JP4754892B2 - 光電変換素子および色素増感型太陽電池モジュール - Google Patents
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Description
本発明の光電変換素子は、色素増感型太陽電池や光センサーに用いることができる。
さらに、単位セルに透明導電膜を用いるため、上述のように透明導電膜の横方向の電気抵抗分の影響を少なくするため、電流の流れる方向に細くする必要があり、モジュールとしての有効な面積が上述の隙間の観点と合わせて小さくなるという問題があった。
第1導電層、絶縁層および第2導電層がこの順で第2支持体上に積層され、
色素を吸着しかつキャリア輸送材料を含む多孔性光電変換層が、第1支持体と第2支持体との間に第1導電層、絶縁膜および第2導電層と接するように構成されることを特徴とする光電変換素子が提供される。
絶縁層および第2導電層がこの順で導電性支持体上に積層され、
色素を吸着しかつキャリア輸送材料を含む多孔性光電変換層が、第1支持体と第2支持体との間に第1導電層、絶縁膜および第2導電層と接するように構成されることを特徴とする光電変換素子が提供される。
図1(a)は本発明による光電変換素子の構造を示し、(a)中のA−B断面における模式図を(b)に示している。
また、図5において、101は第1支持体、102は第1導電層、103は色素を吸着させた多孔性光電変換層中にキャリア輸送材料を形成させた層、104はキャリア輸送材料、105は触媒層、106は第2導電層、107は第2支持体であり、108は封止材である。ここで、第2導電層と触媒層は同一材料でもかまわない。
一方、本発明による構造においては、光が第1支持体1から入射すると、その入射光は第1支持体1のみで極一部が反射したり、吸収された後、入射光の殆どが透過光として色素を吸着させた多孔性光電変換層6に達するため、従来構造と比較して、色素を吸着させた光電変換層6に到達する太陽電池の単位面積当りの透過光量が多いため、得られる電流値が大きくなり、モジュール変換効率も向上する。
第1支持体および第2支持体
第1支持体および第2支持体の少なくとも一方は、太陽電池の受光面となるため、光透過性が必要となる。しかしながら、本発明における光電変換素子の第1支持体および第2支持体を光透過性材料で作製することにより、第1および第2支持体のいずれの面をも受光面として利用できるのも本発明の特徴である。
ここで、可撓性フィルム(以下、「フィルム」という)としては、例えば、ポリエステル、ポリアクリル、ポリイミド、テフロン(登録商標)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)などの長期耐候性のシートやフィルムが挙げられる。
また、第1支持体および第2支持体に光透過性材料を用いることにより、両方の支持体を受光面とすることが可能な太陽電池を得ることもできるが、第1支持体を受光面とする場合は、第1支持体に強化ガラス、第2支持体にガラス基板を用いるのが好ましい。
第1導電層は、第2支持体上に積層するように形成される。その構成材料としては、ITO(インジウム−スズ複合酸化物)、IZO(インジウム−亜鉛複合酸化物)、フッ素をドープした酸化スズ、ボロン、ガリウムまたはアルミニウムをドープした酸化亜鉛およびニオブをドープした酸化チタンなどの透明導電性金属酸化物などが挙げられる。
また、導電率の観点から、金属材料が好ましい。
合金としては、チタン、スズ、アルミニウム、亜鉛、マグネシウム、インジウム、モリブデンおよびタングステンなどの元素を含む合金が挙げられるが、中でもステンレス鋼が好ましい。
また、第2支持体層上に第1導電層を積層させなくても、導電性材料を用いることにより第2支持体を導電性支持体として用いることもできる。その場合の構成材料としては、上記第1導電層と同様の材料であることが好ましい。
本発明における第1導電層上の絶縁層は、第1導電層と多孔性光電変換層の接触部分が残るように形成されなければならない。
これは、この第1導電層と多孔性光電変換層の接触がなければ、太陽電池としての回路が成立しないためである。
したがって、絶縁層の形状としては、短冊形状および格子形状(格子が正方形、菱形、長方形、平行四辺形)が、光透過性の観点からも好ましい。
絶縁層の作製方法も、この絶縁層上にさらに積層される第2導電層が第1導電層と接触しない形状で作製できれば特に問題はなく、例えばガラスフリットをスクリーン印刷法により塗布し、焼成することにより作製することができる。
本発明における光電変換素子において、第2導電層は、第1導電層上に、絶縁層および第2導電層の順に、絶縁層と同様の形状で短冊状または格子状に積層される。
これらの中でも、触媒能と導電率の観点から白金が特に好ましい。
すなわち、第2導電層を、触媒層および導電層に分けて形成するのが好ましい。
酸化還元種の酸化還元反応を助ける触媒機能は、「触媒の表面積×触媒能」で決定される。一方、白金より電気抵抗値が低い金属も使用できることから、触媒能が高く、高価な白金を触媒機能のためだけに使用し、電子を輸送する導電層部分には、安価で、さらに電気抵抗値の低い材料を用いるのが好ましい。
一方、導電層を構成する材料としては、例えば、金、銀、銅、アルミニウム、ニッケル、タングステン、モリブデンなどが挙げられる。
これらの材料を用いて、第1導電層上に積層させた絶縁層上に、第1導電層と接触しないように導電層および触媒層の順で積層することにより第2導電層を形成するのが好ましい。
第2導電層の形状は、上記の絶縁膜と同様に短冊形状または格子形状が考えられる。
第2導電層の形状が短冊形状の場合、第2導電層の線幅は0.1〜1000μmが好ましく、更に1〜100μmが好ましい。
また、互いに隣り合う第2導電層の間隔は1〜200μmが好ましく、更に5〜100μmが好ましい。
また、互いに隣り合う第2導電層の間隔が1μm未満の場合は多孔性光電変換層と第1導電層の接触面積が小さすぎるため好ましくなく、200μmを超える場合は、キャリア輸送材料中の酸化還元種の輸送抵抗が大きくなるので好ましくない。
したがって、第2導電層の形状としては、短冊形状よりも格子形状のほうがより好ましい。
また、互いに隣り合う第2導電層の間隔は5〜250μmが好ましく、更に20〜150μmが好ましい。
さらに、格子を形成する第2導電層の交差角度としては80〜100°、更に85〜95°が好ましい。
なお、格子の形状は、上記の第2導電層の線幅、間隔および交差角度を満たす場合は、平行四辺形、ひし形、長方形、正方形のいずれの形状であってもよい。
ここで、用語「開口率」とは、第2導電層および絶縁層で形成される格子形状の全面積に対する、第1導電層が第2導電層および絶縁層で覆われていない部分の面積の割合を意味する。
第2支持体を受光面とする場合に、第2導電層が短冊形状であるとき、第2導電層の線幅は0.1〜50μmが好ましく、更に1〜30μmが好ましい。
また、互いに隣り合う第2導電層の間隔は1〜200μmが好ましく、更に5〜100μmが好ましい。
したがって、第2導電層の開口率としては70〜99%、更には85〜97.5%の開口率を有するのが好ましい。第2導電層の開口率が70%未満の場合には、単位面積当たりの透過光強度の大幅な向上が得られないので好ましくない。また、第2導電層の開口率が99%を超える場合には、電極としての機能が低下し、酸化還元反応に利用できる第2導電層の触媒能が低下し、酸化還元反応がスムーズに行われず、高い光電変換効率が望めないので好ましくない。
また、互いに隣り合う第2導電層の間隔が1μm未満の場合は多孔性光電変換層と第1導電層の接触面積が小さすぎるため好ましくなく、200μmを超える場合は、キャリア輸送材料中の酸化還元種の輸送抵抗が大きくなり好ましくない。
また、互いに隣り合う第2導電層の間隔は5〜250μmが好ましく、更に20〜150μmが好ましい。
なお、格子の形状は、上記の第2導電層の線幅、間隔および交差角度を満たす場合は、平行四辺形、ひし形、長方形、正方形のいずれの形状であってもよい。
また、格子形状を形成する第2導電層の交差角度は、酸化還元種の対極まで移動距離を短くし、開口率を大きくするために、上記の範囲に設定するのが好ましい。
多孔性光電変換層は、半導体から構成され、その形態としては、粒子状、膜状などの種々な形態のものを用いることができるが、中でも膜状の形態が好ましい。
多孔性光電変換層の構成材料としては、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化タングステン、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、硫化カドミウムなどの公知の半導体からなる群から選択される1種類またはこれらを組み合わせて用いることができる。これらの中でも、光電変換効率、安定性、安全性の点から酸化チタンが特に好ましい。
具体的には:
(1)スクリーン印刷法またはインクジェット法などにより、半導体粒子を含有するペーストを塗布した後、焼成する方法;
(2)所望の原料ガスを用いたCVD法またはMOCVD法などにより成膜する方法;
(3)原料固体を用いたPVD法、蒸着法、スパッタリング法などにより成膜する方法;
(4)ゾル−ゲル法、電気化学的な酸化還元反応を利用した方法などにより成膜する方法;
などが挙げられる。
なお、数回に分けて印刷する場合には、必ずしも同一のペーストを用いる必要がなく、異なる材料や粒径を有する半導体粒子を含有するペーストを用いて印刷してもよい。
なお、本明細書において示す比表面積は、ブルナウアー-エメット-テラー(Brunauer-Emmett-Teller) (BET)等温吸着法により測定した値である。
以下に例として、半導体粒子として酸化チタンを用いる多孔性光電変換層の形成法について、具体的に説明する。
なお、本明細書における「平均粒径」は、SEM観察により測定した値である。
塗布したペーストの乾燥および焼成に関しては、使用する支持体や半導体粒子の種類により、温度、時間、雰囲気などの条件を適宜調整する必要がある。
多孔性光電変換層に吸着させて光増感剤として機能する色素としては、種々の可視光領域および/または赤外光領域に吸収をもつ化合物が挙げられる。更に、多孔性光電変換層色素を多孔性光電変換層に強固に吸着させるためには、色素分子中にカルボキシ基、アルコキシ基、ヒドロキシ基、ヒドロキシアルキル基、スルホニル基、エステル基、メルカプト基もしくはホスホニル基などを有する化合物またはカルボン酸無水物などのようなインターロック基を有する化合物が好ましい。これらの中でも、カルボキシ基を有する化合物およびカルボン酸無水物が特に好ましい。
なお、インターロック基は、励起状態の色素と多孔性光電変換層の伝導帯との間の電子移動を容易にする電気的結合を提供するものである。
色素を溶解させる溶剤としては、色素を溶解できればよく、具体的には、エタノールなどのアルコール類、アセトンなどのケトン類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル類、アセトニトリルなどの含窒素化合物類、クロロホルムなどのハロゲン化脂肪族炭化水素類、ヘキサンなどの脂肪族炭化水素類、ベンゼンなどの芳香族炭化水素類、酢酸エチルなどのエステル類、水などを単独で、またはこれらの溶剤の混液を用いることができる。
キャリア輸送材料は、液体電解質、固体電解質、ゲル電解質、溶融塩ゲル電解質のいずれであってもよい。
液体電解質は、酸化還元種を含む液状物であればよく、一般に電池や太陽電池などにおいて使用することができるものであれば特に限定されない。
具体的には、酸化還元種とこれを溶解可能な溶剤からなるもの、酸化還元種とこれを溶解可能な溶融塩からなるもの、酸化還元種とこれを溶解可能な溶剤と溶融塩からなるものが挙げられる。
ゲル化剤としては、例えば、架橋ポリアクリル樹脂誘導体や架橋ポリアクリロニトリル誘導体、ポリアルキレンオキシド誘導体、シリコーン樹脂類、側鎖に含窒素複素環式四級化合物塩構造を有するポリマーなどの高分子ゲル化剤などが挙げられ、これらを好適に用いることができる。
溶融塩ゲル電解質は、通常、ゲル電解質材料と常温型溶融塩からなる。
常温型溶融塩としては、例えば、ピリジニウム塩類、イミダゾリウム塩類などの含窒素複素環式四級アンモニウム塩化合物類などが挙げられ、これらを好適に用いることができる。
但し、本発明において第1支持体が受光面となり、第1支持体と多孔性光電変換層の間にキャリア輸送材料を含む場合には、透過光がキャリア輸送材料を通して色素が吸着された多孔性光電変換層に達し、キャリアを励起させる。そのため、キャリア輸送材料の光吸収による多孔性光電変換層へ到達光量の減少に基づく、光電変換能の低下起こさないように酸化還元性電解質の濃度を設定するのが好ましい。
図2に示すように第2導電層と多孔性光電変換層とのリーク電流を低減するために第2導電層と多孔性光電変換層との間に絶縁層8を設置することができる。第2導電層と多孔性光電変換層が直接接していれば、色素により励起したキャリアが第2導電層に流れるため、光電変換効率が低減することがあり得るが、電気的に分離することにより、光電変換効率の低下を防ぐことができ、より性能が高くなる。
すなわち、多孔性の絶縁層を形成することにより酸化還元種の酸化還元反応は阻害せず、リーク電流も防ぐことができる。多孔性の割合は、前記の多孔性光電変換層と同等であれば問題ない。また、形成位置としては、第2導電層と多孔性光電変換層間に形成していれば良いが、作製方法の精度により絶縁層や第1導電層に接触していても問題はない。
封止材は、電解液の揮発と太陽電池内への水などの浸入を防止するために重要である。また、封止材は、(1)支持体に作用する落下物や応力(衝撃)の吸収、(2)長期にわたる使用時における支持体に作用するたわみなどの吸収のために重要である。
封止材用の材料としては、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ポリイソブチレン系樹脂、ホットメルト樹脂、ガラスフリットなどが好ましく、これらを単独で、または2種類以上を2層以上に形成して用いることもできる。
酸化還元性電解質の溶剤としてニトリル系溶剤、カーボネート系溶剤を使用する場合には、シリコーン樹脂やホットメルト樹脂(例えば、アイオノマー樹脂)、ポリイソブチレン系樹脂、ガラスフリットが特に好ましい。
図1に色素増感型太陽電池の概略平面図および断面図の一例を示す。以下では、色素増感型太陽電池の製造方法を具体的に説明するが、以下の具体例は単なる例示であり、以下の方法以外にも当該分野で公知の方法を採用することができる。
第2支持体として、厚み1.1mm、大きさ30mm×30mmのガラス基板(商品名:コーニング7059)の片面の全面に、スパッタ装置(サンユー電子社製 QUICK COATER SC−701H)を用いて1μmのチタンをスパッタし第1導電層を形成した。
で表されるルテニウム色素(Solaronix社製、商品名:Ruthenium620−1H3TBA)を濃度2×10-4モル/Lになるように、かつDCA(デオキシコールサン)を濃度2×10-2モル/Lになるように、体積比1:1のアセトニトリルとブタノールとの混合溶剤に溶解させて多孔性光電変換層に吸着させる色素溶液を調製した。
その後、第1支持体として、22mm×22mmの大きさの強化ガラスを多孔性光電変換層上に設置し、第1支持体と第1導電層の間の多孔性光電変換層がない部分にシール剤(UV硬化樹脂、スリーボンド社製、31X−088)を塗布し、UV光を照射して封止材を作製した。ただし、22mm角の四隅のうちの対向する2箇所にキャリア輸送材料充填用開口部を設けた。
実施例1に準じて、第2導電層と多孔性光電変換層との間に多孔性絶縁層を設置した色素増感型太陽電池の作製を行った。なお、多孔性絶縁層の形成は以下のとおりである。
粒径1μmの酸化ジルコニウム粒子、αテルピネオールおよびエチルセルロールがそれぞれ重量比で30重量%、60重量%、5重量%となるように混合し、超音波ホモジナイザーを用いて多孔性絶縁層用の酸化ジルコニウムペーストを作製した。
第1支持体を受光面として作製した色素増感型太陽電池のAM 1.5擬似太陽光照射下における動作特性を調べた結果、短絡電流密度13.1mA/cm2、開放電圧値0.695V、FF 0.678、モジュール変換効率6.17%であった。
実施例2に準じて、第2導電層である白金を格子形状に形成した色素増感型太陽電池の作製を行った。なお、格子形状の第2導電層のため、絶縁層および多孔性絶縁層も格子状であり、それぞれの寸法は実施例1と同様とし、第2導電層の交差角度は90°とした。
図3に色素増感型太陽電池モジュールの概略平面図(a)および断面図(b)を示す。なお、断面図(b)は図3のA−B面での断面を示している。なお、図3における各数字は、図1におけるものと同じ意味を有している。
第1支持体を受光面として作製した色素増感型太陽電池のAM 1.5擬似太陽光照射下における動作特性を調べた結果、短絡電流密度12.9mA/cm2、開放電圧値0.698V、FF 0.685、モジュール変換効率6.17%であった。
実施例2に準じて、第2導電層を2層にして形成した色素増感型太陽電池の作製を行った。なお、第2導電層の形成は以下の通りである。
絶縁層を形成した後、線幅50μm、間隔250μm、膜厚5μmの形状でスクリーン印刷法を用いて銀ペーストを塗布、300℃の空気中で60分間焼成した後、実施例2と同様に銀上に白金をスパッタにて作製した。
実施例5
実施例2に準じて、第1導電層および第2支持体をチタン板(厚み3mm)として色素増感型太陽電池の作製を行った。
実施例6
実施例2に準じて、第1導電層および第2支持体をタンタル板(厚み3mm)として色素増感型太陽電池の作製を行った。
実施例7
実施例2に準じて、第1導電層および第2支持体をステンレス(Stainless Used Steel)板(SUS304、厚み3mm)として色素増感型太陽電池の作製を行った。
第1支持体を受光面として作製した色素増感型太陽電池のAM 1.5擬似太陽光照射下における動作特性を調べた結果、短絡電流密度13.2mA/cm2、開放電圧値0.694V、FF 0.691、モジュール変換効率6.33%であった。
受光面を第2支持体にした色素増感型太陽電池の作製を行った。第1導電層が形成された第2支持体として日本板ガラス社製のSnO2付きガラス基板を用いた。この第一導電層上に作製する絶縁層、第2導電層、多孔性絶縁層、多孔性光電変換層およびこれらの作製方法は実施例3に準じて行った。また、第一支持体は実施例1の第2支持体で使用したガラス基板として、色素増感型太陽電池の作製を行った。
第2支持体を受光面として作製した色素増感型太陽電池のAM 1.5擬似太陽光照射下における動作特性を調べた結果、短絡電流密度9.8mA/cm2、開放電圧値0.698V、FF 0.705、モジュール変換効率4.82%であった。
実施例2に記載の色素増感型太陽電池を2直列した色素増感型太陽電池モジュールの作製を行った。図4に色素増感型太陽電池モジュールの概略平面図(a)および断面図(b)を示す。なお、断面図(b)は図4のC−C、D−D、E−E面での断面を、矢印方向からの断面図として示している。ここで、41は第1支持体、42は第2支持体、431、432は第1導電層、441、442は絶縁層、451、452は第2導電層、461、462は多孔性光電変換層、47はセル間を電気的に分離するための分離層である。
第1支持体を受光面として作製した色素増感型太陽電池モジュールのAM 1.5擬似太陽光照射下における動作特性を調べた結果、短絡電流密度5.9mA/cm2、開放電圧値1.37V、FF 0.670、モジュール変換効率5.42%であった。
実施例1〜7に記載の本発明の実施例と比較するため、図5に記載の従来構造の色素増感太陽電池を作製した。
各材料および材料寸法は実施例2と同様としたが、第2支持体と第2導電層を日本板ガラス社製のSnO2付きガラス基板とし、触媒層を白金とした。
第1支持体を受光面として作製した色素増感型太陽電池モジュールのAM 1.5擬似太陽光照射下における動作特性を調べた結果、短絡電流密度9.4mA/cm2、開放電圧値0.685V、FF 0.550、モジュール変換効率3.54%であった。
2 第2支持体
3 第1導電層
4 絶縁層
5 第2導電層
6 色素を吸着させた多孔性光電変換層中にキャリア輸送材料を形成させた層
7 封止材
8 絶縁層
41 第1支持体
42 第2支持体
431および432 第1導電層
441および442 絶縁層
451および452 第2導電層
461および462 多孔性光電変換層
47 セル間を電気的に分離するための分離層
101 第1支持体
102 第1導電層
103 色素を吸着させた多孔性光電変換層中にキャリア輸送材料を形成させた層
104 キャリア輸送材料
105 触媒層
106 第2導電層
107 第2支持体
108 封止材
Claims (9)
- 第1支持体とその下部に配置された第2支持体との間に第1導電層、絶縁層、第2導電層および多孔性光電変換層を備え、
前記第1導電層、前記絶縁層および前記第2導電層がこの順で第2支持体上に積層され、前記絶縁層および前記第2導電層は短冊形状または格子形状に積層され、前記第2導電層がキャリア輸送材料の酸化還元反応を活性化させる触媒能を有し、
色素を吸着しかつキャリア輸送材料を含む前記多孔性光電変換層が、前記第1支持体と前記第2支持体との間に前記第1導電層、前記絶縁膜および前記第2導電層と接するように構成されることを特徴とする光電変換素子。 - 第1支持体とその下部に配置された導電性支持体との間に絶縁層、第2導電層および多孔性光電変換層を備え、
前記絶縁層および前記第2導電層がこの順で前記導電性支持体上に積層され、前記絶縁層および前記第2導電層は短冊形状または格子形状に積層され、前記第2導電層がキャリア輸送材料の酸化還元反応を活性化させる触媒能を有し、
色素を吸着しかつキャリア輸送材料を含む前記多孔性光電変換層が、前記第1支持体と前記第2支持体との間に前記第1導電層、前記絶縁膜および前記第2導電層と接するように構成されることを特徴とする光電変換素子。 - 前記第1支持体が強化ガラスである請求項1または2に記載の光電変換素子。
- 前記第2導電層と前記多孔性光電変換層との間に多孔性絶縁層が設置されている請求項1〜3のいずれか一つに記載の光電変換素子。
- 前記第1導電層が、チタン化合物、タンタル化合物、およびステンレス鋼からなる群より選択される金属材料からなる請求項1〜4のいずれか一つに記載の光電変換素子。
- 前記導電性支持体が、チタン化合物、タンタル化合物、およびステンレス鋼からなる群より選択される金属材料からなる請求項2〜4のいずれか一つに記載の光電変換素子。
- 前記第2導電層が、少なくとも2種類以上の材料により層構造が形成されている請求項1〜6のいずれか一つに記載の光電変換素子。
- 前記多孔性絶縁層または前記多孔性光電変換層と接する前記第2導電層の最外層が白金からなる請求項7に記載の光電変換素子。
- 請求項1〜8のいずれか一つに記載の光電変換素子を色素増感型太陽電池に使用し、該色素増感型太陽電池を複数個配置した色素増感型太陽電池モジュールを形成し、色素増感型太陽電池の第一導電層と、それに隣接する他の色素増感型太陽電池の第二導電層とを接続させることにより、色素増感型太陽電池を直列接続させて集積化させたことを特徴とする色素増感型太陽電池モジュール。
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