JP5160146B2 - タイヤの設計方法 - Google Patents

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Description

本発明は、タイヤの設計方法に関するものである。
従来、空気入りタイヤを設計する場合、要求性能を満たす設計案を従前の知見、経験及び設計制約に基づいて設計し、その確認のための1つの手段として、構造解析を用いて要求性能を満たしているか否かの確認を行う。この段階で要求性能を満たしていない場合、設計の修正を行い、再度構造解析により確認を行う。このプロセスを要求性能が満たされるまで、繰り返し行い、設計案を確定している。
かかる従来の設計方法では、設計制約に基づく範囲の中で確定した設計案が、最適値であるか否かの保証はない。また、設計、構造解析及び再設計の繰り返しプロセスを行うため、設計に要する時間が膨大になることがある。そこで、効率的な設計を可能にするため、最適化計算によりタイヤを最適化する手法が種々提案されている(下記特許文献1〜4参照)。
ところで、これまで、空気入りタイヤにおいて、内部構造を含むタイヤ断面形状やタイヤ部品の材料特性などのタイヤ構造と、トレッド面に形成するトレッドパターン形状とに対するタイヤ特性との関係は、定量的に把握されていない。そのため、空気入りタイヤを設計する場合、一般に、タイヤ構造を確定した上で、トレッドパターン形状の設計を行っている。すなわち、タイヤ構造とトレッドパターン形状とはそれぞれ個別に最適化されている。そのため、タイヤ構造とトレッドパターン形状の最適な組合せを考慮することはなされていなった。
なお、特許文献1には、最適化計算を行う際の設計変数として、カーカスラインなどのライン形状を表す関数と、ビードフィラーのゲージ分布などのタイヤゴム部材のゲージ分布を表す変数と、各ベルト層の角度などのベルト部の構造を表す変数とともに、ブロック形状などのパターン形状を表す変数が列挙され、これらの少なくとも1つを設計変数として含むことが記載されている。しかしながら、この文献では、タイヤ構造に関する変数とトレッドパターン形状に関する変数とを同時に設計変数として使用することは具体的に開示されていない。また、仮にタイヤ構造に関する変数とトレッドパターン形状に関する変数を同時に設計変数とすることが示唆されているとしても、両者を同時に設計変数として最適化するようないわゆる強連成の最適化では、一般に計算コストが大きく、必ずしも効率的な設計を行うことができない。
国際公開第94/16877号パンフレット 国際公開第98/29269号パンフレット 国際公開第98/29270号パンフレット 特開2005−008011号公報
本発明は、以上の点に鑑みてなされたものであり、タイヤ構造の最適化とトレッドパターン形状の最適化を連成されて行うことで、タイヤ全体としての最適な設計諸元を効率的に得ることができ、より良い性能を持つタイヤの設計を可能にする設計方法を提供することを目的とする。
本発明に係るタイヤの設計方法は、
(a)タイヤ性能に関する目的関数を定めるステップと、
(b)タイヤを複数の要素に分割したタイヤモデルを用いて、トレッドパターン形状を固定しながら、前記目的関数を最適化するタイヤ構造の最適解を求める最適化計算を行うステップと、
(c)タイヤを複数の要素に分割したタイヤモデルを用いて、タイヤ構造を固定しながら、前記目的関数を最適化するトレッドパターン形状の最適解を求める最適化計算を行うステップと、を含むものであり、
前記ステップ(b)では直前のステップ(c)で最適化されたトレッドパターン形状を持つタイヤモデルを用いてタイヤ構造についての最適化計算を行い、前記ステップ(c)では直前のステップ(b)で最適化されたタイヤ構造を持つタイヤモデルを用いてトレッドパターン形状についての最適化計算を行い、前記ステップ(b)とステップ(c)で得られた最適解に基づいて収束判定し、収束するまで前記ステップ(b)とステップ(c)の最適化計算を繰り返すものである。
本発明においてタイヤ構造とは、タイヤの内部構造を含むタイヤ断面形状やタイヤ部品の材料特性などのように、トレッド面に形成するトレッドパターン形状以外の設計対象となりうる空気入りタイヤの構造をいう。かかるタイヤ構造としては、例えば、タイヤ断面幅、トレッド幅、クラウン半径、サイド部半径などのタイヤ断面の外形形状(即ち、モールド形状)、トレッドゴムやサイドウォールゴムなどのゴム部材のヤングモジュラス、カーカスプライやベルトなどの補強部材の材料物性などのタイヤを構成する各部品の材料特性、ならびにこれらタイヤ部品の寸法、角度、密度、配置(上記補強部材におけるコードのエンド数や角度も含まれる。)などが挙げられる。
本発明は、ステップ(b)によるタイヤ構造の最適化と、ステップ(c)によるトレッドパターン形状の最適化とを、上記のように弱連成させて行うものであり、弱連成させることにより、計算コストを抑えながら、タイヤ構造とトレッドパターン形状の最適解を得ることができる。そのため、タイヤ全体としての最適な設計諸元を効率的に得ることができ、より良い性能を持つタイヤを設計することができる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る空気入りタイヤの設計方法の流れを示すフローチャートである。本実施形態は、タイヤ構造の最適化と、ECAT法によるタイヤトレッドパターンの位相と形状の最適化を弱連成させて行う設計方法に関するものであり、コンピュータを用いて実施することができる。
より詳細には、下記のステップをコンピュータに実行させるためのプログラムを作成しておき、このプログラムをハードディスクなどに格納(インストール)したパソコンなどのコンピュータを用いることにより、本実施形態の設計方法を実施することができる。すなわち、ハードディスクに保存されたプログラムは、実行する際に適宜RAMに読み込まれ、キーボードなどの入力手段から入力された種々のデータを用いて、CPUにより演算を行い、モニターなどの表示手段により結果が表示される。なお、このようなプログラムは、CD−ROM、DVD、MD、MOなどのコンピュータ読み取り可能な各種記録媒体に記憶させることができるので、そのような記録媒体のためのドライブ装置をコンピュータに設けておき、該ドライブ装置を介してプログラムを実行するようにしてもよい。
本実施形態の設計方法においては、まず、ステップS10において、タイヤ性能に関する目的関数を定めるとともに、タイヤ構造とトレッドパターン形状の初期値、設計変数、制約条件などの最適化計算に必要な各種条件を設定する。
上記目的関数としては、タイヤ構造とトレッドパターン形状によりその値が変化する物理量が挙げられる。例えば、制動時や加速時などのタイヤの接地圧分散、タイヤの平均接地圧、応力、ひずみ、ひずみエネルギー、摩擦エネルギー、路面の滑り速度および変位などが挙げられる。一例として、目的関数をタイヤの接地圧分散とし、これを最小化する最適化問題を定義する。
トレッドパターン形状の初期値である1ピッチ単位の初期レイアウトとしては、トレッドに溝が全く無いものや、トレッドに周方向に延びる主溝のみを備えるもの、主溝と該主溝に交差する方向に延びる横溝とを持つもの、更には、主溝と横溝により区画されるブロックを持つものなどが挙げられるが、本実施形態では、周方向溝である主溝のみを備えたものをトレッドパターン形状の初期レイアウトとする。従って、本実施形態では、トレッドパターンの幅、1ピッチ単位の長さ、主溝のタイヤ幅方向における位置、及び主溝の幅によって、初期レイアウトが定まる。
次のステップS12では、上記初期レイアウトのトレッドパターンを持つタイヤ有限要素モデル(以下、タイヤFEMモデル、又は単にタイヤモデルという。)を初期モデルとして作成する。タイヤモデルはタイヤを内部構造を含めてメッシュ状に要素分割してなるものであり、タイヤ性能を評価するための上記物理量を構造解析により数値的、解析的に求めることができるようにタイヤをモデル化したものである。ここでは、図2に示すように、トレッド1の表面に主溝2のみを備えたトレッドパターンからなるタイヤFEMモデルが作成される。
かかるタイヤモデルの作成に際しては、初期レイアウトの1ピッチ単位をタイヤ周方向に複数ピッチ展開したタイヤについてタイヤ一周分でのFEMモデルを作成する。この例では、初期レイアウトは主溝のみを備えたトレッドパターンであるため、図2に示す二次元のFEMモデルをタイヤ全周に単にスイープさせればよい。但し、図2は半断面であるため、全幅分のものをスイープさせる。また、このときの周方向展開は等間隔、不等間隔など目的に応じてなされる。上記スイープにより、初期レイアウトを複数ピッチ展開したタイヤモデルが三次元FEMモデルとして作成される。
次のステップS14では、上記タイヤモデルを用い、トレッドパターン形状を固定しながら、上記目的関数を最適化するタイヤ構造の最適解を求める最適化計算を実施する。かかる最適化計算としては、実験計画法、遺伝アルゴリズムを用いた手法、数理計画法など、公知の種々の最適化手法を適用することができ、本実施形態では数理計画法によるタイヤ構造の最適化の例について説明する。
数理計画法による最適化計算では、図3に示すように、まず、ステップS30において、上記タイヤモデルを用いて構造解析を実施することで、タイヤ構造に関する設計変数の初期値における目的関数の初期値を演算する。構造解析は、タイヤモデルに対し、タイヤ内圧、荷重、路面との摩擦係数等の解析条件を付与して、演算することにより行われ、例えばABAQUS Inc.社製の「ABAQUS」などの市販のFEM解析ソフトウェアを利用して行うことができる。
次いで、ステップS32において、感度解析を行う。感度解析は、各設計変数を各々予め定められた所定量だけ少しずつ変化させ、最も勾配が急な方向を見つけることであり、一般に感度は下記式(1)で定義される。
感度=(f(xi+Δxi)−f(xi))/Δxi …(1)
但し、xi:i番目の設計変数、
Δxi:i番目の設計変数の変化量、
f(xi):設計変数xiでの目的関数、
f(xi+Δxi):設計変数xi+Δxiでの目的関数。
詳細には、個々の設計変数xiをΔxiだけ変化させて、変化後の目的関数の値を演算し、上記式(1)に従って設計変数の単位変化量に対する目的関数の変化量の割合である目的関数の感度を各設計変数毎に演算して、感度の勾配が最も急な方向を見つける。
その後、ステップS34において、上記感度に基づいて、設計変数の許容範囲などの制約条件を考慮しながら、一次元探索により、上記した勾配が急な方向に設計変数をどれだけ変化させたらよいかを求めて、目的関数を最適化(最小化)し得る設計変数の解を求めるとともに、この設計変数の解から目的関数の値を演算する。
そして、ステップS36において、ステップS30で求めた目的関数の初期値と、ステップS34で求めた目的関数の値とを対比して、両者の差と所定のしきい値とを比較することで目的関数の値が収束したか否かを判断する。収束していないと判断した場合には、初期値を更新してステップS32に戻り、収束するまでステップS32〜S36を繰り返し実行する。そして、目的関数の値が収束すれば、ステップS38においてこのときの設計変数の値を、目的関数に対してタイヤ構造の最適値を与える最適解として決定する。
次に、ステップS16において、上記で最適化されたタイヤ構造を持つトレッドパターン付のタイヤモデルを作成した後、ステップS18において、上記ステップS14で得られた最適解に基づいて収束判定を実施する。収束判定は、例えば、タイヤ構造についての最適化計算のステップS14の前後で、最適解である設計変数の値が変わらないかどうかで判定し、ステップS14前の設計変数の初期値とステップS14後の設計変数の最適解との差が所定のしきい値以上である場合には収束していないと判断してステップS20に進み、所定のしきい値未満である場合には収束したと判断してステップS26に進む。通常は、一回目の最適化計算では収束せずに、ステップS20に進む。なお、収束判定は、最適解に基づいて行うものであれば、上記のように設計変数で判定する代わりに、最適解から算出される目的関数の値がステップS14の前後で変わらないかどうかで判定してもよい。
ステップS20では、上記ステップS14で最適化されたタイヤ構造を持つタイヤモデルを用いて、該タイヤ構造を固定しながら、上記目的関数を最適化するトレッドパターン形状の最適解を求める最適化計算を実施する。本実施形態では、トレッドパターン形状の最適化計算をECAT(Evolutional Clustering Algorithm for Topological optimization)法を用いて実施する。
ECAT法は、有限要素法を利用したレイアウトの最適化手法であり、片持ち梁などの機械構造物のレイアウト最適化問題として、例えば、長谷川浩司、川面恵司「GA利用による機械構造物の位相最適化法の一方法(有限要素の除去および付加パラメータを染色体とする位相最適化法)」、日本機械学会論文集(A編)、61巻581号(1995−1)、p183−p190(以下、参考文献という。); 鶴田靖、長谷川浩司、川面恵司「GA利用による機械構造物の位相最適化法の一方法(第2報、有限要素の除去および付加パラメータを染色体とする方法の収束性の検討)」、日本機械学会論文集(A編)、63巻605号(1997−1)、p170−p177; 鈴木雄作、長谷川浩司、川面恵司「GA利用による機械構造物の位相最適化法の一方法(第3報、有限要素の除去および付加パラメータを用いた単一個体による確定的方法)」、日本機械学会論文集(A編)、64巻626号(1998−10)、p49−p54、などに紹介されている。
本実施形態では、かかるECAT法をタイヤトレッドパターン形状の最適化問題に適用する。すなわち、レイアウトであるトレッドパターン形状を1つの個体と考え、トレッドパターン形状の有限要素モデルについて算出した評価指標の大小によって要素をクラス分けし、レイアウト内における評価指標の分布を大域的に捉え、要素の除去及び付加(復活)する行為としてのふるまいを進化させることにより、最終的なレイアウトを決定する。
詳細には、図4に示すように、ステップS40において、トレッドパターン形状の初期レイアウトの1ピッチ単位をタイヤ周方向に複数ピッチ展開したタイヤについてのタイヤモデルを作成する。ここでは、上記ステップS16において作成したタイヤ構造を最適化したタイヤモデルがそのまま用いられる。
次のステップS42において、上記で得られた初期レイアウトのタイヤモデルを用いて構造解析を実施して、タイヤトレッドパターンにおける接地面の各要素について、評価指標を算出する。評価指標とは、接地面の各要素について算出される物理量であって、タイヤ性能としての上記目的関数を算出する際の基礎となる物理量である。評価指標としては、例えば、応力、ひずみ、ひずみエネルギー、接地圧力、接地圧分散、摩擦エネルギー、路面のすべり速度および変位などが挙げられる。
次のステップS44では、上記で算出した評価指標を対応する要素毎に1ピッチ単位に集約し、集約した評価指数の大小によってこれらの要素をクラス分けする。
評価指数を1ピッチ単位に集約する方法について、図5,6に基づき説明する。図5に示すように、5ピッチ分周期的に配置した場合において、各ピッチの対応する要素の評価指数の関数は次のように表される。
・第1ピッチ:F(i,j,1)
・第2ピッチ:F(i,j,2)
・第3ピッチ:F(i,j,3)
・第4ピッチ:F(i,j,4)
・第5ピッチ:F(i,j,5)
そのため、これらの評価指数を、図6に示すように1ピッチ単位に集約した場合、該1ピッチ単位のレイアウトにおける任意の要素の評価指数、即ち集約した評価指数の関数A(i,j)は、下記式(2)により表される。
なお、1ピッチ単位に集約する場合、このように平均値を求めてもよく、あるいはまた単に合計値を求めてもよい。
このようにして集約した評価指数に基づいて1ピッチ単位のレイアウトに含まれる要素をクラス分けする。詳細には、評価指数の大きさを複数のレベルに分割してクラス分けする。例えば、評価指数の最小値と最大値の間を10等分して10個のレベルを設定し、全ての要素をそれぞれ対応するレベルに割り付けることで、10クラスに分類する。なお、クラスの設定は、このように等間隔でもよく、また不等間隔でもよい。
次のステップS46では、除去対象要素の属するクラスを決定する。かかる除去対象クラスの決定は、各クラスの評価指数の大きさのレベルに従ってなされる。
すなわち、評価指数が接地圧分散(即ち、平均接地圧に対する該要素の接地圧の差の二乗)である場合のように、評価指数が大きいものを除去対象とする場合、評価指数の大きい側の複数のクラスを除去対象クラスとして決定する。逆に、評価指数が小さいものを除去対象とする場合(例えば、トレッド部の撓みを大きくするパターンを設計したい場合、各要素の変位において変位の小さい要素を除去する。)、評価指数の小さい側の複数のクラスを除去対象クラスとして決定する。詳細には、次式(3)に基づいて除去対象クラスを決定することができる。
cβ=βNcμ …(3)
式中、Ncβは、除去対象要素の属するクラス番号の上限、Ncμは、評価指標の平均値を持つ要素の属するクラス番号、βは除去係数である。式(3)で求められたNcβ以下のクラス番号に属する要素を除去対象とする。ここで、クラス番号は、評価指標が大きいものを除去対象とする場合、評価指標が大きいものから順番に小さなクラス番号を割り当て、評価指標が小さいものを除去対象とする場合、評価指標が小さいものから順番に小さなクラス番号を割り当てる。除去係数βは、予め定められた値を用いてもよく、あるいはまた、上記参考文献に記載されているように、α−カット値及び付加係数γとともに、これらのパラメータを遺伝子として染色体にコーディングする遺伝的アルゴリズムなどの最適化計算により求めてもよい。ここで、付加係数γは、上記参考文献に記載されているように、下記式(4)により定義される係数である。
pγ=γNps …(4)
式中、Npγは付加する要素数、Npsは累積除去要素数である。後記のステップS50〜S54でボイド比に基づいて復活する要素を決定する代わりに、除去した要素を除去した順番にその除去履歴を記憶しておき、式(4)で求められたNpγ以降の順番の要素を全て復活するようにしてもよい。
次のステップS48では、上記ステップS46で決定した各除去対象クラスの中から除去する要素を選定し、選定した要素をレイアウトから除去する。除去要素は、除去対象クラスからあいまいに摘出されることが好ましい。あいまいに摘出するためには、上記参考文献に記載されているように、ファジイc−means法を用いてメンバーシップ関数を作成し、ファジイ分割を行う。該メンバーシップ関数は、除去対象クラス中の要素を、α−カット値により除去対象要素と非除去対象要素に分けるものであり、α−カット値αを求めることで除去要素が選定される。
このように、本ECAT法では、除去対象クラスとして複数のクラスを決定し、各除去対象クラスの中からファジイ分割により除去要素を選定することにしている。そのため、評価指数が大きいものを除去対象とする場合に、単に評価指数の大きい側のクラスからそのクラス全体の要素を除去する場合に比べて、局所的解に陥ることを回避してよりよい最適解を得ることができる。
このようにして要素を除去した後、トレッドパターンのボイド比についての制約条件に基づいて除去した要素の中から復活(即ち、付加)する要素を決定する。詳細には、まず、ステップS50において、要素を除去した後のレイアウトのボイド比を計算する。ここで、ボイド比とは、トレッドパターンの1ピッチ単位の全面積に対する溝部(非接地部)の面積の比であり、通常、0.25〜0.45の範囲内で制約条件としてのボイド比の上限が定められる。
次いで、ステップS52において、計算により得られたボイド比が上記制約条件を満たすかどうか判定する。そして、制約条件を満たさない場合、即ち算出されたボイド比が予め定められたボイド比の上限を超える場合、ステップS54において、不足分の要素を補うように、除去した要素を復活する。すなわち、ステップS48で選定した除去要素の中から、ボイド比の制約条件を満足するように必要数の要素を復活させる。ステップS48で除去された要素については評価指標が記憶されているので、レイアウトに残る可能性の高い要素から順番に、すなわち、評価指標が大きいものを除去対象とする場合、評価指標の小さい要素から、また、評価指標が小さいものを除去対象とする場合、評価指標の大きい要素から、復活させる。
ステップS52において制約条件を満たす場合、ステップS56に進み、上記ステップで要素を除去及び復活することにより得られた現世代のレイアウトを確定する。
そして、ステップS58において、現世代のレイアウトのタイヤモデルを作成する。その際、現世代のレイアウトの1ピッチ単位をタイヤ周方向に複数ピッチ展開したタイヤについてタイヤ全周でのFEMモデルを作成する。ここで、現世代のレイアウトの1ピッチ単位の意匠をピッチ展開する方法について、図7,8に基づき説明する。
図7は、トレッドの全幅についてのタイヤトレッドパターンの1ピッチ単位の意匠を示したものであり、符号2が主溝、符号3が横溝、符号4の黒塗りの部分が陸部、をそれぞれ示す。また、Xがタイヤ周方向、Yがタイヤ幅方向である。この1ピッチ単位の意匠を、図8に示すように、タイヤ周方向Xに所定ピッチの数だけ周期的に配置する。図8の例では、第1ピッチから第5ピッチまでの5ピッチ分周期的に配置している。
次いで、ステップS60において、得られた現世代のレイアウトのFEMモデルを用い、上記ステップS42と同様に、構造解析を実施し、タイヤトレッドパターンにおける接地面の各要素について、評価指標を算出する。
そして、ステップS62で、目的関数の収束性を判定する。目的関数は上記構造解析により求めた評価指標から算出され、例えば、目的関数がタイヤの接地圧分散である場合、評価指標である各要素の接地圧分散から算出される。収束性の判定は、例えば、1つ前の世代のレイアウトでの目的関数の値と、現世代のレイアウトでの目的関数との差が、所定値よりも小さいかどうかで行う。
かかる判定により目的関数が収束していないと判定したときには、レイアウトを現世代のレイアウトに更新して、ステップS44に戻る。すなわち、現世代のレイアウトを初期値として、次のステップS44にて要素のクラス分けを行い、ステップS46以下に進み、目的関数が収束するまで、ステップS44〜S62を繰り返す。そして、ステップS62において目的関数が収束したと判定したときには、そのときの現世代のレイアウトをトレッドパターン形状の最適解に決定する(ステップS64)。
次に、ステップS22において、上記で最適化されたトレッドパターン形状のタイヤモデルを作成した後、ステップS24において、上記ステップS20で得られた最適解に基づいて収束判定を実施する。収束判定は、例えば、ステップS20により得られた最適解が、ステップS20の最適化前での初期レイアウトと変わらないかどうかで判定し、ステップS20前の初期レイアウトとステップS20後の最適化されたレイアウトとの違いが所定のしきい値以上である場合には、収束していないと判断してステップS14に戻る。一方、所定のしきい値未満である場合には収束したと判断してステップS26に進む。なお、収束判定は、最適解に基づいて行うものであれば、上記のようにレイアウトの違いで判定する代わりに、最適解から算出される目的関数の値がステップS20の前後で変わらないかどうかで判定してもよい。
上記のようにしてステップS14に戻ると、上記ステップS22で作成した最適化されたトレッドパターン形状を持つタイヤモデルを用いて、トレッドパターン形状を固定したまま、タイヤ構造についての最適化計算を、上記と同様に実施する。
このようにして、ステップS18又はステップS24で収束したと判定するまで、ステップS14〜S24までを繰り返す。そして、収束した判定したときには、ステップS26において、そのときのタイヤ構造とトレッドパターン形状のレイアウトを最適解に決定して、該最適解に基づいて、タイヤ構造とトレッドパターン形状を決定する。
このようにしてタイヤ構造とトレッドパターン形状を設計したタイヤは、常法に従い、加硫成形することで、実際の空気入りタイヤとして製造することができ、これにより、上記目的関数に係るタイヤ性能が改善された空気入りタイヤが得られる。
本実施形態によれば、タイヤ構造の最適化では直前に最適化されたトレッドパターン形状を持つタイヤモデルを用いて最適化計算を行い、トレッドパターン形状の最適化では直前に最適化されたタイヤ構造を持つタイヤモデルを用いて最適化計算を行い、これらの最適化計算で得られた最適解に基づいて収束判定し、収束するまで両者の最適化計算を繰り返す。このようにタイヤ構造の最適化とトレッドパターン形状の最適化を弱連成させて行うので、計算コストを抑えながら、タイヤ全体としての最適な設計諸元を効率的に得ることができる。
また、本実施形態によれば、トレッドパターン形状の最適化にECAT法を用いており、評価指標の分布を大域的に捉えて最適化を行うため、局所的解に陥ることなく、大域的な最適解が得られる。また、従来の遺伝的アルゴリズムを用いる場合と比較して、計算負荷が小さく、そのため、トレッドパターンの意匠を効率的に設計することができる。
また、本実施形態によれば、FEMモデルを用いた構造解析及び目的関数の収束性判定では、レイアウトの1ピッチ単位をタイヤ周方向に複数ピッチ展開したものを用いる一方、要素の除去及び復活のプロセスでは、これらを1ピッチ単位に集約した値を用いている。タイヤトレッドパターンは、一般に、1ピッチ単位の意匠を周方向に周期的に配置することで、トレッド意匠を構成する。そのため、複数ピッチ分の評価指標及び目的関数を用いて評価することで、より実情に即した最適化を行うことができる。また、要素の除去及び復活のプロセスでは、1ピッチ単位に集約した値を用いるので、ピッチ間で異なる意匠に設計される不具合を回避することができる。
(第1の実施形態の変更例)
図9は、上記第1の実施形態において、トレッドパターン形状の最適化計算の変更例に係るフローチャートを示したものである。変更例では、初期レイアウトのトレッドパターンが周方向溝とともに横溝を備えている。トレッドパターンの意匠を設計する場合、ある程度、意匠としての設計制約が課せられる場合がある。例えば、図10に示すように、トレッドパターンとして、主溝2と横溝3を持つ意匠の大まかな設計が指定されている場合があり、その場合、この指定されたトレッドパターンを初期レイアウトとして最適化を実施する。
本変更例では、上記の指定されたトレッドパターンを初期レイアウトとして、該初期レイアウトを持つタイヤモデルを構造解析するために、当該タイヤモデルを、主溝のみを持つタイヤのFEMモデルから自動生成させる。詳細には、次のステップにより実現する。
ステップS70において、初期レイアウトのトレッドパターンに関するインプットデータを作成する。詳細には、上記の指定されたトレッドパターンを表す各図形の座標データを作成し、入力する。
そして、ステップS72において、主溝のみを持つタイヤモデルから上記の指定された初期レイアウトのトレッドパターンを持つタイヤモデルを作成するために、上記インプットデータを用いてマッピングアルゴリズムを実施する。マッピングアルゴリズムは、トレッドパターンの1ピッチ単位の意匠について実施する。
マッピングアルゴリズムによるプロセスについて説明する。図11は、初期レイアウトの意匠の一つである閉図形(m角形)P−P−…−P−Pi+1−…−Pと、FEMモデルの関係を示したものであり、点線が有限要素を示している。ここでまず、有限要素Aを構成する節点のひとつNについて考える。初めに、NベクトルとNi+1ベクトルの外積を求め、外積のz成分の正負を調べる。同時に、NベクトルとNi+1べクトルのなす角θ(<180°)を求める。これをi=1,…,mについて行う。
次に、上記式(5)を計算し、|θtotal|>180°のときNが閉図形の中にあると判定し、|θtotal|≦180°のとき、Nが閉図形の外にあると判定する。このような関係の確認を節点N,N,Nについても同様に行い、1つの要素を構成する全節点が全て閉図形の内部にあるときに限りその要素は閉図形に属していると判定する。
このようにして、トレッドパターンの1ピッチ単位分の全ての有限要素について初期レイアウトの意匠との関係を求めて1ピッチ単位のトレッドパターンのFEMモデルを作成し、これを所定ピッチの分だけ周方向に配置することで、上記の指定されたトレッドパターンからなる初期レイアウトのタイヤモデルが作成される(ステップS74)。その後は、上記第1の実施形態と同様、ステップS42以下の各ステップを実施することにより、トレッドパターン形状の最適化計算を実施することができる。
本変更例によれば、トレッドパターンに意匠としての設計制約が課せられる場合でも、初期レイアウトとして定義したい意匠に解析モデルを自動生成させることができる。そのため、設計制約が課されている場合にも、効率的にトレッドパターン形状を設計することができる。
(実施例1)
上記第1の実施形態についての具体的な実施例1を説明する。実施例1では、タイヤサイズを225/45R17とし、構造解析における条件を、空気圧:220kPa、使用リム:17×7.5JJ、荷重:5782Nとした。目的関数は、タイヤの接地圧分散とし、該接地圧分散を最小化する最適化問題を定義した。
タイヤ構造については、タイヤ断面の外形形状(モールド形状)を最適化することとし、図12に示す以下のものを設計変数とした。
・R1=タイヤ中心線上に中心を持ち、点Aを通る円弧の半径(初期値=1000mm、制約範囲=800〜2000mm)、
・R2=タイヤ中心線上のある点と点Bを両端に持つ長さR1の線分上に中心を持ち、点Bを通る円弧の半径(初期値=350mm、制約範囲=250〜450mm)、
・θ1=タイヤ中心線を基準にして、円弧R1の中心点から伸ばした直線との挟角(初期値=1.8°、制約範囲=1.4°〜2.3°)
・θ2=円弧R2の中心点と点Bを結ぶ点を基準として、円弧R2の中心点から伸ばした直線との挟角(初期値=4.7°、制約範囲=3°〜6.3°)。
トレッドパターン形状の最適化計算における評価指標は各要素の接地圧分散とした。また、トレッドパターン形状の初期レイアウトは、図13(a)に示す主溝のみのトレッドパターンとし(但し、同図は周方向に5ピッチ分展開した接地形状を示す。)、構造解析ではこれを周方向に5ピッチ分展開した。要素のクラス分けは20クラスとし、除去係数β=1.3、α−カット値α=0.96とした。また、ボイド比の上限は0.35とした。
その結果、タイヤ構造の最適解は、R1=950mm、R2=310mm、θ1=1.7°、θ2=4.2°であった。また、トレッドパターンの最適解(最終レイアウト)は、図13(b)に示す通りであった(但し、同図は周方向に5ピッチ分展開した接地形状を示す。)。
比較のために、比較例1として、従来の設計→構造解析→再設計の繰り返しによる試行錯誤による設計方法を実施した。また、比較例2として、タイヤ構造は最適化せずに、トレッドパターン形状のみについて、ECAT法を用いた最適化計算を実施した。更に、比較例3として、トレッドパターン形状は最適化せずに、タイヤ構造のみについて、数理計画法を用いた最適化計算を実施した。
実施例1及び比較例1〜3について、最適化に要した計算コストを下記表1に示すとともに、コントロールタイヤとしての従来タイヤに対する目的関数(接地圧分散)の改良効果を下記表1に示した。
目的関数の改良効果については、構造解析による解析値と、実際にタイヤを作製して計測したときの実測値について、従来タイヤ(従来品)の接地圧分散の解析値と実測値をそれぞれ100とした指数で表示した。また、計算コストについては、比較例1で要した計算時間を100とした指数で表示した。数値が小さいほど計算時間が短く、計算コストに優れることを意味する。
表1に示すように、実施例1の場合、従来タイヤや比較例1に比べて接地圧分散が大幅に向上しており、また、比較例1に対して計算時間が大幅に短縮された。また、タイヤ構造とトレッドパターン形状のいずれか一方のみを最適化する比較例2,3に対しても接地圧分散が改良されていた。
(第2の実施形態)
図14は、第2の実施形態に係る設計方法におけるタイヤトレッドパターン形状の最適化計算の流れを示すフローチャートである。本実施形態は、タイヤ構造の最適化と、基底ベクトル法によるトレッドパターン形状の最適化を弱連成させて行うものであり、トレッドパターン形状の最適化計算以外については、上記第1の実施形態と同様である。
すなわち、本実施形態では、図1に示すフローチャートのステップS20においてトレッドパターン形状の最適化計算を行う際に、基底ベクトル法を用いてトレッドパターン形状の最適化計算を実施する。
基底ベクトル法を用いた最適化計算では、まず、ステップS100において、トレッドパターンの初期形状であるオリジナル形状のモデルに基づき、複数のベース形状のモデルを作成する。
図15(a)にオリジナル形状のトレッドパターンを持つタイヤモデルの一例を示し、図16(a)にトレッドパターンの1ピッチ単位の意匠についてのオリジナル形状のモデルを示す。この例では、トレッドパターンは、周方向に延びる4本の主溝2を持ち、幅方向中央のセンター領域にタイヤ周方向に連続して延びるセンターリブ5を備えるとともに、幅方向両端のショルダー領域と、ショルダー領域とセンター領域の間に挟まれたメディエート領域と、に横溝3によって区画されたブロック列6,7をそれぞれ備えている。
かかるオリジナル形状のFEMモデルに基づいて、複数のベース形状のFEMモデルを作成する。ベース形状とは、オリジナル形状と節点数および要素結合情報が同一であり、かつ節点座標値の異なるトレッドパターン形状である。ここで、節点数とは、FEMモデルを構成するメッシュの交点の総数である。要素結合情報とは、FEMモデルを構成する各要素について、どの節点がどういう順で含まれているかという情報である。節点座標値とは、基準となる原点に対する各節点の位置を示す座標値である。
ベース形状のFEMモデルは、オリジナル形状のFEMモデルにおいて、節点数と要素結合情報を維持したまま、節点座標値を変化させて、オリジナル形状とは異なる形状を持つように作成される。節点座標値を変化させる方法としては、オペレータがオリジナル形状のFEMモデルの画像を確認しながらマウスなどの入力手段を介して節点座標値を変化させるようにしてもよく、あるいはまた、所定の規則に従って、コンピュータが自動的に節点座標値を変化させるようにしてもよい。作成するベース形状の個数は、特に限定されないが、計算コストを考慮すると、通常10個以下であることが好ましい。該個数は、コンピュータからの要求信号に基づいて、オペレータが入力するようにしてもよい。
例として、図16(b)〜(d)は、図16(a)に示すオリジナル形状のモデルから作成した3個のベース形状のモデル、即ち(b)ベース形状1、(c)ベース形状2および(d)ベース形状3のFEMモデルを示したものである。
次のステップS102では、最適化用FEMモデルを作成するとともに、設計変数を設定する。詳細には、上記で作成した各FEMモデルの各節点座標値をベクトルの成分とみなし、そのベクトルの線形結合で新たなベクトルを作り、その新たなベクトルの成分である各節点座標値で最適化用FEMモデルを構成する。
すなわち、この例では、上記オリジナル形状の節点座標値を成分とするベクトルと上記ベース形状の節点座標値を成分とするベクトルとの差をベーシスベクトルとして、各ベーシスベクトルの線形結合により最適化用モデルの各節点座標値を成分とするベクトルを定義する。この最適化用モデルのベクトルは、下記式(6)により表される。
そして、上記αで表される線形結合の重み係数を、後述する最適化計算における設計変数として定義する。その際、各重み係数に制約範囲を定める。
次いで、上記式(6)を用いて最適化計算を実施する。すなわち、式(6)で表される最適化用モデルのベクトルとベーシスベクトルとの関係式に基づいて、上記目的関数を最適化する設計変数の値を求める。かかる最適化計算としては、実験計画法、遺伝アルゴリズムを用いた手法、数理計画法など、公知の種々の最適化手法を適用することができ、本実施形態では実験計画法による最適化計算の例について説明する。
まず、ステップS104において、実験計画法に基づいた実験計画の割付条件により、複数の実験計画モデルを作成する。詳細には、まず、実験計画法に基づく直交表の各列に各設計変数を割り付ける。直交表としては、本実施形態の場合、設計変数が3個であるため、L27の3水準直交表を用いる。設計変数α,α,αを制約範囲の下限値、中間値、上限値の3水準に変化させて、直交表に割り付ける。そして、各割付条件に従って上記設計変数の値を変えて、上記式(6)により、直交表の行数個、ここでは27個の最適化用FEMモデルを、実験計画モデルとして作成する。
次いで、ステップS106において、上記で得られた各実験計画モデルの目的関数を、FEM解析により求める。すなわち、各最適化用FEMモデルに解析条件を付与した構造解析を行うことにより、それぞれの目的関数を求める。
かかる構造解析において、解析が収束せずに目的関数が算出されない場合がある。これは、上記実験計画法に基づいて最適化用FEMモデルを作成したときに、該モデルにおける一部の要素が大きく歪んだ形状になることに起因することが多い。そこで、ある最適化用FEMモデルについて目的関数が算出されないときには(ステップS108:No)、上記の歪んだ要素について、メッシュを切り直し、即ちメッシュ状の要素分割により要素を再構成し(ステップS110)、その後、この再構成した最適化用FEMモデルを用いて構造解析を実施して、目的関数を算出する(ステップS106)。これにより、目的関数が算出されないという不具合を解消することができる。また、この切り直しは、上記特定のFEMモデルについて、要素が歪んだ特定の部位のみに適用するだけでよいので、計算コストの増大を抑えることができる。
このようにして27個の最適化用FEMモデルの全てについて目的関数を算出するまで構造解析を繰り返し(ステップS108:Yes、ステップS112:No)、全てのFEMモデルについて目的関数を求めたら(ステップS112:Yes)、次のステップに移行する。
次のステップS114では、上記で求めた目的関数と設計変数との関係から、目的関数を設計変数による近似関数で表す。すなわち、回帰分析等の手法によって多項式近似することにより、目的関数を設計変数の近似関数(応答曲線)に変換する。
その後、ステップS116において、上記近似関数から目的関数を最適化する設計変数を求める。例えば、目的関数をブロックの接地圧分散として、該接地圧分散を最小化したい場合には、接地圧分散が最小となるように近似関数に含まれる設計変数を変化させて、トレッドパターン形状の最適解を求める(ステップS118)。
その他の構成は第1の実施形態と同じであり、説明は省略する。
第2の実施形態でも、タイヤ構造の最適化とトレッドパターン形状の最適化を弱連成させて行うので、第1の実施形態と同様に、計算コストを抑えながら、タイヤ全体としての最適な設計諸元を効率的に得ることができる。
また、第2の実施形態では、トレッドパターン形状の最適化において、最適化計算の対象とする最適化用モデルを、基底ベクトル法を用いて生成しており、トレッドパターン形状を規定する設計変数の与え方が、従来の最適化手法とは明らかに異なっている。すなわち、従来のトレッドパターン形状の最適化手法では、ブロックの各辺の長さや形状などのようにトレッドパターン形状を直接決定する要素を設計変数としている。そのため、この方法では、直線やsin曲線のような定型的なパラメータで定義できる形状に、トレッドパターン形状が限定される。それ故、この方法では、最適解探索範囲は限定されるし、また、設計変数が変わるごとに有限要素を形成するメッシュを作り直す必要があるという問題がある。これに対し、上記基底ベクトル法を用いて、各ベーシスベクトルの重み係数を設計変数として生成するので、定型的なパラメータで定義することが困難である複雑な形状を持つトレッドパターン形状を容易に作り出すことができる。そのため、最適解の探索範囲を広くとることができ、タイヤ性能の更なる向上を図ることができる。また、設計変数が変わるごとに、モデルのメッシュを切り直す必要もあまりなく、設計工数の削減を図ることができる。
なお、本実施形態では、トレッドパターンの1ピッチ単位の意匠を最適化する場合について説明したが、トレッドパターンにおける1つのブロック形状を最適化する場合に適用することもできる。
(実施例2)
上記第2の実施形態についての具体的な実施例2を説明する。実施例2では、タイヤサイズを205/65R15とし、構造解析における条件を、空気圧:200kPa、使用リム:15×6JJ、荷重:450Nとした。目的関数は、タイヤの接地圧分散とし、該接地圧分散を最小化する最適化問題を定義した。
タイヤ構造については、タイヤ断面の外形形状(モールド形状)を最適化することとし、図12に示す以下のものを設計変数とした。
・R1=タイヤ中心線上に中心を持ち、点Aを通る円弧の半径(初期値=1000mm、制約範囲=700〜1300mm)、
・R2=タイヤ中心線上のある点と点Bを両端に持つ長さR1の線分上に中心を持ち、点Bを通る円弧の半径(初期値=200mm、制約範囲=100〜300mm)、
・TW1=点Aから2つの円弧の接合点までの幅方向の距離(初期値=38mm、制約範囲=28〜48mm)。
トレッドパターン形状については、図16(a)に示すオリジナル形状に基づいて、図16(b)〜(d)のベース形状1〜3を作成し、制約範囲は、ベース形状1についての重み係数α=−1〜1、ベース形状2についての重み係数α=−1〜1、ベース形状3についての重み係数α=−1〜1とした。
解析の結果、タイヤ構造の最適解は、R1=1200mm、R2=250mm、TW1=36mmであった。また、トレッドパターンついて、各設計変数の最適解はα=1、α=−1、α=−1であり、最適化されたレイアウトは、図15(b)に示す通りであった。
比較のために、比較例4として、従来の設計→構造解析→再設計の繰り返しによる試行錯誤による設計方法を実施した。また、比較例5として、タイヤ構造は最適化せずに、トレッドパターン形状のみについて、基底ベクトル法を用いた最適化計算を実施した。更に、比較例6として、トレッドパターン形状は最適化せずに、タイヤ構造のみについて、数理計画法を用いた最適化計算を実施した。
実施例2及び比較例4〜6について、最適化に要した計算コストを、比較例4で要した計算時間を100とした指数により、下記表2に示した。また、目的関数(接地圧分散)の改良効果について、解析値及び実測値を、従来タイヤ(従来品)の接地圧分散の解析値と実測値をそれぞれ100とした指数で表示した。
表2に示すように、実施例2の場合、従来タイヤや比較例4に比べて接地圧分散が大幅に向上しており、また、比較例4に対して計算時間が大幅に短縮された。また、タイヤ構造とトレッドパターン形状のいずれか一方のみを最適化する比較例5,6に対しても接地圧分散が改良されていた。
(第3の実施形態)
図17は、第3の実施形態に係る空気入りタイヤの設計方法の流れを示すフローチャートである。本実施形態は、タイヤ構造の最適化と、トレッドパターン形状についての基底ベクトル法による形状最適化及びECAT法による形状及び位相最適化とを弱連成させて行うものである。
すなわち、この実施形態では、第1の実施形態と同様にタイヤ構造の最適化を実施し(ステップS10〜16)、収束判定した後(ステップS18)、ステップS150において、まず、タイヤ構造を固定しながら、基底ベクトル法を用いてトレッドパターン形状の最適化計算を実施する。具体的な最適化計算方法は、第2の実施形態と同様である。
このようにして基底ベクトル法でのトレッドパターン形状の最適解を得た後(ステップS152)、ステップS154にて、タイヤ構造を固定しながら、ECAT法を用いてトレッドパターン形状の最適化計算を実施する。具体的な最適化計算方法は、第1の実施形態と同様である。但し、ステップS154での最適化計算では、ステップS152で得られた基底ベクトル法でのトレッドパターン形状の最適解を初期レイアウトとして最適化計算を実施する。そのため、図9に示す第1の実施形態の変更例のように、初期レイアウトパターンのインプットデータを作成し、マッピングアルゴリズムにより、基底ベクトル法でのトレッドパターン形状の最適解を初期レイアウトとして持つタイヤモデルを作成する(ステップS70〜74)。
このようにしてトレッドパターン形状の最適解を求めた後は、第1の実施形態と同様にして、ステップS22で上記で最適化されたトレッドパターン形状のタイヤモデルを作成した後、ステップS24において上記ステップS154で得られた最適解に基づいて収束判定を実施する。
その他の構成は第1の実施形態と同じであり、説明は省略する。
本実施形態によれば、タイヤ構造の最適化と、基底ベクトル法によるトレッドパターン形状の最適化およびECAT法によるトレッドパターン形状及び位相の最適化を、弱連成されて行うので、タイヤ全体としてのより最適な設計諸元を効率的に得ることができ、タイヤ性能を一層向上することができる。
なお、上記第3の実施形態では、トレッドパターン形状の最適化について、先に基底ベクトル法による最適化計算を実施し、その後、ECAT法による最適化計算を実施しているが、逆に、先にECAT法による最適化計算を実施してから、その後基底ベクトル法による最適化計算を実施してもよい。その場合には、後から実施する基底ベクトル法による最適化計算において、先に実施したECAT法による最適化計算において最適化されたトレッドパターン形状をオリジナル形状として最適化計算を実施する。
また、上記第3の実施形態では、基底ベクトル法による最適化計算において、トレッドパターン形状の1ピッチ単位を最適化の対象としたが、トレッドパターン形状中のブロック形状のみを設計対象とすることもできる。
また、ステップS150の基底ベクトル法による最適化計算と、ステップS154のECAT法による最適化計算との間に、ステップS24と同様の収束判定を挿入して、タイヤ構造の最適化と、基底ベクトル法によるトレッドパターン形状の最適化と、ECAT法によるトレッドパターン形状の最適化とを、全て弱連成させるようにしてもよい。
(実施例3)
上記第3の実施形態についての具体的な実施例3を説明する。実施例3におけるタイヤサイズ、構造解析における各条件、目的関数、並びに、タイヤ構造についての設計変数及びその制約範囲は、上記実施例1と同じである。
また、トレッドパターン形状について、基底ベクトル法による最適化計算でのオリジナル形状は図18(a)に示す通りであり、これに基づいて、図18(b)及び(c)のベース形状1及び2を作成し、制約範囲は、ベース形状1についての重み係数α=−1〜1、ベース形状2についての重み係数α=−1〜1とした。
また、ECAT法による最適化計算における評価指標は、各要素の接地圧分散とし、基底ベクトル法により得られた最適解を初期レイアウトとして、構造解析ではこれを周方向に5ピッチ分展開した。要素のクラス分けは20クラスとし、除去係数β=1.3、α−カット値α=0.96とした。また、ボイド比の上限は0.35とした。
解析の結果、タイヤ構造の最適解は、R1=820mm、R2=250mm、θ1=1.5°、θ2=5.2°であった。基底ベクトル法による最適化において、各設計変数の最適解はα=1、α=−1であり、最適化されたレイアウトは図18(b)に示す通りであった。更に、トレッドパターンの最適解(最終レイアウト)は、図19に示す通りであった(但し、同図は周方向に5ピッチ分展開した接地形状を示す。)。
最適化に要した計算コストは、上記比較例1で要した計算コストを100として、実施例3では85であり、設計時間の大幅な短縮が可能であった。また、目的関数の値は、上記従来品を100として、実施例3では、解析値が87で、実測値が85であり、接地圧分散の改良効果に優れていた。
(その他の実施形態)
上記実施形態では、先にタイヤ構造の最適化を実施してから、後にトレッドパターン形状の最適化を実施するようにしているが、これとは逆に、先にトレッドパターン形状の最適化を実施してから、その後にタイヤ構造の最適化を実施するようにしてもよい。
本発明は、空気入りラジアルタイヤ等の各種タイヤの設計に効果的に利用することができる。
第1の実施形態に係るタイヤ設計方法の流れを示すフローチャート。 タイヤのFEMモデルの一例を示すタイヤの半断面図。 同実施形態におけるタイヤ構造の最適化計算の流れを示すフローチャート。 同実施形態におけるトレッドパターン形状の最適化計算において、ECAT法による最適化計算の流れを示すフローチャート。 5ピッチ展開した例において任意の要素の評価指標の関数を示す図。 任意の要素について1ピッチ単位に集約した評価指標の関数を示す図。 トレッドパターンの1ピッチ単位の意匠の一例を示す図。 1ピッチ単位の意匠を5ピッチ展開した例を示す図。 第1の実施形態の変更例において、トレッドパターン形状のECAT法による最適化計算の流れを示すフローチャート。 同変更例におけるトレッドパターン形状の最適化において初期レイアウトを示す平面図。 マッピングプロセスにおいてある有限要素が閉図形に属する例を示す図。 実施例1のタイヤ構造の最適化における設計変数を示すタイヤモールドプロファイル図。 (a)実施例1におけるトレッドパターン形状の初期レイアウトの図、(b)実施例1にて最適化された最終レイアウトの図。 第2の実施形態におけるトレッドパターン形状の最適化計算において、基底ベクトル法による最適化計算の流れを示すフローチャート。 (a)実施例2における初期レイアウトのトレッドパターン形状を持つタイヤモデル、(b)最適化後のレイアウトのトレッドパターン形状を持つタイヤモデル。 実施例2におけるオリジナル形状とベース形状1〜3を示す平面図。 第3の実施形態に係るタイヤ設計方法の流れを示すフローチャート。 実施例3におけるオリジナル形状とベース形状1,2と最適化形状を示す平面図。 実施例1にて最適化された最終レイアウトの図。
符号の説明
1…トレッド、2…主溝、3…横溝、4…陸部、5…センターリブ、6,7…ブロック列

Claims (6)

  1. (a)タイヤ性能に関する目的関数を定めるステップと、
    (b)タイヤを複数の要素に分割したタイヤモデルを用いて、トレッドパターン形状を固定しながら、前記目的関数を最適化するタイヤ構造の最適解を求める最適化計算を行うステップと、
    (c)タイヤを複数の要素に分割したタイヤモデルを用いて、タイヤ構造を固定しながら、前記目的関数を最適化するトレッドパターン形状の最適解を求める最適化計算を行うステップと、
    を含み、
    前記ステップ(b)では直前のステップ(c)で最適化されたトレッドパターン形状を持つタイヤモデルを用いてタイヤ構造についての最適化計算を行い、前記ステップ(c)では直前のステップ(b)で最適化されたタイヤ構造を持つタイヤモデルを用いてトレッドパターン形状についての最適化計算を行い、前記ステップ(b)とステップ(c)で得られた最適解に基づいて収束判定し、収束するまで前記ステップ(b)とステップ(c)の最適化計算を繰り返す、タイヤの設計方法。
  2. 前記ステップ(c)の最適化計算がECAT法を用いた最適化計算である請求項1記載のタイヤの設計方法。
  3. 前記ステップ(c)は、
    (c1)トレッドパターン形状の初期レイアウトの1ピッチ単位をタイヤ周方向に複数ピッチ展開したタイヤについて複数の要素に分割したタイヤモデルを作成するステップと、
    (c2)前記初期レイアウトのタイヤモデルを用いて構造解析により各要素について評価指標を算出するステップと、
    (c3)算出した評価指標を対応する要素毎に1ピッチ単位に集約し、集約した前記評価指標の大小によって前記要素をクラス分けして、除去対象要素の属する複数のクラスを決定し、決定した各クラスの中から除去する要素を選定するステップと、
    (c4)前記で除去した要素の中から復活する要素を選定するステップと、
    (c5)前記ステップ(c3)及び(c4)における要素の除去と復活により現世代のレイアウトを得て、該レイアウトの1ピッチ単位をタイヤ周方向に複数ピッチ展開したタイヤモデルを作成するステップと、
    (c6)前記現世代のレイアウトのタイヤモデルを用いて構造解析により各要素について評価指標を算出するステップと、
    (c7)算出した評価指数から前記目的関数の収束性を判定して、収束していないと判定したときにはレイアウトを前記現世代のレイアウトに更新して前記ステップ(c3)に戻り、収束したと判定したときには前記現世代のレイアウトをトレッドパターン形状の最適解として決定するステップと、
    を含む請求項2記載のタイヤの設計方法。
  4. 前記ステップ(c)の最適化計算が基底ベクトル法を用いた最適化計算である請求項1記載のタイヤの設計方法。
  5. 前記ステップ(c)は、
    (c10)トレッドパターンの少なくとも一部についてのオリジナル形状のモデルに基づき、該モデルと節点数および要素結合情報が同一でかつ節点座標値の異なる複数のベース形状のモデルを作成するステップと、
    (c11)前記オリジナル形状の節点座標値を成分とするベクトルと前記ベース形状の節点座標値を成分とするベクトルからベーシスベクトルを定義して、各ベーシスベクトルの線形結合により最適化用モデルの各節点座標値を成分とするベクトルを定義し、前記線形結合の重み係数を設計変数に設定するステップと、
    (c12)前記最適化用モデルのベクトルと前記ベーシスベクトルとの関係式に基づいて、前記目的関数を最適化する前記設計変数の値を求めることで、トレッドパターンの少なくとも一部の前記形状の最適解を求めるステップと、
    を含む請求項4記載のタイヤの設計方法。
  6. 前記ステップ(c)は、(c21)ECAT法を用いてトレッドパターン形状の最適化計算を行うステップと、(c22)基底ベクトル法を用いてトレッドパターン形状の最適化計算を行うステップと、を含み、前記ステップ(c21)と(c22)はいずれか一方のステップを先行して実施し、いずれか他方のステップを実施する際に、前記一方のステップにおいて最適化されたトレッドパターン形状を初期形状として最適化計算を行う、請求項2記載のタイヤの設計方法。
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