JP5287310B2 - 低分子量ポリテトラフルオロエチレン水性分散液、低分子量ポリテトラフルオロエチレン粉末及び低分子量ポリテトラフルオロエチレンの製造方法 - Google Patents

低分子量ポリテトラフルオロエチレン水性分散液、低分子量ポリテトラフルオロエチレン粉末及び低分子量ポリテトラフルオロエチレンの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、低分子量ポリテトラフルオロエチレン水性分散液、低分子量ポリテトラフルオロエチレン粉末及び低分子量ポリテトラフルオロエチレンの製造方法に関する。
分子量60万以下の低分子量ポリテトラフルオロエチレン〔PTFE〕は、化学的安定性に優れ、表面エネルギーが極めて低いことに加え、フィブリル化が生じにくいので、滑り性や塗膜表面の質感を向上させる添加剤として、プラスチック、インク、化粧品、塗料、グリース、トナー、めっき液への添加剤等の製造に用いられている。
特許文献1には、乳化剤としてパーフルオル−またはω−ヒドロ−パーフルオルアルキルカルボン酸のアンモニウム塩またはナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属塩を使用して、低分子量のテトラフルオロエチレンワックスを製造することが記載されている。
特許文献2には、下記一般式:
X(CFCOOH
(式中、Xは水素原子、フッ素原子又は塩素原子、aは6〜12の整数を表す。)で表される水溶性含フッ素分散剤を用いて、低分子量PTFEを製造することが記載されている。
特許文献3には、含フッ素ビニル基含有乳化剤の存在下に水性媒体中においてテトラフルオロエチレンを重合することにより得られたテトラフルオロエチレン重合体水性分散液が記載されている。
特許文献4には、ラジカル重合性不飽和結合と親水基とを有する含フッ素ビニル基含有化合物、及び、フッ素原子が直接結合した炭素原子が1〜6個の範囲で連続して結合するものであるフルオロカーボン基と親水基とを有する含フッ素化合物の存在下で含フッ素モノマーをラジカル重合して含フッ素ポリマーを製造する方法が記載されている。
特開昭51−41085号公報 特開平10−147617号公報 国際公開第2005/034880号パンフレット 国際公開第2008/001894号パンフレット
しかしながら、滑り性や塗膜表面の質感を更に向上させるために、従来技術では達成できなかった小粒径の低分子量ポリテトラフルオロエチレンが求められている。
本発明の目的は、上記現状に鑑み、粒径の小さい低分子量ポリテトラフルオロエチレン粒子を含む低分子量ポリテトラフルオロエチレン水性分散液を提供することにある。
本発明の目的は、また、マトリックス材料に対して微分散可能な粒径の小さい低分子量ポリテトラフルオロエチレン粉末を提供することにある。
本発明の目的は、更に、粒径の小さい低分子量ポリテトラフルオロエチレンを製造する製造方法を提供することにある。
本発明は、テトラフルオロエチレン単位、又は、テトラフルオロエチレン単位と上記テトラフルオロエチレン単位と共重合可能な変性モノマー単位とを含む低分子量ポリテトラフルオロエチレンの水性分散液であって、上記低分子量ポリテトラフルオロエチレンは、平均一次粒子径が100nm以下であることを特徴とする低分子量ポリテトラフルオロエチレン水性分散液である。
本発明は、テトラフルオロエチレン単位、又は、テトラフルオロエチレン単位と上記テトラフルオロエチレン単位と共重合可能な変性モノマー単位とを含む低分子量ポリテトラフルオロエチレンの粉末であって、上記低分子量ポリテトラフルオロエチレンは、平均一次粒子径が100nm以下であることを特徴とする低分子量ポリテトラフルオロエチレン粉末である。
本発明は、テトラフルオロエチレン単位、又は、テトラフルオロエチレン単位と上記テトラフルオロエチレン単位と共重合可能な変性モノマー単位とを含む低分子量ポリテトラフルオロエチレンの粉末であって、比表面積が16m/g以上であることを特徴とする低分子量ポリテトラフルオロエチレン粉末である。
本発明は、反応性化合物及び連鎖移動剤の存在下、テトラフルオロエチレン、又は、テトラフルオロエチレンと上記テトラフルオロエチレンと共重合可能な変性モノマーとの乳化重合を水性媒体中で行うものであって、上記反応性化合物は、ラジカル重合で反応可能な官能基と親水基とを有し、上記水性媒体に対して10ppmに相当する量を超える量であることを特徴とする低分子量ポリテトラフルオロエチレン〔PTFE〕の製造方法である。
本発明は、上記製造方法により得られることを特徴とする低分子量PTFE水性分散液である。
本発明は、上記製造方法により得られることを特徴とする低分子量PTFEである。
本発明は、上記低分子量PTFE水性分散液、上記低分子量PTFE粉末、又は、上記低分子量PTFEを含有することを特徴とする塗料、エンジニアリングプラスチック、化粧品、グリース、又は、トナーである。
以下に本発明について詳細に説明する。
本発明の低分子量ポリテトラフルオロエチレン水性分散液は、テトラフルオロエチレン単位、又は、テトラフルオロエチレン単位と当該テトラフルオロエチレン単位と共重合可能な変性モノマー単位とを含む低分子量ポリテトラフルオロエチレンの水性分散液であって、低分子量ポリテトラフルオロエチレン〔PTFE〕の平均一次粒子径が100nm以下であることを特徴とする。
本発明の低分子量PTFE水性分散液は、低分子量PTFEの平均一次粒子径が100nm以下である。このように平均一次粒子径が小さい低分子量PTFEの水性分散液は、マトリックス材料の添加剤として用いた場合に、分散粒径が小さくなるため、吸油量も多くなり、安定した微分散体が得られる。このため、塗膜表面の質感を向上させる等、マトリックス材料の表面を改質する効果が高く、添加量自体を低減させることができる。
低分子量PTFEの平均一次粒子径は、100nm未満であることが好ましく、80nm以下であることがより好ましく、60nm以下であることがさらに好ましく、10nm以上であることが好ましい。
本明細書において、上記「低分子量PTFEの平均一次粒子径」とは、低分子量PTFE水性分散液における低分子量PTFEの乳化粒子の平均粒子径を意味する。
上記低分子量PTFEの平均一次粒子径は、電子顕微鏡写真から決定するものである。
上記平均一次粒子径は、得られた低分子量PTFE水性分散液の透過型電子顕微鏡写真から、または上記水性分散液を凝析することにより得られた低分子量PTFE粉末の走査型電子顕微鏡写真から、低分子量PTFE一次粒子の投影面積円相当径(Heywood径)を算出し、これを低分子量PTFEの平均一次粒子径とする。
本発明の低分子量ポリテトラフルオロエチレン水性分散液は、下記一般式(1)
X−(CFm1−Y (1)
(式中、XはH又はFを表し、mは3〜5の整数を表し、Yは−SOM、−SOM、−SOR、−SOR、−COOM、−PO、−PO(MはH、NH又はアルカリ金属を表し、Rは炭素数1〜12のアルキル基を表す。)を表す。)で表される含フッ素化合物を水性分散液に対して70〜9000ppm含有することが好ましい。含フッ素化合物の含有量が水性分散液に対して70〜9000ppmであると、分散安定性が優れる。更に、上記含フッ素化合物が一般式(1)で表される化合物であると、除去が容易であり、本発明の低分子量PTFE水性分散液を添加剤として使用した場合であってもこの化合物が残留することによる悪影響がない。
水性分散液中の上記含フッ素化合物の含有量は、350ppm以上であることが好ましく、1800ppm以下であることが好ましい。
本発明の低分子量PTFE水性分散液は、下記一般式(3)
X−(CFm2−Y (3)
(式中、XはH又はFを表し、mは6以上の整数を表し、Yは−SOM、−SOM、−SOR、−SOR、−COOM、−PO、−PO(MはH、NH又はアルカリ金属を表し、Rは炭素数1〜12のアルキル基を表す。)を表す。)で表される含フッ素化合物を含まないことが好ましい。
本明細書において、水性分散液中の含フッ素化合物の含有量は、以下の方法により得られる値である。
カラム:ODS120A(トーソー)、展開液:アセトニトリル/0.05Mリン酸水溶液=60/40(vol/vol%)、流速:1.0ml/分、サンプル量:20μL、カラム温度:40℃、検出光:UV210nmの条件で、0.5ppm、1.0ppm、5ppm、10ppm、50ppm、100ppm、500ppm濃度の含フッ素化合物水溶液についてHPLCを行い、含フッ素化合物濃度と含フッ素化合物のピーク面積との関係より検量線を作成する。
測定対象の水性分散液と同容量のメタノールを加え、均一に混合後、静置し、上精部分に含まれる含フッ素化合物量を上記HPLC条件で測定し、得られた含フッ素化合物のピーク面積より上記検量線を基に決定する。
上記低分子量PTFE水性分散液は、後述の低分子量PTFEの製造方法により好適に製造することができる。
テトラフルオロエチレン単位、又は、テトラフルオロエチレン単位と当該テトラフルオロエチレン単位と共重合可能な変性モノマー単位とを含む低分子量PTFEの粉末であって、比表面積が16m/g以上であることを特徴とする低分子量PTFE粉末も本発明の1つである。
このように比表面積が大きい低分子量PTFEの粉末は、マトリックス材料の添加剤として用いた場合に、吸油量も多くなり、安定した微分散体が得られる。このため、塗膜表面の質感を向上させる等、マトリックス材料の表面を改質する効果が高く、添加量自体を低減させることができる。上記低分子量PTFE粉末の比表面積は、20m/g以上であることが好ましい。上記比表面積は、上記範囲であればよいが、例えば、上限を100m/gとすることができる。
上記比表面積は、表面分析計(商品名:MONOSORB、QUANTA CHLROME社製)を用い、キャリアガスとして窒素30%、ヘリウム70%の混合ガスを用い、冷却に液体窒素を用いて、BET法により測定するものである。
上記低分子量PTFE粉末は、分散粒径が小さくなることから、平均一次粒子径が100nm以下であることが好ましく、100nm未満であることがより好ましく、80nm以下であることがより好ましく、60nm以下であることがさらに好ましく、10nm以上であることが好ましい。
上記粉末の平均一次粒子径は、電子顕微鏡写真から決定するものである。粉末の平均一次粒子径の測定方法は、上記低分子量PTFE水性分散液における乳化粒子の平均一次粒子径と同様である。
本発明は、テトラフルオロエチレン単位、又は、テトラフルオロエチレン単位と上記テトラフルオロエチレン単位と共重合可能な変性モノマー単位とを含む低分子量ポリテトラフルオロエチレンの粉末であって、上記低分子量ポリテトラフルオロエチレンは、平均一次粒子径が100nm以下であることを特徴とする低分子量ポリテトラフルオロエチレン粉末も本発明の1つである。
このように平均一次粒子径が小さい低分子量PTFEの粉末は、マトリックス材料の添加剤として用いた場合に、吸油量も多くなり、安定した微分散体が得られる。このため、塗膜表面の質感を向上させる等、マトリックス材料の表面を改質する効果が高く、添加量自体を低減させることができる。上記低分子量PTFE粉末の平均一次粒子径は、100nm以下であることが好ましく、100nm未満であることがより好ましく、80nm以下であることがより好ましく、60nm以下であることがさらに好ましく、10nm以上であることが好ましい。
上記粉末の平均一次粒子径は、電子顕微鏡写真から決定するものである。粉末の平均一次粒子径の測定方法は、上記低分子量PTFE水性分散液における乳化粒子の平均一次粒子径と同様である。
上記平均一次粒子径が小さい低分子量PTFEの粉末は、比表面積が16m/g以上であることが好ましい。好ましい比表面積及び比表面積の測定方法は上述したものと同様である。
上記低分子量PTFE粉末は、取り扱い性の点で、平均粒子径が1〜30μmであるものが好ましく、より好ましくは2〜20μmである。平均粒子径が1μm未満のものは、見掛密度が小さいため舞い立ちやすく、取り扱い性に劣るおそれがある。平均粒子径が30μmを超えるものは、マトリックス材料に微分散し難く、マトリックス材料中に低分子量PTFEの塊状が出やすくなる。
上記平均粒子径は、レーザー回折式粒度分布測定装置(日本レーザー社製)を用い、カスケードは使用せず、圧力0.1MPa、測定時間3秒で粒度分布を測定し、得られた粒度分布積算の50%に対応する粒子径に等しいとした。
本発明の低分子量PTFE粉末は、下記一般式(1)
X−(CFm1−Y (1)
(式中、XはH又はFを表し、mは3〜5の整数を表し、Yは−SOM、−SOM、−SOR、−SOR、−COOM、−PO、−PO(MはH、NH又はアルカリ金属を表し、Rは炭素数1〜12のアルキル基を表す。)を表す。)で表される含フッ素化合物の含有量が低分子量ポリテトラフルオロエチレン粉末に対して100ppm以下であることが好ましく、5ppm以下であることがより好ましい。
また、上記低分子量PTFE粉末は、更に洗浄および乾燥工程での除去効率を上げることによって含フッ素化合物の含有量を1ppm以下にすることが容易である。従来の粉末と比較しても含有量が極めて少ないため、従来のように界面活性剤の含有量を考慮することなく、そのまま添加剤として使用することができる。このような理由から、本発明の低分子量PTFE粉末は、含フッ素化合物を可能な限り含まないことが好ましい。
本発明の低分子量PTFE粉末は、下記一般式(3)
X−(CFm2−Y (3)
(式中、XはH又はFを表し、mは6以上の整数を表し、Yは−SOM、−SOM、−SOR、−SOR、−COOM、−PO、−PO(MはH、NH又はアルカリ金属を表し、Rは炭素数1〜12のアルキル基を表す。)を表す。)で表される含フッ素化合物を含まないことが好ましい。
本明細書において、粉末中の含フッ素化合物の含有量は、以下の測定方法により得られる値である。
すなわち、粉末3gに抽出溶媒としてメタノール30mlを加え、マイクロ波式溶媒抽出システムMARS5(CEM社製)を用い、150℃×60分の条件で抽出し、抽出後のメタノール溶液を、Quattro micro API(Waters社製)を用い、カラム:Atlantis dC18(Waters社製)、展開液:アセトニトリル/0.15%酢酸水溶液=45/55(vol/vol%)、流速:0.15ml/分、サンプル量:5μL、カラム温度:40℃の条件で測定し、得られた含フッ素化合物のピーク面積より検量線を基に粉末中の含フッ素化合物濃度を決定する。
上記検量線は、上記の条件により既知濃度の含フッ素化合物メタノール溶液の測定を行い、含フッ素化合物濃度と含フッ素化合物のピーク面積との関係より作成する。
上記低分子量PTFE粉末は、上記低分子量PTFE水性分散液を凝析し、乾燥することによって好適に製造することができる。
本発明の低分子量ポリテトラフルオロエチレンの製造方法は、反応性化合物及び連鎖移動剤の存在下、テトラフルオロエチレン、又は、テトラフルオロエチレンと当該テトラフルオロエチレンと共重合可能な変性モノマーとの乳化重合を水性媒体中で行うものであって、当該反応性化合物は、ラジカル重合で反応可能な官能基と親水基とを有し、当該水性媒体に対して10ppmに相当する量を超える量であることを特徴とする。
本発明の製造方法は、反応性化合物を多量に使用するものであるので、系中で発生する乳化粒子数が増加し、得られる水性分散液中の低分子量PTFEの一次粒子径が小さくなると推測され、得られる水性分散液の安定性も向上する。また、反応性化合物の添加量を調整することにより、平均一次粒子径を制御することができ、更に水性分散液から得られる低分子量PTFE粉末の比表面積も制御可能である。
本発明の製造方法においては、系中で発生する乳化粒子の親水性が高く、粒子同士が合着しにくいことも、低分子量PTFEの一次粒子径が小さくなる理由であると考えられる。
上記反応性化合物は、水性媒体の10ppmに相当する量を超える量の反応性化合物の存在下に行うものであり、少なくとも反応開始時に上記量以上であればよい。上記反応性化合物は、20ppm以上であることが好ましく、さらに50ppm以上であることが好ましい。上記反応性化合物が少なすぎると、得られる低分子量PTFEの粒子径が大きくなるおそれがある。上記反応性化合物は、上記範囲であればよいが、例えば、上限を5000ppmとすることができる。また、上記製造方法では、反応中または反応後の水性分散液の安定性を向上させるために、反応途中で反応性化合物を系中に追加しても良い。
上記反応性化合物は水溶性が高いので、未反応の反応性化合物が水性分散液中に残存したとしても、濃縮工程、あるいは凝析・洗浄工程での除去は、後述する含フッ素化合物と同様に容易である。
上記反応性化合物は、乳化重合の過程で生成ポリマー中に取り込まれるが、重合系中の反応性化合物の濃度そのものが低く、ポリマーに取り込まれる量が少ないため、低分子量PTFEの耐熱性が低下したり焼成後に着色したりする問題はない。
上記反応性化合物は、ラジカル重合で反応可能な官能基と親水基とを有するものである。
上記反応性化合物における親水基としては、例えば、−NH、−POM、−OPOM、−SOM、−OSOM、−COOM(各式において、Mは、H、NH又はアルカリ金属を表す。)が挙げられる。上記親水基としては、なかでも、−SOM及び−COOMが好ましい。
上記反応性化合物における「ラジカル重合で反応可能な官能基」としては、例えば、ビニル基、アリル基等の不飽和結合を有する基が挙げられる。
上記反応性化合物は、ラジカル重合で反応可能な官能基を有するので、上記乳化重合において使用すると、重合反応初期に含フッ素モノマーと反応し、反応性化合物に由来する親水基を有し安定性が高い粒子が形成されると推測される。このため、上記反応性化合物の存在下に乳化重合を行うと、乳化粒子数が多くなると考えられる。
上記乳化重合は、上記反応性化合物を1種存在させるものであってもよいし、2種以上存在させるものであってもよい。
上記乳化重合において、上記反応性化合物として、不飽和結合を有する化合物を使用することができる。
上記反応性化合物のうち、不飽和結合を有する化合物としては、下記式(1a)〜(1e)の何れかで表されるものが挙げられる。
CF=CF−(CFn1−Y (1a)
(式中、nは、1〜10の整数を表し、Yは、−SO又は−COOMを表し、Mは、H、NH又はアルカリ金属を表す。)で表されるパーフルオロビニルアルキル化合物。
上記式(1a)において、上記nは、5以下の整数であることが好ましく、2以下の整数であることがより好ましい。上記Yは、適度な水溶性及び界面活性を得られる点で、−COOMであることが好ましく、Mは、不純物として残留しにくく、得られる成形体の耐熱性が向上する点で、H又はNHであることが好ましい。
上記式(1a)で表されるパーフルオロビニルアルキル化合物としては、例えば、CF=CFCFCOOM(式中、Mは上記定義と同じ。)が挙げられる。
CF=CF−(CFCF(CF))n2−Y (1b)
(式中、nは、1〜5の整数を表し、Yは、上記定義と同じ。)で表されるパーフルオロビニルアルキル化合物。
上記式(1b)において、nは、乳化能の点で、3以下の整数であることが好ましく、Yは、適度な水溶性及び界面活性が得られる点で、−COOMであることが好ましく、Mは、不純物として残留しにくく、得られる成形体の耐熱性が向上する点で、H又はNHであることが好ましい。
CF=CF−O−(CFXn3−Y (1c)
(式中、Xは、F又はCFを表し、nは、1〜10の整数を表し、Yは、上記定義と同じ。)で表されるパーフルオロビニルエーテル化合物。
上記式(1c)において、上記nは、水溶性の点で5以下の整数であることが好ましく、上記Yは、適度な水溶性及び界面活性が得られる点で、−COOMであることが好ましく、上記Mは、分散安定性がよくなる点で、H又はNHであることが好ましい。
CF=CF−O−(CFCFXO)n4−CFCF−Y (1d)
(式中、nは、1〜10の整数を表し、Y及びXは、上記定義と同じ。)で表されるパーフルオロビニルエーテル化合物。
上記式(1d)において、上記Xは、界面活性能の点で、−CFであることが好ましく、上記nは、水溶性の点で5以下の整数であることが好ましく、上記Yは、適度な水溶性と界面活性が得られる点で−COOMであることが好ましく、上記Mは、H又はNHであることが好ましい。
上記式(1d)で表されるパーフルオロビニルエーテル化合物としては、例えば、CF=CFOCFCF(CF)OCFCFCOOM(式中、Mは、H、NH又はアルカリ金属を表す。)が挙げられる。
CX =CFCF−O−(CF(CF)CFO)n5−CF(CF)−Y (1e)
(式中、各Xは、同一であり、F又はHを表す。nは、0又は1〜10の整数を表し、Yは、上記定義と同じ。)で表されるフルオロアリルエーテル化合物。
上記式(1e)において、上記nは乳化能の点で0又は1〜5の整数であることが好ましく、0、1又は2であることがより好ましく、0又は1であることが更に好ましい。上記Yは、適度な水溶性と界面活性が得られる点で−COOMであることが好ましく、上記Mは、不純物として残留しにくく、得られた成形体の耐熱性が向上する点で、H又はNHであることが好ましい。
上記式(1e)で表されるパーフルオロビニルアルキル化合物としては、例えば、CH=CFCFOCF(CF)CFOCF(CF)COOM(式中、Mは上記定義と同じ。)が挙げられる。
本発明の低分子量PTFEの製造方法において、乳化重合は、反応性化合物に加えて、含フッ素化合物の存在下に行うものであることが好ましい。
含フッ素化合物と反応性化合物とを併用して乳化重合を行うことにより、得られる低分子量PTFE水性分散液の安定性を向上させることができる。更に、系中で発生する低分子量PTFE乳化粒子の数を増加させることができ、反応速度が増加して生産性が向上し、乳化粒子の一次粒子径の制御範囲を拡大することができる。
含フッ素化合物と反応性化合物とを併用する場合、反応性化合物の濃度を制御することによって、低分子量PTFE乳化粒子の数及びその一次粒子径を容易に制御できる点で特に好適である。
含フッ素化合物は高価であるため、コスト面からその使用量を削減することが好ましいが、上記反応性化合物を併用することにより、含フッ素化合物の使用量を削減しても水性分散液を安定的に得ることができ、乳化重合に必要なコストを低減できる。また、上記反応性化合物も、含フッ素化合物との併用により、わずかな使用量でその効果を得ることができる。上記含フッ素化合物は1種であってもよいし、複数種であってもよい。また、含フッ素化合物と上記反応性化合物とを併用する場合にも、反応中または反応後の水性分散液の安定性を向上させるために、反応途中で反応性化合物を系中に追加しても良い。更に、含フッ素化合物についても、反応中および反応後の水性分散液の安定性を向上させるために、反応中に反応性乳化剤を連続的に添加することができ、適宜追加しても良い。
本発明の低分子量PTFEの製造方法は、下記一般式(1)
X−(CFm1−Y (1)
(式中、XはH又はFを表し、mは3〜5の整数を表し、Yは−SOM、−SOM、−SOR、−SOR、−COOM、−PO、−PO(MはH、NH又はアルカリ金属を表し、Rは炭素数1〜12のアルキル基を表す。)を表す。)で表される含フッ素化合物の存在下に乳化重合を行うことが好ましい。なお、1分子中に2以上のMを有する場合は、Mは同じものであってもよいし、相違するものであってもよい。
界面活性剤は、アルキル基の炭素数が小さい方が、生成ポリマーからの除去が容易であり好ましい。しかしながら、炭素数の小さい界面活性剤は、界面活性能が不充分であり、PTFEの重合が困難となる問題があるが、上記含フッ素化合物を使用することによりこのような問題がない。
上記含フッ素化合物は、従来の乳化重合において使用されてきたパーフルオロオクタン酸塩等の炭素数7以上の界面活性剤と比較しても、界面活性能に遜色がなく、乳化重合を問題なく行うことができる。上記含フッ素化合物は、多量に使用しても除去、回収、再利用が容易であることから、コスト面でも有利である。また、広い範囲での粒子径のコントロールが可能である。
本発明の製造方法は、下記一般式(3)
X−(CFm2−Y (3)
(式中、XはH又はFを表し、mは6以上の整数を表し、Yは−SOM、−SOM、−SOR、−SOR、−COOM、−PO、−PO(MはH、NH又はアルカリ金属を表し、Rは炭素数1〜12のアルキル基を表す。)を表す。)で表される含フッ素化合物の非存在下に行うものであることが好ましい。
上記含フッ素化合物は、下記一般式(2)
X−(CFm3−COOM (2)
(式中、XはH又はFを表し、mは3〜5の整数を表し、MはH、NH又はアルカリ金属を表す。)で表される含フッ素化合物であることが好ましく、C11COONHであることがより好ましい。
上記含フッ素化合物は、水性媒体の20〜10000ppmに相当する量を添加することが好ましい。上記含フッ素化合物が水性媒体の20ppmに相当する量よりも少ないと、反応の進行が遅くなるため、生産効率が悪くなることがあり、また、重合後期および重合後のエマルションの安定化効果が得られない場合がある。上記含フッ素化合物が水性媒体の10000ppmに相当する量よりも多いと、後処理工程が困難になる場合がある。
上記低分子量PTFEは、数平均分子量が60万以下のTFE重合体である。数平均分子量が60万を超える「高分子量PTFE」は、PTFE特有のフィブリル化特性が発現する(例えば、特開平10−147617号公報参照。)。高分子量PTFEは、溶融粘度が高く、非溶融加工性である。高分子量PTFEは、添加剤として用いるとフィブリル化特性が発現するため、PTFE粒子同士が凝集しやすくなり、マトリックス材料への分散性が劣る。
上記低分子量PTFEは、380℃における溶融粘度が1×10〜7×10(Pa・s)であるTFE重合体である。PTFEは、溶融粘度が上記範囲内にあれば、数平均分子量が上記範囲内となる。
上記溶融粘度は、ASTM D 1238に準拠し、フローテスター(島津製作所製)及び2φ−8Lのダイを用い、予め380℃で5分間加熱しておいた2gの試料を0.7MPaの荷重にて上記温度に保って測定する値である。上記数平均分子量は、上記測定方法により測定した溶融粘度から、それぞれ算出した値である。
上記低分子量PTFEは、融点が324〜333℃であるTFE重合体であることが好ましい。
上記低分子量PTFEは、テトラフルオロエチレン単位、又は、テトラフルオロエチレン単位と前記テトラフルオロエチレン単位と共重合可能な変性モノマー単位とを含む低分子量ポリテトラフルオロエチレンである。すなわち、低分子量PTFEは、テトラフルオロエチレン単独重合体であってもよいし、変性ポリテトラフルオロエチレンであってもよい。
上記変性PTFEは、TFEと、TFEと共重合可能な変性モノマーとの共重合により得られる重合体を意味する。
上記変性PTFEにおける変性モノマーとしては、TFEとの共重合が可能なものであれば特に限定されず、例えば、ヘキサフルオロプロピレン〔HFP〕等のパーフルオロオレフィン;クロロトリフルオロエチレン〔CTFE〕等のクロロフルオロオレフィン;トリフルオロエチレン、フッ化ビニリデン〔VDF〕等の水素含有フルオロオレフィン;パーフルオロビニルエーテル;パーフルオロアルキルエチレン:エチレン等が挙げられる。また、用いる変性モノマーは1種であってもよいし、複数種であってもよい。
上記パーフルオロビニルエーテルとしては特に限定されず、例えば、下記一般式(I)
CF=CF−ORf (I)
(式中、Rfは、パーフルオロ有機基を表す。)で表されるパーフルオロ不飽和化合物等が挙げられる。本明細書において、上記「パーフルオロ有機基」とは、炭素原子に結合する水素原子が全てフッ素原子に置換されてなる有機基を意味する。上記パーフルオロ有機基は、エーテル酸素を有していてもよい。
上記パーフルオロビニルエーテルとしては、例えば、上記一般式(I)において、Rfが炭素数1〜10のパーフルオロアルキル基を表すものであるパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)〔PAVE〕が挙げられる。上記パーフルオロアルキル基の炭素数は、好ましくは1〜5である。
上記PAVEにおけるパーフルオロアルキル基としては、例えば、パーフルオロメチル基、パーフルオロエチル基、パーフルオロプロピル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロペンチル基、パーフルオロヘキシル基等が挙げられるが、パーフルオロアルキル基がパーフルオロプロピル基であるパープルオロプロピルビニルエーテル〔PPVE〕が好ましい。
上記パーフルオロビニルエーテルとしては、更に、上記一般式(I)において、Rfが炭素数4〜9のパーフルオロ(アルコキシアルキル)基であるもの、Rfが下記式:
Figure 0005287310
(式中、mは、0又は1〜4の整数を表す。)で表される基であるもの、Rfが下記式:
Figure 0005287310
(式中、nは、1〜4の整数を表す。)で表される基であるもの等が挙げられる。
パーフルオロアルキルエチレンとしては特に限定されず、例えば、パーフルオロブチルエチレン(PFBE)、パーフルオロヘキシルエチレン等が挙げられる。
上記変性PTFEにおける変性モノマーとしては、HFP、CTFE、VDF、PPVE、PFBE、エチレンが好ましい。
上記変性PTFEにおいて、上記変性モノマー単位は、全単量体単位の1質量%以下であることが好ましく、0.001〜1質量%であることがより好ましい。本明細書において、上記変性モノマー単位とは、変性PTFEの分子構造の一部分であって変性モノマーに由来する部分を意味し、全単量体単位とは、変性PTFEの分子構造における全ての単量体に由来する部分を意味する。上記変性モノマー単位の含有量は、赤外分光分析又はNMR(核磁気共鳴)を行うことにより測定する値である。
本発明の低分子量PTFEの製造方法は、連鎖移動剤の存在下に乳化重合を水性媒体中で行うものである。
上記水性媒体は、脱イオンされた高純度の純水であることが好ましい。
本発明において、上記連鎖移動剤は、水素、炭素数1〜3の炭化水素及び炭素数1〜3のハロゲン化炭化水素よりなる群から選択される少なくとも1種の化合物であることが好ましい。上記炭素数1〜3の炭化水素としては、例えば、メタン、エタン、プロパン、上記炭素数1〜3のハロゲン化炭化水素としては、例えば、クロロメタン、クロロエタン等が挙げられる。上記連鎖移動剤は、エタン又はプロパンであることが好ましい。
連鎖移動剤の添加量は、その連鎖移動剤、反応温度、重合圧力、あるいは重合開始剤の添加量等の重合条件により、その適正範囲が異なるので、一概に規定することはできないが、反応系中に存在するTFEに対して0.1〜20モル%であることが好ましい。上記添加量が、反応系中に存在するTFEに対して0.1モル%未満であると、低分子量PTFEの乳化粒子が得られず、高分子量PTFEが生成するおそれがある。上記添加量が20モル%を超えると、380℃における溶融粘度が100Pa・s未満となるおそれがあり、高温揮発分が多く、例えば、マトリックスへの分散工程における温度が300℃を超えるような用途には不向きとなり、用途が限定されることがある。
乳化重合に使用する重合開始剤としては、水溶性無機化合物又は水溶性有機化合物のパーオキシド、例えば、過硫酸アンモニウム、過硫酸ガリウム等の過硫酸塩やジコハク酸パーオキシド、ジグルタル酸パーオキシドが一般的であり、これらは1種のみ用いるものであってもよいし、2種以上を組み合わせて用いることもできる。低温域の重合ではレドックス系の開始剤を用いることが好ましい。更に、ディスパージョンの安定性を損なわない範囲で、水不溶性の有機過酸化物やアゾ化合物の何れか又は両方を、単独又は水溶性無機化合物若しくは水溶性有機化合物のパーオキシドとともに使用することもできる。取り扱いの簡便性、コストなどを鑑みれば、過硫酸アンモニウムが好ましい。
上記重合開始剤の添加量は、目的とする低分子量PTFEの溶融粘度に合わせて、その種類、併用される連鎖移動剤の種類と添加量、あるいは重合温度や重合圧力等の重合条件を鑑み、適宜決定することができる。
上記乳化重合において、安定化剤を添加しても良い。安定化剤としては、パラフィンワックス(炭素数16以上の炭化水素)、フッ素系オイル、フッ素系化合物、シリコーンオイル等が好ましく、なかでも、パラフィンワックスが好ましい。パラフィンワックスの融点は通常40〜65℃が好ましい。このような安定化剤を含む水性媒体中で乳化重合を行うことにより、重合系中に生成する乳化粒子同士の凝集が妨げられ、より安定な乳化粒子として得ることができる。
上記パラフィンワックスは、低分子量PTFEをより安定に乳化させる点で、水性媒体100質量部に対し0.1〜12質量部であることが好ましい。上記含有量は、水性媒体100質量部に対し、より好ましい下限が1質量部であり、より好ましい上限が8質量部である。
上記乳化重合において、重合温度、重合圧力等の重合条件は、特に限定されず、使用するTFEの量、変性モノマーの種類や量、あるいは生産性等に応じて、適宜選択することができる。上記重合温度は、5〜100℃であることが好ましく、50〜90℃であることが更に好ましい。上記重合圧力は、0.1〜3.0MPaであることが好ましい。
上記乳化重合は、回分操作、半回分操作及び連続操作の何れの操作でも実施でき、公知の重合方法が適用できる。上記乳化重合において、変性モノマー、含フッ素化合物、連鎖移動剤、重合開始剤、安定化剤等は、重合反応の間、目的とする低分子量PTFEの得量や溶融粘度に応じて、連続的に添加することができ、適宜追加することもできる。上記乳化重合は、一般に0.5〜30時間行う。
上記乳化重合は、撹拌機が備えられた耐圧反応容器に、水性媒体と連鎖移動剤とモノマーと、必要に応じて安定化剤等とを仕込み、温度及び圧力を調整した後、重合開始剤を添加することにより開始することができる。上記乳化重合は、上述の水性媒体中にモノマーを供給しながら行うことができる。上記乳化重合は、上記モノマーとして、TFEと変性モノマーとを添加するものである。
本発明の製造方法において、上述の乳化重合を行うことにより低分子量PTFEの水性分散液(ラテックス)を得ることができる。上記水性分散液は、好ましくは、低分子量PTFEの平均一次粒子径が100nm以下の乳化粒子を含むものである。
本発明の製造方法は、多量の反応性化合物の存在下に乳化重合を行うものであるので、乳化粒子を極めて小さな粒子径とすることができる。本発明の製造方法は、乳化粒子の平均一次粒子径を容易に調整でき、所望の一次粒子径を有する低分子量PTFEの乳化粒子とすることができる点で、上記含フッ素化合物と反応性化合物とを併用するものであることが好ましい。
上述の乳化重合を行うことにより得られる水性分散液は、重合上がりの状態で、低分子量PTFEの固形分濃度を一般に5〜40質量%とすることができる。上記固形分濃度は、生産性を鑑みると好ましい下限が10質量%、より好ましい下限が15質量%、さらに好ましい下限が20質量%であり、より好ましい上限が35質量%である。上記固形分濃度が35質量%を超えると、水性分散液の安定性が劣る場合があり、一次粒子同士の凝集が生じたり、反応槽内部への付着が生じる場合がある。上記固形分濃度が10質量%以上であると、生産性に優れ、更に、輸送する場合、経済的に有利である。すなわち、低分子量ポリテトラフルオロエチレン水性分散液は、低分子量ポリテトラフルオロエチレンの固形分濃度が10質量%以上であることが好ましい。
本明細書において、低分子量PTFEの固形分濃度は、測定対象を150℃で3時間乾燥した時の加熱残分の質量(Zg)の該測定対象の質量(Xg)に対する割合として求めるものである。
本発明の製造方法は、上記乳化重合を含むものであれば、上記乳化重合後に濃縮、希釈、精製等の後処理工程を含むものであってもよいし、凝析等を行い粉末に加工する工程を含むものであってもよい。上記後処理工程及び粉末に加工する工程における操作並びにその条件は、特に限定されず、従来公知の方法を行うことができる。
本発明の製造方法は、粉末に加工する工程の後、得られた粉末をフッ素化剤で処理する工程を有してもよい。この工程によって不安定末端基を安定化することができる。フッ素化剤としては、取り扱いが容易な点でガス状フッ素化剤が好ましく、例えば、F、NF、PF、SF、IF、ClF、ClF等が挙げられる。これらのフッ素化剤は、窒素などの不活性ガスで希釈して用いても良い。処理温度は、0℃以上300℃以下が好ましく、50℃以上200℃以下がより好ましく、80℃以上150℃以下がさらに好ましい。処理の圧力は、ゲージ表示で−0.05MPaG以上、1MPaG以下が好ましく、−0.02MPaG以上、0.5MPaG以下がより好ましい。
なお、TFE重合過程の初期段階の低分子量PTFE水性分散液を回収して、例えば、その低分子量PTFEの固形分濃度が3質量%以下、好ましくは5質量%以下、さらに好ましくは10質量%未満であり、上記PTFE水性分散液の平均一次粒子径が100nm未満、より好ましくは80nm以下、さらに好ましくは60nm以下であるPTFE水性分散液を回収して、水蒸気蒸留法、相分離濃縮法(曇点濃縮法)、電気濃縮法、限外ろ過法等の濃縮法によって、固形分濃度が10質量%以上、好ましくは15質量%以上、さらに好ましくは20質量%以上であり、平均一次粒子径が100nm未満、より好ましくは80nm以下、さらに好ましくは60nm以下である低分子量PTFE水性分散液を得ることもできる。
また、上記TFE重合過程の初期段階のPTFE水性分散液を凝析することによって、16m/g以上、好ましくは20m/g以上の低分子量PTFE粉末を得ることができる。凝析する上では、PTFE水性分散液の固形分濃度は5質量%以上が好ましく、10質量%以上がさらに好ましい。上記PTFE水性分散液の固形分濃度が10質量%未満であれば、粉末の粒径および見掛密度をコントロールすることが困難であり、例えば、平均粒子径が1〜30μm、好ましくは2〜20μmであるようなPTFE粉末を得ることができない。上記PTFE水性分散液の固形分濃度が5質量%未満であると、粉末の粒径および見掛密度のコントロールが困難な上、凝析しづらいために未凝析濃度が高く、収率良く目的物である粉末を得ることができない。
上述の本発明の製造方法により得られることを特徴とする低分子量PTFEもまた、本発明の一つである。本発明の低分子量PTFEは、水性分散液、粉末(マイクロパウダー)、何れの形状であってもよい。
本発明の低分子量PTFEは、上述のように380℃における溶融粘度が7×10Pa・s以下であるものである。上記溶融粘度は、好ましくは1×10Pa・s以下である。
本発明の低分子量PTFE水性分散液は、上述の乳化重合により直接得られる水性分散液であってもよいし、上記水性分散液を濃縮、希釈、精製等の後処理を行ったものであってよい。上記後処理は、従来公知の方法で行うことができ、特に限定されるものではない。
本発明の低分子量PTFE水性分散液は、相分離濃縮法(曇点濃縮法)、電気濃縮法、限外ろ過法、水蒸気蒸留法等の公知の濃縮方法によって濃縮したものであってもよい。濃縮後の好ましい固形分濃度は20〜80質量%である。濃縮により水性分散液の安定性が損なわれることがあるが、その場合は更に分散安定剤を添加してもよい。上記分散安定剤としては、例えば、ポリオキシアルキルエーテル等の非イオン性界面活性剤、特に、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル(例えばローム&ハース社製のトライトンX−100(商品名))、ポリオキシエチレンイソトリデシルエーテル(例えば第一工業製薬社製のノイゲンTDS80C(商品名)、ライオン社製のレオコールTD90D(商品名)、クラリアント社製のゲナポールX080(商品名))、ポリオキシエチレンエーテル類が挙げられるが、これらのみに限定されるものではない。
上記分散安定剤の総量は、上記低分子PTFE水性分散液の固形分に対し0.5〜20質量%の濃度であることが好ましい。0.5質量%未満であると、分散安定性に劣る場合があり、20質量%を超えると、存在量に見合った分散効果がなく実用的でない。上記分散安定剤のより好ましい下限は2質量%であり、より好ましい上限は12質量%である。
本発明の低分子量PTFE水性分散液は、陰イオン交換樹脂と接触させる方法、相分離濃縮法、電気濃縮法、限外ろ過法等の公知の精製方法によって精製することにより、含フッ素化合物を低減させたものであってもよい。本発明の低分子量PTFE水性分散液は、また、精製した低分子量PTFE水性分散液を更に濃縮したものであってもよい。
本発明の低分子量PTFE水性分散液は、精製により含フッ素化合物濃度を水性分散液の50ppm以下とすることができる。上記含フッ素化合物濃度は、10ppm以下であることがより好ましく、1ppm以下であることが更に好ましい。特に好ましくは、本発明の低分子量PTFE水性分散液が含フッ素化合物を含まないことである。
濃縮、精製等の後処理を行う低分子量PTFE水性分散液は、上記含フッ素化合物と反応性化合物とを併用して得られた水性分散液であってもよい。
上記低分子量PTFE水性分散液は、取り扱い性等の点で、低分子量PTFEの固形分濃度が20〜80質量%であることが好ましい。上記範囲内の固形分濃度を有する水性分散液は、上述の乳化重合を行った後に濃縮を行うことにより得ることができる。
本発明の低分子量PTFE粉末は、上述の水性分散液を凝析することにより得ることができる。即ち、上記粉末は、乳化重合を経て得られる水性分散液を材料とするものなので、粉砕等の後処理を行うことなく得ることができることに加え、見掛密度及び平均粒子径を制御することができる。
上記低分子量PTFEの水性分散液を凝析する方法としては、一般に機械的剪断力により乳化粒子を凝集させるが、凝析後の水相に残存するポリマーを低減させる上で、凝析剤として硝酸、硫酸、硝酸アンモニウム等の電解質を凝析前の水性分散液に加えることが好ましく、電解質に酸を用いた場合、凝析後に水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等のアルカリで凝析後の水相及び凝析粒子を中和することが好ましい。
その後、含フッ素化合物の除去の為、通常さらに新たに純水で凝析粒子を洗浄する。除去効率を上げるために、洗浄は複数回繰り返すことが好ましい。
本発明の低分子量PTFEは、成形材料、インク、化粧品、塗料、グリース、オフィスオートメーション機器用部材、トナーを改質する添加剤、めっき液への添加剤等として好適に使用することができる。上記成形材料としては、例えば、ポリオキシベンゾイルポリエステル、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリフェニレンサルファイド等のエンジニアリングプラスチックが挙げられる。
本発明の低分子量PTFEは、成形材料の添加剤として、例えば、コピーロールの非粘着性・摺動特性の向上、家具の表層シート、自動車のダッシュボード、家電製品のカバー等のエンジニアリングプラスチック成形品の質感を向上させる用途、軽荷重軸受、歯車、カム、プッシュホンのボタン、映写機、カメラ部品、摺動材等の機械的摩擦を生じる機械部品の滑り性や耐摩耗性を向上させる用途、エンジニアリングプラスチックの加工助剤等として好適に用いることができる。
本発明の低分子量PTFEは、塗料の添加剤として、ニスやペンキの滑り性向上の目的に用いることができる。本発明の低分子量PTFEは、化粧品の添加剤として、ファンデーション等の化粧品の滑り性向上等の目的に用いることができる。
本発明の低分子量PTFEは、更に、ワックス等の撥油性又は撥水性を向上させる用途や、グリースやトナーの滑り性を向上させる用途にも好適である。このような低分子量PTFEを含有するエンジニアプラスチック等の成形材料、塗料、化粧品、グリース又はトナーもまた、本発明の一つである。
本発明の低分子量PTFE水性分散液は、平均一次粒子径が小さい低分子量PTFEを含むので、添加剤として用いることにより塗膜表面の質感を向上させることができ、マトリックス材料に容易に微分散させることができる。
本発明の低分子量PTFE粉末は、比表面積が大きいので、添加剤として用いることにより塗膜表面の質感を向上させることができ、マトリックス材料に容易に微分散させることができる。
本発明の低分子量PTFEの製造方法は、滑り性や塗膜表面の質感を向上させる添加剤として好適である低分子量PTFEを製造することができる。
以下に実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。なお、実施例中の「部」及び「%」は、特に断りのない限り「質量部」及び「質量%亅をそれぞれ意味する。
比較例1
ステンレス製アンカー型撹拌翼と温度調節用ジャケットとを備えた内容積6Lのステンレス製オートクレーブに、脱イオン水3.3Lを仕込み、密閉した。窒素ガスの圧入、脱気を複数回繰り返すことにより、系内の酸素を除去した後、パーフルオロオクタン酸アンモニウム〔APFO〕5.0g、連鎖移動剤として70mgのプロパンをテトラフルオロエチレン〔TFE〕で圧入し、槽内圧力を0.10MPaとした。500rpmでの撹拌下において槽内を昇温し、槽内温度が55℃に達したら、再度TFEを圧入し、槽内圧力を0.75MPaに調整した。
重合開始剤として、脱イオン水20mlに過硫酸アンモニウム〔APS〕850mgを溶解させた水溶液を、槽内へTFEで圧入し、槽内圧力を0.80MPaとした。重合開始剤の分解により槽内圧力が低下するので、TFEを連続的に供給し、槽内圧力を0.80±0.05MPaに維持した。反応中は常時、槽内温度を55±1℃に調節し、撹拌回転数を500rpmに制御した。TFEの消費量が850gの時点で撹拌を停止して、槽内圧力を常圧まで開放し、ついで気相を窒素で置換して、低分子量PTFEの水性分散液を得た。
上記低分子量PTFE水性分散液3000gに硝酸20gを加え、激しい機械的剪断力を与えることで凝析させ、ついで中和するため、24質量%の水酸化ナトリウム水溶液20gを加えた。さらに得られた湿潤状態の粉末を濾別し、あらたに純水1800gで水洗した。この水洗操作を3回繰り返した後、160℃の熱風循環式乾操機にて18時間乾燥させることにより、低分子量PTFEの粉末を得た。
比較例2
プロパンに代わり、連鎖移動剤として220mgのエタン、安定化剤として100gのパラフィンワックスを系中に仕込み、槽内温度を70℃に保ち、APSの仕込み量を340mgに変更し、反応中の槽内温度を70±1℃に調節し、撹拌回転数を280rpmに制御し、撹拌を停止するTFEの消費量を450gに変更する以外は、比較例1と同様にして低分子量PTFEの水性分散液を得た。上記水性分散液に比較例1と同様の凝析、洗浄、乾燥工程を行い、目的とする低分子量PTFEの粉末を得た。
比較例3
撹拌を停止するTFEの消費量を1420gに変更する以外は、比較例2と同様にして低分子量PTFEの水性分散液を得た。上記水性分散液に比較例1と同様の凝析、洗浄、乾燥工程を行い、目的とする低分子量PTFEの粉末を得た。
比較例4
APFOに代わり、パーフルオロヘキサン酸アンモニウム塩〔APFH〕5.0gを系中に仕込んだ他は、比較例1と同様にして低分子量PTFEの水性分散液を得た。上記水性分散液に比較例1と同様の凝析、洗浄、乾燥工程を行い、目的とする低分子量PTFEの粉末を得た。
比較例5
CH=CFCFOCF(CF)CFOCF(CF)COONH(反応性化合物A)の50%水溶液66mgを系中に仕込んだ他は、比較例4と同様にして低分子量PTFEの水性分散液を得た。上記水性分散液に比較例1と同様の凝析、洗浄、乾燥工程を行い、目的とする低分子量PTFEの粉末を得た。
実施例1
反応性化合物A50%水溶液の仕込量を132mgに変更する以外は、比較例5と同様にして低分子量PTFEの水性分散液を得た。上記水性分散液に比較例1と同様の凝析、洗浄、乾燥工程を行い、目的とする低分子量PTFEの粉末を得た。
上記PTFE水性分散液に、非イオン系界面活性剤としてTDS−80C(第一工業製薬)を、含まれる重合体の質量に対して6.0質量%添加し、さらにアンモニア水でpHを9.0に調整した後、常圧65℃の元に静置して水分を蒸発させてPTFEの固形分が60質量%になるよう濃縮した。濃縮した水性分散液中のPTFE一次粒子の平均粒子径は、濃縮前の水性分散液と同じであった。
実施例2
反応性化合物A50%水溶液の仕込量を330mgに変更する以外は、比較例5と同様にして低分子量PTFEの水性分散液を得た。上記水性分散液に比較例1と同様の凝析、洗浄、乾燥工程を行い、目的とする低分子量PTFEの粉末を得た。
実施例3
反応性化合物A50%水溶液の仕込量を660mgに変更する以外は、比較例5と同様にして低分子量PTFEの水性分散液を得た。上記水性分散液に比較例1と同様の凝析、洗浄、乾燥工程を行い、目的とする低分子量PTFEの粉末を得た。
実施例4
反応性化合物A50%水溶液の仕込量を3.3gに変更する以外は、比較例5と同様にして低分子量PTFEの水性分散液を得た。上記水性分散液に比較例1と同様の凝析、洗浄、乾燥工程を行い、目的とする低分子量PTFEの粉末を得た。
各実施例及び比較例で得られた低分子量PTFEの水性分散液について下記(1)〜(2)の物性評価を行い、各実施例及び比較例で得られた粉末について下記(3)〜(7)の物性評価を行った。
(1)水性分散液中の固形分濃度(P%)
水性分散液(Xg)を150℃にて3時間加熱した加熱残分(Zg)に基づき、式:P=Z/X×100(%)にて決定した。
(2)平均一次粒子径
得られた低分子量PTFE水性分散液を、標準ポリスチレン標準試料(セラダイン社製、直径230nm、10重量%)を用いて、最終のPTFE/ポリスチレンの混合分散液の濃度が、PTFE固形分100ppm、ポリスチレン固形分3.2ppmとなるよう、イオン交換水でそれぞれを希釈して、混合した。希釈した低分子量PTFE水性分散液と標準ポリスチレン分散液を混合して得られた分散液をCu製200−Aメッシュ(応研商事株式会社製)に付着させ、室温にて乾燥させることにより試料付着メッシュを作成した。さらに、試料付着メッシュの白金/パラジウム蒸着、ついでカーボン蒸着処理を行い、試料付着メッシュを透過型電子顕微鏡H−7100FA(日立製作所製)を用い、加圧電圧100kV、倍率10000倍もしくは15000倍にて低分子量PTFEの一次粒子径の観察を行い、電子顕微鏡写真を撮影した。
また、水性分散液を凝析することにより得られた粉末を白金/パラジウムで前処理し、走査型電子顕微鏡S−4000(日立製作所製)を用いて、加速電圧5kV、倍率20000×20000倍においても撮影した。
撮影された電子顕微鏡写真を画像解析式粒度分布測定ソフトウエアMac−View ver4.0により、低分子量PTFE一次粒子の投影面積円相当径(Heywood径)を算出し、これを低分子量PTFEの平均一次粒子径とした。
(3)見掛密度
JIS K 6891に準拠して測定した。
(4)平均粒子径
レーザー回折式粒度分布測定装置(日本電子社製)を用い、カスケードは使用せず、圧力0.1MPa、測定時間3秒で粒度分布を測定し、得られた粒度分布積算の50%に対応する値に等しいとした。
(5)溶融粘度
ASTM D 1238に準拠し、フローテスター(島津製作所製)及び2φ−8Lのダイを用い、予め測定温度(380℃)で5分間加熱しておいた2gの試料を0.7MPaの荷重にて上記温度に保って測定を行った。
(6)融点
エスアイアイ・ナノテクノロジー社製の示差走査熱量測定機RDC220(DSC)を用い、事前に標準サンプルとして、インジウム、鉛を用いて温度校正した上で、低分子量PTFE粉末約3mgをアルミ製パン(クリンプ容器)に入れ、200ml/分のエアー気流下で、250〜380℃の温度領域を10℃/分で昇温させて行い、上記領域における融解熱量の極小点を融点とした。
(7)比表面積
BET法により、表面分析計(商品名:MONQSORB、QUANTA CHLROME社製)を用いて測定した。なお、キャリアガスとして、窒素30%、ヘリウム70%の混合ガスを用い、冷却は液体窒素を用いて行った。
以上の結果を表1に示す。
Figure 0005287310
本発明の低分子量PTFE水性分散液及び低分子量PTFE粉末は、成形材料、インク、化粧品、塗料、グリース、オフィスオートメーション機器用部材、トナーを改質する添加剤として好適に使用することができる。本発明の製造方法は、滑り性や塗膜表面の質感を向上させる添加剤として特に好適である低分子量PTFEの製造に利用可能である。

Claims (9)

  1. テトラフルオロエチレン単位、又は、テトラフルオロエチレン単位と前記テトラフルオロエチレン単位と共重合可能な変性モノマー単位とを含む低分子量ポリテトラフルオロエチレンの水性分散液であって、
    前記低分子量ポリテトラフルオロエチレンは、平均一次粒子径が100nm以下であり、
    前記変性モノマー単位は、全単量体単位の1質量%以下である
    ことを特徴とする低分子量ポリテトラフルオロエチレン水性分散液。
  2. 低分子量ポリテトラフルオロエチレンの固形分濃度が10質量%以上である
    請求項1記載の低分子量ポリテトラフルオロエチレン水性分散液。
  3. 低分子量ポリテトラフルオロエチレンは、数平均分子量が60万以下である
    請求項1又は2記載の低分子量ポリテトラフルオロエチレン水性分散液。
  4. 低分子量ポリテトラフルオロエチレンは、380℃における溶融粘度が1×10 〜7×10 (Pa・s)である
    請求項1、2又は3記載の低分子量ポリテトラフルオロエチレン水性分散液。
  5. テトラフルオロエチレン単位、又は、テトラフルオロエチレン単位と前記テトラフルオロエチレン単位と共重合可能な変性モノマー単位とを含む低分子量ポリテトラフルオロエチレンの粉末であって、
    前記低分子量ポリテトラフルオロエチレンは、平均一次粒子径が100nm以下であり、
    前記変性モノマー単位は、全単量体単位の1質量%以下である
    ことを特徴とする低分子量ポリテトラフルオロエチレン粉末。
  6. テトラフルオロエチレン単位、又は、テトラフルオロエチレン単位と前記テトラフルオロエチレン単位と共重合可能な変性モノマー単位とを含む低分子量ポリテトラフルオロエチレンの粉末であって、
    比表面積が16m/g以上であり、
    前記変性モノマー単位は、全単量体単位の1質量%以下である
    ことを特徴とする低分子量ポリテトラフルオロエチレン粉末。
  7. 比表面積が20m/g以上である
    請求項記載の低分子量ポリテトラフルオロエチレン粉末。
  8. 低分子量ポリテトラフルオロエチレンは、数平均分子量が60万以下である
    請求項5、6又は7記載の低分子量ポリテトラフルオロエチレン粉末。
  9. 低分子量ポリテトラフルオロエチレンは、380℃における溶融粘度が1×10 〜7×10 (Pa・s)である
    請求項5、6、7又は8記載の低分子量ポリテトラフルオロエチレン粉末。
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