JP5133891B2 - 無煙シガレットシステム - Google Patents

Description

無煙方式でシガレットを使用するための点火器を開示する。この点火器は、従来のシガレット、香味カートリッジ、又はその両方に適合することができる。

無煙シガレット点火器は、ほぼ円筒形のチャンバを形成してそのチャンバ内の温度を１６０°と２００°の間に維持するように作動可能なほぼ円筒形の加熱装置を含むことができる。点火器はまた、加熱装置を取り囲んで点火器の外部温度を表面温度が喫煙者の手をやけどさせないことになる４０℃又はそれ未満に維持するように作動可能なほぼ円筒形のジャケットを含むことができる。ジャケットの一端は、シガレット又はシガーのような喫煙物品を受け入れるように寸法設定された開口部を形成する。ジャケットの他端は、空気供給マニホルドに接続している。空気供給マニホルドは、加熱手段に通電し、任意的に関連電子回路を収容し、かつ任意的に赤熱するタバコを模擬するように作動可能な電源装置に接続している。

電源装置の寿命を維持し、並びに点火器の自己消火作動を保証するために、典型的な喫煙物品の燃焼に関連する時間に相関する期間の後に加熱装置への通電を終了させるタイマ回路を設けることができる。
点火器の作動を開始するために、喫煙物品によって作動されるスイッチを設けることができる。代替的に又は共同的に、喫煙者が点火器の作動を開始するか又はその電子回路を無効にすることができるように、手動で作動可能なスイッチを設けることができる。
必要に応じて、点火器はまた、点火器を通って流れる空気を感知してそのイベントに応答して赤熱表示灯をつけるように作動可能な回路と結合した赤熱表示灯を含むことができる。

本発明の一態様により、ほぼ円筒形のチャンバ、空気供給開口部、及びシガレットのような喫煙物品の少なくとも端部部分を受け取るように寸法設定された入口を形成し、かつほぼ円筒形のチャンバ内でタバコの着火温度よりも低くかつ約１６０℃から約２００℃の範囲に入る実質的に均一な温度を維持するように作動可能なほぼ円筒形の加熱器と、ほぼ円筒形の加熱器を実質的に取り囲み、外面を有し、断熱材料で作られ、かつ外面の温度が４０℃未満のままであるように選択された厚みを有する絶縁ジャケットと、加熱器に電気エネルギを供給するように作動可能な電源と、電源によって加熱器に送出された電気エネルギの持続時間を制御するように作動可能な回路とを含む点火器が提供される。
好ましくは、加熱器のほぼ円筒形のチャンバは、シガレット又はシガーの公称直径に対応する横寸法を有する。また、好ましくは、ほぼ円筒形のチャンバは、従来のシガレットのタバコロッドの長さに対応する長さを有する。

本発明の別の態様により、ほぼ円筒形のチャンバ、空気供給開口部、及び喫煙可能物品の少なくとも端部部分を収容するように寸法設定された入口を形成し、かつほぼ円筒形のチャンバ内で１６０℃から２００℃の範囲の温度を維持するように作動可能な加熱器と、加熱器を実質的に取り囲み、外面を有し、断熱材料で作られ、かつ外面の温度が４０℃未満のままであるように選択された厚みを有するジャケットと、加熱器に電気エネルギを供給するように作動可能な電源と、電源によって加熱器に送出された電気エネルギの持続時間を約１０から約１２分の期間に制御するように作動可能な回路とを含む点火器が提供される。

本発明の別の態様により、シガレットの公称直径及び長さに対応する横寸法を備えたほぼ円筒形のチャンバを形成し、空気供給開口部及びシガレットを収容するように寸法設定された入口を更に含み、かつシガレットを受け取ってほぼ円筒形のチャンバ内で１６０℃から２００℃の範囲に温度を維持するように作動可能な加熱器と、加熱器を実質的に取り囲み、外面を有し、断熱材料で作られ、かつ外面の温度が約４０℃未満のままであるように選択された厚みを有するジャケットと、加熱器に電気エネルギを供給するように作動可能な電源と、電源によって加熱器に送出された電気エネルギの持続時間を約１０から約１２分の期間に制御するように作動可能な回路とを含む無煙シガレット点火器が提供される。

好ましくは、本発明による点火器は、加熱器内への空気流を感知して空気流が増加する期間中に信号を発生するように作動可能な吸煙インジケータを含む。また、好ましくは、回路は、タイミング回路と独立に加熱器の作動を開始する手動作動可能スイッチを含む。また、好ましくは、回路は、加熱器のほぼ円筒形のチャンバ内の喫煙物品の存在に応答して作動するスイッチを含む。また、好ましくは、加熱器のほぼ円筒形のチャンバは、シガレットの公称直径に対応する横寸法を有する。また、好ましくは、本発明による点火器は、チャンバ内のエーロゾル発生香味カートリッジを含む。

本発明の別の態様では、少なくとも１つの喫煙物品と、絶縁ジャケットを含む喫煙物品の少なくとも端部部分を受け取るように寸法設定された開口部及び約１６０℃から約２００℃の範囲である開口部内の予め選択した温度を維持するように作動可能な加熱装置を有する点火器と、加熱装置に電気エネルギを供給するように作動可能な電源とを含む、喫煙物品の無煙享受のためのシステムが提供される。
好ましくは、このシステムの点火器は、更に、点火器を通る空気流変化を感知するのに有効な吸煙センサを含む。また、好ましくは、点火器の加熱装置は、所定の期間にわたって作動し、喫煙物品が、この所定の期間を開始し、吸煙センサは、所定の期間をリセットする。

ここで図１に移ると、点火器２０は、ほぼ円筒形外形を有することができ、かつ従来のシガレット２２、又は従来のシガー、又は従来のシガリロなどのような従来の喫煙物品と共に機能するように設計される。従来のシガレット２２は、一般的に、包装紙に入れられたタバコ切断充填剤のロッドを備えたロッド２４を含む。特定のシガレット２２次第では、フィルタ端部２６をシガレットの一部とすることができる。点火器２０はまた、シガー又はシガリロのような他の喫煙物品と共に機能するように設計することができる。しかし、その場合には、点火器サイズの範囲は、シガーの様々なリングのサイズに適合させる必要がある場合がある。

図示のように、点火器２０は、一端の開口部を通して喫煙物品の長さの実質的な部分を受け取る。点火器２０の反対端は、複数のほぼ半径方向に延びるチャンネル３０が設けられたマニホルド２８を含む。マニホルド２８は、喫煙者がそこを通る空気を吸引することによってシガレット２２を吸煙する時に点火器に空気が入ることを可能にする。
任意的に、喫煙物品に対して開口部と反対側の点火器の端部は、喫煙物品を通る空気を喫煙者が吸引する時に点灯する表示灯アセンブリ３６を含むことができる。従って、表示灯アセンブリ３６は、空気がその内に吸引される時に従来のシガレット又はシガーのコールと類似した働きをする。表示灯アセンブリ３６（図２参照）は、カバー３８を有し、ＬＥＤ、バルブ、又はフィラメント４０を保護することができる。必要に応じて、カバー３８は、透明又は半透明とすることができる。更に、カバー３８は、オレンジ又は他の色の着色体を有し、燃焼コールの色を模擬することができる。カバー３８は、例えば、プラスチック、ガラス、及び透明な鉱物などを含むあらゆる適切な従来材料で構成することができる。

点火器２０内には、加熱アセンブリ５０が設けられる。加熱アセンブリ５０は、ほぼ円形断面を有するほぼ円筒形のチャンバ５２を形成する。この加熱器は、そうした形状に限定されず、円錐台形のような他の形状、及び多角形又は楕円形のような他の断面を含むことができる。いずれの形状でも選択することができ、チャンバ５２は、点火器と共に使用される喫煙物品の横寸法を収容するように選択された横寸法を有する。更に、チャンバ５２の長さは、口側係合可能部分、すなわち、約０．５から約２インチが点火器２０から延びるように、関連喫煙物品の長さを収容するように選択される。

チャンバ５２の一端は、喫煙物品を収容するように寸法設定された開口部５４を有する。例えば、シガレットが喫煙物品の場合、開口部５４は、約８ｍｍから約１０ｍｍ（約０．３から約０．４インチ）の範囲の横寸法を有することができる。喫煙物品がシガーの場合、横寸法は、約１０ｍｍから約２５ｍｍ（約０．４から約１．０インチ）の範囲とすることができる。
チャンバ５２の他の端部も開口部５６を有することができる。開口部５６は、マニホルド２８と連通し、かつ吸煙中に点火器２０を通して吸引された空気を受け取る。空気開口部５６は、必要に応じて寸法設定することができる。適切な状況では、空気開口部５６は、横寸法が減少したオリフィスを形成することができる。他の状況では、空気開口部は、それによって空気流制限又は圧力降下が生じないほど十分に大きい。

空気流開口部５６は、マニホルド２８の中心内腔５８との流体連通を有する。中心内腔５８は、マニホルド２８を通って半径方向外側に延びるチャンネル３０（図４参照）の各々との流体連通を有する。４つのチャンネル３０が示されているが、チャンネルの数は、点火器内に適切な空気流を提供するために必要に応じて選択することができることを理解すべきである。例えば、僅かに２つから１６もの多いチャンネルにすることができる。チャンネル３０は、マニホルド２８の軸線周りに等角的に離間し、かつ１つの放射平面又は２つ又はそれよりも多くの軸線方向に離間した放射平面に配列することができる。

中心内腔５８は、好ましくは、それが点火器２０を通る空気流を制限しないように選択された横寸法を有する。例えば、内腔５８は、加熱アセンブリの空気開口部５６の横寸法と同じ大きさの横寸法又は直径を有することができる。点火器内への空気流の制限を回避するために、中心内腔５８は、好ましくは、内腔５８と連通するチャンネル３０の断面積の合計と少なくとも同じ大きさの断面積を有する。

加熱アセンブリ５０は、実質的に均一な壁厚を有し、かつほぼ円形断面を有するほぼ円筒形の要素６０を含むことができる。要素６０は、例えば、セラミック材料、断熱材料、又は熱伝導材料を含む適切な従来の材料で作ることができる。要素６０は、フィルムのような１つ又はそれよりも多くの表面装着抵抗加熱部材又は成形リボンを有することができる。代替的に、要素６０は、１つ又はそれよりも多くの内部加熱部材を含むことができる。使用される加熱部材とは関係なく、加熱部材は、加熱要素６０の中及び／又は上に配列され、そのためにチャンバ５２内で半径方向及び軸線方向の両方に実質的に均一な温度を得て維持することができる。

加熱アセンブリ５０は、例えば、約３０秒よりも短い、好ましくは約２０秒よりも短い、最も好ましくは約１０秒又はそれ未満の短期間に予め選択した温度又は好ましくは約１６０℃から約２００℃の範囲までチャンバ５２内の温度を上げるように作動可能である。更に、加熱アセンブリ５０は、チャンバ５２内の温度を約１６０℃から約２００℃の範囲に維持するように作動可能である。この範囲の低い方の温度、すなわち、約１６０℃は、喫煙体験を提供するタバコから揮発成分を放出するための閾値を構成する。この範囲の高い方の温度、すなわち、約２００℃は、それより下の温度では点火器の周りで可視喫煙が起きない加熱温度を規定する。更に、この高い方の温度及びそれ未満では、タバコ及び／又はシガレット包装紙材料の燃焼なしで点火器が作動する。同時に、従来のシガレットが従来の方法で吸煙される時にそうでなければ発生する大部分の熱分解及び熱合成過程が回避される。

ジャケット６２は、加熱アセンブリ５０の外側に配置され、点火器２０を保持するための手段を提供し、同時に喫煙者の手及び指を加熱アセンブリ５０から絶縁する。そのために、ジャケット６２は、例えば、セラミック、フェノール、又は木材などのような絶縁材料で作られる。ジャケット６２は、その外面の温度が約４０℃を超えないように選択された厚みを有する。更に、喫煙者の指を事故による火傷から保護するために、ジャケット６２は、加熱要素６０と実質的に同軸にし、かつ好ましくは同様の断面形状とすることができる。同様の理由のために、ジャケット６２は、好ましくは、ジャケットが開口部５４において加熱要素６０の端部も実質的に含むことができるように、加熱要素６０の長さを超える長さを有する。ジャケット６２が加熱要素６０の端部を覆い、かつ開口部５４に向けて延びる時に、ジャケットは、それが喫煙物品に対して少なくとも開口部５４と同じ大きさの開口部をもたらすような形状にされる。
必要に応じて、ジャケット６２は、加熱要素６０が交換目的のために軸線方向に摺ることができる寸法公差で設計することができる。

マニホルド２８は、ジャケット６２に取り付けられ、かつ加熱要素６０をジャケット６２内で所定位置に保持するために受面を提供する半径方向に延びる表面６４を提供する。図示のように、表面６４は、加熱要素６０の端部にわたって半径方向に延びるが、位置決め機能を提供するために、表面６４は、加熱要素の端部の一部分と部分的に重なることだけが必要である。マニホルド２８は、ジャケット及びマニホルドのために使用される材料に応じて決まる様々な方法のうちのいずれかの方法でジャケットに取り付けることができる。例えば、接続には、永久的接着、溶接、ロウ付け、締り嵌め、又は機械的な機構を用いることができる。加熱要素６０が交換可能に設計される場合、接続は、ジャケット及びマニホルド２８に対する嵌め合わせネジのような機械的なものとすることができる。

必要に応じて、点火器２０の遠位端は、赤熱灯アセンブリ３６を含むことができる。赤熱灯アセンブリは、例えば、喫煙可能な物体が吸煙されたて空気が点火器２０を通過する時に、光４０が点灯するように適切な従来方法で点火器２０内で空気流を感知するように作動可能である。赤熱灯アセンブリが点火器の一部でない場合、同様の形状を有し、かつバッテリ７０を収容するように作動可能な単純なキャップで代用することができる赤熱灯アセンブリ又はキャップが、必要に応じてバッテリ７０に手が届いて交換することができるようにマニホルド２８に取外し可能に接続される。

バッテリ７０は、点火器２０に通電するために提供される。バッテリ７０は、マニホルド２８とランプアセンブリ３６の間に設けられて適合するような形状にされた空洞に配置することができる。バッテリ７０は、加熱要素７０にエネルギを供給するだけでなく、赤熱灯アセンブリにもエネルギを供給する。バッテリ７０は、あらゆる望ましい設計とすることができる。例えば、バッテリ７０は、使い捨て又は充電可能にすることができるが、複数の喫煙期間中に加熱要素６０に電気エネルギを供給できなければならない。
点火器２０はまた、加熱要素６０に対する電気エネルギの供給を調節するための比較的単純な制御システムを含む。制御システムはまた、加熱チャンバ５２内で上に規定した範囲まで温度を制御するように作動する。制御システムはまた、赤熱灯アセンブリが点火器２０の一部である時に、それに通電するように機能する。

当業者には様々な制御システムが明らかであろうが、１つの単純な制御システムが図１に示されている。バッテリ７０は、第１のアクチュエータ８０、タイマ回路８２、及び加熱要素６０と直列に接続することができる。第１のアクチュエータ８０は、喫煙物品の存在を検出するスイッチ又は適切な従来のセンサ、又は点火器に既に挿入されている喫煙物品を喫煙者が吸引した時に表示する適切な従来の圧力センサのように点火器の加熱チャンバ内へのシガレットの挿入によって作動することができる。使用されるアクチュエータの種類に関係なく、アクチュエータ８０は、バッテリ７０をタイマ回路８２と接続するように作動可能である。回路に通電されると、タイミング回路が始まり、所定の期間、例えば、約１０分から約１２分の範囲の期間にわたって電気エネルギが加熱要素６０に届くように継続される。その時間中に、加熱要素６０は、その作動条件に迅速に到達し、約１６０℃から約２００℃の範囲の温度までチャンバを加熱する。温度制御装置８４が設けられ、加熱チャンバ内の温度を感知し、同時にその温度を調節する。この制御の態様は、例えば、加熱要素６０を通過する電気エネルギを調節することによって達成することができる。

任意的な吸煙インジケータアセンブリは、光４０と吸煙センサ回路８８とを含む。これらの要素は、直列に接続することができ、それらの要素は、次に、加熱要素６０と並列に接続することができる。吸煙センサ回路は、加熱チャンバを通過する空気流が何時開始され、及び／又は増加するかを判断するように作動可能である。それが起きると、光４０は活性化され、反対に空気流が降下又は停止すると光４０は消滅する。従って、光４０は、シガレットが吸煙されている時に燃焼しているシガレットに対するコールの働きを模擬する。

タイマサイクルの最後に、吸煙センサ回路８８及び加熱要素６０に対するエネルギは中断する。従って、喫煙者による更なる吸煙は、光４０の点灯を伴わないので、作動サイクルが終了していることに喫煙者が気付かないことになる。また、加熱要素６０に対するエネルギが中断するので、チャンバの更なる加熱も同じ時間に終了する。
喫煙者が喫煙物品の吸煙を続けたいという状況に対して、手動で作動可能なスイッチ８６が点火器２０に設けられる。図１で見られるように、スイッチ８６は、点火器の端部に隣接して喫煙物品の突出部分近くに設置することができる。スイッチ８６が連結されると、タイマ回路に再度通電され、上述のように作動する。
加熱要素６０を制御する様々な他の装置が使用可能であり、本開示の範囲内である。

使用中は、シガレット２４（図３）のような喫煙物品は、点火器２０の開放端５４に挿入される。代案として、シガレットを挿入する前に使い捨て又は恒久的香味カートリッジ９０を点火器２０に挿入することができる。香味カートリッジ９０は、喫煙者によるタバコ香味のカスタム化を可能にする。更に別の代案は、香味カートリッジ９０及び喫煙物品２４の両方の使用を伴うものである。香味カートリッジ又は喫煙物品又は両方が加熱チャンバに導入された場合、作動スイッチ８０（図５）は閉じられる。従って、バッテリ７０が、タイマ８２と加熱要素６０を活性化するか又は始動する。

バッテリ７０は、好ましくは、複数のサイクルにより点火器２０を作動させるのに十分な電気容量を有するように寸法設定される。バッテリ７０の頻繁な交換又は充電が喫煙者には煩わしい可能性があることを認識すると、バッテリ７０は、最も好ましくは、平均的な喫煙者に対して約１週間にわたって点火器２０の作動を可能にさせる。それは、交換又は充電が必要になる前に、例えば１００から１５０サイクル又はそれよりも多くを経る可能性がある。最低限でも、バッテリは、交換又は充電が必要になる前に、例えば約２０サイクル又はそれよりも多くを経て、少なくとも１日にわたって点火器２０を作動させることが可能でなければならない。

バッテリ７０はまた、タイマ８２が始動する時に、加熱チャンバ５２（図３）の温度が約１０秒の期間で、予め選択した温度又は好ましくは約１６０℃から約２００℃の範囲の温度範囲まで上がるように選択される。この時に、チャンバ５２内の熱は、喫煙物品のタバコと香味カートリッジとに作用し、もし存在すれば、タバコ又はタバコ香味抽出カートリッジから揮発性蒸気の放出を開始する。約１６０℃よりも低い温度では揮発性蒸気が放出できないので、その温度が好ましい。約２００℃よりも高い温度では可視煙を生じさせることがあるので、その温度も好ましい。チャンバ５２内の温度をこの値よりも低く保つことにより、可視煙が基本的に回避される。範囲の端のポイントを規定する温度は、温度制御の作動、吸煙時のより低温の空気の導入、周囲温度変化に対する温度制御の応答性、及び同様の要因による何らかの変動を考慮している。一般的に、これらの端のポイントの温度は、タイマ８２が加熱要素６０に通電する期間にわたる時間平均として値を求めることができる。

タイマ回路８２（図５）は、好ましくは所定の期間、好ましくは１０から１２分の範囲で加熱要素に通電する。この時間の長さは、喫煙物品としてのシガレットを使用する大部分の個人に適合することになる。従来的な方法で喫煙物品に点火して従来的な方法でそれを喫煙して使用する場合、この期間は、点火器を用いて喫煙される典型的な喫煙物品が燃焼すると考えられる時間の長さよりも長く選択される。喫煙物品がシガレットの場合、１０から１２分の期間は、典型的にシガレットの喫煙に関わる３から５分の時間フレームを実質的に超える。１０から１２分の期間はまた、その間に点火されたが吸煙されていないシガレットの燃焼の時間を超える。しかし、喫煙物品がシガーの場合、タイマによって設定された作動の期間は、１０から１２分の期間よりも有意に長くなるように調節することができる。ここでもまた、この期間は、通常は従来方法の点火方法でのシガーの喫煙に関連する時間の長さよりも長く選択されると考えられる。シガーでは、１日又は１週間ベースでシガレットよりも少ないシガーが喫煙者によって消費されるために、バッテリ７０に対して予期される負荷サイクルも異なるであろう。

タイマ回路が期間の終わりに到達すると、バッテリ７０から加熱要素６０までのエネルギの流れが中断され、加熱チャンバ５２はもはや加熱されない。その時点で、喫煙物品が点火器２０から引き抜かれて廃棄される。しかし、喫煙者が喫煙物品の喫煙を続けたい場合には、例えば、加熱チャンバ５２の開放端５４の近くでジャケット６２の外側に設けられた手動の作動可能スイッチ８６を作動させることができる。スイッチ８６が導通された時に、エネルギが再度タイマ回路、加熱要素、及び温度制御装置を通って流れ、そのために喫煙者は、物品の吸煙を続けることができる。

通常の方法でシガレットを吸煙すると、燃焼端部を通る空気流からの酸素が増加し、従って、喫煙者が吸煙する度にシガレット端部のコールが少なくとも部分的に赤熱する。赤熱するコールは、シガレットが着火されて吸煙されているという印しを提供する。必要に応じて、点火器は、喫煙体験を模擬するためにインジケータ４０に増加電力を提供することができる。
インジケータは、加熱器が望ましい温度に維持される間はそのまま存続し、又はインジケータは、吸煙の合間に消灯することができる。しかし、例えば、吸煙センサ８８及び吸煙インジケータ４０が使用される場合には、無煙点火器の喫煙者は、吸煙が行われると可視表示を得ることになる。例えば、吸煙センサ８８は、加熱チャンバ５２（図３）の内側端部５６内への空気流を感知する。空気流センサは、必要に応じてチャンネル３０の１つ又は中心マニホルド５８に配置することができる。シガレットの端部においてはタバコの燃焼を支持する酸素が必要でないために、通常は、それらのチャンネル及びマニホルドを通る空気流は非常に少ない。しかし、喫煙者が点火器２０内の喫煙物品を通して吸煙又は吸引する時に、吸煙センサ８８（図５）は、電気エネルギによりインジケータが点火し、それが点灯するのを可能にする。空気流がその通常値に戻ると、吸煙センサ８８は、インジケータに対する電気エネルギを中断し、インジケータは、もはや点灯しない。従って、任意的な吸煙インジケータは、喫煙者が点火器を通して吸煙又は空気を吸引している時に表示する。

空気が点火器に吸引される、すなわち、吸煙期間に、空気は、タバコの揮発性及び半揮発性蒸気及び香味カートリッジの香味抽出物を使用中に凝縮してエーロゾルにし、そのエーロゾルが、次に、点火器２０から突出する喫煙物品の端部から引き出される。その蒸留エーロゾルは、煙のように見えるが、従来のタバコ煙に見られる粒子物質、灰、熱分解及び熱合成化合物を含まない。
代替的な構成として、点火器の作動に対する所定の時間間隔を例えばシガレットの喫煙に典型的に関わる時間のようなより短い値に設定することができるであろう。その構成は、バッテリ使用期間又は寿命を長くする方法として望ましいとすることができる。そのような状況では、喫煙者による吸煙が感知された時に、予め選択した期間を再開するために吸煙センサ８８を使用することができる。本方法では、予め選択した期間は、シガレットをゆっくり吸煙している喫煙者の吸煙中の時間の典型的な長さほど短いが、点火器は、加熱要素を通電したままに保ち、そのために喫煙体験の中断は少しもないであろう。

上述の点火器２０は、独立型の物品として提案されたが、キット又は喫煙システムの構成要素としても提案することができる。例えば、キットは、点火器及び交換可能な電源と同様に、少なくとも１つ、場合によってはそれよりも多くの喫煙物品を含むことができると考えられる。
点火器２０は、従来型のシガレットを喫煙することができる。特別に製造されたシガレット又はタバコ製品は必要ない。従って、この喫煙システムの喫煙者に対するコストは、特別なシガレットを必要とする他の方法と比較して低減される。更に、点火器２０の構成要素は、廉価な材料で作られる。例えば、電子構成要素は、従来型の構成要素であり、そのために、高度な電子構成要素に関連する費用が省かれる。これらの要因は全て、廉価なシステムかつ廉価な点火器アセンブリに寄与している。

上述のシステムにより、加熱されるシガレットの少なくとも一部分が所定の時間間隔にわたって予め選択した温度に維持されるか又はそこまで加熱されることは、当業者には明らかであろう。予め選択した温度は、その時間間隔中の吸煙間で、かつ吸煙がない時は所定の時間間隔の継続期間にわたって実質的な中断なしに維持される。所定の時間間隔中の吸煙の存在は、吸煙センサによって判断される。代替の構成では、吸煙センサは、喫煙期間を延ばすためにこの時間間隔を作動又は再開することができる。

喫煙されているシガレットが加熱チャンバ５２内にほぼ完全に密封され、かつ加熱温度が製品の燃焼を回避することは、当業者には明らかであろう。従って、事実上は喫煙中に副流煙が生成されない。従って、点火器２０は無煙装置である。
この点火器内で喫煙されるタバコは、連続して特定の温度範囲に維持される。従って、喫煙者は、必要に応じて多くの喫煙、又は少しの喫煙を行うことができる。更に、吸煙の回数は制限されず、かつ喫煙者が希望するあらゆる回数とすることができる。更に、温度範囲が低いので、必要とされるバッテリのエネルギは、より高い温度を使用するシステムのものよりも少ない。

本発明の開示による点火器が多くても最低限の清掃しか必要としないと考えられることも当業者には明らかであろう。そして、そのような清掃が必要な時には、非常に簡単に実行される。例えば、空気チャンネルには、外部から手が届き、容易に清掃することができる。加熱チャンバ５２は、一端で開放しており、また外部から手が届く。空気マニホルドの中心チャンネルを清掃する必要がある場合がある範囲で、このマニホルドは、内部アクセスのために点火器から取り外すことができる。

本明細書が新奇で有用かつ進歩的な無煙シガレット点火器及び喫煙システムを説明していることは今や当業者には明らかであろう。上の詳細説明で既に説明した本発明の様々な態様に対して多くの修正、変更、置換、及び均等物が存在することも当業者には明らかであろう。従って、特許請求の範囲によって規定される本発明の精神及び範囲に該当する全てのそのような修正、変更、置換、及び均等物がそれによって含まれていることを明確に意図するものである。

無煙シガレット点火器の斜視図である。 任意的な吸煙表示灯を示す無煙シガレット点火器の斜視図である。 図１の無煙シガレット点火器の断面図である。 図３の線４−４に沿った断面図である。 無煙シガレット点火器のための適切な電子回路の概略図である。

符号の説明

２０ 無煙点火器
２２ シガレット
４０ 光
５０ 加熱器
５２ 内部チャンバ
６２ 絶縁ジャケット

Claims (10)

1. ほぼ円筒形のチャンバ、空気供給開口部、及び喫煙物品の少なくとも端部部分を受け取るように寸法設定された入口を形成し、かつ該ほぼ円筒形のチャンバ内でタバコの着火温度よりも低く約１６０℃から約２００℃の範囲に入る実質的に均一な温度を維持するように作動可能なほぼ円筒形の加熱器と、
   前記ほぼ円筒形の加熱器を実質的に取り囲み、外面を有し、断熱材料から作られ、かつ該外面の温度が４０℃よりも低いままであるように選択された厚みを有する絶縁ジャケットと、
   前記加熱器に電気エネルギを供給するように作動可能な電源と、
   前記電源によって前記加熱器に供給された電気エネルギの持続時間を制御するように作動可能な回路と、
   を含むことを特徴とする点火器。
2. 回路が、約１０から約１２分の期間の後に前記加熱器への電気エネルギの供給を中断するように作動可能なタイミング回路を含むことを特徴とする請求項１に記載の点火器。
3. 前記加熱器内への空気流を感知し、空気流が増加する期間中に信号を発生するように作動可能な吸煙インジケータを更に含むことを特徴とする請求項１に記載の点火器。
4. 前記回路は、前記タイミング回路と独立に前記加熱器の作動を開始する手動で作動可能なスイッチを含むことを特徴とする請求項２に記載の点火器。
5. 前記回路は、前記加熱器の前記ほぼ円筒形のチャンバ内の物体の存在に応答して作動するスイッチを含むことを特徴とする請求項１に記載の点火器。
6. 前記チャンバ内のエーロゾル発生香味カートリッジを更に含むことを特徴とする請求項１に記載の点火器。
7. シガレットロッドの少なくとも一部分を前記請求項１ないし６に記載の点火器を用いて加熱し、該シガレットロッドが所定の時間間隔にわたって予め選択した温度に維持される方法。
8. 前記予め選択した温度は、前記時間間隔中の吸煙と吸煙の間、又は吸煙がない時は該時間間隔にわたって中断なく維持されることを特徴とする請求項７に記載の方法。
9. 前記予め選択した温度は、吸煙と吸煙の間で中断なく維持されることを特徴とする請求項７に記載の方法。
10. 前記所定の時間間隔を作動する吸煙センサを使用する段階を更に含むことを特徴とする請求項７に記載の方法。

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