JPWO2006109854A1 - フルオロポリマー水性分散液の製造方法 - Google Patents

フルオロポリマー水性分散液の製造方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、相分離法を用いることにより、実用的に充分高いフルオロポリマー濃度を有するフルオロポリマー水性分散液を製造する方法を提供する。本発明は、曇点を有するノニオン界面活性剤を被処理フルオロポリマー水性分散液に添加する工程(1)、上記工程(1)ののち特定温度範囲にて上澄相とフルオロポリマー水性分散液相とに相分離させる工程(2)、上記上澄相を除去して上記フルオロポリマー水性分散液相を得る工程(3)を含むフルオロポリマー水性分散液の製造方法であって、上記特定温度範囲は、上記ノニオン界面活性剤の曇点未満であることを特徴とするフルオロポリマー水性分散液の製造方法である。

Description

本発明は、フルオロポリマー水性分散液の製造方法に関する。
フルオロポリマー水性分散液は、コーティング、含浸等の方法で、化学的安定性、非粘着性、耐候性等に優れた特性を示すフィルムを形成することができるので、調理器具、配管のライニング、ガラスクロス含浸膜等の用途に広く使われてきた。これらの用途において、フルオロポリマー水性分散液は、フルオロポリマー濃度が高いものが好ましいので、一般に、水性媒体中で含フッ素乳化剤の存在下に含フッ素モノマーを重合したのち濃縮して得られたものが使用されている。しかしながら、含フッ素乳化剤は、フルオロポリマーの優れた特性を損なう原因となるので、フルオロポリマー水性分散液から除去することが望ましい。また、上記含フッ素乳化剤は、一般的に高価であるので、回収して再利用することが好ましい。
含フッ素乳化剤の回収方法としては、ポリテトラフルオロエチレン〔PTFE〕ディスパージョン中に含まれるパーフルオロオクタン酸及びその塩をプロセスにより系外に除去する方法が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
イオン交換体を用いたフルオロポリマー水性分散液からの含フッ素乳化剤の回収も提案されている。例えば、特許文献2では、フルオロポリマー水性分散液に非イオン性界面活性剤を加えこれを陰イオン交換体と接触させることによって含フッ素アニオン性界面活性剤を除去する方法について提案している。
特許文献3では、酸性条件下で含フッ素ポリマー水性分散液を蒸発濃縮する方法が開示され、この方法により含フッ素界面活性剤を除去できることが記載されている。
多量のノニオン界面活性剤の存在下で濃縮操作を行い上澄を分別して、含フッ素乳化剤を製品中から除去する方法が提案されている(例えば、特許文献4参照)。また、特許文献5では、水性分散液中の含フッ素乳化剤を除去するために、フルオロポリマー水性分散液に多量のノニオン界面活性剤を使用した濃縮操作を複数回行う方法が記載されているが、濃縮操作を繰り返していくことによって濃縮が進行しなくなる問題点については触れられていない。また、上述の何れの文献においても、相分離濃縮の通常条件から、充分実用的なフルオロポリマー濃度に達した含フッ素界面活性剤を低減したフルオロポリマー水性分散液を製造できることは記載されていない。
特開昭55−120630号公報 特表2002−532583号公報 特表2003−531232号公報 国際公開第03/078479号パンフレット 国際公開第2004/050719号パンフレット
本発明の目的は、上記現状に鑑み、相分離法を用いることにより、実用的に充分高いフルオロポリマー濃度を有するフルオロポリマー水性分散液を製造する方法を提供することにある。
本発明は、曇点を有するノニオン界面活性剤を被処理フルオロポリマー水性分散液に添加する工程(1)、上記工程(1)ののち特定温度範囲にて上澄相とフルオロポリマー水性分散液相とに相分離させる工程(2)、上記上澄相を除去して上記フルオロポリマー水性分散液相を得る工程(3)を含むフルオロポリマー水性分散液の製造方法であって、上記特定温度範囲は、上記ノニオン界面活性剤の曇点未満であることを特徴とするフルオロポリマー水性分散液の製造方法である。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明のフルオロポリマー水性分散液の製造方法は、曇点を有するノニオン界面活性剤の存在下に行うものである。
上記被処理フルオロポリマー水性分散液は、フルオロポリマーが水性媒体に分散してなるものである。
上記被処理フルオロポリマー水性分散液は、フルオロポリマーが水性媒体に分散してなるものであれば特に限定されず、上記フルオロポリマーを重合することにより得られる重合上がりの水性分散液であってもよいし、該重合上がりの水性分散液に含フッ素アニオン性界面活性剤低減処理及び/又は濃縮等の後処理を行うことにより得られる水性分散液であってもよい。
上記被処理フルオロポリマー水性分散液におけるフルオロポリマーは、炭素原子に結合しているフッ素原子を有している重合体である。
上記フルオロポリマーとしては、例えば、エラストマー性フルオロポリマー、非溶融加工性フルオロポリマー、溶融加工性フルオロポリマー等が挙げられる。
上記エラストマー性フルオロポリマーは、ゴム弾性を有する非晶質のフルオロポリマーであって、通常、30〜80質量%の第1単量体の単量体単位を有するものである。
本明細書において、上記「第1単量体」とは、エラストマー性フルオロポリマーの分子構造において、全単量体単位のうち最多質量を占める単量体単位を構成することとなったビニリデンフルオライド[VDF]又はテトラフルオロエチレン[TFE]を意味する。
本明細書において、上記第1単量体の単量体単位等の「単量体単位」は、フルオロポリマーの分子構造上の一部分であって、対応する単量体に由来する部分を意味する。例えば、TFE単位は、フルオロポリマーの分子構造上の一部分であって、TFEに由来する部分であり、−(CF−CF)−で表される。上記「全単量体単位」は、フルオロポリマーの分子構造上、単量体に由来する部分の全てである。
上記エラストマー性フルオロポリマーとして、例えば、TFE系重合体としては、TFE/プロピレン共重合体、TFE/パーフルオロビニルエーテル共重合体、ヘキサフルオロプロピレン[HFP]系重合体としては、HFP/エチレン共重合体、VDF系重合体としては、VDF/HFP共重合体、VDF/クロロトリフルオロエチレン[CTFE]共重合体、VDF/TFE共重合体、VDF/パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)[PAVE]共重合体、VDF/TFE/HFP共重合体、VDF/TFE/CTFE共重合体、VDF/TFE/PAVE共重合体等が挙げられる。
上記非溶融加工性フルオロポリマーとしては、ポリテトラフルオロエチレン[PTFE]が挙げられる。
本明細書において、上記PTFEは、TFE単独重合体のみならず、変性ポリテトラフルオロエチレン[変性PTFE]をも含む概念である。
本明細書において、上記「変性PTFE」とは、TFEと、TFE以外の微量単量体との共重合体であって、非溶融加工性であるものを意味する。
上記微量単量体としては、例えば、HFP、CTFE等のフルオロオレフィン、炭素原子1〜5個、特に炭素原子1〜3個を有するアルキル基を持つフルオロ(アルキルビニルエーテル);フルオロジオキソール;パーフルオロアルキルエチレン;ω−ヒドロパーフルオロオレフィン等が挙げられる。
変性PTFEにおいて、上記微量単量体に由来する微量単量体単位の全単量体単位に占める含有率は、通常0.001〜2モル%の範囲である。
本明細書において、「全単量体単位に占める微量単量体単位の含有率(モル%)」とは、上記「全単量体単位」が由来する単量体、即ち、フルオロポリマーを構成することとなった単量体全量に占める、上記微量単量体単位が由来する微量単量体のモル分率(モル%)を意味する。
上記溶融加工性フルオロポリマーとしては、例えば、エチレン/TFE共重合体[ETFE]、TFE/HFP共重合体[FEP]、TFE/パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体[TFE/PAVE共重合体]、PVDF、VDF系共重合体、ポリフッ化ビニル[PVF]等が挙げられる。
上記TFE/PAVE共重合体としては、TFE/パーフルオロ(メチルビニルエーテル)[PMVE]共重合体[MFA]、TFE/パーフルオロ(エチルビニルエーテル)[PEVE]共重合体、TFE/パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)[PPVE]共重合体等が挙げられる。
上記溶融加工性フルオロポリマーとしてのVDF系共重合体としては、VDF/TFE共重合体、VDF/HFP共重合体、VDF/CTFE共重合体、VDF/TFE/HFP共重合体、VDF/TFE/CTFE共重合体等が挙げられる。
上記被処理フルオロポリマー水性分散液におけるフルオロポリマーとしては、パーフルオロポリマーが好ましく、なかでも、PTFEが好ましい。
上記フルオロポリマーの平均粒子径は、通常50〜500nmであり、好ましくは、100〜350nmである。
上記平均粒子径は、フルオロポリマー濃度を0.22質量%に調整した水性分散液の単位長さに対する550nmの投射光の透過率と、透過型電子顕微鏡写真における定方向径を測定して決定された平均粒子径との検量線をもとにして、上記透過率から決定したものである。
上記被処理フルオロポリマー水性分散液における水性媒体は、水を含む液体であれば特に限定されず、水に加え、例えば、アルコール、エーテル、ケトン、パラフィンワックス等のフッ素非含有有機溶媒及び/又はフッ素含有有機溶媒をも含むものであってもよい。
上記被処理フルオロポリマー水性分散液は、フルオロポリマー濃度が、通常5〜60質量%である。
上記フルオロポリマー濃度は、5質量%未満であると、後述の分離において相分離を行う場合、上澄相とフルオロポリマー水性分散液相との分離が困難となることがある。一方、60質量%を超えると、上記被処理フルオロポリマー水性分散液中に存在する含フッ素アニオン性界面活性剤の除去が困難となることがある。
上記フルオロポリマー濃度は、好ましい下限が10質量%、より好ましい下限が15質量%であり、好ましい上限が40質量%、より好ましい上限が30質量%である。
本明細書において、フルオロポリマー濃度(P)は、試料約1g(X)を直径5cmのアルミカップにとり、100℃、1時間で乾燥した加熱残分、さらにこれを300℃、1時間乾燥した加熱残分(Z)に基づき、式:P=Z/X×100(%)にて決定したものである。
上記被処理フルオロポリマー水性分散液は、更に、界面活性剤をも含むものであってもよい。
上記界面活性剤としては特に限定されず、例えば、従来公知のノニオン界面活性剤、アニオン性界面活性剤等が挙げられ、また、含フッ素界面活性剤であってもよい。
上記ノニオン界面活性剤としては、公知のものを使用でき、例えば、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキレンアルキルエーテル等のエーテル型ノニオン界面活性剤;エチレンオキサイド/プロピレンオキサイドブロック共重合体等のポリオキシエチレン誘導体;ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル等のエステル型ノニオン界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルキルアルカノールアミド等のアミン系ノニオン界面活性剤;等が挙げられる。
上記ノニオン界面活性剤は、芳香族系化合物、直鎖化合物及び分岐鎖を有する化合物の何れであってもよいが、アルキルフェノールを構造中に有しない直鎖化合物又は分岐鎖を有する化合物であることが好ましく、後述の「曇点を有するノニオン界面活性剤」に関して例示するものがより好ましい。
上記アニオン性界面活性剤としては、含フッ素界面活性剤からなるものが好ましい。
上記含フッ素界面活性剤としては、含フッ素化合物からなり乳化作用を有するものであれば特に限定されないが、構成する含フッ素化合物としては、平均分子量が1000以下であるものが好ましく、除去容易である点で、平均分子量が500以下であるものがより好ましい。
上記含フッ素界面活性剤としては、また、炭素数が5〜12の含フッ素化合物からなるものが好ましい。上記炭素数が5未満であると、一般に、乳化作用を発揮することができない。
上記含フッ素界面活性剤としては、含フッ素カルボン酸化合物、含フッ素スルホン酸化合物等の含フッ素アニオン化合物からなるものが好ましく、含フッ素カルボン酸化合物からなるものがより好ましく、炭素数が5〜12の含フッ素カルボン酸化合物からなるものが更に好ましく、パーフルオロオクタン酸アンモニウム又はその塩であることが特に好ましい。
上記アニオン性界面活性剤としては、例えば、アニオン性の含フッ素界面活性剤(以下、「含フッ素アニオン性界面活性剤」ということがある。)を使用することができ、含フッ素アニオン性界面活性剤としては、例えば、パーフルオロオクタン酸及びその塩(以下、「パーフルオロオクタン酸及びその塩」をまとめて「PFOA」と略記することがある。)、パーフルオロオクチルスルホン酸及びその塩(以下、「パーフルオロオクチルスルホン酸及びその塩」をまとめて「PFOS」と略記することがある。)等の公知の含フッ素アニオン性界面活性剤を使用することができる。
上記PFOA及びPFOSは、塩である場合、特に限定されないが、アンモニウム塩等が挙げられる。
上記含フッ素界面活性剤は、上記被処理フルオロポリマー水性分散液を構成するフルオロポリマーを水性媒体中にて重合する際に乳化剤(重合乳化剤)として添加したものであってよい。
上記被処理フルオロポリマー水性分散液は、含フッ素アニオン性界面活性剤濃度が、例えば、上記被処理フルオロポリマー水性分散液の1000ppm以下であってもよいし、500ppm以下であってもよいし、100ppm以下であってもよい。
本発明のフルオロポリマー水性分散液の製造方法は、被処理フルオロポリマー水性分散液の含フッ素アニオン性界面活性剤濃度が上記範囲内のように低い場合であっても、実用上充分に高いフルオロポリマー濃度を有するフルオロポリマー水性分散液を得ることができる点で優れている。
本発明のフルオロポリマー水性分散液の製造方法は、含フッ素アニオン性界面活性剤濃度が被処理フルオロポリマー水性分散液の100ppm以下であるような被処理フルオロポリマー水性分散液であっても、更に含フッ素アニオン性界面活性剤濃度を低下させたフルオロポリマー水性分散液を得ることができる点で優れている。
本明細書において、上記被処理フルオロポリマー水性分散液又は上記フルオロポリマー水性分散液中の含フッ素アニオン性界面活性剤の含有量は、これら水性分散液と等量のメタノールを添加してソックスレー抽出を行ったのち、後述の条件にて、高速液体クロマトグラフィー〔HPLC〕を行うことにより測定したものである。
上記被処理フルオロポリマー水性分散液は、懸濁重合、乳化重合等、公知の方法にてフルオロポリマーの重合を行うことにより調製することができる。
上記各重合において使用するフッ素含有単量体、フッ素非含有単量体、及び、重合開始剤、連鎖移動剤等の添加剤として、適宜公知のものを使用することができ、また、上記各重合において、必要に応じ、上述の重合乳化剤を使用することができる。
上記各重合は、重合効率の点で、含フッ素界面活性剤を上記水性媒体の0.0001〜10質量%の量存在させて行うことが好ましい。上記含フッ素界面活性剤の量は、上記水性媒体の0.001質量%以上であることが好ましく、1質量%以上であることがより好ましい。
上記被処理フルオロポリマー水性分散液は、含フッ素アニオン性界面活性剤除去工程を1回以上経ているものであることが好ましい。
上記含フッ素アニオン性界面活性剤除去工程は、特に限定されないが、相分離法、イオン交換樹脂法、膜処理法、電気泳動法及び蒸発法から選択される少なくとも1つの除去工程からなるものであることが好ましく、相分離法、イオン交換樹脂法及び膜処理法から選択される少なくとも1つの除去工程からなるものであることがより好ましく、相分離法であることが更に好ましい。
上記相分離法は、例えば、フルオロポリマーを10〜50重量%含有する重合上がりのフルオロポリマー乳化重合液に、水と、無機性/有機性比が1.07〜1.50であるノニオン界面活性剤とを、国際公開第2003/078479号公報記載の特定範囲の量で添加することにより行うことができる。
上記イオン交換樹脂法は、例えば、フルオロポリマーを15〜30質量%含有するフルオロポリマー水性分散液に、該水性分散液中0.5〜15質量%となるようノニオン界面活性剤を加え、更にpHを7〜9に調整した後、予めOH型に調整した強塩基性樹脂からなる陰イオン交換体を、塩基性の環境下において接触させることにより行うことができ、好ましくは特表2002−532583号公報記載の方法にて行うことができる。
上記膜処理法は、例えば、フルオロポリマー水性分散液に、フルオロポリマーの0.5〜12質量%となるようノニオン界面活性剤を添加した後に、限外濾過半透過膜を透過させることにより行うことができ、好ましくは特開昭55−120630号公報記載の方法にて行うことができる。
上記電気泳動法は、例えば、ノニオン界面活性剤をフルオロポリマーを5質量%以上含有するフルオロポリマー水性分散液について、分子量1000以上の分子を遮断するセルロース膜を有し、膜間隔が0.5〜30mmである電気透析装置を用い、電気密度90〜320mA/mである回分式電気透析により行うことができ、好ましくは特開平10−51472号公報記載の方法にて行うことができる。
上記蒸発法は、例えば、ノニオン界面活性剤をフルオロポリマー量の0.5〜10質量%に相当する量で含有するフルオロポリマー水性分散液を、pH5未満、好ましくはpH1〜3に調整し、真空下にて含フッ素界面活性剤を蒸発させることにより行うことができ、好ましくは特表2003−531232号公報記載の方法にて行うことができる。
上記含フッ素アニオン性界面活性剤除去工程は、ノニオン界面活性剤を用いて行うことが好ましく、このノニオン界面活性剤としては、上述の被処理フルオロポリマー水性分散液に関し例示したものが挙げられ、該例示中、前述と同様の好ましいアルキルフェノールを構造中に有しない直鎖化合物又は分岐鎖を有する化合物からなるノニオン界面活性剤を用いることができる。
例えば、上記含フッ素アニオン性界面活性剤除去工程として相分離法を行う場合、ノニオン界面活性剤は、被処理フルオロポリマー水性分散液中のフルオロポリマー100質量部に対して、好ましくは5〜40質量部、より好ましくは10〜30質量部の量を添加することが好ましい。
上記含フッ素アニオン性界面活性剤除去工程としてイオン交換樹脂法を行う場合、ノニオン界面活性剤は、被処理フルオロポリマー水性分散液中のフルオロポリマー100質量部に対して、好ましくは0.5〜30質量部、より好ましくは0.5〜10質量部の量を添加することが好ましい。
上記曇点とは、ノニオン界面活性剤水溶液を加熱していくと該水溶液に曇りが生じ白濁液となるが、該白濁液を徐々に冷却した際に液全体が透明となる温度を意味する。
本明細書において、上記曇点は、ISO1065(Method A)に従い、測定希釈試料15mlを試験管に入れ、完全に不透明になるまで加熱させた後に、攪拌しながら徐々に冷却させた際に液全体が透明となる温度として測定した値である。
上記「曇点を有するノニオン界面活性剤」としては、例えば、上述の被処理フルオロポリマー水性分散液に関し例示したものが挙げられるが、なかでも、ポリオキシエチレンアルキルエーテル構造のものが好ましく、炭素数10〜20のアルキル基を有するポリオキシエチレンアルキルエーテル構造を有するものがより好ましく、炭素数10〜15のアルキル基を有するポリオキシエチレンアルキルエーテル構造を有するものが更に好ましい。上記ポリオキシエチレンアルキルエーテル構造を有するノニオン界面活性剤としては、例えば、ノイゲンTDS−80(第一工業製薬社製)等が挙げられる。
本発明において、上記曇点を有するノニオン界面活性剤は、被処理フルオロポリマー水性分散液を攪拌させながら添加することが好ましい。
被処理フルオロポリマー水性分散液を攪拌することにより、添加したノニオン界面活性剤は、被処理フルオロポリマー水性分散液中に均一に分散され、後述の工程(2)において上澄相に速く移行し易くなるので、工程時間をより短縮することができる。
上記ノニオン界面活性剤の添加は、アンモニア水溶液等を用いて、被処理フルオロポリマー水性分散液をpH3〜12に調製した後に行うことができる。
本発明において、上記曇点を有するノニオン界面活性剤は、少なくとも工程(2)の開始時において、被処理フルオロポリマー水性分散液中のフルオロポリマー100質量部に対して5〜40質量部であるように添加することが好ましい。
上記ノニオン界面活性剤の量は、上記フルオロポリマー100質量部に対して5質量部未満であると、上澄相とフルオロポリマー水性分散液相との分離が困難となることがあり、一方、上記フルオロポリマー100質量部に対して40質量部を超えると、経済性が損なわれることがある。
上記ノニオン界面活性剤の量は、より好ましい下限が上記フルオロポリマー100質量部に対して10質量部となる量であり、より好ましい上限が上記フルオロポリマー100質量部に対して30質量部となる量である。
上記曇点を有するノニオン界面活性剤の量は、ノニオン界面活性剤を用いる含フッ素アニオン性界面活性剤除去工程を1回以上経ているものを被処理フルオロポリマー水性分散液として用いる場合、該含フッ素アニオン性界面活性剤除去工程において添加したノニオン界面活性剤の残存量をも含む量である。
本明細書において、ノニオン界面活性剤の含有量は、試料約1g(X)を直径5cmのアルミカップにとり、100℃、1時間で乾燥した加熱残分、更にこれを300℃、1時間乾燥した加熱残分(Z)から、式:N=(Y−Z)/X×100(%)及びP=Z/X×100(%)に基づき決定したものである。
本発明のフルオロポリマー水性分散液の製造方法は、上記工程(1)ののち特定温度範囲にて上澄相とフルオロポリマー水性分散液相とに相分離させる工程(2)を含むものである。
上記特定温度範囲は、工程(1)において添加したノニオン界面活性剤の曇点未満の範囲であれば、フルオロポリマー、該ノニオン界面活性剤等の種類、量等に応じて適宜設定することができるが、好ましくは該曇点より20℃低い温度以上、より好ましくは該曇点より15℃低い温度以上、更に好ましくは該曇点より10℃低い温度以上の範囲であればよい。温度が低すぎると、得られるフルオロポリマー水性分散液中のフルオロポリマー濃度が低くなる傾向がある。
上記工程(2)における相分離は、上記特定温度範囲の温度下に行うものであれば、被処理フルオロポリマー水性分散液とノニオン界面活性剤との混合液を攪拌せずに行ってもよいし、攪拌させて行ってもよい。
従来の相分離法については、相分離温度が使用するノニオン界面活性剤の曇点以上の温度であることが記載されていたが、本発明のフルオロポリマー水性分散液の製造方法は、相分離温度を該ノニオン界面活性剤の曇点未満の温度にて行うことにより、実用に充分に高いフルオロポリマー濃度を有するフルオロポリマー水性分散液を調製することができる。
本発明のフルオロポリマー水性分散液の製造方法は、上記上澄相を除去して、上記フルオロポリマー水性分散液相を得る工程(3)を含むものである。
上記上澄相を除去する方法としては、特に限定されず、デカンテーション等、従来公知の方法にて行うことができる。
本発明から得られるフルオロポリマー水性分散液は、上述のフルオロポリマー水性分散液相として得られる水性分散液そのものであってもよいし、得られるフルオロポリマー水性分散液相に、水やノニオン界面活性剤を添加して濃度調整を行う、アンモニア水等を添加してpH調整を行う等の公知の後処理を行ったものであってもよい。
上記フルオロポリマー水性分散液は、フルオロポリマー濃度が、35質量%以上であることが好ましく、45質量%以上であることがより好ましく、55質量%以上であることが更に好ましい。上記フルオロポリマー水性分散液は、フルオロポリマー水性分散液相を従来公知の濃縮操作をすることなく、上記範囲内のフルオロポリマー濃度を得ることができる。
本発明のフルオロポリマー水性分散液の製造方法は、相分離を特定温度範囲内にて行うものであるので、含フッ素アニオン性界面活性剤濃度が1000ppm程度と低い被処理フルオロポリマー水性分散液であっても、更に含フッ素アニオン性界面活性剤を低減することができる。
本発明から得られるフルオロポリマー水性分散液は、上述のように各種界面活性剤の濃度が低いので、各種界面活性剤に起因するフルオロポリマーの特性劣化がない。このため、上記フルオロポリマー水性分散液は、フルオロポリマー粉末、フルオロポリマー成形体等に加工しやすく、また、得られるフルオロポリマー成形体は、耐熱性、耐薬品性、耐久性、耐侯性、表面特性、機械的特性等の物性に優れており、例えば、調理器具、配管のライニング、ガラスクロス含浸膜、電池用結着剤等の材料として有用に用いることができる。
本発明のフルオロポリマー水性分散液の製造方法は、上述の構成よりなるものであるので、実用的に充分高いフルオロポリマー濃度を有するフルオロポリマー水性分散液を容易に製造することができる。
本発明を実施例及び比較例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例及び比較例により限定されるものではない。
本実施例及び比較例において、特に説明しない限り、「部」は「質量部」を表す。
各製造例、各実施例又は各比較例で行った測定は、以下の方法により行った。
1.ノニオン界面活性剤濃度及びフルオロポリマー濃度
試料約1g(X)を直径5cmのアルミカップにとり、100℃、1時間で乾燥した加熱残分(Y)、さらにこれを300℃、1時間乾燥した加熱残分(Z)に基づき、下式にて決定した。
N=(Y−Z)/X×100(%)
P=Z/X×100(%)
(各式中、Nは、ノニオン界面活性剤濃度であり、Pはフルオロポリマー濃度である。)
2.含フッ素アニオン性界面活性剤濃度
(1)乳化重合から得られたフルオロポリマー水性分散液における濃度
下記条件にて、高速液体クロマトグラフィー〔HPLC〕を行うことにより測定した。
HPLC測定条件
カラム:ODS−120T(4.6φ×250mm、トーソー社製)
展開液;アセトニトリル/0.6質量%過塩素酸水溶液=60/40(vol/vol%)
サンプル量;20μL
流速;1.0ml/分
検出波長;UV210nm
カラム温度;40℃
定量限界;10ppm
・含フッ素アニオン性界面活性剤濃度の算出にあたり、既知の濃度の含フッ素アニオン性界面活性剤水溶液について上記展開液及び条件にてHPLC測定して得られた検量線を用いた。
(2)被処理フルオロポリマー水性分散液及びフルオロポリマー水性分散液相中における濃度
測定対象のフルオロポリマー水性分散液に、該水性分散液と等量のメタノールを添加してソックスレー抽出を行ったのち、HPLC測定を上記条件にて行うことにより求めた。上記ソックスレー抽出は、測定対象のフルオロポリマー水性分散液10g程度に等量のメタノールを添加して凝析後、100gのメタノールを用いて90℃、10時間行った。
実施例1
乳化重合をして得られたポリテトラフルオロエチレン〔PTFE〕水性分散液450g(フルオロポリマー含有量34%、パーフルオロオクタン酸アンモニウム〔PFOA〕含有量790ppm)に、28%アンモニア水を添加してpHを9に調整し、水35gとノニオン界面活性剤(製品名:ノイゲンTDS−80、第一工業製薬社製、曇点58℃)15gを加え、40℃にて攪拌を行い、均一に混合した。得られた混合液を56℃にて6時間加熱した後、上澄相とフルオロポリマー水性分散液相とに分離した。得られたフルオロポリマー水性分散液相は、本発明におけるフルオロポリマー水性分散液であり、フルオロポリマー濃度が68%、ノニオン界面活性剤濃度が2%、PFOA濃度が該フルオロポリマー水性分散液の880ppmであった。
製造例1
乳化重合をして得られたPTFE水性分散液(フルオロポリマー含有量25%、PFOA含有量625ppm)57.7gを入れ、10%アンモニア水溶液でpHを9に調整した後、ノイゲンTDS−80を2.9g添加し、40℃にて攪拌を行い、均一に混合した。この容器を80℃の温水槽中に静置した。静置後すぐに透明な上澄相が生じ、時間の経過とともに上澄相の体積割合が増えていくのが観察された。
静置開始時より5分後に上澄相の体積割合がほぼ一定となった。得られた上澄相を除去し、フルオロポリマー水性分散液相を分離した。得られたフルオロポリマー水性分散液相は、フルオロポリマー濃度が38.0%であり、PFOA濃度が該フルオロポリマー水性分散液相の299ppmであった。
実施例2
製造例1から得られたフルオロポリマー水性分散液相を被処理フルオロポリマー水性分散液とし、該被処理フルオロポリマー水性分散液50gに、水を75g、ノイゲンTDS−80を4.8g追加し、40℃にて攪拌を行い、均一に混合した。得られた混合液を56℃にて6時間加熱後、上澄相とフルオロポリマー水性分散液相とに分離した。得られたフルオロポリマー水性分散液相は、本発明におけるフルオロポリマー水性分散液であり、フルオロポリマー濃度が65%、PFOA濃度は定量限界未満であった。
製造例2
乳化重合をして得られたPTFE水性分散液(フルオロポリマー含有量34%、PFOA含有量790ppm)370gに、28%アンモニア水を添加してpHを9に調整し、水110gとノイゲンTDS−80 20gとを加え、40℃にて攪拌を行い、均一に混合した。得られた混合液を70℃にて6時間加熱した後、上澄相とフルオロポリマー水性分散液相とに分離した。得られたフルオロポリマー水性分散液相は、フルオロポリマー濃度が65%、ノニオン界面活性剤濃度が1.8%、PFOA濃度が該フルオロポリマー水性分散液相の140ppmであった。
実施例3
製造例2から得られたフルオロポリマー水性分散液相を被処理フルオロポリマー水性分散液とし、該被処理フルオロポリマー水性分散液19gに、ノイゲンTDS−80を2g、水を28g加えて、40℃にて攪拌を行い、均一に混合した。得られた混合液を56℃にて6時間加熱して、フルオロポリマー水性分散液相と上澄相とに分離した。得られたフルオロポリマー水性分散液相は、本発明におけるフルオロポリマー水性分散液であり、フルオロポリマー濃度が64%、PFOA濃度は定量限界未満であった。
実施例4
製造例2から得られたフルオロポリマー水性分散液相を被処理フルオロポリマー水性分散液とし、該被処理フルオロポリマー水性分散液19gに、ノイゲンTDS−80を3g、水を28g加えて、40℃にて攪拌を行い、均一に混合した。得られた混合液を56℃にて6時間加熱して、フルオロポリマー水性分散液相と上澄相とに分離した。得られたフルオロポリマー水性分散液相は、本発明におけるフルオロポリマー水性分散液であり、フルオロポリマー濃度が65%、PFOA濃度は定量限界未満であった。
製造例3
製造例2から得られたフルオロポリマー水性分散液相を被処理フルオロポリマー水性分散液とし、該被処理フルオロポリマー水性分散液57gに、ノイゲンTDS−80を9g、水を84g加えて、40℃にて攪拌を行い、均一に混合した。得られた混合液を56℃にて6時間加熱して、フルオロポリマー水性分散液相と上澄相とに分離した。得られたフルオロポリマー水性分散液相は、フルオロポリマー濃度が65%、ノニオン界面活性剤濃度は1.7%、PFOA濃度は該フルオロポリマー水性分散液相の60ppmであった。
実施例5
製造例3から得られたフルオロポリマー水性分散液相を被処理フルオロポリマー水性分散液とし、該被処理フルオロポリマー水性分散液19gにノイゲンTDS−80を3g、水を28g加えて、40℃にて撹拌を行い、均一に混合した.得られた混合液を56℃にて6時間加熱して、フルオロポリマー水性分散液相と上澄相とに分離した。得られたフルオロポリマー水性分散液相は、本発明におけるフルオロポリマー水性分散液であり、フルオロポリマー濃度が66%、PFOA濃度は定量限界未満であった。
比較例1
製造例2から得られたフルオロポリマー水性分散液相を被処理フルオロポリマー水性分散液とし、該被処理フルオロポリマー水性分散液19gに、ノイゲンTDS−80を2g、水を28g加えて、40℃にて攪拌を行い、均一に混合した。得られた混合液を70℃にて6時間加熱して、濃縮相と上澄相とに分離した。得られた濃縮相を分析したところ、フルオロポリマー濃度は24%、PFOA濃度は定量限界未満であった。
比較例2
製造例2から得られたフルオロポリマー水性分散液相を被処理フルオロポリマー水性分散液とし、該被処理フルオロポリマー水性分散液19gに、ノイゲンTDS−80を3g、水を28g加えて、40℃にて攪拌を行い、均一に混合した。得られた混合液を70℃にて6時間加熱して、濃縮相と上澄相とに分離した。得られた濃縮相を分析したところ、フルオロポリマー濃度は23%、PFOA濃度は定量限界未満であった。
各実施例及び各比較例の結果より、本発明のフルオロポリマー水性分散液の製造方法は、従来、ノニオン界面活性剤の曇点以上である温度で行っていた加熱を、曇点未満である温度で行った場合であっても、相分離を行うことができ、また、含フッ素アニオン性界面活性剤を除去できることが分かった。また、実施例3〜4の結果より、本発明のフルオロポリマー水性分散液の製造方法は、含フッ素アニオン性界面活性剤濃度が低い被処理フルオロポリマー水性分散液について行うものであっても、含フッ素アニオン性界面活性剤を除去できると同時に、実用上充分な濃度のフルオロポリマー水性分散液を得ることができることが分かった。
本発明のフルオロポリマー水性分散液の製造方法は、上述の構成よりなるものであるので、実用的に充分高いフルオロポリマー濃度を有するフルオロポリマー水性分散液を容易に製造することができる。

Claims (9)

  1. 曇点を有するノニオン界面活性剤を被処理フルオロポリマー水性分散液に添加する工程(1)、
    前記工程(1)ののち特定温度範囲にて上澄相とフルオロポリマー水性分散液相とに相分離させる工程(2)、及び、
    前記上澄相を除去して前記フルオロポリマー水性分散液相を得る工程(3)
    を含むフルオロポリマー水性分散液の製造方法であって、
    前記特定温度範囲は、前記ノニオン界面活性剤の曇点未満である
    ことを特徴とするフルオロポリマー水性分散液の製造方法。
  2. 被処理フルオロポリマー水性分散液は、含フッ素アニオン性界面活性剤濃度が前記被処理フルオロポリマー水性分散液の1000ppm以下である請求項1記載のフルオロポリマー水性分散液の製造方法。
  3. 被処理フルオロポリマー水性分散液は、含フッ素アニオン性界面活性剤濃度が前記被処理フルオロポリマー水性分散液の500ppm以下である請求項1記載のフルオロポリマー水性分散液の製造方法。
  4. 被処理フルオロポリマー水性分散液は、含フッ素アニオン性界面活性剤濃度が前記被処理フルオロポリマー水性分散液の100ppm以下である請求項1記載のフルオロポリマー水性分散液の製造方法。
  5. 含フッ素アニオン性界面活性剤は含フッ素カルボン酸化合物である請求項2、3又は4記載のフルオロポリマー水性分散液の製造方法。
  6. 含フッ素アニオン性界面活性剤はパーフルオロオクタン酸アンモニウム又はその塩である請求項2、3、4又は5記載のフルオロポリマー水性分散液の製造方法。
  7. 被処理フルオロポリマー水性分散液は、含フッ素アニオン性界面活性剤除去工程を1回以上経ているものである請求項1、2、3、4、5又は6記載のフルオロポリマー水性分散液の製造方法。
  8. 含フッ素アニオン性界面活性剤除去工程は、相分離法、イオン交換樹脂法、膜処理法、電気泳動法及び蒸発法から選択される少なくとも1つの除去工程からなるものである請求項7記載のフルオロポリマー水性分散液の製造方法。
  9. 含フッ素アニオン性界面活性剤除去工程は、相分離法、イオン交換樹脂法及び膜処理法から選択される少なくとも1つの除去工程からなるものである請求項7又は8記載のフルオロポリマー水性分散液の製造方法。
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