JP6346244B2 - 電解銅箔、電解銅箔の製造方法、銅張積層板、プリント配線板、プリント配線板の製造方法及び電子機器の製造方法 - Google Patents
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本発明の電解銅箔は、一側面において、光沢面側に粗化処理層を有さず、前記光沢面の面粗さSaが0.270μm以下であり、好ましくは0.150μm以下である。本発明において、電解銅箔の光沢面とは、当該電解銅箔が作製されるときのドラム側の表面(シャイニー面:S面)を示す。なお、本発明の電解銅箔において、光沢面と反対側の面とは、当該電解銅箔が作製されるときのドラムとは反対側(析出面側)の表面(マット面:M面)を示す。
このような構成により、当該電解銅箔を用いて形成する回路のピッチについて、L/S(ライン/スペース)=22μm以下/22μm以下、好ましくは20μm以下/20μm以下のファインピッチが可能となる。光沢面の面粗さSaは、0.230μm以下であるのが好ましく、0.180μm以下であるのが好ましく、0.150μm以下であるのが好ましく、0.133μm以下であるのが好ましく、0.130μm以下であるのがより好ましく、0.120μm以下であるのがより好ましい。電解銅箔の光沢面の面粗さSaの下限は特に限定されないが、例えば0.001μm以上、あるいは0.010μm以上、あるいは0.050μm以上、あるいは0.100μm以上である。
このような構成により、当該電解銅箔を用いて形成する回路のピッチについて、L/S(ライン/スペース)=22μm以下/22μm以下、好ましくは20μm以下/20μm以下のファインピッチが可能となる。光沢面の2乗平均平方根高さSqは、0.292μm以下であるのが好ましく、0.230μm以下であるのが好ましく、0.200μm以下であるのが好ましく、0.180μm以下であるのが好ましく、0.120μm以下であるのが好ましく、0.115μm以下であるのがより好ましい。電解銅箔の光沢面の2乗平均平方根高さSqの下限は特に限定されないが、例えば0.001μm以上、あるいは0.010μm以上、あるいは0.050μm以上、あるいは0.100μm以上である。
本発明の電解銅箔は、別の一側面において、光沢面側に粗化処理層を有し、前記光沢面の面粗さSaが0.470μm以下であり、好ましくは0.380μm以下である電解銅箔である。
このような構成により、当該電解銅箔を用いて形成する回路のピッチについて、L/S(ライン/スペース)=22μm以下/22μm以下、好ましくは20μm以下/20μm以下のファインピッチが可能となる。当該光沢面の面粗さSaは、0.385μm以下であるのが好ましく、0.380μm以下であるのが好ましく、0.355μm以下であるのが好ましく、0.340μm以下であるのが好ましく、0.300μm以下であるのが好ましく、0.295μm以下であるのが好ましく、0.230μm以下であるのが好ましく、0.200μm以下であるのがより好ましい。電解銅箔の光沢面の面粗さSaの下限は特に限定されないが、例えば0.001μm以上、あるいは0.010μm以上、あるいは0.050μm以上、あるいは0.100μm以上である。
このような構成により、当該電解銅箔を用いて形成する回路のピッチについて、L/S(ライン/スペース)=22μm以下/22μm以下、好ましくは20μm以下/20μm以下のファインピッチが可能となる。光沢面の2乗平均平方根高さSqは、0.490μm以下であるのが好ましく、0.450μm以下であるのが好ましく、0.435μm以下であるのが好ましく、0.400μm以下であるのが好ましく、0.395μm以下であるのが好ましく、0.330μm以下であるのがより好ましく、0.290μm以下であるのがより好ましい。電解銅箔の光沢面の2乗平均平方根高さSqの下限は特に限定されないが、例えば0.001μm以上、あるいは0.010μm以上、あるいは0.050μm以上、あるいは0.100μm以上である。
本発明の電解銅箔は、硫酸銅めっき浴からチタンやステンレスのドラム上に銅を電解析出して製造される。当該電解条件を以下に示す。
<電解条件>
電解液組成:Cu 50〜150g/L、H2SO4 60〜150g/L、
電流密度:30〜120A/dm2
電解液温度:50〜60度
添加物:塩素イオン 20〜80ppm、ニカワ 0.01〜10.0ppm
なお、本明細書に記載の電解、エッチング、表面処理又はめっき等に用いられる処理液(エッチング液、電解液等)の残部は特に明記しない限り水である。
研磨時間(分)=1パス当たりの研磨ベルトの幅(cm/回)/研磨ベルトの移動速度(cm/分)×パス回数(回)
これまで電解銅箔の製造においては、研磨時間は1.6〜3分としていたが、本発明では3.5〜10分、また、本発明において研磨時にドラム表面を水で濡らす場合は6〜10分とする。上記研磨時間の算出の例として、例えば10cmの幅の研磨ベルトで移動速度を20cm/分としたとき、ドラム表面の1点の1パスの研磨時間は0.5分となる。これにトータルのパス回数を掛けることで算出される(例えば0.5分×10パス=5分)。研磨ベルトの番手を大きくすること、および/または、ドラム表面の回転速度を高くすること、および/または、研磨時間を長くすること、および/または、研磨時にドラム表面を水でぬらすこと、によりドラム表面の面粗さSaおよびドラム表面の2乗平均平方根高さSqを小さくすることができる。また、研磨ベルトの番手を小さくすること、および/または、ドラム表面の回転速度を低くすること、および/または、研磨時間を短くすること、および/または、研磨時にドラム表面を乾燥させること、によりドラム表面の面粗さSaおよびドラム表面の2乗平均平方根高さSqを大きくすることができる。なお、研磨時間を長くすることで、面粗さSaを小さくするとともに、Saが小さくなる程度よりも大きな程度で2乗平均平方根高さSqを小さくすることが出来る。また、研磨時間を短くすることで、面粗さSaを大きくするとともに、面粗さSaが大きくなる程度よりも大きな程度で2乗平均平方根高さSqを大きくすることが出来る。なお、前述の研磨ベルトの番手は、研磨ベルトに使用されている研磨材の粒度を意味する。そして、当該研磨材の粒度はFEPA(Federation of European Producers of Abrasives)−standard 43−1:2006、43−2:2006に準拠している。
このようにして、光沢面の面粗さSaが0.270μm以下、好ましくは0.150μm以下、および/または2乗平均平方根高さSqが0.315μm以下、好ましくは0.200μm以下である電解銅箔を作製することができる。
また、光沢面の面粗さSaが0.270μm以下、好ましくは0.150μm以下、および/または2乗平均平方根高さSqが0.315μm以下、好ましくは0.200μm以下である電解銅箔の光沢面側に後述する粗化処理または表面処理を行うことにより光沢面側に粗化処理層を有し、前記光沢面の面粗さSaが0.470μm以下、好ましくは0.380μm以下、および/または、前記光沢面の2乗平均平方根高さSqを0.550μm以下、好ましくは0.490μm以下である電解銅箔を作製することができる。
・樹脂フィルム(ポリ塩化ビニル)を溶剤(アセトン)に浸漬させることで膨潤させる。
・上記膨潤させた樹脂フィルムを電解ドラム表面に接触させ、樹脂フィルムからアセトンが揮発した後に樹脂フィルムを剥離し、電解ドラム表面のレプリカを採取する。
・当該レプリカをレーザー顕微鏡で測定し、面粗さSaおよび2乗平均平方根高さSqの値を測定する。
そして、得られたレプリカの面粗さSaおよび2乗平均平方根高さSqの値を電解ドラム表面の面粗さSaおよび2乗平均平方根高さSqとした。
電解銅箔の光沢面、及び、光沢面と反対側の面の一方又は両方には、例えば絶縁基板との密着性を良好にすること等のために粗化処理を施すことで粗化処理層を設けてもよい。粗化処理は、例えば、銅又は銅合金で粗化粒子を形成することにより行うことができる。粗化処理は微細なものであっても良く、針状、棒状または粒子状の粗化粒子を形成することにより行ってもよい。粗化処理層は、銅、ニッケル、りん、タングステン、ヒ素、モリブデン、クロム、鉄、バナジウム、コバルト及び亜鉛からなる群から選択されたいずれかの単体又はいずれか1種以上を含む合金からなる層などであってもよい。また、銅又は銅合金で粗化粒子を形成した後、更にニッケル、コバルト、銅、亜鉛の単体または合金等で二次粒子や三次粒子を設ける粗化処理を行うこともできる。その後に、ニッケル、コバルト、銅、亜鉛の単体または合金等で耐熱層または防錆層を形成しても良く、更にその表面にクロメート処理、シランカップリング処理などの処理を施してもよい。または粗化処理を行わずに、ニッケル、コバルト、銅、亜鉛の単体または合金等で耐熱層又は防錆層を形成し、さらにその表面にクロメート処理、シランカップリング処理などの処理を施してもよい。すなわち、粗化処理層の表面に、耐熱層、防錆層、クロメート処理層及びシランカップリング処理層からなる群から選択された1種以上の層を形成してもよく、電解銅箔の表面に、粗化処理層、耐熱層、防錆層、クロメート処理層及びシランカップリング処理層からなる群から選択された1種以上の層を形成してもよい。なお、上述の耐熱層、防錆層、クロメート処理層、シランカップリング処理層はそれぞれ複数の層で形成されてもよい(例えば2層以上、3層以上など)。
(液組成1)
CuSO4・5H2O:39.3〜118g/L
Cu:10〜30g/L
H2SO4:10〜150g/L
Na2WO4・2H2O:0〜90mg/L
W:0〜50mg/L
ドデシル硫酸ナトリウム:0〜50mg
H3AsO3(60%水溶液):0〜6315mg/L
As:0〜2000mg/L
温度:30〜70℃
(電流条件1)
電流密度:25〜110A/dm2
粗化クーロン量:50〜500As/dm2
めっき時間:0.5〜20秒
(液組成2)
CuSO4・5H2O:78〜314g/L
Cu:20〜80g/L
H2SO4:50〜200g/L
(電気めっき条件2)
温度: 30〜70℃
(電流条件2)
電流密度:5〜50A/dm2
粗化クーロン量:50〜300As/dm2
めっき時間:1〜60秒
めっき浴組成:Cu10〜20g/L、Co1〜10g/L、Ni1〜10g/L
pH:1〜4
温度:30〜50℃
電流密度:20〜30A/dm2
めっき時間:1〜5秒
このような3元系銅−コバルト−ニッケル合金めっきを形成するためのめっき浴及びめっき条件の別の例は次の通りである:
めっき浴組成:Cu10〜20g/L、Co1〜10g/L、Ni1〜10g/L
pH:1〜4
温度:30〜50℃
電流密度:30〜45A/dm2
めっき時間:0.1〜2.0秒
なお、上述の粗化処理層を形成する処理において、めっき時間を短くすることで、光沢面側に粗化処理層を有する電解銅箔の、前記光沢面の面粗さSa、および/または、前記光沢面の2乗平均平方根高さSqを小さくすることが出来る。また、上述の粗化処理層を形成する処理において、めっき時間を長くすることで、光沢面側に粗化処理層を有する電解銅箔の、前記光沢面の面粗さSa、および/または、前記光沢面の2乗平均平方根高さSqを大きくすることが出来る。
また、上述の粗化処理層を形成する処理において、電流密度を高くかつめっき時間を非常に短くすることで、光沢面側に粗化処理層を有する電解銅箔の、前記光沢面の面粗さSa、および/または、前記光沢面の2乗平均平方根高さSqをより小さくすることが出来る。また、上述の粗化処理層を形成する処理において、電流密度を高くかつめっき時間を長くすることで、光沢面側に粗化処理層を有する電解銅箔の、前記光沢面の面粗さSa、および/または、前記光沢面の2乗平均平方根高さSqをより大きくすることが出来る。
また、当該プリント配線板を用いて電子機器を作製してもよく、当該電子部品類が搭載されたプリント回路板を用いて電子機器を作製してもよく、当該電子部品類が搭載されたプリント基板を用いて電子機器を作製してもよい。以下に、本発明に係る電解銅箔を用いたプリント配線板の製造工程の例を幾つか示す。
前記電解銅箔を酸などの腐食溶液を用いたエッチングやプラズマなどの方法によりすべて除去する工程、
前記電解銅箔をエッチングにより除去することにより露出した前記樹脂にスルーホールまたは/およびブラインドビアを設ける工程、
前記スルーホールまたは/およびブラインドビアを含む領域についてデスミア処理を行う工程、
前記樹脂および前記スルーホールまたは/およびブラインドビアを含む領域について無電解めっき層を設ける工程、
前記無電解めっき層の上にめっきレジストを設ける工程、
前記めっきレジストに対して露光し、その後、回路が形成される領域のめっきレジストを除去する工程、
前記めっきレジストが除去された前記回路が形成される領域に、電解めっき層を設ける工程、
前記めっきレジストを除去する工程、
前記回路が形成される領域以外の領域にある無電解めっき層をフラッシュエッチングなどにより除去する工程、
を含む。
前記電解銅箔と、前記絶縁樹脂基板とにスルーホールまたは/およびブラインドビアを設ける工程、
前記スルーホールまたは/およびブラインドビアを含む領域についてデスミア処理を行う工程、
前記電解銅箔を酸などの腐食溶液を用いたエッチングやプラズマなどの方法によりすべて除去する工程、
前記電解銅箔をエッチング等により除去することにより露出した前記樹脂および前記スルーホールまたは/およびブラインドビアを含む領域について無電解めっき層を設ける工程、
前記無電解めっき層の上にめっきレジストを設ける工程、
前記めっきレジストに対して露光し、その後、回路が形成される領域のめっきレジストを除去する工程、
前記めっきレジストが除去された前記回路が形成される領域に、電解めっき層を設ける工程、
前記めっきレジストを除去する工程、
前記回路が形成される領域以外の領域にある無電解めっき層をフラッシュエッチングなどにより除去する工程、
を含む。
前記電解銅箔と、前記絶縁樹脂基板とにスルーホールまたは/およびブラインドビアを設ける工程、
前記電解銅箔を酸などの腐食溶液を用いたエッチングやプラズマなどの方法によりすべて除去する工程、
前記スルーホールまたは/およびブラインドビアを含む領域についてデスミア処理を行う工程、
前記電解銅箔をエッチング等により除去することにより露出した前記樹脂および前記スルーホールまたは/およびブラインドビアを含む領域について無電解めっき層を設ける工程、
前記無電解めっき層の上にめっきレジストを設ける工程、
前記めっきレジストに対して露光し、その後、回路が形成される領域のめっきレジストを除去する工程、
前記めっきレジストが除去された前記回路が形成される領域に、電解めっき層を設ける工程、
前記めっきレジストを除去する工程、
前記回路が形成される領域以外の領域にある無電解めっき層をフラッシュエッチングなどにより除去する工程、
を含む。
前記電解銅箔を酸などの腐食溶液を用いたエッチングやプラズマなどの方法によりすべて除去する工程、
前記電解銅箔をエッチングにより除去することにより露出した前記樹脂の表面について無電解めっき層を設ける工程、
前記無電解めっき層の上にめっきレジストを設ける工程、
前記めっきレジストに対して露光し、その後、回路が形成される領域のめっきレジストを除去する工程、
前記めっきレジストが除去された前記回路が形成される領域に、電解めっき層を設ける工程、
前記めっきレジストを除去する工程、
前記回路が形成される領域以外の領域にある無電解めっき層及び電解銅箔をフラッシュエッチングなどにより除去する工程、
を含む。
前記電解銅箔と絶縁基板にスルーホールまたは/およびブラインドビアを設ける工程、
前記スルーホールまたは/およびブラインドビアを含む領域についてデスミア処理を行う工程、
前記スルーホールまたは/およびブラインドビアを含む領域について無電解めっき層を設ける工程、
前記電解銅箔にめっきレジストを設ける工程、
前記めっきレジストを設けた後に、電解めっきにより回路を形成する工程、
前記めっきレジストを除去する工程、
前記めっきレジストを除去することにより露出した電解銅箔をフラッシュエッチングにより除去する工程、
を含む。
前記電解銅箔の上にめっきレジストを設ける工程、
前記めっきレジストに対して露光し、その後、回路が形成される領域のめっきレジストを除去する工程、
前記めっきレジストが除去された前記回路が形成される領域に、電解めっき層を設ける工程、
前記めっきレジストを除去する工程、
前記回路が形成される領域以外の領域にある無電解めっき層及び電解銅箔をフラッシュエッチングなどにより除去する工程、
を含む。
前記電解銅箔と絶縁基板にスルーホールまたは/およびブラインドビアを設ける工程、
前記スルーホールまたは/およびブラインドビアを含む領域についてデスミア処理を行う工程、
前記スルーホールまたは/およびブラインドビアを含む領域について触媒核を付与する工程、
前記電解銅箔にエッチングレジストを設ける工程、
前記エッチングレジストに対して露光し、回路パターンを形成する工程、
前記電解銅箔および前記触媒核を酸などの腐食溶液を用いたエッチングやプラズマなどの方法により除去して、回路を形成する工程、
前記エッチングレジストを除去する工程、
前記電解銅箔および前記触媒核を酸などの腐食溶液を用いたエッチングやプラズマなどの方法により除去して露出した前記絶縁基板表面に、ソルダレジストまたはメッキレジストを設ける工程、
前記ソルダレジストまたはメッキレジストが設けられていない領域に無電解めっき層を設ける工程、
を含む。
前記電解銅箔と絶縁基板にスルーホールまたは/およびブラインドビアを設ける工程、
前記スルーホールまたは/およびブラインドビアを含む領域についてデスミア処理を行う工程、
前記スルーホールまたは/およびブラインドビアを含む領域について無電解めっき層を設ける工程、
前記無電解めっき層の表面に、電解めっき層を設ける工程、
前記電解めっき層または/および前記電解銅箔の表面にエッチングレジストを設ける工程、
前記エッチングレジストに対して露光し、回路パターンを形成する工程、
前記電解銅箔および前記無電解めっき層および前記電解めっき層を酸などの腐食溶液を用いたエッチングやプラズマなどの方法により除去して、回路を形成する工程、
前記エッチングレジストを除去する工程、
を含む。
前記電解銅箔と絶縁基板にスルーホールまたは/およびブラインドビアを設ける工程、
前記スルーホールまたは/およびブラインドビアを含む領域についてデスミア処理を行う工程、
前記スルーホールまたは/およびブラインドビアを含む領域について無電解めっき層を設ける工程、
前記無電解めっき層の表面にマスクを形成する工程、
マスクが形成されていない前記無電解めっき層の表面に電解めっき層を設ける工程、
前記電解めっき層または/および前記電解銅箔の表面にエッチングレジストを設ける工程、
前記エッチングレジストに対して露光し、回路パターンを形成する工程、
前記電解銅箔および前記無電解めっき層を酸などの腐食溶液を用いたエッチングやプラズマなどの方法により除去して、回路を形成する工程、
前記エッチングレジストを除去する工程、
を含む。
(実施例1〜14、比較例1)
チタン製の回転ドラム(電解ドラム)を準備した。次に、表1に記載の電解ドラム表面制御条件にて研磨し、所定の面粗さSaおよび2乗平均平方根高さSqを有する電解ドラムとした。具体的には、当該電解ドラムの表面を、表1に記載の番手の研磨ベルトによって研磨した。このとき、研磨ベルトを、ドラムの幅方向において所定幅だけ巻き付け、研磨ベルトをドラムの幅方向へ移動させながら、ドラムを回転させることで研磨した。当該研磨時のドラム表面の回転速度を表1に示す。また、研磨時間は、研磨ベルトの幅と研磨ベルトの移動速度から1回のパスでドラム表面の1点を通過する時間とパス回数の積とした。ここで、研磨ベルトの1回のパスとは、回転ドラムの周方向の表面を、軸方向(電解銅箔の幅方向)の一方の端部からもう一方の端部まで1回研磨ベルトで研磨することを意味する。
すなわち研磨時間は以下の式で表される。
研磨時間(分)=1パス当たりの研磨ベルトの幅(cm/回)/研磨ベルトの移動速度(cm/分)×パス回数(回)
<電解条件>
電解液組成:Cu 50〜150g/L、H2SO4 60〜150g/L、
電流密度:30〜120A/dm2
電解液温度:50〜60度
添加物:塩素イオン 20〜80質量ppm、ニカワ 0.01〜5.0質量ppm
なお、実施例1、2、5、6、10〜12、比較例1においてはニカワ濃度を前述の範囲内で低目とした。
また、実施例3、4、7、8、9、13、14においてはニカワ濃度を前述の範囲内で高目とした。
Cu、H2SO4、As、Wから成る、以下に記す銅粗化めっき浴を用いて粗化粒子を形成した。
(液組成1)
CuSO4・5H2O:39.3〜118g/L
Cu:10〜30g/L
H2SO4:10〜150g/L
Na2WO4・2H2O:0〜90mg/L
W:0〜50mg/L
ドデシル硫酸ナトリウム:0〜50mg
H3AsO3(60%水溶液):0〜6315mg/L
As:0〜2000mg/L
温度:30〜70℃
(電流条件1)
電流密度:25〜110A/dm2
粗化クーロン量:50〜500As/dm2
めっき時間:0.5〜20秒
(液組成2)
CuSO4・5H2O:78〜314g/L
Cu:20〜80g/L
H2SO4:50〜200g/L
(電気めっき条件2)
温度: 30〜70℃
(電流条件2)
電流密度:5〜50A/dm2
粗化クーロン量:50〜300As/dm2
めっき時間:1〜60秒
ニッケル亜鉛合金めっき
(液組成)
Ni 13g/L
Zn 5g/L
pH 2
(電気メッキ条件)
温度 40℃
電流密度 8A/dm2
亜鉛クロメート処理
(液組成)
CrO3 2.5g/L
Zn 0.7g/L
Na2SO4 10g/L
pH 4.8
(亜鉛クロメート条件)
温度 54℃
電流密度 0.7As/dm2
(液組成)
テトラエトキシシラン含有量 0.4vol%
pH 7.5
塗布方法 溶液の噴霧
3元系銅−コバルト−ニッケル合金めっきの粗化処理粒子を形成するため以下のめっき浴及びめっき条件で粗化処理を行った。
めっき浴組成:Cu10〜20g/L、Co1〜10g/L、Ni1〜10g/L
pH:1〜4
温度:30〜50℃
電流密度:20〜30A/dm2
めっき時間:1〜5秒
Co−Ni合金メッキを行った。Co−Ni合金メッキ条件を以下に記す。
(電解液組成)
Co:1〜30g/L
Ni:1〜30g/L
pH:1.0〜3.5
(電解液温)
30〜80℃
(電流条件)
電流密度5.0A/dm2
めっき時間:0.1〜5秒
亜鉛−ニッケル合金めっき
(液組成)
Ni 1〜15g/L
Zn 10〜40g/L
pH 3〜4
(電気メッキ条件)
温度 40〜55℃
電流密度 2〜5A/dm2
亜鉛クロメート処理
(液組成)
CrO3 2.5g/L
Zn 0.7g/L
Na2SO4 10g/L
pH 4.8
(亜鉛クロメート条件)
温度 54℃
電流密度 0.7As/dm2
(液組成)
N‐(2‐アミノエチル)‐3‐アミノプロピルトリメトキシシラン含有量 0.4vol%
pH 7.5
塗布方法 溶液の噴霧
ニッケル−亜鉛合金めっき
(液組成)
Ni 13g/L
Zn 5g/L
pH 2
(電気メッキ条件)
温度 40℃
電流密度 8A/dm2
亜鉛クロメート処理
(液組成)
CrO3 2.5g/L
Zn 0.7g/L
Na2SO4 10g/L
pH 4.8
(亜鉛クロメート条件)
温度 54℃
電流密度 0.7As/dm2
(液組成)
テトラエトキシシラン含有量 0.4%
pH 7.5
塗布方法 溶液の噴霧
(樹脂合成例)
ステンレス製の碇型攪拌棒、窒素導入管とストップコックのついたトラップ上に、玉付冷却管を取り付けた還流冷却器を取り付けた2リットルの三つ口フラスコに、3,4、3',4'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物117.68g(400mmol)、1,3-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン87.7g(300mmol)、γ-バレロラクトン4.0g(40mmol)、ピリジン4.8g(60mmol)、N-メチル-2-ピロリドン(以下NMPと記す)300g、トルエン20gを加え、180℃で1時間加熱した後室温付近まで冷却した後、3,4、3',4'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物29.42g(100mmol)、2,2-ビス{4-(4-アミノフェノキシ)フェニル}プロパン82.12g(200mmol)、NMP200g、トルエン40gを加え、室温で1時間混合後、180℃で3時間加熱して、固形分38%のブロック共重合ポリイミドを得た。このブロック共重合ポリイミドは、下記に示す一般式(1):一般式(2)=3:2であり、数平均分子量:70000、重量平均分子量:150000であった。
3元系銅−コバルト−ニッケル合金めっきの粗化処理粒子を形成するため以下のめっき浴及びめっき条件で粗化処理を行った。
めっき浴組成:Cu10〜20g/L、Co1〜10g/L、Ni1〜10g/L
pH:1〜4
温度:30〜50℃
電流密度:30〜45A/dm2
めっき時間:0.1〜1.5秒
<光沢面の面粗さSaおよび2乗平均平方根高さSq>
表面処理前(すなわち粗化処理層を有さない)の電解銅箔の光沢面および表面処理後の電解銅箔の光沢面に対し、ISO−25178−2:2012に準拠して、オリンパス社製レーザー顕微鏡OLS4100(LEXT OLS 4100)にて、面粗さSaおよび2乗平均平方根高さを測定した。このとき、レーザー顕微鏡における対物レンズ50倍を使用して200μm×1000μm面積(具体的には200000μm2)の測定を3か所行い、面粗さSaおよび2乗平均平方根高さSqを算出した。3か所で得られた面粗さSaおよび2乗平均平方根高さSqの算術平均値をそれぞれ面粗さSaおよび2乗平均平方根高さSqの値とした。なおレーザー顕微鏡測定において、測定結果の測定面が平面でない、曲面になった場合は、平面補正を行った後に、面粗さSaおよび2乗平均平方根高さSqを算出した。なお、レーザー顕微鏡による面粗さSaの測定環境温度は23〜25℃とした。
電解銅箔の常温抗張力及び高温抗張力は、IPC−TM−650に準じて測定した。
電解銅箔の常温伸び及び高温伸びは、IPC−TM−650に準じて測定した。なお、上述の通り「高温抗張力」とは、180℃での抗張力を示す。また、「高温伸び」とは、180℃での伸びを示す。
表面処理後の電解銅箔を、それぞれ光沢面側から熱圧着によりビスマレイミドトリアジン樹脂プリプレグに貼り合わせた。その後、当該プリプレグに貼り合せた電解銅箔を、プリプレグと貼り合せた側とは反対側から厚みが9μmとなるまでエッチングした。そして、エッチングをした後の電解銅箔表面にエッチングレジストを設けた後に露光、現像を行ってレジストパターンを形成した後に、塩化第二鉄でエッチングを行い、L/S=25μm/25μm、L/S=22μm/22μm、L/S=20μm/20μm、及び、L/S=15μm/15μmで長さ1mmの配線をそれぞれ20本形成した。続いて、回路上面から見た回路下端幅の最大値と最小値の差(μm)を測定し、5箇所を測定した平均値とした。最大値と最小値の差が2μm以下であれば、良好な回路直線性を有すると判断し、◎とした。また、当該最大値と最小値の差が2μm超え且つ4μm以下のとき、〇とした。また、当該最大値と最小値の差が4μm超えのとき、×とした。
試験条件及び試験結果を表2に示す。また、図1(a)は実施例2の電解銅箔の光沢面のSEM像である。図1(b)は実施例10の電解銅箔の光沢面のSEM像である。
実施例1〜14は、いずれも粗化処理層を有さない電解銅箔の光沢面の面粗さSaが0.270μm以下および2乗平均平方根高さSqが0.315μm以下であり、また、粗化処理層を有する電解銅箔の光沢面の面粗さSaが0.470μm以下および2乗平均平方根高さSqが0.550μm以下であり回路形成性が良好であった。
比較例1は、粗化処理層を有さない電解銅箔の光沢面の面粗さSaが0.270μmを超えており、および、2乗平均平方根高さSqが0.315μmを超えており、また、粗化処理層を有する電解銅箔の光沢面の面粗さSaが0.470μmを超えており、および、2乗平均平方根高さSqが0.550μmを超えており回路形成性が不良であった。
Claims (43)
- 光沢面側に粗化処理層を有さず、前記光沢面(前記光沢面上に表面処理層が設けられている場合には当該表面処理層を設けた後の最外層)表面の面粗さSaが0.270μm以下であり、2乗平均平方根高さSqが0.315μm以下であり、常温抗張力が30kg/mm2以上である電解銅箔。
- 前記面粗さSaが0.150μm以下である請求項1に記載の電解銅箔。
- 前記2乗平均平方根高さSqが0.200μm以下である請求項1又は2に記載の電解銅箔。
- 前記面粗さSaが0.133μm以下である請求項1〜3のいずれか一項に記載の電解銅箔。
- 前記面粗さSaが0.130μm以下である請求項4に記載の電解銅箔。
- 前記2乗平均平方根高さSqが0.180μm以下である請求項1〜5のいずれか一項に記載の電解銅箔。
- 前記2乗平均平方根高さSqが0.120μm以下である請求項6に記載の電解銅箔。
- 光沢面側に粗化処理層を有し、前記粗化処理層(前記粗化処理層上に表面処理層が設けられている場合には当該表面処理層を設けた後の最外層)表面の面粗さSaが0.470μm以下であり、2乗平均平方根高さSqが0.550μm以下である電解銅箔。
- 前記面粗さSaが0.380μm以下である請求項8に記載の電解銅箔。
- 前記2乗平均平方根高さSqが0.490μm以下である請求項8又は9に記載の電解銅箔。
- 前記面粗さSaが0.355μm以下である請求項8〜10のいずれか一項に記載の電解銅箔。
- 前記面粗さSaが0.300μm以下である請求項11に記載の電解銅箔。
- 前記面粗さSaが0.200μm以下である請求項12に記載の電解銅箔。
- 前記2乗平均平方根高さSqが0.450μm以下である請求項8〜13のいずれか一項に記載の電解銅箔。
- 前記2乗平均平方根高さSqが0.400μm以下である請求項14に記載の電解銅箔。
- 前記2乗平均平方根高さSqが0.330μm以下である請求項15に記載の電解銅箔。
- 前記光沢面側に前記粗化処理層を設ける前の光沢面の面粗さSaが0.270μm以下である請求項8〜16のいずれか一項に記載の電解銅箔。
- 前記面粗さSaが0.150μm以下である請求項17に記載の電解銅箔。
- 前記面粗さSaが0.133μm以下である請求項18に記載の電解銅箔。
- 前記面粗さSaが0.130μm以下である請求項19に記載の電解銅箔。
- 前記光沢面側に粗化処理層を設ける前の光沢面の2乗平均平方根高さSqが0.315μm以下である請求項8〜20のいずれか一項に記載の電解銅箔。
- 前記2乗平均平方根高さSqが0.200μm以下である請求項21に記載の電解銅箔。
- 前記2乗平均平方根高さSqが0.180μm以下である請求項22に記載の電解銅箔。
- 前記2乗平均平方根高さSqが0.120μm以下である請求項23に記載の電解銅箔。
- 常温抗張力が30kg/mm2以上である請求項8〜24のいずれか一項に記載の電解銅箔。
- 常温伸びが3%以上である請求項1〜25のいずれか一項に記載の電解銅箔。
- 高温抗張力が10kg/mm2以上である請求項1〜26のいずれか一項に記載の電解銅箔。
- 高温伸びが2%以上である請求項1〜27のいずれか一項に記載の電解銅箔。
- 前記電解銅箔の光沢面と反対側の面に粗化処理層を有する請求項1〜28のいずれか一項に記載の電解銅箔。
- 前記粗化処理層が、銅、ニッケル、りん、タングステン、ヒ素、モリブデン、クロム、鉄、バナジウム、コバルト及び亜鉛からなる群から選択されたいずれかの単体又はいずれか1種以上を含む合金からなる層である請求項8〜29のいずれか一項に記載の電解銅箔。
- 前記電解銅箔の光沢面側、及び、光沢面と反対側の面側の一方又は両方の粗化処理層の表面に、耐熱層、防錆層、クロメート処理層及びシランカップリング処理層からなる群から選択された1種以上の層からなる表面処理層を有する請求項8〜30のいずれか一項に記載の電解銅箔。
- 前記電解銅箔の光沢面側、及び、光沢面と反対側の面側の一方又は両方に、耐熱層、防錆層、クロメート処理層及びシランカップリング処理層からなる群から選択された1種以上の層からなる表面処理層を有する請求項1〜7、25〜28のいずれか一項に記載の電解銅箔。
- 前記電解銅箔の光沢面側、及び、光沢面と反対側の面側の一方又は両方に樹脂層を備える請求項1〜7、25〜28のいずれか一項に記載の電解銅箔。
- 前記粗化処理層上に樹脂層を備える請求項8〜30のいずれか一項に記載の電解銅箔。
- 前記表面処理層の上に樹脂層を備える請求項31又は32に記載の電解銅箔。
- 表面の面粗さSaが0.270μm以下であり、2乗平均平方根高さSqが0.315μm以下である電解ドラムを用いて請求項1〜35のいずれか一項に記載の電解銅箔を製造する方法。
- 前記表面の面粗さSaが0.150μm以下である請求項36に記載の電解銅箔を製造する方法。
- 前記表面の2乗平均平方根高さSqが0.200μm以下である請求項36又は37に記載の電解銅箔を製造する方法。
- 請求項1〜35のいずれか一項に記載の電解銅箔を有する銅張積層板。
- 請求項1〜35のいずれか一項に記載の電解銅箔を有するプリント配線板。
- 請求項1〜35のいずれか一項に記載の電解銅箔を用いてプリント配線板を製造するプリント配線板の製造方法。
- 請求項1〜35のいずれか一項に記載の電解銅箔と絶縁基板とを積層して銅張積層板を形成し、その後、セミアディティブ法、サブトラクティブ法、パートリーアディティブ法又はモディファイドセミアディティブ法のいずれかの方法によって、回路を形成する工程を含むプリント配線板の製造方法。
- 請求項41又は42に記載の方法で製造されたプリント配線板を用いて電子機器を製造する電子機器の製造方法。
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