JP4806978B2 - 水性液体精製方法及び含フッ素ポリマー水性分散液製造方法 - Google Patents
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Description
これらの化合物については、しかしながら、同定・分離する対象として炭化水素系化合物のみが提案されており、含フッ素有機酸は提案されていなかった。
Donleavy,"J.Am.Chem.Soc.",Vol.58,1004頁(1936年) T.Momose and H.Tanaka, "Pharmaceutical Bulletin",Vol.2,152−154頁(1954年)
R1−Z (I)
(式中、R1は、直鎖若しくは分岐でヘテロ原子を有していてもよくHがFに置換されていてもよい炭化水素基、F又はHを表し、Zは、−COOM1、−SO3M1又はリン酸由来基を表し、M1は、H、NH4、Na又はKを表す。)で表される有機酸化合物を特定化合物の存在下に除去することよりなる水性液体精製方法であって、
上記特定化合物は、上記有機酸化合物と水不溶性塩を形成する陽イオンからなる無機イオン化合物、又は、上記有機酸化合物と水不溶性塩若しくは水不溶性配位物を形成する塩基性有機化合物である
ことを特徴とする水性液体精製方法である。
R1−Z (I)
(式中、R1は、直鎖若しくは分岐でヘテロ原子を有していてもよくHがFに置換されていてもよい炭化水素基、F又はHを表し、Zは、−COOM1、−SO3M1又はリン酸由来基を表し、M1は、H、NH4、Na又はKを表す。)で表される有機酸化合物を下記一般式(II)
R2−Y−C(−NH2)=NH・HX (II)
(式中、R2は、Hが置換されていてもよい炭化水素基を表し、Yは、O又はSを表し、Xは、Cl又はBrを表す。)で表されるイソ(チオ)ウレア化合物の存在下に除去することよりなる
ことを特徴とする水性液体精製方法である。
以下に本発明を詳細に説明する。
一般式(I)におけるR1は、該記載のとおり、炭化水素基、F又はHを表し、なかでも、炭化水素基である場合、直鎖若しくは分岐の炭化水素基であってもよいし、ヘテロ原子を有している炭化水素基であってもよいし、炭化水素基が有するHがFに置換されたものであってもよい。
上記R1で表される上記炭化水素基としては、例えば、H(CF2)n−、又は、F(CF2)n−(nは、1〜12の整数を表す。)であってもよい。上記nは、好ましい下限が4であり、好ましい上限が8である。
本明細書において、「ヘテロ原子」は、酸素原子、窒素原子、硫黄原子及びリン原子よりなる群から選ばれる少なくとも1種である。上記R1としての炭化水素基がヘテロ原子を有するものである場合、該ヘテロ原子としては、酸素原子及び/又は窒素原子が好ましく、酸素原子がより好ましい。上記R1としての炭化水素基が有し得る酸素原子としては、エーテル結合及び/又はエステル結合を構成する酸素原子であることが好ましい。上記R1としての炭化水素基が有し得る窒素原子としては、アミノ基又は置換アミノ基を構成する窒素原子であることが好ましい。
上記一般式(I)におけるR1としての炭化水素基は、ヘテロ原子を有しないものであることが好ましく、水素原子がフッ素置換されているものが好ましい。
上記R1としての炭化水素基は、炭素数が4〜20であることが好ましく、5〜12であることがより好ましい。
上記R1は、HがFに置換されたアルキル基であることが好ましく、パーフルオロアルキル基であることがより好ましい。
本明細書において、「リン酸由来基」は、リン酸〔H3PO4〕に由来するリン酸残基ともいい得る基であり、−PO3H2M2、−PO3HM2 2、−PO3M2 3、−OPO(OM1)2、−O(PO2M1)1/2及び−O(PO)1/3よりなる群から選ばれる少なくとも1種である。
M1は、H、NH4、Na又はKを表す。
M2は、NH4、Na又はKを表す。
上記リン酸由来基においてM1又はM2がそれぞれ1分子中に2つ以上ある場合、該2つ以上のM1又は該2つ以上のM2は、相互に異なるものであってもよいが、通常、同一のものである。
上記一般式(I)は、Zがリン酸由来基である場合、下記式
[R1−(O)p−]xPO(OM1)3−x
(pは、0又は1の整数を表し、xは、1〜3の整数を表す。R1及びM1は、上記定義のとおり。(3−x)個のM1は、相互に同一のものであってもよいし異なるものであってもよい。)で表すことができる。
上記Zとしては、−COOM1(M1は、上記と同じ。)であることが好ましく、−COONaであることがより好ましい。
上記有機酸化合物は、炭素数が4〜12であるものが好ましい。
上記有機酸化合物は、上記一般式(I)で表されるものであれば、水性液体中に1種のみ含まれるものであってもよいし、2種以上含まれるものであってもよい。
上記有機酸化合物としては、例えば、含フッ素界面活性剤が好ましく、パーフルオロオクタン酸又はその塩がより好ましい。本明細書において、「パーフルオロオクタン酸又はその塩」を包括的に「PFOA」と略記することがある。
上記有機酸化合物は、除去処理を行う際、合計で、水性液体の0.001〜2質量%であることが好ましい。
上記有機酸化合物は、除去効率の点で、水性液体の0.05質量%以上であることがより好ましく、また、0.1質量%以下であることがより好ましい。
本明細書において、上記有機酸化合物の量は、19F−NMR(測定機器AC300P、Bruker Biospin製)から求めた値である。
上記水性液体としては、水溶液であってもよいし、水性分散液であってもよい。
上記水性液体は、上記溶質/分散質を含有する場合、水溶液であれば、水性媒体に上記溶質/分散質が溶質として溶解してなるものであり、水性分散液であれば、水性媒体に上記溶質/分散質が分散質として分散してなるものである。
上記水性液体は、上記水性媒体に加え、例えば、含フッ素ポリマー粒子を含むものであってもよいし、更に、上記含フッ素ポリマー粒子製造時に添加する上記有機酸化合物以外の公知の界面活性剤、及び/又は、連鎖移動剤、ラジカル捕捉剤等の公知の添加剤等、含フッ素ポリマー粒子からなる水性分散体や組成物の配合物を含むものであってもよい。
上記「水と相溶性をもつ有機液体」としては、例えば、アルコール、エーテル、ケトン、パラフィンワックス等のフッ素非含有有機溶媒及び/又はフッ素含有有機溶媒をも含むもの等が挙げられる。
本発明における水性液体は、含フッ素ポリマー粒子の存在又は非存在下に有機酸化合物を含むものであって、該含フッ素ポリマー粒子は、該水性液体の5質量%未満であるものであってもよい。
本明細書において、水性液体は上述した成分からなるので、水性液体の質量は、水性媒体、有機酸化合物、並びに、所望により含有していてもよい含フッ素ポリマー粒子及び/又は添加剤類の合計質量である。
上記含フッ素ポリマー粒子を水性液体の5〜70質量%の範囲において有する水性液体としては特に限定されないが、例えば、含フッ素ポリマーを該範囲にて含む水溶液又は水性分散液等が挙げられる。
上記含フッ素ポリマーの水溶液又は水性分散液は、通常、含フッ素ポリマーを得るための重合反応後、所望の含フッ素ポリマー濃度とするため必要に応じて希釈、濃縮等を行って得られるものである。
本明細書において、上記含フッ素ポリマーの含有量は、試料約1g(Xg)を100℃にて1時間で加熱した加熱残分(Yg)、更に、該加熱残分(Yg)を300℃にて1時間加熱した加熱残分(Zg)より、含フッ素ポリマーP=(Z/X)×100(%)の関係に基づき算出した値である。
上記含フッ素ポリマーとしては、例えば、エラストマー性含フッ素ポリマー、非溶融加工性含フッ素ポリマー、溶融加工性含フッ素ポリマー等が挙げられる。
なお、上記VDF系重合体は、共単量体の種類及び/又はその量等により、エラストマー性含フッ素ポリマーに相当するものであってもよいし、溶融加工性含フッ素ポリマーに相当するものであってもよい。
本明細書において、上記PTFEは、TFE単独重合体のみならず、変性ポリテトラフルオロエチレン[変性PTFE]をも含む概念である。
本明細書において、上記「変性PTFE」とは、TFEと、TFE以外の微量単量体との共重合体であって、非溶融加工性であるものを意味する。
上記微量単量体としては、例えば、パーフルオロオレフィン、フルオロ(アルキルビニルエーテル)、環式のフッ素化された単量体、パーフルオロ(アルキルエチレン)等が挙げられる。
変性PTFEにおいて、上記微量単量体に由来する微量単量体単位の全単量体単位に占める含有率は、通常0.001〜2モル%の範囲である。
本明細書において、「全単量体単位に占める微量単量体単位の含有率(モル%)」とは、上記「全単量体単位」が由来する単量体、即ち、含フッ素ポリマーを構成することとなった単量体全量に占める、上記微量単量体単位が由来する微量単量体のモル分率(モル%)を意味する。
上記TFE/PAVE共重合体としては、TFE/パーフルオロ(メチルビニルエーテル)[PMVE]共重合体[MFA]、TFE/パーフルオロ(エチルビニルエーテル)[PEVE]共重合体、TFE/パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)[PPVE]共重合体等が挙げられ、なかでも、MFA、TFE/PPVE共重合体が好ましく、TFE/PPVE共重合体がより好ましい。
上記「平均一次粒子径」とは、重合上がりの重合体の平均粒子径であって、重合後、凝析、濃縮等の後処理をしていない重合体の平均粒子径を意味する。
上記平均一次粒子径は、含フッ素ポリマー濃度を0.22質量%に調整した水性分散液の単位長さに対する550nmの投射光の透過率と、透過型電子顕微鏡写真における定方向径を測定して決定された平均粒子径との検量線をもとにして、上記透過率から決定したものである。
上記各重合において使用するフッ素含有単量体、フッ素非含有単量体、乳化剤、及び、重合開始剤、連鎖移動剤等の添加剤として、適宜公知のものを使用することができ、また、乳化剤として、上記一般式(I)で表される有機酸化合物を使用することもできるし、上記有機酸化合物以外の公知の界面活性剤を使用することもできる。
上記重合は、例えば、上述した範囲内の平均一次粒子径を有する含フッ素ポリマーを製造する場合、10〜120℃の温度にて行うことが好ましく、また、通常0.5〜10MPa、好ましくは1.0MPa以上、より好ましくは6.2MPa以下の圧力にて行うことができる。
上記重合から得られる重合上がりの水性分散液は、含フッ素ポリマー濃度が5〜40質量%が好ましく、15〜35質量%がより好ましい。
上記後処理において、含フッ素ポリマー粒子を安定に分散させるため、上記一般式(I)で表される有機酸化合物を使用してもよいし、ノニオン性界面活性剤等、上記有機酸化合物以外の公知の界面活性剤を使用してもよい。
本発明における水性液体は、含フッ素ポリマー粒子を含むものである場合、除去処理による含フッ素ポリマー粒子の凝集を防止する点で、ノニオン性界面活性剤を含むものであってもよい。
該水性液体が含み得るノニオン性界面活性剤としては特に限定されず、例えば、本発明の含フッ素ポリマー水性分散液製造方法に用いる後述の水性液体Aが含有し得るノニオン性界面活性剤等が挙げられる。
上記特定化合物は、上記有機酸化合物と水不溶性塩を形成する陽イオンからなる無機イオン化合物、又は、上記有機酸化合物と水不溶性塩若しくは水不溶性配位物を形成する塩基性有機化合物である。
上記特定化合物としては、何れか1種を添加するものであってもよいし、2種以上を添加するものであってもよい。
上記多価金属塩を形成する多価金属としては、Al、Ca、Mg等が挙げられる。
上記無機イオン化合物としては、なかでも、Al(OH)3、Al2(SO4)3、CaCl2等が好ましい。
本発明における塩基性有機化合物としては、例えば、分子構造中に−C(−NHR3)=NHを有する有機化合物等が挙げられる。−C(−NHR3)=NHで表される基本骨格を有する化合物は、酸塩であってよいが、存在する環境の液性により、上記基本骨格における二重結合の位置が移動し得るものであってよい。上記式中、R3は、下記定義のとおりであり、即ち、Hが置換されていてもよい炭化水素基又はHを表す。
Q−C(−NHR3)=NH (i)
(式中、Qは、R2S−、R12O−、R13R14N−又はR2−を表し、R3及びR12は、H又はR2を表し、R13及びR14は、同一若しくは異なって、H又はR2を表し、R2は、Hが置換されていてもよい炭化水素基を表す。)で表される化合物又はその酸塩が挙げられる。
上記一般式(i)で表される化合物は、上記一般式(i)におけるQがR2S−である場合、イソチオウレア化合物、QがR12O−である場合、イソウレア化合物、QがR13R14N−である場合、グアニジン化合物、QがR2−である場合、アミジン化合物ということがある。
上記アミジン化合物の酸塩は、通常、
Q−C(−NHR3)=NH・HX 又は
[Q−C(−NHR3)=NH]2・H2SO4
と表すことができる(Q、R3及びXは、上記定義のとおり。)。
本明細書において、「イソ(チオ)ウレア化合物」は、「イソウレア化合物又はイソチオウレア化合物」を総括する概念を表すが、このことは、後述の一般式(II)においてYがO又はSを表すと定義していることから明らかである。
R2−Y−C(−NH2)=NH・HX (II)
(式中、R2は、Hが置換されていてもよい炭化水素基を表し、Yは、O又はSを表し、Xは、Cl又はBrを表す。)で表されるイソ(チオ)ウレア化合物であってもよい。
本明細書において、上記一般式(II)で表したイソ(チオ)ウレア化合物としては、例えば、
上記R2としての炭化水素基は、炭素数が1〜25であることが好ましい。
上記R2としての炭化水素基は、アリール基を含む炭化水素基又は炭素数1〜3のアルキル基であることが好ましく、アリールアルキル基又はエチル基であることが好ましい。
上記R2に含まれ得るアリール基としては、少なくとも1個、通常1〜2個のHが置換基に置換されているものであってもよく、該置換基としては、例えばニトロ基等が挙げられる。
上記R2は、−CH2−Ar(式中、Arは、置換基を1〜2個有していてもよいフェニル基を表す。)又はエチル基であることが好ましい。該フェニル基が有し得る置換基としては、ニトロ基が好ましい。上記R2は、−CH2−Ph(Phは、フェニル基を表す。)であることがより好ましい。
上記一般式(i)において、上記R2としての炭化水素基における置換基としては、該炭化水素基がアルキル基である場合、例えば、F等のハロゲン、酸素等のヘテロ原子等が挙げられ、炭化水素基が上記「アリール基を含む炭化水素基」である場合、例えばニトロ基等が挙げられる。
上述の一般式(i)において、QがR13R14N−である場合、R13及びR14におけるR2としては、アリール基又は炭素数1〜3のアルキル基であることが好ましく、フェニル基、メチル基がより好ましい。
上記一般式(i)において、QがR2−である場合、該R2としては、炭素数1〜3のアルキル基であることが好ましく、メチル基がより好ましい。
上記一般式(i)において、上記Qは、R12O−、R13R14N−、R2−であることが好ましく、R12O−、R13R14N−であることがより好ましい。
(1)水性液体に含まれる有機酸化合物をイソ(チオ)ウレア化合物その他の特定化合物の存在下に沈殿させることよりなる沈殿工程、及び、
(2)上記沈殿工程により生じた沈殿を水性液体から取り除くことよりなる除去工程
を含むものであることが好ましい。
上記イソ(チオ)ウレア化合物その他の特定化合物の添加と攪拌は、水性液体の液温0〜80℃にて行うことが好ましく、例えば15〜30℃の室温にて行うことができる。
上記特定化合物が無機イオン化合物である場合、その添加量は、有機酸化合物1モル当り1〜20モルの割合であることが好ましい。上記特定化合物が塩基性有機化合物である場合、その添加量は、有機酸化合物1モル当り1〜20モルの割合であることが好ましい。
本発明の方法は、極めて簡便な方法により有機酸化合物を効率良く除去することができ、除去処理後の有機酸化合物の含有量が低いので、環境への影響が少なく、含フッ素ポリマー重合又はその後工程等により生じる廃水の処理を効率的かつ容易ならしめ、作業安全性を高め、環境への負荷を低減することができる。
本明細書において、「含フッ素ポリマー粒子の存在下に有機酸化合物を含む水性液体」を、「水性液体A」ということがある。
上記ノニオン性界面活性剤としては、例えば、下記一般式(i):
R3−O−A1−H (i)
(式中、R3は、直鎖状又は分岐鎖状の炭素数8〜19、好ましくは10〜16のアルキル基;A1は、炭素数8〜58のポリオキシアルキレン鎖)
で表されるポリオキシアルキレンアルキルエーテルからなるもの、下記一般式(ii):
R4−C6H4−O−A2−H (ii)
(式中、R4は、炭素数4〜12の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基であり、A2は、炭素数8〜58のポリオキシアルキレン鎖である。)により表されるポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルからなるもの等が挙げられる。
上記ノニオン性界面活性剤濃度は、より好ましい上限が含フッ素ポリマー100質量部に対し10質量部、更に好ましい上限は5質量部であり、上記範囲内であれば、ノニオン性界面活性剤を存在させる効果を得る点で、0.5質量部以上であってもよい。
上記含フッ素ポリマー水性分散液は、有機酸化合物の含有量が低いので、例えば、塗装、含浸、キャスト製膜、成形加工等に用いる際に、耐熱性等の含フッ素ポリマーの優れた物性を活かすことができる。
攪拌機及び冷却管を備えた25ml容量のフラスコに、パーフルオロオクタン酸〔PFOA〕1質量%水溶液1g(pH5.86)と、ベンジルイソチオウレア塩酸塩〔C6H5CH2SC(NH2)NH・HCl〕2質量%水溶液10gとを加え、室温にて5分間攪拌した。攪拌後、白色の浮遊物が確認された。攪拌後、110nm濾紙を用いて濾過した。得られた水溶液について19F−NMR(測定機器AC300P、Bruker Biospin製、検出限界20ppm。PFOA濃度測定について、以下同じ。)により測定したところ、PFOAに由来するピークは観測されなかった。
25ml容量のビーカーへ、ベンジルイソチオウレア塩酸塩1質量%水溶液10gにPFOA1質量%水溶液1gを加え、室温にて5分間撹拌したところ、白色の浮遊物が確認された。攪拌後、110nm濾紙を用いて濾過した。濾過したサンプルを19F−NMRで測定したところ、PFOAは検出限界以下であった。
ベンジルイソチオウレア塩酸塩0.1質量%水溶液10gにPFOA1質量%水溶液1gを加える以外は実施例2と同様の操作を行った。攪拌後、白色の浮遊物が確認された。得られた水溶液において、PFOAは検出限界以下であった。
ベンジルイソチオウレア塩酸塩100ppm水溶液10gにPFOA1質量%水溶液1gを加える以外は実施例2と同様の操作をしたところ、得られた水溶液において、850ppmのPFOAが確認された。
エチルイソチオウレア臭酸塩0.4質量%水溶液10gにPFOA1質量%水溶液1gを加える以外は実施例2と同様の操作をした。攪拌後、白色の浮遊物が確認された。得られた水溶液において、PFOAは検出限界以下であった。
エチルチオウレア臭酸塩500ppm水溶液11gにPFOA1質量%水溶液1gを加える以外は実施例2と同様の操作をした。攪拌後、白色の浮遊物が確認された。得られた水溶液において、180ppmのPFOAが確認された。
エチルチオウレア臭酸塩40ppm水溶液10gにPFOA1質量%水溶液1gを加える以外は実施例2と同様の操作をしたところ、得られた水溶液において、770ppmのPFOAが確認された。
ベンジルイソチオウレア塩酸塩100ppm水溶液10gを塩酸を用いてpHを1.2とした後、PFOA1質量%水溶液1gを加える以外は、実施例2と同様の操作をした。攪拌後、白色の浮遊物が確認された。得られた水溶液において、PFOAは検出限界以下であった。
ベンジルイソチオウレア塩酸塩100ppm水溶液10gをアンモニア水を用いてpHを10とした後、PFOA1質量%水溶液1gを加える以外は、実施例2と同様の操作をした。攪拌後、白色の浮遊物が確認された。得られた水溶液において、100ppmのPFOAが確認された。
ベンジルイソチオウレア塩酸塩10ppm水溶液10gにPFOA1質量%水溶液1gを加える以外は、実施例2と同様の操作をしたところ、得られた水溶液において、930ppmのPFOAが確認された。
1,1−ジメチルグアニジン硫酸塩6500ppm水溶液10gにPFOA1質量%水溶液1gを加える以外は、実施例2と同様の操作をしたところ、得られた水溶液において、PFOAは検出限界以下であった。
1,1−ジメチルグアニジン硫酸塩730ppm水溶液10gにPFOA1質量%水溶液1gを加える以外は、実施例2と同様の操作をしたところ、得られた水溶液において、PFOAは検出限界以下であった。
グアニジン塩酸塩2800ppm水溶液10gにPFOA1質量%水溶液1gを加える以外は、実施例2と同様の操作をしたところ、得られた水溶液において、840ppmのPFOAが確認された。
HClでpHを1.3に調整した1,3−ジフェニルグアニジン3800ppm水溶液10gにPFOA1質量%水溶液1gを加える以外は、実施例2と同様の操作をしたところ、得られた水溶液において、PFOAは検出限界以下であった。
HClでpHを1.3に調整した1,3−ジフェニルグアニジン600ppm水溶液10gにPFOA1質量%水溶液1gを加える以外は、実施例2と同様の操作をしたところ、得られた水溶液において、140ppmのPFOAが確認された。
アセトアミジン塩酸塩3200ppm水溶液10gにPFOA1質量%水溶液1gを加える以外は、実施例2と同様の操作をしたところ、得られた水溶液において、450ppmのPFOAが確認された。
O−メチルイソウレア硫酸塩6000ppm水溶液10gにPFOA1質量%水溶液1gを加える以外は、実施例2と同様の操作をしたところ、得られた水溶液において、140ppmのPFOAが確認された。
PFOA1500ppm水溶液40gに硫酸アルミニウム27質量%水溶液0.9gを加え撹拌後、溶液中のPFOA濃度を測定すると730ppmであった。
HCl水溶液でpHを3に調整したPFOA1500ppm水溶液40gに硫酸アルミニウム27質量%水溶液0.9gを加え撹拌後、溶液中のPFOA濃度を測定すると800ppmであった。
NH3水溶液でpHを10に調整したPFOA1500ppm水溶液40gに硫酸アルミニウム27質量%水溶液0.9gを加え撹拌後、溶液中のPFOA濃度を測定すると250ppmであった。
PFOA1500ppm水溶液40gに塩化カルシウム5質量%水溶液1.6gを加え撹拌後、溶液中のPFOA濃度を測定すると1400ppmであった。
PFOA1500ppm水溶液40gに酢酸マグネシウム2.5質量%水溶液2.0gを加え撹拌後、溶液中のPFOA濃度を測定すると1400ppmであった。
25mlビーカーに、パーフルオロオクタン酸〔PFOA〕水溶液10g(PFOA濃度:1100ppm)と、尿素〔H2NCONH2〕0.4g(14mmol)とを加え、室温にて5分間攪拌した。攪拌後、30分間静置した。得られた水溶液について、下記条件にてHPLCを行い、PFOA濃度を測定したところ、1070ppmであった。
また、上記攪拌を4時間行った後に濾過して得られた水溶液について、同様にPFOA濃度を測定したところ、1070ppmであった。
25mlビーカーに、パーフルオロオクタン酸〔PFOA〕水溶液10g(PFOA濃度:1100ppm)と、アニリン〔C6H5NH2〕0.2g(2mmol)とを加え、室温にて5分間攪拌した。攪拌後、30分間静置した。得られた水溶液について、比較例1と同じ条件にてHPLCを行い、PFOA濃度を測定したところ、1100ppmであった。
また、上記攪拌を3時間行った後に濾過して得られた水溶液について、同様にPFOA濃度を測定したところ、1100ppmであった。
Claims (13)
- 水性液体に含まれる下記一般式(I)
R1−Z (I)
(式中、R1は、直鎖若しくは分岐でヘテロ原子を有していてもよくHがFに置換されていてもよい炭化水素基、F又はHを表し、Zは、−COOM1、−SO3M1又はリン酸由来基を表し、M1は、H、NH4、Na又はKを表す。)で表される有機酸化合物を特定化合物の存在下に除去することよりなる水性液体精製方法であって、
前記特定化合物は、前記有機酸化合物と水不溶性塩若しくは水不溶性配位物を形成する塩基性有機化合物であり、
塩基性有機化合物は、下記一般式(i)
Q−C(−NHR 3 )=NH (i)
(式中、Qは、R 2 S−、R 12 O−、R 13 R 14 N−又はR 2 −を表し、R 3 及びR 12 は、H又はR 2 を表し、R 13 及びR 14 は、同一若しくは異なって、H又はR 2 を表し、R 2 は、Hが置換されていてもよい炭化水素基を表す。)で表される化合物又はその酸塩である
ことを特徴とする水性液体精製方法。 - 塩基性有機化合物は、一般式(i)におけるQがR12O−、R13R14N−又はR2−(R12、R13、R14及びR2は、前記定義のとおり。)である化合物又はその酸塩であり、
前記酸塩を形成する酸は、HX(Xは、Cl又はBrを表す。)又はH2SO4である請求項1記載の水性液体精製方法。 - 水性液体に含まれる下記一般式(I)
R1−Z (I)
(式中、R1は、直鎖若しくは分岐でヘテロ原子を有していてもよくHがFに置換されていてもよい炭化水素基、F又はHを表し、Zは、−COOM1、−SO3M1又はリン酸由来基を表し、M1は、H、NH4、Na又はKを表す。)で表される有機酸化合物を下記一般式(II)
R2−Y−C(−NH2)=NH・HX (II)
(式中、R2は、Hが置換されていてもよい炭化水素基を表し、Yは、O又はSを表し、Xは、Cl又はBrを表す。)で表されるイソ(チオ)ウレア化合物の存在下に除去することよりなる
ことを特徴とする水性液体精製方法。 - R2は、−CH2−Ar(式中、Arは、置換基を1〜2個有していてもよいフェニル基を表す。)、又は、炭素数1〜3のアルキル基である請求項1、2又は3記載の水性液体精製方法。
- 有機酸化合物は、平均分子量が1000以下である請求項1、2、3又は4記載の水性液体精製方法。
- 有機酸化合物は、炭素数が4〜12である請求項1、2、3、4又は5記載の水性液体精製方法。
- 有機酸化合物は、パーフルオロカルボン酸又はその塩である請求項1、2、3、4、5又は6記載の水性液体精製方法。
- 水性液体は、含フッ素ポリマー粒子の存在又は非存在下に有機酸化合物を含むものであり、
前記含フッ素ポリマー粒子は、前記水性液体の5質量%未満である請求項1、2、3、4、5、6又は7記載の水性液体精製方法。 - 水性液体は、含フッ素ポリマー粒子の存在下に有機酸化合物を含むものであり、
前記含フッ素ポリマー粒子は、前記水性液体の5〜70質量%である請求項1、2、3、4、5、6又は7記載の水性液体精製方法。 - 含フッ素ポリマー粒子は、平均粒子径が50〜500nmである請求項8又は9記載の水性液体精製方法。
- 含フッ素ポリマー粒子を構成する含フッ素ポリマーは、パーフルオロポリマーである請求項8、9又は10記載の水性液体精製方法。
- 含フッ素ポリマー粒子を構成する含フッ素ポリマーは、ポリテトラフルオロエチレンである請求項8、9又は10記載の水性液体精製方法。
- 精製工程を経て含フッ素ポリマー水性分散液を製造することよりなる含フッ素ポリマー水性分散液製造方法であって、
前記精製工程は、請求項9、10、11又は12記載の水性液体精製方法により行うものである
ことを特徴とする含フッ素ポリマー水性分散液製造方法。
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