JP6173560B2 - 光電変換モジュールおよびそれを用いた電子機器 - Google Patents

光電変換モジュールおよびそれを用いた電子機器 Download PDF

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Description

本発明は、光電変換モジュールおよびそれを用いた電子機器に関する。
たとえば特許文献1には、色素増感太陽電池と隣接する色素増感太陽電池とが接続層を介して直列に接続されてなる色素増感太陽電池モジュールが開示されている。ここで、特許文献1には、1つの色素増感太陽電池の短絡時の発生電流Isc[mA]と、色素増感太陽電池が直列に接続された方向に垂直な方向の多孔性半導体層の長さX[cm]とが、Isc[mA]/X[cm]≧30[mA/cm]の関係を満たす場合に顕著な効果を示すことが記載されている(特許文献1の段落[0017])。
また、特許文献1には、1つの色素増感太陽電池の短絡時の発生電流Isc[mA]と、櫛型形状のグリッド電極1本当たりの抵抗値R[Ω]と、1つの色素増感太陽電池のアパチャー面積に対する1つの色素増感太陽電池における多孔性半導体層の面積の比であるηと、1つの色素増感太陽電池が有する櫛型形状のグリッド電極の本数nとが、0.001<(1/2n)Isc・R・η<0.03の関係を満たすことが好ましいことが記載されている(特許文献1の段落[0019])。0.001<(1/2n)Isc・R・η<0.03の関係を満たす場合には、電圧降下による性能の低下および発生電流の減少による性能の低下を防止できるとされている(特許文献1の段落[0020])。
国際公開第2008/114825号
しかしながら、特許文献1に記載の色素増感太陽電池モジュールは、Isc[mA]/X[cm]≧30[mA/cm]と大電流が発生することを想定した設計となっているため低照度下での使用は考慮されていない。
また、特許文献1に記載の色素増感太陽電池モジュールにおいては、グリッド電極を設ける必要があるため、グリッド電極を形成するための材料およびプロセスのコストが増加する。
上記の事情に鑑みて、後述の実施態様の目的は、受光面にグリッド電極を設けなくても高い変換効率を有するとともに、低照度下でも使用可能な光電変換モジュールおよびそれを用いた電子機器を提供することにある。
本発明の第1の実施態様によれば、基板と、基板上において直列に接続された複数の光電変換セルとを含む光電変換モジュールであって、光電変換セルは、第1導電層と、第1導電層と間隔を空けて向かい合う第2導電層と、第1導電層上の光電変換層と、第1導電層と第2導電層との間のキャリア輸送材料とを備え、光電変換層は、多孔質半導体層と、多孔質半導体層に吸着された光増感剤とを含み、光電変換セルにエネルギ密度が100mW/cm2の擬似太陽光を照射することによって得られる短絡電流密度Jscが式(I)(Jsc≧20mA/cm2)の関係を満たし、光電変換セルにエネルギ密度が1mW/cm2の擬似太陽光を照射することによって得られる短絡電流量Iscと、光電変換セルの直列接続方向に垂直な方向の多孔質半導体層の長さXとが式(II)(Isc/X≦2mA/cm)の関係を満たし、光電変換モジュールに入射する光の強度Pin[mW/cm2]と、光電変換セルの第1導電層と第2導電層とのシート抵抗の合計Rs[Ω/□]と、光電変換セルの直列接続方向の多孔質半導体層の長さY[cm]とが式(III)(Pin×Rs×Y2×10-4<0.07)の関係を満たす光電変換モジュールを提供することができる。
本発明の第2の実施態様によれば、本発明の第1の実施態様の光電変換モジュールを電源部として含む電子機器を提供することができる。
上記の実施態様によれば、受光面にグリッド電極を設けなくても高い変換効率を有するとともに、低照度下でも使用可能な光電変換モジュールおよびそれを用いた電子機器を提供することができる。
実施の形態の光電変換モジュールの模式的な平面図である。 実施の形態の光電変換モジュールの模式的な断面図である。 実施の形態の光電変換モジュールの製造方法の一例のフローチャートである。 実施の形態の光電変換モジュールの高い短絡電流量と電圧降下によるFF低下の抑制とを両立する第1導電層と第2導電層とのシート抵抗の合計Rs、入射光の強度および単位セル幅Yの関係を示す図である。 実験例2における実験結果を示す図である。
以下、本発明の一例である実施の形態について説明する。なお、実施の形態の説明に用いられる図面において、同一の参照符号は、同一部分または相当部分を表わすものとする。
<光電変換モジュールの構成>
図1に、本発明の光電変換モジュールの一例である実施の形態の光電変換モジュールの模式的な平面図を示す。実施の形態の光電変換モジュールは、基板1と、基板1上において直列に接続された複数の光電変換セル10とを含んでいる。光電変換セル10は、図1の横方向に直列に接続されており、多孔質半導体層3aを含む光電変換層3を備えている。
ここで、光電変換セル10が直列に接続されている方向(以下、「直列接続方向」という。)の多孔質半導体層3aの長さはY(以下、「単位セル幅Y」と言う。)であって、直列接続方向に垂直な方向の多孔質半導体層3aの長さはX(以下、「単位セル長さX」と言う。)となっている。
図2に、実施の形態の光電変換モジュールの模式的な断面図を示す。ここで、実施の形態の光電変換モジュールを構成する複数の光電変換セル10は、1枚の基板1上に設けられており、光電変換セル10は、基板1とカバー材9との間に設けられた封止材8によって仕切られている。
また、光電変換セル10は、基板1上の第1導電層2と、第1導電層2上の光電変換層3と、光電変換層3上の多孔質絶縁層4と、多孔質絶縁層4上の触媒層5と、触媒層5上の第2導電層6と、基板1とカバー材9と封止材8とで取り囲まれた空間に充填されたキャリア輸送材料7とを備えている。なお、キャリア輸送材料7は、第1導電層2上の光電変換層3、多孔質絶縁層4、触媒層5および第2導電層6にそれぞれ設けられた小孔の内部にも存在している。
<基板>
基板1としては、たとえば透光性を有する透光性基板を用いることができる。ただし、基板1は、少なくとも後述する増感色素に実効的な感度を有する波長の光を実質的に透過させる材料で形成されていればよく、必ずしもすべての波長領域の光に対して透光性を有する必要はない。基板1の厚さは、0.2mm以上5mm以下であることが好ましい。
基板1を構成する材料は、一般に太陽電池に使用可能で、かつ本発明の効果を発揮し得る材料であれば特に限定されず、たとえば、ソーダガラス、溶融石英ガラス若しくは結晶石英ガラスなどのガラス基板、または可撓性フィルムなどの耐熱性樹脂板を用いることができる。
可撓性フィルムとしては、たとえば、テトラアセチルセルロース(TAC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリフェニレンスルファイド(PPS)、ポリカーボネート(PC)、ポリアリレート(PA)、ポリエーテルイミド(PEI)、フェノキシ樹脂またはテフロン(登録商標)などを用いることができる。
基板1上に他の部材を形成する際に基板1が加熱されることがある。たとえば、基板1上に多孔質半導体層3aを形成する際に250℃程度まで基板1が加熱される場合には、基板1の材料としては、テフロン(登録商標)などの250℃以上の耐熱性を有する材料を用いることが好ましい。
基板1は、光電変換セル10を他の構造体に取り付けるときの基体として利用することもできる。その際、基板1の周辺部を、金属加工部品を介してねじなどの締結部材により他の構造体と連結することができる。
<第1導電層>
第1導電層2としては、導電性および透光性を有するものであれば特に限定されず、たとえば、インジウム錫複合酸化物(ITO)、酸化錫(SnO2)、酸化錫にフッ素がドープされたもの(FTO)および酸化亜鉛(ZnO)からなる群から選択された少なくとも1種を用いることができる。
第1導電層2の厚さは、0.02μm以上5μm以下であることが好ましい。第1導電層2の電気抵抗は低いほど好ましく、40Ω/□以下であることが好ましい。
<光電変換層>
光電変換層3は、多孔質半導体層3aと、多孔質半導体層3a上の光増感剤とを含んでいる。なお、本実施の形態においては、光増感剤として増感色素を用いる場合について説明するが増感色素以外にも、たとえば量子ドットなどの光増感剤を用いてもよい。
<多孔質半導体層>
多孔質半導体層3aとしては、一般に光電変換材料に使用されるものであれば特に限定されず、たとえば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化錫、酸化鉄、酸化ニオブ、酸化セリウム、酸化タングステン、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、硫化カドミウム、硫化鉛、硫化亜鉛、リン化インジウム、銅−インジウム硫化物(CuInS2)、CuAlO2およびSrCu22からなる群から選択された少なくとも1種を用いることができ、なかでも、高い安定性を有する点から、酸化チタンを用いることが好ましい。
多孔質半導体層3aに用いられる酸化チタンとしては、たとえば、アナターゼ型酸化チタン、ルチル型酸化チタン、無定形酸化チタン、メタチタン酸、オルソチタン酸などの各種の狭義の酸化チタン、水酸化チタンまたは含水酸化チタンなどを単独で、または混合して用いることができる。アナターゼ型およびルチル型の2種類の結晶系酸化チタンは、その製法および熱履歴によりいずれの形態にもなり得るが、一般的に結晶系酸化チタンはアナターゼ型である。酸化チタンとしては、アナターゼ型の含有率の高いもの、たとえばアナターゼ型の含有率が80%以上である酸化チタンを用いることが色素増感の観点から好ましい。
半導体の形態は、単結晶または多結晶のいずれであってもよいが、安定性、結晶成長の容易さおよび製造コストなどの観点から多結晶であることが好ましく、多結晶からなるナノスケールまたはマイクロスケールの半導体微粒子を用いることが好ましい。したがって、多孔質半導体層3aの原材料としては、酸化チタンの微粒子を用いることが好ましい。
酸化チタンの微粒子は、たとえば、水熱合成法若しくは硫酸法などの液相法、または気相法などの方法により製造することができる。また、デグサ(Degussa)社が開発した塩化物を高温加水分解することによっても製造することができる。
半導体微粒子としては、同一または異なる半導体化合物からなる2種類以上の粒子径の微粒子を混合したものを用いてもよい。粒子径の大きな半導体微粒子は入射光を散乱させることによって光捕捉率の向上に寄与し、粒子径の小さな半導体微粒子は吸着点をより多くすることによって増感色素の吸着量の向上に寄与すると考えられる。
粒子径の異なる微粒子が混合された半導体微粒子を用いる場合には、微粒子同士の平均粒径の比率が10倍以上であることが好ましい。粒子径の大きな微粒子の平均粒径は、たとえば、100nm以上500nm以下とすることができる。粒子径の小さな微粒子の平均粒径は、たとえば、5nm以上50nm以下とすることができる。異なる半導体化合物が混合された半導体微粒子を用いる場合には、吸着作用の強い半導体化合物の粒子の径を小さくすることが有効である。
多孔質半導体層3aの厚さは、特に限定されず、たとえば、0.1μm以上100μm以下とすることができる。また、多孔質半導体層3aの表面積は、10m2/g以上200m2/g以下であることが好ましい。
<光増感剤>
多孔質半導体層3a上に設置される光増感剤としては、たとえば増感色素を用いることができる。増感色素としては、可視光領域または赤外光領域に吸収を有する種々の有機色素および金属錯体色素の1種または2種以上を選択的に用いることができる。
有機色素としては、たとえば、アゾ系色素、キノン系色素、キノンイミン系色素、キナクリドン系色素、スクアリリウム系色素、シアニン系色素、メロシアニン系色素、トリフェニルメタン系色素、キサンテン系色素、ポルフィリン系色素、ペリレン系色素、インジゴ系色素およびナフタロシアニン系色素からなる群から選択された少なくとも1種を用いることができる。有機色素の吸光係数は、一般に、遷移金属に分子が配位結合した形態をとる金属錯体色素の吸光係数に比べて大きくなる。
金属錯体色素は、分子に金属が配位結合することによって構成されている。分子としては、たとえば、ポルフィリン系色素、フタロシアニン系色素、ナフタロシアニン系色素またはルテニウム系色素などを挙げることができる。金属としては、たとえば、Cu、Ni、Fe、Co、V、Sn、Si、Ti、Ge、Cr、Zn、Ru、Mg、Al、Pb、Mn、In、Mo、Y、Zr、Nb、Sb、La、W、Pt、TA、Ir、Pd、Os、Ga、Tb、Eu、Rb、Bi、Se、As、Sc、Ag、Cd、Hf、Re、Au、Ac、Tc、TeおよびRhからなる群から選択された少なくとも1種を挙げることができる。なかでも、金属錯体色素として、フタロシアニン系色素またはルテニウム系色素に金属が配位したものを用いることが好ましく、ルテニウム系金属錯体色素を用いることが特に好ましい。
ルテニウム系金属錯体色素としては、たとえば、Solaronix社製の商品名Ruthenium535色素、Ruthenium535−bisTBA色素、またはRuthenium620−1H3TBA色素などの市販のルテニウム系金属錯体色素を用いることができる。
<多孔質絶縁層>
多孔質絶縁層4としては、たとえば、酸化チタン、酸化ニオブ、酸化ジルコニウム、シリカガラスまたはソーダガラスなどの酸化ケイ素、酸化アルミニウムおよびチタン酸バリウムからなる群から選択された少なくとも1種を用いることができる。
なかでも、多孔質絶縁層4としては、ルチル型酸化チタンを用いることが好ましい。また、多孔質絶縁層4にルチル型酸化チタンを用いる場合のルチル型酸化チタンの平均粒径は5nm以上500nm以下であることが好ましく、10nm以上300nm以下であることがより好ましい。
<触媒層>
触媒層5としては、たとえば、白金、カーボンブラック、ケッチェンブラック、カーボンナノチューブおよびフラーレンからなる群から選択された少なくとも1種を用いることができる。
<第2導電層>
第2導電層6は、第1導電層2と同一の材料で形成されていてもよく、または透光性を有さない材料で形成されていてもよい。第2導電層6としては、たとえば、チタン、タングステン、金、銀、銅、アルミニウムおよびニッケルからなる群から選択された少なくとも1種を含む金属材料を用いることができる。
第2導電層6の厚さは、0.02μm以上5μm以下であることが好ましい。第2導電層6の電気抵抗は低いほど好ましく、40Ω/□以下であることが好ましい。
<封止材>
封止材8としては、たとえば、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ポリイソブチレン系樹脂、ホットメルト樹脂およびガラスフリット等のガラス系材料からなる群から選択された少なくとも1種を含む材料を用いることができ、より具体的には、スリーボンド社型番:31X−101、スリーボンド社製型番:31X−088および一般に市販されているエポキシ樹脂などを用いることができる。
<カバー材>
カバー材9としては、キャリア輸送材料7を封止することができるとともに、外部からの水などの浸入を防止可能な材料を用いることができる。光電変換モジュールが屋外に設置される場合には、カバー材9としては、たとえば強化ガラスなどの機械強度の高い材料が用いられることが好ましい。
<キャリア輸送材料>
キャリア輸送材料7としては、電解液などの液体電解質を好適に用いることができるが、液体電解質以外にも、たとえば、固体電解質、ゲル電解質または溶融塩ゲル電解質などを用いることもできる。
液体電解質は、酸化還元種を含む液状物であればよく、一般的な電池または太陽電池などにおいて使用することができるものであれば特に限定されない。具体的には、液体電解質としては、酸化還元種とこれを溶解可能な溶剤からなるもの、酸化還元種とこれを溶解可能な溶融塩からなるもの、酸化還元種とこれを溶解可能な溶剤と溶融塩とからなるものなどを用いることができる。
酸化還元種としては、たとえば、I-/I3-系、Br2-/Br3-系、Fe2+/Fe3+系、キノン/ハイドロキノン系などを用いることができる。より具体的には、酸化還元種としては、ヨウ化リチウム(LiI)、ヨウ化ナトリウム(NaI)、ヨウ化カリウム(KI)、ヨウ化カルシウム(CaI2)などの金属ヨウ化物とヨウ素(I2)との組み合わせを用いることができる。また、テトラエチルアンモニウムアイオダイド(TEAI)、テトラプロピルアンモニウムアイオダイド(TPAI)、テトラブチルアンモニウムアイオダイド(TBAI)、テトラヘキシルアンモニウムアイオダイド(THAI)などのテトラアルキルアンモニウム塩とヨウ素との組み合わせを用いることもできる。さらに、臭化リチウム(LiBr)、臭化ナトリウム(NaBr)、臭化カリウム(KBr)、臭化カルシウム(CaBr2)などの金属臭化物と臭素との組み合わせを用いることもできる。なかでも、酸化還元種としては、LiIとI2との組み合わせを用いることが特に好ましい。
酸化還元種の溶剤としては、たとえば、プロピレンカーボネートなどのカーボネート化合物、アセトニトリルなどのニトリル化合物、エタノールなどのアルコール類、水および非プロトン極性物質からなる群から選択された少なくとも1種を含む溶剤を用いることが好ましく、なかでも、カーボネート化合物若しくはニトリル化合物を単独で、または混合して用いることがより好ましい。
固体電解質は、電子、ホール、イオンを輸送できる導電性材料であって、太陽電池の電解質として用いることができ、流動性を有さないものであればよく、たとえば、ポリカルバゾールなどのホール輸送材、テトラニトロフロオルレノンなどの電子輸送材、ポリロールなどの導電性ポリマー、液体電解質を高分子化合物により固体化した高分子電解質、ヨウ化銅若しくはチオシアン酸銅などのp型半導体、または溶融塩を含む液体電解質を微粒子により固体化した電解質などを用いることができる。
ゲル電解質は、通常、電解質とゲル化剤とからなる。ゲル化剤としては、たとえば、架橋ポリアクリル樹脂誘導体、架橋ポリアクリロニトリル誘導体、ポリアルキレンオキシド誘導体、シリコーン樹脂類、または側鎖に含窒素複素環式四級化合物塩構造を有するポリマーなどの高分子ゲル化剤などを用いることができる。
溶融塩ゲル電解質は、通常、上記のゲル電解質と常温型溶融塩とからなる。常温型溶融塩としては、たとえば、ピリジニウム塩類、またはイミダゾリウム塩類などの含窒素複素環式四級アンモニウム塩化合物類などを用いることができる。
上記の電解質には、必要に応じて添加剤を加えてもよい。添加剤としては、たとえば、t−ブチルピリジン(TBP)などの含窒素芳香族化合物、ジメチルプロピルイミダゾールアイオダイド(DMPII)、メチルプロピルイミダゾールアイオダイド(MPII)、エチルメチルイミダゾールアイオダイド(EMII)、エチルイミダゾールアイオダイド(EII)またはヘキシルメチルイミダゾールアイオダイド(HMII)などのイミダゾール塩を単独で、またはこれらの2種以上を混合して用いることができる。
電解質中の電解質濃度は、0.001mol/L以上1.5mol/L以下であることが好ましく、0.01mol/L以上0.7mol/L以下であることがより好ましい。
<光電変換モジュールの製造方法>
図3に、実施の形態の光電変換モジュールの製造方法の一例のフローチャートを示す。図3に示すように、実施の形態の光電変換モジュールの製造方法は、第1導電層の形成工程(S10)と、多孔質半導体層の形成工程(S20)と、多孔質絶縁層の形成工程(S30)と、触媒層の形成工程(S40)と、第2導電層の形成工程(S50)と、光増感剤の設置工程(S60)と、封止材による封止工程(S70)と、キャリア輸送材料の注入工程(S80)とを含んでいる。なお、実施の形態の光電変換モジュールの製造方法には、S10〜S80以外の工程が含まれていてもよいことは言うまでもない。
<第1導電層の形成工程>
第1導電層の形成工程(S10)は、基板1上に第1導電層2を形成することにより行なうことができる。第1導電層2を形成する方法としては、たとえば、スパッタ法およびスプレー法などの方法を用いることができる。
<多孔質半導体層の形成工程>
多孔質半導体層の形成工程(S20)は、第1導電層2上に多孔質半導体層3aを形成することにより行なうことができる。多孔質半導体層3aを形成する方法としては、特に限定されず、たとえば従来から公知の方法を用いることができる。たとえば、上述の半導体微粒子を含有する懸濁液を第1導電層2上に塗布し、乾燥および焼成の少なくとも一方を行なうことによって多孔質半導体層3aを形成することができる。
より具体的には、まず、半導体微粒子を適当な溶剤中に分散させて懸濁液を得る。このような溶剤としては、たとえば、エチレングリコールモノメチルエーテルなどのグライム系溶剤、イソプロピルアルコールなどのアルコール類、イソプロピルアルコール/トルエンなどのアルコール系混合溶剤または水などを用いることができる。また、このような懸濁液の代わりに市販の酸化チタンペースト(たとえば、Solaronix社製、Ti−nanoxide、T、D、T/SP、D/SP)を用いることもできる。
次に、上記のようにして得られた懸濁液を第1導電層2上に塗布し、乾燥および焼成の少なくとも一方を行なうことによって多孔質半導体層3aを形成することができる。懸濁液を塗布する方法としては、たとえば、ドクターブレード法、スキージ法、スピンコート法またはスクリーン印刷法などの方法を用いることができる。
懸濁液の乾燥および焼成の際の温度、時間、雰囲気などの条件は、半導体微粒子の種類に応じて適宜設定することができる。たとえば、大気雰囲気下または不活性ガス雰囲気下で、50℃以上800℃以下の温度範囲において10秒以上12時間以下保持することによって、懸濁液の乾燥および焼成をすることができる。懸濁液の乾燥および焼成は、単一の温度で1回または温度を変化して2回以上行なってもよい。
多孔質半導体層3aは、積層構造を有していてもよい。多孔質半導体層3aが積層構造を有する場合には、異なる半導体微粒子の懸濁液を調製し、それらの懸濁液の各々を塗布し、乾燥および焼成の少なくとも一方を行なうことによって、多孔質半導体層3aを形成することができる。
多孔質半導体層3aを形成した後、半導体微粒子同士の電気的接続の向上、多孔質半導体層3aの表面積の増加および半導体微粒子上の欠陥準位の低減などの性能向上を目的として、後処理を行なってもよい。たとえば、多孔質半導体層3aが酸化チタンから構成されている場合には、四塩化チタン水溶液で後処理することによって、多孔質半導体層3aの性能を向上させることができる。
<多孔質絶縁層の形成工程>
多孔質絶縁層の形成工程(S30)は、光電変換層3上に多孔質絶縁層4を形成することにより行なうことができる。多孔質絶縁層4の形成方法は、特に限定されず、たとえば上述の多孔質半導体層3aと同様の方法で形成することができる。たとえば、微粒子状の絶縁性材料を溶剤に分散し、さらにエチルセルロース、ポリエチレングリコール(PEG)などの高分子化合物を混合してペーストを作製し、そのペーストを光電変換層3の表面上に塗布した後に、乾燥および焼成の少なくとも一方により行なうことができる。
<触媒層の形成工程>
触媒層の形成工程(S40)は、多孔質絶縁層4上に触媒層5を形成することにより行なうことができる。触媒層5の形成方法は、特に限定されず、たとえば従来から公知の方法を用いることができる。触媒層5として白金を用いる場合には、触媒層5の形成方法としては、たとえば、スパッタ法、塩化白金酸の熱分解または電着などの方法を用いることができる。また、触媒層5として、カーボンブラック、ケッチェンブラック、カーボンナノチューブおよびフラーレンなどのカーボンを用いる場合には、触媒層5の形成方法としては、たとえば、カーボンを溶剤に分散させたペーストをスクリーン印刷法などを用いて多孔質絶縁層4に塗布する方法などを用いることができる。
<第2導電層の形成工程>
第2導電層の形成工程(S50)は、触媒層5、多孔質絶縁層6および第1導電層2を覆うように第2導電層6を形成することにより行なうことができる。第2導電層6の形成方法としては、たとえば、スパッタ法またはスプレー法などの方法を用いることができる。
<光増感剤の設置工程>
光増感剤の設置工程(S60)は、たとえば、多孔質半導体層3aに増感色素を吸着させることにより行なうことができる。これにより、第1導電層2上に、多孔質半導体層3aに増感色素が吸着してなる光電変換層3を形成することができる。
多孔質半導体層3aに増感色素を強固に吸着させるためには、増感色素分子中にカルボキシル基、アルコキシ基、ヒドロキシル基、スルホン酸基、エステル基、メルカプト基、ホスホニル基などのインターロック基を有する増感色素を用いることが好ましい。なお、インターロック基とは、一般に、多孔質半導体層3aに増感色素が固定される際に介在し励起状態の増感色素と半導体の伝導帯との間の電子の移動を容易にする電気的結合を提供する官能基である。
多孔質半導体層3aに増感色素を吸着させる方法としては、たとえば、増感色素を溶解させた色素吸着用溶液に多孔質半導体層3aを浸漬する方法を用いることができる。増感色素を溶解させた色素吸着用溶液に多孔質半導体層3aを浸漬する際に、色素吸着用溶液を多孔質半導体層3aの小孔内の奥部まで浸透させるために、色素吸着用溶液を加熱してもよい。
増感色素を溶解させる溶剤としては、増感色素を溶解するものであればよく、たとえば、アルコール、トルエン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン(THF)、クロロホルムおよびジメチルホルムアミドからなる群から選択された少なくとも1種を用いることができる。増感色素を溶解させる溶剤は、精製されていることが好ましく、2種類以上を混合して用いることもできる。
色素吸着用溶液中の増感色素濃度は、使用する増感色素、溶剤の種類、吸着工程などの条件に応じて適宜設定することができる。吸着機能を向上させるためには、色素吸着用溶液が高濃度であることが好ましく、たとえば、1×10-5mol/L以上であることが好ましい。色素吸着用溶液の調製においては、増感色素の溶解性を向上させるために色素吸着用溶液を加熱してもよい。
<封止材による封止工程>
封止材による封止工程(S70)は、封止材8によって基板1とカバー材9とを接合することによって行なうことができる。封止材8による封止工程(S70)は、たとえば、カバー材9に封止材8をディスペンサーを用いて塗布した後に基板1とカバー材9とを貼り合わせて封止材8を硬化することにより行なうことができる。
<キャリア輸送材料の注入工程>
キャリア輸送材料の注入工程(S80)は、基板1とカバー材9との間の封止材8で仕切られた空間にキャリア輸送材料7を注入することにより行なうことができる。キャリア輸送材料の注入工程(S80)は、たとえば、封止材8に予め設けられた孔からキャリア輸送材料7を注入することにより行なうことができる。以上により、実施の形態の光電変換モジュールを作製することができる。
<作用効果>
実施の形態の光電変換モジュールは、光電変換セル10にエネルギ密度が100mW/cm2の擬似太陽光を照射することによって得られる短絡電流密度Jscが式(I)(Jsc≧20mA/cm2)の関係を満たし、光電変換セル10にエネルギ密度が1mW/cm2の擬似太陽光を照射することによって得られる短絡電流量Iscと、単位セル長さXとが式(II)(Isc/X≦2mA/cm)の関係を満たし、光電変換モジュールに入射する光の強度Pin[mW/cm2]と、光電変換セル10の第1導電層2と第2導電層6とのシート抵抗の合計Rs[Ω/□]と、単位セル幅Y[cm]とが式(III)(Pin×Rs×Y2×10-4<0.07)の関係を満たすことを特徴としている。これにより、実施の形態の光電変換モジュールによれば、受光面にグリッド電極を設けなくても高い変換効率を有するとともに、低照度下でも使用可能な光電変換モジュールとすることができる。また、実施の形態の光電変換モジュールにはグリッド電極が設けられていないため、発電に寄与する有効発電面積(受光面積率)を大きくすることができるとともに、グリッド電極の材料コストおよび設置コストを低減することができる。なお、上記の式(II)の関係を満たすこととしているのは、Isc/X>2mA/cmである場合には、単位セル幅Yを広くすると、光電変換モジュールの特性が低下することがあるためである。
従来の色素増感太陽電池モジュールにおいては、低照度に対応した設計がなされていなかった。すなわち、従来の色素増感太陽電池モジュールは、基本的に1sun(100mW/cm2)などの強い光の照射を前提として設計されていた。また、従来の色素増感太陽電池モジュールにおいては、透明導電層を備えた透光性基板のシート抵抗を下げるために受光面にグリッド電極部が設けられていたため、受光面積率が小さくなっていた。そのため、従来の色素増感太陽電池モジュールにおいては、低照度下で低電流しか発生させることができなかったため、低照度用の色素増感太陽電池モジュールとして不適であった。
すなわち、光電変換セル10の1つ(以下、「単位セル」と言う。)の短絡電流量をIscとし、単位セルの第1導電層2と第2導電層6との抵抗の合計をRとしたとき、単位セルの電圧降下Eは、以下の式(A)で表わすことができる。
E=(1/2)・Isc・R …(A)
単位セルの短絡電流密度Jsc[mA/cm2]は、光増感剤として用いられる増感色素の種類によって変更することができる。そこで、単位セルの短絡電流量Iscを確保するために、単位セルにエネルギ密度が100mW/cm2の擬似太陽光を照射したときの短絡電流密度Jsc[mA/cm2]が以下の式(B)を満たすような増感色素が用いられる。
sc≧20[mA/cm2] …(B)
また、光電変換モジュールに入射する光の強度Pin[mW/cm2]と、単位セルの短絡電流密度Jsc[mA/cm2]とはおおよそ比例の関係にあることが実験から判明しており上記の式(B)を満たす増感色素を用いた場合には、以下の式(C)の関係が成立する。
sc≧0.2Pin …(C)
また、単位セルの第1導電層2と第2導電層6との抵抗の合計Rは、単位セルの第1導電層2と第2導電層6とのシート抵抗の合計Rs[Ω/□]と単位セル幅Y[cm]とから以下の式(D)で表わされる。
R=Rs・Y …(D)
したがって、単位セルの短絡電流量Iscは、単位セルの短絡電流密度Jsc[mA/cm2]と以下の式(E)の関係を満たしている。
sc=Jsc・Y≧0.2Pin・Y …(E)
以上の式(A)、(D)および(E)から、以下の式(F)の関係が成立する。
E≧((1/2)・0.2Pin・Rs・Y2)/1000=(Pin・Rs・Y2)/10000 …(F)
E<0.07の関係を満たすときに0.65以上のFFを確保することができることが実験で確認されているため、上記の式(F)から、0.65以上のFFを確保するためには、以下の式(G)の関係が成立すればよいと考えられる。
((Pin・Rs・Y2)/10000)<0.07 …(G)
したがって、上記の式(G)を変形した以下の式(H)で表わされる関係を満たすように、光電変換モジュールに入射する光の強度をPin[mW/cm2]と、単位セルの第1導電層2と第2導電層6とのシート抵抗の合計Rs[Ω/□]とに応じた単位セル幅Y[cm]を決定した場合には、FFの低下を抑制しつつ、単位セルの短絡電流量Iscを増加させることができる。
2<700/(Pin・Rs) …(H)
上記の式(H)を満たすように、たとえば、Pin=1[mW/cm2]、Rs=12[Ω/□]であるときの単位セル幅Y<7.63[cm]とすればよい。
実施の形態の光電変換モジュールを構成する光電変換セル10の第1導電層2と第2導電層6とのシート抵抗の合計Rs(10[Ω/□]、12[Ω/□]、15[Ω/□]および20[Ω/□])と、様々な入射光の強度Pin[mW/cm2]とを上記の式(H)に代入することによって得られた単位セル幅Y[cm]の値をプロットした。その結果を図4に示す。なお、図4において、横軸が入射光の強度[mW/cm2]を示し、縦軸が単位セル幅Y[cm]を示す。
特に、実施の形態の光電変換モジュールを低照度下で使用する場合には、単位セルに発生する電流量が少なくなるため、第2導電層6の厚さを薄くすることができる。たとえば第2導電層6がチタン(Ti)を含む場合には、第2導電層6の厚さは0.3μm以上2μm以下であることが好ましい。Tiを含む第2導電層6の厚さが0.3μm以上である場合にはたとえばエネルギ密度が1mW/cm2等の低照度下においても光電変換モジュールの変換効率を高くすることができる。また、Tiを含む第2導電層6の厚さが2μm以下である場合には第2導電層6の剥離の抑制効果を向上することができるため、光電変換モジュールの歩留まりを向上することができる。低照度下においても高い変換効率を維持するとともに、第2導電層6の剥離の抑制効果をさらに向上する観点からは、Tiを含む第2導電層6の厚さは0.3μm以上1μm以下であることがより好ましい。
なお、第2導電層6の厚さを薄くすることによって、第1導電層2と第2導電層6とのシート抵抗の合計Rsがたとえば12[Ω/□]から15[Ω/□]に増加した場合であっても、Pin=1[mW/cm2]であるときの最大の単位セル幅Yは、7.63[cm]から6.83[cm]の減少に留まることになる。
また、単位セルの第1導電層2と第2導電層6とのシート抵抗の合計Rsは、20[Ω/□]以下であることが好ましい。単位セルの第1導電層2と第2導電層6とのシート抵抗の合計Rsが20[Ω/□]以下である場合には、電圧降下によるFF低下を抑制することによって、変換効率を向上することができる。
[実験例1]
<実施例1>
図1および図2に示す構造を有する実施例1の光電変換モジュールを作製した。
(第1導電層の形成)
まず、長さ120mm×幅420mmの大きさの表面を有する日本板硝子株式会社製のSnO2膜付きガラス基板を用意し、図1に示す単位セル幅Y+1mmの間隔で、レーザースクライブ法により直列接続方向と垂直な方向に沿って、直線状にSnO2膜を除去した。これにより、SnO2膜の除去部分であるスクライブラインがストライプ状に形成され、基板1としてのガラス基板上に、第1導電層2としてのSnO2膜がストライプ状に形成された。
次に、スクリーン印刷機(ニューロング精密工業株式会社製LS−34TVA)を用いて、以下の表1に示す単位セル幅Yを有する単位セルが1mmの間隔で4個並ぶパターンで、市販の酸化チタンペースト(Solaronix社製、商品名Ti−Nanoxide D/SP、平均粒径13nm)をスクライブライン間に位置するSnO2膜上に塗布した。
(多孔質半導体層の形成)
次に、室温にて酸化チタンペーストを1時間レベリングを行なって得られた塗膜を80℃で20分間予備乾燥して、450℃で1時間焼成を行なった。この酸化チタンペーストの塗布工程、レベリング工程、予備乾燥工程、および焼成工程をこの順に繰り返すことによって、厚さ30μmの酸化チタンからなる多孔質半導体層3aを形成した。
(増感色素の吸着)
増感色素として、以下の構造式(i)で表わされるRuthenium620−1H3TBA色素(Solaronix社製)を用い、これのアセトニトリル(Aldrich Chemical Company製)/t−ブチルアルコール(Aldrich Chemical Company製)の1:1溶液(増感色素の濃度;4×10-4モル/リットル)を調製した。この溶液に多孔質半導体層3aを浸漬し、40℃の温度条件のもとで20時間放置した。その後、多孔質半導体層3aをエタノール(Aldrich Chemical Company製)で洗浄した後に乾燥した。このように、多孔質半導体層3aに色素を吸着させることによって、第1導電層2上に光電変換層3を形成した。なお、構造式(i)において、「TBA」は、テトラブチルアンモニウムを示す。
Figure 0006173560
(多孔質絶縁層の形成)
粒径が100nmの酸化ジルコニウムの微粒子(シーアイ化成株式会社製)を含むペーストを上記と同様の方法で調製した。多孔質半導体層3aの作製に用いたスクリーン版とスクリーン印刷機(ニューロング精密工業製LS−34TVA)とを用いて、光電変換層3上に調製したペーストを塗布した。室温にて1時間レベリングを行なった後、80℃で20分間予備乾燥し、450℃で1時間焼成を行なった。この工程により、光電変換層3上に、厚さ5μmの多孔質絶縁層4を形成した。
(触媒層の形成)
電子ビーム蒸着器EVD−500A(ANELVA社製)を用いて、白金を0.1Å/Sの蒸着速度で蒸着させることによって、多孔質絶縁層4上に、厚さ5nmの白金膜からなる触媒層5を形成した。
(第2導電層の形成)
電子ビーム蒸着器EVD−500A(ANELVA社製)を用いて、チタン(Ti)を0.1Å/Sの蒸着速度で蒸着させることによって、触媒層5上に、厚さ2μmのTi膜からなる第2導電層6を形成した。
(電解液の調製)
酸化還元性電解液として、溶媒にアセトニトリルを用いて、その中に1,2−ジメチル−3−プロピルイミダゾールアイオダイド(1,2-dimethyl-3-propylimidazolium iodide(四国化成工業株式会社製))を0.6モル/リットル、LiI(Aldrich Chemical Company製)を0.1モル/リットル、4−tert−ブチルピリジン(4-tert-butylpyridine(Aldrich Chemical Company製))を0.5モル/リットル、I2(東京化成工業株式会社製)を0.01モル/リットル溶解させたものを用意した。
(封止材による封止)
幅110mm×長さ(4Y+10)mmの大きさの表面を有するガラス基板(Corning7059)からなるカバー材9上に、封止材8としての紫外線硬化材31X−101(スリーボンド社製)を塗布し、SnO2膜付ガラス基板に貼り合わせた。その後、紫外線照射ランプNovacure(EFD社製)を用いて紫外線硬化剤の塗布部分に紫外線を照射することにより、封止材8を硬化することによって、基板1としてのガラス基板とカバー材9とを封止材8によって固定した。
(電解液の注入)
カバー材9に予め設けられた電解液の注入孔から、上記のようにして調製した酸化還元性電解液を基板1とカバー材9との間の封止材8で取り囲まれた空間に注入した。これにより、単位セル長さXが10cmであって、単位セル幅Yが0.5cmである光電変換セル10の複数が直列に接続された実施例1の光電変換モジュールを作製した。
<実施例2>
単位セル幅Yを1cmとしたこと以外は実施例1と同様にして、実施例2の光電変換モジュールを作製した。
<実施例3>
単位セル幅Yを1.5cmとしたこと以外は実施例1と同様にして、実施例3の光電変換モジュールを作製した。
<実施例4>
単位セル幅Yを2cmとしたこと以外は実施例1と同様にして、実施例4の光電変換モジュールを作製した。
<実施例5>
単位セル幅Yを2.5cmとしたこと以外は実施例1と同様にして、実施例5の光電変換モジュールを作製した。
<実施例6>
単位セル幅Yを3cmとしたこと以外は実施例1と同様にして、実施例6の光電変換モジュールを作製した。
<実施例7>
単位セル幅Yを3.5cmとしたこと以外は実施例1と同様にして、実施例7の光電変換モジュールを作製した。
<実施例8>
単位セル幅Yを4cmとしたこと以外は実施例1と同様にして、実施例8の光電変換モジュールを作製した。
<実施例9>
単位セル幅Yを4.5cmとしたこと以外は実施例1と同様にして、実施例9の光電変換モジュールを作製した。
<実施例10>
単位セル幅Yを5cmとしたこと以外は実施例1と同様にして、実施例10の光電変換モジュールを作製した。
<実施例11>
単位セル幅Yを5.5cmとしたこと以外は実施例1と同様にして、実施例11の光電変換モジュールを作製した。
<実施例12>
単位セル幅Yを6cmとしたこと以外は実施例1と同様にして、実施例12の光電変換モジュールを作製した。
<実施例13>
単位セル幅Yを6.5cmとしたこと以外は実施例1と同様にして、実施例13の光電変換モジュールを作製した。
<実施例14>
単位セル幅Yを7cmとしたこと以外は実施例1と同様にして、実施例14の光電変換モジュールを作製した。
<実施例15>
単位セル幅Yを7.5cmとしたこと以外は実施例1と同様にして、実施例15の光電変換モジュールを作製した。
<比較例1>
単位セル幅Yを8cmとしたこと以外は実施例1と同様にして、比較例1の光電変換モジュールを作製した。
<比較例2>
単位セル幅Yを8.5cmとしたこと以外は実施例1と同様にして、比較例2の光電変換モジュールを作製した。
<比較例3>
単位セル幅Yを9cmとしたこと以外は実施例1と同様にして、比較例3の光電変換モジュールを作製した。
<比較例4>
単位セル幅Yを9.5cmとしたこと以外は実施例1と同様にして、比較例4の光電変換モジュールを作製した。
<比較例5>
単位セル幅Yを10cmとしたこと以外は実施例1と同様にして、比較例5の光電変換モジュールを作製した。
<比較例6>
SnO2膜上に幅0.4mmで、厚さ2μmの直線状のTi膜からなるグリッド電極を間隔9.6mmで予め9本設けた後に多孔質半導体層3aを形成したこと以外は実施例2と同様にして、比較例6の光電変換モジュールを作製した。なお、グリッド電極は、第2導電層6と同様にして形成した。
<比較例7>
単位セル幅Yを2cmとしたこと以外は比較例6と同様にして、比較例7の光電変換モジュールを作製した。
<比較例8>
単位セル幅Yを3cmとしたこと以外は比較例6と同様にして、比較例8の光電変換モジュールを作製した。
<比較例9>
単位セル幅Yを4cmとしたこと以外は比較例6と同様にして、比較例9の光電変換モジュールを作製した。
<評価>
上記のようにして作製された実施例1〜実施例15および比較例1〜比較例9の光電変換モジュールに、1mW/cm2のエネルギ密度の光(AM1.5ソーラーシミュレータ、NDフィルタにより減光)を照射することによって、変換効率[%]を測定した。
なお、変換効率[%]は、短絡電流量を、実施例1〜15および比較例1〜9の光電変換モジュールのアパチャーエリア(光電変換モジュール内の複数の光電変換セル10の外枠を結んで囲むエリア)の面積で除した値に、開放電圧Voc[V]およびFFを乗じることによって求めた。なお、図1に示す例においては、アパチャーエリアは、A点、B点、C点およびD点を頂点とする四角形の領域である。
また、以下の式(G1)を用いて、実施例1〜15および比較例1〜9の光電変換モジュールの単位セルの電圧降下E[V]を測定した。以下の式(G1)において、Rsは、第2導電層2としてのSnO2膜と第2導電層6としてのTi膜とのシート抵抗の合計値[Ω/□]を意味している。
E[V]=Pin×Rs×Y2×10-4 …(G1)
また、以下の式(IV)を用いて、実施例1〜15および比較例1〜9の光電変換モジュールの受光面積率[%]を求めた。なお、以下の式(IV)において、光電変換モジュールの発電層の面積は、図1に示す例においては、4個の光電変換層3のそれぞれの受光面の当該受光面に平行な任意の平面への投影面積の合計面積である。
受光面積率[%]=100×(光電変換モジュールの発電層の面積)/(光電変換モジュールのアパチャーエリアの面積) …(IV)
表1に、実施例1〜15および比較例1〜9の光電変換モジュールの単位セル長さX[cm]、単位セル幅Y[cm]、単位セルの短絡電流量Isc[mA]、Isc/X[mA/cm]、単位セルの電圧降下E[V]、変換効率[%]、受光面積率[%]およびエネルギ密度100mW/cm2の擬似太陽光(AM1.5ソーラーシミュレータ)を照射することによって得られた単位セルの短絡電流密度Jsc[mA/cm2](1sun時Jsc[mA/cm2])を示す。
Figure 0006173560
表1に示すように、実施例1〜実施例15および比較例1〜比較例9の光電変換モジュールにおいては、エネルギ密度100mW/cm2の擬似太陽光(AM1.5ソーラーシミュレータ)を照射時の単位セルの短絡電流密度Jsc[mA/cm2]が20[mA/cm2]以上であり、Isc/X[mA/cm]が2[mA/cm]以下であって、単位セル幅Yを増加させるほど受光面積率が増加して変換効率が増加するが、同時に電圧降下も増加するため一定のYを超えると変換効率は減少に転じている。これらのトレードオフから、表1に示すように、単位セル幅Yが0.5cm以上7.5cm以下である実施例1〜実施例15の光電変換モジュールにおいては、単位セル幅Yが8mmを超える比較例1〜比較例5の光電変換モジュールと比べて、電圧降下を0.07V未満に抑えて、7.86[%]以上の高い変換効率が得られることがわかった。
また、実施例10〜実施例15の光電変換モジュールにおいては、実施例1と同等の変換効率で10〜15倍の短絡電流量Iscが得られている。そのため、実施例1〜9の光電変換モジュールも屋内などの低照度下で用いる電子機器の電源として好適に用いることもできるが、実施例10〜15の光電変換モジュールは、低照度下で特に好適に使用することができると考えられる。
さらに、実施例2、実施例4、実施例6および実施例8の光電変換モジュールにはグリッド電極が設けられていないため、グリッド電極が設けられていること以外は同一の構成を有する比較例6〜比較例9の光電変換モジュールと比べてそれぞれ単位セルの電圧降下が大きくなる。しかしながら、実施例2、実施例4、実施例6および実施例8の光電変換モジュールは、比較例6〜比較例9の光電変換モジュールと比べて、受光面積率が大きくなり、受光面積率の増大による単位セルの短絡電流量の増大が、グリッド電極の設置による単位セルの電圧降下の増大によるFFの低下を上回ることから、光電変換モジュール全体としての変換効率が高くなると考えられる。
以上の結果から、実施例1〜実施例15の光電変換モジュールにおいては、受光面にグリッド電極を設けなくても変換効率を向上させることができ、低照度下で使用可能な光電変換モジュールとすることができる。
[実験例2]
第2導電層6としてTi膜を用い、当該Ti膜の厚さを0.1μm、0.2μm、0.3μm、0.4μm、0.5μm、1.0μm、1.5μmおよび2.0μmに変更して図1および図2に示す構成の光電変換モジュールを作製し、それぞれの光電変換モジュールに形成されたTi膜のシート抵抗を測定した。そして、Ti膜の厚さごとのシート抵抗測定から得られたRs[Ω/□]と、入射光の強度Pin(1[mW/cm2]、5[mW/cm2]および10[mW/cm2])とを上記の式(H)に代入して得られた単位セル幅Y[cm]の値をプロットした。その結果を図5に示す。なお、図5において、横軸がTi膜の厚さ[μm]を示し、縦軸が単位セル幅Y[cm]を示す。
図5に示す結果から、単位セルの電圧降下を抑制してFFの低下を抑制することができるとともに最大の短絡電流量Iscを得ることができる光電変換モジュールの単位セル幅Yを決定することができる。
また、従来の高照度(100mW/cm2)用の光電変換モジュールにおいては、電圧降下を抑制するため、Ti膜からなる第2導電層6の厚さは2μm程度必要であったが、図5に示す結果によれば、Ti膜からなる第2導電層6の厚さを1μmとした場合でも単位セル幅Yを狭くすることなく、単位セルの短絡電流量および電圧降下を維持することができることが確認された。以上の結果から、単位セルの短絡電流量Iscおよび光電変換モジュールのFFを維持したまま、Ti膜の厚さを半分にすることができる。さらには、Ti膜の厚さの減少によって、Ti膜の剥離を抑制することができるため、光電変換モジュールの歩留まりを向上させることができる。
[実験例3]
単位セルの大きさを実施例11の単位セルの大きさとし、Ti膜からなる第2導電層6の厚さを変更することによって以下の実施例16〜実施例21の光電変換モジュールを作製した。
<実施例16>
Ti膜からなる第2導電層6の厚さを1.5μmとしたこと以外は実施例11と同様にして、実施例16の光電変換モジュールを作製した。
<実施例17>
Ti膜からなる第2導電層6の厚さを1.0μmとしたこと以外は実施例11と同様にして、実施例17の光電変換モジュールを作製した。
<実施例18>
Ti膜からなる第2導電層6の厚さを0.5μmとしたこと以外は実施例11と同様にして、実施例18の光電変換モジュールを作製した。
<実施例19>
Ti膜からなる第2導電層6の厚さを0.3μmとしたこと以外は実施例11と同様にして、実施例19の光電変換モジュールを作製した。
<実施例20>
Ti膜からなる第2導電層6の厚さを0.2μmとしたこと以外は実施例11と同様にして、実施例20の光電変換モジュールを作製した。
<実施例21>
Ti膜からなる第2導電層6の厚さを0.1μmとしたこと以外は実施例11と同様にして、実施例21の光電変換モジュールを作製した。
<評価>
上記のようにして作製された実施例16〜実施例21ならびに実施例11の光電変換モジュールの単位セルのTi膜からなる第2導電層6の表面のシート抵抗[Ω/□]を測定した。また、上記のようにして作製された実施例16〜実施例21の光電変換モジュールに、1mW/cm2のエネルギ密度の光(AM1.5ソーラーシミュレータ、NDフィルタにより減光)を照射することによって、実施例11の光電変換モジュールと同様にして、変換効率[%]を求めた。さらに、実施例16〜実施例21の光電変換モジュールの単位セルの電圧降下E[V]を実施例11の光電変換モジュールと同様にして算出した。
表2に、実施例16〜実施例21の光電変換モジュールの単位セルの第2導電層6であるTi膜の厚さ[μm]、単位セルの第2導電層6であるTi膜の表面のシート抵抗[Ω/□]、単位セルの電圧降下E[V]および光電変換モジュールの変換効率[%]を実施例11の光電変換モジュールの値と併せて示す。
Figure 0006173560
表2に示すように、単位セルのTi膜からなる第2導電層6の厚さが0.3μm以上2μm以下である実施例16〜実施例20の光電変換モジュールにおいては、実施例1の光電変換モジュールよりも高い変換効率[%]を有していることが確認された。
また、単位セルのTi膜からなる第2導電層6の厚さが1μm以下の実施例17〜実施例21の光電変換モジュールにおいては、特に、第2導電層6の剥離が見られず、光電変換モジュールを歩留まり良く作製できることが確認された。
[付記]
(1)本発明の第1の実施態様によれば、基板と、基板上において直列に接続された複数の光電変換セルとを含み、光電変換セルは、第1導電層と、第1導電層と間隔を空けて向かい合う第2導電層と、第1導電層上の光電変換層と、第1導電層と第2導電層との間のキャリア輸送材料とを備え、光電変換層は、多孔質半導体層と、多孔質半導体層上の光増感剤とを含み、光電変換セルにエネルギ密度が100mW/cm2の擬似太陽光を照射することによって得られる短絡電流密度Jscが式(I)(Jsc≧20mA/cm2)の関係を満たし、光電変換セルにエネルギ密度が1mW/cm2の擬似太陽光を照射することによって得られる短絡電流量Iscと、光電変換セルの直列接続方向に垂直な方向の多孔質半導体層の長さXとが式(II)(Isc/X≦2mA/cm)の関係を満たし、光電変換モジュールに入射する光の強度Pin[mW/cm2]と、光電変換セルの第1導電層と第2導電層とのシート抵抗の合計Rs[Ω/□]と、光電変換セルの直列接続方向の多孔質半導体層の長さY[cm]とが式(III)(Pin×Rs×Y2×10-4<0.07)の関係を満たす光電変換モジュールを提供することができる。このような構成とすることにより、受光面にグリッド電極を設けなくても高い変換効率を有するとともに、低照度下でも使用可能な光電変換モジュールとすることができる。また、グリッド電極を設ける必要がないため受光面積率を大きくすることができるとともに、グリッド電極の材料コストおよび設置コストを低減することができる。また、Isc/X≦2mA/cmの関係が満たされているため、単位セル幅Yを広くした場合でも、光電変換モジュールの特性の低下を抑制することができる。
(2)本発明の第1の実施態様の光電変換モジュールにおいては、第2導電層がTiを含み、第2導電層の厚さが0.3μm以上2μm以下であることが好ましい。Tiを含む第2導電層の厚さが0.3μm以上である場合にはたとえばエネルギ密度が1mW/cm2等の低照度下においても光電変換モジュールの変換効率を高くすることができる。また、Tiを含む第2導電層の厚さが2μm以下である場合には第2導電層の剥離の抑制効果を向上することができるため、光電変換モジュールの歩留まりを向上することができる。
(3)本発明の第1の実施態様の光電変換モジュールにおいては、上記のRsが20Ω/□以下であることが好ましい。単位セルの第1導電層と第2導電層とのシート抵抗の合計Rsが20[Ω/□]以下である場合には単位セルの電圧降下によるFF低下を抑制することによって、光電変換モジュール全体の変換効率を向上することができる。
(4)本発明の第1の実施態様の光電変換モジュールにおいては、上記のYが0.5cm以上7.5cm以下であることが好ましい。この場合にも、受光面にグリッド電極を設けなくても高い変換効率を有するとともに、低照度下でも使用可能な光電変換モジュールとすることができる。
(5)本発明の第2の実施態様によれば、本発明の第1の実施態様の光電変換モジュールを電源部として含む電子機器を提供することができる。本発明の第2の実施態様の電子機器は、本発明の第1の実施態様の光電変換モジュールを電源部として含むため、低照度下でも使用可能となる。
以上のように本発明の実施の形態および実施例について説明を行なったが、上述の各実施の形態および各実施例の構成を適宜組み合わせることも当初から予定している。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の一例である実施の形態の光電変換モジュールは、特に、色素増感太陽電池モジュール、および当該色素増感太陽電池モジュールを電源部として含む電子機器(たとえば室内用人感センサーおよび温度センサー等の各種センサー類等)に好適に利用することができる。
1 基板、2 第1導電層、3 光電変換層、3a 多孔質半導体層、4 多孔質絶縁層、5 触媒層、6 第2導電層、7 キャリア輸送材料、8 封止材、9 カバー材、10 光電変換セル。

Claims (5)

  1. 基板と、
    前記基板上において、直列に接続された複数の光電変換セルとを含む光電変換モジュールであって
    前記光電変換セルは、
    第1導電層と、
    前記第1導電層と間隔を空けて向かい合う第2導電層と、
    前記第1導電層上の光電変換層と、
    前記第1導電層と前記第2導電層との間のキャリア輸送材料とを備え、
    前記光電変換層は、多孔質半導体層と、前記多孔質半導体層に吸着された光増感剤とを含み、
    前記光電変換セルにエネルギ密度が100mW/cm2の擬似太陽光を照射することによって得られる短絡電流密度Jscが以下の式(I)の関係
    sc≧20mA/cm2 …(I)
    を満たし、
    前記光電変換セルにエネルギ密度が1mW/cm2の擬似太陽光を照射することによって得られる短絡電流量Iscと、前記光電変換セルの直列接続方向に垂直な方向の前記多孔質半導体層の長さXとが以下の式(II)の関係
    sc/X≦2mA/cm …(II)
    を満たし、
    前記光電変換モジュールに入射する光の強度Pin[mW/cm2]と、前記光電変換セルの前記第1導電層と前記第2導電層とのシート抵抗の合計Rs[Ω/□]と、前記光電変換セルの前記直列接続方向の前記多孔質半導体層の長さY[cm]とが、以下の式(III)の関係
    in×Rs×Y2×10-4<0.07 …(III)
    を満たす、光電変換モジュール。
  2. 前記第2導電層は、チタンを含み、
    前記第2導電層の厚さが、0.3μm以上2μm以下である、請求項1に記載の光電変換モジュール。
  3. 前記Rsが、20Ω/□以下である、請求項1または請求項2に記載の光電変換モジュール。
  4. 前記Yが、0.5cm以上7.5cm以下である、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の光電変換モジュール。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の光電変換モジュールを電源部として含む、電子機器。
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