JP5569519B2 - 低分子量ポリテトラフルオロエチレン粉末及びその製造方法 - Google Patents

低分子量ポリテトラフルオロエチレン粉末及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、低分子量ポリテトラフルオロエチレン粉末及びその製造方法に関する。
分子量60万以下の低分子量ポリテトラフルオロエチレン〔PTFE〕粉末(PTFEマイクロパウダーとも呼ばれる)は、化学的安定性に優れ、表面エネルギーが極めて低いことに加え、フィブリル化が生じにくいので、滑り性や塗膜表面の質感を向上させる添加剤として、プラスチックス、インク、化粧品、塗料、グリース等の製造に用いられている(例えば、特許文献1参照)。
低分子量PTFEの製造方法として、高分子量PTFEと特定のフッ化物とを高温下で接触反応させて熱分解する方法(例えば、特許文献2参照)や、高分子量PTFEの粉末や成形体に電離性放射線を照射する方法(例えば、特許文献3参照)等が知られている。
高分子量PTFEを熱分解する方法や、高分子量PTFEに放射線を照射する方法については、設備に関わるコスト及び利便性の面から見て必ずしも有利ではない。
低分子量PTFEの製造方法として、連鎖移動剤の存在下、モノマーであるTFEを直接重合する方法も知られている。例えば、特許文献4には、連鎖移動剤(テロゲン)として炭素数1〜3のフルオロアルカン又はクロルフルオロアルカンを用いて重合を行うことが提案されている。
工業的な重合方法としては、特許文献4の方法のように何れの方法で行うか不明確なものもあるが、懸濁重合と乳化重合に大別される。
懸濁重合では、連鎖移動剤存在下、界面活性剤を用いないかまたは限られた量を用い、水性媒体中に重合開始剤を分散させ、モノマーであるTFE又はTFEと共重合し得るモノマーとTFEを重合させることによって、低分子量PTFEの顆粒状粉末を直接単離する(例えば、特許文献5及び6参照)。懸濁重合方法では、撹拌の高剪断により、初期に形成されたポリマーを重合の早い段階において凝固させ、水が熱伝達媒体として主に作用する気体−固体反応において固体粒子上に引き続いて重合が起こる(例えば、特許文献7参照)。懸濁重合の場合、界面活性剤を用いないかまたは限られた量を用い、低分子量PTFEの粉末を直接的に得ることができるが、粒子径を調整し難い。
これに対し、乳化重合では、連鎖移動剤存在下、水性媒体中に重合開始剤及び乳化剤として含フッ素界面活性剤を分散させ、モノマーであるTFE又はTFEと共重合し得るモノマーとTFEを重合させることによって、低分子量PTFEを得る。この場合、懸濁重合とは異なり、含フッ素界面活性剤が存在することで、1μm以下の乳化粒子(ミセル、一次粒子とも呼ばれる)からなる水性分散液の状態で得られる(例えば、特許文献8参照)。得られた水性分散液はそのまま、あるいはこれを濃縮することにより、水性塗料等の用途に用いることができる。
乳化重合により得られる低分子量PTFEを粉末として用いる場合、上記水性分散液を凝析させることで粉末粒子(マイクロパウダー)とすることができる。
乳化重合により得られる低分子量PTFE粉末粒子の特徴としては、懸濁重合により得られるものより、比表面積が7〜20m/g(稀に、5〜20m/g)と大きく、粒子が柔らかいため、例えば、塗膜表面の質感を向上させる等、表面を改質する効果が高い。また、吸油量も多くなり、マトリックス材料に安定した分散体が得られる。さらに、乳化重合により得られる低分子量PTFE粉末粒子は、上述した凝析工程の条件により、粒子径の調整が可能であるという点で好ましい。
しかしながら、上述の乳化重合では、含フッ素界面活性剤等の高価な物質を乳化剤として用いる必要があるのでコストが高い。また、PTFE粒子に界面活性剤が残存した場合、着色等の原因となることがある。
このことより、これらの含フッ素界面活性剤を添加せずに重合を行うPTFEの製造方法が求められていた。
含フッ素界面活性剤を添加せずに重合を行う方法として、水性媒体中でTFEと水溶性過酸化物を用いて反応させるTFEの懸濁重合法が知られている(例えば、非特許文献1参照)。特許文献9にも、界面活性剤を添加せず、水性媒体中でジコハク酸パーオキサイドを重合開始剤としてTFE重合を行い、水性分散液を得られたことが記載されている。
しかしながら、特許文献9の実施例に記載されている水性分散液は、ポリマー固形分濃度もわずか6.5重量%と希薄であり、生産性を鑑みると実用性は非常に乏しい。また、特許文献9には、連鎖移動剤の添加、得られた重合体の乳化粒子径及び分子量を示唆するデータは何ら記載されていない。
含フッ素界面活性剤を添加せずに重合を行う方法としては、また、水性媒体中でTFE又はTFEと共重合し得るモノマーとTFEとの乳化重合を、連鎖移動剤及び水溶性過酸化物を用いて反応させる方法が開示されている(例えば、特許文献10参照)。
特開平10−147617号公報 特開昭61−162503号公報 特開昭48−78252号公報 特開昭51−41085号公報 国際公開第2004/050727号パンフレット 特開2005−2322号公報 特表2006−509072号公報 特開平7−165828号公報 米国特許第2534058号明細書 特開2009−1745号公報
ふっ素樹脂ハンドブック 編者:里川孝臣 日刊工業新聞社(1990年)、27頁
しかしながら、特許文献8、10のように乳化重合による重合では、塗料等の添加剤として用いた場合に、分散性、粘度等の点で改善の余地があった。また、特許文献5〜7のように懸濁重合による重合では、塗膜の外観、透明性、質感等の点で改善の余地があった。
本発明は、上記現状に鑑み、塗料等の添加剤として用いることで、優れた質感や滑り性を有する塗膜を形成することができるとともに、分散性、粘度を改善することができる低分子量ポリテトラフルオロエチレン粉末及びその製造方法を提供する。
本発明は、低分子量ポリテトラフルオロエチレン粉末の製造方法であって、重合開始剤及び水性媒体の存在下に、少なくともテトラフルオロエチレンを重合して乳化粒子を生成する乳化重合工程と、上記乳化粒子を凝集させて凝集粉末を生成させる凝集工程と、上記凝集粉末、重合開始剤及び水性媒体の存在下に、少なくともテトラフルオロエチレンを重合する懸濁重合工程と、を含むことを特徴とする低分子量ポリテトラフルオロエチレン粉末の製造方法である。
本発明はまた上記低分子量ポリテトラフルオロエチレン粉末の製造方法から得られる低分子量ポリテトラフルオロエチレン粉末でもある。
本発明は更に、上記低分子量ポリテトラフルオロエチレン粉末を含有する添加剤でもある。
本発明はそして、上記低分子量ポリテトラフルオロエチレン粉末を含有する組成物でもある。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明は、乳化重合と懸濁重合を併用するものである。乳化重合で得られる粉末は、安定的に生産でき、塗料等の添加剤として用いた場合、塗膜表面の質感、滑り性を向上させることができ、また、吸油量も多いために、マトリックス材料(相手材)への微分散が容易である。懸濁重合では、乳化重合のように凝析工程を必要とせず、得られる粉末は、分散性に優れ、硬い粉末が得られる。
本発明の製造方法により得られる低分子量ポリテトラフルオロエチレン粉末は、乳化重合、懸濁重合のそれぞれの利点を併せ持ち、塗膜表面の質感、滑り性を向上させることができるとともに、分散性、粘度を改善することができる。
本発明の製造方法は、上記乳化重合工程または懸濁重合工程のうち少なくとも一方の工程において、連鎖移動剤を存在させることが好ましく、乳化重合工程で連鎖移動剤を添加することによって両工程において存在させることがより好ましい。
上記連鎖移動剤を添加することにより、得られる低分子量PTFEの分子量を調整することができ、各種相手材への添加剤として用いることができ、その分散性を向上させることができる。
本発明の低分子量ポリテトラフルオロエチレン粉末(以下、「低分子量PTFE粉末」ともいう。)の製造方法は、少なくともテトラフルオロエチレン(TFE)、連鎖移動剤、重合開始剤及び水性媒体を反応容器に添加する添加工程を含むことが好ましい。
本発明の製造方法では、連鎖移動剤と水溶性過酸化物である重合開始剤とを併用し、自己乳化作用によりTFEを乳化重合するか、界面活性剤を使用することで乳化重合を行うことができる。
すなわち、本発明の製造方法は、重合開始剤が水溶性過酸化物である、及び/又は、上記乳化重合工程が界面活性剤の存在下で重合を行う工程である、ことが好ましい。
反応容器内に添加される、TFE、連鎖移動剤、重合開始剤及び水性媒体は、少なくとも乳化重合工程の前に反応容器内に添加されていればよく、その添加する順番は特に限定されないが、通常、重合開始剤を添加することで、乳化重合工程は開始される。
上記連鎖移動剤としては、水素、低級飽和炭化水素、低級ハロゲン化炭化水素、及び、低級アルコールからなる群より選択される少なくとも1種の化合物であることが好ましい。
上記低級飽和炭化水素としては、例えば、メタン、エタン、プロパン、ブタン、ヘキサン、シクロヘキサン等の炭素数1〜6の直鎖状、分岐状又は環状アルカンが好ましい。
上記低級ハロゲン化炭化水素としては、例えば、CHCl、CHCl、CHCF、CHCF等のハロゲン化炭化水素が好ましい。
上記低級アルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール等の炭素数1〜3のアルコールが好ましい。
上記連鎖移動剤は、連鎖移動能の観点から、エタン又はプロパンであることがより好ましい。
上記連鎖移動剤は、重合開始前に一括して反応容器中に添加してもよいし、重合中に複数回に分割して添加してもよいし、また、重合中に連続的に添加してもよい。
連鎖移動剤の添加量は、その連鎖移動能、反応温度、重合圧力、あるいは重合開始剤の添加量等の重合条件により、その適正範囲が異なるので一概に規定することはできないが、反応容器中に存在するTFEに対して0.01〜20モル%であることが好ましく、0.2〜10モル%であることがより好ましい。上記添加量が、反応容器中に存在するTFEに対して0.01モル%未満であると、高分子量成分が生成し、マトリックスへ添加する際の分散性が劣るおそれがある。上記添加量が20モル%を超えると、分子量数千程度のごく低分子成分が生成するおそれがある。そのような場合、高温揮発分が多く、例えば、マトリックスへの分散工程における温度が300℃を超えるような用途には不向きとなり、用途が限定されることもある。
上記重合開始剤は、TFEの重合において従来から使用されているものがいずれも使用できる。含フッ素界面活性剤の不存在下で乳化重合を行うためには、水溶性過酸化物が好ましい。
本発明の製造方法において、上記水溶性過酸化物としては、例えば、過硫酸塩、亜硫酸塩、水溶性有機過酸化物等が挙げられる。
上記過硫酸塩としては特に限定されず、例えば、過硫酸アンモニウム〔APS〕、過硫酸カリウム〔KPS〕等が挙げられる。
上記亜硫酸塩としては特に限定されず、例えば、亜硫酸アンモニウム、亜硫酸カリウム等が挙げられる。
上記水溶性有機過酸化物としては、例えば、過酸化ベンゾイル、ジコハク酸パーオキサイド〔DSP〕、ジグルタル酸パーオキサイド等が挙げられる。
上記水溶性過酸化物を重合開始剤に用いた場合、開始剤由来のポリマー末端基は、親水性の末端官能基、例えば、カルボキシル基、スルホン酸、あるいは水酸基を有するものとなる。APS、KPS、DSPの場合、末端基はカルボキシル基となる。
本発明の製造方法では、上述したように、過硫酸塩、亜硫酸塩、水溶性有機過酸化物のいずれの系を重合開始剤に用いても開始剤に由来する末端は親水性基となるため、含フッ素界面活性剤の不存在下であっても乳化粒子を生成することができる。
上記重合開始剤としては、1種だけ添加してもよいし、複数種を添加してもよい。重合開始剤としては、なかでも、ポリマー末端基をカルボキシル基とするものが好ましい。上記水溶性過酸化物の適正分解温度、取扱いの簡便性、コスト、ポリマー末端構造を鑑みると、上記水溶性過酸化物としては、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、亜硫酸アンモニウム、亜硫酸カリウム及びジコハク酸パーオキサイドからなる群より選択される少なくとも一種の化合物であることがより好ましい。
上記水溶性過酸化物の添加量は、その種類、併用される連鎖移動剤の種類と添加量、あるいは重合温度や重合圧力等の重合条件に大きく依存する。そのため、添加する適正量が重合により異なるので、一概に規定することはできないが、乳化作用を付与する親水性末端基を有するポリマー鎖を生成させる点で、上記水溶性過酸化物は、水性媒体に対し10〜3000ppmであることが好ましい。上記添加量が、水性媒体に対し10ppm未満であると、生産性が低下するおそれがある。また、低分子量PTFEの乳化粒子が得られず、高分子量PTFEが生成することがあり、上述したようにマトリックスへの分散不良が生じやすくなる。より好ましい添加量は、水性媒体に対し50〜2000ppmである。
上記重合開始剤としては、過硫酸塩又は亜硫酸塩と、水溶性有機過酸化物とを併用することが好ましい。この場合、上記重合開始剤としては、過硫酸塩及び亜硫酸塩からなる群より選択される少なくとも1種と、水溶性有機過酸化物の少なくとも1種とを選択すればよく、重合開始作用を有するその他の試薬を用いてもよい。上記過硫酸塩及び亜硫酸塩は、半減期が短く重合開始時から重合開始剤として作用するのに対し、上記有機過酸化物は、半減期が比較的長く、重合開始剤として上記過硫酸塩及び亜硫酸塩よりも遅く作用し始める。従って両者を組み合わせることにより、分子量分布を小さく、シャープなものにすることができる。このように重合開始剤を併用することは、重合を液温40℃以上、100℃未満において行う場合に特に好ましい。上記「液温」は、重合反応液となる水性媒体の温度である。
上記重合開始剤は、過硫酸塩若しくは亜硫酸塩及び/又は水溶性有機過酸化物と、レドックス触媒とを含むものであることが好ましい。レドックス触媒を含むことにより低温でも反応を進行させることができる。このようにレドックス触媒を併用する方法は、例えば、重合を液温5〜40℃において行う場合に特に好ましい。
上記「過硫酸塩若しくは亜硫酸塩及び/又は有機過酸化物と、レドックス触媒」は、過硫酸塩とレドックス触媒、亜硫酸塩とレドックス触媒、有機過酸化物とレドックス触媒、過硫酸塩と有機過酸化物とレドックス触媒、亜硫酸塩と有機過酸化物とレドックス触媒の5通りのうち何れの組み合わせであってもよい。
上記過硫酸塩、亜硫酸塩、有機過酸化物及びレドックス触媒は、それぞれ2種以上用いてもよい。
上記過硫酸塩、亜硫酸塩及び有機過酸化物としては上述したものを用いることができる。
上記レドックス触媒としては特に限定されず、例えば、金属カルボニル−四塩化炭素混合物、過酸化物−鉄(II)化合物の混合物等が挙げられる。
また、上記重合開始剤としては、少なくとも1種が水溶性であればよい。
上記重合開始剤は、重合開始時に一括して反応容器中に存在していてもよいし、重合中に複数回に分割して添加してもよいし、また、重合中に連続的に添加してもよい。
上記水性媒体は、特に限定されるものではないが、例えば、脱イオンされた高純度の純水であることが好ましい。
上記乳化重合工程は、少なくともテトラフルオロエチレンを重合して乳化粒子を生成する工程である。乳化重合は、乳化粒子を生成できるものであれば特に限定されない。上記乳化粒子としては、水性媒体に分散した平均一次粒子径が1μm以下の低分子量PTFEの粒子であることが好ましい。
上記乳化重合工程は、上記乳化重合工程中に生成した低分子量PTFEの全量を100質量%として、90質量%以上が水性分散液の状態で存在する工程であることが好ましい。より好ましくは95質量%以上であり、更に好ましくは98質量%以上である。
上記「水性分散液の状態で存在する」とは、上記乳化重合工程中に生成した低分子量PTFEが凝固せず、乳化粒子の状態で存在することを意味する。すなわち、上記低分子量PTFEの90質量%以上が乳化粒子の状態で存在するものであればよい。より好ましくは95質量%以上であり、更に好ましくは98質量%以上である。
凝固した低分子量PTFEの固形分の量は、乳化重合工程中に生成した低分子量PTFEの10質量%未満であることが好ましく、より好ましくは5質量%未満であり、更に好ましくは2質量%未満である。
上記乳化重合工程で生成される乳化粒子(分散粒子)は、平均一次粒子径が50〜1000nmであることが好ましい。より好ましくは100〜1000nmであり、更に好ましくは100〜300nmである。
上記平均一次粒子径は、ポリマー濃度を0.22質量%に調整した水性分散液の単位長さに対する550nmの投射光の透過率と、透過型電子顕微鏡写真における定方向径を測定して決定された平均一次粒子径との検量線を作成し、測定対象である水性分散液について、上記透過率を測定し、上記検量線をもとに決定できる。
上記乳化重合工程は、撹拌機が備えられた耐圧反応容器に、水性媒体とテトラフルオロエチレンと、必要に応じて変性モノマーと、必要に応じて連鎖移動剤と、必要に応じて界面活性剤とを仕込み、温度及び圧力を調整した後、重合開始剤を添加することにより乳化重合を開始し、攪拌しながら行うことができる。上記乳化重合工程は、上述の水性媒体中にモノマーを連続的に供給しながら行うこともできる。
上記乳化重合工程は、上記モノマーとして、TFEに加え、任意のテトラフルオロエチレンと共重合可能な変性モノマーを添加するものであってもよい。上記変性モノマーについては、後述する。
上記乳化重合工程は、水性媒体を攪拌しながら行うことが好ましいが、攪拌が強過ぎると機械的剪断力によって乳化粒子が凝集し、気相−液相界面で重合反応が進行し、結果として懸濁重合による重合となり、低分子量PTFEからなる乳化粒子が得られなくなるおそれがある。ゆえに、上記乳化重合は、重合条件として反応スケール、重合温度及び重合圧力が同じ場合、一般的なフルオロポリマーの懸濁重合と比べ攪拌速度を小さくすることが好ましい。
上記乳化重合における攪拌速度は、気相−液相界面に凝集粒子が生成しないことを確認することにより重合スケールやその他の重合条件に応じて適宜選択することができ、特に限定されないが、上述のように、低分子量PTFEの90質量%以上が乳化粒子の状態で存在するものであれば、攪拌速度が小さく、乳化重合が行われたということができる。
上記乳化重合工程において、重合温度、重合圧力等の重合条件は、特に限定されず、使用するTFEの量、必要に応じて添加される変性剤の種類や量、あるいは生産性等に応じて、適宜選択することができるが、重合温度としては、5〜100℃であることが好ましく、50〜90℃であることがさらに好ましい。重合圧力としては、0.03〜3.0MPaであることが好ましい。
上記乳化重合工程は、自己乳化重合により乳化粒子を生成することができる。本明細書中で「自己乳化」とは、界面活性剤を添加せずとも行うことができる、連鎖移動剤および水溶性過酸化物を使用することによるTFEモノマーとの乳化である。すなわち、自己乳化重合とは、従来のTFEの乳化重合に使用されていたフルオロカーボン系の乳化剤、含フッ素界面活性剤等を重合開始時や重合中に添加せずとも、乳化重合が行われる重合のことである。
界面活性剤を添加せずに、水性媒体中でTFEと水溶性過酸化物だけを用いて反応させるTFEの乳化重合では、反応のごく初期の重合系中には乳化重合を行った場合と同様に核(乳化粒子)が発生し、安定的な乳化粒子が生成する。
上記乳化重合工程では、界面活性剤を反応容器中に添加せずとも、水溶性過酸化物に由来の親水性末端基を有するポリマー鎖が重合初期に生成し、これが乳化作用を持つため、水性媒体中で乳化粒子が形成されると考えられる。
上記自己乳化重合では、
(1)連鎖移動剤と水溶性過酸化物とTFEとが反応することにより、水溶性過酸化物由来の親水性末端基を有し乳化作用を持つポリマー鎖が生長するが、該ポリマー鎖の生長過程において、連鎖移動剤とポリマー鎖間の連鎖移動により該ポリマー鎖の生長末端が失活するので短鎖のTFE重合体が生成し、重合度の増加に伴う乳化作用の低下が起こらないこと、
(2)上記連鎖移動剤として使用する上述の化合物は連鎖移動能が高いため、上述の短鎖TFE重合体の重合度は低く、より高い乳化効果を示すこと、
(3)重合初期以降も水溶性過酸化物の分解が続くため、上述の親水性末端基を有する短鎖TFE重合体の生成は持続されること、
によりTFE重合体が乳化粒子として安定的に分散している水性分散液が得られることが推測される。
上記自己乳化重合は、親水性基をポリマー末端に付与する水溶性過酸化物を重合開始剤として用い、連鎖移動能が比較的高い化合物を連鎖移動剤として使用して重合を行うので、分散安定性が高い低分子量PTFEの水性分散液を、界面活性剤を添加せずに得ることができる。
上記自己乳化重合は、上述のように、界面活性剤を重合開始時や重合中に配合せずとも乳化重合を行うことができるため、製造コストを低くすることができる。更に、得られる低分子量PTFEについても界面活性剤に起因する着色等の問題点がない点で好ましい。
上記乳化重合工程において、界面活性剤を添加せずに乳化重合を行う場合、本発明の製造方法で得られる低分子量PTFE粉末は、例えば、パーフルオロオクタン酸〔PFOA〕及びその塩やパーフルオロスルホン酸〔PFOS〕及びその塩等の界面活性剤を実質的に含まない。
本明細書において、「実質的に含まない」とは、それらを原料として用いておらず、ポリマー固形分量の1ppmに相当する量以下であることを意味する。
上記乳化重合工程は、界面活性剤の存在下で行ってもよい。界面活性剤の存在下で行う場合、重合開始剤は水溶性過酸化物であってもよいし、他の重合開始剤であってもよい。
上記乳化重合工程は、界面活性剤の存在下で少なくともテトラフルオロエチレンを重合して乳化粒子を生成する工程であることが好ましい形態の一つである。界面活性剤の存在下で乳化重合を行う場合、界面活性剤の添加量は、使用する界面活性剤の乳化能力、重合条件等に応じて、適宜好適な添加量を設定すればよいが、例えば、水性媒体に対して500ppm以下であることが好ましい。500ppmを超えると、懸濁重合への円滑な切り換えが困難になるおそれがあり、例えば、乳化粒子を強制的に凝集させるために、酸や電解質の添加量を増加させなければならなくなる場合がある。また、界面活性剤を用いることで、乳化粒子の粒子径を制御することもできる。更に、使用する界面活性剤の量が一般的な乳化重合と比較して少ないため、製造コストの削減を図ることができ、更に、界面活性剤の使用に伴う、着色等が生じにくい。上記界面活性剤の使用量としてより好ましくは、300ppm以下である。
上記界面活性剤としては、特に限定されず、例えば、含フッ素界面活性剤、炭化水素系界面活性剤、シリコン系界面活性剤等を使用することができる。また、上記界面活性剤は、分子中に不飽和結合を有する重合性界面活性剤であってもよい。例えば、分子中に不飽和結合を有する含フッ素界面活性剤又はシリコン系界面活性剤であってもよいし、分子中に不飽和結合を有する炭化水素系界面活性剤であってもよい。
上記界面活性剤は、含フッ素界面活性剤であることが本発明の好ましい形態の一つである。上記含フッ素界面活性剤とは、分子構造中に少なくとも1個のフッ素原子を含む含フッ素化合物であって、界面活性を示す化合物を意味する。
上記含フッ素界面活性剤としては、特に限定されないが、含フッ素アニオン性界面活性剤であることが好ましく、例えば、少なくとも1個の水素原子がフッ素原子に置換された炭素数7〜12の炭化水素と、カルボン酸、カルボン酸塩、スルホン酸、スルホン酸基等の親水基とからなるものが挙げられ、工業的には、パーフルオロオクタン酸アンモニウム、パーフルオロオクタン酸スルホニウム塩;パーフルオロカルボン酸およびその塩;等が挙げられる。
また、上記含フッ素界面活性剤としては、一般式(I)
Rf−Y (I)
(式中、Rfは2価の酸素原子が挿入されていてもよい炭素数2〜12の直鎖又は分岐のフルオロアルキル基を表し、Yは、−COOM、−SO、−SONM又は−POを表す。上記M、M、M、M、M及びMは、同一又は異なって、H又は一価カチオンを表す。)で表される含フッ素アニオン性界面活性剤が好ましい。
上記一価カチオンとしては、例えば、−Na、−K、−NH等が挙げられる。上記Rfは、2価の酸素原子が挿入されていてもよい炭素数2〜6の直鎖又は分岐のフルオロアルキル基であることがより好ましい。
一般式(I)におけるYとしては、−COOH、−COONa、−COOK又は−COONHが好ましく、−COONHがより好ましい。
含フッ素界面活性剤としては、一般式(II)
CF−(CFn1−Y (II)
(式中、n1は1〜5の整数を表し、Yは上記と同じ。)で表される含フッ素アニオン性界面活性剤、一般式(III)
RfO−RfO−Rf−Y (III)
(式中、Rfは炭素数1〜3のフルオロアルキル基を表し、Rf及びRfはそれぞれ独立に直鎖又は分岐の炭素数1〜3のフルオロアルキレン基を表し、Rf、Rf及びRfは炭素数が合計で6以下である。Yは上記と同じ。)で表される含フッ素アニオン性界面活性剤がより好ましい。
一般式(II)で表される含フッ素アニオン性界面活性剤としては、例えば、CF(CFCOONH、CF(CFCOONH、CF(CFCOONH、CF(CFSONa、CF(CFSONH等が挙げられる。
一般式(III)で表される含フッ素アニオン性界面活性剤としては、例えば、一般式
CFO−CF(CF)CFO−CX(CF)−Y
(式中、XはH又はFを表し、Yは上記と同じ。)で表される含フッ素アニオン性界面活性剤、一般式
CFO−CFCFCFO−CFXCF−Y
(式中、XはH又はFを表し、Yは上記と同じ。)で表される含フッ素アニオン性界面活性剤、一般式
CFCFO−CFCFO−CFX−Y
(式中、XはH又はFを表し、Yは上記と同じ。)で表される含フッ素アニオン性界面活性剤等が挙げられる。
上記含フッ素界面活性剤は、1種使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記界面活性剤は、炭化水素系界面活性剤であることも好ましい形態の一つである。
上記炭化水素系界面活性剤としては、フッ素原子を含まない界面活性剤であれば特に限定されないが、例えば、ラウリル硫酸アンモニウムに代表されるアルキル硫酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル、脂肪酸、およびこれらの塩等の陰イオン性界面活性剤;ポリオキシアルキレンアルキルエーテル系ノニオン界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル系ノニオン界面活性剤などの非イオン性界面活性剤;等が挙げられる。
上記非イオン性界面活性剤としてより好ましくは、下記一般式(IV)
−O−A−H (IV)
(式中、Rは、炭素数8〜18の直鎖状若しくは分岐鎖状の1級又は2級アルキル基であり、Aは、オキシエチレンとオキシプロピレンとの共重合鎖から構成されるポリオキシアルキレン鎖、又は、オキシアルキレン鎖である。)により表されるポリオキシアルキレンアルキルエーテル系ノニオン界面活性剤、下記一般式(V)
−C−O−A−H (V)
(式中、Rは、炭素数4〜12の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基であり、Aは、ポリオキシアルキレン鎖である。)により表されるポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル系ノニオン界面活性剤が好ましい。
本発明の製造方法は、乳化粒子を凝集させて凝集粉末を生成させる凝集工程と、凝集粉末、重合開始剤及び水性媒体の存在下に、少なくともテトラフルオロエチレンを重合する懸濁重合工程を含む。懸濁重合工程は、凝集工程を行った後に、または凝集工程を行うと同時に開始させることができる。凝集工程及び懸濁重合工程は、乳化重合工程で使用した反応容器内で実施してもよいし、それと異なる反応容器内で実施してもよい。凝集工程は、乳化粒子を凝集させる手段を備えた特別の設備を使用して行うこともできる。上記凝集粉末とは、乳化粒子が凝集することにより生成する乳化粒子の凝集体である。
上記凝集は、乳化重合工程において生成した乳化粒子を強制的に凝集させることができる方法を用いればよく、例えば、電解質及び酸の少なくともいずれかを反応容器中に添加する、及び/若しくは、乳化重合工程よりも攪拌速度を速くすることが好ましい。
上記凝集工程は、反応容器中に電解質を添加して乳化粒子を凝集させる工程であることが好ましい。電解質を添加することによって、乳化粒子を容易に凝集させることができる。
上記凝集をより効果的に行う観点から、上記電解質は、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、水酸化ナトリウム及び硫酸アンモニウムからなる群より選択される少なくとも1種の化合物であることが好ましい。これによれば、乳化粒子の凝集をより効率よく行うことができる。
上記電解質は、水性媒体に対して50〜10000ppm添加することが好ましい。特に界面活性剤を添加している場合には、乳化粒子の安定性が高いために、50ppm未満では十分に凝集できない場合がある。10000ppmを超える量を添加すると、ポリマーに残留するおそれがある。より好ましくは、100〜5000ppmである。上記範囲内の電解質を添加することによって、乳化粒子の凝集をより効率よく行うことができる。
上記電解質は、連鎖移動性が実質的にないものであることが好ましい。連鎖移動性が実質的にない電解質としては、無機塩が好ましく、例えば、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、水酸化ナトリウム、硫酸アンモニウム、硫酸アルミニウム等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
上記電解質は、1種を添加してもよいし、2種以上を添加してもよい。また、懸濁重合工程の開始前又は開始時に一括して添加してもよいし、懸濁重合工程中に適宜分割して添加してもよいし、懸濁重合工程の間に連続的に添加してもよい。
上記凝集工程は、反応容器中に酸を添加するものであることが好ましい。酸を添加することによって、乳化粒子を容易に凝集させることができる。
上記凝集をより効果的に行う観点から、上記酸は、硝酸、硫酸及びシュウ酸からなる群より選択される少なくとも1種の化合物であることが好ましい。
上記酸は、水性媒体に対して50〜10000ppm添加することが好ましい。特に界面活性剤を添加している場合には、乳化粒子の安定性が高いために、50ppm未満では十分に凝集できない場合がある。10000ppmを超える量を添加すると、ポリマーに残留するおそれがある。より好ましくは、100〜5000ppmである。上記範囲内の酸を添加することによって、乳化粒子の凝集をより効率よく行うことができる。
上記酸は、1種を添加してもよいし、2種以上を添加してもよい。また、懸濁重合工程の開始前又は開始時に一括して添加してもよいし、懸濁重合工程中に適宜分割して添加してもよいし、懸濁重合工程中に連続的に添加してもよい。
上記懸濁重合工程は、撹拌機が備えられた耐圧反応容器で、温度及び圧力を調整して水性媒体を攪拌しながら行うことができる。上記懸濁重合は、上述の水性媒体中にモノマーを連続的に供給しながら行うこともできる。上記懸濁重合は、上記モノマーとして、TFEに加え、後述する変性モノマーを添加するものであってもよい。
上記懸濁重合工程において、重合温度、重合圧力等の重合条件は、特に限定されず、使用するTFEの量、変性モノマーの種類や量、あるいは生産性等に応じて、適宜選択することができるが、重合温度としては、5〜100℃であることが好ましく、50〜90℃であることがさらに好ましい。重合圧力としては、0.03〜3.0MPaであることが好ましい。
上記懸濁重合工程は、重合工程中に生成した低分子量PTFEの90質量%以上を凝固させるものであることが好ましい。懸濁重合工程後の水性分散液において、低分子量PTFEの90質量%以上を凝固したものであれば、上述のように、乳化重合工程で生成した乳化粒子を強制的に凝集させる凝集工程と、少なくともTFEを重合する懸濁重合工程とを行ったものということができる。より好ましくは95質量%以上、更に好ましくは、98質量%以上である。液相中に残っている低分子量PTFEの固形分の量は水性媒体に対して、2.5質量%未満であることが好ましく、0.5質量%未満であることがより好ましい。上記懸濁重合工程における攪拌は、低分子量PTFEの90質量%以上が凝固されるように、十分に行うものであることが好ましい。
上記乳化重合工程及び懸濁重合工程は、乳化重合工程でモノマーの重合が開始されているため、連続して行うことにより工程を短縮できる。具体的には、乳化重合の進行中に、上記電解質又は酸を水性媒体中に添加する、及び/若しくは、乳化重合工程よりも攪拌速度を速くすることにより、乳化粒子を強制的に凝集させるとともに又は乳化粒子を強制的に凝集させた後、懸濁重合を開始する。攪拌速度を速くすることによって、乳化重合から懸濁重合への切り換えを円滑に行うことができる。
上記強制的に凝集させる方法としては、攪拌速度を速くする方法と、電解質又は酸を水性媒体中に添加する方法を併用することが好ましく、該併用する方法は、界面活性剤を添加する場合に特に好適である。
上記乳化重合工程と懸濁重合工程とにおいて、重合モノマーの消費量は、重合モノマーの全消費量に対する質量比で、乳化重合工程:懸濁重合工程=(3〜80):(20〜97)であることが好ましい。乳化重合工程と懸濁重合工程による重合モノマーの消費量を上記範囲内にすることによって、本発明の効果はより発揮され、例えば、塗料等の添加剤として用いた場合、形成される塗膜の質感や光沢性を優れたものとするとともに、分散性や粘度を改善することができる。乳化重合工程:懸濁重合工程=(5〜60):(40〜95)であることがより好ましく、乳化重合工程:懸濁重合工程=(10〜50):(50〜90)であることが更に好ましい。
上記乳化重合工程と懸濁重合工程とを含む本発明の重合方法において、重合終了時点でのポリマー得量は、水性媒体に対して、生産性の観点から10%以上が好ましく、好ましくは20%以上である。
本発明の製造方法は、少なくともテトラフルオロエチレンを懸濁重合して低分子量PTFE粉末を生成させる懸濁重合工程の後、反応容器から低分子量ポリテトラフルオロエチレン粉末を回収する回収工程を含むことが好ましい。上記回収工程は、懸濁重合により生成される低分子量PTFE粉末を反応容器から回収する工程であればよく、回収方法は特に限定されない。例えば、反応容器内の水性媒体に浮かんでいる低分子量PTFE粉末をすくい出すこと等によって回収することができる。
本発明の製造方法は、水性媒体及び少なくともテトラフルオロエチレンを反応容器に投入する投入工程と、重合開始剤を投入して重合を開始させる重合開始工程と、重合開始剤及び水性媒体の存在下に、少なくともテトラフルオロエチレンを重合して乳化粒子を生成する乳化重合工程と、重合を継続させながら乳化粒子を凝集させて凝集粉末を生成させる凝集工程と、凝集工程の後または凝集工程と同時に、凝集粉末、重合開始剤及び水性媒体の存在下に、少なくともテトラフルオロエチレンを重合する懸濁重合工程と、反応容器から低分子量ポリテトラフルオロエチレン粉末を回収する回収工程を含む方法であることも好ましい態様の一つである。
本発明の製造方法は、水性媒体及び少なくともテトラフルオロエチレンを反応容器に投入する投入工程と、重合開始剤を投入して重合を開始させる重合開始工程と、重合開始剤及び水性媒体の存在下に、少なくともテトラフルオロエチレンを重合して乳化粒子を生成する乳化重合工程と、乳化粒子を含む水性分散液を前記反応容器から回収する回収工程と、回収した水性分散液を前記反応容器又は前記反応容器とは異なる反応容器に投入する工程と、水性媒体及び少なくともテトラフルオロエチレンを当該反応容器に投入する投入工程と、水性分散液中の乳化粒子を凝集させて凝集粉末を生成させる凝集工程と、凝集粉末、重合開始剤及び水性媒体の存在下に、少なくともテトラフルオロエチレンを重合する懸濁重合工程と、反応容器から低分子量ポリテトラフルオロエチレン粉末を回収する回収工程を含む方法であることも好ましい態様の一つである。
本発明の製造方法は、水性媒体及び少なくともテトラフルオロエチレンを反応容器に投入する投入工程と、重合開始剤を投入して重合を開始させる重合開始工程と、重合開始剤及び水性媒体の存在下に、少なくともテトラフルオロエチレンを重合して乳化粒子を生成する乳化重合工程と、乳化粒子を凝集させて凝集粉末を生成させる凝集工程と、凝集粉末を反応容器から回収する回収工程と、凝集粉末、水性媒体及び少なくともテトラフルオロエチレンを前記反応容器又は前記反応容器とは異なる反応容器に投入する投入工程と、凝集粉末、重合開始剤及び水性媒体の存在下に、少なくともテトラフルオロエチレンを重合する懸濁重合工程と、反応容器から低分子量ポリテトラフルオロエチレン粉末を回収する回収工程を含む方法であることも好ましい態様の一つである。
本発明の製造方法は、水性媒体及び少なくともテトラフルオロエチレンを反応容器に投入する投入工程と、重合開始剤を投入して重合を開始させる重合開始工程と、重合開始剤及び水性媒体の存在下に、少なくともテトラフルオロエチレンを重合して乳化粒子を生成する乳化重合工程と、乳化粒子を含む水性分散液を前記反応容器から回収する回収工程と、回収した水性分散液を凝集設備に投入する工程と、凝集設備内で乳化粒子を凝集させて凝集粉末を生成させる凝集工程と、凝集粉末を回収する工程と、凝集粉末、水性媒体及び少なくともテトラフルオロエチレンを前記反応容器又は前記反応容器とは異なる反応容器に投入する投入工程と、凝集粉末、重合開始剤及び水性媒体の存在下に、少なくともテトラフルオロエチレンを重合する懸濁重合工程と、反応容器から低分子量ポリテトラフルオロエチレン粉末を回収する回収工程を含む方法であることも好ましい態様の一つである。
懸濁重合工程において存在する重合開始剤は、乳化重合工程を開始させるために投入した重合開始剤であってもよいし、乳化重合工程完了後に新たに追加投入した重合開始剤であってもよいし、懸濁重合工程中に追加投入した重合開始剤であってもよい。
本発明の製造方法により得られる低分子量ポリテトラフルオロエチレン粉末(以下、「低分子量PTFE粉末」ともいう。)は、低分子量ポリテトラフルオロエチレン(以下、「低分子量PTFE」ともいう。)からなるものである。
本発明は、上記製造方法により得られる低分子量PTFE粉末でもある。
上記低分子量PTFEは、数平均分子量が60万以下である。60万を超えると、フィブリル化特性が発現し、凝集しやすいので、微分散性に劣る場合がある。上記低分子量PTFEの数平均分子量は、上記範囲内であれば好ましい下限を例えば1万とすることができる。1万未満であると、高温での揮発性が高く、焼き付けを必要とする塗料等の耐熱塗料には適さない場合がある。
上記低分子量PTFEの数平均分子量は、フローテスター法を用いて測定し得られた溶融粘度から算出した値である。
上記低分子量PTFEは、380℃における溶融粘度が70万Pa・s以下であることが好ましい。上記範囲内の溶融粘度とすることによって、数平均分子量が60万以下である低分子量PTFEとすることができる。
上記溶融粘度は、380℃における溶融粘度が10000Pa・s以下であることがより好ましく、5000Pa・s以下であることが更に好ましい。溶融粘度が高すぎると、塗料用の添加剤として用いた場合に、塗膜の透明性が低下するおそれがある。
上記溶融粘度は、ASTM D 1238に準拠し、フローテスター(島津製作所社製)及び2φ−8Lのダイを用い、予め380℃で5分間加熱しておいた2gの試料を0.7MPaの荷重にて上記温度に保って測定した値である。上記数平均分子量は、上記測定方法により測定した溶融粘度から算出した値である。
上記低分子量PTFEは、融点が324〜333℃であることが好ましい。
上記融点は、エスアイアイ・ナノテクノロジー社製の示差走査熱量測定機RDC220(DSC)を用い、事前に標準サンプルとして、インジウム、鉛を用いて温度校正した上で、低分子量PTFE粉末約3mgをアルミ製パン(クリンプ容器)に入れ、200ml/分のエアー気流下で、250〜380℃の温度領域を10℃/分で昇温させて行い、上記領域における融解熱量の極小点を融点とする。
上記製造方法は、少なくともテトラフルオロエチレンを重合して乳化粒子を生成するものであり、テトラフルオロエチレンと、テトラフルオロエチレンと共重合可能な変性モノマー(以下、「変性剤」ともいう。)と、を重合させるものであってもよい。
すなわち、上記低分子量PTFEは、テトラフルオロエチレンホモポリマー〔TFEホモポリマー〕及び/又は変性ポリテトラフルオロエチレン〔変性PTFE〕である。
本明細書において、上記「TFEホモポリマー及び/又は変性PTFE」とは、TFEホモポリマーからなり変性PTFEを含まないもの、変性PTFEからなりTFEホモポリマーを含まないもの、又は、TFEホモポリマーと変性PTFEとからなるものの何れかを意味する。
上記「低分子量PTFE」なる用語における「ポリテトラフルオロエチレン」は、一般には上記TFEホモポリマーを表すことがあるが、本明細書において、上記「低分子量PTFE」がTFEホモポリマー及び/又は変性PTFEであることから明らかであるように、TFEホモポリマーに限る趣旨ではなく、上記「低分子量PTFE」という1つの用語の一部分であるにすぎない。上記「低分子量PTFE」は、1つの用語として全体で、TFEホモポリマー及び/又は変性PTFEを表す。
上記TFEホモポリマーは、モノマーとしてテトラフルオロエチレン〔TFE〕のみを重合することにより得られるものである。
上記変性PTFEは、TFEと、変性剤とを重合して得られる重合体を意味する。
上記変性PTFEにおける変性剤としてはTFEとの共重合が可能なものであれば特に限定されず、例えば、ヘキサフルオロプロペン〔HFP〕等のパーフルオロオレフィン;クロロトリフルオロエチレン〔CTFE〕等のクロロフルオロオレフィン;トリフルオロエチレン、フッ化ビニリデン〔VdF〕等の水素含有フルオロオレフィン;パーフルオロビニルエーテル;パーフルオロブチルエチレン等のパーフルオロアルキルエチレン;エチレン等が挙げられる。また、用いる変性剤は1種であってもよいし、複数種であってもよい。
上記パーフルオロビニルエーテルとしては特に限定されず、例えば、下記一般式(VI)
CF=CF−ORf (VI)
(式中、Rfは、パーフルオロ有機基を表す。)で表されるパーフルオロ不飽和化合物等が挙げられる。本明細書において、上記「パーフルオロ有機基」とは、炭素原子に結合する水素原子が全てフッ素原子に置換されてなる有機基を意味する。上記パーフルオロ有機基は、エーテル酸素を有していてもよい。
上記パーフルオロビニルエーテルとしては、例えば、上記一般式(VI)において、Rfが炭素数1〜10のパーフルオロアルキル基を表すものであるパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)〔PAVE〕が挙げられる。上記パーフルオロアルキル基の炭素数は、好ましくは1〜5である。
上記PAVEにおけるパーフルオロアルキル基としては、例えば、パーフルオロメチル基、パーフルオロエチル基、パーフルオロプロピル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロペンチル基、パーフルオロヘキシル基等が挙げられるが、パーフルオロプロピル基が好ましい。
上記パーフルオロビニルエーテルとしては、また、上記一般式(VI)において、Rfが炭素数4〜9のパーフルオロ(アルコキシアルキル)基、下記式
Figure 0005569519
(式中、mは、0又は1〜4の整数を表す。)で表される有機基、下記式
Figure 0005569519
(式中、nは、1〜4の整数を表す。)で表される有機基を表すものであるパーフルオロ(アルコキシアルキルビニルエーテル)若しくはパーフルオロ(アルキルポリオキシアルキレンビニルエーテル)等が挙げられる。
上記変性PTFEにおける変性剤としては、パーフルオロビニルエーテル、クロロトリフルオロエチレンが好ましく、パーフルオロビニルエーテルとしてはPAVEが好ましい。
上記変性PTFEにおいて上記変性剤が上記変性剤とTFEとの全体量に占める割合(質量%)としては、例えば、上記変性剤として上記パーフルオロビニルエーテルを用いる場合、通常、1質量%以下が好ましく、0.001〜1質量%がより好ましい。
上記変性PTFEとしては、例えば、数平均分子量、共重合組成等が異なる変性PTFEが1種又は2種以上存在していてもよい。上記TFEホモポリマーとしては、例えば、数平均分子量が異なるTFEホモポリマーが1種又は2種以上存在していてもよい。
上記低分子量PTFEの分子鎖末端には、上記重合開始剤又は上記連鎖移動剤の化学構造に由来する不安定末端基が生じていてもよい。上記不安定末端基としては特に限定されず、例えば、−CHOH、−COOH、−COOCH等が挙げられる。
上記低分子量PTFEは、不安定末端基の安定化を行ったものであってもよい。上記不安定末端基の安定化の方法としては特に限定されず、例えば、フッ素含有ガスに曝露することにより末端をトリフルオロメチル基〔−CF〕に変化させる方法等が挙げられる。
上記低分子量PTFEはまた、末端アミド化を行ったものであってもよい。上記末端アミド化の方法としては特に限定されず、例えば、特開平4−20507号公報に開示されているように、上述のフッ素含有ガスに曝露する等して得られたフルオロカルボニル基〔−COF〕をアンモニアガスと接触させる方法等が挙げられる。
上記低分子量PTFEが上述の不安定末端基の安定化又は末端アミド化を行ったものであると、得られる本発明の低分子量PTFE粉末は、塗料、グリース、化粧品、メッキ液、トナー、プラスチックス等の相手材への添加剤として用いる場合に、相手材となじみやすく、分散性を向上させることができる。
本発明の低分子量PTFE粉末は、比表面積が4〜10m/gであることが好ましい。比表面積が上記範囲内であると、比表面積が比較的小さいため、粉末の舞い立ちやホッパーへの付着を低減することができる。4m/g未満であると、マトリックス材料への微分散に劣るおそれがある。また、10mを超えると、例えば、塗膜表面の質感を向上させる等、表面を改質する効果が高く、吸油量も多くなり、マトリックス材料に安定した分散体が得られるが、塗料等への分散性に劣るおそれがあり、また、塗料等の粘度が上昇するおそれもある。比表面積の上限としてより好ましくは8mであり、下限としてより好ましくは5mである。
本明細書において、比表面積は、表面分析計(商品名:MONOSORB、QUANTA CHLROME社製)を用い、キャリアガスとして窒素30%、ヘリウム70%の混合ガスを用い、冷却に液体窒素を用いて、BET法により測定した値である。
本発明の低分子量PTFE粉末は、平均粒子径が0.5〜30μmであることが好ましい。このように、平均粒子径が比較的小さい粉末であることで、例えば、塗料の添加剤として用いた場合等に、より優れた表面平滑性を有する塗膜を形成することができる。本発明の低分子量PTFE粉末の平均粒子径としては、20μm以下がより好ましい。
上記平均粒子径は、レーザー回折式粒度分布測定装置(日本レーザー社製)を用い、カスケードは使用せず、圧力0.1MPa、測定時間3秒で粒度分布を測定し、得られた粒度分布積算の50%に対応する粒子径に等しいとした。
上記低分子量PTFE粉末は、低分子量PTFEからなる粉末状固体である。
本発明の低分子量PTFE粉末は、粉砕されたものであってもよい。すなわち、本発明の低分子量PTFE粉末の製造方法は、低分子量ポリテトラフルオロエチレン粉末を粉砕する粉砕工程をさらに含むことも好ましい形態の一つである。上記粉砕工程は、回収工程の後に行われることが好ましい。
本発明の低分子量PTFE粉末の平均粒子径が5μm以下であることも好ましい形態の一つである。粒子径がより小さい粉末であることで、例えば、塗料の添加剤として用いた場合等に、より優れた表面平滑性を有する塗膜を形成することができる。平均粒子径が上記範囲内となる低分子量PTFE粉末は、粉砕によって容易に得ることができる。
上記粉砕の方法としては特に限定されないが、粉砕機で粉砕する方法が挙げられる。また、必要に応じて、懸濁重合工程により得られた低分子量PTFE粉末に放射線を照射した後、粉砕機により粉砕する方法も好ましい方法の一つである。
粉砕機には、ハンマーミル、ピンミル、ジェットミルなどの衝撃式や、回転刃と外周ステーターが凹凸による剪断力で粉砕するカッターミル等の摩砕式などがある。粉砕温度は−200〜100℃であることが好ましい。冷凍粉砕では通常−200〜−100℃であるが、室温(10〜30℃)で粉砕してもよい。冷凍粉砕では一般に液体窒素を使用するが、設備が膨大で粉砕コストも高くなる。工程が簡素となる点、粉砕コストを抑えることができる点で、室温(10℃)〜100℃、好ましくは、室温付近の温度(10℃〜30℃)で粉砕することが適当である。
上記粉砕の後、微粒子や繊維状粒子を気流分級により除去した後に、さらに分級により粗粒子を除去してもよい。
気流分級においては、粉砕された粒子が減圧空気により円柱状の分級室に送られ、室内の旋回気流により分散され、遠心力によって微粒子が分級される。微粒子は中央部からサイクロンおよびバグフィルターへ回収される。分級室内には、粉砕粒子と空気が均一に旋回運動を行うために円錐状のコーンまたはローターなどの回転体が設置されている。
分級コーンを使用する場合には、分級点の調節は二次エアーの風量と分級コーン間の隙間を調節することにより行う。ローターを使用する場合には、ローターの回転数により分級室内の風量を調節する。
粗粒子の除去方法としては、メッシュによる気流分級、振動篩または超音波篩などが挙げられるが、気流分級が好ましい。
本発明の低分子量PTFE粉末は、放射線を照射されたものであることも好ましい形態の一つである。すなわち、低分子量PTFE粉末の製造方法は、低分子量PTFE粉末に放射線を照射する照射工程を更に含むことが好ましい。また、上記照射工程の後に、上述した粉砕工程を含むものであってもよい。上記照射工程は、回収工程の後に行われることが好ましい。
上記放射線としては、γ線、電子線、X線等が挙げられるが、例えば、電子線又はγ線が好ましい。
本発明の低分子量PTFE粉末は、熱分解されたものであってもよい。すなわち、本発明の低分子量PTFE粉末の製造方法は、回収工程により回収された低分子量PTFEを熱分解する熱分解工程を更に含むことも好ましい形態の一つである。また、上記熱分解工程の後に、上述した粉砕工程を含むものであってもよい。
本発明の低分子量PTFE粉末は、ゲル化されたものであってもよい。すなわち、本発明の低分子量PTFE粉末の製造方法は、懸濁重合工程で生成される低分子量PTFE粉末を加熱処理することでゲル化する工程を含むものであってもよい。
上記加熱処理の温度としては、250℃以上、340℃未満であることが好ましい。上記加熱処理の温度において、好ましい下限は300℃であり、好ましい上限は、低分子量PTFEの融点、例えば330℃である。
本発明のゲル化された低分子量PTFE粉末は、低分子量PTFE粉末の全ての粒子について完全にゲル化された「完全ゲル化」と、一部の粒子若しくは一粒子の一部についてゲル化された「半ゲル化」「セミゲル化」との何れの状態にあるものであってもよい。
上記加熱処理により、低分子量PTFE粉末の粒子同士が点接触によって融着し、全体としては弱い結合力で一体に結合した塊状体を形成する。
また、上記加熱処理により、低分子量PTFE粉末の個々の粒子内でポリマー鎖が運動量を増して相互に絡み合う結果、個々の粒子はサイズが小さくかつ密な構造となって収縮する傾向にある。上記加熱処理によって得られた個々の粒子の見掛け密度は、加熱処理前の粉末に比べて一般に高くなるので、粉末の舞い立ちが少なく、粉末流動性が向上することによりホッパーへの充填性を向上させることができる。
上記加熱処理によって得られた塊状体に対しては、所望の大きさに粉砕処理を行ってもよい。上記粉砕処理は、上記低分子量PTFE粉末の個々の粒子に分かれるように行うことが好ましい。また、粉砕処理は、上述した粉砕の方法によって行ってもよい。
本発明の低分子量PTFEは、上述のように、塗料等の添加剤として用いることで、優れた質感や滑り性を有する塗膜を形成することができるとともに、分散性、粘度を改善することができる。すなわち、上記低分子量PTFEは、各種材料への添加剤として特に好適に使用することができる。具体的には、以下に示す添加剤として特に好ましく用いられる。
本発明は、上記製造方法で得られる低分子量ポリテトラフルオロエチレン粉末を含有する添加剤である。上記添加剤は、塗料組成物用、グリース組成物用、化粧品組成物用、メッキ液組成物用、トナー組成物用、又は、プラスチックス組成物用の添加剤であることが好ましい。
本発明はまた、低分子量ポリテトラフルオロエチレン粉末を含有する組成物である。上記組成物は、塗料、グリース、化粧品、メッキ液、トナー、又は、プラスチックスであることが好ましい。
本発明の低分子量PTFE粉末は、上述したような各種用途において、優れた質感や光沢性等を付与することができる、乳化重合により得られる低分子量PTFE粉末の利点と、分散性を改善し、粘度を改善することができる、懸濁重合により得られる低分子量PTFE粉末の利点を併せ持つ添加剤となる。
上記塗料、グリース、化粧品、メッキ液、トナー又はプラスチックス組成物用の添加剤は、これらの用途に、一般的に行われる方法により製造することができ、他の添加剤等と併用してもよい。また、上記塗料、グリース、化粧品、メッキ液、トナー又はプラスチックスである組成物は、各種用途において一般的に用いられる相手材に対して、通常の方法により混合して製造することができる。
本発明の低分子量PTFE水性分散液の製造方法は、上述の構成よりなるので、本発明の低分子量PTFE粉末は、塗料、グリース、化粧品、メッキ液、トナー又はプラスチックス等を改質する添加剤として好適に使用することができる。本発明の製造方法により得られる低分子量PTFE粉末は、塗料等の添加剤として用いることで、優れた質感や滑り性を有する塗膜を形成することができるとともに、分散性、粘度を改善することができる。
以下に実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこの実施例のみに限定されるものではない。なお、各実施例及び比較例中の「部」及び「%」は、特に断りの無い限り「質量部」及び「質量%」をそれぞれ意味する。
〔低分子量PTFE粉末の重合〕
比較例1
2枚のステンレス製平板型撹拌翼と温度調節用ジャケットとを備えた内容積6Lのステンレス製オートクレーブに、脱イオン水2760gを仕込み、密閉した。窒素ガスの圧入、脱気を複数回繰り返すことにより、系内の酸素を除去した後、連鎖移動剤として1.8gのエタンをテトラフルオロエチレン〔TFE〕で圧入し、槽内圧力を0.10MPaとした。700rpmでの撹拌下において槽内を昇温し、槽内温度が85℃に達したら、再度TFEを圧入し、槽内圧力を0.80MPaに調整した。
重合開始剤として、脱イオン水20gにジコハク酸パーオキサイド〔DSP〕700mgを溶解させた水溶液と、脱イオン水20gに過硫酸アンモニウム〔APS〕700mgを溶解させた水溶液を、TFEで槽内へ圧入した。重合開始剤の分解により槽内圧力が低下するので、TFEを連続的に供給し、槽内圧力を0.80±0.05MPaに維持した。重合反応中は常時、槽内温度を85±1℃に調節し、撹拌回転数を700rpmに制御した。
TFEの消費量が700gの時点で撹拌を停止し、槽内を脱圧した。重合後の液面及び液中の湿潤状態のポリマー粉末を脱イオン水で洗浄した上でろ別した。ろ別したポリマー粉末を、160℃の熱風循環式乾燥機にて18時間乾燥させることにより、低分子量PTFEの粉末を得た。また、ポリマー粉末をろ別した後の分散液において、水相中の固形分濃度を測定した。その結果を表1に示す。
比較例2
ステンレス製アンカー型撹拌翼と温度調節用ジャケットとを備えた内容積6Lのステンレス製オートクレーブに、脱イオン水2750g、パラフィンワックス90g、および、パーフルオロオクタン酸アンモニウム塩の20%水溶液14gを仕込み、密閉した。その後は、重合反応中の撹拌回転数を300rpmに制御する以外は、比較例1と同様に重合反応を実施した。
重合後の液面には、ポリマー粉末は存在せず、低分子量PTFEの水性分散液が得られた。この水性分散液における水相中の固形分濃度を表1に示す。上記低分子量PTFE水性分散液2000gに硝酸2gを加え、激しい機械的せん断力を加えることでポリマーを凝析させ、ついで得られた湿潤状態の粉末を水洗した上でろ別し、160℃の熱風循環式乾燥機にて18時間乾燥させることにより、低分子量PTFEの粉末を得た。また、ポリマー粉末をろ別した後の分散液において、水相中の固形分濃度を測定した。その結果を表1に示す。
参考例1
重合反応中の撹拌回転数を350rpmに制御し、TFEの消費量が315gの時点で撹拌を停止する以外は、比較例1と同様に重合反応を実施した。
重合後の液面には、微量の湿潤状態のポリマー粉末が浮遊しており、浮遊粉末を脱イオン水で洗浄した上でろ別した後の水相中の固形分濃度を表1に示す。ろ別したポリマー粉末を、160℃の熱風循環式乾燥機にて18時間乾燥させた。乾燥後の得られた粉末得量は、2.5gであった。
重合後の液相は、白色の低分子量PTFEの水性分散液であった。
実施例1
参考例1と同様に重合反応を行い、TFEの消費量が175gの時点で撹拌回転数を700rpmに変更し、さらに525gのTFEが消費するまで重合反応を実施した。
TFEの総消費量が700gの時点で撹拌を停止し、槽内を脱圧した。重合後の液面及び液中の湿潤状態のポリマー粉末を脱イオン水で洗浄した上でろ別する。ろ別したポリマー粉末を、160℃の熱風循環式乾燥機にて18時間乾燥させることにより、低分子量PTFEの粉末を得た。また、ポリマー粉末をろ別した後の分散液において、水相中の固形分濃度を測定した。その結果を表1に示す。
実施例2
参考例1と同様に重合反応を行い、TFEの消費量が175gの時点で脱イオン水20gにシュウ酸2水和物3.4gを溶解させた水溶液を、TFEで槽内へ圧入し、撹拌回転数を350rpmに制御したまま、さらに525gのTFEが消費するまで重合反応を実施した。
TFEの総消費量が700gの時点で撹拌を停止し、槽内を脱圧した。重合後の液面及び液中の湿潤状態のポリマー粉末を脱イオン水で洗浄した上でろ別する。ろ別したポリマー粉末を、160℃の熱風循環式乾燥機にて18時間乾燥させることにより、低分子量PTFEの粉末を得た。また、ポリマー粉末をろ別した後の分散液において、水相中の固形分濃度を測定した。その結果を表1に示す。
実施例3
TFEの消費量が175gになった時点以降、700gまでの撹拌回転数を700rpmに制御する以外は、実施例2と同様に重合反応を実施した。
重合後の液面及び液中の湿潤状態のポリマー粉末を脱イオン水で洗浄した上でろ別する。ろ別したポリマー粉末を、160℃の熱風循環式乾燥機にて18時間乾燥させることにより、低分子量PTFEの粉末を得た。また、ポリマー粉末をろ別した後の分散液において、水相中の固形分濃度を測定した。その結果を表1に示す。
実施例4
シュウ酸2水和物の水溶液の槽内へ圧入が、TFEの消費量50gの時点に変更し、さらに650gのTFEを消費するまで重合反応を行う以外は、実施例3と同様に重合反応を実施した。
重合後の液面及び液中の湿潤状態のポリマー粉末を脱イオン水で洗浄した上でろ別する。ろ別したポリマー粉末を、160℃の熱風循環式乾燥機にて18時間乾燥させることにより、低分子量PTFEの粉末を得た。また、ポリマー粉末をろ別した後の分散液において、水相中の固形分濃度を測定した。その結果を表2に示す。
実施例5
エタンの仕込量を0.2gに変更し、シュウ酸2水和物の水溶液の槽内へ圧入が、TFEの消費量105gの時点に変更し、さらに595gのTFEを消費するまで重合反応を行う以外は、実施例3と同様に重合反応を実施した。
重合後の液面及び液中の湿潤状態のポリマー粉末を脱イオン水で洗浄した上でろ別する。ろ別したポリマー粉末を、160℃の熱風循環式乾燥機にて18時間乾燥させることにより、低分子量PTFEの粉末を得た。また、ポリマー粉末をろ別した後の分散液において、水相中の固形分濃度を測定した。その結果を表2に示す。
実施例6
シュウ酸2水和物の水溶液の槽内へ圧入が、TFEの消費量315gの時点に変更し、さらに385gのTFEを消費するまで重合反応を行う以外は、実施例3と同様に重合反応を実施した。
重合後の液面及び液中の湿潤状態のポリマー粉末を脱イオン水で洗浄した上でろ別する。ろ別したポリマー粉末を、160℃の熱風循環式乾燥機にて18時間乾燥させることにより、低分子量PTFEの粉末を得た。また、ポリマー粉末をろ別した後の分散液において、水相中の固形分濃度を測定した。その結果を表2に示す。
参考例2
脱イオン水2760gとともに、パーフルオロヘキサン酸アンモニウム塩〔APFHx〕の50%水溶液1.12gを仕込む以外は、参考例1と同様に重合反応を実施した。
重合後の液面には、微量の湿潤状態のポリマー粉末が浮遊しており、浮遊粉末を脱イオン水で洗浄した上で、ろ別した。ろ別したポリマー粉末を、160℃の熱風循環式乾燥機にて18時間乾燥させた。乾燥後の得られた粉末得量は、1.2gであった。また、ポリマー粉末をろ別した後の分散液において、水相中の固形分濃度を測定した。その結果を表2に示す。
重合後の液相は、白色の低分子量PTFEの水性分散液であった。
実施例7
参考例2と同様に重合反応を行い、TFEの消費量が315gの時点で脱イオン水20gにシュウ酸2水和物430mgを溶解させた水溶液を、TFEで槽内へ圧入し、撹拌回転数を700rpmに制御し、さらに385gのTFEが消費するまで重合反応を実施した。
TFEの総消費量が700gの時点で撹拌を停止し、槽内を脱圧した。重合後の液面及び液中の湿潤状態のポリマー粉末を脱イオン水で洗浄した上でろ別する。ろ別したポリマー粉末を、160℃の熱風循環式乾燥機にて18時間乾燥させることにより、低分子量PTFEの粉末を得た。また、ポリマー粉末をろ別した後の分散液において、水相中の固形分濃度を測定した。その結果を表2に示す。
実施例8
シュウ酸2水和物の水溶液の槽内へ圧入が、TFEの消費量490gの時点に変更し、さらに210gのTFEを消費するまで重合反応を行う以外は、実施例7と同様に重合反応を実施した。
重合後の液面及び液中の湿潤状態のポリマー粉末を脱イオン水で洗浄した上でろ別する。ろ別したポリマー粉末を、160℃の熱風循環式乾燥機にて18時間乾燥させることにより、低分子量PTFEの粉末を得た。また、ポリマー粉末をろ別した後の分散液において、水相中の固形分濃度を測定した。その結果を表2に示す。
各比較例及び実施例若しくは参考例で得られた重合後の液相、又は低分子量PTFE水性分散液について下記(1)〜(2)の物性評価を行い、各比較例及び実施例で得られた低分子量PTFE粉末について下記(3)〜(6)の物性評価を行った。
(1)水性分散液中の固形分濃度(P%)
水性分散液(Xg)を150℃にて3時間加熱した加熱残分(Zg)に基づき、式:P=Z/X×100(%)にて決定した。
(2)平均一次粒子径
ポリマー濃度を0.22質量%に調整した水性分散液の単位長さに対する550nmの投射光の透過率と、透過型電子顕微鏡写真における定方向径を測定して決定された平均一次粒子径との検量線を作成し、測定対象である水性分散液について、上記透過率を測定し、上記検量線をもとに決定した。
(3)平均粒子径
レーザー回折式粒度分布測定装置(日本電子社製)を用い、カスケードは使用せず、圧力0.1MPa、測定時間3秒で粒度分布を測定し、得られた粒度分布における累積体積%の50%に対応する値に等しいとした。
また、D90は粒度分布における累積体積%が90%のときの粒子径とし、D10は粒度分布における累積体積%が10%のときの粒子径とした。1μm以下の粒子の割合は、粒度分布における1μm以下の累積体積%とした。
(4)溶融粘度
ASTM D 1238に準拠し、フローテスター(島津製作所社製)及び2φ−8Lのダイを用い、予め測定温度(340℃又は380℃)で5分間加熱しておいた2gの試料を0.7MPaの荷重にて上記温度に保って測定を行った。
(5)融点
エスアイアイ・ナノテクノロジー社製の示差走査熱量測定機RDC220(DSC)を用い、事前に標準サンプルとして、インジウム、鉛を用いて温度校正した上で、低分子量PTFE粉末約3mgをアルミ製パン(クリンプ容器)に入れ、200ml/分のエアー気流下で、250〜380℃の温度領域を10℃/分で昇温させて行い、上記領域における融解熱量の極小点を融点とした。
(6)比表面積
BET法により、表面分析計(商品名:MONOSORB、QUANTA CHLROME社製)を用いて測定した。尚、キャリアガスとして、窒素30%、ヘリウム70%の混合ガスを用い、冷却は液体窒素を用いて行った。
以上の結果を表1又は2に示す。
Figure 0005569519
Figure 0005569519
粉砕比較例1
比較例1で得られた低分子量PTFE粉末を粉砕機にて微粉砕した。粉砕機は、分級機を備えたホソカワミクロン社製エアージェットミル200AFGを用いた。分級機の分級ローターは約9000rpmで回転させた。
粉砕比較例2
比較例2で得られた低分子量PTFE粉末を、分級ローターの回転数約7000rpmで粉砕比較例1と同様に微粉砕した。
粉砕実施例1
実施例3で得られた低分子量PTFE粉末を、分級ローターの回転数約7000rpmで粉砕比較例1と同様に微粉砕した。
粉砕実施例2
実施例8で得られた低分子量PTFE粉末を、分級ローターの回転数約7000rpmで粉砕比較例1と同様に微粉砕した。
粉砕粉末の結果を表3に示す。
Figure 0005569519
比較例1、2、実施例3、実施例8、粉砕比較例1、2、粉砕実施例1、2で得られた低分子量PTFE粉末の分散性評価を行った。
分散性評価
予め、ポリエーテルサルフォン55gをN−メチル−2−ピロリドン336gに添加し、混合溶液が透明になるまでディスパー式撹拌機にて撹拌混合し、低分子量PTFE粉末70gを添加し、撹拌速度3000rpmで撹拌混合した。
撹拌15分毎にブレードに溶液を塗装し、ブレード粗さを測定した。ブレード粗さが15μm以下であれば分散性が合格と判断し、総撹拌時間を記録した。総撹拌時間が120分に達してもブレード粗さが15μm以下にならない場合は、総撹拌時間が120分時点でのブレード粗さを記載した。
分散性評価の結果を表4、5に示す。
比較例1で得られた低分子量PTFE粉末を添加した塗料と比較して、比較例2、実施例3、8で得られた低分子量PTFE粉末を添加した塗料のブレード粗さは、低い。
粉砕実施例1、2で得られた低分子量PTFE粉末を添加した塗料のブレード粗さは、粉砕比較例1、2で得られた低分子量PTFE粉末のものと差が無く、いずれも分散性が良好であったが、粉砕比較例2で得られた低分子量PTFE粉末を添加した塗料のブレード粗さが15μm以下に到達する所要時間は、粉砕比較例1、粉砕実施例1、2よりも長く、分散性に劣っていた。
比較例1、2、実施例3、実施例8、粉砕比較例1、2、粉砕実施例1、2で得られた低分子量PTFE粉末の塗料化評価を行った。
塗料化評価
予め、ポリエーテルサルフォン42gをN−メチル−2−ピロリドン130g、キシレン24g、メチルイソブチルケトン72gの混合溶剤に添加し、混合溶液が透明になるまでディスパー式撹拌機にて撹拌混合し、低分子量PTFE粉末16.8gを添加し、撹拌速度3000rpmで30分間撹拌混合した。さらに、カーボンブラック1.2gとN−メチル−2−ピロリドン14gを撹拌することにより作製したカーボンブラックペーストを、上記低分子量PTFE分散溶液に添加し、撹拌速度3000rpmで10分間撹拌混合し、塗料を作製した。
脱脂したアルミニウム板に上記塗料をスプレー塗装し、90℃にて15分間乾燥し、さらに380℃にて15分間焼成させ、塗装板を作製した。
この塗料および塗装板について、以下の評価を実施した。
(1)塗料粘度
JIS K 6893に準拠し、塗料粘度を測定した。
(2)光沢度
JIS K 5400に準拠し、光沢度(60°)を測定した。
(3)耐摩耗性
ASTM D−1044に準拠し、摩擦材料CS−17を用い、荷重1.0Kgで1000回転後の磨耗量を測定した。
(4)塗膜外観
目視試験にて、塗膜外観を観察した。
塗料化評価の結果を表4、5に示す。
Figure 0005569519
Figure 0005569519
比較例1で得られた低分子量PTFE粉末を添加した塗料の塗膜外観は、比較例2、実施例3、8で得られた低分子量PTFE粉末のものと比較して粗かった。
粉砕比較例1、2、粉砕実施例1、2で得られた低分子量PTFE粉末を添加した塗料の塗膜外観はいずれも滑らかで良好であったが、中でも粉砕比較例2、粉砕実施例1、2で得られた低分子量PTFE粉末を添加した塗料の塗膜外観は特に滑らかで質感が良好であった。
比較例1で得られた低分子量PTFE粉末を添加した塗料は、比較例2、実施例3、8、と比較して、塗料粘度が低く、塗装時に液ダレを引き起こした。一方、比較例2で得られた低分子量PTFE粉末を添加した塗料の粘度は高く、取扱い性が悪かった。
また、粉砕比較例1で得られた低分子量PTFE粉末を添加した塗料も、粉砕実施例1、2で得られた低分子量PTFE粉末を添加した塗料と比較して、塗料粘度が低く、塗装時に液がたれやすく、粉砕比較例2で得られた低分子量PTFE粉末を添加した塗料の粘度は高く、取扱い性が悪かった。
本発明の低分子量PTFE粉末は、上述の構成よりなるので、塗料、グリース、化粧品、メッキ液、トナー、プラスチックス等への添加剤として好適に用いることができる。

Claims (20)

  1. 低分子量ポリテトラフルオロエチレン粉末の製造方法であって、
    重合開始剤及び水性媒体の存在下に、少なくともテトラフルオロエチレンを重合して乳化粒子を生成する乳化重合工程と、
    前記乳化粒子を凝集させて凝集粉末を生成させる凝集工程と、
    前記凝集粉末、重合開始剤及び水性媒体の存在下に、少なくともテトラフルオロエチレンを重合する懸濁重合工程と、
    を含み、
    前記低分子量ポリテトラフルオロエチレンは、380℃における溶融粘度が70万Pa・s以下である
    ことを特徴とする低分子量ポリテトラフルオロエチレン粉末の製造方法。
  2. 前記乳化重合工程または懸濁重合工程のうち少なくとも一方の工程において、連鎖移動剤を存在させる請求項1記載の低分子量ポリテトラフルオロエチレン粉末の製造方法。
  3. 前記重合開始剤は、水溶性過酸化物である請求項1又は2記載の低分子量ポリテトラフルオロエチレン粉末の製造方法。
  4. 前記乳化重合工程は、界面活性剤の存在下で重合を行う工程である請求項1、2又は3記載の低分子量ポリテトラフルオロエチレン粉末の製造方法。
  5. 前記界面活性剤は、含フッ素界面活性剤である請求項4記載の低分子量ポリテトラフルオロエチレン粉末の製造方法。
  6. 前記界面活性剤は、炭化水素系界面活性剤である請求項4記載の低分子量ポリテトラフルオロエチレン粉末の製造方法。
  7. 前記凝集工程は、電解質を添加して乳化粒子を凝集させる工程である請求項1、2、3、4、5又は6記載の低分子量ポリテトラフルオロエチレン粉末の製造方法。
  8. 前記電解質は、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、水酸化ナトリウム及び硫酸アンモニウムからなる群より選択される少なくとも1種の化合物である請求項7記載の低分子量ポリテトラフルオロエチレン粉末の製造方法。
  9. 前記凝集工程は、酸を添加して乳化粒子を凝集させる工程である請求項1、2、3、4、5、6、7又は8記載の低分子量ポリテトラフルオロエチレン粉末の製造方法。
  10. 前記酸は、硝酸、硫酸及びシュウ酸からなる群より選択される少なくとも1種の化合物である請求項9記載の低分子量ポリテトラフルオロエチレン粉末の製造方法。
  11. 前記連鎖移動剤は、エタン又はプロパンである請求項2、3、4、5、6、7、8、9又は10記載の低分子量ポリテトラフルオロエチレン粉末の製造方法。
  12. 前記水溶性過酸化物は、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム及びジコハク酸パーオキサイドからなる群より選択される少なくとも1種の化合物である請求項3、4、5、6、7、8、9、10又は11記載の低分子量ポリテトラフルオロエチレン粉末の製造方法。
  13. 低分子量ポリテトラフルオロエチレン粉末を粉砕する粉砕工程をさらに含む請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11又は12記載の低分子量ポリテトラフルオロエチレン粉末の製造方法。
  14. 請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12又は13記載の製造方法から得られ、比表面積が4〜8m /gである低分子量ポリテトラフルオロエチレン粉末。
  15. 380℃における溶融粘度が70万Pa・s以下である請求項14記載の低分子量ポリテトラフルオロエチレン粉末。
  16. 平均粒子径が0.5〜30μmである請求項14又は15記載の低分子量ポリテトラフルオロエチレン粉末。
  17. 請求項14、15又は16記載の低分子量ポリテトラフルオロエチレン粉末を含有することを特徴とする添加剤。
  18. 塗料組成物用、グリース組成物用、化粧品組成物用、メッキ液組成物用、トナー組成物用、又は、プラスチックス組成物用である請求項17記載の添加剤。
  19. 請求項14、15又は16記載の低分子量ポリテトラフルオロエチレン粉末を含有することを特徴とする組成物。
  20. 塗料、グリース、化粧品、メッキ液、トナー、又は、プラスチックスである請求項19記載の組成物。
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