JP5177271B2 - ポリテトラフルオロエチレンファインパウダーの製造方法 - Google Patents
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Description
またその凝集物は、成形性の低下や成形品の外観不具合を招くことがあり、一般的に生産時や成形前に篩で凝集物を取り除く必要がある。このため、作業性、あるいは生産性が低下することがある。
上記パーフルオロビニルエーテルとしては特に限定されず、例えば、下記一般式(1)
CF2=CF−ORf (1)
(式中、Rfは、パーフルオロ有機基を表す。)で表されるパーフルオロ不飽和化合物等が挙げられる。本明細書において、上記「パーフルオロ有機基」とは、炭素原子に結合する水素原子が全てフッ素原子に置換されてなる有機基を意味する。上記パーフルオロ有機基は、エーテル酸素を有していてもよい。
上記パーフルオロビニルエーテルとしては、例えば、上記一般式(1)において、Rfが炭素数1〜10のパーフルオロアルキル基を表すものであるパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)〔PAVE〕が挙げられる。上記パーフルオロアルキル基の炭素数は、好ましくは1〜5である。
上記PAVEにおけるパーフルオロアルキル基としては、例えば、パーフルオロメチル基、パーフルオロエチル基、パーフルオロプロピル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロペンチル基、パーフルオロヘキシル基等が挙げられるが、パーフルオロアルキル基がパーフルオロプロピル基であるパープルオロプロピルビニルエーテル〔PPVE〕が好ましい。
上記パーフルオロビニルエーテルとしては、更に、上記一般式(1)において、Rfが炭素数4〜9のパーフルオロ(アルコキシアルキル)基であるもの、Rfが下記式:
パーフルオロアルキルエチレンとしては特に限定されず、例えば、パーフルオロブチルエチレン(PFBE)、パーフルオロヘキシルエチレン等が挙げられる。
上記変性PTFEにおける変性モノマーとしては、HFP、CTFE、VDF、PPVE、PFBE及びエチレンからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。より好ましくは、HFP及びCTFEからなる群より選択される少なくとも1種である。
X−Rf1COOM1 (i)
で表されるカルボン酸系界面活性剤が挙げられる。式中、XはH、F、またはClである。Rf1は炭素数4〜14、好ましくは炭素数5〜7の直鎖または分岐のフルオロアルキレン基であり、例えば、炭素数7の直鎖または分岐のフルオロアルキレン基であり、とりわけ、直鎖または分岐のパーフルオロアルキレン基である。M1は1価のアルカリ金属、NH4又はHを表す。
X1(CF2)p−O−CX2X3−(CF2)q−O−CX4X5−(CF2)r−COOM1 (ii)
(式中、X1、X2、X3、X4及びX5は、同一又は異なって、H、F又はCF3を表し、M1は1価のアルカリ金属、NH4又はHを表し、pは1又は2を表し、qは1又は2を表し、rは0又は1を表す。)で表されるカルボン酸系界面活性剤が挙げられる。一般式(ii)で表されるフルオロエーテルカルボン酸としては、例えば、CF3OCF(CF3)CF2OCF(CF3)COONH4、CF3CF2OCF2CF2OCF2COONH4、CF3OCF2CF2CF2OCHFCF2COONH4等が挙げられる。
X−(CF2)m−O−(CF(CF3)CF2O)n−CF(CF3)COOM1
(iii)
で表されるカルボン酸系界面活性剤であってもよい。式中、XはH、F、またはClであり、mは1〜10の整数、例えば5であり、そしてnは0〜5の整数、例えば1である。M1は1価のアルカリ金属、NH4又はHを表す。
X−(CF2)m−O−(CF(CF3)CF2O)n−CHFCF2COOM1
(iv)
で表されるカルボン酸系界面活性剤であってもよい。式中、X、m、n及びM1は上記と同じである。
X−(CF2)m−O−(CF(CF3)CF2O)n−CH2CF2COOM1
(v)
で表されるカルボン酸系界面活性剤であってもよい。式中、X、m、n及びM1は上記と同じである。
Rf3OCF2CF2O(CF2)pCOOM1 (vi)
(式中、Rf3は部分または全部フッ素置換されたアルキル基を表し、M1は1価のアルカリ金属、NH4又はHを表し、pは1又は2を表す。)で表されるカルボン酸系界面活性剤が挙げられる。Rf3は、炭素数が1〜3のアルキル基であることが好ましい。一般式(vi)で表されるカルボン酸系界面活性剤としては、例えば、CF3CF2OCF2CF2OCF2COONH4、CF3CF2OCF2CF2OCF2COOH等が挙げられる。
Rf4OCHFCF2COOM1 (vii)
(式中、Rf4は部分または全部フッ素置換された、直鎖の脂肪族基又は1以上の酸素原子が挿入された直鎖の脂肪族基、M1は1価のアルカリ金属、NH4又はHを表す。)で表されるフルオロエーテルカルボン酸が挙げられる。Rf4は、炭素数が1〜3の脂肪族基であることが好ましい。一般式(vii)で表されるカルボン酸系界面活性剤としては、例えば、CF3OCF2CF2CF2OCHFCF2COONH4、CF3OCF2CF2CF2OCHFCF2COOH等が挙げられる。
X−Rf1COOM1 (i)
(式中、XはH、F、またはClである。Rf1は炭素数4〜14、好ましくは炭素数5〜7の直鎖または分岐のフルオロアルキレン基である。M1は1価のアルカリ金属、NH4又はHを表す。)で表されるカルボン酸系界面活性剤、一般式(ii):
X1(CF2)p−O−CX2X3−(CF2)q−O−CX4X5−(CF2)r−COOM1 (ii)
(式中、X1、X2、X3、X4及びX5は、同一又は異なって、H、F又はCF3を表し、M1は1価のアルカリ金属、NH4又はHを表し、pは1又は2を表し、qは1又は2を表し、rは0又は1を表す。)で表されるカルボン酸系界面活性剤、一般式(iii):
X−(CF2)m−O−(CF(CF3)CF2O)n−CF(CF3)COOM1
(iii)
(式中、XはH、F、またはClであり、mは1〜10の整数、nは0〜5の整数である。M1は1価のアルカリ金属、NH4又はHを表す。)で表されるカルボン酸系界面活性剤、一般式(iv):
X−(CF2)m−O−(CF(CF3)CF2O)n−CHFCF2COOM1
(iv)
(式中、X、m、n及びM1は上記と同じである。)で表されるカルボン酸系界面活性剤、一般式(v):
X−(CF2)m−O−(CF(CF3)CF2O)n−CH2CF2COOM1
(v)
(式中、X、m、n及びM1は上記と同じである。)で表されるカルボン酸系界面活性剤、一般式(vi):
Rf3OCF2CF2O(CF2)pCOOM1 (vi)
(式中、Rf3は部分または全部フッ素置換されたアルキル基を表し、M1は1価のアルカリ金属、NH4又はHを表し、pは1又は2を表す。)で表されるカルボン酸系界面活性剤、及び、一般式(vii)、
Rf4OCHFCF2COOM1 (vii)
(式中、Rf4は部分または全部フッ素置換された、直鎖の脂肪族基又は1以上の酸素原子が挿入された直鎖の脂肪族基、M1は1価のアルカリ金属、NH4又はHを表す。)で表されるカルボン酸系界面活性剤からなる群より選択される少なくとも1種の含フッ素界面活性剤であることが好ましい。
上記安定化剤としては、実質的に反応に不活性なパラフィンワックス、フッ素系オイル、フッ素系化合物、シリコーンオイル等が好ましく、なかでも、パラフィンワックスが好ましい。
上記パラフィンワックスとしては、反応条件下で液状の炭素数12以上の炭化水素が好ましく、炭素数16以上の炭化水素がより好ましい。また、融点が40〜65℃であるものが好ましく、融点が50〜65℃であるものがより好ましい。
上記パラフィンワックスの使用量は、上記水性媒体の1〜12質量%に相当する量が好ましく、2〜8質量%に相当する量がより好ましい。
上記乳化重合における重合開始剤としては、ラジカル重合開始剤、レドックス系重合開始剤等が好ましい。
上記重合開始剤の量は、少ないほど、SSGが低いTFE重合体を得ることができる点で好ましいが、あまりに少ないと重合速度が小さくなり過ぎる傾向があり、あまりに多いと、SSGが高いTFE重合体が生成する傾向がある。
上記ラジカル重合開始剤としては、例えば、水溶性過酸化物が挙げられ、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム等の過硫酸塩、過マンガン酸カリウム等の過マンガン酸塩、ジコハク酸パーオキサイド等の水溶性有機過酸化物等が好ましく、過硫酸アンモニウムがより好ましい。これらは、1種のみ使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
上記ラジカル重合開始剤の使用量は、重合温度と目標とするSSGに応じて適宜選択することができるが、一般的に使用される水系媒体の質量の1〜100ppmに相当する量が好ましく、1〜20ppmに相当する量がより好ましい。
上記重合開始剤としてラジカル重合開始剤を使用する場合、重合中にラジカル捕捉剤を添加することにより、SSGが低いTFE重合体を容易に得ることができる。
上記ラジカル捕捉剤は、SSGが低いPTFEを得る点で、重合反応に消費される全TFEの50質量%が重合される前に添加することが好ましく、該TFEの30質量%が重合される前に添加することがより好ましい。
上記ラジカル捕捉剤は、一般に使用される水系媒体の質量の0.1〜10ppmに相当する量が好ましい。
上記重合開始剤としてレドックス系重合開始剤を使用する場合、SSGが低く、破断強度が高いTFE重合体を得ることができる。
上記レドックス系重合開始剤の使用量は、重合温度と目標とするSSGに応じて適宜選択することができるが、一般的に使用される水系媒体の質量の1〜100ppmに相当する量が好ましい。
上記レドックス系重合開始剤は、SSGが低いPTFEを得る点で、上記酸化剤又は還元剤の何れか、好ましくは酸化剤の添加を重合途中で中止することが好ましく、該添加中止時期としては、重合反応に消費される全TFEの50質量%が重合される前が好ましく、該TFEの30質量%が重合される前がより好ましい。
上記ジカルボン酸としては、例えば、一般式:HOOCRCOOH(式中、Rは炭素数1〜5のアルキレン基を表す。)で表されるものが好ましく、コハク酸、マロン酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸がより好ましく、コハク酸が更に好ましい。
また、吐出流型撹拌翼としては、上記に例示した既存の撹拌翼の周囲に案内板または案内円筒が挿入されたものも挙げられる。案内板の形状、枚数は特に限定されない。案内円筒は、円筒型または円錐の上部を切り取った形状(コーン型)が好ましい。上記撹拌翼を回転させることにより、案内板または案内円筒が存在することで軸流が発生し、撹拌することができる。
中でも、吐出流型撹拌翼としては、図4に示すような、コーン型撹拌翼が好ましい。
コーン型撹拌翼としては、下向き型がより好ましい。
撹拌回転数は限定されるものではないが、一般的には、50〜1000rpmで行うことができる。
(1)SSGが2.160〜2.230、平均粒径が300〜800μm、見掛密度が0.40〜0.52g/ml、圧縮性比が1.20以下、振動時間50秒における凝集崩壊度が60%以上であるTFEホモポリマーからなるPTFEファインパウダー。PTFEファインパウダーの圧縮性比は1.15以下が好ましい。振動時間50秒における凝集崩壊度は70%以上であることが好ましい。
(2)SSGが2.130〜2.160、平均粒径が300〜800μm、見掛密度が0.40〜0.52g/ml、圧縮性比が1.20以下、振動時間50秒における凝集崩壊度が50%以上であるTFEホモポリマーからなるPTFEファインパウダー。PTFEファインパウダーの圧縮性比は1.15以下であることが好ましい。
(3)SSGが2.140〜2.230、RR1500/アイソパーG 20.5質量部での押出圧力が80MPa以下、平均粒径が300〜800μm、見掛密度が0.40〜0.52g/ml、圧縮性比が1.20以下、振動時間50秒における凝集崩壊度が70%以上である変性PTFEからなるPTFEファインパウダー。PTFEファインパウダーの押出圧力は、70MPa以下であることが好ましい。
(4)SSGが2.140〜2.230、RR1500/アイソパーG 20.5質量部での押出圧力が60MPa以下、平均粒径が300〜800μm、見掛密度が0.40〜0.52g/ml、圧縮性比が1.20以下、振動時間50秒における凝集崩壊度が70%以上、である変性PTFEからなるPTFEファインパウダー。
本発明の製造方法により得られるPTFEファインパウダーは、平均粒径が300〜800μmであることが好ましい。平均粒径が400〜700μmであることがより好ましい。また、本発明の製造方法により得られるPTFEファインパウダーは、見掛密度が0.40〜0.52g/mlであることが好ましく、より好ましくは0.45〜0.52g/mlである。
(1)SUS製円柱状カップ(内径:50mm(実測値:51.7mm),容量:150ml)の底面に円形(直径50mm)の薬包紙を敷き、さらにカップ内側面にも薬包紙を巻く。
(2)PTFEファインパウダーを10メッシュの篩で篩い、メッシュパス50gを計量した後、上記円柱状カップに入れる。
(3)円柱状カップに入れたPTFEファインパウダーの粉面を平滑に均し、粉面に円形(直径50mm)の薬包紙を乗せる。
(4)粉面に乗せた薬包紙上に錘(直径50mm円柱、重量330g)を乗せ、ホソカワミクロン社製パウダーテスターでタッピング操作を20回行う(タッピング高さ20mm)。
(5)タッピング後、上記円柱状カップからPTFEファインパウダーからなる円柱状ケーキを取り出し、その高さをノギスで測定する。
(6)ケーキの断面積と高さから、ケーキの見掛密度を計算し、下記式(A)により圧縮性比を求める。
(圧縮性比)=(ケーキの見掛密度)/(PTFEファインパウダーの見掛密度)(A)
なお、PTFEファインパウダーの見掛密度は、上述したように、JIS K6892に準拠して測定された値である。
(1)SUS製円柱状カップ(内径:50mm(実測値:51.7mm),容量:150ml)の底面に円形(直径50mm)の薬包紙を敷き、さらにカップ内側面にも薬包紙を巻く。
(2)PTFEファインパウダーを10メッシュの篩で篩い、メッシュパス50gを計量した後、上記円柱状カップに入れる。
(3)円柱状カップに入れたPTFEファインパウダーの粉面を平滑に均し、粉面に円形(直径50mm)の薬包紙を乗せる。
(4)粉面に乗せた薬包紙上に錘(直径50mm円柱、重量330g)を乗せ、ホソカワミクロン社製パウダーテスターでタッピング操作を20回行う(タッピング高さ20mm)。
(5)タッピング後、上記円柱状カップからPTFEファインパウダーからなる円柱状ケーキを取り出す。
(6)取り出した円柱状ケーキを8メッシュの篩の上に載せ、ホソカワミクロン社製パウダーテスターで50秒間振動させる(振動メモリ4.5)。
(7)振動によって落下したPTFEファインパウダーの質量を測定し、凝集崩壊度を下記式(B)により求める。
(凝集崩壊度)=(振動により50秒間に篩を通過したPTFEファインパウダーの質量)/(PTFEファインパウダーの全質量)×100(質量%) (B)
JIS K6891に準拠して測定した。
JIS K6892に準拠して測定した。
ASTM D 4895−89に準拠して測定した。
ポリマー中の変性剤含有量(重量%)は、試料ポリマーの赤外吸収スペクトルバンドから求めた。
・クロロトリフルオロエチレン
957cm−1の吸収値(ピーク高さ)と2360cm−1の吸収値との比に0.58を乗じて得られる値
・パーフルオロプロピルビニルエーテル(特開2005−298581号公報)
995cm−1の吸収値と935cm−1の吸収値との比に0.14を乗じて得られる値
・ヘキサフルオロエチレン(特開2005−298581号公報)
983cm−1の吸収値と935cm−1の吸収値との比に0.3を乗じて得られる値
圧縮性比の測定には、ホソカワミクロン社製パウダーテスターを使用した。圧縮性比の測定は、25℃にて行った。圧縮性比の測定の概要を図1〜3に示す。SUS製円柱状カップ2(内径:50mm(実測値:51.7mm),容量:150ml)の底面に円形(直径50mm)の薬包紙を敷き、さらにカップ内側面にも薬包紙を巻いた。PTFEファインパウダー1を10メッシュの篩で篩い、メッシュパス50gを計量した後、図1に示すように、円柱状カップ2に入れた。粉面を平滑に均し、粉面にも円形(直径50mm)の薬包紙を乗せた。図2に示すように、錘3(直径50mm円柱,重量330g)を乗せ、パウダーテスターでタッピング操作を20回行った(タッピング高さ20mm)。タッピング後、図3に示すように、円柱状カップ2からPTFEファインパウダーからなる円柱状ケーキ4を取り出し、その高さをノギスで測定した。ケーキの断面積と高さから、ケーキの見掛密度を計算した。また、圧縮性比を次式により求めた。
(圧縮性比)=(ケーキの見掛密度)/(PTFEファインパウダーの見掛密度)
圧縮性比は、1に近いほうが好ましく、1に近いほどPTFEファインパウダーが凝集しにくく、取り扱い性に優れることを示す。
凝集崩壊度の測定は、25℃にて行った。予め、振動メモリ5.5で振幅が1mmになるように振動強さを調整した。図3に示すように、円柱状ケーキ4を8メッシュの篩5の上に載せ、ホソカワミクロン社製パウダーテスターで振動させ(振動メモリ4.5)、5秒毎に振動によって落下したPTFEファインパウダー1の質量を測定し、凝集崩壊度を次式により求めた。
(凝集崩壊度)=(振動により篩を通過したPTFEファインパウダーの質量)/(PTFEファインパウダーの全質量)×100(質量%)
凝集崩壊度は、値が大きいほうが好ましく、値が大きいほどほぐれやすく、取り扱い性に優れることを示す。
PTFEファインパウダー50gと押出助剤である炭化水素油(商品名アイソパーG、エクソン化学株式会社製)10.25gとをガラス瓶中で混合し、室温(25±2℃)で1時間熟成する。次に、シリンダー(内径25.4mm)付きの押出ダイ(絞り角30°で、下端にオリフィス(オリフィス直径:0.65mm、オリフィス長:2mm)を有する)に上記混合物を充填し、シリンダーに挿入したピストンに1.2MPaの負荷を加えて1分間保持する。その後、直ちに室温においてラム速度20mm/分で上記混合物をオリフィスから押出し、ロッド状物を得る。押出後半において、圧力が平衡状態になる部分の圧力をシリンダー断面積で除した値を押出圧力とする。
ステンレス鋼(SUS316)製アンカー型攪拌翼と温度調節用ジャケットを備え、内容量が6リットルのステンレス鋼(SUS316)製オートクレーブに、脱イオン水3460g、パラフィンワックス100g及びパーフルオロオクタン酸アンモニウム5.25gを仕込み、85℃に加温しながら窒素ガスで3回、TFEガスで2回、系内を置換して酸素を除いた。その後、TFEガスで内圧を0.70MPaにし、250rpmで攪拌し、内温を85℃に保った。
TFEの消費量が1130gになった時点で攪拌及びTFEの供給を停止し、直ちにオートクレーブ内のガスを常圧まで放出し反応を終了した。
重合例1で得られたPTFE水性分散液に脱イオン水を加え、比重を1.080g/ml(25℃)に調整した。アンカー型撹拌翼と邪魔板を備えた内容量が17Lのステンレス鋼製凝析槽に、比重調整したPTFE水性分散液8.0Lを加え、液温が22℃になるように温度調節した。調節後直ちに硝酸(60%)6mlを添加すると同時に撹拌速度400rpmで撹拌を開始した。撹拌開始後、水性分散液がスラリー状態を経て、湿潤粉末が形成された。その後、1分間撹拌を継続した。
続いて、湿潤状態のポリマー粉末を濾別し、ポリマー粉末と脱イオン水7.0Lを凝析槽内に仕込み、25℃に調整して、撹拌速度400rpmでポリマー粉末を洗浄する操作を2回繰り返した。洗浄の後、湿潤状態のポリマー粉末を濾別し、155℃の熱風循環式乾燥機内に18時間静置して乾燥させ、PTFEファインパウダーを得た。
得られたPTFEファインパウダーの平均粒子径、見掛密度、圧縮性比、凝集崩壊度を測定した。結果を表1に示す。また、比較例1で得られたPTFEファインパウダーの#60メッシュパスをマイクロスコープで撮影した写真を図5に示す。
重合例1で得られたPTFE水性分散液に脱イオン水を加え、比重を1.080g/ml(25℃)に調整した。下向き型のコーン型撹拌翼と邪魔板を備えた内容量が17Lのステンレス鋼製凝析槽に、比重調整したPTFE水性分散液10.0Lを加え、液温が22℃になるように温度調節した。調節後直ちに硝酸(60%)7.5mlを添加すると同時に撹拌速度600rpmで撹拌を開始した。撹拌開始後、水性分散液がスラリー状態を経て、湿潤粉末が形成された。その後、3分間撹拌を継続した。
続いて、湿潤状態のポリマー粉末を濾別し、ポリマー粉末と脱イオン水8.5Lを凝析槽内に仕込み、25℃に調整して、撹拌速度600rpmでポリマー粉末を洗浄する操作を2回繰り返した。洗浄の後、湿潤状態のポリマー粉末を濾別し、155℃の熱風循環式乾燥機内に18時間静置して乾燥させ、PTFEファインパウダーを得た。
得られたPTFEファインパウダーの平均粒子径、見掛密度、圧縮性比、凝集崩壊度を測定した。結果を表1に示す。また、実施例1で得られたPTFEファインパウダーの#60メッシュパスをマイクロスコープで撮影した写真を図6に示す。
洗浄時の温度を40℃としたこと以外は、実施例1と同じ方法でPTFEファインパウダーを得た。
得られたPTFEファインパウダーの平均粒子径、見掛密度、圧縮性比、凝集崩壊度を測定した。結果を表1に示す。
国際公開第2007/119829号パンフレットの実施例5に準拠し、重合反応を行い、PTFE水性分散液を得た。
重合例1で得られたPTFE水性分散液の代わりに、重合例2で得られたPTFE水性分散液を用いたこと、凝析時の温度を21℃、乾燥の温度を210℃としたこと以外は、比較例1と同じ方法でPTFEファインパウダーを得た。得られたPTFEファインパウダーの平均粒子径、見掛密度、圧縮性比、凝集崩壊度を測定した。結果を表1に示す。
重合例1で得られたPTFE水性分散液の代わりに、重合例2で得られたPTFE水性分散液を用いたこと、凝析時の温度を21℃、乾燥の温度を210℃としたこと以外は、実施例1と同じ方法でPTFEファインパウダーを得た。得られたPTFEファインパウダーの平均粒子径、見掛密度、圧縮性比、凝集崩壊度を測定した。結果を表1に示す。
ステンレス鋼(SUS316)製アンカー型攪拌翼と温度調節用ジャケットを備え、内容量が6リットルのステンレス鋼(SUS316)製オートクレーブに、脱イオン水2960g、パラフィンワックス120g及びパーフルオロオクタン酸アンモニウム4.4gを仕込み、85℃に加温しながら窒素ガスで3回、TFEガスで2回、系内を置換して酸素を除いた。その後、TFEガスで内圧を0.70MPaにし、さらにクロロトリフルオロエチレン(CTFE)0.26gを導入し、280rpmで攪拌し、内温を85℃に保った。
重合槽内の温度が安定した後、脱イオン水20gに過硫酸アンモニウム12.3mgを溶かした水溶液、及び脱イオン水20gにジコハク酸パーオキサイド180mgを溶かした水溶液をTFEで圧入し、オートクレーブ内圧を0.78MPaにした。反応は、加速的に進行したが、反応温度は85℃、攪拌は280rpmを保った。また、オートクレーブ内圧を常に0.78MPaに保つようにTFEを連続的に供給した。
TFEの消費量が1300gになった時点で、3.5gのCTFEの液を小さな仕込みタンクからTFEで加圧しながらオートクレーブ内に圧入し、そのまま、TFEを供給して反応を継続した。
TFEの消費量が1430gになった時点で攪拌及びTFEの供給を停止し、直ちにオートクレーブ内のガスを常圧まで放出し反応を終了した。
得られたPTFE水性分散液の固形分濃度は32.2質量%であった。また、平均一次粒子径は0.24μm、標準比重(SSG)は2.177、ポリマー中のCTFE変性量は0.23重量%であった。
重合例1で得られたPTFE水性分散液の代わりに重合例3で得られたPTFE水性分散液を用いたこと、凝析時の温度を30℃としたこと、硝酸を添加しないこと以外は、比較例1と同じ方法でPTFEファインパウダーを得た。得られたPTFEファインパウダーの平均粒子径、見掛密度、圧縮性比、凝集崩壊度を測定した。結果を表1に示す。
重合例1で得られたPTFE水性分散液の代わりに重合例3で得られたPTFE水性分散液を用いたこと、凝析時の温度を30℃としたこと、硝酸を添加しないこと、撥水化後、撹拌を継続する時間を1分としたこと以外は、実施例1と同じ方法でPTFEファインパウダーを得た。得られたPTFEファインパウダーの平均粒子径、見掛密度、圧縮性比、凝集崩壊度を測定した。結果を表1に示す。
2 円柱状カップ
3 錘
4 ポリテトラフルオロエチレンファインパウダーの円柱状ケーキ
5 篩
Claims (3)
- ポリテトラフルオロエチレン、水及び界面活性剤(A)を含む水性分散液を準備する工程(1)、
前記水性分散液を、吐出流型撹拌翼で撹拌することにより、前記水性分散液中のポリテトラフルオロエチレンを凝析する工程(2)、
ポリテトラフルオロエチレンの湿潤粉末を回収する工程(3)、及び、
ポリテトラフルオロエチレンの湿潤粉末を乾燥させる工程(4)
を含み、
吐出流型撹拌翼は、円筒又はコーンの内部に、シャフトの回転により流動を誘発させる部位が内包されている撹拌翼、及び、パドル型、アンカー型、リボン型又はプロペラ型の撹拌翼の周囲に案内板又は案内円筒が挿入された撹拌翼からなる群より選択される少なくとも1種である
ことを特徴とするポリテトラフルオロエチレンファインパウダーの製造方法。 - 吐出流型撹拌翼は、コーン型撹拌翼である請求項1記載のポリテトラフルオロエチレンファインパウダーの製造方法。
- 吐出流型撹拌翼は、下向き型のコーン型撹拌翼である請求項1又は2記載のポリテトラフルオロエチレンファインパウダーの製造方法。
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