JP5251013B2 - フッ素樹脂水性分散液の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、フッ素樹脂水性分散液の製造方法に関する。
ポリテトラフルオロエチレンからなるフッ素樹脂水性分散液は、コーティング、含浸等の方法で、化学的安定性、非粘着性、耐候性等に優れた特性を示すフィルムを形成することができるので、調理器具、配管のライニング、ガラスクロス含浸膜等の用途に広く使われてきた。これらの用途において、フッ素樹脂水性分散液は、フッ素樹脂濃度が高いものが好ましいので、一般に、水性媒体中で含フッ素界面活性剤の存在下に含フッ素モノマーを重合したのち濃縮して得られたものが使用されている。しかしながら、含フッ素界面活性剤は、コスト面でフッ素樹脂水性分散液から除去することが望ましい。
フッ素樹脂水性分散液から含フッ素界面活性剤を除去する方法としては、ノニオン界面活性剤及び電解質の存在下で相分離操作を実質的に3回行い、上清を分別して、下相を回収する操作を繰り返す方法が提案されている(例えば、特許文献1及び2参照。)。しかしながら、上記方法は実質的に3回の濃縮操作を必要とするものであった。
特許文献3及び特許文献4には、陰イオン交換樹脂によりパーフルオロオクタン酸アンモニウム〔PFOA〕を低減させた後に非フッ素系のアニオン性界面活性剤をフッ素樹脂の1〜12%の範囲で添加して粘度を低減したフッ素樹脂水性分散液が記載されている。しかしながら、これらの文献では、相分離濃縮について言及されていない。
特開2005−126715号公報 特開2005−171250号公報 米国特許出願公開第2004/186219号明細書 米国特許出願公開第2004/171736号明細書
本発明の目的は、上記現状に鑑み、含フッ素界面活性剤の濃度が低くポリテトラフルオロエチレン濃度が高いフッ素樹脂水性分散液を効率よく製造することができるフッ素樹脂水性分散液の製造方法を提供することにある。
本発明は、水性媒体中にポリテトラフルオロエチレンからなる粒子が分散してなる粗フッ素樹脂水性分散液をイオン交換樹脂による処理と電解質及び/又はフッ素非含有アニオン性界面活性剤の存在下での相分離濃縮とを行うことによりフッ素樹脂水性分散液を得ることを特徴とするフッ素樹脂水性分散液の製造方法である。
本発明は、上述のフッ素樹脂水性分散液の製造方法により得られるフッ素樹脂水性分散液であって、上記フッ素樹脂水性分散液は電解質及びフッ素非含有アニオン性界面活性剤を含むものであることを特徴とするフッ素樹脂水性分散液である。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明のフッ素樹脂水性分散液の製造方法によれば、得られるフッ素樹脂水性分散液における含フッ素界面活性剤をポリテトラフルオロエチレン〔PTFE〕の100ppmに相当する量以下に低減しつつ、PTFE濃度を上記フッ素樹脂水性分散液に対して45〜75質量%という高濃度まで高めることが可能である。従来、含フッ素界面活性剤含有量の低減とフッ素樹脂濃度の高濃度化を両立するためには、繰り返しの濃縮を行う等の煩雑な工程が必要であった。本発明のフッ素樹脂水性分散液の製造方法は、イオン交換樹脂による処理と電解質及び/又はフッ素非含有アニオン性界面活性剤の存在下での相分離濃縮とを行うことにより、両者を両立させたフッ素樹脂水性分散液を効率よく得ることができるものである。
本発明のフッ素樹脂水性分散液の製造方法は、粗フッ素樹脂水性分散液からフッ素樹脂水性分散液を得るものである。
上記粗フッ素樹脂水性分散液水性媒体中は、水性媒体中にPTFEからなる粒子が分散してなるものである。
本明細書において、上記PTFEは、TFE単独重合体のみならず、変性ポリテトラフルオロエチレン[変性PTFE]をも含む概念である。本明細書において、上記「変性PTFE」とは、TFEと、TFE以外の微量単量体との共重合体であって、非溶融加工性であるものを意味する。
上記微量単量体としては、例えば、ヘキサフルオロプロピレン、クロロトリフルオロエチレン等のフルオロオレフィン、炭素原子1〜5個、特に炭素原子1〜3個を有するアルキル基を持つフルオロ(アルキルビニルエーテル);フルオロジオキソール;パーフルオロアルキルエチレン;ω−ヒドロパーフルオロオレフィン等が挙げられる。
変性PTFEにおいて、上記微量単量体に由来する微量単量体単位の全単量体単位に占める含有率は、通常0.001〜2モル%の範囲である。本明細書において、「全単量体単位に占める微量単量体単位の含有率(モル%)」とは、上記「全単量体単位」が由来する単量体、即ち、フルオロポリマーを構成することとなった単量体全量に占める、上記微量単量体単位が由来する微量単量体のモル分率(モル%)を意味する。
上記PTFEからなる粒子の平均一次粒子径は、通常、40〜400nmである。上記平均一次粒子径は、PTFE濃度を0.22質量%に調整した水性分散液の単位長さに対する550nmの投射光の透過率と、透過型電子顕微鏡写真における定方向径を測定して決定された平均一次粒子径との検量線をもとにして、上記透過率から決定するものである。
上記水性媒体は、水を含む液体であれば特に限定されず、水に加え、例えば、アルコール、エーテル、ケトン、パラフィンワックス等のフッ素非含有有機溶媒及び/又はフッ素含有有機溶媒をも含むものであってもよい。
上記粗フッ素樹脂水性分散液は、上述のPTFEの重合後に、例えば、含フッ素界面活性剤低減処理及び/又は濃縮などの後処理を行ったものであってもよいし、重合を行うことにより得られ、濃縮を経ていないもの(いわゆる重合上がりの水性分散液)であってもよい。上記重合上がりの水性分散液に含まれる含フッ素界面活性剤の含有量は、通常、上記PTFEの500〜20000ppmに相当する量である。
上記粗フッ素樹脂水性分散液は、上記PTFEの濃度が、通常、5〜70質量%であり、好ましくは5〜60質量%、より好ましくは10〜40質量%、更に好ましくは15〜35質量%である。
上記PTFE濃度は、試料約1g(X)を直径5cmのアルミカップにとり、100℃、1時間で乾燥し、更に300℃、1時間乾燥した加熱残分(Z)に基づき、式:P=Z/X×100(%)にて決定するものである。
本発明のフッ素樹脂水性分散液の製造方法は、上記粗フッ素樹脂水性分散液をイオン交換樹脂による処理と電解質及び/又はフッ素非含有アニオン性界面活性剤の存在下での相分離濃縮とを行うことによりフッ素樹脂水性分散液を得るものである。
上記イオン交換樹脂による処理は、好ましくは特表2002−532583号公報(国際公開第00/35971号パンフレット)記載の方法にて行うことができ、PFOA等の含フッ素アニオン性界面活性剤の低減を目的とする場合、一般に陰イオン交換樹脂を用いて行う。
上記イオン交換樹脂による処理は、例えば、上記粗フッ素樹脂水性分散液に必要に応じてフッ素非含有ノニオン界面活性剤を加え、予めOH型に調整した強塩基性樹脂からなる陰イオン交換体を、接触させることにより行うことができる。
上記フッ素非含有ノニオン界面活性剤としては、フッ素を含有しないノニオン性の化合物からなるものであれば特に限定されず、公知のものを使用できる。上記ノニオン界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキレンアルキルエーテル等のエーテル型ノニオン界面活性剤;エチレンオキサイド/プロピレンオキサイドブロック共重合体等のポリオキシエチレン誘導体;ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル等のエステル型ノニオン界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルキルアルカノールアミド等のアミン系ノニオン界面活性剤;等が挙げられる。
上記フッ素非含有ノニオン界面活性剤を構成する化合物において、その疎水基は、アルキルフェノール基、直鎖アルキル基及び分岐アルキル基の何れであってもよいが、アルキルフェノール基を構造中に有しない化合物等、ベンゼン環を有さないものであることが好ましい。
上記フッ素非含有ノニオン界面活性剤としては、なかでも、ポリオキシエチレンアルキルエーテル型ノニオン界面活性剤が好ましい。上記ポリオキシエチレンアルキルエーテル型ノニオン界面活性剤としては、炭素数10〜20のアルキル基を有するポリオキシエチレンアルキルエーテル構造からなるものが好ましく、炭素数10〜15のアルキル基を有するポリオキシエチレンアルキルエーテル構造からなるものがより好ましい。上記ポリオキシエチレンアルキルエーテル構造におけるアルキル基は、分岐構造を有していることが好ましい。
上記ポリオキシエチレンアルキルエーテル型ノニオン界面活性剤としては、例えば、Genapol X080(製品名、クラリアント社製)、タージトール9−S−15(製品名、クラリアント社製)、ノイゲンTDS−80(製品名、第一工業製薬社製)、レオコールTD90(製品名、ライオン社製)等が挙げられる。
上記イオン交換樹脂による処理を上記フッ素非含有ノニオン界面活性剤を添加して行う場合、その濃度は、上記PTFEに対して1〜40質量%に相当する量であることが好ましく、1〜30質量%に相当する量であることがより好ましく、1〜20質量%に相当する量であることが更に好ましい。
本明細書において、上記フッ素非含有ノニオン界面活性剤の濃度(N)は、試料約1g(Xg)を直径5cmのアルミカップにとり、100℃にて1時間で加熱した加熱残分(Yg)、更に、得られた加熱残分(Yg)を300℃にて1時間加熱した加熱残分(Zg)より、式:N=[(Y−Z)/Z]×100(%)から算出するものである。
上記相分離濃縮は、上記粗フッ素樹脂水性分散液に上記フッ素非含有ノニオン界面活性剤を必要に応じて添加して後述の濃度にした後、該粗フッ素樹脂水性分散液を加熱することによりPTFE非含有相(上澄相)とPTFE含有相(濃縮相)とに分離させ、上記PTFE非含有相を除去して上記PTFE含有相を得ることにより行うことができる。
上記PTFE非含有相とPTFE含有相との分離は、加えたフッ素非含有ノニオン界面活性剤の曇点の±15℃で行うことが好ましく、±10℃の範囲で行うことがより好ましい。
上記曇点とは、フッ素非含有ノニオン界面活性剤水溶液を加熱していくと該水溶液に曇りが生じ白濁液となるが、該白濁液を徐々に冷却した際に液全体が透明となる温度を意味する。本明細書において、上記曇点は、ISO1065(Method A)に従い、測定希釈試料15mlを試験管に入れ、完全に不透明になるまで加熱させた後に、攪拌しながら徐々に冷却させた際に液全体が透明となる温度として測定した値である。
上記PTFE非含有相を除去する方法としては、特に限定されず、デカンテーション等、従来公知の方法にて行うことができる。
上記相分離濃縮は、電解質及び/又はフッ素非含有アニオン性界面活性剤の存在下で行うものである。本発明のフッ素樹脂水性分散液の製造方法は、相分離濃縮において上記電解質及び/又はフッ素非含有アニオン性界面活性剤を存在させることにより、フッ素含有界面活性剤の含有量が極めて低い場合であっても水性分散液の効率のよい濃縮を可能としたものである。
上記相分離濃縮におけるpHは、特に限定されず、好ましくは4〜11、より好ましくは9〜10の範囲で行うことができる。
上記相分離濃縮は、PTFEの10〜10000ppmに相当する量の電解質及び/又はPTFEの10〜10000ppmに相当する量のフッ素非含有アニオン性界面活性剤の存在下で行うことが好ましい。上記電解質及び/又はフッ素非含有アニオン性界面活性剤が上記範囲未満であると、相分離濃縮が困難となることがあり、上記範囲を超えると、経済性が損なわれることがある。また、上記相分離濃縮は、電解質及びフッ素非含有アニオン性界面活性剤の存在下で行うことが、効率の観点から好ましい。
上記相分離濃縮における電解質は、100ppmに相当する量以上、5000ppmに相当する量以下であることがより好ましい。上記相分離濃縮におけるフッ素非含有アニオン性界面活性剤は、100ppmに相当する量以上、5000ppmに相当する量以下であることがより好ましい。
上記電解質としては特に限定されず、例えば、硫酸、コハク酸、炭酸及びそれらの塩等が挙げられ、なかでも、硫酸アンモニウムが好ましい。
本明細書において、フッ素非含有アニオン性界面活性剤は、乳化作用を示すものである。上記フッ素非含有アニオン性界面活性剤は、上記作用を有する点で、上述の電解質と異なる概念である。
上記フッ素非含有アニオン性界面活性剤としては、その0.1質量%水溶液の表面張力が、例えば60mN/m以下、好ましくは50mN/m以下である化合物が挙げられる。
上記フッ素非含有アニオン性界面活性剤としては、上記表面張力を有していれば特に限定されないが、ラウリル硫酸等のアルキル硫酸、ドデシルベンゼンスルホン酸等のアルキルアリールスルホン酸、スルホコハク酸アルキルエステル及びそれらの塩等が挙げられる。上記フッ素非含有アニオン性界面活性剤は、これら化合物を1種又は2種以上組み合わせてなるものであってもよい。
上記表面張力は、25℃においてウィルヘルミー法で測定した値である。
上記スルホコハク酸アルキルエステル若しくはその塩は、モノエステルであってもよいが、ジエステルであることが好ましい。
上記スルホコハク酸アルキルエステル若しくはその塩としては、例えば、下記一般式(I)
−OCOCH(SOA)CHCOO−R (I)
(式中、R及びRは、同一又は異なって、炭素数4〜12のアルキル基を表し、Aは、アルカリ金属、アルカリ土類金属又はNHを表す。)で表されるスルホコハク酸アルキルエステル又はその塩等が挙げられる。
上記一般式(I)におけるR及びRとしては、例えば、n−ブチル、iso−ブチル、sec−ブチル、n−ペンチル、iso−ペンチル、ネオペンチル、tert−ペンチル、n−ヘキシル、iso−ヘキシル、tert−ヘキシル、n−ヘプチル、iso−ヘプチル、tert−ヘプチル、n−オクチル、iso−オクチル、tert−オクチル、n−ノニル、iso−ノニル、tert−ノニル、n−デシル、2−エチルヘキシル等の直鎖又は分岐のアルキル基が挙げられる。
上記一般式(I)におけるAとしては、例えば、Na、NH等が好ましい。上記スルホコハク酸アルキルエステルとしては、例えば、ジ−n−オクチルスルホコハク酸エステル、ジ−2−エチルヘキシルスルホコハク酸エステル等が挙げられる。
上記フッ素非含有アニオン性界面活性剤は、表面張力が上記範囲内にあれば、酸基を有するものであってもよい。
上記酸基としては、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基及びそれらの塩よりなる群から選択されるものが好ましく、中でも、カルボキシル基及びスルホン酸基並びにそれらの塩よりなる群から選択されるものが好ましい。
本発明において、上記フッ素非含有アニオン性界面活性剤は、上記酸基に加え、更に、炭素数2〜4のオキシアルキレン基を有するポリオキシアルキレン基、アミノ基等、その他の基を有するものであってもよい。本界面活性剤において、上記アミノ基はプロトン化していないものである。
上記フッ素非含有アニオン性界面活性剤としては、炭化水素を主鎖として有するアニオン炭化水素界面活性剤が好ましい。上記炭化水素としては、例えば、炭素数6〜40、好ましくは炭素数8〜20の飽和又は不飽和の脂肪族鎖を有するものが挙げられる。上記飽和又は不飽和の脂肪族鎖は、直鎖又は分岐鎖の何れであってもよく、環状構造を有するものであってもよい。上記炭化水素は、芳香族性であってもよいし、芳香族基を有するものであってもよい。上記炭化水素は、酸素、窒素、硫黄等のヘテロ原子を有するものであってもよい。
上記フッ素非含有アニオン性界面活性剤としては、ラウリルスルホン酸等のアルキルスルホン酸及びその塩;アルキルアリールサルフェート及びそれらの塩;ラウリン酸等の脂肪族(カルボン)酸及びその塩;リン酸アルキルエステル、リン酸アルキルアリールエステル又はそれらの塩;等が挙げられるが、中でも、スルホン酸及びカルボン酸並びにそれらの塩よりなる群から選択されるものが好ましく、脂肪族カルボン酸又はその塩が好ましい。上記脂肪族カルボン酸又はその塩としては、例えば、末端Hを−OHで置換したものであってもよい炭素数9〜13の飽和若しくは不飽和脂肪族カルボン酸又はその塩が好ましく、該脂肪族カルボン酸としては、モノカルボン酸が好ましく、モノカルボン酸としては、デカン酸、ウンデカン酸、ウンデセン酸、ラウリン酸、ハイドロキシドデカン酸が好ましい。
上記フッ素非含有アニオン性界面活性剤としては、スルホコハク酸アルキルエステル若しくはその塩であることが好ましく、ジオクチルスルホコハク酸、ラウリル硫酸若しくはそれらの塩であることがより好ましく、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウムであることが更に好ましい。
本発明における相分離濃縮は、粗フッ素樹脂水性分散液に、上記電解質及び/又はフッ素非含有アニオン性界面活性剤を加え、25℃での電気伝導度が100μS/cm以上、好ましくは200μS/cm以上のディスパージョンとした後に行うことが好ましい。上記電気伝導度の上限は、特に限定されないが、10000μS/cm以下であることが好ましく、5000μS/cm以下であることがより好ましい。
本明細書において、上記電気伝導度は、電気伝導度計(ORION社製)を用いて測定したものである。
上記相分離濃縮におけるフッ素非含有ノニオン界面活性剤としては、上述のイオン交換樹脂による処理において例示したものが挙げられ、なかでも、無機性/有機性比が1.07〜1.50であるノニオン界面活性剤が好ましい。上記相分離濃縮における上記フッ素非含有ノニオン界面活性剤の濃度は、上記PTFEに対して1〜40質量%に相当する量であることが好ましく、1〜30質量%に相当する量であることがより好ましく、1〜20質量%に相当する量であることが更に好ましい。上記フッ素非含有ノニオン界面活性剤の濃度が1質量%に相当する量未満であると、相分離濃縮が困難となることがあり、40質量%に相当する量を超えると、経済性が損なわれることがある。
上記相分離濃縮は、上記イオン交換樹脂による処理を行った後に行うものである。上記相分離濃縮は、上記イオン交換樹脂による処理を行った後に行うのであれば、必要に応じて、イオン交換樹脂による処理を行う前にも行うことは制限されない。
本発明のフッ素樹脂水性分散液の製造方法によると、得られるフッ素樹脂水性分散液におけるPTFE濃度をフッ素樹脂水性分散液に対して45〜75質量%とすることができる。上記濃度は、50質量%以上であることが好ましく、70質量%以下であることが好ましい。上記PTFE濃度を上記範囲内のものとすることにより、フッ素樹脂水性分散液の運搬コストの低減及び得られる塗膜の厚膜化が可能となる。
本発明のフッ素樹脂水性分散液の製造方法により得られるフッ素樹脂水性分散液は、上記PTFEの10000ppm、好ましくは5000ppmに相当する量以下の電解質及び/又は上記PTFEの10000ppm、好ましくは5000ppmに相当する量以下のフッ素非含有アニオン性界面活性剤を含むものとすることができる。上記電解質は、10ppmに相当する量以上であることが好ましい。上記フッ素非含有アニオン性界面活性剤は、10ppmに相当する量以上であることが好ましい。
上記電解質及び/又はフッ素非含有アニオン性界面活性剤が上記範囲未満であると、分散安定性が劣ることがあり、上記範囲を超えると、経済性が損なわれることがある。
本発明のフッ素樹脂水性分散液の製造方法により得られるフッ素樹脂水性分散液において、含フッ素界面活性剤は上記PTFEの100ppmに相当する量以下に低減されたものである。含フッ素界面活性剤は、フッ素樹脂の優れた特性を損なう原因となるので、可能な限り低減することが重要である。上記含フッ素界面活性剤としては、除去容易である点で、平均分子量が1000以下であるものが好ましく、平均分子量が500以下であるものがより好ましく、また、炭素数が5〜12であるものが好ましい。
上記含フッ素界面活性剤としては、含フッ素アニオン性界面活性剤を挙げることができる。上記含フッ素アニオン性界面活性剤としては、例えば、パーフルオロオクタン酸及び/又はその塩(以下、「パーフルオロオクタン酸及び/又はその塩」をまとめて「PFOA」と略記することがある。)、パーフルオロオクチルスルホン酸及び/又はその塩(以下、「パーフルオロオクチルスルホン酸及び/又はその塩」をまとめて「PFOS」と略記することがある。)等が挙げられる。
本発明において、上記含フッ素界面活性剤としては、パーフルオロカルボン酸及び/又はその塩が好ましい。上記含フッ素アニオン化合物が塩である場合、該塩を形成する対イオンとしては、アルカリ金属イオン又はNH 等が挙げられ、アルカリ金属イオンとしては、例えば、Na、Ka等が挙げられる。上記対イオンとしては、NH が好ましい。上記PFOA及びPFOSは、塩である場合、特に限定されないが、アンモニウム塩等が挙げられる。
本発明のフッ素樹脂水性分散液の製造方法によれば、得られるフッ素樹脂水性分散液における上記含フッ素界面活性剤を、PTFEの100ppmに相当する量以下とすることができる。上記含フッ素界面活性剤は、好ましくはPTFEの50ppmに相当する量以下、より好ましくは20ppmに相当する量以下、更に好ましくは10ppmに相当する量以下であってもよく、検出限界未満、すなわち含有しないものであることが最も好ましい。
本明細書において、含フッ素界面活性剤の含有量は、フッ素樹脂水性分散液と等量のメタノールを添加して凝析し、ソックスレー抽出を行った後、高速液体クロマトグラフィー〔HPLC〕を行うことにより測定するものである。
本発明のフッ素樹脂水性分散液の製造方法により得られるフッ素樹脂水性分散液において、フッ素非含有ノニオン界面活性剤は、PTFEに対して0.1〜15質量%に相当する量であることが好ましい。上記フッ素非含有ノニオン界面活性剤は、0.2質量%に相当する量以上であることが好ましく、10質量%に相当する量以下であることが好ましい。上記フッ素非含有ノニオン界面活性剤の濃度が15質量%に相当する量を超えると、経済性が損なわれることがあり、0.1質量%に相当する量未満であると、フッ素樹脂水性分散液の分散安定性が不充分となるおそれがある。
本発明のフッ素樹脂水性分散液の製造方法により得られるフッ素樹脂水性分散液は、含フッ素界面活性剤及びフッ素非含有ノニオン界面活性剤の濃度が上記範囲内にあるにもかかわらず、耐クラック性及び機械的安定性を大きく損なうことなく、分散安定性が良好である。
上記フッ素樹脂水性分散液は、25℃での電気伝導度を10μS/cm以上、好ましくは100μS/cm以上であるものとすることができる。上記フッ素樹脂水性分散液は、本範囲内の電気伝導度を示すものなので、分散安定性に優れている。上記電気伝導度の上限は、上記範囲内にあれば特に限定されないが、好ましくは10000μS/cm、より好ましくは5000μS/cmである。
本発明のフッ素樹脂水性分散液の製造方法により得られるフッ素樹脂水性分散液は、そのまま又は各種添加剤を加えて、コーティング、キャストフィルム、含浸体等に加工することができる。また、必要に応じて希釈したり、他の分散液と混合したりして用いてもよい。
上記フッ素樹脂水性分散液の用途としては、例えば、オーブン内張り、製氷トレー等の調理器具、電線、パイプ、船底、高周波プリント基板、搬送用ベルト、アイロン底板における被覆材;繊維基材、織布・不織布等が挙げられる。上記繊維基材としては特に限定されず、例えば、ガラス繊維、カーボン繊維、アラミド繊維(ケブラー(登録商標)繊維等)を被含浸体とする含浸物;等に加工することができる。上記フッ素樹脂水性分散液の加工は、従来公知の方法にて行うことができる。
上記フッ素樹脂水性分散液は、例えば、フッ素樹脂粉末、成形体等に加工することもできる。
上記フッ素樹脂粉末は、含フッ素界面活性剤の含有量が非常に低いので、優れた成形体の材料として有用である。上記フッ素樹脂粉末は、所望の用途に応じて、従来の方法により調製することができる。
本発明のフッ素樹脂水性分散液の製造方法は、上述の構成よりなるものであるので、含フッ素界面活性剤の含有量が極めて低くPTFEの濃度が高いフッ素樹脂水性分散液を効率よく得ることができる。
本発明を実施例、比較例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。各実施例、比較例において、特に説明しない限り、「部」「%」はそれぞれ「質量部」「質量%」を表す。
各実施例、比較例における測定は、以下の方法により行った。
(1)フッ素樹脂濃度(P)
試料約1g(X)を直径5cmのアルミカップにとり、100℃、1時間で乾燥し、更に300℃、1時間乾燥した加熱残分(Z)に基づき、式:P=Z/X×100(%)にて決定した。
(2)含フッ素界面活性剤濃度
得られた水性分散液に等量のメタノールを添加して凝析し、ソックスレー抽出を行った後、高速液体クロマトグラフィー〔HPLC〕を以下の条件にて行うことにより求めた。なお、含フッ素界面活性剤濃度算出にあたり、既知の濃度の含フッ素界面活性剤濃度について上記溶出液及び条件にてHPLC測定して得られた検量線を用いた。
(測定条件)
カラム:ODS−120T(4.6φ×250mm、トーソー社製)
展開液:アセトニトリル/0.6%過塩素酸水溶液=1/1(vol/vol%)
サンプル量:20μL
流速:1.0ml/分
検出波長:UV210nm
カラム温度:40℃
(3)フッ素樹脂水性分散液中のフッ素非含有ノニオン界面活性剤の含有量(N)
試料約1g(Xg)を直径5cmのアルミカップにとり、100℃にて1時間で加熱した加熱残分(Yg)、更に、得られた加熱残分(Yg)を300℃にて1時間加熱した加熱残分(Zg)より、式:N=[(Y−Z)/Z]×100(%)から算出した。
(4)フッ素樹脂からなる粒子の平均一次粒子径
フッ素樹脂濃度を0.22質量%に調整した水性分散液の単位長さに対する550nmの投射光の透過率と、透過型電子顕微鏡写真における定方向径を測定して決定された平均一次粒子径との検量線をもとにして、上記透過率から決定するものである。
(5)25℃での電気伝導度
電気伝導度計(ORION社製)を用いて測定した。
(6)表面張力
25℃においてウィルヘルミー法で測定した。
実施例1
(1)イオン交換樹脂による処理
OH型陰イオン交換樹脂アンバージェットIRA4002OH(商品名、ローム・アンド・ハース社製)を150L充填したカラム(直径30cm、高さ200cm)にフッ素非含有ノニオン乳化剤レオコールTD90(商品名、ライオン社製)5%水溶液150Lを、1時間かけて通液した。
フッ素樹脂濃度が30%、レオコールTD90がフッ素樹脂に対して5%、PFOAがフッ素樹脂の3000ppmに相当する量となるように調整したPTFE水性分散液(PTFEからなる粒子の平均一次粒子径235nm)1200Lを、8時間(空間速度(SV)=0.5)かけて上記カラムに通液し、PTFEディスパージョン(フッ素樹脂濃度:30質量%、フッ素非含有ノニオン界面活性剤濃度:5%/フッ素樹脂)を得た。得られたPTFEディスパージョン中のPFOA濃度は検出限界(10ppm)未満であり、pHは10.3であった。
(2)相分離濃縮
上記(1)のイオン交換樹脂による処理により得られたPTFEディスパージョンにレオコールTD90をフッ素樹脂に対して15%に相当する量追加し、硫酸アンモニウムをフッ素樹脂の50ppmに相当する量、ジオクチルスルホコハク酸(70%メタノール溶液、25℃での0.1質量%水溶液の表面張力が26mN/m)をフッ素樹脂の350ppmに相当する量加え、水を加えてフッ素樹脂濃度が23%となるように調整し、更にアンモニア水でpHを9.5に調整した。得られたディスパージョンは、25℃での電気伝導度が1500μS/cmであった。このディスパージョンを70℃で5時間静置したところ、フッ素樹脂を実質的に含まない上澄相と濃縮相の2相に分離した。上澄相を除去し、濃縮相を回収したところ、フッ素樹脂濃度が64%、フッ素非含有ノニオン界面活性剤濃度がフッ素樹脂に対して5.4%に相当する量、PTFEからなる粒子の平均一次粒子径が235nm、25℃での電気伝導度が580μS/cmであるフッ素樹脂水性分散液が得られた。
実施例2
実施例1(1)のイオン交換樹脂による処理により得られたPTFEディスパージョンにレオコールTD90をフッ素樹脂に対して15%に相当する量追加し、硫酸アンモニウムをフッ素樹脂の50ppmに相当する量加え、水を加えてフッ素樹脂濃度が23%となるように調整し、更にアンモニア水でpHを9.5に調整した。得られたディスパージョンは、25℃での電気伝導度が1480μS/cmであった。このディスパージョンを70℃で5時間静置したところ、2相に分離した。上澄相を除去し、濃縮相を回収したところ、フッ素樹脂濃度が62%、フッ素非含有ノニオン界面活性剤濃度がフッ素樹脂に対して5.1%に相当する量、PTFEからなる粒子の平均一次粒子径が235nm、25℃での電気伝導度が480μS/cmであるフッ素樹脂水性分散液が得られた。
実施例3
実施例1(1)のイオン交換樹脂法による処理により得られたPTFEディスパージョンにレオコールTD90をフッ素樹脂に対して15%に相当する量を追加し、ジオクチルスルホコハク酸(70%メタノール溶液)をフッ素樹脂の350ppmに相当する量加え、水を加えてフッ素樹脂濃度が23%となるように調整し、更にアンモニア水でpHを9.5に調整した。得られたディスパージョンは、25℃での電気伝導度が250μS/cmであった。このディスパージョンを70℃で5時間静置したところ、2相に分離した。上澄相を除去し、濃縮相を回収したところ、フッ素樹脂濃度が61%、フッ素非含有ノニオン界面活性剤濃度がフッ素樹脂に対して5.0%に相当する量、PTFEからなる粒子の平均一次粒子径が235nm、25℃での電気伝導度が130μS/cmであるフッ素樹脂水性分散液が得られた。
実施例4
実施例1(1)のイオン交換樹脂による処理により得られたPTFEディスパージョンにレオコールTD90をフッ素樹脂に対して15%に相当する量追加し、硫酸アンモニウムをフッ素樹脂の600ppmに相当する量加え、水を加えてフッ素樹脂濃度が23%となるように調整し、更にアンモニア水でpHを9.5に調整した。得られたディスパージョンは、25℃での電気伝導度が2100μS/cmであった。このディスパージョンを70℃で5時間静置したところ、2相に分離した。上澄相を除去し、濃縮相を回収したところ、フッ素樹脂濃度が63%、フッ素非含有ノニオン界面活性剤濃度がフッ素樹脂に対して4.9%に相当する量、PTFEからなる粒子の平均一次粒子径が235nm、25℃での電気伝導度が600μS/cmであるフッ素樹脂水性分散液が得られた。
実施例5
実施例1(1)のイオン交換樹脂による処理により得られたPTFEディスパージョンにレオコールTD90をフッ素樹脂に対して15%に相当する量追加し、硫酸ナトリウムをフッ素樹脂の55ppmに相当する量加え、水を加えてフッ素樹脂濃度が23%となるように調整し、更にアンモニア水でpHを9.5に調整した。得られたディスパージョンは、25℃での電気伝導度が1500μS/cmであった。このディスパージョンを70℃で5時間静置したところ、2相に分離した。上澄相を除去し、濃縮相を回収したところ、フッ素樹脂濃度が62%、フッ素非含有ノニオン界面活性剤濃度がフッ素樹脂に対して4.8%に相当する量、PTFEからなる粒子の平均一次粒子径が235nm、25℃での電気伝導度が490μS/cmであるフッ素樹脂水性分散液が得られた。
実施例6
実施例1(1)のイオン交換樹脂による処理により得られたPTFEディスパージョンにレオコールTD90をフッ素樹脂に対して15%に相当する量追加し、コハク酸アンモニウムをフッ素樹脂の60ppmに相当する量加え、水を加えてフッ素樹脂濃度が23%となるように調整し、更にアンモニア水でpHを9.5に調整した。得られたディスパージョンは、25℃での電気伝導度が1550μS/cmであった。このディスパージョンを70℃で5時間静置したところ、2相に分離した。上澄相を除去し、濃縮相を回収したところ、フッ素樹脂濃度が63%、フッ素非含有ノニオン界面活性剤濃度がフッ素樹脂に対して5.0%に相当する量、PTFEからなる粒子の平均一次粒子径が235nm、25℃での電気伝導度が500μS/cmであるフッ素樹脂水性分散液が得られた。
実施例7
実施例1(1)のイオン交換樹脂による処理により得られたPTFEディスパージョンにレオコールTD90をフッ素樹脂に対して15%に相当する量追加し、炭酸アンモニウムをフッ素樹脂の35ppmに相当する量加え、水を加えてフッ素樹脂濃度が23%となるように調整し、更にアンモニア水でpHを9.5に調整した。得られたディスパージョンは、25℃での電気伝導度が1450μS/cmであった。このディスパージョンを70℃で5時間静置したところ、2相に分離した。上澄相を除去し、濃縮相を回収したところ、フッ素樹脂濃度が62%、フッ素非含有ノニオン界面活性剤濃度がフッ素樹脂に対して4.5%に相当する量、PTFEからなる粒子の平均一次粒子径が235nm、25℃での電気伝導度が400μS/cmであるフッ素樹脂水性分散液が得られた。
実施例8
実施例1(1)のイオン交換樹脂による処理により得られたPTFEディスパージョンにレオコールTD90をフッ素樹脂に対して15%に相当する量追加し、炭酸水素アンモニウムをフッ素樹脂の30ppmに相当する量加え、水を加えてフッ素樹脂濃度が23%となるように調整し、更にアンモニア水でpHを9.5に調整した。得られたディスパージョンは、25℃での電気伝導度が1400μS/cmであった。このディスパージョンを70℃で5時間静置したところ、2相に分離した。上澄相を除去し、濃縮相を回収したところ、フッ素樹脂濃度が63%、フッ素非含有ノニオン界面活性剤濃度がフッ素樹脂に対して4.6%に相当する量、PTFEからなる粒子の平均一次粒子径が235nm、25℃での電気伝導度が380μS/cmであるフッ素樹脂水性分散液が得られた。
比較例1
実施例1(1)のイオン交換樹脂法による処理により得られたPTFEディスパージョンにレオコールTD90をフッ素樹脂に対して15%に相当する量追加し、水を加えてフッ素樹脂濃度が23%となるように調整し、更にアンモニア水でpHを9.5に調整した。得られたディスパージョンは、25℃での電気伝導度が200μS/cmであった。このディスパージョンを70℃で5時間静置したところ、2相に分離した。上澄相を除去し、濃縮相を回収したところ、フッ素樹脂濃度が53%、フッ素非含有ノニオン界面活性剤濃度がフッ素樹脂に対して3.1%に相当する量、PTFEからなる粒子の平均一次粒子径が235nm、25℃での電気伝導度が150μS/cmであるフッ素樹脂水性分散液が得られた。
本発明のフッ素樹脂水性分散液の製造方法は、コーティング、キャストフィルム、含浸体等に加工することができるフッ素樹脂水性分散液を得るのに好適である。

Claims (7)

  1. 水性媒体中にポリテトラフルオロエチレンからなる粒子が分散してなる粗フッ素樹脂水性分散液をイオン交換樹脂による処理とフッ素非含有アニオン性界面活性剤の存在下での相分離濃縮とを行うことによりフッ素樹脂水性分散液を得る
    ことを特徴とするフッ素樹脂水性分散液の製造方法。
  2. 相分離濃縮は、電解質及びフッ素非含有アニオン性界面活性剤の存在下で行われる請求項1記載のフッ素樹脂水性分散液の製造方法。
  3. 相分離濃縮は、ポリテトラフルオロエチレンの10〜10000ppmに相当する量の電解質及び/又は前記ポリテトラフルオロエチレンの10〜10000ppmに相当する量のフッ素非含有アニオン性界面活性剤の存在下で行う請求項1又は2記載のフッ素樹脂水性分散液の製造方法。
  4. ポリテトラフルオロエチレンからなる粒子は、平均一次粒子径が40〜400nmである請求項1、2又は3記載のフッ素樹脂水性分散液の製造方法。
  5. 電解質は、硫酸、コハク酸、炭酸及びそれらの塩よりなる群から選択される少なくとも1種である請求項1、2、3又は4記載のフッ素樹脂水性分散液の製造方法。
  6. フッ素非含有アニオン性界面活性剤は、その0.1質量%水溶液の表面張力が60mN/m以下であるものである請求項1、2、3、4又は5記載のフッ素樹脂水性分散液の製造方法。
  7. フッ素樹脂水性分散液は、
    ポリテトラフルオロエチレンの濃度が、前記フッ素樹脂水性分散液に対して45〜75質量%であり、
    前記ポリテトラフルオロエチレンの10000ppmに相当する量以下の電解質及び/又は前記ポリテトラフルオロエチレンの10000ppmに相当する量以下のフッ素非含有アニオン性界面活性剤を含むものであり、
    含フッ素界面活性剤が、前記ポリテトラフルオロエチレンの100ppmに相当する量以下である
    請求項1、2、3、4、5又は6記載のフッ素樹脂水性分散液の製造方法。
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