JP5897755B2 - 表面処理銅箔、銅張積層板、プリント配線板、電子機器、半導体パッケージ、プリント配線板の製造方法、電子機器の製造方法、半導体パッケージの製造方法、樹脂基材の製造方法、銅箔の表面プロファイルを樹脂基材に転写する方法 - Google Patents

表面処理銅箔、銅張積層板、プリント配線板、電子機器、半導体パッケージ、プリント配線板の製造方法、電子機器の製造方法、半導体パッケージの製造方法、樹脂基材の製造方法、銅箔の表面プロファイルを樹脂基材に転写する方法 Download PDF

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Description

本発明は、表面処理銅箔、銅張積層板、プリント配線板、電子機器、半導体パッケージ、プリント配線板の製造方法、樹脂基材の製造方法、銅箔の表面プロファイルを樹脂基材に転写する方法及び樹脂基材に関する。
プリント配線基板及び半導体パッケージ基板の回路形成工法はサブトラクティブ工法が主流であるが、近年の更なる微細配線化により、M−SAP(Modified Semi-Additive Process)や、銅箔の表面プロファイルを使ったセミアディティブ工法といった新たな工法が台頭している。
これらの新たな回路形成工法のうち、後者の銅箔の表面プロファイルを使ったセミアディティブ工法の一例として、次が挙げられる。すなわち、まず、樹脂基材に積層した銅箔を全面エッチングし、銅箔表面プロファイルが転写したエッチング基材面をレーザー等で穴開けし、穴開け部を導通させるための無電解銅メッキ層を施し、無電解銅メッキ表面をドライフィルムで被覆し、UV露光及び現像によって回路形成部のドライフィルムを除去し、ドライフィルムに被覆されていない無電解銅メッキ面に電気銅メッキを施し、ドライフィルムを剥離し、最後に硫酸、過酸化水素水を含有するエッチング液等によって無電解銅メッキ層をエッチング(フラッシュエッチング、クイックエッチング)することにより微細な回路を形成する。なお、本プロセス例では、無電解銅メッキのための触媒処理、銅表面をクリーン化するための酸洗処理等は各社各様であり、その記載は省略した。(特許文献1、特許文献2)
特開2006−196863号公報 特開2007−242975号公報
銅箔表面のプロファイルを用いたセミアディティブ工法では、樹脂に積層した銅箔をエッチングするのが一般的である。しかしながら、エッチングは、使用する薬液、排水処理等のコストがかかり、更に、環境への負荷も大きい。さらに、銅箔をエッチングで除去する場合、基材種及びエッチング条件にもよるが、銅箔表面のプロファイルが損なわれるおそれもある。このため、エッチングによる銅箔除去は好ましくない。
本発明者等は鋭意検討の結果、表面凹凸又は粗化粒子を有する銅箔において、当該銅箔に離型層を設けて、銅箔を樹脂基材に貼り合わせたときの樹脂基材の物理的な剥離を可能にすることで、銅箔を樹脂基材から除去する工程において、エッチングする必要が無く、樹脂基材の表面に転写した銅箔表面のプロファイルを損なうこと無く、良好なコストで銅箔を除去することが可能となることを見出した。
以上の知見を基礎として完成された本発明は一側面において、 粗化粒子を有さず、且つ、JIS B0601(1994年)に準拠して測定したRzが0.1〜5.0μmの表面凹凸を有する銅箔と、前記銅箔の表面凹凸を有する面に設けられた離型層であって、且つ、前記離型層側から前記銅箔へ樹脂基材を貼り合わせたときの前記樹脂基材を剥離可能にする離型層とを備えた表面処理銅箔であって、前記離型層が、次式:
(式中、R1はアルコキシ基またはハロゲン原子であり、R2はアルキル基、シクロアルキル基及びアリール基よりなる群から選択される炭化水素基であるか、一つ以上の水素原子がハロゲン原子で置換されたこれら何れかの炭化水素基であり、MはAlであり、nは0または1または2、mは1以上3以下の整数であり、R1の少なくとも一つはアルコキシ基である。なお、m+nは3である。)
に示すアルミネート化合物、その加水分解生成物、該加水分解生成物の縮合体を単独で又は複数組み合わせて用いてなる表面処理銅箔である。
本発明は別の一側面において、粗化粒子を有する銅箔と、前記銅箔の粗化粒子面に設けられた離型層であって、且つ、前記離型層側から前記銅箔へ樹脂基材を貼り合わせたときの前記樹脂基材を剥離可能にする離型層とを備えた表面処理銅箔であって、前記離型層が、次式:
(式中、R1はアルコキシ基またはハロゲン原子であり、R2はアルキル基、シクロアルキル基及びアリール基よりなる群から選択される炭化水素基であるか、一つ以上の水素原子がハロゲン原子で置換されたこれら何れかの炭化水素基であり、MはAlであり、nは0または1または2、mは1以上3以下の整数であり、R1の少なくとも一つはアルコキシ基である。なお、m+nは3である。)
に示すアルミネート化合物、その加水分解生成物、該加水分解生成物の縮合体を単独で又は複数組み合わせて用いてなる表面処理銅箔である。
本発明に係る表面処理銅箔は一実施形態において、前記離型層側から前記銅箔へ樹脂基材を貼り合わせたとき、前記樹脂基材を剥離する際の剥離強度が200gf/cm以下である。
本発明に係る表面処理銅箔は更に別の一実施形態において、前記銅箔と前記離型層との間に、耐熱層、防錆層、クロメート処理層及びシランカップリング処理層からなる群から選択された一種以上の層が設けられている。
本発明に係る表面処理銅箔は更に別の一実施形態において、前記表面処理銅箔の表面に樹脂層が設けられている。
本発明に係る表面処理銅箔は更に別の一実施形態において、前記耐熱層、防錆層、クロメート処理層及びシランカップリング処理層からなる群から選択された1種以上の層の表面に樹脂層が設けられている。
本発明に係る表面処理銅箔は更に別の一実施形態において、前記樹脂層が、接着用樹脂、プライマー又は半硬化状態の樹脂である。
本発明に係る表面処理銅箔は更に別の一実施形態において、前記表面処理銅箔の厚みが9〜70μmである。
本発明は別の一側面において、本発明の表面処理銅箔と、前記表面処理銅箔の離型層側に設けられた樹脂基材とを備えた銅張積層板である。
本発明に係る銅張積層板は、前記樹脂基材が、プリプレグである、又は、熱硬化性樹脂を含む。
本発明は更に別の一側面において、本発明の表面処理銅箔を用いたプリント配線板である。
本発明は更に別の一側面において、本発明のプリント配線板を備えた半導体パッケージである。
本発明は更に別の一側面において、本発明のプリント配線板又は半導体パッケージを用いた電子機器である。
本発明は更に別の一側面において、本発明の表面処理銅箔に、前記離型層側から樹脂基材を貼り合わせる工程と、前記樹脂基材から、前記表面処理銅箔をエッチングすることなく引き剥がすことで、剥離面に前記銅箔の表面プロファイルが転写された樹脂基材を得る工程と、前記表面プロファイルが転写された樹脂基材の前記剥離面側に回路を形成する工程とを備えたプリント配線板の製造方法である。
本発明は更に別の一側面において、本発明の表面処理銅箔に、前記離型層側から樹脂基材を貼り合わせる工程と、前記樹脂基材から、前記表面処理銅箔をエッチングすることなく引き剥がすことで、剥離面に前記銅箔の表面プロファイルが転写された樹脂基材を得る工程とを備えた樹脂基材の製造方法である。
本発明は更に別の一側面において、粗化粒子を有さず、且つ、JIS B0601(1994年)に準拠して測定したRzが0.1〜5.0μmの表面凹凸を有する銅箔と、前記銅箔の表面凹凸を有する面に設けられた離型層であって、且つ、前記離型層側から前記銅箔へ樹脂基材を貼り合わせたときの前記樹脂基材を剥離可能にする離型層とを備えた表面処理銅箔と樹脂基材とを準備する工程と、前記表面処理銅箔に、前記離型層側から前記樹脂基材を貼り合わせる工程と、前記樹脂基材から、前記表面処理銅箔をエッチングすることなく引き剥がすことで、剥離面に前記銅箔の表面プロファイルが転写された樹脂基材を得る工程とを含む樹脂基材の製造方法である。
本発明は更に別の一側面において、粗化粒子を有する銅箔と、前記銅箔の粗化粒子面に設けられた離型層であって、且つ、前記離型層側から前記銅箔へ樹脂基材を貼り合わせたときの前記樹脂基材を剥離可能にする離型層とを備えた表面処理銅箔と樹脂基材とを準備する工程と、前記表面処理銅箔に、前記離型層側から樹脂基材を貼り合わせる工程と、前記樹脂基材から、前記表面処理銅箔をエッチングすることなく引き剥がすことで、剥離面に前記銅箔の表面プロファイルが転写された樹脂基材を得る工程とを含む樹脂基材の製造方法である。
本発明は更に別の一側面において、本発明の樹脂基材の製造方法で製造された樹脂基材を用いてプリント配線板を製造するプリント配線板の製造方法である。
本発明は更に別の一側面において、本発明の樹脂基材の製造方法で製造された樹脂基材を用いたプリント配線板であり、更に当該プリント配線板を備えた半導体パッケージであり、更に当該プリント配線板又は半導体パッケージを用いた電子機器である。
本発明は更に別の一側面において、本発明の製造方法で製造した樹脂基材である。
本発明は更に別の一側面において、粗化粒子を有さず、且つ、JIS B0601(1994年)に準拠して測定したRzが0.1〜5.0μmの表面凹凸を有する銅箔と、前記銅箔の表面凹凸を有する面に設けられた離型層であって、且つ、前記離型層側から前記銅箔へ樹脂基材を貼り合わせたときの前記樹脂基材を剥離可能にする離型層とを備えた表面処理銅箔と樹脂基材とを準備する工程と、前記表面処理銅箔に、前記離型層側から前記樹脂基材を貼り合わせる工程と、前記樹脂基材から、前記表面処理銅箔をエッチングすることなく引き剥がすことで、剥離面に前記銅箔の表面プロファイルが転写された樹脂基材を得る工程とを含む銅箔の表面プロファイルを樹脂基材に転写する方法である。
本発明は更に別の一側面において、粗化粒子を有する銅箔と、前記銅箔の粗化粒子面に設けられた離型層であって、且つ、前記離型層側から前記銅箔へ樹脂基材を貼り合わせたときの前記樹脂基材を剥離可能にする離型層とを備えた表面処理銅箔と樹脂基材とを準備する工程と、前記表面処理銅箔に、前記離型層側から樹脂基材を貼り合わせる工程と、前記樹脂基材から、前記表面処理銅箔をエッチングすることなく引き剥がすことで、剥離面に前記銅箔の表面プロファイルが転写された樹脂基材を得る工程とを含む銅箔の表面プロファイルを樹脂基材に転写する方法である。
本発明は更に別の一側面において、本発明の銅箔の表面プロファイルを樹脂基材に転写する方法で銅箔の表面プロファイルを転写された樹脂基材を用いたプリント配線板であり、更に当該プリント配線板を備えた半導体パッケージであり、更に当該プリント配線板又は半導体パッケージを用いた電子機器である。
本発明は更に別の一側面において、本発明の銅箔の表面プロファイルを樹脂基材に転写する方法で銅箔の表面プロファイルが転写された樹脂基材である。
銅箔に樹脂基材を貼り合わせた後、銅箔を樹脂基材から除去する際に、エッチングする必要が無く、樹脂基材の表面に転写した銅箔表面のプロファイルを損なうこと無く、良好なコストで銅箔を除去することが可能な表面処理銅箔を提供する。
銅箔のプロファイルを使用したセミアディティブ工法の概略例を示す。
本発明に係る表面処理銅箔は、粗化粒子を有さず、且つ、JIS B0601(1994年)に準拠して測定したRzが0.1〜5.0μmの表面凹凸を有する銅箔と、銅箔の表面凹凸を有する面に設けられた離型層であって、且つ、離型層側から銅箔へ樹脂基材を貼り合わせたときの樹脂基材を剥離可能にする離型層とを備える。なお、離型層は銅箔の両面に設けてもよい。また、貼り合わせは圧着して貼り合わせてもよい。
本発明に係る表面処理銅箔は、別の一側面において粗化面を有する銅箔と、銅箔の粗化面側に設けられ、且つ、離型層側から銅箔へ樹脂基材を貼り合わせたときの樹脂基材を剥離可能にする離型層とを備える。なお、離型層は銅箔の両面に設けてもよい。
銅箔(生箔ともいう)は、電解銅箔或いは圧延銅箔のいずれで形成されていてもよい。銅箔の厚みは特に限定されず、例えば、5〜105μmとすることができる。また、樹脂基材からの引き剥がしが容易となることから、表面処理銅箔の厚みは9〜70μmであるのが好ましく、12〜35μmであるのがより好ましく、18〜35μmであるのが更により好ましい。
銅箔(生箔)の製造方法としては、特に限定されないが、例えば、一般電解生箔を作製する場合は、電解条件を下記とすることができる。
一般電解生箔の電解条件:
Cu:80〜120g/L
2SO4:80〜120g/L
塩化物イオン(Cl-):30〜100ppm
レベリング剤(ニカワ):0.1〜10ppm
電解液温度:50〜65℃
電解時間:10〜300秒(析出させる銅厚、電流密度により調整)
電流密度:50〜150A/dm2
電解液線速:1.5〜5m/sec
また、両面フラット電解生箔を作製する場合は、電解条件を、下記とすることができる。
両面フラット電解生箔の電解条件
銅:80〜120g/L
硫酸:80〜120g/L
塩素:30〜100ppm
レベリング剤1(ビス(3スルホプロピル)ジスルフィド):10〜30ppm
レベリング剤2(アミン化合物):10〜30ppm
電解液温度:50〜65℃
電解時間:0.5〜10分間(析出させる銅厚、電流密度により調整)
電流密度:70〜100A/dm2
電解液線速:1.5〜5m/sec
上記のアミン化合物には以下の化学式のアミン化合物を用いることができる。
(上記化学式中、R1及びR2はヒドロキシアルキル基、エーテル基、アリール基、芳香族置換アルキル基、不飽和炭化水素基、アルキル基からなる一群から選ばれるものである。)
本発明において銅箔から樹脂基材を「剥離」することは、エッチング等による化学的な処理によって樹脂基材から銅箔を除去するのではなく引き剥がし等によって銅箔から樹脂基材を物理的に剥離することを意味する。樹脂基材を上述のように本発明の表面処理銅箔と貼り合わせた後に剥がしたとき、樹脂基材と表面処理銅箔とは離型層で離れるが、このとき樹脂基材の剥離面に、剥離層、後述の銅箔の粗化粒子、耐熱層、防錆層、クロメート処理層、シランカップリング処理層等の一部が残留していてもよいが、残留物が存在しないことが好ましい。
本発明に係る表面処理銅箔は、離型層側から銅箔へ樹脂基材を貼り合わせたとき、樹脂基材を剥離する際の剥離強度が200gf/cm以下であるのが好ましい。このように制御されていれば、樹脂基材の物理的剥離が容易となり、銅箔表面のプロファイルがより良好に樹脂基材に転写される。当該剥離強度は、より好ましくは150gf/cm以下であり、更により好ましくは100gf/cm以下であり、更により好ましくは50gf/cm以下であり、典型的には1〜200gf/cmであり、より典型的には1〜150gf/cmである。
本発明に係る表面処理銅箔は、一側面において、銅箔が粗化粒子を有さず、且つ、JIS B0601(1994年)に準拠して測定したRzが0.1〜5.0μmの凹凸を有する表面、或いは、粗化粒子を有する表面に設けられている。このような構成によれば、表面処理銅箔を樹脂基材に貼り合わせた後に銅箔を引き剥がす際、樹脂基材表面に銅箔表面のプロファイルを転写しているにもかかわらず、低ピールで容易に引き剥がすことができる。また、樹脂基材表面に銅箔表面のプロファイルがしっかりと転写され、さらにこれによってセミアディティブ工程での無電解・電気銅めっきの密着性が十分確保できる。
銅箔表面に形成された粗化粒子層としては、硫酸アルキルエステル塩、タングステンイオン、砒素イオンから選択した物質の少なくとも一種以上を含む硫酸・硫酸銅からなる電解浴を用いて形成することができ、球状粒子又は微細粒子から成る。粗化粒子層の表面粗度は、電解処理条件を適宜調整することで制御することができる。また、銅箔が電解銅箔で構成されている場合であれば、当該電解銅箔のマット面を銅箔の粗化面としてもよい。電解銅箔のマット面の表面粗度は、電解処理条件を適宜調整することで制御することができる。
当該粗化粒子層は、硫酸アルキルエステル塩、タングステンイオン、砒素イオンから選択した物質の少なくとも一種類以上を含む硫酸・硫酸銅からなる電解浴を用いて製造することができる。具体的な処理条件の例は、次の通りである。
(液組成1)
CuSO4・5H2O 39.3〜118g/L
Cu 10〜30g/L
2SO4 10〜150g/L
Na2WO4・2H2O 0〜90mg/L
W 0〜50mg/L
ドデシル硫酸ナトリウム添加量 0〜50pp
3AsO3(60%水溶液) 0〜6315mg/L
As 0〜2000mg/L
(電気メッキ条件1)
温度 30〜70℃
(電流条件1)
電流密度 25〜110A/dm2
めっき時間 0.5〜20秒
(液組成2)
CuSO4・5H2O 78〜314g/L
Cu 20〜80g/L
2SO4 50〜200g/L
(電気メッキ条件2)
温度 30〜70℃
(電流条件2)
電流密度 5〜50A/dm2
めっき時間 1〜60秒
また、粗化粒子層は、以下のように形成してもよい。まず、Cu−Co−Ni三元系合金層を形成する。Co及びNi含有量は、1〜4質量%Co及び0.5〜1.5質量%Niである。当該三元系合金メッキの処理条件を以下に示す。
(液組成)
Cu 10〜20g/L
Co 1〜10g/L
Ni 1〜10g/L
pH 1〜4
(電気メッキ条件)
温度 40〜50℃
電流密度 20〜30A/dm2
処理時間 1〜5秒
上記粗化処理後、その上の2段メッキとしてコバルトメッキ層或いはコバルト及びニッケルから成るメッキ層を形成する。コバルトメッキ或いはコバルト及びニッケルメッキの条件は次の通りである
・コバルトメッキ
(液組成)
コバルトメッキCo 1〜30g/L
pH 1.0〜3.5
(電気メッキ条件)
温度 30〜80℃
電流密度 1〜10A/dm2
処理時間 0.5〜4秒
・コバルト−ニッケルメッキ
(液組成)
Co 1〜30g/L、Ni 1〜30g/L
pH 1.0〜3.5
(電気メッキ条件)
温度 30〜80℃
電流密度 1〜10A/dm2
処理時間 0.5〜4秒
また、粗化粒子層は、球状粗化によって形成してもよい。以下にその処理条件の例を以下に示す。
(液組成)
Cu 20〜30g/L(硫酸銅5水和物で添加、以下同様)
2SO4 80〜120g/L
砒素 1.0〜2.0g/L
(電気メッキ条件)
温度 35〜40℃
電流密度 70A/dm2 (浴の限界電流密度以上)
処理時間 0.5〜20秒
上記条件で粗化メッキを施した表面に、粗化粒子の脱落防止のため、硫酸・硫酸銅からなる銅電解浴で被せメッキを行う。被せメッキ条件の例を以下に示す。
(液組成)
Cu 40〜50g/L
2SO4 80〜120g/L
(電気メッキ条件)
温度 43〜47℃
電流密度 29A/dm2 〔浴の限界電流密度未満〕
処理時間 0.5〜20秒
銅箔の粗化粒子を有さず、且つ、JIS B0601(1994年)に準拠して測定したRzが0.1〜5.0μmである凹凸を有する表面、或いは、粗化粒子を有する表面は、表面粗度Rzが0.1〜5.0μmであるのが好ましい。表面粗度Rzが0.1μm未満であるとセミアディティブ工程における無電解銅メッキの密着性が十分確保できず、微細配線形成後に配線が剥離するという問題が生じるおそれがあり、5.0μmを超えるとセミアディティブ工程における微細配線形成能が低下するという問題が生じるおそれがある。表面粗度Rzはより好ましくは0.2〜4.0μmであり、更により好ましくは0.3〜3.5μmであり、更により好ましくは0.4〜3.0μmである。
次に、本発明で用いることができる離型層について説明する。
(1)シラン化合物
次式に示す構造を有するシラン化合物、またはその加水分解生成物、または該加水分解生成物の縮合体(以下、単にシラン化合物と記述する)を単独でまたは複数混合して使用して離型層を形成することで、表面処理銅箔と樹脂基材とを貼り合わせた際に、適度に密着性が低下し、剥離強度を上述の範囲に調節できる。
式:
(式中、R1はアルコキシ基またはハロゲン原子であり、R2はアルキル基、シクロアルキル基及びアリール基よりなる群から選択される炭化水素基であるか、一つ以上の水素原子がハロゲン原子で置換されたこれら何れかの炭化水素基であり、R3及びR4はそれぞれ独立にハロゲン原子、またはアルコキシ基、またはアルキル基、シクロアルキル基及びアリール基よりなる群から選択される炭化水素基であるか、一つ以上の水素原子がハロゲン原子で置換されたこれら何れかの炭化水素基である。)
当該シラン化合物はアルコキシ基を少なくとも一つ有していることが必要である。アルコキシ基が存在せずに、アルキル基、シクロアルキル基及びアリール基よりなる群から選択される炭化水素基であるか、一つ以上の水素原子がハロゲン原子で置換されたこれら何れかの炭化水素基のみで置換基が構成される場合、樹脂基材と銅箔の密着性が低下し過ぎる傾向がある。また、当該シラン化合物はアルキル基、シクロアルキル基及びアリール基よりなる群から選択される炭化水素基であるか、一つ以上の水素原子がハロゲン原子で置換されたこれら何れかの炭化水素基を少なくとも一つ有していることが必要である。当該炭化水素基が存在しない場合、樹脂基材と銅箔の密着性が上昇する傾向があるからである。なお、アルコキシ基には一つ以上の水素原子がハロゲン原子に置換されたアルコキシ基も含まれるものとする。
樹脂基材と銅箔の剥離強度を上述した範囲に調節する上では、当該シラン化合物はアルコキシ基を三つ、上記炭化水素基(一つ以上の水素原子がハロゲン原子で置換された炭化水素基を含む)を一つ有していることが好ましい。これを上の式でいえば、R3及びR4の両方がアルコキシ基ということになる。
アルコキシ基としては、限定的ではないが、メトキシ基、エトキシ基、n−又はiso−プロポキシ基、n−、iso−又はtert−ブトキシ基、n−、iso−又はneo−ペントキシ基、n−ヘキソキシ基、シクロヘキシソキシ基、n−ヘプトキシ基、及びn−オクトキシ基等の直鎖状、分岐状、又は環状の炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜10、より好ましくは炭素数1〜5のアルコキシ基が挙げられる。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子が挙げられる。
アルキル基としては、限定的ではないが、メチル基、エチル基、n−又はiso−プロピル基、n−、iso−又はtert−ブチル基、n−、iso−又はneo−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、n−デシル基等の直鎖状又は分岐状の炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜10、より好ましくは炭素数1〜5のアルキル基が挙げられる。
シクロアルキル基としては、限定的ではないが、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロへプチル基、シクロオクチル基等の炭素数3〜10、好ましくは炭素数5〜7のシクロアルキル基が挙げられる。
アリール基としては、フェニル基、アルキル基で置換されたフェニル基(例:トリル基、キシリル基)、1−又は2−ナフチル基、アントリル基等の炭素数6〜20、好ましくは6〜14のアリール基が挙げられる。
これらの炭化水素基は一つ以上の水素原子がハロゲン原子で置換されてもよく、例えば、フッ素原子、塩素原子、又は臭素原子で置換されることができる。
好ましいシラン化合物の例としては、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、n−又はiso−プロピルトリメトキシシラン、n−、iso−又はtert−ブチルトリメトキシシラン、n−、iso−又はneo−ペンチルトリメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン;アルキル置換フェニルトリメトキシシラン(例えば、p−(メチル)フェニルトリメトキシシラン)、メチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、n−又はiso−プロピルトリエトキシシラン、n−、iso−又はtert−ブチルトリエトキシシラン、ペンチルトリエトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、デシルトリエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、アルキル置換フェニルトリエトキシシラン(例えば、p−(メチル)フェニルトリエトキシシラン)、(3,3,3−トリフルオロプロピル)トリメトキシシラン、及びトリデカフルオロオクチルトリエトキシシラン、メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、トリメチルフルオロシラン、ジメチルジブロモシラン、ジフェニルジブロモシラン、これらの加水分解生成物、及びこれらの加水分解生成物の縮合体などが挙げられる。これらの中でも、入手の容易性の観点から、プロピルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、デシルトリメトキシシランが好ましい。
離型層の形成工程において、シラン化合物は水溶液の形態で使用することができる。水への溶解性を高めるためにメタノールやエタノールなどのアルコールを添加することもできる。アルコールの添加は特に疎水性の高いシラン化合物を使用するときに有効である。シラン化合物の水溶液は、撹拌することでアルコキシ基の加水分解が促進され、撹拌時間が長いと加水分解生成物の縮合が促進される。一般には、十分な撹拌時間を経て加水分解および縮合が進んだシラン化合物を用いた方が樹脂基材と銅箔の剥離強度は低下する傾向にある。従って、撹拌時間の調整によって剥離強度を調整可能である。限定的ではないが、シラン化合物を水に溶解させた後の撹拌時間としては例えば1〜100時間とすることができ、典型的には1〜30時間とすることができる。当然ながら、撹拌せずに用いる方法もある。
シラン化合物の水溶液中のシラン化合物の濃度は高い方が金属箔と板状キャリアの剥離強度は低下する傾向にあり、シラン化合物の濃度調整によって剥離強度を調整可能である。限定的ではないが、シラン化合物の水溶液中の濃度は0.01〜10.0体積%とすることができ、典型的には0.1〜5.0体積%とすることができる。
シラン化合物の水溶液のpHは特に制限はなく、酸性側でもアルカリ性側でも利用できる。例えば3.0〜10.0の範囲のpHで使用できる。特段のpH調整が不要であるという観点から中性付近である5.0〜9.0の範囲のpHとするのが好ましく、7.0〜9.0の範囲のpHとするのがより好ましい。
(2)分子内に2つ以下のメルカプト基を有する化合物
離型層は、分子内に2つ以上のメルカプト基を有する化合物を用いて構成し、当該離型層を介して樹脂基材と銅箔とを貼り合わせることによっても、適度に密着性が低下し、剥離強度を調節できる。
但し、分子内に3つ以上のメルカプト基を有する化合物またはその塩を樹脂基材と銅箔との間に介在させて貼り合わせた場合、剥離強度低減の目的には適さない。これは、分子内にメルカプト基が過剰に存在するとメルカプト基同士、またはメルカプト基と板状キャリア、またはメルカプト基と金属箔との化学反応によってスルフィド結合、ジスルフィド結合またはポリスルフィド結合が過剰に生成し、樹脂基材と銅箔の間に強固な3次元架橋構造が形成されることで剥離強度が上昇することがあると考えられるからである。このような事例は特開2000−196207号公報に開示されている。
この分子内に2つ以下のメルカプト基を有する化合物としては、チオール、ジチオール、チオカルボン酸またはその塩、ジチオカルボン酸またはその塩、チオスルホン酸またはその塩、およびジチオスルホン酸またはその塩が挙げられ、これらの中から選択される少なくとも一種を用いることができる。
チオールは、分子内に一つのメルカプト基を有するものであり、例えばR−SHで表される。ここで、Rは、水酸基またはアミノ基を含んでもよい、脂肪族系または芳香族系炭化水素基または複素環基を表す。
ジチオールは、分子内に二つのメルカプト基を有するものであり、例えばR(SH)2で表される。Rは、水酸基またはアミノ基を含んでもよい、脂肪族系または芳香族系炭化水素基または複素環基を表す。また、二つのメルカプト基は、それぞれ同じ炭素に結合してもよいし、互いに別々の炭素または窒素に結合してもよい。
チオカルボン酸は、有機カルボン酸の水酸基がメルカプト基に置換されたものであり、例えばR−CO−SHで表される。Rは、水酸基またはアミノ基を含んでもよい、脂肪族系または芳香族系炭化水素基または複素環基を表す。また、チオカルボン酸は、塩の形態でも使用することが可能である。なお、チオカルボン酸基を、二つ有する化合物も使用可能である。
ジチオカルボン酸は、有機カルボン酸のカルボキシ基中の2つの酸素原子が硫黄原子に置換されたものであり、例えばR−(CS)−SHで表される。Rは、水酸基またはアミノ基を含んでもよい、脂肪族系または芳香族系炭化水素基または複素環基を表す。また、ジチオカルボン酸は、塩の形態でも使用することが可能である。なお、ジチオカルボン酸基を、二つ有する化合物も使用可能である。
チオスルホン酸は、有機スルホン酸の水酸基がメルカプト基に置換されたものであり、例えばR(SO2)−SHで表される。Rは、水酸基またはアミノ基を含んでもよい、脂肪族系または芳香族系炭化水素基または複素環基を表す。また、チオスルホン酸は、塩の形態でも使用することが可能である。
ジチオスルホン酸は、有機ジスルホン酸の二つの水酸基がそれぞれメルカプト基に置換されたものであり、例えばR−((SO2)−SH)2で表される。Rは、水酸基またはアミノ基を含んでもよい、脂肪族系または芳香族系炭化水素基または複素環基を表す。また、二つのチオスルホン酸基は、それぞれ同じ炭素に結合してもよいし、互いに別々の炭素に結合してもよい。また、ジチオスルホン酸は、塩の形態でも使用することが可能である。
ここで、Rとして好適な脂肪族系炭化水素基としては、アルキル基、シクロアルキル基が挙げられ、これら炭化水素基は水酸基とアミノ基のどちらかまたは両方を含んでいてもよい。
また、アルキル基としては、限定的ではないが、メチル基、エチル基、n−又はiso−プロピル基、n−、iso−又はtert−ブチル基、n−、iso−又はneo−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、n−デシル基等の直鎖状又は分岐状の炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜10、より好ましくは炭素数1〜5のアルキル基が挙げられる。
また、シクロアルキル基としては、限定的ではないが、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロへプチル基、シクロオクチル基等の炭素数3〜10、好ましくは炭素数5〜7のシクロアルキル基が挙げられる。
また、Rとして好適な芳香族炭化水素基としては、フェニル基、アルキル基で置換されたフェニル基(例:トリル基、キシリル基)、1−又は2−ナフチル基、アントリル基等の炭素数6〜20、好ましくは6〜14のアリール基が挙げられ、これら炭化水素基は水酸基とアミノ基のどちらかまたは両方を含んでいてもよい。
また、Rとして好適な複素環基としては、イミダゾール、トリアゾール、テトラゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾトリアゾール、チアゾール、ベンゾチアゾールが挙げられ、水酸基とアミノ基のどちらかまたは両方を含んでいてもよい。
分子内に2つ以下のメルカプト基を有する化合物の好ましい例としては、3−メルカプト−1,2プロパンジオール、2−メルカプトエタノール、1,2−エタンジチオール、6−メルカプト−1−ヘキサノール、1−オクタンチオール、1−ドデカンチオール、10−ヒドロキシ−1−ドデカンチオール、10−カルボキシ−1−ドデカンチオール、10−アミノ−1−ドデカンチオール、1−ドデカンチオールスルホン酸ナトリウム、チオフェノール、チオ安息香酸、4−アミノ−チオフェノール、p−トルエンチオール、2,4−ジメチルベンゼンチオール、3−メルカプト−1,2,4トリアゾール、2−メルカプト−ベンゾチアゾールが挙げられる。これらの中でも水溶性と廃棄物処理上の観点から、3−メルカプト−1,2プロパンジオールが好ましい。
離型層の形成工程において、分子内に2つ以下のメルカプト基を有する化合物は水溶液の形態で使用することができる。水への溶解性を高めるためにメタノールやエタノールなどのアルコールを添加することもできる。アルコールの添加は特に疎水性の高い分子内に2つ以下のメルカプト基を有する化合物を使用するときに有効である。
分子内に2つ以下のメルカプト基を有する化合物の水溶液中の濃度は高い方が樹脂基材と銅箔の剥離強度は低下する傾向にあり、分子内に2つ以下のメルカプト基を有する化合物の濃度調整によって剥離強度を調整可能である。限定的ではないが、分子内に2つ以下のメルカプト基を有する化合物の水溶液中の濃度は0.01〜10.0重量%とすることができ、典型的には0.1〜5.0重量%とすることができる。
分子内に2つ以下のメルカプト基を有する化合物の水溶液のpHは特に制限はなく、酸性側でもアルカリ性側でも利用できる。例えば3.0〜10.0の範囲のpHで使用できる。特段のpH調整が不要であるという観点から中性付近である5.0〜9.0の範囲のpHとするのが好ましく、7.0〜9.0の範囲のpHとするのがより好ましい。
(3)金属アルコキシド
離型層を、次式に示す構造を有するアルミネート化合物、チタネート化合物、ジルコネート化合物、またはその加水分解生成物、または該加水分解生成物の縮合体(以下、単に金属アルコキシドと記述する)を単独でまたは複数混合して構成してもよい。当該離型層を介して樹脂基材と銅箔を貼り合わせることで、適度に密着性が低下し、剥離強度を調節できる。
式中、R1はアルコキシ基またはハロゲン原子であり、R2はアルキル基、シクロアルキル基及びアリール基よりなる群から選択される炭化水素基であるか、一つ以上の水素原子がハロゲン原子で置換されたこれら何れかの炭化水素基であり、MはAl、Ti、Zrのうちいずれか一つ、nは0または1または2、mは1以上Mの価数以下の整数であり、R1の少なくとも一つはアルコキシ基である。なお、m+nはMの価数すなわちAlの場合3、Ti、Zrの場合4である。
当該金属アルコキシドはアルコキシ基を少なくとも一つ有していることが必要である。アルコキシ基が存在せずに、アルキル基、シクロアルキル基及びアリール基よりなる群から選択される炭化水素基であるか、一つ以上の水素原子がハロゲン原子で置換されたこれら何れかの炭化水素基のみで置換基が構成される場合、樹脂基材と銅箔の密着性が低下し過ぎる傾向がある。また、当該金属アルコキシドはアルキル基、シクロアルキル基及びアリール基よりなる群から選択される炭化水素基であるか、一つ以上の水素原子がハロゲン原子で置換されたこれら何れかの炭化水素基を0〜2個有していることが必要である。当該炭化水素基を3つ以上有する場合、樹脂基材と銅箔の密着性が低下し過ぎる傾向があるからである。なお、アルコキシ基には一つ以上の水素原子がハロゲン原子に置換されたアルコキシ基も含まれるものとする。樹脂基材と銅箔の剥離強度を上述した範囲に調節する上では、当該金属アルコキシドはアルコキシ基を二つ以上、上記炭化水素基(一つ以上の水素原子がハロゲン原子で置換された炭化水素基を含む)を一つか二つ有していることが好ましい。
また、アルキル基としては、限定的ではないが、メチル基、エチル基、n−又はiso−プロピル基、n−、iso−又はtert−ブチル基、n−、iso−又はneo−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、n−デシル基等の直鎖状又は分岐状の炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜10、より好ましくは炭素数1〜5のアルキル基が挙げられる。
また、シクロアルキル基としては、限定的ではないが、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロへプチル基、シクロオクチル基等の炭素数3〜10、好ましくは炭素数5〜7のシクロアルキル基が挙げられる。
また、R2として好適な芳香族炭化水素基としては、フェニル基、アルキル基で置換されたフェニル基(例:トリル基、キシリル基)、1−又は2−ナフチル基、アントリル基等の炭素数6〜20、好ましくは6〜14のアリール基が挙げられ、これら炭化水素基は水酸基とアミノ基のどちらかまたは両方を含んでいてもよい。これらの炭化水素基は一つ以上の水素原子がハロゲン原子で置換されてもよく、例えば、フッ素原子、塩素原子、又は臭素原子で置換されることができる。
好ましいアルミネート化合物の例としては、トリメトキシアルミニウム、メチルジメトキシアルミニウム、エチルジメトキシアルミニウム、n−又はiso−プロピルジメトキシアルミニウム、n−、iso−又はtert−ブチルジメトキシアルミニウム、n−、iso−又はneo−ペンチルジメトキシアルミニウム、ヘキシルジメトキシアルミニウム、オクチルジメトキシアルミニウム、デシルジメトキシアルミニウム、フェニルジメトキシアルミニウム;アルキル置換フェニルジメトキシアルミニウム(例えば、p−(メチル)フェニルジメトキシアルミニウム)、ジメチルメトキシアルミニウム、トリエトキシアルミニウム、メチルジエトキシアルミニウム、エチルジエトキシアルミニウム、n−又はiso−プロピルジエトキシアルミニウム、n−、iso−又はtert−ブチルジエトキシアルミニウム、ペンチルジエトキシアルミニウム、ヘキシルジエトキシアルミニウム、オクチルジエトキシアルミニウム、デシルジエトキシアルミニウム、フェニルジエトキシアルミニウム、アルキル置換フェニルジエトキシアルミニウム(例えば、p−(メチル)フェニルジエトキシアルミニウム)、ジメチルエトキシアルミニウム、トリイソプロポキシアルミニウム、メチルジイソプロポキシアルミニウム、エチルジイソプロポキシアルミニウム、n−又はiso−プロピルジエトキシアルミニウム、n−、iso−又はtert−ブチルジイソプロポキシアルミニウム、ペンチルジイソプロポキシアルミニウム、ヘキシルジイソプロポキシアルミニウム、オクチルジイソプロポキシアルミニウム、デシルジイソプロポキシアルミニウム、フェニルジイソプロポキシアルミニウム、アルキル置換フェニルジイソプロポキシアルミニウム(例えば、p−(メチル)フェニルジイソプロポキシアルミニウム)、ジメチルイソプロポキシアルミニウム、(3,3,3−トリフルオロプロピル)ジメトキシアルミニウム、及びトリデカフルオロオクチルジエトキシアルミニウム、メチルジクロロアルミニウム、ジメチルクロロアルミニウム、ジメチルクロロアルミニウム、フェニルジクロロアルミニウム、ジメチルフルオロアルミニウム、ジメチルブロモアルミニウム、ジフェニルブロモアルミニウム、これらの加水分解生成物、及びこれらの加水分解生成物の縮合体などが挙げられる。これらの中でも、入手の容易性の観点から、トリメトキシアルミニウム、トリエトキシアルミニウム、トリイソプロポキシアルミニウム、が好ましい。
好ましいチタネート化合物の例としては、テトラメトキシチタン、メチルトリメトキシチタン、エチルトリメトキシチタン、n−又はiso−プロピルトリメトキシチタン、n−、iso−又はtert−ブチルトリメトキシチタン、n−、iso−又はneo−ペンチルトリメトキシチタン、ヘキシルトリメトキシチタン、オクチルトリメトキシチタン、デシルトリメトキシチタン、フェニルトリメトキシチタン;アルキル置換フェニルトリメトキシチタン(例えば、p−(メチル)フェニルトリメトキシチタン)、ジメチルジメトキシチタン、テトラエトキシチタン、メチルトリエトキシチタン、エチルトリエトキシチタン、n−又はiso−プロピルトリエトキシチタン、n−、iso−又はtert−ブチルトリエトキシチタン、ペンチルトリエトキシチタン、ヘキシルトリエトキシチタン、オクチルトリエトキシチタン、デシルトリエトキシチタン、フェニルトリエトキシチタン、アルキル置換フェニルトリエトキシチタン(例えば、p−(メチル)フェニルトリエトキシチタン)、ジメチルジエトキシチタン、テトライソプロポキシチタン、メチルトリイソプロポキシチタン、エチルトリイソプロポキシチタン、n−又はiso−プロピルトリエトキシチタン、n−、iso−又はtert−ブチルトリイソプロポキシチタン、ペンチルトリイソプロポキシチタン、ヘキシルトリイソプロポキシチタン、オクチルトリイソプロポキシチタン、デシルトリイソプロポキシチタン、フェニルトリイソプロポキシチタン、アルキル置換フェニルトリイソプロポキシチタン(例えば、p−(メチル)フェニルトリイソプロポキシチタン)、ジメチルジイソプロポキシチタン、(3,3,3−トリフルオロプロピル)トリメトキシチタン、及びトリデカフルオロオクチルトリエトキシチタン、メチルトリクロロチタン、ジメチルジクロロチタン、トリメチルクロロチタン、フェニルトリクロロチタン、ジメチルジフルオロチタン、ジメチルジブロモチタン、ジフェニルジブロモチタン、これらの加水分解生成物、及びこれらの加水分解生成物の縮合体などが挙げられる。これらの中でも、入手の容易性の観点から、テトラメトキシチタン、テトラエトキシチタン、テトライソプロポキシチタン、が好ましい。
好ましいジルコネート化合物の例としては、テトラメトキシジルコニウム、メチルトリメトキシジルコニウム、エチルトリメトキシジルコニウム、n−又はiso−プロピルトリメトキシジルコニウム、n−、iso−又はtert−ブチルトリメトキシジルコニウム、n−、iso−又はneo−ペンチルトリメトキシジルコニウム、ヘキシルトリメトキシジルコニウム、オクチルトリメトキシジルコニウム、デシルトリメトキシジルコニウム、フェニルトリメトキシジルコニウム;アルキル置換フェニルトリメトキシジルコニウム(例えば、p−(メチル)フェニルトリメトキシジルコニウム)、ジメチルジメトキシジルコニウム、テトラエトキシジルコニウム、メチルトリエトキシジルコニウム、エチルトリエトキシジルコニウム、n−又はiso−プロピルトリエトキシジルコニウム、n−、iso−又はtert−ブチルトリエトキシジルコニウム、ペンチルトリエトキシジルコニウム、ヘキシルトリエトキシジルコニウム、オクチルトリエトキシジルコニウム、デシルトリエトキシジルコニウム、フェニルトリエトキシジルコニウム、アルキル置換フェニルトリエトキシジルコニウム(例えば、p−(メチル)フェニルトリエトキシジルコニウム)、ジメチルジエトキシジルコニウム、テトライソプロポキシジルコニウム、メチルトリイソプロポキシジルコニウム、エチルトリイソプロポキシジルコニウム、n−又はiso−プロピルトリエトキシジルコニウム、n−、iso−又はtert−ブチルトリイソプロポキシジルコニウム、ペンチルトリイソプロポキシジルコニウム、ヘキシルトリイソプロポキシジルコニウム、オクチルトリイソプロポキシジルコニウム、デシルトリイソプロポキシジルコニウム、フェニルトリイソプロポキシジルコニウム、アルキル置換フェニルトリイソプロポキシジルコニウム(例えば、p−(メチル)フェニルトリイソプロポキシチタン)、ジメチルジイソプロポキシジルコニウム、(3,3,3−トリフルオロプロピル)トリメトキシジルコニウム、及びトリデカフルオロオクチルトリエトキシジルコニウム、メチルトリクロロジルコニウム、ジメチルジクロロジルコニウム、トリメチルクロロジルコニウム、フェニルトリクロロジルコニウム、ジメチルジフルオロジルコニウム、ジメチルジブロモジルコニウム、ジフェニルジブロモジルコニウム、これらの加水分解生成物、及びこれらの加水分解生成物の縮合体などが挙げられる。これらの中でも、入手の容易性の観点から、テトラメトキシジルコニウム、テトラエトキシジルコニウム、テトライソプロポキシジルコニウム、が好ましい。
離型層の形成工程において、金属アルコキシドは水溶液の形態で使用することができる。水への溶解性を高めるためにメタノールやエタノールなどのアルコールを添加することもできる。アルコールの添加は特に疎水性の高い金属アルコキシドを使用するときに有効である。
金属アルコキシドの水溶液中の濃度は高い方が樹脂基材と銅箔の剥離強度は低下する傾向にあり、金属アルコキシド濃度調整によって剥離強度を調整可能である。限定的ではないが、金属アルコキシドの水溶液中の濃度は0.001〜1.0mol/Lとすることができ、典型的には0.005〜0.2mol/Lとすることができる。
金属アルコキシドの水溶液のpHは特に制限はなく、酸性側でもアルカリ性側でも利用できる。例えば3.0〜10.0の範囲のpHで使用できる。特段のpH調整が不要であるという観点から中性付近である5.0〜9.0の範囲のpHとするのが好ましく、7.0〜9.0の範囲のpHとするのがより好ましい。
本発明に係る表面処理銅箔は、銅箔と離型層との間に、耐熱層、防錆層、クロメート処理層及びシランカップリング処理層からなる群から選択された1種以上の層が設けられていてもよい。ここでクロメート処理層とは無水クロム酸、クロム酸、二クロム酸、クロム酸塩または二クロム酸塩を含む液で処理された層のことをいう。クロメート処理層はコバルト、鉄、ニッケル、モリブデン、亜鉛、タンタル、銅、アルミニウム、リン、タングステン、錫、砒素およびチタン等の元素(金属、合金、酸化物、窒化物、硫化物等どのような形態でもよい)を含んでもよい。クロメート処理層の具体例としては、無水クロム酸または二クロム酸カリウム水溶液で処理したクロメート処理層や、無水クロム酸または二クロム酸カリウムおよび亜鉛を含む処理液で処理したクロメート処理層等が挙げられる。
また、耐熱層、防錆層としては公知の耐熱層、防錆層を用いることができる。例えば、耐熱層および/または防錆層はニッケル、亜鉛、錫、コバルト、モリブデン、銅、タングステン、リン、ヒ素、クロム、バナジウム、チタン、アルミニウム、金、銀、白金族元素、鉄、タンタルの群から選ばれる1種以上の元素を含む層であってもよく、ニッケル、亜鉛、錫、コバルト、モリブデン、銅、タングステン、リン、ヒ素、クロム、バナジウム、チタン、アルミニウム、金、銀、白金族元素、鉄、タンタルの群から選ばれる1種以上の元素からなる金属層または合金層であってもよい。また、耐熱層および/または防錆層はニッケル、亜鉛、錫、コバルト、モリブデン、銅、タングステン、リン、ヒ素、クロム、バナジウム、チタン、アルミニウム、金、銀、白金族元素、鉄、タンタルの群から選ばれる1種以上の元素を含む酸化物、窒化物、珪化物を含んでもよい。また、耐熱層および/または防錆層はニッケル−亜鉛合金を含む層であってもよい。また、耐熱層および/または防錆層はニッケル−亜鉛合金層であってもよい。前記ニッケル−亜鉛合金層は、不可避不純物を除き、ニッケルを50wt%〜99wt%、亜鉛を50wt%〜1wt%含有するものであってもよい。前記ニッケル−亜鉛合金層の亜鉛及びニッケルの合計付着量が5〜1000mg/m2、好ましくは10〜500mg/m2、好ましくは20〜100mg/m2であってもよい。また、前記ニッケル−亜鉛合金を含む層または前記ニッケル−亜鉛合金層のニッケルの付着量と亜鉛の付着量との比(=ニッケルの付着量/亜鉛の付着量)が1.5〜10であることが好ましい。また、前記ニッケル−亜鉛合金を含む層または前記ニッケル−亜鉛合金層のニッケルの付着量は0.5mg/m2〜500mg/m2であることが好ましく、1mg/m2〜50mg/m2であることがより好ましい。
例えば耐熱層および/または防錆層は、付着量が1mg/m2〜100mg/m2、好ましくは5mg/m2〜50mg/m2のニッケルまたはニッケル合金層と、付着量が1mg/m2〜80mg/m2、好ましくは5mg/m2〜40mg/m2のスズ層とを順次積層したものであってもよく、前記ニッケル合金層はニッケル−モリブデン、ニッケル−亜鉛、ニッケル−モリブデン−コバルトのいずれか一種により構成されてもよい。また、耐熱層および/または防錆層は、ニッケルまたはニッケル合金とスズとの合計付着量が2mg/m2〜150mg/m2であることが好ましく、10mg/m2〜70mg/m2であることがより好ましい。また、耐熱層および/または防錆層は、[ニッケルまたはニッケル合金中のニッケル付着量]/[スズ付着量]=0.25〜10であることが好ましく、0.33〜3であることがより好ましい。
なお、シランカップリング処理に用いられるシランカップリング剤には公知のシランカップリング剤を用いてよく、例えばアミノ系シランカップリング剤又はエポキシ系シランカップリング剤、メルカプト系シランカップリング剤を用いてよい。また、シランカップリング剤にはビニルトリメトキシシラン、ビニルフェニルトリメトキシラン、γ‐メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ‐グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、4‐グリシジルブチルトリメトキシシラン、γ‐アミノプロピルトリエトキシシラン、N‐β(アミノエチル)γ‐アミノプロピルトリメトキシシラン、N‐3‐(4‐(3‐アミノプロポキシ)プトキシ)プロピル‐3‐アミノプロピルトリメトキシシラン、イミダゾールシラン、トリアジンシラン、γ‐メルカプトプロピルトリメトキシシラン等を用いてもよい。
前記シランカップリング処理層は、エポキシ系シラン、アミノ系シラン、メタクリロキシ系シラン、メルカプト系シランなどのシランカップリング剤などを使用して形成してもよい。なお、このようなシランカップリング剤は、2種以上混合して使用してもよい。中でも、アミノ系シランカップリング剤又はエポキシ系シランカップリング剤を用いて形成したものであることが好ましい。
ここで言うアミノ系シランカップリング剤とは、N‐(2‐アミノエチル)‐3‐アミノプロピルトリメトキシシラン、3‐(N‐スチリルメチル‐2‐アミノエチルアミノ)プロピルトリメトキシシラン、3‐アミノプロピルトリエトキシシラン、ビス(2‐ヒドロキシエチル)‐3‐アミノプロピルトリエトキシシラン、アミノプロピルトリメトキシシラン、N‐メチルアミノプロピルトリメトキシシラン、N‐フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン、N‐(3‐アクリルオキシ‐2‐ヒドロキシプロピル)‐3‐アミノプロピルトリエトキシシラン、4‐アミノブチルトリエトキシシラン、(アミノエチルアミノメチル)フェネチルトリメトキシシラン、N‐(2‐アミノエチル‐3‐アミノプロピル)トリメトキシシラン、N‐(2‐アミノエチル‐3‐アミノプロピル)トリス(2‐エチルヘキソキシ)シラン、6‐(アミノヘキシルアミノプロピル)トリメトキシシラン、アミノフェニルトリメトキシシラン、3‐(1‐アミノプロポキシ)‐3,3‐ジメチル‐1‐プロペニルトリメトキシシラン、3‐アミノプロピルトリス(メトキシエトキシエトキシ)シラン、3‐アミノプロピルトリエトキシシラン、3‐アミノプロピルトリメトキシシラン、ω‐アミノウンデシルトリメトキシシラン、3‐(2‐N‐ベンジルアミノエチルアミノプロピル)トリメトキシシラン、ビス(2‐ヒドロキシエチル)‐3‐アミノプロピルトリエトキシシラン、(N,N‐ジエチル‐3‐アミノプロピル)トリメトキシシラン、(N,N‐ジメチル‐3‐アミノプロピル)トリメトキシシラン、N‐メチルアミノプロピルトリメトキシシラン、N‐フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン、3‐(N‐スチリルメチル‐2‐アミノエチルアミノ)プロピルトリメトキシシラン、γ‐アミノプロピルトリエトキシシラン、N‐β(アミノエチル)γ‐アミノプロピルトリメトキシシラン、N−3−(4−(3−アミノプロポキシ)プトキシ)プロピル−3−アミノプロピルトリメトキシシランからなる群から選択されるものであってもよい。
シランカップリング処理層は、ケイ素原子換算で、0.05mg/m2〜200mg/m2、好ましくは0.15mg/m2〜20mg/m2、好ましくは0.3mg/m2〜2.0mg/m2の範囲で設けられていることが望ましい。前述の範囲の場合、樹脂基材と銅箔との密着性をより向上させることができる。
また、銅層、粗化粒子層、耐熱層、防錆層、シランカップリング処理層またはクロメート処理層の表面に、国際公開番号WO2008/053878、特開2008−111169号、特許第5024930号、国際公開番号WO2006/028207、特許第4828427号、国際公開番号WO2006/134868、特許第5046927号、国際公開番号WO2007/105635、特許第5180815号、特開2013−19056号に記載の表面処理を行うことができる。
本発明に係る表面処理銅箔の表面には樹脂層が設けられていてもよい。樹脂層は、通常、離型層上に設けられる。
前記樹脂層は接着用樹脂、すなわち接着剤であってもよく、プライマーであってもよく、接着用の半硬化状態(Bステージ状態)の絶縁樹脂層であってもよい。半硬化状態(Bステージ状態)とは、その表面に指で触れても粘着感はなく、該絶縁樹脂層を重ね合わせて保管することができ、更に加熱処理を受けると硬化反応が起こる状態のことを含む。
また前記樹脂層は熱硬化性樹脂を含んでもよく、熱可塑性樹脂であってもよい。また、前記樹脂層は熱可塑性樹脂を含んでもよい。前記樹脂層は公知の樹脂、樹脂硬化剤、化合物、硬化促進剤、誘電体、反応触媒、架橋剤、ポリマー、プリプレグ、骨格材等を含んでよい。また、前記樹脂層は例えば国際公開番号WO2008/004399、国際公開番号WO2008/053878、国際公開番号WO2009/084533、特開平11−5828号、特開平11−140281号、特許第3184485号、国際公開番号WO97/02728、特許第3676375号、特開2000−43188号、特許第3612594号、特開2002−179772号、特開2002−359444号、特開2003−304068号、特許第3992225号、特開2003−249739号、特許第4136509号、特開2004−82687号、特許第4025177号、特開2004−349654号、特許第4286060号、特開2005−262506号、特許第4570070号、特開2005−53218号、特許第3949676号、特許第4178415号、国際公開番号WO2004/005588、特開2006−257153号、特開2007−326923号、特開2008−111169号、特許第5024930号、国際公開番号WO2006/028207、特許第4828427号、特開2009−67029号、国際公開番号WO2006/134868、特許第5046927号、特開2009−173017号、国際公開番号WO2007/105635、特許第5180815号、国際公開番号WO2008/114858、国際公開番号WO2009/008471、特開2011−14727号、国際公開番号WO2009/001850、国際公開番号WO2009/145179、国際公開番号WO2011/068157、特開2013−19056号に記載されている物質(樹脂、樹脂硬化剤、化合物、硬化促進剤、誘電体、反応触媒、架橋剤、ポリマー、プリプレグ、骨格材等)および/または樹脂層の形成方法、形成装置を用いて形成してもよい。
本発明に係る表面処理銅箔の離型層側に樹脂基材を設けて銅張積層板を作製することができる。当該銅張積層板は、樹脂基材を紙基材フェノール樹脂、紙基材エポキシ樹脂、合成繊維布基材エポキシ樹脂、ガラス布・紙複合基材エポキシ樹脂、ガラス布・ガラス不織布複合基材エポキシ樹脂及びガラス布基材エポキシ樹脂等で形成してもよい。樹脂基材は、プリプレグであってもよく、熱硬化性樹脂を含んでもよい。また、当該銅張積層板の表面処理銅箔に回路を形成することでプリント配線板を作製することができる。更に、プリント配線板に電子部品類を搭載することで、プリント回路板を作製することができる。本発明において、「プリント配線板」にはこのように電子部品類が搭載されたプリント配線板及びプリント回路板及びプリント基板も含まれることとする。また、当該プリント配線板を用いて電子機器を作製してもよく、当該電子部品類が搭載されたプリント回路板を用いて電子機器を作製してもよく、当該電子部品類が搭載されたプリント基板を用いて電子機器を作製してもよい。また、上記「プリント回路板」には、半導体パッケージ用回路形成基板も含まれることとする。さらに半導体パッケージ用回路形成基板に電子部品類を搭載して半導体パッケージを作製することができる。さらに当該半導体パッケージを用いて電子機器を作製してもよい。
本発明の銅箔を用いてセミアディティブ法によって微細回路を形成することができる。図1に銅箔のプロファイルを使用したセミアディティブ法の概略例を示す。当該セミアディティブ法では、銅箔の表面プロファイルを用いている。具体的には、まず、樹脂基材に本発明の表面処理銅箔を離型層側から積層させて銅張積層体を作製する。次に、銅張積層体の銅箔(表面処理銅箔)をエッチングすることなく引き剥がす。次に、銅箔表面プロファイルが転写した樹脂基材の表面を希硫酸等で洗浄後、無電解銅メッキを施す。そして、樹脂基材の回路を形成しない部分をドライフィルム等で被覆し、ドライフィルムに被覆されていない無電解銅メッキ層の表面に電気(電解)銅メッキを施す。その後、ドライフィルムを除去した後に、回路を形成しない部分に形成された無電解銅メッキ層を除去することにより微細な回路を形成する。本発明で形成される微細回路は、本発明の銅箔表面プロファイルが転写された樹脂基材の剥離面と密着しているため、その密着力(ピール強度)が良好となっている。
また、セミアディティブ法の別の一実施形態は以下の通りである。
セミアディティブ法とは、樹脂基材又は銅箔上に薄い無電解メッキを行い、パターンを形成後、電気メッキ及びエッチングを用いて導体パターンを形成する方法を指す。従って、セミアディティブ法を用いた本発明に係るプリント配線板の製造方法の一実施形態においては、本発明に係る表面処理銅箔と樹脂基材とを準備する工程、
前記表面処理銅箔に、離型層側から樹脂基材を積層する工程、
前記表面処理銅箔と樹脂基材とを積層した後に、前記表面処理銅箔を引き剥がす工程、
前記表面処理銅箔を引き剥がして生じた樹脂基材の剥離面にスルーホールまたは/およびブラインドビアを設ける工程、
前記スルーホールまたは/およびブラインドビアを含む領域についてデスミア処理を行う工程、
前記樹脂基材および前記スルーホールまたは/およびブラインドビアを含む領域について希硫酸等で樹脂基材表面を洗浄し、無電解メッキ層(例えば無電解銅メッキ層)を設ける工程、
前記無電解メッキ層の上にメッキレジストを設ける工程、
前記メッキレジストに対して露光し、その後、回路が形成される領域のメッキレジストを除去する工程、
前記メッキレジストが除去された前記回路が形成される領域に、電解メッキ層(例えば電解銅メッキ層)を設ける工程、
前記メッキレジストを除去する工程、
前記回路が形成される領域以外の領域にある無電解メッキ層をフラッシュエッチングなどにより除去する工程、
を含む。
セミアディティブ法を用いた本発明に係るプリント配線板の製造方法の別の一実施形態においては、本発明に係る表面処理銅箔と樹脂基材とを準備する工程、
前記表面処理銅箔に、離型層側から樹脂基材を積層する工程、
前記表面処理銅箔と樹脂基材とを積層した後に、前記表面処理銅箔を引き剥がす工程、
前記表面処理銅箔を引き剥がして生じた樹脂基材の剥離面について、希硫酸等で樹脂基材表面を洗浄し、無電解メッキ層(例えば無電解銅メッキ層)を設ける工程、
前記無電解メッキ層の上にメッキレジストを設ける工程、
前記メッキレジストに対して露光し、その後、回路が形成される領域のメッキレジストを除去する工程、
前記メッキレジストが除去された前記回路が形成される領域に、電解メッキ層(例えば電解銅メッキ層)を設ける工程、
前記メッキレジストを除去する工程、
前記回路が形成される領域以外の領域にある無電解メッキ層をフラッシュエッチングなどにより除去する工程、
を含む。
このようにして、表面処理銅箔を剥離した後の樹脂基材の剥離面に回路を形成し、プリント回路形成基板、半導体パッケージ用回路形成基板を作製することができる。さらに当該回路形成基板を用いて、プリント配線板、半導体パッケージを作製することができる。さらに当該プリント配線板、半導体パッケージを用いて電子機器を作製することができる。
一方で、フルアディティブ法を用いた本発明に係るプリント配線板の製造方法の別の一実施形態においては、本発明に係る表面処理銅箔と樹脂基材とを準備する工程、
前記表面処理銅箔に、離型層側から樹脂基材を積層する工程、
前記表面処理銅箔と樹脂基材とを積層した後に、前記表面処理銅箔を引き剥がす工程、
前記表面処理銅箔を引き剥がして生じた樹脂基材の剥離面について、希硫酸等で樹脂基材表面を洗浄する工程、
前記洗浄した樹脂基材表面にメッキレジストを設ける工程、
前記メッキレジストに対して露光し、その後、回路が形成される領域のメッキレジストを除去する工程、
前記メッキレジストが除去された前記回路が形成される領域に、無電解メッキ層(例えば無電解銅メッキ層、厚付けの無電解メッキ層でもよい)を設ける工程、
前記メッキレジストを除去する工程、
を含む。
なお、セミアディティブ法およびフルアディティブ法において、前記樹脂基材表面を洗浄することにより、無電解メッキ層を設けやすくなるという効果がある場合がある。特に、離型層が樹脂基材表面に残存している場合には、当該洗浄により離型層が樹脂基材表面から一部または全部が除去されるため、前記樹脂基材表面の洗浄により、より無電解メッキ層を設けやすくなるという効果がある場合がある。当該洗浄には公知の洗浄方法(使用する液の種類、温度、液の塗布方法等)による洗浄を用いることができる。また、本発明の離型層の一部または全部を除去することができる洗浄方法を用いることが好ましい。
このようにして、フルアディティブ工法により、表面処理銅箔を剥離した後の樹脂基材の剥離面に回路を形成し、プリント回路形成基板、半導体パッケージ用回路形成基板を作製することができる。さらに当該回路形成基板を用いて、プリント配線板、半導体パッケージを作製することができる。さらに当該プリント配線板、半導体パッケージを用いて電子機器を作製することができる。
なお、銅箔または表面処理銅箔の表面をXPS(X線光電子分光装置)、EPMA(電子線マイクロアナライザ)、EDX(エネルギー分散型X線分析)を備えた走査電子顕微鏡等の機器で測定し、Siが検出されれば、銅箔または表面処理銅箔の表面にシラン化合物が存在すると推察することができる。また、表面処理銅箔と樹脂基板とのピール強度(剥離強度)が200gf/cm以下で有る場合には、本願に係る発明の離型層に用いることができる上記シラン化合物が使用されていると推定できる。
また、銅箔または表面処理銅箔の表面をXPS(X線光電子分光装置)、EPMA(電子線マイクロアナライザ)、EDX(エネルギー分散型X線分析)を備えた走査電子顕微鏡等の機器で測定し、Sが検出されると共に、表面処理銅箔と樹脂基板とのピール強度(剥離強度)が200gf/cm以下で有る場合には、銅箔または表面処理銅箔の表面に、本願に係る発明の離型層に用いることができる上記分子内に2つ以下のメルカプト基を有する化合物が存在すると推察することができる。
また、銅箔または表面処理銅箔の表面をXPS(X線光電子分光装置)、EPMA(電子線マイクロアナライザ)、EDX(エネルギー分散型X線分析)を備えた走査電子顕微鏡等の機器で測定し、Al、Ti、Zrが検出されると共に、表面処理銅箔と樹脂基板とのピール強度(剥離強度)が200gf/cm以下で有る場合には、銅箔または表面処理銅箔の表面に、本願に係る発明の離型層に用いることができる上記金属アルコキシドが存在すると推察することができる。
以下に本発明の実施例および比較例として実験例を示すが、これらの実施例は本発明及びその利点をよりよく理解するために提供するものであり、発明が限定されることを意図するものではない。
・生箔(表面処理前の銅箔)の製造
以下の各電解条件にて、表1に記載の厚みの一般電解生箔及び両面フラット電解生箔を作製した。
(1)一般電解生箔
Cu 120g/L
2SO4 100g/L
塩化物イオン(Cl-) 70ppm
レベリング剤(ニカワ) 3ppm
電解液温度 60℃
電流密度 70A/dm2
電解液線速 2m/sec
(2)両面フラット電解生箔
両面フラット電解生箔の電解条件
Cu 120g/L
2SO4 100g/L
塩化物イオン(Cl-) 70ppm
レベリング剤1(ビス(3スルホプロピル)ジスルフィド) 20ppm
レベリング剤2(アミン化合物) 20ppm
電解液温度 60℃
電流密度 70A/dm2
電解液線速 2m/sec
上記のアミン化合物には以下の化学式のアミン化合物を用いることができる。
(上記化学式中、R1及びR2はヒドロキシアルキル基、エーテル基、アリール基、芳香族置換アルキル基、不飽和炭化水素基、アルキル基からなる一群から選ばれるものである。)
・表面処理
次に、表面処理として、生箔のM面(マット面)に、以下に示す各条件にて、粗化処理、バリヤー処理(耐熱処理)、防錆処理、シランカップリング処理、樹脂層形成処理のいずれかを、或いは、各処理を組み合わせて行った。続いて、以下に示す条件にて銅箔の当該処理側表面に離型層を形成した。なお、特に言及が無い場合は、各処理はこの記載順にて行った。
(1)粗化処理
〔球状粗化(通常)〕
Cu、H2SO4、Asから成る、以下に記す銅粗化めっき浴を用いて球状粗化粒子を形成した。
(液組成1)
CuSO4・5H2O 98g/L
Cu 25g/L
2SO4 100g/L
砒素 1.5g/L
(電気メッキ温度1) 38℃
(電流条件1) 電流密度 70A/dm2 (浴の限界電流密度以上)
続いて、粗化粒子の脱落防止とピール強度向上のため、硫酸・硫酸銅からなる銅電解浴で被せメッキを行った。被せメッキ条件を以下に記す。
(液組成2)
CuSO4・5H2O 176g/L
Cu 45g/L
2SO4 100g/L
(電気メッキ温度2) 45℃
(電流条件2) 電流密度:29A/dm2 (浴の限界電流密度未満)
〔微細粗化(Type1)〕
まず、以下の条件にて粗化処理を行った。粗化粒子形成時の対限界電流密度比は2.50とした。
(液組成1)
CuSO4・5H2O 58.9g/L
Cu 15g/L
2SO4 100g/L
Na2WO4・2H2O 5.4mg/L
ドデシル硫酸ナトリウム添加量 10ppm
(電気メッキ温度1) 40℃
(電流条件1) 電流密度 54A/dm2
続いて、下記に示す条件で正常めっきを行った。
(液組成2)
CuSO4・5H2O 176g/L
Cu 45g/L
2SO4 100g/L
(電気メッキ温度2) 45℃
(電流条件2) 電流密度 41A/dm2
〔微細粗化(Type2)〕
まず、Cu−Co−Ni三元系合金層を以下の液組成1及び電気めっき条件1で形成した後、当該三元系合金層上にコバルトめっきを以下の液組成2及び電気めっき条件2で形成した。
(液組成1)
Cu 10〜20g/L
Co 1〜10g/L
Ni 1〜10g/L
pH 1〜4
(電気メッキ温度1) 40〜50℃
(電流条件1) 電流密度 25A/dm2
(液組成2)
Co 1〜30g/L
Ni 1〜30g/L
pH 1.0〜3.5
(電気メッキ温度2)30〜80℃
(電流条件2) 電流密度 5A/dm2
(2)バリヤー処理(耐熱処理)
実施例9、11、12について、バリヤー(耐熱)処理を下記の条件で行い、真鍮メッキ層を形成した。
(液組成)
Cu 70g/L
Zn 5g/L
NaOH 70g/L
NaCN 20g/L
(電気メッキ条件)
温度 70℃
電流密度 8A/dm2(多段処理)
(3)防錆処理
実施例10、11、12について、防錆処理(亜鉛クロメート処理)を下記の条件で行い、防錆処理層を形成した。
(液組成)
CrO3 2.5g/L
Zn 0.7g/L
Na2SO4 10g/L
pH 4.8
(亜鉛クロメート条件)
温度 54℃
電流密度 0.7As/dm2
(4)シランカップリング処理
実施例11、12について、シランカップリング材塗布処理を下記の条件で行い、シランカップリング層を形成した。
(液組成)
アルコキシシラン含有量 0.4%
pH 7.5
塗布方法 溶液の噴霧
(5)離型層の形成
〔離型層A〕
銅箔の処理表面に、シラン化合物(n−プロピルトリメトキシシラン:4wt%)の水溶液を、スプレーコーターを用いて塗布してから、100℃の空気中で5分間銅箔表面を乾燥させて離型層Aを形成した。シラン化合物を水中に溶解させてから塗布する前までの撹拌時間は30時間、水溶液中のアルコール濃度は0vol%、水溶液のpHは3.8〜4.2とした。
〔離型層B〕
分子内に2つ以下のメルカプト基を有する化合物として1−ドデカンチオールスルホン酸ナトリウムを用い、1−ドデカンチオールスルホン酸ナトリウムの水溶液(1−ドデカンチオールスルホン酸ナトリウム濃度:3wt%)を、スプレーコーターを用いて銅箔の処理面に塗布してから、100℃の空気中で5分間乾燥させて離型層Bを作製した。水溶液のpHは5〜9とした。
〔離型層C〕
金属アルコキシドとしてアルミネート化合物であるトリイソプロポキシアルミニウムを用い、トリイソプロポキシアルミニウムの水溶液(トリイソプロポキシアルミニウム濃度:0.04mol/L)を、スプレーコーターを用いて銅箔の処理面に塗布してから、100℃の空気中で5分間乾燥させて離型層Cを作製した。アルミネート化合物を水中に溶解させてから塗布する前までの撹拌時間は2時間、水溶液中のアルコール濃度は0vol%、水溶液のpHは5〜9とした。
〔離型層D〕
金属アルコキシドとしてチタネート化合物であるn−デシル-トリイソプロポキシチタンを用い、n−デシル-トリイソプロポキシチタンの水溶液(n−デシル−トリイソプロポキシチタン濃度:0.01mol/L)を、スプレーコーターを用いて銅箔の処理面に塗布してから、100℃の空気中で5分間乾燥させて離型層Dを作製した。チタネート化合物を水中に溶解させてから塗布する前までの撹拌時間は24時間、水溶液中のアルコール濃度はメタノールを20vol%とし、水溶液のpHは5〜9とした。
〔離型層E〕
金属アルコキシドとしてジルコネート化合物であるn−プロピル−トリn−ブトキシジルコニウムを用い、n−プロピル−トリn−ブトキシジルコニウムの水溶液(n−プロピル−トリn−ブトキシジルコニウム濃度:0.04mol/L)を、スプレーコーターを用いて銅箔の処理面に塗布してから、100℃の空気中で5分間乾燥させて離型層Eを作製した。チタネート化合物を水中に溶解させてから塗布する前までの撹拌時間は12時間、水溶液中のアルコール濃度は0vol%とし、水溶液のpHは5〜9とした。
実施例19〜54及び比較例6〜7の離型層については、シラン化合物によるものである場合は、後述の表に記載の無い離型層形成条件は、離型層Aと同様とした。また、メルカプト化合物によるものは、後述の表に記載の無い離型層形成条件は、離型層Bと同様とした。また、金属アルコキシドによるものは、後述の表に記載の無い離型層形成条件は、離型層Cと同様とした。
(6)樹脂層形成処理
実施例12については、バリヤー処理、防錆処理、シランカップリング材塗布、離型層形成の後、更に下記の条件で樹脂層の形成を行った。
(樹脂合成例)
ステンレス製の碇型攪拌棒、窒素導入管とストップコックのついたトラップ上に、玉付冷却管を取り付けた還流冷却器を取り付けた2リットルの三つ口フラスコに、3,4、3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物117.68g(400mmol)、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン87.7g(300mmol)、γ−バレロラクトン4.0g(40mmol)、ピリジン4.8g(60mmol)、N−メチル−2−ピロリドン(以下NMPと記す)300g、トルエン20gを加え、180℃で1時間加熱した後室温付近まで冷却した後、3,4、3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物29.42g(100mmol)、2,2−ビス{4−(4−アミノフェノキシ)フェニル}プロパン82.12g(200mmol)、NMP200g、トルエン40gを加え、室温で1時間混合後、180℃で3時間加熱して、固形分38%のブロック共重合ポリイミドを得た。このブロック共重合ポリイミドは、下記に示す一般式(1):一般式(2)=3:2であり、数平均分子量:70000、重量平均分子量:150000であった。
合成例で得られたブロック共重合ポリイミド溶液をNMPで更に希釈し、固形分10%のブロック共重合ポリイミド溶液とした。このブロック共重合ポリイミド溶液にビス(4−マレイミドフェニル)メタン(BMI−H、ケイ・アイ化成)を固形分重量比率35、ブロック共重合ポリイミドの固形分重量比率65として(即ち、樹脂溶液に含まれるビス(4−マレイミドフェニル)メタン固形分重量:樹脂溶液に含まれるブロック共重合ポリイミド固形分重量=35:65)60℃、20分間溶解混合して樹脂溶液とした。その後、実施例12の離型層形成面に前記樹脂溶液を塗工し、窒素雰囲気下で、120℃で3分間、160℃で3分間乾燥処理後、最後に300℃で2分間加熱処理を行い、樹脂層を備える銅箔を作製した。なお、樹脂層の厚みは2μmとした。
・銅箔(生箔)及び表面処理銅箔の表面粗度Rzの評価
株式会社小阪研究所製接触粗さ計SP−11を使用し、JIS B0601(1994年)に準拠して表面処理銅箔の処理表面の十点平均粗さRzを測定した。測定位置を変えて10回行い、10回の測定での値を求めた。また、同様にして、表面処理前の銅箔(生箔)の表面粗度Rzも測定しておいた。
・銅張積層板の製造
各表面処理銅箔の処理側表面に以下の樹脂基材1〜3のいずれかを貼り合わせた。
基材1:三菱ガス化学(株)製 GHPL-830 MBT
基材2:日立化成工業(株)製 679-FG
基材3:住友ベークライト(株)製 EI-6785TS-F
積層プレスの温度、圧力、時間は、各基材メーカーの推奨条件を用いた。
・ピール強度(剥離強度)の評価
銅張積層板に対し、IPC−TM−650に準拠し、引張り試験機オートグラフ100で銅箔から樹脂基材を剥離する際の常態ピール強度を測定した。
・樹脂の破壊モードの評価
上記剥離後の樹脂基材の剥離面を電子顕微鏡で観察し、樹脂の破壊モード(凝集、界面、凝集と界面との混在)について観察した。樹脂の破壊モードについて、「界面」は、樹銅箔と樹脂との界面で剥離したことを示し、「凝集」は、剥離強度が強すぎて樹脂が破壊していることを示し、「混在」は、上記「界面」と「凝集」とが混在していることを示す。
・配線形成性
図1に準拠したセミアディティブ工法にて、樹脂基材に無電解銅メッキ、電解銅メッキを施し、銅層厚を12μmとしたメッキ銅付き積層板について、メッキ銅をエッチングにより加工し、L(ライン)/S(スペース)=30μm/30μm回路を形成した。このとき、樹脂基板上に形成された配線を100〜500倍の光学顕微鏡で観察し、回路の欠落がないものをOK(○)、あるものをNG(×)とした。
各試験条件及び評価結果を表1〜4に示す。
表1〜4に示すように、実施例1〜54は、所定の離型層を設けており、ピール強度が抑制され、樹脂の破壊モードが界面のみであった。このため、樹脂基材と貼り合わせた後に、物理的に引き剥がすことが可能であるといえる。
一方、比較例1〜7は離型層を設けておらず、或いは、離型層を形成しようとして用いた化合物が不適切であったため離型層が形成できず、ピール強度が大きく、樹脂の破壊モードが凝集と、凝集と界面との混在のいずれかであった。このため、樹脂基材と貼り合わせた後に、物理的に引き剥がすことが不可能といえる。

Claims (47)

  1. 粗化粒子を有さず、且つ、JIS B0601(1994年)に準拠して測定したRzが0.1〜5.0μmの表面凹凸を有する銅箔と、
    前記銅箔の表面凹凸を有する面に設けられた離型層であって、且つ、前記離型層側から前記銅箔へ樹脂基材を貼り合わせたときの前記樹脂基材を剥離可能にする離型層と、
    を備えた表面処理銅箔であって、
    前記離型層が、次式:
    (式中、R1はアルコキシ基またはハロゲン原子であり、R2はアルキル基、シクロアルキル基及びアリール基よりなる群から選択される炭化水素基であるか、一つ以上の水素原子がハロゲン原子で置換されたこれら何れかの炭化水素基であり、MはAlであり、nは0または1または2、mは1以上3以下の整数であり、R1の少なくとも一つはアルコキシ基である。なお、m+nは3である。)
    に示すアルミネート化合物、その加水分解生成物、該加水分解生成物の縮合体を単独で又は複数組み合わせて用いてなる表面処理銅箔。
  2. 粗化粒子を有する銅箔と、
    前記銅箔の粗化粒子面に設けられた離型層であって、且つ、前記離型層側から前記銅箔へ樹脂基材を貼り合わせたときの前記樹脂基材を剥離可能にする離型層と、
    を備えた表面処理銅箔であって、
    前記離型層が、次式:
    (式中、R1はアルコキシ基またはハロゲン原子であり、R2はアルキル基、シクロアルキル基及びアリール基よりなる群から選択される炭化水素基であるか、一つ以上の水素原子がハロゲン原子で置換されたこれら何れかの炭化水素基であり、MはAlであり、nは0または1または2、mは1以上3以下の整数であり、R1の少なくとも一つはアルコキシ基である。なお、m+nは3である。)
    に示すアルミネート化合物、その加水分解生成物、該加水分解生成物の縮合体を単独で又は複数組み合わせて用いてなる表面処理銅箔。
  3. 前記離型層が、更に次式:
    (式中、R 1 はアルコキシ基またはハロゲン原子であり、R 2 はアルキル基、シクロアルキル基及びアリール基よりなる群から選択される炭化水素基であるか、一つ以上の水素原子がハロゲン原子で置換されたこれら何れかの炭化水素基であり、MはTi、Zrのうちいずれか一つ、nは0または1または2、mは1以上Mの価数以下の整数であり、R 1 の少なくとも一つはアルコキシ基である。なお、m+nはMの価数すなわちTi、Zrの場合4である。)
    に示すチタネート化合物、ジルコネート化合物、これらの加水分解生成物及び該加水分解生成物の縮合体からなる群から選択される一種以上を有する請求項1又は2に記載の表面処理銅箔。
  4. 前記離型層側から前記銅箔へ樹脂基材を貼り合わせたとき、前記樹脂基材を剥離する際の剥離強度が200gf/cm以下である請求項1〜3のいずれか一項に記載の表面処理銅箔。
  5. 前記銅箔と前記離型層との間に、耐熱層、防錆層、クロメート処理層及びシランカップリング処理層からなる群から選択された一種以上の層を設けた請求項1〜のいずれか一項に記載の表面処理銅箔。
  6. 前記表面処理銅箔の表面に樹脂層を設けた請求項1〜のいずれか一項に記載の表面処理銅箔。
  7. 前記耐熱層、防錆層、クロメート処理層及びシランカップリング処理層からなる群から選択された一種以上の層の表面に樹脂層を設けた請求項に記載の表面処理銅箔。
  8. 前記樹脂層が、接着用樹脂、プライマー又は半硬化状態の樹脂である請求項又はに記載の表面処理銅箔。
  9. 前記表面処理銅箔の厚みが9〜70μmである請求項1〜のいずれか一項に記載の表面処理銅箔。
  10. 請求項1〜のいずれか一項に記載の表面処理銅箔と、前記表面処理銅箔の離型層側に設けられた樹脂基材とを備えた銅張積層板。
  11. 前記樹脂基材が、プリプレグである、又は、熱硬化性樹脂を含む請求項10に記載の銅張積層板。
  12. 請求項1〜のいずれか一項に記載の表面処理銅箔を備えたプリント配線板。
  13. 請求項12に記載のプリント配線板を備えた半導体パッケージ。
  14. 請求項12に記載のプリント配線板又は請求項13に記載の半導体パッケージを有する電子機器。
  15. 請求項1〜のいずれか一項に記載の表面処理銅箔に、前記離型層側から樹脂基材を貼り合わせる工程と、
    前記樹脂基材から、前記表面処理銅箔をエッチングすることなく引き剥がすことで、剥離面に前記銅箔の表面プロファイルが転写された樹脂基材を得る工程と、
    前記表面プロファイルが転写された樹脂基材の前記剥離面側に回路を形成する工程と、
    を備えたプリント配線板の製造方法。
  16. 請求項1〜のいずれか一項に記載の表面処理銅箔に、前記離型層側から樹脂基材を貼り合わせる工程と、
    前記樹脂基材から、前記表面処理銅箔をエッチングすることなく引き剥がすことで、剥離面に前記銅箔の表面プロファイルが転写された樹脂基材を得る工程と、
    を備えた樹脂基材の製造方法。
  17. 粗化粒子を有さず、且つ、JIS B0601(1994年)に準拠して測定したRzが0.1〜5.0μmの表面凹凸を有する銅箔と、
    前記銅箔の表面凹凸を有する面に設けられた離型層であって、且つ、前記離型層側から前記銅箔へ樹脂基材を貼り合わせたときの前記樹脂基材を剥離可能にする離型層と、
    を備えた表面処理銅箔と樹脂基材とを準備する工程と、
    前記表面処理銅箔に、前記離型層側から前記樹脂基材を貼り合わせる工程と、
    前記樹脂基材から、前記表面処理銅箔をエッチングすることなく引き剥がすことで、剥離面に前記銅箔の表面プロファイルが転写された樹脂基材を得る工程と、
    を含む樹脂基材の製造方法。
  18. 粗化粒子を有する銅箔と、
    前記銅箔の粗化粒子面に設けられた離型層であって、且つ、前記離型層側から前記銅箔へ樹脂基材を貼り合わせたときの前記樹脂基材を剥離可能にする離型層と、
    を備えた表面処理銅箔と樹脂基材とを準備する工程と、
    前記表面処理銅箔に、前記離型層側から樹脂基材を貼り合わせる工程と、
    前記樹脂基材から、前記表面処理銅箔をエッチングすることなく引き剥がすことで、剥離面に前記銅箔の表面プロファイルが転写された樹脂基材を得る工程と、
    を含む樹脂基材の製造方法。
  19. 前記離型層側から前記銅箔へ樹脂基材を貼り合わせたとき、前記樹脂基材を剥離する際の剥離強度が200gf/cm以下である請求項17又は18に記載の樹脂基材の製造方法。
  20. 前記離型層が、次式:
    (式中、R1はアルコキシ基またはハロゲン原子であり、R2はアルキル基、シクロアルキル基及びアリール基よりなる群から選択される炭化水素基であるか、一つ以上の水素原子がハロゲン原子で置換されたこれら何れかの炭化水素基であり、R3及びR4はそれぞれ独立にハロゲン原子、またはアルコキシ基、またはアルキル基、シクロアルキル基及びアリール基よりなる群から選択される炭化水素基であるか、一つ以上の水素原子がハロゲン原子で置換されたこれら何れかの炭化水素基である。)
    に示すシラン化合物、その加水分解生成物、該加水分解生成物の縮合体を単独で又は複数組み合わせて用いてなる請求項1719のいずれか一項に記載の樹脂基材の製造方法。
  21. 前記離型層が、分子内に2つ以下のメルカプト基を有する化合物を用いてなる請求項1719のいずれか一項に記載の樹脂基材の製造方法。
  22. 前記離型層が、次式:
    (式中、R1はアルコキシ基またはハロゲン原子であり、R2はアルキル基、シクロアルキル基及びアリール基よりなる群から選択される炭化水素基であるか、一つ以上の水素原子がハロゲン原子で置換されたこれら何れかの炭化水素基であり、MはAl、Ti、Zrのうちいずれか一つ、nは0または1または2、mは1以上Mの価数以下の整数であり、R1の少なくとも一つはアルコキシ基である。なお、m+nはMの価数すなわちAlの場合3、Ti、Zrの場合4である。)
    に示すアルミネート化合物、チタネート化合物、ジルコネート化合物、これらの加水分解生成物、該加水分解生成物の縮合体を単独で又は複数組み合わせて用いてなる請求項1719のいずれか一項に記載の樹脂基材の製造方法。
  23. 前記銅箔と前記離型層との間に、耐熱層、防錆層、クロメート処理層及びシランカップリング処理層からなる群から選択された一種以上の層を設けた請求項1722のいずれか一項に記載の樹脂基材の製造方法。
  24. 前記表面処理銅箔の表面に樹脂層を設けた請求項1723のいずれか一項に記載の樹脂基材の製造方法。
  25. 前記耐熱層、防錆層、クロメート処理層及びシランカップリング処理層からなる群から選択された一種以上の層の表面に樹脂層を設けた請求項23に記載の樹脂基材の製造方法。
  26. 前記樹脂層が、接着用樹脂、プライマー又は半硬化状態の樹脂である請求項24又は25に記載の樹脂基材の製造方法。
  27. 前記表面処理銅箔の厚みが9〜70μmである請求項1726のいずれか一項に記載の樹脂基材の製造方法。
  28. 前記樹脂基材が、プリプレグである、又は、熱硬化性樹脂を含む請求項1727のいずれか一項に記載の樹脂基材の製造方法。
  29. 粗化粒子を有さず、且つ、JIS B0601(1994年)に準拠して測定したRzが0.1〜5.0μmの表面凹凸を有する銅箔と、
    前記銅箔の表面凹凸を有する面に設けられた離型層であって、且つ、前記離型層側から前記銅箔へ樹脂基材を貼り合わせたときの前記樹脂基材を剥離可能にする離型層と、
    を備えた表面処理銅箔と樹脂基材とを準備する工程と、
    前記表面処理銅箔に、前記離型層側から前記樹脂基材を貼り合わせる工程と、
    前記樹脂基材から、前記表面処理銅箔をエッチングすることなく引き剥がすことで、剥離面に前記銅箔の表面プロファイルが転写された樹脂基材を得る工程と、
    を含む銅箔の表面プロファイルを樹脂基材に転写する方法。
  30. 粗化粒子を有する銅箔と、
    前記銅箔の粗化粒子面に設けられた離型層であって、且つ、前記離型層側から前記銅箔へ樹脂基材を貼り合わせたときの前記樹脂基材を剥離可能にする離型層と、
    を備えた表面処理銅箔と樹脂基材とを準備する工程と、
    前記表面処理銅箔に、前記離型層側から樹脂基材を貼り合わせる工程と、
    前記樹脂基材から、前記表面処理銅箔をエッチングすることなく引き剥がすことで、剥離面に前記銅箔の表面プロファイルが転写された樹脂基材を得る工程と、
    を含む銅箔の表面プロファイルを樹脂基材に転写する方法。
  31. 前記離型層側から前記銅箔へ樹脂基材を貼り合わせたとき、前記樹脂基材を剥離する際の剥離強度が200gf/cm以下である請求項29又は30に記載の銅箔の表面プロファイルを樹脂基材に転写する方法。
  32. 前記離型層が、次式:
    (式中、R1はアルコキシ基またはハロゲン原子であり、R2はアルキル基、シクロアルキル基及びアリール基よりなる群から選択される炭化水素基であるか、一つ以上の水素原子がハロゲン原子で置換されたこれら何れかの炭化水素基であり、R3及びR4はそれぞれ独立にハロゲン原子、またはアルコキシ基、またはアルキル基、シクロアルキル基及びアリール基よりなる群から選択される炭化水素基であるか、一つ以上の水素原子がハロゲン原子で置換されたこれら何れかの炭化水素基である。)
    に示すシラン化合物、その加水分解生成物、該加水分解生成物の縮合体を単独で又は複数組み合わせて用いてなる請求項29〜31のいずれか一項に記載の銅箔の表面プロファイルを樹脂基材に転写する方法。
  33. 前記離型層が、分子内に2つ以下のメルカプト基を有する化合物を用いてなる請求項29〜31のいずれか一項に記載の銅箔の表面プロファイルを樹脂基材に転写する方法。
  34. 前記離型層が、次式:
    (式中、R1はアルコキシ基またはハロゲン原子であり、R2はアルキル基、シクロアルキル基及びアリール基よりなる群から選択される炭化水素基であるか、一つ以上の水素原子がハロゲン原子で置換されたこれら何れかの炭化水素基であり、MはAl、Ti、Zrのうちいずれか一つ、nは0または1または2、mは1以上Mの価数以下の整数であり、R1の少なくとも一つはアルコキシ基である。なお、m+nはMの価数すなわちAlの場合3、Ti、Zrの場合4である。)
    に示すアルミネート化合物、チタネート化合物、ジルコネート化合物、これらの加水分解生成物、該加水分解生成物の縮合体を単独で又は複数組み合わせて用いてなる請求項29〜31のいずれか一項に記載の銅箔の表面プロファイルを樹脂基材に転写する方法。
  35. 前記銅箔と前記離型層との間に、耐熱層、防錆層、クロメート処理層及びシランカップリング処理層からなる群から選択された一種以上の層を設けた請求項29〜34のいずれか一項に記載の銅箔の表面プロファイルを樹脂基材に転写する方法。
  36. 前記表面処理銅箔の表面に樹脂層を設けた請求項29〜35のいずれか一項に記載の銅箔の表面プロファイルを樹脂基材に転写する方法。
  37. 前記耐熱層、防錆層、クロメート処理層及びシランカップリング処理層からなる群から選択された一種以上の層の表面に樹脂層を設けた請求項35に記載の銅箔の表面プロファイルを樹脂基材に転写する方法。
  38. 前記樹脂層が、接着用樹脂、プライマー又は半硬化状態の樹脂である請求項36又は37に記載の銅箔の表面プロファイルを樹脂基材に転写する方法。
  39. 前記表面処理銅箔の厚みが9〜70μmである請求項29〜38のいずれか一項に記載の銅箔の表面プロファイルを樹脂基材に転写する方法。
  40. 前記樹脂基材が、プリプレグである、又は、熱硬化性樹脂を含む請求項29〜39のいずれか一項に記載の銅箔の表面プロファイルを樹脂基材に転写する方法。
  41. 請求項29〜40のいずれか一項に記載の方法で銅箔の表面プロファイルを転写された樹脂基材を用いてプリント配線板を製造するプリント配線板の製造方法。
  42. 請求項41に記載のプリント配線板の製造方法で製造されたプリント配線板を備えた半導体パッケージを製造する半導体パッケージの製造方法
  43. 請求項41に記載のプリント配線板の製造方法で製造されたプリント配線板又は請求項42に記載の半導体パッケージの製造方法で製造された半導体パッケージを用いて電子機器を製造する電子機器の製造方法
  44. 請求項29〜40のいずれか一項に記載の銅箔の表面プロファイルを樹脂基材に転写する方法で銅箔の表面プロファイルが転写された樹脂基材を製造する樹脂基材の製造方法
  45. 請求項16〜28及び44のいずれか一項に記載の方法で製造された樹脂基材を用いてプリント配線板を製造するプリント配線板の製造方法。
  46. 請求項45に記載のプリント配線板の製造方法で製造したプリント配線板を備えた半導体パッケージを製造する半導体パッケージの製造方法
  47. 請求項45に記載のプリント配線板の製造方法で製造したプリント配線板又は請求項46に記載の半導体パッケージの製造方法で製造した半導体パッケージの製造方法を用いて電子機器を製造する電子機器の製造方法
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