動する機構であってもよい。また、ドラムの側面に感光材料を保持し、ドラムを回転することにより照射領域群の主走査が行われ、複数のヘッド部を回転軸に平行に移動して照射領域群の副走査が行われてもよい。
上記実施の形態では、無効化される微小ミラーの領域を三角形状または台形として説明したが、先行照射領域群6aおよび後続照射領域群6bが通過する累計時間を重複領域で短くすることができるのであれば、図27.Aに示すように無効化される微小ミラー227は散在してもよく、図27.Bに示すように無効化される微小ミラー228が縞状に設定されてもよい。
さらに、先行照射領域群6aへの光の照射制御および後続照射領域群6bへの光の照射制御の双方において微小ミラー群222に無効化される微小ミラーが設定されてもよい。すなわち、先行ストライプ領域および後続ストライプ領域の少なくともいずれか一方の描画時に、当該描画を行っているDMD22の微小ミラー群222のうち、重複領域に対応する微小ミラーの一部が無効化されることにより、重複領域への適切な描画が実現される。
上記実施の形態では無効化される微小ミラーは重複領域に対応する微小ミラーの一部のみとされるが、例えば、感光材料の感度が高い場合は、微小ミラー群222のうち複数行の微小ミラーが強制的に無効化され、重複領域に対応する微小ミラーの一部がさらに無効化されてもよい。この場合においても先行ストライプ領域および後続ストライプ領域への光の照射時に能動化される微小ミラーに対応する感光材料上の照射領域が、それぞれ先行照射領域群および後続照射領域群となる。
上記実施の形態では、非重複領域の副走査方向の幅を、微小ミラー群222に対応する感光材料上の矩形の領域群の行方向の辺を副走査方向を向く直線に投影した長さに等しくすることにより、重複領域の各位置において、微小ミラー群222に対応する領域群(照射領域群6とマスク領域との和)が通過する累計時間を容易に一定とすることが実現され、これにより、無効化する微小ミラーの設定を容易に行うことができる。
一方、パターン描画装置1では、非重複領域の幅(ストライプ領域のピッチでもある。)が、上記実施の形態の場合よりも短くされてもよい。図28はストライプ領域のピッチが短くされた例を示す図である。図28において符号Aがストライプ領域のピッチ、すなわち、照射領域群6の間欠移動距離であり、符号Wが照射領域群6の幅、すなわち、ストライプ領域の幅を示す。微小ミラー群222に対応する矩形の領域には、列方向の辺に接する4つの直角三角形の第1マスク領域653が設定され、符号73dにて示す範囲で主走査方向に伸びる領域が重複領域となる。さらに、先行照射領域群6aでは重複領域73dと重なる菱形の第2マスク領域654が設定され、重複領域73dの各位置において先行照射領域群6aおよび第2マスク領域654が通過する時間は非重複領域の各位置を先行照射領域群6aが通過する時間の半分とされ、重複領域73dの各位置において後続照射領域群6bが通過する時間も非重複領域の各位置を後続照射領域群6bが通過する時間の半分とされる。これにより、重複領域73dの各位置において先行照射領域群6aおよび後続照射領域群6bが通過する累計時間は非重複領域の各位置を照射領域群が通過する時間よりも短くされ、適切な描画が実現される。
以上のように、能動化される微小ミラーに対応する照射領域群は様々な形状とされよい。微小ミラー群222が矩形領域内に配列される場合は、微小ミラー群222に対応する感光材料上の領域群の行方向の辺を副走査方向を向く直線に投影した長さが非重複領域の幅とされることにより、多くの微小ミラーを描画に利用することができる。また、マスク領域が重複領域のみと重なるように設定されることにより、さらに多くの微小ミラーを描画に利用することができる。
また、感光材料はフォトレジスト膜に限らず、光の照射に反応するものであってもよく、例えば、光の照射による熱に反応する材料であってもよい。
パターン描画装置1にて描画が行われる対象物としては、感光材料が塗布された様々な基板が採用されてよく、例えば、プリント配線基板、プリント配線基板用の原板、半導体基板、表面表示装置用のガラス基板、はんだ印刷用のメタルマスクの基板等に感光材料を塗布したものが挙げられる。また、描画パターンは網点等の画像のパターンであってもよく、例えば、イメージセッタにおいて銀塩等の感光材料に画像のパターンを描画する場合に上記技術が利用されてもよい。
パターン描画装置の構成を示す図である。 ヘッド部および光源ユニットを示す図である。 DMDを示す図である。 照射領域群を示す図である。 照射領域および描画領域を重ねて示す図である。 パターン描画の基本動作の流れを示す図である。 描画途上の照射領域および描画領域を示す図である。 描画途上の照射領域および描画領域を示す図である。 照射領域群の移動の様子を示す図である。 副走査方向の位置と照射領域の通過時間との関係を示す図である。 感光材料上の複数のストライプ領域に描画が行われる様子を示す図である。 微小ミラー群の状態を示す図である。 先行ストライプ領域および後続ストライプ領域に光照射が行われる様子を示す図である。 微小ミラー群の状態を示す図である。 微小ミラー群の状態を示す図である。 先行ストライプ領域および後続ストライプ領域に光照射が行われる様子を示す図である。 DMDの制御に係る構成を示すブロック図である。 照射制御の流れを示す図である。 微小ミラー群の状態を示す図である。 先行ストライプ領域および後続ストライプ領域に光照射が行われる様子を示す図である。 微小ミラー群の状態を示す図である。 微小ミラー群の状態を示す図である。 先行ストライプ領域および後続ストライプ領域に光照射が行われる様子を示す図である。 マスク領域の他の例を示す図である。 ストライプ領域を分割したブロックを示す図である。 隣接ストライプ領域間の照射時刻の差とY方向の位置との関係を示す図である。 微小ミラー群の状態を示す図である。 微小ミラー群の状態を示す図である。 微小ミラー群の状態を示す図である。 微小ミラー群の状態を示す図である。 微小ミラー群の状態を示す図である。 微小ミラー群の状態を示す図である。 微小ミラー群の状態を示す図である。 微小ミラー群の状態を示す図である。 微小ミラー群の状態を示す図である。 微小ミラー群の状態を示す図である。 ブロックとマスク領域との関係を示す図である。 DMDの制御に係る他の構成を示すブロック図である。 ストライプ間マスクデータを示す図である。 ストライプ間マスクデータを示す図である。 ストライプ間マスクデータを示す図である。 ストライプ間マスクデータを示す図である。 ストライプ間マスクデータを示す図である。 ヘッド間マスクデータを示す図である。 微小ミラー群の状態の他の例を示す図である。 微小ミラー群の状態のさらに他の例を示す図である。 先行照射領域群および後続照射領域群の他の例を示す図である。
1 パターン描画装置
2 光照射部
4 制御部
6 照射領域群
6a 先行照射領域群
6b 後続照射領域群
22 DMD
31 ステージ移動機構
32 ヘッド部移動機構
61 照射領域
73a,73c 重複領域
222 微小ミラー群
223〜226,223a〜223e (無効化される)微小ミラー
711 先行ストライプ領域
712 後続ストライプ領域
721,722 非重複領域
S1〜S7 ステップ

Claims (8)

  1. 感光材料に光を照射して前記感光材料上にパターンを描画するパターン描画装置であって、
    感光材料上に光を照射する光照射部と、
    前記光照射部から光が照射される照射領域群を前記感光材料上において移動する照射領域移動機構と、
    前記照射領域群の移動および前記照射領域群の各照射領域への光の照射を制御し、前記感光材料上の各位置に対して複数の照射領域を通過させつつ前記各位置に光を照射することにより前記感光材料上に描画を行う制御部と、
    を備え、
    前記光照射部が、空間光変調器を備え、
    記空間光変調器において複数の光変調素子が矩形領域内に2次元に配列され、前記複数の光変調素子に対応する前記感光材料上の複数の領域が、互いに垂直な行方向および列方向に矩形に配列されており、
    前記列方向が主走査方向に対して傾斜し、
    前記複数の光変調素子が、姿勢が個別に変更可能な複数の微小ミラーであり、
    前記制御部の制御により、前記空間光変調器からの先行照射領域群への光の照射を制御するとともに前記先行照射領域群を前記主走査方向に平行に移動することにより、前記感光材料上の先行ストライプ領域に光の照射が行われ、前記空間光変調器からの後続照射領域群への光の照射を制御するとともに前記後続照射領域群を前記主走査方向に平行に移動することにより、副走査方向において前記先行ストライプ領域に隣接し、かつ、部分的に重なる後続ストライプ領域に光の照射が行われ
    前記先行ストライプ領域および前記後続ストライプ領域の描画時に能動化される光変調素子に対応する前記感光材料上の照射領域が、それぞれ前記先行照射領域群および前記後続照射領域群であり
    前記先行ストライプ領域および前記後続ストライプ領域における非重複領域の各位置において、前記先行照射領域群または前記後続照射領域群が連続的に一定の時間で通過し
    前記先行ストライプ領域と前記後続ストライプ領域とが重なる重複領域の各位置において、前記先行照射領域群および前記後続照射領域群が通過する累計時間前記一定の時間とする場合に能動化される光変調素子の一部が、前記先行ストライプ領域および前記後続ストライプ領域の少なくともいずれか一方の描画時に無効化されることにより、前記累計時間が前記一定の時間より短いことを特徴とするパターン描画装置。
  2. 請求項1に記載のパターン描画装置であって、
    前記光照射部が、前記空間光変調器と同様の他の空間光変調器をさらに備え、前記他の空間光変調器が前記空間光変調器に対して前記副走査方向に位置し、前記空間光変調器と前記他の空間光変調器との相対位置が固定され、
    前記空間光変調器により、前記副走査方向に並ぶ複数のストライプ領域に順次光の照射が行われ、互いに隣接する各対のストライプ領域の一方が前記先行ストライプ領域であり、他方が前記後続ストライプ領域であり、
    前記他の空間光変調器により、前記空間光変調器と同様に、前記副走査方向に並ぶ複数のストライプ領域に順次光の照射が行われ、互いに隣接する各対のストライプ領域の一方が前記先行ストライプ領域であり、他方が前記後続ストライプ領域であり、
    前記空間光変調器により最後に光が照射される最終ストライプ領域が、前記他の空間光変調器により最初に光が照射される先頭ストライプ領域に隣接し、かつ、部分的に重なり、
    前記先頭ストライプ領域および前記最終ストライプ領域の描画時に能動化される光変調素子に対応する前記感光材料上の照射領域、それぞれ先頭照射領域群および最終照射領域群として、
    記先頭ストライプ領域および前記最終ストライプ領域における非重複領域の各位置において、前記先頭照射領域群または前記最終照射領域群が連続的に前記一定の時間で通過し
    記先頭ストライプ領域と前記最終ストライプ領域とが重なる重複領域の各位置において、前記先頭照射領域群および前記最終照射領域群が通過する他の累計時間を前記一定の時間とする場合に能動化される光変調素子の一部が、記先頭ストライプ領域および前記最終ストライプ領域の少なくともいずれか一方の描画時に無効化されることにより、前記他の累計時間が前記累計時間よりも短いことを特徴とするパターン描画装置。
  3. 請求項1または2に記載のパターン描画装置であって、
    前記非重複領域の前記副走査方向の幅が、前記矩形に配列される前記複数の領域の前記行方向の辺を前記副走査方向を向く直線に投影した長さに等しいことを特徴とするパターン描画装置。
  4. 請求項に記載のパターン描画装置であって、
    前記重複領域と前記非重複領域との間の境界近傍において、前記重複領域の各位置を前記先行照射領域群および前記後続照射領域群が通過する前記累計時間が、前記境界から離れるほど減少することを特徴とするパターン描画装置。
  5. 請求項1ないし4のいずれかに記載のパターン描画装置であって、
    前記複数の光変調素子のうち、前記重複領域に対応する光変調素子の一部のみが無効化されることを特徴とするパターン描画装置。
  6. 請求項1ないし5のいずれかに記載のパターン描画装置であって、
    前記先行ストライプ領域および前記後続ストライプ領域の少なくともいずれか一方の描画途上において、前記重複領域に対応する光変調素子のうち無効化される素子の数が変更されることを特徴とするパターン描画装置。
  7. 光照射部から光が照射される照射領域群を感光材料上において移動するとともに前記照射領域群の各照射領域への光の照射を制御し、前記感光材料上の各位置に対して複数の照射領域を通過させつつ前記各位置に光を照射することにより前記感光材料上にパターンを描画するパターン描画方法であって、
    前記光照射部が、空間光変調器を備え、
    記空間光変調器において複数の光変調素子が矩形領域内に2次元に配列され、前記複数の光変調素子に対応する前記感光材料上の複数の領域が、互いに垂直な行方向および列方向に矩形に配列されており、
    前記列方向が主走査方向に対して傾斜し、
    前記複数の光変調素子が、姿勢が個別に変更可能な複数の微小ミラーであり、
    記空間光変調器からの先行照射領域群への光の照射を制御するとともに前記先行照射領域群を前記主走査方向に平行に移動することにより、前記感光材料上の先行ストライプ領域に光の照射を行う工程と、
    記空間光変調器からの後続照射領域群への光の照射を制御するとともに前記後続照射領域群を前記主走査方向に平行に移動することにより、前記先行ストライプ領域に隣接するとともに部分的に重なる後続ストライプ領域に光の照射を行う工程と、
    を備え、
    記先行ストライプ領域および前記後続ストライプ領域の描画時に能動化される光変調素子に対応する前記感光材料上の照射領域が、それぞれ前記先行照射領域群および前記後続照射領域群であり、
    前記先行ストライプ領域および前記後続ストライプ領域における非重複領域の各位置において、前記先行照射領域群または前記後続照射領域群が連続的に一定の時間で通過し
    前記先行ストライプ領域と前記後続ストライプ領域とが重なる重複領域の各位置において、前記先行照射領域群および前記後続照射領域群が通過する累計時間前記一定の時間とする場合に能動化される光変調素子の一部が、前記先行ストライプ領域および前記後続ストライプ領域の少なくともいずれか一方の描画時に無効化されることにより、前記累計時間が前記一定の時間より短いことを特徴とするパターン描画方法。
  8. 請求項7に記載のパターン描画方法であって、
    前記先行ストライプ領域および前記後続ストライプ領域の少なくともいずれか一方の描画途上において、前記重複領域に対応する光変調素子のうち無効化される素子の数が変更されることを特徴とするパターン描画方法。
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