JP5167270B2 - 金属材料用下地処理剤および金属材料の下地処理方法 - Google Patents

金属材料用下地処理剤および金属材料の下地処理方法 Download PDF

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Description

本発明は、金属材料の表面に下地処理被膜を形成させるための金属材料用下地処理剤、それを用いた金属材料の下地処理方法、下地処理被膜付き金属材料および積層部材に関する。
工業製品には様々な金属材料が用いられており、耐食性および密着性に加え、耐熱性、親水性、摺動性等の機能性を付与するための各種の表面処理が施されることが多い。
一般的に、金属材料と樹脂との接着性を向上させるには、ブラスト等により機械的に金属基材表面を粗面化し、いわゆるアンカーを形成させる手法が古くから用いられている。
しかしながら、このような機械加工は、概して、生産性が悪く高コストになりがちであり、また、加工の際に発生する微粒子によって電子電気部品の精密性を損なわれることが多い。
したがって、最近では、アンカー効果および樹脂との化学的親和性による密着性の向上を目的として、金属材料の表面に何らかの化学的表面処理が施されることも多い。
例えば、密着性向上のための表面処理として、特許文献1および2においては、金属材料の表面にクロメート処理を施すことにより接着性を向上させることを目的とした方法が記載されている。
また、特許文献3においては、電解法を用いて、表面に多数の微細な鱗片状突起を有する特殊なクロム化合物層を形成させる方法が記載されている。
しかしながら、これらの方法は、いずれも表面処理液に有害な6価のクロム化合物を用いており、金属基材表面上に形成された被膜中にも6価クロムが含有されているものと考えられ、環境上好ましくない。
また、2000年10月発効のELV指令および2003年2月発効のRoHS指令に基づき、電子電気機器、自動車部品等においては、特に使用が制限される方向にある。
したがって、6価クロム化合物を用いることなく樹脂との密着性の向上を目的とする、金属材料の表面処理の研究開発が行われている。
一方、金属材料のうち、銅、銅合金等の銅材料については、その特徴の一つとして、高い電気伝導性および放熱特性を有していることが知られている。銅材料は、この特徴を活かして、例えば、プリント配線板、リードフレーム、LSI等の電子電気部品に広く用いられている。
電子電気部品に用いられる部材中には、銅材料と樹脂との接合部分が多く存在する。これらは熱がかかった状態において、銅材料と樹脂との間の密着性が求められる。具体的には、熱安定性、化学的安定性、絶縁特性等に優れるために用いられるエポキシ樹脂、ポリイミド樹脂等の熱硬化性樹脂や、成形温度の高い熱可塑性樹脂を用いる場合は、これらの樹脂を銅材料上に成形する際に部品全体を150〜350℃といった高温にさらす必要が生じうる。更に、半導体素子等の能動部品や、LCR等の受動部品を実装する際には、半田付けが用いられるが、昨今の環境問題から鉛半田が使用できなくなるため、半田リフロー温度は益々高温になりつつある。
このような状況において、銅材料と樹脂との接着性が劣ると、特に高温になったときに、銅材料の表面に吸着していた水分や製造工程で樹脂の接着界面に吸収された水分が膨張して、銅材料と樹脂との界面でのはく離を促し、また、銅材料が膨れなどを生じて内部の耐食性を損なったり、場合によっては樹脂が割れたりすることにより配線パターンが破壊されるという結果を引き起こしうる。
また、加熱時に銅材料と樹脂との界面に脆弱な酸化被膜が生成し、その凝集破壊により接着劣化を起こしたり、また、ポリイミド樹脂やSi単結晶中に容易に拡散して電気特性の劣化を招いたりするなど配線材料に銅材料を用いる際はこれらの対策も求められる。
6価クロム化合物を用いない銅材料の化学的表面処理として知られている「黒化処理」といわれる酸化銅処理であっても、加熱時において当初の密着力を維持することができず、また、接着初期の接着性は良好であるものの耐久性に劣るため経時的に接合強度が低下するという問題点が指摘されている。また、黒化処理の場合は、塩酸などに容易に溶解してしまう。そのため、プリント配線板製造の際でのスルーホール接続のめっき工程で、穴の周辺の酸化銅がめっき浴中の酸によって溶解侵食されてしまう、いわゆるピンクリングなどの不具合が生じるという問題も指摘されている。
更に、近年になって、プリント配線板の高密度化、信号の高速化が求められており、銅配線の薄型化、挟幅化が進んできている。
そのため、化学的表面処理のうちでも、表面粗化技術については、ファインパターンの形成に限界があり、また、ギガHz以上の高周波数帯で使用されるデバイスでは表皮効果が大きくなるため、表面が粗化されると伝送損失が大きくなってしまうことから、表面を粗化することなく化学的親和性のみで樹脂との接着を改善させる表面処理の開発が切望されている。
しかしながら、現時点で知られている表面粗化のない化学的表面処理としては、シランカップリング剤を用いた塗布型処理が知られているが、実用レベルの接着強度が得られていないのが現状である。
上記のように、従来では、金属材料とプリプレグなどの樹脂との接着性向上のために、金属材料表面をエッチングする方法や、クロメート処理または酸化銅処理などのように金属基材表面上に反応により被膜形成させる化学的処理方法が提案されていた。
これらの従来技術の問題点をまとめると、まず、従来のエッチング方法や化学的処理方法では、処理工程時や、エッチング後または化学的処理後に必要とされる金属材料の表面の洗浄工程時に、多量の再生できない廃液が発生するため、環境負荷が大きく環境保護面から好ましくなかった。さらに、洗浄工程などの工程数の増加に伴い、製造手順が煩雑になり生産性が低かった。特に、化学的処理方法では、反応時間がある程度必要とされるため工程自体の時間がかかり、さらに生産性の低下を招いていた。さらには、装置の大型化が必要であり、コスト面でも好ましくなかった。
また、他の問題点として、上述のように、表面処理後の金属材料表面が粗化されてしまい、回路の作製に際して高周波電流を流した際の伝送損失が増加するといったことや、特許文献4に記載されるように微小回路の形成が困難とされていた。さらには、プリント配線基板などに使用する場合は、金属基板表面が荒れていると、その粗さを緩和するために積層させるプリプレグを厚くする必要があり、不経済であった。
特開平9−209167号公報 特開平9−172125号公報 特開2000−183235号公報 特開平7−314603号公報
本発明は、上記のような現状に鑑みて、金属材料表面を粗化することなく金属材料とプリプレグなどの樹脂との接着性、特に高温下での接着性を良好とし、かつ、6価クロム等の環境汚染の原因となる物質を用いず、環境負荷が小さく、低コストな金属材料用下地処理剤、それを用いた生産性に優れ、環境面でも有利な金属材料の下地処理方法、この下地処理方法により得られる下地処理被膜付き金属材料および積層部材を提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意検討した結果、ベンゼン核と所定の官能基を有する化合物および/またはチオ尿素誘導体と、所定のエラストマーとを含有する金属材料用下地処理剤を用いることにより、金属材料と樹脂との接着性、特に高温下での接着性を優れたものにすることができることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は、以下の(1)〜(20)を提供する。
(1) 1個以上のベンゼン核と、水酸基、カルボキシ基およびアミノ基からなる群から選択され、前記ベンゼン核を構成する炭素原子に直接結合する2個以上の官能基とを有する化合物(A−1)、および、チオ尿素誘導体(A−2)からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物(A)と、少なくとも1種のエラストマー(B)と、少なくとも1種の酸化剤(C)とを含有し、前記酸化剤(C)が、酸化数が5のVA族元素化合物、および、酸化数が6のVIA族元素化合物からなる群から選択される少なくとも1種である金属材料用下地処理剤。
) 前記化合物(A−1)が、下記式(1)若しくは式(2)で表される環状有機化合物、前記環状有機化合物の重縮合物、または、前記環状有機化合物と他の重合性化合物との共重合物である(1)に記載の金属材料用下地処理剤。

(式(1)中、X1〜X6は、それぞれ独立に、水素原子または官能基を表し、X1〜X6のうち2個以上は、水酸基、カルボキシ基およびアミノ基からなる群から選択される官能基を表す。
式(2)中、Y1〜Y8は、それぞれ独立に、水素原子または官能基を表し、Y1〜Y8のうち2個以上は、水酸基、カルボキシ基およびアミノ基からなる群から選択される官能基を表す。)
) 前記チオ尿素誘導体(A−2)が、下記式(3)で表される化合物である(1)または(2)に記載の金属材料用下地処理剤。

(式(3)中、Z1およびZ2は、それぞれ独立に、アルキル基、アリール基、アルコキシカルボニル基、アミノ基、アルキルアミノ基、アリルアミノ基、アセチルアミノ基、ヒドロキシエチルアミノ基、N−ベンゾイルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基、フェニルアミノ基、トリルアミノ基、ナフチルアミノ基、フェニルアゾ基、グアニルアミノ基、ニコチン基、ヒドラジノ基、フェニルヒドラジノ基、チオカルバモイル基、またはチオカルバモイルアミノ基を表す。)
) 前記チオ尿素誘導体(A−2)が、下記式(4)で表される化合物である(1)〜()のいずれかに記載の金属材料用下地処理剤。

(式(4)中、R1、R2、R3、およびR4は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基、またはヒドロキシアルキル基を表す。)
1個以上のベンゼン核と、水酸基、カルボキシ基およびアミノ基からなる群から選択され、前記ベンゼン核を構成する炭素原子に直接結合する2個以上の官能基とを有する化合物(A−1)、および、チオ尿素誘導体(A−2)からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物(A)と、少なくとも1種のエラストマー(B)とを含有する金属材料用下地処理剤を用いて、金属材料を処理して得られる下地皮膜付き金属材料であって、前記下地皮膜の金属材料側の表層に前記金属材料由来の金属原子が濃化され、前記金属原子の一部が金属状態で存在する、下地皮膜付き金属材料。
(6) 前記金属材料用下地処理剤が、さらに、少なくとも1種の酸化剤(C)を含有する、(5)に記載の下地皮膜付き金属材料。
(7) 前記酸化剤(C)が、硝酸系化合物、硫酸系化合物、ハロゲン酸系化合物、酸化数が4または5のVA族元素化合物、酸化数が6のVIA族元素化合物、銅(II)化合物、鉄(III)化合物、および有機過酸化物からなる群から選択される少なくとも1種である、(6)に記載の下地皮膜付き金属材料。
(8) 前記化合物(A−1)が、下記式(1)若しくは式(2)で表される環状有機化合物、前記環状有機化合物の重縮合物、または、前記環状有機化合物と他の重合性化合物との共重合物である、(5)〜(7)のいずれかに記載の下地皮膜付き金属材料。

(式(1)中、X 1 〜X 6 は、それぞれ独立に、水素原子または官能基を表し、X 1 〜X 6 のうち2個以上は、水酸基、カルボキシ基およびアミノ基からなる群から選択される官能基を表す。
式(2)中、Y 1 〜Y 8 は、それぞれ独立に、水素原子または官能基を表し、Y 1 〜Y 8 のうち2個以上は、水酸基、カルボキシ基およびアミノ基からなる群から選択される官能基を表す。)
(9) 前記チオ尿素誘導体(A−2)が、下記式(3)で表される化合物である、(5)〜(8)のいずれかに記載の下地皮膜付き金属材料。

(式(3)中、Z 1 およびZ 2 は、それぞれ独立に、アルキル基、アリール基、アルコキシカルボニル基、アミノ基、アルキルアミノ基、アリルアミノ基、アセチルアミノ基、ヒドロキシエチルアミノ基、N−ベンゾイルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基、フェニルアミノ基、トリルアミノ基、ナフチルアミノ基、フェニルアゾ基、グアニルアミノ基、ニコチン基、ヒドラジノ基、フェニルヒドラジノ基、チオカルバモイル基、またはチオカルバモイルアミノ基を表す。)
(10) 前記チオ尿素誘導体(A−2)が、下記式(4)で表される化合物である、(5)〜(9)のいずれかに記載の下地皮膜付き金属材料。

(式(4)中、R 1 、R 2 、R 3 、およびR 4 は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基、またはヒドロキシアルキル基を表す。)
11らに、前記下地皮膜の金属材料側の表層に、バナジウム、ニオブ、タンタル、モリブデン、およびタングステンからなる群から選択される少なくとも1種の金属原子が濃化される、(6)〜(10)のいずれかに記載の下地皮膜付き金属材料。
121個以上のベンゼン核と、水酸基、カルボキシ基およびアミノ基からなる群から選択され、前記ベンゼン核を構成する炭素原子に直接結合する2個以上の官能基とを有する化合物(A−1)、および、チオ尿素誘導体(A−2)からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物(A)と、少なくとも1種のエラストマー(B)とを含有する金属材料用下地処理剤を金属材料表面に塗布する塗布工程と、
前記塗布工程の後、水洗することなく乾燥し、下地被膜を形成する乾燥工程と
を有する金属材料の下地処理方法。
(13) 前記金属材料用下地処理剤が、さらに、少なくとも1種の酸化剤(C)を含有する、(12)に記載の金属材料の下地処理方法。
(14) 前記酸化剤(C)が、硝酸系化合物、硫酸系化合物、ハロゲン酸系化合物、酸化数が4または5のVA族元素化合物、酸化数が6のVIA族元素化合物、銅(II)化合物、鉄(III)化合物、および有機過酸化物からなる群から選択される少なくとも1種である、(13)に記載の金属材料の下地処理方法。
(15) 前記化合物(A−1)が、下記式(1)若しくは式(2)で表される環状有機化合物、前記環状有機化合物の重縮合物、または、前記環状有機化合物と他の重合性化合物との共重合物である、(12)〜(14)のいずれかに記載の金属材料の下地処理方法。

(式(1)中、X 1 〜X 6 は、それぞれ独立に、水素原子または官能基を表し、X 1 〜X 6 のうち2個以上は、水酸基、カルボキシ基およびアミノ基からなる群から選択される官能基を表す。
式(2)中、Y 1 〜Y 8 は、それぞれ独立に、水素原子または官能基を表し、Y 1 〜Y 8 のうち2個以上は、水酸基、カルボキシ基およびアミノ基からなる群から選択される官能基を表す。)
(16) 前記チオ尿素誘導体(A−2)が、下記式(3)で表される化合物である、(12)〜(15)のいずれかに記載の金属材料の下地処理方法。

(式(3)中、Z 1 およびZ 2 は、それぞれ独立に、アルキル基、アリール基、アルコキシカルボニル基、アミノ基、アルキルアミノ基、アリルアミノ基、アセチルアミノ基、ヒドロキシエチルアミノ基、N−ベンゾイルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基、フェニルアミノ基、トリルアミノ基、ナフチルアミノ基、フェニルアゾ基、グアニルアミノ基、ニコチン基、ヒドラジノ基、フェニルヒドラジノ基、チオカルバモイル基、またはチオカルバモイルアミノ基を表す。)
(17) 前記チオ尿素誘導体(A−2)が、下記式(4)で表される化合物である、(12)〜(16)のいずれかに記載の金属材料の下地処理方法。

(式(4)中、R 1 、R 2 、R 3 、およびR 4 は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基、またはヒドロキシアルキル基を表す。)
18) 前記塗布工程の前に、電解または無電解方式で、Niおよび/またはCoより構成される金属めっきを金属材料表面に施し、水洗する工程を有する(12)〜(17)のいずれかに記載の金属材料の下地処理方法。
19(12)〜(18)のいずれかに記載の金属材料の下地処理方法により、金属材料を処理して得られる下地被膜付き金属材料。
20(5)〜(11)または(19)のいずれかに記載の下地被膜付き金属材料と、下地被膜上に設けられた樹脂層とを有する、積層部材。
本発明によれば、金属材料表面を粗化することなく金属材料とプリプレグなどの樹脂との接着性、特に高温下での接着性を良好とし、かつ、6価クロム等の環境汚染の原因となる物質を用いず、環境負荷が小さく、低コストな金属材料用下地処理剤、この金属材料用下地処理剤を用いた生産性に優れ、環境面でも有利な金属材料の下地処理方法、この下地処理方法により得られる下地処理被膜付き金属材料および積層部材を提供することができる。
本発明の積層部材を示す模式的な断面図である。 図2は、C1s準位に由来するピーク強度の分布図である。 図3は、Cu2p準位に由来するピーク強度の分布図である。 図4は、剥離界面エポキシ樹脂側の各スパッタリング深さにおけるCuLMM領域のナロウスペクトルである。 図5は、V2p準位に由来するピーク強度の分布図である。
符号の説明
1 積層部材
2 金属材料
3 下地被膜
4 樹脂層
以下、本発明に係る金属材料用下地処理剤、この金属材料用下地処理剤を用いた金属材料の下地処理方法、この下地処理方法により得られる下地処理被膜付き金属材料および積層部材について詳細に説明する。
本発明の金属材料用下地処理剤(以下、単に「本発明の下地処理剤」ともいう。)は、1個以上のベンゼン核と、水酸基、カルボキシ基およびアミノ基からなる群から選択され、上記ベンゼン核を構成する炭素原子に直接結合する2個以上の官能基とを有する化合物(A−1)、およびチオ尿素誘導体(A−2)からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物(A)と、少なくとも1種のエラストマー(B)とを含有する金属材料用下地処理剤である。
本発明の下地処理剤による表面処理の対象は、金属材料である。
金属材料は特に限定されず、その具体例としては、純銅、銅合金(以下、これらをまとめて「銅材料」ともいう。)、純アルミニウム、アルミニウム合金(以下、これらをまとめて「アルミニウム材料」ともいう。)、普通鋼、合金鋼(以下、これらをまとめて「鉄材料」ともいう。)、純ニッケル、ニッケル合金(以下、これらをまとめて「ニッケル材料」ともいう。)等が挙げられる。
また、金属材料の形状、構造等は特に限定されず、例えば、板状、箔状、棒状等の形状であってもよい。
更に、金属材料は、別の金属材料、セラミックス材料、有機材料の基材上に、例えば、めっき、蒸着などの手法により被覆されたものであってもよい。
銅合金は、銅を50質量%以上含有するものが好ましく、例えば、黄銅等が挙げられる。銅合金における銅以外の合金成分としては、例えば、Zn、P、Al、Fe、Ni等が挙げられる。
また、アルミニウム合金は、アルミニウムを50質量%以上含有するものが好ましく、例えば、Al-Mg系合金等が挙げられる。アルミニウム合金におけるアルミニウム以外の合金成分としては、例えば、Si、Fe、Cu、Mn、Cr、Zn、Ti等が挙げられる。
また、合金鋼は、鉄を50質量%以上含有するものが好ましく、例えば、ステンレス鋼等が挙げられる。合金鋼における鉄以外の合金成分としては、例えば、C、Si、Mn、P、S、Ni、Cr、Mo等が挙げられる。
また、ニッケル合金は、ニッケルを50質量%以上含有するものが好ましく、例えば、Ni-P合金等が挙げられる。ニッケル合金におけるニッケル以外の合金成分としては、例えば、Al、C、Co、Cr、Cu、Fe、Zn、Mn、Mo、P等が挙げられる。
上記金属材料の中でも、本発明の下地処理剤は、銅材料などに好適に用いることができ、特に純銅に好ましく使用できる。通常、金属材料として銅を使用した場合、表面技術、Vol.57、pp.356(2006年)に記載されるように、その上に積層される膜の高温下での接着性(以下、高温接着性とも称する)に乏しいという問題があるが、本発明の下地処理剤を使用すれば優れた高温接着性を付与できる。
次に、本発明の下地処理剤に含有される、1個以上のベンゼン核と、水酸基、カルボキシ基およびアミノ基からなる群から選択され、上記ベンゼン核を構成する炭素原子に直接結合する2個以上の官能基とを有する化合物(A−1)、およびチオ尿素誘導体(A−2)からなる群から選ばれる化合物(A)およびエラストマー(B)、ならびに所望により含有していてもよい酸化剤(C)、ジルコニウム化合物および/またはチタン化合物の少なくとも1種(D)、リン酸類および/またはリン酸エステル化合物の少なくとも1種(E)、水分散性シリカゾル等について詳述する。
<化合物(A)>
本発明で使用される化合物(A)は、1個以上のベンゼン核と、水酸基、カルボキシ基およびアミノ基からなる群から選択され、上記ベンゼン核を構成する炭素原子に直接結合する2個以上の官能基とを有する化合物(A−1)およびチオ尿素誘導体(A−2)からなる群から選ばれる化合物である。
以下に、化合物(A−1)、チオ尿素誘導体(A−2)について詳述する。
<化合物(A−1)>
化合物(A−1)は、1個以上のベンゼン核と、水酸基、カルボキシ基およびアミノ基からなる群から選択され、上記ベンゼン核を構成する炭素原子に直接結合する2個以上の官能基とを有する化合物である。
ここで、ベンゼン核とは、芳香族性を有する炭素6員環をいい、ナフタレン等の縮合環を構成する個々の6員環も含むものである。
化合物(A−1)としては、好ましくは、下記式(1)または(2)で表される環状有機化合物、この環状有機化合物の重縮合物、この環状有機化合物と他の重合性化合物との共重合物等が挙げられる。これらを、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記式(1)中、X1〜X6は、それぞれ独立に、水素原子または官能基を表し、X1〜X6のうち2個以上は、水酸基、カルボキシ基およびアミノ基からなる群から選択される官能基を表す。
また、上記式(2)中、Y1〜Y8は、それぞれ独立に、水素原子または官能基を表し、Y1〜Y8のうち2個以上は、水酸基、カルボキシ基およびアミノ基からなる群から選択される官能基を表す。
上記式(1)で表される環状有機化合物としては、具体的には、ヘキサヒドロキシベンゼン、ピロガロール、1,2,4−トリヒドロキシベンゼン、フロログルシノール、カテコール、レソルシノール、ヒドロキノン、5−メチルピロガロール、2−メチルレソルシノール、5−メチルレソルシノール、2,5−ジメチルレソルシノール、3−メチルカテコール、4−メチルカテコール、メチルヒドロキノン、2,6−ジメチルヒドロキノン、5−メトキシレソルシノール、3−メトキシカテコール、メトキシヒドロキノン、2,5−ジヒドロキシ−1,4−ベンゾキノン、没食子酸、ピロガロール−4−カルボン酸、2−ヒドロキシ安息香酸、3−ヒドロキシ安息香酸、4−ヒドロキシ安息香酸、2,3−ジヒドロキシ安息香酸、2,4−ジヒドロキシ安息香酸、2,5−ジヒドロキシ安息香酸、2,6−ジヒドロキシ安息香酸、3,4−ジヒドロキシ安息香酸、3,5−ジヒドロキシ安息香酸、2,4,6−トリヒドロキシ安息香酸、2,6−ジヒドロキシ−4−メチル安息香酸、4−ヒドロキシ−3,5−ジメチル安息香酸、1,4−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸、没食子酸メチル、2,4−ジヒドロキシ安息香酸メチル、2,6−ジヒドロキシ安息香酸メチル、3,4−ジヒドロキシ安息香酸メチル、3,5−ジヒドロキシ安息香酸メチル、3,4−ジヒドロキシ安息香酸エチル、2−アミノフェノール、アミドール、3−アミノフェノール、4−アミノフェノール、1,2−フェニレンジアミン、1,3−フェニレンジアミン、1,4−フェニレンジアミン、2−アミノ−p−クレゾール、3−アミノ−o−クレゾール、4−アミノ−m−クレゾール、4−アミノ−o−クレゾール、5−アミノ−o−クレゾール、6−アミノ−m−クレゾール、2−アミノ−m−クレゾール、2−アミノ−4−メチルフェノール 塩酸塩、塩酸 o−フェニレンジアミン、塩酸 1,3−フェニレンジアミン、塩酸 1,4−フェニレンジアミン、4,6−ジアミノレソルシノール 二塩酸塩、4,6−ジアミノレソルシノール、2−ニトロレソルシノール、4−ニトロカテコール、メリット酸、ベンゼンペンタカルボン酸、ピロメリット酸、トリメリット酸、ヘミメリット酸、トリメシン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、2,3−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4−メチルフタル酸、5−メチルイソフタル酸、2,5−ジメチルテレフタル酸、4−ヒドロキシフタル酸、5−ヒドロキシイソフタル酸、4−ニトロフタル酸、5−ニトロイソフタル酸、5−アミノイソフタル酸、4−アミノサリチル酸、4−アミノ−3−ヒドロキシ安息香酸等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらのうち、ピロガロール、没食子酸、フロログルシノール、カテコール、レソルシノール、ヒドロキノン、2,4−ジヒドロキシ安息香酸、2,6−ジヒドロキシ安息香酸、3,4−ジヒドロキシ安息香酸、3,5−ジヒドロキシ安息香酸、アミドールが、後述するように好適な溶媒として用いることができる水への溶解性が高い理由から好ましい。
上記式(2)で表される環状有機化合物としては、具体的には、例えば、1,3−ジヒドロキシナフタレン、1,4−ジヒドロキシナフタレン、1,5−ジヒドロキシナフタレン、1,6−ジヒドロキシナフタレン、1,7−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、3−アミノ−2−ナフトール、5−アミノ−1−ナフトール、5−アミノ−2−ナフトール、6−アミノ−1−ナフトール、8−アミノ−2−ナフトール、1−アミノ−2−ナフトール 塩酸塩、2−アミノ−1−ナフトール 塩酸塩等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記式(1)または(2)で表される環状有機化合物の重縮合物としては、例えば、上記で例示した各種環状有機化合物の重縮合物が挙げられ、具体的には、ジガルス酸等が挙げられる。
また、上記式(1)または(2)で表される環状有機化合物と他の有機化合物(例えば、グルコース等)との共重縮合物としては、具体的には、例えば、タンニン酸などの加水分解性タンニン;カキタンニン、テアフラビン、テアルビジンなどの縮合型タンニン;等が挙げられる。
これらのうち、ジガルス酸、タンニン酸であるのが水への溶解性が高い理由から好ましい。
<チオ尿素誘導体(A−2)>
上記チオ尿素誘導体(A−2)は、特に限定されず、各種溶媒に溶解または分散する従来公知の化合物を用いることができる。
チオ尿素誘導体(A−2)の具体例としては、例えば、1−アセチル−2−チオ尿素、1−アリル−2−チオ尿素、1−アリル−3−(2−ヒドロキシエチル)−2−チオ尿素、1−アダマンチルチオ尿素、N−ベンゾイルチオ尿素、N,N’−ジイソプロピルチオ尿素、N,N’−ジシクロヘキシルチオ尿素、1,3−ジエチル−2−チオ尿素、1,3−ジ(o−トリル)チオ尿素、1,3−ジ(p−トリル)チオ尿素、1,3−ジメチルチオ尿素、1,1−ジフェニル−2−チオ尿素、2,5−ジチオビ尿素、N−メチルチオ尿素、1−(1−ナフチル)−2−チオ尿素、1−エチル−3−グアニジノチオ尿素 塩酸塩、グアニルチオ尿素、エチレンチオ尿素、1−フェニル−2−チオ尿素、1,3−ジフェニル−2−チオ尿素、p−トリルチオ尿素、o−トリルチオ尿素、トリメチルチオ尿素、1,3−ジ−n−ブチルチオ尿素、1−フェニル−3−グアニルチオ尿素、テトラメチルチオ尿素、二酸化チオ尿素、ジフェニルチオカルバジド、4,4−ジメチル−3−チオセミカルバジド、4−メチルチオセミカルバジド、1−フェニル−3−チオセミカルバジド、4−フェニル−3−チオセミカルバジド、チオセミカルバジド、1,4−ジフェニル−3−チオセミカルバジド、チオアセトアミド、チオベンズアミド、チオプロピオンアミド、チオイソニコチンアミド、チオニコチンアミド、アセトンチオセミカルバゾン、ジチゾン、ルベアン酸、チオオキサム酸エチル、ジフェニルチオカルバジド、等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記チオ尿素誘導体(A−2)の好適実施態様の一つとしては、下記式(3)で表される化合物が挙げられる。この化合物を用いると、金属材料と後述する下地処理膜との接着性がより向上する。

(式(3)中、Z1およびZ2は、それぞれ独立に、アルキル基、アリール基、アルコキシカルボニル基、アミノ基、アルキルアミノ基、アリルアミノ基、アセチルアミノ基、ヒドロキシエチルアミノ基、N−ベンゾイルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基、フェニルアミノ基、トリルアミノ基、ナフチルアミノ基、フェニルアゾ基、グアニルアミノ基、ニコチン基、ヒドラジノ基、フェニルヒドラジノ基、チオカルバモイル基、またはチオカルバモイルアミノ基を表す。)
式(3)中、Z1およびZ2は、それぞれ独立に、アルキル基(好ましく炭素数1〜3である。具体的には、メチル基、エチル基などが挙げられる。)、アリール基(好ましく炭素数6〜10である。具体的には、フェニル基、ナフチル基などが挙げられる。)、アルコキシカルボニル基、アミノ基、アルキルアミノ基、アリルアミノ基、アセチルアミノ基、ヒドロキシエチルアミノ基、N−ベンゾイルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基、フェニルアミノ基、トリルアミノ基、ナフチルアミノ基、フェニルアゾ基、グアニルアミノ基、ニコチン基、ヒドラジノ基、フェニルヒドラジノ基、チオカルバモイル基、またはチオカルバモイルアミノ基を表す。
なかでも、アルキルアミノ基、アリルアミノ基、ヒドロキシエチルアミノ基が好ましい。
式(3)で表される化合物の好適な実施態様の一つとして、以下の式(4)で表される化合物が挙げられる。この化合物を用いると、金属材料と後述する下地処理膜との接着性がさらに優れる。

(式(4)中、R1、R2、R3、およびR4は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基、またはヒドロキシアルキル基を表す。)
一般式(X)中、R1、R2、R3、およびR4は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基、またはヒドロキシアルキル基を表す。アルキル基としては、特に限定されず、炭素数1〜3が好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基などが挙げられる。
アルケニル基としては、特に限定されず、炭素数2〜3が好ましい。具体的には、ビニル基、アリル基などが挙げられる。
ヒドロキシアルキル基としては、特に限定されず、炭素数1〜3が好ましい。具体的にはヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基などが挙げられる。
式(4)で表される化合物として、R1およびR3が水素原子で、R2およびR4が、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、ヒドロキシアルキル基、またはアルケニル基であることが好ましい。
これらチオ尿素誘導体(A−2)のうち、後述するように好適な溶媒として用いることができる水への溶解性が高いという理由から、チオ尿素、N−メチルチオ尿素、1−アリル−2−チオ尿素などが好ましい。
本発明の下地処理剤においては、このような化合物(A−1)および/または(A−2)を含有することにより、金属材料表面を粗化することなく金属材料と樹脂との接着性、特に高温下での接着性を良好とすることができる。
また、後述する酸化剤(C)を併用することにより、更に金属材料と樹脂との接着性、特に高温下での接着性を良好となる。
更に、本発明の下地処理剤においては、上記化合物(A)の含有量は、下地処理剤全量に対して、0.01〜20質量%であるのが好ましく、0.02〜10質量%であるのがより好ましい。上記化合物(A)の含有量がこの範囲にあると、金属材料と樹脂との接着性、特に高温下での接着性がより良好となる。
<エラストマー(B)>
上記エラストマー(B)は特に限定されず、各種溶媒に溶解または分散した従来公知のエラストマーを用いることができる。
上記エラストマー(B)としては、具体的には、例えば、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、クロロプレンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、アクリロニトリルブタジエンスチレンゴムなどジエン系ゴム;ブチルゴム、エチレンプロピレンゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、クロロスルフォン化ゴム、塩素化ポリエチレン、アクリルゴム、エピクロルヒドリンゴム、ふっ素ゴム、等を各種溶媒に溶解または分散させた状態のものが挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、これらのゴムは、アミノ基、ヒドロキシル基、メチロール基等のヒドロキシアルキル基、カルボキシル基、スルホン基、ホスホン基、エポキシ基、イソシアネート基、カルボジイミド基、等の官能基で変性したものであってもよい。
ここで、溶媒としては、具体的には、例えば、水;ヘキサン、ペンタンなどのアルカン系;ベンゼン、トルエンなどの芳香族系;エタノール、1−ブタノール、エチルセロソルブなどのアルコール系;テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル系;酢酸エチル、酢酸ブトキシエチルなどのエステル系;ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドンなどのアミド系;ジメチルスルホキシドなどのスルホン系溶媒;ヘキサメチルリン酸トリアミドなどのリン酸アミド;等を好適に用いることができる。
上記エラストマー(B)のなかでも、エラストマー(B)のガラス転移温度(Tg)が、−100〜300℃が好ましい。
また、上記エラストマー(B)のなかでも、エラストマー(B)の比重が、0.8〜2.0が好ましい。
これらのゴムのうち、アクリロニトリルブタジエンスチレンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、イソプレンゴム、スチレンブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ウレタンゴム、アクリルゴムであるのが、接着対象となる樹脂との親和性が高い理由から好ましい。
本発明の下地処理剤においては、上記エラストマー(B)を各種溶媒に溶解または分散する方法は特に限定されず、例えば、界面活性剤を添加して乳化させる等の従来公知の方法により行うことができる。
エラストマー(B)を各種溶媒に分散させたエラストマー分散溶液(エマルジョンとも称する)中のエラストマー濃度としては、特に限定されないが、処理剤の取り扱いやすさの点から、1〜80質量%が好ましく、10〜60質量%がより好ましい。
上記分散溶液のpHは、特に制限されないが、処理剤の取り扱いやすさや、後述する下地被膜の金属材料への接着性が優れる点から、具体的には、pH2〜11が好ましく、より好ましくはpH4〜10である。
上記分散溶液の粘度としては、特に制限されないが、処理剤の取り扱いやすさの点から、0〜3000cPが好ましい。
上記分散溶液中のエラストマー(B)の粒径は、特に制限されないが、0.01〜10μmが好ましく、0.1〜2μmがより好ましい。
上記分散溶液の製造時に使用される界面活性剤としては、特に制限されず、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤などが使用できる。
本発明の下地処理剤においては、このようなエラストマー(B)を含有することにより、後述する本発明の積層部材が高温環境下に曝されたり、変形したりする場合に発生する応力を緩和することができる。
また、本発明の下地処理剤においては、上記エラストマー(B)の含有量は、下地処理剤全量に対して、0.5〜80質量%であるのが好ましく、1〜50質量%であるのがより好ましい。上記エラストマー(B)の含有量がこの範囲にあると、下地被膜に柔軟性が付与され、高温環境下に曝されたり、変形したりする場合に発生する応力を緩和することができる。
<酸化剤(C)>
酸化剤(C)は特に限定されず、従来公知の酸化剤を用いることができる。
本発明の下地処理剤においては、上記酸化剤(C)が、硝酸系化合物、硫酸系化合物、ハロゲン酸系化合物、酸化数が4または5のVA族元素化合物、酸化数が6のVIA族元素化合物、銅(II)化合物、鉄(III)化合物および有機過酸化物からなる群から選択される少なくとも1種であるのが、銅材料を含めた各種金属材料を酸化できる十分な酸化力がある理由から好ましい。
これらのうち、上記酸化剤(C)が、硝酸系化合物および/または硫酸系化合物であるのが好ましい。
ここで、硝酸系化合物としては、具体的には、例えば、硝酸、亜硝酸、ペルオキソ硝酸、ペルオキソ亜硝酸、ニトロキシル酸、トリオキソ二硝酸、テトラオキソ二硝酸、これらの塩(ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、アンモニウム塩等をいう。以下同様。)等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、硫酸系化合物としては、具体的には、例えば、ペルオキソ一硫酸、ペルオキソ二硫酸、チオ硫酸、ジチオン酸、亜硫酸、二亜硫酸、チオ亜硫酸、亜ジチオン酸、スルホキシル酸、ポリチオン酸、これらの塩等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
次に、上記酸化剤(C)が、ハロゲン酸系化合物であるのが好ましい。
ここで、ハロゲン酸系化合物としては、具体的には、例えば、過塩素酸、塩素酸、亜塩素酸、次亜塩素酸、過臭素酸、臭素酸、亜臭素酸、次亜臭素酸、過ヨウ素酸、ヨウ素酸、次亜ヨウ素酸、これらの塩等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
次に、上記酸化剤(C)が、酸化数が4または5のVA族元素化合物であるのが好ましい。
ここで、酸化数が4のVA族元素化合物としては、具体的には、例えば、バナジウムオキシアセチルアセトネート(IV)、ニオブオキシアセチルアセトネート(IV)、タンタルオキシアセチルアセトネート(IV)、これらの塩等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらのうち、バナジウムオキシアセチルアセトネート(IV)であるのが、水への溶解性が高い理由から好ましい。
また、酸化数が5のVA族元素化合物としては、具体的には、例えば、メタバナジン酸(V)、メタニオブ酸(V)、メタタンタル酸(V)などの酸素酸;酵素酸のイソポリ酸;酵素酸の塩;メタバナジン酸(V)、メタニオブ酸(V)およびメタタンタル酸(V)から選択される2種以上のヘテロポリ酸;ヘテロポリ酸の塩;等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらのうち、メタバナジン酸アンモニウム(V)であるのが、水への溶解性が高い理由から好ましい。
次に、酸化剤(C)が、酸化数が6のVIA族元素化合物であるのが好ましい。
ここで、酸化数が6のVIA族元素化合物としては、具体的には、例えば、リンバナドモリブデン酸H15-X[PV12-xMox40]・nH2O(6<x<12,n<30)、酸化モリブデン、モリブデン酸HMoO、モリブデン酸アンモニウム、パラモリブデン酸アンモニウム、モリブデン酸ナトリウム、モリブデン酸カリウム、モリブデン酸カルシウム、モリブデニルアセチルアセトネート、モリブドリン酸化合物(例えば、モリブドリン酸アンモニウム(NH[POMo1236]・3HO、モリブドリン酸ナトリウムNa[PO・12MoO]・nHO等);メタタングステン酸H[H1240]、メタタングステン酸アンモニウム(NH[H1240]、メタタングステン酸ナトリウム、パラタングステン酸H10[W124610]、パラタングステン酸アンモニウム、パラタングステン酸ナトリウム、タングストリン酸化合物(例えば、12タングストリン酸n水和物H3(PW1240)・nH2O、リンタングステン酸アンモニウムn水和物2(NH4)PO・24WO・nHO等);等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
次に、酸化剤(C)が、銅(II)化合物および/または鉄(III)化合物であるのが好ましい。
ここで、銅(II)化合物としては、具体的には、例えば、蟻酸銅(II)、酢酸銅(II)、プロピオン酸銅(II)、吉草酸銅(II)、グルコン酸銅(II)、酒石酸銅(II)などの有機酸の銅塩;塩化銅(II)、臭化銅(II)、水酸化銅(II)、酢酸銅(II)、硝酸銅(II)、硫酸銅(II)、炭酸銅(II)、酸化銅(II);等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、鉄(III)化合物としては、具体的には、例えば、塩化鉄(III)、臭化鉄(III)、ヨウ化鉄(III)、硫酸鉄(III)、硝酸鉄(III)、酢酸鉄(III)等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
次に、上記酸化剤(C)が、有機過酸化物であるのが好ましい。
ここで、有機過酸化物としては、具体的には、例えば、過酸化水素、ケトンパーオキサイド、パーオキシケタール、ハイドロパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド、パーオキシエステル、パーオキシジカーボネート等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上述したように、本発明の下地処理剤においては、このような酸化剤(C)を含有することにより、金属材料表面を粗化することなく金属材料と樹脂との接着性、特に高温下での接着性をより良好とすることができる。
このように金属材料と樹脂との接着性がより改善する理由は詳細には明らかではないが、酸化剤(C)が金属材料を酸化し、極めて微小にエッチングされることによる投錨効果、および、溶解金属イオンが被膜の金属材料表面近傍に取り込まれることによる金属材料との親和性向上効果によって、高い接着性が発現すると考えられる。
上述の酸化剤(C)の中でも、接着性がより優れる点より、酸化数が5のVA族元素化合物、酸化数が6のVIA族元素化合物が好ましく、より好ましくはバナジン酸アンモニウム、モリブデン酸アンモニウム、メタタングステン酸アンモニウムである。
また、本発明の下地処理剤においては、所望により含有することができる上記酸化剤(C)の含有量は、下地処理剤全量に対して、0.01〜20質量%であるのが好ましく、0.02〜10質量%であるのがより好ましい。上記酸化剤(C)の含有量がこの範囲にあると、適度な酸化力を有するため金属材料と樹脂との接着性、特に高温下での接着性を更に良好とすることができる。
<ジルコニウム化合物、チタン化合物(D)>
本発明の下地処理剤は、金属材料表面を粗化することなく金属材料と樹脂との接着性をより良好とすることができる理由から、更にジルコニウム化合物および/またはチタン化合物(D)を含有しているのが好ましい。上記ジルコニウム化合物および/またはチタン化合物(D)は特に限定されず、従来公知の化合物を用いる事ができる。
ここで、ジルコニウム化合物および/またはチタン化合物(D)としては、具体的には、ZrまたはTiの炭酸塩、酸化物、硝酸塩、硫酸塩、リン酸塩、フッ化物、フルオロ酸(塩)、有機酸塩、有機錯化合物等を用いることができる。より具体的には、塩基性炭酸ジルコニウム、オキシ炭酸ジルコニウム、炭酸ジルコニウムアンモニウム、炭酸ジルコニルアンモニウム(NH[Zr(CO(OH)]、酸化ジルコニウム(IV)(ジルコニア)、酸化チタン(IV)(チタニア)、硝酸ジルコニウム、硝酸ジルコニルZrO(NO、硝酸チタン、硫酸ジルコニウム(IV)、硫酸ジルコニル、硫酸チタン(III)、硫酸チタン(IV)、硫酸チタニルTiOSO、オキシリン酸ジルコニウム、ピロリン酸ジルコニウム、リン酸二水素ジルコニル、フッ化ジルコニウム、フッ化チタン(III)、フッ化チタン(IV)、ヘキサフルオロジルコニウム酸(HZrF)、ヘキサフルオロジルコニウム酸アンモニウム[(NHZrF]]、ヘキサフルオロチタン酸(HTiF)、ヘキサフルオロチタン酸アンモニウム[(NHTiF]]、酢酸ジルコニル、チタンラウレート、ジルコニウムアセチルアセトネートZr(OC(=CH)CHCOCH))4、ジイソプロポキシチタニウムビスアセチルアセトン(CTi[OCH(CH、チタニウムアセチルアセトネートTi(OC(=CH)CHCOCH))等が挙げられる。これらは無水物であっても、水和物であってもよい。これらの化合物は単独で使用してもよいし、2種以上組み合わせて使用してもよい。
また、本発明の下地処理剤においては、所望により含有することができるジルコニウム化合物および/またはチタン化合物の含有量は、下地処理剤全量に対して、0.01〜20質量%であるのが好ましく、0.02〜10質量%であるのがより好ましい。上記ジルコニウム化合物および/またはチタン化合物の含有量がこの範囲にあると、金属材料と樹脂との接着性を更に良好とすることができる。
<リン酸類、リン酸エステル化合物(E)>
本発明の下地処理剤は、金属材料表面を粗化することなく金属材料と樹脂との接着性をより良好とすることができる理由から、更にリン酸類および/またはリン酸エステル化合物(E)を含有しているのが好ましい。上記リン酸類および/またはリン酸エステル化合物(E)は特に限定されず、従来公知の化合物を用いる事ができる。
ここで、リン酸類は、リン酸(=オルトリン酸)、メタリン酸、ポリリン酸を包含する縮合リン酸、およびその塩(アンモニウム塩、ナトリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩等)であって、より具体的には、メタリン酸は、トリメタリン酸、テトラメタリン酸、ヘキサメタリン酸等を包含し、ポリリン酸は鎖状のリン酸縮合物であって、ピロリン酸、トリポリリン酸、テトラポリリン酸等を包含する。
リン酸エステルとしては具体的には、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、モノメチルホスフェート、ジメチルホスフェート、エチルホスフェート、ジエチルホスフェート、モノブチルホスフェート、ジブチルホスフェート等が挙げられる。
これらの化合物は単独で使用してもよいし、2種以上組み合わせて使用してもよい。
また、本発明の下地処理剤においては、所望により含有することができる上記リン酸類および/またはリン酸エステル化合物(E)の含有量は、下地処理剤全量に対して、0.01〜20質量%であるのが好ましく、0.02〜10質量%であるのがより好ましい。上記リン酸類および/またはリン酸エステル化合物(E)の含有量がこの範囲にあると、適度な酸化力を有するため金属材料と樹脂との接着性を更に良好とすることができる。
本発明の下地処理剤は、水分散性シリカゾル、アルミナゾル、ジルコニアゾルを含有することができる。
上記水分散性シリカゾルには、液相から合成した液相シリカ、気相から合成した気相シリカがあるが、本発明の下地処理剤においてはいずれも使用可能である。
液相シリカとしては、具体的には、例えば、スノーテックスC、スノーテックスO、スノーテックスN、スノーテックスS、スノーテックスUP、スノーテックスPS−M、スノーテックスPS−L、スノーテックス20、スノーテックス30、スノーテックス40(いずれも日産化学工業(株)製)等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、気相シリカとしては、具体的には、例えば、アエロジル50、アエロジル130、アエロジル200、アエロジル300、アエロジル380、アエロジルTT600、アエロジルMOX80、アエロジルMOX170(いずれも日本アエロジル(株)製)等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、アルミナゾルとしては、具体的には、例えば、アルミナゾル100、アルミナゾル200、アルミナゾル520(いずれも日産化学工業(株)製)等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、ジルコニアゾルとしては、具体的には、例えば、ナノユースZR−40BL、ナノユースZR−30BS、ナノユースZR−30BH、ナノユースZR−30AL、ナノユースZR−30AH(いずれも日産化学工業(株)製)、ZSL−10A、ZSL−10T、ZSL−20N(いずれも第一稀元素株式会(株)製)等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の下地処理剤においては、所望により添加する上記水分散性シリカゾルの含有量は、下地処理剤全量に対して、30質量%以下であるのが好ましく、0.01〜10質量%であるのが好ましく、0.05〜10質量%であるのがより好ましい。
本発明の下地処理剤は、シランカップリング剤を含有することができる。
上記シランカップリング剤としては、具体的には、例えば、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリエトキシシラン、γ−クロロプロピルメチルジエトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、γ−アニリノプロピルトリメトキシシラン、γ−アニリノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アニリノプロピルトリエトキシシラン、γ−アニリノプロピルメチルジエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、オクタデシルジメチル〔3−(トリメトキシシリル)プロピル〕アンモニウムクロライド、オクタデシルジメチル〔3−(メチルジメトキシシリル)プロピル〕アンモニウムクロライド、オクタデシルジメチル〔3−(トリエトキシシリル)プロピル〕アンモニウムクロライド、オクタデシルジメチル〔3−(メチルジエトキシシリル)プロピル〕アンモニウムクロライド、γ−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の下地処理剤においては、所望により添加する上記シランカップリング剤の含有量は、下地処理剤全量に対して、30質量%以下であるのが好ましく、0.01〜10質量%であるのが好ましく、0.05〜10質量%であるのがより好ましい。
本発明の下地処理剤は、トリアゾール、ベンゾトリアゾール、テトラゾール、イミダゾール、チアゾール、ピラゾール、イソオキサゾール、インダゾールおよびトリアジンチオールからなる群から選択される少なくとも1種を含有することができる。
このような化合物としては、具体的には、例えば、1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、トリルトリアゾール、5−メチルトリアゾール;
1,2,3−ベンゾトリアゾール、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、1−アミノベンゾトリアゾール、1−(ヒドロキシメチル)ベンゾトリアゾール、カルボキシベンゾトリアゾール;
テトラゾール、5−アミノテトラゾール、1−メチルテトラゾール、2−メチルテトラゾール、1−フェニルテトラゾール、5−フェニルテトラゾール;
イミダゾール、1−メチルイミダゾール、1−エチルイミダゾール、1−プロピルイミダゾール、1−フェニルイミダゾール、1−ベンジルイミダゾール、1−ビニルイミダゾール、1−ヒドロキシエチルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−プロピルイミダゾール、2−イソプロピルイミダゾール、2−ブチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−ベンジルイミダゾール、4−メチルイミダゾール、4−フェニルイミダゾール、4−ベンジルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、1,4−ジメチルイミダゾール、1,5−ジメチルイミダゾール、1−エチル−2−メチルイミダゾール、1−ビニル−2−メチルイミダゾール、2,4−ジメチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−ブチル−4−ヒドロキシメチルイミダゾール、2−ブチル−4−ホルミルイミダゾール、2,4−ジフェニルイミダゾール、4,5−ジメチルイミダゾール、4,5−ジフェニルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1,2,5−トリメチルイミダゾール、1,4,5−トリメチルイミダゾール、1−メチル−4,5−ジフェニルイミダゾール、2−メチル−4,5−ジフェニルイミダゾール、2,4,5−トリメチルイミダゾール、2,4,5−トリフェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾールベンズイミダゾール;チアゾール;ピラゾール;イソオキサゾール;インダゾール;
1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリチオール、1,3,5−トリアジン−2,4,8−トリチオール、2−メチルアミノ−1,3,5−トリアジン−4,6−ジチオール、2−アニリノ−1,3,5−トリアジン−4,6−ジチオール、2−ジメチルアミノ−1,3,5−トリアジン−4,6−ジチオール、2−ジ−n−ブチルアミノ−1,3,5−トリアジン−4,6−ジチオール、2−ジアリルアミノ−1,3,5−トリアジン−4,6−ジチオール、2−(3′−ヒドロキシアニリノ)−1,3,5−トリアジン−4,6−ジチオール、2−シクロヘキシルアミノ−1,3,5−トリアジン−4,6−ジチオール、2−(3′−メチルフェニルアミノ)−1,3,5−トリアジン−4,6−ジチオール、2−ベンジルアミノ−1,3,5−トリアジン−4,6−ジチオール、2−(3′−ブロモフェニルアミノ)−1,3,5−トリアジン−4,6−ジチオール、2−(3′,4′−チオプロピルチオ)−1,3,5−トリアジン−4,6−ジチオール、2−メトキシ−1,3,5−トリアジン−4,6−ジチオール、2−(2′−ヒドロキシエチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−4,6−ジチオール;等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の下地処理剤においては、所望により添加するこれらの化合物の含有量は、下地処理剤全量に対して、30質量%以下であるのが好ましく、0.01〜10質量%であるのが好ましく、0.05〜5質量%であるのがより好ましい。
本発明の下地処理剤は、金属材料と樹脂との接着性をより良好とするために、金属材料と樹脂との親和性を向上させる観点から、樹脂を溶媒中に溶解または分散させた状態のものを含有することができる。
具体的には、例えば、ポリオレフィン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミン、ナイロン樹脂、ポリフェニレンスルフィド等を溶媒中に溶解または分散させた状態のものが挙げられる。
また、これらの樹脂は、アミノ基、ヒドロキシル基、メチロール基等のヒドロキシアルキル基、カルボキシ基、マレイン酸基、スルホン基、ホスホン基、エポキシ基、カルボジイミド基、イソシアネート基等の官能基で変性したものであってもよい。
また、上記樹脂を溶媒に溶解または分散する方法は特に限定されず、例えば、界面活性剤を添加して乳化させる等の従来公知の方法により行うことができる。
ここで、上記溶媒としては各種溶媒を用いることができるが、具体的には、例えば、水;ヘキサン、ペンタンなどのアルカン系;ベンゼン、トルエンなどの芳香族系;エタノール、1−ブタノール、エチルセロソルブなどのアルコール系;テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル系;酢酸エチル、酢酸ブトキシエチルなどのエステル系;ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドンなどのアミド系;ジメチルスルホキシドなどのスルホン系溶媒;ヘキサメチルリン酸トリアミドなどのリン酸アミド;等を好適に用いることができる。
本発明の下地処理剤においては、所望により添加する樹脂溶液、エマルジョン、サスペンジョンの含有量は、下地処理剤全量に対して、60質量%以下であるのが好ましく、1〜50質量%であるのがより好ましい。
本発明の下地処理剤は、金属材料表面に塗布する際の作業性の観点から、必要に応じて各種の溶媒を含有することができる。
このような溶媒としては、具体的には、例えば、水;ヘキサン、ペンタンなどのアルカン系;ベンゼン、トルエンなどの芳香族系;エタノール、1−ブタノール、エチルセロソルブなどのアルコール系;テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル系;酢酸エチル、酢酸ブトキシエチルなどのエステル系;ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドンなどのアミド系;ジメチルスルホキシドなどのスルホン系溶媒;ヘキサメチルリン酸トリアミドなどのリン酸アミド;等が挙げられる。
これらのうち、環境上、経済上有利である理由から、水であるのが好ましい。
本発明に係る金属材料用下地処理剤の製造方法は、その製造方法については特に制限されない。例えば、化合物(A)と、エラストマー(B)の水分散体と、必要に応じて使用することができる酸化剤(C)、その他添加剤、水とを混合ミキサーなどのかくはん機を用いて十分に混合することによって製造することができる。
本発明の金属材料の下地処理方法(以下、単に「本発明の下地処理方法」という。)は、上述した本発明の下地処理剤を金属材料表面に塗布する塗布工程と、
上記塗布工程の後、水洗することなく乾燥し、下地被膜を形成する乾燥工程と、を有する金属材料の下地処理方法である。
<塗布工程>
上記塗布工程は、上述した本発明の下地処理剤を金属材料表面に塗布する工程である。
本発明の下地処理方法においては、上記塗布工程における塗布方法は特に限定されず、例えば、スプレーコート、ディップコート、ロールコート、カーテンコート、スピンコートやこれらの組み合わせ等の方法により塗布することができる。
また、本発明の下地処理方法においては、上記塗布工程における本発明の下地処理剤の使用条件は特に限定されない。
例えば、下地処理剤を塗布する際の処理剤および金属材料の温度は、10〜90℃であるのが好ましく、20〜60℃であるのがより好ましい。温度が60℃以下であると、無駄なエネルギーの使用を抑制することができるため、経済的な観点から好ましい。
また、下地処理剤を塗布する時間は、適宜設定することができる。
<乾燥工程>
上記乾燥工程は、水洗することなく乾燥し、下地被膜を形成する工程である。
本発明の下地処理方法においては、乾燥温度は使用する溶媒により相違するため特に限定されないが、例えば、水を溶媒として用いた場合には、50〜200℃の範囲であるのが好ましい。
なお、得られる下地被膜の膜厚としては、0.01〜50μmが好ましく、0.1〜20μmがより好ましい。
<めっき工程>
本発明の下地処理方法は、前記塗布工程の前に、電解または無電解方式で、Niおよび/またはCoで構成される金属めっきを金属材料表面に施し、水洗する工程(めっき工程)を含むことにより、金属材料と樹脂との接着性、特に高温下での接着性を更に良好とする事ができる。
Niおよび/またはCoで構成される金属めっきの付着量は、特に限定されないが、1〜1000000mg/mが好ましく、10〜1000mg/mがより好ましい。上記範囲内であれば、接着性がより向上する。
また、水洗後、必要に応じて、乾燥工程を設けてもよい。乾燥温度は使用する溶媒により相違するため特に限定されないが、例えば、水を溶媒として用いた場合には、50〜200℃の範囲であるのが好ましい。
Niおよび/またはCoで構成される金属めっきは、周知の電解めっき法や、無電解めっき法等のめっき法により作製できる。
電解方式によるNiおよび/またはCoめっきは、被めっき材を陰極とし、陽極と陰極の間にめっき液を満たした後に通電を行うことにより実施できる。陽極側にはNiおよび/またはCo金属が用いられているが、不溶性陽極を用いる場合もある。
Niめっき浴はワット浴と呼ばれる硫酸ニッケル、塩化ニッケル、ホウ酸から構成される組成のものが一般的に用いられる。また、Niめっき浴中に硫酸コバルト(水和物を含む)を添加し、Ni−Co合金めっきとしても良い。
無電解方式によるNiおよび/またはCoめっきは、Niおよび/またはCo塩、錯化剤、還元剤を主成分とした処理液中に被めっき材を所定時間浸漬することにより実施できる。
Niめっきは、還元剤として次亜リン酸塩を用いる次亜リン酸浴が一般的である。
金属材料が銅材料の場合、次亜リン酸浴には、銅上に直接析出させることが困難であるという問題がある。そこで、無電解Niめっき実施前にパラジウム希薄水溶液による触媒付与処理を行う2段処理の方法や、また銅上に直接めっきできるものとして、特開2000−256866号公報に記載される次亜リン酸塩に加え、第2還元剤としてジメチルアミンボラン、錯化剤としてグルコン酸等を含有する水系薬剤を使用する方法や、さらには、特開平6−101054号公報に記載されるニッケル化合物および/またはコバルト化合物とチオ尿素類を含有する水系薬剤を使用する方法などを使用することもできる。
前述のニッケル化合物および/またはコバルト化合物とチオ尿素類とを含有する水系めっき処理液を使用する方法について、使用されるニッケル化合物としては、酢酸ニッケル、硫酸ニッケルアンモニウム、安息香酸ニッケル、臭化ニッケル、炭酸ニッケル、塩化ニッケル、クエン酸ニッケル、水酸化ニッケル、ヨウ化ニッケル、硝酸ニッケル、しゅう酸ニッケル、酸化ニッケル、ステアリン酸ニッケル、スルファミン酸ニッケル、硫酸ニッケル等を例示できる。
また、コバルト化合物としては、酢酸コバルト、塩化コバルトアンモニウム、硫酸コバルトアンモニウム、臭化コバルト、炭酸コバルト、塩化コバルト、硫酸二アンモニウムコバルト、ぎ酸コバルト、ナフテン酸コバルト、硝酸コバルト、オレイン酸コバルト、しゅう酸コバルト、酸化コバルト、ステアリン酸コバルト、硫酸コバルト等を例示できる。
ニッケル化合物および/またはコバルト化合物から選ばれた少なくとも一種の化合物のめっき処理液への添加量は、0.1〜40質量%程度が好ましく、0.5〜20質量%程度が更に好ましい。
ニッケル化合物およびコバルト化合物から選ばれた少なくとも一種の化合物に加えて、チオ尿素類を配合することが必要である。これによって、銅系素材の析出電位を下げ、ニッケルまたはコバルトとの置換を可能にすることができる。
チオ尿素類としては、チオ尿素、ジメチルチオ尿素、トリメチルチオ尿素、アリルチオ尿素、アセチルチオ尿素、エチレンチオ尿素、フェニルチオ尿素等を例示でき、これらの少なくとも一種を用いればよい。めっき処理液への添加量は、0.1〜20質量%程度が好ましく、0.5〜10質量%程度が更に好ましい。
また、ニッケル化合物および/またはコバルト化合物から選ばれた少なくとも一種の化合物、チオ尿素類に加えて、更に必要に応じてキレート化剤を配合する事ができる。具体的には、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩(EDTA・2Na)、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸(HEDTA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、トリエチレンテトラミン六酢酸(TTHA)、エチレンジアミンテトラプロピオン酸、エチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸、ジエチレントリアミンペンタメチレンホスホン酸等、ニトリロ三酢酸(NTA)、イミノジ酢酸(IDA)、イミノジプロピオン酸(IDP)、アミノトリメチレンホスホン酸、アミノトリメチレンホスホン酸五ナトリウム塩、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、ジメチルエチルアミン、ベンジルアミン、2−ナフチルアミン、イソブチルアミン、イソアミルアミン、メチレンジアミン、エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ヘキサエチレンヘプタミン、シンナミルアミン、p−メトキシシンナミルアミン、アンモニア、ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸三ナトリウム塩、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、マロン酸等、グリシン、アラニン、N−メチルグリシン、グリコシアミン、ジメチルグリシン、ヒダントイン酸、アミノ吉草酸、β−アラニン等、バリン、ノルバリン、ロイシン、ノルロイシン、イソロイシン、セリン、システイン、アスパラギン、アスパラギン酸、グルタミン酸、オルニチン、リジン、アルギニン、グルタミン、ジアミノプロピオン酸、シトルリン、ヒドロキシ−L−リジン、ジアミノ酪酸、アミノアジピン酸、カナリン、キヌレニン、ジアミノピメリン酸、ホモシステイン、ヒスチジン、メチオニン等、アスパルチル−ヒスチジン、アラニル−アラニン、アラニル−β−アラニン、β−アラニル−β−アラニン、グリシル−リジン、アラニル−オルニチン、リジル−リジン、オルニチル−オルニチン、グリシル−オルニチン、β−アラニル−リジル−リジン、オルニチル−リジル−リジン、グリシル−オルニチル−オルニチン等、イミダゾリン、2,4,5−トリフェニル−2−イミダゾリン、2,2´−ビス(2−イミダゾリン)、ピリジン、モルホリン、ビピリジル、ピラゾール、トリアジン等が例示される。
キレート化剤の配合量は、めっき処理液中に0.1〜50質量%程度とすることが好ましく、0.5〜10質量%程度がより好ましい。
めっき処理液のpHは特に限定されるものではないが、pH1〜8が好ましい。pH調整を行う場合には、必要に応じて、HCl、H2SO4等の酸やNaOH、NH等のアルカリ化合物を用いればよい。
また、該めっき処理液中には、非イオン性、カチオン性、アニオン性、両性等の界面活性剤を添加することもでき、これにより、触媒液の表面張力を下げ、銅系素材表面の触媒活性力を均一にすることができる。
また、pH緩衝剤として、塩酸−塩化カリウム、フタル酸水素カリウム−塩酸、フタル酸水素カリウム−水酸化ナトリウム、リン酸二水素カリウム−水酸化ナトリウム、ホウ酸−水酸化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム−水酸化ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム−水酸化ナトリウム、水酸化ナトリウム−塩化カリウム、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン−塩酸、酢酸ナトリウム−酢酸等を添加することもできる。界面活性剤およびpH緩衝剤は、必要に応じて単独または適宜混合して用いることができる。
該めっき処理液を用いた処理法は、液温10〜90℃程度、好ましくは25〜70℃程度の触媒液中に、被処理物を10秒〜20分程度浸漬し、必要に応じてめっき液を撹拌したり、被めっき物を揺動することにより、被めっき物の表面に均一にめっき皮膜を形成させることができる。
本発明の下地被膜付き金属材料は、上述した本発明の下地処理剤を用いて表面処理して得られる金属材料であり、上述した本発明の下地処理方法により処理して得られる金属材料であるのが好ましい。
本発明の下地処理方法で得られる金属材料上の下地被膜は、下地被膜の金属材料側の表面近傍(好ましくは、下地被膜の金属材料側の表面から2μm以内、より好ましくは1μm以内)において、処理された金属材料に由来する金属原子を含有することが好ましい。より具体的には、下地皮膜の金属材料側の表層に金属材料由来の金属原子が濃化され、金属原子の一部が金属状態で存在することが好ましい。例えば、銅箔を金属材料として使用すれば、下地皮膜の金属材料側の表層に銅原子が濃化され、その一部が金属状態で存在している。他の金属材料(例えば、アルミニウム、ニッケル)を使用した場合も、同様である。
さらに、下地処理剤が酸化剤(C)として、酸化数が4または5のVA族元素化合物、および/または、酸化数が6のVIA族元素化合物を含有する場合、下地被膜の金属材料側の表面近傍(上記と同様の範囲)においてバナジウム、ニオブ、タンタル、モリブデン、およびタングステンからなる群から選ばれる少なくとも1種の金属原子が濃化して存在する。つまり、下地被膜の金属材料側の表面近傍において、バナジウムなどの金属元素、および金属材料由来の金属原子が濃化されている。
このような被膜構造が得られるメカニズムについては明らかではないが、下地処理時、酸化剤(C)などにより金属材料から溶出した金属イオンが、金属材料の近傍において、化合物(A)の還元作用により還元されて再度金属状態となって下地被膜中に取り込まれている可能性が考えられる。その結果、下地被膜の金属材料近傍において、下地被膜と金属材料の共存領域が形成され、本発明の下地被膜−金属材料間の密着力発現の一因となっている可能性が考えられる。
本発明に係る金属材料用下地処理剤によって処理された金属材料は、従来技術とは異なり、金属材料の表面の粗化が抑制される。
特に、プリント配線板において、高周波波形を信号とする用途に用いる場合には、特開平7−314603号公報にあるように、表皮効果の点から表面粗さがRaで0.35μm以下、好ましくは0.2μm以下の銅箔を使用する事が好ましい。
本発明に係る金属材料用下地処理剤を用いた処理によれば金属表面粗さの変化を抑制しつつ樹脂との密着性を向上させることができ、具体的には処理前の金属表面粗さ(Ra)に対する処理後の金属表面粗さ(Ra)の変化ΔRaを、0.5μm以下、好ましくは0.3μm以下とする事ができる。
従来使用されてきたエッチングによる粗化方法では、金属材料表面が粗化され、表面粗さがRaで0.2μm以下の銅箔を使用した場合も、通常その表面平均粗さRaは1μmを超えてしまい、本発明のような効果は得られない。
前記ΔRaの測定法としては、本発明の下地被膜付き金属材料および処理前の金属材料を樹脂に埋め込んで、倍率1万倍にて断面SEM観察を行い、金属表面粗さプロファイルからそれぞれ、Ra、Raを計算し、それからΔRa(=Ra−Ra)を算出した。
なお、平均表面粗さRa(算術平均表面粗さRa)は、JIS B 0601によりRaの略号で表される値であり、表面粗さの値の平均線から絶対値偏差の平均値を表す。
上述の方法により金属材料上に形成された下地皮膜は平坦性に優れる。具体的には、下地皮膜の表面平均粗さRaは、好ましくは0.5μm以下であり、より好ましくは0.3μm以下である。下限に関しては、小さければ小さいほどよく、0が好ましい。下地皮膜の表面平均粗さが上記範囲内であれば、プリント配線基板作成の際に下地皮膜上に積層されるプリプレグなどの樹脂層を薄くすることができ、経済的である。
本発明の積層部材は、上述した本発明の下地被膜付き金属材料と、下地被膜の上に設けられた樹脂層とを有する、積層部材である。
図1は、本発明の積層部材を示す模式的な断面図である。図1に示される積層部材1は、金属材料2と、金属材料2の上に本発明の下地処理剤を用いて形成された下地被膜3と、下地被膜3の上に設けられた樹脂層4とを有する。
樹脂層の材料は、特に限定されず、例えば、アクリル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニリデン、ポリカーボネート、ポリサルホン、ポリフェニレンスルフィド、液晶ポリマー、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、ポリイミド、ポリウレタン、ビスマレイミド・トリアジン樹脂、ポリフェニレンエーテル、シアネートエステル、アラミド繊維、フッ素樹脂、芳香族ポリエーテルケトン樹脂、ナイロン樹脂、等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの樹脂は官能基により変性されていてもよい。
また、樹脂層は、強化向上の観点から、ガラス繊維、炭酸カルシウム、アラミド繊維、グラファイトなどのフィラー等を含有していてもよい。
樹脂層の材料の好適態様の一つとして、プリプレグが挙げられる。プリプレグとは、熱硬化性樹脂をシート状の繊維基材に含浸し半硬化状態としてなるものをいう。
シート状の繊維基材の材質の例としては、Eガラス、Dガラス、SガラスおよびQガラス等の無機物の繊維、アラミド、ポリイミド、ポリエステルおよびポリテトラフルオロエチレン等の有機物の繊維、並びにそれらの混合物等が挙げられる。これらの繊維基材は、例えば、織布、不織布、ロービンク、チョップドストランドマットおよびサーフェシングマット等の形状を有するが、材質および形状は、目的とする成形物の用途や性能により選択され、必要により、単独または2種類以上の材質および形状を組み合わせることができる。
熱硬化性樹脂としては、特に限定されないが、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、ビスマレイドトリアジン樹脂、シアネート樹脂、またはこれらの変性物などが好ましく挙げられる。
本発明の積層部材は、上述した本発明の下地被膜付き金属材料に、下地被膜を介して樹脂層を接合させることにより得ることができる。
接合させる方法は、特に限定されず、具体的には、樹脂層がエポキシ樹脂である場合は、例えば、(1)下地被膜付き金属材料の下地被膜に、未硬化の液体状エポキシ樹脂を塗布した後、乾燥させて硬化させることにより樹脂層を形成させるコーティング法、(2)下地被膜付き金属材料の下地被膜に、エポキシ樹脂フィルムを、下地被膜とエポキシ樹脂フィルムとが接触するように積層した後、加熱圧着するラミネート法、(3)下地被膜付き金属材料を金型にセットし、下地被膜と接触するように、金型内に溶融したエポキシ樹脂を射出することによりエポキシ樹脂層を形成させる射出成形接着法等が挙げられる。
本発明の積層部材においては、金属材料と下地皮膜を介して接着された樹脂層との接着強度に優れる。特に、高温下での接着性に優れるという特徴を有する。また、形成される下地皮膜は耐酸性にも優れることから、プリント配線基板の作成時に生じるピンクリングなどの不具合が抑制される。さらに、下地皮膜は耐湿性にも優れ、高湿度環境下において優れた接着強度を示す。
上述のように、本発明に係る金属材料用下地処理剤は、金属材料表面を粗化することなく金属材料とプリプレグなどの樹脂との接着性、特に高温下での接着性を良好とする。また、この下地処理剤を用いた処理方法では、従来技術と比較して廃液などの発生が抑制され、環境負荷が小さい。また、この下地処理剤は塗布方法に好適に適用することができるため、従来よりも処理工程数を減らすことができ、かつ処理時間をも短縮できることから、飛躍的に生産性が向上する。
以下に実施例を示して本発明を具体的に説明する。ただし、本発明はこれらに限られるものではない。
1.下地被膜付き金属材料の作製
後述する実施例および比較例に示すように、種々の下地処理剤を用いて以下の処理工程を被処理材に施し、下地被膜付き金属材料を得た。
〔被処理材〕
被処理材の略号と内訳を以下に示す。
・銅箔:電解銅箔(純度99.8質量%以上)、厚さ18μm、Ra0.3μm
・アルミニウム箔(純度99質量%以上)、厚さ18μm
・アルミニウム箔(純度99質量%以上)、厚さ50μm
・ニッケル箔(純度99質量%以上)、厚さ20μm
・SUS304箔、厚さ20μm
・SUS430箔、厚さ20μm
〔処理工程〕
処理工程としては、以下の工程(1)〜(7)を順に行った。
(1)脱脂(60℃、10分、浸せき法、日本パーカライジング社製のファインクリーナー4360(登録商標)を用いて調製された5質量%水溶液を使用した。なお、被処理材がアルミニウム箔の場合は、日本パーカライジング社製のファインクリーナー315(登録商標)を用いて調製された3質量%水溶液を使用した。)
(2)水洗(常温、30秒、浸せき法)
(3)酸洗(常温、30秒、浸せき法、市販の硫酸を用いて調製された10%水溶液を使用)
(4)水洗(常温、30秒、浸せき法)
(5)水分除去
(6)表面処理(後述のとおり)
(7)加熱乾燥(所定の温度、5分、熱風オーブン)
〔表面処理〕
(実施例1)
化合物(A)としての没食子酸一水和物0.2質量%と、エラストマー(B)としてのアクリロニトリルブタジエンスチレンゴム30質量%と、酸化剤(C)としてのメタバナジン酸アンモニウム(V)0.5質量%とを含有する水溶液を調整して、下地処理剤(I−a)を得た。なお、エラストマー(B)としては、カルボキシル基およびメチロール基を有するアクリロニトリルブタジエンスチレンゴムの水分散体(固形分濃度:47%、pH:8、粘度:45cP、Tg:18℃、比重:1.01、アニオン系界面活性剤含有)を用いて、上記水溶液中のエラストマー(B)の含有量となるように調整した。
加熱乾燥(温度:100℃)後に膜厚が2.5μmになるように、バーコーティングにて下地処理剤(I−a)(温度25℃)を銅箔表面上に塗布する表面処理を行った。
(実施例2)
化合物(A)としてのフロログルシノール(無水)0.2質量%と、エラストマー(B)としてのアクリロニトリルブタジエンスチレンゴム30質量%と、酸化剤(C)としてのメタバナジン酸アンモニウム(V)0.5質量%とを含有する水溶液を調整して、下地処理剤(I−b)を得た。なお、エラストマー(B)としては、実施例1と同様の水分散体を使用して、含有量を調整した。
加熱乾燥(温度:100℃)後に膜厚が2.5μmになるように、バーコーティングにて下地処理剤(I−b)(温度25℃)を銅箔表面上に塗布する表面処理を行った。
(実施例3)
化合物(A)としてのカテコール0.2質量%と、エラストマー(B)としてのアクリロニトリルブタジエンスチレンゴム30質量%と、酸化剤(C)としてのメタバナジン酸アンモニウム(V)0.5質量%とを含有する水溶液を調整して、下地処理剤(I−c)を得た。なお、エラストマー(B)としては、実施例1と同様の水分散体を使用して、含有量を調整した。
加熱乾燥(温度:100℃)後に膜厚が2.5μmになるように、バーコーティングにて下地処理剤(I−c)(温度25℃)を銅箔表面上に塗布する表面処理を行った。
(実施例4)
化合物(A)としてのアミドール0.2質量%と、エラストマー(B)としてのアクリロニトリルブタジエンスチレンゴム30質量%と、酸化剤(C)としてのメタバナジン酸アンモニウム(V)0.5質量%とを含有する水溶液を調整して、下地処理剤(I−d)を得た。なお、エラストマー(B)としては、実施例1と同様の水分散体を使用して、含有量を調整した。
加熱乾燥(温度:100℃)後に膜厚が2.5μmになるように、バーコーティングにて下地処理剤(I−d)(温度25℃)を銅箔表面上に塗布する表面処理を行った。
(実施例5)
化合物(A)としてのタンニン酸0.1質量%と、エラストマー(B)としてのアクリロニトリルブタジエンスチレンゴム15質量%と、酸化剤(C)としてのメタバナジン酸アンモニウム(V)0.25質量%とを含有する水溶液を調整して、下地処理剤(I−e)を得た。なお、エラストマー(B)としては、実施例1と同様の水分散体を使用して、含有量を調整した。
加熱乾燥(温度:100℃)後に膜厚が0.5μmになるように、バーコーティングにて下地処理剤(I−e)(温度25℃)を銅箔表面上に塗布する表面処理を行った。
(実施例6)
化合物(A)としてのタンニン酸1質量%と、エラストマー(B)としてのアクリロニトリルブタジエンスチレンゴム30質量%と、酸化剤(C)としてのメタバナジン酸アンモニウム(V)0.5質量%とを含有する水溶液を調整して、下地処理剤(I−f)を得た。なお、エラストマー(B)としては、実施例1と同様の水分散体を使用して、含有量を調整した。
加熱乾燥(温度:100℃)後に膜厚が1.0μmになるように、バーコーティングにて下地処理剤(I−f)(温度25℃)を銅箔表面上に塗布する表面処理を行った。
(実施例7)
化合物(A)としての2,4−ジヒドロキシ安息香酸0.05質量%と、エラストマー(B)としてのアクリロニトリルブタジエンスチレンゴム30質量%と、酸化剤(C)としてのメタバナジン酸アンモニウム(V)0.5質量%とを含有する水溶液を調整して、下地処理剤(I−g)を得た。なお、エラストマー(B)としては、実施例1と同様の水分散体を使用して、含有量を調整した。
加熱乾燥(温度:100℃)後に膜厚が1.0μmになるように、バーコーティングにて下地処理剤(I−g)(温度25℃)を銅箔表面上に塗布する表面処理を行った。
(実施例8)
化合物(A)としての3,4−ジヒドロキシ安息香酸0.3質量%と、エラストマー(B)としてのアクリロニトリルブタジエンスチレンゴム30質量%と、酸化剤(C)としてのメタバナジン酸アンモニウム(V)0.5質量%とを含有する水溶液を調整して、下地処理剤(I−h)を得た。なお、エラストマー(B)としては、実施例1と同様の水分散体を使用して、含有量を調整した。
加熱乾燥(温度:100℃)後に膜厚が1.0μmになるように、バーコーティングにて下地処理剤(I−h)(温度25℃)を銅箔表面上に塗布する表面処理を行った。
(実施例9)
化合物(A)としての3,5−ジヒドロキシ安息香酸0.5質量%と、エラストマー(B)としてのアクリロニトリルブタジエンスチレンゴム30質量%と、酸化剤(C)としてのメタバナジン酸アンモニウム(V)0.5質量%とを含有する水溶液を調整して、下地処理剤(I−i)を得た。なお、エラストマー(B)としては、実施例1と同様の水分散体を使用して、含有量を調整した。
加熱乾燥(温度:100℃)後に膜厚が1.0μmになるように、バーコーティングにて下地処理剤(I−i)(温度25℃)を銅箔表面上に塗布する表面処理を行った。
参考例10)
酸化剤(C)を用いず、化合物(A)としてのタンニン酸1質量%と、エラストマー(B)としてのアクリロニトリルブタジエンスチレンゴム15質量%とを含有する水溶液を調整して、下地処理剤(I−j)を得た。なお、エラストマー(B)としては、実施例1と同様の水分散体を使用して、含有量を調整した。
加熱乾燥(温度:100℃)後に膜厚が0.5μmになるように、バーコーティングにて下地処理剤(I−j)(温度25℃)を銅箔表面上に塗布する表面処理を行った。
(実施例11)
加熱乾燥(温度:100℃)後に膜厚が2.5μmになるように、バーコーティングにて下地処理剤(I−a)(温度25℃)を厚さ18μmのアルミニウム箔表面上に塗布する表面処理を行った。
(実施例12)
化合物(A)としての没食子酸一水和物0.4質量%と、エラストマー(B)としてのアクリロニトリルブタジエンスチレンゴム30質量%と、酸化剤(C)としてのメタバナジン酸アンモニウム(V)0.5質量%とを含有する水溶液を調整して、下地処理剤(I−k)を得た。なお、エラストマー(B)としては、実施例1と同様の水分散体を使用して、含有量を調整した。
加熱乾燥(温度:100℃)後に膜厚が6.0μmになるように、バーコーティングにて下地処理剤(I−k)(温度25℃)を銅箔表面上に塗布する表面処理を行った。
(実施例13)
化合物(A)としての没食子酸一水和物0.4質量%と、エラストマー(B)としてのアクリロニトリルブタジエンスチレンゴム30質量%と、酸化剤(C)としての七モリブデン酸六アンモニウム四水和物0.5質量%とを含有する水溶液を調整して、下地処理剤(I−l)を得た。なお、エラストマー(B)としては、実施例1と同様の水分散体を使用して、含有量を調整した。
加熱乾燥(温度:100℃)後に膜厚が6.0μmになるように、バーコーティングにて下地処理剤(I−l)(温度25℃)を銅箔表面上に塗布する表面処理を行った。
(実施例14)
化合物(A)としての没食子酸一水和物0.4質量%と、エラストマー(B)としてのアクリロニトリルブタジエンスチレンゴム30質量%と、酸化剤(C)としてのメタタングステン酸アンモニウム0.4質量%とを含有する水溶液を調整して、下地処理剤(I−m)を得た。なお、エラストマー(B)としては、実施例1と同様の水分散体を使用して、含有量を調整した。
加熱乾燥(温度:150℃)後に膜厚が6.0μmになるように、バーコーティングにて下地処理剤(I−m)(温度25℃)を銅箔表面上に塗布する表面処理を行った。
(実施例15)
化合物(A)としての没食子酸一水和物0.2質量%と、エラストマー(B)としてのアクリルゴム30質量%と、酸化剤(C)としてのメタバナジン酸アンモニウム(V)0.5質量%とを含有する水溶液を調整して、下地処理剤(I−n)を得た。なお、エラストマー(B)としては、カルボキシル基を有するアクリルゴムの水分散体(固形分濃度:48%、pH:5、粘度:120cP、Tg:0℃、比重:1.07、表面張力:42dyne/cm、アニオン系界面活性剤含有)を用いて、上記水溶液中のエラストマー(B)の含有量となるように調整した。
加熱乾燥(温度:100℃)後に膜厚が6.0μmになるように、バーコーティングにて下地処理剤(I−n)(温度25℃)を銅箔表面上に塗布する表面処理を行った。
(実施例16)
化合物(A)としての没食子酸一水和物0.2質量%と、エラストマー(B)としてのアクリルゴム30質量%と、酸化剤(C)としてのメタバナジン酸アンモニウム(V)0.5質量%とを含有する水溶液を調整して、下地処理剤(I−o)を得た。なお、エラストマー(B)としては、カルボキシル基を有するアクリルゴムの水分散体(固形分濃度:52%、pH:6.1、粘度:55cP、Tg:−15℃、比重:1.07、表面張力:36.5dynes/cm、アニオン系界面活性剤含有)を用いて、上記水溶液中のエラストマー(B)の含有量となるように調整した。
加熱乾燥(温度:100℃)後に膜厚が6.0μmになるように、バーコーティングにて下地処理剤(I−o)(温度25℃)を銅箔表面上に塗布する表面処理を行った。
(実施例17)
化合物(A)としての没食子酸一水和物0.2質量%と、エラストマー(B)としてのアクリルゴム30質量%と、酸化剤(C)としてのメタバナジン酸アンモニウム(V)0.5質量%とを含有する水溶液を調整して、下地処理剤(I−p)を得た。なお、エラストマー(B)としては、カルボキシル基を有するアクリルゴムの水分散体(固形分濃度:50.5%、pH:4.5、粘度:40cP、Tg:−15℃、比重:1.06、表面張力:38dynes/cm、アニオン系界面活性剤含有)を用いて、上記水溶液中のエラストマー(B)の含有量となるように調整した。
加熱乾燥(温度:100℃)後に膜厚が6.0μmになるように、バーコーティングにて下地処理剤(I−p)(温度25℃)を銅箔表面上に塗布する表面処理を行った。
(実施例18)
化合物(A)としての没食子酸一水和物0.2質量%と、エラストマー(B)としてのアクリルゴム30質量%と、酸化剤(C)としてのメタバナジン酸アンモニウム(V)0.5質量%とを含有する水溶液を調整して、下地処理剤(I−q)を得た。なお、エラストマー(B)としては、カルボキシル基を有するアクリルゴムの水分散体(固形分濃度:50%、pH:3.5、粘度:200cP、Tg:−25℃、比重:1.06、アニオン系界面活性剤およびノニオン系界面活性剤含有)を用いて、上記水溶液中のエラストマー(B)の含有量となるように調整した。
加熱乾燥(温度:150℃)後に膜厚が6.0μmになるように、バーコーティングにて下地処理剤(I−q)(温度25℃)を銅箔表面上に塗布する表面処理を行った。
(実施例19)
化合物(A)としての没食子酸一水和物0.4質量%と、エラストマー(B)としてのアクリルゴム30質量%と、酸化剤(C)としてのメタタングステン酸アンモニウム0.2質量%とを含有する水溶液を調整して、下地処理剤(I−r)を得た。なお、エラストマー(B)としては、カルボキシル基を有するアクリルゴムの水分散体(固形分濃度:48.5%、pH:8、粘度:70cP、粒子径:0.24μm、Tg:−29℃、比重:1.04、表面張力:42dyne/cm、アニオン系界面活性剤含有)を用いて、上記水溶液中のエラストマー(B)の含有量となるように調整した。
加熱乾燥(温度:150℃)後に膜厚が10.0μmになるように、バーコーティングにて下地処理剤(I−r)(温度25℃)を銅箔表面上に塗布する表面処理を行った。
(実施例20)
化合物(A)としての没食子酸一水和物0.2質量%と、エラストマー(B)としてのニトリルブタジエンゴム30質量%と、酸化剤(C)としてのメタバナジン酸アンモニウム(V)0.5質量%とを含有する水溶液を調整して、下地処理剤(I−s)を得た。なお、エラストマー(B)としては、メチロール基を有するニトリルブタジエンゴムの水分散体(固形分濃度:47%、pH:6.6、粘度:65cP、粒子径:0.06〜0.25μm、Tg:−30℃、比重:0.99、アニオン系界面活性剤含有)を用いて、上記水溶液中のエラストマー(B)の含有量となるように調整した。
加熱乾燥(温度:100℃)後に膜厚が6.0μmになるように、バーコーティングにて下地処理剤(I−s)(温度25℃)を銅箔表面上に塗布する表面処理を行った。
(実施例21)
化合物(A)としての没食子酸一水和物0.2質量%と、エラストマー(B)としてのスチレンブタジエンゴム30質量%と、酸化剤(C)としてのメタバナジン酸アンモニウム(V)0.5質量%とを含有する水溶液を調整して、下地処理剤(I−t)を得た。なお、エラストマー(B)としては、メチロール基を有するスチレンブタジエンゴムの水分散体(固形分濃度:40%、pH:9.1、粘度:50cP、Tg:10℃、比重:1.01、表面張力:70dyne/cm)を用いて、上記水溶液中のエラストマー(B)の含有量となるように調整した。
加熱乾燥(温度:100℃)後に膜厚が6.0μmになるように、バーコーティングにて下地処理剤(I−t)(温度25℃)を銅箔表面上に塗布する表面処理を行った。
(実施例22)
化合物(A)としての没食子酸一水和物0.2質量%と、エラストマー(B)としてのアクリロニトリルブタジエンスチレンゴム30質量%と、酸化剤(C)としてのメタバナジン酸アンモニウム(V)0.5質量%、リン酸0.5質量%とを含有する水溶液を調整して、下地処理剤(I−u)を得た。なお、エラストマー(B)としては、実施例1と同様の水分散体を使用して、含有量を調整した。
加熱乾燥(温度:100℃)後に膜厚が6.0μmになるように、バーコーティングにて下地処理剤(I−u)(温度25℃)を銅箔表面上に塗布する表面処理を行った。
(実施例23)
化合物(A)としての没食子酸一水和物0.2質量%と、エラストマー(B)としてのアクリロニトリルブタジエンスチレンゴム30質量%と、酸化剤(C)としてのメタバナジン酸アンモニウム(V)0.5質量%、炭酸ジルコニウムアンモニウム1.0質量%とを含有する水溶液を調整して、下地処理剤(I−v)得た。なお、エラストマー(B)としては、実施例1と同様の水分散体を使用して、含有量を調整した。
加熱乾燥(温度:150℃)後に膜厚が6.0μmになるように、バーコーティングにて下地処理剤(I−v)(温度25℃)を銅箔表面上に塗布する表面処理を行った。
(実施例24)
加熱乾燥(温度:100℃)後に膜厚が6.0μmになるように、バーコーティングにて下地処理剤(I−k)(温度25℃)を厚さ50μmのアルミニウム箔表面上に塗布する表面処理を行った。
(実施例25)
加熱乾燥(温度:100℃)後に膜厚が6.0μmになるように、バーコーティングにて下地処理剤(I−a)(温度25℃)をニッケル箔表面上に塗布する表面処理を行った。
(実施例26)
前述の処理工程中、酸洗、水洗工程の後に、水分除去を行わずに、無電解ニッケルめっき浴(硫酸ニッケル6水和物5質量%、チオ尿素5質量%を含み、硫酸によりpH=3に調整した水溶液)中に、銅箔を処理温度30℃で5min浸漬し、ニッケルメッキ層を有する銅箔を作製した。
その後水洗、水分除去工程の後に、加熱乾燥(温度:100℃)後の膜厚が6.0μmになるように、バーコーティングにて下地処理剤(I−k)(温度25℃)をニッケルメッキ層表面上に塗布する表面処理を行った。
(実施例27)
加熱乾燥(温度:100℃)後に膜厚が6.0μmになるように、バーコーティングにて下地処理剤(I−k)(温度25℃)をSUS304箔表面上に塗布する表面処理を行った。
(実施例28)
加熱乾燥(温度:100℃)後に膜厚が6.0μmになるように、バーコーティングにて下地処理剤(I−k)(温度25℃)をSUS430箔表面上に塗布する表面処理を行った。
(実施例29)
化合物(A)としてのチオ尿素0.5質量%と、エラストマー(B)としてのアクリロニトリルブタジエンスチレンゴム30質量%と、酸化剤(C)としてのメタバナジン酸アンモニウム(V)0.5質量%とを含有する水溶液を調整して、下地処理剤(II−a)を得た。なお、エラストマー(B)としては、実施例1と同様の水分散体を使用して、含有量を調整した。
加熱乾燥(温度:150℃)後に膜厚が6.0μmになるように、バーコーティングにて下地処理剤(II−a)(温度25℃)を銅箔表面上に塗布する表面処理を行った。
(実施例30)
化合物(A)としてのチオ尿素0.5質量%と、エラストマー(B)としてのアクリロニトリルブタジエンスチレンゴム30質量%と、酸化剤(C)としての七モリブデン酸六アンモニウム四水和物1質量%とを含有する水溶液を調整して、下地処理剤(II−b)を得た。なお、エラストマー(B)としては、実施例1と同様の水分散体を使用して、含有量を調整した。
加熱乾燥(温度:150℃)後に膜厚が6.0μmになるように、バーコーティングにて下地処理剤(II−b)(温度25℃)を銅箔表面上に塗布する表面処理を行った。
(実施例31)
化合物(A)としてのチオ尿素0.5質量%と、エラストマー(B)としてのアクリロニトリルブタジエンスチレンゴム30質量%と、酸化剤(C)としてのメタタングステン酸アンモニウム0.4質量%とを含有する水溶液を調整して、下地処理剤(II−c)を得た。なお、エラストマー(B)としては、実施例1と同様の水分散体を使用して、含有量を調整した。
加熱乾燥(温度:150℃)後に膜厚が6.0μmになるように、バーコーティングにて下地処理剤(II−c)(温度25℃)を銅箔表面上に塗布する表面処理を行った。
(実施例32)
化合物(A)としてのチオ尿素0.1質量%と、エラストマー(B)としてのアクリルゴム30質量%と、酸化剤(C)としてのメタバナジン酸アンモニウム(V)0.5質量%とを含有する水溶液を調整して、下地処理剤(II−d)を得た。なお、エラストマー(B)としては、実施例19と同様の水分散体を使用して、含有量を調整した。
加熱乾燥(温度:150℃)後に膜厚が6.0μmになるように、バーコーティングにて下地処理剤(II−d)(温度25℃)を銅箔表面上に塗布する表面処理を行った。
(実施例33)
化合物(A)としてのN−メチルチオ尿素0.5質量%と、エラストマー(B)としてのアクリロニトリルブタジエンスチレンゴム30質量%と、酸化剤(C)としてのメタバナジン酸アンモニウム(V)0.5質量%とを含有する水溶液を調整して、下地処理剤(II−e)を得た。なお、エラストマー(B)としては、実施例1と同様の水分散体を使用して、含有量を調整した。
加熱乾燥(温度:150℃)後に膜厚が6.0μmになるように、バーコーティングにて下地処理剤(II−e)(温度25℃)を銅箔表面上に塗布する表面処理を行った。
(実施例34)
化合物(A)としての1−アリル−2−チオ尿素0.5質量%と、エラストマー(B)としてのアクリロニトリルブタジエンスチレンゴム30質量%と、酸化剤(C)としてのメタバナジン酸アンモニウム(V)0.5質量%とを含有する水溶液を調整して、下地処理剤(II−f)を得た。なお、エラストマー(B)としては、実施例1と同様の水分散体を使用して、含有量を調整した。
加熱乾燥(温度:100℃)後に膜厚が6.0μmになるように、バーコーティングにて下地処理剤(II−f)(温度25℃)を銅箔表面上に塗布する表面処理を行った。
(実施例35)
化合物(A)としての1−アリル−3−(2−ヒドロキシエチル)チオ尿素0.5質量%と、エラストマー(B)としてのアクリロニトリルブタジエンスチレンゴム30質量%と、酸化剤(C)としてのメタバナジン酸アンモニウム(V)0.5質量%とを含有する水溶液を調整して、下地処理剤(II−g)を得た。なお、エラストマー(B)としては、実施例1と同様の水分散体を使用して、含有量を調整した。
加熱乾燥(温度:150℃)後に膜厚が6.0μmになるように、バーコーティングにて下地処理剤(II−g)(温度25℃)を銅箔表面上に塗布する表面処理を行った。
(実施例36)
化合物(A)としてのチオ尿素0.5質量%と、エラストマー(B)としてのアクリルゴム30質量%と、酸化剤(C)としての七モリブデン酸六アンモニウム四水和物0.5質量%とを含有する水溶液を調整して、下地処理剤(II−h)を得た。なお、エラストマー(B)としては、実施例19と同様の水分散体を使用して、含有量を調整した。
前述の処理工程中、酸洗、水洗工程の後に、水分除去を行わずに、無電解ニッケルめっき浴(硫酸ニッケル6水和物5質量%、チオ尿素5質量%を含み、硫酸によりpH=3に調整した水溶液)中に、銅箔を処理温度30℃で5min浸漬し、ニッケルメッキ層を有する銅箔を作製した。
その後水洗、水分除去工程の後に、加熱乾燥(温度:150℃)後の膜厚が6.0μmになるように、バーコーティングにて下地処理剤(II−h)(温度25℃)をニッケルメッキ層表面上に塗布する表面処理を行った。
(実施例37)
化合物(A)としてのチオ尿素0.5質量%と、エラストマー(B)としてのアクリルゴム30質量%と、酸化剤(C)としての七モリブデン酸六アンモニウム四水和物0.5質量%とを含有する水溶液を調整して、下地処理剤(II−i)を得た。なお、エラストマー(B)としては、実施例19と同様の水分散体を使用して、含有量を調整した。
加熱乾燥(温度:150℃)後に膜厚が6.0μmになるように、バーコーティングにて下地処理剤(II−i)(温度25℃)を銅箔表面上に塗布する表面処理を行った。
(比較例1)
化合物(A)を用いず、エラストマー(B)としてのアクリロニトリルブタジエンスチレンゴム15質量%と、酸化剤(C)としてのメタバナジン酸アンモニウム(V)0.25質量%とを含有する水溶液を調整して、下地処理剤(III−a)を得た。なお、エラストマー(B)としては、実施例1と同様の水分散体を使用して、含有量を調整した。
加熱乾燥(温度:100℃)後に膜厚が1.0μmになるように、バーコーティングにて下地処理剤(III−a)(温度25℃)を銅箔表面上に塗布する表面処理を行った。
(比較例2)
化合物(A)および酸化剤(C)を用いず、エラストマー(B)としてのアクリロニトリルブタジエンスチレンゴム30質量%を含有する水溶液を調整して、下地処理剤(III−b)を得た。なお、エラストマー(B)としては、実施例1と同様の水分散体を使用して、含有量を調整した。
加熱乾燥(温度:100℃)後に膜厚が2.5μmになるように、バーコーティングにて下地処理剤(III−b)(温度25℃)を銅箔表面上に塗布する表面処理を行った。
(比較例3)
エラストマー(B)を用いず、化合物(A)としての没食子酸一水和物0.2質量%と、酸化剤(C)としてのメタバナジン酸アンモニウム(V)0.5質量%とを含有する水溶液を調整して、下地処理剤(III−c)を得た。
加熱乾燥(温度:100℃)後に膜厚が0.1μmになるように、バーコーティングにて下地処理剤(III−c)(温度25℃)を銅箔表面上に塗布する表面処理を行った。
(比較例4)
化合物(A)を用いず、エラストマー(B)としてのアクリロニトリルブタジエンスチレンゴム30質量%と、酸化剤(C)としてのメタバナジン酸アンモニウム(V)0.5質量%とを含有する水溶液を調整して、下地処理剤(III−d)を得た。なお、エラストマー(B)としては、実施例1と同様の水分散体を使用して、含有量を調整した。
加熱乾燥(温度:100℃)後に膜厚が6.0μmになるように、バーコーティングにて下地処理剤(III−d)(温度25℃)を銅箔表面上に塗布する表面処理を行った。
(比較例5)
化合物(A)および酸化剤(C)を用いず、エラストマー(B)としてのアクリロニトリルブタジエンスチレンゴム30質量%を含有する水溶液を調整して、下地処理剤(III−e)を得た。なお、エラストマー(B)としては、実施例1と同様の水分散体を使用して、含有量を調整した。
加熱乾燥(温度:100℃)後に膜厚が6.0μmになるように、バーコーティングにて下地処理剤(III−e)(温度25℃)を銅箔表面上に塗布する表面処理を行った。
(比較例6)
エラストマー(B)を用いず、化合物(A)としてチオ尿素0.5質量%、酸化剤(C)としてのメタバナジン酸アンモニウム(V)0.5質量%とを含有する水溶液を調整して、下地処理剤(III−f)を得た。
加熱乾燥(温度:150℃)後に膜厚が0.1μmになるように、バーコーティングにて下地処理剤(III−f)(温度25℃)を銅箔表面上に塗布する表面処理を行った。
(比較例7)
化合物(A)および酸化剤(C)を用いず、エラストマー(B)としてのアクリルゴム30質量%を含有する水溶液を調整して、下地処理剤(III−g)を得た。なお、エラストマー(B)としては、実施例19と同様の水分散体を使用して、含有量を調整した。
加熱乾燥(温度:150℃)後に膜厚が6.0μmになるように、バーコーティングにて下地処理剤(III−g)(温度25℃)を銅箔表面上に塗布する表面処理を行った。
(比較例8)
上記処理工程のうち(4)水洗まで実施後に、黒化処理浴(亜塩素酸ナトリウム30g/L、リン酸3ナトリウム12水和物10g/L、水酸化ナトリウム15g/Lを含む水溶液)に、銅箔を処理温度90℃で3min浸漬した。その後、水洗後熱風オーブン中で、100℃で5min加熱乾燥することで黒化処理サンプルを作製した。
2.下地被膜付き金属材料の評価
実施例1〜37および比較例1〜8で得られた下地被膜付き金属材料について、以下のようにして各種の評価を行った。
(1)金属材料表面の算術平均表面粗さおよび下地被膜の算術平均表面粗さ評価
得られた下地被膜付き金属材料をエポキシ樹脂に埋め込んだサンプルを作製し、そのサンプルの断面を走査型電子顕微鏡(倍率:10000倍)を用いて観察し、下地被膜付き金属材料の金属材料表面の算術平均表面粗さRaを見積もったところ、いずれのサンプルもRaが0.50μm以下の平滑面であることが確認できた。
なお、実施例12では下地被膜付き金属材料の金属材料表面の算術平均表面粗さRaは0.3μmで、処理前後の金属材料表面粗さの変化ΔRaは0.0μmであり、下地被膜表面の算術平均表面粗さRaも0.1μmと非常に平坦であった。
また、実施例31では下地被膜付き金属材料の金属材料表面の算術平均表面粗さRaは0.3μmで、処理前後の金属材料表面粗さの変化ΔRaは0.0μmであり、下地被膜表面の算術平均表面粗さRaも0.1μmと非常に平坦であった。
(2)接着性
得られた下地被膜付き金属材料に、厚さ約100μmのガラス布基材エポキシ樹脂シート(日立化成工業(株)製、商品名:GEA−679N)を張り合わせ、加熱温度180℃、圧力45kgf/cm2、加熱時間1時間の条件でプレス接着し、金属材料−エポキシ樹脂の積層部材を得た。
<1次接着性>
この積層部材を1cm幅に切断し、ガラス布基材エポキシ樹脂シートを固定した状態で、一部接着していない銅材料の部分を垂直方向に引っ張る90度はく離試験を行い、はく離強度を測定した。
<耐熱2次接着性>
この積層部材を1cm幅に切断し、オーブンで275℃、1分間加熱し、その後、1次接着性と同様の90度はく離試験を行い、はく離強度を測定した。
<評価基準>
はく離強度が0.4kgf/cm以下であるものを接着性に劣るものとして評価した。得られた結果を以下の表1に示す。
表1から明らかなように、本発明の下地処理剤を用いて本発明の下地処理方法により得られた本発明の下地被膜付き銅材料(実施例1〜36)は、エポキシ樹脂と積層して本発明の積層部材とした場合に、金属材料とエポキシ樹脂との間で優れた接着性、特に高温下での優れた接着性を示すことが確認された。
それに対し、比較例1〜7では、1次接着性および耐熱2次接着性がいずれも劣る結果となった。また、黒化処理を施した比較例8は、1次接着性が良好であったものの、耐熱2次密着性に劣る事が確認された。
<長期耐熱2次接着性試験>
上述の実施例19、24〜28、31、32、36および37と、比較例5で得られた下地被膜付き金属材料を用いて、上述の(2)に記載した同様の方法で、銅材料−エポキシ樹脂の積層部材を得た。
この積層部材を1cm幅に切断し、オーブンで180℃、48時間加熱し、その後、ガラス布基材エポキシ樹脂シートを固定した状態で、一部接着していない銅材料の部分を垂直方向に引っ張る90度はく離試験を行い、はく離強度を測定した。得られた結果を、以下の表2に示す。
表2から明らかなように、本発明の下地処理剤を用いて本発明の下地処理方法により得られた本発明の下地被膜付き銅材料は、エポキシ樹脂と積層して本発明の積層部材とした場合に、金属材料とエポキシ樹脂との間で優れた長期耐熱接着性を示すことが確認された。
それに対し、比較例5では、全く接着性を示さなかった。
<耐湿2次接着性試験>
上述の実施例15〜19、23、24、26、29および32と、比較例5、7、および8で得られた下地被膜付き金属材料を用いて、上述の(2)に記載した同様の方法で、銅材料−エポキシ樹脂の積層部材を得た。
この積層部材を1cm幅に切断し、オーブンで121℃、2気圧、100%相対湿度条件下、1時間加熱し、その後、ガラス布基材エポキシ樹脂シートを固定した状態で、一部接着していない銅材料の部分を垂直方向に引っ張る90度はく離試験を行い、はく離強度を測定した。得られた結果を、以下の表3に示す。
表3から明らかなように、本発明の下地処理剤を用いて本発明の下地処理方法により得られた本発明の下地被膜付き銅材料は、エポキシ樹脂と積層して本発明の積層部材とした場合に、高湿度下においても金属材料とエポキシ樹脂との優れた接着性を示すことが確認された。
それに対し、比較例5および7では、接着性が劣っていた。また、黒化処理を施した比較例8についても、耐湿2次接着性に劣る事が確認された。
<耐酸2次接着性試験>
上述の実施例12、19、および37と、比較例8で得られた下地被膜付き金属材料を用いて、上述の(2)に記載した同様の方法で、銅材料−エポキシ樹脂の積層部材を得た。
この積層部材を1cm幅に切断し、25℃の1M塩酸水溶液中に15分間浸漬した後、ガラス布基材エポキシ樹脂シートを固定した状態で、一部接着していない銅材料の部分を垂直方向に引っ張る90度はく離試験を行い、はく離強度を測定した。得られた結果を、以下の表4に示す。
実施例12、19および37で得られた下地被膜付き金属材料は、酸性溶液で処理した後であっても良好な接着性を示すことが確認された。それに対し黒化処理を施した比較例8では、はく離強度が0.0kgf/cmと接着性に劣る事が確認された。この特性により、本発明の下地被膜付き金属材料を使用すれば、プリント配線板作製時に生じるピンクリングなどの不具合が抑制される。
(3)剥離界面分析
実施例1で得られた下地被膜付き銅材料を用いて、上記(2)の1次接着性評価の後、銅材料側およびエポキシ樹脂側の剥離面について、以下に示す条件でXPS深さ方向分析を実施した。結果を図2〜図5に示す。
<XPS深さ方向分析>
・使用装置;島津製作所(株)製 ESCA850
・励起X線;Mg-Kα
・測定面積;約50mm2
・測定領域;C1s, Cu2p, CuLMM, V2p
・スパッタリング深さ;240nm(SiO換算でスパッタリング速度80nm/min)
・スパッタリング時間3min(0, 1, 8.5, 16, 23.5, 31, 38.5, 76, 180secにてXPS分析)
図2は、C1s準位に由来するピーク強度の分布図である。スパッタリング時間0secが剥離界面に相当し、横軸のスパッタリング時間が負側のプロットがエポキシ樹脂側、正側のプロットが銅材料側を示す。図2より、剥離界面の銅材料側において、極表面近傍を除いては炭素が検出されない事から、剥離モードは銅材料−下地被膜間の界面剥離であることを確認した。
図3は、Cu2p準位に由来するピーク強度の分布図である。図3より、剥離界面エポキシ樹脂側において銅が検出された(検出範囲;スパッタリング時間0〜180sec、ピーク極大点8.5〜38.5sec)。下地被膜の正確なスパッタリング速度が判らないことから、下地被膜中における銅の濃化領域の正確な範囲を見積もる事は出来ないが、数百nm程度のオーダーであると推測された。また、図4の剥離界面エポキシ樹脂側の各スパッタリング深さにおけるCuLMM領域のナロウスペクトルより、銅の金属状態に由来する355eV付近、および銅の1価状態に由来する357eV付近にピークが確認され、下地被膜の銅材料表面側の表層(下地被膜の表面から数百nmの領域)において銅が含有されていることが確認され、さらに、その銅が金属状態および1価の状態で存在している事を確認した。
また、図5は、V2p準位に由来するピーク強度の分布図である。銅側剥離界面において表面近傍(スパッタリング時間0〜8.5secの領域)においてV2p準位に由来するピークが検出された。正確なスパッタリング速度が判らないことから、バナジウム元素の濃化領域の正確な範囲を見積もる事は出来ないが、数十nm程度のオーダーであると推測された。下地被膜の銅材料表面側の表層(下地被膜の表面から数十nmの領域)においてバナジウム元素の濃化層がある事を確認した。
本発明の下地処理剤は、背景技術において記載したプリント配線板等における銅材料と樹脂との接着だけでなく、種々の金属材料上にコーティング法、ラミネート接着法、射出成形接着法等の手法により樹脂を形成させる際の下地処理剤としても有用である。

Claims (20)

  1. 1個以上のベンゼン核と、水酸基、カルボキシ基およびアミノ基からなる群から選択され、前記ベンゼン核を構成する炭素原子に直接結合する2個以上の官能基とを有する化合物(A−1)、および、チオ尿素誘導体(A−2)からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物(A)と、少なくとも1種のエラストマー(B)と、少なくとも1種の酸化剤(C)とを含有し、前記酸化剤(C)が、酸化数が5のVA族元素化合物、および、酸化数が6のVIA族元素化合物からなる群から選択される少なくとも1種である金属材料用下地処理剤。
  2. 前記化合物(A−1)が、下記式(1)若しくは式(2)で表される環状有機化合物、前記環状有機化合物の重縮合物、または、前記環状有機化合物と他の重合性化合物との共重合物である請求項1に記載の金属材料用下地処理剤。
    (式(1)中、X1〜X6は、それぞれ独立に、水素原子または官能基を表し、X1〜X6のうち2個以上は、水酸基、カルボキシ基およびアミノ基からなる群から選択される官能基を表す。
    式(2)中、Y1〜Y8は、それぞれ独立に、水素原子または官能基を表し、Y1〜Y8のうち2個以上は、水酸基、カルボキシ基およびアミノ基からなる群から選択される官能基を表す。)
  3. 前記チオ尿素誘導体(A−2)が、下記式(3)で表される化合物である請求項1または2に記載の金属材料用下地処理剤。
    (式(3)中、Z1およびZ2は、それぞれ独立に、アルキル基、アリール基、アルコキシカルボニル基、アミノ基、アルキルアミノ基、アリルアミノ基、アセチルアミノ基、ヒドロキシエチルアミノ基、N−ベンゾイルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基、フェニルアミノ基、トリルアミノ基、ナフチルアミノ基、フェニルアゾ基、グアニルアミノ基、ニコチン基、ヒドラジノ基、フェニルヒドラジノ基、チオカルバモイル基、またはチオカルバモイルアミノ基を表す。)
  4. 前記チオ尿素誘導体(A−2)が、下記式(4)で表される化合物である請求項1〜のいずれかに記載の金属材料用下地処理剤。
    (式(4)中、R1、R2、R3、およびR4は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基、またはヒドロキシアルキル基を表す。)
  5. 1個以上のベンゼン核と、水酸基、カルボキシ基およびアミノ基からなる群から選択され、前記ベンゼン核を構成する炭素原子に直接結合する2個以上の官能基とを有する化合物(A−1)、および、チオ尿素誘導体(A−2)からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物(A)と、少なくとも1種のエラストマー(B)とを含有する金属材料用下地処理剤を用いて、金属材料を処理して得られる下地皮膜付き金属材料であって、前記下地皮膜の金属材料側の表層に前記金属材料由来の金属原子が濃化され、前記金属原子の一部が金属状態で存在する、下地皮膜付き金属材料。
  6. 前記金属材料用下地処理剤が、さらに、少なくとも1種の酸化剤(C)を含有する、請求項5に記載の下地皮膜付き金属材料。
  7. 前記酸化剤(C)が、硝酸系化合物、硫酸系化合物、ハロゲン酸系化合物、酸化数が4または5のVA族元素化合物、酸化数が6のVIA族元素化合物、銅(II)化合物、鉄(III)化合物、および有機過酸化物からなる群から選択される少なくとも1種である、請求項6に記載の下地皮膜付き金属材料。
  8. 前記化合物(A−1)が、下記式(1)若しくは式(2)で表される環状有機化合物、前記環状有機化合物の重縮合物、または、前記環状有機化合物と他の重合性化合物との共重合物である、請求項5〜7のいずれかに記載の下地皮膜付き金属材料。
    (式(1)中、X 1 〜X 6 は、それぞれ独立に、水素原子または官能基を表し、X 1 〜X 6 のうち2個以上は、水酸基、カルボキシ基およびアミノ基からなる群から選択される官能基を表す。
    式(2)中、Y 1 〜Y 8 は、それぞれ独立に、水素原子または官能基を表し、Y 1 〜Y 8 のうち2個以上は、水酸基、カルボキシ基およびアミノ基からなる群から選択される官能基を表す。)
  9. 前記チオ尿素誘導体(A−2)が、下記式(3)で表される化合物である、請求項5〜8のいずれかに記載の下地皮膜付き金属材料。
    (式(3)中、Z 1 およびZ 2 は、それぞれ独立に、アルキル基、アリール基、アルコキシカルボニル基、アミノ基、アルキルアミノ基、アリルアミノ基、アセチルアミノ基、ヒドロキシエチルアミノ基、N−ベンゾイルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基、フェニルアミノ基、トリルアミノ基、ナフチルアミノ基、フェニルアゾ基、グアニルアミノ基、ニコチン基、ヒドラジノ基、フェニルヒドラジノ基、チオカルバモイル基、またはチオカルバモイルアミノ基を表す。)
  10. 前記チオ尿素誘導体(A−2)が、下記式(4)で表される化合物である、請求項5〜9のいずれかに記載の下地皮膜付き金属材料。
    (式(4)中、R 1 、R 2 、R 3 、およびR 4 は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基、またはヒドロキシアルキル基を表す。)
  11. らに、前記下地皮膜の金属材料側の表層に、バナジウム、ニオブ、タンタル、モリブデン、およびタングステンからなる群から選択される少なくとも1種の金属原子が濃化される、請求項6〜10のいずれかに記載の下地皮膜付き金属材料。
  12. 1個以上のベンゼン核と、水酸基、カルボキシ基およびアミノ基からなる群から選択され、前記ベンゼン核を構成する炭素原子に直接結合する2個以上の官能基とを有する化合物(A−1)、および、チオ尿素誘導体(A−2)からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物(A)と、少なくとも1種のエラストマー(B)とを含有する金属材料用下地処理剤を金属材料表面に塗布する塗布工程と、
    前記塗布工程の後、水洗することなく乾燥し、下地被膜を形成する乾燥工程と
    を有する金属材料の下地処理方法。
  13. 前記金属材料用下地処理剤が、さらに、少なくとも1種の酸化剤(C)を含有する、請求項12に記載の金属材料の下地処理方法。
  14. 前記酸化剤(C)が、硝酸系化合物、硫酸系化合物、ハロゲン酸系化合物、酸化数が4または5のVA族元素化合物、酸化数が6のVIA族元素化合物、銅(II)化合物、鉄(III)化合物、および有機過酸化物からなる群から選択される少なくとも1種である、請求項13に記載の金属材料の下地処理方法。
  15. 前記化合物(A−1)が、下記式(1)若しくは式(2)で表される環状有機化合物、前記環状有機化合物の重縮合物、または、前記環状有機化合物と他の重合性化合物との共重合物である、請求項12〜14のいずれかに記載の金属材料の下地処理方法。
    (式(1)中、X 1 〜X 6 は、それぞれ独立に、水素原子または官能基を表し、X 1 〜X 6 のうち2個以上は、水酸基、カルボキシ基およびアミノ基からなる群から選択される官能基を表す。
    式(2)中、Y 1 〜Y 8 は、それぞれ独立に、水素原子または官能基を表し、Y 1 〜Y 8 のうち2個以上は、水酸基、カルボキシ基およびアミノ基からなる群から選択される官能基を表す。)
  16. 前記チオ尿素誘導体(A−2)が、下記式(3)で表される化合物である、請求項12〜15のいずれかに記載の金属材料の下地処理方法。
    (式(3)中、Z 1 およびZ 2 は、それぞれ独立に、アルキル基、アリール基、アルコキシカルボニル基、アミノ基、アルキルアミノ基、アリルアミノ基、アセチルアミノ基、ヒドロキシエチルアミノ基、N−ベンゾイルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基、フェニルアミノ基、トリルアミノ基、ナフチルアミノ基、フェニルアゾ基、グアニルアミノ基、ニコチン基、ヒドラジノ基、フェニルヒドラジノ基、チオカルバモイル基、またはチオカルバモイルアミノ基を表す。)
  17. 前記チオ尿素誘導体(A−2)が、下記式(4)で表される化合物である、請求項12〜16のいずれかに記載の金属材料の下地処理方法。
    (式(4)中、R 1 、R 2 、R 3 、およびR 4 は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基、またはヒドロキシアルキル基を表す。)
  18. 前記塗布工程の前に、電解または無電解方式で、Niおよび/またはCoより構成される金属めっきを金属材料表面に施し、水洗する工程を有する請求項12〜17のいずれかに記載の金属材料の下地処理方法。
  19. 請求項12〜18のいずれかに記載の金属材料の下地処理方法により、金属材料を処理して得られる下地被膜付き金属材料。
  20. 請求項5〜11または19に記載の下地被膜付き金属材料と、下地被膜上に設けられた樹脂層とを有する、積層部材。
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