JP5422645B2 - 色素増感太陽電池および色素増感太陽電池モジュール - Google Patents

色素増感太陽電池および色素増感太陽電池モジュール Download PDF

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Description

本発明は、多孔性絶縁層または多孔性半導体層と触媒層または導電層との剥離を抑制して歩留りよく作製でき、高い変換効率を示す色素増感太陽電池および色素増感太陽電池モジュールに関する。
化石燃料に代るエネルギー源として、太陽光を電力に変換する太陽電池が注目されている。現在、結晶系シリコン基板を用いた太陽電池および薄膜シリコン太陽電池が実用化されている。しかし、前者はシリコン基板の作製コストが高いという問題があり、後者は多種の半導体製造用ガスや複雑な装置を用いる必要があるために製造コストが高くなるという問題がある。このため、いずれの太陽電池においても光電変換の高効率化による発電出力当たりのコストを低減する努力が続けられているが、上記の問題を解決するには到っていない。
新しいタイプの太陽電池として、金属錯体の光誘起電子移動を応用した湿式太陽電池が提案されている(例えば、特許第2664194号公報(特許文献1)参照)。
この湿式太陽電池は、表面上に電極を形成した2枚のガラス基板の電極間に、光増感色素を吸着させて可視光領域に吸収スペクトルをもたせた光電変換層と電解質層とを挟持した構造を有する。この湿式太陽電池に対して透明な電極側から光を照射すると、光電変換層内に電子が発生し、発生した電子が一方の電極から外部電気回路を通って対向する電極に移動し、移動した電子が電解質中のイオンにより運ばれて光電変換層に戻る。このような一連の電子移動の繰り返しにより電気エネルギーが取り出される。
しかしながら、特許文献1に記載の色素増感太陽電池の基本構造は、2枚のガラス基板の電極間に電解液を注入した構造であるため、小面積の太陽電池の試作は可能であるが、1m角のような大面積の太陽電池への適用は困難である。つまり、1つの太陽電池セルの面積を大きくすると、発生電流は面積に比例して増加するが、透明電極の面内方向の抵抗が増大し、それに伴って太陽電池としての内部直列電気抵抗が増大する。その結果、光電変換時の電流電圧特性における曲線因子(FF:フィルファクタ)、さらには短絡電流が低下し、光電変換効率が低くなるという問題が起こる。
そこで、上記の問題を解決するために、複数個の色素増感太陽電池を直列接続した、すなわち、1つの太陽電池の電極(導電層)と隣り合う太陽電池の電極(対極)とを電気的に接続した色素増感太陽電池モジュールが提案されている(例えば、特開平11−514787号公報(特許文献2)、特開2001−357897号公報(特許文献3)、特開2002−367686号公報(特許文献4)参照)。
また、特許文献1〜4の中でも、特許文献4の色素増感太陽電池は、2枚必要とされていた導電性ガラスを1枚にして軽量化を図っている。この色素増感太陽電池では、導電性ガラス上に多孔性半導体層、多孔性セパレーター層(多孔性絶縁層)、触媒層および導電層が形成され、多孔性半導体層および多孔性セパレーター層の粒径を制御することにより、電気的な短絡を抑制している。
さらに、特開2003−92417号公報(特許文献5)には、第1の電極と第2の電極、それらの間の電子輸送層、色素層、正孔輸送層と、第1の電極と正孔輸送層との間での短絡を防止または抑制するバリア層とからなる光電変換素子において、バリア層の絶縁を保つために、第1電極の電子輸送層側の表面を平滑化して、表面粗さ(JIS B0601規定の最大高さ/最大表面粗さRmax)を0.05〜1μmに規定することが提案されている。
特許第2664194号公報 特開平11−514787号公報 特開2001−357897号公報 特開2002−367686号公報 特開2003−92417号公報
しかしながら、特許文献4に記載の色素増感太陽電池のような1枚の基板上に多孔性半導体層、多孔性絶縁層、触媒層および導電層のすべてを積層させる場合、各層の界面(接触面)で剥離する問題があり、歩留まりよく色素増感太陽電池を作製することが困難であった。
本発明は、上述の課題に鑑みなされたものであり、多孔性絶縁層または多孔性半導体層と触媒層または導電層との剥離を抑制して歩留りよく作製でき、高い変換効率を示す色素増感太陽電池および色素増感太陽電池モジュールを提供することを課題とする。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意研究を行った結果、第一導電層上に、少なくとも触媒層、内部に電解質を含有する多孔性絶縁層、増感色素が吸着されかつ内部に電解質を含有する多孔性半導体層および第二導電層が積層された色素増感太陽電池において、隣接して積層された、多孔性絶縁層または多孔性半導体層の触媒層または第二導電層における界面(接触面)を特定の表面粗さ係数の凹凸形状にすることにより、それらの接触面での剥離を抑制して歩留りよく作製でき、高い変換効率を示す色素増感太陽電池が得られることを見出し、本発明を完成するに到った。
かくして、本発明によれば、第一導電層上に、少なくとも触媒層、内部に電解質を含有する多孔性絶縁層、増感色素が吸着されかつ内部に電解質を含有する多孔性半導体層および第二導電層が積層され、隣接して積層された、前記多孔性絶縁層または多孔性半導体層の前記触媒層または前記第二導電層における接触面が表面粗さ係数Ra0.05〜0.3μmの範囲内の凹凸形状を有している色素増感太陽電池が提供される。
また、本発明によれば、上記の色素増感太陽電池の2つ以上が電気的に直列接続されてなる色素増感太陽電池モジュールが提供される。
以下の説明において、色素増感太陽電池および色素増感太陽電池モジュールをそれぞれ太陽電池および太陽電池モジュールともいう。
本発明によれば、多孔性絶縁層または多孔性半導体層と触媒層または導電層との剥離を抑制して歩留りよく作製でき、高い変換効率を示す色素増感太陽電池および色素増感太陽電池モジュールを提供することができる。
本発明の太陽電池(実施形態1−1)の要部の層構成を示す概略断面図である。 本発明の太陽電池(実施形態1−1)を複数個電気的に直列接続してなる太陽電池モジュール(実施形態1−2)の要部の層構成を示す概略断面図である。 本発明の太陽電池(実施形態2−1)の要部の層構成を示す概略断面図である。 本発明の太陽電池(実施形態2−1)を複数個電気的に直列接続してなる太陽電池モジュール(実施形態2−2)の要部の層構成を示す概略断面図である。 実施例1〜10および比較例1〜6の太陽電池モジュールにおける表面粗さ係数とFFとの関係を示す図である。 本発明の太陽電池(実施形態3−1)の要部の層構成を示す概略断面図である。 本発明の太陽電池(実施形態3−1)を複数個電気的に直列接続してなる太陽電池モジュール(実施形態3−2)の要部の層構成を示す概略断面図である。 本発明の太陽電池(実施形態4−1)の要部の層構成を示す概略断面図である。 本発明の太陽電池(実施形態4−1)を複数個電気的に直列接続してなる太陽電池モジュール(実施形態4−2)の要部の層構成を示す概略断面図である。
本発明の太陽電池は、第一導電層上に、少なくとも触媒層、内部に電解質を含有する多孔性絶縁層、増感色素が吸着されかつ内部に電解質を含有する多孔性半導体層および第二導電層が積層され、隣接して積層された、前記多孔性絶縁層または多孔性半導体層の前記触媒層または前記第二導電層における接触面が表面粗さ係数Ra0.05〜0.3μmの範囲内の凹凸形状を有していることを特徴とする。
本発明の太陽電池は、以下に説明するように、大きく2つの実施形態、さらにそれぞれ2つ実施形態、すなわち合計4つの好ましい実施形態に分類される
本発明の太陽電池は、第一導電層上に、少なくとも触媒層、内部に電解質を含有する多孔性絶縁層、増感色素が吸着されかつ内部に電解質を含有する多孔性半導体層および第二導電層が積層され、前記多孔性半導体層と前記第二導電層とが隣接して積層されかつ前記多孔性半導体層の前記第二導電層における接触面が表面粗さ係数Ra0.05〜0.3μmの範囲内の凹凸形状を有していることを特徴とする。
すなわち、本発明の太陽電池は、隣接して積層される多孔性半導体層と前記第二導電層との界面(接触面)状態を主たる特徴とし、このような特徴を有するものであれば、その構造は特に限定されないが、例えば、次のような構造が好ましい:
第一導電層上に、少なくとも触媒層、内部に電解質を含有する多孔性絶縁層、増感色素が吸着されかつ内部に電解質を含有する多孔性半導体層がこの順で積層され、前記多孔性絶縁層と前記多孔性半導体層の間に第二導電層が積層されてなる構造(以下の実施形態1−1);
第一導電層上に、少なくとも触媒層、内部に電解質を含有する多孔性絶縁層、増感色素が吸着されかつ内部に電解質を含有する多孔性半導体層がこの順で積層され、さらに多孔性半導体層上に第二導電層が積層されてなる構造(以下の実施形態2−1)。
また、本発明の太陽電池は、第一導電層上に、少なくとも増感色素が吸着されかつ内部に電解質を含有する多孔性半導体層、内部に電解質を含有する多孔性絶縁層、第二導電層および触媒層が積層され、前記多孔性絶縁層と前記第二導電層または前記触媒層とが隣接して積層されかつ前記多孔性絶縁層の前記第二導電層または前記触媒層における接触面が表面粗さ係数Ra0.05〜0.3μmの範囲内の凹凸形状を有していることを特徴とする。
すなわち、本発明の太陽電池は、隣接して積層される多孔性絶縁層と第二導電層または触媒層との界面(接触面)状態を主たる特徴とし、このような特徴を有するものであれば、その構造は特に限定されないが、例えば、次のような構造が好ましい:
第一導電層上に、少なくとも増感色素が吸着されかつ内部に電解質を含有する多孔性半導体層、内部に電解質を含有する多孔性絶縁層、第二導電層および触媒層が積層され、多孔性絶縁層、第二導電層および触媒層がこの順で積層されてなる構造(以下の実施形態3−1);
第一導電層上に、少なくとも増感色素が吸着されかつ内部に電解質を含有する多孔性半導体層、内部に電解質を含有する多孔性絶縁層、第二導電層および触媒層が積層され、多孔性絶縁層、前記触媒層および第二導電層がこの順で積層されてなる構造(以下の実施形態4−1)。
以下に本発明の太陽電池および太陽電池モジュールを、実施形態1−1、2−1、3−1および4−1の太陽電池ならびにそれらの2つ以上を電気的に直列接続した実施形態1−2、2−2、3−2および4−2の太陽電池モジュールを例として、図1〜4および6〜9を用いて説明するが、これらの説明により本発明は限定されるものではない。
なお、図1〜4および6〜9において、1は基板、2は第一導電層、3は触媒層、4は多孔性絶縁層、5は第二導電層、6は多孔性半導体層、7は電解質、8はカバー部材(透光性カバー部材、強化ガラス)、9は封止部(セル間絶縁層)、10はスクライブラインを示す。増感色素(図示せず)は多孔性半導体層6に吸着し、電解質7は多孔性絶縁層4および多孔性半導体層6にも含有する。
また、図1〜4および6〜9に示される太陽電池の各構成要素は、必ずしも絶対的なまたは相対的な縮尺率で示されている訳ではない。
(実施形態1−1)
図1は、本発明の太陽電池(実施形態1−1)の要部の層構成を示す概略断面図である。
この太陽電池は、多孔性絶縁層4上に第二導電層5が形成されたタイプであり、具体的には、基板1上に第一導電層2が形成されてなる導電性基板Aと、第一導電層2上に順次形成された触媒層3、多孔性絶縁層4、第二導電層5、増感色素が吸着された多孔性半導体層6および透光性カバー部材8とを備え、多孔性絶縁層4および多孔性半導体層6は電解質7を含有している。また、導電性基板Aと透光性カバー部材8との間の外周部に封止部9が設けられている。
第一導電層2は、その一部が除去されたスクライブライン10を封止部9の近傍の内側領域に有し、スクライブライン10を挟んで、太陽電池形成領域となる幅の広い部分と幅の狭い部分とに分割されている。この幅の広い第一導電層における外部に露出した部分と、幅の狭い第一導電層における外部に露出した部分は、それぞれ外部回路と電気的に接続される。
また、多孔性絶縁層4は、触媒層3上からスクライブライン10をわたって形成され、第二導電層5は、多孔性絶縁層4上から前記幅の狭い第一導電層上にわたって形成されている。第二導電層5と電気的に接続された幅の狭い第一導電層は、第二導電層5の引出し電極となる。
実施形態1−1の太陽電池では、透光性カバー部材8の表面が受光面となり、第二導電層5が負極となり、第一導電層2が正極となる。透光性カバー部材8の受光面に光が照射されると、多孔性半導体層6で電子が発生し、発生した電子が多孔性半導体層6から第二導電層5へ移動し、電子は引出し電極から外部回路を通って第一導電層2へ移動し、触媒層3を通って多孔性絶縁層4内の電解質中のイオンにより運ばれて第二導電層5に移動する。
導電性基板Aを受光面とすることもでき、その場合には、基板1および第一導電層2に透光性の材料が用いられる。
本発明において「透光性」とは、少なくとも用いられる増感色素に実効的な感度を有する波長の光を実質的に透過させることを意味し、必ずしもすべての波長領域の光を透過させる必要はない。
(基板1)
基板を構成する材料は、太陽電池を支持し得るものであれば特に限定されず、例えば、ソーダ石灰フロートガラス、石英ガラスなどのガラス、セラミック、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリエチレンナフタレート(PEN)フィルムなどの透明プラスチックフィルムなどからなる耐熱性基板が挙げられ、導電性基板Aを受光面とする場合には透光性の材料が用いられる。
基板の厚さは、特に限定されないが、通常、0.5〜8mm程度である。
(第一導電層2)
第一導電層としては、導電性を有するものであれば特に限定されず、少なくとも導電性基板Aを受光面とする場合には透光性の材料が用いられる。
第一導電層を構成する材料としては、金属材料および金属酸化物材料が挙げられ、好適に用いられる。
金属材料としては、後述する電解質に対して腐食性を示さない、チタン、ニッケルおよびタンタルなどが挙げられ、好適に用いられる。
金属酸化物材料としては、酸化錫(SnO2)、フッ素がドープされた酸化錫(FTO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化インジウム(In23)およびインジウム錫複合酸化物(ITO)などが挙げられ、好適に用いられる。
第一導電層2は、金属材料を用いる場合、スパッタ法、スプレー法などの公知の方法により、金属酸化物材料を用いる場合、スパッタ法、蒸着法などの公知の方法により、基板1上に形成することができる。
また、基板1としてのソーダ石灰フロートガラス上に透明導電層としてのFTOを積層した導電性基板のような市販品を用いてもよい。
第一導電層の膜厚は、通常0.02〜5μm程度であり、その膜抵抗としては低いほどよく、特に40Ω/sq以下が好ましい。
(触媒層3)
触媒層としては、当該技術分野で一般に光電変換材料に使用されるものであれば特に限定されない。
触媒層を構成する材料としては、例えば、白金およびカーボンブラック、ケッチェンブラック、カーボンナノチューブ、フラーレンなどのカーボンなどが挙げられる。
触媒層3は、例えば、白金を用いる場合には、スパッタ法、塩化白金酸の熱分解、電着などの公知の方法により第一導電層2上に形成することができる。
また、触媒層3は、カーボンを用いる場合には、溶剤に分散してペースト状にしたカーボンをスクリーン印刷法などの公知の塗布方法により第一導電層2上に形成することができる。
触媒層の膜厚は、例えば、通常0.5〜1000nm程度である。
触媒層3の形態は特に限定されず、緻密な膜状、多孔質膜状あるいはクラスター状とすることができる。
(多孔性絶縁層4)
多孔性絶縁層4は、実施形態1−1および2−1では、触媒層3と多孔性半導体層6とを電気的に絶縁する機能を有する層であり、多孔性半導体層6の非受光面側の触媒層3上に形成される。
また、多孔性絶縁層4は、後述する実施形態3−1および4−1では、多孔性半導体層6と第二導電層5または触媒層3とを電気的に絶縁する機能を有する層であり、多孔性半導体層6の非受光面側に形成される。
多孔性絶縁層を構成する材料としては、例えば、酸化ニオブ、酸化ジルコニウム、酸化ケイ素(シリカガラス、ソーダガラス)、酸化アルミニウム、チタン酸バリウムなどが挙げられ、これらの材料の1種または2種以上を選択的に用いることができる。
これらの中でも、酸化ジルコニウムを好適に用いることができる。その形状は粒子状が好ましく、平均粒径は100〜500nm、好ましくは5〜500nm、より好ましくは10〜300nmである。
多孔性絶縁層4は、後述する第二導電層5の土台(形成面)となり、さらにその上に多孔性半導体層6が形成される。
上記のように多孔性半導体層6に吸着された増感色素で発生した電子が第二導電層5に移動することになるので、多孔性半導体層と第二導電層との接触面積が電子移動時の抵抗と大きく関係する。
また、第二導電層5は、後述するように、電解質を移動させるための小孔を有することが好ましく、これにより多孔性半導体層と第二導電層との接触面積は小さくなるので、接触面積を十分に確保するためには、第二導電層を形成させる多孔性絶縁層の膜表面形状が重要となる。
そこで、本発明者らは、多孔性半導体層の第二導電層における接触面を、表面粗さ係数Ra0.05〜0.3μmの範囲内の凹凸形状に規定することにより、受光面の導電性ガラス基板での光反射と吸収による入射光量の損出をなくした構造でありながら、電流値が十分に取り出せ、屋外設置が可能であり、太陽電池特性が向上しかつ重量が軽減された色素増感太陽電池が得られることを見出した。
このような本発明の思想は、表面の平坦化を重視する特許文献5に記載の発明とは全く異なる。
本発明における「表面粗さ係数Ra」は、JIS B0601−1994規格の算術平均粗さ、具体的には、基板の長手方向(正方形の場合は、どちらか一方)の長さの70%以上の表面粗さを測定した値の平均値を意味する。
(多孔性絶縁層の形成)
多孔性絶縁層4は、後述する多孔性半導体層6と同様にして形成することができる。すなわち、多孔性絶縁層4の形成用微粒子を適当な溶剤に分散し、さらにエチルセルロース、ポリエチレングリコール(PEG)などの高分子化合物を混合してペーストを得、得られたペーストを多孔性半導体層上に塗布し、乾燥および焼成することにより、多孔性絶縁層を得ることができる。
上記のように、実施形態1−1の太陽電池では、多孔性絶縁層4上に、第二導電層5と多孔性半導体層6がこの順で積層形成されるので、第二導電層5の表面粗さ係数Raは、多孔性絶縁層4の表面粗さ係数Raに依存する。
したがって、多孔性絶縁層の形成時にその表面粗さ係数Raを制御する必要がある。
多孔性絶縁層の表面粗さ係数Raは、形成方法や乾燥条件、レベリング時間や環境、ペーストの組成によって、制御することができる。
例えば、成膜後のレベリング条件を変化させることにより表面の凹凸を平滑化することができ、また40℃前後の比較的高い温度条件下で10〜50分間レベリングすることによっても表面の凹凸を平滑化することができ、条件によっては表面粗さ係数Ra0.02μm以下にすることもできる。また、粘性の低いペースト組成を用いることによっても表面の凹凸を平滑化することができる。
表面粗さ係数Raが上記の範囲内であれば、多孔性絶縁層上に第二導電層を形成させると、電解質が移動できる小孔が第二導電層の形成と同時に作成することができる。但し、後述するように第二導電層の小孔を別途形成しても問題はない。
表面粗さ係数Raが上記の下限未満では、表面が平らとなり、その上に形成する第二導電層と多孔性半導体層の接触が低下するのと共に、電解液用の小孔も形成できず性能が低下することがある。また、表面粗さ係数Raが上記の上限を超えると、表面が粗すぎて、その上に第二導電層が断片的にしか形成されず、抵抗が上昇し、性能が低下することがある。
(第二導電層5)
第二導電層としては、導電性を有するものであれば特に限定されず、少なくとも導電性基板Aに対向する面を受光面とする場合には透光性の材料が用いられる。
第二導電層を構成する材料としては、金属材料および金属酸化物材料が挙げられ、好適に用いられる。
金属材料としては、後述する電解質に対して腐食性を示さない、チタン、ニッケルおよびタンタルなどが挙げられ、好適に用いられる。
金属酸化物材料としては、酸化錫(SnO2)、フッ素がドープされた酸化錫(FTO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化インジウム(In23)およびインジウム錫複合酸化物(ITO)などが挙げられ、好適に用いられる。
第二導電層5は、金属材料を用いる場合、スパッタ法、スプレー法などの公知の方法により、金属酸化物材料を用いる場合、スパッタ法、蒸着法などの公知の方法により、多孔性絶縁膜4上に形成することができる。
第二導電層の膜厚は、通常0.02〜5μm程度であり、その膜抵抗としては低いほどよく、特に40Ω/sq以下が好ましい。
第二導電層が緻密な構造をなす場合には、第二導電層が、電解質を流通させる複数の小孔を有する、すなわち電解質の多孔性絶縁層4と多孔性半導体層6との間の移動を可能とする複数の小孔(電解質のパス)を有するのが好ましい。
このような小孔は、物理接触やレーザー加工により形成することができる。
小孔の大きさは、0.1〜100μm程度、好ましくは1〜50μm程度であり、隣接する小孔の間隔は、1〜200μm程度、好ましくは10μm〜300μm程度である。
第二導電層上に多孔性半導体層を形成する場合、第二導電層の下地となる多孔性絶縁層の表面粗さ係数Raを制御することにより、第二導電層の表面粗さ係数Raを制御することができ、ひいては多孔性半導体層の第二導電層界面における接触面の凹凸形状を制御することができる。
一方、後述する実施形態2−1のような多孔性半導体層上に第二導電層を形成する場合には、多孔性半導体層の表面粗さ係数Raを制御することにより、多孔性半導体層の第二導電層における接触面の凹凸形状を制御することができる。
(多孔性半導体層6)
多孔性半導体層6としては、当該技術分野で一般に光電変換材料に使用されるものであれば特に限定されない。
多孔性半導体層を構成する材料としては、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化錫、酸化鉄、酸化ニオブ、酸化セリウム、酸化タングステン、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、硫化カドミウム、硫化鉛、硫化亜鉛、リン化インジウム、銅−インジウム硫化物(CuInS2)、CuAlO2、SrCu22などの半導体化合物およびこれらの組み合わせが挙げられる。これらの中でも、安定性および安全性の点から、酸化チタンが特に好ましい。
酸化チタンは、アナタース型酸化チタン、ルチル型酸化チタン、無定形酸化チタン、メタチタン酸、オルソチタン酸などの各種の狭義の酸化チタンおよび水酸化チタン、含水酸化チタンなどを包含し、本発明ではこれらの単独または混合物を用いることができる。
アナターゼ型とルチル型の2種類の結晶系酸化チタンは、その製法や熱履歴によりいずれの形態にもなり得るが、アナターゼ型が一般的である。本発明においては、色素増感に関して、アナターゼ型の含有率の高いもの、例えば80%以上のものが特に好ましい。
多孔性半導体の形態としては、単結晶、多結晶のいずれでもよいが、安定性、結晶成長の困難さ、製造コストなどの点で、多結晶が好ましく、微粉末(ナノからマイクロスケール)の多結晶微粒子の形態が特に好ましい。
また、同一または異なる半導体化合物からなる2種類以上の粒子サイズの粒子を混合して用いてもよい。粒子サイズの大きな粒子は、入射光を散乱させ光捕捉率の向上に寄与し、粒子サイズの小さな粒子は、比表面積の広さ(吸着点の多さ)により色素の吸着量の向上に寄与するものと考えられる。
異なる粒子サイズの平均粒径の比率は10倍以上が好ましく、粒子サイズの大きな粒子の平均粒径は100〜500nm程度が適当であり、粒子サイズの小さな粒子の平均粒径は5〜50nm程度が適当である。異なる半導体化合物からなる混合粒子の場合、吸着作用の強い半導体化合物を粒子サイズの小さな粒子とするのが効果的である。
最も好ましい酸化チタンの半導体微粒子は、気相法、液相法(水熱合成法、硫酸法)などの各種文献などに記載されている公知の方法により製造することができる。また、半導体微粒子は、デグサ(Degussa)社が開発した塩化物を高温加水分解により得る方法でも製造することができる。
(多孔性半導体層の形成)
第二導電層5上に(後述する実施形態3−1および4−1では、第一導電層2上に)多孔性半導体層6を形成する方法としては、特に限定されず、公知の方法が挙げられる。例えば、半導体粒子を含有する懸濁液を第二導電層5上に塗布し、乾燥および焼成の少なくとも一方を行う方法が挙げられる。
この方法では、まず、半導体微粒子を適当な溶剤に懸濁して懸濁液を得る。このような溶剤としては、エチレングリコールモノメチルエーテルなどのグライム系溶剤、イソプロピルアルコールなどのアルコール類、イソプロピルアルコール/トルエンなどのアルコール系混合溶剤、水などが挙げられる。また、このような懸濁液の代わりに市販の酸化チタンペースト(例えば、Solaronix社製、Ti−nanoxide、D、T/SP、D/SP、)を用いてもよい。
次いで、ドクターブレード法、スキージ法、スピンコート法、スクリーン印刷法など公知の方法により、得られた懸濁液を第二導電層5上に塗布し、乾燥および焼成の少なくとも一方を行って多孔性半導体層6を形成する。
乾燥および焼成に必要な温度、時間、雰囲気などは、第二導電層5の形成材料および多孔性半導体層6の形成用半導体粒子の種類に応じて適宜設定すればよく、例えば、大気雰囲気下または不活性ガス雰囲気下、50〜800℃程度の範囲で10秒〜12時間程度が挙げられる。この乾燥および焼成は、単一の温度で1回または温度を変化させて2回以上行ってもよい。
多孔性半導体層6は複数層で構成されていてもよく、このような場合には、異なる半導体粒子の懸濁液を調製し、塗布、乾燥および焼成の少なくとも一方を行う工程を2回以上繰り返せばよい。
多孔性半導体層の膜厚は、特に限定されるものではないが、例えば0.1〜100μm程度が適当である。また、多孔性半導体層は、表面積が大きなものが好ましく、表面積としては、例えば10〜200m2/g程度が好ましい。
多孔性半導体層6を形成した後、半導体微粒子同士の電気的接続の向上、多孔性半導体層6の表面積の増加、半導体微粒子上の欠陥準位の低減を目的として、例えば、多孔性半導体層が酸化チタン膜の場合は四塩化チタン水溶液で処理してもよい。
(増感色素)
多孔性半導体6に吸着して光増感剤として機能する増感色素としては、可視光領域や赤外光領域に吸収をもつ種々の有機色素、金属錯体色素などが挙げられ、これらの色素を1種または2種以上を選択的に用いることができる。
有機色素としては、例えば、アゾ系色素、キノン系色素、キノンイミン系色素、キナクリドン系色素、スクアリリウム系色素、シアニン系色素、メロシアニン系色素、トリフェニルメタン系色素、キサンテン系色素、ポルフィリン系色素、ペリレン系色素、インジゴ系色素、ナフタロシアニン系色素などが挙げられる。有機色素の吸光係数は、一般に、遷移金属に分子が配位結合した形態をとる金属錯体色素に比べて大きい。
金属錯体色素としては、Cu、Ni、Fe、Co、V、Sn、Si、Ti、Ge、Cr、Zn、Ru、Mg、Al、Pb、Mn、In、Mo、Y、Zr、Nb、Sb、La、W、Pt、Ta、Ir、Pd、Os、Ga、Tb、Eu、Rb、Bi、Se、As、Sc、Ag、Cd、Hf、Re、Au、Ac、Tc、Te、Rhなどの金属が配位結合した形態のものが挙げられ、これらの中でも、フタロシアニン系色素、ルテニウム系色素が好ましく、ルテニウム系金属錯体色素が特に好ましい。
特に、次式(1)〜(3)で表されるルテニウム系金属錯体色素が特に好ましく、市販のルテニウム系金属錯体色素として、例えば、Solaronix社製の商品名Ruthenium535色素、Ruthenium535−bisTBA色素、Ruthenium620−1H3TBA色素などが挙げられる。
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また、多孔性半導体に色素を強固に吸着させるためには、色素分子中にカルボキシル基、アルコキシ基、ヒドロキシル基、スルホン酸基、エステル基、メルカプト基、ホスホニル基などのインターロック基を有するものが好ましい。一般に、インターロック基は、多孔性半導体に色素が固定される際に介在し、励起状態の色素と半導体の伝導帯との間の電子の移動を容易にする電気的結合を提供する。
(色素吸着)
多孔質半導体層6に色素を吸着させる方法としては、例えば、導電性基板A上に触媒層3、多孔性絶縁層4、第二導電層5および多孔性半導体層6が形成された積層体を、色素を溶解した溶液(色素吸着用溶液)に浸漬する方法が代表的なものとして挙げられる。
吸着に際して、色素吸着溶液を多孔性半導体層内の微細孔奥部まで浸透させる上で、色素吸着溶液を加熱してもよい。
色素を溶解させる溶剤としては、色素を溶解するものであればよく、具体的には、アルコール、トルエン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン(THF)、クロロホルム、ジメチルホルムアミドなどが挙げられる。これらの溶剤は、通常、精製されたものが好ましく、2種類以上を混合して用いることができる。色素吸着用溶液中の色素濃度は、使用する色素、溶媒の種類、色素吸着工程などの条件に応じて適宜設定することができ、例えば、1×10-5モル/リットル以上が好ましい。色素吸着用溶液の調製においては、色素の溶解性を向上させるために加熱してもよい。
(電解質7)
電解質7は、酸化還元種を含む液状物であり、一般に電池や太陽電池などに使用される電解質であれば特に限定されない。
酸化還元種としては、I-/I3-系、Br2-/Br3-系、Fe2+/Fe3+系、キノン/ハイドロキノン系などが挙げられる。具体的には、ヨウ化リチウム(LiI)、ヨウ化ナトリウム(NaI)、ヨウ化カリウム(KI)、ヨウ化カルシウム(CaI2)などの金属ヨウ化物とヨウ素(I2)の組み合わせ、テトラエチルアンモニウムアイオダイド(TEAI)、テトラプロピルアンモニウムアイオダイド(TPAI)、テトラブチルアンモニウムアイオダイド(TBAI)、テトラヘキシルアンモニウムアイオダイド(THAI)などのテトラアルキルアンモニウム塩とヨウ素の組み合わせ、および臭化リチウム(LiBr)、臭化ナトリウム(NaBr)、臭化カリウム(KBr)、臭化カルシウム(CaBr2)などの金属臭化物と臭素の組み合わせが好ましく、これらの中でも、LiIとI2の組み合わせが特に好ましい。
また、電解質の溶剤としては、プロピレンカーボネートなどのカーボネート化合物、アセトニトリルなどのニトリル化合物、エタノールなどのアルコール類、水、非プロトン極性物質などが挙げられる。これらの中でも、カーボネート化合物やニトリル化合物が特に好ましい。これらの溶剤は2種類以上を混合して用いることもできる。
上記の電解質には、必要に応じて添加剤を加えてもよい。
このような添加剤としては、t−ブチルピリジン(TBP)などの含窒素芳香族化合物、ジメチルプロピルイミダゾールアイオダイド(DMPII)、メチルプロピルイミダゾールアイオダイド(MPII)、エチルメチルイミダゾールアイオダイド(EMII)、エチルイミダゾールアイオダイド(EII)、ヘキシルメチルイミダゾールアイオダイド(HMII)などのイミダゾール塩が挙げられる。
電解質中の電解質(酸化還元種)濃度は、0.001〜1.5モル/リットルの範囲が好ましく、0.01〜0.7モル/リットルの範囲が特に好ましい。
(カバー部材8)
カバー部材8としては、受光面側に設ける場合には透光性を有すると共に、封止部と共に電解液の漏洩を防ぐことができるものであればよい。
カバー部材を構成する材料としては、例えば、強化ガラス、強化ガラス以外のガラス板、透明または不透明のプラスチックシート(フィルム、ラミネートフィルム)、セラミックなどが挙げられ、太陽電池を屋外に設置する場合には強化ガラスが特に好ましい。
透明プラスチックシートを用いる場合には、基板1の非受光面側と多孔性半導体層6の受光面側とに2枚のプラスチックシートを配置し、それらの外周縁を熱融着することにより太陽電池全体を封止することができ、後述の封止部を省略することができる。
(封止部9)
封止部9は、太陽電池内部の電解液の漏れを防止する機能、基板1や強化ガラスなどの支持体に作用する落下物や応力(衝撃)を吸収する機能および長期にわたる使用時において支持体に作用するたわみなどを吸収する機能を有する。上記のようにカバー部材8として強化ガラスやその他のガラス板を用いた場合には、封止部8を設けることが好ましい。
また、本発明の太陽電池の少なくとも2つ以上を直列に接続して太陽電池モジュールを作製する場合、太陽電池間の電解液の移動を防止するために封止部はセル間絶縁層として機能するため重要である。
封止部9を構成する材料は、一般に太陽電池に使用可能で、かつ前記機能を発揮し得る材料であれば、特に限定されない。このような材料としては、紫外線硬化性樹脂および熱硬化性樹脂などが挙げられ、具体的には、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ポリイソブチレン系樹脂、ホットメルト樹脂、ガラスフリットなどが挙げられ、これら2種類以上の材料を2層以上に積層して用いることもできる。
紫外線硬化樹脂としては、スリーボンド社製、型番:31X−101、熱硬化性樹脂としては、スリーボンド社製、型番:31X−088や一般に市販されているエポキシ樹脂などを用いることができる。
封止部9のパターンは、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ガラスフリットを使用する場合には、ディスペンサーを用いて形成することができ、ホットメルト樹脂を使用する場合には、シート状のホットメルト樹脂にパターニングした穴を開けることにより形成することができる。
(実施形態1−2)
図2は、本発明の太陽電池(実施形態1−1)を複数個電気的に直列接続してなる太陽電池モジュール(実施形態1−2)の要部の層構成を示す概略断面図である。
この太陽電池モジュールは次のようにして製造することができる。
まず、基板1上に形成された第一導電層を所定間隔でレーザスクライブ法によりパターニングして、導電層が除去されたスクライブラインを複数本形成する。これにより、相互に電気的に分離した複数の第一導電層2が形成され、各第一導電層2上が太陽電池形成領域となる。
なお、複数の第一導電層2のうち、スクライブライン10と直交する方向の一方端側の第一導電層2は幅を小さくして形成され、この幅の小さい第一導電層2上には太陽電池は形成されず、この第一導電層2は隣接する太陽電池の第二電極層5の引出し電極として利用される。
次いで、各第一導電層2上のスクライブライン10近傍位置に触媒層3を形成し、触媒層3上からスクライブラインをわたって多孔性絶縁層4を形成し、多孔性絶縁層4上から隣の第一導電層2上にわたって第二導電層5を形成し、第二導電層5が緻密な膜である場合には第二導電層5に複数の小孔を形成し、第二導電層5上に多孔性半導体層6を形成する。
次いで、実施形態1−1と同様にして多孔性半導体層6に増感色素を吸着させる。
次いで、第一導電層2の外周部および第一導電層2における隣接する太陽電池形成領域間に封止材料を塗布し、封止材料上および多孔性半導体層6上に透明カバー部材7(例えば、強化ガラス)を載置し、封止材料を硬化させて封止部(およびセル間絶縁層)9を形成する。
その後、基板1に予め形成した注入孔から内部に電解液を注入して、多孔性絶縁層4および多孔性半導体層6の内部に電解質7を浸透させ、前記注入孔を樹脂にて封止することにより、複数の太陽電池が電気的に直列接続された太陽電池モジュールが完成する。
なお、この太陽電池モジュールを構成する各層の形成方法および材料の選択などは、実施形態1−1の太陽電池に準ずる。
実施形態1−2の太陽電池モジュールでは、透光性カバー部材8の表面が受光面となり、第二導電層5が負極となり、第一導電層2が正極となる。透光性カバー部材8の受光面に光が照射されると、各多孔性半導体層6で電子が発生し、発生した電子が各多孔性半導体層6から各第二導電層5へ移動し、各第二導電層5から隣接する太陽電池の各第一導電層2に移動し、移動した電子が各触媒層3を通って各多孔性絶縁層4内の電解質中のイオンにより運ばれて各第二導電層5に移動する。なお、図2において、直列接続方向の左側の太陽電池の第一導電層2と右側の太陽電池の引出し電極は、外部回路と電気的に接続されるため電気が外部に取り出される。
(実施形態2−1)
図3は、本発明の太陽電池(実施形態2−1)の要部の層構成を示す概略断面図である。
この太陽電池は、実施形態1−1における多孔性絶縁層4上に多孔性半導体層6が形成され、その多孔性半導体層6上に第二導電層5が形成されるタイプであり、多孔性半導体層6が多孔性絶縁層4上から引出し電極にわたって形成されていること、第二導電層5が多孔性半導体層6上から狭い第一導電層2にわたって形成されていること以外は、実施形態1−1と概ね同様である。なお、この太陽電池では、多孔性半導体層6上に第二導電層5が形成されるため、多孔性半導体層6の表面粗さ係数Raが多孔性半導体層と第二導電層との界面の表面粗さ係数Raとなる。
この太陽電池では、その構造上、第二導電層に小孔がなくても、電解質(イオン)の行き来が基本的にないため、性能には影響ないはずである。しかし、第二導電層を形成した後に、電解質を浸透させ太陽電池を作製する際に、第二導電層上に小孔がなければ、電解液の染み込みが悪くなり、その下の多孔性半導体層や多孔性絶縁層への電解液の浸透が不十分になることが多く、太陽電池の性能低下を招く問題がある。このため、この太陽電池でも第二導電層には小孔があることが好ましい。
実施形態2−1における太陽電池の製造方法は、基本的に実施形態1−1の製造方法に準ずる。
(実施形態2−2)
図4は、本発明の太陽電池(実施形態2−1)を複数個電気的に直列接続してなる太陽電池モジュール(実施形態2−2)の要部の層構成を示す概略断面図である。
この太陽電池モジュールの製造方法は、実施形態1−2の太陽電池モジュールにおける多孔性半導体層6と第二導電層5の作製順が入れ替わること以外は実施形態1−2の製造方法と同様である。
(実施形態3−1)
図6は、本発明の太陽電池(実施形態3−1)の要部の層構成を示す概略断面図である。
この太陽電池は、多孔性絶縁層、第二導電層および触媒層がこの順で積層されたタイプであり、具体的には、基板1上に第一導電層2が形成されてなる導電性基板Aと、第一導電層2上に順次形成された、増感色素が吸着されかつ内部に電解質を含有する多孔性半導体層、内部に電解質を含有する多孔性絶縁層、第二導電層および触媒層とを備えている。また、導電性基板Aとカバー部材8との間の外周部に封止部9が設けられている。
第一導電層2は、その一部が除去されたスクライブライン10を封止部9の近傍の内側領域に有し、スクライブライン10を挟んで、太陽電池形成領域となる幅の広い部分と幅の狭い部分とに分割されている。この幅の広い第一導電層における外部に露出した部分と、幅の狭い第一導電層における外部に露出した部分は、それぞれ外部回路と電気的に接続される。
また、多孔性絶縁層4は、スクライブライン10をわたって形成され、第二導電層5は、多孔性絶縁層4上から前記幅の狭い第一導電層上にわたって形成されている。第二導電層5と電気的に接続された幅の狭い第一導電層は、第二導電層5の引出し電極となる。
実施形態3−1の太陽電池では、基板1の表面が受光面となり、第一導電層2が負極となり、第二導電層5が正極となる。基板1の受光面に光が照射されると、多孔性半導体層6で電子が発生し、発生した電子が多孔性半導体層6から第一導電層2へ移動し、電子は引出し電極から外部回路を通って第二導電層5へ移動し、多孔性絶縁層4内の電解質中のイオンにより運ばれて第一導電層2に移動する。
この太陽電池の構成部材および製造方法は、基本的に実施形態1−1に準ずるが、下記について特記する。
多孔性絶縁層4は、第二導電層5の土台(形成面)となり、さらにその上に触媒層3が形成される。
上記のように第二導電層5は、多孔性絶縁層4と強固に接着(接触)しつつ、多孔性絶縁層4および第二導電層5を介した多孔性半導体層と触媒層3の間のイオンの移動がスムーズに行われるようにする必要がある。そのためには、接触面積を十分確保しつつ、イオンの移動がスムーズに行えるための小孔がある必要がある。このような第二導電層5を形成するためには、その土台となる多孔性絶縁層の膜表面形状が重要となる。
そこで、本発明者らは、多孔性絶縁層の第二導電層または触媒層における接触面を、表面粗さ係数Ra0.05〜0.3μmの範囲内の凹凸形状に規定することにより、触媒層および導電層の剥離を抑制して歩留りよく作製でき、高い変換効率を示す色素増感太陽電池が得られることを見出した。
このような本発明の思想は、表面の平坦化を重視する特許文献5に記載の発明とは全く異なる。
上記のように、実施形態3−1の太陽電池では、多孔性半導体層6上に、多孔性絶縁層4、第二導電層5および触媒層3がこの順で積層形成されるので、第二導電層5の表面粗さ係数Raは、多孔性絶縁層4の表面粗さ係数Raに依存する。
したがって、多孔性絶縁層の形成時にその表面粗さ係数Raを制御する必要があり、その制御方法は、実施形態1−1に準ずる。
第二導電層5は、触媒層3との電子の受け渡しができればよいため、第二導電層5の小孔の有無は太陽電池の構造上性能には影響がないはずである。しかし、太陽電池の作製工程において、第二導電層を形成した後に、色素溶液の浸漬や電解液の浸透を行うので、第二導電層に小孔があれば、色素溶液や電解液の浸透が促進され、多孔性半導体層への色素の吸着および多孔性半導体層や多孔性絶縁層への電解液の浸透が良好になる。
したがって、第二導電層が緻密な構造をなす場合には、第二導電層が、色素および電解質を流通させる複数の小孔を有するのが好ましく、その形成方法は、実施形態1−1に準ずる。
多孔性絶縁層上に第二導電層を形成する場合、下地となる多孔性絶縁層の表面粗さ係数Raを制御することにより、多孔性絶縁層の第二導電層における接触面の凹凸形状を制御することができる。
一方、後述する実施形態4−1のような多孔性絶縁層上に触媒層を形成する場合には、同様に多孔性絶縁層の表面粗さ係数Raを制御することにより、多孔性絶縁層の触媒層における接触面の凹凸形状を制御することができる。
(実施形態3−2)
図7は、本発明の太陽電池(実施形態3−1)を複数個電気的に直列接続してなる太陽電池モジュール(実施形態3−2)の要部の層構成を示す概略断面図である。
この太陽電池モジュールは次のようにして製造することができる。
まず、基板1上に形成された第一導電層を所定間隔でレーザスクライブ法によりパターニングして、導電層が除去されたスクライブラインを複数本形成する。これにより、相互に電気的に分離した複数の第一導電層2が形成され、各第一導電層2上が太陽電池形成領域となる。
なお、複数の第一導電層2のうち、スクライブライン10と直交する方向の一方端側の第一導電層2は幅を小さくして形成され、この幅の小さい第一導電層2上には太陽電池は形成されず、この第一導電層2は隣接する太陽電池の第二導電層5の引出し電極として利用される。
次いで、各第一導電層2上のスクライブライン10近傍位置に多孔性半導体層6を形成し、多孔性半導体層6上からスクライブラインをわたって多孔性絶縁層4を形成し、多孔性絶縁層4上から隣の第一導電層2上にわたって第二導電層5を形成し、第二導電層5が緻密な膜である場合には第二導電層5に複数の小孔を形成し、第二導電層上に触媒層3を形成する。
次いで、実施形態3−1と同様にして多孔性半導体層6に増感色素を吸着させる。
次いで、第一導電層2の外周部および第一導電層2における隣接する太陽電池形成領域間に封止材料を塗布し、封止材料上および多孔性半導体層6上にカバー部材8を載置し、封止材料を硬化させて封止部(およびセル間絶縁層)9を形成する。
その後、基板1に予め形成した注入孔から内部に電解液を注入して、多孔性絶縁層4および多孔性半導体層6の内部に電解質7を浸透させ、前記注入孔を樹脂にて封止することにより、複数の太陽電池が電気的に直列接続された太陽電池モジュールが完成する。
なお、この太陽電池モジュールを構成する各層の形成方法および材料の選択などは、実施形態3−1の太陽電池に準ずる。
(実施形態4−1)
図8は、本発明の太陽電池(実施形態4−1)の要部の層構成を示す概略断面図である。
この太陽電池は、実施形態3−1における多孔性絶縁層4上に触媒層および第二導電層がこの順で積層されたタイプであり、第二導電層5が触媒層3の上に形成されていること以外は、実施形態1−1と概ね同様である。なお、この太陽電池では、多孔性絶縁層4上に触媒層3が形成されるため、多孔性絶縁層4の表面粗さ係数Raが多孔性絶縁層の触媒層における接触面の表面粗さ係数Raとなる。
この太陽電池では、その構造上、第二導電層に小孔がなくても、電解質(イオン)の行き来が基本的にないため、性能には影響ないはずである。しかし、第二導電層を形成した後に、電解質を浸透させ太陽電池を作製する際に、第二導電層上に小孔がなければ、電解液の染み込みが悪くなり、その下の多孔性半導体層や多孔性絶縁層への電解液の浸透が不十分になることが多く、太陽電池の性能低下を招く問題がある。このため、この太陽電池でも第二導電層には小孔があることが好ましい。
実施形態4−1における太陽電池の製造方法は、基本的に実施形態3−1の製造方法に準ずる。
(実施形態4−2)
は、本発明の太陽電池(実施形態4−1)を複数個電気的に直列接続してなる太陽電池モジュール(実施形態4−2)の要部の層構成を示す概略断面図である。
この太陽電池モジュールの製造方法は、実施形態3−2の太陽電池モジュールにおける第二導電層5と触媒層3の作製順が入れ替わること以外は実施形態3−2の製造方法と同様である。
本発明を実施例および比較例によりさらに具体的に説明するが、これらの実施例により本発明が限定されるものではない。
実施例および比較例における各層の膜厚および表面粗さ係数Raは、特に断りのない限り、表面粗さ測定機(株式会社東京精密製、型式:サーフコム1400A)を用いて測定した。
(実施例1−1)
図2に示される太陽電池モジュールを作製した。
ガラスからなる基板上1にSnO2膜からなる第一導電層2が成膜された、70mm×70mm×厚さ4mmの導電性ガラス基板(日本板硝子株式会社製、SnO2膜付ガラス)を用意した。
<第一導電層の切断>
YAGレーザー(西進商事株式会社製、基本波長:1.06μm)を用いて、第一導電層2にレーザー光を照射しSnO2膜を蒸発させて、幅0.1mmのスクライブライン10を6mm間隔で6本形成した。
<触媒層の形成>
スクリーン印刷機(ニューロング精密工業株式会社製、型式:LS−34TVA)およびスクリーン版(5mm×50mmの開口部7個)を用いて、導電性ガラス基板上に、触媒形成材料(Solaronix社製、製品名:Pt−Catalyst T/SP)を塗布し、得られた塗膜を450℃で1時間焼成してクラスター状の触媒層3を形成した。
<多孔性絶縁層の形成>
酸化ジルコニウムの微粒子(粒径100nm、シーアイ化成株式会社製)65重量部をテルピネオール30重量部に分散させ、さらにエチルセルロース5重量部を混合してペーストを調製した。
スクリーン印刷機(ニューロング精密工業株式会社製、型式:LS−34TVA)およびスクリーン版(6mm×54mmの開口部7個)を用いて、得られたペーストを触媒層3上に塗布し、25℃で30分間レベリングを行った。
次いで、得られた塗膜を80℃で20分間予備乾燥し、450℃で1時間焼成して、膜厚5μm、表面粗さ係数Ra0.050μmの多孔性絶縁層(酸化ジルコニウム膜)4を形成した。
<第二導電層の形成>
電子ビーム蒸着器(アルバック株式会社製、型式:ei−5)およびメタルマスク(6.2mm×52mmの開口部7個)を用いて、多孔性絶縁層4上にチタンを蒸着速度5Å/Sで成膜して、膜厚約500nm、表面粗さ係数Ra0.051μmの第二導電層5を形成した。
<多孔性半導体層の形成>
スクリーン印刷機(ニューロング精密工業株式会社製、型式:LS−34TVA)およびスクリーン版(5mm×50mmの開口部7個)を用いて、市販の酸化チタンペースト(Solaronix社製、製品名:Ti−Nanoxide D/SP、平均粒径13nm)を第二導電層5上に塗布し、25℃で15分間レベリングを行った。
次いで、得られた塗膜を80℃で20分間予備乾燥した後、450℃で1時間焼成し、この工程を5回繰り返して、合計膜厚30μm、最外層の表面粗さ係数Ra0.051μmの多孔性半導体層(酸化チタン膜)6を形成した。
<増感色素の吸着>
増感色素(Solaronix社製、製品名:Ruthenium620−1H3TBA)を、濃度4×10-4モル/リットルになるように、体積比1:1のアセトニトリル(Aldrich Chemical Company製)とt−ブチルアルコール(Aldrich Chemical Company製)の混合溶剤に溶解させて色素吸着用溶液を得た。
前記工程を経て得られた積層体を色素吸着用溶液に40℃の温度条件で20時間浸漬し、増感色素を多孔質半導体層6に吸着させた。その後、積層体をエタノール(Aldrich Chemical Company製)で洗浄し、約80℃で約10分間乾燥させた。
<電解質の調製>
溶剤としてのアセトニトリルに、酸化還元種としてLiI(Aldrich Chemical Company製)が濃度0.1モル/リットル、I2(東京化成工業株式会社製)が濃度0.01モル/リットルとなるように、さらに添加剤としてt−ブチルピリジン(TBP、Aldrich Chemical Company製)が濃度0.5モル/リットル、ジメチルプロピルイミダゾールアイオダイド(DMPII、四国化成工業株式会社製)が濃度0.6モル/リットルとなるように添加し、溶解させて電解質を調製した。
<封止部の形成および電解質の注入>
第一導電層2上における周囲部と太陽電池形成領域間に、紫外線硬化材(スリーボンド社製、型番:31X−101)を塗布し、別途用意した50mm×70mm×厚さ4.0mmの強化ガラス基板8(旭硝子株式会社製)と基板1とを貼り合せた。基板1には予め電解質注入用孔を設けておいた。次いで、紫外線照射ランプ(EFD社製、型式:Novacure)を用いて塗布部分に紫外線を照射して紫外線硬化材を硬化させて封止部9を形成すると共に、2枚の基板1、8を固定した。
次いで、基板1の電解質注入用孔から電解質を注入し、電解質注入用孔を樹脂にて封止することにより、図2に相当する太陽電池モジュールを完成した。
得られた太陽電池モジュールに、1kW/m2の強度の光(AM1.5ソーラーシミュレータ)を照射して、各種太陽電池特性を測定した。
また、同様にして太陽電池モジュールを10個作製し、作製時に多孔性半導体層と第二導電層の剥離の有無を目視で観察した。
得られた結果を、第二導電層および多孔性絶縁層の表面粗さ係数Raと共に表1に示す。
(実施例1−2〜1−5)
多孔性絶縁層4の形成において、多孔性絶縁層用ペースト塗布後のレベリング時間を0秒、20秒、2分および5分に変化させたこと以外は、実施例1−1と同様にして図2に示される太陽電池モジュールを作製し、その各種太陽電池特性を測定した。
多孔性絶縁層の表面粗さ係数Raは、それぞれ0.190μm、0.147μm、0.099μm、0.055μmに変化し、それに伴い第二導電層の表面粗さ係数Raは、0.198μm、0.150μm、0.101μm、0.053μmに変化した。
また、同様にして太陽電池モジュールを10個作製し、作製時に多孔性半導体層と第二導電層の剥離の有無を目視で観察した。
得られた結果を、第二導電層および多孔性絶縁層の表面粗さ係数Raと共に表1に示す。
(比較例1−1)
多孔性絶縁層4の形成において、多孔性絶縁層用ペースト塗布後に、35℃で10分間レベリングを行ったこと以外は、実施例1−1と同様にして図2に示される太陽電池モジュールを作製し、その各種太陽電池特性を測定した。
多孔性絶縁層の表面粗さ係数Raは0.043μmに変化し、それに伴い第二導電層の表面粗さ係数は0.043μmに変化した。
また、同様にして太陽電池モジュールを10個作製し、作製時に多孔性半導体層と第二導電層の剥離の有無を目視で観察した。
得られた結果を、第二導電層および多孔性絶縁層の表面粗さ係数Raと共に表1に示す。
(比較例1−2)
多孔性絶縁層4の形成において、酸化ジルコニウムの微粒子(粒径100nm、シーアイ化成株式会社製)60重量部をテルピネオール35重量部に分散させ、さらにエチルセルロース5重量部を混合してペーストを調製したこと、および多孔性絶縁層用ペースト塗布後のレベリング時間を10分に変化させたこと以外は、実施例1−1と同様にして図2に示される太陽電池モジュールを作製し、その各種太陽電池特性を測定した。
多孔性絶縁層の表面粗さ係数Raは0.036μmに変化し、それに伴い第二導電層の表面粗さ係数は0.033μmに変化した。
また、同様にして太陽電池モジュールを10個作製し、作製時に多孔性半導体層と第二導電層の剥離の有無を目視で観察した。
得られた結果を、第二導電層および多孔性絶縁層の表面粗さ係数Raと共に表1に示す。
(比較例1−3)
多孔性絶縁層4の形成において、酸化ジルコニウムの微粒子(粒径100nm、シーアイ化成株式会社製)60重量部をテルピネオール35重量部に分散させ、さらにエチルセルロース5重量部を混合してペーストを調製したこと(比較例1−2と同様)、および多孔性絶縁層用ペースト塗布後に、35℃で10分間レベリングを行ったこと(比較例1−1と同様)以外は、実施例1−1と同様にして図2に示される太陽電池モジュールを作製し、その各種太陽電池特性を測定した。
多孔性絶縁層の表面粗さ係数Raは0.026μmに変化し、それに伴い第二導電層の表面粗さ係数は0.020μmに変化した。
また、同様にして太陽電池モジュールを10個作製し、作製時に多孔性半導体層と第二導電層の剥離の有無を目視で観察した。
得られた結果を、第二導電層および多孔性絶縁層の表面粗さ係数Raと共に表1に示す。
(比較例1−4)
強化ガラス基板8の代わりに同サイズの導電性ガラス基板(日本板硝子株式会社製、SnO2膜付ガラス)を用いたこと(特許文献5と同様)、および多孔性絶縁層4の形成において、多孔性絶縁層用ペースト塗布後に、35℃で10分間レベリングを行ったこと(比較例1−1と同様)以外は、実施例1−1と同様にして図2に示される太陽電池モジュールを作製し、その各種太陽電池特性を測定した。
多孔性絶縁層の表面粗さ係数Raは0.043μmに変化し、それに伴い第二導電層の表面粗さ係数は0.043μmに変化した。
また、同様にして太陽電池モジュールを10個作製し、作製時に多孔性半導体層と第二導電層の剥離の有無を目視で観察した。
得られた結果を、第二導電層および多孔性絶縁層の表面粗さ係数Raと共に表1に示す。
Figure 0005422645
(実施例1−6)
第二導電層5と多孔性半導体層6との形成順を入れ替えたこと以外は、実施例1−1と同様にして、図4に示される太陽電池モジュールを作製し、その各種太陽電池特性を測定した。
多孔性半導体層の表面粗さ係数Raは0.051μmであった。
また、同様にして太陽電池モジュールを10個作製し、作製時に多孔性半導体層と第二導電層の剥離の有無を目視で観察した。
得られた結果を、多孔性半導体層の表面粗さ係数Raと共に表2に示す。
(実施例1−7〜1−10)
多孔性半導体層6の形成において、多孔性半導体層用ペースト塗布後のレベリング時間を0秒、30秒、2分、5分に変化させたこと以外は、実施例1−6と同様にして図4に示される太陽電池モジュールを作製し、その各種太陽電池特性を測定した。
多孔性半導体層の表面粗さ係数Raは、それぞれ0.240μm、0.170μm、0.104μm、0.086μmに変化した。
また、同様にして太陽電池モジュールを10個作製し、作製時に多孔性半導体層と第二導電層の剥離の有無を目視で観察した。
得られた結果を、多孔性半導体層の表面粗さ係数Raと共に表2に示す。
(比較例1−5)
多孔性半導体層6の形成において、多孔性半導体層用ペースト塗布後に、30℃で10分間レベリングを行ったこと以外は、実施例1−6と同様にして図4に示される太陽電池モジュールを作製し、その各種太陽電池特性を測定した。
多孔性半導体層の表面粗さ係数Raは0.040μmであった。
また、同様にして太陽電池モジュールを10個作製し、作製時に多孔性半導体層と第二導電層の剥離の有無を目視で観察した。
得られた結果を、多孔性半導体層の表面粗さ係数Raと共に表2に示す。
(比較例1−6)
多孔性半導体層6の形成において、多孔性半導体層用ペースト塗布後に、35℃で10分間レベリングを行ったこと以外は、実施例1−6と同様にして図4に示される太陽電池モジュールを作製し、その各種太陽電池特性を測定した。
多孔性半導体層の表面粗さ係数Raは0.030μmであった。
また、同様にして太陽電池モジュールを10個作製し、作製時に多孔性半導体層と第二導電層の剥離の有無を目視で観察した。
得られた結果を、多孔性半導体層の表面粗さ係数Raと共に表2に示す。
(比較例1−7)
多孔性半導体層6の形成において、多孔性半導体層用ペースト塗布後に、40℃で10分間レベリングを行ったこと以外は、実施例1−6と同様にして図4に示される太陽電池モジュールを作製し、その各種太陽電池特性を測定した。
多孔性半導体層の表面粗さ係数Raは0.031μmであった。
また、同様にして太陽電池モジュールを10個作製し、作製時に多孔性半導体層と第二導電層の剥離の有無を目視で観察した。
得られた結果を、多孔性半導体層の表面粗さ係数Raと共に表2に示す。
Figure 0005422645
実施例1−1〜1−5および比較例1−1〜1−4の太陽電池モジュール、実施例1−5〜1−10および比較例1−5〜1−7の太陽電池モジュールにおける表面粗さ係数とFFとの関係を図5に示す。
図中、「○」は前者の結果、第二導電層の表面粗さ係数とFFとの点、「□」は後者の結果、多孔性半導体層の表面粗さ係数とFFとの点を示す。
図5によれば、表面粗さ係数0.05μm付近にFFの変曲点があり、このことは、多孔性半導体層の第二導電層における接触面の表面粗さ係数が大きくなれば、電子移動界面の接触面積が大きくなり抵抗が小さくなることを示している。
一般に積層体を形成する場合には、各層の接触状態を一定にして安定に形成するために、積層する層の表面は平坦にされる。これに反して、本発明では、積層する層の表面をある程度粗くすることにより、太陽電池の性能が向上し、安定に製造できることがわかった。
(実施例2−1)
図7に示される太陽電池モジュールを作製した。
ガラスからなる基板上1にSnO2膜からなる第一導電層2が成膜された、70mm×70mm×厚さ4mmの導電性ガラス基板(日本板硝子株式会社製、SnO2膜付ガラス)を用意した。
<第一導電層の切断>
YAGレーザー(西進商事株式会社製、基本波長:1.06μm)を用いて、第一導電層2にレーザー光を照射しSnO2膜を蒸発させて、幅0.1mmのスクライブライン10を6mm間隔で6本形成した。
<多孔性半導体層の形成>
スクリーン印刷機(ニューロング精密工業株式会社製、型式:LS−34TVA)およびスクリーン版(5mm×50mmの開口部7個)を用いて、市販の酸化チタンペースト(Solaronix社製、製品名:Ti−Nanoxide D/SP、平均粒径13nm)を第一導電層2上に塗布し、25℃で15分間レベリングを行った。
次いで、得られた塗膜を80℃で20分間予備乾燥した後、450℃で1時間焼成し、この工程を5回繰り返して、合計膜厚30μm、最外層の表面粗さ係数Ra0.051μmの多孔性半導体層(酸化チタン膜)6を形成した。
<多孔性絶縁層の形成>
酸化ジルコニウムの微粒子(粒径100nm、シーアイ化成株式会社製)65重量部をテルピネオール30重量部に分散させ、さらにエチルセルロース5重量部を混合してペーストを調製した。
スクリーン印刷機(ニューロング精密工業株式会社製、型式:LS−34TVA)およびスクリーン版(6mm×54mmの開口部7個)を用いて、得られたペーストを多孔性半導体層6上に塗布し、25℃で30分間レベリングを行った。
次いで、得られた塗膜を80℃で20分間予備乾燥し、450℃で1時間焼成して、膜厚5μm、表面粗さ係数Ra0.050μmの多孔性絶縁層(酸化ジルコニウム膜)4を形成した。
<第二導電層の形成>
電子ビーム蒸着器(アルバック株式会社製、型式:ei−5)およびメタルマスク(5.8mm×52mmの開口部7個)を用いて、多孔性絶縁層4上にチタンを蒸着速度5Å/Sで成膜して、膜厚約500nmの第二導電層5を形成した。
<触媒層の形成>
スクリーン印刷機(ニューロング精密工業株式会社製、型式:LS−34TVA)およびスクリーン版(5mm×50mmの開口部7個)を用いて、第二導電層5上に、触媒形成材料(Solaronix社製、製品名:Pt−Catalyst T/SP)を塗布し、得られた塗膜を450℃で1時間焼成して触媒層3を形成した。
<増感色素の吸着>
増感色素(Solaronix社製、製品名:Ruthenium620−1H3TBA)を、濃度4×10-4モル/リットルになるように、体積比1:1のアセトニトリル(Aldrich Chemical Company製)とt−ブチルアルコール(Aldrich Chemical Company製)の混合溶剤に溶解させて色素吸着用溶液を得た。
前記工程を経て得られた積層体を色素吸着用溶液に40℃の温度条件で20時間浸漬し、増感色素を多孔質半導体層6に吸着させた。その後、積層体をエタノール(Aldrich Chemical Company製)で洗浄し、約80℃で約10分間乾燥させた。
<電解質の調製>
溶剤としてのアセトニトリルに、酸化還元種としてLiI(Aldrich Chemical Company製)が濃度0.1モル/リットル、I2(東京化成工業株式会社製)が濃度0.01モル/リットルとなるように、さらに添加剤としてt−ブチルピリジン(TBP、Aldrich Chemical Company製)が濃度0.5モル/リットル、ジメチルプロピルイミダゾールアイオダイド(DMPII、四国化成工業株式会社製)が濃度0.6モル/リットルとなるように添加し、溶解させて電解質を調製した。
<封止部の形成および電解質の注入>
第一導電層2上における周囲部と太陽電池形成領域間に、紫外線硬化材(スリーボンド社製、型番:31X−101)を塗布し、別途用意した50mm×70mm×厚さ1mmのソーダ石灰ガラスからなるカバー部材8と基板1とを貼り合せた。カバー部材8には予め電解質注入用孔を設けておいた。次いで、紫外線照射ランプ(EFD社製、型式:Novacure)を用いて塗布部分に紫外線を照射して紫外線硬化材を硬化させて封止部9を形成すると共に、2枚の基板1、8を固定した。
次いで、カバー部材8の電解質注入用孔から電解質を注入し、電解質注入用孔を樹脂にて封止することにより、図7に相当する太陽電池モジュールを完成した。
得られた太陽電池モジュールに、1kW/m2の強度の光(AM1.5ソーラーシミュレータ)を照射して、各種太陽電池特性を測定した。
また、同様にして太陽電池モジュールを10個作製し、作製時に第二導電層および触媒層の剥離の有無を目視で観察した。
得られた結果を、多孔性絶縁層の表面粗さ係数Raと共に表3に示す。
(実施例2−2〜2−5)
多孔性絶縁層4の形成において、多孔性絶縁層用ペースト塗布後のレベリング時間を0秒、20秒、2分および5分に変化させたこと以外は、実施例2−1と同様にして図7に示される太陽電池モジュールを作製し、その各種太陽電池特性を測定した。
多孔性絶縁層の表面粗さ係数Raは、それぞれ0.190μm、0.147μm、0.099μm、0.055μmに変化した。
また、同様にして太陽電池モジュールを10個作製し、作製時に第二導電層および触媒層の剥離の有無を目視で観察した。
得られた結果を、多孔性絶縁層の表面粗さ係数Raと共に表3に示す。
(実施例2−6)
多孔性絶縁層4の形成において、酸化ジルコニウムの微粒子65重量部をテルピネオール28重量部に分散させ、さらにエチルセルロース7重量部を混合したペーストを用いたこと、およびスクリーン印刷後に30℃で3分間レベリングを行ったこと以外は実施例2−1と同様にして図7の構造の太陽電池モジュールを作製し、その各種太陽電池特性を測定した。
多孔性絶縁層の表面粗さ係数Raは0.300μmに変化した。
また、同様にして太陽電池モジュールを10個作製し、作製時に第二導電層および触媒層の剥離の有無を目視で観察した。
得られた結果を、多孔性絶縁層の表面粗さ係数Raと共に表3に示す。
(比較例2−1)
多孔性絶縁層4の形成において、多孔性絶縁層用ペースト塗布後に、30℃で10分間レベリングを行ったこと以外は、実施例2−1と同様にして図7に示される太陽電池モジュールを作製し、その各種太陽電池特性を測定した。
多孔性絶縁層の表面粗さ係数Raは0.043μmに変化した。
また、同様にして太陽電池モジュールを10個作製し、作製時に第二導電層および触媒層の剥離の有無を目視で観察した。
得られた結果を、多孔性絶縁層の表面粗さ係数Raと共に表3に示す。
(比較例2−2)
多孔性絶縁層4の形成において、多孔性絶縁層用ペースト塗布後に、35℃で10分間レベリングを行ったこと以外は、実施例2−1と同様にして図7に示される太陽電池モジュールを作製し、その各種太陽電池特性を測定した。
多孔性絶縁層の表面粗さ係数Raは0.036μmに変化した。
また、同様にして太陽電池モジュールを10個作製し、作製時に第二導電層および触媒層の剥離の有無を目視で観察した。
得られた結果を、多孔性絶縁層の表面粗さ係数Raと共に表3に示す。
(比較例2−3)
多孔性絶縁層4の形成において、多孔性絶縁層用ペースト塗布後に、25℃で10分間レベリングを行ったこと以外は、実施例2−1と同様にして図7に示される太陽電池モジュールを作製し、その各種太陽電池特性を測定した。
多孔性絶縁層の表面粗さ係数Raは0.320μmに変化した。
また、同様にして太陽電池モジュールを10個作製し、作製時に第二導電層および触媒層の剥離の有無を目視で観察した。
得られた結果を、多孔性絶縁層の表面粗さ係数Raと共に表3に示す。
Figure 0005422645
(実施例2−7)
第二導電層5と触媒層3との形成順を入れ替えたこと以外は、実施例2−1と同様にして、図9に示される太陽電池モジュールを作製し、その各種太陽電池特性を測定した。
多孔性半導体層の表面粗さ係数Raは0.050μmであった。
また、同様にして太陽電池モジュールを10個作製し、作製時に第二導電層および触媒層の剥離の有無を目視で観察した。
得られた結果を、多孔性絶縁層の表面粗さ係数Raと共に表4に示す。
(実施例2−8〜2−11)
多孔性絶縁層4の形成において、多孔性半導体層用ペースト塗布後のレベリング時間を0秒、20秒、2分および5分に変化させたこと以外は、実施例2−7と同様にして図9に示される太陽電池モジュールを作製し、その各種太陽電池特性を測定した。
多孔性半導体層の表面粗さ係数Raは、それぞれ0.190μm、0.147μm、0.099μm、0.055μmに変化した。
また、同様にして太陽電池モジュールを10個作製し、作製時に第二導電層および触媒層の剥離の有無を目視で観察した。
得られた結果を、多孔性絶縁層の表面粗さ係数Raと共に表4に示す。
(実施例2−12)
多孔性絶縁層4の形成において、酸化ジルコニウムの微粒子65重量部をテルピネオール28重量部に分散させ、さらにエチルセルロース7重量部を混合したペーストを用いたこと、およびスクリーン印刷後に30℃で3分間レベリングを行ったこと以外は実施例2−7と同様にして図9の構造の太陽電池モジュールを作製し、その各種太陽電池特性を測定した。
多孔性絶縁層の表面粗さ係数Raは0.300μmに変化した。
また、同様にして太陽電池モジュールを10個作製し、作製時に第二導電層および触媒層の剥離の有無を目視で観察した。
得られた結果を、多孔性絶縁層の表面粗さ係数Raと共に表4に示す。
(比較例2−4)
多孔性絶縁層4の形成において、多孔性絶縁層用ペースト塗布後に、30℃で10分間レベリングを行ったこと以外は、実施例2−7と同様にして図9に示される太陽電池モジュールを作製し、その各種太陽電池特性を測定した。
多孔性絶縁層の表面粗さ係数Raは0.043μmに変化した。
また、同様にして太陽電池モジュールを10個作製し、作製時に第二導電層および触媒層の剥離の有無を目視で観察した。
得られた結果を、多孔性絶縁層の表面粗さ係数Raと共に表4に示す。
(比較例2−5)
多孔性絶縁層4の形成において、多孔性絶縁層用ペースト塗布後に、35℃で10分間レベリングを行ったこと以外は、実施例2−7と同様にして図9に示される太陽電池モジュールを作製し、その各種太陽電池特性を測定した。
多孔性絶縁層の表面粗さ係数Raは0.036μmに変化した。
また、同様にして太陽電池モジュールを10個作製し、作製時に第二導電層および触媒層の剥離の有無を目視で観察した。
得られた結果を、多孔性絶縁層の表面粗さ係数Raと共に表4に示す。
(比較例2−6)
多孔性絶縁層4の形成において、多孔性絶縁層用ペースト塗布後に、25℃で10分間レベリングを行ったこと以外は、実施例2−7と同様にして図9に示される太陽電池モジュールを作製し、その各種太陽電池特性を測定した。
多孔性絶縁層の表面粗さ係数Raは0.320μmに変化した。
また、同様にして太陽電池モジュールを10個作製し、作製時に第二導電層および触媒層の剥離の有無を目視で観察した。
得られた結果を、多孔性絶縁層の表面粗さ係数Raと共に表4に示す。
Figure 0005422645
表3および表4の結果から、前記多孔性絶縁層の前記第二導電層または前記触媒層との接触面が表面粗さ係数Ra0.05〜0.3μmの範囲内の凹凸形状を有する太陽電池モジュールは、高い変換効率を示し、触媒層および導電層の剥離がなく、歩留りよく作製できることがわかる。
1 基板
2 第一導電層
3 触媒層
4 多孔性絶縁層
5 第二導電層
6 多孔性半導体層
7 電解質
8 カバー部材(透光性カバー部材、強化ガラス)
9 封止部(セル間絶縁層)
10 スクライブライン
A 導電性基板

Claims (6)

  1. 第一導電層上に、少なくとも触媒層、内部に電解質を含有する多孔性絶縁層、増感色素が吸着されかつ内部に電解質を含有する多孔性半導体層がこの順で積層され、前記多孔性絶縁層と前記多孔性半導体層の間に第二導電層が積層され、前記多孔性半導体層と前記第二導電層とが隣接して積層されかつ前記多孔性半導体層の前記第二導電層における接触面が表面粗さ係数Ra0.05〜0.3μmの範囲内の凹凸形状を有している色素増感太陽電池。
  2. 前記第一導電層および第二導電層が、金属材料または金属酸化物材料からなる請求項1に記載の色素増感太陽電池。
  3. 前記金属材料が、チタン、ニッケルまたはタンタルである請求項に記載の色素増感太陽電池。
  4. 前記金属酸化物材料が、酸化錫、フッ素がドープされた酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウムまたはインジウム錫複合酸化物である請求項またはに記載の色素増感太陽電池。
  5. 前記第二導電層が、前記電解質、または前記色素および電解質を流通させる複数の小孔を有する請求項1〜のいずれか1つに記載の色素増感太陽電池。
  6. 請求項1〜のいずれか1つに記載の色素増感太陽電池の2つ以上が電気的に直列接続されてなる色素増感太陽電池モジュール。
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