JP5140588B2 - 色素増感型太陽電池モジュールおよびその製造方法 - Google Patents

色素増感型太陽電池モジュールおよびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、色素増感型太陽電池モジュールおよびその製造方法に関する。
化石燃料に代るエネルギー源として太陽光を電力に変換できる太陽電池が注目されている。現在、一部実用化され始めた太陽電池としては、結晶系シリコン基板を用いた太陽電池および薄膜シリコン太陽電池がある。
新しいタイプの太陽電池としては、金属錯体の光誘起電子移動を応用した湿式太陽電池が例えば特許文献1に示されている。この湿式太陽電池は、2枚のガラス基板にそれぞれ形成された電極間に、光電変換材料と電解質材料とを用いて光電変換層を構成したものである。この光電変換材料は、光増感色素である金属錯体を金属酸化物半導体の表面に吸着させることで、可視光領域に吸収スペクトルをもつようになる。この湿式太陽電池において、光電変換層に光が照射されると電子が発生し、電子は外部電気回路を通って対極に移動する。対極に移動した電子は、電解質中のイオンによって運ばれ、光電変換層にもどる。このような電子の移動の繰り返しにより電気エネルギーが取り出される。
しかしながら、特許文献1に記載の色素増感型太陽電池の基本構造は、2枚のガラス基板の間に電解液を注入することで色素増感型太陽電池を作り込んだものである。従って、小面積の太陽電池の試作は可能であっても、1m角のような大面積の太陽電池への適用は困難となる。なぜならば、このような太陽電池について、一つの光電変換素子の面積を大きくすると、発生電流は面積に比例して増加する。しかし、電極部分に用いる透明導電膜の面内方向の電圧降下が増大し、ひいては太陽電池としての内部直列電気抵抗が増大する。その結果、光電変換時の電流電圧特性における曲線因子(フィルファクタ、FF)、さらには短絡電流が低下し、光電変換効率が低くなるという問題がある。
このような問題を解決するために、例えば特許文献2および3では、図11に示す構造の色素増感型太陽電池モジュールが提案されている。この太陽電池モジュールを作製するに際しては、まず短冊状にパターニングされた透明電極111、118を有する2枚のガラス基板100、117上に、多孔性半導体層112と触媒層114を交互に形成する。次いで、各基板上の多孔性半導体層112と触媒層114との間に絶縁性接着剤を塗布する。その後、それぞれの基板を多孔性半導体層112と触媒層114が相対するように向かい合わせた状態で重ね合わせ、絶縁性接着剤を硬化させて素子間絶縁層115を形成することにより、対向するガラス基板が貼り合わせられ、基板間に電解液を注入し、注入部を樹脂封止することにより、複数の光電変換素子が直列接続された色素増感型太陽電池モジュール(所謂W型モジュール)が作製されている。
また、特許文献4では、図12に示すように、隣り合う光電変換素子121a、121aの一方の導電層121と他方の導電層128を接続導電層129で電気的に導通させ、複数個の光電変換素子を直列接続した色素増感型太陽電池モジュール(所謂Z型モジュール)が提案されている。この太陽電池モジュールでは、接続導電層129の腐食および接続導電層129と電解質層123との電荷の導通を防止するために、電解質層123と接続導電層129を素子間絶縁層125、125で隔離している。なお、図12において、符号122は多孔性半導体層、124は触媒層を表している。
特許第2664194号公報 国際再公表特許WO2002/052654号パンフレット 特表2005−516364号公報 特開2001−357897号公報
上記特許文献2および3(図11)の方法では、上述のようにして2枚の基板100、117を貼り合せた場合、ガラスの反りなどで基板間距離(ギャップ)が異なるため、絶縁性接着剤の基板平面方向への広がり(絶縁性接着剤の潰れ)が場所によって異なる。この結果、広がりが大きい箇所では多孔性半導体層112や触媒層114の部分に絶縁性接着剤(素子間絶縁層115)が被さり、太陽電池の性能が低下することが分かった。また、非発電部となる素子間絶縁層の面積を小さくするために絶縁性接着剤の量を減らした場合、一方の基板に塗布した絶縁性接着剤よりも先に多孔性半導体112層が他方の基板に接触し、封止または素子間絶縁層115の形成ができないという問題があることが分かった。
さらに、W型モジュールの製造において、触媒層をペーストの塗布(印刷)および焼成にて形成する場合、焼成時に触媒材料が飛散して多孔性半導体層や導電層を汚染するため、性能が低下することが分かった。
また、図12に示すZ型モジュールの製造では、接続導電層129を一方の基板の導電層121上に形成し、2枚の基板を貼り合わせる際に、接続導電層129を他方の基板上の導電層128に物理的に接触させることで導通を得ている。この場合、ガラス基板の反りによって接続導電層129と導電層128が物理的に接触できない箇所が生じ、太陽電池の性能を低下させることが分った。
これら図11および図12の構造の太陽電池モジュールの上述の問題は今まで報告されておらず、本発明者らが行った実験によって初めて明らかとなった。
本発明は、上記の問題点を鑑みたものであり、変換効率および歩留まりを向上させた色素増感型太陽電池モジュールおよびその製造方法を提供する。
かくして、本発明によれば、少なくとも一方が透光性であり、かつそれぞれの対向面に並列して複数の導電層が形成された一対の導電性基板と、該一対の導電性基板間に複数個隣接しかつ電気的に直列接続して形成された光電変換素子と、隣接する前記光電変換素子の間に形成された絶縁層とを備え、前記光電変換素子は、色素を吸着させた多孔性半導体層、電解質層および触媒層を有し、前記絶縁層は、基板厚み方向に2層以上積層された積層構造である色素増感太陽電池モジュールが提供される。
また、本発明の別の観点によれば、少なくとも一方が透光性であり、かつそれぞれの表面に並列して複数の導電層が形成された一対の基板を用意し、一対の基板のうち一方または両方の基板の導電層上および基板表面上に、所定間隔で複数本の帯状の絶縁層を、基板厚み方向に2度以上に分けて形成する工程(A)と、前記複数の導電層上に、色素を吸着させた多孔性半導体層、電解質層および触媒層を有する光電変換素子を形成する工程(B)とを備え、前記工程(A)における最初の絶縁層形成工程が、前記工程(B)の前または後に行われる色素増感太陽電池モジュールの製造方法が提供される。
本発明の色素増感太陽電池モジュールおよびその製造方法によれば、隣接する光電変換素子間に、複数層からなる積層構造の絶縁層を有し、各絶縁層のうち少なくとも1つは基板間ギャップを制御する役割とされ、その他は基板貼り合わせ時の接着、固定の役割とされることができる。その結果、以下の効果を奏する。
(1)一対の基板を貼り合わせる際、絶縁性接着剤(第2絶縁層)の量を減らしてこの絶縁性接着剤の基板平面方向への広がりを小さく抑えることができ、その結果、多孔性半導体層と触媒層の間への絶縁性接着剤の侵入が抑制されて有効受光面面積が増加すると共に、電解液による多孔性半導体層と触媒層との間の電荷輸送阻害が低減されるため、太陽電池モジュールの性能が向上する。
(2)セル構成層の中でも比較的厚い多孔性半導体層の膜厚に対応して絶縁層(第1絶縁層)を厚く形成することができるため、基板貼り合わせ時に多孔性半導体層が他方の基板に接触してセル間および周囲に絶縁層が形成できないという問題が起こらない。
(3)さらに本発明の色素増感太陽電池モジュールの製造方法によれば、W型モジュールを製造方法する場合、触媒層の形成前に、素子間絶縁層を形成することにより、触媒層形成時に起こる触媒材料の飛散によって多孔性半導体層や導電層が汚染されることを抑制でき、W型モジュールの性能低下を回避することが可能となる。
本発明の実施形態1の色素増感型太陽電池モジュールを示す概略構成断面図である。 実施形態1および2の色素増感型太陽電池モジュールの製造過程を説明する第1の図である。 実施形態1および2の色素増感型太陽電池モジュールの製造過程を説明する第2の図である。 本発明の実施形態2の色素増感型太陽電池モジュールを示す概略構成断面図である。 本発明の実施形態3の色素増感型太陽電池モジュールを示す概略構成断面図である。 実施形態3の色素増感型太陽電池モジュールの製造過程を説明する第1の図である。 実施形態3の色素増感型太陽電池モジュールの製造過程を説明する第2の図である。 実施形態3の色素増感型太陽電池モジュールの製造過程を説明する第3の図である。 実施形態1の色素増感型太陽電池モジュールの製造過程で第2絶縁層が潰れた状態を示す説明図である。 実施形態2の色素増感型太陽電池モジュールの製造過程で第2絶縁層が潰れた状態を示す説明図である。 従来の色素増感型太陽電池モジュールを示す概略構成断面図である。 従来の他の色素増感型太陽電池モジュールを示す概略構成断面図である。
符号の説明
1a、1b、3a、3b 光電変換素子
10、17、30、37 基板
11、18、31、38 導電層
12、32 多孔性半導体層
13、33 電解質層
14、34 触媒層
16、36 絶縁層
16a、36a 第1絶縁層
16b、36b 第2絶縁層
39 接続導電層
39a 第1接続導電層
39b 第2接続導電層
本発明の色素増感太陽電池モジュールは、少なくとも一方が透光性であり、かつそれぞれの対向面に並列して複数の導電層が形成された一対の導電性基板と、該一対の導電性基板間に複数個隣接しかつ電気的に直列接続して形成された光電変換素子と、隣接する前記光電変換素子の間に形成された絶縁層とを備え、前記光電変換素子は、色素を吸着させた多孔性半導体層、電解質層および触媒層を有し、前記絶縁層は、基板厚み方向に2層以上積層された積層構造であることを特徴とする。
以下、本明細書において、「色素増感太陽電池モジュール」を単に「太陽電池モジュール」と称し、「色素を吸着させた多孔性半導体層」を単に「多孔性半導体層」と称する場合がある。また、本発明において、「光電変換素子」とは、色素を吸着させた多孔性半導体層、電解質層および触媒層を有する実質的に発電に寄与する発電層を意味する。
本発明において、「絶縁層が、基板の厚さ方向に2度以上に分けて形成されてなる」とは、絶縁層が2層以上の層構造をなしていることを意味する。この「層構造」は、図9および図10に示すように、太陽電池モジュール製造時の基板の貼り合わせによって、接着作用をなす第2絶縁層が潰れて第1絶縁層および第3絶縁層の周辺に付着した形態も含む。なお、図9は絶縁層が2層構造の場合を示し、図10は絶縁層が3層構造の場合を示している。ここで、前記2層構造の第1絶縁膜と、前記3層構造の第1および第3絶縁層は、製造工程において第2絶縁層よりも先に形成される絶縁膜であり、第1絶縁膜と第3絶縁層はそれぞれ別の基板上に形成されたものである。なお、第1および第3絶縁膜における「第1」と「第3」は形成する順序を意味するものではない。
本発明において、前記絶縁層が第1絶縁層と第2絶縁層からなる2層構造である場合、第1絶縁層が基板間ギャップを実質的に制御する役割を担い、第2絶縁層が一対の基板同士を実質的に接着する役割を担う上で、前記第1絶縁層の厚みが第2絶縁層の厚み以上であることが好ましく、光電変換素子の厚みより僅かに(例えば50μm以下で)薄い程度の厚みであることがより好ましい。ここで、上記「第1絶縁層が基板間ギャップを実質的に制御する」とは、導電層を有する一対の基板の対向面間距離が、第1絶縁層の膜厚によってほぼ決定されることを意味する。また、上記「第2絶縁層が一対の基板同士を実質的に接着する」とは、本発明の太陽電池モジュールの製造時に、第2絶縁層が第1絶縁層を介して最終的に一対の基板同士を貼り合わせることを意味する。
上述したように、第1絶縁層の厚みが光電変換素子の厚みより僅かに薄い程度の厚みとすることにより、第2絶縁層の厚みは薄くなるため、この太陽電池モジュールの製造時に使用する第2絶縁層材料は少量でも十分であり、一対の基板を貼り合わせた際の第2絶縁層材料の基板平面方向への広がり(潰れ)が小さくなる。その結果、製造された太陽電池モジュールにおける第2絶縁層は隣接する光電変換素子と重なる面積が小さいため、太陽電池モジュールは有効受光面面積が増加して光電変換効率が向上したものとなる。さらに、多孔性半導体層の膜厚が厚い場合でも、第1絶縁層の膜厚を厚く設定することで、第1および第2絶縁層が確実に一対の基板に接触し、隣接するセル同士の短絡を確実に防止することができる。
この場合、第1絶縁層と第2絶縁層を構成する材料は、同一であっても異なっていてもよい。同一の場合、第1絶縁層と第2絶縁層を構成する材料は共に例えば有機高分子化合物を含む材料からなり、異なる場合、第1絶縁層が無機材料からなり、第2絶縁層が有機高分子化合物を含む材料からなる一例を挙げることができる。なお、絶縁層の構成材料について詳しくは後述する。
本発明において、前記絶縁層が、第3絶縁層をさらに有する3層構造であってもよい。この場合、前記第3絶縁層と第1絶縁層との間に接着作用をなす第2絶縁層が配置され、第1絶縁層の膜厚と第3絶縁層の膜厚の合計は第2絶縁層の膜厚以上であることが好ましく、光電変換素子の厚みより僅かに(例えば50μm以下で)薄い程度の合計膜厚であることがより好ましい。このようにすれば、第1絶縁層および第3絶縁層が基板間ギャップを実質的に制御する役割を担い、第2絶縁層が一対の基板同士を実質的に接着する役割を担う上で好都合である。ここで、上記「第1絶縁層および第3絶縁層が基板間ギャップを実質的に制御する」とは、導電層を有する一対の基板の対向面間距離が、第1絶縁層および第3絶縁層の合計膜厚によってほぼ決定されることを意味する。また、上記「第2絶縁層が一対の基板同士を実質的に接着する」とは、本発明の太陽電池モジュールの製造時に、第2絶縁層が第1絶縁層および第3絶縁層を介して最終的に一対の基板同士を貼り合わせることを意味する。
上述したように、第1絶縁層の膜厚と第3絶縁層の合計膜厚が、光電変換素子の厚みより僅かに薄い程度の膜厚であることにより、第2絶縁層の厚みは薄くなるため、この太陽電池モジュールの製造時に使用する第2絶縁層材料は少量でも十分であり、一対の基板を貼り合わせた際の第2絶縁層材料の基板平面方向への広がりが小さくなる。その結果、製造された太陽電池モジュールにおける第2絶縁層は隣接する光電変換素子内(例えば電解質層)に入り込むことがなく、多孔性半導体層と触媒層との間の電荷輸送を阻害することがなく、かつ有効受光面面積が増加し、太陽電池モジュールは光電変換効率が向上したものとなる。
この場合も、第1〜3絶縁層の構成材料は同一でも異なってもよく、同一の場合は有機高分子化合物を含む材料からなり、異なる場合は、第1絶縁層および第3絶縁層が無機材料からなり、第2絶縁材料が有機高分子化合物を含む材料からなる一例を挙げることができる。
本発明において、光電変換素子を構成する多孔性半導体層および触媒層は電解質層を間に挟んで積層されるが、複数のセルが電気的に直列接続されていれば、受光面側からの各層の積層順は隣接するセル同士で同じ順でも逆の順でもよい。つまり、受光面側からの積層順は、一のセルでは多孔性半導体層、電解質層、触媒層の順であれば、隣接するセルではこれと同じ順または逆の順である。
ここまで説明した色素増感太陽電池モジュールは、隣接するセル同士の各層(多孔性半導体層、電解質層および触媒層)の積層順が逆の所謂W型モジュールに適用できる。この場合、一方の基板の導電層は、一のセルの多孔性半導体層と一方に隣接するセルの触媒層に接触し、他方の基板の導電層は、一のセルの触媒層と他方に隣接するセルの多孔性半導体層に接触することにより、複数のセルは電気的に直列接続されている。
一方、隣接するセル同士の各層(多孔性半導体層、電解質層および触媒層)の積層順が同じ場合は、前記絶縁層が、一の光電変換素子と隣接する他の光電変換素子にそれぞれ沿って一対配置され、前記一対の絶縁層の間に、前記一対の導電層と電気的に接続する接続導電層が形成された構造(所謂Z型モジュール)の色素増感太陽電池モジュールに本発明は適用できる。この場合、接続導電層は、1層または複数層とすることができ、一対の基板上の導電層との物理的電気的接触が良好となる観点から、複数層とすることが好ましい。
導電層が、第1接続導電層と第2接続導電層からなる2層構造である場合、前記第1接続導電層の厚みが第2接続導電層の厚み以上であることが好ましく、光電変換素子の厚みより僅かに(例えば50μm以下で)薄い程度の厚みであることがより好ましい。その理由は、第1接続導電層も第1絶縁層と共に基板間ギャップを実質的に制御する役割を担うためである。それによって、第2接続導電層は、一対の基板貼り合わせ時の広がりを抑制され、かつ第1接続導電層と共に一対の基板上の導電層と確実に接触して接触抵抗を低減することができる。
以下、本発明の色素増感太陽電池モジュールの各構成要素について説明する。
(基板)
基板としては、太陽電池モジュールの受光面側には透光性を有する材料からなる基板が用いられ、非受光面側に用いられる基板には透光性の有無は限定されない。
透光性基板としては、一般的には、ソーダ石灰フロートガラス、石英ガラスなどからなるガラス基板や、テトラアセチルセルロース(TAC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリフェニレンスルファイド(PPS)、ポリカーボネート(PC)、ポリアリレート(PA)、ポリエーテルイミド(PEI)、フェノキシ樹脂等からなる透明ポリマーシートを用いることができる。透明ポリマーシートはコスト面、フレキシブル面で有利である。これらの透光性基板を用いる場合、その表面に形成される導電層も透明である必要がある。
非受光面側に用いられる基板としては、上記透光性基板や金属板等が挙げられる。金属板を用いる場合、金属材料と電解質の組み合わせによっては腐食が起こることがあるため、少なくとも電解質層と接触する金属板表面を耐腐食性の金属酸化膜でコーティングすることが好ましい。
(導電層)
導電層としては、太陽電池モジュールの受光面側には透光性を有する材料からなる導電層が用いられ、非受光面側に用いられる導電層には透光性の有無は限定されない。
透光性導電層の材料としては、インジウム錫複合酸化物(ITO)、酸化錫(SnO2)、酸化錫にフッ素をドープしたもの(F−doped SnO2、FTO)、酸化亜鉛(ZnO)などが挙げられる。
非受光面側に用いられる導電層としては、上記透光性導電層や金属膜といった不透明材料等が挙げられる。不透明材料を用いる場合は、薄膜化を省略することができ、電解質層にヨウ素が含まれる場合は耐ヨウ素性を有することが好ましい。
導電層は、基板の上に、スパッタ法、スプレー法などの常法によって形成することができる。導電層の膜厚は0.02〜5μm程度が好ましい。導電層の膜抵抗は低いほど良く、40Ω/sq以下であることが好ましい。特に酸化錫にフッ素をドープした導電層をソーダ石灰フロートガラスに積層した透光性導電基板は好適である。
透光性導電層の抵抗を下げるために金属リード線を加えてもよい。金属リード線の材質としては、白金、金、銀、銅、アルミニウム、ニッケル、チタン等が好ましい。金属リード線は基板上にスパッタ法、蒸着法等で形成し、その上に酸化錫、ITO等の透光性導電層を形成することができる。また、酸化錫、ITO等の透光性導電層を形成した後、金属リード線をスパッタ法、蒸着法等で形成してもよい。ただし、金属リード線を設けることにより、入射光量の低下を招くので、金属リード線の太さは0.1mmから数mmが好ましい。
(多孔性半導体層)
多孔性半導体層は、表面および内部に多数の微細な空隙を有する粒子状、膜状等の種々の形態のものを用いることができ、膜状の形態が好ましい。
多孔性半導体層に用いられる半導体としては、一般に光電変換材料に使用されるものであればどのようなものでも使用することができ、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化鉄、酸化ニオブ、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、酸化タングステン、酸化シリコン、酸化アルミニウム、酸化ニッケル、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、硫化カドミウム、硫化鉛、硫化亜鉛、リン化インジウム、銅−インジウム硫化物(CuInS2)、CuAlO2、SrCu22等の単独、化合物又は組み合わせが挙げられる。その中でも、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化錫、酸化ニオブが好ましく、安定性及び安全性の点から、酸化チタンが好ましい。
本発明において、酸化チタンは、アナタース型酸化チタン、ルチル型酸化チタン、無定形酸化チタン、メタチタン酸、オルソチタン酸などの各種の狭義の酸化チタン及び水酸化チタン、含水酸化チタン等を包含する。アナターゼ型とルチル型の2種類の結晶は、その製法や熱履歴によりいずれの形もとりうるが、アナターゼ型が一般的である。特に本発明の有機色素の増感に関しては、アナターゼ型の含有率の高いものが好ましく、その割合は80%以上が好ましい。なお、アナターゼ型はルチル型より光吸収の長波端波長が短く、紫外光による光電変換の低下を起こす度合いが小さい。
本発明における多孔性半導体層を形成するための半導体は、上記の半導体から1種または2種以上を選択して用いることができる。
これらの半導体は、単結晶、多結晶のいずれでもよいが、安定性、結晶成長の困難さ、製造コスト等の観点から、多結晶の方がより好ましい。特に微粉末(ナノからマイクロスケール)の多結晶半導体が好ましい。また、2種類以上の粒子サイズの異なる粒子を混合して用いてもよい。この場合、各粒子の材料は同一でも異なっていてもよい。異なる粒子サイズの平均粒径の比率は10倍以上の差がある方が良く、粒径の大きいもの(100〜500nm)は、入射光を散乱させ光捕捉率をあげる目的で、粒径の小さいもの(5nm〜50nm)は、吸着点をより多くし色素吸着を良くする目的で混合して用いてもよい。特に、異なる半導体を併用する場合、吸着作用の強い半導体の方を小粒径にした方が色素吸着に効果的である。
最も好ましい半導体微粒子の形態である酸化チタンの作製については、各種文献等に記載されている方法に準じて行うことが出来る。またDegussa社が開発した塩化物を高温加水分解により、得る方法を用いても良い。
多孔性半導体層の形成は、例えば、透明導電膜上に半導体粒子を含有する懸濁液を塗布し、乾燥および/または焼成する方法が挙げられる。
上記の方法は、まず、半導体微粒子を適当な溶媒に懸濁する。そのような溶媒としては、エチレングリコールモノメチルエーテル等のグライム系溶媒、イソプロピルアルコール等のアルコール類、イソプロピルアルコール/トルエン等のアルコール系混合溶媒、水等が挙げられる。また、これらの懸濁液の代わりに市販の酸化チタンペースト(Ti−nanoxide、D、T/SP、D/SP、Solaronix社製)を用いてもよい。半導体層形成のための半導体微粒子懸濁液の基板への塗布は、ドクターブレード法、スキージ法、スピンコート法、スクリーン印刷法などの公知の方法が挙げられる。その後、塗布液を乾燥および/または焼成する。乾燥及び焼成に必要な温度、時間、雰囲気等は、使用される基板及び半導体粒子の種類に応じて、適宜調整することができ、例えば、大気下又は不活性ガス雰囲気下、50〜800℃程度の範囲で10秒〜12時間程度が挙げられる。乾燥および/または焼成は、単一の温度で1回のみ行ってもよいし、温度を変化させて2回以上行ってもよい。多孔性半導体層が複数層からなる場合には、平均粒径の異なる半導体微粒子懸濁液を準備し、塗布、乾燥および/または焼成の工程を2回以上行ってもよい。
多孔性半導体層の各層の厚みは、特に限定されるものではなく、例えば、0.1〜100μm程度が挙げられる。また、別の観点から、半導体層の比表面積が大きいものが好ましく、例えば、10〜500m2/g程度、好ましくは10〜200m2/g程度が挙げられる。なお、本発明において、比表面積はBET吸着法により測定した値である。
導電層を有する導電性基板上に多孔性半導体層を形成した後、半導体微粒子同士の電気的接続の向上、多孔性半導体層の表面積の向上、半導体微粒子上の欠陥準位の低減を目的として、例えば、多孔性半導体層が酸化チタン膜の場合、四塩化チタン水溶液で半導体層を処理してもよい。
(増感色素)
増感色素は、光電極である多孔性半導体層に吸着される。本発明において、増感色素としては、可視光領域および/または赤外光領域に吸収を持つ種々の有機色素、金属錯体色素などが用いられる。有機色素としては、例えば、アゾ系色素、キノン系色素、キノンイミン系色素、キナクリドン系色素、スクアリリウム系色素、シアニン系色素、メロシアニン系色素、トリフェニルメタン系色素、キサンテン系色素、ポルフィリン系色素、ペリレン系色素、インジゴ系色素、ナフタロシアニン系色素などが代表的に挙げられる。有機色素は、一般的に吸光係数が、遷移金属に分子が配位結合した形態をとる金属錯体色素に比べて大きい。
前記有機色素に加え、金属錯体色素を用いることもできる。金属錯体色素としては、Cu、Ni、Fe、Co、V、Sn、Si、Ti、Ge、Cr、Zn、Ru、Mg、Al、Pb、Mn、In、Mo、Y、Zr、Nb、Sb、La、W、Pt、Ta、Ir、Pd、Os、Ga、Tb、Eu、Rb、Bi、Se、As、Sc、Ag、Cd、Hf、Re、Au、Ac、Tc、Te、Rhなどの金属を含むフタロシアニン系色素、ルテニウム系色素などが好ましく用いられる。
前記金属錯体色素の中でも、ルテニウム系金属錯体色素がより好ましい。例えば、式(1)に示すRuthenium535色素(Solaronix社製)、式(2)に示すRuthenium535−bisTBA色素(化合物3、Solaronix社製)、式(3)に示すRuthenium620−1H3TBA色素(化合物4、Solaronix社製)などを用いることができる。
Figure 0005140588
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本発明においては、色素を多孔性半導体層に強固に吸着させるために、色素分子中にカルボキシル基、アルコキシ基、ヒドロキシル基、スルホン酸基、エステル基、メルカプト基、ホスホニル基などのインターロック基を有することが好ましい。一般的に、色素は、前記インターロック基を介して半導体に固定され、励起状態の色素と半導体の伝導帯との間の電子の移動を容易にする電気的結合を提供する働きも持つ。
増感色素を多孔性半導体層に吸着させるに際しては、導電性基板上に多孔性半導体層を形成した積層体を色素溶液に浸漬する方法を用いることができる。色素溶液の溶媒としては、使用する光増感色素を溶解するものであればよく、具体的には、アルコール、トルエン、アセトニトリル、THF、クロロホルム、ジメチルホルムアミド等の有機溶媒を用いることができる。前記溶媒は精製されたものを用いることが好ましい。色素の溶媒への溶解性を向上させるために、溶媒温度を上げるか、2種類以上の異なる溶媒を混合してもよい。溶媒中の色素濃度は、使用する色素、溶媒の種類、色素吸着工程などの条件に応じて調整することができる。色素溶液中の色素の濃度は、使用する色素および溶媒の種類により適宜調整することができるが、吸着機能を向上させるためにはできるだけ高濃度であることが好ましく、例えば1×10-5モル/リットル以上が好ましい。
(触媒層)
触媒層の材料は、後述する電解質層の酸化還元反応を活性化させるものであればよく、例えば白金、塩化白金酸、カーボン(カーボンブラック、ケッチェンブラック、カーボンナノチューブ、フラーレン等)が挙げられる。触媒層は、スパッタ、塩化白金酸の熱分解、触媒材料を含むゾル液を塗布し、その後、乾燥および焼成の少なくとも一方を行う方法、電着などの方法によって形成することができる。
(電解質層:酸化還元種)
本発明における電解質層に用いられる酸化還元性電解質としては、一般に電池や太陽電池等に使用することができるものであれば特に限定されず、例えば、I-/I3 -系、Br2 -/Br3 -系、Fe2 +/Fe3 +系、キノン/ハイドロキノン系等の酸化還元種を含有する電解液を用いることができる。具体的には、ヨウ化リチウム(LiI)、ヨウ化ナトリウム(NaI)、ヨウ化カリウム(KI)、ヨウ化カルシウム(CaI2)などの金属ヨウ化物とヨウ素(I2)の組み合わせ、テトラエチルアンモニウムアイオダイド(TEAI)、テトラプロピルアンモニウムアイオダイド(TPAI)、テトラブチルアンモニウムアイオダイド(TBAI)、テトラヘキシルアンモニウムアイオダイド(THAI)などのテトラアルキルアンモニウム塩とヨウ素の組み合わせ、および臭化リチウム(LiBr)、臭化ナトリウム(NaBr)、臭化カリウム(KBr)、臭化カルシウム(CaBr2)などの金属臭化物と臭素の組み合わせが好ましく、これらの中でも、LiIとI2の組み合わせが特に好ましい。
また、液体電解質層の溶剤としては、プロピレンカーボネートなどのカーボネート化合物、アセトニトリルなどのニトリル化合物、エタノールなどのアルコール類、その他、水や非プロトン極性物質などが挙げられるが、これらの中でも、カーボネート化合物やニトリル化合物が特に好ましい。これらの溶剤は2種類以上を混合して用いることもできる。また、液体電解質層中に、添加剤として、t-ブチルピリジン(TBP)などの含窒素芳香族化合物、あるいはジメチルプロピルイミダゾールアイオダイド(DMPII)、メチルプロピルイミダゾールアイオダイド(MPII)、エチルメチルイミダゾールアイオダイド(EMII)、エチルイミダゾールアイオダイド(EII)、ヘキシルメチルイミダゾールアイオダイド(HMII)などのイミダゾール塩を添加しても良い。液体電解質層中の電解質濃度は、0.001〜1.5モル/リットルの範囲が好ましく、0.01〜0.7モル/リットルの範囲が特に好ましい。
(第1絶縁層および第3絶縁層)
第1および第3絶縁層の材料は、無機材料を含むことが好ましい。無機材料としては、酸化ジルコニウム、酸化ケイ素、酸化アルミニウム等の微粒子が好ましく、それらを単独又は組み合わせて用いることができ、これらの中でも、色素が吸着しにくい酸化ケイ素を含むものが特に好ましい。これらの無機微粒子の平均粒径としては、10〜500μm、好ましくは20〜300μm、より好ましくは20〜100μmである。
第1および第3絶縁層は、基板表面および導電層上に、例えば、上記無機材料の微粒子を含有する懸濁液を塗布し、乾燥および/または焼成することにより形成することができる。具体的に説明すると、まず、無機微粒子を適当な溶媒に懸濁して懸濁液を作製する。そのような溶媒としては、エチレングリコールモノメチルエーテル等のグライム系溶媒、イソプロピルアルコール等のアルコール類、イソプロピルアルコール/トルエン等のアルコール系混合溶媒、水等が挙げられる。また、これらの懸濁液の代わりに市販の無機材料ペーストを用いてもよい。無機微粒子を含む懸濁液を基板へ塗布する方法としては、ドクターブレード法、スキージ法、スピンコート法、スクリーン印刷法など公知の方法が挙げられる。塗布液を乾燥および/または焼成するのに必要な温度、時間、雰囲気等は、使用される基板や半導体等の材料に応じて適宜調整することができる。
また、第1および第3絶縁層は、後述する第2絶縁層と同じ材料および方法によって形成されてもよい。
W型モジュールの製造において、触媒層が、触媒材料のゾル液を塗布し、その後、乾燥および焼成の少なくとも一方を行うことによって形成される場合、絶縁層を形成した後に触媒層を形成することが好ましい。触媒層よりも先に絶縁層を形成しておくことで、触媒材料の周囲への飛散を物理的に抑止することができ、その結果、触媒材料による多孔性半導体層および導電層の汚染を防止することができる。絶縁層の膜厚は、触媒材料の飛散防止の観点より1μm〜50μmであることが好ましく、5μm〜30μmであることがより好ましい。なお、ここで言う「絶縁層」とは、前記第2絶縁層よりも先に形成する第1絶縁層および第3絶縁層を意味する。
さらに、本発明において、製造工程の容易性、製造された太陽電池モジュールの特性向上の観点からも、多孔性半導体層、触媒層および電解質層を形成する前に導電性基板上に絶縁層(第1および第3絶縁層)を形成することが好ましい。それは、絶縁層よりも多孔性半導体層を先に基板上に形成すると、多孔性半導体層が物理的障害となって絶縁層を形成することが困難となるからである。
(第2絶縁層)
第2絶縁層の材料としては、弾力性を有する材料が好ましく、有機高分子からなる樹脂が好ましい。該樹脂としては、感光性樹脂、熱硬化性樹脂などが挙げられる。
本発明において、感光性樹脂は、樹脂自体が光エネルギーを吸収して硬化する感光性高分子、樹脂中の感光性化合物(増感剤)が光エネルギーを吸収することにより樹脂が硬化する感光性化合物含有高分子を、樹脂中の光重合性モノマーが光エネルギーを吸収することによりモノマーが樹脂化すると共に樹脂が硬化する光重合性モノマー含有高分子を含む。感光性樹脂としては、特に限定されるものではなく、例えば市販の紫外線硬化性樹脂(例えば31X−101:スリーボンド社製)を用いることができる。
また、熱硬化性樹脂としては、特に限定されず、例えばエポキシ樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂などが挙げられ、色素を劣化させない観点から、硬化温度が200℃以下、より好ましくは150℃以下の熱硬化性樹脂(例えば2212B:スリーボンド社製)を用いることができる。
これらの樹脂は、第1絶縁層上あるいは導電膜上と基板上に塗布され、一対の基板を貼り合せた後に、紫外線照射あるいは熱を加えることにより硬化して、2枚の基板を接続し固定する。
(第1接続導電層)
第1接続導電層の材料としては、比抵抗が小さい金属や炭素材料、導電性酸化物が好ましく、具体的には、白金、金、銀、銅、アルミニウム、ニッケル、チタン、グラファイト、カーボンナノチューブ、フラーレン、インジウム錫複合酸化物(ITO)、酸化錫(SnO2)、酸化錫にフッ素をドープしたもの(F−doped SnO2、FTO)、酸化亜鉛(ZnO)などが好ましい。
第1導電層を形成する方法としては、白金、金、銀、銅、アルミニウム、ニッケル、チタンなどの微粒子を含有する懸濁液を導電性基板上に塗布し、乾燥および/または焼成することにより形成することができる。具体的には、まず、上記微粒子(例えば20〜500μm)を適当な溶媒に懸濁して懸濁液を作製する。そのような溶媒としては、エチレングリコールモノメチルエーテル等のグライム系溶媒、イソプロピルアルコール等のアルコール類、イソプロピルアルコール/トルエン等のアルコール系混合溶媒、水等が挙げられる。また、これらの懸濁液の代わりに市販の導電材料ペーストを用いても良い。導電性基板上への懸濁液の塗布方法は、ドクターブレード法、スキージ法、スピンコート法、スクリーン印刷法など公知の方法が挙げられる。その後、塗布液を乾燥および/または焼成する。乾燥および/または焼成に必要な温度、時間、雰囲気等は、使用される基板および多孔性半導体層の材料に応じて、適宜調整することができる。
(第2接続導電層)
第2接続導電層は、比抵抗が小さい金属や炭素材料が好ましく、具体的には、白金、金、銀、銅、アルミニウム、ニッケル、チタン、グラファイト、カーボンナノチューブ、フラーレンなどからなることが好ましい。具体的には、第2接続導電層を形成する材料としては、上記金属や炭素材料の微粒子を含む導電性ペーストを用いることができる。多孔性半導体への色素吸着後に、一対の基板を貼り合わせる場合には、色素を劣化させない観点から、硬化温度が200℃以下、より好ましくは150℃以下の導電性ペーストの使用が好ましい。例えば、フジクラ化成社製の導電性ペースト、アサヒ科学研究所製のポリマー型導電ペーストなどの市販品を用いることができる。
上記構成の本発明の色素増感太陽電池モジュールは、少なくとも一方が透光性であり、かつそれぞれの表面に並列して複数の導電層が形成された一対の基板を用意し、一対の基板のうち一方または両方の基板の導電層上および基板表面上に、所定間隔で複数本の帯状の絶縁層を、基板厚み方向に2度以上に分けて形成する工程(A)と、前記複数の導電層上に、色素を吸着させた多孔性半導体層、電解質層および触媒層を有する光電変換素子を形成する工程(B)とを備え、前記工程(A)における最初の絶縁層形成工程が、前記工程(B)の前または後に行われることを特徴とする色素増感太陽電池モジュールの製造方法により製造することができる。
以下、図面を参照しながら、本発明を実施形態および実施例によりさらに具体的に説明するが、これらによって本発明は限定されるものではない。
(実施形態1)
図1は本発明の実施形態1の色素増感太陽電池モジュール(W型モジュール)の概略構成を示す断面図である。この太陽電池モジュールは、表面に並列した複数の導電層11、18を有する一対の基板10、17間に、第1光電変換素子1aと第2光電変換素子1bが交互に電気的に直列接続して配置されている。本実施形態では、図1における下側の基板を受光面側としており、少なくとも下の基板10および導電層11は透光性を有している。
第1光電変換素子1aは、下の基板10から多孔性半導体層12、電解質層13および触媒層14が順次積層されてなり、第2光電変換素子1bは、下の基板10から触媒層14、電解質層13および多孔性半導体層12が順次積層されてなる。
下の導電層11は、第1光電変換素子1aの多孔性半導体層12と第1光電変換素子1aの一方に隣接する第2光電変換素子1bの触媒層14に接続されるよう複数に分割され、上の導電層18は、第1光電変換素子1aの触媒層14と第1光電変換素子1aの他方に隣接する第2光電変換素子1bの多孔性半導体層12に接続されるように複数に分割されている。
この太陽電池モジュールにおいて、第1光電変換素子1aと第2光電変換素子1bの間には、第1絶縁層16aと第2絶縁層16bとが積層されてなる絶縁層16が形成されている。第1絶縁層16aは、透光性導電層11の上と、隣接する2つの透光性導電層11の間の基板10上に配置され、第2絶縁層16bは、隣接する2つの透光性導電層11の間の基板17上と、透光性導電層11の上に配置されている。これらの絶縁層16によって各光電変換素子間は遮断され、一の光電変換素子の電解質層13中の電解質が隣接する他の光電変換素子へ侵入することが防止されている。また、一対の基板10、17間の太陽電池モジュール外周は、絶縁層16および図示しない樹脂封止部によって封止され、電解質の外部漏洩が防止されている。
この太陽電池モジュールにおいて、導電層11、18の厚みは0.1〜1μmであり、多孔性半導体層12の厚みは1〜50μmであり、触媒層14の厚みは5nm〜1μmであるが、触媒材料はクラスター状に導電層に付着していても良い。また、絶縁層16の厚みは1〜50μmであって下または上の導電層から上または下の基板までの距離に等しく、第1絶縁層16aの厚みは1〜50μmであり、第2絶縁層16bの厚みは50μm未満である。
図1に示す太陽電池モジュールは、以下のようにして製造することができる。
前記工程(B)の前に、前記工程(A)の最初の絶縁層形成工程において、一対の基板10、17のうち一方の基板10の導電層11上および基板表面上に複数本の絶縁層(第1絶縁層16a)を形成し、その後、工程(B)において、一対の基板の各導電層11、18上における前記絶縁層16a間に多孔性半導体層12および触媒層14を形成する工程(1)と、前記多孔性半導体層12に色素を吸着させる工程(2)と、前記絶縁層16a上に未硬化樹脂材料を塗布する工程(3)と、一対の基板の多孔性半導体層12と触媒層14とが対面するようにして各基板10、17を重ね合わせた後、前記未硬化樹脂材料を硬化させて第2絶縁層16bを形成する工程(4)と、一対の基板10、17の間に電解液を注入して多孔性半導体層12と触媒層14の間に電解質層13を形成する工程(5)とを行う。
具体的に説明すると、図2に示すように、まず、複数に分割された導電層11、18を表面に有する基板10、17を一対用意し、受光面側の基板10の導電層11上および基板10表面上に複数本の絶縁層を形成する(工程A)。この場合の絶縁層とは、第1絶縁層16aである。第1絶縁層16aは上述の方法により形成することができる。なお、図2において、符号21は導電層11、18を複数に分割するスクライブラインを表している。
第1絶縁層16aの厚みは、形成しようとするセル1a、1bの厚み(この場合1〜50μm)よりも僅かに薄くなる厚み(この場合50μm未満)に形成される。このようにすることにより、第1絶縁層16aが、基板貼り合わせ時の実質的なギャップを小さくする役割を果たし、貼り合わせ時に塗布する第2絶縁層材料である未硬化樹脂材料を少なくすることが可能になる。このことで、貼り合わせ時の未硬化樹脂材料の基板平面方向への広がり(絶縁性接着剤の潰れ)が小さくなり、後工程で形成する多孔性半導体層や触媒層の部分に未硬化樹脂材料が被さる率を低くし、太陽電池モジュールの性能を高くすることができる。また、多孔性半導体層の膜厚が大きい場合にも、第1絶縁層16aの膜厚を制御すれば、少量の未硬化樹脂材料で基板を貼り合わせることが可能となり、一方の基板に塗布した未硬化樹脂材料(絶縁性接着剤)が他方の基板に接触しない問題も解消できる。
また、第1絶縁層16aの材料は、後工程で多孔性半導体のペースト材料を導電層上に例えばスキージを用いて塗布する際の印圧で大幅に破壊されないよう、形成後に硬度をもつものが好ましく、硬度をもつ材料を用いれば、基板間距離(ギャップ)を安定に保つことができる。該材料としては、上述のように無機材料、例えば酸化ケイ素を含むガラスフリットなどが好ましい。また、第1絶縁層16aの材料は、有機高分子化合物などでも、紫外線照射や熱硬化を行った後に硬度を有するものであれば良い。
次に、上述の工程(B)において、以下の工程(1)〜(5)を行なう。
工程(1):図3(a)に示すように、受光面側の基板10の導電層11上における第1絶縁層16a間に多孔性半導体層12および触媒層14を交互に形成すると共に、図3(b)に示すように、非受光面側の基板17の導電層18上における絶縁層形成領域間に触媒層14および多孔性半導体層12を交互に形成する。多孔性半導体層12および触媒層14は上述の方法により形成することができる。
多孔性半導体層12のペースト材料を塗布する方法は、ディスペンサーによる塗布、スクリーン印刷による塗布が好ましいが、スクリーン印刷による塗布が最も好ましい。スクリーン印刷では、スキージの印圧により、第1絶縁層16aが存在する場合でもペーストが基板に一定の力で押し付けられるため、基板と多孔性絶縁層との密着性が、他の方法と比べて向上する。
工程(2):基板10、17上に多孔性半導体層12および触媒層14が形成された積層体を、上述のように色素溶液に浸漬して、各多孔性半導体層12に色素を吸着させる。その後、各積層体を色素溶液から引き上げて乾燥させる。
工程(3):基板10の第1絶縁層16a上に、未硬化樹脂材料を塗布する。この場合の未硬化樹脂材料とは、第2絶縁層16bを形成する材料である。未硬化樹脂材料は、熱硬化性樹脂である場合、多孔性半導体層に吸着した色素へのダメージを軽減するために、200℃以下、さらには150℃以下の硬化温度を持つ樹脂であることが好ましい。
工程(4):基板10の多孔性半導体層12と基板17の触媒層14とが対面するようにして各基板を重ね合わせ、その後、前記未硬化樹脂材料を硬化させて第2絶縁層16bを形成し、一対の基板10、17を接着し固定する。このとき、未硬化樹脂材料が、感光性樹脂である場合は透光性を有する基板側から光(例えば紫外線)を照射することにより硬化させ、熱硬化性樹脂である場合は色素が劣化しない温度で加熱して硬化させる。
工程(5):一対の基板10、17の間に電解液を注入して、各光電変換素子1a、1bの多孔性半導体層12と触媒層14の間に電解質層13を形成する。このとき、基板10、17間には図示しない間隙部が形成されており、この間隙部からキャピラリー効果により電解液を注入することができる。その後、間隙部を樹脂にて封止する。
(実施形態2)
図4は本発明の実施形態2の色素増感太陽電池モジュール(W型モジュール)の概略構成を示す断面図である。なお、図4において、図1で示した実施形態1同様の構成要素には同一の符号を付している。
この実施形態2の太陽電池モジュールは、実施形態1における絶縁層が3層構造であること以外は、実施形態1と同様の構造である。以下、実施形態2の実施形態1とは異なる点を主に説明する。
実施形態2では、絶縁層26が、第1絶縁層26aと第2絶縁層26bと第3絶縁層26cとが積層されてなる。第1絶縁層26aは受光面側の導電層11上および基板10上に形成され、第3絶縁層26cは非受光面側の導電層18上および基板17上に形成され、第2絶縁層26bは第1絶縁層26aと第3絶縁層26cの間に形成されている。
この太陽電池モジュールにおいて、絶縁層26以外の各層の厚みは、実施形態1と同じ厚み範囲に設定することができる。一方、第1および第3絶縁層26a、26cの厚みは
1〜50μmであり、第2絶縁層26bの厚みは50μm未満である。
図4に示す太陽電池モジュールは、以下のようにして製造することができる。
前記工程(B)の前に、前記工程(A)の最初の絶縁層形成工程において、一対の基板10、17のうち両方の基板10、17の導電層11、18上および基板表面上に複数本の絶縁層(第1および第3絶縁層26a、26c)を形成し、その後、工程(B)において、一対の基板10、17の各導電層11、18上における前記絶縁層間に多孔性半導体層12および触媒層14を形成する工程(1)と、前記多孔性半導体層12に色素を吸着させる工程(2)と、前記絶縁層上に未硬化樹脂材料を塗布する工程(3)と、一対の基板10、17の多孔性半導体層12と触媒層14とが対面するようにして各基板10、17を重ね合わせた後、前記未硬化樹脂材料を硬化させて第2絶縁層26bを形成する工程(4)と、一対の基板10、17の間に電解液を注入して多孔性半導体層12と触媒層14の間に電解質層13を形成する工程(5)とを行う。
具体的に説明すると、上述の工程(A)において、図2(a)での説明と同様に、一方の基板10の導電層11上および基板10表面上に複数本の第1絶縁層26aを形成すると共に、他方の基板17の導電層18上および基板17表面上に複数本の第3絶縁層26cを形成する。第1および第3絶縁層26a、26cは上述の方法により形成することができる。
第1絶縁層26aの厚みと第3絶縁層26cの厚みの合計厚みは、形成しようとする光電変換素子1a、1bの厚み(この場合1〜50μm)よりも僅かに薄くなる厚み(この場合50μm未満)に形成される。
次に、上述の工程(B)において、以下の工程(1)〜(5)を行なう。
工程(1):図3(a)での説明と同様に、受光面側の基板10の導電層11上における第1絶縁層26a間に多孔性半導体層12および触媒層14を交互に形成すると共に、非受光面側の基板17の導電層18上における第3絶縁層26c間に触媒層14および多孔性半導体層12を交互に形成する。多孔性半導体層12および触媒層14は上述の方法により形成することができる。
工程(2):基板10、17上に多孔性半導体層12および触媒層14が形成された積層体を、上述のように色素溶液に浸漬して、各多孔性半導体層12に色素を吸着させる。その後、各積層体を色素溶液から引き上げて乾燥させる。
工程(3):基板10の第1絶縁層26a上または基板17の第3絶縁層26c上に、未硬化樹脂材料を塗布する。この場合の未硬化樹脂材料とは、第2絶縁層26bを形成する材料である。なお、未硬化樹脂材料は、第1絶縁層26a上と第3絶縁層26c上との両方に、一方のみ塗布する場合の塗布量の半分程度でそれぞれ塗布してもよい。
工程(4):基板10の多孔性半導体層12と基板17の触媒層14とが対面するようにして各基板を重ね合わせ、その後、前記未硬化樹脂材料を硬化させて第2絶縁層26bを形成し、一対の基板10、17を接着し固定する。このとき、未硬化樹脂材料が、感光性樹脂である場合は透光性を有する基板側から光(例えば紫外線)を照射することにより硬化させ、熱硬化性樹脂である場合は色素が劣化しない温度で加熱して硬化させる。
工程(5):一対の基板10、17の間に電解液を注入して、各光電変換素子1a、1bの多孔性半導体層12と触媒層14の間に電解質層13を形成する。このとき、基板10、17間には図示しない間隙部が形成されており、この間隙部からキャピラリー効果により電解液を注入することができる。その後、間隙部を樹脂にて封止する。
(実施形態3)
図5は本発明の実施形態3の色素増感太陽電池モジュールの概略構成を示す断面図である。この太陽電池モジュールは、表面に複数の導電層31、38を有する一対の基板30、37間に、同一構成の複数の光電変換素子3aが電気的に直列接続して配置されている。本実施形態では、図5における下側の基板を受光面側としており、少なくとも下の基板30および導電層31は透光性を有している。光電変換素子3aは、下の基板30から多孔性半導体層32、電解質層33および触媒層34が順次積層されてなり、上下の導電層31、38は、各光電変換素子3aにおける多孔性半導体層32と触媒層34にのみそれぞれ接続されるよう複数に分割されている。なお、図6(a)は基板30の表面に並列して形成された複数の導電層31を示し、図6(b)は基板37の表面に並列して形成された複数の導電層38を示しており、符号21は導電層31、38を複数に分割するスクライブラインを表している。
この太陽電池モジュールにおいて、隣接する光電変換素子3a同士の間には、一方の光電変換素子3aと他方の光電変換素子3aに沿って配置された一対の絶縁層36、36と、一対の絶縁層36、36の間に配置された接続導電層39とが形成されている。
各絶縁層36は、実施形態1と同様の第1絶縁層36aと第2絶縁層36bとからなり、接続導電層39は、第1接続導電層39aと第2接続導電層39bとが積層されてなる。
図5において、接続導電層39を挟んで右側の絶縁層36は、その第1絶縁層36aが、下の導電層31上に多孔性半導体層32と接した状態で形成され、第2絶縁層36bが上の隣接する導電層38、38の間に基板37と接した状態で形成されている。一方、接続導電層39を挟んで左側の絶縁層36は、その第1絶縁層36aが、下の隣接する導電層31、31の間の基板30上に形成され、第2絶縁層36bが、上の導電層38と接した状態で形成されている。
また、第1接続導電層39aは下の導電層31と接触しており、第2接続導電層39bは上の導電層38と接触している。この場合、第1接続導電層39aおよび第2接続導電層39bの構成材料は上述のものが好ましい。
これらの絶縁層36によって各光電変換素子間は遮断され、一の光電変換素子の電解質層33中の電解質が隣接する他の光電変換素子へ侵入することが防止されている。また、一対の基板30、37間の太陽電池モジュール外周は、絶縁層36および図示しない樹脂封止部によって封止され、電解質の外部漏洩が防止されている。
また、接続導電層39によって、受光面側から多孔性半導体層32、電解質層33および触媒層34の順でそれぞれ積層された複数個の光電変換素子3aを電気的に接続することができる。
この太陽電池モジュールにおいて、導電層31、38の厚みは0.1〜1μmであり、多孔性半導体層32の厚みは1〜50μmであり、触媒層34の厚みは5nm〜1μmである。また、絶縁層36の厚みは1〜50μmであって下または上の導電層から上または下の基板までの距離に等しく、第1絶縁層36aの厚みは1〜50μmであり、第2絶縁層36bの厚みは50μm未満である。また、接続導電層39の厚みは1〜50μmであって下の導電層から上の導電層までの距離に等しく、第1接続導電層39aの厚みは1〜50μmであり、第2接続導電層39bの厚みは50μm未満である。
図5に示す太陽電池モジュールは、以下のようにして製造することができる。
前記工程(A)が、一方の基板30の導電層31上に、帯状の接続導電層(第1接続導電層39a)を形成する工程をさらに有し、前記工程(B)の前または後に、前記工程(A)において、前記接続導電層を形成した後に、各接続導電層の両側面に隣接して導電層31上および基板表面上に絶縁層(第1絶縁層36a)を形成し、前記工程(B)が、一対の基板30、37の各導電層31、38上に多孔性半導体層32および触媒層34を形成する工程(1)と、前記多孔性半導体層32に色素を吸着させる工程(2)と、前記絶縁層上に未硬化樹脂材料を塗布する工程(3)と、一対の基板30、37の多孔性半導体層32と触媒層34とが対面するようにして各基板を重ね合わせた後、前記未硬化樹脂材料を硬化させて第2絶縁層36bを形成する工程(4)と、一対の基板30、37の間に電解液を注入して多孔性半導体層32と触媒層34の間に電解質層33を形成する工程(5)とを備え、さらに、前記工程(3)の直前または直後に、前記接続導電層上に未硬化導電性材料を塗布する工程と、前記工程(4)と同時または直後に、前記未硬化導電性材料を硬化させる。
具体的に説明すると、上述の工程(A)において、まず、図7に示すように、一方の基板30(図6(a)参照)の表面の各導電層31上に、複数本の帯状の接続導電層を形成する。この接続導電層は第1接続導電層39aである。第1接続導電層39aは上述の方法により形成することができる。その後、各第1接続導電層39aの両側面に隣接して絶縁層を形成する。この絶縁層は第1絶縁層36aである。このとき、1つの第1接続導電層39aに隣接する一対の第1絶縁層36aのうち、一方は導電層31上に形成され、他方は基板30上に形成される(図5参照)。
次に、実施形態3では、上述の工程(B)において、第1絶縁層36a上に未硬化樹脂材料を塗布する上述の工程(3)の直前または直後に、前記接続導電層上に未硬化導電性材料を塗布する工程と、未硬化樹脂材料を硬化させる上述の工程(4)と同時または直後に、前記未硬化導電性材料を硬化させる工程を行なう。なお、未硬化導電性材料を塗布した後に乾燥工程を加えてもよい。
工程(B)を具体的に説明すると、工程(B)では以下の工程(1)〜(5)を行なう。
工程(1):図8(a)に示すように、受光面側の基板30の導電層31上における第1絶縁層36a間に多孔性半導体層32を形成すると共に、図8(b)に示すように、非受光面側の基板37の導電層38上に触媒層34を形成する。多孔性半導体層32および触媒層34は上述の方法により形成することができる。
工程(2):基板30上に多孔性半導体層32が形成された積層体を、上述のように色素溶液に浸漬して、各多孔性半導体層32に色素を吸着させる。その後、各積層体を色素溶液から引き上げて乾燥させる。
工程(3):基板30の第1接続導電層39a上に未硬化導電性材料を塗布し、かつ基板30の第1絶縁層36a上に未硬化樹脂材料を塗布する。この未硬化導電性材料は第2接続導電層を形成する材料であり、未硬化樹脂材料は第2絶縁層36bを形成する材料である。未硬化導電性材料は、多孔性半導体層に吸着した色素へのダメージを軽減するために、200℃以下、さらには150℃以下の硬化温度を持つ材料であることが好ましい。
工程(4):基板30の多孔性半導体層32と基板37の触媒層34とが対面するようにして各基板を重ね合わせ、その後、前記未硬化導電性材料および未硬化樹脂材料を硬化させて第2接続導電層39bおよび第2絶縁層36bを形成し、一対の基板30、37を接着し固定する。このとき、未硬化樹脂材料が、感光性樹脂である場合は、未硬化導電性材料を硬化させる前に、透光性を有する基板側から光(例えば紫外線)を照射することにより硬化させる。また、未硬化樹脂材料が熱硬化性樹脂である場合は、未硬化導電性材料と共に、色素が劣化しない温度で加熱して硬化させる。
工程(5):一対の基板30、37の間に電解液を注入して、各光電変換素子3aの多孔性半導体層32と触媒層34の間に電解質層33を形成する。このとき、基板30、37間には図示しない間隙部が形成されており、この間隙部からキャピラリー効果により電解液を注入することができる。その後、間隙部を樹脂にて封止する。
(実施例1)
図4に示した色素増感太陽電池モジュールを以下のようにして作製した。
まず、図2(a)および(b)に示すように、SnO2からなる導電層がそれぞれ形成された基板10、17として、43mm×65mmの日本板ガラス社製のSnO2付きガラス基板を2枚用意した。
次に、図2中、寸法Iが15.5mm、寸法Jが15.5mm、寸法Kが15.5mm、寸法Lが15.5mmとなるように、導電層であるSnO2にレーザー光(YAGレーザー・基本波長1.06μm、西進商事社製)を照射しSnO2を蒸発させることによりスクライブを行った。なお、前記寸法I〜Lは同一であるが、図2においては便宜上比率を変えて図示している。
続いて、図2および図3に示すように、一対の基板10、17において、領域Aの幅を16mm、領域Bの幅を10mm、領域Cの幅を5mm、領域Dの幅を7mm、領域Eの幅を4mm、領域Fの幅を10mm、領域Hの幅を5mmとし、領域AとC、CとD(DとC)、BとC、EとC、CとFの境界付近に、第1絶縁層の材料であるガラスフリット(ノリタケ社製)をスクリーン印刷機(ニューロング精密工業製LS−150)を用いて塗布し、100℃で10分間予備乾燥を行った後、450℃で1時間焼成を行った。これにより、基板10に第1絶縁層26aを形成し、基板17に第3絶縁層26cを形成した。第1および第3絶縁膜26a、26bは、それぞれ膜厚が約25μm、幅が約500μmであった。膜厚の測定は、サーフコム1400A(東京精密社製)で行った。
続いて、基板10および17の各領域Cに、電子ビーム蒸着器EVD−500A(ANELVA社製)を用い、0.1Å/Sの蒸着速度で、触媒層14として白金を膜厚約5nmで成膜した。
次いで、市販の酸化チタンペースト(Solaronix社製、商品名Ti−Nanoxide D/SP、平均粒径13nm)を、5.25mm×50mmの開口を3つ持つスクリーン版とスクリーン印刷機(ニューロング精密工業製LS−150)を用いて、基板10の領域A、D、Bと、基板17の領域D、Dに塗布し、室温にて1時間レベリングを行った後、得られた塗膜を80℃で20分間予備乾燥し、450℃で1時間焼成を行った。該工程を5回繰り返すことにより、多孔性半導体層12として、膜厚30μmの酸化チタン膜を得た。膜厚の測定は、サーフコム1400A(東京精密社製)で行った。
次に、色素を以下のようにして各多孔性半導体層12へ吸着させた。
まず、増感色素として Ruthenium620−1H3TBA色素(Solaronix社製)を用い、これのアセトニトリル(Aldrich Chemical Company製)/t−ブチルアルコール(Aldrich Chemical Company製)の1:1溶液(増感色素の濃度;4×10-4モル/リットル)を調製した。
次に、この溶液に、各基板10、17上に多孔性半導体層12を有する積層体を浸漬し、40℃の温度条件のもとで20時間放置した。その後、各積層体をエタノール(Aldrich Chemical Company製)で洗浄・乾燥を行った。
次に、酸化還元性電解液として、溶媒をアセトニトリルとし、その中にDMPII(四国化成製)を0.6モル/リットル、LiI(Aldrich Chemical Company製)を0.1モル/リットル、TBP(Aldrich Chemical Company製)を0.5モル/リットル、I2(東京化成製)を0.01モル/リットル溶解させたものを用意した。
続いて、基板10の各第1絶縁層26a上に、未硬化の紫外線硬化性樹脂31X−101(スリーボンド社製)をディスペンサー(EFD社製)で塗布した。このとき、塗布膜の膜厚が約45μmとなるよう塗布速度と吐出圧力を調節した。
次に、各基板10、17の多孔性半導体層12と触媒層14が対面するように2枚の基板を貼り合せた後、紫外線照射ランプNovacure(EFD社製)を用いて未硬化樹脂に紫外線を照射して硬化させることにより、2枚の基板10、17は、第1絶縁膜26aおよび第3絶縁膜26cを介して第2絶縁層26bにより接合した。
その後、上記2枚の基板の間隙からキャピラリー効果により、酸化還元性電解液を注入し、注入部分を感光性樹脂または熱硬化性樹脂にて封止することで図4に相当する太陽電池モジュールを作製した。
また、得られた太陽電池モジュールに、1kW/m2 の強度の光(AM1.5ソーラーシミュレータ)を照射して、光電変換効率を測定した。その結果を表1に示した。なお、光電変換効率は、ISCの値をモジュールのアパチャーエリア(モジュール内の数個の光電変換素子の外枠を結んで囲むエリア)の面積で除したものに、VOC、FFを乗じたものとした。
また、測定後、太陽電池モジュールを分解し、実体顕微鏡SZX12(オリンパス社製)にて第1、第2、第3絶縁層26a、26b、26cを観察したところ、図10に示すように第2絶縁層26bは潰れており、第2絶縁層26bの膜厚は2μm(潰れ部分)であった。
(実施例2)
実施例1において、基板10にのみ第1絶縁層16aを形成し、かつ多孔性半導体層12の膜厚を15μm、第1絶縁層16aの膜厚を約30μmとすること以外は、実施例1と同様にして図1に相当する太陽電池モジュールを作製した。
得られた太陽電池モジュールに、1kW/m2 の強度の光(AM1.5ソーラーシミュレータ)を照射して、光電変換効率を測定し、その結果を表1に示した。
また、測定後、太陽電池モジュールを分解し、実体顕微鏡SZX12(オリンパス社製)にて第1、第2絶縁層16a、16bを観察したところ、図9に示すように第2絶縁層16bは潰れており、第2絶縁層26bの膜厚は、1μm(潰れ部分)であった。
(実施例3)
実施例3では、触媒層材料である触媒ペースト(商品名:Pt-Catalyst T/SP Solaronix社製)をスクリーン印刷機(ニューロング精密工業製LS−150)を用いて塗布し、450℃で1時間焼成を行うことにより、触媒層を形成したこと以外は、実施例1と同様にして太陽電池モジュールを作製した。
得られた太陽電池モジュールに、1kW/m2 の強度の光(AM1.5ソーラーシミュレータ)を照射して、光電変換効率を測定し、その結果を表1に示した。
(実施例4)
実施例4では、第1、3絶縁層26a、26cの膜厚が約12μmとなるようにスクリーン印刷機の印圧を調節したこと以外は実施例1と同様にして太陽電池モジュールを作製した。
得られた太陽電池に、1kW/m2 の強度の光(AM1.5ソーラーシミュレータ)を照射して、光電変換効率を測定し、その結果を表1に示した。
また、測定後、太陽電池モジュールを分解し、実体顕微鏡SZX12(オリンパス社製)にて第1、2、3絶縁層の膜厚を観察したところ、それぞれの膜厚は、11μm、6μm、12μmであった。
(実施例5)
実施例5では、第1、3絶縁層26a、26cの膜厚が約8μmとなるようにスクリーン版のメッシュ数を調節したこと以外は実施例1と同様にして太陽電池モジュールを作製した。
得られた太陽電池に、1kW/m2 の強度の光(AM1.5ソーラーシミュレータ)を照射して、光電変換効率を測定し、その結果を表1に示した。
また、測定後、太陽電池モジュールを分解し、実体顕微鏡SZX12(オリンパス社製)にて第1、2、3絶縁層の膜厚を観察したところ、それぞれの膜厚は、8μm、14μm、9μmであった。
(実施例6)
実施例6では、第1、3絶縁層26a、26cの膜厚が約30μmとなるようにスクリーン版のメッシュ数を調節したこと以外は実施例1と同様にして太陽電池モジュールを作製した。
得られた太陽電池に、1kW/m2 の強度の光(AM1.5ソーラーシミュレータ)を照射して、光電変換効率を測定し、その結果を表1に示した。
また、測定後、太陽電池モジュールを分解し、実体顕微鏡SZX12(オリンパス社製)にて第1、2、3絶縁層の膜厚を観察したところ、それぞれの膜厚は、28μm、1μm、27μmであった。
(比較例1)
実施例1における触媒層14および多孔性半導体層12の形成後に、第1および第3絶縁層を形成し、多孔性半導体層の膜厚を15μmとしたこと以外は、実施例1と同様にして比較例1の太陽電池モジュールを作製した。
得られた太陽電池に、1kW/m2 の強度の光(AM1.5ソーラーシミュレータ)を照射して、光電変換効率を測定し、その結果を表1に示した。
(比較例2)
実施例1では第1絶縁層26aおよび第3絶縁層26cを形成したが、比較例2では第1絶縁層および第3絶縁層を形成せずに、基板上に塗布膜厚40μmで未硬化樹脂を塗布し、その後硬化させて第2絶縁層を形成したこと以外は実施例1と同様にして比較例2の太陽電池モジュールを作製した。
この場合、2枚の基板を貼り合せる際に、未硬化樹脂材料よりも先に多孔性半導体層(酸化チタン膜)が基板に接触する部分が存在し、一方の基板上に塗布された未硬化樹脂材料が他方の基板に付着しなかった。よって、太陽電池モジュールの作製ができなかった。
(比較例3)
比較例3では、ディスペンサー(EFD社製)を用いて塗布膜厚が140μmとなるよう塗布速度と吐出圧力を調節したこと以外は、比較例2と同様にして比較例3の太陽電池モジュールを作製した。この場合、基板の貼り合わせの際に、基板中央付近の未硬化樹脂が多孔性半導体層と触媒層との間に侵入した。
得られた太陽電池に、1kW/m2 の強度の光(AM1.5ソーラーシミュレータ)を照射して、光電変換効率を測定し、その結果を表1に示した。
(比較例4)
比較例4では、触媒層材料である触媒ペースト(商品名:Pt-Catalyst T/SP Solaronix社製)をスクリーン印刷機(ニューロング精密工業製LS−150)を用いて塗布し、450℃で1時間焼成を行うことにより触媒層を形成したこと以外は比較例1と同様にして太陽電池モジュールを作製した。
得られた太陽電池に、1kW/m2 の強度の光(AM1.5ソーラーシミュレータ)を照射して、光電変換効率を測定し、その結果を表1に示した。
(比較例5)
比較例5では、触媒層材料である触媒ペースト(商品名:Pt-Catalyst T/SP Solaronix社製)をスクリーン印刷機(ニューロング精密工業製LS−150)を用いて塗布し、450℃で1時間焼成を行うことにより触媒層を形成したこと以外は比較例2と同様にして太陽電池モジュールを作製した。
得られた太陽電池に、1kW/m2 の強度の光(AM1.5ソーラーシミュレータ)を照射して、光電変換効率を測定し、その結果を表1に示した。
(実施例7)
以下の手順で図5に示す太陽電池モジュールを形成した。
一対の導電性基板10、17として、44mm×70mmの日本板ガラス社製のSnO2付きガラス基板を2枚用意した。なお、導電層11、17はフッ素ドープ酸化スズを用いた。
図6(a)、(b)に示す基板30、37において、領域Aの幅が18mm、領域Bの幅が8mm、領域Gの幅が10mmとなるように、SnO2層にレーザー光(YAGレーザー)を照射してSnO2を蒸発させることにより、単位光電変換素子を形成するピッチ(領域Bの幅)を8mmとしてSnO2層を短冊状にパターニングした。
次に、第1接続導電層39aの形成材料である銀ペースト(ノリタケ社製)を、図6(a)に示す基板30における右側3つの導電層31上にスクライブライン21に沿って塗布し、80℃で20分予備乾燥を行った後、450℃で1時間焼成を行って、膜厚22μm、幅300μmの第1接続導電層39aを形成した(図5、図7参照)。
次に、各第1接続導電層39aの両側にガラスフリット(ノリタケ社製)をスクリーン印刷機(ニューロング精密工業製LS−150)を用いて塗布し、100℃10分予備乾燥を行った後、450℃で1時間焼成を行って、膜厚21μm、幅500μmの第1絶縁層36a、36aを形成した(図5、図7参照)。
続いて、第1接続導電層39a間における前記基板30の導電層31上に、図8(a)に示すように、実施例1と同様の方法で多孔性半導体層32を形成した。
次に、以下のようにして色素を各半導体層32に吸着させた。先ず、増感色素として Ruthenium620−1H3TBA色素(Solaronix社製)を用い、これのアセトニトリル/t−ブチルアルコールの1:1溶液(増感色素の濃度;4×10-4モル/リットル)を調製した。次に、この溶液に、多孔性半導体層32が基板30に形成された積層体を浸漬し、40℃度の温度条件のもとで20時間放置した。これにより、多孔性半導体層32の内部に増感色素を約7×10-8mol/cm2吸着させた。その後、該積層体をエタノール(Aldrich Chemical Company製)で洗浄し乾燥した。
次に、図8(b)に示す基板37の導電層38上に、電子ビーム蒸着器EVD−500A(ANELVA社製)を用い、触媒層として白金を0.1Å/Sの蒸着速度で膜厚約5nmで成膜した。
次いで、酸化還元性電解液として、溶媒をアセトニトリルとし、その中にDMPIIを0.6モル/リットル、LiIを0.1モル/リットル、TBPを0.5モル/リットル、I2を0.01モル/リットル溶解させたものを用意した。
次に、第1絶縁層36a上に、未硬化の紫外線硬化性樹脂31X−101(スリーボンド社製)を塗布し、さらに、第1接続導電層39a上に導電性銀ペースト(フジクラ化成性、商品名「ドータイト」)を塗布し、各基板の多孔性半導体層32と触媒層34とを対面させて2枚の基板30、37を貼り合せた後、紫外線照射ランプを用いて塗布樹脂部分に紫外線を照射し、さらに120℃で10分間乾燥させることで、硬化した第2絶縁層36bおよび第2接続導電層39bを形成して、2枚の基板30、37を絶縁層36および接続導電層39により固定した。
その後、2枚の基板30、37の間隙より前記電解液をキャピラリー効果により注入し、周囲を紫外線硬化材31X−101(スリーボンド社製)を塗布し、紫外線を照射することで、図5に相当する太陽電池モジュールを作製した。
得られた太陽電池に、1kW/m2 の強度の光(AM1.5ソーラーシミュレータ)を照射して、光電変換効率を測定し、その結果を表1に示した。
(比較例6)
実施例7における第1絶縁層36aの形成を、多孔性半導体層32の形成後に行い、第2絶縁層および第2接続導電層を省略したこと以外は、実施例7と同様にして比較例6の太陽電池モジュールを作製した。
得られた太陽電池モジュールに、1kW/m2 の強度の光(AM1.5ソーラーシミュレータ)を照射して、光電変換効率を測定し、その結果を表1に示した。
Figure 0005140588

Claims (13)

  1. 少なくとも一方が透光性であり、かつそれぞれの対向面に並列して複数の導電層が形成された一対の導電性基板と、該一対の導電性基板間に複数個隣接しかつ電気的に直列接続して形成された光電変換素子と、隣接する前記光電変換素子の間に形成された絶縁層とを備え、
    前記光電変換素子は、色素を吸着させた多孔性半導体層、電解質層および触媒層を有し、
    前記絶縁層は、基板厚み方向に2層以上積層された積層構造であることを特徴とする色素増感太陽電池モジュール。
  2. 前記絶縁層は、第1絶縁層と第2絶縁層からなる2層構造であり、前記第1絶縁層の厚みが第2絶縁層の厚み以上である請求項1に記載の色素増感太陽電池モジュール。
  3. 前記第1絶縁層が無機材料からなり、第2絶縁層が有機高分子化合物を含む材料からなる請求項2に記載の色素増感太陽電池モジュール。
  4. 前記絶縁層が、第3絶縁層をさらに有する3層構造であり、前記第3絶縁層と第1絶縁層との間に第2絶縁層が配置され、第1絶縁層の膜厚と第3絶縁層の膜厚の合計は第2絶縁層の膜厚以上である請求項2に記載の色素増感太陽電池モジュール。
  5. 前記第1絶縁層および第3絶縁層が無機材料からなり、第2絶縁材料が有機高分子化合物を含む材料からなる請求項4に記載の色素増感太陽電池モジュール。
  6. 前記無機材料が酸化ケイ素を含み、前記有機高分子化合物が感光性樹脂または硬化温度200℃以下の熱硬化性樹脂を含む請求項3または5に記載の色素増感太陽電池モジュール。
  7. 前記絶縁層が、一の光電変換素子と隣接する他の光電変換素子にそれぞれ沿って一対配置され、前記一対の絶縁層の間に、前記一対の導電層と電気的に接続する接続導電層が形成された請求項1に記載の色素増感太陽電池モジュール。
  8. 前記接続導電層は第1接続導電層と第2接続導電層からなる2層構造であり、前記第1接続導電層の厚みが第2接続導電層の厚み以上である請求項7記載の色素増感太陽電池モジュール。
  9. 前記第2接続導電層が、硬化温度200℃以下の導電性材料からなる請求項8に記載の色素増感太陽電池モジュール。
  10. 少なくとも一方が透光性であり、かつそれぞれの表面に並列して複数の導電層が形成された一対の基板を用意し、一対の基板のうち一方または両方の基板の導電層上および基板表面上に、所定間隔で複数本の帯状の絶縁層を、基板厚み方向に2度以上に分けて形成する工程(A)と、前記複数の導電層上に、色素を吸着させた多孔性半導体層、電解質層および触媒層を有する光電変換素子を形成する工程(B)とを備え、
    前記工程(A)における最初の絶縁層形成工程が、前記工程(B)の前または後に行われることを特徴とする色素増感太陽電池モジュールの製造方法。
  11. 前記工程(B)の前に、前記工程(A)の最初の絶縁層形成工程において、一対の基板のうち一方または両方の基板の導電層上および基板表面上に複数本の絶縁層を形成し、その後、
    工程(B)において、一対の基板の各導電層上における前記絶縁層間に多孔性半導体層および触媒層を形成する工程(1)と、前記多孔性半導体層に色素を吸着させる工程(2)と、前記絶縁層上に未硬化樹脂材料を塗布する工程(3)と、一対の基板の多孔性半導体層と触媒層とが対面するようにして各基板を重ね合わせた後、前記未硬化樹脂材料を硬化させて第2絶縁層を形成する工程(4)と、一対の基板の間に電解液を注入して多孔性半導体層と触媒層の間に電解質層を形成する工程(5)とを行う請求項10に記載の色素増感太陽電池モジュールの製造方法。
  12. 前記触媒層が、触媒材料を含むゾル液を塗布した後、乾燥および焼成の少なくとも一方を行うことにより形成される請求項11に記載の色素増感太陽電池モジュールの製造方法。
  13. 前記工程(A)が、一方の基板の導電層上に、帯状の接続導電層を形成する工程をさらに有し、
    前記工程(B)の前または後に、前記工程(A)において、前記接続導電層を形成した後に、各接続導電層の両側面に隣接して導電層上および基板表面上に絶縁層を形成し、
    前記工程(B)が、一対の基板の各導電層上に多孔性半導体層および触媒層を形成する工程(1)と、前記多孔性半導体層に色素を吸着させる工程(2)と、前記絶縁層上に未硬化樹脂材料を塗布する工程(3)と、一対の基板の多孔性半導体層と触媒層とが対面するようにして各基板を重ね合わせた後、前記未硬化樹脂材料を硬化させて第2絶縁層を形成する工程(4)と、一対の基板の間に電解液を注入して多孔性半導体層と触媒層の間に電解質層を形成する工程(5)とを備え、さらに、前記工程(3)の直前または直後に、前記接続導電層上に未硬化導電性材料を塗布する工程と、前記工程(4)と同時または直後に、前記未硬化導電性材料を硬化させる工程を有する請求項10に記載の色素増感太陽電池モジュールの製造方法。
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