JP2014138020A - 高周波回路用プリント配線基板 - Google Patents

高周波回路用プリント配線基板 Download PDF

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Shigeru Mogi
繁 茂木
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誠 内田
Taihei Takamoto
大平 高本
Makoto Tsuji
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Abstract

【課題】高周波用途における電気信号の伝送損失を低減すると共に、樹脂層と金属箔回路との密着性が高く耐半田リフロー性にも優れる回路用基板を提供する。
【解決手段】銅箔上に熱硬化性ポリイミド樹脂層との接着性を確保するためのプライマー樹脂層として、可溶性ポリイミド樹脂層を形成し、次いでp−フェニレンジアミン等と3,3’4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物等を反応させて得られるポリアミック酸溶液をプライマー層上に塗布し、乾燥後加熱硬化して得られる単層基板を2枚用意し、そのポリイミド面にフッ素樹脂フィルムを挟んで熱圧着することにより得られる高周波回路用両面基板。
【選択図】なし

Description

本発明は、高周波伝送特性に優れ、かつ樹脂層との密着性が十分で、耐半田リフロー性にも優れる高周波回路用両面基板に関する。
一般的にフレキシブル基板には耐熱性と機械強度の観点から銅箔上にポリイミドの絶縁層を形成した積層体が広く用いられている。
また近年、高速伝送の普及に伴い、高速伝送時の伝送損失の小さい材料が求められている。一般にポリイミドは金属との接着力が高くないため、接着性を向上させるために金属の表面は粗化させる必要がある。しかしながら、1ギガヘルツ以上の高周波になると信号は金属の表面を伝わりやすくなることが知られており(表皮効果)、伝送線路となる金属箔表面の凹凸が大きい場合、電気信号は導体の内部ではなく凹凸部の表面を迂回して伝わるため、伝送損失が大きくなるという問題が生じる。特許文献1の実施例においては表面粗度が0.6〜0.7μmのものが例示されている。しかしながら高周波回路においては、例えば15ギガヘルツの場合、電気信号は金属表面から0.5μmの深さを伝わると言われており、更に周波数が高くなりにつれて、その深度は浅くなるため、このレベルの粗度では不十分である。また、伝送損失は誘電体の誘電特性によっても影響される。ポリイミドは本来比較的誘電正接の低い樹脂であるが、誘電率は3〜4とエポキシ樹脂と同レベルで決して低くはない。またポリイミドは吸湿性が高いが、樹脂が吸湿した場合、誘電正接は高くなる傾向があるため、伝送損失を改善するためには、誘電体の吸湿性も下げる必要がある。
特許文献2には表面粗度の低い銅箔に特定の分子構造のポリアミック酸を塗布することにより得られる銅張積層板が記載されているが、銅箔とポリイミド層からなる単層基板に限られている。近年の電子回路の集積化に伴い、回路基板は裏表に回路を形成し、ビアホールにより両面を導通させる技術が一般化しており、単層基板では実用上不十分である。単層基板を両面化するためには、接着剤を用いて単層基板の樹脂面を張り合わせることにより得られるが、半田リフローに耐えうるエポキシ樹脂系の接着剤層は、一般的に誘電正接が高いため、高周波用途には適さない。
特許文献3、4には電子回路用基板の誘電特性及び寸法安定性を向上させるためにフッ素樹脂/ポリイミド樹脂/フッ素樹脂、もしくはポリイミド樹脂層/フッ素樹脂層/無機基板からなる層構成が記載されているが、銅箔の粗度に関する記載は無い。
特開2009−246201号公報 WO2007/148666号公報 特開2011−11456号公報 特開2011−11457号公報
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、高周波回路における電気信号の伝送損失を低減することができると同時に、金属箔と樹脂との密着性が高く、誘電率、誘電正接及び吸湿性の低い両面回路基板を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、表面粗化処理が施されていない銅箔上に特定の分子構造の可溶性ポリイミド樹脂をプライマー層として塗布し、その上に特定の分子構造のポリアミック酸を塗布し、高温化にて溶剤を乾燥させ、イミド化反応を生ぜしめることにより得られる単層基板のポリイミド樹脂層同士を特定の分子構造を有するフッ素樹脂フィルムで熱圧着することにより、表面粗化処理がなされていない銅箔に対しても接着性が高く、誘電率、誘電正接及び吸湿性の低い両面回路基板を得ることを見出し、本発明を完成した。
即ち本発明は、
(1)銅箔上に熱硬化性ポリイミド樹脂層との接着性を確保するためのプライマー樹脂層として、下記式(1)
Figure 2014138020
(式中Rは下記式(2)
Figure 2014138020
より選ばれる1種以上の4価の芳香族基を表し、Rは下記式(3)
Figure 2014138020
より選ばれる1種以上の2価の芳香族基をそれぞれ表し、nは繰り返し数であり10〜1000を表す。)で表される可溶性ポリイミド樹脂層を形成し、次いでp−フェニレンジアミンまたは4,4’−ジアミノジフェニルエーテルから選ばれる1種以上の芳香族ジアミンと3,3’4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物または3,3’4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物の誘導体から選ばれる1種以上の酸無水物を反応させて得られるポリアミック酸溶液をプライマー層上に塗布し、乾燥後加熱硬化して得られる単層基板を2枚用意し、そのポリイミド面にフッ素樹脂フィルムを挟んで熱圧着することにより得られる高周波回路用両面基板、(2)銅箔表面の粗さSaが0.5μm以下である上記(1)記載の高周波回路用両面基板、
(3)銅箔の表面が、ニッケル、鉄、亜鉛、金、銀、アルミニウム、クロム、チタン、パラジウム及び錫からなる群から選ばれる1種以上の金属メッキ層を有する銅箔表面である上記(2)記載の高周波回路用両面基板、
(4)フッ素樹脂がテトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)である上記(1)〜(3)のいずれか1項に記載の高周波用回路用両面基板、
に関する。
本発明の回路用両面基板は、高周波帯においても伝送損失が極めて少なく、さらに絶縁層と金属との接着及び誘電特性、耐吸湿性に優れる。
本発明において用いられる銅箔としては、表面粗化処理を全く行わないものが好ましい。銅箔の具体的な粗度としては表面粗度(Sa)が0.5μm以下の範囲内にあることが好ましく、0.2μm以下の範囲内にあることがより好ましい。表面粗度が0.5μmを超えると伝送損失が大きくなり、実用性能を満足しないことがある。銅箔の種類には電解箔と圧延箔があるが、どちらでも構わない。銅箔の厚さとしては通常5〜50μmであり、好ましくは8〜40μmである。表面粗度は従来線状二次元における凹凸の算術平均であるRaが一般的に用いられてきたが、現実の表面が三次元的広がりを持っているため正確な値とは言い難い。これに対し、Saは三次元空間における凹凸の算術平均であり精度が高い。
銅箔表面は、粗化処理されていない銅箔表面であれば、無処理の銅箔表面であっても、また該表面が金属メッキ処理、例えばニッケル、鉄、亜鉛、金、銀、アルミニウム、クロム、チタン、パラジウムまたは錫より選ばれる1種以上の金属でメッキ処理されていても、また無処理の銅箔表面もしくは前記金属メッキ処理された銅箔表面にシランカップリング剤などの薬剤で表面処理されていてもよい。好ましい金属メッキ処理としてはニッケル、鉄、亜鉛、金またはアルミニウムより選ばれる1種以上の金属メッキ処理であり好ましい金属メッキ処理としてはニッケル、鉄、亜鉛、金又はアルミニウムより選ばれる1種以上の金属メッキ処理であり、より好ましくはニッケル又はアルミニウムでの金属メッキ処理である。また、場合によりニッケル、鉄、亜鉛、金又は錫より選ばれる1種以上の金属メッキ処理が好ましい。
従来のポリイミド樹脂のプライマー層又はフィルムは、通常、その前駆体のポリアミック酸を含むワニスを基板上に塗布し、乾燥した後、加熱処理によって前駆体を閉環反応させて、作られていた。これに対し、本発明においてはプライマー樹脂自体が、ポリアミック酸の閉環したポリイミド樹脂であるので、該プライマー樹脂溶液(ポリイミド樹脂が溶解した溶液:プライマー樹脂ワニス)を銅箔上に直接塗布した後、乾燥するだけで、ポリイミドのプライマー層を得ることができる。
本発明に用いられるプライマー樹脂は、通常下記式(5)
Figure 2014138020
で表されるテトラカルボン酸二無水物のうちの1種以上と、下記式(6)
Figure 2014138020
で表されるジアミンのうちの1種以上との縮合反応によりポリアミック酸を得て、これを閉環させることで得られる。ポリアミック酸の閉環反応は、該ポリアミック酸を溶解する溶媒中、例えばN−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、メチルベンゾエート、バレロラクトン及びブチロラクトンからなる群から選ばれる1種以上を含有する溶媒中で行うのが好ましい。こうして得られたポリイミド溶液は通常のワニスと同様に銅箔上に塗布して用いることが可能である。
このワニスは溶媒中にポリイミド樹脂が、通常1〜50重量%、好ましくは5〜30重量%溶解した溶液が取り扱いやすい。
本発明において好ましいテトラカルボン酸二無水物としては上記の中の4,4’−オキシジフタル酸無水物又は3,4,3’,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物が挙げられ、より好ましくは4,4’−オキシジフタル酸無水物である。また、ジアミン成分は上記3種のジアミンが何れも前記のテトラカルボン酸二無水物との組み合わせで使用することができ、より好ましいジアミンとしては1,3-ビス−(3−アミノフェノキシ)ベンゼン又は3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンを挙げることができる。テトラカルボン酸二無水物との組み合わせで好ましい組み合わせとしては、4,4’−オキシジフタル酸無水物に対しては1,3-ビス−(3−アミノフェノキシ)ベンゼン又は3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンが好ましく、特に、1,3-ビス−(3−アミノフェノキシ)ベンゼン単独、又は1,3-ビス−(3−アミノフェノキシ)ベンゼンと3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンの併用がより好ましい。また、3,4,3’,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物に対しては4,4’−ジアミノ−3,3’,5,5’−テトラエチルジフェニルメタンが好ましい。上記でジアミン成分を併用する場合、1,3-ビス−(3−アミノフェノキシ)ベンゼンと3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンの使用割合は特に限定は無いが、通常前者が100〜10モル%、後者が0〜90モル%程度である。
これらの組合せから得られるポリイミド樹脂を含む上記ポリイミド樹脂溶液は上記銅箔上への塗布用のワニス(特にプライマー樹脂ワニス)としてより好ましい。
加熱閉環反応は、前記極性溶媒を単独で使用し実施することもできるが、トルエン、キシレン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン等の比較的低沸点の無極性溶媒を少量添加した混合溶媒を使用し、反応時に副生する水を反応系から除去させながら実施するのが好ましい。反応温度は、150〜220℃が好ましく、180〜200℃が特に好ましい。反応時間は2〜10時間が好ましく、5〜8時間が特に好ましい。無極性溶媒の添加量は反応溶媒に対し5〜20重量%が好ましい。
ポリイミド樹脂の繰り返し数はテトラカルボン酸二無水物成分とジアミン成分とのモル比で制御でき、例えば繰り返し数100程度の場合、テトラカルボン酸二無水物成分:ジアミン成分=1.00モル:1.01モルまたは1.01モル:1.00モルとなる様反応させる。また、繰り返し単位の多いものを得るにはテトラカルボン酸二無水物成分とジアミン成分の使用割合を上記割合より等モルに近づけることにより得ることが出来、繰り返し単位の少ないものを得るには上記モル割合の両者の差を大きくすることにより、得ることが出来る。
本発明で用いるプライマー樹脂(プライマー樹脂用上記ポリイミド樹脂)およびその溶液は、目標とする接着強度及び銅箔の防錆効果を達成する範囲内であれば、必要に応じて種々の添加剤を加えることができる。それらとしては例えば、芳香族ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等の有機添加剤、またはシリカ化合物等の無機添加剤、顔料、染料、ハレーション防止剤、蛍光増白剤、界面活性剤、レベリング剤、可塑剤、難燃剤、酸化防止剤、充填剤、静電防止剤、粘度調整剤、イミド化触媒、促進剤、脱水剤、イミド化遅延剤、光安定剤、光触媒、低誘電体、導電体、磁性体や、熱分解性化合物等が挙げられる。
式(1)で表される可溶性ポリイミド樹脂溶液(プライマー樹脂溶液)は銅箔上に塗布し、次いで乾燥させる。より詳しくは、通常粗化処理の施されていない銅箔の片面(該銅箔面は金属メッキされていても、また、シランカップリング剤処理されていてもよい)に上記プライマー樹脂溶液を、例えばプライマー樹脂層としての換算厚さ(乾燥後のポリイミド樹脂層の厚さ)が0.5〜20μm、好ましくは1〜10μm、より好ましくは1〜5μmとなる様、塗布し、乾燥させることにより、銅箔上に、該ポリイミド層が形成される。例えば20重量%のプライマー樹脂溶液を10μm厚に塗布し、80〜200℃で5〜60分、好ましくは130〜150℃で10〜30分乾燥させることにより、およそ2μm厚のプライマー層が得られる。
乾燥時の熱源は熱風でも遠赤外線ヒーターでもよいが、溶媒蒸気の滞留防止および樹脂内部までの熱伝導の点で、熱風と遠赤外線ヒーターを併用するとよい。
次いでp−フェニレンジアミンまたは4,4’−ジアミノジフェニルエーテルから選ばれる1種以上の芳香族ジアミンと3,3’4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物または3,3’4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物の誘導体から選ばれる1種以上の酸無水物とを、N−メチル−2−ピロリドンやN,N−ジメチルアセトアミド等の極性溶媒中で反応させて得られるポリアミック酸樹脂ワニスを、金属箔上に設けられた可溶性ポリイミド樹脂のプライマー層上に所望の膜厚、通常10〜100μmになるように塗布して乾燥した後、250〜400℃で0.5〜20時間の条件で脱水閉環させることにより、本発明に用いられる単層銅張積層板を得る。
ポリアミック酸樹脂ワニスに用いられる芳香族ジアミンとして、p−フェニレンジアミンと4,4’−ジアミノジフェニルエーテルを併用する場合の両者の配合比率は通常p−フェニレンジアミン60重量部から90重量部に対し、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル40重量部から10重量部である。
3,3’4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物の誘導体としては、3,3’4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物にメタノールやエタノールを反応させたエステル塩や3,3’4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸等が挙げられる。
ポリアミック酸樹脂ワニスに使用する溶媒としては、例えば、非プロトン性極性溶媒、エーテル系化合物、水溶性アルコール系化合物が挙げられる。
非プロトン性極性溶媒としては、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルフォスフォラアミド等が挙げられる。
エーテル系化合物としては、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−(メトキシメトキシ)エトキシエタノール、2−イソプロポキシエタノール、2−ブトキシエタノール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、テトラエチレングリコール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル等が挙げられる。
水溶性アルコール系化合物としては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、tert−ブチルアルコール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタジオール、2,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2−ブテン−1,4−ジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、ジアセトンアルコール等が挙げられる。
これらの溶媒は、2種以上を混合して用いてもよい。これらの溶媒のうち、特に好ましい例としては、単独溶媒としてはN,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドンが挙げられ、混合溶媒としては、N,N−ジメチルアセトアミドとN−メチル−2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドンとメタノール、N−メチル−2−ピロリドンと2−メトキシエタノール等の組み合わせが挙げられる。
酸無水物と芳香族ジアミンとの割合は、芳香族ジアミン1モルに対して酸無水物が1.03〜0.97モルの範囲であることが好ましく、より好ましくは芳香族ジアミン1モルに対し酸無水物が1.01〜0.99モルである。また、反応温度は、−30〜60℃が好ましく、−20〜40℃がより好ましい。
上記反応において、モノマー及び溶媒の混合順序は特に制限はなく、いかなる順序でもよい。溶媒として混合溶媒を用いる場合は、個々の溶媒に別々のモノマーを溶解又は懸濁させておき、それらを混合し、撹拌下、所定の温度と時間で反応させることによっても、ポリイミド前駆体溶液が得られる。このポリイミド前駆体溶液は、2種類以上混合して用いることもできる。
上記のようにして得られた2枚の単層銅張積層板のポリイミド層側にフッ素樹脂フィルムを挟んで熱圧着することにより本発明の高周波用両面基板を得ることが出来る。フッ素樹脂フィルムの種類としては、本発明に用いられるポリイミドに対して高い接着性を有するものである必要があり、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)が好ましい。フッ素樹脂フィルムの表面は、接着性を高めるためにコロナ処理、プラズマ処理などが施されていてもよい。熱圧着は通常250〜400℃の範囲内で、1〜20分間、0.1〜10メガパスカルの圧力で行うことが出来る。熱圧着はフィルム間の空気の挟み込みなどを防ぐために、真空プレス機を使用することが好ましい。
本発明の高周波用回路用両面基板にスルーホールを形成する方法としては、ドリルによる加工法や、炭酸ガスレーザー、YAGレーザー、エキシマレーザーなどのレーザーによる加工法を採用することができる。
また、本発明の高周波用回路用両面基板のスルーホールにめっきを施す方法としては、従来周知の方法を採用することができ、無電解銅めっきと電解銅めっきによるパターンめっきおよび/またはパネルめっきを順次施せばよい。
本発明において高周波回路とは、単に高周波信号のみを伝送する回路からなるものだけでなく、高周波信号を低周波信号に変換して、生成された低周波信号を外部へ出力する伝送路や、高周波対応部品の駆動のために供給される電源を供給するための伝送路等、高周波信号ではない信号を伝送する伝送路も同一平面上に併設された回路も含まれる。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(銅箔表面の粗度と凹凸間隔の測定方法)
レーザー顕微鏡(オリンパス株式会社製)
を用い、測定倍率倍で銅箔の表面粗度(Sa)を測定した。
(銅箔・ポリイミド層間の接着強度の測定方法)
JIS C5016−1994に準拠して、毎分50mmの速度で銅箔を銅箔除去面に対して90°の方向に引きはがしながら、引っ張り試験機により、銅箔の引きはがし強さを測定し、得られた値を接着強度とした。
(誘電率、誘電正接の測定方法)
作成した両面基板の銅箔をエッチングした後、空洞共振器(関東電子応用開発株式会社製)により1GHzにて測定し、ネットワークアナライザー(アジレントテクノロジー株式会社製、型式8719ET)にて解析した。
(伝送損失の測定方法)
エッチングにより長さ10cm、幅180μmのマイクロストリップラインを作成し、ネットワークアナライザーを用いて20GHzにおける伝送損失を測定した。
(粘度の測定方法)
東機産業社製回転粘度計(TV−20形粘度計)により、25℃で測定した。
合成例1
温度計、環流冷却器、ディーンスタークトラップ装置、粉体導入口、窒素導入装置及び攪拌装置のついた300mlの反応器に、ジアミン成分として1,3-ビス−(3−アミノフェノキシ)ベンゼン(APB−N:三井化学株式会社製 分子量292.34、以下単にAPB−Nと記載する)24.84g(0.085モル)を仕込み、乾燥窒素を流しながら、溶剤としてメチルベンゾエート38.42gを加え、60℃で30分撹拌した。その後、そこに、ジカルボン酸二無水物成分として、4,4’−オキシジフタル酸無水物(ODPA:マナック社製 分子量310.22、以下単にODPAと記載する)26.88g(0.087モル)、溶剤としてγ−ブチロラクトンを57.63g、触媒としてγ−バレロラクトンを0.868g及びピリジンを1.371g、及び脱水剤としてトルエン22.2gを添加した。反応器内を180℃まで加熱し、分留管より発生する水を抜きながら、6時間、加熱閉環反応を行った。イミド化反応終了後、反応液を80℃以下に冷却し、次いで孔径3μmのテフロンRTM(以下上付RTMは登録商標を示す)フィルターを用い加圧濾過し、下記式(7)
Figure 2014138020
(式中nは繰り返し数を表す)
で表されるポリイミド樹脂(重量平均分子量は96600)がγ−ブチロラクトン及びメチルベンゾエートの混合溶媒中に34重量%の濃度で溶解した溶液を168g得た。このプライマー樹脂溶液1.00mlを、E型回転粘度計を用い25℃で測定した回転粘度は、26.8Pa・sであった。
合成例2
温度計、環流冷却器、ディーンスタークトラップ装置、粉体導入口、窒素導入装置及び攪拌装置のついた300mlの反応器に、溶剤としてN,N−ジメチルアセトアミド1042g(11.9モル)、ジアミン成分としてp−フェニレンジアミン34.2g(0.317モル)と4,4‘−ジアミノジフェニルエーテル21.4g(0.107モル)を仕込んで溶解せしめ50℃に昇温し、乾燥窒素を流しながら3,3’,4,4‘−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物128.2g(0.436モル)を1時間かけて仕込んだ。次いで70℃まで昇温し、4時間撹拌することにより下記式(8)
Figure 2014138020
で表されるポリアミック酸ワニスを1091.3g(固形分15重量% 粘度13.5Pa・s)を得た。得られたポリアミック酸の数平均分子量は15500、mの値は30、nの値は10であった。
実施例1
合成例1で得られたポリイミド溶液(プライマー樹脂溶液)にN−メチル−2−ピロリドンを固形分が5重量%となる様に加え、その溶液をオートマチックアプリケーター(株式会社安田精機製作所製)を用いて18μm厚の圧延銅箔(表面粗さSaが0.2μm)の上に28μm厚で塗布した後、130℃で10分間乾燥し、本発明の1.4μm厚のプライマー層付銅箔を得た。
上記で得られた、プライマー層付銅箔のプライマー層上に、合成例2で得られたポリアミック酸ワニスを乾燥後の厚さが25μmになるように塗布し、130℃で10分間乾燥し、次いで窒素雰囲気下で2時間かけて350℃まで昇温し、さらに350℃で2時間保持し、閉環反応を行った。その後、室温まで放冷して、プライマー樹脂層上にポリイミド樹脂基板を有する片面基板を得た。
上記の単層基板2枚の間に厚さ25μmのテトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)フィルム(ダイキン株式会社製 製品名AF−0025)を挟み真空プレス機を用い、320℃で10分間熱プレスすることにより、本発明の両面基板を作成した。得られた両面基板のポリイミド層と銅箔の引きはがし強さを測定したところ、1.3N/mmと十分に高い値が得られた。この基板を260℃の半田浴に5分間浸漬したところ、外観に膨れ、剥がれなどは全く見られなかった。エッチングにより、両面の銅箔を全て取り除き、1ギガヘルツで誘電率、誘電正接を測定したところ、それぞれ2.95、0.0028であった。また別途エッチングにより長さ10cm1、幅180μmのマイクロストリップラインを作成し、ネットワークアナライザーを用いて20GHzにおける伝送損失を測定したところ、2.33dB/10cmであった。
本発明によれば、伝送損失が少なく、耐半田リフロー性に優れた高周波用回路用両面基板が得られるので、高速伝送用の各種高周波用回路用両面基板として有用である。

Claims (4)

  1. 銅箔上に熱硬化性ポリイミド樹脂層との接着性を確保するためのプライマー樹脂層として、下記式(1)
    Figure 2014138020
    (式中Rは下記式(2)
    Figure 2014138020
    より選ばれる1種以上の4価の芳香族基を表し、Rは下記式(3)
    Figure 2014138020
    より選ばれる1種以上の2価の芳香族基をそれぞれ表し、nは繰り返し数であり10〜1000を表す。)で表される可溶性ポリイミド樹脂層を形成し、次いでp−フェニレンジアミンまたは4,4’−ジアミノジフェニルエーテルから選ばれる1種以上の芳香族ジアミンと3,3’4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物または3,3’4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物の誘導体から選ばれる1種以上の酸無水物を反応させて得られるポリアミック酸溶液をプライマー層上に塗布し、乾燥後加熱硬化して得られる単層基板を2枚用意し、そのポリイミド面にフッ素樹脂フィルムを挟んで熱圧着することにより得られる高周波回路用両面基板。
  2. 銅箔表面の粗さSaが0.5μm以下である請求項1記載の高周波回路用両面基板。
  3. 銅箔の表面が、ニッケル、鉄、亜鉛、金、銀、アルミニウム、クロム、チタン、パラジウム及び錫からなる群から選ばれる1種以上の金属メッキ層を有する銅箔表面である請求項1記載の高周波回路用両面基板。
  4. フッ素樹脂がテトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)である請求項1〜3のいずれか1項に記載の高周波用回路用両面基板。
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