JP5983633B2 - ポリテトラフルオロエチレンファインパウダーの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ポリテトラフルオロエチレンファインパウダーの製造方法に関する。
水、重合開始剤、含フッ素乳化剤等の存在下で、テトラフルオロエチレン(以下、「TFE」という)を乳化重合することで、ポリテトラフルオロエチレン(以下、「PTFE」という)微粒子が水性媒体中に分散したPTFE乳化液が得られる。このPTFE乳化液を凝集撹拌して、水性媒体から湿潤状態のポリテトラフルオロエチレンファインパウダー(以下、「PTFEファインパウダー」という)を分離し、これを乾燥することによりPTFEファインパウダーが製造される。PTFEファインパウダーは、剪断力が加わると簡単に繊維化するので、特殊な方法で成形した後、種々の用途に用いられる。
PTFEファインパウダーの成形方法の一つとして、ペースト押出し成形がある。ペースト押出し成形は、PTFEファインパウダーに、ナフサ、乾点が100℃以上の石油系炭化水素などの潤滑剤を加え、均等に含浸させて混合物を得る。次いで、PTFEファインパウダーが繊維化しないように該混合物を筒状などの所定形状に予備成形して予備成形物を得る。この予備成形物を作る際に、PTFEファインパウダーは、金型への充填率が高い程、即ちPTFEファインパウダーの嵩密度が高い程、生産性を上げることができる。このため、嵩密度の高いPTFEファインパウダーが要望されている。この予備成形物を押出シリンダへ装填してラムで押出して塑性変形させて押出し成形物を得る。この後、押出し成形物を乾燥炉で加熱して潤滑剤を除去した後、加熱炉で焼成することで、所望の成形体が得られる。また、該押出し成形物を潤滑剤が揮発しない間にロールで圧延することでシートまたはフィルムが得られる。また、該シートまたはフィルムから、潤滑剤を除き低倍率で延伸することで未焼成生テープが得られる。また、この未焼成生テープを加熱した状態で高速で一軸または二軸に高倍率で延伸することで、高強度多孔体のフィルムやシートが得られる。
TFEの乳化重合には、含フッ素乳化剤として、主鎖が炭素原子だけからなる炭素数8個のパーフルオロオクタン酸アンモニウム(構造式CF(CFCOONH、以下、「APFO」ともいう。)等が一般的に使用されている。
しかしながら、APFOは、自然界には存在せず分解され難い物質であり、更には、生物蓄積性が高いことが指摘されており、環境面からその排出を抑えることが提案されている。
例えば、特許文献1〜4には、鎖長部分にエーテル性酸素原子を導入して親水性をAPFOよりも上げた含フッ素カルボン酸およびその塩を、含フッ素乳化剤として使用してTFEを乳化重合する技術が提案されている。
国際公開WO2005/042593号パンフレット 米国特許出願公開第2007/00142541号公報 米国特許出願公開第2008/0269408号公報 日本特開2010−37365号公報
しかしながら、鎖長部分にエーテル性酸素原子を導入して親水性を上げた含フッ素乳化剤は、APFOよりも乳化特性が低い。そのため、特に、高分子量のPTFEを得るためにTFEの乳化重合を安定して進行させるには、該含フッ素乳化剤をAPFOの場合よりも多量に使用する必要があった。
含フッ素乳化剤を多量に使用して製造したPTFE乳化液には、含フッ素乳化剤が多く存在するので、凝集撹拌する際に、PTFEの一次粒子の一部が凝集されない。そのため、凝集排水中の未凝集のPTFE濃度が増加して、PTFEファインパウダーの収率が低下する問題があった。凝集は、PTFEの一次粒子が会合しながら疎水化して進行する。この際に、PTFE乳化液中に含フッ素乳化剤が多く存在すると、PTFEの一次粒子が密に会合・凝集しにくく、得られるPTFEファインパウダーの嵩密度が低下する傾向を示す。また、凝集排水中の未凝集のPTFE濃度が高くなるので、排水処理する配管の閉塞等のトラブルが発生する場合があった。
そこで、これらの問題を解決するための方法として、PTFE乳化液のPTFE濃度を下げて凝集撹拌する方法がある。しかしながら、該方法では、凝集バッチ収量が低下し、更には、凝集時間が長くなり、生産性が低下した。また、PTFE濃度が低いと、PTFEの一次粒子が密に会合・凝集し難く、得られるPTFEファインパウダーの嵩密度が低下する傾向を示す。
PTFE乳化液の凝集撹拌時に、凝析剤として、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム等の多価金属類を投入する方法も有効である。しかしながら、これらの多価金属類は、PTFEファインパウダーに残留し易く、最終製品の不純物となる可能性があった。
凝析剤として、硝酸およびその塩、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム等の、比較的低温で気化、分解される窒素化合物を用いる方法もある。しかしながら、上記窒素化合物の排出による河川、海洋の富栄養化が懸念され、窒素排出規制を考慮すると、排水処理のために手間やコストを要することとなり、更には、総生産量も限られたものとなる。
本発明の目的は、生体蓄積性の低い含フッ素乳化剤によって製造されたPTFE乳化液を凝集撹拌してPTFEファインパウダーを製造するに際に、凝集排水中の未凝集PTFE濃度が低く、かつ、嵩密度の高いPTFEファインパウダーの製造方法を提供することにある。
本発明は、以下の構成を有する[1]〜[9]に記載のPTFEファインパウダーの製造方法を提供する。
[1] 水性媒体、炭素数4〜7で主鎖に1〜4個のエーテル性酸素原子を有する含フッ素カルボン酸およびその塩からなる群から選ばれる1種以上の含フッ素乳化剤およびラジカル重合開始剤の存在下に、TFEを乳化重合してPTFE乳化液を製造し、
得られたPTFE乳化液を、PTFE濃度10〜25質量%に調整し、凝集温度5〜18℃で凝集撹拌して湿潤状態のPTFEファインパウダーを分離し、
得られた湿潤状態のPTFEファインパウダーを乾燥してPTFEファインパウダーを製造することを特徴とするPTFEファインパウダーの製造方法。
[2] 凝析剤を使用せずに前記PTFE乳化液の凝集撹拌を行う、[1]に記載のPTFEファインパウダーの製造方法。
[3] 前記PTFEファインパウダーの嵩密度が500g/L以上である、[1]または[2]に記載のPTFEファインパウダーの製造方法。
[4] 前記PTFEファインパウダーの標準比重が2.135〜2.220である、[1]〜[3]のいずれかに記載のPTFEファインパウダーの製造方法。
[5] 重合温度10〜95℃、重合圧力0.5〜4.0MPa、重合時間90〜520分の乳化重合条件で、TFEの乳化重合を行いPTFE乳化液を製造する、[1]〜[4]のいずれかに記載のPTFEファインパウダーの製造方法。
[6] 凝集撹拌して湿潤状態のPTFEファインパウダーを分離した凝集排液中の未凝集ポリテトラフルオロエチレン濃度が、0.4質量%未満である、[1]〜[5]のいずれかに記載のPTFEファインパウダーの製造方法。
[7] 前記含フッ素乳化剤が、CFO(CFOCHFCFCOONH4、CFOCF(CF)CFOCF(CF)COONH4、OCF(CF)COONH4、またはCOCFCFOCFCOONHである、[1]〜[6]のいずれかに記載のPTFEファインパウダーの製造方法。
[8] 前記含フッ素乳化剤の使用量が、ポリテトラフルオロエチレンの収量に対して1500〜20000ppmである、[1]〜[7]のいずれかに記載のPTFEファインパウダーの製造方法。
[9] 湿潤状態のポリテトラフルオロエチレンファインパウダーの乾燥を、アンモニアを含有する雰囲気下で行う、[1]〜[8]のいずれかに記載のPTFEファインパウダーの製造方法。
本発明の製造方法によれば、PTFE濃度10〜25質量%のPTFE乳化液を、凝集温度5〜18℃で凝集撹拌するので、PTFEの一次粒子が密に会合・凝集して、嵩密度の高いPTFEファインパウダーが得られる。また、低温で凝集することにより、PTFE乳化液中に含まれる含フッ素乳化剤の界面活性特性を低下させてPTFEの一次粒子が凝集し易くなり、凝集排水中の未凝集のPTFE濃度が低い。このため、本発明によれば、排水処理に係る手間やコストを低減でき、嵩密度の高いPTFEファインパウダーを生産性よく製造できる。
本発明のPTFEファインパウダーの製造方法は、以下の工程1〜3を含む。
工程1:TFEを乳化重合してPTFE乳化液を製造する工程
工程2:PTFE乳化液を凝集撹拌して、水性媒体から湿潤状態のPTFEファインパウダーを分離する工程
工程3:湿潤状態のPTFEファインパウダーを乾燥する工程
以下、各工程について詳しく説明する。
工程1では、水性媒体と、炭素数4〜7で主鎖に1〜4個のエーテル性酸素原子を有する含フッ素カルボン酸およびその塩からなる群から選ばれる1種以上の含フッ素乳化剤と、ラジカル重合開始剤と、の存在下にて、TFEを乳化重合してPTFE乳化液を製造する。
PTFE乳化液の製造に用いる水性媒体としては、水、又は、水溶性有機溶媒を含有する水が好ましく、水がより好ましい。
PTFE乳化液の製造に用いるラジカル重合開始剤としては、水溶性ラジカル重合開始剤、水溶性酸化還元系触媒、油溶性ラジカル重合開始剤などが挙げられる。水溶性ラジカル重合開始剤または水溶性酸化還元系触媒が好ましい。
上記水溶性ラジカル重合開始剤としては、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウムなどの過硫酸塩、またはジコハク酸パーオキシド、ビスグルタル酸パーオキシド、tert−ブチルヒドロパーオキシドなどの水溶性有機過酸化物が好ましい。
上記水溶性酸化還元系触媒としては、臭素酸またはその塩、塩素酸またはその塩、過硫酸またはその塩、過マンガン酸またはその塩、過酸化水素などの酸化剤と、亜硫酸またはその塩、亜硫酸水素またはその塩、チオ硫酸またはその塩、有機酸などの還元剤、との組み合わせが好ましい。
ラジカル重合開始剤は、1種単独で、または2種以上を組み合わせて用いてもよい。ラジカル重合開始剤としては、ジコハク酸パーオキシドがより好ましい。
ラジカル重合開始剤の使用量は、最終的なPTFEの収量に対して0.01〜0.20質量%が好ましく、0.01〜0.15質量%がより好ましい。
含フッ素乳化剤は、水性媒体中で、連鎖移動によってTFEの重合反応を妨げることがないことから、TFEの乳化重合で一般的に使用される。本発明における含フッ素乳化剤は、炭素数4〜7で主鎖に1〜4個のエーテル性酸素原子を有する含フッ素カルボン酸およびその塩からなる群から選ばれる1種以上の含フッ素乳化剤である。この含フッ素乳化剤は、エーテル性酸素を有し、また、低分子量なので、残留性が低く、生体蓄積性が低いと考えられる。
含フッ素乳化剤の具体例としては、COCF(CF)CFOCHFCOOH、COCFCFOCFCOOH、CFOCFOCFOCFOCFCOOH、CFO(CFOCF(CF)COOH、CFOCF(CF)CFOCF(CF)COOH、CFO(CFOCHFCFCOOH、COCF(CF)COOH、COCFCFCOOH、CFO(CFOCFCOOH、COCFCFOCFCOOH、CFOCFCFOCFCFCOOH、CFO(CFOCHFCOOH、CFOCFOCFOCFCOOH、COCFCOOH、COCFCFCOOH、COCF(CF)COOH、COCHFCFCOOH、CFCHFO(CFCOOH、CFOCFCFOCFCOOH、COCFCFCOOH、COCHFCOOH、および、これらのLi、Na、K、NHなどの塩が挙げられる。特に好ましくは、アンモニウム塩(NH)である。アンモニウム塩であると水性媒体中への溶解性に優れるとともに、金属イオン成分がPTFEファインパウダー中や最終製品中に不純物として残留するおそれがない。その中でも、CFO(CFOCHFCFCOONH4、CFOCF(CF)CFOCF(CF)COONH4、OCF(CF)COONH4、またはCOCFCFOCFCOONHが、特に好ましい。
含フッ素乳化剤の使用量は、最終的なPTFEの収量に対して1500〜20000ppmが好ましく、2000〜20000ppmがより好ましく、2000〜15000ppmが最も好ましい。この範囲より少ないと、PTFE乳化液の安定性を保持出来ない。この範囲より多いと、PTFE乳化液を凝集撹拌する際に、PTFEの一次粒子の会合度が低くなり、嵩密度の高いPTFEファインパウダーが得られ難くなる。
TFEの乳化重合は、上記原料の他に更に安定化助剤を添加して行っても良い。
安定化助剤は、疎水性を有するものであって、TFEの乳化重合後にPTFE乳化液と完全に分離されて、コンタミ成分とならないものが好ましい。具体的には、パラフィンワックス、フッ素系オイル、フッ素系溶剤、シリコーンオイルなどが好ましい。安定化助剤は、1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いてもよい。安定化助剤としては、パラフィンワックスがより好ましい。パラフィンワックスは、炭素数20〜30ぐらいの直鎖状のパラフィン系炭化水素(ノルマル・パラフィン)を主成分とし、分子量300〜500の炭化水素の混合物である。パラフィンワックスの融点は、40〜65℃が好ましく、50〜65℃がより好ましい。安定化助剤の使用量は、使用する水性媒体の質量基準で0.1〜12質量%が好ましく、0.1〜8質量%がより好ましい。
本発明において、PTFEとしては、TFEの単独重合体、及び、TFEに、TFEと共重合可能な他のモノマー(以下、コモノマーという)を、PTFEに溶融成形性を付与しない範囲で共重合させて得た、TFEとコモノマーとの共重合体(以下、変性PTFEという)が挙げられる。変性PTFEは、PTFEの乳化粒子の中心核またはその外殻部分がコモノマーで修飾されていることから、高減寸比によるペースト押出特性に優れ、極細チューブや電線被覆用途、または、剛直性能を付与したチューブやパイプ等において、優れた特性を発現する。変性PTFEにおけるコモノマーに基づく構成単位の含有量は、全構成単位に対して、好ましくは0.5質量%以下であり、より好ましくは0.4質量%以下である。0.5質量%を超えると、PTFEに溶融性が付与されて、耐熱性用途に適さなくなることがある。
変性PTFEの製造に用いる前記コモノマーとしては、ヘキサフルオロプロピレン、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)、クロロトリフルオロエチレン、(パーフルオロアルキル)エチレン、フッ化ビニリデン、フッ化ビニル、パーフルオロ(アルケニルビニルエーテル)、パーフルオロ(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール)、パーフルオロ(4−アルコキシ−1,3−ジオキソール)などが挙げられる。コモノマーは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)としては、パーフルオロ(メチルビニルエーテル)、パーフルオロ(エチルビニルエーテル)、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)、パーフルオロ(ブチルビニルエーテル)、パーフルオロ(エトキシエチルビニルエーテル)、パーフルオロ(プロポキシプロピルビニルエーテル)、パーフルオロ(テトラヒドロフリルメチルビニルエーテル)などが挙げられる。
上記パーフルオロ(アルケニルビニルエーテル)としては、パーフルオロ(アリルビニルエーテル)、パーフルオロ(ブテニルビニルエーテル)などが挙げられる。
また、本発明においては、前記コモノマーとして、下式(1)で表わされる(ポリフルオロアルキル)エチレン(a)、および/または、TFEとの共重合におけるモノマー反応性比rTFEが0.1〜8であるコモノマー(b)(以下、(ポリフルオロアルキル)エチレン(a)とコモノマー(b)とをあわせて、「高反応性コモノマー」ともいう)を、用いてもよい。高反応性のコモノマーをTFEの乳化重合開始時に極微量添加することにより、界面活性能の低い含フッ素乳化剤を使用しても、PTFE乳化液の安定性が加工性等に悪影響を及ぼさない程度に適度に高く、耐熱性の高い成形品を得ることが可能な、高分子量のPTFE粒子が分散したPTFE乳化液を製造できる。
CH2=CH−Rf ・・・(1)
(式(1)中のRfは、炭素数が1〜10のポリフルオロアルキル基である。)
ここで、TFEとの共重合におけるモノマー反応性比rTFE(以下、「モノマー反応性比rTFE」という)とは、成長ラジカルがTFEに基づく繰り返し単位末端である時に、該成長ラジカルがTFEと反応する場合の速度定数を、該成長ラジカルがコモノマーと反応する場合の速度定数で除した値である。この値が低いほど、コモノマーがTFEと高反応性であることを表す。モノマー反応性比rTFEは、TFEとコモノマーとを共重合して開始直後の生成ポリマー中の組成を求め、ファインマン−ロスの式より算出できる。
高反応性コモノマーの具体的としては、CH=CH−(CFF、CH=CH−(CFF、CH=CH−(CFF、パーフルオロ(2−メチレン−4−メチル−1,3−ジオキソラン)、CF=CF−O−CF、CF=CF−O−CFCF、CF=CF−O−(CFCF=CF、パーフルオロ(5−メトキシ−1,3−ジオキソール)、パーフルオロ(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール)などが挙げられる。
高反応性コモノマーは、最終的なPTFEの生成量に対して0.001〜0.01質量%となるように乳化重合系に含有させることが好ましい。
TFEの乳化重合条件について説明すると、重合温度は10〜95℃が好ましく、15〜90℃がより好ましい。重合圧力は0.5〜4.0MPaが好ましく、0.6〜3.5MPaがより好ましい。重合時間は90〜520分が好ましく、90〜450分がより好ましい。
TFEを乳化重合して得られるPTFE乳化液は、PTFE濃度が10〜45質量%であることが好ましく、15〜45質量%がより好ましく、20〜40質量%が特に好ましい。
PTFE乳化液に含まれるPTFEの一次粒子の平均粒子径は、0.20〜0.30μmが好ましく、0.21〜0.27μmがより好ましく、0.22〜0.26μmが特に好ましい。PTFEの一次粒子の平均粒子径が小さすぎると、PTFE乳化液に撹拌剪断力を加えてPTFEファインパウダーを得る際に、時間や手間を要するので、生産効率が低下する。また、PTFEの一次粒子の平均粒子径が大きすぎると、PTFE乳化液の安定性が低下し、TFEの乳化重合中での凝集物の量が増加し生産上不利となる。また、PTFE乳化液に撹拌剪断力を加えてPTFEファインパウダーを得る際に、多量の凝集物が発生して配管を閉塞したり、歩留まりが低下する。なお、本発明におけるPTFEの一次粒子の平均粒子径は、PTFE乳化液中のPTFEの一次粒子を、レーザー散乱法粒子径分布分析計を用いて測定したメジアン径の値である。
次に、工程2では、PTFE乳化液を凝集撹拌して、水性媒体から湿潤状態のPTFEファインパウダー(以下、未乾燥PTFEファインパウダーという)を分離する。
本発明において、凝集撹拌に用いるPTFE乳化液(以下、凝集用PTFE乳化液という)は、PTFE濃度が10〜25質量%である。PTFE濃度は、10〜22質量%が好ましく、10〜20質量%がより好ましい。PTFEファインパウダーの嵩密度を高めるには、凝集用PTFE乳化液中のPTFE濃度が高いことが好ましい。凝集用PTFE乳化液中のPTFE濃度が高いと、PTFEの一次粒子の会合度合いが高まり、PTFEの一次粒子が密に会合・凝集して造粒する。凝集用PTFE乳化液のPTFE濃度が10質量%未満であると、PTFEの一次粒子の凝集密度が疎になり易く、嵩密度の高いPTFEファインパウダーが得られ難い。一方、凝集用PTFE乳化液中のPTFE濃度が高すぎると、未凝集のPTFEが増大し、凝集排水中の未凝集のPTFE濃度が増加する。凝集排水中の未凝集のPTFE濃度が高いと、配管閉塞や、排水処理にコストや手間がかかる。また、PTFEファインパウダーの収率が低下する。凝集排水中の未凝集のPTFE濃度は、PTFEファインパウダーの生産性の観点から低いことが好ましく、0.4質量%未満がより好ましく、0.3質量%未満が特に好ましい。凝集用PTFE乳化液のPTFE濃度が25質量%を超えると、凝集排水の未凝集のPTFE濃度を0.4質量%未満にすることが困難である。
なお、上記工程1で得られるPTFE乳化液中のPTFE濃度は、およそ10〜45質量%であるので、PTFE濃度が高い場合は、水等の希釈溶媒を添加して10〜25質量%に調整する。また、乳化重合後のPTFE乳化液中のPTFE濃度が10〜25質量%である場合は、PTFE乳化液を、そのまま凝集用PTFE乳化液として用いることができる。
本発明における凝集用PTFE乳化液の凝集温度は5〜18℃である。凝集温度は、5〜17℃が好ましく、8〜17℃がより好ましい。凝集温度がこの範囲にあると、未凝集のPTFEが少なく、凝集排水中の未凝集のPTFE濃度を低減できる。この理由は、凝集温度が低いと、含フッ素乳化剤の溶解度が低いことから、含フッ素乳化剤の溶解度と連動するものと考えられる界面活性能が低下して、未凝集のPTFE量が減少するものと推測される。凝集温度が18℃を超えると、凝集排水中の未凝集PTFE濃度を0.4質量%未満にすることは困難である。一方、5℃未満であると、PTFEファインパウダーの粒子径が小さくなり過ぎて、ハンドリング性に支障を来すことが有る。また、凝集温度を低く保持するためのコストが高く、工業的に負荷が大きい。
本発明では、凝集用PTFE乳化液には、硝酸およびその塩、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム類等の凝析剤を添加してもよい。しかしながら、これらの凝析剤を使用すると、凝集排水の窒素濃度が高まる。環境への窒素排出規制の観点から、凝析剤は使用しないことが好ましい。なお、本発明によれば、凝析剤を使用しなくても凝集排水中の未凝集PTFE濃度を0.4質量%以下にできる。
凝集用PTFE乳化液の凝集撹拌方法は、特に限定は無く、従来公知の方法が採用できる。例えば、PTFE乳化液を、激しく撹拌してPTFEの一次粒子を凝集させた後、さらに適度に撹拌させて、一次粒子が凝集したPTFEファインパウダーを水性媒体から分離し、造粒、整粒する工程を経て、未乾燥PTFEファインパウダーを得る方法が挙げられる。本発明では、PTFE乳化液を凝集した後、PTFE粒子が数100μmまで成長する過程を造粒という。また、さらに撹拌を続けることで粒子性状や粒度分布が整えられる過程を整粒という。未乾燥PTFEファインパウダーは、例えば脱水篩等で、PTFE粒子を変形・ダメージを与えない様に、慎重に水層より分離を行う。
なお、未乾燥PTFEファインパウダーを分離した後の水性媒体(凝集排水)には、含フッ素乳化剤が含まれているが、凝集排水に含まれる含フッ素乳化剤は、イオン交換樹脂により吸着する方法、水分を蒸発させるなどの濃縮方法、活性炭への吸着する方法などを用いて回収できる。
次に、工程3では、未乾燥PTFEファインパウダーを乾燥して、PTFEファインパウダーを製造する。
未乾燥PTFEファインパウダーの乾燥温度は、110〜250℃が好ましく、120〜230℃がより好ましい。乾燥温度が110℃未満であると、乾燥に時間を要するうえ、乾燥が不十分となる可能性がある。乾燥温度が250℃を超えると、ペースト押出し圧力特性を改善できないことがある。
未乾燥PTFEファインパウダーの乾燥は、未乾燥PTFEファインパウダーをできるだけ流動させない状態で、好ましくは静置した状態で、乾燥することが好ましい。この時、真空、高周波、熱風などを用いて乾燥することも好ましい。
未乾燥PTFEファインパウダーの乾燥は、アンモニアを含有する雰囲気下で行うことが好ましい。未乾燥PTFEファインパウダーの乾燥を、アンモニアを含有する雰囲気下で行うと、PTFEの特性を損なうこと無く、PTFEファインパウダーのペースト押出圧力を下げることが出来る。なお、本発明において、アンモニアを含有する雰囲気下とは、未乾燥PTFEファインパウダーに、アンモニアガスが接触し得る雰囲気下を意味する。例えば、アンモニアガスが存在する雰囲気や、未乾燥PTFEファインパウダーが含有する水分中に、アンモニアまたはアンモニアを発生する化合物が溶解していて、加熱等によってアンモニアガスが発生する雰囲気などを意味する。アンモニアガスを発生する化合物としては、アンモニウム塩、尿素などが挙げられ、これらは加熱により分解してアンモニアガスを発生する。
アンモニウム塩としては、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウムなどが挙げられる。特に炭酸アンモニウムが好ましい。炭酸アンモニウムの溶解度は、55.8g/100g水(0℃)であり、炭酸水素アンモニウムの溶解度(24.8g/100g水(25℃))よりも高いので、水溶液の形態で使用する場合、濃厚な溶液で扱えるうえ、気温の変動による析出の心配も少ないので、取り扱いが容易である。
なお、尿素は、およそ130℃以上まで加熱しないとアンモニアまで分解しないので、低温で乾燥を行う場合は、アンモニアまたはアンモニウム塩の存在下で乾燥を行うことが好ましい。
アンモニア、アンモニウム塩、または尿素の使用量は、乾燥後のPTFEファインパウダーの100質量部に対して、0.1〜10質量部が好ましい。アンモニア、アンモニウム塩、または尿素の使用量が0.1質量部以上であれば、本発明の効果がより顕著に発現される。10質量部超の使用量であると、排気の臭気対策を要する。より好ましくは、0.1〜7質量部であり、特に好ましくは0.1〜5質量部である。
なお、未乾燥PTFEファインパウダーが、乾燥時に揮発又は昇華する含フッ素乳化剤を吸着している場合には、乾燥時の排気をアルカリ水溶液(例えば、濃炭酸カリウム水溶液など)に導入することによって、吸着されていた含フッ素乳化剤を回収できる。
本発明によって製造されるPTFEファインパウダーの嵩密度は500g/L以上が好ましく、500〜600g/Lがより好ましく、500〜590g/Lが特に好ましい。PTFEファインパウダーは、ペースト押し出し成形する場合、PTFEファインパウダーと潤滑剤との混合物とした後に、予備成形する。嵩密度が500g/L未満であると、予備成形の金型に所定量の該混合物が入りきらないことがある。また、該混合物の均一性が十分でない傾向がある。また、嵩密度が600g/Lを超えると、ペースト押し出しの際に、押出性が不安定になることがある。
本発明において、凝集用PTFE乳化液中のPTFE濃度を10〜25質量%の範囲内で高くすることや、凝集温度を5〜18℃の範囲内で低くすることがより好ましい。
なお、本発明において、PTFEファインパウダーの嵩密度は、後述する実施例に記載した方法で測定した値である。
本発明によって製造されるPTFEファインパウダーは、標準比重(以下、SSGという)が、2.135〜2.220が好ましく、2.135〜2.160がより好ましく、2.135〜2.155が特に好ましい。SSGは、相対的な分子量の尺度として用いられるが、その値が低いほど、一般的には分子量が高いことを意味する。SSGが低過ぎると、応力緩和時間が500秒未満となる場合が多く、好ましくない。SSGが高すぎると、分子量が低く、PTFEの特性が低い。
PTFEファインパウダーのSSGは、より分子量を上げる重合処方を採用すれば低い値となり、分子量を上げない重合処方を採用すれば高い値となる。
なお、本発明において、PTFEファインパウダーのSSGは、後述する実施例に記載した方法で測定した値である。
本発明によって製造されるPTFEファインパウダーの平均粒子径は、300〜700μmが好ましく、350〜600μmがより好ましい。300μm未満であると、団塊化し易く、容器への付着性が強くなり取り扱い性が損なわれる。700μmを超えると、均一なペースト押出特性が損なわれることが有る。
なお、本発明において、PTFEファインパウダーの平均粒子径は、後述する実施例に記載した方法で測定した値である。
PTFEファインパウダーは、ペースト押出し成形することにより、所望の成形品とすることができる。
PTFEファインパウダーのペースト押し出し成形方法としては、従来公知の方法を採用することができる。例えば、PTFEファインパウダーと潤滑剤とを混合してPTFEファインパウダーに流動性を付与した後、所望の形状にペースト押出し成形する方法が挙げられる。潤滑剤の混合割合は、PTFEファインパウダーが流動性を有するように、適宜選定すればよい。例えば、PTFEファインパウダーの100質量部に対し、潤滑剤を15〜30質量部混合することが好ましく、20〜25質量部がより好ましい。潤滑剤としては、ナフサ、乾点が100℃以上の石油系炭化水素が好ましい。また、着色するための顔料などの添加剤や、強度および導電性などを付与するための各種充填剤などを添加することもできる。
PTFEファインパウダーのペースト押出し成形物の形状としては、チューブ、シート、フィルム、繊維等が挙げられる。また、PTFEファインパウダーのペースト押出し成形物を、その後に延伸することにより、PTFEの延伸多孔体が得られる。延伸条件としては、適当な速度、例えば5%/秒〜1000%/秒の速度、適当な延伸倍率、例えば500%以上の延伸倍率、が採用される。延伸多孔体の空孔率は特に制限ないが、空孔率が50〜99%の範囲が好ましく、70〜98%の範囲が特に好ましい。延伸多孔体で構成される物品の形状としては、チューブ、シート、フィルム、繊維などが挙げられる。
以下、本発明について、実施例および比較例により、詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。なお、PTFEファインパウダーの特性は、以下の方法で測定した。
(A)PTFE乳化液中のPTFEの一次粒子の平均粒子径(単位:μm)
レーザー散乱法粒子径分布分析計(堀場製作所社製、商品名「LA−920」)を用いてメジアン径を測定し、PTFEの一次粒子の平均粒子径を求めた。
(B)凝集排水中の未凝集PTFE濃度(単位:質量%)
PTFE乳化液を撹拌し、剪断を与えて凝集をした後、凝集排水の約10gをサンプリングしてガラスシャーレに採取し、120℃で2時間乾燥した。その後、残留分の質量をガラスシャーレにサンプリングした質量で除して、凝集排水中の未凝集PTFE濃度を算出した。
(C)PTFEファインパウダーの平均粒子径(単位:μm)
JIS K6891に準拠して測定した。上から順に20、30、40、45および60メッシュの標準ふるいを重ね、20メッシュのふるい上に粉末を乗せてふるい、各ふるい上に残るPTFEファインパウダーの質量を求めた。この質量に基づいて対数確率紙で算出した50%粒子径を、PTFEファインパウダーの平均粒子径とした。
(D)PTFEファインパウダーの嵩密度(単位:g/L)
JIS K6891に準拠して測定した。内容積100mLのステンレス鋼製のはかり瓶に、上部に設置された漏斗よりPTFEファインパウダーを落として、はかり瓶から盛り上がったPTFEファインパウダーを平板で擦り落とした後、はかり瓶内に残ったPTFEファインパウダーの質量を、はかり瓶の内容積で割った値をPTFEファインパウダーの嵩密度とした。
(E)PTFEファインパウダーのSSG(標準比重)
ASTM D1457−91a、D4895−91aに準拠して測定した。PTFEファインパウダーを12.0g計量し、内径28.6mmの円筒金型で34.5MPa、2分間保持した。これを290℃のオーブンへ入れて120℃/hrで昇温した。380℃で30分間保持した後、60℃/hrで降温して294℃で24分間保持した。23℃のデシケーター中で12時間保持した後、23℃での成形物と水との比重値を測定し、これをPTFEファインパウダーのSSGとした。
(F)PTFEファインパウダーの特性評価
室温で2時間以上放置されたPTFEファインパウダーの100gを、内容量900ccのガラス瓶に入れ、潤滑剤(商品名「アイソパーH(登録商標)」、エクソン社製)の21.7gを添加し、3分間混合してPTFE混合物を得た。得られたPTFE混合物を25℃恒温槽に2時間放置した後に、リダクションレシオ(ダイスの入り口の断面積と出口の断面積の比)100、押出し速度51cm/分の条件で、25℃にて、直径2.5cm、ランド長1.1cm、導入角30°のオリフィスを通して、ペースト押出しして、ビードを得た。このときの押出しに要する圧力を測定し、押出し圧とした。
次に、得られたビードを230℃で30分間乾燥し、潤滑剤を除去した。そして、ビードの長さを適当な長さに切断し、クランプ間5.1cmとなるよう、各末端を固定し、空気循環炉中で300℃に加熱した。そして、延伸速度100%/秒、総延伸2400%の条件でビードを延伸して、破断強度試験測定用のサンプルを作製した。そして、このサンプルを5.0cmのゲージ長である可動ジョーにおいて挟んで固定し、可動ジョーを300mm/分のスピードで駆動させ、引張り試験機(エイアンドディ社製)を用いて室温にて破断強度を測定し、延伸ビードから得られる3つのサンプル、延伸ビードの各末端から1つ(クランプの範囲においてネックダウンがあればそれを除く)、およびその中心から1つ、の最小値を破断強度とした。
また、潤滑剤を加熱除去した上記ビートを、クランプ間3.8cmとなるよう、各末端を固定し、空気循環炉中で300℃に加熱した。そして、延伸速度1000%/秒、総延伸2400%の条件でビードを延伸することにより、応力緩和時間の測定用のサンプルを作製した。このサンプルの両方の末端を固定具で固定し、ぴんと張り全長25cmとした。そして、このサンプルを390℃のオーブン中に放置したときに破断するのに要する時間を求め、該時間を応力緩和時間とした。
(実施例1)
邪魔板、撹拌機を備えた、内容積が100Lのステンレス鋼製オートクレーブに、COCOCFCOONH(Ammonium perfluoro−3,6−dioxaoctanoate、以降、「APFDO」と記す。)の50gと、パラフィンワックスの750gと、コハク酸の9.0gと、シュウ酸の0.3gと、脱イオン水の62Lとを仕込んだ。オートクレーブを窒素置換した後、減圧にして、CH=CH−(CFF(以下、「PFBE」と記す)の0.5gを仕込んだ。次いで、TFEで加圧し、撹拌しながら65℃に昇温した。次いでTFEで1.275MPaまで昇圧し、0.04質量%の過マンガン酸カリウム水溶液を3.5ml〜4.0ml/分で添加した。TFEを7.5kg添加した後、過マンガン酸カリウム水溶液の添加を止めて、APFDOを追加添加した。内温は90℃まで昇温した。この後、TFEを22kgまで添加し、反応を終了させ、オートクレーブ中のTFEを大気放出した。重合時間は215分であった。得られたPTFE乳化液を冷却し、上澄みのパラフィンワックスを除去した。PTFE乳化液中のPTFE濃度は約25質量%であった。また、PFBEの含有量は、最終PTFE収量に対して約0.002質量%であった。また、オートクレーブ中の凝固物は痕跡程度であった。そして、PTFEの一次粒子の平均粒子径は0.25μmであった。
このPTFE乳化液を、純水でPTFE濃度15質量%に希釈して、凝集用PTFE乳化液を調製した。そして、容量8Lの撹拌翼付きの凝集槽に、凝集用PTFE乳化液の7.3kgを仕込み、16℃に調整した後、20質量%炭酸アンモニウム水溶液の11.0g(炭酸アンモニウムは、PTFEの100質量部に対して0.2質量部)を投入し、427rpmで凝集させて、未乾燥PTFEファインパウダーを分離した。凝集排水中の未凝集のPTFE濃度は0.30質量%であった。
次に、縦30cm×横40cmのトレイに、20質量%炭酸アンモニウム水溶液の110gを入れて、未乾燥PTFEファインパウダーを層高が2〜3cmになるように均して盛り付けた(炭酸アンモニウムは、PTFEの100質量部に対して2質量部)。そして、高温送風定温乾燥器(東洋製作所社製、DRH453WA特型、内容積91L)にて、135℃で12時間乾燥して、PTFEファインパウダーを製造した。
得られたPTFEファインパウダーの平均粒子径は390μm、嵩密度は580g/L、SSGは2.142であった。また、測定方法(F)に従いビードを得たところ、PTFEファインパウダーの押出し圧力は16.9MPaであった。このビードは断裂やボイドの発生が無い均一な多孔体であった。また、破断強度は29.2Nで、応力緩和時間は550秒であった。
(実施例2)
実施例1で調製した凝集用PTFE乳化液(PTFE濃度15質量%)の7.3kgを、内容積8Lの撹拌翼付きの凝集槽に仕込み、12℃に調整した後、427rpmで凝集させた以外は、実施例1と同様にして未乾燥PTFEファインパウダーを分離した。凝集排水中の未凝集のPTFE濃度は0.20質量%であった。そして、実施例1と同様にして、未乾燥PTFEファインパウダーを乾燥し、PTFEファインパウダーを製造した。
得られたPTFEファインパウダーの平均粒子径は400μm、嵩密度は550g/Lであった。また、測定方法(F)に従いビードを得たところ、押出し圧力は16.7MPaであった。このビードは断裂やボイドの発生が無い均一な多孔体であった。また、破断強度は29.2Nで、応力緩和時間は509秒であった。
(実施例3)
実施例1で調製したPTFE乳化液を、純水でPTFE濃度を17質量%に希釈して、凝集用PTFE乳化液を調製した。そして、内容積8Lの撹拌翼付きの凝集槽に、凝集用PTFE乳化液の7.3kgを仕込み、10℃に調整した後、427rpmで凝集させて、未乾燥PTFEファインパウダーを分離した。凝集排水中の未凝集のPTFE濃度は0.18質量%であった。そして、実施例1と同様にして、未乾燥PTFEファインパウダーを乾燥し、PTFEファインパウダーを製造した。
得られたPTFEファインパウダーの平均粒子径は380μm、嵩密度は570g/Lであった。
(実施例4)
実施例3で調製した凝集用PTFE乳化液(PTFE濃度17質量%)の7.3kgを、内容積8Lの撹拌翼付きの凝集槽に仕込み、14℃に調整した後、20質量%炭酸アンモニウム水溶液の12.4g(炭酸アンモニウムは、PTFE100質量部に対して0.2質量部)を投入し、427rpmで凝集させた以外は、実施例1と同様にして未乾燥PTFEファインパウダーを分離した。凝集排水中の未凝集のPTFE濃度は0.28質量%であった。そして、実施例1と同様にして、未乾燥PTFEファインパウダーを乾燥し、PTFEファインパウダーを製造した。得られたPTFEファインパウダーの平均粒子径は380μm、嵩密度は560g/Lであった。
(実施例5)
実施例1で調製したPTFE乳化液を、純水でPTFE濃度を13質量%に希釈して、凝集用PTFE乳化液を調製した。そして、内容積8Lの撹拌翼付きの凝集槽に、凝集用PTFE乳化液の7.3kgを仕込み、14℃に調整した後、427rpmで凝集させて、未乾燥PTFEファインパウダーを分離した。凝集排水中の未凝集のPTFE濃度は0.34質量%であった。そして、実施例1と同様にして、未乾燥PTFEファインパウダーを乾燥し、PTFEファインパウダーを製造した。
得られたPTFEファインパウダーの平均粒子径は460μm、嵩密度は520g/Lであった。また、測定方法(F)に従いビードを得たところ、押出し圧力は16.7MPaであった。このビードは断裂やボイドの発生が無い均一な多孔体であった。また、破断強度は32.2Nで、応力緩和時間は587秒であった。
(実施例6)
実施例1で調製したPTFE乳化液を、純水でPTFE濃度を10質量%に希釈して、凝集用PTFE乳化液を調製した。そして、内容積8Lの撹拌翼付きの凝集槽に、凝集用PTFE乳化液の7.3kgを仕込み、17℃に調整した後、427rpmで凝集させて、未乾燥PTFEファインパウダーを分離した。凝集排水中の未凝集のPTFE濃度は0.30質量%であった。そして、実施例1と同様にして、未乾燥PTFEファインパウダーを乾燥し、PTFEファインパウダーを製造した。
得られたPTFEファインパウダーの平均粒子径は530μm、嵩密度は510g/Lであった。また、測定方法(F)に従いビードを得たところ、押出し圧力は17.2MPaであった。このビードは断裂やボイドの発生が無い均一な多孔体であった。また、破断強度は29.6Nで、応力緩和時間は577秒であった。
(実施例7)
邪魔板、撹拌機を備えた、内容積100Lのステンレス鋼製オートクレーブに、APFDOの63gと、パラフィンワックスの670gと、脱イオン水の60Lとを仕込んだ。オートクレーブを窒素置換した後減圧にして、TFEで加圧し、撹拌しながら70℃に昇温した。次いでTFEで1.765MPaまで昇圧し、ジコハク酸パーオキシド(濃度80質量%、残りは水分)の5.0gを溶解して注入した。3分ほどで内圧が1.78MPaまで降下した。オートクレーブ内圧を1.80MPaに保つようにTFEを添加しながら重合を進行させた。APFDOを温水に溶解して重合途中でAPFDOとして合計125g添加した。また亜硫酸アンモニウムを水に溶解して重合途中で亜硫酸アンモニウムとして合計4g添加した。温度は途中64℃まで下げ、重合後半は80℃まで昇温した。TFEの添加量が26kgになったところで反応を終了させ、オートクレーブ中のTFEを大気放出した。重合時間は183分であった。得られたPTFE乳化液を冷却し、上澄みのパラフィンワックスを除去した。PTFE乳化液中のPTFE濃度は約28質量%であった。またPTFEの一次粒子の平均粒子径は0.33μmあった。反応器中の凝固物は痕跡程度であった。
このPTFE乳化液を、純水でPTFE濃度を10質量%に希釈して、凝集用PTFE乳化液を調製した。そして、内容積8Lの撹拌翼付きの凝集槽に、凝集用PTFE乳化液の7.3kgを仕込み、18℃に調整した後、427rpmで凝集させて、未乾燥PTFEファインパウダーを製造した。凝集排水中の未凝集のPTFE濃度は0.14質量%であった。
次に、縦30cm×横40cmのトレイに20%炭酸アンモニウム水溶液110gを入れて、未乾燥PTFEファインパウダーを層高が2〜3cmになるように均して盛り付けた(炭酸アンモニウムは、PTFE100質量部に対して2質量部)。そして、高温送風定温乾燥器(東洋製作所社製,DRH453WA特型,内容積91L)にて、180℃で乾燥して、PTFEファインパウダーを分離した。
得られたPTFEファインパウダーの平均粒子径は500μm、嵩密度は500g/L、SSGは2.151であった。また、測定方法(F)に従いビードを得たところ、押出し圧力は16.9MPaであった。このビードは断裂やボイドの発生が無い均一な多孔体であった。また、破断強度は24.3Nで、応力緩和時間は634秒であった。
(実施例8)
実施例7で調製したPTFE乳化液を、純水でPTFE濃度を13質量%に希釈して、凝集用PTFE乳化液を調製した。そして、内容積8Lの撹拌翼付きの凝集槽に、凝集用PTFE乳化液の7.3kgを仕込み、14℃に調整した後、427rpmで凝集させて、未乾燥PTFEファインパウダーを分離した。凝集排水中の未凝集のPTFE濃度は0.15質量%であった。そして、実施例7と同様にして、未乾燥PTFEファインパウダーを乾燥し、PTFEファインパウダーを製造した。
得られたPTFEファインパウダーの平均粒子径は460μm、嵩密度は520g/Lであった。また、測定方法(F)に従いビードを得たところ、押出し圧力は17.6MPaであった。このビードは断裂やボイドの発生が無い均一な多孔体であった。また、破断強度は25.1Nで、応力緩和時間は683秒であった。
(実施例9)
実施例7で調製したPTFE乳化液を、純水でPTFE濃度を17質量%に希釈して、凝集用PTFE乳化液を調製した。そして、8Lサイズ撹拌翼付きの凝集槽に、凝集用PTFE乳化液の7.3kgを仕込み、11℃に調整した後、427rpmで凝集させて、未乾燥PTFEファインパウダーを分離した。凝集排水中の未凝集のPTFE濃度は0.10質量%であった。そして、実施例7と同様にして、未乾燥PTFEファインパウダーを乾燥し、PTFEファインパウダーを製造した。
得られたPTFEファインパウダーの平均粒子径は390μm、嵩密度は540g/Lであった。また、測定方法(F)に従いビードを得たところ、押出し圧力は17.2MPaであった。このビードは断裂やボイドの発生が無い均一な多孔体であった。また、破断強度は23.5Nで、応力緩和時間は628秒であった。
(実施例10)
実施例7で調製したPTFE乳化液を、純水でPTFE濃度を21質量%に希釈して、凝集用PTFE乳化液を調製した。そして、内容積8Lの撹拌翼付きの凝集槽に、凝集用PTFE乳化液の7.3kgを仕込み、9℃に調整した後、427rpmで凝集させて、未乾燥PTFEファインパウダーを分離した。凝集排水中の未凝集のPTFE濃度は0.16質量%であった。そして、実施例7と同様にして、未乾燥PTFEファインパウダーを乾燥し、PTFEファインパウダーを製造した。
得られたPTFEファインパウダーの平均粒子径は380μm、嵩密度は600g/Lであった。また、測定方法(F)に従いビードを得たところ、押出し圧力は17.1MPaであった。このビードは断裂やボイドの発生が無い均一な多孔体であった。また、破断強度は23.5Nで、応力緩和時間は611秒であった。
(比較例1)
実施例1で調製した凝集用PTFE乳化液(PTFE濃度15質量%)の7.3kgを、内容積8Lの撹拌翼付きの凝集槽に仕込み、20℃に調整した後、427rpmで凝集させた以外は、実施例1と同様にして未乾燥PTFEファインパウダーを分離した。凝集排水中の未凝集のPTFE濃度は1.31質量%であった。そして、実施例1と同様にして、未乾燥PTFEファインパウダーを乾燥し、PTFEファインパウダーを製造した。
得られたPTFEファインパウダーの平均粒子径は510μm、嵩密度は550g/Lであった。また、測定方法(F)に従いビードを得たところ、押出し圧力は16.7MPaであった。このビードは断裂やボイドの発生が無い均一な多孔体であった。また、破断強度は28.8Nで。応力緩和時間は549秒であった。
(比較例2)
実施例6で調製した凝集用PTFE乳化液(PTFE濃度10質量%)の7.3kgを、内容積8Lの撹拌翼付きの凝集槽に仕込み、20℃に調整した後、427rpmで凝集させた以外は、実施例1と同様にして未乾燥PTFEファインパウダーを分離した。凝集排水中の未凝集のPTFE濃度は1.18質量%であった。そして、実施例1と同様にして、未乾燥PTFEファインパウダーを乾燥し、PTFEファインパウダーを製造した。
得られたPTFEファインパウダーの平均粒子径は580μm、嵩密度は500g/Lであった。また、測定方法(F)に従いビードを得たところ、押出し圧力は16.7MPaであった。このビードは断裂やボイドの発生が無い均一な多孔体であった。また、破断強度は31.0Nで、応力緩和時間は616秒であった。
(比較例3)
実施例1で調製したPTFE乳化液を、純水でPTFE濃度を8質量%に希釈して、凝集用PTFE乳化液を調製した。そして、内容積8Lの撹拌翼付きの凝集槽に、凝集用PTFE乳化液の7.3kgを仕込み、20℃に調整した後、427rpmで凝集させて、未乾燥PTFEファインパウダーを分離した。凝集排水中の未凝集のPTFE濃度は0.68質量%であった。そして、実施例1と同様にして、未乾燥PTFEファインパウダーを乾燥し、PTFEファインパウダーを製造した。
得られたPTFEファインパウダーの平均粒子径は580μm、嵩密度は490g/Lであった。
上記結果を表1〜3にまとめて記す。
Figure 0005983633
Figure 0005983633
Figure 0005983633
上記結果から明らかなように、PTFE濃度が10〜25質量%の凝集用PTFE乳化液を、凝集温度5〜18℃にて凝集撹拌することで、嵩密度が500g/LのPTFEファインパウダーを製造できた。また、凝集排水中の未凝集PTFE濃度を0.4質量%以下にできた。
これに対し、凝集温度が18℃を超える比較例1〜3は、凝集排水中の未凝集PTFE濃度が高く、0.4質量%を超えるものであった。
本発明の製造方法によって製造されたPTFEファインパウダーは、嵩密度が高く、幅広で種々の口径のチューブ、生テープ、多孔質フィルム、シートなどの製造に適する。
また、電線被覆、多孔膜、フィルター、摺動部材、シール材などの用途にも適する。
なお、2012年2月2日に出願された日本特許出願2012−020530号の明細書、特許請求の範囲、及び要約書の全内容をここに引用し、本発明の明細書の開示として、取り入れるものである

Claims (7)

  1. 水性媒体と、炭素数4〜7で主鎖に1〜4個のエーテル性酸素原子を有する含フッ素カルボン酸およびその塩からなる群から選ばれる1種以上の含フッ素乳化剤と、ラジカル重合開始剤と、の存在下に、テトラフルオロエチレンを乳化重合してポリテトラフルオロエチレン乳化液を製造し、
    得られたポリテトラフルオロエチレン乳化液を、ポリテトラフルオロエチレン濃度10〜25質量%に調整し、凝集温度5〜18℃で、凝析剤を使用せずに凝集撹拌して湿潤状態のポリテトラフルオロエチレンファインパウダーを分離して、凝集排液中の未凝集ポリテトラフルオロエチレン濃度を0.4質量%未満とし、
    得られた湿潤状態のポリテトラフルオロエチレンファインパウダーを乾燥してポリテトラフルオロエチレンファインパウダーを製造することを特徴とするポリテトラフルオロエチレンファインパウダーの製造方法。
  2. 前記ポリテトラフルオロエチレンファインパウダーの嵩密度が500g/L以上である、請求項に記載のポリテトラフルオロエチレンファインパウダーの製造方法。
  3. 前記ポリテトラフルオロエチレンファインパウダーの標準比重が2.135〜2.220である、請求項1又は2に記載のポリテトラフルオロエチレンファインパウダーの製造方法。
  4. 重合温度10〜95℃、重合圧力0.5〜4.0MPa、重合時間90〜520分の乳化重合条件で、テトラフルオロエチレンの乳化重合を行いポリテトラフルオロエチレン乳化液を製造する、請求項1〜のいずれか1項に記載のポリテトラフルオロエチレンファインパウダーの製造方法。
  5. 前記含フッ素乳化剤が、CFO(CFOCHFCFCOONH、CFOCF(CF)CFOCF(CF)COONH、COCF(CF)COONH、またはCOCFCFOCFCOONHである、請求項1〜のいずれか1項に記載のポリテトラフルオロエチレンファインパウダーの製造方法。
  6. 前記含フッ素乳化剤の使用量が、ポリテトラフルオロエチレンの収量に対して1500〜20000ppmである、請求項1〜のいずれか1項に記載のポリテトラフルオロエチレンファインパウダーの製造方法。
  7. 湿潤状態のポリテトラフルオロエチレンファインパウダーの乾燥を、アンモニアを含有する雰囲気下で行う、請求項1〜のいずれか1項に記載のポリテトラフルオロエチレンファインパウダーの製造方法。
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