JP6589285B2 - データの分析方法およびデータの表示方法 - Google Patents
データの分析方法およびデータの表示方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6589285B2 JP6589285B2 JP2015025260A JP2015025260A JP6589285B2 JP 6589285 B2 JP6589285 B2 JP 6589285B2 JP 2015025260 A JP2015025260 A JP 2015025260A JP 2015025260 A JP2015025260 A JP 2015025260A JP 6589285 B2 JP6589285 B2 JP 6589285B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- value
- index
- data
- pareto
- obtaining
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Description
複数の特性値(目的関数)を対象とする多目的最適化では、特性値の間にトレードオフ関係が存在することが少なくない。その場合、最適解はパレート解と呼ばれる解集合を形成する。そのパレート解と設計変数との因果関係を分析することで特定の特性値バランスを実現するための設計変数の方向性を知ることができ、その情報を設計に役立てることができる。パレート解のデータから、特性値と設計変数の因果関係を分析する従来の方法として、自己組織化マップが提案されている(非特許文献1参照)。
ここで、多目的最適化問題において複数の特性値を向上させる設計値を探索することが重要である。同時に設計変数空間において、複数の特性値を向上させる設計変数が何かを判別することも重要である。しかしながら、通常の製品設計では設計変数、特性値の数はきわめて多く、どの設計変数の寄与が大きいか判別しづらい。また経験の浅い解析者では結果を図示しても因果関係が理解できないことがあるという問題点がある。
また、特性値と設計変数の因果関係を可視化した自己組織化マップでは、解析者が理解し易いようにデータをまとめてはいるが、経験の浅い解析者では、どの因子が特性値に影響を与えているか理解しにくいという問題点がある。
また、前記第2の指標を求める工程は、前記近似関数を得る工程で前記複数のパレート解を複数の関数で近似して複数の近似関数を得る工程と、前記複数の近似関数それぞれについて、近似関数毎に前記限界パレート解を通り、かつ前記近似関数に垂直な直線を求める工程と、前記複数の直線について、それぞれ前記少なくとも1つの目的関数の値との距離を求める工程と、前記求めた距離の値の合計の値を前記第2の指標とする工程とを備えることが好ましい。
織化マップを作成する工程と、前記第1の指標および前記第2の指標のうち、少なくとも一方を用いて閾値を設定する工程と、前記自己組織化マップ上での前記閾値に対応する領域を求める工程とを有することが好ましい。
さらに、前記自己組織化マップ上で前記閾値に対応する前記領域を用いて回帰分析をする工程とを有することが好ましい。
例えば、前記入力値を表わす前記入力データは、構造体および構造体を構成する材料の設計変数を表すものであり、前記出力値を表わす前記出力データは、構造体および構造体を構成する材料の特性値を表すものである。
さらに、前記自己組織化マップ上で前記閾値に対応する前記領域を用いてクラスタリング処理をする工程と、前記クラスタリング処理により、前記領域がクラスタに分けられるかを判定する工程と、前記クラスタに分けられる場合、前記領域の数が多いクラスタについて回帰分析を用いて線を作成し、前記クラスタの近似式で表される前記線を、前記自己組織化マップ上に表示する工程とを有することが好ましい。
例えば、前記入力値を表わす前記入力データは、構造体および構造体を構成する材料の設計変数を表すものであり、前記出力値を表わす前記出力データは、構造体および構造体を構成する材料の特性値を表すものである。
また、本発明のデータの表示方法によれば、入力値が複数あり、出力値が複数ある場合において、入力値と出力値との因果関係を、例えば、経験の浅い解析者であっても視覚的に容易に理解することができる。
図1(a)は、2つの特性値の関係を示すグラフであり、(b)は、2つの設計変数の関係を示すグラフである。
図1(b)に示すように、望ましい設計値H1は、設計変数x1および設計変数x2が大きい値である。望ましい設計値H2は、設計変数x1が小さい値であり、設計変数x2が大きい値である。このように、特性値f1、f2が良好な特性となる設計値H1、設計値H2は設計変数x1、x2の値が異なる。しかし、設計変数x2の値が大きいと特性値f1、f2は良好な特性となる。設計変数x2の値が特性値f1、f2の良好な特性を得るに重要な設計変数である。例えば、特性値f1、f2は、タイヤの横ばね定数、タイヤの転がり抵抗であり、設計変数x1、x2は、タイヤの形状のパラメータである。
なお、特性値f1、f2は目的関数空間における目的関数の値ともいう。特性値f1、f2は、上述のように設計値H1、H2で表わされ、設計値H1、H2は設計変数x1、x2のゼロを含むある値の組合せで表わされる。
本実施形態のデータの分析方法およびデータの表示方法には、図2に示すデータ処理装置10が用いられるが、データの分析方法およびデータの表示方法をコンピュータ等のハードウェアおよびソフトウェアを用いて実行することができればデータ処理装置10に限定されるものではない。
入力値を表わす入力データXi(i=1,l)と、出力値を表わす出力データYj(j=1,m)の2種類のデータを組としたデータセットを対象としており、出力値空間において分析し、その結果を表示する。なお、lは入力データの数、mは出力データの数を表わす。入力値および特性値は、それぞれ複数ある。入力値と出力値とは所定の関係を有する。この所定の関係とは、因果関係であり、例えば、入力値と出力値とが関数により表わされることをいう。
データセットでは、例えば、l=6、m=2のとき、入力データX1〜X6と出力データY1〜Y4の合計10のデータを1組として扱い、この10のデータの組(入力データX1〜X6、出力データY1〜Y4)が複数組存在する。データセットにおいて、上記組の数をデータ数という。例えば、データ数が100であれば、10のデータで構成される組が100存在する。なお、入力データと出力データの数は、複数であればよく、特に10に限定されるものではない。
なお、データセットにおいては、入力値を表わす入力データ(設計変数)と出力値を表わす出力データ(特性値)のデータは、特に限定されるものではなく、シミュレーションまたは最適化のようなコンピュータ演算されたものでもよいし、各種試験の計測データでもよく、また、パレート解を含んでもよい。
処理部12は、制御部26により制御される。また、処理部12において解析部20はメモリ24に接続されており、解析部20のデータがメモリ24に記憶される。また、メモリ24には、外部から入力される上述のデータセットが記憶される。
また、解析部20は、入力データおよび出力データの2種類のデータを用いて、自己組織化マップを作成する。第1の指標および第2の指標のうち、少なくとも一方に対して閾値を設定し、自己組織化マップ上での閾値に対応する領域を求め、その自己組織化マップ上での位置情報を得る。さらには、解析部20は、閾値に対応する領域に印をつけるように画像データを作成する。
解析部20は、自己組織化マップ上で閾値に対応する領域を用いて回帰分析をする。自己組織化マップ上で閾値に対応する領域を用いてクラスタリング処理をする。このクラスタリング処理により、領域がクラスタに分けられるかを判定する。判定の結果、クラスタに分けられる場合、領域の数が多いクラスタについて回帰分析を用いて線を作成する。
表示制御部22は、解析部20で解析して得られた結果、例えば、自己組織化マップ等を表示部16に表示させるものである。それ以外にも、パレート解をメモリ24から読み出し、表示部16に表示させる。この場合、例えば、特性値を軸にとって、パレート解を散布図の形態で表示することもできる。すなわち、特性値空間に設計変数を表示する。散布図以外にも、レーダチャートの形態で表示することができる。
また、表示制御部22は、例えば、得られたパレート解について、設計変数の値に応じて、設計変数の値を表すシンボルの色、種類および大きさのうち、少なくとも1つを変える。表示形態を変更したパレート解の情報はメモリ24に記憶される。得られたパレート解は、表示制御部22で表示形態が変えられて表示部16で表示される。さらには、表示制御部22では、設計変数の値毎に、そのパレート解を結んだ線を表示させる機能も有する。自己組織化マップについても、特性値の値毎に、設計変数の値毎に表示させる機能も有する。
図3は第1の指標および第2の指標を説明するためのグラフである。
図3に示すように特性値f1、f2の複数のパレート解Eおよび設計値H、H3があるものを例にして説明する。複数のパレート解Eのうち、両端にあるパレート解のことを限界パレート解Ea、Ebという。
特性値f1、f2は要求される仕様等に応じて好ましい方向があり、好ましい方向としては、値が大きくなる、値が小さくなる、または所定の値に近づく等がある。例えば、図3に示す特性値f1、f2は、いずれも値が小さくなることが好ましい。
第2の指標Bは、複数の目的関数値(特性値)の比率を考慮した指標である。
近似関数faにおいて、近似する関数の形態は特に限定されるものではなく、曲線および直線を用いることができる。曲線については、特に限定されるものではなく、多項式で表されるものでも、スプライン関数で表されるものでもよい。
まず、限界パレート解Ea、Ebを含む複数のパレート解Eを関数で近似して、近似関数faを得る。関数の近似については、上述のように曲線または直線で近似する。しかし、近似する関数の形態は特に限定されない。図3で近似関数faは曲線である。
次に、近似関数faと設計値Hとの最短の距離Raを求める。距離Raは、近似関数faと、この近似関数faから離れた点との距離である。このことから、距離Raについては、関数と点との距離を求める公知の方法を利用して求めることができるため、距離Raを求める方法について、その詳細な説明は省略する。
まず、第2の指標Bにおいても、第1の指標Aと同じく、近似関数faを得る。複数のパレート解Eの中から、2つの限界パレート解Ea、Ebを設定する。2つの限界パレート解Ea、Ebから、1つの限界パレート解を設定する。図3では、例えば、限界パレート解Ebを設定する。なお、限界パレート解Eaを選択してもよいことはもちろんである。
次に、限界パレート解Ebを通り、かつ近似関数faに垂直な直線Lvを求める。直線Lvは、限界パレート解Ebと近似関数faの距離が最短となる、近似関数fa上の点と限界パレート解Ebとを通る直線である。
次に、直線Lvと設計値Hとの最短の距離Rbを求める。距離Rbについては、離れた2点間の距離を求める公知の方法を利用して求めることができるため、その詳細な説明は省略する。
図4(a)に示す例では、3つのパレート解E1〜E3のうち、パレート解E1とパレート解E2とについて近似式L1を求め、パレート解E2とパレート解E3とについて近似式L2を求めている。近似式L1と近似式L2は、いずれも2点を通る直線であり、1次関数で表されるものである。近似式L1と近似式L2は、例えば、2点を通る直線の方程式の求め方等の公知の方法を用いて求めることができる。
図4(a)では、近似式L1と設計値Hとの距離Ra1を求める。近似式L2と設計値Hとの距離Ra2を求める。距離Ra1と距離Ra2とを比較して、最も短い距離の値、この場合、Ra2を第1の指標Aとする。複数の近似式を用いた場合、第1の指標Aは、複数の近似式の上述の距離の値のうち、最少の距離の値である。複数の近似式を用いた場合、第1の指標Aは正規化してもよい。この場合、複数の距離のうち、最も大きいまたは最も小さい距離を基準として正規化することができる。
なお、距離Ra1と距離Ra2については、上述の距離Raと同様の方法で求めることができる。このため、距離Ra1と距離Ra2を求める方法について、その詳細な説明は省略する。
近似式L1において、パレート解E1、E2のうち、いずれかを限界パレート解に設定する。この場合、パレート解E1を限界パレート解Ecとする。そして、限界パレート解Ecを通り、かつ近似式L1に垂直な直線Lv1を求める。そして、直線Lv1と設計値Hとの最短の距離Rb1を求める。
近似式L2において、パレート解E2、E3のうち、いずれかを限界パレート解に設定する。この場合、パレート解E2を限界パレート解Ecとする。そして、限界パレート解Ecを通り、かつ近似式L2に垂直な直線Lv2を求める。そして、直線Lv2と設計値Hとの最短の距離Rb2を求める。距離Rb1の値と距離Rb2の値を足し合わせ、距離の値の合計の値を第2の指標Bとする。複数の近似式を用いた場合、第2の指標Bは、複数の近似式の上述の距離の値の合計である。複数の近似式を用いた場合、第2の指標Bは正規化してもよい。この場合、複数の距離のうち、最も大きいまたは最も小さい距離を基準として正規化することができる。
なお、直線Lv1と直線Lv2は、上述の直線Lvと同様の方法を用いることができるため、その詳細な説明は省略する。距離Rb1と距離Rb2については、上述の距離Rbと同様の方法で求めることができるため、距離Rb1と距離Rb2を求める方法について、その詳細な説明は省略する。
上述のように、複数のパレート解を複数の近似式を用いて近似することにより、パレート解の形状に即した指標をより容易に得ることができる。例えば、パレート解の分布が半円状または双曲線状であってもパレート解の分布に即した指標をより容易に算出することができる。また、複数のパレート解を複数の近似式を用いて近似する場合、全てのパレート解を直線でつないだ形態としてもよい。
また、複数のパレート解を複数の近似式を用いて近似した場合、近似式毎に設計変数の組合せで表される設計値を調べることで、パレート解において設計変数の組合せが異なるケースを知ることができる。例えば、パレート解毎の設計変数の組合せの違いは設計に反映させることができる。
図5(a)に示すように、複数のパレート解Eと複数の設計値Hがある場合、複数のパレート解Eを、1つの1次式を用いて近似した場合、直線L3により近似される。図5(b)は図5(a)よりもパレート解Eが多く、1つの1次式を用いて近似した場合、直線L4により近似される。直線L3と直線L4を比較すると傾きが異なり、パレート解Eの数により近似式が異なる。
距離Ra3は、直線L3と設計値Hとの距離である。距離Ra3の求め方は、上述の距離Raと同じであるため、その詳細な説明は省略する。
距離Rb3については、直線L3において、パレート解Eのうち、端のパレート解Eを限界パレート解Edとする。この限界パレート解Edを通り、かつ直線L3に垂直な直線Lv3を求める。この直線Lv3と設計値Hとの距離が距離Rb3である。直線L3の求め方は、上述の直線Lvと同じであるため、その詳細な説明は省略する。また、距離Rb3の求め方も距離Rbと同じであるため、その詳細な説明は省略する。
距離Ra4は、直線L4と設計値Hとの距離である。距離Ra4の求め方は、上述の距離Raと同じであるため、その詳細な説明は省略する。
距離Rb4については、直線L4において、パレート解Eのうち、端のパレート解Eを限界パレート解Eeとする。この限界パレート解Eeを通り、かつ直線L4に垂直な直線Lv4を求める。この直線Lv4と設計値Hとの距離が距離Rb4である。直線L4の求め方は、上述の直線Lvと同じであるため、その詳細な説明は省略する。また、距離Rb4の求め方も距離Rbと同じであるため、その詳細な説明は省略する。
ここで、図6(a)は、1つの近似式で第1の指標を求めて得られるパレート解の例を示す散布図であり、(b)は、1つの近似式で第2の指標を求めて得られるパレート解の例を示す散布図であり、(c)は、複数の近似式で第1の指標を求めて得られるパレート解の例を示す散布図であり、(d)は、複数の近似式で第2の指標を求めて得られるパレート解の例を示す散布図である。図6(a)〜(d)において、縦軸は特性値f2であり、横軸は特性値f1である。なお、特性値f1、f2は、例えば、横ばね定数、ころがり抵抗である。
図6(a)と図6(c)はいずれも第1の指標を用いたものであり、対応している。また、図6(b)と図6(d)はいずれも第2の指標を用いたものであり、対応している。
また、第2の指標Bに関する近似式が1つの図6(b)と近似式が複数の図6(d)を比較すると、大きな違いがなかった。このように、指標毎に近似式が1つでもよいのか、複数とするのかを判定することもできる。
図7(a)〜(d)は、複数のパレート解を複数の近似式で近似する方法を工程順に示す模式図であり、図8は複数のパレート解を複数の近似式で近似する方法を工程順に示すフローチャートである。
まず、複数のパレート解Eについて、各パレート解Eの位置情報と各パレート解Eの相対的な位置関係を取得する(ステップS10)。これにより、近似式を求める際に、近いパレート解Eを容易に選択することができる。そして、複数のパレート解Eについて、限界パレート解Ea、Ebを2つ設定する(ステップS10)。図7(a)に示す例では、両端のパレート解Eを限界パレート解Ea、Ebに設定し、限界パレート解Eaを第1の限界パレート解とし、限界パレート解Ebを第2の限界パレート解とする。
第1の近似式L10の求め方は、2点を通る直線の求め方と同じであるため、その詳細な説明は省略する。
次に、図7(b)に示すように、限界パレート解Eaとパレート解Enに最も近いパレート解En1を選択する。そして、限界パレート解Ea、パレート解Enおよびパレート解En1を用いて第2の近似式L11を算出する(ステップS14)。
第2の近似式L11の求め方は、第1の近似式L10と同じく2点を通る直線の求め方と同じであるため、その詳細な説明は省略する。
第1の残差と第2の残差は、例えば、最小二乗法の残差を求める方法を用いて求めることができるため、その詳細な説明は省略する。
第1の残差の最大値と第2の残差の最大値を比較する(ステップS18)。ステップS18において、第2の残差の最大値が第1の残差の最大値よりも予め定められた値よりも大きい場合、第1の近似式L10を複数の近似関数の1つに設定する(ステップS22)。すなわち、1つ前に作成した近似式が、複数の近似関数の1つに設定される。
一方、ステップS18において、予め定められた値よりも小さい場合、複数の近似式を求める際の終点である限界パレート解Eb(第2の限界パレート解)を用いたかを判定し(ステップS20)、限界パレート解Ebを用いた場合には、近似式の算出を終了する。
このように、残差の比率=((近似式の残差の最大値)/(1つ前に作成した近似式の残差の最大値))>閾値の場合、例えば、残差の比率>閾値が10の場合、新たな近似式を作成する。
ステップS20において、限界パレート解Ebを用いていない場合、図7(c)に示すように限界パレート解Eb、パレート解En、En1に最も近いパレート解En2を選択する。そして、限界パレート解Eb、パレート解En、En1、および最も近いパレート解En2を用いて第3の近似式L12を求める(ステップS24)。そして、残差の最大値δを算出し(ステップS16)、1つ前の近似式である第2の近似式L11の残差の最大値と第3の近似式L12の残差の最大値を比較する(ステップS18)。この場合、図7(c)に示す第3の近似式L12の残差の最大値δが、第2の近似式L11の残差の最大値よりも予め定められた値よりも大きいと判定される。このため、第2の近似式L11を複数の近似関数の1つに設定する(ステップS22)。このようにして近似式が算出される。
例えば、図9(a)〜(h)に示す自己組織化マップは、特性値F1〜F4、設計変数x1〜x6のデータセットのうち、特性値F1、F2について自己組織化マップを作成したものである。図9(a)は、特性値F1の自己組織化マップであり、図9(b)は、特性値F2の自己組織化マップである。図9(c)は、設計変数x1の自己組織化マップであり、図9(d)は、設計変数x2の自己組織化マップであり、図9(e)は、設計変数x3の自己組織化マップであり、図9(f)は、設計変数x4の自己組織化マップであり、図9(g)は、設計変数x5の自己組織化マップであり、図9(h)は、設計変数x6の自己組織化マップである。なお、特性値F1、F2は、例えば、横ばね定数、ころがり抵抗であり、設計変数x1〜x6は、例えば、タイヤの形状に関するパラメータである。
本実施形態では、先に説明した第1の指標Aまたは第2の指標Bを用いて、自己組織化マップ上に印をつけることで、経験の浅い解析者であっても、設計変数のうち、どの設計変数が重要な因子であるかを理解しやすくしている。また、第1の指標Aまたは第2の指標Bを用いて、設計変数のうち、重要な因子をメモリ24に記憶し、重要な因子の情報を外部に出力するようにしてもよい。これにより、重要な設計変数の情報を得ることができる。次に、本実施形態のデータ分析方法および表示方法について説明する。
例えば、上述のデータセットを用意し、予め用意しておいたデータセットを、入力部14を介して解析部20に直接入力するか、入力部14を介してメモリ24記憶させる。
次に、解析部20において、データセットから、先に説明したように第1の指標Aまたは第2の指標Bを計算する(ステップS30)。
次に、解析部20で、データセットを用いて自己組織化マップを作成する(ステップS32)。これにより、例えば、上述のように図9(a)〜(h)に示す自己組織化マップが得られる。
次に、解析部20で、第1の指標Aおよび第2の指標Bのうち、少なくとも一方を用いて、閾値を設定する(ステップS34)。閾値は、第1の指標Aの場合、第1の指標Aの最大値の1/5〜1/7とすることが好ましい。第2の指標Bの場合、閾値は、中間値とすることが好ましい。
次に、表示制御部22により、自己組織化マップと共に、閾値に対応する領域を表示部16に表示させる(ステップS36)。なお、自己組織化マップ上に付ける印は、特に限定されるものではなく、例えば、自己組織化マップのセルの色を変えたもの、セルの大きさを変えたもの、セルの形状を変えたもの等が挙げられる。
図11(a)は、自己組織化マップへの描画方法の一例を示す模式図であり、(b)は、自己組織化マップへの描画方法の他の例を示す模式図である。
図11(a)は自己組織化マップの一部を示しており、自己組織化マップを構成するセル50が複数並んでいる。セル50内に記載されている数値は、セル50の値を示している。
閾値を9.5としたとき、解析部20で、横方向Vに走査し、セル50の数値を調べていき、セル50の数値が10から9に変わっていた場合、この数値が変わる前のセル52を閾値に対応する領域とする。そして、セル52の位置情報を、例えば、メモリ24に記憶する。このようにして、図11(a)に示す例では、3つのセル52が閾値に対応する領域として得られる。
図11(a)、(b)のいずれも横方向Vに走査したが、これに限定されるものではなく、例えば、横方向Vと直交する方向であってもよく、走査方向は、特に限定されるものではない。
図12(a)は、特性値F1の自己組織化マップに第1の指標が描画されたものであり、(b)は、特性値F2の自己組織化マップに第1の指標が描画されたものである。図12(c)は第1の指標の自己組織化マップに第1の指標が描画されたものであり、図12(d)は第2の指標の自己組織化マップに第1の指標が描画されたものである。
図13(a)は、設計変数x1の自己組織化マップに第1の指標が描画されたものであり、図13(b)は、設計変数x2の自己組織化マップに第1の指標が描画されたものであり、図13(c)は、設計変数x3の自己組織化マップに第1の指標が描画されたものであり、図13(d)は、設計変数x4の自己組織化マップに第1の指標が描画されたものであり、図13(e)は、設計変数x5の自己組織化マップに第1の指標が描画されたものであり、図13(f)は、設計変数x6の自己組織化マップに第1の指標が描画されたものである。
また、図13(f)の設計変数x6の自己組織化マップでは、設計変数x6の値を変えることで、特性値F1と特性値F2を同時に変えることができる。このことから、設計変数x6は、特性値F1、F2を両立させるに重要なパラメータであることが理解できる。
一方、図13(a)の設計変数x1では、第1の指標に対して値が略変わらない。設計変数x1は、値を変えても特性値F1、F2は変わらず影響が小さく、特性値F1、F2に対して重要なパラメータではないことがわかる。
このように、第1の指標を設計変数x1〜x6の自己組織化マップ上に表示することにより、特性値と設計変数との因果関係を容易に理解でき、設計変数のうち、重要な因子を、経験の浅い解析者であっても容易に理解することができる。
また、本実施形態においては、自己組織化マップ上に表示させているが、これに限定されるものではなく、解析部20で分析されて得られた結果、例えば、閾値に対応する領域の位置情報を外部に出力するような構成でもよい。これにより、例えば、データ処理装置10以外の装置を用いて、第1の指標または第2の指標が表示された自己組織化マップを見ることができる。
閾値に対応する領域を点ではなく、線60で表示することにより、特性値と設計変数の因果関係を、さらに容易に理解しやすくなる。
ここで、図15(a)、(b)は、第2の指標が描画された特性値の自己組織化マップであり、(c)〜(e)は、第2の指標が描画された設計変数の自己組織化マップであり、(f)、(g)は、第2の指標が矢線状に描画された特性値の自己組織化マップであり、(h)〜(j)は、第2の指標が矢線状に描画された設計変数の自己組織化マップである。
線62への矢印は、線62の両端のうち、第1の指標Aが小さくなる方の端に付ける。第1の指標Aが小さくなると、パレート解との距離が縮まるため、線62の矢印は、特性値F1、F2が両立する方向を示す。
第2の指標においても、閾値に対応する領域を点ではなく、線62で表示することにより、特性値と設計変数の因果関係を、さらに容易に理解しやすくなる。
さらに、上述のように、矢印のついた線62を表示することで、図15(j)に示すように、より一層容易に理解しやすくなる。
また、図15(c)、(h)に示すように設計変数x1の値は、印に沿って略変わらない。このことから、設計変数x1は特性値F1、F2の値を変えることに寄与しないパラメータであることが理解できる。
また、図15(d)、(i)に示すように設計変数x5の値も、印に沿って略変わらない。このことから、第1の指標Aと第2の指標Bとでは、設計変数x5の特性値F1、F2に対する寄与が異なることも理解できる。
ここで、図16(a)は、クラスタリング処理される前の自己組織化マップの一例を示す模式図であり、(b)は、クラスタリング処理された自己組織化マップの一例を示す模式図であり、(c)は、クラスタリング処理しない自己組織化マップの一例を示す模式図である。
図16(a)に示す自己組織化マップ70において、第1の指標の閾値に対応する領域が第1の領域72と第2の領域74が2つある場合、解析部20で、クラスタリング処理し、回帰分析を行うことにより、図16(b)に示す線76が得られる。一方、クラスタリング処理をしない場合には、図16(c)に示す線78が得られる。
クラスタリング処理には、例えば、単連結法、完全連結法、k−means法、またはその他のクラスタリング手法を用いることができる。
図16(a)に示す自己組織化マップ70では、第1の領域72と、第2の領域74とがあるが、クラスタリング処理によっては図16(b)に示すような結果となる。解析部20によるクラスタリング処理において、例えば、自己組織化マップ70の幅Kに対して、例えば、K/5を閾値として、距離がK/5以上離れている場合、別のクラスタとする。この場合、図16(a)に示す自己組織化マップ70では、図17(a)に示すように、第1の領域72と、第2の領域74とを別々のクラスタと判別される。領域が多い第1の領域72について回帰分析を行い線を作成する。これにより、例えば、図16(b)に示す線76を得ることができる。
一方、クラスタリング処理において、クラスタの判別の閾値が大きい場合、第1の領域72と、第2の領域74とが同じクラスタであると判定されて、図17(b)に示すクラスタリング処理結果となる。これにより、回帰分析した結果、例えば、図16(c)に示す線78が得られることになる。
このように、クラスタリング処理の際のクラスタの判別の閾値を適切に設定することで、解析部20において、適正なクラスタ分類ができ、自己組織化マップ上に、解析者等の理解を助けるための適正な線を描画することができる。
図18は、本発明の実施形態のデータの分析方法およびデータの表示方法に利用されるデータ処理装置の他の例を示す模式図である。
図18に示すデータ処理装置10aは、図1に示すデータ処理装置10に比して、データ処理部30を有し、上述のデータセットを作成する点が異なり、それ以外の構成は、図1に示すデータ処理装置10と同様の構成であるため、その詳細な説明は省略する。
図18に示すデータ処理装置10aでは、データ処理部30が解析部20に接続されている。また、データ処理部30にはメモリ24と制御部26が接続されており、データ処理部30は制御部26で制御される。
データ処理部30は、条件設定部32、モデル生成部34、演算部36、パレート解探索部38およびデータ作成部40を有する。
なお、データセットについては、データ処理部30で作成することなく、上述のように、入力部14を介して解析部20に直接入力されるようにしてもよい。また、データセットについては、入力部14を介してメモリ24記憶させるようにしてもよい。いずれの場合も、データ処理部30でデータセットを作成することなく処理がなされる。このため、データ処理部30でデータセットを作成する必要は必ずしもない。
条件設定部32は、パレート解を特性値空間(目的関数空間)で散布図または自己組織化マップとして表示する際に必要な各種の条件、情報が入力され、設定される。各種の条件、情報は、入力部14を介して入力される。条件設定部32で設定する各種の条件、情報はメモリ24に記憶される。
また、データセットのデータとして、例えば、構造体および構造体を構成する材料を規定するパラメータのうち特性値(目的関数)として定めた複数のパラメータが設定される。特性値には、コスト等の物理的および化学的な特性値以外の、構造体および構造体を構成する材料を評価する指標を用いてもよい。
構造体および構造体を構成する材料は、構造体単体ではなく、構造体を構成するパーツ、構造体のアッセンブリ形態等の構造体を含むシステム全体、またはその一部を対象としてもよい。
構造体がタイヤである場合、特性値はタイヤの特性値である。この場合、特性値としては、タイヤ性能として評価しようとする物理量であり、例えば、操縦安定性の指標となるスリップ角1度における横力であるCP(コーナーリングパワー)、操縦安定性の指標となるコーナーリング特性、乗心地性の指標となるタイヤの1次固有振動数、転動抵抗の指標となる転がり抵抗、操縦安定性の指標となる横ばね定数、耐摩耗性の指標となるタイヤトレッド部材の摩耗エネルギ等が挙げられる。目的関数は、それらを求めるための関数である。目的関数は、性能として好ましい方向があり、値が大きくなる、小さくなる、または所定の値に近づく等がある。
制約条件は、目的関数の値を所定の範囲に制約したり、設計変数の値を所定の範囲に制約するための条件である。
また、構造体がタイヤである場合、タイヤの負荷荷重、タイヤの転動速度を初めとする走行条件、タイヤが走行する路面条件、例えば、凹凸形状、摩擦係数等、車両の走行シミュレーションに用いるための車両諸元の情報等が設定される。
条件設定部32では、非線形応答関係により生成するモデル、そのモデルの境界条件、FEM等の数値シミュレーションする場合には、そのシミュレーション条件、シミュレーションにおける制約条件を設定する。さらには、パレート解を得るための最適化条件、例えば、パレート解探索のための条件等を設定する。
これ以外に、条件設定部32で、設計変数の定義域を設定する。また、条件設定部32では後述するようにパレート解を縮約する際に用いられる離散値を設定する。
演算部36では、例えば、路面上を転動するタイヤの転動を再現するシミュレーション条件を、モデル生成部34で生成したタイヤモデル、または路面モデル等に与えたときの、タイヤモデルの挙動、またはタイヤモデルに作用する力等の物理量を時系列に求める。演算部36は、例えば、公知の有限要素ソルバーによるサブルーチンを実行することで機能するものである。
また、演算部36では、モデル生成部34で理論式および近似式等を作成した場合には、理論式および近似式等を解き、特性値を算出する。
パレート解探索部38は、例えば、遺伝的アルゴリズムを用いてパレート解を探索する。遺伝的アルゴリズムとしては、例えば、解集合を目的関数に沿って複数の領域に分割し、この分割した解集合毎に多目的GAを行うDRMOGA(Divided Range Multi-Objective GA)、NCGA(Neighborhood Cultivation GA),DCMOGA(Distributed Cooperation model of MOGA and SOGA)、NSGA(Non-dominated Sorting GA)、NSGA2(Non-dominated Sorting GA-II)、SPEAII(Strength Pareto Evolutionary Algorithm-II)法等の公知の方法を用いることができる。その際、解集合が解空間に幅広く分布し、精度の高いパレート解の集合を求める必要がある。このため、パレート解探索部38では、例えば、ベクトル評価遺伝的アルゴリズム(Vector Evaluated Generic Algorithms:VEGA)、パレートランキング法、またはトーナメント法を用いた選択が行われる。遺伝的アルゴリズム以外に、例えば、焼きなまし法(SA)または粒子群最適化(PSO)を用いてもよい。
データ作成部40で作成されたデータセットは、メモリ24に記憶される。
図19は、本発明の実施形態のデータの分析方法の一例を工程順に示すフローチャートである。
まず、対象となる構造体について設計変数および特性値を設定する。本実施形態では、構造体を、例えば、タイヤとした。タイヤに対して、設計変数として、タイヤの形状パラメータを設定する。そして、特性値として、ころがり抵抗、横ばね定数の2つを設定する。本実施形態では、入力がタイヤの形状パラメータであり、出力がころがり抵抗と横ばね定数となる。タイヤの形状パラメータの値により、ころがり抵抗と横ばね定数がどのように変化するかを表示する。タイヤの形状パラメータ、ころがり抵抗と横ばね定数が条件設定部32に設定される。
このように、データ処理装置10aでは、パレート解を算出し、その後、データ作成部40でデータセットを作成する。作成したデータセットを用いて解析部20にて各種のデータ処理を行う。その後、必要に応じて表示制御部22を介して表示部16に、上述のように、自己組織化マップを表示することができる。データ処理装置10aは、パレート解を作成する点以外は、上述のデータ処理装置10と同様にして、自己組織化マップに第1の指標または第2の指標に基づく領域を表示することができるため、その詳細な説明は省略する。この場合でも、経験の浅い解析者であっても、視覚的に入力値と出力値の因果関係、および重要な設計変数(入力値)等を理解しやすくすることができる。また、理解しやすくする情報を得ることができる。
図20は、本発明の実施形態のデータの分析方法およびデータの表示方法に利用されるデータ処理装置の他の例を示す模式図である。
図20に示すデータ処理装置10bは、図1に示すデータ処理装置10に比して、移動平均処理部28を有し、上述のデータセットに移動平均処理をする点が異なり、それ以外の構成は、図1に示すデータ処理装置10と同様の構成であるため、その詳細な説明は省略する。
図20に示すデータ処理装置10bでは、移動平均処理部28が解析部20に接続されている。また、移動平均処理部28にはメモリ24と制御部26が接続されており、移動平均処理部28は制御部26で制御される。
次に、移動平均処理部17での移動平均処理方法について図21〜図24に基づいて説明する。図21は、本発明の実施形態のデータの分析方法の移動平均処理を工程順に示すフローチャートである。
平均区間は、移動平均処理を行う際に、後述するマスター点の平均値を求めるための設定領域である。この平均領域は、データセットの入力データのデータ種、例えば、入力パラメータ数と、出力データのデータ種、例えば、出力パラメータ数に応じて、適宜設定されるものであり、形状等は特に限定されるものではない。例えば、出力値空間が、例えば、出力データのうち、2つのデータ種で表わされる場合、すなわち、出力値空間が2次元である場合、平均区間は、例えば、四角形等の多角形、および円等の2次元形状である。
また、出力値空間が出力データのうち、3つのデータ種で表わされる場合、すなわち、出力値空間が3次元である場合、平均区間は、例えば、四角柱等の多角柱、および球等の3次元形状である。さらには、出力値空間が出力データのうち、4つのデータ種で表わされる場合、すなわち、出力値空間が4次元である場合、平均区間は、例えば、超立方体、および超球等である。
また、平均区間の大きさについても特に限定されるものではない。さらには、平均区間を設定する際に、出力値空間を正規化してもよい。すなわち、後述する特性値空間を正規化してもよい。
下記式(1)の関数w(r)において、r0は平均区間の大きさを表し、rはマスター点とスレーブ点との距離を表す。r0は平均区間が円であれば円の半径、超球であれば超球の半径である。なお、下記式(1)の関数w(r)では、図22に示すように、マスター点とスレーブ点との距離r=1.0が平均区間の大きさである。
さらに、出力値空間内のデータの粗密に応じて平均区間および重み関数のうち、少なくとも一方を変えてもよい。
具体的には、図23に示すように、平均区間Pが設定された、特性値G1、特性値G2の特性値空間Qにおいて、平均区間P内で、既に存在する入力データの中からマスター点Mを設定する。これにより、特性値空間Qではマスター点M以外はスレーブ点sとなる。マスター点Mのデータがマスターデータであり、スレーブ点sのデータがスレーブデータである。
マスター点Mの設定方法は、例えば、図24に示すように、特性値空間Qにグリッドgを設定し、グリッドgの交点nをマスター点Mとしてもよい。この場合、マスター点Mは必ずしも存在する入力データとは限らない。なお、グリッドgの大きさは特に限定されるものではなく、データ数等に応じて適宜設定される。
ステップS56において、算出した距離が平均区間P内にある場合、すなわち、r≦r0である場合、重み関数を用いて重みの値(wv)を計算し、この重みの値(wv)を、例えば、メモリ24に記憶する。また、入力値の各入力データの値、例えば、設計変数の値(x)に重みの値を乗じて、入力データの値と重みの値の積の値(wvx)を算出する。そして、算出された入力データの値と重みの値の積の値(wvx)を、例えば、メモリ24に記憶する(ステップS58)。この場合、入力データ毎に、入力データの値と重みの値の積の値(wvx)が算出される。すなわち、設計変数毎に、設計変数の値(x)と重みの値の積の値(wvx)が算出される。
ステップS62において、マスター点としたデータを除いたデータセットのデータをスレーブ点として計算処理した場合には、入力データ毎に、入力データの値と重みの値の積の値(wvx)の和(wvxtot)を重みの値(wv)の和(wvtot)で除して得られた値、すなわち、wvxtot/wvtotで得られた値を、入力データ毎のマスター点Mの入力データの平均値、例えば、設計変数毎のマスター点Mの設計変数の平均値とし、例えば、メモリ24に記憶させる(ステップS64)。
ステップS64では、図23、図24に示す平均区間Pにおいて、マスター点Mを中心とした設計変数の平均値を設計変数毎に得ることができる。
なお、マスター点Mをグリッドgの交点nとした場合には、交点nの数と、計算したマスター点Mの数とを比較することにより、ステップS62の計算処理の判定をすることができる。
以上のようにして、出力値空間での入力データの移動平均処理、例えば、特性値空間内での設計変数の移動平均処理が終了する。
なお、データ処理部30は、図18にデータ処理装置10aと同じ構成であるため、その詳細な説明は省略する。
データ処理装置10cでも、パレート解を作成する点および移動平均処理を施す点以外、データ処理装置10と同様にして、自己組織化マップに第1の指標または第2の指標に基づく領域を表示することができるため、その詳細な説明は省略する。この場合でも、経験の浅い解析者であっても、視覚的に入力値と出力値の因果関係、および重要な設計変数(入力値)等を理解しやすくすることができる。また、理解しやすくする情報を得ることができる。
12 処理部
14 入力部
16 出力部
20 解析部
22 表示制御部
24 メモリ
26 制御部
28 移動平均処理部
30 データ処理部
32 条件設定部
34 モデル生成部
36 演算部
38 パレート解探索部
40 データ作成部
50、52 セル
54 領域
60、62、76、78 線
70 自己組織化マップ
72 第1の領域
74 第2の領域
Claims (11)
- 所定の関係を有する複数の入力値と複数の出力値において、前記複数の入力値を表わす入力データと、前記複数の出力値を表わす出力データの2種類のデータを対象とした、コンピュータを用いた、データの分析方法であって、
前記出力データは複数のパレート解を含み、
前記コンピュータが、前記複数の出力値を目的関数として、目的関数空間における第1の指標および第2の指標の少なくとも一方を求める工程と、
前記入力データおよび前記出力データの前記2種類のデータを用いて、自己組織化マップを作成する工程と、
前記第1の指標および前記第2の指標のうち、少なくとも一方を用いて閾値を設定する工程と、
前記自己組織化マップ上での前記閾値に対応する領域を求める工程とを実行し、
前記第1の指標を求める工程は、前記コンピュータが、前記複数のパレート解を関数で近似して近似関数を得る工程と、前記近似関数と複数の目的関数の値のうち、少なくとも1つの目的関数の値との距離を求める工程とを実行し、
前記第2の指標を求める工程は、前記コンピュータが、前記近似関数を得る工程と、前記複数のパレート解から限界パレート解を設定する工程と、前記限界パレート解を通り、かつ前記近似関数に垂直な直線を求める工程と、前記直線と複数の目的関数の値のうち、少なくとも1つの目的関数の値との距離を求める工程とを実行するものであり、
前記第1の指標は、前記複数のパレート解を関数で近似した近似関数と複数の目的関数の値のうち、少なくとも1つの目的関数の値との距離であり、
前記第2の指標は、前記複数のパレート解中の限界パレート解を通り、かつ前記近似関数に垂直な直線と複数の目的関数の値のうち、少なくとも1つの目的関数の値との距離であることを特徴とするデータの分析方法。 - 前記第1の指標を求める工程は、前記コンピュータが、
前記近似関数を得る工程で前記複数のパレート解を複数の関数で近似して複数の近似関数を得る工程と、
前記複数の近似関数それぞれについて、前記近似関数毎に前記少なくとも1つの目的関数の値との距離を求める工程と、
前記求めた距離のうち、最も短い距離の値を前記第1の指標とする工程とを実行する請求項1に記載のデータの分析方法。 - 前記第2の指標を求める工程は、前記コンピュータが、
前記近似関数を得る工程で前記複数のパレート解を複数の関数で近似して複数の近似関数を得る工程と、
前記複数の近似関数それぞれについて、前記近似関数毎に前記限界パレート解を通り、かつ前記近似関数に垂直な直線を求める工程と、
前記求められた複数の直線について、それぞれ前記少なくとも1つの目的関数の値との距離を求める工程と、
前記求めた距離の値の合計の値を前記第2の指標とする工程とを実行する請求項1に記載のデータの分析方法。 - 前記複数の近似関数を得る工程は、前記コンピュータが、
前記複数のパレート解について、各パレート解の位置情報と各パレート解の相対的な位置関係を取得する工程と、
前記複数のパレート解に対して限界パレート解を2つ設定する工程と、
一方の第1の限界パレート解を始点として、前記第1の限界パレート解と、前記限界パレート解のうち、前記第1の限界パレート解に最も近いパレート解とを用いて第1の近似式を求める工程と、
前記第1の近似式を求める際に用いた前記限界パレート解と前記最も近いパレート解に、近いパレート解を加えて第2の近似式を求める工程と、
前記第1の近似式の第1の残差の最大値と前記第2の近似式の第2の残差の最大値を求め、前記2の残差の最大値が前記第1の残差の最大値よりも予め定められた値よりも大きい場合、前記第1の近似式を前記複数の近似関数の1つに設定する工程と、
前記予め定められた値よりも小さい場合、第2の近似式を求める際に用いた前記限界パレート解および前記パレート解に近いパレート解を加えて第3の近似式を求める工程と、
前記第3の近似式の第3の残差の最大値を求め、前記第3の残差の最大値が1つ前に求めた前記第2の残差の最大値よりも予め定められた値よりも大きい場合、1つ前の前記第2の近似式を前記複数の近似関数の1つに設定する工程と、
前記予め定められた値よりも小さい場合、第3の近似式を求める際に用いた前記限界パレート解および前記パレート解に近いパレート解を加えて第4の近似式を求める工程とを実行するものであり、
前記コンピュータが、1つ前に求めた残差の最大値よりも予め定められた値よりも大きくなるまで、近いパレート解を順次加えて近似式を求め、1つ前に求めた残差の最大値よりも予め定められた値よりも大きい場合、1つ前に求めた近似式を前記複数の近似関数の1つに設定することを、終点である他方の第2の限界パレート解に対して前記近似式を求めるまで実行する請求項2または3に記載のデータの分析方法。 - 前記コンピュータが、さらに、前記自己組織化マップ上で前記閾値に対応する前記領域を用いて回帰分析をする工程を実行する請求項1に記載のデータの分析方法。
- 前記コンピュータが、さらに、前記自己組織化マップ上で前記閾値に対応する前記領域を用いてクラスタリング処理をする工程と、
前記クラスタリング処理により、前記領域がクラスタに分けられるかを判定する工程と、
前記クラスタに分けられる場合、前記領域の数が多いクラスタについて回帰分析を用いて線を作成する工程とを実行する請求項1に記載のデータの分析方法。 - 前記入力値を表わす前記入力データは、構造体および構造体を構成する材料の設計変数を表すものであり、前記出力値を表わす前記出力データは、構造体および構造体を構成する材料の特性値を表すものである請求項1〜6のいずれか1項に記載のデータの分析方法。
- 所定の関係を有する複数の入力値と複数の出力値において、前記複数の入力値を表わす入力データと、前記複数の出力値を表わす出力データの2種類のデータを対象とした、コンピュータを用いた、データの表示方法であって、
前記出力データは複数のパレート解を含み、
前記コンピュータが、前記複数の出力値を目的関数として、目的関数空間における第1の指標および第2の指標の少なくとも一方を求める工程と、
前記第1の指標および前記第2の指標の少なくとも一方を、前記入力データおよび前記出力データの前記2種類のデータと共に、表示する工程と、
前記入力データおよび前記出力データの前記2種類のデータを用いて、自己組織化マップを作成する工程と、
前記第1の指標および前記第2の指標のうち、少なくとも一方を用いて閾値を設定する工程と、
前記自己組織化マップ上での前記閾値に対応する領域を求める工程と、
前記自己組織化マップ上で前記閾値に対応する前記領域に印をつけて表示する工程とを実行し、
前記第1の指標は、前記複数のパレート解を関数で近似した近似関数と複数の目的関数の値のうち、少なくとも1つの目的関数の値との距離であり、
前記第2の指標は、前記複数のパレート解中の限界パレート解を通り、かつ前記近似関数に垂直な直線と複数の目的関数の値のうち、少なくとも1つの目的関数の値との距離であることを特徴とするデータの表示方法。 - 前記コンピュータが、さらに、前記自己組織化マップ上で前記閾値に対応する前記領域を用いて回帰分析をする工程と、
前記回帰分析の結果を前記自己組織化マップ上に表示する工程とを実行する請求項8に記載のデータの表示方法。 - 前記コンピュータが、さらに、前記自己組織化マップ上で前記閾値に対応する前記領域を用いてクラスタリング処理をする工程と、
前記クラスタリング処理により、前記領域がクラスタに分けられるかを判定する工程と、
前記クラスタに分けられる場合、前記領域の数が多いクラスタについて回帰分析を用いて線を作成し、前記クラスタの近似式で表される前記線を、前記自己組織化マップ上に表示する工程とを実行する請求項8に記載のデータの表示方法。 - 前記入力値を表わす前記入力データは、構造体および構造体を構成する材料の設計変数を表すものであり、前記出力値を表わす前記出力データは、構造体および構造体を構成する材料の特性値を表すものである請求項8〜10のいずれか1項に記載のデータの表示方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015025260A JP6589285B2 (ja) | 2015-02-12 | 2015-02-12 | データの分析方法およびデータの表示方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015025260A JP6589285B2 (ja) | 2015-02-12 | 2015-02-12 | データの分析方法およびデータの表示方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2016148988A JP2016148988A (ja) | 2016-08-18 |
JP6589285B2 true JP6589285B2 (ja) | 2019-10-16 |
Family
ID=56691273
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2015025260A Active JP6589285B2 (ja) | 2015-02-12 | 2015-02-12 | データの分析方法およびデータの表示方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6589285B2 (ja) |
Families Citing this family (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP7259185B2 (ja) * | 2019-05-23 | 2023-04-18 | 株式会社竹中工務店 | 設計支援装置、方法、及びプログラム |
CN117043781A (zh) | 2021-03-18 | 2023-11-10 | 日本电气株式会社 | 奇异材料检测设备、控制方法和非暂时性计算机可读介质 |
US20240153158A1 (en) | 2021-03-18 | 2024-05-09 | Nec Corporation | Map image generation apparatus, control method, and non-transitory computer readable medium |
EP4310717A1 (en) | 2021-03-18 | 2024-01-24 | NEC Corporation | Recommendation data generation device, control method, and non-transitory computer-readable medium |
US20240161354A1 (en) | 2021-03-18 | 2024-05-16 | Nec Corporation | Physical property map image generation apparatus, control method, and non-transitory computer readable medium |
WO2023181167A1 (ja) * | 2022-03-23 | 2023-09-28 | 日本電気株式会社 | マップ生成装置、マップ生成方法、及び非一時的なコンピュータ可読媒体 |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4339808B2 (ja) * | 2005-03-31 | 2009-10-07 | 横浜ゴム株式会社 | 構造体の設計方法 |
US20140089234A1 (en) * | 2012-09-21 | 2014-03-27 | International Business Machines Corporation | Interactive visualization of multi-objective optimization |
JP6248402B2 (ja) * | 2013-03-19 | 2017-12-20 | 横浜ゴム株式会社 | データの表示方法 |
JP6561455B2 (ja) * | 2014-11-19 | 2019-08-21 | 横浜ゴム株式会社 | データの分析方法およびデータの表示方法 |
-
2015
- 2015-02-12 JP JP2015025260A patent/JP6589285B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2016148988A (ja) | 2016-08-18 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6561455B2 (ja) | データの分析方法およびデータの表示方法 | |
JP6589285B2 (ja) | データの分析方法およびデータの表示方法 | |
JP4888227B2 (ja) | データ解析プログラム、データ解析装置、構造体の設計プログラム、および構造体の設計装置 | |
JP6263883B2 (ja) | データ処理方法および構造体の設計方法 | |
JP4339808B2 (ja) | 構造体の設計方法 | |
JP5018116B2 (ja) | タイヤの設計方法およびタイヤの設計装置 | |
JP5160146B2 (ja) | タイヤの設計方法 | |
JP5160147B2 (ja) | タイヤの設計方法 | |
JP7205160B2 (ja) | タイヤの金型形状設計方法、タイヤの金型形状設計装置、およびプログラム | |
JP6586820B2 (ja) | タイヤの金型形状設計方法、タイヤの金型形状設計装置、およびプログラム | |
JP6544005B2 (ja) | 構造体の近似モデル作成方法、構造体の近似モデル作成装置、およびプログラム | |
JP2019096041A (ja) | シミュレーション方法、その装置およびプログラム | |
JP6349723B2 (ja) | シミュレーション方法、その装置およびプログラム | |
JP7328527B2 (ja) | タイヤモデル作成方法、タイヤ形状最適化方法、タイヤモデル作成装置、タイヤ形状最適化装置、およびプログラム | |
JP6544006B2 (ja) | 構造体の近似モデル作成方法、構造体の近似モデル作成装置、およびプログラム | |
JP2001287516A (ja) | タイヤの設計方法、タイヤ用加硫金型の設計方法、タイヤ用加硫金型の製造方法、タイヤの製造方法、タイヤの最適化解析装置及びタイヤの最適化解析プログラムを記録した記憶媒体 | |
JP5236301B2 (ja) | タイヤの設計方法 | |
JP6248402B2 (ja) | データの表示方法 | |
JP2008276469A (ja) | タイヤの設計方法 | |
JP6565285B2 (ja) | 構造体の近似モデル作成方法、構造体の近似モデル作成装置、およびプログラム | |
JP6676928B2 (ja) | タイヤモデル作成方法、タイヤ形状最適化方法、タイヤモデル作成装置、タイヤ形状最適化装置、およびプログラム | |
JP6299089B2 (ja) | データの可視化方法 | |
JP7315824B2 (ja) | タイヤの初期形状設計方法、タイヤの初期形状設計装置、およびプログラム | |
JP4800581B2 (ja) | タイヤの設計方法 | |
JP7352070B2 (ja) | データ処理方法、データ処理装置、及びプログラム |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20180207 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20181206 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20190122 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20190322 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20190820 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20190902 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6589285 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |