JPH05301267A - ポリテトラフルオロエチレンの連続押出成形法 - Google Patents

ポリテトラフルオロエチレンの連続押出成形法

Info

Publication number
JPH05301267A
JPH05301267A JP4134162A JP13416292A JPH05301267A JP H05301267 A JPH05301267 A JP H05301267A JP 4134162 A JP4134162 A JP 4134162A JP 13416292 A JP13416292 A JP 13416292A JP H05301267 A JPH05301267 A JP H05301267A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
medium
slurry
ptfe
continuous extrusion
polytetrafluoroethylene
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP4134162A
Other languages
English (en)
Inventor
Takamichi Ishikawa
隆道 石川
Shohei Yoshida
昌平 吉田
Masataka Arai
正孝 新井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
ASAHI I C I FURORO POLYMER ZU
ASAHI I C I FURORO POLYMER-ZU KK
AGC Inc
Original Assignee
ASAHI I C I FURORO POLYMER ZU
ASAHI I C I FURORO POLYMER-ZU KK
Asahi Glass Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ASAHI I C I FURORO POLYMER ZU, ASAHI I C I FURORO POLYMER-ZU KK, Asahi Glass Co Ltd filed Critical ASAHI I C I FURORO POLYMER ZU
Priority to JP4134162A priority Critical patent/JPH05301267A/ja
Publication of JPH05301267A publication Critical patent/JPH05301267A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【構成】乳化重合によるポリテトラフルオロエチレンの
凝集体と媒体からなるスラリーを、連続的に加圧供給、
媒体を分離除去、押出を行う。 【効果】均一な物性の押出物を連続的に得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、乳化重合によるポリテ
トラフルオロエチレンの凝集物の連続押出成形法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリテトラフルオロエチレン(以
下、PTFEという)のペースト押出成形は、テトラフ
ルオロエチレン(以下、TFEという)の乳化重合によ
って製造されるディスパージョンから凝析・造粒し、乾
燥して得られたPTFEのファインパウダーに有機媒体
を約15〜20重量%含浸しペースト状にした組成物を
ラム押出シリンダー形状に合せ予備圧縮した予備成形体
を、ラム押出のストローク毎にシリンダーに供給し、断
続的に成形されることが知られている(ふっ素樹脂ハン
ドブック、日刊工業新聞社、里川孝臣編集)。
【0003】この従来技術は、成形に都合の良いペース
ト状物を得るにあたり、乳化重合によるPTFEの凝集
物の乾燥体であるファインパウダーに、比較的少量のペ
ースト状物化に必要な一定量の媒体を用い均一に混合
後、一定条件で保持し溶媒の均一な分散を促した後、過
剰な空気を排除した予備成形体を断続的にペースト押出
機に供給し加圧押出を行っている。この際媒体は一部漏
れて押出機外に出るが、できるだけ漏らさないように配
慮されていた。
【0004】この理由は、従来技術で分離除去されてい
た媒体漏れは、断続的な供給と押出の操作の間、ペース
ト押出された成形物の媒体量が断続的に変動し、ペース
ト押出品の品質が、この予備成形体の継ぎ目で変動する
原因の一部となっているためである。
【0005】この断続的な成形を連続的に行えれば、生
産性の向上等の利点が非常に大きいことが期待される
が、乳化重合によるPTFEの凝集体は非常に軟質でこ
のように少し湿った粉体状では機械的搬送等により部分
的に剪断力を大きく受けるためダメージを受け易く、前
述の断続的ペ−スト押出成形が行われているのが実状で
ある。
【0006】一方、特公昭56−215のPTFE押出
において知られるように、連続押出の機械的工夫がなさ
れているが、予備成形体を断続的に供給することには変
りない。
【0007】また、充填物入りのPTFEを押出成形す
る方法として特開平1−306219において、界面活
性剤入り水性媒体を用いるPTFE成形方法が知られて
いる。
【0008】これは固形分中のPTFEの含有量が約5
0重量%以下の少ない組成物の範囲であり、この場合
は、PTFEの凝集物が部分的に繊維化し、充填物の凝
集に役立っていることおよび充填物の親水性とが凝集物
の保水性およびペースト成形性を付与しているものと思
われ、同時に固形分が多いためスクリュー押出時の機械
的搬送時のダメージを受け難くしているものと思われ
る。
【0009】また、ディスパージョンから凝析造粒する
際に、特公昭48−12052等によって知られるよう
に予め固体の充填物を添加し、共凝析して得られるフィ
ラーを約30重量%程度以下含む乾燥したフィラー入り
ファインパウダーに上記と同様に有機媒体を約15〜2
0重量%含浸させペースト状にした組成物が、ペースト
押出成形に用いられることが知られている。これらもペ
ースト押出成形を断続的に行うことは変りない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
のPTFEのペースト押出成形法において、固体充填剤
が少ない場合行われていた、断続的な予備成形されたP
TFE組成物の供給と成形による成形法の欠点である、
連続的成形法に比較し品質の一定した長尺物が得られ難
いことを解決しようとするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は前述の問題点を
解決すべくなされたものであり、乳化重合によるポリテ
トラフルオロエチレンの凝集体を含む組成物と媒体とか
らなるスラリーを連続的に加圧供給する部分と、その後
媒体の一部を分離除去する部分とポリテトラフルオロエ
チレンの組成物と媒体の残部からなるペースト状物を連
続的に押出す工程からなることを特徴とする連続押出成
形法を提供するものである。
【0012】本発明における乳化重合によるPTFE
は、USP2,750,850、特公昭45−3982
9、特開昭50−161542、特開昭63−1379
06等によって知られるTFEモノマーを水系媒体中で
乳化剤と重合触媒を用い、場合によりワックスを用いた
乳化重合によって製造され、通常平均粒径が1.0〜
1.0μm程度のディスパージョンとして得られるが、
凝集によってその形態は部分的に合体したり、繊維化し
たものを含む。
【0013】また、PTFEの組成としては、TFEの
単独重合体からTFEとラジカル共重合可能な公知の共
重合体を含むが、好ましくは共重合モノマーの共重合量
は、PTFEに溶融流動性を与えない範囲で選ばれ、0
〜10重量%である範囲が一般的に本発明の成形加工方
法に好適である。
【0014】また、PTFEの分子量については特に限
定されず、乳化重合によるPTFEの公知の分子量範囲
内の単独あるいは混合物が使用可能である。
【0015】また、本発明におけるPTFEの凝集体と
は、PTFEの少なくとも一部が凝集しているものを示
す。PTFEが水系媒体に分散したディスパージョンの
ようにPTFEが全く凝集していない場合には、保形性
がないため、成形加工、特にペースト押出等ができな
い。また、凝集の程度は、最低であっても組成物が保形
性を示す程度が必要である。特に、乳化重合によるPT
FEの全部が凝集体であることが好ましい。
【0016】また、本発明に用いるPTFEの凝集体は
予め乾燥したものを用いることができるほか、乾燥せず
に用いることもできる。
【0017】本発明に用いる固体充填物とは、乳化重合
以外の方法により重合されたPTFE等のフッ素含有樹
脂あるいはその他の高分子化合物、硝子繊維、ブロン
ズ、グラファイト等の無機充填物を示し、比表面積が1
5m2 /g以下、好ましくは10m2 /g以下、特に好
ましくは3m2 /g以下である。このような充填物は成
形途中で、緻密で均一な構造を与えるため好ましい。ま
た、この固体充填物の使用量はPTFE使用量との重量
比(固体充填物/PTFE)が0/10〜3/7、好ま
しくは0/10〜2/8、特に好ましくは0/10〜1
/10である。固体充填物は、成形時に押出圧力を下げ
る助剤としても作用することがあるが、固体充填物の割
合が大きくなると、緻密な成形体が得られなくなるため
好ましくない。なお、本発明の組成物は充填物として本
発明に定義される以外の着色剤あるいは帯電防止剤等の
通常用いられる添加物等を使用できる。
【0018】本発明における固体充填物やその他の添加
物等を含む組成物等は凝析前にPTFEのディスパージ
ョン中に均一に分散後凝析することが好ましい。その際
に適当な分散助剤等を用いることもできる。
【0019】本発明に用いられる凝析物の製造方法は通
常のファインパウダーの製造工程と同様に機械的撹拌の
他、凝集促進剤等を添加して行うことができる。
【0020】本発明における媒体は常温で液状の化合物
をいい、好ましくは従来のPTFEのペースト押出成形
法に用いることのできる各種ナフサ、流動パラフィン、
オイル等を用いることができる。また、媒体として好ま
しくは、界面活性剤を0.1〜5重量%含む水系媒体が
採用される。
【0021】本発明における界面活性剤は、工学図書株
式会社版、日本油脂株式会社編「新版界面活性剤ハンド
ブック」等で一般的に知られている界面活性剤を特に限
定することなく用いることができる。
【0022】成形後の除去性等からは、比較的低分子量
のアニオン性およびノニオン性界面活性剤を用いること
が好適であり、フッ素化アルキルカルボン酸、アルキル
カルボン酸およびそのアンモニウム塩化合物、アルキル
フェノールのポリエチレンオキシド化合物、アルキルア
ルコールのポリエチレンオキシド化合物、シロキサン結
合含有アルキルポリエチレンオキシド化合物、アルキル
アルコール、アルキルフェノール等が特に好ましい。こ
れらのアルキル基としては、直鎖状のもの、各種分枝構
造を有するもの、ハロゲン置換基を有するもの、少なく
とも一部に不飽和基を有するもの、ケトン、エステル、
またはエーテル結合などの含酸素結合を含むものなどを
含んでいてもよい。また、PTFEの乳化重合法による
製造時に用いられる界面活性剤はそのまま含むことがで
きる。
【0023】また、この界面活性剤の組成物における濃
度は、水系媒体に対して0.1〜5重量%が使用可能で
ある。この濃度は界面活性剤の種類にもよるが、成形加
工時の保形性および保水性と関係があり、好ましくは、
0.15〜2.0重量%、更に好ましくは、0.16〜
1.0重量%含むことができる。
【0024】本発明における水系媒体とは、水を含んで
いる媒体をいうが、防災上あるいは環境上の対策の必要
性を少なくする観点から好ましく、90重量%以上含む
均一な媒体をいい、界面活性剤の他のその他の組成分と
しては、凝析時に促進剤として使用される、硝酸、塩
酸、フッ酸等の無機酸およびそのアルミニウム塩、マグ
ネシウム塩等、あるいはシュウ酸アンモニウム、炭酸ア
ンモニウム、炭酸水素アンモニウム等の無機化合物を含
むことができる。
【0025】また、有機化合物の凝析促進剤であるアニ
オン性およびカチオン性有機化合物、有機媒体等を含む
ことができる。また、凝析前に使用する充填物の分散剤
等の有機化合物等も含むことができる。これらの有機物
の媒体に対する総使用量はその種類にもよるが、多くな
ると成形性に好ましい影響を与えるけれども可燃性ある
いは作業環境への影響を抑えることが難しくなる。従っ
てその濃度は水系媒体に対して、特に限定はないが、好
ましくは5重量%以下、更に好ましくは2重量%以下、
更に好ましくは1重量%以下である。
【0026】また、成形時に水系媒体中に微量の防錆剤
あるいは成形・乾燥あるいは焼成後、成形品に残る、液
状の添加物等を使用することができる。また、媒体を界
面活性剤を0.1〜5重量%含み、水を90重量%以上
含む均一な媒体である水系媒体を用いる場合、PTFE
組成物はPTFEが均一に湿潤していることが必要であ
る。
【0027】本発明における「PTFEが均一に湿潤し
ている」とは、間接的には、PTFEの凝集体表面と内
部が水系媒体に依って湿潤可能な組成と構造を安定して
持っていることを意味しているが、単に表面が湿潤して
いるか否かをいう状態は組成物の置かれた雰囲気、保持
方法等によって容易に変動を受け易く、表面が湿潤可能
な組成と構造を持っているかどうか、あるいは、その組
成と構造が組成物全体に保たれるか否かを判断するのに
適切な方法とはいえない。従って本発明における「PT
FEが均一に湿潤している」とは、特定条件下での組成
物全体の保水性が安定しているか否かを測定する方法が
PTFEが均一に湿潤している状態を、一部の表面状態
にかかわらず汎用性あるいは再現・安定性のある指標と
して表すものと考えられる。
【0028】従って本発明における「PTFEが均一に
湿潤している」は、後に詳述する特定の加圧条件下にこ
の組成物を供した場合の水系媒体の押出され難さ、即ち
この組成物の水系媒体の保持性が一定限度以上あること
とその際の被加圧性が一定限度以下であることにより定
義する。
【0029】この特定の加圧条件下の水系媒体の保持性
と被加圧性とは、組成物表面での湿潤状態とは相関関係
があることが多いが、その理由は明確ではない。しか
し、通常の乳化重合によるPTFEのディスパージョン
の凝集造粒工程においては、機械的撹拌を行っており、
その際の撹拌動力によって、凝集造粒品の表面のPTF
Eが圧密化されていると認められ、また同時に表面の疎
水化も進むことから、通常の凝集・造粒条件では組成物
の水系媒体の保持性が悪いため、表面の圧密化が進み疎
水化を伴うということができるとも考えられるので、こ
れらの相関が現れると推定される。
【0030】なお、本発明の「PTFEが均一に湿潤し
ている」は、後に詳述する特定の加圧条件下に特定量の
水系媒体を含んだこの組成物を供し、その際得られた被
測定組成物が、組成物全体のうち水系媒体を組成物全体
の10重量%以上、好ましくは15重量%以上、特に好
ましくは17重量%以上保持していること、かつこの加
圧条件下で測定される被加圧力が100kg/cm2
下、好ましくは80kg/cm2 以下であると定義す
る。
【0031】上述のPTFEが均一に湿潤しているを示
す、特定量の水系媒体の量は、水系媒体を含む全組成物
100重量部あたり乳化重合によるPTFEが85〜2
0重量部と比表面積15m2 /g以下の固体充填物が0
〜30重量部、界面活性剤を0.10〜5.0重量%含
む水系媒体は15〜80重量部であり、固体充填物とP
TFEの組成の重量比が0/10〜3/7である範囲で
行うと規定される。
【0032】本発明におけるPTFEの均一な湿潤性の
測定方法としては通常のPTFEのペースト押出成形機
のうちシリンダー径40.3mmφ、ダイ角度20°、
RR(断面積締り比)132、ダイランド径3.51m
mφ、ダイランド長さ15.41mm、平均表面粗さR
a 0.12μmの円柱ロッド押出機を用いる。組成物3
00±50gを充填したペースト押出成形機とともに2
4±1℃にした後、ラム速度20mm/minで押出を
行い、被押出物の含水量と押出時の押出圧力を測定す
る。被押出物の含水量は押出されたロッドの全体の長さ
の真中部分10±2gを手早く採取し、加圧押出中に組
成物の内部より分離し、染み出た水性媒体をロッドの表
面を紙製の濾紙で手早く吸収除去した後秤量し、120
〜370℃の範囲で乾燥後の減量から水系媒体の含有量
を測定する。なおこのときの乾燥条件は水系媒体中に含
まれているその他の成分により最適なものを選ぶことが
好ましい。水系媒体中のその他の成分が乾燥後除けない
場合は他の抽出等の適切な操作による測定値で補正する
ことができるものとする。
【0033】押出時の押出圧力はラムチップ部に設置し
た圧力計を用い全押出圧力を記録し、押出の後半1/4
の範囲の時間平均全圧力を求め、シリンダー全面積で割
って求める。
【0034】なお、この際プラスチック製等のカップシ
ールをラムに備えるものとする。また、押出の後半1/
4の範囲の平均圧力を使用する理由は押出状態が安定し
た後、測定することを意味する。また、本測定方法の被
押出物は成形品の均一性の評価にも用いることができ
る。
【0035】このように媒体が界面活性剤を0.1〜5
重量%含み、水を90重量%以上含む均一な媒体である
水系媒体であり、PTFEが均一に湿潤している組成物
は、通常の乳化重合によるPTFEのファインパウダー
に界面活性剤を溶解した水系媒体を加え含浸、配合を試
みてもPTFEが均一に湿潤している組成物を与えるこ
とができないが、TFEを乳化重合して得られるPTF
Eのディスパージョンを、界面活性剤の水系媒体中の濃
度を0.7〜5重量%に調整後、凝析することにより、
比較的容易に得ることができる。
【0036】本発明におけるスラリーとは固形分と媒体
とが混り、ある程度の流動性を示す混合物を示し、特に
媒体の混合比を限定するものでは無いが、一般的にはP
TFEのペースト押出成形に必要な媒体より過剰の媒体
を含むものである。また、ここである程度の流動性と
は、一般のポンプに吸い込まれ、搬送され得る程度の流
動性である。
【0037】本発明はこのように過剰の媒体を用いるこ
とにより乳化重合によるPTFEの凝集物を含む組成物
を流体として連続的に加圧供給することを可能としたも
のである。組成物における媒体の量はPTFEに対し、
1/2以上、好ましくは当量以上であり、2倍以上であ
ってもよい。
【0038】このようなスラリー状の物質を連続的に加
圧供給する装置としては、機械工学便覧(日本機械学会
編、改訂第6版、第9編3章)に記載の各種ポンプの他
溶融プラスチック成形に用いる各種スクリュー型装置、
を用いることができる。また更に複数のプランジャーを
順次切替え作動することにより加圧されたスラリーを連
続的に供給する装置を用いることもできる。
【0039】特に本発明に用いる乳化重合によるPTF
Eの凝集物は、軟質で機械力により容易に潰れ、潰れた
物が、製品中に混入すると欠陥となることから、スラリ
ーの連続的加圧供給においては、スラリーの固体を実質
的に潰さないことが望ましい。このような機能を生ずる
機構は、各種連続加圧供給装置において、回転軸受、お
よび可動部分のクリアランスの調整と同部にシール用の
媒体を流出させること等により達成される。
【0040】また、同様な機能を生ずる機構は、複数の
プランジャーの切替え、弁の作動前にスラリーを同切替
弁の部分から排出させるための媒体の流水口を備えるこ
とによっても達成される。この場合には厳密にはスラリ
ー供給は一時中断することとなるが、本発明では媒体を
途中で分離除去する工程があるため、スラリーの供給圧
力さえ保たれていれば押出しは連続的に行われることと
なる。すなわち、このような方法も本発明に含まれる。
【0041】このようにしてスラリー中のPTFEの凝
集物を実質的に潰さないようにする機構を備えることに
より成形されるペースト押出物中に欠陥の少ないものが
得られるようになった。
【0042】本発明における媒体の一部を分離除去する
ことは、本発明において用いるスラリーが、乳化重合に
よるPTFEの凝集体を含む、かつ連続的に加圧供給さ
れていることから、PTFEの凝集体の外部にある過剰
の媒体の他、PTFEの凝集体の内部にある過剰の媒体
も比較的容易に分離できる性質を利用したものである。
【0043】即ち、PTFEの凝集体は不定形で連通し
た内部空間を媒体で満しているが軟質な凝集体であるた
め、加圧条件下で容易に媒体を凝集体外へ排出し、凝集
体の内部も凝集体同志の境界も乳化重合によるPTFE
の一次粒子同志が密充填し、成形に都合のよいいわゆる
ペースト状になる特性がある。一方、分離される媒体は
ペースト状物に比べて粘度が著しく低いことから、ペー
スト状物の移動方向から容易に除去できる。
【0044】本発明の媒体の分離除去は従来技術の媒体
の漏れと異なり、乳化重合によるPTFEの凝集体の特
性を積極的に活用するものであり次の2点で従来の漏れ
とは大巾に異なる。
【0045】第1に分離除去する目的が連続加圧供給可
能なスラリー状態から押出成形に適したペースト状態へ
組成物の状態を変化させることにあり、そのため、分離
除去される媒体の量が大巾に多くなること。
【0046】第2に、組成物と媒体が連続的に加圧供給
されてくるので、媒体の分離除去を適正に連続的に行う
ことにより、押出される成形物中の媒体量を比較的均一
に一定に保つことが可能となる点である。
【0047】本発明における媒体を分離除去する方法
は、特に限定はされず、適正な方法を選択することがで
きる。本発明における媒体を分離除去する方法として好
ましくは、乳化重合によるPTFEの凝集体のスラリー
あるいはペースト状物の接する面において複数のスリッ
ト状の隙間、孔状の隙間、綱目状に連通した狭い隙間あ
るいは連通した焼結金属の隙間等を通じて行うことがで
きる。これ等の隙間は、乳化重合によるPTFEの凝集
体が通過しないように充分狭いことが必要であるが、具
体的な間隔はその部分の凝集体の流速、圧力等によって
調節できるものとし特に限定されない。
【0048】本発明における媒体の分離除去用の複数の
隙間のある面および、複数の隙間そのものの形状および
配置により、媒体の分離除去を制御し、押し出される成
形体中の媒体の分布を均一にすることが可能である。即
ち、隙間の間隔を適正に広げることにより、凝集体の間
からの媒体の除去を緩かに行うことができ、凝集体の内
部の密度を均一に近づけることが可能となる。
【0049】更に好ましくは分離除去される媒体の速度
を媒体が除去される出口において制御することが行われ
ることである。このことにより、上述の凝集体内部の密
度均一化をより一層容易に行うことができる。この媒体
の除去の速度制御は各々の隙間の配置に従って独立して
行うことも連動して行うこともできる。また、その速度
範囲には必要に応じて負の値、即ち媒体を凝集体側に逆
流させることも含まれる。
【0050】本発明において用いる被押出物の速度を検
出する部分は、特に限定はないが、直接被押出物に接触
させて測る回転型速度計や、被押出物の電気、伝導性、
温度分布、音波伝達等を用いて測定する方法、特定通路
を設けその区間の圧力差から測定する方法あるいは被押
出物を速度を制御した装置に通じその間の被押出物の太
さ、撓みあるいは張力の変化を測定する方法等を公知の
方法を用いることができる。
【0051】これらの被押出物の速度を測定しながら押
出速度を制御することにより、本発明において、固体濃
度の変化し易いスラリーを用いても、安定した押出物が
得られるようになる。
【0052】本発明において用いる温度制御とは従来の
ペースト押出の際に行われている予備成形体を一定温度
に保つことや、押出装置の壁面を一定温度に保つ方法を
含んでいる。
【0053】更に、本発明においては、連続的に加圧供
給する前と後のスラリーの温度制御を行うことを含む、
特にこのスラリー状態での温度制御は、媒体が内部で混
合する流動ができるため温度制御の効率が高く、安定し
た温度制御を行うことが可能となる。このようなスラリ
ーの温度制御の方法は公知の方法を用いることができ特
に限定はしない。
【0054】このように温度制御することは、従来のペ
ースト押出についても行われていたが、本発明における
スラリーの温度制御も、従来と同様に、押出物の均一性
が良くなる効果が認められる。
【0055】また、この温度は、媒体の種類等によりそ
の最適値は変わるが、通常は室温〜100℃程度の、特
に40℃〜80℃程度が好ましい。
【0056】また、本発明において、スラリーを供給す
るに先立ってスラリーの脱泡を行うことが好ましい。ス
ラリー中に泡が存在すると、押出物中にその履歴が残る
ことがあり、押出物の物性を低下する原因となることが
ある。
【0057】また、本発明の成形方法はその工程の内あ
るいは後で、乾燥、抽出、焼結等を行う工程を入れるこ
とによって限定されるものではない。また、本発明の成
形方法は押出物の押出口からの媒体の分離漏れの有無に
よって限定されるものではない。また、同様に本発明の
成形方法は分離した後除去される媒体が気化するか否か
によって限定されるものではない。また、分離された媒
体をリサイクルして使用することも可能である。
【0058】また、本発明による押出物をカレンダーリ
ングしテープ状にすること、あるいは更に延伸加工し、
密度の低い多孔体を得る方法に用いることもできる。ま
た、本発明による押出物を電線やワイヤー等にペースト
押しにより被覆成形することおよびガラスクロスや金属
板等に押しつけ圧着させることもできる。
【0059】
【作用】本発明は、乳化重合によるPTFEの凝集体の
組成物をペースト押出する際に、初めに過剰の媒体を用
い連続的に加圧供給可能な、スラリー状とした後、連続
的に加圧供給した後、過剰な媒体を分離除去することに
より押出成形に好適なペースト状態とし連続的な押出し
を実施するものであるが、このように比較的容易に過剰
な媒体を分離除去できること、および、過剰媒体が除か
れた後、押出成形に好適なペースト状態になることは、
乳化重合によるPTFEの凝集体組成物の特性として理
解できるものであるが、その作用機構は必らずしも明確
ではないが次のように推定される。
【0060】乳化重合によるPTFEはその粒径が0.
1〜1μと乳化体としては比較的大きいためその凝集体
における媒体の満している隙間も比較的大きいと考えら
れるがそのため媒体の凝集体中の移動性が高いことが推
定される。また、乳化重合によるPTFEの凝集体は、
極めて軟質であり、加圧等の力により容易に変形し、そ
の密度を高くすることができる。これらの2点から、乳
化重合によるPTFEの凝集体を含む組成物は加圧条件
下で比較的容易に圧密化され、合せて、媒体の滲出も容
易であると推定される。
【0061】一方、ある程度圧密化が進み凝集体中で、
乳化重合によるPTFEの一次粒子同志が密充填される
とそれ以上の圧密化にはPTFEの一次粒子の変形ある
いは媒体の隙間からの完全な除去を伴うため大きな抵抗
が発生することになりPTFEの一次粒子が密充填され
た状態に止まり易いものと推定される。この密充填され
た状態が押出成形に好適な状態と思われる。以上の作用
機構により本発明の連続押出成形法が可能になったもの
と思われる。
【0062】
【実施例】本発明を以下の実施例により具体的に説明す
る。 (イ)有機溶媒媒体を用いたスラリーの調製 実施例1,2,3に用いた乳化重合によるPTFEの凝
集体と媒体からなるスラリーの組成を表1に示した。ス
ラリーの調整は、旭アイシーアイ フロロポリマーズ社
製の乳化重合によるPTFEの凝集体の乾燥品フルオン
CD1(TFE単独重合品)およびフルオンCD126
(TFEのトレースコポリマー)および、CD1の乳化
重合によるPTFEの原液に日本黒鉛工業社製のグラフ
ァイトSP10(比表面積10m2 /g)をPTFEに
対して5重量%加えて凝集後乾燥してなるものを所定量
を秤量し出光興産社製のダイアナソルベントNo1を媒
体として所定量加え軽く撹拌して行った。
【0063】
【表1】
【0064】(ロ)有機溶媒と水を含む媒体を用いたス
ラリーの調製 実施例4に用いたスラリーは、乳化重合によるPTFE
の凝集体組成物として旭アイシーアイ フロロポリマー
ズ社製のフルオンCD1を10kgと2−メトキシエタ
ノール20kg、水10kgを秤量し、軽く混合後一夜
静置したものである。
【0065】(ハ)水系媒体を用いたスラリーの組成 実施例5〜12に用いたスラリーは以下のように調製し
た。乳化重合によるPTFEは特開昭63−13790
6に記載の実施例および比較例と類似の方法において触
媒量とAPFO(アンモニウムパーフルオロオクタノエ
ート)の量を調整することによって得られた。凝集体の
標準比重(SSG)が2.154(単独1という)と
2.20(単独2という)のもの2種類のTFEのホモ
ポリマーのディスパージョンと特開昭50−16154
2の実施例に記載の実施例と同様の方法によって得られ
たHFP(ヘキサフルオロプロピレン)単位を1重量%
含むTFEの共重合体のディスパージョン(共重合とい
う)とを用いた。
【0066】実施例に用いた界面活性剤は、重合に用い
たのと同様の界面活性剤であるAPFOおよび日信化学
工業社製のサーフェノール104(SF104)、同8
2(SF82)、および日本乳化剤社製のOP10EO
を用いた。実施例に用いた固体充填剤は、日本黒鉛工業
社製のグラファイトSP10(比表面積10m2 /g)
および日東紡績社製の硝子繊維PFA001(比表面積
<10m2 /g)をトリメチルエトキシシラン0.4重
量%で表面処理したものを用いた。
【0067】実施例は表2に示す組成に調製し、50リ
ットルのじゃま板付の4羽根タービン撹拌機を備えた撹
拌槽中に入れて、表1に示す所定の温度に調整後、13
N硝酸を約23ml添加すると同時に290回転に撹拌
を行い、凝析を行った。撹拌はディスパージョンが全凝
集した後、粗い粒状に再分散してから5分続けて停止し
た。得られたものは撹拌により流動するスラリー状のも
のであり、表2に示すスラリーの調製を2回行い、その
全量を用いた。
【0068】
【表2】
【0069】実施例5〜12に用いた乳化重合によるP
TFEの凝集体を含む組成物のPTFEが均一に湿潤し
ていることを示すため、実施例5〜12の一部を採り凝
析物を水系媒体から分離するため、200メッシュのナ
イロン濾布にて濾過し、軽く手で絞り、凝集物を得た。
得られたものの組成分析値は表3に示す。
【0070】
【表3】
【0071】表3に示すPTFEを含む凝集物の表面状
態とそのなかのPTFEの均一な湿潤性を調べるための
押出条件時の押出圧力と被押出物の含水量および被押出
物の成形品としての目視による均一性および一部実施例
中の同被押出物を0.2mm厚に更にロール圧延・加工
した後の含水系媒体量と目視による成形品の均一性の相
対比較結果を表3の番号に従って表4にまとめた。
【0072】
【表4】
【0073】表4に記載のデータが示す通り、実施例5
〜12のスラリー中に含まれるPTFEはいずれも均一
に湿潤していた。
【0074】(ニ)スラリーを用いた連続押出結果 図1に本実施例に用いた連続押出装置の主要機器、およ
びその配置、および本発明におけるスラリーと媒体の通
る主要配管と各種弁の取り付け配置を示した。また、図
2に図1に13で示す媒体分離除去押出金型の断面図お
よび図3にそのA部分の拡大図を示した。
【0075】図2に示すように、同装置の媒体の分離除
去のこの装置は円筒状の両側にフランジを備えた部品1
00から108をフランジをボルトでしめ接合してい
る。102から108の部品は内筒が滑かに接する円錘
状のPTFE組成物の流路を形成している。
【0076】また101から108までの各部分の円板
状の接合面では、図3で代表的に示すように110と1
11で示す円錘状接面の隙間にて成形されるスリットか
ら媒体が分離除去され、117で示される媒体の円状の
流路を通り、一箇所でフランジを貫通した115で示す
流路を通り114で示すフランジ側面の媒体出口から排
出される。116で示されるOリングは媒体流路117
の外側に媒体が出ないために用いられる。
【0077】この連続ペースト押出装置を用い、前述の
(イ)〜(ハ)により調製したスラリーを用い、押出を
実施した。各スラリーの連続押出にあたり、該スラリー
に用いた媒体と同一組成の60℃の媒体を媒体貯槽17
に入れ、押出に先立ち、プランジャーとチャッキ弁部分
にはさまれた配管中に媒体を送り満した。用いたスラリ
ーは、スラリー貯槽3に入れ撹拌し60℃に温度調節し
た。なお撹拌は連続押出中も実行した。
【0078】スラリーが60℃に達してから、低圧媒体
ポンプ5および高圧媒体ポンプ6を各々約0.5kg/
cm2 および所定圧力に保つよう起動させた後、油圧プ
ランジャー押出圧力を高圧媒体ポンプとほぼ同一の圧力
に設定し、図4に示す油圧プランジャー1と2の圧力動
作、およびストローク動作、低圧媒体のストップ弁19
と20の動作高圧媒体のストップ弁21と22の動作状
態の時刻順動作詳細に示すサイクルに従って繰り返すこ
とにより、スラリーの連続加圧供給を実施した。
【0079】図4中、太線にて各項目の動作状態を表
す。縦の点線は各々の動作の前後関係を明確にするため
引いてある。このように作動させることにより、図1に
て23に示した4箇所のスラリー用チャッキ弁が閉じる
前に24で示した媒体用チャッキ弁から媒体が供給さ
れ、スラリーをスラリー用チャッキ弁23から排除し、
スラリー中の固体が潰されることを防ぐと同時に油圧プ
ランジャー1,2の切替動作中も高圧媒体が供給され1
1方向へ流れる流体の保力を保つことができる。
【0080】なお、このように油圧プランジャーポンプ
の作動時にスラリーの通過する各チャッキ弁をその閉鎖
動作前に媒体でスラリーを押し出すことにより実質的に
スラリー中のPTFEの組成物を潰すことがない連続的
な加圧供給が実施できた。この19,20,21,22
の各ストップ弁および油圧プランジャー1,2の動作タ
イミングの微調整によりいずれのスラリーも加圧供給ス
ラリー圧力の変動を平均圧力の±10%以内に保つこと
ができた。また用いた装置には、スラリーを連続的加圧
供給した後にスラリーの通る配管の外側から熱交換によ
り再度温度調節を行うことにより、スラリーの温度を6
0℃±2℃に保つことができた。
【0081】また媒体の分離除去部分において、図2に
示す部品101と102,102と103,103と1
04の各部分の接合面の締め圧とその部分に接合する分
離媒体流量調節バルブ27の開度の調節と、部品104
と105,105と106,106と107,107と
108の各部分の接合面の締め圧とその部分に接合する
分離媒体流量調節バルブの開度の調節とにより[前の3
ケ所からの媒体の排出速度]/[後の4ケ所からの媒体
の排出速度]が8/2となるように調節することによ
り、均一に媒体を含んだほぼ30mの長さの円柱状のペ
ースト状の押出物を連続して得ることができた。
【0082】なお押出物の速度を測定し、ほぼ同一の速
度になるように高圧媒体および油圧プランジャーの押出
押力を調節した。この所定圧力は実施例1〜4において
は押出時間が長くなると若干上昇する傾向を示したので
その中間を示した。一方実施例5〜12においてはこの
所定圧力は起動時および終了時を除けばほぼ安定してい
た。
【0083】表5に各実施例のほぼ同一速度にするのに
必要な前述の油圧プランジャーの各実施例毎の所定圧力
の設定値、スラリー連続供給圧力の最大変動の平均値に
対する百分率、得られた押出物のほぼ中間の5mについ
て10cm毎に切断して測定した得られた媒体の含有量
の最大変動の平均値に対する百分率、および同区間の押
出時の押出物の10秒あたりの速度の最大変動値の平均
に対する百分率を示した。表5から明らかなように、本
実施例は油圧プランジャーの切替が約60回行われてい
るが、スラリー連続供給圧力の変動は少なく、媒体含有
量および押出速度を測定した試料には平均10回の油圧
プランジャーの切替え時の試料、速度測定値が含まれて
いるが、極めて安定していた。
【0084】
【表5】
【0085】
【発明の効果】本発明は乳化重合によるPTFEの凝集
体を含む組成物の連続押出成形を可能ならしめるもので
あり、従来行われていたペースト押出成形法が断続的で
あった点を改良できるものである。
【0086】連続的な押出成形法は、単にその押出物が
連続的で長尺物が容易に得られることの他に、連続的な
生産であるため品質が均一になり易いこと、生産におけ
る断続的操作のための工程が省略できること、および、
予備成形体の接合部が物性が大きく変動し歩留りが低下
する恐れがなくなる等の利点が認められる。
【0087】また従来のペースト押出成形法において
は、予備成形体の径と押出物の径との比率を変え各種組
み合せることにより、各種の径および長さの押出物を生
産する必要があったが、本発明によれば、押出物出口の
金型を変えるのみで各種の製品が得られ製造の管理が容
易になる。
【0088】また、連続的に乳化重合によるPTFEの
凝集体組成物を提供できるため、従来のペースト押出法
では、その予備成形体のサイズによって製品のサイズが
限定され大形の製品が得られ難かった点が改善され、製
品のサイズを大巾に大きくすることができ応用範囲を広
げることができる。
【0089】本発明はPTFEの固体充填物を含まない
かあるいは少量含むファインパウダーの組成物をペース
ト化し圧密化工程を含む成形加工をする場合に、水性媒
体を用いることにより、総合的な有機化合物の使用量を
減ずることができ、可燃物対策、防爆対策、作業環境対
策、排気ガス処理対策等にかかる負担を減ずることがで
きる。
【0090】また、本発明は水系媒体を使用する場合、
成形加工時に媒体の揮発が少なく、また揮発を抑えるた
め、蒸気で飽和した雰囲気を安全に使用できる等の成形
加工時の操作範囲が広がるメリットも大きい。特に、加
工時の成形温度を高くすることが容易に行える。
【0091】また、本発明はPTFEの密度を実質的に
上げずに成形加工した場合、密度分布が均一になり易い
ため、低密度の生テープ等の製造を容易ならしめること
が期待できる。
【0092】また、本発明は水系媒体を用いていた場
合、その乾燥焼成条件として高速で加熱しても可燃性ガ
スを発生し難いため、急速な乾燥が可能となり、生産性
を高くすることが期待できる。
【0093】また、本発明は水系媒体を用いた場合、静
電気の発生および着火を著しく抑えるため、ペースト成
形時に高度な圧力、剪断力を加えることができ、成形物
を高度に繊維化させた成形品を与えることが可能とな
る。
【0094】また、本発明は水系媒体を用いた場合、使
用装置の洗浄において、油性のものが混入する可能性が
少なくなるため、水、高圧水、蒸気洗浄などを容易に行
い易いという付帯するメリットもある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施した装置の概略斜視図。
【図2】図1の13で示す媒体分離除去押出金型の断面
図。
【図3】図2のA部分の拡大図。
【図4】連続的にスラリーを加圧供給する際の油圧プラ
ンジャー1,2、低圧媒体のストップ弁19,20、高
圧媒体のストップ弁21,22の動作の時刻順動作詳細
を示す図。
【符号の説明】
1:油圧プランジャー(一回当り約500mlの排出容
量を持つ) 2:油圧プランジャー(一回当り約500mlの排出容
量を持つ) 3:スラリー貯槽(撹拌機付) 4:スラリー温調設備 5:低圧媒体ポンプ 6:高圧媒体ポンプ 7:油圧プランジャー駆動用油圧制御装置 8:速度記録計 9:スラリー温調用ジャケット 10:スラリー温調設備 11:スラリー圧力検出計 12:保温断熱材 13:媒体分離除去押出金型 14:押出物速度検出部 15:媒体流量測定機 16:媒体流量測定機 17:媒体貯槽 19:低圧媒体のストップ弁 20:低圧媒体のストップ弁 21:高圧媒体のストップ弁 22:高圧媒体のストップ弁 23:スラリー用チャッキ弁(9側に流れる方向にセッ
ト) 24:媒体用チャッキ弁(23側に流れる方向にセッ
ト) 25:媒体流量調節用バルブ 26:分離媒体圧力計 27:分離媒体流量調節バルブ 28:ストップバルブ 112:部品101のフランジ外面 113:部品102のフランジ外面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉田 昌平 千葉県市原市五井海岸10番地 旭アイシー アイ フロロポリマーズ株式会社千葉工場 内 (72)発明者 新井 正孝 千葉県市原市五井海岸10番地 旭アイシー アイ フロロポリマーズ株式会社千葉工場 内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】乳化重合によるポリテトラフルオロエチレ
    ンの凝集体を含む組成物と媒体とからなるスラリーを連
    続的に加圧供給する部分と、その後媒体の一部を分離除
    去する部分とポリテトラフルオロエチレンの組成物と媒
    体の残部からなるペースト状物を連続的に押出す工程か
    らなることを特徴とする連続押出成形法。
  2. 【請求項2】乳化重合によるポリテトラフルオロエチレ
    ンの凝集体を含む組成物が、比表面積15m2 /g以下
    の固体充填物を、固体充填物/ポリテトラフルオロエチ
    レン(重量比)が0/10〜3/7の割合で含有する請
    求項1の連続押出成形法。
  3. 【請求項3】媒体と乳化重合によるポリテトラフルオロ
    エチレンの凝集体を含む組成物において、媒体が界面活
    性剤を0.01〜5重量%含む水系溶媒であり、ポリテ
    トラフルオロエチレンが均一に湿潤している組成物であ
    る、請求項2の連続押出成形法。
  4. 【請求項4】連続的に加圧供給する部分が乳化重合によ
    るポリテトラフルオロエチレンの凝集体を実質的に潰さ
    ない機構を備えていることを特徴とする請求項1,2,
    3のいずれかの連続押出成形法。
  5. 【請求項5】媒体の一部を分離除去するにあたり、スラ
    リーの接する面にある、複数のスリット状、孔状、網目
    状の隙間を通じて行うことを特徴とする請求項1,2,
    3,4のいずれかの連続押出成形法。
  6. 【請求項6】押出工程において被押出物の速度を制御す
    るために、被押出物の速度を検出する部分と、押出圧ま
    たは押出速度を可変とする制御部分からなる請求項1,
    2,3,4,5のいずれかの連続押出成形法。
  7. 【請求項7】媒体の一部を分離除去するにあたり、分離
    除去される媒体の速度を制御することを特徴とする請求
    項1,2,3,4,5,6のいずれかの連続押出成形
    法。
  8. 【請求項8】請求項1,2,3,4,5,6,7のいず
    れかの連続押出成形法において、乳化重合によるポリテ
    トラフルオロエチレンの凝集体と媒体からなるスラリー
    またはペースト状物を温度制御する部分を含むことを特
    徴とする連続押出成形法。
JP4134162A 1992-04-27 1992-04-27 ポリテトラフルオロエチレンの連続押出成形法 Withdrawn JPH05301267A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4134162A JPH05301267A (ja) 1992-04-27 1992-04-27 ポリテトラフルオロエチレンの連続押出成形法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4134162A JPH05301267A (ja) 1992-04-27 1992-04-27 ポリテトラフルオロエチレンの連続押出成形法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH05301267A true JPH05301267A (ja) 1993-11-16

Family

ID=15121910

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4134162A Withdrawn JPH05301267A (ja) 1992-04-27 1992-04-27 ポリテトラフルオロエチレンの連続押出成形法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH05301267A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1995023178A1 (fr) * 1994-02-25 1995-08-31 Daikin Industries, Ltd. Procede de fabrication d'un moulage en polytetrafluoroethylene au moyen d'un lubrifiant, d'un deshydrateur a bande presseuse, et procede de deshydratation de produits solides humides
WO2007126087A1 (ja) 2006-05-01 2007-11-08 Nitto Denko Corporation ポリテトラフルオロエチレンシートの製造方法およびポリテトラフルオロエチレン製シールテープの製造方法
JP2008120963A (ja) * 2006-11-15 2008-05-29 Nitto Denko Corp ポリテトラフルオロエチレンチューブの製造方法
WO2008102878A1 (ja) * 2007-02-22 2008-08-28 Daikin Industries, Ltd. ポリテトラフルオロエチレン成形品の製造方法
JP2011011535A (ja) * 2009-06-03 2011-01-20 Nichias Corp ペースト押出成形方法及びペースト押出成形体
US8105515B2 (en) 2005-05-12 2012-01-31 Nitto Denko Corporation Method of manufacturing polytetrafluoroethylene particle aggregate and method of manufacturing polytetrafluoroethylene product
CN113957550A (zh) * 2021-09-09 2022-01-21 苏州耐德新材料科技有限公司 一种行程分段式液压柱塞挤丝方法

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1995023178A1 (fr) * 1994-02-25 1995-08-31 Daikin Industries, Ltd. Procede de fabrication d'un moulage en polytetrafluoroethylene au moyen d'un lubrifiant, d'un deshydrateur a bande presseuse, et procede de deshydratation de produits solides humides
US8105515B2 (en) 2005-05-12 2012-01-31 Nitto Denko Corporation Method of manufacturing polytetrafluoroethylene particle aggregate and method of manufacturing polytetrafluoroethylene product
US8226864B2 (en) 2005-05-12 2012-07-24 Nitto Denko Corporation Method of manufacturing polytetrafluoroethylene particle aggregate and method of manufacturing polytetrafluoroethylene product
WO2007126087A1 (ja) 2006-05-01 2007-11-08 Nitto Denko Corporation ポリテトラフルオロエチレンシートの製造方法およびポリテトラフルオロエチレン製シールテープの製造方法
US8268221B2 (en) 2006-05-01 2012-09-18 Nitto Denko Corporation Process for production of polytetrafluoroethylene sheet, and process for production of polytetrafluoroethylene seal tape
US8440127B2 (en) 2006-05-01 2013-05-14 Nitto Denko Corporation Process for production of polytetrafluoroethylene sheet, and process for production of polytetrafluoroethylene seal tape
JP2008120963A (ja) * 2006-11-15 2008-05-29 Nitto Denko Corp ポリテトラフルオロエチレンチューブの製造方法
WO2008102878A1 (ja) * 2007-02-22 2008-08-28 Daikin Industries, Ltd. ポリテトラフルオロエチレン成形品の製造方法
JPWO2008102878A1 (ja) * 2007-02-22 2010-05-27 ダイキン工業株式会社 ポリテトラフルオロエチレン成形品の製造方法
JP2011011535A (ja) * 2009-06-03 2011-01-20 Nichias Corp ペースト押出成形方法及びペースト押出成形体
CN113957550A (zh) * 2021-09-09 2022-01-21 苏州耐德新材料科技有限公司 一种行程分段式液压柱塞挤丝方法
CN113957550B (zh) * 2021-09-09 2023-03-10 苏州耐德新材料科技有限公司 一种行程分段式液压柱塞挤丝方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
RU2425056C2 (ru) Водная политетрафторэтиленовая эмульсия, политетрафторэтиленовый мелкодисперсный порошок и пористый материал, полученный из него
EP0133909B1 (en) Process for extruding polymers
US5098625A (en) Process for forming an expanded porous tetrafluoroethylene polymer
JP6801660B2 (ja) 変性ポリテトラフルオロエチレンの水性乳化液、ファインパウダーおよび延伸多孔体の製造方法
Yilmazer et al. Mat formation and unstable flows of highly filled suspensions in capillaries and continuous processors
JP5983633B2 (ja) ポリテトラフルオロエチレンファインパウダーの製造方法
WO2007119829A1 (ja) テトラフルオロエチレン重合体及びその水性分散液
US4985190A (en) Method for molding a filler-containing polytetrafluoroethylene
JPH05301267A (ja) ポリテトラフルオロエチレンの連続押出成形法
RU2149164C1 (ru) Способ получения формованного политетрафторэтилена с замасливателем, ленточное отжимное обезвоживающее устройство и способ обезвоживания влажных твердых материалов
RU2283321C2 (ru) Непрерывный способ коагуляции мелкодисперсных порошков политетрафторэтилена или модифицированного политетрафторэтилена, мелкодисперсные порошки политетрафторэтилена или модифицированного политетрафторэтилена, полученные этим способом
NO812489L (no) Fremgangsmaate for ekstrudering av lineaere etylenkopolymerer med snever molekylvektsfordeling
Sentmanat et al. Mechanism of gross melt fracture elimination in the extrusion of polyethylenes in the presence of boron nitride
EP1857492B1 (en) Process for producing filler-containing polytetrafluoroethylene granule
US9718930B2 (en) Process for producing polytetrafluoroethylene molding powder and process for producing polytetrafluoroethylene agglomerated product
US3088941A (en) Process for the preparation of improved polytetrafluoroethylene extrusion powder
JPH05287151A (ja) 成形用ポリテトラフルオロエチレン組成物、その製造方法および成形加工方法
EP3348590B1 (en) Modified polytetrafluoroethylene fine powder, method for producing same, and method for producing tube or hose
ITMI20011615A1 (it) Processo di ottenimento di p0lveri fini non termoprocessabili di ptfeomopolimero o ptfe modificato
EP0129700B1 (en) Fine particles of polyvinyl chloride and process for producing the same
CN1087309C (zh) 四氟乙烯的悬浮聚合
Yip et al. A new processing aid for the extrusion of polyolefins
JPH07290551A (ja) フッ素樹脂成形方法
CN103261315A (zh) 聚四氟乙烯混合物
Muliawan et al. Boron nitride and fluoropolymer combinations: Interactions and their performance as processing aids

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 19990706