JP2001287516A - タイヤの設計方法、タイヤ用加硫金型の設計方法、タイヤ用加硫金型の製造方法、タイヤの製造方法、タイヤの最適化解析装置及びタイヤの最適化解析プログラムを記録した記憶媒体 - Google Patents

タイヤの設計方法、タイヤ用加硫金型の設計方法、タイヤ用加硫金型の製造方法、タイヤの製造方法、タイヤの最適化解析装置及びタイヤの最適化解析プログラムを記録した記憶媒体

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JP2001287516A
JP2001287516A JP2000102724A JP2000102724A JP2001287516A JP 2001287516 A JP2001287516 A JP 2001287516A JP 2000102724 A JP2000102724 A JP 2000102724A JP 2000102724 A JP2000102724 A JP 2000102724A JP 2001287516 A JP2001287516 A JP 2001287516A
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tire
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value
objective function
performance
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Hiroshi Kadowaki
弘 門脇
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Bridgestone Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 周方向に連続する溝部を有するタイヤにおい
て、接地圧の不均一に起因する摩耗、WET性能の低
下、転がり抵抗の悪化を抑制し、摩耗性能、WET路面
での性能、転がり抵抗等を満足する良好なタイヤを設計
する。 【解決手段】 周方向に連続する溝41,42を有する
タイヤにおいて、リブ端の早期摩耗に代表されるリブ3
1〜33内の接地圧特性に関わる性能を目的関数とし、
上記リブ31〜33の端部に付加された円弧の形状を設
計変数として、実際にタイヤが使用される環境下でタイ
ヤ性能を予測しながら、制約条件を満たす上記目的関数
の最適値を与える設計変数を求め、この設計変数からタ
イヤを設計する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、タイヤの設計方
法、タイヤ用加硫金型の設計方法、タイヤ用加硫金型の
製造方法、タイヤの製造方法、タイヤの最適化解析装置
及びタイヤの設計プログラムを記録した記憶媒体に関す
るもので、特に、タイヤの構造・形状などの設計開発を
効率的にかつ容易にし、しかも最適な構造・形状を有し
かつコストパフォーマンスに優れたタイヤを得るためタ
イヤの設計方法、タイヤ用加硫金型の設計方法、タイヤ
用加硫金型の製造方法、タイヤの製造方法、タイヤの最
適化解析装置及びタイヤの最適化解析プログラムを記録
した記憶媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】タイヤの開発は、従来、実験及び計算機
を用いた数値実験の繰返しによる経験則に基づいて行わ
れているため、開発コストや開発期間が膨大となるだけ
でなく、様々な要求性能を満足するようなベストのタイ
ヤを作成することが困難であった。これを解決する手段
として、数理計画法や遺伝的アルゴリズムによる最適化
手法などの最適化設計手法を利用したタイヤ設計方法が
提案されており、本発明者らも、例えば、下記の文献に
記載された設計方法を提案している。 “Tire Science and Technology,TSTCA,Vol.27,No2,
April-June 1999,pp62-83”“Tire Science and Te
chnology,TSTCA,Vol.24, 1996 ,p184) これらの最適化技術により、タイヤ全体での剛性や、地
面全体での接地圧分布を改良することが可能になり、タ
イヤの摩耗性能・操縦安定性・WET路面での性能等が
改良された。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
はタイヤの全体的な形状を決定するカーカスライン及び
クラウン外輪郭形状全体を最適化の対象としていたため
に、リブ内の局所的な接地圧分布を改善するまでには至
らなかった。すなわち、上記最適化技術を用いることに
よって、タイヤ全体での剛性や地面全体での接地圧分布
や接地形状等については改良できたが、タイヤの接地面
を詳細に観察した場合、リブ内では依然として接地圧の
偏在があり、特に、リブ端部においては、大きな接地圧
の集中がみられる。この不均一な接地圧分布は、リブ溝
角を起点とする不均一摩耗を発生させる上に、濡れた路
面においては、リブと地面との間の水が溝部へ排出され
る作用を遅らせて、WET時の性能低下をもたらすだけ
でなく、タイヤと地面との接触面で大きな剪断歪を生じ
て、転がり抵抗の悪化をもたらす。
【0004】このような接地圧の不均一に起因する摩
耗、WET時の性能低下、転がり抵抗の悪化を抑制する
には、リブ断面形状を、リブ端がリブセンターよりもタ
イヤ径方向内側にあるようにすることが考えられるが、
この方法では、リブ端を丸くしすぎるとリブ中心部とリ
ブ端部との間に径差が生じるため、周知のように、リブ
端がリブ中心に対して早期に摩耗する現象を助長してし
まうといった問題点があった。従来は、上述したよう
に、過去の経験からリブの断面形状を決定し、試作金型
を用いて試作タイヤを作成し、実際にテストするという
繰返しを行っていたため、開発コスト、開発期間ともに
莫大なものを必要とし、なおかつ最適な形状を得ること
が困難であった。
【0005】本発明は、従来の問題点に鑑みてなされた
もので、実際にタイヤが接地、転動する状況を予測しな
がら、リブ断面形状を最適化するタイヤの設計開発を効
率的にかつ容易に行うとともに、最適な構造・形状を有
しかつコストパフォーマンスに優れたタイヤを得ること
のできるタイヤの設計方法、タイヤ用加硫金型の設計方
法、タイヤ用加硫金型の製造方法、タイヤの製造方法、
タイヤの最適化解析装置、及びタイヤの最適化解析プロ
グラムを記録した記憶媒体を提供することを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に記載
の発明は、タイヤの設計方法であって、(A)少なくと
も1本の周方向に連続する溝部を有し、かつ接地及び転
動の少なくとも一方により変形を与えることが可能なパ
ターン形状を有するタイヤモデルと、このタイヤモデル
の少なくとも一部に接触する路面モデルと、タイヤ性能
評価用物理量を表わす目的関数と、タイヤリブ断面形状
を決定する設計変数と、タイヤ断面形状,タイヤ構造,
性能評価物理量及びタイヤ寸度の少なくとも1つを制約
する制約条件とを定めるステップ、(B)上記タイヤモ
デルの変形状態において、タイヤモデルまたは路面モデ
ルに生じる物理量によりタイヤ性能を予測するステッ
プ、(C)予測したタイヤ性能及び制約条件を考慮しな
がら目的関数の最適値を与える設計変数の値を求めるス
テップ、(D)目的関数の最適値を与える設計関数に基
づいて、タイヤを設計するステップ、の各ステップを含
むことを特徴とする。
【0007】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
のタイヤの設計方法であって、上記ステップ(A)にお
いて、タイヤモデルのリブ断面形状を決定する設計変数
を以下のように設定したことを特徴とする。タイヤ回転
軸を含むタイヤ断面形状示す図5において、リブ断面形
状に、少なくとも1つまたは全てのリブの両端部にクラ
ウン外輪郭形状(1)が接し、かつ上記リブ両端部のそ
れぞれに上記クラウン外輪郭形状(1)の曲率半径より
も小さな曲率半径を有する円弧(2)を付加し、上記円
弧(2)の溝底部側の弧端P1,P2とクラウン外輪郭
形状(1)とのタイヤ赤道面に平行な距離をそれぞれH
1,H2とするとともに、上記円弧(2)とクラウン外
輪郭形状(1)との接点をQ1,Q2としたとき、上記
弧端P1と上記接点Q1とのタイヤ回転軸に平行な距離
をL1とし、上記弧端P2と上記接点Q2とのタイヤ回
転軸に平行な距離をL2とする。そして、これらの距離
H1,H2,L1,L2を、リブ断面形状を決定する設
計変数とする。
【0008】請求項3に記載の発明は、請求項1または
請求項2に記載のタイヤの設計方法であって、上記ステ
ップ(B)において、タイヤモデルまたは路面モデルに
生じる物理量を、以下に示すようなタイヤの使用条件
(タイヤと路面との接触解析を行うための解析条件)に
応じて定めることを特徴とする。少なくとも1水準の垂
直荷重によるタイヤと路面との接触、少なくとも1水準
の前,後、左,右方向の剪断、転動状態、少なくとも1
水準の横滑り角を付加した転動状態、少なくとも1水準
のキャンバ角を付加した接触・転動、の少なくとも1つ
の使用条件。
【0009】請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求
項3のいずれかに記載のタイヤの設計方法であって、上
記ステップ(A)における目的関数または制約条件とし
て、タイヤと路面間の唯一の伝達力であり、摩耗・操縦
安定性に対して支配的な物理量である接地圧を用いたも
ので、詳細には、接地領域の全部または一部の領域から
選択した複数の点の垂直接地圧及び剪断接地圧の少なく
とも一方の最大値,最小値,平均値,分散,標準偏差ま
たはこれらの値から算出される値を用いたことを特徴と
する。
【0010】請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求
項4のいずれかに記載のタイヤの設計方法であって、上
記ステップ(A)における目的関数または制約条件とし
て、タイヤと路面間の力を支える唯一の面であり、摩耗
・操縦安定性・WET性能に対して支配的な物理量であ
る接地形状を用いたもので、詳細には、接地領域の全部
または一部の領域の接地面積,接地幅,接地長,矩形率
等の接地形状などの接地領域の全部または一部の領域の
寸法、もしくはこれらの寸法から計算される値を用いた
ことを特徴とする。
【0011】請求項6に記載の発明は、請求項1〜請求
項5のいずれかに記載のタイヤの設計方法であって、上
記ステップ(C)では、設計変数の単位変化量に対する
目的関数の変化量の割合である目的関数の感度、及び設
計変数の単位変化量に対する制約条件の変化量の割合で
ある制約条件の感度に基づいて、制約条件を考慮しなが
ら目的関数の最適値を与える設計変数の変化量を予測す
るとともに、設計変数を予測量変化させたときの目的関
数の値、及び設計変数を予測量変化させたときの制約条
件の値を演算し、上記予測値と演算値とに基づいて、制
約条件を考慮しながら目的関数の最適値を与える設計変
数の値を求めるようにしたことを特徴とする。
【0012】請求項7に記載の発明は、請求項1〜請求
項6のいずれかに記載のタイヤの設計方法であって、異
分野に利用されている「遺伝的アルゴリズム手法」をタ
イヤという特殊分野に応用した「遺伝的アルゴリズムを
用いた最適化手法」を用いて、内部構造を含む少なくと
も1本の周方向に連続する溝部を有するタイヤの性能を
予測して、タイヤ性能評価用物理量を表わす目的関数の
最適値を与える設計変数の値を求めることを特徴とす
る。詳細には、上記ステップ(A)では、少なくとも1
本の周方向に連続する溝部を有し、かつ接地及び転動の
少なくとも一方により変形を与えることが可能なパター
ン形状を有するタイヤモデルからなる選択対象集団を定
め、この選択対象集団の各タイヤモデルについて、タイ
ヤ性能評価用物理量を表わす目的関数及びタイヤリブ断
面形状を決定する設計変数、及びタイヤ断面形状,タイ
ヤ構造,性能評価物理量及びタイヤ寸度の少なくとも1
つを制約する制約条件、及び目的関数及び制約条件から
評価できる適応関数を定め、上記ステップ(C)では、
上記適応関数に基づいて上記選択対象集団から2つのタ
イヤモデルを選択し、所定の確率で各タイヤモデルの設
計変数を交叉させて新規のタイヤ基本モデルを生成する
こと及び少なくとも一方のタイヤモデルの設計変数の一
部を変更させて新規の基本モデルを生成することの少な
くとも一方を行い、この設計変数を変更させたタイヤモ
デルの目的関数、制約条件及び適応関数を求めて、該タ
イヤモデル及び設計変数を変更させなかったタイヤ基本
モデルを保存しかつ保存したタイヤ基本モデルが所定数
になるまで繰返し、保存した所定数のタイヤ基本モデル
からなる新規集団が所定の収束条件を満たすか否かを判
断し、収束条件を満たさないときには、この新規集団を
上記選択対象集団としてこの選択対象集団が所定の収束
条件を満たすまで上記操作を繰返すとともに、上記所定
の収束条件を満たしたときに、保存した所定数のタイヤ
基本モデルの中で、制約条件を考慮しながら目的関数の
最適値を与える設計変数の値を求める。
【0013】請求項8に記載の発明は、請求項1〜請求
項7のいずれかに記載のタイヤの設計方法であって、異
分野に利用されている「高等動物の神経回路網を工学的
にモデル化した非線形予測技術(いわゆるニューラルネ
ットワーク)」及び「最適化設計手法」をタイヤという
特殊分野に応用した「ニューラルネットワークを用いた
最適化手法」を用いて、少なくとも1本の周方向に連続
する溝部を有するタイヤの性能を予測して、目的関数の
最適値を与える設計変数を含む設計パラメータの値を求
め、この求められた設計パラメータに基づいてタイヤを
設計することを特徴とする。詳細には、上記ステップ
(A)では、少なくとも1本の周方向に連続する溝部を
有し、かつ接地及び転動の少なくとも一方により変形を
与えることが可能なパターン形状を有するタイヤの設計
パラメータと、タイヤ性能との非線形な対応を関係づけ
る変換系とを定め、上記ステップ(C)では、上記ステ
ップ(A)で定めた変換系を用いて、上記制約条件に基
づいて、目的関数の最適値を与える設計パラメータの値
を求め、上記ステップ(D)では、上記設計パラメータ
に基づいてタイヤを設計する。
【0014】請求項9に記載の発明は、請求項1〜請求
項8のいずれかに記載のタイヤの設計方法であって、上
記ステップ(C)では、少なくとも1本の周方向に連続
する溝部を有し、かつ接地及び転動の少なくとも一方に
より変形を与えることが可能なパターン形状を有する1
つの基本形状態タイヤモデルを更に定めるとともに、上
記設計変数を、上記制約条件を考慮しながら、目的関数
の最適値が得られるまで、接地圧が平均接地圧より高い
部分及び低い部分の少なくとも一方の形状を変化させる
ように変化させるようにしたことを特徴とする。
【0015】また、請求項10に記載のタイヤ用加硫金
型の設計方法は、上記請求項1〜請求項9のいずれかに
記載のタイヤの設計方法を用いてタイヤ用加硫金型を設
計することを特徴とする。
【0016】請求項11に記載のタイヤ用加硫金型の製
造方法は、上記請求項10のタイヤ用加硫金型の設計方
法を用いてタイヤ用加硫金型を設計し、タイヤ用加硫金
型を製造することを特徴とする。
【0017】請求項12に記載のタイヤの製造方法は、
上記請求項11のタイヤ用加硫金型を用いてタイヤを製
造することを特徴とする。
【0018】また、請求項13に記載のタイヤの最適化
解析装置は、タイヤ設計パラメータからタイヤ性能を予
測する手段と、タイヤ性能を表わす目的関数を定めると
ともに、上記タイヤ性能及びタイヤ製造条件の少なくと
も一方の許容範囲を制約する制約条件を定めて、最適化
項目を入力する手段と、上記入力された最適化項目に基
づいて目的関数の最適値を与えるタイヤの設計パラメー
タを求める最適化計算手段とを備えたものである。
【0019】請求項14に記載のタイヤの最適化解析プ
ログラムを記録した記憶媒体は、タイヤ設計パラメータ
からタイヤ性能を予測し、タイヤ性能を表わす目的関数
と上記タイヤ性能及びタイヤ製造条件の少なくとも一方
の許容範囲を制約する制約条件とを定めるとともに、入
力された最適化項目と上記制約条件とに基づいて上記目
的関数の最適値を与えるタイヤの設計パラメータを求
め、この求められたタイヤ設計パラメータに基づいてタ
イヤを設計することを特徴とするタイヤの最適化解析プ
ログラムを記録したものである。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面に基づき説明する。図1は、本発明のタイヤの
設計方法を実施するためのパーソナルコンピュータの概
略を示す図で、10はデータ等を入力するためのキーボ
ード、11は予め記憶された処理プログラムに従ってタ
イヤの性能を予測しながら、制約条件を考慮して、目的
関数を最適、例えば最大または最小にする設計変数を演
算するコンピュータ本体、12はコンピュータ本体11
の演算結果等を表示するCRT、13はタイヤの最適化
解析プログラムを記録した記録媒体としてのフロッピー
(登録商標)ディスク(FD)が挿入可能なフロッピー
ディスクユニット(FDU)で、後述する処理ルーチン
等は、上記フロッピーディスクFDから、FDU13を
介して、コンピュータ本体11に取り込まれる。
【0021】コンピュータ本体11は、図2に示すよう
に、後述する処理プログラムに従って演算処理を行うC
PU14と、データやプログラム等の記憶手段であるR
OM15,RAM16,メモリ17と、この本体11と
他の装置とのデータ等のやり取りをするための入出力装
置(同図のI/O)18と、データやコマンドが入出力
可能なように接続されたバス19とを備えている。上記
入出力装置18は、数値表現されたタイヤの形状,構
造,パターンの設計パラメータ,製造条件,タイヤ性能
等のデータが図示しない外部記憶手段に記憶されている
場合に、上記データを上記外部記憶手段から読み込むた
めに設けられたものである。なお、上記データは、キー
ボード10から直接コンピュータ本体11に入力しても
良いし、データ用FDからFDU13を介して入力して
も良い。
【0022】なお、上記処理ルーチンは、FDU13を
介してFDに記録された処理プログラムを実行してもよ
く、あるいは、コンピュータ本体11にハードディスク
装置等の大容量記憶装置(図示省略)を接続し、FDに
記録された処理プログラムを大容量記憶装置(図示省
略)へ格納(インストール)して実行しても良い。ま
た、記録媒体としては、上記FDに代えて、CD−RO
M等の光ディスクや、MD,MO等の光磁気ディスクを
用いても良い。なお、これらを用いるときには、上記F
DU13に代えてCD−ROM装置、MD装置、MO装
置等を用いれば良い。
【0023】実施の形態1.本実施の形態1は、周方向
に連続する溝部を有するタイヤにおいて、タイヤリブ端
の早期摩耗に代表されるリブ内接地圧特性に係わるタイ
ヤ性能を、実際にタイヤが使用される環境下でのタイヤ
性能を予測しながら、制約条件を満たす目的関数の最適
値を与える設計変数を求め、この設計変数からタイヤを
設計するもので、タイヤの最適化を実施するための最適
化解析装置は、上記図1及び図2に示したパーソナルコ
ンピュータと同様の構成で実施できる。図3は、本実施
の形態1に係わるタイヤの最適化解析装置20の機能別
ブロック図で、タイヤの最適化解析装置20は、数値表
現されたタイヤの形状,構造,設計変数を含むパターン
の設計パラメータ,製造条件,タイヤ性能等のデータを
入力するデータ入力手段21と、タイヤの使用条件に応
じてタイヤモデルまたは路面モデルに生じる物理量によ
りタイヤ性能を予測するタイヤ性能予測手段22と、タ
イヤ性能を表わす目的関数を定めるとともに、上記タイ
ヤ性能及びタイヤ製造条件の少なくとも一方の許容範囲
を制約する制約条件を定めて、最適化項目を入力する最
適化項目入力手段23と、上記入力された最適化項目に
基づいて目的関数の最適値を与えるタイヤの設計変数の
値を求める最適化計算手段24とを備え、実際にタイヤ
が接地・転動する状況を予測しながら、接地圧の不均一
に起因する摩耗、WET性能の低下、転がり抵抗の悪化
を抑制して、タイヤの摩耗性能、WET路面での性能、
転がり抵抗が満足されるタイヤの最適な構造・形状を求
めるものである。
【0024】図4は、本実施の形態1の処理ルーチンを
示すフローチャートである。まず、ステップ100で
は、設計するタイヤの設計案(タイヤ形状、構造、材
料、パターンの変更など)を数値解析上のモデルに落と
し込むためのタイヤモデルと、タイヤ性能評価のための
路面モデルとのモデル化を行う。ここで、モデル化と
は、パターン形状,ブロック形状,構造、材料等のタイ
ヤの設計案を、数値的・解析的手法に基づいて作成され
たコンピュータプログラムへのインプットデータ形式に
数値化することをいう。本実施の形態1では、後述する
ように、左,右対称な4本の周方向に連続する溝部を有
し、かつ接地及び転動の少なくとも一方により変形を与
えることが可能なパターン形状を有するタイヤモデルを
作成するとともに、上記タイヤモデルの少なくとも一部
に接触する路面モデルを設定する。このとき、上記路面
モデルに、路面状態により、乾燥(DRY)、濡れ(W
ET),氷上,雪上,非舗装等に対応する路面の摩擦係
数μを選択し設定する。
【0025】上記タイヤモデルは、図5に示すように、
タイヤ回転軸を含むタイヤのリブ断面形状を、リブ30
のそれぞれの両端部に外周側の弧端がクラウン外輪郭形
状1に接し、かつ上記クラウン外輪郭形状1の曲率半径
よりも小さな曲率半径を有する円弧2を付加したものと
し、このリブ断面形状のデータをタイヤ周方向に展開す
る。その後、このタイヤモデルに、内圧と負荷荷重を与
える。なお、上記クラウン外輪郭形状1は、予めリブ端
に円弧を有しないタイヤモデルにおいて、接地圧偏差が
最小になるような最適化処理によって求められたモデル
と同一のクラウン外輪郭形状1に設定されている。ま
た、リブ30の両端部における上記円弧2の溝底部側の
それぞれの弧端をP1,P2とし、外周側の弧端すなわ
ち円弧2とクラウン外輪郭形状1とのそれぞれの接点を
Q1,Q2とすると、リブ両端部の形状は、弧端P1,
P2とクラウン外輪郭形状1とのタイヤ赤道面に平行な
距離(リブ端部の落ち高)H1,H2と、上記弧端P
1,P2と上記接点Q1,Q2とのタイヤ回転軸に平行
な距離(リブ端部の落とし巾)L1,L2とにより決定
される。なお、wは上記リブ30の接地幅である。本実
施の形態1のタイヤモデルは、左,右対称な4本の周方
向に連続する溝部を有するので、リブの断面形状は、図
6に示すように、クラウン外輪郭形状1を表わす曲線
と、中央に位置するリブ31の両端部の円弧を表わすL
1,H1と、上記リブ31と第1の溝41を隔てて対向
する第2のリブ32の両端部の円弧を表わすL2,H
2,L3,H3、上記リブ32と第2の溝42を隔てて
対向する第3のリブ33の上記リブ32に対向する側の
端部の円弧を表わすL4,H4の合計8個の数値とで表
わせる。
【0026】次のステップ102では、目的関数、制約
条件、設計変数を決定する。目的関数OBJを、各リブ
31〜33毎に算出された、リブ内の最大接地圧の最大
値とし、この最大接地圧の最大値を最小にするような最
適化を行う。また、制約条件Gを、踏面全体の接地面積
を所定の値以上とすること、及びリブ端部の落とし巾L
及び落ち高をHを所定の範囲内とすることとする。ま
た、上記リブ端部の円弧を表わす距離L1,L2,L
3,L4及び距離H1,H2,H3,H4の8個の変数
を、リブ断面形状を決定する設計変数r(i=1〜
8)とする。
【0027】次のステップ104では、初期のタイヤ性
能予測処理が実行される。すなわち上記作成され、設定
された数値モデルをもとに、接地及び転動の少なくとも
一方によりタイヤモデルに与えられた変形計算を行い、
タイヤモデルまたは路面モデルに生じる物理量を求めて
タイヤの性能を予測する。上記変形を与えるタイヤの使
用条件としては、少なくとも1水準の垂直荷重による
タイヤと路面との接触、少なくとも1水準の前,後、
左,右方向の剪断、転動状態、少なくとも1水準の
横滑り角を付加した転動状態、少なくとも1水準のキ
ャンバ角を付加した接触・転動、等がある。
【0028】ステップ106では、上記ステップ104
で予測されたタイヤの性能に基づいて、上記設計変数r
の初期値r0iにおける目的関数の初期値OBJ
値と制約条件Gの初期値Gの値とを演算し、次のステ
ップ108では、設計変数r をΔrだけ変化させる
ことにより、タイヤモデルを変化させる。具体的には、
各リブ31〜33の各端部の落とし巾L1,L2,L
3,L4及び落ち高をH1,H2,H3,H4の少なく
とも1つあるいは全部の値を変化させて、各リブ端に付
加された円弧の形状を変化させる。ステップ110で
は、上記設計変数rの変化に伴うリブ断面形状の修
正、すなわちリブ端部の円弧形状の変更に伴うリブ断面
形状の修正等を行ってタイヤ修正モデルを作成し、ステ
ップ112では、上記ステップ104と同様に、上記修
正されたタイヤモデルのタイヤ性能予測処理を実行す
る。そして、ステップ114では、上記予測されたタイ
ヤの性能に基づいて、上記設計変数の初期値r0iをΔ
だけ変化させた後の目的関数の値OBJと制約条
件の値Gとを演算し、次のステップ116において、
設計変数毎に、以下に示す式(1)を用いて、設計変数
の単位変化量に対する目的関数の変化量の割合である目
的関数の感度(dOBJ/dr)、及び設計変数の単
位変化量に対する制約条件の変化量の割合である制約条
件の感度(dG/dr)を演算する。
【0029】
【数1】 この感度によって、設計変数rをΔrだけ変化させ
たときに、目的関数の値及び制約条件の値がどの程度変
化するかを予測することができる。すなわち、リブ端断
面形状がクラウン外輪郭形状1に等しいときがリブ内の
最大接地圧が最大であるので、リブ端部に円弧を付加す
ることにより、リブ内の最大接地圧の最大値である目的
関数OBJの値は小さくなる。一方、制約条件Gの1つ
である踏面全体の接地面積は、円弧を付加することによ
り減少する。
【0030】ステップ118では、目的関数の初期値O
BJ、制約条件Gの初期値G、設計変数rの初期
値r0i及び上記式(1),(2)で示した感度を用い
て、数理計画法により、制約条件を満たしながら目的関
数を最小にする設計変数の変化量を予測する。ステップ
120では、この設計変数の予測値を用いて、ステップ
110と同様の方法でタイヤ修正モデルを決定する。次
のステップ122では、上記ステップ104及びステッ
プ112と同様に、修正されたタイヤモデルのタイヤ性
能予測処理を実行する。
【0031】なお、ステップ104,112,122に
おいては、タイヤ性能予測処理が実行された場合、予測
結果の評価から、予測性能が良好であるか否かを判断す
ることができる。この判断は、キーボード10による入
力によってなされてもよく、また、上記評価値に、許容
範囲を予め定めておき、予測結果の評価値が許容範囲内
に存在するときに、予測性能が良好であると判断するよ
うにしても良い。また、予測性能の評価の結果、目標性
能に対して不十分であるときは、この時点で処理を中止
し、設計案を変更(修正)した後に再度タイヤの設計を
開始(これまでの処理をやり直す)しても良いし、予測
性能の評価の結果を記憶しておき、適宜参照しても良
い。ステップ123では、ステップ106と同様に、ス
テップ122で予測されたタイヤの性能に基づいて、目
的関数の値OBJと制約条件の値Gとを演算する。
【0032】次のステップ124では、ステップ123
で演算した目的関数OBJと、前回の繰返し処理におけ
るステップ123で求めた目的関数の値OBJとの差
と、予め入力された閾値と比較することで、目的関数が
収束したか否かを判断し、目的関数が収束していない場
合にはステップ118で求められた設計変数の値を初期
値として、上記ステップ108からステップ124を繰
返し実行する。一方、目的関数の値が収束したと判断さ
れたときには、このときの設計変数の値を、タイヤ性能
を考慮しつつ制約条件を満たしながら目的関数を最小に
する設計変数の値、すなわち踏面全体の接地面積を確保
しつつリブ内の最大接地圧を最小とする円弧形状を与え
る値とみなし、ステップ126では、この設計変数の値
を用いてタイヤの形状を決定する。
【0033】このように、本実施の形態1では、周方向
に連続する溝41,42を有するタイヤにおいて、各リ
ブ31〜33内の接地圧特性を実際にタイヤが使用され
る環境下でのタイヤ性能を予測しながら、制約条件であ
る踏面全体の接地面積を確保しつつ、目的関数であるリ
ブ内の最大接地圧を最小にする設計変数を求め、この設
計変数からタイヤを設計することにより、接地圧の不均
一に起因する摩耗、WET性能の低下、転がり抵抗の悪
化を抑制することができる。これにより、タイヤの摩耗
性能、WET路面での性能、転がり抵抗等を満足する良
好なタイヤを設計することができ、タイヤ開発の効率を
向上させることができる。また、上記タイヤの設計方法
を用いてタイヤ用加硫金型を設計してタイヤ用加硫金型
を製造し、このタイヤ用加硫金型を用いてタイヤを製造
することにより、良好な性能のタイヤを短期間で製造す
ることができる。
【0034】なお、本実施の形態1では、左,右対称な
4本の周方向に連続する溝部を有するタイヤについて説
明したが、溝部の形状はこれに限るものではなく、1本
であっても、あるいは5本以上であっても、上記例と同
様の方法により最適化設計を行うことができる。また、
設計変数としては、円弧2の形状を決定するものであれ
ば、リブ端部の落ち高H及び落とし巾Lに代えて、円弧
2の形状を決定する、例えば円弧の中心座標及び曲率半
径などの他の値を用いても良いが、リブ断面形状をモデ
ル化するには上記H及びLを用いる方がより簡便であ
る。
【0035】また、上記例では、目的関数を各リブ31
〜33毎に算出された、リブ内の最大接地圧の最大値と
したが、各リブ内の接地圧偏差の最大値を目的関数と
し、これを最小にするような最適化を行っても良い。あ
るいは、リブの接地幅、リブの接地面積、リブ内の剪断
力のピーク絶対値、リブ矩形率(リブ端接地長/リブセ
ンター接地長)の最大値,最小値,平均値,分散,標準
偏差またはこれらの値から算出される値を目的関数とし
て用いても良い。更には、踏面全体の接地圧偏差、最大
接地圧、リブ内の剪断力のピーク絶対値、接地面積等を
用いても良い。
【0036】実施の形態2.上記実施の形態1では、接
地及び転動の少なくとも一方によりタイヤモデルに与え
られた変形によってタイヤモデルまたは路面モデルに生
じる物理量を求めてタイヤの性能を予測する場合につい
て説明したが、本実施の形態2では、1つの基本形状態
タイヤモデルを定めるとともに、この基本形状態タイヤ
モデルに垂直荷重を加えたときに、上記タイヤモデルの
リブ端断面形状を表わす設計変数を、接地圧が平均接地
圧より高い部分及び低い部分の少なくとも一方の形状を
変化させるように変化させることにより、効率よくリブ
内の接地圧分布の偏差を小さくするように構成したもの
である。
【0037】図7は、本実施の形態2の処理ルーチンを
示すフローチャートである。まず、ステップ200で
は、上記実施の形態1に示した図4のステップ100と
同様に、設計するタイヤの設計案(タイヤ形状、構造、
材料、パターンの変更など)を数値解析上のモデルに落
とし込むためのタイヤモデル、タイヤ性能評価のための
路面モデルの作成等の初期モデル作成処理が実行され
る。図8は、基本形状モデルの概略を示す模式図で、こ
の基本形状モデルはメッシュ分割によって複数の要素に
分割されている。ここで、踏面形状であるクラウン外輪
郭形状1とリブ端断面の円弧2の形状を決定する節点の
座標をD(i;節点の番号、i≧1)とするとともに、
リブ端部の落ち高をH(図6のH1〜H4)、リブ端部
の落とし巾をL(L1〜L4)とする。なお、本実施の
形態2においても、クラウン外輪郭形状1は、予めリブ
端に円弧を有しないタイヤモデルにおいて、接地圧偏差
が最小になるような最適化処理によって求められたモデ
ルと同一クラウン外輪郭形状1に設定されている。
【0038】次に、ステップ202では、図4のステッ
プ102及びステップ104と同様にして、タイヤ性能
評価用物理量を表す目的関数、タイヤ断面形状を制約す
る制約条件及びタイヤ断面形状を決定する設計変数を決
定し、次のステップ204では初期のタイヤ性能を予測
する。本実施の形態2では、目的関数OBJ及び制約条
件Gとを以下のように設定する。 目的関数OBJ;接触領域における接地圧分布の標準偏
差 制約条件G;踏面全体の接地面積を所定の値以上とする また、踏面形状を決定する節点の座標Dを設計変数r
とし、目的関数であるリブ内の最大接地圧の最大値を
最小にするような最適化を行う。
【0039】次のステップ206では、上記ステップ2
00でモデル化されたブロック基本モデルに垂直荷重W
を加えたときに、上記モデルに作用する応力のうち、少
なくとも1つを入力Iとして与える。なお、上記入力
としては、通常、上記垂直荷重Wに相当する垂直応
力と、上記垂直荷重Wによりタイヤの踏面内で発生する
剪断応力とがある。次のステップ208では、上記ステ
ップ206で与えられた入力Iに対する節点の座標を
における接地圧pijを演算し、目的関数OBJ及
び制約条件Gの値を演算し、ステップ210では、各節
点Dの接地圧偏差を感度情報として用い、設計変数r
の変化量を予測する。すなわち、各節点の接地圧から
平均より高ければ(低ければ)、リブ両端の円弧の曲率
を小さくする(大きくする)方向に設計変数の改良方向
の変化量を予測する。本実施の形態2では、以下の
(3)式により、設計変数の改良方向の変化量を予測し
ている。
【数2】 上記(3)式は、「各節点は、複数の入力条件を考えた
ときに、最も平均接地圧との比率が大きい入力条件に従
って、その比率にある比例定数αをかけた距離だけ変化
する」ということを表わしている。
【0040】次のステップ212では、設計変数r
変化量の予測値に対応する修正モデルを作成する。次の
ステップ214では、図4のステップ104と同様にし
て、修正されたタイヤモデルのタイヤ性能予測処理が実
行される。なお、ステップ204及び214において、
タイヤ性能予測処理が実行された場合、予測結果の評価
から、予測性能が良好であるか否かを判断することがで
きる。この判断は、キーボードによる入力によってなさ
れてもよく、また、上記評価値に、許容範囲を予め定め
ておき、予測結果の評価値が許容範囲内に存在するとき
に、予測性能が良好であると判断するようにしても良
い。また、予測性能の評価の結果、目標性能に対して不
十分であるときは、この時点で処理を中止し、設計案を
変更(修正)した後に再度タイヤの設計を開始(これま
での処理をやり直す)しても良いし、予測性能の評価の
紹果を記憶しておき、適宜参照しても良い。
【0041】タイヤ性能予測処理が終了した後は、ステ
ップ216において、接地圧、目的関数及び制約条件を
求め、次のステップ218において、上記ステップ21
6で求めた目的関数OBJの値と、前回の繰返し処理ま
でに求められている目的関数の値(前回の繰返し処理に
おけるステップ216で求めた目的関数の値)とを比較
することで、目的関数の値が収束したか否かを判断す
る。制約条件を満たす目的関数の収束値が得られたとき
は、ステップ218で肯定され、ステップ220へ進
む。一方、制約条件を満たす目的関数の収束値が得られ
なかったときは、ステップ218で否定され、ステップ
206へ戻り、上記処理を繰返し実行する。
【0042】本実施の形態2では、目的関数である、接
触領域における接地圧分布の標準偏差が小さい程、接地
圧の不均一に起因する摩耗を抑制できることが予想され
るので、目的関数OBJの値が小さくなる方向に収束さ
れる。本実施の形態2では、目的関数OBJの最小値が
得られるまでステップ206からステップ218の処理
を繰返し実行する。なお、本実施の形態では制約条件G
があるため、この制約条件Gを満たす中で目的関数OB
Jの最小値が得られたとき、繰返し処理(ステップ20
6〜ステップ218)が終了する。なお、形状の変化を
定義する数式は、上記(3)式以外を用いてもよく、様
々な方法が可能である。例えば、以下の(4)式に示す
ように、複数の入力の中で特定の入力Iが重視される
ような重みwを乗算して、各入力からの応答を混ぜ合
わせる方法を用いても良い。
【数3】
【0043】次のステップ220では、リブ断面形状を
カーブフィット処理する。このカーブフィット処理は、
タイヤ加硫用金型を製造することを考慮して、リブの接
地縁付近の形状について曲率半径Rの形状に揃える処理
である。本実施の形態2では、上記最適化処理によって
求められた各節点の座標Dから直ちにリブ端部の落ち
高H1〜H4の値と、及びリブ端部の落とし巾L1〜L
4とが得られるので、リブの両端部に付加した円弧の形
状、すなわちリブ端形状の曲率半径Rを容易に求めるこ
とができる。以上の処理が終了すると、次のステップ2
22において、タイヤの踏面形状を決定する。このステ
ップ222では、上記演算から得られた最良の目的関数
値を与える設計変数に基づいてタイヤを設計する。
【0044】上記実施の形態2では、最適な目的関数値
を与える設計変数が得られた後に製造を考慮して形状を
近似した場合を説明したが、上記関数あるいは数式に従
い形状を変化させる処理は、計算時間や計算機の能力を
考慮して、毎演算あるいは数演算に1回でも良い。毎演
算毎に形状近似する場合の処理フローの一例を図9に示
す。図9の処理は、図7のステップ220の処理、すな
わち最適な目的関数値を与える設計変数が得られた後に
製造を考慮して形状近似する処理を、ステップ212と
ステップ214との間で処理させるもので、ステップ2
12において、設計変数rの変化量の予測値に対応す
る修正モデルを作成し、次のステップ220でブロック
踏面形状をカーブフィット処理する。そして、ステップ
214において、タイヤ性能予測を実行する。
【0045】一方、形状近似を用いずに最適形状そのも
のをタイヤ設計に適用することも可能である。形状近似
を行わない場合のフローチャートを図10に示す。図1
0の処理は、図7のステップ220の処理すなわち最適
な目的関数値を与える設計変数が得られた後に製造を考
慮して形状近似する処理を削除したものである。
【0046】以上説明したように、本実施の形態2で
は、1つの基本形状態タイヤモデルに垂直荷重を加えた
ときに、接地圧が平均接地圧より高ければ(低けれ
ば)、リブ端断面形状を表わす設計変数を、リブ両端の
円弧の曲率を小さくする(大きくする)方向に変化させ
るように変化させるようにしたので、効率よくリブ内の
接地圧分布の偏差を小さくすることができる。これによ
り、接地圧の不均一に起因する摩耗、WET性能の低
下、転がり抵抗の悪化を抑制することができる。従っ
て、タイヤの摩耗性能、WET路面での性能、転がり抵
抗等を満足する良好なタイヤを設計することができ、タ
イヤ開発の効率を向上させることができる。
【0047】実施の形態3.上記実施の形態1,2で
は、1つの設計案についてタイヤ性能予測及び評価設計
案を修正しながら繰返し、採用する設計案を求めた場合
について説明したが、本実施の形態3では、複数の設計
案から採用する設計案を求めるものである。詳細には、
周方向に連続する溝部を有するタイヤについて、リブ内
の接地圧の不均一に起因する摩耗を抑制するために、実
際にタイヤが使用される環境下でのタイヤ性能を予測し
ながら、リブ内の最大接地圧を最小にするリブ断面形状
形を遺伝的アルゴリズムによる最適化手法を用いて設計
する。
【0048】図11は、本実施の形態3の処理ルーチン
を示すフローチャートである。ステップ300では、周
方向に連続する溝部を有するN個のタイヤをモデル化し
たタイヤモデルを求める。なお、このタイヤモデルは、
上記実施の形態1の図6に示したものと同様のリブ断面
形状を有するものであり、リブ端部に付加された各円弧
について、溝底部側の弧端をPi、円弧2とクラウン外
輪郭形状1との接点をQi、上記Piとクラウン外輪郭
形状1とのタイヤ赤道面に平行な距離をLi、上記弧端
Piと上記接点Qiとのタイヤ回転軸に平行な距離をH
iとする(i=1〜4)。また、N個のタイヤモデル
は、例えば、それぞれが同一の曲率半径の円弧が付加さ
れたリブ断面形状を有するN個タイヤモデルとする。な
お、上記Nの値は予め使用者が入力する。
【0049】ステップ302では、タイヤ性能評価物理
量を表わす目的関数、タイヤ断面形状を制約する制約条
件及びN個のタイヤモデルのタイヤ断面形状を決定する
設計変数を決定する。本実施の形態3では、周方向に連
続する溝部を有するタイヤにおいて、リブ内接地圧特性
を改善して、接地圧の不均一に起因する摩耗、WET性
能の低下、転がり抵抗の悪化を抑制するため、目的関数
OBJ及び制約条件Gを次のように定めている。 目的関数OBJ: 各リブ内での最大接地圧のうち、最
大の値 制約条件G: 踏面全体の接地面積を所定の値以上とす
ること、及び各リブ端の円弧の弧端Piと接点Qiとの
距離Hiを等しくする。 また、設計変数は、上記実施の形態1と同様に、それぞ
れのタイヤモデルのリブ端部に付加された円弧を表わす
距離L1,L2,L3,L4及び距離H1,H2,H
3,H4とし、以下、J個目のタイヤモデルの設計変数
をriJ(i=1〜8,J=1〜N)と表わす。その
後、ステップ303において、初期世代N個のタイヤモ
デルの各々について、上記説明した図4のステップ10
4と同様にして、タイヤ性能予測処理が実行される。な
お、ステップ303では、タイヤ性能予測処理が実行さ
れた場合、予測結果の評価から、予測性能が良好である
か否かを判断することができるが、ここでは、予測結果
の出力及び予測性能の評価の結果を記憶でき、適宜参照
可能な構成とする。
【0050】タイヤ性能予測処理が終了した後の、図1
1のステップ304では、N個のタイヤモデルの各々の
設計変数rijについてそれぞれ目的関数OBJ及び
制約条件Gを演算する。次のステップ306では、ス
テップ304で求めたN個のタイヤモデルのそれぞれの
目的関数OBJ及び制約条件Gを用いて、N個のタ
イヤモデルの各々の適応関数Fを以下の式(5)に従
って演算する。本実施の形態3では、各リブのリブ内で
の最大接地圧のうちの最大値を最小にするため、適応関
数による値(適応度)は、上記最大値が小さくなると大
きくなる。 Φ=−OBJ+γ・Max(G,0) F=−Φ ‥‥(5) または、 F=1/Φ または、 F=−a・Φ+b
【数4】 c;定数 γ;ペナルティ係数 Φmin=min(Φ,Φ,Φ,‥‥,Φ) Φ;N個のタイヤモデルのJ番目のペナルティ関数
(J=1,2,3,‥‥,N) なお、c及びγは使用者が予め入力する.
【0051】次のステップ308では、N個のモデルの
中から交叉させるモデルを2個選択する。選択方法とし
ては、一般に知られている適応度比例戦略を用い、N個
のタイヤモデルのある個体lが各々選択で選ばれる確率
は、以下の式(6)で表わされる。
【数5】
【0052】なお、本実施の形態3では、選択方法とし
て適応度比例戦略を用いたが、この他、遺伝的アルゴリ
ズム(北野宏明編)に示されている様な、期待値戦略、
ランク戦略、エリート保存戦略、トーナメント選択戦
略、あるいはGENITORアルゴリズム等を用いても
良い。
【0053】次のステップ310では、選択された2個
のタイヤモデルを、使用者が予め入力した確率Tによっ
て交叉させるか否かを決定する。ここでいう、交叉と
は、後述するように、2個のタイヤモデルの要素の一部
を交換することをいう。否定判定で交叉させない場合
は、ステップ312において現在の2個のタイヤモデル
をそのままの状態でステップ316へ進む。一方、肯定
判定で交叉させる場合には、ステップ314において後
述するように2個のタイヤモデルを交叉させる。
【0054】2個のタイヤモデルの交叉は、図12に示
す交叉ルーチンによって行われる。まず、図11のステ
ップ308において選択された2個のタイヤモデルをタ
イヤモデルa及びタイヤモデルbとするとともに、各々
のタイヤモデルa,bの設計変数について並びを含む設
計変数ベクトルで表し、タイヤモデルaの設計変数ベク
トルをV =(r ,r ,‥‥,r ,‥
‥,rn−1 )、タイヤモデルbの設計変数ベクトル
をV =(r ,r ,‥‥,r ,‥‥,r
n−1 )とする。そして、図12のステップ350で
予め定めた乱数を生成し、この乱数に応じてタイヤモデ
ルa,bの設計変数ベクトルに関する交叉場所iを決定
する。次のステップ352では、交叉すると決定された
タイヤモデルa,bの設計変数r ,r に対し
て、以下の式に従って距離dを求める。 d=|r −r | 次のステップ354では、r ,r の取り得る範
囲の最小値B及び最大値Bを用いて、以下の式に従
って正規化距離d’を求める。 d’=d/(B−B
【0055】次のステップ356では、正規化距離d’
の値を適度に分散させるために、図13(a),(b)
に示すような、X=0,1で最小値Z=0となり、X=
0.5で最大値Z=0.5となるような山型の写像関数
Z(X)(0≦X≦1,0≦Z(X)≦0.5)あるい
は上記Z(X)とは反対に、X=0,1でZ=0.5と
なり、X=0.5でZ=0となる谷型の写像関数を用い
て、以下の式に従って関数値Zabを求める。 Zab=Z(d’) このようにして、関数値Zabを求めた後、ステップ3
58において新しい設計変数r ‘a,r ’bを次の
式に従って求める。
【数6】 このようにして、r ‘a,r ’bを求めた後、ステ
ップ360で新しい設計変数の並びである設計変数ベク
トルV ‘a,V ’bは以下のように求められる。 V ‘a=(r ,r ,‥‥,r ‘a,r
i+1 ,‥‥,rn− ) V ’b=(r ,r ,‥‥,r ‘b,r
i+1 ,‥‥,rn− ) なお、rの取り得る範囲の最小値B及び最大値B
は、使用者が予め入力しておく。また、上記例では交叉
場所iは1ケ所であるが、この他に遺伝的アルゴリズム
(北野宏明編)に示されているような、複数点交叉また
は一様交叉等を用いても良い。
【0056】このような交叉によって新規な2個のタイ
ヤモデル、例えば、リブ端部に付加された円弧の曲率が
リブ毎に異なるタイヤモデルを生成した後、図11のス
テップ316では、使用者が予め入力した確率Sで、突
然変異させるか否かを決定する。この突然変異は、後述
するように、設計変数の一部を微小に変更することをい
い、最適な設計変数となりうる母集団を含む確度を高く
するためである。ステップ316で、否定判定で突然変
異させない場合には、ステップ318で現在の2個のタ
イヤモデルを維持したまま、次のステップ321進む。
肯定判定で突然変異させる場合には、次のステップ32
0で以下のようにして突然変異処理を行う。
【0057】この突然変異は、図14に示す突然変異ル
ーチンによって行われる。まず、ステップ362では乱
数を生成し、乱数によって突然変異の場所iを決定す
る。次のステップ364では、距離d’を、0≦d’≦
1の範囲で、乱数により決定する。次のステップ366
では、図13(a),(b)に示すような山型の写像関
数Z(X)あるいは谷型の写像関数を用いて、以下の式
に従って、関数値Zdを求める。 Z=Z(d’)
【0058】このようにして、関数値Zを求めた後、
ステップ368において新しい設計変数r を以下の
式に従って求める。
【数7】 このようにして、設計変数r を求めた後、ステップ
370で求められる、新しい設計変数の並びである設計
変数ベクトルV は以下のようになる。 V =(r,r,‥‥,r ,ri+1 ,‥
‥,rn−1) このようにして、新たに生成された2個のダイヤモデル
について、次のステップ321では、上記ステップ30
3と同様にして(図4のステップ104)、各タイヤモ
デルについて、タイヤ性能予測処理が実行される。な
お、ステップ321では、タイヤ性能予測処理が実行さ
れた場合、予測結果の評価から、予測性能が良好である
か否かを知断することができるが、ここでは、予測結果
の出力及び予測性能の評価の結果を記憶でき、適宜参照
可能な構成とする。
【0059】次のステップ322では、新たに生成され
た2個のダイヤモデルについて、目的関数の値と制約条
件の値を演算する。次のステップ224では、得られた
目的関数の値と制約条件の値から前記実施の形態例と同
様に(4)式を用いて適応関数を演算する。次のステッ
プ326では、上記2個のタイヤモデルを保存する。次
のステップ328では、ステップ326で保存したタイ
ヤモデルの数が、N個に達したか否かを判断し、N個に
達していない場合は、N個になるまでステップ308か
らステップ328を繰返し実行する。一方、タイヤモデ
ルの数がN個に達した場合には、ステップ330で収束
判定をし、収束していない場合には、N個のタイヤモデ
ルをステップ326で保存されたタイヤモデルに更新
し、ステップ308からステップ330を繰返し実行す
る。一方、ステップ330で収束したと判断された場合
には、N個のタイヤモデルの中で制約条件を略満たしな
がら目的関数の値が最小となるタイヤモデルの設計変数
の値をもって制約条件を略満たしながら目的関数を最小
にする設計変数の値とし、ステップ332においてこの
設計変数の値を用いてタイヤの形状を決定する。
【0060】なお、ステップ230の収束判定は以下の
条件のいずれかを満足したら収束とみなす。 1)世代数がM個に達した 2)目的関数の値が小さい線列の数が全体のq%以上に
なった 3)最小の目的関数の値が、続くp回の世代で更新され
ない。 なお、M、q、Pは使用者が予め入力しておく。また、
この収束判定には、タイヤ性能の出力を用いることがで
きる。本実施の形態3では、上記実施の形態1に比べて
計算量が増加するため、設計開発に要した時間は若干増
加するが、より良い性能のタイヤ設計を行うことができ
る、という効果がある。
【0061】なお、実施の形態1と、実施の形態3とを
組み合わせても良い。すなわち、交叉、突然変異によっ
て得られた設計案をもとに目的関数、制約条件を演算す
る場合には、Goldberg,D.E.,”Genetic Algorlthms
in Search ,Optimization and Machine Learni
ng ”,Adison-Wesley(1989)に記載されているように
局所的な最適解に落ち込まないものの、真の最適解を求
めることが難しいという問題点がある。このため、本実
施の形態3のステップ322の演算処理として、上記実
施の形態1のステップ104〜116の処理を用いて、
各方法を組み合わせれば、上記問題点を解決できる。こ
のような、局所的な最適解に落ち込まず、真の最適解を
得る方法は、ここで述べた手法以外に、前記参考文献に
記載されてある焼きなまし法(Simulated Annealing)
と呼ばれる方法を組み合わせることもできる。
【0062】実施の形態4.本実施の形態4は、高等動
物の神経回路網を工学的にモデル化した非線形予測技術
である学習後のニューラルネットワークを変換系として
用いるとともに、最適化計算によって少なくとも1本の
周方向に連続する溝部を有するタイヤの設計パラメータ
の値を求めるものである。本実施の形態4に係わるタイ
ヤの最適化装置の概略構成は、図1及び図2に示したパ
ーソナルコンピュータと略同様であり、データ等を入力
するためのキーボード10と、予め記憶された処理プロ
グラムに従って非線形化予測手法によるニューラルネッ
トワークを用いてタイヤの性能を予測しながら、制約条
件を考慮して、目的関数を最適、例えば最大または最小
にする設計変数を演算するコンピュータ本体11と、コ
ンピュータ本体11の演算結果等を表示するCRT12
とを備えている。また、コンピュータ本体11のROM
15には、後述する処理プログラムが、メモリ17には
ニューラルネットワークによる変換系等が記憶されてい
る。
【0063】図15は、タイヤの最適化解析装置50の
機能別概略ブロック図を示す図で、タイヤの最適化解析
装置50は、性能予測データ入力部51と、非線形演算
部52と、最適化項目入力部53と、最適化演算部54
と、最適化項目出力部55とから構成され、最大化もし
くは最小化すべきタイヤ性能(目的関数)を最適化し、
その最適化したタイヤ性能を実現する設計パラメータを
出力する。
【0064】性能予測データ入力部51は、タイヤの形
状、構造、パターンの設計パラメータ及び製造条件等
と、それらに対応する性能とを表わす実験データ(性能
予測データ)を入力する。非線形演算部52は、ニュー
ラルネットワークで構成された変換系の計算部で、上記
性能予測データ入力部51から入力されたデータに基づ
いて、タイヤの形状,構造,パターン及び製造条件等
と、それらに対応する性能とが関連付けられた変換系を
求める。なお、ここでいう変換系とは、タイヤの形状,
構造,パターン及び製造条件等と、それらに対応する性
能とが1対1に対応するように、変換及び逆変換が可能
な変換系そのものをいい、学習後のニューラルネットワ
ークを数式で表現するときには、数式及びその係数を含
めたものとなる。
【0065】最適化項目入力部53は、最大化もしく
は最小化すべきタイヤの予測もしくは計測される物理量
等のタイヤ性能(後述する目的関数)、最大化もしく
は最小化するときに制約を設けるべきタイヤの予測もし
くは計測される物理量、及びタイヤの形状,構造,パタ
ーンの設計パラメータ及び加硫温度等の製造条件、タ
イヤの形状,構造,パターンの設計パラメータ及び製造
条件の取り得る範囲、最適化に関する方法の選択及び
そのときのパラメータ等を入力する。なお、上記最適化
に関する手法としては、数理計画法や遺伝的アルゴリズ
ム等の最適化手法があるが、本実施の形態4では、上記
実施の形態1で用いた数理計画法による最適化手法と同
様の手法を用いた場合について説明する。
【0066】最適化演算部54は、目的関数・制約条件
演算部56と、目的関数最適化演算部57とから構成さ
れ、目的関数・制約条件演算部56において、非線形演
算部52による変換系を用いて、タイヤの形状、構造、
パターンの設計パラメータ及び製造条件からそのタイヤ
性能を予測し、目的関数最適化演算部57において、最
適化項目入力部53から入力された目的関数を、制約条
件を満たしつつ、収束するまで最適化する。最適化結果
出力部55は、最適化演算部54からの、入力された最
適化項目を満足するように最適化されたタイヤの形状、
構造、パターンの設計パラメータ及び製造条件を出力す
る。
【0067】次に、非線形演算部52の詳細について説
明する。非線形演算部52は、後述するように概念的な
ニューラルネットワークで構成された変換機能を有する
とともに、それを学習する学習機能を有している。ま
た、非線形演算部52は、学習機能を有さない変換機能
のみを有する構成とすることも可能である。すなわち、
後述するように、非線形演算部52は、タイヤの形状、
構造、パターンの設計パラメータ及び製造条件とそのタ
イヤ性能とが関連付けられた変換系を求めるものである
が、タイヤの形状、構造、パターンの設計パラメータ及
び製造条件とその性能との間で変換できれば良い。従っ
て、タイヤの形状、構造、パターンの設計パラメータ及
び製造条件とその性能との対応を予め他のニューラルネ
ットワークで学習し、学習された他のニューラルネット
ワークの変換係数を入力するようにして、この変換係数
を用いてタイヤの形状、構造、パターンの設計パラメー
タ及び製造条件とその性能とが関連付けられた変換系を
求めても良い。つまり、変換係数が入力される構成であ
れば、変換係数を用いてタイヤの形状、構造、パターン
の設計パラメータ及び製造条件とそのタイヤ性能との間
で変換する変換のみの機能で良い。また、これらの対応
をルックアップテーブルとして記憶して、記憶されたル
ックアップテーブルを参照することによって、変換して
も良い。
【0068】非線形演算部52は、タイヤの形状・構造
・パターンの設計パラメータ及び製造条件の各値毎の入
力を可能とするために入力層としてタイヤの形状・構造
・パターンの設計パラメータ及び製造条件の数に応じた
ニューロンを有し、中間層を介して出力層として目的関
数や制約条件に関係した予測するタイヤ性能項目の数に
応じたニューロンを有して各々のニューロンがシナプス
によって結合されたニューラルネットワークを横成して
いる。この非線形演算部52は、後述する学習後に、タ
イヤの形状・構造・パターンの設計パラメータ及び製造
条件の各値が入力されると、それに対応する性能が出力
される。学習時には、タイヤの形状・構造・パターンの
設計パラメータ及び製造条件に対応する既知の性能が教
師信号として入力され、出力の性能と既知の性能との誤
差差分等の大小により、タイヤの形状・構造・パターン
の設計パラメータ及び製造条件の各値と、その性能とが
対応されるように設定される。
【0069】非線形演算部52に用いられているニュー
ラルネットワークの一例としては、図16に示すよう
に、ニューロンに対応する所定数のI,I,‥‥,I
(p>1)から成る入力層、多数のM,M,‥‥,
(q>1)から成る中間層、及び所定数の出力
,U,‥‥,U(r>1)から成る出力層から構
成されている。なお、入力層の数及び出力層の数はタイ
ヤの形状・構造・パターンの設計パラメータ及び製造条
件個数、性能の個数に応じて設定すれば良い。また、中
間層の各ユニット及び出力層の各ユニットには出力値を
所定値だけオフセットさせるためのオフセットユニット
58,59に接続されている。上記入力層のユニットに
は、例えば、トレッドゴムの材質やタイヤ形状を表わす
パラメータ、そしてコストを入力値として用いることが
できる。出力層のユニットには、例えば、転がり抵抗,
応力・歪み,タイヤの接地特性等を出力値として用いる
ことができる。なお、本実施の形態4では、中間層の及
び出力層のユニットは入出力関係がシグモイド関数によ
って表されるシグモイド特性を有する神経回路素子によ
り構成され、入力層のユニットは入出力関係が線形の神
経回路素子で構成されている。すなわち、上記入出力関
係をシグモイド特性を有するように構成することによっ
て、出力値は実値(正の数)となる。
【0070】非線形演算部52における、中間層のユニ
ット及び出力層のユニットの各々の出力は、次の
(7),(8)式で表すことができる。すなわち、或る
ユニットについて、入力側のシナプスの個数をpとし、
各シナプス結合の強さに相当する重み(の結合係数)を
ij(1≦i≦p,1≦j≦N)とし、各入力信号を
とするとき、ニューロンの膜電位の平均値に相当す
る仮想的な内部状態変数uは次の(7)式で表すことが
でき、出力yはニューロンの特性を表す非線形関数fに
より次の(8)式で表すことができる。
【数8】 但し、bはオフセットから供給されるオフセット値、
ijは異なる層のi番目とj番目の問の重みを表す。
従って、入力層へタイヤの形状、構造、パターンの設計
パラメータ及び製造条件の各値を入力することによっ
て、出力層のユニットからは、タイヤ性能の個数に応じ
た各値が出力される。なお、上記入力層の各ユニットの
特性は入力をそのまま出力する特性で良い。また、非線
形演算部52(ニューラルネットワーク)の各ユニット
の重み(結合係数)は、後述する学習処理により、既知
である予測データについて誤差が最小となるように学習
・修正される。
【0071】次に、非線形演算部52におけるニューラ
ルネットワークの学習処理の詳細を図17の処理フロー
を参照して説明する。なお、この処理フローは、後述す
る本実施の形態4の処理フローにおけるステップ428
あるいはステップ412(ニューラルネットワークの学
習)の処理に相当する。本実施の形態4では、タイヤの
形状、構造、パターンの設計パラメータ及び製造条件の
各値によってタイヤを試作・評価、またはタイヤをモデ
ル化しコンピュータで予測することによってタイヤの性
能に関するデータを得る。また、タイヤの形状、構造、
パターンの設計パラメータ及び製造条件の各値と、その
性能を表す各値との対応をデータとして学習に用いる。
なお、複数のデータのうち所定数(例えば、全体の90
%)のデータを学習データとするとともに、それ以外
(例えば、残り10%)のデータをテストデータとして
いる。これは予測データを、ニューラルネットワークの
学習時に用いるデータと、学習が終了したニューラルネ
ットワークが最適に学習がなされたかを確認するデータ
とに用いるためである。また、これらタイヤの形状、構
造、パターンの設計パラメータ及び製造条件の各値を入
力データとするとともに、タイヤの性能を表す各値を出
力教師データとしている。
【0072】まず、図17のステップ460では、予め
求めた学習データ及びテストデータを読み取る。次のス
テップ462では、ニューラルネットワークにおける各
々の結合係数(重み)及びオフセット値を予め定めた値
に設定することによって初期化する。次のステップ46
4では、タイヤの形状、構造、パターンの設計パラメー
タ及び製造条件が既知の複数の学習データを用いてニュ
ーラルネットワークを学習させるため、中間層及び出力
層の各々の誤差を求める。出力層の誤差は、学習データ
のタイヤ性能に対する差を誤差とすることができる。各
結合係数及びオフセット値の少なくとも1つを僅かずつ
変化させることによって出力層の誤差、すなわちの誤差
が最小になるようにすることができる。また、中間層の
誤差は、出力層の誤差を用いて誤差逆伝搬法等の逆計算
により求めることができる。
【0073】次のステップ466では、上記求めた各結
合係数及びオフセット値を更新(書換え)して、次のス
テップ468においてその更新された各結合係数及びオ
フセット値によるニューラルネットワークによってテス
トデータの各々をテストしてテスト結果の値としてタイ
ヤの性能を表すデータを得る。次のステップ470で
は、上記ステップ468で求めたテスト結果の値が収束
判定の基準である所定範囲内の値か否かを判別すること
により収束したか否かを判断するか、または上記の処理
を所定回数繰り返ししたか否かを判断し、肯定判断の場
合には本ルーチンを終了する。一方、否定判断の場合に
はステップ464へ戻り、上記処理を繰返す。これによ
って、学習データを入力した場合に、中間層及び出力層
の各々のユニットの誤差が最小になるように各結合係数
及びオフセット値が定まる。
【0074】このようにして、タイヤの形状、構造、パ
ターンの設計パラメータ及び製造条件が既知の複数の予
測データを用いてニューラルネットワークを学習させ
る。すなわち、教師信号に対するニューラルネットワー
クの出力層からの出力値の誤差が最小となるように学習
される。このように、学習することによって非線形演算
部52では、タイヤの形状、構造、パターンの設計パラ
メータ及び製造条件の値が入力されると、タイヤの性能
を表す値を出力することになる。なお、以上の処理が終
了し、ニューラルネットワークの学習が十分に行われた
後に、ネットワークの構造、すなわち結合係数やオフセ
ット値をメモリ17に記憶し、変換系を構築するように
しても良い。
【0075】次に、本実施の形態4に係わるのタイヤの
設計方法について、図18のフローチャートを参照して
説明する。まず、ステップ400では、タイヤの形状、
構造、パターンの設計パラメータx(i=1〜P)、
目的関数、及び最大実験回数を設定する。すなわち、何
れの性能を改良するか、またその場合、何回程度の実験
回数までに最適なタイヤの形状、構造、パターンの設計
パラメータを決定したいかを設定する。次のステップ4
02では、ステップ400で設定したタイヤの形状、構
造、パターンの設計パラメータxの許容範囲を設定し
(x ≦x≦x ;x は下限値、x は上
限値)、次のステップ404では実験または数値計算に
よる解析回数M及びタイヤの形状、構造、パターンの設
計パラメータの位置を表す変数eを初期化する(M=
0、i=1)。
【0076】次のステップ406では、ステップ400
で設定したタイヤの形状、構造、パターンの設計パラメ
ータxとタイヤ性能に関して、過去の実験データを利
用できるか否かを判定し、肯定判定で利用できるときは
ステップ408へ進み、否定判定で新規に求めなければ
ならないときはステップ420へ進む。ステップ420
では、直交表または最適実験計画等を用いて、何れのタ
イヤの形状、構造、パターンの設計パラメータxを変
化させて実験を行うかを決定することによってタイヤの
形状、梼造、パターンの設計パラメータを決定する。こ
のタイヤの形状、構造、パターンの設計パラメータの決
定は、例えば、「Box and Draper ;”Empirical M
odel Building and Response Surfaces”,John W
iley & Sons,NewYork」に記載の方法を利用するこ
とができる。
【0077】次のステップ422では、ステップ420
で決定した実験計画に従ったタイヤの形状、構造、パタ
ーンの設計パラメータにより各設計変数を変化させたタ
イヤモデルを作成する。すなわち、全実験数または数値
解析の回数をnとして、n個のタイヤ断面形状を、
有限要素法とうのように数値的・解析的に求めることが
できる手法によりモデル化し、内部構造を含むタイヤ基
本モデルを求める。なお、本実施の形態4では、タイヤ
断面形状を、上記図6に示したリブ端部に円弧を付加し
た形状のものとする。また、このステップ422では、
タイヤ性能評価用物理量を表す目的関数、タイヤ断面形
状を制約する制約条件及びn個のタイヤモデルのタイ
ヤ断面形状を決定する設計変数を以下のように決定す
る。 目的関数OBJ;リブ内の最大接地圧の最大値の最小
化。 制約条件G;リブ端とリブ中央の接地長差を所定の値以
以下上とすること、及び各リブのリブ端部の落ち高をH
を等しくすること。 設計変数;リブ端部の円弧を表わす距離L1,L2,L
3,L4及び距離H1,H2,H3,H4の8個の変
数。 この後に、ステップ424において、n個のタイヤモ
デルの各々について、上記説明した図4のステップ10
4と同様にして、タイヤ性能予測処理を実行する。これ
により、タイヤ性能予測結果が得られることになる。
【0078】タイヤ性能予測処理が終了した後、ステッ
プ426ではn個のタイヤモデルの各設計変数の各々
の目的関数OBJ及び制約条件Gを演算し、記憶す
る。次のステップ428では、上記で説明したようにし
てニューラルネットワークを学習する。すなわち、入力
層へ入力する値をタイヤの形状、構造、パターンの設計
パラメータの各値、出力層から出力される値をタイヤの
性能の各値としてニューラルネットワークを学習する。
【0079】次のステップ430では、目標物性・特性
に対して寄与が少ないタイヤの形状、構造、パターンの
設計パラメータの有無を判断する。例えば、入力層の少
なくとも1つのユニットへ入力したタイヤの形状、構
造、パターンの設計パラメータxを僅か変化させたと
きに対する出力層のタイヤ性能の変化傾向を示す感度、
及び入力層の少なくとも1つのユニットからの出力を零
にしたときに対する、出力層のタイヤ性能の予測精度の
低下度合を計算し、寄与が少ないタイヤの形状、構造、
パターンの設計パラメータを決定する。これは感度が小
さくその入力を無視しても予測精度が低下しないタイヤ
の形状、構造、パターンの設計パラメータは寄与が少な
いと考えられるためである。
【0080】寄与が少ないタイヤの形状、構造、パター
ンの設計パラメータがあるときは、ステップ430で肯
定判断され、次のステップ432において寄与が少ない
タイヤの形状、構造、パターンの設計パラメータx
削除し、その削除された後のタイヤの形状、構造、パタ
ーンの設計パラメータによって再度学習する(ステップ
428)。一方、寄与が少ないタイヤの形状、構造、パ
ターンの設計パラメータが無のときはステップ430で
否定判断され、次のステップ434において上記学習さ
れたニューラルネットワークの入力層(タイヤの形状、
構造、パターンの設計パラメータ)と出力層(タイヤ性
能)の関係を記憶する。すなわち、各結合係数及びオフ
セット値を記憶する。
【0081】次のステップ436では、記憶された入力
層(タイヤの形状、構造、パターンの設計パラメータ)
と出力層(タイヤ性能)の関係を用いて、後述する図1
9に示すフローチャートに従って目的関数を最適化する
ことにより、最良のタイヤの形状、構造、パターンの設
計パラメータxを求める。最適化が終了すると、次の
ステップ438で実験回数または解析回数Mが増加され
(M=M+n)、次のステップ440において、M<
(設定された最大の実験回数または解析回数)か否かが
判断され、小さい場合には、ステップ442へ進む。
【0082】ステップ442では変数iをインクリメン
トし、次のステップ444で、以下の(9)〜(11)
式に示すようにタイヤの形状、構造、パターンの設計パ
ラメータの許容範囲を再設定してステップ420へ戻
る。この処理を繰返すことで、最適なタイヤの形状、構
造、パターンの設計パラメータx OPTの精度を向上
することができる。なお、ステップ444の許容範囲の
再設定は、ステップ402で定めたタイヤの形状、構
造、パターンの設計パラメータの許容範囲を狭め設定を
行い、ステップ420ではこの狭めた領域について再実
験点の計画を行う。
【数9】 ここで、NNは、タイヤの形状、構造、パターンの設計
パラメータの許容範囲を狭める程度を定めるための係数
であり、1.5から5程度の値を設定することが望まし
い。
【0083】一方、ステップ440で否定判断、すなわ
ち予め定めた最大の実験回数または解析回数より多く実
験または数値解析した場合には、ステップ446で最後
に得られたタイヤの形状、構造、パターンの設計パラメ
ータを最適タイヤ設計として出力する。次のステップ4
48では、過去の実験データ内に同様な実験または数値
解析があるか否かを判断し、否定判断の場合には次のス
テップ450で最適タイヤ設計の性能をメモリ17また
はデータの入出力装置18を介して外部記憶装置等のデ
ータベースへ登録する。なお、再度実験または数値解析
してタイヤの性能を求めても良い。なお、最大の実験回
数または解析回数は、実験または数値解析にかかる費用
及び最適タイヤ設計を求めるのに用する時間等によって
定められた定数である。
【0084】次に、上記ステップ406で肯定判断され
た場合には、ステップ408において、予め用意された
データベースからステップ400で設定した各項目に関
連した過去のタイヤの形状、構造、パターンの設計パラ
メータ、タイヤ性能を読み取り、次のステップ410に
おいて、その読み取ったデータを以下の(12)〜(1
5)式を用いて尖度、歪度が小さくなるように変換す
る。
【数10】
【0085】次のステップ412では、上記ステップ4
28と同様にニューラルネットワークを学習し、次のス
テップ414で上記ステップ434と同様に学習結果を
記憶する。次のステップ416では実験データ(予測デ
ータ)に戻すために、ステップ410による変換の逆変
換を行い、次のステップ418で全実験数niをリセッ
トし(=0)、ステップ436の最適化処理へ進む。
【0086】次に、ステップ436の最適化処理の詳細
について、図19のフローチャートを参照して説明す
る。図19のステップ500では、改良したいタイヤ性
能を表す目的関数、或るタイヤ性能を改良するときに悪
化してはならないタイヤ性能等を制約する制約条件及び
タイヤの形状、構造、パターンの設計パラメータを決定
する設計変数を定め、次のステップ502でタイヤの形
状、構造、パターンの設計パラメータの数を表す変数j
をリセット(=0)する。次のステップ504では、最
適化するときの初期値として用いるタイヤの形状、構
造、パターンの設計パラメータを設定する。タイヤの形
状、構造、パターンの設計の最適化問題は、入力値を2
次元平面にプロットして目的関数の値を高さ方向にプロ
ットしたイメージによる3次元的に捉えるとタイヤの性
能に関する設計空間が多峰性を有するために、異なった
初期値から最適化を行って最適解の解空間を知る必要が
ある。初期値としては、例えば、以下に示す(16)式
を用いることができる。
【数11】 但し、x(i=1〜p) ;タイヤ形状,構造,パ
ターンの設計パラメータ x ≦x≦x ;タイヤ形状,構造,パター
ンの設計パラメータのとりうる範囲 k=0〜Munit Muniyt ;タイヤ形状,構造,パターンの
設計パラメータの許容範囲の分割数
【0087】次のステップ506では、ステップ504
で設定した初期のタイヤの形状、構造、パターンの設計
パラメータを入力としてニューラルネットワークによる
出力を実行し、入力したタイヤの形状、構造、パターン
の設計パラメータに対応したタイヤの性能を予測する。
その結果を用いて、目的関数、制約条件の初期値を演算
する。次のステップ508では、タイヤの形状、構造、
パターンの設計パラメータを変化させるためにステップ
504で設定されたタイヤの形状、構造、パターンの設
計パラメータxを各々△xずつ変化させて、次のス
テップ510で、設計変数を△x変化させた後の目的
関数の値OBJ及び制約条件の値Gを演算し、ステ
ップ512で以下の式(17),(18)に従って、設
計変数の単位変化量に対する目的関数の変化量の割合で
ある目的関数の感度dOBJ/dx及び設計変数の単
位変化量に対する制約条件の変化量の割合である制約条
件の感度dG/dxを各設計変数毎に演算する。
【数12】
【0088】この感度によって、設計変数を△x変化
させたときに、目的関数の値がどの程度変化するか予測
することができる。この予測、すなわち、最適化の過程
は、登山にたとえることができ、目的関数の値の変化を
予測することは登山の方向を指示することに相当する。
次のステップ514では、全てのタイヤの形状、構造、
パターンの設計パラメータについて演算が終了したか否
かを判断し、全てのタイヤの形状、構造、パターンの設
計パラメータについて演算が終了していない場合には、
ステップ508からステップ514を繰返し実行する。
【0089】次のステップ516では、目的関数、制約
条件の設計変数に関する感度を用いて、数理計画法によ
り制約条件を満たしながら目的関数を最小または最大に
する設計変数の変化量を予測する。この設計変数の予測
値を用いて、ステップ518で各タイヤの形状、構造、
パターンの設計パラメータを修正するとともに、修正さ
れた各タイヤの形状、構造、パターンの設計パラメータ
による目的関数値を演算する。次のステップ520で
は、ステップ518で演算した目的関数値OBJとステ
ップ506で演算した目的関数の初期値OBJoとの差
と、予め入力された閾値とを比較することで目的関数の
値が収束したか否かを判断し、目的関数の値が収束して
いない場合にはステップ516で求められた設計変数値
を初期値として、ステップ506からステップ520を
繰返し実行する。
【0090】目的関数の値が収束したと判断されたとき
には、このときの設計変数の値をもって制約条件を満た
しながら目的関数を最良にする設計変数の値とし、ステ
ップ522においてこの設計変数の値を用いてタイヤの
形状、構造、パターンの設計パラメータを決定し、次の
ステップ524で変数jをインクリメントしてステップ
526へ進む。
【0091】ステップ526ではjが初期のタイヤの形
状、構造、パターンの設計パラメータの許容数:(1+
Munit)を越えるか否かを判断し、越えない場合
には、ステップ504へ戻り初期のタイヤの形状、構
造、パターンの設計パラメータの値を変更して上記ステ
ップ504からステップ526を繰返し実行する。一
方、ステップ526で肯定判断の場合には次のステップ
528で最適タイヤ設計を決定し、本ルーチンを終了す
る。本実施の形態4のステップ528における最適タイ
ヤ設計の決定は、次の2つの条件を考慮して求めるもの
であり、条件に対する一致度が大きいものを最適タイヤ
設計とする。 [条件] 目的関数OBJが小さい値を有する。(目的関数に選
んだタイヤ性能が小さい方が良いように設定する。大き
い方が良い場合にはマイナス符号を付与して対応す
る。) 求められた最適解の周りでタイヤの形状、構造、パタ
ーンの設計パラメータを少し変更しても目的関数、制約
条件が余り変化しない。
【0092】このように、本実施の形態4では、変換系
を定めるために、ニューラルネットワークによる非線形
演算部において、タイヤの形状、構造、パターンの設計
パラメータ、製造条件とタイヤの性能との対応関係を実
験または数値解析によるデータにより学習しているの
で、変換系を計算する手段として関数型を仮定する必要
がなく、タイヤの形状、構造、パターンの設計パラメー
タ及び製造条件と、タイヤの性能との対応が関連付けら
れた相互の関係を見出すことのできる変換系を、精度が
高く任意性が少なく作成することができる。また、その
変換系と最適化演算部を組み合わせることによって、有
効性のあるタイヤの形状、構造、パターンの最適設計案
を出力することができる。
【0093】なお、上記実施の形態4では、数理計画法
による最適化手法を用いたが、遺伝的アルゴリズムによ
る最適化手法を用いても良い。また、遺伝的アルゴリズ
ムによる最適化手法あるいはニューラルネットワークと
遺伝的アルゴリズムによる最適化手法と組み合わせた最
適化手法により、大域的な最適設計案を探索した後これ
を一次解とし、数理解析法により、上記一次解を初期値
として、上記一次解近傍での極値を求めて最終解として
も良い。この場合には、遺伝的アルゴリズムにおける、
選択集団の大きさが有限であることに起因する誤差や、
ニューラルネットワークにおける、設計パラメータとタ
イヤ性能との非線形な対応を関連付ける変換系を作成す
る際の近似誤差などの誤差をなくすことができるので、
最適解の精度を更に向上させることができる。
【0094】
【実施例】以下に、本発明を実際のタイヤであるTBR
315/70R22.5の設計に適用した例を示す。こ
のタイヤは、図6に示すように、周方向に左右対称な4
本の溝を有し、各リブ端に円弧が付加されたもので、目
的関数,制約条件,設計変数は、以下に示すように、上
記実施の形態4と同じである。 目的関数OBJ;リブ内の最大接地圧の最大値の最小
化。 制約条件G;リブ端とリブ中央の接地長差を所定の値以
下とすること、及び各リブのリブ端部の落ち高をHを等
しくすること。 設計変数;リブ端部の円弧を表わす距離L1,L2,L
3,L4及び距離H1,H2,H3,H4の8個の変
数。 最適化手法はニューラルネットワークによる最適化を選
択し、実験点はL27直交表により、27点用意した。
また、解析条件は以下の通りである。 内圧;780kPa 荷重;27kN 路面の摩擦係数;μ=0.3 最適化処理により得られた設計変数の最適値を下記の表
1に示す。
【表1】
【0095】このタイヤ性能を検証するため、本発明に
よるリブ断面形状を用いたタイヤと、このタイヤと同一
の構造・クラウン外輪郭形状を有し、かつリブ断面形状
がクラウン外輪郭形状と同じタイヤ(比較タイヤ1)を
用意しした。なお、本発明のタイヤは、タイヤ製造のバ
ラツキを考慮して、2本同じ物を用意した。図20は、
本発明のタイヤと比較タイヤ1に対し、ドラム上で偏摩
耗試験を実施した結果を示す図で、本発明による2本の
タイヤ(本発明のタイヤ1,2)は、リブ全体の摩耗量
が従来の設計法のタイヤ(比較タイヤ1)に比べて小さ
いだけでなく、リブ端部での摩耗も少なくなっており、
リブ端の早期摩耗が改善されていることが確認された。
【0096】また、このタイヤを、比較タイヤ1及び比
較タイヤ1に1本のサイプを施した比較タイヤ2ととも
に、WETドラム上でのコーナリングフォースの測定を
行った。図21はその結果を示す図で、カーブA1(同
図の直線),A2(粗い破線)が本発明のタイヤで、カ
ーブB(一点鎖線)が比較タイヤ1、カーブC(細かい
破線)が比較タイヤ2の特性曲線である。本発明のタイ
ヤでは、全スリップ角で、比較タイヤ1だけでなく、サ
イプを施した比較タイヤ2よりも大きなコーナリングフ
ォースを発生することが確認された。すなわち、本発明
のタイヤは、WET状態においても、1本のサイプを施
したタイヤよりもコーナリング時のグリップ力が高く、
操縦安定性に優れていることがわかる。
【0097】また、以下の表2は、本発明のタイヤと比
較タイヤとの転がり抵抗値(RR値)を比較したもの
で、本発明のタイヤの転がり抵抗は、比較タイヤ1に対
して約2%改善された。
【表2】
【0098】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、周
方向に連続する溝部を有するタイヤにおいて、リブ端の
早期摩耗に代表されるリブ内の接地圧特性に係わる性能
を、実際にタイヤが使用される環境下でタイヤ性能を予
測しながら、制約条件を満たす目的関数の最適値を与え
る設計変数を求め、この設計変数からタイヤを設計する
ようにしたので、タイや開発の効率を向上させることが
できるとともに、良好なタイヤを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施の形態に係わる、タイヤの設計方法を
実施するためのパーソナルコンピュータの概略図であ
る。
【図2】 パーソナルコンピュータの構成を示す図であ
る。
【図3】 本実施の形態1に係わる最適化装置の構成を
示す機能別ブロック図である。
【図4】 本実施の形態1の処理ルーチンを示すフロー
チャートである。
【図5】 本発明のタイヤリブの端部形状を示す図であ
る。
【図6】 本発明における設計変数の設定方法を示す図
である。
【図7】 本実施の形態2の処理ルーチンを示すフロー
チャートである。
【図8】 本実施の形態2の基本形状モデルの概略を示
す模式図である。
【図9】 本実施の形態2の処理ルーチンの変形例であ
る。
【図10】 本実施の形態2の処理ルーチンの変形例で
ある。
【図11】 本実施の形態3の処理ルーチンを示すフロ
ーチャートである。
【図12】 最適化手法として遺伝的アルゴリズムを用
いた場合の交叉処理のフローチャートである。
【図13】 山型写像関数を示す図である。
【図14】 最適化手法として遺伝的アルゴリズムを用
いた場合の突然変異処理のフローチャートである。
【図15】 本実施の形態4に係わる最適化装置の構成
を示す機能別ブロック図である。
【図16】 ニューラルネットワークの概念構成図であ
る。
【図17】 ニューラルネットワークの学習処理のフロ
ーチャートである。
【図18】 本実施の形態4の処理ルーチンを示すフロ
ーチャートである。
【図19】 最適化手法としてニューラルネットワーク
を用いた場合のフローチャートである。
【図20】 本発明の実施例における湿潤ドラムでの試
験結果を示す図である。
【図21】 本発明の実施例における摩耗ドラムでの試
験結果を示す図である。
【符号の説明】
10 キーボード、11 コンピュータ本体、12 C
RT、13 FDU、14 CPU、15 ROM、1
6 RAM、17 メモリ、18 入出力装置、19
バス、20,50 最適化解析装置、21 データ入力
手段、22 タイヤ性能予測手段、23 最適化項目入
力手段、24 最適化計算手段、31〜33 リブ、4
1 第1の溝、42 第2の溝、51 性能予測データ
入力部、52 非線形演算部、53 最適化項目入力
部、54 最適化演算部、55 最適化結果出力部。

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 タイヤの設計方法であって、(A)少な
    くとも1本の周方向に連続する溝部を有し、かつ接地及
    び転動の少なくとも一方により変形を与えることが可能
    なパターン形状を有するタイヤモデルと、このタイヤモ
    デルの少なくとも一部に接触する路面モデルと、タイヤ
    性能評価用物理量を表わす目的関数と、タイヤリブ断面
    形状を決定する設計変数と、タイヤ断面形状,タイヤ構
    造,性能評価物理量及びタイヤ寸度の少なくとも1つを
    制約する制約条件とを定めるステップ、(B)上記タイ
    ヤモデルの変形状態において、タイヤモデルまたは路面
    モデルに生じる物理量によりタイヤ性能を予測するステ
    ップ、(C)予測したタイヤ性能及び制約条件を考慮し
    ながら目的関数の最適値を与える設計変数の値を求める
    ステップ、(D)目的関数の最適値を与える設計関数に
    基づいて、タイヤを設計するステップ、の各ステップを
    含むことを特徴とするタイヤの設計方法。
  2. 【請求項2】 上記ステップ(A)において、少なくと
    も1つまたは全てのリブの両端部にクラウン外輪郭形状
    (1)が接し、かつ上記リブ両端部のそれぞれに、上記
    クラウン外輪郭形状(1)の曲率半径よりも小さな曲率
    半径を有する円弧(2)が設けられたリブ断面形状を有
    するタイヤモデルを作成するとともに、上記円弧(2)
    の溝底部側の弧端P1,P2のそれぞれとクラウン外輪
    郭形状(1)とのタイヤ赤道面に平行な距離H1及び距
    離H2と、上記円弧(2)のそれぞれとクラウン外輪郭
    形状(1)との接点をQ1,Q2としたときの、上記弧
    端P1と上記接点Q1とのタイヤ回転軸に平行な距離L
    1と、上記弧端P2と上記接点Q2とのタイヤ回転軸に
    平行な距離L2とを、上記リブ断面形状を決定する設計
    変数としたことを特徴とする請求項1に記載のタイヤの
    設計方法。
  3. 【請求項3】 上記ステップ(B)において、タイヤモ
    デルまたは路面モデルに生じる物理量を、少なくとも1
    水準の垂直荷重によるタイヤと路面との接触、少なくと
    も1水準の前,後、左,右方向の剪断、転動状態、少な
    くとも1水準の横滑り角を付加した転動状態、少なくと
    も1水準のキャンバ角を付加した接触・転動、の少なく
    とも1つを含む物理量としたことを特徴とする請求項1
    または請求項2に記載のタイヤの設計方法。
  4. 【請求項4】 上記ステップ(A)における目的関数ま
    たは制約条件として、接地領域の全部または一部の領域
    から選択した複数の点の垂直接地圧または剪断接地圧の
    少なくとも一方の最大値,最小値,平均値,分散,標準
    偏差またはこれらの値から算出される値を用いたことを
    特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載のタイ
    ヤの設計方法。
  5. 【請求項5】 上記ステップ(A)における目的関数ま
    たは制約条件として、接地領域の全部または一部の領域
    の接地面積,接地幅,接地長,矩形率などの接地領域の
    全部または一部の領域の寸法、もしくはこれらの寸法か
    ら計算される値を用いたことを特徴とする請求項1〜請
    求項4のいずれかに記載のタイヤの設計方法。
  6. 【請求項6】 上記ステップ(C)では、設計変数の単
    位変化量に対する目的関数の変化量の割合である目的関
    数の感度、及び設計変数の単位変化量に対する制約条件
    の変化量の割合である制約条件の感度に基づいて、制約
    条件を考慮しながら目的関数の最適値を与える設計変数
    の変化量を予測するとともに、設計変数を予測量変化さ
    せたときの目的関数の値、及び設計変数を予測量変化さ
    せたときの制約条件の値を演算し、上記予測値と演算値
    とに基づいて、制約条件を考慮しながら目的関数の最適
    値を与える設計変数の値を求めるようにしたことを特徴
    とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載のタイヤの
    設計方法。
  7. 【請求項7】 上記ステップ(A)では、少なくとも1
    本の周方向に連続する溝部を有し、かつ接地及び転動の
    少なくとも一方により変形を与えることが可能なパター
    ン形状を有するタイヤモデルからなる選択対象集団を定
    め、この選択対象集団の各タイヤモデルについて、タイ
    ヤ性能評価用物理量を表わす目的関数及びタイヤリブ断
    面形状を決定する設計変数、及びタイヤ断面形状,タイ
    ヤ構造,性能評価物理量及びタイヤ寸度の少なくとも1
    つを制約する制約条件、及び目的関数及び制約条件から
    評価できる適応関数を定め、上記ステップ(C)では、
    上記適応関数に基づいて上記選択対象集団から2つのタ
    イヤモデルを選択し、所定の確率で各タイヤモデルの設
    計変数を交叉させて新規のタイヤ基本モデルを生成する
    こと及び少なくとも一方のタイヤモデルの設計変数の一
    部を変更させて新規の基本モデルを生成することの少な
    くとも一方を行い、この設計変数を変更させたタイヤモ
    デルの目的関数、制約条件及び適応関数を求めて、該タ
    イヤモデル及び設計変数を変更させなかったタイヤ基本
    モデルを保存しかつ保存したタイヤ基本モデルが所定数
    になるまで繰返し、保存した所定数のタイヤ基本モデル
    からなる新規集団が所定の収束条件を満たすか否かを判
    断し、収束条件を満たさないときには、この新規集団を
    上記選択対象集団としてこの選択対象集団が所定の収束
    条件を満たすまで上記操作を繰返すとともに、上記所定
    の収束条件を満たしたときに、保存した所定数のタイヤ
    基本モデルの中で、制約条件を考慮しながら目的関数の
    最適値を与える設計変数の値を求めることを特徴とする
    請求項1〜請求項6のいずれかに記載のタイヤの設計方
    法。
  8. 【請求項8】 上記ステップ(A)では、少なくとも1
    本の周方向に連続する溝部を有し、かつ接地及び転動の
    少なくとも一方により変形を与えることが可能なパター
    ン形状を有するタイヤの設計パラメータと、タイヤ性能
    との非線形な対応を関係づける変換系とを定め、上記ス
    テップ(C)では、上記ステップ(A)で定めた変換系
    を用いて、上記制約条件に基づいて、目的関数の最適値
    を与える設計パラメータの値を求め、上記ステップ
    (D)では、上記設計パラメータに基づいてタイヤを設
    計することを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか
    に記載のタイヤの設計方法。
  9. 【請求項9】 上記ステップ(C)では、少なくとも1
    本の周方向に連続する溝部を有し、かつ接地及び転動の
    少なくとも一方により変形を与えることが可能なパター
    ン形状を有する1つの基本形状態タイヤモデルを更に定
    めるとともに、上記設計変数を、上記制約条件を考慮し
    ながら、目的関数の最適値が得られるまで、接地圧が平
    均接地圧より高い部分及び低い部分の少なくとも一方の
    形状を変化させるように変化させるようにしたことを特
    徴とする請求項1〜請求項8のいずれかに記載のタイヤ
    の設計方法。
  10. 【請求項10】 請求項1〜請求項9のいずれかに記載
    のタイヤの設計方法を用いてタイヤ用加硫金型を設計す
    ることを特徴とするタイヤ用加硫金型の設計方法。
  11. 【請求項11】 請求項10のタイヤ用加硫金型の設計
    方法を用いてタイヤ用加硫金型を設計し、タイヤ用加硫
    金型を製造することを特徴とするタイヤ用加硫金型の製
    造方法。
  12. 【請求項12】 請求項11のタイヤ用加硫金型を用い
    てタイヤを製造することを特徴とするタイヤの製造方
    法。
  13. 【請求項13】 タイヤ設計パラメータからタイヤ性能
    を予測する手段と、タイヤ性能を表わす目的関数を定め
    るとともに、上記タイヤ性能及びタイヤ製造条件の少な
    くとも一方の許容範囲を制約する制約条件を定めて、最
    適化項目を入力する手段と、上記入力された最適化項目
    に基づいて目的関数の最適値を与えるタイヤの設計パラ
    メータを求める最適化計算手段とを備えたことを特徴と
    するタイヤの最適化解析装置。
  14. 【請求項14】 コンピュータによってタイヤを設計す
    るためのタイヤの最適化解析プログラムを記録した記録
    媒体であって、タイヤ設計パラメータからタイヤ性能を
    予測し、タイヤ性能を表わす目的関数と上記タイヤ性能
    及びタイヤ製造条件の少なくとも一方の許容範囲を制約
    する制約条件とを定めるとともに、入力された最適化項
    目と上記制約条件とに基づいて上記目的関数の最適値を
    与えるタイヤの設計パラメータを求め、この求められた
    タイヤ設計パラメータに基づいてタイヤを設計すること
    を特徴とするタイヤの最適化解析プログラムを記録した
    記録媒体。
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