JPWO2004050719A1 - 含フッ素ポリマー水性エマルション精製方法、精製エマルション及び含フッ素加工品 - Google Patents
含フッ素ポリマー水性エマルション精製方法、精製エマルション及び含フッ素加工品 Download PDFInfo
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Abstract
Description
含フッ素ポリマーのエマルションは、フッ素原子を有する含フッ素界面活性剤を乳化剤として用いて、テトラフルオロエチレン〔TFE〕等のフッ素含有モノマー等を乳化重合することより得ることができる(例えば、米国特許第2559752号明細書参照。)。
乳化重合を行うことにより得られた含フッ素ポリマー水性エマルションは、一般に、含フッ素ポリマーの濃度が15〜35質量%程度であるが、含フッ素ポリマーのエマルションを工業的に使用するために、通常、濃縮を行って、含フッ素ポリマーの濃度を40〜75質量%程度にすることが行われる。
乳化重合を行うことにより得られた含フッ素ポリマー水性エマルションは、重合反応時に乳化剤として用いた含フッ素界面活性剤を含有している。含フッ素界面活性剤は、一般に高価であり、また、除去されることが好ましい。
更に、含フッ素ポリマーのエマルションを例えば塗料として用いる場合、エマルション中の含フッ素界面活性剤の量が多いと、含フッ素ポリマーが有する特性が損なわれるという問題もあるので、近年、含フッ素ポリマーのエマルションから含フッ素界面活性剤を除去することが望まれており、そのために含フッ素ポリマー水性エマルションを精製する必要がある。
含フッ素ポリマー水性エマルションの精製は、含フッ素ポリマー水性エマルションの濃縮時に行い得る。含フッ素ポリマー水性エマルションを濃縮する方法としては、従来、膜分離濃縮、電気濃縮、蒸発濃縮、相分離濃縮、イオン交換濃縮等が知られているが、これらの濃縮方法のうち、含フッ素界面活性剤を除去し得る方法としては、蒸発濃縮及び膜分離濃縮が知られている。
蒸発濃縮としては、酸性条件下で含フッ素ポリマー水性エマルションを蒸発濃縮する方法が開示され、この方法により含フッ素界面活性剤を除去できることが記載されている(例えば、国際公開第01/79332号パンフレット参照。)。
しかしながら、この方法では、含フッ素ポリマーからなる粒子が凝集して沈殿し、含フッ素ポリマーのエマルションの分散状態が損なわれ、分散状態が一旦損なわれると、通常、元の分散状態に戻すことが困難であるので、精製されたエマルションを得ることができないという問題があった。
膜分離濃縮としては、限外濾過半透膜を用いて含フッ素ポリマー水性エマルションを膜分離濃縮する方法について、ある程度濃縮を行ったのち純水を繰り返し添加することにより、含フッ素ポリマー水性エマルション中の含フッ素界面活性剤を除去し得ることが開示されている(例えば、特公平2−34971号公報参照。)。
この文献では、含フッ素ポリマーに対する含フッ素界面活性剤を0〜0.1質量%程度まで低減し得ることが記載されている。しかしながら、含フッ素ポリマーのエマルションは、この文献では含フッ素界面活性剤の量の測定方法の精度が低いので実際には含フッ素界面活性剤が充分に除去されたものではなく、近年の含フッ素界面活性剤の除去に対する要望に見合うものではないという問題があった。
膜分離濃縮は、含フッ素界面活性剤を充分に除去するために、濃縮工程を多く繰り返すことが必要であるが、更に、機械的安定性に劣るテトラフルオロエチレンホモポリマー等を濃縮する場合、限外濾過半透膜表面でテトラフルオロエチレンホモポリマーが繊維化して膜を閉塞させやすく、濃縮効率が低下するという問題があった。
含フッ素ポリマーの繊維化を防止し、分散性を低下させることなく含フッ素ポリマー水性エマルションを濃縮することができる方法として、相分離濃縮が知られている。
相分離濃縮は、一般に、ノニオン界面活性剤を含フッ素ポリマー水性エマルションに添加して、このノニオン界面活性剤の曇点以上の温度に加熱することにより水相と油相とに分離させるものである(例えば、米国特許第3037953号明細書参照。)。しかしながら、相分離濃縮により含フッ素界面活性剤を除去することに関しては何ら記載も示唆もない。
更に、電気濃縮及び/又はイオン交換濃縮を用いて含フッ素界面活性剤を除去することに関しても、何ら記載も示唆もない。
発明の要約
本発明の目的は、上記現状に鑑み、含フッ素ポリマー水性エマルションの分散性を低下させることなく含フッ素界面活性剤を除去することができる含フッ素ポリマー水性エマルション精製方法を提供することにある。
本発明は、含フッ素ポリマー水性エマルションを特定の濃縮方法により精製することよりなる含フッ素ポリマー水性エマルション精製方法であって、上記含フッ素ポリマー水性エマルションは、含フッ素ポリマー及び含フッ素界面活性剤からなるものであり、上記特定の濃縮方法は、相分離濃縮、電気濃縮及び/又はイオン交換濃縮であり、上記相分離濃縮、電気濃縮及び/又はイオン交換濃縮は、上記含フッ素界面活性剤を除去するために行うものであることを特徴とする含フッ素ポリマー水性エマルション精製方法である。
本発明は、上記含フッ素ポリマー水性エマルション精製方法により得られたものであることを特徴とする精製エマルションである。
本発明は、上記精製エマルションを用いて加工することにより得られたものであることを特徴とする含フッ素加工品である。
発明の詳細な開示
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明の含フッ素ポリマー水性エマルション精製方法は、含フッ素ポリマー水性エマルションを特定の濃縮方法により精製することよりなるものである。
上記含フッ素ポリマー水性エマルションは、含フッ素ポリマー及び含フッ素界面活性剤からなるものである。
本明細書において、上記「含フッ素ポリマー水性エマルション」は、含フッ素ポリマーを得るための乳化重合により得られたエマルションであって、凝析又は濃縮の何れの処理をも施していないものである。上記含フッ素ポリマー水性エマルションは、上記含フッ素界面活性剤の作用により、乳化重合により得られた含フッ素ポリマーからなる粒子を上記水性媒体中に分散させてなるものである。上記含フッ素ポリマー水性エマルションは、即ち、上記含フッ素ポリマーからなる粒子を分散質とし、上記含フッ素界面活性剤を分散剤とし、上記水性媒体を分散媒とする分散体である。
上記水性媒体は水を含むものであれば特に限定されず、例えば水及び水溶性の有機溶剤の混合物、水等が挙げられるが、作業性が良好である点で、上記水溶性の有機溶剤を含有しないものが好ましい。
上記含フッ素ポリマーはフッ素原子を有するポリマーであれば特に限定されず、例えばフッ素含有モノマーを乳化重合することにより得られるものが挙げられる。本明細書において、上記「フッ素含有モノマー」は、炭素原子に結合しているフッ素原子を有する不飽和化合物である。上記フッ素含有モノマーとしては、重合可能なものであれば特に限定されず、例えば、テトラフルオロエチレン〔TFE〕、クロロトリフルオロエチレン〔CTFE〕、トリフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン〔HFP〕、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)〔PAVE〕、ビニリデンフルオライド〔VdF〕等が挙げられる。上記含フッ素ポリマーとしては、また、上記フッ素含有モノマーとともにフッ素非含有ビニルモノマーを重合して得られるものであってもよい。本明細書において、上記「フッ素非含有ビニルモノマー」は、炭素−炭素二重結合を有し、フッ素原子を有しないモノマーである。上記フッ素非含有ビニルモノマーとしては特に限定されず、例えば、エチレン、プロピレン等が挙げられる。上記フッ素含有モノマー及びフッ素非含有ビニルモノマーは、それぞれ1種を用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
上記含フッ素ポリマーとしては特に限定されず、例えばテトラフルオロエチレンホモポリマー〔TFEホモポリマー〕、変性ポリテトラフルオロエチレン〔変性PTFE〕、低分子量ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン/パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体〔PFA〕、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体〔FEP〕、テトラフルオロエチレン/パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)/ヘキサフルオロプロピレン共重合体、エチレン/テトラフルオロエチレン共重合体、テトラフルオロエチレン/プロピレン共重合体、エチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン/ビニリデンフルオライド共重合体、テトラフルオロエチレン/ビニリデンフルオライド/クロロトリフルオロエチレン共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン、エチレン/クロロトリフルオロエチレン共重合体、ポリビニリデンフルオライド〔PVdF〕、ビニリデンフルオライド/ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン/ビニリデンフルオライド/ヘキサフルオロプロピレン共重合体〔TFE/VdF/HFP共重合体〕、ビニリデンフルオライド/クロロトリフルオロエチレン共重合体、フルオロ(アルキルビニルエーテル)/オレフィン共重合体、エチレン/テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体等が挙げられる。
上記含フッ素ポリマーは、含フッ素界面活性剤の除去効率の点で、なかでも、TFEホモポリマー及び/又は変性PTFEであることが好ましい。本明細書において、上記「TFEホモポリマー及び/又は変性PTFE」とは、TFEホモポリマーであり変性PTFEを含まないもの、変性PTFEでありTFEホモポリマーを含まないもの、又は、TFEホモポリマーと変性PTFEとの両方であるものを意味する。
本明細書において、上記「変性PTFE」とは、得られる含フッ素ポリマーに溶融流動性を付与しない程度のTFE以外の微量単量体をTFEと共重合させて得られるものを意味する。上記微量単量体としてはTFEと共重合可能なものであれば特に限定されず、例えばHFP、CTFE、PAVE、トリフルオロエチレン、パーフルオロアルキルエチレン等が挙げられる。上記微量単量体は、1種を用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。上記変性PTFEにおける上記微量単量体の含有率は、上記変性PTFEの質量の0.001〜1質量%が好ましい。
上記含フッ素ポリマーを得るための乳化重合としては含フッ素界面活性剤を用いる方法であれば特に限定されず、従来公知の方法を用いることができる。上記従来公知の方法としては、例えば、含フッ素界面活性剤、重合安定剤、重合開始剤、連鎖移動剤等の存在下、フッ素含有モノマーと、所望によりフッ素非含有ビニルモノマーとを水性媒体中で乳化重合する方法等が挙げられる。
上記含フッ素界面活性剤は、フッ素原子を有する界面活性剤であれば特に限定されず、ノニオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、又は、両性界面活性剤の何れであってもよいが、含フッ素ポリマーの分散性に優れる点で、アニオン界面活性剤が好ましい。上記アニオン界面活性剤としては、分散力に優れる点で、パーフルオロカルボン酸塩又はω−H型フルオロカルボン酸塩が好ましい。上記パーフルオロカルボン酸塩としては、例えば炭素数4〜10のパーフルオロカルボン酸等の塩が挙げられ、上記塩としては、例えばアンモニウム塩、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩等が挙げられる。上記ω−H型フルオロカルボン酸塩としては、H(CF2CF2)nCOOH(nは、1以上の整数を表す。)で表されるω−H型フルオロカルボン酸の塩が挙げられ、例えば、上記式中におけるnが3又は4のω−H型フルオロカルボン酸の塩を用いることができる。上記ω−H型フルオロカルボン酸塩としては、例えばアンモニウム塩、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩等が挙げられる。上記含フッ素界面活性剤は、1種を用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
本明細書において、上記含フッ素界面活性剤は、乳化重合に用いるものである点で、後述の特定の濃縮方法に用いるノニオン界面活性剤とは概念上区別される。
上記重合安定剤としては、乳化重合に通常用いられるものであれば特に限定されず、例えばパラフィン等が挙げられる。
上記重合開始剤としては、乳化重合に通常用いられるものであれば特に限定されず、例えば過硫酸アンモニウム、ジコハク酸パーオキサイド等が挙げられる。
上記連鎖移動剤としては、乳化重合に通常用いられるものであれば特に限定されず、例えばアルコール等が挙げられる。
上記含フッ素ポリマーを得るための乳化重合における重合条件は、得られる含フッ素ポリマーの種類に応じて適宜選択することができる。
本発明の含フッ素ポリマー水性エマルション精製方法は、含フッ素界面活性剤を除去することを目的とするので、この点において、乳化重合に用いる含フッ素界面活性剤の仕込量が少ないことが好ましい。上記仕込量を低減する方法としては、例えば、重合圧力を高くして重合する方法、含フッ素ポリマーの生成量が少ない重合方法等が挙げられる。上記重合圧力を高くして重合する方法としては、上記含フッ素ポリマーが例えばTFEホモポリマー及び/又は変性PTFEである場合、重合圧力を例えば1.96MPa以上にする方法が挙げられる。上記仕込量を低減する方法は何れも、含フッ素ポリマー水性エマルション中の含フッ素ポリマーからなる粒子の安定性を保つことができる。
上記含フッ素ポリマー水性エマルションは、含フッ素ポリマーの種類により異なるが、上記含フッ素ポリマーが例えばTFEホモポリマー及び/又は変性PTFEである場合、上記乳化重合を行うことにより、通常、平均粒子径が100〜500nmである含フッ素ポリマーからなる粒子を含有する。
含フッ素ポリマー水性エマルションは、通常、上記含フッ素ポリマーを15〜35質量%含有する。含フッ素ポリマー水性エマルションは、一般に、工業的使用に供する含フッ素ポリマーのエマルションが40〜75質量%の含フッ素ポリマーの濃度を有することとなるように濃縮を行うことが好ましい。
本発明の含フッ素ポリマー水性エマルション精製方法は、含フッ素ポリマー水性エマルションを特定の濃縮方法により精製することよりなるものであるが、上記特定の濃縮方法により、精製とともに濃縮も行い得る方法である。本明細書において、上記「特定の濃縮方法」における「濃縮」とは、含フッ素ポリマー水性エマルションを、含フッ素ポリマーを含有する濃縮相と、水、ノニオン界面活性剤及び含フッ素界面活性剤を含有する水相とに分離した状態にすることを意味する。上記「特定の濃縮方法」における「濃縮」としては、含フッ素ポリマー濃度を濃縮処理前の1.1倍以上にすることが好ましい。上記含フッ素ポリマー水性エマルションを上記特定の濃縮方法により濃縮して得られたエマルションは、40〜75質量%の含フッ素ポリマーの濃度を有するものとすることができる。本明細書において、上記「含フッ素ポリマー水性エマルションを特定の濃縮方法により濃縮して得られたエマルション」は、「精製エマルション」ということがある。本明細書において、上記「精製エマルション」は、本発明の含フッ素ポリマー水性エマルション精製方法を用いて含フッ素ポリマー水性エマルションを精製することにより得られたエマルションである点で、上記含フッ素ポリマー水性エマルションとは概念上区別される。
本発明の含フッ素ポリマー水性エマルション精製方法において、上記特定の濃縮方法は、相分離濃縮、電気濃縮及び/又はイオン交換濃縮である。本明細書において、上記「相分離濃縮、電気濃縮及び/又はイオン交換濃縮」とは、上記相分離濃縮であってもよいし、上記電気濃縮であってもよいし、上記イオン交換濃縮であってもよいし、上記相分離濃縮と上記電気濃縮とであってもよいし、上記相分離濃縮と上記イオン交換濃縮とであってもよいし、上記電気濃縮と上記イオン交換濃縮とであってもよいし、上記相分離濃縮と上記電気濃縮と上記イオン交換濃縮とであってもよいことを意味する。
上記相分離濃縮、電気濃縮及び/又はイオン交換濃縮は、少なくとも、含フッ素界面活性剤を除去するために行うものであり、上述のように、含フッ素ポリマー水性エマルションを濃縮するために行うものでもある。
上記相分離濃縮、電気濃縮及び/又はイオン交換濃縮により除去された含フッ素界面活性剤は、回収して、再利用することができる。
本発明の含フッ素ポリマー水性エマルション精製方法において、上記相分離濃縮、電気濃縮及び/又はイオン交換濃縮は、含フッ素界面活性剤100質量部あたりノニオン界面活性剤6000質量部以上の存在下に行うことが好ましい。
上記ノニオン界面活性剤は、後述のノニオン界面活性剤と同じであり、炭化水素系界面活性剤であることが好ましく、上記炭化水素系界面活性剤としては、ポリオキシエチレントリデシルエーテルが好ましい。
上記含フッ素界面活性剤100質量部あたり、ノニオン界面活性剤のより好ましい下限は、8000質量部、更に好ましい下限は10000質量部であり、好ましい上限は20000質量部、更に好ましい上限は17000質量部である。例えば、含フッ素ポリマーがTFEホモポリマー及び/又は変性PTFEである場合、含フッ素界面活性剤100質量部あたりノニオン界面活性剤8000質量部以上の存在下に行うことが好ましい。
上記相分離濃縮、電気濃縮及び/又はイオン交換濃縮は、上記量のノニオン界面活性剤の存在下に行われる場合、含フッ素界面活性剤の含有量が低い精製エマルションが得られやすいので好ましい。
本発明の含フッ素ポリマー水性エマルション精製方法において、上記相分離濃縮は、後述する特定量のノニオン界面活性剤の存在下に含フッ素ポリマー水性エマルションを加熱することにより水相と濃縮相とに分離させたのち上記水相を除去して上記濃縮相を得ることよりなる分離除去工程を有するものである。本明細書において、上記相分離濃縮を1回行うことは、上記分離除去工程を1回行うことよりなる。
上記「特定量のノニオン界面活性剤の存在下」は、上記「特定量のノニオン界面活性剤」が、少なくとも、作用を発現することが可能な状態(以下、「作用発現可能状態」ということがある。)にある何れかの時点に存在するものであればよい。本明細書において、上記「作用発現可能状態」とは、含フッ素ポリマー水性エマルション又は含フッ素ポリマー水性エマルションを加熱したものの状態であって、上記「特定量のノニオン界面活性剤」が存在することにより、含フッ素ポリマー水性エマルション中の含フッ素ポリマーからなる粒子を分散することができ且つ含フッ素ポリマー水性エマルション中の含フッ素界面活性剤を除去することができる状態を意味する。上記作用発現可能状態は、通常、上記分離除去工程において、含フッ素ポリマー水性エマルションの加熱開始時以後、上記加熱による水相と濃縮相への分離が完了する前における状態である。
上記特定量のノニオン界面活性剤は、上述のように、少なくとも、上記作用発現可能状態にある何れかの時点に存在するものであればよいので、上記加熱開始時の前から上記含フッ素ポリマー水性エマルション中に存在させておくのが通常であるが、上記加熱開始時の前に存在させずに上記加熱開始時以後の上記作用発現可能状態にある何れかの時点に存在させてもよい。
上記特定量のノニオン界面活性剤は、一度に添加してもよいし、徐々に添加してもよいが、少なくとも、存在量が上記特定量となった時点において上記作用発現可能状態にあればよい。
本明細書において、上記ノニオン界面活性剤の「特定量」は、通常、含フッ素ポリマー又は含フッ素界面活性剤に対する質量部で表す量であり、例えば、後述の含フッ素界面活性剤を除去するために相分離濃縮を1回行う場合における含フッ素ポリマー100質量部あたり20〜45質量部という量等である。本明細書において、ノニオン界面活性剤のこのような「特定量」は、上記以外の場合等について上記以外の数値を後述するが、特に別の記載をしない限り、上述のように、少なくとも、存在量が上記「特定量」となった時点において上記作用発現可能状態にあることとなる上記「特定量」である。
本明細書において、上記「水相を除去」とは、上記水相の少なくとも一部分を除去することを意味する。上記「水相を除去」は、含フッ素界面活性剤の除去効率の点から、上記水相の全量を除去することが好ましいが、作業性等の点で、上記水相の質量の80%以上、好ましくは90%以上を除去するものであってよい。
上記ノニオン界面活性剤は、通常、曇点を有するものである。上記分離除去工程において、上記加熱する温度は、用いるノニオン界面活性剤の曇点以上の温度であればよく、通常、20〜80℃である。
上記ノニオン界面活性剤としては特に限定されず、精製エマルション中に残存していても精製エマルションを用いて得られる後述の含フッ素加工品が非粘着性、耐熱性、耐摩耗性、耐薬品性、低摩擦性等の含フッ素ポリマーが有する特性を発現し得るものであればフッ素原子を有するものであってもよいが、本発明の目的から、フッ素原子を有さないものが好ましい。上記フッ素原子を有さないノニオン界面活性剤としては、分散力に優れている点で、炭化水素系界面活性剤であることが好ましい。
上記炭化水素系界面活性剤は疎水基として炭化水素基を有するノニオン界面活性剤であれば特に限定されず、例えばポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレントリデシルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレン高級アルコールエーテル等のエチレンオキサイド単位の少なくとも1つがプロピレンオキサイド単位で置換されていてもよいポリオキシエチレンアルキルエーテル類;ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等のエチレンオキサイド単位とプロピレンオキサイドとのブロック単位を有していてもよいポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類;オキシエチレン/オキシプロピレンブロックポリマー;ソルビタンラウレート、ソルビタンパルミテート、ソルビタンステアレート、ソルビタンオレエート等のソルビタン脂肪酸エステル類;ステアリン酸、オレイン酸等の脂肪酸のモノグリセライド類;ポリエチレングリコールラウリン酸エステル、ポリエチレングリコールステアリン酸エステル、ポリエチレングリコールオレイン酸エステル等のポリエチレングリコール脂肪酸エステル類;ポリオキシエチレンラウリルアミン、ポリオキシエチレンステアリルアミン等のポリオキシエチレンアルキルアミン;これらの誘導体等が挙げられる。上記ノニオン界面活性剤は、1種を用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
本発明の含フッ素ポリマー水性エマルション精製方法において、上記相分離濃縮は、上記含フッ素界面活性剤を除去するために1回行うものである場合、上記含フッ素ポリマー100質量部あたりノニオン界面活性剤20〜45質量部の存在下に加熱することにより水相と濃縮相とに分離させたのち上記水相を除去して上記濃縮相を得ることよりなる分離除去工程を有するものが好ましい。20質量部未満であると、含フッ素界面活性剤を充分に除去することができない場合があり、45質量部を超えると、ノニオン界面活性剤の添加量を多くしても添加量に見合った除去効率が得られにくい。上記ノニオン界面活性剤は、含フッ素界面活性剤の除去効率の点で、上記含フッ素ポリマー100質量部に対して22質量部が好ましい下限であり、24質最部がより好ましい下限であり、25質量部が更に好ましい下限であり、43質量部が好ましい上限であり、40質量部がより好ましい上限であり、38質量部が更に好ましい上限である。
上記相分離濃縮を1回行う場合において、上記含フッ素ポリマーが例えばTFEホモポリマー及び/又は変性PTFEである場合、上記ノニオン界面活性剤は、含フッ素界面活性剤の除去効率の点で、上記含フッ素ポリマー100質量部に対して22質量部が好ましい下限であり、24質量部がより好ましい下限であり、25質量部が更に好ましい下限であり、43質量部が好ましい上限であり、40質量部がより好ましい上限であり、38質量部が更に好ましい上限である。
上記相分離濃縮を1回行う場合において、上記含フッ素ポリマーが例えばPFAである場合、上記ノニオン界面活性剤は、含フッ素界面活性剤の除去効率の点で、上記含フッ素ポリマー100質量部に対して25質量部が好ましい下限であり、30質量部がより好ましい下限であり、32質量部が更に好ましい下限であり、44質量部が好ましい上限であり、43質量部がより好ましい上限であり、42質量部が更に好ましい上限である。
上記相分離濃縮を1回行う場合において、上記含フッ素ポリマーが例えばFEPである場合、上記ノニオン界面活性剤は、含フッ素界面活性剤の除去効率の点で、上記含フッ素ポリマー100質量部に対して25質量部が好ましい下限であり、30質量部がより好ましい下限であり、32質量部が更に好ましい下限であり、44質量部が好ましい上限であり、43質量部がより好ましい上限であり、42質量部が更に好ましい上限である。
上記相分離濃縮を1回行う場合において、上記含フッ素ポリマーが例えばPVdFである場合、上記ノニオン界面活性剤は、含フッ素界面活性剤の除去効率の点で、上記含フッ素ポリマー100質量部に対して30質量部が好ましい下限であり、32質量部がより好ましい下限であり、34質量部が更に好ましい下限であり、44質量部が好ましい上限であり、43質量部がより好ましい上限であり、42質量部が更に好ましい上限である。
上記相分離濃縮を1回行う場合において、上記含フッ素ポリマーが例えばTFE/VdF/HFP共重合体である場合、上記ノニオン界面活性剤は、含フッ素界面活性剤の除去効率の点で、上記含フッ素ポリマー100質量部に対して22質量部が好ましい下限であり、24質量部がより好ましい下限であり、25質量部が更に好ましい下限であり、44質量部が好ましい上限であり、43質量部がより好ましい上限であり、42質量部が更に好ましい上限である。
上記相分離濃縮は、また、上記相分離濃縮を行う前の含フッ素ポリマー水性エマルション中の含フッ素界面活性剤100質量部あたり500〜20000質量部のノニオン界面活性剤の存在下に行うものであってよい。
本発明の含フッ素ポリマー水性エマルション精製方法において、上記相分離濃縮は、上記含フッ素界面活性剤を除去するために2回以上行うものである場合、上記含フッ素ポリマー100質量部あたりノニオン界面活性剤3〜40質量部の存在下に加熱することにより水相と濃縮相とに分離させたのち上記水相を除去して上記濃縮相を得ることよりなる分離除去工程を有するものが好ましい。
上記相分離濃縮を2回以上行う場合、1回目の相分離濃縮は、上記含フッ素ポリマー100質量部に対して3〜40質量部のノニオン界面活性剤の存在下に含フッ素ポリマー水性エマルションを加熱することにより水相と濃縮相とに分離させたのち上記水相を除去して上記濃縮相を得ることよりなる分離除去工程を1回行うことを有し、2回目以降の相分離濃縮において相分離濃縮を1回行うことは、後述する水添加工程を1回行うことと、上記分離除去工程を1回行うこととを有することが好ましい。
上記相分離濃縮を2回以上行う場合、上記ノニオン界面活性剤は、各回の分離除去工程において、含フッ素ポリマー100質量部あたり3〜40質量部存在していることが好ましい。3質量部未満であると、濃縮効率が低下して、得られる精製エマルションを工業的に使用することができない場合があり、40質量部を超えると、ノニオン界面活性剤の添加量を多くしても添加量に見合った除去効率が得られにくくなる。上記ノニオン界面活性剤は、濃縮効率及び含フッ素界面活性剤の除去効率の点で、上記含フッ素ポリマー100質量部に対して10質量部が好ましい下限であり、12質量部がより好ましい下限であり、15質量部が更に好ましい下限であり、35質量部が好ましい上限であり、30質量部がより好ましい上限であり、25質量部が更に好ましい上限である。
上記相分離濃縮は、2回以上行うものである場合、2回以上であれば特に限定されないが、例えば2回以上、10回以下であれば上記含フッ素界面活性剤を充分に除去することができる。上記相分離濃縮は、濃縮効率の点でも、例えば2回以上、10回以下であればよい。
上記相分離濃縮を2回以上行う場合、各回の分離除去工程における加熱する温度、時間等の分離除去条件は、それぞれ同じであってもよいし、異なっていてもよい。
用いるノニオン界面活性剤が分子量分布を有するものである場合、上記相分離濃縮を2回以上行うことにより、用いたノニオン界面活性剤の分子のうち分子量が特定の範囲内にあるものが選択的に濃縮相中に含まれ、濃縮効率が低下することがあるが、濃縮効率が低下した場合、分離除去条件を変化させることにより濃縮効率を向上することができる。
上記相分離濃縮は、2回以上行うものである場合、N回目(Nは、2以上の整数。)において、更に、上記分離除去工程に先立ち、(N−1)回目(Nは、上記と同じ。)の相分離濃縮における分離除去工程により得た濃縮相に対して水添加を行うことにより希釈エマルションを得ることよりなる水添加工程を有するものが好ましい。本明細書において、以下、N回目(Nは、2以上の整数。)の相分離濃縮における水添加、及び、N回目の相分離濃縮における分離除去工程は、それぞれ、N回目の水添加、並びに、N回目の分離除去工程ということがある。
本明細書において、上記「水添加」は、水を主として含むものを添加することである。上記水を主として含むものは、水、水と水溶性溶剤との混合物等であってよいが、含フッ素界面活性剤の除去効率の点で、純水が好ましい。
本明細書において、上記「分離除去工程に先立ち」とは、後述する範囲内の水添加量の少なくとも一部分を分離除去工程に先立ち添加することを意味する。N回目の水添加は、即ち、後述する範囲内の水添加量の一部分をN回目の分離除去工程に先立ち添加し、残りをN回目の分離除去工程において加熱しながら添加するものであってもよいし、後述する範囲内の水添加量の全量をN回目の分離除去工程に先立ち添加するものであってもよい。N回目の水添加は、含フッ素界面活性剤の除去効率の点で、後述する範囲内の水添加量の全量をN回目の分離除去工程に先立ち添加するものであることが好ましい。本明細書において、上記「水添加量」は、上記水添加工程において添加する上記水を主として含むものの質量である。
N回目の相分離濃縮において、上記水添加を行うことにより、希釈エマルションを水相と濃縮相とに分離することが容易となるので、含フッ素ポリマーを濃縮することができ、また、含フッ素界面活性剤を水相に除去することができる。
上記N回目の分離除去工程に先立ち行う水添加は、N回目の分離除去工程を行う前の希釈エマルション中の含フッ素ポリマーが上記希釈エマルションの10質量%以上となる量を添加することが好ましい。上記範囲内の量を添加する場合、上記分離除去工程前の希釈エマルション中の含フッ素ポリマー濃度を大きく変動させずに、ノニオン界面活性剤の添加量等の作業条件を一定又はほぼ一定にすることができ、上記分離除去工程の作業が簡便となるので好ましい。10質量%未満であると、含フッ素界面活性剤を除去することはできるが、ノニオン界面活性剤がミセルを形成することが困難になり、濃縮効率が悪化することがある。上記希釈エマルション中の含フッ素ポリマーの濃度は、含フッ素界面活性剤の除去効率の点及び希釈エマルションの分散性の点で、例えば40質量%以下であることが好ましい。
上記N回目の分離除去工程に先立ち行う水添加は、N回目の分離除去工程を行う前の希釈エマルション中の含フッ素ポリマーが上記希釈エマルションの10質量%以上となる量を添加するものであり、更に、(N−1)回目の相分離濃縮における分離除去工程により除去した水相の量と実質的に同じ量を添加するものであることが好ましい。上記「水相の量」は、分離除去工程により除去した水相の質量である。上記「水相の量と実質的に同じ量を添加する」とは、上記水相の質量と実質的に同じ質量を添加することとなるように水添加を行うことを意味する。上記「実質的に同じ量」は、N回目の相分離濃縮における分離除去工程において含フッ素ポリマーの濃縮効率が同等程度となる量であればよく、通常、上記除去した水相の質量と添加する質量との差が上記除去した水相の質量の±20%以下となる量である。
N回目の相分離濃縮における水添加工程により得られた希釈エマルションは、N回目の相分離濃縮における分離除去工程を経ていないものであるが、精製エマルションは、分離除去工程により得られたものであり、この分離除去工程ののち水添加工程を経ていないものである点で、上記希釈エマルションと上記精製エマルションとは概念上区別される。
上記N回目の分離除去工程に先立ち行う水添加が上記条件を満たす場合、各分離除去工程における希釈エマルション中の含フッ素ポリマーの濃度をほぼ一定にすることができ、各分離除去工程において設備上有利となるので好ましい。
上記ノニオン界面活性剤は、N回目の相分離濃縮において、上述の作用発現可能状態にある何れかの時点に、含フッ素ポリマー100質量部あたり3〜40質量部存在していることが好ましい。上記ノニオン界面活性剤は、上記作用発現可能状態にある何れかの時点に上記範囲内の量が存在していれば、毎回添加しなくてもよく、上記作用発現可能状態にある何れかの時点に上記範囲内の量が存在することとなるように不足分を添加するものであればよいが、上記ノニオン界面活性剤は、含フッ素界面活性剤の除去効率の点で、(N−1)回目の相分離濃縮における分離除去工程により除去した水相中のノニオン界面活性剤の量と実質的に同じ量を添加するものであることが好ましい。上記「分離除去工程により除去した水相中のノニオン界面活性剤の量」は、分離除去工程により除去した水相中のノニオン界面活性剤の質量である。上記「実質的に同じ量」は、N回目の相分離濃縮における分離除去工程において含フッ素ポリマーの濃縮効率が同等程度となる量であればよく、通常、上記除去した水相中のノニオン界面活性剤の質量と添加するノニオン界面活性剤の質量との差が上記除去した水相中のノニオン界面活性剤の質量の±20%以下となる量である。
各回の相分離濃縮において、上記量のノニオン界面活性剤が存在することにより、各回の相分離濃縮を行うことにより得られる濃縮相の分散性を保つことができ、また、含フッ素ポリマー100質量部あたりのノニオン界面活性剤の量を一定にして濃縮効率を安定させることができる。
各回の相分離濃縮において添加するノニオン界面活性剤は、それぞれ同じ種類であってもよいし、異なる種類であってもよい。
上記ノニオン界面活性剤が上述の作用発現可能状態にある何れかの時点に含フッ素ポリマー水性エマルション中に含フッ素ポリマー100質量部に対して20〜40質量部存在するものである場合、上記相分離濃縮は、1回行うものであってもよいし、2回以上行うものであってもよいが、上記相分離濃縮を1回行うことにより含フッ素界面活性剤の残存量を後述する範囲内にまで低減することができる。
上記含フッ素ポリマー水性エマルション精製方法において、上記水相を除去する方法としては特に限定されず、従来公知の方法を用いることができる。
上記除去された水相中に含まれる含フッ素界面活性剤は特に限定されず、例えば特開2002−58966号公報に開示されている方法等の公知の含フッ素界面活性剤の回収方法を用いて処理することにより上記水相中から回収され、含フッ素ポリマーを得るための乳化重合等に再利用することができる。
本発明の含フッ素ポリマー水性エマルション精製方法における相分離濃縮は、ノニオン界面活性剤を添加して含フッ素界面活性剤を除去するものである。本発明の含フッ素ポリマー水性エマルション精製方法における相分離濃縮では、通常の相分離濃縮に用いるノニオン界面活性剤と同様のものを用いることができる。このノニオン界面活性剤は、少なくとも、フッ素原子を有さない点で、上記含フッ素ポリマーに対する吸着性が上記含フッ素界面活性剤に比べて一般に低いと考えられる。一方、除去する含フッ素界面活性剤は、炭素原子及びフッ素原子からなる疎水基を有する点で含フッ素ポリマーと化学構造上共通点があるので、通常、含フッ素ポリマーに対する吸着性が高いと考えられる。含フッ素ポリマーへの吸着性が低いノニオン界面活性剤を添加して、含フッ素ポリマーへの吸着性が高い含フッ素界面活性剤を除去することよりなる含フッ素ポリマー水性エマルション精製方法は、従来、容易に想到し得なかったものである。
本発明の含フッ素ポリマー水性エマルション精製方法では、含フッ素界面活性剤に対して過剰量のノニオン界面活性剤を存在させることにより、上記含フッ素界面活性剤を上記ノニオン界面活性剤で容易に置換することができ、相分離濃縮を1回行うことのみで含フッ素界面活性剤を充分に除去することができる。本発明の含フッ素ポリマー水性エマルション精製方法は、また、上記相分離濃縮を2回以上行う場合、ノニオン界面活性剤の量が少なくても、上記水添加を繰り返し行うことにより含フッ素界面活性剤が水相に分配する合計量を増加させることができるので、含フッ素界面活性剤を充分に除去することができる。上述の水添加を繰り返し行うことにより、また、含フッ素界面活性剤の他にも、乳化重合に用いた重合開始剤や連鎖移動剤等のうち未反応のものを除去することができるので、精製エマルションを用いて得られる後述の含フッ素加工品は、非粘着性、耐熱性、耐摩耗性、耐薬品性、低摩擦性等の含フッ素ポリマーが有する特性を充分に発現することができる。
本発明の含フッ素ポリマー水性エマルション精製方法において、上述したように、上記特定の濃縮方法は、相分離濃縮であっても含フッ素界面活性剤の残存量を後述の範囲内にまで低減することができるが、上記特定の濃縮方法は、上記相分離濃縮と、電気濃縮及び/又はイオン交換濃縮とであってもより精緻に含フッ素界面活性剤を除去することができる。
本明細書において、上記「相分離濃縮と、電気濃縮及び/又はイオン交換濃縮」とは、上記相分離濃縮と電気濃縮とであってもよいし、上記相分離濃縮とイオン交換濃縮とであってもよいし、上記相分離濃縮と電気濃縮とイオン交換濃縮とであってもよいことを意味する。
上記電気濃縮及びイオン交換濃縮は、それぞれ上記相分離濃縮の前に行ってもよいし、後に行ってもよいし、上記相分離濃縮を行いながら行ってもよいが、含フッ素界面活性剤の除去効率の点で、上記相分離濃縮の後に行うことが好ましい。
上記電気濃縮としては特に限定されず、例えば英国特許第642025号明細書に記載の方法等の従来公知の方法を用いることができる。上記電気濃縮についての従来公知の方法は、例えば、含フッ素ポリマー水性エマルションに電気濃縮用界面活性剤を添加したのち、濃縮槽と、上記濃縮槽の両端に設置された陰極及び陽極と、上記濃縮槽中に設置された1枚以上の隔膜とからなる電気濃縮用濃縮装置を用いて上記陰極及び陽極間に電流を流すことより含フッ素ポリマー水性エマルションを濃縮する方法等が挙げられる。
上記電気濃縮用界面活性剤としては、電気濃縮に通常用いられる界面活性剤であれば特に限定されず、一般に、ノニオン界面活性剤又はアニオン界面活性剤を用いることができる。上記電気濃縮用界面活性剤は、分散力の点で、ノニオン界面活性剤が好ましい。上記ノニオン界面活性剤としては特に限定されず、例えば、上記相分離濃縮について上述したノニオン界面活性剤と同様のものが挙げられる。上記電気濃縮において用いるノニオン界面活性剤は、上記相分離濃縮において用いるノニオン界面活性剤、及び、所望により行うイオン交換濃縮において用いる後述のノニオン界面活性剤と、それぞれ同じ種類であってもよいし、異なる種類であってもよい。
上記電気濃縮用界面活性剤は、一般に、含フッ素ポリマー100質量部に対して0.5〜20質量部添加するものであってよい。
上記隔膜は、電気濃縮に通常用いられるものであれば特に限定されないが、上記含フッ素ポリマーを透過しない孔径を有するものであることが好ましい。上記隔膜としては、例えばポリテトラフルオロエチレン系メンブランフィルター、セルロース系メンブランフィルター、ポリカーボネート系メンブランフィルター等が挙げられる。
上記電気濃縮において、含フッ素界面活性剤が例えばアニオン界面活性剤である場合、上記含フッ素界面活性剤は隔膜を透過して陽極側に移動し得るが、含フッ素ポリマーは上記隔膜を透過できずに沈降し、含フッ素ポリマー水性エマルションは濃縮相と水相とに分離することとなる。上記電気濃縮は、このように、上記隔膜を介して含フッ素界面活性剤を除去することができ、また、上記水相を除去することにより含フッ素ポリマー水性エマルションを濃縮することができる。
上記イオン交換濃縮としては特に限定されず、例えば特開平8−20611号公報に記載の方法等の従来公知の方法を用いることができる。上記イオン濃縮についての従来公知の方法は、例えば、濃縮槽と、上記濃縮槽中に設置された1枚以上のイオン交換膜とからなるイオン交換用濃縮装置において、上記イオン交換膜により区切られた2つ以上の隔室のうち一方の端の隔室に、含フッ素ポリマー水性エマルションにイオン交換濃縮用界面活性剤を添加したものを添加し、他方の端の隔室に、電解質水溶液を添加して、上記イオン交換膜を介して生じる電解質濃度差を利用することにより含フッ素ポリマー水性エマルションを濃縮する方法等が挙げられる。
上記イオン交換濃縮用界面活性剤としては、イオン交換濃縮に通常用いられる界面活性剤であれば特に限定されず、一般に、ノニオン界面活性剤又はアニオン界面活性剤を用いることができる。上記イオン交換用界面活性剤は、分散力の点で、ノニオン界面活性剤であることが好ましい。上記ノニオン界面活性剤としては特に限定されず、例えば、上記相分離濃縮について上述したノニオン界面活性剤と同様のものが挙げられる。上記イオン交換濃縮においてノニオン界面活性剤は、上記相分離濃縮において用いるノニオン界面活性剤、及び、所望により行う電気濃縮において用いる上記ノニオン界面活性剤と、それぞれ同じ種類であってもよいし、異なる種類であってもよい。
上記イオン交換濃縮用界面活性剤は、一般に、含フッ素ポリマー100質量部に対して0.5〜20質量部添加するものであってよい。
上記イオン交換膜としては、イオン交換濃縮に通常用いられるものであれば特に限定されず、例えば、スルホン化ポリスチレン−ジビニルベンゼン樹脂、フェノールスルホン酸樹脂、第四級アンモニウム樹脂、スルホン酸基やカルボン酸基等の官能基を有するフッ素樹脂等からなる膜が挙げられる。
上記電解質水溶液としては、イオン交換濃縮に通常用いられるものであれば特に限定されず、上記イオン交換膜がカチオン交換膜である場合、アニオン性電解質水溶液を用いることができ、上記イオン交換膜がアニオン交換膜である場合、カチオン性電解質水溶液を用いることができる。上記アニオン性電解質としては、例えば、硫酸、硝酸、塩酸、リン酸、酢酸、プロピオン酸等の酸性化合物、上記酸性化合物の塩等を挙げることができ、上記カチオン性電解質としては、例えば、硫酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、炭酸アンモニウム等の塩基性化合物、上記塩基性化合物の塩等を挙げることができる。
上記イオン交換濃縮において、上記含フッ素界面活性剤が例えばアニオン界面活性剤である場合、特に限定されないが、例えば、上記イオン交換膜としてアニオン交換膜を用い、上記電解質水溶液としてカチオン性電解質水溶液を用いることにより、上記含フッ素界面活性剤は上記イオン交換膜を透過して上記電解質溶液側に移動することとなる。上記イオン交換濃縮は、このように、上記イオン交換膜を介して含フッ素界面活性剤を効率よく除去することができる。上記含フッ素界面活性剤は、含フッ素ポリマー水性エマルション中の水分とともに上記電解質水溶液側に移動するので、上記イオン交換濃縮は、含フッ素ポリマー水性エマルションを濃縮することができる。
本発明の含フッ素ポリマー水性エマルション精製方法において、上記特定の濃縮方法は、上記電気濃縮であってもよいし、上記イオン交換濃縮であってもよい。上記特定の濃縮方法が上記電気濃縮である場合、含フッ素界面活性剤を充分に除去するために、上記電気濃縮は2回以上行うものであることが好ましい。上記特定の濃縮方法が上記イオン交換濃縮である場合、含フッ素界面活性剤を充分に除去するために、上記イオン交換濃縮は2回以上行うものであることが好ましい。
本発明の含フッ素ポリマー水性エマルション精製方法において、上記電気濃縮を2回以上行う場合、各回の電気濃縮は、一般に、含フッ素ポリマー100質量部に対して0.5〜20質量部の上述の電気濃縮用界面活性剤を添加して行うものであってよい。上記電気濃縮用界面活性剤は、上記範囲内の量が各回の電気濃縮を行う前に存在していれば毎回添加しなくてもよく、各回の電気濃縮を行う前に上記範囲内の量が存在することとなるように不足分を添加するものであればよい。各回の電気濃縮において用いる電気濃縮用界面活性剤は、それぞれ、同じ種類であってもよいし、異なる種類であってもよい。
上記電気濃縮は、N回目(Nは、2以上の整数。)の電気濃縮を行う前に、水添加を行うものであってよい。上記水添加は、上記相分離濃縮について上述したように、水を主として含むものを添加することである。上記水添加は特に限定されず、含フッ素界面活性剤を除去し得る程度の質量であればよいが、濃縮効率の点で、(N−1)回目の電気濃縮において除去した水相の量と同程度であることが好ましい。上記範囲内の量を添加する場合、各分離除去工程前の希釈エマルション中の含フッ素ポリマー濃度を大きく変動させずに、作業条件を一定又はほぼ一定にすることができ、上記分離除去工程の作業が簡便となるので好ましい。
上記電気濃縮は、上記含フッ素界面活性剤を充分に除去するために、上記範囲内の量で上記電気濃縮用界面活性剤の添加及び上記水添加を行うものであれば、バッチ式で行うものであってもよいし、連続式で行うものであってもよい。上記電気濃縮は、連続式で行う場合、最終的に水相を除去することを含むものであることが好ましい。
本発明の含フッ素ポリマー水性エマルション精製方法において、上記イオン交換濃縮を2回以上行う場合、各回のイオン交換濃縮は、一般に、含フッ素ポリマー100質量部に対して0.5〜20質量部の上述のイオン交換濃縮用界面活性剤を添加して行うものであってよい。上記イオン交換濃縮用界面活性剤は、上記範囲内の量が各回のイオン交換濃縮を行う前に存在していれば毎回添加しなくてもよく、各回のイオン交換濃縮を行う前に上記範囲内の量が存在することとなるように不足分を添加するものであればよい。各回のイオン交換濃縮において用いるイオン交換濃縮用界面活性剤は、それぞれ、同じ種類であってもよいし、異なる種類であってもよい。
上記イオン交換濃縮は、N回目(Nは、2以上の整数。)のイオン交換濃縮を行う前に、水添加を行うものであってよい。上記水添加は、上記相分離濃縮について上述したように、水を主として含むものを添加することである。上記水添加は特に限定されず、含フッ素界面活性剤を除去し得る程度の質量であればよいが、濃縮効率の点で、(N−1)回目のイオン交換濃縮において除去した水分の量と同程度であることが好ましい。上記範囲内の量を添加する場合、各分離除去工程前の希釈エマルション中の含フッ素ポリマー濃度を大きく変動させずに、作業条件を一定又はほぼ一定にすることができ、上記分離除去工程の作業が簡便となるので好ましい。
上記イオン交換濃縮は、上記含フッ素界面活性剤を充分に除去するために、上記範囲内の量で上記電気濃縮用界面活性剤の添加及び上記水添加を行うものであれば、バッチ式で行うものであってもよいし、連続式で行うものであってもよい。上記イオン交換濃縮は、連続式で行う場合、最終的に水相を除去することを含むものであることが好ましい。
本発明の含フッ素ポリマー水性エマルション精製方法を用いて精製することにより得られた精製エマルションは、上記含フッ素界面活性剤を含有していないことが好ましいが、含フッ素ポリマーがTFEホモポリマー及び/又は変性PTFEである場合、含フッ素界面活性剤を300ppm以下含有するものであってもよい。上記含フッ素界面活性剤を300ppm以下含有するものであれば、上記精製エマルションを用いて得られる後述の含フッ素加工品が、非粘着性、耐熱性、耐摩耗性、耐薬品性、低摩擦性等の含フッ素ポリマーが有する特性を充分に発現することができる。上記含フッ素ポリマー水性エマルション精製方法は、含フッ素ポリマーが例えばTFEホモポリマー及び/又は変性PTFEである場合、上記含フッ素界面活性剤の残存量をより好ましくは280ppm以下にすることができ、更に好ましくは250ppm以下にすることができる。
上記含フッ素界面活性剤を300ppm以下含有し、含フッ素ポリマーがTFEホモポリマー及び/又は変性PTFEである精製エマルションは、上記相分離濃縮、電気濃縮及び/又はイオン交換濃縮を、含フッ素界面活性剤100質量部あたり6000質量部以上、好ましくは8000質量部以上のノニオン界面活性剤の存在下に行うことにより、容易に得られる。
上記含フッ素界面活性剤は、上述したように、精製エマルション中に残存しないことが好ましいが、300ppm以下であれば、例えば10ppm以上残存していても、後述の含フッ素加工品が上記含フッ素ポリマーが有する特性を発現することができる点で特に支障はない。
本明細書において、上記含フッ素界面活性剤の量は、試料液と標準試薬とをそれぞれ19F−NMR測定し、得られる−116ppm〜−117ppm付近のピーク面積と−126ppm付近のピーク面積の平均値を比較することにより求められる値である。上記試料液は、通常、含フッ素界面活性剤とノニオン界面活性剤とからなる混合液であり、上記標準試薬としては、上記含フッ素界面活性剤の水溶液が用いられる。上記標準試薬としては、例えば、上記試料液中の含フッ素界面活性剤がパーフルオロオクタン酸アンモニウムである場合、1100ppmのパーフルオロオクタン酸アンモニウム水溶液を用いることが好ましい。
本発明の含フッ素ポリマー水性エマルション精製方法は、上記含フッ素ポリマーが例えばPFAである場合、精製エマルション中の含フッ素界面活性剤の残存量を1800ppm以下にすることができ、より好ましくは1600ppm以下にすることができ、更に好ましくは1500ppm以下にすることができる。
本発明の含フッ素ポリマー水性エマルション精製方法は、上記含フッ素ポリマーが例えばFEPである場合、精製エマルション中の含フッ素界面活性剤の残存量を1800ppm以下にすることができ、より好ましくは1700ppm以下にすることができ、更に好ましくは1600ppm以下にすることができる。
本発明の含フッ素ポリマー水性エマルション精製方法は、上記含フッ素ポリマーが例えばPVdFである場合、精製エマルション中の含フッ素界面活性剤の残存量を800ppm以下にすることができ、より好ましくは750ppm以下にすることができ、更に好ましくは700ppm以下にすることができる。
本発明の含フッ素ポリマー水性エマルション精製方法において、上記含フッ素ポリマーが例えばPVdFである場合、上記特定の濃縮方法は、上記相分離濃縮を1回のみ行うものであってもよいが、含フッ素界面活性剤の残存量の減少度が大きいので、上記相分離濃縮を2回以上行うものが好ましい。
本発明の含フッ素ポリマー水性エマルション精製方法は、上記含フッ素ポリマーが例えばTFE/VdF/HFP共重合体である場合、精製エマルション中の含フッ素界面活性剤の残存量を300ppm以下にすることができ、より好ましくは280ppm以下にすることができ、更に好ましくは250ppm以下にすることができる。
本発明の含フッ素ポリマー水性エマルション精製方法は、精製エマルション中の含フッ素界面活性剤の量を上述した範囲内に低減することができるので、含フッ素ポリマーが有する特性を発現することができる点で好ましいものであり、また、上記精製エマルションを用いて得られる後述の含フッ素加工品は、上述の含フッ素ポリマーが有する特性を充分に発現することができる。
上記含フッ素ポリマー水性エマルション精製方法により得られた精製エマルションもまた、本発明の一つである。上記精製エマルションは、含フッ素界面活性剤の量が上述の範囲内に低減されたものであるので、含フッ素ポリマーが有する特性を発現することができる点で好ましいものであり、また、上記精製エマルションを用いて得られる後述の含フッ素加工品は、上述の含フッ素ポリマーが有する特性を充分に発現することができる。上記精製エマルションは、上記含フッ素ポリマーが精製エマルションの質量の40〜75質量%まで濃縮されたものとすることが可能であり、工業的に好適に使用することができる。
上記精製エマルションは、そのまま、又は、後述する添加剤類を添加して、含浸塗布、吹きつけ塗布等に用いることができる。
上記精製エマルションは、また、含フッ素ポリマーのエマルションから粉末を得る従来公知の方法を用いることにより、粉末とすることができる。
上記精製エマルションは、添加剤類を添加することにより、上記精製エマルションと、上記添加剤類とからなる精製エマルション組成物とすることができる。
上記添加剤類としてはエマルションに通常添加される添加剤類であれば特に限定されず、例えば、各種界面活性剤、純水、水溶性溶剤等の精製エマルションを希釈するための希釈剤;シリコーン系界面活性剤等のレベリング剤、各種水溶性電解質等の塩類、増粘剤、レオロジー調整剤等の精製エマルションの粘度を調整するための化合物;染料、顔料等の着色剤;グラファイト等の各種フィラー;防腐剤等が挙げられる。上記各種界面活性剤は特に限定されず、エマルションに通常添加される界面活性剤を用いることができ、例えば本発明の含フッ素ポリマー水性エマルション精製方法における相分離濃縮で用いたノニオン界面活性剤と同様のものであってもよい。
上記精製エマルション組成物としては、例えば電池用結着剤、塗料組成物等が挙げられる。
上記精製エマルション組成物は、上記精製エマルションと同様に、例えば含浸塗布、吹きつけ塗布等に用いることができる。
上記電池用結着剤は、例えばリチウム電池等のLiを負極活物質とする非水電解液電池の場合、正極活物質であるフッ化カーボンや二酸化マンガン等の粉体に含フッ素ポリマーの量が上記粉体に対して、通常、1〜20質量%となるように添加するものである。上記電池用結着剤は、上記粉体に添加したのち、加熱混練し、圧延して正極とすることができ、得られた正極をLiシート等の負極と組み合わせることにより電池を得ることができる。
上記塗料組成物は、上記精製エマルションに顔料、溶剤、塗料添加剤等を添加して得られるものであってよい。上記塗料組成物は、金属調理器具、家電製品、産業機械等を塗装する用途に用いることができる。
上記顔料としては、上記含フッ素ポリマーの融点以上の温度においても変質しない耐熱性を有するものであることが好ましく、無機顔料又は有機顔料の何れであってもよい。上記無機顔料としては、例えばCr、Ti、Co、Ni、Fe、Mn、Cu、Sb等の金属の酸化物を1種又は2種以上組み合わせてなる複合酸化物系顔料、カドミウム系顔料等のカルシン系焼成顔料、カーボンブラック、群青等が挙げられる。上記有機顔料としては、例えばフタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、ペリレン系等の耐熱性を向上させたもの等が挙げられる。上記顔料の配合量は、上記含フッ素ポリマーに対して1〜40質量%程度であればよい。上記顔料は、通常、スラリーとして上記精製エマルションに添加することが好ましい。上記塗料組成物は、また、上記顔料を1〜50質量%程度含有する市販のフッ素樹脂用水性着色剤を上記精製エマルションに添加することにより得られるものであってもよい。
上記溶剤としては塗料組成物に通常添加されるものであれば特に限定されず、例えばN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、メチルエチルケトン、メチルグリコールアセテート、2−ニトロプロパン、エチレングリコールアセテート、トルエン等が挙げられる。
上記塗料添加剤としては塗料組成物に通常添加されるものであれば特に限定されず、例えばガラス、タルク、マイカ、クレー、酸化ケイ素、酸化チタン、アルミナ、セラミック化合物等の充填剤;メチルセルロース等の増粘剤;レベリング剤等が挙げられる。上記塗料添加剤は、上記精製エマルション100質量部に対して0.1〜40質量部配合するものであってよい。
本発明の含フッ素加工品は、上記精製エマルションを用いて加工することにより得られたものである。上記加工としては特に限定されず、例えば上記精製エマルションを基材に塗布して所望により乾燥したのち加熱すること、上記精製エマルションを基材に塗布して所望により乾燥したのち加熱し、上記基材から剥離させて膜を得ること、上記精製エマルションを用いて得られた粉末を成形すること等が挙げられる。上記「精製エマルションを用いて」は、上述のように精製エマルション組成物が上記精製エマルションからなるものであるので、上記精製エマルションをそのまま用いるもののみならず、上記精製エマルション組成物を用いるものであってもよい。
上記基材としては特に限定されず、例えば繊維基材、金属板、多孔性鋼板等が挙げられる。上記繊維基材としては特に限定されず、例えばガラス繊維、セラミック繊維、金属繊維、シリコンカーバイド繊維、ケブラー(登録商標)等が挙げられる。
上記塗布の方法としては特に限定されず、例えば含浸塗布、吹きつけ塗布等が挙げられる。上記基材が繊維基材である場合、上記塗布の方法は、含浸塗布が好ましい。
上記加熱は、上記含フッ素ポリマーの融点以上の温度で行うことが好ましい。
上記成形は、従来公知の含フッ素ポリマーからなる粉末の成形方法を用いることができる。
本発明の含フッ素加工品は、含フッ素界面活性剤の残存量が低い上記精製エマルションを用いて得られたものであるので、含フッ素ポリマーが有する特性を発現することができ、特に限定されないが、例えば、上記精製エマルションを上記繊維基材に塗布することより得られるテント膜等の膜構造建築物の屋根材、搬送用ベルト、パッキン、高周波プリント基材;上記電池用結着剤を用いて得られる電池;上記塗料組成物を用いて得られる金属調理器具、家電製品、産業機械;上記粉末を用いて得られる各種成形品等が挙げられる。
製造例1 含フッ素ポリマー水性エマルションの調製(TFEホモポリマー)
内容積6Lのステンレス製オートクレーブに、純水3L、重合安定剤として高級パラフィン96g、乳化剤としてパーフルオロオクタン酸アンモニウム3.0gを仕込んだ。系内を窒素ガスで充分に置換した後、真空にした。系内の温度を70℃に保ち、攪拌を行いながら内圧が0.74MPaGになるまでテトラフルオロエチレン〔TFE〕を圧入した。次いで、0.56mg/mLの過硫酸アンモニウム水溶液20mLと13.5mg/mLのジコハク酸パーオキサイド水溶液20mLとをTFEで圧入し、更に内圧が0.83MPaGになるまでTFEを圧入して、重合反応を開始した。
重合反応の進行により内圧が0.74MPaGまで低下した時点でTFEを圧入し、内圧を0.83MPaGとした。以後、反応の進行に伴って同様にTFEを圧入し、0.74〜0.83MPaGの間の圧力で昇圧及び降圧を繰り返した。
TFEの合計仕込量が1560gに達した時点で攪拌を停止してオートクレーブを冷却し、未反応モノマーを放出してテトラフルオロエチレンホモポリマー(以下、「TFEホモポリマー」ともいう。)の濃度が約30質量%の含フッ素ポリマー水性エマルションを得た。
超遠心式自動粒度分布測定装置 CAPA−700(堀場製作所社製)を用いて測定した含フッ素ポリマーからなる粒子の粒径は230nmであった。
製造例2 含フッ素ポリマー水性エマルションの調製(PFA)
内容積6Lのステンレス製オートクレーブに、純水3L、重合安定剤として高級パラフィン120g、乳化剤としてパーフルオロオクタン酸アンモニウム18gを仕込んだ。系内を窒素ガスで充分に置換した後、真空にし、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)36gを窒素ガスで圧入した。更に、系内の温度を70℃に保ち、攪拌を行いながら内圧が0.83MPaGになるまでテトラフルオロエチレン〔TFE〕を圧入した。次いで、30mg/mLの過硫酸アンモニウム水溶液10mLを窒素ガスで圧入し、重合反応を開始した。
重合反応の進行により内圧が0.74MPaGまで低下した時点でTFEを圧入し、内圧を0.83MPaGとした。以後、反応の進行に伴って同様にTFEを圧入し、0.74〜0.83MPaGの間の圧力で昇圧及び降圧を繰り返した。
TFEの合計仕込量が1000gに達した時点で攪拌を停止してオートクレーブを冷却し、未反応モノマーを放出してテトラフルオロエチレン/パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)共重合体(以下、「PFA」ともいう。)の濃度が約25質量%の含フッ素ポリマー水性エマルションを得た。
超遠心式自動粒度分布測定装置 CAPA−700(堀場製作所社製)を用いて測定した含フッ素ポリマーからなる粒子の粒径は220nmであった。
製造例3 含フッ素ポリマー水性エマルションの調製(FEP)
内容積4Lのステンレス製オートクレーブに、純水2.5L、重合安定剤として高級パラフィン117g、乳化剤としてパーフルオロオクタン酸アンモニウム18gを仕込んだ。系内を窒素ガスで充分に置換した後、真空にした。系内の温度を80℃に保ち、攪拌を行いながら内圧が0.76MPaGになるまでテトラフルオロエチレン〔TFE〕:ヘキサフルオロプロピレン〔HFP〕=30:70(モル比)の比率で混合した混合ガスAを圧入した。次いで、30mg/mLの過硫酸アンモニウム水溶液40mLを窒素ガスで圧入し、反応を開始した。
重合反応の進行により内圧が0.71MPaGまで低下した時点でTFE:HFP=92:8(モル比)の比率で混合した混合ガスBを圧入し、内圧を0.76MPaGとした。以後、反応の進行に伴って混合ガスBを圧入し、0.71〜0.76MPaGの間の圧力で昇圧及び降圧を繰り返した。混合ガスBの仕込量が500gに達した時点で30mg/mLの過硫酸アンモニウム水溶液50mLを窒素ガスで圧入し、反応を継続した。
混合ガスBの合計仕込量が1100gに達した時点で攪拌を停止してオートクレーブを冷却し、未反応モノマーを放出してテトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体(以下、「FEP」ともいう。)の濃度が約30質量%の含フッ素ポリマー水性エマルションを得た。
超遠心式自動粒度分布測定装置 CAPA−700(堀場製作所社製)を用いて測定した含フッ素ポリマーからなる粒子の粒径は170nmであった。
製造例4 含フッ素ポリマー水性エマルションの調製(PVdF)
内容積6Lのステンレス製オートクレーブに、純水3L、乳化剤としてパーフルオロオクタン酸アンモニウム9.0gを仕込んだ。系内を窒素ガスで充分に置換した後、真空にし、内圧が0.21MPaGになるまでビニリデンフルオライド〔VdF〕を圧入した。系内の温度を80℃に保ち、攪拌を行いながら内圧が1.47MPaGになるまでVdFを圧入した。次いで、イソプロピルアルコール7.5質量%水溶液を10g仕込み、更に80mg/mLの過硫酸アンモニウム水溶液20mLを窒素ガスで圧入し、重合反応を開始した。
重合反応中、内圧が1.47MPaGに維持されるようにVdFを連続的に追加した。VdFの追加量が360gに達した時点で80mg/mLの過硫酸アンモニウム水溶液10mLを窒素ガスで圧入し、反応を継続した。
VdFの追加量が630gに達した時点で攪拌を停止してオートクレーブを冷却し、未反応モノマーを放出してポリビニリデンフルオライド(以下、「PVdF」ともいう。)の濃度が約17質量%の含フッ素ポリマー水性エマルションを得た。
超遠心式自動粒度分布測定装置 CAPA−700(堀場製作所社製)を用いて測定した含フッ素ポリマーからなる粒子の粒径は240nmであった。
製造例5 含フッ素水性エマルションの調製(TFE/VdF/HFP共重合体)
内容積6Lのステンレス製オートクレーブに、純水3L、乳化剤としてパーフルオロオクタン酸アンモニウム3.0gを仕込んだ。そして、系内を窒素ガスで充分に置換した後、真空にした。系内の温度を95℃に保ち、攪拌を行いながら内圧が1.23MPaGになるまでテトラフルオロエチレン〔TFE〕:ビニリデンフルオライド〔VdF〕:ヘキサフルオロプロピレン〔HFP〕=11:18:71(モル比)の比率で混合した混合ガスCを圧入した。次いで、30mg/mLの過硫酸アンモニウム水溶液20mLを窒素ガスで圧入し、重合反応を開始した。
重合反応の進行により内圧が1.13MPaGまで低下した時点でTFE:VdF:HFP=20:50:30(モル比)の混合ガスDを圧入し、内圧を1.23MPaGとした。以後、反応の進行に伴って混合ガスDを圧入し、1.13〜1.23MPaGの間の圧力で昇圧及び降圧を繰り返した。
混合ガスDの合計仕込量が1000gに達した時点で攪拌を停止してオートクレーブを冷却し、未反応モノマーを放出してテトラフルオロエチレン/ビニリデンフルオライド/ヘキサフルオロプロピレン共重合体(以下、「TFE/VdF/HFP共重合体」ともいう。)の濃度が約30質量%の含フッ素ポリマー水性エマルションを得た。
超遠心式自動粒度分布測定装置 CAPA−700(堀場製作所社製)を用いて測定した含フッ素ポリマーからなる粒子の粒径は290nmであった。
製造例6 含フッ素ポリマー水性エマルションの調製(TFEホモポリマー、高圧重合)
内容積3Lのステンレス製オートクレーブに、純水1.8L、重合安定剤として高級パラフィン65g、乳化剤としてパーフルオロオクタン酸アンモニウム1.0gを仕込んだ。系内を窒素ガスで充分に置換した後、真空にした。系内の温度を85℃に保ち、攪拌を行いながら内圧が2.55MPaGになるまでテトラフルオロエチレン〔TFE〕を圧入した。次いで、0.56mg/mLの過硫酸アンモニウム水溶液12mLと13.5mg/mLのジコハク酸パーオキサイド水溶液12mLとをTFEで圧入し、更に内圧が2.67MPaGになるまでTFEを圧入して、反応を開始した。
重合反応の進行により内圧が2.55MPaGまで低下した時点でTFEを圧入し、内圧を2.67MPaGとした。以後、反応の進行に伴って同様にTFEを圧入し、2.55〜2.67MPaGの間の圧力で昇圧及び降圧を繰り返した。
TFEの合計仕込量が800gに達した時点で攪拌を停止してオートクレーブを冷却し、未反応モノマーを放出してテトラフルオロエチレンホモポリマー(以下、「TFEホモポリマー」ともいう。)の濃度が約30質量%の含フッ素ポリマー水性エマルションを得た。
超遠心式自動粒度分布測定装置 CAPA−700(堀場製作所社製)を用いて測定した含フッ素ポリマーからなる粒子の粒径は240nmであった。
実験例1
製造例1で得られた含フッ素ポリマー水性エマルション600gに、ノニオン界面活性剤として、炭化水素系界面活性剤であるポリオキシエチレントリデシルエーテル(ライオン社製、レオコールTD−90。以下、「ノニオン界面活性剤」という。)を22g添加し、更にアンモニア水を添加し、pHを10〜11に調整したのち70℃で静置して、相分離濃縮により、含フッ素ポリマー濃度70.1質量%、ノニオン界面活性剤濃度2.1質量%の精製エマルションAを得た。
得られた精製エマルションAから含フッ素界面活性剤とノニオン界面活性剤との混合液を抽出した。別途、1100ppmのパーフルオロオクタン酸アンモニウム水溶液を調製し、これを標準試薬とした。上記混合液と上記標準試料を、それぞれ19F−NMRにより分析し、−116ppm〜−117ppm付近のピーク面積と−126ppm付近のピーク面積の平均値を比較して、上記混合液中の含フッ素界面活性剤濃度を求め、更に精製エマルションA中の含フッ素界面活性剤濃度を求めた。結果を表1に示す。
実験例2
製造例1で得られた含フッ素ポリマー水性エマルション600gに、ノニオン界面活性剤を22g添加し、更にアンモニア水を添加してpHを10〜11に調整したのち70℃で静置して、1回目の相分離濃縮により、含フッ素ポリマー濃度70.1質量%、ノニオン界面活性剤濃度2.1質量%の精製エマルションAを得た。
上記精製エマルションAに、含フッ素ポリマーに対するノニオン界面活性剤の割合及び含フッ素ポリマーに対する純水の割合が上記1回目の相分離濃縮を行う前のものと同じになるようにノニオン界面活性剤と純水とを添加し、更にアンモニア水を添加してpHを10〜11に調整し、70℃で静置して、2回目の相分離濃縮により、含フッ素ポリマー濃度66.1質量%、ノニオン界面活性剤濃度1.9質量%の精製エマルションBを得た。
得られた精製エマルションBから含フッ素界面活性剤とノニオン界面活性剤との混合液を抽出した。実験例1と同様に、上記混合液を19F−NMRで分析することにより上記混合液中の含フッ素界面活性剤濃度を求め、更に精製エマルションB中の含フッ素界面活性剤濃度を求めた。結果を表1に示す。
実験例3
実験例2で得られた精製エマルションBを用いて、実験例2の2回目の相分離濃縮と同様の手順で、3回目の相分離濃縮により含フッ素ポリマー濃度67.7質量%、ノニオン界面活性剤濃度1.9質量%の精製エマルションCを得た。
実験例1と同様の手順で、精製エマルションC中の含フッ素界面活性剤濃度を求めた。結果を表1に示す。
実験例4
実験例3で得られた精製エマルションCを用いて、実験例2の2回目の相分離濃縮と同様の手順で、4回目の相分離濃縮により、含フッ素ポリマー濃度70.0質量%、ノニオン界面活性剤濃度2.2質量%の精製エマルションを得た。
実験例1と同様の手順で、得られた精製エマルション中の含フッ素界面活性剤濃度を求めた。結果を表1に示す。
実験例5
実験例1で得られた精製エマルションAに、ノニオン界面活性剤が含フッ素ポリマー100質量部あたり12.2質量部となるようにノニオン界面活性剤を添加し、更にアンモニア水を添加してpHを10〜11に調整した。次いで、英国特許第642025号明細書に記載の方法に準拠して電気濃縮を実施し、含フッ素ポリマー濃度68.7質量%、ノニオン界面活性剤濃度2.3質量%の精製エマルションDを得た。
実験例1と同様の手順で、精製エマルションD中の含フッ素界面活性剤濃度を求めた。結果を表1に示す。
実験例6
実験例1で得られた精製エマルションAに、ノニオン界面活性剤が含フッ素ポリマー100質量部あたり12.2質量部となるようにノニオン界面活性剤を添加し、更にアンモニア水を添加してpHを10〜11に調整した。次いで、特開平8−20611号公報に記載の方法に準拠してイオン交換濃縮を実施し、含フッ素ポリマー濃度68.4質量%、ノニオン界面活性剤濃度1.7質量%の精製エマルションを得た。
実験例1と同様の手順で、得られた精製エマルション中の含フッ素界面活性剤濃度を求めた。結果を表1に示す。
実験例7
実験例5で得られた精製エマルションDに、ノニオン界面活性剤が含フッ素ポリマー100質量部あたり12.2質量部となるようにノニオン界面活性剤を添加し、更にアンモニア水を添加してpHを10〜11に調整した。次いで、イオン交換濃縮により、含フッ素ポリマー濃度66.8質量%、ノニオン界面活性剤濃度1.9質量%の精製エマルションを得た。
実験例1と同様の手順で、得られた精製エマルション中の含フッ素界面活性剤濃度を求めた。結果を表1に示す。
実験例8
製造例1で得られた含フッ素ポリマー水性エマルション600gに、ノニオン界面活性剤を22g添加し、更にアンモニア水を添加してpHを10〜11に調整したのち電気濃縮を1回行った。上記電気濃縮により得られた精製エマルションに、含フッ素ポリマーに対するノニオン界面活性剤の割合及び含フッ素ポリマーに対する純水の割合が上記1回目の電気濃縮を行う前のものと同じになるようにノニオン界面活性剤と純水とを添加したのち、2回目の電気濃縮を行った。2回目の電気濃縮により得られた精製エマルションに、含フッ素ポリマーに対するノニオン界面活性剤の割合及び含フッ素ポリマーに対する純水の割合が上記1回目の電気濃縮を行う前のものと同じになるようにノニオン界面活性剤と純水とを添加したのち、3回目の電気濃縮を行った。3回目の電気濃縮により、含フッ素ポリマー濃度64.3質量%、ノニオン界面活性剤濃度2.1質量%の精製エマルションを得た。
実験例1と同様の手順で、得られた精製エマルション中の含フッ素界面活性剤濃度を求めた。結果を表1に示す。
実験例9
製造例1で得られた含フッ素ポリマー水性エマルション600gに、ノニオン界面活性剤を22g添加し、更にアンモニア水を添加してpHを10〜11に調整したのちイオン交換濃縮を1回行った。上記濃縮により得られた精製エマルションに、含フッ素ポリマーに対するノニオン界面活性剤の割合及び含フッ素ポリマーに対する純水の割合が上記1回目のイオン交換濃縮を行う前のものと同じになるようにノニオン界面活性剤と純水とを添加したのち、2回目のイオン交換濃縮を行った。2回目のイオン交換濃縮により得られた精製エマルションに、含フッ素ポリマーに対するノニオン界面活性剤の割合及び含フッ素ポリマーに対する純水の割合が上記1回目のイオン交換濃縮を行う前のものと同じになるようにノニオン界面活性剤と純水とを添加したのち、3回目のイオン交換濃縮を行った。3回目のイオン交換濃縮により、含フッ素ポリマー濃度62.9質量%,ノニオン界面活性剤濃度1.8質量%の濃縮相を得た。
実験例1と同様の手順で、得られた精製エマルション中の含フッ素界面活性剤濃度を求めた。結果を表1に示す。
比較例1
製造例1で得られた含フッ素ポリマー水性エマルション600gに、ノニオン界面活性剤を13g添加し、更にアンモニア水を添加してpHを10〜11に調整したのちポアサイズ0.2μmのセラミック製精密濾過膜の膜面に平行に流して濾過し、含フッ素ポリマー濃度61.8質量%、ノニオン界面活性剤濃度4.2質量%のエマルションEを得た。精密濾過膜は、加圧した空気を用いて毎分1回、0.5秒間ずつ透過液で逆洗したので、閉塞することはなかった。
実験例1と同様の手順で、エマルションE中の含フッ素界面活性剤濃度を求めた。結果を表1に示す。
比較例2
比較例1で得られたエマルションEに、含フッ素ポリマーに対するノニオン界面活性剤の割合及び含フッ素ポリマーに対する純水の割合が比較例2の膜分離濃縮を行う前のものと同じになるようにノニオン界面活性剤と純水とを添加し、比較例1と同様の手順で精密濾過膜を用いて濾過し、含フッ素ポリマー濃度60.1質量%、ノニオン界面活性剤濃度4.7質量%のエマルションFを得た。精密濾過膜は、加圧した空気を用いて毎分1回、0.5秒間ずつ透過液で逆洗したので、閉塞することはなかった。
実験例1と同様の手順で、エマルションF中の含フッ素界面活性剤濃度を求めた。結果を表1に示す。
比較例3
比較例2で得られたエマルションFを用いて、比較例2と同様の手順で精密濾過膜を用いて濾過し、含フッ素ポリマー濃度60.8質量%、ノニオン界面活性剤濃度4.4質量%のエマルションGを得た。精密濾過膜は、加圧した空気を用いて毎分1回、0.5秒間ずつ透過液で逆洗したので、閉塞することはなかった。
実験例1と同様の手順で、エマルションG中の含フッ素界面活性剤濃度を求めた。結果を表1に示す。
比較例4
比較例3で得られたエマルションGを用いて、比較例2と同様の手順で精密濾過膜を用いて濾過し、含フッ素ポリマー濃度61.2質量%、ノニオン界面活性剤濃度4.3質量%のエマルションを得た。精密濾過膜は、加圧した空気を用いて毎分1回、0.5秒間ずつ透過液で逆洗したため、閉塞することはなかった。
実験例1と同様の手順で、得られたエマルション中の含フッ素界面活性剤濃度を求めた。結果を表1に示す。
比較例5
製造例1で得られた含フッ素ポリマー水性エマルション600gに、ノニオン界面活性剤を11g添加し、70℃で静置して、蒸発濃縮により含フッ素ポリマー濃度61.5質量%、ノニオン界面活性剤濃度4.3質量%の濃縮液を得たが、濃縮液中には多量のTFEホモポリマーの凝集物が観察された。
上記凝集物を取り除いて得られた濃縮液から、実験例1と同様の手順で、含フッ素界面活性剤濃度を求めた。結果を表1に示す。
比較例6
製造例1で得られた含フッ素ポリマー水性エマルション600gに、ノニオン界面活性剤を11g添加し、70℃で静置して、蒸発濃縮により含フッ素ポリマー濃度48.2質量%、ノニオン界面活性剤濃度3.1質量%の濃縮液を得た。
実験例1と同様の手順で、得られた濃縮液中の含フッ素界面活性剤濃度を求めた。結果を表1に示す。
実験例10
製造例2で得られた含フッ素ポリマー水性エマルション600gに、ノニオン界面活性剤を22g添加し、更にアンモニア水を添加してpHを10〜11に調整したのち70℃で静置して、相分離濃縮により含フッ素ポリマー濃度53.8質量%、ノニオン界面活性剤濃度2.7質量%の精製エマルションHを得た。
実験例1と同様の手順で、精製エマルションH中の含フッ素界面活性剤濃度を求めた。結果を表2に示す。
実験例11
製造例2で得られた含フッ素ポリマー水性エマルション600gに、ノニオン界面活性剤を22g添加し、更にアンモニア水を添加してpHを10〜11に調整したのち70℃で静置して、1回目の相分離濃縮により含フッ素ポリマー濃度53.8質量%、ノニオン界面活性剤濃度2.7質量%の精製エマルションHを得た。
上記精製エマルションHに、含フッ素ポリマーに対するノニオン界面活性剤の割合及び含フッ素ポリマーに対する純水の割合が上記1回目の相分離濃縮を行う前のものと同じになるようにノニオン界面活性剤と純水とを添加し、更にアンモニア水を添加してpHを10〜11に調整したのち70℃で静置して、2回目の相分離濃縮により含フッ素ポリマー濃度52.6質量%、ノニオン界面活性剤濃度2.8質量%の精製エマルションを得た。
実験例1と同様の手順で、得られた精製エマルション中の含フッ素界面活性剤濃度を求めた。結果を表2に示す。
実験例12
実験例11で得られた精製エマルションHに、ノニオン界面活性剤が含フッ素ポリマー100質量部あたり14.7質量部となるようにノニオン界面活性剤を添加し、更にアンモニア水を添加してpHを10〜11に調整した。次いで、電気濃縮により含フッ素ポリマー濃度50.4質量%、ノニオン界面活性剤濃度2.9質量%の精製エマルションIを得た。
実験例1と同様の手順で、精製エマルションIの含フッ素界面活性剤濃度を求めた。結果を表2に示す。
実験例13
実験例11で得られた精製エマルションHに、ノニオン界面活性剤が含フッ素ポリマー100質量部あたり14.7質量部となるようにノニオン界面活性剤を添加し、更にアンモニア水を添加してpHを10〜11に調整した。次いで、イオン交換濃縮により含フッ素ポリマー濃度48.9質量%、ノニオン界面活性剤濃度2.3質量%の精製エマルションを得た。
実験例1と同様の手順で、精製エマルション中の含フッ素界面活性剤濃度を求めた。結果を表2に示す。
実験例14
実験例12で得られた精製エマルションIに、ノニオン界面活性剤が含フッ素ポリマー100質量部あたり14.7質量部となるようにノニオン界面活性剤を添加し、更にアンモニア水を添加してpHを10〜11に調整した。次いで、イオン交換濃縮により含フッ素ポリマー濃度51.1質量%、ノニオン界面活性剤濃度2.8質量%の精製エマルションを得た。
実験例1と同様の手順で、得られた精製エマルション中の含フッ素界面活性剤濃度を求めた。結果を表2に示す。
比較例7
製造例2で得られた含フッ素ポリマー水性エマルション600gに、ノニオン界面活性剤を13g添加し、更にアンモニア水を添加してpHを10〜11に調整したのち、ポアサイズ0.2μmのセラミック製精密濾過膜の膜面に平行に流して濾過し、含フッ素ポリマー濃度48.4質量%、ノニオン界面活性剤濃度6.5質量%のエマルションJを得た。
実験例1と同様の手順で、エマルションJ中の含フッ素界面活性剤濃度を求めた。結果を表2に示す。
比較例8
比較例7で得られたエマルションJに、含フッ素ポリマーに対するノニオン界面活性剤の割合及び含フッ素ポリマーに対する純水の割合が比較例7の膜分離濃縮を行う前のものと同じになるようにノニオン界面活性剤と純水とを添加し、比較例7と同様の手順で精密濾過膜を用いて濾過し、含フッ素ポリマー濃度49.0質量%、ノニオン界面活性剤濃度5.1質量%のエマルションを得た。
実験例1と同様の手順で、得られたエマルション中の含フッ素界面活性剤濃度を求めた。結果を表2に示す。
実験例15
製造例3で得られた含フッ素ポリマー水性エマルション600gに、ノニオン界面活性剤を22g添加し、更にアンモニア水を添加してpHを10〜11に調整したのち70℃で静置して、相分離濃縮により含フッ素ポリマー濃度65.2質量%、ノニオン濃度2.5質量%の精製エマルションKを得た。
実験例1と同様の手順で、精製エマルションK中の含フッ素界面活性剤濃度を求めた。結果を表2に示す。
実験例16
製造例3で得られた含フッ素ポリマー水性エマルション600gに、ノニオン界面活性剤を22g添加し、更にアンモニア水を添加してpHを10〜11に調整したのち70℃で静置して、1回目の相分離濃縮により含フッ素ポリマー濃度65.2質最%、ノニオン濃度2.5質量%の精製エマルションKを得た。
上記精製エマルションKに、含フッ素ポリマーに対するノニオン界面活性剤の割合及び含フッ素ポリマーに対する純水の割合が上記1回目の相分離濃縮を行う前のものと同じになるようにノニオン界面活性剤と純水とを添加し、更にアンモニア水を添加してpHを10〜11に調整し、70℃に静置して、2回目の相分離濃縮により含フッ素ポリマー濃度65.6質量%、ノニオン界面活性剤濃度2.6質量%の精製エマルションを得た。
実験例1と同様の手順で、得られた精製エマルション中の含フッ素界面活性剤濃度を求めた。結果を表2に示す。
実験例17
実験例16で得られた精製エマルションKに、ノニオン界面活性剤が含フッ素ポリマー100質量部あたり12.2質量部となるようにノニオン界面活性剤を添加し、更にアンモニア水を添加してpHを10〜11に調整した。次いで、電気濃縮により含フッ素ポリマー濃度61.4質量%、ノニオン界面活性剤濃度2.8質量%の精製エマルションLを得た。
実験例1と同様の手順で、精製エマルションL中の含フッ素界面活性剤濃度を求めた。結果を表2に示す。
実験例18
実験例16で得られた精製エマルションKに、ノニオン界面活性剤が含フッ素ポリマー100質量部あたり12.2質量部となるようにノニオン界面活性剤を添加し、更にアンモニア水を添加してpHを10〜11に調整した。次いで、イオン交換濃縮により含フッ素ポリマー濃度60.3質量%、ノニオン界面活性剤濃度2.1質量%の精製エマルションを得た。
実験例1と同様の手順で、得られた精製エマルション中の含フッ素界面活性剤濃度を求めた。結果を表2に示す。
実験例19
実験例17で得られた精製エマルションLに、ノニオン界面活性剤が含フッ素ポリマー100質量部あたり12.2質量部となるようにノニオン界面活性剤を添加し、更にアンモニア水を添加してpHを10〜11に調整した。次いで、イオン交換濃縮により含フッ素ポリマー濃度61.5質量%、ノニオン界面活性剤濃度3.0質量%の精製エマルションを得た。
実験例1と同様の手順で、得られた精製エマルション中の含フッ素界面活性剤濃度を求めた。結果を表2に示す。
比較例9
製造例3で得られた含フッ素ポリマー水性エマルション600gに、ノニオン界面活性剤を13g添加し、更にアンモニア水を添加してpHを10〜11に調整したのちポアサイズ0.2μmのセラミック製精密濾過膜の膜面に平行に流して濾過し、含フッ素ポリマー濃度61.2質量%、ノニオン界面活性剤濃度4.0質量%のエマルションMを得た。
実験例1と同様の手順で、エマルションM中の含フッ素界面活性剤濃度を求めた。結果を表2に示す。
比較例10
比較例9で得られたエマルションMに、含フッ素ポリマーに対するノニオン界面活性剤の割合及び含フッ素ポリマーに対する純水の割合が比較例9の膜分離濃縮を行う前のものと同じになるようにノニオン界面活性剤と純水とを添加し、比較例9と同様の手順で精密濾過膜を用いて濾過し、含フッ素ポリマー濃度60.3質量%、ノニオン界面活性剤濃度4.3質量%のエマルションを得た。
実験例1と同様の手順で、得られたエマルション中の含フッ素界面活性剤濃度を求めた。結果を表2に示す。
実験例20
製造例4で得られた含フッ素ポリマー水性エマルション600gに、ノニオン界面活性剤を12g添加し、更にアンモニア水を添加してpHを10〜11に調整したのち70℃で静置して、相分離濃縮により含フッ素ポリマー濃度59.0質量%、ノニオン界面活性剤濃度5.0質量%の精製エマルションNを得た。
実験例1と同様の手順で、精製エマルションN中の含フッ素界面活性剤濃度を求めた。結果を表3に示す。
実験例21
製造例4で得られた含フッ素ポリマー水性エマルション600gに、ノニオン界面活性剤を12g添加し、更にアンモニア水を添加してpHを10〜11に調整したのち70℃で静置して、1回目の相分離濃縮により含フッ素ポリマー濃度59.0質量%、ノニオン界面活性剤濃度5.0質量%の精製エマルションNを得た。
上記精製エマルションNに、含フッ素ポリマーに対するノニオン界面活性剤の割合及び含フッ素ポリマーに対する純水の割合が上記1回目の相分離濃縮を行う前のものと同じになるようにノニオン界面活性剤と純水とを添加し、更にアンモニア水を添加してpHを10〜11に調整したのち70℃で静置して、2回目の相分離濃縮により含フッ素ポリマー濃度59.1質量%、ノニオン界面活性剤濃度5.1質量%の精製エマルションを得た。
実験例1と同様の手順で、得られた精製エマルション中の含フッ素界面活性剤濃度を求めた。結果を表3に示す。
実験例22
実験例21で得られた精製エマルションNに、ノニオン界面活性剤が含フッ素ポリマー100質量部あたり11.8質量部となるようにノニオン界面活性剤を添加し、更にアンモニア水を添加してpHを10〜11に調整した。次いで、電気濃縮により含フッ素ポリマー濃度55.1質量%、ノニオン界面活性剤濃度5.0質量%の精製エマルションOを得た。
実験例1と同様の手順で、精製エマルションO中の含フッ素界面活性剤濃度を求めた。結果を表3に示す。
実験例23
実験例21で得られた精製エマルションNに、ノニオン界面活性剤が含フッ素ポリマー100質量部あたり11.8質量部となるようにノニオン界面活性剤を添加し、更にアンモニア水を添加してpHを10〜11に調整した。次いで、イオン交換濃縮により含フッ素ポリマー濃度55.0質量%、ノニオン界面活性剤濃度4.9質量%の精製エマルションを得た。
実験例1と同様の手順で、得られた精製エマルション中の含フッ素界面活性剤濃度を求めた。結果を表3に示す。
実験例24
実験例22で得られた精製エマルションOに、ノニオン界面活性剤が含フッ素ポリマー100質量部あたり11.8質量部となるようにノニオン界面活性剤を添加し、更にアンモニア水を添加してpHを10〜11に調整した。次いで、イオン交換濃縮により含フッ素ポリマー濃度56.1質量%、ノニオン界面活性剤濃度4.9質量%の精製エマルションを得た。
実験例1と同様の手順で、得られた精製エマルション中の含フッ素界面活性剤濃度を求めた。結果を表3に示す。
比較例11
製造例4で得られた含フッ素ポリマー水性エマルション600gに、ノニオン界面活性剤を7g添加し、更にアンモニア水を添加してpHを10〜11に調整したのちポアサイズ0.2μmのセラミック製精密濾過膜の膜面に平行に流して濾過し、含フッ素ポリマー濃度51.0質量%、ノニオン界面活性剤濃度5.2質量%のエマルションPを得た。
実験例1と同様の手順で、エマルションP中の含フッ素界面活性剤濃度を求めた。結果を表3に示す。
比較例12
比較例11で得られたエマルションPに、含フッ素ポリマーに対するノニオン界面活性剤の割合及び含フッ素ポリマーに対する純水の割合が比較例11の膜分離濃縮を行う前のものと同じになるようにノニオン界面活性剤と純水とを添加し、更にアンモニア水を添加してpHを10〜11に調整したのちポアサイズ0.2μmのセラミック製精密濾過膜の膜面に平行に流して濾過し、含フッ素ポリマー濃度51.1質量%、ノニオン界面活性剤濃度5.1質量%のエマルションを得た。
実験例1と同様の手順で、得られたエマルション中の含フッ素界面活性剤濃度を求めた。結果を表3に示す。
実験例25
製造例5で得られた含フッ素ポリマー水性エマルション600gに、ノニオン界面活性剤を22g添加し、更にアンモニア水を添加してpHを10〜11に調整したのち70℃で静置して、相分離濃縮により含フッ素ポリマー濃度66.6質量%、ノニオン界面活性剤濃度2.2質量%の精製エマルションQを得た。
実験例1と同様の手順で、精製エマルションQ中の含フッ素界面活性剤濃度を求めた。結果を表3に示す。
実験例26
製造例5で得られた含フッ素ポリマー水性エマルション600gに、ノニオン界面活性剤を22g添加し、更にアンモニア水を添加してpHを10〜11に調整したのち70℃で静置して、1回目の相分離濃縮により含フッ素ポリマー濃度66.6質量%、ノニオン界面活性剤濃度2.2質量%の精製エマルションQを得た。
上記精製エマルションQに、含フッ素ポリマーに対するノニオン界面活性剤の割合及び含フッ素ポリマーに対する純水の割合が上記1回目の相分離濃縮を行う前のものと同じになるようにノニオン界面活性剤と純水とを添加し、更にアンモニア水を添加してpHを10〜11に調整し、70℃で静置して、2回目の相分離濃縮により含フッ素ポリマー濃度65.9質量%、ノニオン界面活性剤濃度2.2質量%の精製エマルションを得た。
実験例1と同様の手順で、得られた精製エマルション中の含フッ素界面活性剤濃度を求めた。結果を表3に示す。
実験例27
実験例26で得られた精製エマルションQに、ノニオン界面活性剤が含フッ素ポリマー100質量部あたり12.2質量部となるようにノニオン界面活性剤を添加し、更にアンモニア水を添加してpHを10〜11に調整した。次いで、電気濃縮により含フッ素ポリマー濃度63.4質量%、ノニオン界面活性剤濃度2.6質量%の精製エマルションRを得た。
実験例1と同様の手順で、精製エマルションR中の含フッ素界面活性剤濃度を求めた。結果を表3に示す。
実験例28
実験例26で得られた精製エマルションQに、ノニオン界面活性剤が含フッ素ポリマー100質量部あたり12.2質量部となるようにノニオン界面活性剤を添加し、更にアンモニア水を添加してpHを10〜11に調整した。次いで、イオン交換濃縮により含フッ素ポリマー濃度63.2質量%、ノニオン界面活性剤濃度2.9質量%の精製エマルションを得た。
実験例1と同様の手順で、得られた精製エマルション中の含フッ素界面活性剤濃度を求めた。結果を表3に示す。
実験例29
実験例27で得られた精製エマルションRに、ノニオン界面活性剤が含フッ素ポリマー100質量部あたり12.2質量部となるようにノニオン界面活性剤を添加し、更にアンモニア水を添加してpHを10〜11に調整した。次いで、イオン交換濃縮により含フッ素ポリマー濃度61.9質量%、ノニオン界面活性剤濃度2.3質量%の精製エマルションを得た。
実験例1と同様の手順で、得られた精製エマルション中の含フッ素界面活性剤濃度を求めた。結果を表3に示す。
比較例13
製造例5で得られた含フッ素ポリマー水性エマルション600gに、ノニオン界面活性剤を13g添加し、更にアンモニア水を添加してpHを10〜11に調整したのちポアサイズ0.2μmのセラミック製精密濾過膜の膜面に平行に流して濾過し、含フッ素ポリマー濃度62.8質量%、ノニオン界面活性剤濃度4.7質量%のエマルションSを得た。
実験例1と同様の手順で、エマルションS中の含フッ素界面活性剤濃度を求めた。結果を表3に示す。
比較例14
比較例13で得られたエマルションSに、含フッ素ポリマーに対するノニオン界面活性剤の割合及び含フッ素ポリマーに対する純水の割合が比較例13の膜分離濃縮を行う前のものと同じになるようにノニオン界面活性剤と純水とを添加し、更にアンモニア水を添加してpHを10〜11に調整したのちポアサイズ0.2μmのセラミック製精密濾過膜の膜面に平行に流して濾過し、含フッ素ポリマー濃度63.1質量%、ノニオン界面活性剤濃度4.4質量%のエマルションを得た。
実験例1と同様の手順で、得られたエマルション中の含フッ素界面活性剤濃度を求めた。結果を表3に示す。
各表において、「ノニオン界面活性剤/含フッ素界面活性剤」は、最終回の分離濃縮工程を行う直前における希釈エマルション中のノニオン界面活性剤と含フッ素界面活性剤との含有量比を表す。
表1〜3から明らかなように、相分離濃縮を2回以上行うことより得られた精製エマルションは、相分離濃縮を1回行うことより得られた含フッ素ポリマーの精製エマルションに比べて、含フッ素界面活性剤の残存量がより低減していた。
相分離濃縮と、電気濃縮及び/又はイオン交換濃縮とを行うことより得られた精製エマルションは、膜分離濃縮を行うことより得られた含フッ素ポリマーのエマルションに比べて、含フッ素界面活性剤の残存量がより低減していた。
膜分離濃縮を行うことより得られた含フッ素ポリマーのエマルションは、相分離濃縮を行うことより得られた精製エマルションに比べて、含フッ素界面活性剤の残存量が多く、また、得られた含フッ素ポリマーのエマルション中の含フッ素ポリマーの濃度が低い場合があった。
上記「ノニオン界面活性剤/含フッ素界面活性剤」が60以上である実験例では、得られる精製エマルション中の含フッ素界面活性剤濃度が、300ppm以下であった。
実験例30
製造例1で得られた含フッ素ポリマー水性エマルション600gに、ノニオン界面活性剤を44g添加し、更にアンモニア水を添加してpHを10〜11に調整したのち70℃で静置して、相分離濃縮により含フッ素ポリマー濃度66.6質量%、ノニオン界面活性剤濃度2.6質量%の精製エマルションを得た。
実験例1と同様の手順で、得られた精製エマルション中の含フッ素界面活性剤濃度を求めた。結果を表4に示す。
実験例31
製造例1で得られた含フッ素ポリマー水性エマルション600gに、ノニオン界面活性剤を66g添加し、更にアンモニア水を添加してpHを10〜11に調整したのち70℃で静置して、相分離濃縮により含フッ素ポリマー濃度71.4質量%、ノニオン界面活性剤濃度2.4質量%の精製エマルションを得た。
実験例1と同様の手順で、得られた精製エマルション中の含フッ素界面活性剤濃度を求めた。結果を表4に示す。
実験例32
製造例1で得られた含フッ素ポリマー水性エマルション300gに、純水250gとノニオン界面活性剤22gとを添加し、更にアンモニア水を添加してpHを10〜11に調整したのち70℃で静置して、相分離濃縮により含フッ素ポリマー濃度68.3質量%、ノニオン界面活性剤濃度2.0質量%の精製エマルションを得た。
実験例1と同様の手順で、得られた精製エマルション中の含フッ素界面活性剤濃度を求めた。結果を表4に示す。
実験例33
製造例1で得られた含フッ素ポリマー水性エマルション600gに、ノニオン界面活性剤を5g添加し、更にアンモニア水を添加してpHを10〜11に調整したのち70℃で静置して、相分離濃縮を試みたが、相分離できなかった。
実験例34
製造例1で得られた含フッ素ポリマー水性エマルション600gに、ノニオン界面活性剤を75g添加し、更にアンモニア水を添加してpHを10〜11に調整したのち70℃で静置して、相分離濃縮により含フッ素ポリマー濃度67.8質量%、ノニオン界面活性剤濃度3.0質量%の精製エマルションを得た。
実験例1と同様の手順で、得られた精製エマルション中の含フッ素界面活性剤濃度を求めた。結果を表4に示す。
実験例35
製造例1で得られた含フッ素ポリマー水性エマルション600gに、ノニオン界面活性剤を85g添加し、更にアンモニア水を添加してpHを10〜11に調整したのち70℃で静置して、相分離濃縮により含フッ素ポリマー濃度67.2質量%、ノニオン界面活性剤濃度3.5質量%の精製エマルションを得た。
実験例1と同様の手順で、得られた精製エマルション中の含フッ素界面活性剤濃度を求めた。結果を表4に示す。
実験例36
製造例2で得られた含フッ素ポリマー水性エマルション600gに、ノニオン界面活性剤を55g添加し、更にアンモニア水を添加してpHを10〜11に調整したのち70℃で静置して、相分離濃縮により含フッ素ポリマー濃度55.8質量%、ノニオン界面活性剤濃度3.2質量%の精製エマルションを得た。
実験例1と同様の手順で、得られた精製エマルション中の含フッ素界面活性剤濃度を求めた。結果を表4に示す。
実験例37
製造例2で得られた含フッ素ポリマー水性エマルション600gに、ノニオン界面活性剤を5g添加し、更にアンモニア水を添加してpHを10〜11に調整したのち70℃で静置して、相分離濃縮を試みたが、相分離できなかった。
実験例38
製造例2で得られた含フッ素ポリマー水性エマルション600gに、ノニオン界面活性剤を66g添加し、更にアンモニア水を添加してpHを10〜11に調整したのち70℃で静置して、相分離濃縮により含フッ素ポリマー濃度55.2質量%、ノニオン界面活性剤濃度3.7質量%の精製エマルションを得た。
実験例1と同様の手順で、得られた精製エマルション中の含フッ素界面活性剤濃度を求めた。結果を表4に示す。
実験例39
製造例2で得られた含フッ素ポリマー水性エマルション600gに、ノニオン界面活性剤を70g添加し、更にアンモニア水を添加してpHを10〜11に調整したのち70℃で静置して、相分離濃縮により含フッ素ポリマー濃度54.9質量%、ノニオン界面活性剤濃度4.0質量%の精製エマルションを得た。
実験例1と同様の手順で、得られた精製エマルション中の含フッ素界面活性剤濃度を求めた。結果を表4に示す。
実験例40
製造例3で得られた含フッ素ポリマー水性エマルション600gに、ノニオン界面活性剤を66g添加し、更にアンモニア水を添加してpHを10〜11に調整したのち70℃で静置して、相分離濃縮により含フッ素ポリマー濃度65.4質量%、ノニオン界面活性剤濃度2.9質量%の精製エマルションを得た。
実験例1と同様の手順で、得られた精製エマルション中の含フッ素界面活性剤濃度を求めた。結果を表4に示す。
実験例41
製造例3で得られた含フッ素ポリマー水性エマルション600gに、ノニオン界面活性剤を5g添加し、更にアンモニア水を添加してpHを10〜11に調整したのち70℃で静置して、相分離濃縮を試みたが、相分離できなかった。
実験例42
製造例3で得られた含フッ素ポリマー水性エマルション600gに、ノニオン界面活性剤を75g添加し、更にアンモニア水を添加してpHを10〜11に調整したのち70℃で静置して、相分離濃縮により含フッ素ポリマー濃度65.7質量%、ノニオン界面活性剤濃度3.3質量%の精製エマルションを得た。
実験例1と同様の手順で、得られた精製エマルション中の含フッ素界面活性剤濃度を求めた。結果を表4に示す。
実験例43
製造例3で得られた含フッ素ポリマー水性エマルション600gに、ノニオン界面活性剤を85g添加し、更にアンモニア水を添加してpHを10〜11に調整したのち70℃で静置して、相分離濃縮により含フッ素ポリマー濃度64.5質量%、ノニオン界面活性剤濃度3.7質量%の精製エマルションを得た。
実験例1と同様の手順で、得られた精製エマルション中の含フッ素界面活性剤濃度を求めた。結果を表4に示す。
実験例44
製造例4で得られた含フッ素ポリマー水性エマルション600gに、ノニオン界面活性剤を40g添加し、更にアンモニア水を添加してpHを10〜11に調整したのち70℃で静置して、相分離濃縮により含フッ素ポリマー濃度59.0質量%、ノニオン界面活性剤濃度5.1質量%の精製エマルションを得た。
実験例1と同様の手順で、得られた精製エマルション中の含フッ素界面活性剤濃度を求めた。結果を表4に示す。
実験例45
製造例4で得られた含フッ素ポリマー水性エマルション600gに、ノニオン界面活性剤を2.9g添加し、更にアンモニア水を添加してpHを10〜11に調整したのち70℃で静置して、相分離濃縮を試みたが、相分離できなかった。
実験例46
製造例5で得られた含フッ素ポリマー水性エマルション600gに、ノニオン界面活性剤を66g添加し、更にアンモニア水を添加してpHを10〜11に調整したのち70℃で静置して、相分離濃縮により含フッ素ポリマー濃度68.1質量%、ノニオン界面活性剤濃度2.5質量%の精製エマルションを得た。
実験例1と同様の手順で、得られた精製エマルション中の含フッ素界面活性剤濃度を求めた。結果を表4に示す。
実験例47
製造例5で得られた含フッ素ポリマー水性エマルション600gに、ノニオン界面活性剤を5g添加し、更にアンモニア水を添加してpHを10〜11に調整したのち70℃で静置して、相分離濃縮を試みたが、相分離できなかった。
実験例48
製造例5で得られた含フッ素ポリマー水性エマルション600gに、ノニオン界面活性剤を75g添加し、更にアンモニア水を添加してpHを10〜11に調整したのち70℃で静置して、相分離濃縮により含フッ素ポリマー濃度67.3質量%、ノニオン界面活性剤濃度3.4質量%の精製エマルションを得た。
実験例1と同様の手順で、得られた精製エマルション中の含フッ素界面活性剤濃度を求めた。結果を表4に示す。
実験例49
製造例5で得られた含フッ素ポリマー水性エマルション600gに、ノニオン界面活性剤を85g添加し、更にアンモニア水を添加してpHを10〜11に調整したのち70℃で静置して、相分離濃縮により含フッ素ポリマー濃度66.8質量%、ノニオン界面活性剤濃度3.9質量%の精製エマルションを得た。
実験例1と同様の手順で、得られた精製エマルション中の含フッ素界面活性剤濃度を求めた。結果を表4に示す。
実験例50
製造例6で得られた含フッ素ポリマー水性エマルション600gに、ノニオン界面活性剤を22g添加し、更にアンモニア水を添加してpHを10〜11に調整したのち70℃で静置して、相分離濃縮により含フッ素ポリマー濃度69.7質量%、ノニオン界面活性剤濃度2.0質量%の精製エマルションを得た。
実験例1と同様の手順で、得られた精製エマルション中の含フッ素界面活性剤濃度を求めた。結果を表4に示す。
表4において、「高圧重合TFEホモポリマー」は、製造例6で重合して得られたTFEホモポリマーを表す。
表4の結果から明らかなように、含フッ素ポリマー100質量部あたり20〜40質量部のノニオン界面活性剤の存在下で相分離濃縮を行うことより得られた精製エマルションは、相分離濃縮が1回のみであっても含フッ素界面活性剤の量を充分に低減することができた。これに対して、含フッ素ポリマー100質量部あたり20質量部未満のノニオン界面活性剤の存在下で相分離濃縮を行っても、精製エマルションを得ることができなかった。
重合圧力を高くして重合する方法により得られた含フッ素ポリマー水性エマルションを相分離濃縮することより得られた精製エマルションは、重合時の含フッ素界面活性剤の仕込量が少なく、相分離濃縮を1回のみ行うことによっても含フッ素界面活性剤の量を低減することができた。
実験例34及び実験例35、実験例38及び実験例39、実験例42及び実験例43、並びに、実験例48及び実験例49を、それぞれ比較したところ、含フッ素ポリマー100質量部あたりノニオン界面活性剤を、45質量部以下の量で添加した場合でも、45質量部を超える量で添加した場合と同等に含フッ素界面活性剤を効果的に除去することができることが分かった。
Claims (14)
- 含フッ素ポリマー水性エマルションを特定の濃縮方法により精製することよりなる含フッ素ポリマー水性エマルション精製方法であって、
前記含フッ素ポリマー水性エマルションは、含フッ素ポリマー及び含フッ素界面活性剤からなるものであり、
前記特定の濃縮方法は、相分離濃縮、電気濃縮及び/又はイオン交換濃縮であり、
前記相分離濃縮、電気濃縮及び/又はイオン交換濃縮は、前記含フッ素界面活性剤を除去するために行うものである
ことを特徴とする含フッ素ポリマー水性エマルション精製方法。 - 相分離濃縮、電気濃縮及び/又はイオン交換濃縮は、含フッ素界面活性剤100質量部あたりノニオン界面活性剤6000質量部以上の存在下に行うものである請求の範囲第1項記載の含フッ素ポリマー水性エマルション精製方法。
- 特定の濃縮方法は、相分離濃縮であり、
前記相分離濃縮は、含フッ素ポリマー100質量部あたりノニオン界面活性剤20〜45質量部の存在下に加熱することにより水相と濃縮相とに分離させたのち前記水相を除去して前記濃縮相を得ることよりなる分離除去工程を有するものであり、
前記相分離濃縮は、1回行うものである請求の範囲第1又は2項記載の含フッ素ポリマー水性エマルション精製方法。 - 特定の濃縮方法は、相分離濃縮であり、
前記相分離濃縮は、含フッ素ポリマー100質量部あたりノニオン界面活性剤3〜40質量部の存在下に加熱することにより水相と濃縮相とに分離させたのち前記水相を除去して前記濃縮相を得ることよりなる分離除去工程を有するものであり、
前記相分離濃縮は、2回以上行うものであり、
前記相分離濃縮は、N回目(Nは、2以上の整数。)において、更に、前記分離除去工程に先立ち、(N−1)回目(Nは、前記と同じ。)の相分離濃縮における分離除去工程により得た濃縮相に対して水添加を行うことにより希釈エマルションを得ることよりなる水添加工程を有するものである請求の範囲第1又は2項記載の含フッ素ポリマー水性エマルション精製方法。 - 特定の濃縮方法は、相分離濃縮と、電気濃縮及び/又はイオン交換濃縮とである請求の範囲第1又は2項記載の含フッ素ポリマー水性エマルション精製方法。
- 特定の濃縮方法は、電気濃縮であり、
前記電気濃縮は、2回以上行うものである請求の範囲第1又は2項記載の含フッ素ポリマー水性エマルション精製方法。 - 特定の濃縮方法は、イオン交換濃縮であり、
前記イオン交換濃縮は、2回以上行うものである請求の範囲第1又は2項記載の含フッ素ポリマー水性エマルション精製方法。 - 含フッ素ポリマーは、テトラフルオロエチレンホモポリマー及び/又は変性ポリテトラフルオロエチレンである請求の範囲第1、2、3、4、5、6又は7項記載の含フッ素ポリマー水性エマルション精製方法。
- 相分離濃縮、電気濃縮及び/又はイオン交換濃縮は、含フッ素界面活性剤100質量部あたりノニオン界面活性剤8000質量部以上の存在下に行うものである請求の範囲第8項記載の含フッ素ポリマー水性エマルション精製方法。
- 精製することにより得られた精製エマルションは、含フッ素界面活性剤を300ppm以下含有するものである請求の範囲第8又は9項記載の含フッ素ポリマー水性エマルション精製方法。
- 含フッ素界面活性剤は、アニオン界面活性剤である請求の範囲第1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10項記載の含フッ素ポリマー水性エマルション精製方法。
- アニオン界面活性剤は、パーフルオロカルボン酸塩又はω−H型フルオロカルボン酸塩である請求の範囲第11項記載の含フッ素ポリマー水性エマルション精製方法。
- 請求の範囲第1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11又は12項記載の含フッ素ポリマー水性エマルション精製方法により得られたものである
ことを特徴とする精製エマルション。 - 請求の範囲第13項記載の精製エマルションを用いて加工することにより得られたものである
ことを特徴とする含フッ素加工品。
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