JP7385150B2 - 精製ポリテトラフルオロエチレン粉末の製造方法及び低分子量ポリテトラフルオロエチレン粉末 - Google Patents

精製ポリテトラフルオロエチレン粉末の製造方法及び低分子量ポリテトラフルオロエチレン粉末 Download PDF

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Description

本開示は、精製ポリテトラフルオロエチレン粉末の製造方法及び低分子量ポリテトラフルオロエチレン粉末に関する。
分子量数千から数十万の低分子量ポリテトラフルオロエチレン(「ポリテトラフルオロエチレンワックス」や「ポリテトラフルオロエチレンマイクロパウダー」とも呼ばれる)は、化学的安定性に優れ、表面エネルギーが極めて低いことに加え、フィブリル化が生じにくいので、滑り性や塗膜表面の質感を向上させる添加剤として、プラスチックス、インク、化粧品、塗料、グリース等の製造に用いられている(例えば、特許文献1参照)。
低分子量ポリテトラフルオロエチレンの製造方法としては、重合法、放射線分解法、熱分解法等が知られている。
特開平10-147617号公報 国際公開2020/218622号
低分子量ポリテトラフルオロエチレンは添加剤として半導体用途等に使用されるため、低分子量ポリテトラフルオロエチレン以外の物質は限りなく少ないことが好ましい。特許文献2の[0407]で低分子量ポリテトラフルオロエチレンに関する記載があるが、低分子量ポリテトラフルオロエチレンから短鎖のフッ素化合物を削減することについて、詳細には記載されていない。
本開示は、低分子量ポリテトラフルオロエチレンから短鎖のフッ素化合物を削減する精製ポリテトラフルオロエチレン粉末の製造方法を提供することを目的とする。
本開示はまた、特定のフッ素化合物の含有量が少ない低分子量ポリテトラフルオロエチレン粉末を提供することを目的とする。
本開示(1)
ラジカル重合によって得られた低分子量ポリテトラフルオロエチレン粉末から、短鎖のフッ素化合物を削減する工程を含み、
前記工程では、少なくとも、下記一般式(1)で示される化合物を179ppb以下、下記一般式(2)で示される化合物を6900ppb以下まで削減する精製ポリテトラフルオロエチレン粉末の製造方法(以下、「本開示の製造方法」とも記載する)。
一般式(1):(H-(CF-COO)
(式中、mは3~20、Mは、H、金属原子、NR (Rは、同一でも異なっていてもよく、H又は炭素数1~10の有機基)、置換基を有していてもよいイミダゾリウム、置換基を有していてもよいピリジニウム、又は、置換基を有していてもよいホスホニウムである。pは1又は2である。)
一般式(2):(H-(CF-SO
(式中、nは4~21である。MはH、金属原子、NR (Rは前記と同じ)、置換基を有していてもよいイミダゾリウム、置換基を有していてもよいピリジニウム、又は、置換基を有していてもよいホスホニウムである。qは1又は2である。)
本開示(2)
前記ラジカル重合でパーフルオロオクタン酸及びその塩以外のフッ素系界面活性剤を使用する本開示(1)記載の精製ポリテトラフルオロエチレン粉末の製造方法。
本開示(3)
前記ラジカル重合で炭化水素系連鎖移動剤を使用する本開示(1)記載の精製ポリテトラフルオロエチレン粉末の製造方法。
本開示(4)
前記ラジカル重合が乳化重合である本開示(1)又は(2)記載の精製ポリテトラフルオロエチレン粉末の製造方法。
本開示(5)
170℃以上の加熱処理により、前記短鎖のフッ素化合物を削減する本開示(1)~(4)のいずれかに記載の精製ポリテトラフルオロエチレン粉末の製造方法。
本開示(6)
前記低分子量ポリテトラフルオロエチレン粉末の380℃における溶融粘度が1×10~7×10Pa・sである本開示(1)~(5)のいずれかに記載の精製ポリテトラフルオロエチレン粉末の製造方法。
本開示(7)
前記工程で、さらに、パーフルオロカルボン酸及びその塩を定量限界以下まで削減する本開示(1)~(6)のいずれかに記載の精製ポリテトラフルオロエチレン粉末の製造方法。
本開示(8)
前記パーフルオロカルボン酸が、パーフルオロオクタン酸以外のパーフルオロカルボン酸である本開示(7)記載の精製ポリテトラフルオロエチレン粉末の製造方法。
本開示(9)
パーフルオロカルボン酸及びその塩の含有量が定量限界以下、下記一般式(1)で示される化合物の含有量が179ppb以下、下記一般式(2)で示される化合物の含有量が6900ppb以下であり、
電子スピン共鳴法で測定して得られる一次微分型スペクトルにおいて、g=2.0218のピーク強度が0g-1以上7g-1以下である低分子量ポリテトラフルオロエチレン粉末(以下、「本開示の低分子量ポリテトラフルオロエチレン粉末」とも記載する)。
一般式(1):(H-(CF-COO)
(式中、mは3~20、Mは、H、金属原子、NR (Rは、同一でも異なっていてもよく、H又は炭素数1~10の有機基)、置換基を有していてもよいイミダゾリウム、置換基を有していてもよいピリジニウム、又は、置換基を有していてもよいホスホニウムである。pは1又は2である。)
一般式(2):(H-(CF-SO
(式中、nは4~21である。MはH、金属原子、NR (Rは前記と同じ)、置換基を有していてもよいイミダゾリウム、置換基を有していてもよいピリジニウム、又は、置換基を有していてもよいホスホニウムである。qは1又は2である。)
本開示(10)
平均粒子径が20μm以下、見掛密度が0.6g/ml以下である本開示(9)記載の低分子量ポリテトラフルオロエチレン粉末。
本開示(11)
380℃における溶融粘度が1×10~7×10Pa・sである本開示(9)又は(10)記載の低分子量ポリテトラフルオロエチレン粉末。
本開示の製造方法によれば、短鎖のフッ素化合物が削減された精製ポリテトラフルオロエチレン粉末が得られる。
本開示の低分子量ポリテトラフルオロエチレン粉末は、特定のフッ素化合物の含有量が少ないものである。
(本開示の製造方法)
本開示の製造方法は、ラジカル重合によって得られた低分子量ポリテトラフルオロエチレン〔低分子量PTFE〕粉末から、短鎖のフッ素化合物を削減する工程を含む。
本開示の製造方法では、ラジカル重合により、低分子量PTFE粉末を得る。
本開示の製造方法において、低分子量PTFEの重合は、ラジカル重合と他の重合とを組み合わせて実施してもよいが、ラジカル重合のみで実施することが好ましい。これにより、製造手順を簡便にすることができる。
上記ラジカル重合としては、乳化重合、懸濁重合、塊状重合等が挙げられるが、乳化重合が好ましい。
上記乳化重合は、通常、フッ素系界面活性剤と、連鎖移動剤との存在下において、水性媒体中でテトラフルオロエチレンの重合反応を実施することによって行う。重合反応の方法、条件は特に限定されず、従来公知の方法で実施できる。
上記フッ素系界面活性剤は、分子構造中に少なくとも1個のフッ素原子を含み、界面活性を示す化合物である。上記フッ素系界面活性剤としては、実用的には、少なくとも1個の水素原子がフッ素原子に置換された炭素数2~7の炭化水素と、カルボン酸、カルボン酸塩、スルホン酸、スルホン酸基等の親水基とからなるものが挙げられる。
また、上記フッ素系界面活性剤は、パーフルオロオクタン酸及びその塩以外のものが好ましい。
上記水性媒体は、脱イオンされた高純度の純水であることが好ましい。また、上記水性媒体は、アルコール、エーテル、ケトン、パラフィンワックス等の有機溶媒を含むものであってもよい。
上記連鎖移動剤としては、水素、炭化水素、ハロゲン化炭化水素等が挙げられる。
炭化水素、ハロゲン化炭化水素等の炭化水素系連鎖移動剤を使用した場合、上述のとおり、短鎖のフッ素化合物が生成される。本開示の製造方法は、短鎖のフッ素化合物を削減する工程を含むため、炭化水素系連鎖移動剤を使用しても、低分子量PTFE中の短鎖のフッ素化合物の量を削減できる。
上記炭化水素系連鎖移動剤としては、炭素数1~3の炭化水素、炭素数1~3のハロゲン化炭化水素等が挙げられる。上記炭素数1~3の炭化水素としては、メタン、エタン、プロパン等が挙げられ、上記炭素数1~3のハロゲン化炭化水素としては、クロロメタン、クロロエタン等が挙げられる。これらのなかでは、エタン、プロパンが好ましい。
上記連鎖移動剤の添加量は、その連鎖移動能、反応温度、重合圧力、あるいは重合開始剤の添加量等の重合条件により、その適正範囲が異なるので、一概に規定することはできないが、反応系中に存在するTFEに対して0.2~20モル%であるのが好ましく、1.0~10モル%であるのがより好ましい。
上記低分子量PTFE粉末は、一般に、数平均分子量が60万以下のTFE重合体である。数平均分子量が60万を超える高分子量PTFE粉末は、PTFE特有のフィブリル化特性が発現するため(特許文献1参照)、添加剤として用いる場合、PTFE粒子同士が凝集しやすくなり、マトリックス材料への分散性が劣る傾向がある。
上記低分子量PTFE粉末は、380℃における溶融粘度が1×10~7×10(Pa・s)であるTFE重合体であることが好ましい。上記低分子量PTFE粉末は、溶融粘度が本範囲内にあることで、通常、数平均分子量が60万以下となる(特許文献1参照)。
なお、上記高分子量PTFE粉末は、一般に、非溶融加工性であり、溶融粘度を測定できないという点でも上記低分子量PTFE粉末と相違する。
上記溶融粘度は、ASTM D 1238に準拠し、フローテスター(島津製作所製)及び2φ―8Lのダイを用い、予め380℃で5分間加熱しておいた2gの試料を0.7MPaの荷重にて上記温度に保って測定した値である。上記数平均分子量は、上記測定方法により測定した溶融粘度から、それぞれ算出した値である。
上記低分子量PTFE粉末を構成するPTFEは、テトラフルオロエチレンホモポリマー〔TFEホモポリマー〕であってもよいし、変性ポリテトラフルオロエチレン〔変性PTFE〕であってもよい。
上記TFEホモポリマーは、モノマーとしてテトラフルオロエチレン〔TFE〕のみを重合することにより得られるものである。
上記変性PTFEは、TFEと共重合し得る変性モノマーとTFEの共重合から得られる重合体を意味する。
上記変性PTFEにおける変性モノマーとしては、TFEとの共重合が可能なものであれば特に限定されず、例えば、ヘキサフルオロプロピレン〔HFP〕等のパーフルオロオレフィン;クロロトリフルオロエチレン〔CTFE〕等のクロロフルオロオレフィン;トリフルオロエチレン、フッ化ビニリデン〔VDF〕等の水素含有フルオロオレフィン;パーフルオロビニルエーテル;パーフルオロブチルエチレン;エチレン等が挙げられる。また、用いる変性モノマーは1種であってもよいし、複数種であってもよい。
上記パーフルオロビニルエーテルとしては特に限定されず、例えば、下記一般式(X)
CF=CF―ORf (X)
(式中、Rfは、パーフルオロ有機基を表す。)で表されるパーフルオロ不飽和化合物等が挙げられる。本明細書において、上記「パーフルオロ有機基」とは、炭素原子に結合する水素原子が全てフッ素原子に置換されてなる有機基を意味する。上記パーフルオロ有機基は、エーテル酸素を有していてもよい。
上記パーフルオロビニルエーテルとしては、例えば、上記一般式(X)において、Rfが炭素数1~10のパーフルオロアルキル基を表すものであるパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)〔PAVE〕が挙げられる。上記パーフルオロアルキル基の炭素数は、好ましくは1~5である。
上記PAVEにおけるパーフルオロアルキル基としては、例えば、パーフルオロメチル基、パーフルオロエチル基、パーフルオロプロピル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロペンチル基、パーフルオロヘキシル基等が挙げられるが、パーフルオロアルキル基がパーフルオロプロピル基であるパープルオロ(プロピルビニルエーテル)〔PPVE〕が好ましい。
上記パーフルオロビニルエーテルとしては、更に、上記一般式(X)において、Rfが炭素数4~9のパーフルオロ(アルコキシアルキル)基であるもの、Rfが下記式:
Figure 0007385150000001
(式中、aは、0又は1~4の整数を表す。)で表される基であるもの、Rfが下記式:
Figure 0007385150000002

(式中、bは、1~4の整数を表す。)で表される基であるもの等が挙げられる。
パーフルオロアルキルエチレンとしては特に限定されず、例えば、パーフルオロブチルエチレン(PFBE)、パーフルオロヘキシルエチレン(PFHE)、パーフルオロオクチルエチレン(PFOE)等が挙げられる。
上記変性PTFEにおける変性モノマーとしては、HFP、CTFE、VDF、PMVE、PPVE、PFBE、PFHE、CNVE及びエチレンからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
上記変性PTFEは、変性モノマー単位が0.0001~2モル%の範囲であることが好ましく、0.0001~1モル%未満の範囲であることがより好ましく、0.0001~0.5モル%の範囲であることが更に好ましく、0.001~0.2モル%の範囲であることが特に好ましい。
本開示の製造方法の上記工程では、少なくとも、下記一般式(1)で示される化合物を179ppb以下(好ましくは120ppb以下、より好ましくは70ppb以下、更に好ましくは40ppb以下、特に好ましくは定量限界以下)、下記一般式(2)で示される化合物を6900ppb以下(好ましくは2500ppb以下、より好ましくは2000ppb以下、更に好ましくは定量限界以下)まで削減する。なお、これらの量は、いずれも質量基準である。
一般式(1):(H-(CF-COO)
(式中、mは3~20、Mは、H、金属原子、NR (Rは、同一でも異なっていてもよく、H又は炭素数1~10の有機基)、置換基を有していてもよいイミダゾリウム、置換基を有していてもよいピリジニウム、又は、置換基を有していてもよいホスホニウムである。pは1又は2である。)
一般式(2):(H-(CF-SO
(式中、nは4~21である。MはH、金属原子、NR (Rは前記と同じ)、置換基を有していてもよいイミダゾリウム、置換基を有していてもよいピリジニウム、又は、置換基を有していてもよいホスホニウムである。qは1又は2である。)
一般式(1)で示される化合物及び一般式(2)で示される化合物等の短鎖のフッ素化合物を削減する方法としては、上記低分子量PTFE粉末を加熱処理する方法等が挙げられる。
上記加熱処理の方法は特に限定されず、箱形乾燥器、バンド乾燥器、トンネル乾燥器、噴出流乾燥器、移動層乾燥器、回転乾燥器、流動層乾燥機、気流乾燥器、箱型乾燥器、円盤乾燥器、円筒型撹拌乾燥器、逆円錐型撹拌乾燥器、マイクロウェーブ装置、真空熱処理装置、箱型電気炉、熱風循環装置、フラッシュ乾燥機、振動乾燥機、ベルト乾燥機、押出乾燥機、スプレードライヤー等によって実施できる。
また、上記加熱処理は、重合後のPTFE分散液から得られた水分を含む湿潤PTFE粉末に対して実施してもよいし、乾燥後のPTFE粉末に対して実施してもよい。
上記加熱処理において、加熱温度は、短鎖のフッ素化合物の削減効率等の観点から、170℃以上が好ましい。より好ましい下限は175℃、更に好ましい下限は180℃である。また、上限は、低分子量PTFE粉末の融点未満であることが好ましい。低分子量PTFE粉末の融点は、通常、327℃である。より好ましい上限は300℃、更に好ましい上限は240℃である。
上記加熱処理において、加熱時間は、短鎖のフッ素化合物の削減効率等の観点から、5~30時間が好ましい。より好ましい下限は7時間、更に好ましい下限は10時間である。また、より好ましい上限は25時間、更に好ましい上限は22時間である。
なお、上記加熱処理を、湿潤PTFE粉末を乾燥する際と、乾燥後のPTFE粉末において実施する場合、上記加熱時間は、これらの合計時間である。
上記加熱処理により、上記低分子量PTFE粉末から、短鎖のフッ素化合物である一般式(1)で示される化合物及び一般式(2)で示される化合物が削減される。
上記短鎖のフッ素化合物としては、一般式(1)で示される化合物及び一般式(2)で示される化合物以外に、パーフルオロカルボン酸及びその塩も挙げられる。すなわち、本開示の製造方法は、上記工程で、さらに、パーフルオロカルボン酸及びその塩を定量限界以下まで削減することが好ましい。
上記パーフルオロカルボン酸は、炭素数が4~14であることが好ましい。
また、上記パーフルオロカルボン酸は、パーフルオロオクタン酸であってもよいし、パーフルオロオクタン酸以外のパーフルオロカルボン酸であってもよいが、パーフルオロオクタン酸であることが好ましい。
上記一般式(1)及び(2)において、上記金属原子としては、1又は2価の金属原子が挙げられ、より詳細には、アルカリ金属(1族)又はアルカリ土類金属(2族)が挙げられる。具体的には、Na、K、Li等が例示される。
上記一般式(1)及び(2)において、4つの上記Rは、同一でも異なっていてもよい。上記Rとしては、H又は炭素数1~10の有機基が好ましく、H又は炭素数1~4の有機基がより好ましい。また、好ましくは炭素数1~10のアルキル基、更に好ましくは炭素数1~4のアルキル基である。以下で記載する全てのRに上記規定は適用できる。
上記一般式(1)において、mは5~11であってもよい。
上記一般式(2)において、nは6~12であってもよい。
なお、本明細書中、特に断りのない限り、「有機基」は、1個以上の炭素原子を含有する基、又は有機化合物から1個の水素原子を除去して形成される基を意味する。
当該「有機基」の例は、
1個以上の置換基を有していてもよいアルキル基、
1個以上の置換基を有していてもよいアルケニル基、
1個以上の置換基を有していてもよいアルキニル基、
1個以上の置換基を有していてもよいシクロアルキル基、
1個以上の置換基を有していてもよいシクロアルケニル基、
1個以上の置換基を有していてもよいシクロアルカジエニル基、
1個以上の置換基を有していてもよいアリール基、
1個以上の置換基を有していてもよいアラルキル基、
1個以上の置換基を有していてもよい非芳香族複素環基、
1個以上の置換基を有していてもよいヘテロアリール基、
シアノ基、
ホルミル基、
RaO-、
RaCO-、
RaSO-、
RaCOO-、
RaNRaCO-、
RaCONRa-、
RaOCO-、及び
RaOSO
(これらの式中、Raは、独立して、
1個以上の置換基を有していてもよいアルキル基、
1個以上の置換基を有していてもよいアルケニル基、
1個以上の置換基を有していてもよいアルキニル基、
1個以上の置換基を有していてもよいシクロアルキル基、
1個以上の置換基を有していてもよいシクロアルケニル基、
1個以上の置換基を有していてもよいシクロアルカジエニル基、
1個以上の置換基を有していてもよいアリール基、
1個以上の置換基を有していてもよいアラルキル基、
1個以上の置換基を有していてもよい非芳香族複素環基、又は
1個以上の置換基を有していてもよいヘテロアリール基である)
を包含する。
上記有機基としては、1個以上の置換基を有していてもよいアルキル基が好ましい。
また、上記有機基としては、下記置換基の例として挙げたものも含まれる。
本明細書中、特に断りのない限り、「置換基」は、置換可能な基を意味する。当該「置換基」としては、脂肪族基、芳香族基、ヘテロ環基、アシル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、脂肪族オキシ基、芳香族オキシ基、ヘテロ環オキシ基、脂肪族オキシカルボニル基、芳香族オキシカルボニル基、ヘテロ環オキシカルボニル基、カルバモイル基、脂肪族スルホニル基、芳香族スルホニル基、ヘテロ環スルホニル基、脂肪族スルホニルオキシ基、芳香族スルホニルオキシ基、ヘテロ環スルホニルオキシ基、スルファモイル基、脂肪族スルホンアミド基、芳香族スルホンアミド基、ヘテロ環スルホンアミド基、アミノ基、脂肪族アミノ基、芳香族アミノ基、ヘテロ環アミノ基、脂肪族オキシカルボニルアミノ基、芳香族オキシカルボニルアミノ基、ヘテロ環オキシカルボニルアミノ基、脂肪族スルフィニル基、芳香族スルフィニル基、脂肪族チオ基、芳香族チオ基、ヒドロキシ基、シアノ基、スルホ基、カルボキシ基、脂肪族オキシアミノ基、芳香族オキシアミノ基、カルバモイルアミノ基、スルファモイルアミノ基、ハロゲン原子、スルファモイルカルバモイル基、カルバモイルスルファモイル基、ジ脂肪族オキシホスフィニル基、ジ芳香族オキシホスフィニル基等が挙げられる。
上記脂肪族基は、飽和であっても不飽和であってもよく、また、ヒドロキシ基、脂肪族オキシ基、カルバモイル基、脂肪族オキシカルボニル基、脂肪族チオ基、アミノ基、脂肪族アミノ基、アシルアミノ基、カルバモイルアミノ基等を有していてもよい。上記脂肪族基としては、総炭素原子数1~8(好ましくは1~4のアルキル基)等が挙げられる。その具体例として、メチル基、エチル基、ビニル基、シクロヘキシル基、カルバモイルメチル基等が挙げられる。
上記芳香族基は、例えば、ニトロ基、ハロゲン原子、脂肪族オキシ基、カルバモイル基、脂肪族オキシカルボニル基、脂肪族チオ基、アミノ基、脂肪族アミノ基、アシルアミノ基、カルバモイルアミノ基等を有していてもよい。上記芳香族基としては、総炭素原子数6~12(好ましくは6~10)のアリール基等が挙げられる。その具体例として、フェニル基、4-ニトロフェニル基、4-アセチルアミノフェニル基、4-メタンスルホニルフェニル基等が挙げられる。
上記ヘテロ環基は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、脂肪族オキシ基、カルバモイル基、脂肪族オキシカルボニル基、脂肪族チオ基、アミノ基、脂肪族アミノ基、アシルアミノ基、カルバモイルアミノ基等を有していてもよい。上記ヘテロ環基としては、総炭素原子数2~12(好ましくは2~10)の5~6員へテロ環等が挙げられる。その具体例として、2-テトラヒドロフリル基、2-ピリミジル基等が挙げられる。
上記アシル基は、脂肪族カルボニル基、アリールカルボニル基、ヘテロ環カルボニル基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、芳香族基、脂肪族オキシ基、カルバモイル基、脂肪族オキシカルボニル基、脂肪族チオ基、アミノ基、脂肪族アミノ基、アシルアミノ基、カルバモイルアミノ基等を有していてもよい。上記アシル基としては、総炭素原子数2~8(好ましくは2~4)のアシル基等が挙げられる。その具体例として、アセチル基、プロパノイル基、ベンゾイル基、3-ピリジンカルボニル基等が挙げられる。
上記アシルアミノ基は、脂肪族基、芳香族基、ヘテロ環基等を有していてもよく、より詳細には、アセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基、2-ピリジンカルボニルアミノ基、プロパノイルアミノ基等を有していてもよい。上記アシルアミノ基としては、総炭素原子数2~12(好ましくは2~8)のアシルアミノ基、総炭素原子数2~8のアルキルカルボニルアミノ基等が挙げられる。その具体例として、アセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基、2-ピリジンカルボニルアミノ基、プロパノイルアミノ基等が挙げられる。
上記脂肪族オキシカルボニル基は、飽和であっても不飽和であってもよく、また、ヒドロキシ基、脂肪族オキシ基、カルバモイル基、脂肪族オキシカルボニル基、脂肪族チオ基、アミノ基、脂肪族アミノ基、アシルアミノ基、カルバモイルアミノ基等を有していてもよい。上記脂肪族オキシカルボニル基としては、総炭素原子数2~8(好ましくは2~4)のアルコキシカルボニル基等が挙げられる。その具体例として、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、(t)-ブトキシカルボニル基等が挙げられる。
上記カルバモイル基は、脂肪族基、芳香族基、へテロ環基等を有していてもよい。上記カルバモイル基としては、無置換のカルバモイル基、総炭素数2~9のアルキルカルバモイル基等が挙げられ、無置換のカルバモイル基、総炭素原子数2~5のアルキルカルバモイル基が好ましい。アルキルカルバモイル基の具体例として、N-メチルカルバモイル基、N,N-ジメチルカルバモイル基、N-フェニルカルバモイル基等が挙げられる。
上記脂肪族スルホニル基は、飽和であっても不飽和であってもよく、また、ヒドロキシ基、芳香族基、脂肪族オキシ基、カルバモイル基、脂肪族オキシカルボニル基、脂肪族チオ基、アミノ基、脂肪族アミノ基、アシルアミノ基、カルバモイルアミノ基等を有していてもよい。上記脂肪族スルホニル基としては、総炭素原子数1~6(好ましくは1~4)のアルキルスルホニル基等が挙げられる。その具体例として、メタンスルホニル等が挙げられる。
上記芳香族スルホニル基は、ヒドロキシ基、脂肪族基、脂肪族オキシ基、カルバモイル基、脂肪族オキシカルボニル基、脂肪族チオ基、アミノ基、脂肪族アミノ基、アシルアミノ基、カルバモイルアミノ基等を有していてもよい。上記芳香族スルホニル基としては、総炭素原子数6~10のアリールスルホニル基が挙げられる。その具体例として、ベンゼンスルホニル等が挙げられる。
上記アミノ基は、脂肪族基、芳香族基、ヘテロ環基等を有していてもよい。
上記アシルアミノ基は、例えば、アセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基、2-ピリジンカルボニルアミノ基、プロパノイルアミノ基等を有していてもよい。上記アシルアミノ基としては、総炭素原子数2~12(好ましくは2~8)のアシルアミノ基等が挙げられる。アシルアミノ基は、総炭素原子数2~8のアルキルカルボニルアミノ基が好ましい。その具体例として、アセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基、2-ピリジンカルボニルアミノ基、プロパノイルアミノ基等が挙げられる。
上記脂肪族スルホンアミド基、芳香族スルホンアミド基、ヘテロ環スルホンアミド基は、例えば、メタンスルホンアミド基、ベンゼンスルホンアミド基、2-ピリジンスルホンアミド基等であってもよい。
上記スルファモイル基は、脂肪族基、芳香族基、ヘテロ環基等を有していてもよい。上記スルファモイル基としては、スルファモイル基、総炭素原子数1~9のアルキルスルファモイル基、総炭素原子数2~10のジアルキルスルファモイル基、総炭素原子数7~13のアリールスルファモイル基、総炭素原子数2~12のヘテロ環スルファモイル基等が挙げられ、スルファモイル基、総炭素原子数1~7のアルキルスルファモイル基、総炭素原子数3~6のジアルキルスルファモイル基、総炭素原子数6~11のアリールスルファモイル基、総炭素原子数2~10のヘテロ環スルファモイル基が好ましい。これらの具体例として、スルファモイル基、メチルスルファモイル基、N,N-ジメチルスルファモイル基、フェニルスルファモイル基、4-ピリジンスルファモイル基等が挙げられる。
上記脂肪族オキシ基は、飽和であっても不飽和であってもよく、また、メトキシ基、エトキシ基、i-プロピルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、メトキシエトキシ基等を有していてもよい。上記脂肪族オキシ基としては、総炭素原子数1~8(好ましくは1~6)のアルコキシ基等が挙げられる。その具体例として、メトキシ基、エトキシ基、i-プロピルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、メトキシエトキシ基等が挙げられる。
上記芳香族アミノ基、へテロ環アミノ基は、脂肪族基、脂肪族オキシ基、ハロゲン原子、カルバモイル基、アリール基と縮環したヘテロ環基、脂肪族オキシカルボニル基等を有していてもよく、総炭素原子数1~4の脂肪族基、総炭素原子数1~4の脂肪族オキシ基、ハロゲン原子、総炭素原子数1~4のカルバモイル基、ニトロ基、総炭素原子数2~4の脂肪族オキシカルボニル基を有することが好ましい。
上記脂肪族チオ基は、飽和であっても不飽和であってもよく、また、総炭素原子数1~8(好ましくは1~6)のアルキルチオ基等であってもよい。その具体例として、メチルチオ基、エチルチオ基、カルバモイルメチルチオ基、t-ブチルチオ基等が挙げられる。
上記カルバモイルアミノ基は、脂肪族基、アリール基、ヘテロ環基等を有していてもよい。上記カルバモイルアミノ基としては、カルバモイルアミノ基、総炭素原子数2~9のアルキルカルバモイルアミノ基、総炭素原子数3~10のジアルキルカルバモイルアミノ基、総炭素原子数7~13のアリールカルバモイルアミノ基、総炭素原子数3~12のヘテロ環カルバモイルアミノ基等が挙げられ、好ましくはカルバモイルアミノ基、総炭素原子数2~7のアルキルカルバモイルアミノ基、総炭素原子数3~6のジアルキルカルバモイルアミノ基、総炭素原子数7~11のアリールカルバモイルアミノ基、総炭素原子数3~10のヘテロ環カルバモイルアミノ基である。これらの具体例として、カルバモイルアミノ基、メチルカルバモイルアミノ基、N,N-ジメチルカルバモイルアミノ基、フェニルカルバモイルアミノ、4-ピリジンカルバモイルアミノ基等が挙げられる。
本開示の製造方法によって得られる精製PTFE粉末の一形態として、本開示の低分子量PTFE粉末が挙げられる。
(本開示の低分子量PTFE粉末)
本開示の低分子量PTFE粉末は、パーフルオロカルボン酸及びその塩の含有量が定量限界以下、上記一般式(1)で示される化合物の含有量が179ppb以下、上記一般式(2)で示される化合物の含有量が6900ppb以下であり、電子スピン共鳴法で測定して得られる一次微分型スペクトルにおいて、g=2.0218のピーク強度が0g-1以上7g-1以下である。
本開示の低分子量PTFE粉末において、パーフルオロカルボン酸及びその塩の含有量は、質量基準で定量限界以下である。言い換えると、本開示の低分子量PTFE粉末は、パーフルオロカルボン酸及びその塩を実質的に含有しないものである。
また、パーフルオロカルボン酸及びその塩の定量限界は、後述の実施例の方法で測定した場合において、1ng/mLである。
本開示の低分子量PTFE粉末において、上記一般式(1)で示される化合物の含有量は、質量基準で179ppb以下である。下限は特に限定されないが、好ましくは120ppb以下、より好ましくは70ppb以下、更に好ましくは40ppb以下であり、定量限界以下の量であってもよい。言い換えると、本開示の低分子量PTFE粉末は、上記一般式(1)で示される化合物を実質的に含有しないものであってもよい。
なお、上記一般式(1)で示される化合物の含有量の定量限界は、後述の実施例の方法で測定した場合において、1ng/mLである。
本開示の低分子量PTFE粉末において、上記一般式(2)で示される化合物の含有量は、質量基準で6900ppb以下である。下限は特に限定されないが、好ましくは2500ppb以下、より好ましくは2000ppb以下であり、定量限界以下の量であってもよい。言い換えると、本開示の低分子量PTFE粉末は、上記一般式(2)で示される化合物を実質的に含有しないものであってもよい。
なお、上記一般式(2)で示される化合物の含有量の定量限界は、後述の実施例の方法で測定した場合において、1ng/mLである。
また、パーフルオロカルボン酸は、パーフルオロオクタン酸であってもよいし、パーフルオロオクタン酸以外のパーフルオロカルボン酸であってもよいが、パーフルオロオクタン酸であることが好ましい。
上記パーフルオロカルボン酸及びその塩、上記一般式(1)で示される化合物、並びに、上記一般式(2)で示される化合物の含有量は、液体クロマトグラフィーにより測定できる。
本開示の低分子量PTFE粉末は、電子スピン共鳴法(ESR)で測定して得られる一次微分型スペクトル(以下、ESRスペクトルともいう)において、g=2.0218におけるピーク強度が0g-1以上7g-1以下である。
上記ESRの測定条件、及び、関連する用語の定義を説明する。
測定条件は、以下のとおりである。
装置:日本電子株式会社(JEOL)製、JES-FR30EX
測定温度:23±3℃
マイクロ波周波数:9.42GHz
マイクロ波出力:0.4mW
中心磁場:347.548mT
掃引幅:±25mT
掃引時間:60s
時定数:0.03s
磁場変調幅:0.32mT
スキャン回数:1回
変調周波数:100kHz
マーカー:Mn2+
上記ESRスペクトルは、縦軸を補正信号強度、横軸をg値とする。
上記補正信号強度は、下記式:
補正信号強度(g-1)=Int.[PTFE]/Int.[Mn2+]/サンプル質量(g)
(式中、Int.[PTFE]はサンプルの補正前の信号強度、Int.[Mn2+]はマーカーの信号強度)で定義される。
本明細書では、特に断りのない限り、PTFEのESRスペクトルの信号について単に強度というときは、上記補正信号強度を指すものとする。
ESR信号のg値は、マーカーとして用いたMn2+の6本のピークのうち、低磁場側から4本目のピークに対応する既知のg値1.981を基準として補正した値を用い、下記式:
g=gstd-{(B-Bstd)/Bstd}×gstd
(式中、gstdはマーカーのg値、Bは信号が得られる磁場強度、Bstdはマーカーの磁場強度)で定義される。
上記ESRスペクトルにおいて、正の信号とは、上記スペクトルの正の領域(ベースラインの上側)に現れる信号を意味し、負の信号とは、上記スペクトルの負の領域(ベースラインの下側)に現れる信号を意味する。
直鎖型のラジカル(ラジカル1)は、下記式:
Figure 0007385150000003
(式中の波線はPTFEのポリマー鎖を示す。以下同様)で示され、側鎖型のラジカル(ラジカル2)は、下記式:
Figure 0007385150000004
で示される。
放射線照射を行うと、下記式:
Figure 0007385150000005
で示されるラジカル3、及び、下記式:
Figure 0007385150000006
で示されるラジカル4が生成し、これらが空気に触れることで、ラジカル1及びラジカル2が生成すると考えられる。g=2.0218における負の信号(ピーク)は、ラジカル2に基づく信号であると考えられるため、g=2.0218のピーク強度からラジカル2の量を推定できる。
本開示の低分子量PTFE粉末は、上記ESRスペクトルにおいて、g=2.0218のピーク強度0g-1以上7g-1以下である。この範囲内であれば、側鎖型のラジカルが顕著に少ないと推定される。言い換えると、本開示の低分子量PTFE粉末は、側鎖型のラジカルを実質的に含まないものであってもよい。
一方、高分子量PTFE粉末に放射線を照射して得られた低分子量PTFE粉末は、通常、g=2.0218のピーク強度が上記の範囲外である。よって、側鎖型のラジカルが多量に存在していると推定される。
本開示の低分子量PTFE粉末は、平均粒子径が20μm以下である。平均粒子径の下限は、好ましくは1μm、より好ましくは2μmであり、上限は、好ましくは11μm、より好ましくは10μm、更に好ましくは9μmである。
上記平均粒子径は、日本電子株式会社製レーザー回折式粒度分布測定装置(HELOS&RODOS)を用いて、カスケードは使用せず、分散圧力3.0barで測定を行い、粒度分布積算の50%に対応する粒子径に等しいとする。
本開示の低分子量PTFE粉末は、見掛密度が0.6g/ml以下である。見掛密度の下限は、好ましくは0.1g/ml、より好ましくは0.2g/mlであり、上限は、好ましくは0.5g/mlである。
上記見掛密度は、JIS K 6891にしたがって測定できる。
本開示の低分子量PTFE粉末は、例えば、本開示の製造方法によって製造することができる。また、本開示の低分子量PTFE粉末は、パーフルオロオクタン酸及びその塩以外のフッ素系界面活性剤を用いた乳化重合から得られたものであることが好ましい。
本開示の製造方法によって得られる精製PTFE粉末、及び、本開示の低分子量PTFE粉末は、成形材料、インク、化粧品、塗料、グリース、オフィスオートメーション機器用部材、トナーを改質する添加剤、めっき液への添加剤等として好適に使用することができる。上記添加剤の用途として、特に、グリース用粘稠剤が好適である。
上記成形材料の具体例として、ポリオキシベンゾイルポリエステル、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリフェニレンサルファイド等のエンジニアリングプラスチックが挙げられる。
本開示の製造方法によって得られる精製PTFE粉末、及び、本開示の低分子量PTFE粉末を上記成形材料の添加剤として使用する場合、コピーロールの非粘着性及び摺動特性を向上させる用途、家具の表層シート、自動車のダッシュボード、家電製品のカバー等のエンジニアリングプラスチック成形品の質感を向上させる用途、軽荷重軸受、歯車、カム、プッシュホンのボタン、映写機、カメラ部品、摺動材等の機械的摩擦を生じる機械部品の滑り性及び耐摩耗性を向上させる用途等に用いることができる。
本開示の製造方法によって得られる精製PTFE粉末、及び、本開示の低分子量PTFE粉末は、塗料の添加剤として、ニスやペンキの滑り性向上の目的に用いることができる。
本開示の製造方法によって得られる精製PTFE粉末、及び、本開示の低分子量PTFE粉末は、化粧品の添加剤として、ファンデーション等の化粧品の滑り性向上等の目的に用いることができる。
本開示の製造方法によって得られる精製PTFE粉末、及び、本開示の低分子量PTFE粉末は、更に、ワックス等の撥油性又は撥水性を向上させる用途や、グリースやトナーの滑り性を向上させる用途にも好適である。
本開示の製造方法によって得られる精製PTFE粉末、及び、本開示の低分子量PTFE粉末は、二次電池や燃料電池の電極バインダー、電極バインダーの硬度調整剤、電極表面の撥水処理剤等としても使用できる。
本開示の製造方法によって得られる精製PTFE粉末、及び、本開示の低分子量PTFE粉末は、潤滑油と混合してグリースを調製することもできる。上記グリースは、上記精製PTFE粉末又は上記低分子量PTFE粉末と潤滑油とを含有することで、潤滑油中に上記精製PTFE粉末又は上記低分子量PTFE粉末が均一かつ安定に分散しており、耐荷重性、電気絶縁性、低吸湿性等の特性に優れている。
上記潤滑油(基油)は、鉱物油であっても、合成油であってもよい。上記潤滑油(基油)としては、パラフィン系やナフテン系の鉱物油、合成炭化水素油、エステル油、フッ素オイル、シリコーンオイルのような合成油等が挙げられる。耐熱性の観点からはフッ素オイルが好ましい。上記フッ素オイルとしては、パーフルオロポリエーテルオイル、三フッ化塩化エチレンの低重合物等が挙げられる。三フッ化塩化エチレンの低重合物は、重量平均分子量が500~1200であってよい。
上記グリースは、更に、増稠剤を含むものであってもよい。上記増稠剤としては、金属石けん、複合金属石けん、ベントナイト、フタロシアニン、シリカゲル、ウレア化合物、ウレアウレタン化合物、ウレタン化合物、イミド化合物等が挙げられる。上記金属石けんとしては、ナトリウム石けん、カルシウム石けん、アルミニウム石けん、リチウム石けん等が挙げられる。また上記ウレア化合物、ウレアウレタン化合物及びウレタン化合物としては、ジウレア化合物、トリウレア化合物、テトラウレア化合物、その他のポリウレア化合物、ウレアウレタン化合物、ジウレタン化合物又はこれらの混合物等が挙げられる。
上記グリースにおいて、上記精製PTFE粉末及び上記低分子量PTFE粉末の合計含有量は0.1~50質量%が好ましい。下限は0.5質量%がより好ましく、上限は30質量%がより好ましい。上記精製PTFE粉末及び上記低分子量PTFE粉末が多すぎると、グリースが硬くなりすぎて、充分な潤滑性を発揮できないおそれがあり、上記精製PTFE粉末及び上記低分子量PTFE粉末が少なすぎると、シール性が発揮できないおそれがある。
上記グリースは、固体潤滑剤、極圧剤、酸化防止剤、油性剤、さび止め剤、粘度指数向上剤、清浄分散剤等を含むこともできる。
次に実施例を挙げて本開示を更に詳しく説明するが、本開示はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
実施例の各数値は以下の方法により測定した。
<平均粒子径>
日本電子株式会社製レーザー回折式粒度分布測定装置(HELOS&RODOS)を用いて、カスケードは使用せず、分散圧力1.0barで測定を行い、粒度分布積算の50%に対応する粒径を平均粒子径とした。
<見掛密度>
JIS K 6891にしたがって見掛密度を測定した。
<溶融粘度>
ASTM D 1238に準拠し、フローテスター(島津製作所社製)及び2φ―8Lのダイを用い、予め380℃で5分間加熱しておいた2gの試料を0.7MPaの荷重にて上記温度に保って溶融粘度を測定した。
<フッ素化合物の含有量>
液体クロマトグラフィー質量分析法を用いて下記条件でフッ素化合物の含有量を測定した。
粉末からの抽出
粉末1gにメタノール10g(12.6mL)を加え、60℃で120分間の超音波処理を行い、フッ素化合物を含む上澄み液を抽出した。
パーフルオロオクタン酸の検量線
1ng/mL~100ng/mLの濃度既知のパーフルオロオクタン酸のメタノール標準溶液を5水準調製し、液体クロマトグラフ質量分析計(Waters, LC-MS ACQUITY UPLC/TQD)を用いて測定を行った。それぞれのサンプル濃度とピークの積分値から一次近似を用い、下記関係式(1)によりa、bを求めた。
A=a×X+b (1)
A:パーフルオロオクタン酸のピーク面積
X:パーフルオロオクタン酸の濃度(ng/mL)
測定機器構成とLC-MS測定条件
Figure 0007385150000007
MRM測定パラメータ
Figure 0007385150000008
抽出液に含まれる炭素数が4以上、20以下の一般式(1)で示される化合物の含有量
液体クロマトグラフ質量分析計を用い、炭素数が4以上20以下の一般式(1)で示される化合物を測定した。抽出した液相について、MRM法を用いて各炭素数の一般式(1)で示される化合物のピーク面積を求めた。
パーフルオロカルボン酸の検量線
1ng/mL~100ng/mLの濃度既知のパーフルオロカルボン酸のメタノール標準溶液を5水準調製し、液体クロマトグラフ質量分析計(Waters, LC―MS ACQUITY UPLC/TQD)を用いて測定を行った。それぞれのサンプル濃度とピークの積分値から一次近似を用い、下記関係式によりそれぞれa、bを求めた。
A=a×X+b
A:パーフルオロカルボン酸のピーク面積
X:パーフルオロカルボン酸の濃度(ng/mL)
測定機器構成とLC―MS測定条件
Figure 0007385150000009
MRM測定パラメータ
Figure 0007385150000010
パーフルオロカルボン酸及びその塩の含有量
液体クロマトグラフ質量分析計(Waters,LC-MS ACQUITY UPLC/TQD)を用い、パーフルオロカルボン酸及びその塩の含有量の測定を行った。抽出した液相について、MRM(Multiple Reaction Monitoring)法を用いて測定した。
この測定における定量限界は1ng/mLである。
本実施例では炭素数4~14のパーフルオロカルボン酸及びその塩の含有量を算出し、その合計量を求めた。
一般式(1)で示される化合物の含有量
抽出液中の炭素数(m+1)の一般式(1)で示される化合物の含有量は下記式を用いて算出した。式中のa、bはパーフルオロカルボン酸の検量線で説明した関係式より求めた。本実施例では炭素数4~21の化合物の含有量を算出し、その合計量を求めた。
XCm=((ACm―b)/a)×((50×m+45)/413)
XCm:抽出溶液中の炭素数(m+1)の一般式(1)で示される化合物の含有量(ng/mL)
ACm:抽出溶液中の炭素数(m+1)の一般式(1)で示される化合物のピーク面積
この測定における定量限界は1ng/mLである。
抽出液に含まれる一般式(1)で示される化合物の含有量の測定
抽出液に含まれる一般式(1)で示される化合物の含有量はパーフルオロオクタン酸に換算することにより求めた。
パーフルオロオクタン酸の検量線
上記パーフルオロカルボン酸の検量線より、求めた。
抽出液に含まれる炭素数が4~21の一般式(1)で示される化合物の含有量
液体クロマトグラフ質量分析計を用い、炭素数が4~21の一般式(1)で示される化合物を測定した。抽出した液相について、MRM法を用いて各炭素数の一般式(1)で示される化合物のピーク面積を求めた。
MRM測定パラメータ
Figure 0007385150000011
粉末中に含まれる炭素数(m+1)の一般式(1)で示される化合物の含有量は下記式により求めた。
YCm=XCm×12.6
YCm:粉末中に含まれる炭素数(m+1)の一般式(1)で示される化合物の含有量(ppb対PTFE)
一般式(2)で示される化合物の含有量
抽出液中の炭素数nの一般式(2)で示される化合物の含有量は下記式を用いて算出した。式中のa、bはパーフルオロオクタン酸の検量線で説明した関係式より求めた。
本実施例では炭素数4~21の化合物の含有量を算出し、その合計量を求めた。
XSn=((ASn―b)/a)×((50×n+81)/499)
XSn:抽出溶液中の炭素数nの一般式(2)で示される化合物の含有量(ng/mL)
ASn:抽出溶液中の炭素数nの一般式(2)で示される化合物のピーク面積
この測定における定量限界は1ng/mLである。
抽出液に含まれる一般式(2)で示される化合物の含有量の測定
抽出液に含まれる一般式(2)で示される化合物の含有量はパーフルオロオクタンスルホン酸に換算することにより求めた。
パーフルオロオクタンスルホン酸の検量線
1ng/mL~100ng/mLの濃度既知のパーフルオロオクタンスルホン酸のメタノール標準溶液を5水準調製し、液体クロマトグラフ質量分析計(Waters, LC-MS ACQUITY UPLC/TQD)を用いて測定を行った。それぞれのサンプル濃度とピークの積分値から一次近似を用い、下記関係式(2)によりa、bを求めた。
A=a×X+b (2)
A:パーフルオロオクタンスルホン酸のピーク面積
X:パーフルオロオクタンスルホン酸の濃度(ng/mL)
測定機器構成とLC―MS測定条件
Figure 0007385150000012
MRM測定パラメータ
Figure 0007385150000013
抽出液に含まれる炭素数が4~21の一般式(2)で示される化合物の含有量
液体クロマトグラフ質量分析計を用い、炭素数が4~21の一般式(2)で示される化合物を測定した。抽出した液相について、MRM法を用いて各炭素数の一般式(2)で示される化合物のピーク面積を求めた。
MRM測定パラメータ
Figure 0007385150000014
粉末中に含まれる炭素数nの一般式(2)で示される化合物の含有量は下記式により求めた。
YSn=XSn×12.6
YSn:粉末中に含まれる炭素数nの一般式(2)で示される化合物の含有量(ppb対PTFE)
<電子スピン共鳴法(ESR)による測定>
下記の条件で測定し、得られたESRスペクトルから、g=2.0218のピーク強度を求めた。
装置:日本電子株式会社(JEOL)製、JES-FR30EX
測定温度:23±3℃
マイクロ波周波数:9.42GHz
マイクロ波出力:0.4mW
中心磁場:347.548mT
掃引幅:±25mT
掃引時間:60s
時定数:0.03s
磁場変調幅:0.32mT
スキャン回数:1回
変調周波数:100kHz
マーカー:Mn2+
合成例1(低分子量PTFE水性分散液の合成)
特許第5338667号の実施例5に従い、低分子量PTFE水性分散液を得た。
比較例1
上記低分子量PTFE水性分散液660gに硝酸14.7gを加え、激しい機械的剪断力を与えることで凝析させた。さらに得られた湿潤状態の粉末を濾別し、あらたに純水750gで水洗した。この水洗操作を5回繰り返した後、150℃の熱風循環式乾操機にて18時間乾燥させることにより、低分子量PTFEの粉末を得た。
比較例2
乾燥温度(加熱温度)を160℃にする以外は、比較例1と同様にして低分子量PTFEの粉末を得た。
実施例1
乾燥温度を170℃にする以外は、比較例1と同様にして低分子量PTFEの粉末を得た。
実施例2
乾燥温度を180℃にする以外は、比較例1と同様にして低分子量PTFEの粉末を得た。
実施例3
乾燥温度を200℃にする以外は、比較例1と同様にして低分子量PTFEの粉末を得た。
実施例4
乾燥温度を210℃にする以外は、比較例1と同様にして低分子量PTFEの粉末を得た。
実施例5
乾燥温度を230℃にする以外は、比較例1と同様にして低分子量PTFEの粉末を得た。
実施例6
乾燥温度を240℃にする以外は、比較例1と同様にして低分子量PTFEの粉末を得た。
得られた低分子量PTFEの粉末を、上述の方法で評価した。結果を表9に示す。
Figure 0007385150000015

Claims (7)

  1. フッ素系界面活性剤を用いた乳化重合によって得られた低分子量ポリテトラフルオロエチレン粉末から、短鎖のフッ素化合物を削減する工程を含み、
    前記工程では、少なくとも、下記一般式(1)で示される化合物を179ppb以下、下記一般式(2)で示される化合物を6900ppb以下まで削減し、
    前記低分子量ポリテトラフルオロエチレン粉末は、平均粒子径が20μm以下、見掛密度が0.6g/ml以下であり、
    前記低分子量ポリテトラフルオロエチレン粉末の380℃における溶融粘度が1×10 ~7×10 Pa・sである精製ポリテトラフルオロエチレン粉末の製造方法。
    一般式(1):(H-(CF-COO)
    (式中、mは3~20、Mは、H、金属原子、NR (Rは、同一でも異なっていてもよく、H又は炭素数1~10の有機基)、置換基を有していてもよいイミダゾリウム、置換基を有していてもよいピリジニウム、又は、置換基を有していてもよいホスホニウムである。pは1又は2である。)
    一般式(2):(H-(CF-SO
    (式中、nは4~21である。MはH、金属原子、NR (Rは前記と同じ)、置換基を有していてもよいイミダゾリウム、置換基を有していてもよいピリジニウム、又は、置換基を有していてもよいホスホニウムである。qは1又は2である。)
  2. 前記乳化重合でパーフルオロオクタン酸及びその塩以外のフッ素系界面活性剤を使用する請求項1記載の精製ポリテトラフルオロエチレン粉末の製造方法。
  3. 前記乳化重合で炭化水素系連鎖移動剤を使用する請求項1記載の精製ポリテトラフルオロエチレン粉末の製造方法。
  4. 170℃以上の加熱処理により、前記短鎖のフッ素化合物を削減する請求項1又は2記載の精製ポリテトラフルオロエチレン粉末の製造方法。
  5. 前記工程で、さらに、パーフルオロカルボン酸及びその塩を定量限界以下まで削減する請求項1又は2記載の精製ポリテトラフルオロエチレン粉末の製造方法。
  6. 前記パーフルオロカルボン酸が、パーフルオロオクタン酸以外のパーフルオロカルボン酸である請求項記載の精製ポリテトラフルオロエチレン粉末の製造方法。
  7. パーフルオロカルボン酸及びその塩の含有量が定量限界以下、下記一般式(1)で示される化合物の含有量が179ppb以下、下記一般式(2)で示される化合物の含有量が6900ppb以下であり、
    電子スピン共鳴法で測定して得られる一次微分型スペクトルにおいて、g=2.0218のピーク強度が0g-1以上7g-1以下であり、
    平均粒子径が20μm以下、見掛密度が0.6g/ml以下であり、
    380℃における溶融粘度が1×10 ~7×10 Pa・sである低分子量ポリテトラフルオロエチレン粉末。
    一般式(1):(H-(CF-COO)
    (式中、mは3~20、Mは、H、金属原子、NR (Rは、同一でも異なっていてもよく、H又は炭素数1~10の有機基)、置換基を有していてもよいイミダゾリウム、置換基を有していてもよいピリジニウム、又は、置換基を有していてもよいホスホニウムである。pは1又は2である。)
    一般式(2):(H-(CF-SO
    (式中、nは4~21である。MはH、金属原子、NR (Rは前記と同じ)、置換基を有していてもよいイミダゾリウム、置換基を有していてもよいピリジニウム、又は、置換基を有していてもよいホスホニウムである。qは1又は2である。)
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