JPH05287151A - 成形用ポリテトラフルオロエチレン組成物、その製造方法および成形加工方法 - Google Patents
成形用ポリテトラフルオロエチレン組成物、その製造方法および成形加工方法Info
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- JPH05287151A JPH05287151A JP11547392A JP11547392A JPH05287151A JP H05287151 A JPH05287151 A JP H05287151A JP 11547392 A JP11547392 A JP 11547392A JP 11547392 A JP11547392 A JP 11547392A JP H05287151 A JPH05287151 A JP H05287151A
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- ptfe
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Abstract
(57)【要約】
【構成】乳化重合によるポリテトラフルオロエチレン、
界面活性剤を含む水系溶媒および必要により固体充填物
からなり、ポリテトラフルオロエチレンが凝集体であ
り、ポリテトラフルオロエチレンが均一に湿潤してい
る。 【効果】成形加工時に総合的な有機化合物の使用量を減
ずることができ、可燃物対策、防爆対策、作業環境対
策、排気ガス処理対策等にかかる負担を減ずることがで
きる。
界面活性剤を含む水系溶媒および必要により固体充填物
からなり、ポリテトラフルオロエチレンが凝集体であ
り、ポリテトラフルオロエチレンが均一に湿潤してい
る。 【効果】成形加工時に総合的な有機化合物の使用量を減
ずることができ、可燃物対策、防爆対策、作業環境対
策、排気ガス処理対策等にかかる負担を減ずることがで
きる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は成形用ポリテトラフルオ
ロエチレン組成物、その製造および加工方法に関するも
のである。
ロエチレン組成物、その製造および加工方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリテトラフルオロエチレン(以
下、PTFEという)のペースト押出成形に用いる組成
物は、テトラフルオロエチレン(以下、TFEという)
の乳化重合によって製造されるディスパージョンから凝
析・造粒し、乾燥して得られたPTFEのファインパウ
ダーに有機媒体を約15〜20重量%含浸しペースト状にし
た組成物であることが知られている(ふっ素樹脂ハンド
ブック、日刊工業新聞社、里川孝臣編集)。
下、PTFEという)のペースト押出成形に用いる組成
物は、テトラフルオロエチレン(以下、TFEという)
の乳化重合によって製造されるディスパージョンから凝
析・造粒し、乾燥して得られたPTFEのファインパウ
ダーに有機媒体を約15〜20重量%含浸しペースト状にし
た組成物であることが知られている(ふっ素樹脂ハンド
ブック、日刊工業新聞社、里川孝臣編集)。
【0003】しかし、これらの有機媒体の使用はそれ自
身可燃物であったり環境に漏洩すると問題のある化合物
を後工程で用いる必要が生ずる等の問題があり、製造と
加工時に防災上の対策あるいは回収装置等のコストのか
かる対策を必要とする欠点を有していた。
身可燃物であったり環境に漏洩すると問題のある化合物
を後工程で用いる必要が生ずる等の問題があり、製造と
加工時に防災上の対策あるいは回収装置等のコストのか
かる対策を必要とする欠点を有していた。
【0004】また、ディスパージョンから凝析造粒する
際に、特公昭48−12052等によって知られるよう
に予め固体の充填物を添加し、共凝析して得られるフィ
ラーを約30重量%程度以下含む乾燥したフィラー入りフ
ァインパウダーに上記と同様に有機媒体を約15〜20重量
%含浸させペースト状にした組成物が、ペースト押出成
形に用いられることが知られている。これらも有機媒体
を使用することから前述と同様の欠点を有していた。
際に、特公昭48−12052等によって知られるよう
に予め固体の充填物を添加し、共凝析して得られるフィ
ラーを約30重量%程度以下含む乾燥したフィラー入りフ
ァインパウダーに上記と同様に有機媒体を約15〜20重量
%含浸させペースト状にした組成物が、ペースト押出成
形に用いられることが知られている。これらも有機媒体
を使用することから前述と同様の欠点を有していた。
【0005】一方、乳化重合体によるPTFEと比較的
多い固体充填物からなる組成物には、USP4,57
5,429等に示されるベアリング用組成物のようにP
TFEの乳化重合液を特開昭47−76944に示され
るように 1〜10%の界面活性剤によって安定化されたP
TFEのディスパージョンとPTFEに対して約1.2 重
量比の鉛化合物等の固体充填物と約 2%の界面活性剤を
混合し、塩析法等により共凝集して得られるペースト状
組成物を金属上に塗りつけて成形し焼成する成形法が知
られている。
多い固体充填物からなる組成物には、USP4,57
5,429等に示されるベアリング用組成物のようにP
TFEの乳化重合液を特開昭47−76944に示され
るように 1〜10%の界面活性剤によって安定化されたP
TFEのディスパージョンとPTFEに対して約1.2 重
量比の鉛化合物等の固体充填物と約 2%の界面活性剤を
混合し、塩析法等により共凝集して得られるペースト状
組成物を金属上に塗りつけて成形し焼成する成形法が知
られている。
【0006】また、充填物入りのPTFEの押出成形方
法として特開平1−306219において、界面活性剤
入り水性媒体を用いるPTFE成形方法が知られてい
る。
法として特開平1−306219において、界面活性剤
入り水性媒体を用いるPTFE成形方法が知られてい
る。
【0007】これらはいずれも固形分中のPTFEの含
有量が約50重量%以下の少ない組成物の範囲であり、こ
の場合は、PTFEの凝集物が部分的に繊維化し、充填
物の凝集に役立っていることおよび充填物の親水性とが
凝集物の保水性およびペースト成形性を付与しているも
のと思われる。また、これらの成形時には界面活性剤は
水系媒体中において 2.5重量%以上、通常は 5〜10重量
%程度の濃度で使用されることが知られている。
有量が約50重量%以下の少ない組成物の範囲であり、こ
の場合は、PTFEの凝集物が部分的に繊維化し、充填
物の凝集に役立っていることおよび充填物の親水性とが
凝集物の保水性およびペースト成形性を付与しているも
のと思われる。また、これらの成形時には界面活性剤は
水系媒体中において 2.5重量%以上、通常は 5〜10重量
%程度の濃度で使用されることが知られている。
【0008】また、各種電極および電池材料のPTFE
を含む組成物において特開昭64−12461、特開平
1−206562、特開平1−307166、特開平2
−112163等において知られるように 1〜10%の界
面活性剤において安定化されたPTFEのディスパージ
ョンを各種電極材料あるいは触媒等と混合し、親水性糊
料等の添加による増粘ペースト化組成物あるいはメタノ
ール、ブタノール等の有機媒体等を 3〜25%程度添加す
ることによって得られる凝集物からなるペースト状組成
物を塗りつけ、あるいはカレンダーリングにより膜状に
成形することが知られている。
を含む組成物において特開昭64−12461、特開平
1−206562、特開平1−307166、特開平2
−112163等において知られるように 1〜10%の界
面活性剤において安定化されたPTFEのディスパージ
ョンを各種電極材料あるいは触媒等と混合し、親水性糊
料等の添加による増粘ペースト化組成物あるいはメタノ
ール、ブタノール等の有機媒体等を 3〜25%程度添加す
ることによって得られる凝集物からなるペースト状組成
物を塗りつけ、あるいはカレンダーリングにより膜状に
成形することが知られている。
【0009】これらの成形物は電極あるいは触媒作用物
をPTFEのポーラスの表面に担持している特徴があ
り、担持量に限定はないが、その成形においては、親水
性糊料や有機媒体を比較的多量に用いており、防災上の
対策を必要としている。また、その製造方法から明らか
なようにPTFEの成形物としての観点からは、一般的
なPTFEの成形物の用途には緻密さが十分ではない方
法と考えられる。
をPTFEのポーラスの表面に担持している特徴があ
り、担持量に限定はないが、その成形においては、親水
性糊料や有機媒体を比較的多量に用いており、防災上の
対策を必要としている。また、その製造方法から明らか
なようにPTFEの成形物としての観点からは、一般的
なPTFEの成形物の用途には緻密さが十分ではない方
法と考えられる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
のPTFEのペースト押出成形法において、固体充填物
の含有量の少ない場合に行われていた、有機媒体を多く
使用することにより、防災上あるいは環境上の対策を必
要とするという問題点を解消し、従来の有機媒体を使用
した場合と同様に均一性の高い成形品を得る方法を提供
するにある。
のPTFEのペースト押出成形法において、固体充填物
の含有量の少ない場合に行われていた、有機媒体を多く
使用することにより、防災上あるいは環境上の対策を必
要とするという問題点を解消し、従来の有機媒体を使用
した場合と同様に均一性の高い成形品を得る方法を提供
するにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は前述の問題点を
解決すべくなされたものであり、組成物 100重量部あた
り乳化重合によるPTFEが85〜20重量部と比表面積15
m2/g 以下の固体充填物が 0〜30重量部、界面活性剤を
0.10〜5.0 重量%含む水系媒体が15〜80重量部であり、
固体充填物/PTFE(重量比)が 0/10〜 3/7 であ
り、PTFEの少なくとも一部が凝集しており、PTF
Eが均一に湿潤していることを特徴とする成形用PTF
E組成物を、またその製造方法として、TFEを乳化重
合して得られるPTFEのディスパージョンを界面活性
剤の水系媒体中の濃度を 0.7〜 5重量%に調整した後凝
析することを特徴とする製造方法を、その成形加工方法
として、この組成物を圧密化工程を含む成形加工を行う
ことを特徴とするPTFEの成形加工方法を、提供する
ものである。
解決すべくなされたものであり、組成物 100重量部あた
り乳化重合によるPTFEが85〜20重量部と比表面積15
m2/g 以下の固体充填物が 0〜30重量部、界面活性剤を
0.10〜5.0 重量%含む水系媒体が15〜80重量部であり、
固体充填物/PTFE(重量比)が 0/10〜 3/7 であ
り、PTFEの少なくとも一部が凝集しており、PTF
Eが均一に湿潤していることを特徴とする成形用PTF
E組成物を、またその製造方法として、TFEを乳化重
合して得られるPTFEのディスパージョンを界面活性
剤の水系媒体中の濃度を 0.7〜 5重量%に調整した後凝
析することを特徴とする製造方法を、その成形加工方法
として、この組成物を圧密化工程を含む成形加工を行う
ことを特徴とするPTFEの成形加工方法を、提供する
ものである。
【0012】本発明における乳化重合によるPTFE
は、USP2,750,850、特公昭45−3982
9、特開昭50−161542、特開昭63−1379
06等によって知られるTFEモノマーを水系媒体中で
乳化剤と重合触媒を用い、場合によりワックスを用いた
乳化重合によって製造され、通常平均粒径が 0.1〜1.0
μm 程度のディスパージョンとして得られるが、凝集に
よってその形態は部分的に合体したり、繊維化したもの
を含む。
は、USP2,750,850、特公昭45−3982
9、特開昭50−161542、特開昭63−1379
06等によって知られるTFEモノマーを水系媒体中で
乳化剤と重合触媒を用い、場合によりワックスを用いた
乳化重合によって製造され、通常平均粒径が 0.1〜1.0
μm 程度のディスパージョンとして得られるが、凝集に
よってその形態は部分的に合体したり、繊維化したもの
を含む。
【0013】また、PTFEの組成としては、TFEの
単独重合体からTFEとラジカル共重合可能な公知の共
重合体を含むが、好ましくは共重合モノマーの共重合量
は、PTFEに溶融流動性を与えない範囲で選ばれ、 0
〜10重量%である範囲が一般的に本発明の成形加工方法
に好適である。
単独重合体からTFEとラジカル共重合可能な公知の共
重合体を含むが、好ましくは共重合モノマーの共重合量
は、PTFEに溶融流動性を与えない範囲で選ばれ、 0
〜10重量%である範囲が一般的に本発明の成形加工方法
に好適である。
【0014】また、PTFEの分子量については特に限
定されず、乳化重合によるPTFEの公知の分子量範囲
内の単独あるいは混合物が使用可能である。
定されず、乳化重合によるPTFEの公知の分子量範囲
内の単独あるいは混合物が使用可能である。
【0015】本発明において、PTFEの使用量は、組
成物全体 100重量部に対して、85〜20重量部、好ましく
は83〜40重量部、特に成形品の品質を安定させるために
は、80〜50重量部が好ましい。
成物全体 100重量部に対して、85〜20重量部、好ましく
は83〜40重量部、特に成形品の品質を安定させるために
は、80〜50重量部が好ましい。
【0016】本発明に用いる固体充填物とは、乳化重合
以外の方法により重合されたPTFE等のフッ素含有樹
脂あるいはその他の高分子化合物、硝子繊維、ブロン
ズ、グラファイト等の無機充填物を示し、比表面積が15
m2/g 以下、好ましくは10m2/g 以下、特に好ましくは
3m2/g 以下である。このような充填物は成形途中で、
緻密で均一な構造を与えるため好ましい。また、この固
体充填物の使用量はPTFE使用量との重量比が 0/10
〜 3/7 、好ましくは 0/10〜 2/8 、特に好ましくは
0/10〜 1/10である。固体充填物は、成形時に押出圧
力を下げる助剤としても作用することがあるが、固体充
填物の割合が大きくなると、緻密な成形体が得られなく
なるため好ましくない。
以外の方法により重合されたPTFE等のフッ素含有樹
脂あるいはその他の高分子化合物、硝子繊維、ブロン
ズ、グラファイト等の無機充填物を示し、比表面積が15
m2/g 以下、好ましくは10m2/g 以下、特に好ましくは
3m2/g 以下である。このような充填物は成形途中で、
緻密で均一な構造を与えるため好ましい。また、この固
体充填物の使用量はPTFE使用量との重量比が 0/10
〜 3/7 、好ましくは 0/10〜 2/8 、特に好ましくは
0/10〜 1/10である。固体充填物は、成形時に押出圧
力を下げる助剤としても作用することがあるが、固体充
填物の割合が大きくなると、緻密な成形体が得られなく
なるため好ましくない。
【0017】また、固体充填物の総使用量は、組成物全
体 100重量部に対して、 0〜30重量部、好ましくは 0〜
20、更に好ましくは、0 〜10重量部使用することができ
る。これらの固体充填物の使用量は、その形状や表面の
親水性あるいはその成形条件によっても変わるが、その
使用量が多くなると、緻密なPTFEの構造をペースト
押出時に作り難くなるため、成形品の均一性は悪くな
る。
体 100重量部に対して、 0〜30重量部、好ましくは 0〜
20、更に好ましくは、0 〜10重量部使用することができ
る。これらの固体充填物の使用量は、その形状や表面の
親水性あるいはその成形条件によっても変わるが、その
使用量が多くなると、緻密なPTFEの構造をペースト
押出時に作り難くなるため、成形品の均一性は悪くな
る。
【0018】本発明における界面活性剤は、工学図書株
式会社版、日本油脂株式会社編「新版界面活性剤ハンド
ブック」等で一般的に知られている界面活性剤を特に限
定することなく用いることができる。
式会社版、日本油脂株式会社編「新版界面活性剤ハンド
ブック」等で一般的に知られている界面活性剤を特に限
定することなく用いることができる。
【0019】成形後の除去性等からは、比較的低分子量
のアニオン性およびノニオン性界面活性剤を用いること
が好適であり、フッ素化アルキルカルボン酸、アルキル
カルボン酸およびそのアンモニウム塩化合物、アルキル
フェノールのポリエチレンオキサイド化合物、アルキル
アルコールのポリエチレンオキサイド化合物、シロキサ
ン結合含有アルキルポリエチレンオキサイド化合物、ア
ルキルアルコール、アルキルフェノール等が特に好まし
い。これらのアルキル基としては、直鎖状のもの、各種
分枝構造を有するもの、ハロゲン置換基を有するもの、
少なくとも一部に不飽和基を有するもの、ケトン、エス
テル、またはエーテル結合などの含酸素結合を含むもの
などを含んでいてもよい。また、PTFEの乳化重合法
による製造時に用いられる界面活性剤はそのまま含むこ
とができる。
のアニオン性およびノニオン性界面活性剤を用いること
が好適であり、フッ素化アルキルカルボン酸、アルキル
カルボン酸およびそのアンモニウム塩化合物、アルキル
フェノールのポリエチレンオキサイド化合物、アルキル
アルコールのポリエチレンオキサイド化合物、シロキサ
ン結合含有アルキルポリエチレンオキサイド化合物、ア
ルキルアルコール、アルキルフェノール等が特に好まし
い。これらのアルキル基としては、直鎖状のもの、各種
分枝構造を有するもの、ハロゲン置換基を有するもの、
少なくとも一部に不飽和基を有するもの、ケトン、エス
テル、またはエーテル結合などの含酸素結合を含むもの
などを含んでいてもよい。また、PTFEの乳化重合法
による製造時に用いられる界面活性剤はそのまま含むこ
とができる。
【0020】また、この界面活性剤の組成物における濃
度は、水系媒体に対して 0.1〜 5重量%が使用可能であ
る。この濃度は界面活性剤の種類にもよるが、成形加工
時の保形性および保水性と関係があり、好ましくは、0.
15〜2.0 重量%、更に好ましくは、0.16〜1.0 重量%含
むことができる。
度は、水系媒体に対して 0.1〜 5重量%が使用可能であ
る。この濃度は界面活性剤の種類にもよるが、成形加工
時の保形性および保水性と関係があり、好ましくは、0.
15〜2.0 重量%、更に好ましくは、0.16〜1.0 重量%含
むことができる。
【0021】本発明における水系媒体とは、水を90重量
%以上含む均一な媒体を言い、界面活性剤の他のその他
の組成分としては、凝析時に促進剤として使用される、
硝酸、塩酸、フッ酸等の無機酸およびそのアルミニウム
塩、マグネシウム塩等、あるいはシュウ酸アンモニウ
ム、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム等の無機
化合物を含むことができる。
%以上含む均一な媒体を言い、界面活性剤の他のその他
の組成分としては、凝析時に促進剤として使用される、
硝酸、塩酸、フッ酸等の無機酸およびそのアルミニウム
塩、マグネシウム塩等、あるいはシュウ酸アンモニウ
ム、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム等の無機
化合物を含むことができる。
【0022】また、有機化合物の凝析促進剤であるアニ
オン性およびカチオン性有機化合物、有機媒体等を含む
ことができる。また、凝析前に使用する充填物の分散剤
等の有機化合物等も含むことができる。これらの有機物
媒体に対する総使用量はその種類にもよるが、多くなる
と成形性に好ましい影響を与えるけれども本発明の本来
の目的である可燃性あるいは作業環境への影響を抑える
ことが難しくなる。従ってその濃度は水系媒体に対して
5重量%以下、好ましくは、 2重量%以下、更に好まし
くは 1重量%以下の濃度のものを使用できる。
オン性およびカチオン性有機化合物、有機媒体等を含む
ことができる。また、凝析前に使用する充填物の分散剤
等の有機化合物等も含むことができる。これらの有機物
媒体に対する総使用量はその種類にもよるが、多くなる
と成形性に好ましい影響を与えるけれども本発明の本来
の目的である可燃性あるいは作業環境への影響を抑える
ことが難しくなる。従ってその濃度は水系媒体に対して
5重量%以下、好ましくは、 2重量%以下、更に好まし
くは 1重量%以下の濃度のものを使用できる。
【0023】この水系媒体の使用量は、組成物全体 100
重量部に対して、15〜80重量部を用いることができる
が、この水系媒体の量が多いと成形品が均一に密度が上
らず、成形時成形品の強度が弱いため成形が難しくな
る。また一方水系媒体の使用量が少ないと成形時に密度
が上りすぎ、ペースト押出し等の成形時に成形抵抗が上
りすぎ、その成形可能範囲が狭くなる。このような観点
からこの水系媒体の量は、好ましくは、17〜60重量部、
更に好ましくは、20〜50重量部のものを用いることがで
きる。
重量部に対して、15〜80重量部を用いることができる
が、この水系媒体の量が多いと成形品が均一に密度が上
らず、成形時成形品の強度が弱いため成形が難しくな
る。また一方水系媒体の使用量が少ないと成形時に密度
が上りすぎ、ペースト押出し等の成形時に成形抵抗が上
りすぎ、その成形可能範囲が狭くなる。このような観点
からこの水系媒体の量は、好ましくは、17〜60重量部、
更に好ましくは、20〜50重量部のものを用いることがで
きる。
【0024】本発明における「PTFEが均一に湿潤し
ている」とは、間接的には、PTFEの凝集体表面と内
部が水系媒体に依って湿潤可能な組成と構造を安定して
持っていることを意味しているが、単に表面が湿潤して
いるか否かを言う状態は組成物の置かれた雰囲気、保持
方法等によって容易に変動を受け易く、表面が湿潤可能
な組成と構造を持っているかどうか、あるいは、その組
成と構造が組成物全体に保たれるか否かを判断するのに
適切な方法とはいえない。従って本発明における「PT
FEが均一に湿潤している」とは、特定条件下での組成
物全体の保水性が安定しているか否かを測定する方法が
PTFEが均一に湿潤している状態を、一部の表面状態
にかかわらず汎用性あるいは再現・安定性のある指標と
して表すものと考えられる。
ている」とは、間接的には、PTFEの凝集体表面と内
部が水系媒体に依って湿潤可能な組成と構造を安定して
持っていることを意味しているが、単に表面が湿潤して
いるか否かを言う状態は組成物の置かれた雰囲気、保持
方法等によって容易に変動を受け易く、表面が湿潤可能
な組成と構造を持っているかどうか、あるいは、その組
成と構造が組成物全体に保たれるか否かを判断するのに
適切な方法とはいえない。従って本発明における「PT
FEが均一に湿潤している」とは、特定条件下での組成
物全体の保水性が安定しているか否かを測定する方法が
PTFEが均一に湿潤している状態を、一部の表面状態
にかかわらず汎用性あるいは再現・安定性のある指標と
して表すものと考えられる。
【0025】従って本発明による「PTFEが均一に湿
潤している」は、後に詳述する特定の加圧条件下にこの
組成物を供した場合の水系媒体の押出され難さ、即ちこ
の組成物の水系媒体の保持性が一定限度以上あることと
その際の被加圧性が一定限度以下であることにより定義
する。
潤している」は、後に詳述する特定の加圧条件下にこの
組成物を供した場合の水系媒体の押出され難さ、即ちこ
の組成物の水系媒体の保持性が一定限度以上あることと
その際の被加圧性が一定限度以下であることにより定義
する。
【0026】この特定の加圧条件下の水系媒体の保持性
と被加圧性とは、組成物表面での湿潤状態とは相関関係
があることが多いが、その理由は明確ではない。しか
し、通常の乳化重合によるPTFEのディスパージョン
の凝集造粒工程においては、機械的撹拌を行っており、
その際の撹拌動力によって、凝集造粒品の表面のPTF
Eが圧密化されていると認められ、また同時に表面の疎
水化も進むことから、通常の凝集・造粒条件では組成物
の水系媒体の保持性が悪いため、表面の圧密化が進み疎
水化を伴うということができるとも考えられるので、こ
れらの相関が現れると推定される。
と被加圧性とは、組成物表面での湿潤状態とは相関関係
があることが多いが、その理由は明確ではない。しか
し、通常の乳化重合によるPTFEのディスパージョン
の凝集造粒工程においては、機械的撹拌を行っており、
その際の撹拌動力によって、凝集造粒品の表面のPTF
Eが圧密化されていると認められ、また同時に表面の疎
水化も進むことから、通常の凝集・造粒条件では組成物
の水系媒体の保持性が悪いため、表面の圧密化が進み疎
水化を伴うということができるとも考えられるので、こ
れらの相関が現れると推定される。
【0027】なお、本発明の「PTFEが均一に湿潤し
ている」は、後に詳述する特定の加圧条件下にこの組成
物を供し、その際得られた被測定組成物が、組成物全体
のうち水系媒体を組成物全体の10重量%以上、好ましく
は15重量%以上、特に好ましくは17重量%以上保持して
いること、かつこの加圧条件下で測定される被加圧力が
100 kg /cm2 以下、好ましくは 80 kg/cm2 以下であ
ると定義する。
ている」は、後に詳述する特定の加圧条件下にこの組成
物を供し、その際得られた被測定組成物が、組成物全体
のうち水系媒体を組成物全体の10重量%以上、好ましく
は15重量%以上、特に好ましくは17重量%以上保持して
いること、かつこの加圧条件下で測定される被加圧力が
100 kg /cm2 以下、好ましくは 80 kg/cm2 以下であ
ると定義する。
【0028】本発明における湿潤性の測定方法としては
通常のPTFEのペースト押出成形機のうちシリンダー
径40.3mmφ ,ダイ角度20°,RR(断面積締り比)132
,ダイランド径 3.51 mmφ ,ダイランド長さ15.41 mm
,平均表面粗さRa 0.12μm の円柱ロッド押出機を用い
る。組成物 300±50 gを充填したペースト押出成形機と
ともに24±1 ℃にした後、ラム速度 20 mm/min で押出
を行い、被押出物の含水量と押出時の押出圧力を測定す
る。被押出物の含水量は押出されたロッドの全体の長さ
の真中部分10±2gを手早く採取し、加圧押出中に組成物
の内部より分離し、染み出た水性媒体をロッドの表面を
紙製の濾紙で手早く吸収除去した後秤量し、120 〜 370
℃の範囲で乾燥後の減量から水系媒体の含有量を測定す
る。なおこの時の乾燥条件は水系媒体中に含まれている
その他の成分により最適なものを選ぶことが好ましい。
水系媒体中のその他の成分が乾燥後除けない場合は他の
抽出等の適切な操作による測定値で補正することができ
るものとする。
通常のPTFEのペースト押出成形機のうちシリンダー
径40.3mmφ ,ダイ角度20°,RR(断面積締り比)132
,ダイランド径 3.51 mmφ ,ダイランド長さ15.41 mm
,平均表面粗さRa 0.12μm の円柱ロッド押出機を用い
る。組成物 300±50 gを充填したペースト押出成形機と
ともに24±1 ℃にした後、ラム速度 20 mm/min で押出
を行い、被押出物の含水量と押出時の押出圧力を測定す
る。被押出物の含水量は押出されたロッドの全体の長さ
の真中部分10±2gを手早く採取し、加圧押出中に組成物
の内部より分離し、染み出た水性媒体をロッドの表面を
紙製の濾紙で手早く吸収除去した後秤量し、120 〜 370
℃の範囲で乾燥後の減量から水系媒体の含有量を測定す
る。なおこの時の乾燥条件は水系媒体中に含まれている
その他の成分により最適なものを選ぶことが好ましい。
水系媒体中のその他の成分が乾燥後除けない場合は他の
抽出等の適切な操作による測定値で補正することができ
るものとする。
【0029】押出時の押出圧力はラムチップ部に設置し
た圧力計を用い全押出圧力を記録し、押出の後半1/4
の範囲の時間平均全圧力を求め、シリンダー全面積で割
って求める。
た圧力計を用い全押出圧力を記録し、押出の後半1/4
の範囲の時間平均全圧力を求め、シリンダー全面積で割
って求める。
【0030】なお、この際プラスチック製等のカップシ
ールをラムに備えるものとする。また、押出の後半1/
4の範囲の平均圧力を使用する理由は押出状態が安定し
た後、測定することを意味する。また、本測定方法の被
押出物は成形品の均一性の評価にも用いることができ
る。
ールをラムに備えるものとする。また、押出の後半1/
4の範囲の平均圧力を使用する理由は押出状態が安定し
た後、測定することを意味する。また、本測定方法の被
押出物は成形品の均一性の評価にも用いることができ
る。
【0031】また、本発明において、PTFEはその少
なくとも一部が凝集している。PTFEが水系媒体に分
散したディスパージョンのようにPTFEが全く凝集し
ていない場合には、保形性がないため、成形加工、特に
ペースト押出等ができない。また、凝集の程度は、最低
であっても組成物が保形性を示す程度が必要である。特
に、乳化重合によるPTFEの全部が凝集体であること
が好ましい。
なくとも一部が凝集している。PTFEが水系媒体に分
散したディスパージョンのようにPTFEが全く凝集し
ていない場合には、保形性がないため、成形加工、特に
ペースト押出等ができない。また、凝集の程度は、最低
であっても組成物が保形性を示す程度が必要である。特
に、乳化重合によるPTFEの全部が凝集体であること
が好ましい。
【0032】なお、本発明の組成物は充填物として本発
明に定義される以外の着色剤あるいは帯電防止剤等の通
常用いられる添加物等を使用できる。
明に定義される以外の着色剤あるいは帯電防止剤等の通
常用いられる添加物等を使用できる。
【0033】また、成形時に水系媒体中に微量の防錆剤
あるいは成形・乾燥あるいは焼成後、成形品に残る、液
状の添加物等を使用することができる。
あるいは成形・乾燥あるいは焼成後、成形品に残る、液
状の添加物等を使用することができる。
【0034】本発明の組成物は、本発明の構成要件の各
組成物を単純に配合することによっては、PTFEが均
一に湿潤している組成物を与えることはできない。
組成物を単純に配合することによっては、PTFEが均
一に湿潤している組成物を与えることはできない。
【0035】通常の乳化重合によるPTFEのファイン
パウダーに界面活性剤を溶解した水溶液を加え含浸、配
合を試みても本発明の界面活性剤濃度のものではPTF
Eが均一に湿潤している組成物を与えることができな
い。
パウダーに界面活性剤を溶解した水溶液を加え含浸、配
合を試みても本発明の界面活性剤濃度のものではPTF
Eが均一に湿潤している組成物を与えることができな
い。
【0036】界面活性剤の種類を選び、5 重量%以上の
水溶液を用いると、部分的な含浸により湿潤化が進み、
ペースト押出に用いると本発明品より若干成形抵抗が高
く、成形品の均一性が劣るものを与えることができる。
成形物の均一性は、成形物をロールで圧延する等の方法
でみやすくするとPTFEの密度ムラが含水量の少ない
部分が白くみえること等から比較的容易に目視でわか
る。
水溶液を用いると、部分的な含浸により湿潤化が進み、
ペースト押出に用いると本発明品より若干成形抵抗が高
く、成形品の均一性が劣るものを与えることができる。
成形物の均一性は、成形物をロールで圧延する等の方法
でみやすくするとPTFEの密度ムラが含水量の少ない
部分が白くみえること等から比較的容易に目視でわか
る。
【0037】更に界面活性剤を増量するとこれらの不具
合は改善が進むが、本発明の均一性までは至らず、ま
た、本発明の目的とする防災上あるいは環境上の対策を
必要としない水系媒体を用いた、組成物の製造および成
形加工方法から遠ざかることとなる。
合は改善が進むが、本発明の均一性までは至らず、ま
た、本発明の目的とする防災上あるいは環境上の対策を
必要としない水系媒体を用いた、組成物の製造および成
形加工方法から遠ざかることとなる。
【0038】しかし、本発明の組成物は、TFEを乳化
重合して得られるPTFEのディスパージョンを、界面
活性剤の水系媒体中の濃度を 0.7〜 5重量%に調整後、
凝析することを特徴とする製造方法により、比較的容易
に得ることができることを見い出すことができた。
重合して得られるPTFEのディスパージョンを、界面
活性剤の水系媒体中の濃度を 0.7〜 5重量%に調整後、
凝析することを特徴とする製造方法により、比較的容易
に得ることができることを見い出すことができた。
【0039】本発明による製造方法において用いるTF
Eを乳化重合して得られるPTFEのディスパージョ
ン、界面活性剤、水系媒体は少なくとも凝析開始時には
前述の組成物と同一の種類のものを用いる必要はある
が、その組成は凝析時には若干ずれることは知られてい
る。
Eを乳化重合して得られるPTFEのディスパージョ
ン、界面活性剤、水系媒体は少なくとも凝析開始時には
前述の組成物と同一の種類のものを用いる必要はある
が、その組成は凝析時には若干ずれることは知られてい
る。
【0040】本発明の製造方法は比較的狭い範囲の界面
活性剤を含む水系媒体中からの凝析することにより、従
来公知の有機媒体を用いたペースト押出成形に用いるフ
ァインパウダーでは得ることができなかったPTFEが
均一に湿潤している組成物を、均一でかつ安定的かつ定
量的に得ることが可能となったものである。
活性剤を含む水系媒体中からの凝析することにより、従
来公知の有機媒体を用いたペースト押出成形に用いるフ
ァインパウダーでは得ることができなかったPTFEが
均一に湿潤している組成物を、均一でかつ安定的かつ定
量的に得ることが可能となったものである。
【0041】本発明における界面活性剤濃度は、アニオ
ン系界面活性剤等の界面活性化作用が強いものを用いる
場合とノニオン系界面活性剤等の界面活性化作用の弱い
ものを用いる場合とでは、その製造時の凝集性に大きな
差が出る。しかし、本発明の製造方法において界面活性
剤の濃度が低すぎると凝集体表面も疎水化し易くなり、
PTFEが均一に湿潤している組成物を与えにくくす
る。また、濃度が高くなりすぎると通常行われている凝
析条件ではPTFEが均一に湿潤している組成物を歩留
り良く与えにくくなる。
ン系界面活性剤等の界面活性化作用が強いものを用いる
場合とノニオン系界面活性剤等の界面活性化作用の弱い
ものを用いる場合とでは、その製造時の凝集性に大きな
差が出る。しかし、本発明の製造方法において界面活性
剤の濃度が低すぎると凝集体表面も疎水化し易くなり、
PTFEが均一に湿潤している組成物を与えにくくす
る。また、濃度が高くなりすぎると通常行われている凝
析条件ではPTFEが均一に湿潤している組成物を歩留
り良く与えにくくなる。
【0042】本発明の製造方法における凝析の方法は、
通常PTFEのファインパウダーの製造に用いられてい
る、機械的撹拌力による方法等を用いることができる。
通常PTFEのファインパウダーの製造に用いられてい
る、機械的撹拌力による方法等を用いることができる。
【0043】本発明の固体充填物やその他の添加物等を
含む組成物等は凝析前にPTFEのディスパージョン中
に均一に分散後凝析することが好ましい。その際に適当
な分散助剤等を用いることもできる。
含む組成物等は凝析前にPTFEのディスパージョン中
に均一に分散後凝析することが好ましい。その際に適当
な分散助剤等を用いることもできる。
【0044】本発明の製造方法における凝析の方法は通
常のファインパウダーの製造工程と同様に機械的撹拌の
他、凝集促進剤等を添加して行うことができる。
常のファインパウダーの製造工程と同様に機械的撹拌の
他、凝集促進剤等を添加して行うことができる。
【0045】しかし、これらの有機化合物の使用量は得
られる凝集体の組成物の水系媒体の組成について記述さ
れた範囲により限定されている。
られる凝集体の組成物の水系媒体の組成について記述さ
れた範囲により限定されている。
【0046】また、凝析時の固形分濃度あるいは温度等
に特に限定されず、各々の組成に従った最適の方法で行
うことが可能である。
に特に限定されず、各々の組成に従った最適の方法で行
うことが可能である。
【0047】また、本発明の製造方法において得られる
組成物は凝集体であるので濾別等により容易に分離する
ことが可能であるが、その組成、特に水系媒体の含有量
を調整するために更に遠心分離や圧搾を行うことや組成
と構造を破壊しないような凍結乾燥等を行った後、再度
含浸調整すること等も可能である。
組成物は凝集体であるので濾別等により容易に分離する
ことが可能であるが、その組成、特に水系媒体の含有量
を調整するために更に遠心分離や圧搾を行うことや組成
と構造を破壊しないような凍結乾燥等を行った後、再度
含浸調整すること等も可能である。
【0048】また、本発明は、前述の本発明の組成物を
圧密化工程を含む成形加工を行うことを特徴とする方法
により新規なPTFEの成形加工法をも提供する。
圧密化工程を含む成形加工を行うことを特徴とする方法
により新規なPTFEの成形加工法をも提供する。
【0049】圧密化工程とは、本発明の組成物は一般的
に気泡等を含みそのままでは均一な成形物を与えること
ができないため行うもので、通常PTFEのファインパ
ウダーの有機媒体を用いたペースト成形加工と同様の加
工方法をさすものとする。
に気泡等を含みそのままでは均一な成形物を与えること
ができないため行うもので、通常PTFEのファインパ
ウダーの有機媒体を用いたペースト成形加工と同様の加
工方法をさすものとする。
【0050】圧縮工程として好ましくは予備成形したも
のをペースト押出する方法がある。また更にこのペース
ト押出成形したものをカレンダーリングしテープ状にす
ること、あるいは更に延伸加工し、密度の低い多孔体を
得る方法に用いることもできる。
のをペースト押出する方法がある。また更にこのペース
ト押出成形したものをカレンダーリングしテープ状にす
ること、あるいは更に延伸加工し、密度の低い多孔体を
得る方法に用いることもできる。
【0051】また、本発明の組成物を電線やワイヤー等
にペースト押しにより被覆成形することおよびガラスク
ロスや金属板等に押しつけ圧着させることもできる。
にペースト押しにより被覆成形することおよびガラスク
ロスや金属板等に押しつけ圧着させることもできる。
【0052】また、本発明の組成物は圧密化工程におい
て単に気泡の追出しのみならず、その圧力に従って水系
媒体が成形物中から相分離される性質が認められる。こ
れらの相分離された水系媒体はその成形途中適切な方法
により分離除去することが好ましい。水系媒体の分離除
去は、例えば実施例に示すように、ペースト押出途中に
ダイランドと押出物の接面から流出させることにより達
成可能である。この方法によれば、被押出物の含水量を
大幅に減少することができる。また、水系媒体の分離除
去方法としては、この他に、押出途中におけるベント状
の開口部から除く方法、あるいはカレンダー加工時に濾
過部材を用いる方法、あるいは圧縮空気により吹き飛ば
す方法、あるいはスクイズを行う方法等により実施する
ことができる。
て単に気泡の追出しのみならず、その圧力に従って水系
媒体が成形物中から相分離される性質が認められる。こ
れらの相分離された水系媒体はその成形途中適切な方法
により分離除去することが好ましい。水系媒体の分離除
去は、例えば実施例に示すように、ペースト押出途中に
ダイランドと押出物の接面から流出させることにより達
成可能である。この方法によれば、被押出物の含水量を
大幅に減少することができる。また、水系媒体の分離除
去方法としては、この他に、押出途中におけるベント状
の開口部から除く方法、あるいはカレンダー加工時に濾
過部材を用いる方法、あるいは圧縮空気により吹き飛ば
す方法、あるいはスクイズを行う方法等により実施する
ことができる。
【0053】水性媒体および界面活性剤の種類を適切に
選ぶことにより有機媒体を用いた場合実施が難しかった
解放系、あるいは媒体蒸気飽和等の雰囲気制御が可能に
なる点等、この組成物を圧密化工程を含む成形加工を行
うPTFEの成形加工方法は、その実施範囲を広く選ぶ
ことが可能である。
選ぶことにより有機媒体を用いた場合実施が難しかった
解放系、あるいは媒体蒸気飽和等の雰囲気制御が可能に
なる点等、この組成物を圧密化工程を含む成形加工を行
うPTFEの成形加工方法は、その実施範囲を広く選ぶ
ことが可能である。
【0054】また、本発明の成形加工方法はその工程の
内あるいは後で、乾燥、抽出、焼結等を行う工程を入れ
ることによって限定されるものではない。
内あるいは後で、乾燥、抽出、焼結等を行う工程を入れ
ることによって限定されるものではない。
【0055】また、本発明の組成物の製造方法の水系媒
体からの分離工程から連続して成形加工することも可能
である。
体からの分離工程から連続して成形加工することも可能
である。
【0056】
【作用】通常のPTFEのファインパウダーに低濃度の
界面活性剤を含む水系媒体を含浸することによっては、
PTFEが均一に湿潤している本発明組成物を得ること
ができず、また高濃度の界面活性剤を用い、PTFEが
ある程度湿潤している組成物を成形加工した場合、均一
性が十分でないものしか得られない理由は、その作用機
構は必ずしも明確ではないが、有機媒体に比し、界面活
性剤を含んだ水系媒体は、PTFEの凝集体の細孔に入
り難いためと考えられる。PTFEのペースト化物は、
媒体がPTFE凝集体の細孔に適切に入り込むことによ
り、押出やロール加工等の加工時にPTFE同士が過度
に圧着されることを防止し、押出圧力で表される塑性変
形性を維持していると考えられる。有機媒体なら細孔に
入り易いため、ペースト化物の初期の圧縮時に大きな隙
間が潰される前に細かい隙間が圧着されるのを防止で
き、PTFEの密度が揃った均一な成形物を与えること
ができると考えられる。
界面活性剤を含む水系媒体を含浸することによっては、
PTFEが均一に湿潤している本発明組成物を得ること
ができず、また高濃度の界面活性剤を用い、PTFEが
ある程度湿潤している組成物を成形加工した場合、均一
性が十分でないものしか得られない理由は、その作用機
構は必ずしも明確ではないが、有機媒体に比し、界面活
性剤を含んだ水系媒体は、PTFEの凝集体の細孔に入
り難いためと考えられる。PTFEのペースト化物は、
媒体がPTFE凝集体の細孔に適切に入り込むことによ
り、押出やロール加工等の加工時にPTFE同士が過度
に圧着されることを防止し、押出圧力で表される塑性変
形性を維持していると考えられる。有機媒体なら細孔に
入り易いため、ペースト化物の初期の圧縮時に大きな隙
間が潰される前に細かい隙間が圧着されるのを防止で
き、PTFEの密度が揃った均一な成形物を与えること
ができると考えられる。
【0057】一方通常入手可能なPTFEのファインパ
ウダーは、特にその凝集粒子表面において既に浸透性の
悪い水系媒体にとっては浸透し難い状態まで密度が上
り、隙間が細分化していると考えられる。これに比較
し、本発明の製造方法においては、界面活性剤が適当量
存在することによって、その凝析時にPTFEの微粒子
同士が接近しすぎることが防止でき、また加圧形成加工
時にもその塑性加工性を維持できるようにPTFE同士
の圧着を防止していると考えられる。
ウダーは、特にその凝集粒子表面において既に浸透性の
悪い水系媒体にとっては浸透し難い状態まで密度が上
り、隙間が細分化していると考えられる。これに比較
し、本発明の製造方法においては、界面活性剤が適当量
存在することによって、その凝析時にPTFEの微粒子
同士が接近しすぎることが防止でき、また加圧形成加工
時にもその塑性加工性を維持できるようにPTFE同士
の圧着を防止していると考えられる。
【0058】単にPTFEの凝析物を未乾燥で用いた場
合、予めPTFE粒子間に初めから水系媒体が満たされ
ているが、これを加圧加工した場合に界面活性剤濃度が
薄いとPTFEの微粒子同士の圧着を防止できないた
め、ペースト加工時に必要な塑性加工性を維持できなく
なり、成形加工時の変形の抵抗の指標と考えられる押出
圧が上り、かつ保水量が減ずるものと考えられる。
合、予めPTFE粒子間に初めから水系媒体が満たされ
ているが、これを加圧加工した場合に界面活性剤濃度が
薄いとPTFEの微粒子同士の圧着を防止できないた
め、ペースト加工時に必要な塑性加工性を維持できなく
なり、成形加工時の変形の抵抗の指標と考えられる押出
圧が上り、かつ保水量が減ずるものと考えられる。
【0059】これらPTFE微粒子同士の接近圧着は非
可逆な過程と考えられるので、本発明の組成物において
も、その製造時から、組成物の内部でも微粒子同士の部
分的な高密度化を防止する作用のある界面活性剤の添加
が有効な方法であり、後からPTFEのファインパウダ
ーに添加配合することは好ましくない方法である。
可逆な過程と考えられるので、本発明の組成物において
も、その製造時から、組成物の内部でも微粒子同士の部
分的な高密度化を防止する作用のある界面活性剤の添加
が有効な方法であり、後からPTFEのファインパウダ
ーに添加配合することは好ましくない方法である。
【0060】
【実施例】本発明を以下の実施例により具体的に説明す
る。乳化重合によるPTFEは特開昭63−13790
6に記載の実施例および比較例と類似の方法において触
媒量とAPFO(アンモニウムパーフルオロオクタノエ
ート)量を調整することによって得られた、凝集体の標
準比重(SSG)が2.154(単独1という)と2.20(単
独2という)のもの2種類のTFEのホモポリマーのデ
ィスパージョンと特開昭50−161542の実施例に
記載の実施例と同様の方法によって得られたHFP(ヘ
キサフルオロプロピレン)単位を 1重量%含むTFEの
共重合体のディスパージョン(共重合という)とを用い
た。
る。乳化重合によるPTFEは特開昭63−13790
6に記載の実施例および比較例と類似の方法において触
媒量とAPFO(アンモニウムパーフルオロオクタノエ
ート)量を調整することによって得られた、凝集体の標
準比重(SSG)が2.154(単独1という)と2.20(単
独2という)のもの2種類のTFEのホモポリマーのデ
ィスパージョンと特開昭50−161542の実施例に
記載の実施例と同様の方法によって得られたHFP(ヘ
キサフルオロプロピレン)単位を 1重量%含むTFEの
共重合体のディスパージョン(共重合という)とを用い
た。
【0061】実施例および比較例に用いた界面活性剤
は、重合に用いたのと同様の界面活性剤であるAPFO
および日信化学工業社製サーフェノール104(SF1
04)、同82(SF82)、および日本乳化剤社製O
P10EOを用いた。
は、重合に用いたのと同様の界面活性剤であるAPFO
および日信化学工業社製サーフェノール104(SF1
04)、同82(SF82)、および日本乳化剤社製O
P10EOを用いた。
【0062】実施例に用いた固体充填物は、日本黒鉛工
業社製のグラファイトSP10(比表面積10m2/g )お
よび日東紡績社製硝子繊維PFA001(比表面積<10
m2/g )をトリメチルエトキシシラン0.4 重量%で表面
処理したものを用いた。
業社製のグラファイトSP10(比表面積10m2/g )お
よび日東紡績社製硝子繊維PFA001(比表面積<10
m2/g )をトリメチルエトキシシラン0.4 重量%で表面
処理したものを用いた。
【0063】実施例および比較例は表1に示す組成に調
整し、1リットルのじゃま板付の2羽根タービン撹拌機
を備えた撹拌槽中に入れて、表1に示す、所定の温度に
調整後、13N 硝酸を約 1ml添加すると同時に 500回転に
撹拌を行い、凝析を行った。撹拌はディスパージョンが
全凝集した後、粗い粒状に再分散してから2分続けて停
止した。得られた凝析物を水系媒体から分離するため、
200 メッシュのナイロン濾布にて濾過し、軽く手で絞
り、凝集物を得た。得られたものの組成分析値は表1に
示す。
整し、1リットルのじゃま板付の2羽根タービン撹拌機
を備えた撹拌槽中に入れて、表1に示す、所定の温度に
調整後、13N 硝酸を約 1ml添加すると同時に 500回転に
撹拌を行い、凝析を行った。撹拌はディスパージョンが
全凝集した後、粗い粒状に再分散してから2分続けて停
止した。得られた凝析物を水系媒体から分離するため、
200 メッシュのナイロン濾布にて濾過し、軽く手で絞
り、凝集物を得た。得られたものの組成分析値は表1に
示す。
【0064】表1にて得られた組成物の表面状態と均一
な湿潤性を調べるための押出条件時の押出圧力と被押出
物の含水量および被押出物の成形品としての目視による
均一性および一部実施例中の同被押出物を 0.2 mm 厚に
更にロール圧延・加工した後の含水系媒体量と目視によ
る成形品の均一性の相対比較結果を表1の番号に従って
表2にまとめた。
な湿潤性を調べるための押出条件時の押出圧力と被押出
物の含水量および被押出物の成形品としての目視による
均一性および一部実施例中の同被押出物を 0.2 mm 厚に
更にロール圧延・加工した後の含水系媒体量と目視によ
る成形品の均一性の相対比較結果を表1の番号に従って
表2にまとめた。
【0065】比較例3として、PTFEのファインパウ
ダー(旭アイシーアイ フロロポリマーズ社製、商品名
CD1)200gと、AFPOを 0.6%含有する水性媒体 5
7gとをガラスビンに入れ、ボールミル用架台にビンごと
載せて回転させて得られた組成物について同様の評価を
行った結果を表2に示した。
ダー(旭アイシーアイ フロロポリマーズ社製、商品名
CD1)200gと、AFPOを 0.6%含有する水性媒体 5
7gとをガラスビンに入れ、ボールミル用架台にビンごと
載せて回転させて得られた組成物について同様の評価を
行った結果を表2に示した。
【0066】
【表1】
【0067】
【表2】
【0068】
【発明の効果】本発明はPTFEの固体充填物を含まな
いかあるいは少量含むファインパウダーの組成物をペー
スト化し圧密化工程を含む成形加工をする場合に、有機
媒体の代りに水性媒体を用いることを可能とする組成物
およびその製造方法およびそれを用いた成形加工を提供
することにより、総合的な有機化合物の使用量を減ずる
ことができ、可燃物対策、防爆対策、作業環境対策、排
気ガス処理対策等にかかる負担を減ずることができる。
いかあるいは少量含むファインパウダーの組成物をペー
スト化し圧密化工程を含む成形加工をする場合に、有機
媒体の代りに水性媒体を用いることを可能とする組成物
およびその製造方法およびそれを用いた成形加工を提供
することにより、総合的な有機化合物の使用量を減ずる
ことができ、可燃物対策、防爆対策、作業環境対策、排
気ガス処理対策等にかかる負担を減ずることができる。
【0069】また、本発明は従来の水系媒体を使用する
方法に比し均一なPTFE密度の製品を与えることがで
き、また、界面活性剤等の総有機化合物の使用量を減ず
ることが可能であり、上述の効果を経済的にも有効なら
しめるものである。
方法に比し均一なPTFE密度の製品を与えることがで
き、また、界面活性剤等の総有機化合物の使用量を減ず
ることが可能であり、上述の効果を経済的にも有効なら
しめるものである。
【0070】また、本発明は上記発明を実施するにあた
り基本的には従来法の製造設備、成形設備等を著しく変
更することなしに極めて容易に実施可能ならしめるとい
う効果もある。
り基本的には従来法の製造設備、成形設備等を著しく変
更することなしに極めて容易に実施可能ならしめるとい
う効果もある。
【0071】また、本発明は水系媒体を使用するため、
成形加工時に媒体の揮発が少なく、また揮発を抑えるた
め、蒸気で飽和した雰囲気を安全に使用できる等の成形
加工時の操作範囲が広がるメリットも大きい。
成形加工時に媒体の揮発が少なく、また揮発を抑えるた
め、蒸気で飽和した雰囲気を安全に使用できる等の成形
加工時の操作範囲が広がるメリットも大きい。
【0072】特に加工時の成形温度を高くすることが容
易に行い易くなる。
易に行い易くなる。
【0073】また、本発明はPTFEの密度を実質的に
上げずに成形加工した場合、密度分布が均一になり易い
ため、低密度の生テープ等の製造を容易ならしめること
が期待できる。
上げずに成形加工した場合、密度分布が均一になり易い
ため、低密度の生テープ等の製造を容易ならしめること
が期待できる。
【0074】また、本発明は水系媒体を用いているた
め、その乾燥焼成条件として高速で加熱しても可燃性ガ
スを発生し難いため、急速な乾燥が可能となり、生産性
を高くすることが期待できる。
め、その乾燥焼成条件として高速で加熱しても可燃性ガ
スを発生し難いため、急速な乾燥が可能となり、生産性
を高くすることが期待できる。
【0075】また、本発明は静電気の発生および着火を
著しく抑えるため、ペースト成形時に高度な圧力、剪断
力を加えることができ、成形物を高度に繊維化させた成
形品を与えることが可能となる。
著しく抑えるため、ペースト成形時に高度な圧力、剪断
力を加えることができ、成形物を高度に繊維化させた成
形品を与えることが可能となる。
【0076】また、本発明は使用装置の洗浄において、
油性のものが混入する可能性が少なくなるため、水、高
圧水、蒸気洗浄などを容易に行い易いという付帯するメ
リットもある。
油性のものが混入する可能性が少なくなるため、水、高
圧水、蒸気洗浄などを容易に行い易いという付帯するメ
リットもある。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年9月30日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正内容】
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は前述の問題点を
解決すべくなされたものであり、組成物 100重量部あた
り乳化重合によるPTFEが85〜20重量部と比表面積15
m2/g 以下の固体充填物が 0〜30重量部、界面活性剤を
0.10〜5.0 重量%含む水系媒体が15〜80重量部であり、
固体充填物/PTFE(重量比)が 0/10〜 3/7 であ
り、PTFEの少なくとも一部が凝集しており、PTF
Eが均一に湿潤していることを特徴とする成形用PTF
E組成物を、またその製造方法として、TFEを乳化重
合して得られるPTFEのディスパージョンを界面活性
剤の水系媒体中の濃度を 0.7〜 5重量%に調整した後凝
析することを特徴とする製造方法を、その成形加工方法
として、この組成物を圧密化工程を含む成形加工を行う
ことを特徴とするPTFEの成形加工方法を、提供する
ものである。
解決すべくなされたものであり、組成物 100重量部あた
り乳化重合によるPTFEが85〜20重量部と比表面積15
m2/g 以下の固体充填物が 0〜30重量部、界面活性剤を
0.10〜5.0 重量%含む水系媒体が15〜80重量部であり、
固体充填物/PTFE(重量比)が 0/10〜 3/7 であ
り、PTFEの少なくとも一部が凝集しており、PTF
Eが均一に湿潤していることを特徴とする成形用PTF
E組成物を、またその製造方法として、TFEを乳化重
合して得られるPTFEのディスパージョンを界面活性
剤の水系媒体中の濃度を 0.7〜 5重量%に調整した後凝
析することを特徴とする製造方法を、その成形加工方法
として、この組成物を圧密化工程を含む成形加工を行う
ことを特徴とするPTFEの成形加工方法を、提供する
ものである。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正内容】
【0016】本発明に用いる固体充填物とは、乳化重合
以外の方法により重合されたPTFE等のフッ素含有樹
脂あるいはその他の高分子化合物、硝子繊維、ブロン
ズ、グラファイト等の無機充填物を示し、比表面積が15
m2/g 以下、好ましくは10m2/g 以下、特に好ましくは
3m2/g 以下である。このような充填物は成形途中で、
緻密で均一な構造を与えるため好ましい。また、この固
体充填物の使用量はPTFE使用量との重量比が 0/10
〜 3/7 、好ましくは 0/10〜 2/8 、特に好ましくは
0/10〜 1/10である。固体充填物は、成形時に押出圧
力を下げる助剤としても作用することがあるが、固体充
填物の割合が大きくなると、緻密な成形体が得られなく
なるため好ましくない。
以外の方法により重合されたPTFE等のフッ素含有樹
脂あるいはその他の高分子化合物、硝子繊維、ブロン
ズ、グラファイト等の無機充填物を示し、比表面積が15
m2/g 以下、好ましくは10m2/g 以下、特に好ましくは
3m2/g 以下である。このような充填物は成形途中で、
緻密で均一な構造を与えるため好ましい。また、この固
体充填物の使用量はPTFE使用量との重量比が 0/10
〜 3/7 、好ましくは 0/10〜 2/8 、特に好ましくは
0/10〜 1/10である。固体充填物は、成形時に押出圧
力を下げる助剤としても作用することがあるが、固体充
填物の割合が大きくなると、緻密な成形体が得られなく
なるため好ましくない。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】変更
【補正内容】
【0027】なお、本発明の「PTFEが均一に湿潤し
ている」は、後に詳述する特定の加圧条件下にこの組成
物を供し、その際得られた被測定組成物が、組成物全体
のうち水系媒体を組成物全体の10重量%以上、好ましく
は15重量%以上、特に好ましくは17重量%以上保持して
いること、かつこの加圧条件下で測定される被加圧力が
100 kg /cm2 以下、好ましくは 80 kg/cm2 以下であ
ると定義する。
ている」は、後に詳述する特定の加圧条件下にこの組成
物を供し、その際得られた被測定組成物が、組成物全体
のうち水系媒体を組成物全体の10重量%以上、好ましく
は15重量%以上、特に好ましくは17重量%以上保持して
いること、かつこの加圧条件下で測定される被加圧力が
100 kg /cm2 以下、好ましくは 80 kg/cm2 以下であ
ると定義する。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0028
【補正方法】変更
【補正内容】
【0028】本発明における湿潤性の測定方法としては
通常のPTFEのペースト押出成形機のうちシリンダー
径40.3mmφ ,ダイ角度20°,RR(断面積締り比)132
,ダイランド径 3.51 mmφ ,ダイランド長さ15.41 mm
,平均表面粗さRa 0.12μm の円柱ロッド押出機を用い
る。組成物 300±50 gを充填したペースト押出成形機と
ともに24±1 ℃にした後、ラム速度 20 mm/min で押出
を行い、被押出物の含水量と押出時の押出圧力を測定す
る。被押出物の含水量は押出されたロッドの全体の長さ
の真中部分10±2gを手早く採取し、加圧押出中に組成物
の内部より分離し、染み出た水性媒体をロッドの表面を
紙製の濾紙で手早く吸収除去した後秤量し、120 〜 370
℃の範囲で乾燥後の減量から水系媒体の含有量を測定す
る。なおこの時の乾燥条件は水系媒体中に含まれている
その他の成分により最適なものを選ぶことが好ましい。
水系媒体中のその他の成分が乾燥後除けない場合は他の
抽出等の適切な操作による測定値で補正することができ
るものとする。
通常のPTFEのペースト押出成形機のうちシリンダー
径40.3mmφ ,ダイ角度20°,RR(断面積締り比)132
,ダイランド径 3.51 mmφ ,ダイランド長さ15.41 mm
,平均表面粗さRa 0.12μm の円柱ロッド押出機を用い
る。組成物 300±50 gを充填したペースト押出成形機と
ともに24±1 ℃にした後、ラム速度 20 mm/min で押出
を行い、被押出物の含水量と押出時の押出圧力を測定す
る。被押出物の含水量は押出されたロッドの全体の長さ
の真中部分10±2gを手早く採取し、加圧押出中に組成物
の内部より分離し、染み出た水性媒体をロッドの表面を
紙製の濾紙で手早く吸収除去した後秤量し、120 〜 370
℃の範囲で乾燥後の減量から水系媒体の含有量を測定す
る。なおこの時の乾燥条件は水系媒体中に含まれている
その他の成分により最適なものを選ぶことが好ましい。
水系媒体中のその他の成分が乾燥後除けない場合は他の
抽出等の適切な操作による測定値で補正することができ
るものとする。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0062
【補正方法】変更
【補正内容】
【0062】実施例に用いた固体充填物は、日本黒鉛工
業社製のグラファイトSP10(比表面積10m2/g )お
よび日東紡績社製硝子繊維PFA001(比表面積<10
m2/g )をトリメチルエトキシシラン0.4 重量%で表面
処理したものを用いた。
業社製のグラファイトSP10(比表面積10m2/g )お
よび日東紡績社製硝子繊維PFA001(比表面積<10
m2/g )をトリメチルエトキシシラン0.4 重量%で表面
処理したものを用いた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉田 昌平 千葉県市原市五井海岸10番地 旭アイシー アイ フロロポリマーズ株式会社千葉工場 内 (72)発明者 成井 真一郎 千葉県市原市五井海岸10番地 旭アイシー アイ フロロポリマーズ株式会社千葉工場 内 (72)発明者 太安 文夫 千葉県市原市五井海岸10番地 旭アイシー アイ フロロポリマーズ株式会社千葉工場 内
Claims (4)
- 【請求項1】組成物 100重量部あたり、乳化重合による
ポリテトラフルオロエチレンが85〜20重量部と比表面積
15m2/g 以下の固体充填物が 0〜30重量部、界面活性剤
を 0.1〜 5重量%含む水系媒体が15〜80重量部であり、
固体充填物/ポリテトラフルオロエチレン(重量比)が
0/10〜 3/7 であり、ポリテトラフルオロエチレンの
少なくとも一部が凝集しており、ポリテトラフルオロエ
チレンが均一に湿潤していることを特徴とする成形用ポ
リテトラフルオロエチレン組成物。 - 【請求項2】テトラフルオロエチレンを乳化重合して得
られるポリテトラフルオロエチレンのディスパージョン
を、界面活性剤の水系媒体中の濃度を0.7 〜 5重量%に
調整した後、凝析することを特徴とする請求項1の組成
物の製造方法。 - 【請求項3】請求項1の組成物を、圧密化工程を含む成
形加工を行うことを特徴とするポリテトラフルオロエチ
レンの成形加工方法。 - 【請求項4】圧密化工程中に水系媒体の分離除去を行う
請求項3の成形加工方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11547392A JPH05287151A (ja) | 1992-04-08 | 1992-04-08 | 成形用ポリテトラフルオロエチレン組成物、その製造方法および成形加工方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11547392A JPH05287151A (ja) | 1992-04-08 | 1992-04-08 | 成形用ポリテトラフルオロエチレン組成物、その製造方法および成形加工方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05287151A true JPH05287151A (ja) | 1993-11-02 |
Family
ID=14663417
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11547392A Withdrawn JPH05287151A (ja) | 1992-04-08 | 1992-04-08 | 成形用ポリテトラフルオロエチレン組成物、その製造方法および成形加工方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05287151A (ja) |
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1997017382A1 (fr) * | 1995-11-09 | 1997-05-15 | Daikin Industries, Ltd. | Poudre fine de polytetrafluoroethylene, sa fabrication et son utilisation |
EP0861865A1 (en) * | 1995-11-09 | 1998-09-02 | Daikin Industries, Limited | Granulated powder of filled polytetrafluoroethylene for molding and process for the production thereof |
WO2001029131A1 (fr) * | 1999-10-21 | 2001-04-26 | Daikin Industries, Ltd. | Particules de resine destinees au moulage et leur procede de production |
WO2004085492A1 (ja) * | 2003-03-24 | 2004-10-07 | Unimatec Co. Ltd. | 含フッ素共重合体の製造方法 |
WO2012043881A1 (en) * | 2010-09-30 | 2012-04-05 | Daikin Industries, Ltd. | Process for producing polytetrafluoroethylene fine powder |
US9006333B2 (en) | 2010-09-30 | 2015-04-14 | Daikin Industries, Ltd. | Method for manufacturing fine polytetrafluoroethylene powder |
US9458316B2 (en) | 2010-09-30 | 2016-10-04 | Daikin Industries, Ltd. | Dripping inhibitor and resin compound |
CN111269342A (zh) * | 2020-01-22 | 2020-06-12 | 上海三爱富新材料科技有限公司 | 高纯聚四氟乙烯的制备方法 |
-
1992
- 1992-04-08 JP JP11547392A patent/JPH05287151A/ja not_active Withdrawn
Cited By (15)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1997017382A1 (fr) * | 1995-11-09 | 1997-05-15 | Daikin Industries, Ltd. | Poudre fine de polytetrafluoroethylene, sa fabrication et son utilisation |
EP0861865A1 (en) * | 1995-11-09 | 1998-09-02 | Daikin Industries, Limited | Granulated powder of filled polytetrafluoroethylene for molding and process for the production thereof |
EP0861865A4 (en) * | 1995-11-09 | 1999-05-26 | Daikin Ind Ltd | GRANULATED POLYTETRAFLUOROETHYLENE POWDER CONTAINING FILLER AND MOLDING MATERIAL, AND METHOD FOR PRODUCING THE SAME |
WO2001029131A1 (fr) * | 1999-10-21 | 2001-04-26 | Daikin Industries, Ltd. | Particules de resine destinees au moulage et leur procede de production |
US6759470B2 (en) | 1999-10-21 | 2004-07-06 | Daikin Industries, Ltd. | Resin powder for molding and preparation process of same |
WO2004085492A1 (ja) * | 2003-03-24 | 2004-10-07 | Unimatec Co. Ltd. | 含フッ素共重合体の製造方法 |
US7420017B2 (en) | 2003-03-24 | 2008-09-02 | Unimatec Co., Ltd. | Process for producing fluorocopolymer |
WO2012043881A1 (en) * | 2010-09-30 | 2012-04-05 | Daikin Industries, Ltd. | Process for producing polytetrafluoroethylene fine powder |
JP2013528663A (ja) * | 2010-09-30 | 2013-07-11 | ダイキン工業株式会社 | ポリテトラフルオロエチレンファインパウダーの製造方法 |
US9006333B2 (en) | 2010-09-30 | 2015-04-14 | Daikin Industries, Ltd. | Method for manufacturing fine polytetrafluoroethylene powder |
US9309335B2 (en) | 2010-09-30 | 2016-04-12 | Daikin Industries, Ltd. | Process for producing polytetrafluoroethylene fine powder |
US9458316B2 (en) | 2010-09-30 | 2016-10-04 | Daikin Industries, Ltd. | Dripping inhibitor and resin compound |
US9475935B2 (en) | 2010-09-30 | 2016-10-25 | Daikin Industries, Ltd. | Dripping inhibitor and resin compound |
CN111269342A (zh) * | 2020-01-22 | 2020-06-12 | 上海三爱富新材料科技有限公司 | 高纯聚四氟乙烯的制备方法 |
CN111269342B (zh) * | 2020-01-22 | 2021-09-21 | 上海华谊三爱富新材料有限公司 | 高纯聚四氟乙烯的制备方法 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 19990608 |