JP2007314691A - 含フッ素ポリマー水性分散液の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 陰イオン交換樹脂処理を効率的に行い含フッ素ポリマー水性分散液を製造する方法を提供する。
【解決手段】 被処理含フッ素ポリマー水性分散液をノニオン界面活性剤の存在下に陰イオン交換樹脂に接触させることよりなる含フッ素ポリマー水性分散液の製造方法であって、前記ノニオン界面活性剤は、(1)該ノニオン界面活性剤の10質量%水溶液について測定する25℃での電気伝導度が100μS/cm以下、及び/又は、(2)有機酸濃度が質量で1000ppm以下であることを特徴とする含フッ素ポリマー水性分散液の製造方法。
【選択図】 なし
【解決手段】 被処理含フッ素ポリマー水性分散液をノニオン界面活性剤の存在下に陰イオン交換樹脂に接触させることよりなる含フッ素ポリマー水性分散液の製造方法であって、前記ノニオン界面活性剤は、(1)該ノニオン界面活性剤の10質量%水溶液について測定する25℃での電気伝導度が100μS/cm以下、及び/又は、(2)有機酸濃度が質量で1000ppm以下であることを特徴とする含フッ素ポリマー水性分散液の製造方法。
【選択図】 なし
Description
本発明は、含フッ素ポリマー水性分散液の製造方法、及び、該製造方法から得られた含フッ素ポリマー水性分散液に関する。
含フッ素ポリマー水性分散液は、一般に、水性媒体中で含フッ素乳化剤の存在下に含フッ素モノマーを重合したのち濃縮して調製することができる。しかしながら、含フッ素乳化剤は、一般的に高価であるので、回収して再利用することが好ましい。
含フッ素乳化剤の回収方法として、含フッ素ポリマー水性分散液に非イオン性界面活性剤を加えこれを陰イオン交換体と接触させることによって含フッ素アニオン性界面活性剤を除去する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。しかしながら、この方法では、使用するノニオン界面活性剤の物性等、その他の特性は限定されていない。
含フッ素ポリマー水性分散液に用いるノニオン界面活性剤について、アルカリ金属含有量を特定値以下に限定する技術が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。しかしながら、この技術は、燃料電池等の電極の結着剤用途において電池特性上望ましくない金属不純物を低減することを目的として、市販のノニオン界面活性剤を含フッ素ポリマー水性分散液に添加するものにすぎず、含フッ素界面活性剤の低減に関する開示は一切ない。
特表2002−532583号公報
特開2004−346262号公報
本発明の目的は、上記現状に鑑み、陰イオン交換樹脂処理を効率的に行い含フッ素ポリマー水性分散液を製造する方法を提供することにある。
本発明は、被処理含フッ素ポリマー水性分散液をノニオン界面活性剤の存在下に陰イオン交換樹脂に接触させることよりなる含フッ素ポリマー水性分散液の製造方法であって、前記ノニオン界面活性剤は、(1)該ノニオン界面活性剤の10質量%水溶液について測定する25℃での電気伝導度が100μS/cm以下、及び/又は、(2)有機酸濃度が質量で1000ppm以下であることを特徴とする含フッ素ポリマー水性分散液の製造方法である。
本発明は、上記含フッ素ポリマー水性分散液の製造方法により得られることを特徴とする含フッ素ポリマー水性分散液である。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明は、上記含フッ素ポリマー水性分散液の製造方法により得られることを特徴とする含フッ素ポリマー水性分散液である。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明の含フッ素ポリマー水性分散液の製造方法は、被処理含フッ素ポリマー水性分散液をノニオン界面活性剤の存在下に陰イオン交換樹脂に接触させることよりなるものである。
上記被処理含フッ素ポリマー水性分散液は、含フッ素ポリマーが水性媒体に分散してなるものである。
上記被処理含フッ素ポリマー水性分散液は、含フッ素ポリマーが水性媒体に分散してなるものであれば特に限定されず、上記含フッ素ポリマーを重合することにより得られる重合上がりの水性分散液であってもよいし、該重合上がりの水性分散液に濃縮等の後処理・調整を行うことにより得られる水性分散液であってもよい。
上記被処理含フッ素ポリマー水性分散液は、含フッ素ポリマーが水性媒体に分散してなるものであれば特に限定されず、上記含フッ素ポリマーを重合することにより得られる重合上がりの水性分散液であってもよいし、該重合上がりの水性分散液に濃縮等の後処理・調整を行うことにより得られる水性分散液であってもよい。
本発明における含フッ素ポリマーは、炭素原子に結合しているフッ素原子を有している重合体である。
上記含フッ素ポリマーとしては、例えば、エラストマー性含フッ素ポリマー、非溶融加工性含フッ素ポリマー、溶融加工性含フッ素ポリマー等が挙げられる。
上記エラストマー性含フッ素ポリマーは、ゴム弾性を有する非晶質の含フッ素ポリマーであって、通常、30〜80質量%の第1単量体の単量体単位を有するものである。
本明細書において、上記「第1単量体」とは、エラストマー性含フッ素ポリマーの分子構造において、全単量体単位のうち最多質量を占める単量体単位を構成することとなったビニリデンフルオライド〔VDF〕又はテトラフルオロエチレン〔TFE〕を意味する。
本明細書において、上記第1単量体の単量体単位等の「単量体単位」は、含フッ素ポリマーの分子構造上の一部分であって、対応する単量体に由来する部分を意味する。例えば、TFE単位は、含フッ素ポリマーの分子構造上の一部分であって、TFEに由来する部分であり、−(CF2−CF2)−で表される。上記「全単量体単位」は、含フッ素ポリマーの分子構造上、単量体に由来する部分の全てである。
上記含フッ素ポリマーとしては、例えば、エラストマー性含フッ素ポリマー、非溶融加工性含フッ素ポリマー、溶融加工性含フッ素ポリマー等が挙げられる。
上記エラストマー性含フッ素ポリマーは、ゴム弾性を有する非晶質の含フッ素ポリマーであって、通常、30〜80質量%の第1単量体の単量体単位を有するものである。
本明細書において、上記「第1単量体」とは、エラストマー性含フッ素ポリマーの分子構造において、全単量体単位のうち最多質量を占める単量体単位を構成することとなったビニリデンフルオライド〔VDF〕又はテトラフルオロエチレン〔TFE〕を意味する。
本明細書において、上記第1単量体の単量体単位等の「単量体単位」は、含フッ素ポリマーの分子構造上の一部分であって、対応する単量体に由来する部分を意味する。例えば、TFE単位は、含フッ素ポリマーの分子構造上の一部分であって、TFEに由来する部分であり、−(CF2−CF2)−で表される。上記「全単量体単位」は、含フッ素ポリマーの分子構造上、単量体に由来する部分の全てである。
上記エラストマー性含フッ素ポリマーとして、例えば、TFE系重合体としては、TFE/プロピレン共重合体、TFE/パーフルオロビニルエーテル共重合体、ヘキサフルオロプロピレン〔HFP〕系重合体としては、HFP/エチレン共重合体、VDF系重合体としては、VDF/HFP共重合体、VDF/クロロトリフルオロエチレン〔CTFE〕共重合体、VDF/TFE共重合体、VDF/パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)〔PAVE〕共重合体、VDF/TFE/HFP共重合体、VDF/TFE/CTFE共重合体、VDF/TFE/PAVE共重合体等が挙げられる。
上記非溶融加工性含フッ素ポリマーとしては、ポリテトラフルオロエチレン〔PTFE〕が挙げられる。
本明細書において、上記PTFEは、TFE単独重合体のみならず、変性ポリテトラフルオロエチレン〔変性PTFE〕をも含む概念である。
本明細書において、上記「変性PTFE」とは、TFEと、TFE以外の微量単量体との共重合体であって、非溶融加工性であるものを意味する。
上記微量単量体としては、例えば、HFP、CTFE等のフルオロオレフィン、炭素原子1〜5個、特に炭素原子1〜3個を有するアルキル基を持つフルオロ(アルキルビニルエーテル);フルオロジオキソール;パーフルオロアルキルエチレン;ω−ヒドロパーフルオロオレフィン等が挙げられる。
変性PTFEにおいて、上記微量単量体に由来する微量単量体単位の全単量体単位に占める含有率は、通常0.001〜2モル%の範囲である。
本明細書において、「全単量体単位に占める微量単量体単位の含有率(モル%)」とは、上記「全単量体単位」が由来する単量体、即ち、含フッ素ポリマーを構成することとなった単量体全量に占める、上記微量単量体単位が由来する微量単量体のモル分率(モル%)を意味する。
本明細書において、上記PTFEは、TFE単独重合体のみならず、変性ポリテトラフルオロエチレン〔変性PTFE〕をも含む概念である。
本明細書において、上記「変性PTFE」とは、TFEと、TFE以外の微量単量体との共重合体であって、非溶融加工性であるものを意味する。
上記微量単量体としては、例えば、HFP、CTFE等のフルオロオレフィン、炭素原子1〜5個、特に炭素原子1〜3個を有するアルキル基を持つフルオロ(アルキルビニルエーテル);フルオロジオキソール;パーフルオロアルキルエチレン;ω−ヒドロパーフルオロオレフィン等が挙げられる。
変性PTFEにおいて、上記微量単量体に由来する微量単量体単位の全単量体単位に占める含有率は、通常0.001〜2モル%の範囲である。
本明細書において、「全単量体単位に占める微量単量体単位の含有率(モル%)」とは、上記「全単量体単位」が由来する単量体、即ち、含フッ素ポリマーを構成することとなった単量体全量に占める、上記微量単量体単位が由来する微量単量体のモル分率(モル%)を意味する。
上記溶融加工性含フッ素ポリマーとしては、例えば、エチレン/TFE共重合体〔ETFE〕、TFE/HFP共重合体〔FEP〕、TFE/パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体〔TFE/PAVE共重合体〕、PVDF、VDF系共重合体、ポリフッ化ビニル〔PVF〕等が挙げられる。
上記TFE/PAVE共重合体としては、TFE/パーフルオロ(メチルビニルエーテル)〔PMVE〕共重合体〔MFA〕、TFE/パーフルオロ(エチルビニルエーテル)〔PEVE〕共重合体、TFE/パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)〔PPVE〕共重合体等が挙げられる。
上記溶融加工性含フッ素ポリマーとしてのVDF系共重合体としては、VDF/TFE共重合体、VDF/HFP共重合体、VDF/CTFE共重合体、VDF/TFE/HFP共重合体、VDF/TFE/CTFE共重合体等が挙げられる。
上記TFE/PAVE共重合体としては、TFE/パーフルオロ(メチルビニルエーテル)〔PMVE〕共重合体〔MFA〕、TFE/パーフルオロ(エチルビニルエーテル)〔PEVE〕共重合体、TFE/パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)〔PPVE〕共重合体等が挙げられる。
上記溶融加工性含フッ素ポリマーとしてのVDF系共重合体としては、VDF/TFE共重合体、VDF/HFP共重合体、VDF/CTFE共重合体、VDF/TFE/HFP共重合体、VDF/TFE/CTFE共重合体等が挙げられる。
上記被処理含フッ素ポリマー水性分散液における含フッ素ポリマーとしては、パーフルオロポリマーが好ましく、なかでも、PTFEが好ましい。
上記含フッ素ポリマーは、数平均分子量が100万〜1000万であることが好ましい。
上記数平均分子量は、ASTM D 4895に準拠して、標準比重〔SSG〕から算出した値である。
上記数平均分子量は、ASTM D 4895に準拠して、標準比重〔SSG〕から算出した値である。
上記含フッ素ポリマーの平均粒子径は、通常50〜500nmであり、好ましくは、100〜350nmである。
上記平均粒子径は、含フッ素ポリマー濃度を0.22質量%に調整した水性分散液の単位長さに対する550nmの投射光の透過率と、透過型電子顕微鏡写真における定方向径を測定して決定された平均粒子径との検量線をもとにして、上記透過率から決定したものである。
上記平均粒子径は、含フッ素ポリマー濃度を0.22質量%に調整した水性分散液の単位長さに対する550nmの投射光の透過率と、透過型電子顕微鏡写真における定方向径を測定して決定された平均粒子径との検量線をもとにして、上記透過率から決定したものである。
上記被処理含フッ素ポリマー水性分散液における水性媒体は、水を含む液体であれば特に限定されず、水に加え、例えば、アルコール、エーテル、ケトン、パラフィンワックス等のフッ素非含有有機溶媒及び/又はフッ素含有有機溶媒をも含むものであってもよい。
上記被処理含フッ素ポリマー水性分散液は、含フッ素ポリマー濃度が、通常5〜70質量%である。
上記含フッ素ポリマー濃度は、5質量%未満であると、低濃度過ぎて含フッ素ポリマー水性分散液としての使用上不便をきすことがある。一方、70質量%を超えると、上記被処理含フッ素ポリマー水性分散液中に存在する含フッ素アニオン性界面活性剤の除去が困難となることがある。
上記含フッ素ポリマー濃度は、好ましい下限が10質量%、より好ましい下限が15質量%であり、好ましい上限が65質量%、より好ましい上限が40質量%、更に好ましい上限が35質量%である。
本明細書において、含フッ素ポリマー濃度(P)は、試料約1g(X)を直径5cmのアルミカップにとり、100℃、1時間で乾燥した加熱残分、さらにこれを300℃、1時間乾燥した加熱残分(Z)に基づき、式:P=Z/X×100(%)にて決定したものである。
上記含フッ素ポリマー濃度は、5質量%未満であると、低濃度過ぎて含フッ素ポリマー水性分散液としての使用上不便をきすことがある。一方、70質量%を超えると、上記被処理含フッ素ポリマー水性分散液中に存在する含フッ素アニオン性界面活性剤の除去が困難となることがある。
上記含フッ素ポリマー濃度は、好ましい下限が10質量%、より好ましい下限が15質量%であり、好ましい上限が65質量%、より好ましい上限が40質量%、更に好ましい上限が35質量%である。
本明細書において、含フッ素ポリマー濃度(P)は、試料約1g(X)を直径5cmのアルミカップにとり、100℃、1時間で乾燥した加熱残分、さらにこれを300℃、1時間乾燥した加熱残分(Z)に基づき、式:P=Z/X×100(%)にて決定したものである。
上記被処理含フッ素ポリマー水性分散液は、一般に、上記含フッ素ポリマーからなる粒子が界面活性剤の存在下に水性媒体中に分散しているものである。
上記界面活性剤としては、例えば、含フッ素界面活性剤、ノニオン界面活性剤等が挙げられる。
上記含フッ素界面活性剤を構成する含フッ素界面活性化合物としては、特に限定されないが、含フッ素アニオン性界面活性化合物であることが好ましく、また炭素数6〜10であることが好ましく、炭素数6〜10の含フッ素有機酸及び/又はその塩であることがより好ましい。
上記含フッ素アニオン性界面活性化合物としては、例えば、パーフルオロオクタン酸又はその塩〔PFOA〕、パーフルオロオクチルスルホン酸又はその塩〔PFOS〕等の含フッ素有機酸又はその塩等が挙げられる。
上記含フッ素アニオン性界面活性化合物が塩である場合、該塩を形成する対イオンとしては、アルカリ金属イオン又はNH4 +等が挙げられ、アルカリ金属イオンとしては、例えば、Na+、Ka+等が挙げられる。上記対イオンとしては、NH4 +が好ましい。
上記界面活性剤としては、例えば、含フッ素界面活性剤、ノニオン界面活性剤等が挙げられる。
上記含フッ素界面活性剤を構成する含フッ素界面活性化合物としては、特に限定されないが、含フッ素アニオン性界面活性化合物であることが好ましく、また炭素数6〜10であることが好ましく、炭素数6〜10の含フッ素有機酸及び/又はその塩であることがより好ましい。
上記含フッ素アニオン性界面活性化合物としては、例えば、パーフルオロオクタン酸又はその塩〔PFOA〕、パーフルオロオクチルスルホン酸又はその塩〔PFOS〕等の含フッ素有機酸又はその塩等が挙げられる。
上記含フッ素アニオン性界面活性化合物が塩である場合、該塩を形成する対イオンとしては、アルカリ金属イオン又はNH4 +等が挙げられ、アルカリ金属イオンとしては、例えば、Na+、Ka+等が挙げられる。上記対イオンとしては、NH4 +が好ましい。
上記被処理含フッ素ポリマー水性分散液におけるノニオン界面活性剤としては、後述の陰イオン交換樹脂との接触の際に存在させ得るものと同様のものが挙げられる。
上記被処理含フッ素ポリマー水性分散液は、上述の含フッ素界面活性剤存在下での重合を行うことにより調製することができる。
上記重合は、懸濁重合、乳化重合等、公知の方法にて行うことができる。
上記各重合において使用するフッ素含有単量体、フッ素非含有単量体、及び、重合開始剤、連鎖移動剤等の添加剤として、適宜公知のものを使用することができ、また、上記各重合において、必要に応じ、上述の重合乳化剤を使用することができる。
上記各重合は、重合効率の点で、含フッ素界面活性剤を上記水性媒体の0.0001〜10質量%の量存在させて行うことが好ましい。上記含フッ素界面活性剤の量は、上記水性媒体の0.001〜1.0質量%であることが好ましい。
上記重合は、懸濁重合、乳化重合等、公知の方法にて行うことができる。
上記各重合において使用するフッ素含有単量体、フッ素非含有単量体、及び、重合開始剤、連鎖移動剤等の添加剤として、適宜公知のものを使用することができ、また、上記各重合において、必要に応じ、上述の重合乳化剤を使用することができる。
上記各重合は、重合効率の点で、含フッ素界面活性剤を上記水性媒体の0.0001〜10質量%の量存在させて行うことが好ましい。上記含フッ素界面活性剤の量は、上記水性媒体の0.001〜1.0質量%であることが好ましい。
上記被処理含フッ素ポリマー水性分散液の調製において、特に限定されないが、重合等に使用する水は、後述の含フッ素界面活性剤の除去効率を高める点で、25℃での電気伝導度が50μS/cm以下のイオン交換水であることが好ましい。
なお、本発明の含フッ素ポリマー水性分散液の製造方法において、上記被処理含フッ素ポリマー水性分散液の調製、後述のノニオン界面活性剤の濃度調整、電気伝導度測定、陰イオン交換樹脂の充填、陰イオン交換樹脂との接触後の含フッ素ポリマー濃度調整等の少なくとも1つの操作において使用する水は、25℃での電気伝導度が20μS/cm以下のイオン交換水であることが好ましい。上記イオン交換水の電気伝導度は、より好ましくは10μS/cm以下、さらに好ましくは5μS/cm以下である。
上記イオン交換水の電気伝導度は、25℃において電気伝導度計により測定した値である。
なお、本発明の含フッ素ポリマー水性分散液の製造方法において、上記被処理含フッ素ポリマー水性分散液の調製、後述のノニオン界面活性剤の濃度調整、電気伝導度測定、陰イオン交換樹脂の充填、陰イオン交換樹脂との接触後の含フッ素ポリマー濃度調整等の少なくとも1つの操作において使用する水は、25℃での電気伝導度が20μS/cm以下のイオン交換水であることが好ましい。上記イオン交換水の電気伝導度は、より好ましくは10μS/cm以下、さらに好ましくは5μS/cm以下である。
上記イオン交換水の電気伝導度は、25℃において電気伝導度計により測定した値である。
本発明の含フッ素ポリマー水性分散液の製造方法は、上述の被処理含フッ素ポリマー水性分散液をノニオン界面活性剤の存在下に行うものである。
本発明におけるノニオン界面活性剤は、(1)該ノニオン界面活性剤の10質量%水溶液について測定する25℃での電気伝導度が100μS/cm以下、及び/又は、(2)有機酸濃度が質量で1000ppm以下であるものである。
本発明において、上記ノニオン界面活性剤が上記(1)又は(2)の何れかの条件を満たすものであれば、含フッ素界面活性剤の除去効率を向上させることができるが、少なくとも上記(2)の条件を満たす場合、含フッ素界面活性剤の除去効率をより高めることができる。
本発明におけるノニオン界面活性剤は、(1)該ノニオン界面活性剤の10質量%水溶液について測定する25℃での電気伝導度が100μS/cm以下、及び/又は、(2)有機酸濃度が質量で1000ppm以下であるものである。
本発明において、上記ノニオン界面活性剤が上記(1)又は(2)の何れかの条件を満たすものであれば、含フッ素界面活性剤の除去効率を向上させることができるが、少なくとも上記(2)の条件を満たす場合、含フッ素界面活性剤の除去効率をより高めることができる。
上記ノニオン界面活性剤は、含フッ素界面活性剤の除去効率の点で、上記25℃での10%水溶液の電気伝導度が50μS/cm以下であることが好ましい。
本明細書において、ノニオン界面活性剤の電気伝導度は、電気伝導度計を用いて測定したものである。
上記電気伝導度の測定は、イオン交換水を用いて行うことが好ましい。
本明細書において、ノニオン界面活性剤の電気伝導度は、電気伝導度計を用いて測定したものである。
上記電気伝導度の測定は、イオン交換水を用いて行うことが好ましい。
上記ノニオン界面活性剤が含有し得る有機酸としては、例えば、スルホン酸、カルボン酸等であってもよいし、また、脂肪族有機酸等が挙げられる。上記スルホン酸としては、R−SO3H(Rは、炭素数6〜10のアルキル基を表す。)で表される脂肪族スルホン酸が挙げられ、上記カルボン酸としてはR−COOH(Rは、上記定義と同じ。)で表される脂肪族カルボン酸が挙げられる。
上記ノニオン界面活性剤が含有し得る有機酸濃度は、質量で1000ppm以下であることが好ましく、500ppm以下であることがより好ましい。
本発明におけるノニオン界面活性剤剤は、有機酸濃度が上述のように低いので、長時間、陰イオン交換樹脂に接触させる際に存在させても、該陰イオン交換樹脂を破過しにくい点で優れている。
本発明において、上記有機酸濃度は、後述の条件下でキャピラリー電気泳動によって測定したものである。
上記ノニオン界面活性剤が含有し得る有機酸濃度は、質量で1000ppm以下であることが好ましく、500ppm以下であることがより好ましい。
本発明におけるノニオン界面活性剤剤は、有機酸濃度が上述のように低いので、長時間、陰イオン交換樹脂に接触させる際に存在させても、該陰イオン交換樹脂を破過しにくい点で優れている。
本発明において、上記有機酸濃度は、後述の条件下でキャピラリー電気泳動によって測定したものである。
本発明において用い得るノニオン界面活性剤としては、上述の(1)及び/又は(2)の性質を有するものであれば特に限定されない。
上記ノニオン界面活性剤を構成するノニオン界面活性化合物としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキレンアルキルエーテル等のエーテル型ノニオン界面活性化合物;エチレンオキサイド/プロピレンオキサイドブロック共重合体等のポリオキシエチレン誘導体;ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル等のエステル型ノニオン界面活性化合物;ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルキルアルカノールアミド等のアミン系ノニオン界面活性化合物;等が挙げられる。
上記ノニオン界面活性剤としては、なかでも、エーテル系界面活性剤が好ましい。
上記ノニオン界面活性剤を構成するノニオン界面活性化合物は、芳香族系化合物、直鎖化合物及び分岐鎖を有する化合物の何れであってもよいが、アルキルフェノールを構造中に有しない化合物であることが好ましく、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルからなるものがより好ましい。
上記ノニオン界面活性剤を構成するノニオン界面活性化合物としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキレンアルキルエーテル等のエーテル型ノニオン界面活性化合物;エチレンオキサイド/プロピレンオキサイドブロック共重合体等のポリオキシエチレン誘導体;ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル等のエステル型ノニオン界面活性化合物;ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルキルアルカノールアミド等のアミン系ノニオン界面活性化合物;等が挙げられる。
上記ノニオン界面活性剤としては、なかでも、エーテル系界面活性剤が好ましい。
上記ノニオン界面活性剤を構成するノニオン界面活性化合物は、芳香族系化合物、直鎖化合物及び分岐鎖を有する化合物の何れであってもよいが、アルキルフェノールを構造中に有しない化合物であることが好ましく、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルからなるものがより好ましい。
本発明において用い得るノニオン界面活性剤は、HLBが10〜16であることが好ましく、12〜15であることがより好ましい。
上記HLBは、Griffinの式から求めた値である。
上記HLBは、Griffinの式から求めた値である。
上述の(1)及び/又は(2)の性質を有するノニオン界面活性剤を調製する方法としては、特に限定されないが、例えば、一般のノニオン界面活性剤水溶液と後述の陰イオン交換樹脂とを接触させて有機酸を除去する方法、一般のノニオン界面活性剤水溶液と活性炭等の物理的吸着材とを接触させて有機酸を除去する方法等が挙げられる。
本発明において、上記ノニオン界面活性剤は、被処理含フッ素ポリマー水性分散液中の含フッ素ポリマー100質量部に対して、好ましくは30質量部、より好ましくは5〜20質量部の量となるよう添加することが好ましい。
本発明において、上記ノニオン界面活性剤濃度(N)は、試料約1g(Xg)を直径5cmのアルミカップにとり、100℃にて1時間で加熱した加熱残分(Yg)、更に、得られた加熱残分(Yg)を300℃にて1時間加熱した加熱残分(Zg)より、式:N=[(Y−Z)/Z]×100(%)から算出したものである。
本発明において、上記ノニオン界面活性剤濃度(N)は、試料約1g(Xg)を直径5cmのアルミカップにとり、100℃にて1時間で加熱した加熱残分(Yg)、更に、得られた加熱残分(Yg)を300℃にて1時間加熱した加熱残分(Zg)より、式:N=[(Y−Z)/Z]×100(%)から算出したものである。
本発明において、被処理含フッ素ポリマー水性分散液の陰イオン交換樹脂との接触は、一般に、含フッ素界面活性剤を除去するものである。
上記陰イオン交換樹脂としては、例えば、アンバーライトIRA402(商品名、ローム・アンド・ハース社製)、アンバージェットIRA4002(商品名、ローム・アンド・ハース社製)等をOH型に処理したもの又はOH型で販売されているものが挙げられる。
陰イオン交換樹脂との接触により除去される含フッ素界面活性剤としては、例えば、該含フッ素界面活性剤を構成する含フッ素界面活性化合物が炭素数6〜10の含フッ素有機酸及び/又はその塩であるもの等が挙げられる。
上記含フッ素有機酸及び/又はその塩としては、含フッ素界面活性剤に関し上述したものが挙げられる。
上記陰イオン交換樹脂としては、例えば、アンバーライトIRA402(商品名、ローム・アンド・ハース社製)、アンバージェットIRA4002(商品名、ローム・アンド・ハース社製)等をOH型に処理したもの又はOH型で販売されているものが挙げられる。
陰イオン交換樹脂との接触により除去される含フッ素界面活性剤としては、例えば、該含フッ素界面活性剤を構成する含フッ素界面活性化合物が炭素数6〜10の含フッ素有機酸及び/又はその塩であるもの等が挙げられる。
上記含フッ素有機酸及び/又はその塩としては、含フッ素界面活性剤に関し上述したものが挙げられる。
上記陰イオン交換樹脂との接触は、例えば、ノニオン界面活性剤を上述の濃度範囲内となるよう被処理含フッ素ポリマー水性分散液に添加した後、陰イオン交換樹脂をカラム等に充填してなる陰イオン交換体に通液することより行うことができる。
上記陰イオン交換体は、分散液のノニオン界面活性剤濃度が接触工程中上述の濃度範囲内に維持できるよう、ノニオン界面活性剤水溶液を予め通液しておくことが好ましい。上記ノニオン界面活性剤水溶液は、ノニオン界面活性剤濃度が一般に1〜20質量%、好ましくは1〜15質量%であるものである。
上記陰イオン交換樹脂との接触は、特に限定されないが、5〜60℃の温度下に行うことが好ましく、20〜50℃がより好ましい。
分散液の流速、カラムサイズ等の通液の条件は、被処理含フッ素ポリマー水性分散液、ノニオン界面活性剤、陰イオン交換樹脂等の種類、量等に応じて適宜選択することができ、特に限定されてない。
上記陰イオン交換体は、分散液のノニオン界面活性剤濃度が接触工程中上述の濃度範囲内に維持できるよう、ノニオン界面活性剤水溶液を予め通液しておくことが好ましい。上記ノニオン界面活性剤水溶液は、ノニオン界面活性剤濃度が一般に1〜20質量%、好ましくは1〜15質量%であるものである。
上記陰イオン交換樹脂との接触は、特に限定されないが、5〜60℃の温度下に行うことが好ましく、20〜50℃がより好ましい。
分散液の流速、カラムサイズ等の通液の条件は、被処理含フッ素ポリマー水性分散液、ノニオン界面活性剤、陰イオン交換樹脂等の種類、量等に応じて適宜選択することができ、特に限定されてない。
上記陰イオン交換樹脂との接触を行うことにより得られる水性分散液は、一般に、含フッ素ポリマー濃度が5〜60質量%、好ましくは20〜40質量%である。
上記水性分散液において、ノニオン界面活性剤は、含フッ素ポリマー100質量部に対し、一般に1〜30質量部、好ましくは5〜20質量部である。
上記水性分散液において、含フッ素界面活性剤は、該含フッ素ポリマー水性分散液の質量の100ppm、好ましくは50ppm以下、より好ましくは25ppm以下とすることができる。
上記水性分散液において、ノニオン界面活性剤は、含フッ素ポリマー100質量部に対し、一般に1〜30質量部、好ましくは5〜20質量部である。
上記水性分散液において、含フッ素界面活性剤は、該含フッ素ポリマー水性分散液の質量の100ppm、好ましくは50ppm以下、より好ましくは25ppm以下とすることができる。
本発明の含フッ素ポリマー水性分散液の製造方法は、陰イオン交換樹脂との接触後、含フッ素ポリマー濃度を調整するものであってもよい。
上記含フッ素ポリマー濃度の調整は、例えば、相分離濃縮、限外ろ過等、従来公知の方法で行うことができる。
上記含フッ素ポリマー濃度の調整は、例えば、相分離濃縮、限外ろ過等、従来公知の方法で行うことができる。
本発明の含フッ素ポリマー水性分散液の製造方法により得られる含フッ素ポリマー水性分散液もまた、本発明の一つである。
本発明の含フッ素ポリマー水性分散液において、含フッ素界面活性剤濃度は、上記陰イオン交換樹脂との接触を行うことにより得られる水性分散液と同様の範囲とすることができ、例えば、該含フッ素ポリマー水性分散液の質量の100ppm、好ましくは50ppm以下、より好ましくは25ppm以下とすることができる。
本発明の含フッ素ポリマー水性分散液において、含フッ素界面活性剤濃度は、上記陰イオン交換樹脂との接触を行うことにより得られる水性分散液と同様の範囲とすることができ、例えば、該含フッ素ポリマー水性分散液の質量の100ppm、好ましくは50ppm以下、より好ましくは25ppm以下とすることができる。
本発明の含フッ素ポリマー水性分散液は、本発明の含フッ素ポリマー水性分散液の製造方法により得られるものであり、含フッ素界面活性剤の含有量が極めて低いので、チューブ、フィルム、成形品等の材料として使用しても、耐熱性等、含フッ素ポリマーの性質に劣化が生じることが殆どない。
本発明の含フッ素ポリマー水性分散液の製造方法は、上述の構成よりなるので、含フッ素界面活性剤濃度が極めて低い含フッ素ポリマー水性分散液を調製することができる。
以下に実施例及び比較例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例及び比較例にのみに限定されるものではない。
各実施例及び各比較例において、組成物の量は、特に断りがない場合は、質量基準であり、各調製例等では、25℃での電気伝導度が0.8μS/cmのイオン交換水を用いた。
各実施例及び各比較例において、組成物の量は、特に断りがない場合は、質量基準であり、各調製例等では、25℃での電気伝導度が0.8μS/cmのイオン交換水を用いた。
各実施例及び各比較例に記載の各測定値は、以下の方法により求めた値である。
1.含フッ素ポリマー濃度(P)
試料約1g(X)を直径5cmのアルミカップにとり、100℃、1時間で乾燥し、更に300℃、1時間乾燥した加熱残分(Z)に基づき、式:P=Z/X×100(%)にて決定したものである。
2.パーフルオロオクタン酸アンモニウム〔PFOA〕濃度
得られた水性分散液に等量のメタノールを添加してソックスレー抽出を行ったのち、HPLC測定を下記条件にて行うことにより求めた。なお、本濃度の算出にあたり、既知の濃度の含フッ素アニオン性界面活性剤水溶液について下記条件にてHPLC測定して得られた検量線を用いた。
HPLC測定条件
カラム:ODS−120T(4.6φ×250mm、トーソー社製)
展開液:アセトニトリル/0.6質量%過塩素酸水溶液=60/40(vol/vol%)
サンプル量:20μL
流速:1.0ml/分
検出波長:UV210nm
カラム温度:40℃
3.ノニオン界面活性剤の含有量(N)
試料約1g(Xg)を直径5cmのアルミカップにとり、100℃にて1時間で加熱した加熱残分(Yg)、更に、得られた加熱残分(Yg)を300℃にて1時間加熱した加熱残分(Zg)より、式:N=[(Y−Z)/Z]×100(%)から算出した。
4.電気伝導度
電気伝導度計を用いて25℃で測定した。
5.キャピラリー電気泳動
装置:3DCE(Hewlett−Packard)
キャピラリーカラム:Fused Silica 75μm× l=72cm
バッファー:HP Organic Acids Buffer
Detector:Signals 350nm/Reference 200nm
1.含フッ素ポリマー濃度(P)
試料約1g(X)を直径5cmのアルミカップにとり、100℃、1時間で乾燥し、更に300℃、1時間乾燥した加熱残分(Z)に基づき、式:P=Z/X×100(%)にて決定したものである。
2.パーフルオロオクタン酸アンモニウム〔PFOA〕濃度
得られた水性分散液に等量のメタノールを添加してソックスレー抽出を行ったのち、HPLC測定を下記条件にて行うことにより求めた。なお、本濃度の算出にあたり、既知の濃度の含フッ素アニオン性界面活性剤水溶液について下記条件にてHPLC測定して得られた検量線を用いた。
HPLC測定条件
カラム:ODS−120T(4.6φ×250mm、トーソー社製)
展開液:アセトニトリル/0.6質量%過塩素酸水溶液=60/40(vol/vol%)
サンプル量:20μL
流速:1.0ml/分
検出波長:UV210nm
カラム温度:40℃
3.ノニオン界面活性剤の含有量(N)
試料約1g(Xg)を直径5cmのアルミカップにとり、100℃にて1時間で加熱した加熱残分(Yg)、更に、得られた加熱残分(Yg)を300℃にて1時間加熱した加熱残分(Zg)より、式:N=[(Y−Z)/Z]×100(%)から算出した。
4.電気伝導度
電気伝導度計を用いて25℃で測定した。
5.キャピラリー電気泳動
装置:3DCE(Hewlett−Packard)
キャピラリーカラム:Fused Silica 75μm× l=72cm
バッファー:HP Organic Acids Buffer
Detector:Signals 350nm/Reference 200nm
調製例1
OH型の陰イオン交換樹脂アンバージェットIRA4002OH(商品名、ローム・アンド・ハース社製)を225ml充填し、40℃に温調した直径20mmのカラムに、ノニオン界面活性剤TDS80(商品名、第一工業製薬社製;25℃での10%水溶液の電気伝導度が130μS/cm)の20%水溶液をSV2(SV:Space velocity、空間速度)で流通させた後、H型の陽イオン交換樹脂アンバーライトIRA120(商品名、ローム・アンド・ハース社製)を225ml充填し40℃に温調した直径20mmのカラムにSV2で流通させた。
処理後のノニオン界面活性剤水溶液は、ノニオン界面活性剤濃度が30%であり、25℃での10%水溶液の電気伝導度が36μS/cmであり、有機酸濃度がノニオン界面活性剤の8ppmに相当する量であった。
OH型の陰イオン交換樹脂アンバージェットIRA4002OH(商品名、ローム・アンド・ハース社製)を225ml充填し、40℃に温調した直径20mmのカラムに、ノニオン界面活性剤TDS80(商品名、第一工業製薬社製;25℃での10%水溶液の電気伝導度が130μS/cm)の20%水溶液をSV2(SV:Space velocity、空間速度)で流通させた後、H型の陽イオン交換樹脂アンバーライトIRA120(商品名、ローム・アンド・ハース社製)を225ml充填し40℃に温調した直径20mmのカラムにSV2で流通させた。
処理後のノニオン界面活性剤水溶液は、ノニオン界面活性剤濃度が30%であり、25℃での10%水溶液の電気伝導度が36μS/cmであり、有機酸濃度がノニオン界面活性剤の8ppmに相当する量であった。
実施例1
OH型の陰イオン交換樹脂アンバーライトIRA4002OH(商品名、ローム・アンド・ハース社製)を225ml充填し40℃に温調した直径20mmのカラムに、調製例1で得たノニオン界面活性剤水溶液に更に水を加えノニオン界面活性剤濃度5%に調整した水溶液を900ml通液した。
その後、調製例1で得たノニオン界面活性剤水溶液をノニオン界面活性剤濃度が含フッ素ポリマーの質量の5%に相当する量となるよう加えたPTFE水性分散液(含フッ素ポリマー濃度:30%、PFOA濃度:含フッ素ポリマーの質量の1500ppmに相当する量)を、更に上記カラムにSV1で通液したところ、得られたPTFE水性分散液は含フッ素ポリマー濃度30%、PFOA濃度は検出限界(PTFE濃度の10ppm)未満であった。
なお、PTFE水性分散液を15L通液した時点で、陰イオン交換樹脂の破過が生じ、通液後のPTFE水性分散液中のPFOA濃度が含フッ素ポリマーの質量の700ppmに相当する量まで上昇した。
OH型の陰イオン交換樹脂アンバーライトIRA4002OH(商品名、ローム・アンド・ハース社製)を225ml充填し40℃に温調した直径20mmのカラムに、調製例1で得たノニオン界面活性剤水溶液に更に水を加えノニオン界面活性剤濃度5%に調整した水溶液を900ml通液した。
その後、調製例1で得たノニオン界面活性剤水溶液をノニオン界面活性剤濃度が含フッ素ポリマーの質量の5%に相当する量となるよう加えたPTFE水性分散液(含フッ素ポリマー濃度:30%、PFOA濃度:含フッ素ポリマーの質量の1500ppmに相当する量)を、更に上記カラムにSV1で通液したところ、得られたPTFE水性分散液は含フッ素ポリマー濃度30%、PFOA濃度は検出限界(PTFE濃度の10ppm)未満であった。
なお、PTFE水性分散液を15L通液した時点で、陰イオン交換樹脂の破過が生じ、通液後のPTFE水性分散液中のPFOA濃度が含フッ素ポリマーの質量の700ppmに相当する量まで上昇した。
調製例2
ノニオン界面活性剤TDS80(商品名、第一工業製薬社製、25℃での10%水溶液の電気伝導度が130μS/cm)の20%水溶液を、活性炭(朝日濾過材社製、ゼオコールM−10A)200gを充填した25℃に温調した直径20mmのカラムにSV2で通液させた。ノニオン界面活性剤濃度が20%であり、25℃での10%水溶液の電気伝導度が40μS/cmであり、有機酸の濃度が10ppmであるノニオン界面活性剤水溶液を得た。
ノニオン界面活性剤TDS80(商品名、第一工業製薬社製、25℃での10%水溶液の電気伝導度が130μS/cm)の20%水溶液を、活性炭(朝日濾過材社製、ゼオコールM−10A)200gを充填した25℃に温調した直径20mmのカラムにSV2で通液させた。ノニオン界面活性剤濃度が20%であり、25℃での10%水溶液の電気伝導度が40μS/cmであり、有機酸の濃度が10ppmであるノニオン界面活性剤水溶液を得た。
実施例2
OH型の陰イオン交換樹脂アンバージェットIRA4002OHを225ml充填し40℃に温調した直径20mmのカラムに、調製例2で得たノニオン界面活性剤を5%に調整した水溶液を900ml通液した。
その後、調製例2で得たノニオン界面活性剤をフッ素ポリマーの質量の5%となるように加えたPTFE水性分散液(含フッ素ポリマー濃度:30%、PFOA濃度:含フッ素ポリマーの質量の1500ppmに相当する量)を、上記カラムにSV1で通液したところ、得られたPTFE水性分散液はフッ素ポリマー濃度30%、PFOA濃度は検出限界未満であった。
OH型の陰イオン交換樹脂アンバージェットIRA4002OHを225ml充填し40℃に温調した直径20mmのカラムに、調製例2で得たノニオン界面活性剤を5%に調整した水溶液を900ml通液した。
その後、調製例2で得たノニオン界面活性剤をフッ素ポリマーの質量の5%となるように加えたPTFE水性分散液(含フッ素ポリマー濃度:30%、PFOA濃度:含フッ素ポリマーの質量の1500ppmに相当する量)を、上記カラムにSV1で通液したところ、得られたPTFE水性分散液はフッ素ポリマー濃度30%、PFOA濃度は検出限界未満であった。
比較例1
OH型の陰イオン交換樹脂アンバーライトIRA402を225ml充填し40℃に温調した直径20mmのカラムに、ノニオン界面活性剤TDS80(25℃での10%水溶液の電気伝導度が130μS/cm、有機酸濃度1200ppm)を含フッ素ポリマーの質量の5%に相当する量となるように加えたPTFE水性分散液(含フッ素ポリマー濃度30%、PFOA濃度:含フッ素ポリマーの質量の1500ppmに相当する量)をSV1で通液したところ、得られたPTFE水性分散液はフッ素ポリマー濃度30%、PFOA濃度は検出限界未満であった。
OH型の陰イオン交換樹脂アンバーライトIRA402を225ml充填し40℃に温調した直径20mmのカラムに、ノニオン界面活性剤TDS80(25℃での10%水溶液の電気伝導度が130μS/cm、有機酸濃度1200ppm)を含フッ素ポリマーの質量の5%に相当する量となるように加えたPTFE水性分散液(含フッ素ポリマー濃度30%、PFOA濃度:含フッ素ポリマーの質量の1500ppmに相当する量)をSV1で通液したところ、得られたPTFE水性分散液はフッ素ポリマー濃度30%、PFOA濃度は検出限界未満であった。
また、PTFE水性分散液を1L通液した時点で、陰イオン交換樹脂の破過が生じ、通液後のPTFE水性分散液中のPFOA濃度が含フッ素ポリマーの質量の800ppmに相当する量まで上昇した。
本発明の含フッ素ポリマー水性分散液の製造方法は、上述の構成よりなるので、含フッ素界面活性剤濃度が極めて低い含フッ素ポリマー水性分散液を調製することができる。
Claims (13)
- 被処理含フッ素ポリマー水性分散液をノニオン界面活性剤の存在下に陰イオン交換樹脂に接触させることよりなる含フッ素ポリマー水性分散液の製造方法であって、
前記ノニオン界面活性剤は、(1)該ノニオン界面活性剤の10質量%水溶液について測定する25℃での電気伝導度が100μS/cm以下、及び/又は、(2)有機酸濃度が質量で1000ppm以下である
ことを特徴とする含フッ素ポリマー水性分散液の製造方法。 - ノニオン界面活性剤を構成するノニオン界面活性化合物は、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルである請求項1記載の含フッ素ポリマー水性分散液の製造方法。
- ノニオン界面活性剤は、HLBが10〜16である請求項1又は2記載の含フッ素ポリマー水性分散液の製造方法。
- 含フッ素ポリマーは、パーフルオロポリマーである請求項1〜3の何れか1項に記載の含フッ素ポリマー水性分散液の製造方法。
- 含フッ素ポリマーは、ポリテトラフルオロエチレンである請求項1〜3の何れか1項に記載の含フッ素ポリマー水性分散液の製造方法。
- 含フッ素ポリマーは、数平均分子量が100万〜1000万である請求項1〜5の何れか1項に記載の含フッ素ポリマー水性分散液の製造方法。
- 被処理含フッ素ポリマー水性分散液中の含フッ素ポリマー粒子は、平均粒子径が50〜500nmである請求項1〜5の何れか1項に記載の含フッ素ポリマー水性分散液の製造方法。
- 被処理含フッ素ポリマー水性分散液は、含フッ素界面活性剤存在下での重合により得られるものである請求項1〜7の何れか1項に記載の含フッ素ポリマー水性分散液の製造方法。
- 陰イオン交換樹脂との接触は、含フッ素界面活性剤を除去するものである請求項8記載の含フッ素ポリマー水性分散液の製造方法。
- 含フッ素界面活性剤を構成する含フッ素界面活性化合物は、炭素数6〜10の含フッ素有機酸及び/又はその塩である請求項8又は9記載の含フッ素ポリマー水性分散液の製造方法。
- 被処理含フッ素ポリマー水性分散液の調製、ノニオン界面活性剤の濃度調整、電気伝導度測定、陰イオン交換樹脂の充填、及び、陰イオン交換樹脂との接触後の含フッ素ポリマー濃度調整よりなる群から選ばれる少なくとも1つにおいて使用する水は、25℃での電気伝導度が50μS/cm以下のイオン交換水である請求項1〜10の何れか1項に記載の含フッ素ポリマー水性分散液の製造方法。
- 請求項1〜11の何れか1項に記載の含フッ素ポリマー水性分散液の製造方法により得られる
ことを特徴とする含フッ素ポリマー水性分散液。 - 含フッ素界面活性剤濃度が含フッ素ポリマーの質量の100ppmに相当する量以下である請求項12記載の含フッ素ポリマー水性分散液。
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN113728015A (zh) * | 2019-04-26 | 2021-11-30 | 大金工业株式会社 | 氟聚合物水性分散液的制造方法和氟聚合物水性分散液 |
CN116199905A (zh) * | 2022-11-11 | 2023-06-02 | 中昊晨光化工研究院有限公司 | 一种聚四氟乙烯浓缩分散液 |
-
2006
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CN113728015A (zh) * | 2019-04-26 | 2021-11-30 | 大金工业株式会社 | 氟聚合物水性分散液的制造方法和氟聚合物水性分散液 |
EP3960777A4 (en) * | 2019-04-26 | 2023-01-18 | Daikin Industries, Ltd. | PROCESS FOR PREPARING AN AQUEOUS FLUOROPOLYMER DISPERSION AND AQUEOUS FLUOROPOLYMER DISPERSION |
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