JP6459598B2 - 予備成形体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、予備成形体の製造方法に関する。
ポリテトラフルオロエチレン〔PTFE〕は、その優れた性質から、さまざまな用途に用いられてきた。近年の技術の進歩と共に、情報通信機器、医療用機器、自動車部品等は小型化し、それに伴って、フッ素樹脂が使用されている電線、ケーブル、チューブ、フィルター等も、微細化、薄膜化が強く求められている。
PTFEを電線、ケーブル、チューブ、フィルター等に成形する場合、PTFEは、モールディングパウダーやファインパウダー、ペレットと呼ばれる形態で使用される。従来の製造方法においては、PTFEファインパウダーのペースト押出の成形助剤として、アイソパーE、アイソパーGのようなナフサや石油系炭化水素が用いられてきたが、これらの成形用材料を成形した場合、得られる成形品の厚みは100μmを超えるものが限界であり、100μm以下の厚みに成形しようとすると均一な厚みが得られなかった。
このような中で、特許文献1には、PTFEからなる成形品の厚みを極めて薄くすることを目的として、表面エネルギーが16〜20mN/mの有機溶剤(A)をPTFEファインパウダーに添加して成形用組成物を得る工程と、上記成形用組成物を圧縮繊維化成形して成形品を得る工程と、を含む成形品の製造方法が記載されている。
また、特許文献2には、高密度で均一なPTFEファインパウダー予備成形体を製造することを目的として、PTFEファインパウダーを含む粉体を金型に充填する工程と、圧縮する工程とを有する成形方法であって、上記圧縮する工程は、上記粉体が充填された上記金型内を減圧して行うものである成形方法が開示されている。また、特許文献2の実施例1では、PTFEファインパウダーにIsoparGを混合して、12時間熟成後、8メッシュのSUS製ふるいをとおして、PTFEファインパウダーを含む粉体としたことが記載されている。
特開2012−081590号公報 特開2008−260191号公報
本発明の目的は、高いリダクションレシオでも押出圧が低く、成形不良が発生しにくい予備成形体の製造方法を提供することにある。
本発明者等が高いリダクションレシオでも押出圧が低く、成形不良が発生しにくいポリテトラフルオロエチレンの予備成形体を製造する方法について鋭意検討したところ、意外なことに、ポリテトラフルオロエチレンファインパウダーとペースト押出助剤との混合物を陽圧下又は陰圧下に放置した後、常圧下に戻してPTFEペーストを得た後に予備成形することによって、高いリダクションレシオでも押出圧が低く、成形不良が発生しにくい予備成形体が得られることを見出した。
すなわち、本発明は、ポリテトラフルオロエチレンファインパウダーとペースト押出助剤とを混合して混合物を得る工程と、上記混合物を陽圧下又は陰圧下に放置する工程と、上記混合物を常圧下に戻してポリテトラフルオロエチレンペーストを得る工程と、得られたポリテトラフルオロエチレンペーストを予備成形する工程と、を含む、ことを特徴とする予備成形体の製造方法である。
本発明の予備成形体の製造方法は、上記混合物中のポリテトラフルオロエチレンファインパウダーとペースト押出助剤との質量比(ポリテトラフルオロエチレンファインパウダー/ペースト押出助剤)が87/13〜75/25であることが好ましい。
本発明の予備成形体の製造方法によれば、高いリダクションレシオでも押出圧が低く、成形不良が発生しにくい予備成形体を得ることができる。
以下、本発明を具体的に説明する。
本発明の予備成形体の製造方法は、PTFEファインパウダーとペースト押出助剤とを混合して混合物を得る工程を含む。
上記混合物を得る方法は特に限定されないが、例えば、PTFEファインパウダーを容器に入れ、その後、ペースト押出助剤を容器内に注ぎ込む方法等が挙げられる。ペースト押出助剤をPTFEファインパウダーに添加した後、PTFEファインパウダーとペースト押出助剤とを攪拌又は振盪してもよい。
上記PTFEファインパウダーは、肉厚の薄い成形品が得られ、成形が容易である点で、乳化重合により得られたPTFEファインパウダーであることが好ましい。すなわち、本発明の予備成形体の製造方法は、乳化重合により少なくともTFEを重合してPTFEファインパウダーを得る工程を含むものであってもよい。
上記PTFEファインパウダーは、例えば、乳化重合によりPTFE水性分散液を得て、該PTFE水性分散液からPTFE微粒子を回収し、凝集したのち乾燥させることにより得ることができる。上記凝集は、PTFE水性分散液に凝析剤を添加して攪拌することにより行うこともできるし、凝集剤を添加せずPTFE水性分散液を高速撹拌することによって行うこともできる。上記凝析剤としては、硝酸、塩酸、炭酸アンモニウム、アルコール等が好ましく、なかでも炭酸アンモニウムがより好ましい。上記凝集後に行う乾燥は、特に限定されないが、好ましくは100〜250℃、より好ましくは130〜200℃の温度下で行う。
上記PTFEファインパウダーは、乳化重合により得られた後、第一融点以上の温度に加熱した履歴がないPTFEのファインパウダーであることが好ましく、例えば、300℃以上の温度に加熱した履歴がないPTFEであることが好ましい。
上記PTFEファインパウダーは、平均1次粒径が0.1〜0.5μmであることが好ましく、より好ましい下限は0.2μmであり、より好ましい上限は0.4μmである。平均1次粒径が大きすぎると、薄く均一な肉厚が得られないおそれがあり、小さすぎると、PTFEペーストから得られる成形品の機械的強度が劣るおそれがある。
上記平均1次粒径は、乳化重合により得られるPTFEの1次粒子が分散したPTFE水性分散液を、固形分濃度0.15質量%に調製してセルに入れ、550nmの光を入射したときの透過率と、透過型電子顕微鏡写真により定方向径を測定して算出した数平均1次粒径との相関を検量線にまとめ、得られた検量線と各試料について測定した上記透過率とから求める値である。
上記PTFEファインパウダーは、平均2次粒径が300〜700μmであることが好ましい。平均2次粒径が大きすぎると、薄く均一な肉厚が得られないおそれがあり、小さすぎると、PTFEペーストから得られる成形品の機械的強度が劣るおそれがある。上記平均2次粒径は、400〜600μmであることがより好ましい。上記平均2次粒子径は、光学顕微鏡や、キーエンス社製マイクロスコープなどにより測定することができる。
上記PTFEは、非溶融加工性及びフィブリル化性を有するPTFEであることが好ましい。
上記PTFEは、ホモPTFEであっても、変性PTFEであってもよい。変性PTFEは、TFE単位とTFEと共重合可能な変性モノマーに基づく変性モノマー単位とを含む重合体である。
上記変性モノマーとしては、TFEとの共重合が可能なものであれば特に限定されず、例えば、ヘキサフルオロプロピレン〔HFP〕等のパーフルオロオレフィン;クロロトリフルオロエチレン〔CTFE〕等のクロロフルオロオレフィン;トリフルオロエチレン、フッ化ビニリデン〔VDF〕等の水素含有フルオロオレフィン;パーフルオロビニルエーテル;パーフルオロアルキルエチレン;エチレン;ニトリル基を有するフッ素含有ビニルエーテル等が挙げられる。また、用いる変性モノマーは1種であってもよいし、複数種であってもよい。
上記パーフルオロビニルエーテルとしては特に限定されず、例えば、下記一般式(1)
CF=CF−ORf (1)
(式中、Rfは、パーフルオロ有機基を表す。)で表されるパーフルオロ不飽和化合物等が挙げられる。本明細書において、上記「パーフルオロ有機基」とは、炭素原子に結合する水素原子が全てフッ素原子に置換されてなる有機基を意味する。上記パーフルオロ有機基は、エーテル酸素を有していてもよい。
上記パーフルオロビニルエーテルとしては、例えば、上記一般式(1)において、Rfが炭素数1〜10のパーフルオロアルキル基を表すものであるパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)〔PAVE〕が挙げられる。上記パーフルオロアルキル基の炭素数は、好ましくは1〜5である。
上記PAVEにおけるパーフルオロアルキル基としては、例えば、パーフルオロメチル基、パーフルオロエチル基、パーフルオロプロピル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロペンチル基、パーフルオロヘキシル基等が挙げられるが、パーフルオロアルキル基がパーフルオロプロピル基であるパープルオロプロピルビニルエーテル〔PPVE〕が好ましい。
上記パーフルオロビニルエーテルとしては、更に、上記一般式(1)において、Rfが炭素数4〜9のパーフルオロ(アルコキシアルキル)基であるもの、Rfが下記式:
Figure 0006459598
(式中、mは、0又は1〜4の整数を表す。)で表される基であるもの、Rfが下記式:
Figure 0006459598
(式中、nは、1〜4の整数を表す。)で表される基であるもの等が挙げられる。
パーフルオロアルキルエチレンとしては特に限定されず、例えば、パーフルオロブチルエチレン(PFBE)、パーフルオロヘキシルエチレン(PFHE)等が挙げられる。
ニトリル基を有するフッ素含有ビニルエーテルとしては、CF=CFORfCN(式中、Rfは2つの炭素原子間に酸素原子が挿入されていてもよい炭素数が2〜7のアルキレン基を表す。)で表されるフッ素含有ビニルエーテルがより好ましい。
上記変性PTFEにおける変性モノマーとしては、HFP、CTFE、VDF、PPVE、PFBE及びエチレンからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。より好ましくは、HFP及びCTFEからなる群より選択される少なくとも1種の単量体である。
上記変性PTFEは、変性モノマー単位が0.001〜1質量%の範囲であることが好ましく、0.001質量%以上0.1質量%未満の範囲であることがより好ましい。
本明細書において、PTFEを構成する各単量体の含有量は、NMR、FT−IR、元素分析、蛍光X線分析を単量体の種類によって適宜組み合わせることで算出できる。
上記PTFEは、第一融点が324〜360℃であることが好ましい。上記第一融点は、300℃以上の温度に加熱した履歴がないPTFEについて示差走査熱量計〔DSC〕を用いて10℃/分の速度で昇温したときの融解熱曲線における極大値に対応する温度である。
上記PTFEは、予備成形体から得られる成形品の機械的強度の点で、標準比重〔SSG〕が2.20以下であるものが好ましい。上記SSGのより好ましい下限は2.12、更に好ましい下限は2.15であり、成形性の点でより好ましい上限は2.19である。上記SSGは、ASTM D−4895 98に準拠して成形されたサンプルを用い、ASTM D−792に準拠した水置換法により測定した値である。
上記ペースト押出助剤としては、PTFEファインパウダーの表面を濡らすことができるものであり、一般的にペースト押出助剤として用いられているものを使用することができる。上記ペースト押出助剤としては、例えば、炭化水素系溶剤、フッ素系溶剤、シリコン系溶剤、界面活性剤と水との混合物等が挙げられる。
上記ペースト押出助剤は、単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
PTFE表面の濡れ性の観点から、上記ペースト押出助剤は、炭化水素系溶剤であることが好ましい。
上記炭化水素系溶剤としては、例えば、一般に押出助剤として用いられている炭化水素を使用することができる。具体的には、ソルベントナフサ、ホワイトオイル、ナフテン系炭化水素、イソパラフィン系炭化水素、イソパラフィン系炭化水素のハロゲン化物又はシアン化物等が挙げられる。
なお、上記ナフテン系炭化水素及びイソパラフィン系炭化水素は、ハロゲン化物又はシアン化物であってもよい。
上記炭化水素系溶剤としては、特に、ナフテン系炭化水素及びイソパラフィン系炭化水素からなる群より選択される少なくとも1種が好ましい。具体例としては、エクソンモービル社製のIsoparG、IsoparE、IsoparM等が挙げられる。
上記ペースト押出助剤はフッ素系溶剤であることも好ましい。上記フッ素系溶剤としては、例えば、パーフルオロアルカン、パーフルオロポリエーテル等が挙げられる。
上記混合物中のPTFEファインパウダーとペースト押出助剤との質量比(PTFEファインパウダー/ペースト押出助剤)は、87/13〜75/25であることが好ましい。
ペースト押出助剤の量が少なすぎると、安定した成形が困難になるおそれがあり、ペースト押出助剤の量が多すぎると、十分な機械的強度を有する成形品を得ることができないおそれがある。上記質量比は、84/16〜76/24であることがより好ましく、82/18〜78/22であることが更に好ましい。
本発明の予備成形体の製造方法は、上記混合物を得る工程の後、混合物を陽圧下又は陰圧下に放置する工程の前に、混合物を常圧下に放置する工程を含むものであってもよい。混合物を常圧下に放置することで、PTFEファインパウダーにペースト押出助剤が浸透し、成形不良がより発生しにくい予備成形体を得ることができる。
上記常圧は、760mmHg程度の圧力であって、例えば、750〜770mmHgの圧力であってよい。
常圧下に放置する時間は特に限定されないが、例えば10分以上であることが好ましく、12時間以上であることがより好ましい。常圧下に放置する時間の上限は特に限定されないが、生産性の観点から例えば100時間であり、好ましくは50時間である。また、常圧下に放置する時間は、3時間以下であっても、1時間以下であっても充分である。
また、常圧下に放置する時の温度はペースト押出助剤の沸点未満の温度であることが好ましく、常温(例えば、0〜35℃)であってよい。また、10〜30℃であることが好ましい。
本発明の予備成形体の製造方法は、上記混合物を得る工程の後、上記混合物を陽圧下又は陰圧下に放置する工程の前に、上記混合物を容器内に設置する工程を含んでもよい。上記混合物を常圧下に放置する工程は、混合物を容器内に設置する前に行ってもよいし、容器内に設置した後に行ってもよい。
上記容器としては、上記混合物を陽圧下に放置する場合には、内部の圧力を高くすることができる加圧容器を用い、上記混合物を陰圧下に放置する場合には、内部の圧力を低くすることができる減圧容器を用いる。
本発明の予備成形体の製造方法は、上記混合物を陽圧下又は陰圧下に放置する工程を含む。
上記混合物を陽圧下又は陰圧下に放置する工程は、高いリダクションレシオでも押出圧が低く、より成形不良が発生しにくい予備成形体が得られることから、陰圧下に放置する工程であることが好ましく、その圧力は特に限定されないが、700mmHg以下であることが好ましい。上記圧力は、400mmHg以下であることがより好ましく、200mmHg以下であることが更に好ましい。
また、生産性、助剤蒸散の観点から、その圧力は、30mmHg以上であることが好ましく、50mmHg以上であることがより好ましく、80mmHg以上であることが更に好ましい。陰圧下に放置する時の温度は、特に限定されないが常温(例えば、0〜35℃)であってよい。また、上記温度は、ペースト押出助剤の沸点未満の温度であることが好ましく、例えば、10〜18℃であることが好ましい。
また、上記混合物を陽圧下に放置する場合、その圧力は特に限定されないが、例えば0.01〜1.00MPaである。高いリダクションレシオでも押出圧が低く、より成形不良が発生しにくい予備成形体が得られることから、0.20MPa以上が好ましい。安全上の観点から、0.80MPa以下が好ましい。
陽圧又は陰圧下に放置する時間は特に限定されないが、30分以下であることが好ましい。生産性、助剤蒸散の観点から、5分以下であることがより好ましい。陽圧又は陰圧下に放置する時間の下限は特に限定されないが、PTFEファインパウダー内に含まれる空気を十分にPTFEファインパウダーの外に出す観点から、5秒以上であり、好ましくは30秒以上である。
本発明の予備成形体の製造方法は、上記混合物を常圧下に戻す工程を含む。上記常圧は、760mmHg程度の圧力であって、例えば、750〜770mmHgの圧力であってよい。
上記混合物を陰圧下に放置することによって、PTFEファインパウダー内に含まれる空気をPTFEファインパウダーの外に出し、更に、その後、常圧下に戻すことによって、PTFEファインパウダー周辺のペースト押出助剤がPTFEファインパウダー内に取り込まれ、PTFEファインパウダー内にペースト押出助剤が効率よく浸透するものと推定される。これにより、高いリダクションレシオでも押出圧が低く、成形不良が発生しにくい予備成形体を得ることができる。
また、上記混合物を陽圧下に放置することによって、PTFEファインパウダー周辺のペースト押出助剤がPTFEファインパウダー内に取り込まれ、更に、その後、常圧下に戻すことによって、PTFEファインパウダー内の空気が優先的にPTFEファインパウダーの外に出されるため、PTFEファインパウダー内にペースト押出助剤が効率よく浸透するものと推定される。これにより、高いリダクションレシオでも押出圧が低く、成形不良が発生しにくい予備成形体を得ることができる。
上記常圧下に戻す工程は、上記混合物を陽圧下又は陰圧下に放置した後、混合物を圧縮することなしに行うことが好ましい。
上記PTFEペーストは、PTFEファインパウダーとペースト押出助剤を含む。
上記PTFEペーストは、更に、PTFEファインパウダー以外の樹脂成分を含むものであってもよい。
PTFEファインパウダー以外の樹脂成分を含むPTFEペーストを製造する場合、本発明の予備成形体の製造方法は、PTFEファインパウダーとペースト押出助剤とを混合して混合物を得る工程の前に、PTFEファインパウダーと、PTFEファインパウダー以外の樹脂成分と、を混合する工程を含むことが好ましい。
PTFEファインパウダー以外の樹脂成分としては、PTFEモールディングパウダー、PTFEマイクロパウダー等のPTFEパウダー、PTFEパウダー以外のPTFE成分、PTFE以外の樹脂等が挙げられる。
上記PTFEモールディングパウダーは、テトラフルオロエチレンの懸濁重合で得られた原粉末をいったん数十〜数百μmの大きさに粉砕し、その後粒状化(造粒)して乾燥したもの、それをさらに微粉化、前加熱等の処理を施したもの、さらに微粉砕されたあと再び造粒したもの等である。PTFEマイクロパウダーは、380℃における溶融粘度が100〜70万Pa・sの低分子量PTFEの粉末である。PTFEパウダー以外のPTFE成分は、分子量やその形態を問わず、パウダー状以外のPTFEからなるものである。
PTFE以外の樹脂としては、例えば、TFE/HFP共重合体〔FEP〕、TFE/パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)〔PAVE〕共重合体〔PFA〕、エチレン/TFE共重合体〔ETFE〕、ポリビリニデンフルオライド〔PVdF〕、ポリクロロトリフルオロエチレン〔PCTFE〕、ポリプロピレン、ポリエチレン等が挙げられる。
上記PAVEとしては、熱的安定性の点で、パーフルオロ(メチルビニルエーテル)〔PMVE〕、パーフルオロ(エチルビニルエーテル)〔PEVE〕、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)〔PPVE〕、パーフルオロ(ブチルビニルエーテル)であることが好ましく、PPVEであることがより好ましい。また、上記PAVE単位を1種有するものであってもよいし、2種以上有するものであってもよい。
上記PTFEペーストは、PTFEファインパウダーとPTFEファインパウダー以外の樹脂成分との合計100質量%に対して、上記PTFEファインパウダーが40質量%以上100質量%以下であり、上記PTFEファインパウダー以外の樹脂成分が0質量%以上60質量%以下であることが好ましい。上記PTFEファインパウダーが40質量%未満であると、PTFEペーストから得られる成形品の耐熱性、耐薬品性、耐候性、非粘着性、電気的絶縁性、難燃性、機械的強度が劣るおそれがある。
上記PTFEペーストは、PTFEファインパウダーが70質量%以上であり、上記PTFEファインパウダー以外の樹脂成分が30質量%以下であるものがより好ましい。
上記PTFEペーストがPTFEファインパウダー以外の樹脂成分を含む場合、PTFEファインパウダー以外の樹脂成分は、PTFEファインパウダーとPTFEファインパウダー以外の樹脂成分との合計100質量%に対して、0質量%超であり、0.1質量%以上であることが好ましい。
上記PTFE以外の樹脂としては、予備成形体から得られる成形品の耐熱性を向上させ、比較的高温下でも安定した使用が可能となる点で、溶融加工可能なフッ素樹脂が好ましく、溶融加工可能なフッ素樹脂としては、例えば、FEP、PFA、PVdF、ETFE、EFEPが挙げられ、なかでも、FEP、PFAが好ましい。上記PFAとしては、TFE/PMVE共重合体、TFE/PPVE共重合体等が挙げられる。
上記PTFEペーストは、界面活性剤、酸化防止剤、光安定剤、蛍光増白剤、着色剤、顔料、染料、フィラー等を含むこともできる。上記PTFEペーストは、例えば、カーボンブラック、グラファイト、アルミナ、マイカ、炭化珪素、窒化硼素、酸化チタン、酸化ビスマス、ブロンズ、金、銀、銅、ニッケル等の粉末又は繊維粉末等を含むことができる。また、本発明の目的を損なわない範囲であれば、上述した樹脂以外の他の重合体微粒子、その他の成分を含有させてもよい。
本発明の予備成形体の製造方法は、PTFEファインパウダーとペースト押出助剤とを混合して混合物を得る工程の前に、これらの成分とPTFEファインパウダーとを混合する工程を含むものであってもよい。
本発明の予備成形体の製造方法は、得られたPTFEペーストを予備成形する工程を含む。
上記予備成形は、PTFEペーストを予備成形するものである。上記予備成形は、PTFEペーストを金型に充填した後、圧縮することによって行う。また、予備成形は、PTFEペーストを一度圧縮した後、更に金型にPTFEペーストを充填し、これを繰り返すいわゆるつぎ足し成形により成形するものであってもよい。
上記金型としては、所望の予備成形体の形状もしくはそれに近い形状を有し、成形の圧力に耐えるものであれば特に制限されず、シリンダと呼ばれる円筒状のものであってもよく、ラム押出成形機のシリンダやペースト押出成形機の押出シリンダであってもよい。
上記PTFEペーストを金型に充填した後、ラム、ピストン、プランジャ、プレス、パンチ等を金型に取り付け、PTFEペーストを圧縮する。上記圧縮は、公知の方法により行うことができるが、PTFEペースト中の空気を除くようになるべく徐々に圧力を負荷することが好ましい。負荷する圧力(成形圧力)は、形状や寸法等により異なるが、通常2〜35MPa、PTFEペーストがフィラーを含む場合には、10〜100MPaが適当で、その圧力で数秒〜数十分(好ましくは、10〜30分)保持することが好ましい。
上記圧縮は、上記PTFEペーストが充填された上記金型内を減圧して行うものであってもよい。減圧して行うことによって、得られる予備成形体の内部の密度を均一にすることができる。しかしながら、常圧で行うことが、時間的、経済的に有利である。
上記減圧は、PTFEペーストの空気を除くことができれば圧縮が終了するまでのいずれの段階で行ってもよく、例えば、圧縮のためにPTFEペーストに圧力を負荷する前に減圧を開始しても良いし、圧力の負荷後に減圧を開始しても良いが、減圧を円滑に進めるために、圧縮によりPTFEファインパウダーが変形する前に減圧を開始していることが好ましい。上記減圧は、空気の除去が充分なものとなる点で、金型内を一定の圧力(気圧)まで減圧した後、圧縮することがより好ましく、圧縮中も一定の圧力(気圧)を保持して圧縮することが更に好ましい。
上記予備成形体は、上述したPTFEペーストに配合してもよいPTFE以外の樹脂、界面活性剤、酸化防止剤、光安定剤、蛍光増白剤、着色剤、顔料、染料、フィラー等を含むこともできる。上記予備成形体は、例えば、カーボンブラック、グラファイト、アルミナ、マイカ、炭化珪素、窒化硼素、酸化チタン、酸化ビスマス、ブロンズ、金、銀、銅、ニッケル等の粉末又は繊維粉末等を含むことができる。更に、本発明の目的を損なわない範囲であれば、上述した樹脂以外の他の重合体微粒子、その他の成分を含有させてもよい。また、含有してよい好ましい割合もPTFEペーストと同じである。
本発明の製造方法により得られる予備成形体は、ペースト押出成形に好適に用いられる。上記ペースト押出成形とは、円形、方形等の断面形状をもつシリンダ内に押出物を入れて、ラムやピストン等の機械的手段で、常圧(自然状態の圧力)よりも加圧して、シリンダ断面積よりも小さいダイから押出すことで成形体を得る成形方法である。
上記予備成形体の押出成形用予備成形体又はペースト押出成形用予備成形体としての使用は、本発明における好適な実施態様の1つである。
本発明の製造方法により得られる予備成形体は、高いリダクションレシオでも押出圧が低く、成形不良が発生しにくいため、厚みが極めて薄い成形品を製造することができる。上記予備成形体は、PTFEファインパウダーとペースト押出助剤との混合物を、陽圧下又は陰圧下に放置した後、常圧下に戻すことによって、PTFEファインパウダーの一次粒子間にペースト押出助剤が効率よく浸透し、成形不良が発生しにくくなるものと推測される。
上記予備成形体は、リダクションレシオ24659における押出圧が100MPa以下であることが好ましく、98MPa以下であることが更に好ましい。下限は10MPaであることが好ましく、20MPaであることがより好ましい。あまりに押出圧が小さすぎると安定した成形が困難になる可能性がある。
上記押出圧としては、押出ラムにかかる圧力をシリンダ内樹脂断面積で除して(押出ラムにかかる圧力/シリンダ内樹脂断面積)算出された値とすることができる。
本発明の製造方法で得られた予備成形体を成形することによって、高いリダクションレシオでも押出圧を低くすることができ、成形不良も生じにくいため、厚みが極めて薄い成形品を製造することができる。
上記予備成形体を成形する方法としては、圧縮繊維化成形が好ましい。圧縮繊維化成形とは、圧縮および繊維化することにより成形するものである。圧縮繊維化成形としては、PTFEペースト又は予備成形体に圧縮応力を作用させて繊維化を生じさせる方法であれば特に限定されないが、たとえば、ペースト押出成形法又はカレンダー成形法が好ましい。
ペースト押出成形法又はカレンダー成形法は、密閉型の金型を用いることなく成形することができるものであり、予備成形体を成形して得られた成形品は、その厚みを極めて薄くしたとしても均一な厚みにすることができる。成形品の製造方法は、円柱状、チューブ状などの成形品を得る観点から、ペースト押出成形法により成形して成形品を得るものであることが好ましい。
上記ペースト押出成形法とは、円形、方形等の断面形状をもつシリンダ内に押出し物を入れて、ラムやピストン等の機械的手段で、常圧(自然状態の圧力)よりも加圧して、シリンダ断面積よりも小さいダイから押出すことで成形品を得る成形法である。
上記ペースト押出成形法により成形を行う場合、加熱を行って成形してもよい。加熱の温度としては、ペースト押出助剤の沸点以下であることが好ましく、より好ましくはペースト押出助剤の沸点よりも10℃以上低い温度である。上記加熱の温度として具体的には、例えば、30〜70℃であり、好ましくは、30〜60℃であり、より好ましくは、40〜50℃である。
従来、ペースト押出成形では、押出時に樹脂を柔らかくして細く安定して押し出せるように比較的高温に押出金型を加熱していたため、沸点の低い押出助剤を使用していなかった。上記範囲のように低い温度で押出金型の温度を比較的低温にすることで、ペースト押出助剤が比較的沸点の低いものであったとしても、その蒸散を抑制することができる。
上記ペースト押出成形法により成形して得られる成形品としては、例えば、被覆電線の被覆材、チューブ(例えば、カテーテル等の医療用チューブ)等が挙げられる。
カレンダー成形法は、上記予備成形体をカレンダーロールで圧延することで成形する方法であり、通常、上記圧延は、2本以上の加熱したカレンダーロールで行う。これにより、所望の厚さのフィルム状或いはシート状の成形体に成形することができる。
カレンダー成形法は、従来公知の装置及び成形条件で行うことができる。例えば、カレンダー成形法を行う装置としては、直列型、L型、逆L型、Z型等が挙げられる。
上記カレンダー成形法により成形を行う場合、加熱を行って成形してもよい。加熱の温度としては、ペースト押出助剤の沸点以下であることが好ましく、より好ましくはペースト押出助剤の沸点よりも10℃以上低い温度である。上記加熱の温度として具体的には、例えば、30〜70℃であり、好ましくは、30〜60℃であり、より好ましくは、40〜50℃である。
カレンダー成形法により成形して得られる成形品としては、例えば、シート又はフィルムが好ましい。シート又はフィルムとしては、例えば、配管シールテープ、アパレル撥水通気シート等が挙げられる。
上記成形品は、成形した後、得られる未焼成の成形品を焼成して得られるものであってもよい。焼成温度としては、上記PTFEの融点を超えることが好ましく、360〜400℃であることがより好ましく、370〜390℃であることが更に好ましい。
上記成形品を多孔体とする場合、上記予備成形体は、PTFE以外の樹脂を含むものであることが好ましく、上記PTFE以外の樹脂は溶融加工性フッ素樹脂であることがより好ましい。
この場合、成形した後、得られる未焼成の成形品を焼成する温度は、上記PTFEの融点以下、かつ、上記PTFE以外の樹脂のうち、最も低い融点を有する樹脂の融点以上で行うものであることが好ましく、280〜320℃であることがより好ましく、300〜318℃であることが更に好ましい。
焼成を行うことにより、PTFEは溶融していないため低密度でやわらかく、上記PTFE以外の樹脂は一旦溶融した後固化するため、得られる成形品は、微細な空隙を有するとともに機械的強度に優れたものとなり、多孔質成形体、低誘電率成形体、低誘電正接成形体等とすることができ、電線の被覆材、ケーブル及びフィルターとして特に好適に使用できる。これは、特定の温度範囲内での焼成によってPTFE以外の樹脂が部分的に溶解することにより、PTFE同士の隙間にPTFE以外の樹脂が入り込み、冷却後固化することで空洞を保ったまま機械的強度を上げることを可能にできるからであると考えられる。
上記予備成形体から得られる成形品は、厚みが100μm以下であることが好ましい。より好ましくは、80μm以下であり、更に好ましくは、50μm以下であり、特に好ましくは、30μm以下である。成形品の厚みの下限は、5μmであることが好ましい。
本発明の製造方法で得られた予備成形体を用いることによって、上記のような極めて薄い厚みであっても、均質な厚みに成形することが可能である。
上記予備成形体から得られる成形品としては、例えば、電線、ケーブル等の被覆材、プリント基板の被覆材、チューブ、シート、二軸延伸膜等のフィルム等が挙げられる。また、円柱状、糸状押出を行うことにより成形する、織布、不職布等も挙げられる。
上記予備成形体を用いることによって、成形品の肉厚を極めて薄くすることができるため、特に、細物や薄物と呼ばれる薄肉電線の被覆材、薄膜チューブ(例えば、カテーテル等の医療用チューブ)、又は、フィルター用の材料として特に優れている。
なお、上記厚みは、PTFEを電線又はケーブルの被覆材とした場合には被覆材の膜厚であり、チューブとした場合にはその肉厚であり、円筒状のフィルターとした場合にはその直径であり、チューブ状のフィルターとした場合にはその肉厚である。上記厚みは、電線やケーブルの場合はそれらの直径をマイクロメーターで計測し、計測値から芯線径を引いた値を2で除することにより求めることができ、チューブの場合は、チューブを押しつぶして厚みを計測し、計測値を2で除することにより得ることができる。
上記予備成形体から得られる成形品は、PTFEを含む被覆材の肉厚が薄いため、極細の電線又はケーブルとして特に好適である。電線又はケーブルを製造する場合、押出成形時に押出成形機のマンドレルに芯線を通して押出し、乾燥、焼成を経て製造することができる。極細の電線又はケーブルは、極細同軸ケーブルや、フラットケーブル、モータコイル線、トランスコイル線として有用である。上記芯線の形成材料としては、導電性が良好な材料であれば特に制限されず、例えば、銅、銅合金、銅クラッドアルミニウム、アルミニウム、銀、金、亜鉛めっき鉄等が挙げられる。上記芯線は、単線でも撚り線でもよい。
上記予備成形体から得られる成形品は、肉厚を小さくすることができるため、カテーテル等の医療用チューブ、半導体チューブ、絶縁チューブ、熱交換チューブ等のチューブに好適に使用できる。上記チューブは、上記電線又はケーブルの製造方法と同様にして得られる芯線付きの成形品から芯線を引き抜くことによっても製造することができる。
上記予備成形体から得られる成形品がフィルターである場合、例えば、空気を通すが水は通しにくい性質を有するものとすることができ、酸素富化膜、気液分離膜等のフィルター用途に好適に使用できる。
フィルターとして使用する方法としては、チューブ状に成形してチューブ内側から外側へ、あるいはその逆への流れによってフィルター作用を利用することや、棒状(円柱状)に成形してチューブ内へ入れて円柱中心線に平行な方向への流れによるフィルター作用の利用等が挙げられる。
つぎに本発明を実施例をあげて説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。
(線径ぶれの測定方法)
0.1秒ごとに測定した外径の標準偏差を、外径の平均値で割ることにより求めた。線径ぶれの値が小さいほど外径変化の少ない被覆電線であると言える。
実施例1
容器内に投入したPTFEファインパウダー(ダイキン工業株式会社製 ポリフロンPTFE F−208、第一融点338.1℃、標準比重2.175、平均2次粒径0.55mm)に、炭化水素系溶剤(炭化水素系押出助剤であるIsoparG、エクソン化学社製)が18重量%となるように炭化水素系溶剤を混合し(PTFEファインパウダーは82重量%)、3時間常温に置いた後、容器内を160mmHgで1分間真空ポンプを使って減圧した。その後常圧に戻し、PTFEペーストを得た。
得られたPTFEペーストを、予備成形機を用いて、3MPa、30分間の条件で予備成形して予備成形体を得た。
その後、80tペースト押出成形機を用い、得られた予備成形体を、60℃で、0.700mm径のスズメッキ銅線上に、内径0.762mm金型を用いてリダクションレシオ24659でペースト押出成形した。押出圧力95MPaで成形可能であった。また、押出安定後、線径が±5%以上ぶれることなく100m成形できた。
実施例2
容器内に投入したPTFEファインパウダー(ダイキン工業株式会社製 ポリフロンPTFE F−208)に、炭化水素系溶剤(炭化水素系押出助剤であるIsoparG、エクソン化学社製)が20重量%となるように炭化水素系溶剤を混合し(PTFEファインパウダーは80重量%)、3時間常温に置いた後、容器内を160mmHgで1分間真空ポンプを使って減圧した。その後常圧に戻し、PTFEペーストを得た。
得られたPTFEペーストを、予備成形機を用いて、3MPa30分間の条件で予備成形して予備成形体を得た。
得られた予備成形体を、80tペースト押出成形機を用い、60℃で、0.700mm径のスズメッキ銅線上に、内径0.762mm金型を用いてリダクションレシオ24659でペースト押出成形した。押出圧力81MPaで成形可能であった。また、押出安定後、線径が±5%以上ぶれることなく100m成形できた。
比較例1
容器内に投入したPTFEファインパウダー(ダイキン工業株式会社製 ポリフロンPTFE F−208)に、炭化水素系溶剤(炭化水素系押出助剤であるIsoparG、エクソン化学社製)が18重量%となるように炭化水素系溶剤を混合し(PTFEファインパウダーは82重量%)、3時間常温に置いて、PTFEペーストを得た。
得られたPTFEペーストを、実施例1と同様の方法で予備成形体を得て、その後、0.700mm径のスズメッキ銅線上に、内径0.762mm金型を用いてリダクションレシオ24659でペースト押出成形を試みたが、押出圧力が100MPaを超えても押出しできなかった。
比較例2:
容器内に投入したPTFEファインパウダー(ダイキン工業株式会社製 ポリフロンPTFE F−208)に、炭化水素系溶剤(炭化水素系押出助剤であるIsoparG、エクソン化学社製)が20重量%となるように炭化水素系溶剤を混合し(PTFEファインパウダーは80重量%)、3時間常温に置いて、PTFEペーストを得た。
得られたPTFEペーストを、実施例2と同様の方法で予備成形体を得て、その後、0.700mm径のスズメッキ銅線上に、内径0.762mm金型を用いてリダクションレシオ24659でペースト押出成形したところ、押出圧力が92MPaで押出し可能であったが、過剰助剤の影響で、樹脂被覆が不連続であった。
ペースト押出助剤の量が同じである実施例1と比較例1、又は、実施例2と比較例2とを比較するとわかるように、実施例1及び2では、減圧した後、常圧に戻すことによって、高いリダクションレシオであっても押出圧を低くすることができ、また、成形不良が発生しにくい予備成形体が得られていることがわかる。また、比較例2では過剰助剤の影響で樹脂被覆が不連続であったのに対し、実施例2では線径が±5%以上ぶれることなく成形できている。実施例2では、陰圧下に放置することによりPTFEファインパウダーの一次粒子間にペースト押出助剤が浸透したため、助剤が過剰にならなかったものと考えられる。

Claims (1)

  1. ポリテトラフルオロエチレンファインパウダーとペースト押出助剤とを混合して混合物を得る工程と、
    前記混合物を陰圧下に放置する工程と、
    前記混合物を常圧下に戻してポリテトラフルオロエチレンペーストを得る工程と、
    得られたポリテトラフルオロエチレンペーストを予備成形する工程と、を含み、
    前記混合物中のポリテトラフルオロエチレンファインパウダーとペースト押出助剤との質量比(ポリテトラフルオロエチレンファインパウダー/ペースト押出助剤)が87/13〜75/25である
    ことを特徴とする予備成形体の製造方法。
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