JP4900472B2 - ポリテトラフルオロエチレン成形品の製造方法 - Google Patents

ポリテトラフルオロエチレン成形品の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ポリテトラフルオロエチレン成形品の製造方法に関する。
ポリテトラフルオロエチレン〔PTFE〕は、その優れた性質から、さまざまな用途に用いられてきた。近年の技術の進歩と共に、情報通信機器、医療用機器、自動車部品等は小型化し、それに伴って、フッ素樹脂が使用されている電線、ケーブル、チューブ、フィルター等も、微細化、薄膜化が強く求められている。
PTFEを電線、ケーブル、チューブ、フィルター等に成形する場合、PTFEは、モールディングパウダーやファインパウダー、ペレットと呼ばれる形態で使用される。しかし、ポリテトラフルオロエチレンの1次粒子の直径は、微小であるために取り扱いが困難であり、成形品の製造に用いるためには2次粒子にする必要があった。そのため、これらの成形用材料を成形した場合、概ね100μmの厚みが限界であり、それ以下の厚みに成形しようとすると均一な厚みが得られなかった。
また、1次粒子を乾燥状態で得ることができず、1次粒子を予備成形に供することができないという問題もあった。
特許文献1には、細物の電線として、直径が0.05〜0.07mmである芯線に対して、一定条件下で被覆したときに被覆切れを起こさないフッ素樹脂が提案されているが、フッ素樹脂としては、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン/パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体等の溶融加工可能な樹脂に限られていた。
国際公開第2005/052015号パンフレット
本発明は、上記現状に鑑み、PTFE成形品のPTFEの厚みを極めて薄くすることができ、押出成形時の押出圧力が極めて小さいPTFE成形品の製造方法を提供する。
本発明は、ポリテトラフルオロエチレンの1次粒子の分散液の押出成形を行う工程を含むことを特徴とするポリテトラフルオロエチレン成形品の製造方法である。
以下に本発明について詳細に説明する。
本発明は、ポリテトラフルオロエチレン〔PTFE〕の1次粒子の分散液の押出成形を行う工程を含むことを特徴とするポリテトラフルオロエチレン成形品の製造方法である。
従来、PTFEの分散液は、使用用途が塗装や含浸等に限られていたが、本発明の製造方法においては、これを押出成形に使用することにより、押出成形時の押出圧力を極めて小さくすることができ、PTFEの肉厚が極めて薄いPTFE成形品を容易に製造することができるものである。
いわゆる薄物や細物と呼ばれるPTFE成形品は、通常、ペースト押出成形により製造され、ファインパウダーと呼ばれる形態の成形用材料が使用される。従来の成形で使用されていたファインパウダーは、乳化重合で得られた水性分散液を凝析・乾燥して得られるものであり、重合により生成した1次粒子が凝集して粒径100μm程度の2次粒子となったものを主体とする。このため、これを使用して得られる成形体は、100μmの厚みが限界で、それ未満の厚みでは均一な被覆やチューブができない。これは、2次粒子内で1次粒子同士が密着しており、そのため押出時に受けるシェアが高いからであると考えられる。
本発明の製造方法では、凝析を経ていない分散液を成形用材料として使用する。従って、本発明の製造方法は、押出成形時の押出圧力を極めて小さくすることができ、従来は得ることができなかったPTFEの厚みが50μm以下である成形品をも製造することができる。この理由としては、本発明の製造方法において使用する分散液が凝析を経ておらず、粒子が1次粒子のままであり、更に、1次粒子の周りには水などが存在し、1次粒子同士の密着が少ない状態にあるため、押出時に受けるシェアが極端に低いからであると考えられる。
一次粒子とは、水性媒体中でテトラフルオロエチレンと所望により微量単量体との乳化重合を行うことにより得られるPTFE水性分散液(「重合上がりの水性分散液」ということがある。)に含まれる粒子を意味し、その後に重合上がりの水性分散液を濃縮等した場合であっても1次粒子が凝集していなければよい。
上記重合上がりの水性分散液とは、乳化重合終了後に濃縮、希釈、精製、凝析等の処理の履歴がないものをいう。
上記PTFEは、テトラフルオロエチレンホモポリマーであってもよいし、テトラフルオロエチレン〔TFE〕と微量単量体とを重合して得られる非溶融加工性のフルオロポリマー〔変性PTFE〕であってもよい。上記微量単量体としては、例えば、ヘキサフルオロプロピレン〔HFP〕、クロロトリフルオロエチレン〔CTFE〕等のフルオロオレフィン、炭素原子1〜5個、特に炭素原子1〜3個を有するアルキル基を持つフルオロ(アルキルビニルエーテル);フルオロジオキソール;パーフルオロアルキルエチレン;ω−ヒドロパーフルオロオレフィン等が挙げられる。上記変性PTFEを用いることにより、TFEを用いた場合に比べて押出圧力を低下させることができる。
上記変性PTFEは、上記微量単量体単位を、TFE単位と微量単量体単位との合計に対して0.01〜1質量%含有するものであることが好ましい。上記微量単量体単位の含有量が0.01質量%未満であると、微量単量体添加による効果が得られないおそれがあり、1質量%を超えると、機械的強度が低下するおそれがある。上記微量単量体単位の含有量は、好ましい下限が0.03質量%であり、好ましい上限が0.2質量%である。
本明細書において、上記パーフルオロビニルエーテル単位は、特性吸収1040〜890cm−1の範囲で赤外分光分析を行うことにより求められる値である。
本発明の製造方法は、PTFEの1次粒子の分散液の押出成形を行うものである。上記分散液は、PTFEの1次粒子を含むものであれば、PTFEとPTFE以外の樹脂との混合物であってもよい。PTFE以外の樹脂としては、例えば、TFE/HFP共重合体〔FEP〕、TFE/パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)〔PAVE〕共重合体〔PFA〕、エチレン/TFE共重合体〔ETFE〕、ポリビリニデンフルオライド〔PVdF〕、ポリクロロトリフルオロエチレン〔PCTFE〕、ポリプロピレン、ポリエチレン等が挙げられる。
上記PAVEとしては、熱的安定性の点で、パーフルオロ(メチルビニルエーテル)〔PMVE〕、パーフルオロ(エチルビニルエーテル)〔PEVE〕、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)〔PPVE〕、パーフルオロ(ブチルビニルエーテル)であることが好ましく、PPVEであることがより好ましい。また、上記PAVE単位を1種有するものであってもよいし、2種以上有するものであってもよい。
上記混合物は、上記PTFEが、40wt%以上100wt%未満であり、上記PTFE以外の樹脂が0wt%超60wt%未満であるものが好ましい。上記PTFEが40wt%未満であると、得られるPTFE成形品の耐熱性、耐薬品性、耐候性、非粘着性、電気的絶縁性、難燃性、機械的強度が劣るおそれがある。上記混合物は、上記PTFEが70wt%以上であり、上記PTFE以外の樹脂が30wt%未満であるものがより好ましい。
上記PTFE以外の樹脂としては、PTFE成形品の耐熱性を向上させ、比較的高温下でも安定した使用が可能となる点で、溶融加工可能なフッ素樹脂が好ましく、溶融加工可能なフッ素樹脂としては、例えば、FEP、PFA、PVdF、ETFE、EFEPが挙げられ、なかでも、FEP、PFAが好ましい。上記PFAとしては、TFE/PMVE共重合体、TFE/PPVE共重合体等が挙げられる。
上記混合物は、PTFE以外の樹脂のパウダーをPTFEの1次粒子の分散液に添加することにより調製してもよいし、PTFE以外の樹脂の分散液をPTFEの1次粒子の分散液に添加することにより調製してもよい。PTFE以外の樹脂は、1次粒子が凝集して2次粒子となったものであってもよい。
上記PTFEは、樹脂粒子の平均1次粒径が0.02〜0.5μmであることが好ましく、より好ましい下限は0.1μmであり、より好ましい上限は0.3μmである。平均1次粒径が大きすぎると、薄く均一な肉厚が得られないおそれがあり、小さすぎると、成形品の機械的強度が劣るおそれがある。本明細書において、上記平均1次粒径は、PTFEの1次粒子の分散液を固形分濃度0.15質量%に調製してセルに入れ、550nmの光を入射したときの透過率と、透過型電子顕微鏡写真により定方向径を測定して算出した数平均1次粒径との相関を検量線にまとめ、得られた検量線と各試料について測定した上記透過率とから求める値である。
上記PTFEは、成形品の機械的強度の点で、標準比重〔SSG〕が2.2以下であるものが好ましい。上記SSGのより好ましい下限は2.12、更に好ましい下限は2.15であり、成形性の点でより好ましい上限は2.19である。上記SSGは、ASTM D−4895 98に準拠して成形されたサンプルを用い、ASTM D−792に準拠した水置換法により測定した値である。
上記水性分散液は、PTFEの肉厚の薄い成形品が得られ、押出成形が容易である点で、乳化重合により得られた水性分散液であることが好ましい。すなわち、本発明の製造方法は、乳化重合によりPTFEの1次粒子の分散液を得る工程(a)を含むことが好ましい。
本発明の製造方法は、更に、上記工程(a)により得られた分散液を濃縮して1次粒子の分散液を得る工程(b)を含むことが好ましく、上記PTFEの1次粒子の分散液を濃縮してPTFEの固形分濃度が50wt%以上である分散液を得る工程を含むものであることがより好ましい。上記分散液中のPTFEの固形分濃度が50wt%以上であると、押出成形が容易となる。上記PTFEの固形分濃度は、60wt%以上であることが好ましい。上記固形分濃度は、分散液を150℃で1時間乾燥した時の質量減少より求めるものである。
本発明の製造方法は、2次粒子を形成させる操作を含まない。従って、PTFEは、乳化重合により得られる1次粒子の状態で分散液中に存在する。上記2次粒子を形成させる操作とは、例えば、凝析、過度の剪断力を与える撹拌等を挙げることができる。
上記濃縮は、例えば、減圧下で水分を蒸発させる方法、遠心沈降法、電気泳動法、相分離法により行うことができ、なかでも、相分離法が好ましい。上記相分離法としては、界面活性剤を添加した後、曇点近傍に昇温することにより相分離させる方法(曇点濃縮法)が好ましい。
上記濃縮の際、界面活性剤を添加してもよく、上記界面活性剤としては、例えば、非イオン系界面活性剤、陽イオン系界面活性剤、陰イオン系界面活性剤等が挙げられるが、非イオン系界面活性剤が好ましい。
上記分散液は、押出成形が円滑に進む点で、有機溶剤を含むものであることが好ましい。上記有機溶剤は、上記PTFEと所望により含まれるPTFE以外の樹脂との合計に対し、10〜40質量%添加することが好ましい。上記有機溶剤は、PTFE及びPTFE以外の樹脂の表面を覆うことができる量を添加することが好ましく、有機溶剤を添加することにより水性媒体と溶媒交換を行い、有機溶剤を主体とする媒体中にPTFEの1次粒子が分散したものが得られる程度まで添加することがより好ましい。有機溶剤中に分散させた後に押出成形を行うと、例えば、押出成形により電線やケーブルを製造した場合に、PTFEと芯線との接着性を著しく向上させることができる。
上記有機溶剤としては、ソルベントナフサ、ホワイトオイル等の炭化水素系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶剤、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、エチレングリコール、グリセリン等のアルコール系溶剤、エチレングリコールモノブチルエーテル等のエーテル系溶剤等が挙げられ、なかでも、水に溶解しない溶剤が好ましく、炭化水素系溶剤がより好ましい。
上記分散液に、酸化防止剤、光安定剤、蛍光増白剤、着色剤、顔料、染料、フィラー等を添加してもよく、例えば、カーボンブラック、グラファイト、アルミナ、マイカ、炭化珪素、窒化硼素、酸化チタン、酸化ビスマス、ブロンズ、金、銀、銅、ニッケル等の粉末又は繊維粉末等が挙げられる。また、本発明の目的を損なわない範囲であれば、上述した樹脂以外の他の重合体微粒子、その他の成分を含有させて使用することができる。
上記分散液は、PTFEの1次粒子を50〜90質量%、水を0.1〜20質量%、界面活性剤を0〜1質量%、及び、有機溶剤を0〜30質量%含むことが好ましい。上記分散液が、このような組成を有するものであると、PTFE成形品のPTFEの厚みを極めて薄くすることができ、押出成形時の押出圧力を小さくすることができる。
ここで、1次粒子とは、1次粒子として分散液中に存在していることをいう。
また、上記分散液は、PTFEの1次粒子を50〜90質量%、水と有機溶剤とを、合計で0.1〜50質量%含むことが好ましい。この場合、上記分散液は、界面活性剤を含んでも、含まなくてもよい。上記分散液が、このような組成を有するものであると、PTFE成形品のPTFEの厚みを極めて薄くすることができ、押出成形時の押出圧力を小さくすることができる。
上記1次粒子の含有量は、分散液中の1次粒子のPTFE固形分濃度であり、分散液を250℃で1時間乾燥した時の質量減少より求めるものである。
上記分散液は、PTFEの1次粒子を50〜90質量%、水を0.1〜20質量%、界面活性剤を0〜1質量%、及び、有機溶剤を5〜30質量%含むことがより好ましい。
特に、分散液に有機溶剤が5質量%以上含まれると、押出成形が極めて容易となるとともに、分散液の取扱性や保管及び移送の際の安定性にも優れる。
上記分散液は、2次粒子を実質的に(成形品の物性が低下するほど)含まないものである。2次粒子を実質的に含まないとは、成形品の物性が低下する程含まない状態である。上記2次粒子は、PTFE樹脂分をフィルタリングして2次粒子を選別することで定量することができる。
上記ポリテトラフルオロエチレンの一次粒子の含有量は、ポリテトラフルオロエチレンの1次粒子が凝集して、2次粒子となるのを防止できる点から、90質量%以下であることが好ましい。
上記界面活性剤は、分散液100質量%に対して0〜1質量%であることが好ましい。1質量%を超えると、成形品に悪影響を与えるおそれがある。上記界面活性剤は、分散液の安定性向上のため、0質量%を超えることがより好ましい。
上記分散液は、特定条件でペースト押出成形を行った場合の押出圧力が、25MPa以下であることが好ましく、5MPa以下であることがより好ましく、1.2MPa以下であることが更に好ましい。
上記ペースト押出成形とは、円形、方形等の断面形状をもつシリンダ内に押出し物を入れて、ラムやピストン等の機械的手段で、常圧(自然状態の圧力)よりも加圧して、シリンダ断面積よりも小さいダイから押出すことで成形体を得る成形方法である。
上記特定条件とは、シリンダ内径が50mm、マンドレル外径が16mm、ダイ角度が30度、ダイ内径が0.77mmの電線成形用ペースト押出し機(例えば、田端機械工業株式会社製横型電線ペースト押出し成形機)で、芯線として直径0.70mmであるニッケルメッキ銅線を線速度5m/minで押出すことにより、ニッケルメッキ銅線上に上記分散液を20〜40mmの厚みで分散液を塗布する状態である。
上記分散液は、2次粒子を含むものでなければ、上記工程(a)により得られる重合上がりの分散液であってもよいし、上記工程(b)により得られる濃縮された分散液であってもよい。
本発明の製造方法において、押出成形は、一般にペースト押出成形と呼ばれる成形法と同じ方法により行うことができる。ペースト押出成形では、通常、乳化重合で製造したファインパウダーに適当な押出助剤を加えてペースト状にしたコンパウンドを予備成形したビレットを用いて押出成形を行うが、本発明の製造方法では、PTFEの1次粒子の分散液を用いて押出成形を行う点で従来のペースト押出成形とは異なる。
上記押出成形時に加熱してもよく、加熱温度は、使用する樹脂の種類により異なるが、例えば、押出成形機の金型温度を40〜95℃に設定して行うことができる。
上記押出形成の後、得られる未焼成の成形品を焼成してもよく、焼成温度としては、上記PTFEの融点を超えることが好ましく、360〜400℃であることがより好ましく、370〜390℃であることが更に好ましい。
PTFE成形品を多孔体とする場合、上記分散液は混合物であることが好ましく、上記PTFE以外の樹脂は溶融加工性フッ素樹脂であることが好ましい。この場合、上記押出形成の後、得られる未焼成の成形品を焼成する温度は、特定の温度範囲で行うことが好ましく、上記PTFEの融点以下、かつ、上記PTFE以外の樹脂のうち、最も低い融点を有する樹脂の融点以上で行うものであることが好ましく、280〜320℃であることがより好ましく、300〜318℃であることが更に好ましい。
特定の温度範囲内での焼成を行うことにより、PTFEは未焼成のため低密度でやわらかく、上記PTFE以外の樹脂は一旦溶融した後固化するため、得られる成形品は、微細な空隙を有するとともに機械的強度に優れたものとなり、多孔質成形体、低誘電率成形体、低誘電正接成形体等とすることができ、電線、ケーブル及びフィルターとして特に好適に使用できる。これは、特定の温度範囲内での焼成によってPTFE以外の樹脂が部分的に溶解することにより、PTFE同士の隙間にPTFE以外の樹脂が入り込み、冷却後固化することで空洞を保ったまま機械的強度を上げることを可能にできるからであると考えられる。
本発明の製造方法は、PTFEの肉厚を極めて薄くすることができ、従来技術では達成することができなかった厚み50μm以下のPTFE成形品をも製造することができるので、いわゆる細物や薄物と呼ばれる電線、ケーブル、チューブ、フィルター等のPTFE成形品の製造方法として特に優れている。
上記厚みは、PTFEを電線又はケーブルの被覆材とした場合の被覆材の膜厚、チューブとした場合の肉厚、円筒状のフィルターとした場合の直径、チューブ状のフィルターとした場合の肉厚のいずれかである。上記厚みは、電線やケーブルの場合はそれらの直径をマイクロメーターで計測し、計測値から芯線径を引いた値を2で除することにより求めることができ、チューブの場合は、チューブを押しつぶして厚みを計測し、計測値を2で除することにより得ることができる。
本発明の製造方法により得られるPTFE成形品は、PTFEを含む被覆材の肉厚が薄いため、極細の電線又はケーブルとして特に好適である。本発明の製造方法により電線又はケーブルを製造する場合、押出成形時に押出成形機のマンドレルに芯線を通して押出し、乾燥、焼成を経て製造することができる。上記芯線として銅線を使用した場合、薄肉厚の被覆電線が得られ、極細同軸ケーブルや、フラットケーブル、モータコイル線、トランスコイル線として有用である。
本発明の製造方法により得られるPTFE成形品は、肉厚が小さいため、医療用チューブ、半導体チューブ、絶縁チューブ、熱交換チューブ等の用途に好適に使用できる。上記チューブは、上記電線の製造方法と同様にして得られる芯線付きの成形品から芯線を引き抜くことによっても製造することができる。
本発明の製造方法により得られるPTFE成形品がフィルターである場合、例えば、空気を通すが水は通しにくい性質を有するものとすることができ、酸素富化膜、気液分離膜等のフィルター用途に好適に使用できる。
フィルターとして使用する方法としては、チューブ状に成形してチューブ内側から外側へ、あるいはその逆への流れによってフィルター作用を利用することや、棒状(円柱状)に成形してチューブ内へ入れて円柱中心線に平行な方向への流れによるフィルター作用の利用等が挙げられる。
本発明の製造方法は、上述の構成よりなることから、従来は得ることができなかった50μm以下の厚みのPTFE成形品を製造することができる。
以下、実施例、比較例を示し、本発明を具体的に説明する。
なお、各実施例及び比較例において、各値の測定は以下の方法により行った。
水性分散液の固形分濃度
水性分散液を250℃で1時間乾燥した時の質量減少より求めた。
被覆材の膜厚
電線の直径をマイクロメーターで計測し、計測値から芯線径を引いた値を2で除することにより求めた。
実施例1
乳化重合により得られたHomoPTFEの1次粒子の水性分散液を曇点濃縮法により固形分60wt%まで濃縮し、更に、炭化水素系溶剤(商品名、アイソパーG(登録商標)、エクソン社製)をPTFE固形分に対して30wt%加えた。このようにして得られた分散液を、押出金型内寸0.77mmのペースト押出機により、芯線としてニッケルメッキ線(直径0.7mm)を使って押出した。
ペースト押出機のシリンダ直径は50mm、マンドレル外径は16mmであった。押出圧力は5MPaであった。押出直後は、ロールやプーリーなどで方向転換する前に乾燥、焼成を行った。焼成には、380℃の熱風を使用した。ニッケルメッキ線0.7mmの表面に、片面28μmのPTFE被覆を作ることができた。
実施例2
押出金型内寸を0.72mmとした以外は、実施例1と同様に電線被覆を行った。ニッケルメッキ線の表面に、片面8μmの被覆を行うことができた。押出圧力は、20MPaであった。
実施例3
乳化重合により得られた変性PTFE(ヘキサフルオロプロピレン単位0.8質量%、SSG2.175)の1次粒子の水性分散液を用いたこと以外は実施例1と同様に電線被覆を行った。
押出圧力は1.2MPaで、被覆厚みは26μmであった。
実施例4
押し出し金型内寸を0.72mmにしたこと以外は実施例3と同様に電線成形を
行ったところ片面7μmの被覆を行うことができた。押出圧力は5.5MPaであった。
比較例1
PTFEファインパウダー(商品名、ポリフロンF−208、ダイキン工業株式会社製)と、PTFEファインパウダーに対して18wt%の炭化水素系溶剤(商品名、アイソパーG(登録商標)、エクソン社製)とを混合し、実施例1と同様に押出しを行ったが、押出圧力を90MPaとしても押し出すことができなかった。
本発明の製造方法は、PTFEの優れた性質を必要とし、かつ、細物又は薄物が必要とされる分野において、電線、ケーブル、チューブ、フィルター等を製造する方法として好適に利用できる。

Claims (5)

  1. ポリテトラフルオロエチレンの1次粒子の分散液の押出成形を行う工程を含むポリテトラフルオロエチレン成形品の製造方法であって、
    前記分散液は凝析を経ていない分散液であり、
    前記ポリテトラフルオロエチレン成形品は、電線、ケーブル、チューブ又はフィルターであることを特徴とする製造方法。
  2. 分散液は、ポリテトラフルオロエチレンの1次粒子を50〜90質量%、水を0.1〜20質量%、界面活性剤を0〜1質量%、及び、有機溶剤を0〜30質量%含むものである請求項1記載のポリテトラフルオロエチレン成形品の製造方法。
  3. 乳化重合により、ポリテトラフルオロエチレンの1次粒子の分散液を得る工程(a)、及び、
    前記工程(a)により得られた分散液を濃縮して、1次粒子の分散液を得る工程(b)を含む
    ことを特徴とする請求項1又は2記載のポリテトラフルオロエチレン成形品の製造方法。
  4. 押出成形は、ペースト押出し成形である請求項1、2又は3記載のポリテトラフルオロエチレン成形品の製造方法。
  5. ポリテトラフルオロエチレンは、乳化重合により得られる1次粒子の状態で分散液中に存在する請求項1、2、3又は4記載のポリテトラフルオロエチレン成形品の製造方法。
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