JP5131288B2 - 自動取引装置 - Google Patents
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また、高齢者は現金自動預払機による取引に苦手意識を持っており、主に金融機関等の応対窓口で取引を行うため、年金受給日等には高齢者による取引が集中し、応対窓口が非常に混雑するというのが現状である。
これによると、高齢者特有の現象として、
(1)高齢者は取引カードや紙幣等の取引媒体の挿入または受取において、その動作速度が遅くタイムアウトとなる場合が多い。
このような場合にタイムアウト時間を通常の1.5倍程度に長くすると、タイムアウトの発生を防止できることが動作観察により測定されている。
(3)高齢者は取引画面が切替わったときにその切替えに気付かず、タイムアウトまたは誤操作を行う場合がある。例えば出金取引における暗証番号入力画面からテンキー等の配列が類似している引出金額入力画面への切替えにおいて、画面の切替えに気付かず、タイムアウトになったり、暗証番号を間違えたと勘違いして引出金額入力画面に暗証番号を再度入力したりする事例がある。
(5)高齢者は取引画面に表示された案内文言よりも、音声による案内に注意を引き付けられやすい傾向がある。
(6)高齢者は音声案内に注意を引き付けられやすいため、取引画面の表示後、一定時間経過した時に操作内容を支援するための音声案内を流すと、誤操作をしやすい傾向がある。例えば暗証番号入力画面で30秒経っても入力が終了しない場合に「暗証番号を入力してください。」等の音声案内を流すと、暗証番号を途中まで入力していたにも関わらず、最初から暗証番号を入力してしまい誤操作となった事例がある。
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、高齢者による取引操作においてもその取引処理の時間を短縮して自動取引装置の稼動効率を向上させる手段を提供することを目的とする。
図2において、1は自動取引装置としての現金自動預払機であり、金融機関等の営業店や郵便局等の店舗に設置され、顧客との間で現金の取引を自動で行う。
2は金融機関等のセンタに設置されたホストコンピュータであり、店舗に設置されている現金自動預払機1と専用回線や電話回線等の通信回線を介して接続しており、顧客の口座の口座番号やその暗証番号、口座残高等の顧客情報を顧客ファイルとして保有して顧客の口座を管理する。
5は時計部であり、水晶発振器等の周波数発生器とカレンダを記憶したメモリ等を備えており、周波数発生器が発生した周波数を基に時間を計数する機能およびカレンダを参照して年月日を読出す機能を有している。
7は顧客操作部であり、CRTやLCD等の表示画面を備えた表示部7aとタッチパネル等の位置信号検出手段を備えた入力部7bとの組合せで構成されており、表示部7aが取引操作の案内文言と文字ボタンおよび操作ボタンにより構成された各種の選択画面や入力画面、顧客の処置を促す画面等の取引画面を表示する表示手段として機能する他、入力部7bが表示部7aの画面に表示された文字ボタンや操作ボタンの指触された位置を検出して操作ボタン等による顧客からの入力を受付ける入力受付手段として機能する。
9は通帳取扱部であり、挿入された取引媒体としての通帳の磁気ストライプに記録されている顧客の口座情報(口座番号等)等の通帳情報を読み書きする機能を有すると共に取引内容等を顧客の通帳に記帳する機能を有している。
11は硬貨入出金部であり、顧客が投入した取引媒体としての硬貨を受入れ、これを鑑別および計数して収納し、顧客に支払う硬貨を計数して顧客に引渡す機能を有している。
12は顧客検知部であり、光学式等の近接センサを備えており、現金自動預払機1への顧客の接近および退去を検知して主制御部3へその信号を転送する機能を有している。
14は外部スピーカであり、制御部3が送った音声データを音声に変換して外部に聞こえる状態で顧客に伝達する音声伝達手段として機能する。
このため、図3に示す記憶部6には予め顧客との間で通常モードによる各種取引を行う機能を有する通常取引処理アプリケーションプログラム(APという。)と、高齢者モードによる取引であることを認識して本実施例の高齢者モードの取引処理を実行する機能を有する高齢者取引処理APおよび後述する画面データファイルを基にその取引操作における取引画面を合成する機能を有する画面合成AP等からなる業務実行プログラムが格納されており、これらAPと主制御部3とにより本実施例の現金自動預払機1のハードウェアとして通常取引処理実行手段と高齢者取引処理実行手段および画面合成手段が形成され、主制御部3と業務実行プログラムにより実行される各ステップにより本実施例のハードウェアとして各種の機能手段が形成される。
上記の構成の作用について説明する。
現金自動預払機1の主制御部3が、画面合成APにより取引画面を合成するときの作動は以下のように実行される。
このようにして表示された取引画面により主制御部3が、通常取引処理APまたは高齢者取引処理APにより入力を受付けてその入力内容を認識するときの作動は以下のように実行される。
上記のようにして、本実施例の画面合成手段による取引画面の合成および入力受付手段による文字ボタンおよび操作ボタンによる入力の受付、並びに主制御部3と業務実行プログラムにより実行されるステップにより形成される機能手段としての認識手段による各種の入力内容の認識が実行される。
なお、画面合成手段、入力受付手段および各種の入力内容の認識手段による作動は前記と同様であるので、以下の説明においては詳細な説明を省略する。
金融機関等の係員は、始業時等に電源を投入して現金自動預払機1の各部へ電力を供給する。これにより現金自動預払機1の記憶部6に格納されている業務実行プログラムが自動的に起動する。
S2、主制御部3は表示部7aに初期画面を表示しながら顧客検知部12が顧客を検知するのを待つ顧客待ち状態での待機を開始し、顧客検知部12から顧客検知信号が転送された時にステップS3へ移行する。顧客検知信号が転送されない場合は顧客待ち状態での待機を継続する。
取引選択画面には、操作ボタンの押下を促す旨の案内文言と出金取引のための「お引き出し」、入金取引のための「お預け入れ」、振込取引のための「お振込み」、口座残高を照会する残高照会取引のための「残高照会」、通帳に未記入の取引データを記帳する通帳記入取引のための「通帳記入」および高齢者モードによる取引を選択するための「高齢者モード」等をボタン名とした操作ボタンが表示される。
S4、入力受付手段により操作ボタンによる入力を受付けてその入力内容を認識した主制御部3は、認識した入力内容が操作ボタンによる「高齢者モード」の場合は高齢者モードによる取引が選択されたと認識してステップS5へ移行し、本実施例の高齢者取引処理APによる高齢者取引処理を実行する。
S6、各取引画面のタイムアウト時間を保存した主制御部3は、表示部7aに画面合成手段が合成した図6に示す高齢者取引選択画面を表示する。
顧客は高齢者取引選択画面から希望する取引の操作ボタンを押下する。
S7、顧客が選択した操作ボタンの入力内容を認識した主制御部3は、認識した取引種別の取引処理を実行する。この取引処理において取引画面が表示されたときのタイムアウトの判定は記憶部6のタイムアウト保存エリアに保存されているタイムアウト時間、つまり高齢者タイムアウト時間により判定される。それ以外の手順等の作動は通常の場合と同様であるのでその説明を省略する。
例えば、暗証番号の入力においては、主制御部3は表示部7aに画面合成手段が合成した暗証番号の入力を促す旨の案内文言および暗証番号の入力内容表示欄とその入力のための数字をボタン名とした文字ボタン(テンキーという。)、並びに入力の間違いを訂正するための「訂正」、暗証番号の入力を取止めて取引を終了するための「取消」をボタン名とした操作ボタンを表示した図4に示す暗証番号入力画面を表示すると同時に、時計部5によって表示した取引画面の表示時間の計測を開始する。
そして、時計部5により計測した取引画面の表示経過時間が規定時間に達した時にタイムアウトが発生したことを判定する。
このように、高齢者タイムアウト時間によってもタイムアウトの発生が判定された場合は、ステップS8によりタイムアウト待ち状態で待機していた主制御部3はその割込み処理を実行するためにステップS8へ分岐する。他の取引画面においても同様である。
S8、タイムアウトの発生が判定された場合の割込み処理を実行するためにタイムアウト待ち状態で待機していた主制御部3は、高齢者タイムアウト時間によってもタイムアウトの発生を判定した時にステップS9へ移行する。タイムアウトの発生が判定されない場合はタイムアウト待ち状態での待機を継続する。
取引操作続行問合画面には、取引続行の要否を問合せる案内文言および取引操作を続行するための「続ける」、取引操作を取止めて取引を終了するための「続けない」をボタン名とした操作ボタンが表示される。
S10、主制御部3は、入力受付手段により操作ボタンによる入力を受付けた時はステップS12へ移行する。入力受付手段により操作ボタンによる入力を受付けない場合、つまり操作ボタンが押下されない場合はステップS11へ移行する。
S12、入力受付手段により操作ボタンによる入力を受付けた主制御部3は、その入力内容を認識し、認識した入力内容が操作ボタンの「続ける」の場合は取引操作を続行すると判定してステップS13へ移行する。認識した入力内容が操作ボタンの「続けない」の場合は取引を終了すると判定してステップS14へ移行する。
S15、主制御部3は、排出した顧客の取引媒体の受取を確認した時は、その取引処理を終了させ、ステップS1へ戻ってステップS1、S2により表示部7aの画面に初期画面を表示しながら顧客待ち状態で待機する。顧客の取引媒体の受取を確認できない場合はステップS16へ移行する。
S17、顧客が退去したと判定した主制御部3は、現金自動預払機1の各部を点検し、残留している顧客の取引媒体(排出口等に残留している取引媒体を含む。)を各部または一括して設置されている図示しない回収庫に回収する。
なお、ステップS11、S16においては取引操作続行問合画面等の取引画面のタイムアウト時間に達してタイムアウトが発生した時に顧客が退去したと判定するとして説明したが、タイムアウトが発生した時に顧客検知部12の顧客検知信号を確認して顧客の退去を判定するようにしてもよい。
なお、上記実施例1と同様の部分は、同一の符号を付してその説明を省略する。
本実施例の現金自動預払機1の記憶部6には、上記実施例1と同様の業務実行プログラム、画面データファイルが格納され、実施例1と同様にタイムアウト時間保存領域が確保されているが、タイムアウトデータファイルの構成が異なる。
上記の構成の作用について説明する。
なお、画面合成手段、入力受付手段および各種の入力内容の認識手段による作動は上記実施例1と同様であるので、以下の説明においては詳細な説明を省略する。
本実施例のステップSA1、SA2の作動は、実施例1のステップS1、S2の作動と同様であるのでその説明を省略する。
SA5、顧客の選択を高齢者モードによる取引と認識した主制御部3は、記憶部6に格納されているタイムアウトデータファイルから取引画面タイムアウト時間と延長倍率とを読出し、各取引画面の取引画面タイムアウト時間に延長倍率を乗じて高齢者タイムアウト時間を演算する。
SA7、各取引画面のタイムアウト時間を保存した主制御部3は、実施例1のステップS6と同様にして高齢者取引選択画面を表示し、顧客は高齢者取引選択画面から「お振込み」の操作ボタンを押下する。
SA8、顧客が選択した操作ボタンの入力内容を振込取引と認識した主制御部3は、振込取引の取引処理を実行する。この場合の取引処理における取引画面が表示されたときのタイムアウトの判定は実施例1と同様にタイムアウト保存エリアに保存されている高齢者タイムアウト時間により判定される。それ以外の手順等の作動は通常の場合と同様であるのでその説明を省略する。
例えば、振込先口座番号の入力においては、主制御部3は表示部7aに画面合成手段が合成した振込先口座番号の入力を促す旨の案内文言および振込先口座番号の入力内容表示欄とその入力のためのテンキー、並びに入力の間違いを訂正するための「訂正」、振込先口座番号の入力を取止めて取引を終了するための「取消」、入力内容を確認して次の取引画面への切替えを指示するための「次に進む」をボタン名とした操作ボタンを表示した図10に示す振込先口座番号入力画面を表示すると同時に、時計部5によって表示した取引画面の表示時間の計測を開始する。
このように、高齢者タイムアウト時間によってもタイムアウトの発生が判定された場合は、主制御部3は実施例1のステップS7と同様にして割込み処理を実行するためにステップSA9へ分岐する。他の取引画面においても同様である。
SA10、タイムアウトの発生を判定した主制御部3は画面合成手段から転送された図7に示したと同様の取引操作続行問合画面の表示データを所定の縮小倍率で縮小し、この小画面にした取引操作続行問合画面を表示部7aに送って図11に示すようにタイムアウトが発生した取引画面(振込先口座番号入力画面)の前面に重ねて表示する。
顧客は、取引操作を続行する場合は「続ける」の操作ボタンを、取引操作を取止めて取引を終了する場合は「続けない」の操作ボタンを押下する。
SA14、取引操作を続行すると判定した主制御部3は、取引操作の続行のために小画面として表示した取引操作続行問合画面を非表示にし、ステップSA8においてタイムアウトが発生した取引画面(上記の例では振込先口座番号入力画面)をアクティブとしてステップSA8のその取引画面のステップへ戻って取引操作を続行させ、上記ステップSA9に戻ってタイムアウト待ち状態での待機を再開する。
なお、上記ステップSA5、SA6において高齢者タイムアウト時間を演算して予め記憶部6に保存しておくとして説明したが、ステップSA5で延長倍率のみを読出して記憶部6に一時保存し、取引画面を表示する各ステップで規定時間を認識するときに読出したタイムアウト時間に一時保存した延長倍率を乗じてこの演算結果を規定時間として認識するようにしてもよい。
例えば、図12に示すように吹出しを設けて表示するようにしてもよい。
図12は実施例2の取引操作続行問合画面の他の形態を示す表示例である。
本形態の取引操作続行問合画面は、図12に示すようにタイムアウトが発生した取引画面(本形態では振込先口座番号入力画面)の文字ボタンおよび操作ボタンに取引操作の解説文言が吹出しにより付されている。
すなわち、図8に示す記憶部6の画面データファイルに解説文言データを追加し、部品イラストにその解説文言データを表示するときの吹出しのイラストを追加し、取引画面構成テーブルに解説文言を表示する画面上の座標領域とその吹出しのイラストの種類を追加して格納しておき、画面合成手段が取引操作続行問合画面を合成する時に、主制御部3が前記の追加したデータを読出し、これを元の取引画面(本形態では振込先口座番号入力画面)の画面構成情報に追加して画面合成APに引渡し、これを受取った画面合成APは上記実施例1で説明したと同様にして取引操作続行問合画面となる元の取引画面に解説文言を吹出しで付した表示データを合成して主制御部3へ転送する。
この場合に、図12に示すように吹出しで付した解説文言が文字ボタンや操作ボタンに重ならないようにして表示すれば、解説文言を付した状態での取引操作が可能になり、高齢者の顧客の取引操作を更に有効に支援することができる。
なお、上記実施例1および実施例2と同様の部分は、同一の符号を付してその説明を省略する。
本実施例の顧客の取引カードには、カード情報にその顧客が高齢者モードによる取引の該当者またはその希望者であることを示す高齢者モード識別子が追加されている。
また、本実施例の現金自動預払機1の記憶部6には、上記実施例1と同様の画面データファイル、実施例2の取引画面タイムアウト時間からなるタイムアウトデータファイルが格納され、タイムアウト時間保存エリアが確保されているが、業務実行プログラムの構成が異なる。
現金自動預払機1の主制御部3が、画面連結スクロールAPにより現在取引画面を次取引画面にスクロールさせながら切替えるときの作動は以下のように実行される。
主制御部3が現在取引画面(例えば実施例1で説明した図4に示す暗証番号入力画面)を次取引画面(例えば図15に示す引出金額入力画面)に切替える場合は、主制御部3は現在取引画面を表示するときにその表示データを記憶部6に現在画面表示データとして一時保存しておき、次取引画面に切替えるときに実施例1で説明したと同様にして画像合成手段から次取引画面の表示データ(次画面表示データという。)の転送を受ける。
現在画面表示データと次画面表示データを受取った画面連結スクロールAPは、現在画面表示データの右端の座標列に次画面表示データの左端の座標列を隣接させて並べ、2つの配列で記載されているそれぞれの表示データを、2つを合わせた1つの配列に書き直して現在画面表示データと次画面表示データとを連結し、一つの連結画面表示データを作成する。
このようにして表示された取引画面を図16に示す。表示部7aの画面には現在取引画面である暗証番号入力画面が表示されている。なお図16に破線で示す次取引画面である引出金額入力画面は説明の都合上記載したものであり、実際に表示部7aに送られる最初のスクロール表示データには含まれていない表示データである。
上記の作動を所定の時間間隔で順に繰返すと、図17、図18に示すように次取引画面(引出金額入力画面)の左側が徐々に見え始めるにつれて現在取引画面(暗証番号入力画面)の左端が隠れ、最後は図19に示すように次取引画面である引出金額入力画面に切替わる。この切替えの終了後に主制御部3は現在取引画面となった引出金額入力画面の表示データを記憶部6に一時保存して次取引画面への切替えに備える。
以下に、図14に示すフローチャートを用い、SBで示すステップに従って出金取引を例に本実施例の高齢者取引処理について説明する。
本実施例のステップSB1、SB2の作動は、実施例1のステップS1、S2の作動と同様であるのでその説明を省略する。
本実施例では、顧客は取引選択画面から「お引き出し」の操作ボタンを押下する。
SB4、入力受付手段により操作ボタンによる入力を受付けてその入力内容を出金取引と認識した主制御部3は、表示部7aに画面合成手段が合成した取引カードの挿入を促す旨の案内文言を表示したカード挿入依頼画面を表示する。
SB6、カード情報を読取った主制御部3は、そのカード情報に高齢者モード識別子が記録されているか否かにより顧客の取引モードを認識する。
カード情報に高齢者モード識別子が記録されていない場合は、通常モードによる取引と認識して通常取引処理APによる通常取引処理を実行する。この場合の取引処理の作動は通常の場合と同様であるのでその説明を省略する。選択された通常取引処理の実行を終えた主制御部3は、その取引処理を終了させ、ステップSB1へ戻ってステップSB1、SB2により表示部7aの画面に初期画面を表示しながら顧客待ち状態で待機する。
これにより、高齢者の顧客は取引画面が切替えられたことに気付き、テンキー等によって暗証番号を入力する。
SB9、入力受付手段により文字ボタンによる入力を一文字毎に受付けてその入力された引出金額と「次に進む」の操作ボタンによる入力を受付けてその次取引画面への切替えを認識した主制御部3は、現在取引画面を引出金額入力画面とし、次取引画面を画面合成手段が合成したしばらくの間の待機を促す旨の案内文言を表示した待機依頼画面として連結画面作成手段が作成した連結画面を画面スクロール手段によりスクロールさせながら表示部7aの引出金額入力画面を待機依頼画面に切替えると共に、ホストコンピュータ2との間で出金取引の交信処理を行う。
出金取引電文を受信したホストコンピュータ2は、顧客認証のために出金取引電文に含まれるカード情報を基に顧客ファイルを検索して該当する顧客ファイルの暗証番号と出金取引電文の暗証番号とを照合し、暗証番号が一致した場合は顧客を認証し、口座残高に不足がない場合は取引許可の旨を電文にした取引可否電文を作成すると共に該当する顧客ファイルの口座残高を更新する。暗証番号が一致しない場合や口座残高が不足している場合には、それぞれの旨を添付した取引不許可の旨を電文にした取引可否電文を作成する。
SB10、通信部4によって取引可否電文を受信した主制御部3は交信処理の終了を認識し、受信した取引可否電文が取引許可の場合は取引許可と判定してステップSB12へ、取引不許可の場合は不許可と判定してステップSB11へ移行する。
取引不許可画面には、取引不許可の旨とその内容および内容の確認を促す旨および取引カードや通帳の受取りを促す旨の案内文言等が表示される。
SB12、顧客との取引を許可と判定した主制御部3は、出金処理を実行する。
これと並行して、主制御部3は取引内容等を基に印刷データを作成してカード取扱部8へ送り、カード取扱部8によって取引明細票を印刷する。通帳が挿入されている場合は、その内容を通帳取扱部9により通帳に記帳する。
以上説明したように、本実施例では、現金自動預払機の主制御部が取引モードを高齢者モードと認識した場合に、各取引画面をスクロールさせながら切替えるようにしたことによって、取引画面の切替えに気付かない場合がある高齢者による取引操作においても、画面の変化を確実に気付かせることができ、タイムアウトや勘違いによる誤操作の回数を減少させることができる結果、取引処理に要する時間を短縮して現金自動預払機の稼動効率を向上させることができる。
なお、本実施例では取引カードを磁気ストライプにカード情報を記録する磁気カードとして説明したが、取引カードは磁気カードや限らず、接触式または非接触式のICチップを装備した取引カードであってもよい。
また、現金自動預払機の主制御部が、高齢者モードによる取引を認識する手段は、実施例1で示した取引選択画面に高齢者モードの操作ボタンを表示しその押下により認識する手段や本実施例の取引カードの高齢者モード識別子を記録しておきその読取により認識する手段に加えて、以下に示す手段によっても高齢者モードによる取引を認識する手段を形成することができる。
そして、1回の取引の中で発生したタイムアウト回数を主制御部3が記憶部6のタイムアウトカウンタにより計数し、取引終了時等の取引カードの排出ステップ(例えば本実施例のステップSB13)で取引カードの排出前に主制御部3がカード取扱部8によりタイムアウトカウンタで計数されたタイムアウト回数を取引カードのタイムアウト回数累積エリアに累積して書込み、次の取引における取引カードのカード情報の読取ステップ(例えば本実施例のステップSB5)でタイムアウト回数累積エリアに累積されたタイムアウト回数を読出し、そのタイムアウト回数が所定の回数(例えば5回)以上のときに高齢者モードによる取引と認識する。
手段(c)記憶部6のタイムアウトデータファイルに高齢者タイムアウト時間を格納しておき、上記実施例1のステップS3等おいて顧客を検知した主制御部3は、このタイムアウト時間を読出してこれを各取引画面の取引操作のタイムアウト時間として記憶部6のタイムアウト時間保存エリアに保存するようにして初期状態が高齢者モードとなるように設定し、顧客を検知したことにより取引を高齢者モードによる取引と認識する。
上記した手段(a)、手段(b)、手段(c)によっても高齢者の顧客は特別な操作を行わなくても高齢者モードによる取引を行うことができ、顧客の利便性を向上させることができる。特に手段(c)によれば高齢者モードへの切替え操作が困難な顧客であっても円滑に取引処理を行うことができる。
なお、上記実施例1、実施例2および実施例3と同様の部分は、同一の符号を付してその説明を省略する。
本実施例の顧客の取引カードのカード情報には、上記実施例3と同様の高齢者モード識別子が追加されている。
本実施例の業務実行プログラムは、図20に示すように実施例1と同様の通常取引処理AP、本実施例の高齢者取引処理APおよび画面合成APに、表示部7aの画面上で現在取引画面の前面に次取引画面を重ねながらスライドさせる機能を有する画面スライドAPが追加されており、これらAPと主制御部3とにより本実施例の現金自動預払機1のハードウェアとして通常取引処理実行手段と高齢者取引処理実行手段、画面合成手段および画面スライド手段が形成され、主制御部3と業務実行プログラムにより実行される各ステップにより本実施例のハードウェアとして各種の機能手段が形成される。
現金自動預払機1の主制御部3が、画面スライドAPにより現在取引画面の前面に次取引画面を重ねながらスライドさせて取引画面を切替えるときの作動は以下のように実行される。
主制御部3が現在取引画面(例えば実施例1で説明した図4に示す暗証番号入力画面)を次取引画面(例えば実施例3で説明した図15に示す引出金額入力画面)に切替える場合は、実施例1で説明したと同様にして画像合成手段から次取引画面の表示データの転送を受け、この次画面表示データを画面スライドAPへ引渡す。
最初のスライド表示データを受けた主制御部3は、現在取引画面(暗証番号入力画面)をバックグランド表示に切替え、転送されたスライド表示データを表示部7aに送ってその画面に最初のスライド表示データを表示する。
上記の作動を所定の時間間隔で順に繰返すと、図23、図24に示すようにバックグランド表示されている現在取引画面(暗証番号入力画面)の前面に次取引画面(引出金額入力画面)の左側から順に徐々に広く表示されるようになり、最後は図25に示すように次取引画面である引出金額入力画面に切替わる。
以下に、図21に示すフローチャートを用い、SCで示すステップに従って出金取引を例に本実施例の高齢者取引処理について説明する。
なお、画面合成手段、入力受付手段および各種の入力内容の認識手段による作動は上記実施例1と同様であり、画面スライド手段による作動は前記と同様であるので、以下の説明においては詳細な説明を省略する。
SC7、顧客の取引モードが高齢者モードであると認識した主制御部3は、現在取引画面のカード挿入依頼画面をバックグランド表示とし、次取引画面である画面合成手段が合成した暗証番号入力画面(図4)を画面スライド手段によりスライドさせながら表示部7aのカード挿入依頼画面を暗証番号入力画面に切替える。
SC8、入力受付手段により文字ボタンによる入力を一文字毎に受付けてその入力された暗証番号を認識した主制御部3は、現在取引画面の暗証番号入力画面(図4)をバックグランド表示とし、次取引画面である画面合成手段が合成した引出金額入力画面(図15)を画面スライド手段によりスライドさせながら表示部7aの暗証番号入力画面を引出金額入力画面に切替える。
その後のステップSC9〜SC12の作動は、上記実施例3のステップSB9〜SB12の作動と同様であるのでその説明を省略する。
この場合に、ステップSC9における引出金額入力画面から待機依頼画面、ステップSC11における待機依頼画面から取引不許可画面への切替えは、上記と同様にスライド手段によりスライドさせながら切替えられる。
以上説明したように、本実施例では、現金自動預払機の主制御部が取引モードを高齢者モードと認識した場合に、各取引画面をスライドさせながら切替えるようにしたことによって、上記実施例3と同様の効果を得ることができる。
なお、上記実施例1、実施例2および実施例3と同様の部分は、同一の符号を付してその説明を省略する。
本実施例の顧客の取引カードのカード情報には、上記実施例3と同様の高齢者モード識別子が追加されている。
本実施例の業務実行プログラムは、図26に示すように実施例1と同様の通常取引処理AP、本実施例の高齢者取引処理APおよび画面合成AP、並びに実施例3と同様の画面連結スクロールAPに、取引画面を複数(本実施例では3つ)の表示領域に分割する機能を有する画面分割APが追加されており、これらAPと主制御部3とにより本実施例の現金自動預払機1のハードウェアとして通常取引処理実行手段と高齢者取引処理実行手段、画面合成手段、連結画面作成手段、画面スクロール手段および画面分割手段が形成され、主制御部3と業務実行プログラムにより実行される各ステップにより本実施例のハードウェアとして各種の機能手段が形成される。
現金自動預払機1の主制御部3が、画面分割APおよび画面連結スクロールAPにより現在取引画面と次取引画面を分割しその中央表示領域をスクロールさせながら取引画面を切替えるときの作動は以下のように実行される。
主制御部3が現在取引画面(例えば実施例1で説明した図4に示す暗証番号入力画面)を次取引画面(例えば実施例3で説明した図15に示す引出金額入力画面)に切替える場合は、主制御部3は現在取引画面を表示するときにその現在画面表示データを画面分割APへ引渡す。
そして、次取引画面に切替えるときに実施例1で説明したと同様にして画像合成手段から次取引画面(引出金額入力画面)の表示データの転送を受けると、これを画面分割APへ引渡し、画面分割APは前記と同様にして次画面表示データを図28に示すように上部表示領域31に表示する次画面上部表示データと、主表示領域としての中央表示領域32に表示する次画面中央表示データと、下部表示領域33に表示する次画面下部表示データの3つの表示データに分割してこれらを主制御部3へ転送する。
現在画面中央表示データと次画面中央表示データを受取った画面連結スクロールAPは、上記実施例3で説明したと同様にして中央表示領域32における現在画面中央表示データデータと次画面中央表示データとを連結して一つの連結画面表示データを作成する。
これにより、中央表示領域32の画面が次取引画面(引出金額入力画面)の中央表示領域32の画面になると同時にその上部表示領域31と下部表示領域33の画面も次取引画面の画面となり、表示部7aの画面が次取引画面である図28に示す引出金額入力画面に切替わる。
本実施例の出金取引の場合の高齢者取引処理の作動は、上記実施例3の高齢者取引処理の作動(図14)と同様であるのでその説明を省略する。
例えば、SB7で説明したカード挿入依頼画面から暗証番号入力画面への切替においては、顧客の取引モードが高齢者モードであると認識した主制御部3は、現在取引画面をカード挿入依頼画面とし、次取引画面を画面合成手段が合成した暗証番号入力画面(図4)として画面分割手段により3つの表示領域の表示データに分割されたそれぞれの中央表示データにより連結画面作成手段が作成した連結画面を画面スクロール手段により表示部7aの中央表示領域32の画面をスクロールさせながら表示部7aのカード挿入依頼画面を暗証番号入力画面に切替える。
以上説明したように、本実施例では、現金自動預払機の主制御部が取引モードを高齢者モードと認識した場合に、各取引画面の中央表示領域をスクロールさせながら切替えるようにしたことによって、上記実施例3と同様の効果を得ることができる。
なお、上記実施例1から実施例4および実施例5と同様の部分は、同一の符号を付してその説明を省略する。
本実施例の顧客の取引カードのカード情報には、上記実施例3と同様の高齢者モード識別子が追加されている。
本実施例の業務実行プログラムは、図29に示すように実施例1と同様の通常取引処理AP、本実施例の高齢者取引処理APおよび画面合成AP、並びに実施例4と同様の画面スライドAPおよび実施例5と同様の画面分割APが格納されており、これらAPと主制御部3とにより本実施例の現金自動預払機1のハードウェアとして通常取引処理実行手段と高齢者取引処理実行手段、画面合成手段、画面スライド手段および画面分割手段が形成され、主制御部3と業務実行プログラムにより実行される各ステップにより本実施例のハードウェアとして各種の機能手段が形成される。
現金自動預払機1の主制御部3が、画面分割APおよび画面スライドAPにより現在取引画面と次取引画面を分割しその主表示領域である中央表示領域の現在取引画面の前面に次取引画面を重ねながらスライドさせて取引画面を切替えるときの作動は以下のように実行される。
次画面表示データを受取った画面分割APは、実施例5で説明したと同様にして次画面表示データを図28に示すように上部表示領域31に表示する次画面上部表示データと、中央表示領域32に表示する次画面中央表示データと、下部表示領域33に表示する次画面下部表示データの3つの表示データに分割してこれらを主制御部3へ転送する。
次画面中央表示データを受取った画面スライドAPは、次画面中央表示データの左端部の所定の列数の表示データを切出し、これに表示部7aの中央表示領域32の画面の切出した列数に相当する右端部の座標を付してこれを最初のスライド表示データとして主制御部3へ送出する。
その後は実施例4で説明したと同様にして表示部7aの中央表示領域32の画面をスライドさせ、最後のスライド表示データを主制御部3が表示する時に、記憶部6に一時保存した次画面上部表示データと次画面下部表示データとを読出し、これらを表示部7aに送って上部表示領域31と下部表示領域33の画面に表示する。
このようにして画面分割手段による取引画面の3つの表示領域への分割が実行され、画面スライド手段より表示部7aの中央表示領域32の画面をスライドさせることによる現在取引画面から次取引画面への切替えが実行される。
この場合に、実施例4のステップSC7、SC8、SC9、SC11、SC13における取引画面の切替えは、上記した画面合成手段と画面分割手段、画面スライド手段により取引画面の中央表示領域32をスライドさせながら実行される。
以上説明したように、本実施例では、現金自動預払機の主制御部が取引モードを高齢者モードと認識した場合に、各取引画面の中央表示領域をスライドさせながら切替えるようにしたことによって、上記実施例4と同様の効果を得ることができる。
なお、上記実施例1、実施例2および実施例3と同様の部分は、同一の符号を付してその説明を省略する。
本実施例の現金自動預払機1の記憶部6には、上記実施例1と同様の画面データファイル、実施例2の取引画面タイムアウト時間からなるタイムアウトデータファイルが格納され、タイムアウト時間保存エリアが確保されているが、業務実行プログラムの構成が異なる。
現金自動預払機1の主制御部3が、操作ボタン点滅APにより取引画面に表示されている操作ボタンを点滅させるときの作動は以下のように実行される。
主制御部3が現在取引画面(例えば実施例3で説明した図15に示す引出金額入力画面)の操作ボタン、例えば「次に進む」の操作ボタン(次画面切替ボタン)を点滅させる場合は、主制御部3は記憶部6の画面データファイルの部品イラストから「次に進む」の操作ボタンの部品イラストと、取引画面構成テーブルから現在取引画面の表示部品である「次に進む」の操作ボタンを表示する座標領域とを読出し、これらに点滅時間を添付して操作ボタン点滅APに引渡す。
以下に、図15に示す引出金額入力画面を用いて本実施例の高齢者取引処理による出金取引の引出金額の入力ステップについて説明する。
前ステップの終了を認識した主制御部3は、表示部7aに画面合成手段が合成した図15に示す引出金額入力画面(表示内容は実施例3で説明したと同様)を表示すると同時に、時計部5によって表示した取引画面の表示時間の計測を開始し、記憶部6のタイムアウト時間保存エリアから引出金額入力画面のタイムアウト時間を読出して規定時間を認識する。
入力受付手段により文字ボタンによる入力を一文字毎に受付けてその入力された引出金額を認識し、「次に進む」の操作ボタンによる入力を受付けてその次取引画面への切替えを認識した主制御部3は、操作ボタン点滅手段により所定の点滅時間(例えば3秒)「次に進む」の操作ボタンを点滅させた後に次のステップへ移行して次取引画面を表示部7aに表示する。
このようにすれば、高齢者の顧客は画面の切替えを予想することができ、上記実施例3と同様の効果を得ることができる。
引出金額入力画面では、主制御部3は、引出金額の文字ボタンによる入力を入力受付手段により一文字毎に受付けてその入力された引出金額を認識しており、引出金額の入力の終了は文字ボタンとしての「円」の単位キーが押下されたことにより認識する。
すなわち、主制御部3は、取引画面の表示経過時間が規定時間に達した時に自動的に次取引画面に切替える。このようにしても引出金額の入力の終了を認識しているので取引処理に支障をきたすことはなくタイムアウトの発生による取引処理の遅延を防止することができる。
上記と同様の文字ボタンによる他の入力画面においても、同様にすれば同様の効果を得ることができる。例えば振込取引における依頼人電話番号入力画面(後述する図50)では以下のようにするとよい。
なお、上記実施例1および実施例2と同様の部分は、同一の符号を付してその説明を省略する。
本実施例の現金自動預払機1の記憶部6には、上記実施例2の取引画面タイムアウト時間からなるタイムアウトデータファイルが格納され、タイムアウト時間保存エリアが確保されているが、業務実行プログラムと画面データファイルの構成が異なる他、音声伝達手段を格納するための音声伝達手段格納エリアが新たに確保され、外部秘匿項目リストが新たに格納されている。
更に、記憶部6には、外部スピーカ14により音声で伝達する場合に、他人に情報が洩れることを防ぐ必要がある項目、例えば振込先や依頼人の口座番号、振込金額や引出金額、入金金額等の金額、振込先や依頼人の氏名、振込先や依頼人の電話番号等の項目を外部秘匿項目として記した外部秘匿項目リストが予め設定されて格納されている。
現金自動預払機1の主制御部3が、文字音声変換APにより顧客が文字ボタンや操作ボタンにより入力したボタン名を音声に変換するときの作動は以下のように実行される。
主制御部3は上記実施例1で説明した画面合成APへ現在取引画面の画面構成情報を引渡す時に、実施例1で説明したと同様にして画面上の座標領域に対応させた表示部品(各一覧表を含む。)のボタン名や表題名、金融機関名、店舗名、口座名のテキストデータと表示枠の形状を入力受付情報として記憶部6に一時保存しておく。
音声データを受けた主制御部3は、これをハンドセット13または外部スピーカ14へ送って顧客に音声(「イチ」)で伝達する。
そして、例えば「次に進む」の操作ボタン等の次取引画面への切替えを指示する操作ボタン(次画面切替ボタン)を顧客が押下した場合は、主制御部3は入力受付手段により操作ボタンによる入力を受付けてその入力内容を次取引画面への切替えと認識し、結果作成指示を文字音声変換APへ引渡す。
入力結果の音声データを受けた主制御部3は、これをハンドセット13または外部スピーカ14へ送って顧客に音声で伝達する。
また、振込先金融機関名選択画面(後述する図38)から金融機関名等の文字としての文字列をボタン名とした文字ボタンが押下された場合は、主制御部3は入力受付手段により文字ボタンによる入力を受付けてその入力内容(例えば文字ボタンの「A銀行」)を認識し、記憶部6に一時保存しておいた入力受付情報からそのボタンのボタン名の文字列からなるテキストデータ(「A銀行」)を読出し、この文字列のテキストデータを記憶部6に一時保存すると共に、これに送出指示を添付して文字音声変換APへ引渡す。
合成された音声データを受けた主制御部3は、これをハンドセット13または外部スピーカ14へ送って顧客に音声(「エイギンコウ」)で伝達する。この場合に現在取引画面に定型文言を表示しているときは、主制御部3はその現在取引画面の定型音声データを記憶部6に一時保存している入力受付情報から読出し、例えば「が選択されました」の定型音声データを読出し、読出した定型音声データを文字音声変換APから受取った音声データに続けて文章音声データを生成し、これをハンドセット13または外部スピーカ14へ送り、顧客に音声による文章(「エイギンコウ」「が選択されました」)で伝達する。文字列によるボタン名を表示した操作ボタンの場合も同様である。
なお、本実施例の主制御部3が、画面合成APにより後述する各確認画面を合成するときの作動は以下のように実行される。
確認画面である振込先口座番号確認画面の表示データの転送を受けた主制御部3は、これを小画面として表示部7aに送って前の取引画面の前面に合成された振込先口座番号確認画面を表示する。他の一文字毎に入力を受付ける取引画面の次取引画面として確認画面を表示するときも同様である。
その後の作動は前記と同様であるのでその説明を省略する。他の文字列をボタン名とした文字ボタンにより選択の入力を受付ける取引画面の次取引画面として確認画面を表示するときも同様である。
以下に、図32に示すフローチャートを用い、SDで示すステップに従って振込取引を例に本実施例の高齢者取引処理について説明する。
本実施例のステップSD1〜SD4の作動は、実施例1(図1)のステップS1〜S4の作動と同様であるのでその説明を省略する。
顧客がハンドセット13を取ったことを検知した主制御部3は、記憶部6の音声伝達手段格納エリアに音声伝達手段として「ハンドセット」を格納してステップSD6へ移行する。
SD7、入力受付手段により操作ボタンによる入力を受付けてその入力内容を振り込み取引と認識した主制御部3は、表示部7aに画面合成手段が合成した図35に示す決済方法選択画面を表示した直後に、記憶部6の入力受付情報から表示した案内文言の案内音声データを読出し、これを記憶部6の音声伝達手段格納エリアを確認してハンドセット13により音声で顧客に伝達する。
顧客は伝達された音声および/もしくは取引画面の表示内容により取引操作を確認して取引カードによる決済を行うために「口座から振込み」の操作ボタンを押下する。
この時、主制御部3はカード取扱部8によって取引カードの磁気ストライプに記録されているカード情報を読取る。
SD9、カード情報を読取った主制御部3は、表示部7aに画面合成手段が合成した図37(表示内容は実施例1の図4と同じ。)に示す暗証番号入力画面を表示した直後に、記憶部6の入力受付情報から表示した案内文言の案内音声データを読出し、これを記憶部6の音声伝達手段格納エリアを確認してハンドセット13により音声で顧客に伝達する。
なお、取引画面が暗証番号入力画面の場合には、上記の文字音声変換手段による入力された文字ボタンのボタン名の一文字毎の音声による顧客への伝達は、セキュリティのために実行されない。
顧客は伝達された音声および/もしくは取引画面の表示内容により取引操作を確認し、金融機関名(A銀行)を選択してその文字ボタンを押下する。
SD11、音声による金融機関名の伝達を終えた主制御部3は、表示部7aに画面合成手段が合成した図39に示す振込先金融機関名確認画面を小画面として表示すると共に、文字音声変換手段により変換した文字列の音声データにより音声文章生成手段によって生成された文章音声データを記憶部6の音声伝達手段格納エリアを確認してハンドセット13により音声(「エイギンコウが選択されました。よろしいですか?」)で顧客に伝達する。
顧客は伝達された音声および/もしくは取引画面の表示内容により選択内容を確認して「はい」の操作ボタンを押下する。
顧客は伝達された音声および/もしくは取引画面の表示内容により取引操作を確認して店舗名の読みの1文字目となるカナ文字キー(「ノ」)を押下する。
SD13、音声によるボタン名の伝達を終えた主制御部3は、振込先店舗名一覧表から入力された金融機関名のその一文字で始まる店舗名を読出して画面合成手段により合成した図41に示す振込先店舗名選択画面を表示部7aに表示した直後に、記憶部6の入力受付情報から表示した案内文言の案内音声データを読出し、これを記憶部6の音声伝達手段格納エリアを確認してハンドセット13により音声で顧客に伝達する。
顧客は伝達された音声および/もしくは取引画面の表示内容により取引操作を確認し、店舗名を選択してその文字ボタンを押下する。
SD14、音声による店舗名の伝達を終えた主制御部3は、表示部7aに画面合成手段が合成した図42に示す振込先店舗名確認画面を小画面として表示すると共に、文字音声変換手段により変換した文字列の音声データにより音声文章生成手段によって生成された文章音声データを記憶部6の音声伝達手段格納エリアを確認してハンドセット13により音声で顧客に伝達する。
顧客は伝達された音声および/もしくは取引画面の表示内容により選択内容を確認して「はい」の操作ボタンを押下する。
顧客は伝達された音声および/もしくは取引画面の表示内容により取引操作を確認し、口座名を選択してその文字ボタンを押下する。
入力受付手段によりその入力を受付けて選択された口座名を認識した主制御部3は、文字音声変換手段により変換した文字列の音声データを記憶部6の音声伝達手段格納エリアを確認してハンドセット13により音声で顧客に伝達する。
顧客は伝達された音声および/もしくは取引画面の表示内容により選択内容を確認して「はい」の操作ボタンを押下する。
この入力の過程で、主制御部3は文字ボタンによる入力毎に文字音声変換手段によるそのボタン名の音声データを一文字毎、つまり入力毎にハンドセット13により音声で顧客に伝達する。
SD18、入力受付手段により文字ボタンによる一文字毎の入力を受付けてその口座番号を認識し、「次に進む」の操作ボタンによる入力を受付けてその入力内容を次取引画面への切替えと認識した主制御部3は、表示部7aに画面合成手段が合成した図46に示す振込先口座番号確認画面を小画面として表示すると共に、文字音声変換手段により変換された入力結果の音声データにより音声文章生成手段によって生成された文章音声データを記憶部6の音声伝達手段格納エリアを確認してハンドセット13により音声で顧客に伝達する。
顧客は伝達された音声および/もしくは取引画面の表示内容により入力内容を確認して「はい」の操作ボタンを押下する。
この入力の過程で、主制御部3は文字ボタンによる入力毎に文字音声変換手段によるそのボタン名の音声データを一文字毎にハンドセット13により音声で顧客に伝達する。
そして、顧客は依頼人氏名の入力を終えると「次に進む」の操作ボタンを押下する。
顧客は伝達された音声および/もしくは取引画面の表示内容により入力内容を確認して「はい」の操作ボタンを押下する。
この入力の過程で、主制御部3は文字ボタンによる入力毎に文字音声変換手段によるそのボタン名の音声データを一文字毎にハンドセット13により音声で顧客に伝達する。
そして、顧客は依頼人電話番号の入力を終えると「次に進む」の操作ボタンを押下する。
顧客は伝達された音声および/もしくは取引画面の表示内容により入力内容を確認して「はい」の操作ボタンを押下する。
この入力の過程で、主制御部3は文字ボタンによる入力毎に文字音声変換手段によるそのボタン名の音声データを一文字毎にハンドセット13により音声で顧客に伝達する。
そして、顧客は振込金額の入力を終えると「次に進む」の操作ボタンを押下する。
顧客は伝達された音声および/もしくは取引画面の表示内容により入力内容を確認して「はい」の操作ボタンを押下する。
すなわち、主制御部3は、表示部7aに画面合成手段が合成したしばらくの間の待機を促す旨を表示した図53に示す待機依頼画面を表示し、その直後に記憶部6の入力受付情報から表示した案内文言の案内音声データを読出し、これを記憶部6の音声伝達手段格納エリアを確認してハンドセット13により音声で顧客に伝達する一方、取引カードのカード情報に入力された暗証番号や振込金額等を添付して依頼人照会電文を作成し、これを通信部4によって通信回線を介してホストコンピュータ2へ送信する。
なお、暗証番号が一致しない場合や口座残高が不足している場合には、依頼人を認証しない旨の照会結果電文が作成される。
SD27、入力受付手段により「次に進む」の操作ボタンによる入力を受付けて振込内容が確認されたことおよび次取引画面への切替えを認識した主制御部3は、ホストコンピュータ2との間で振込取引の交信処理を実行する。
SD28、通信部4によって振込取引終了通知を受信した主制御部3は、振込取引の交信処理の終了を認識し、表示部7aに画面合成手段が合成した取引カードや取引明細票の受取りを促す旨の案内文言とその旨を図解したイラストを表示した図55に示す取引カード等受取依頼画面を表示した直後に、記憶部6の入力受付情報から表示した案内文言の案内音声データを読出し、これを記憶部6の音声伝達手段格納エリアを確認してハンドセット13により音声で顧客に伝達する。
顧客は伝達された音声および/もしくは取引画面の表示内容により取引操作を確認して取引カードと取引明細票を受取る。
このように、本実施例では主制御部3が高齢者モードによる取引と認識した後、最初に表示する取引画面(本実施例ではステップSD5の高齢者モード操作案内画面(図33))に「次に進む」の操作ボタン、つまり次画面切替ボタンを表示し、その後に表示する次画面切替ボタン(本実施例ではステップSD17の振込先口座番号入力画面(図45)等)は常に同一の形状、同一の表示色で同一の位置に表示するようにして高齢者の顧客に次画面切替ボタンの意味を確実に把握させると共に、次画面切替ボタンの表示の相違による戸惑いを防止している他、高齢者モードによる取引が選択された後の最初の取引画面に次画面切替ボタンを表示して次画面切替ボタンを押下すれば次画面に切替わることを早期に把握させるようにしている。
また、本実施例では音声伝達手段がハンドセット13である場合を例に説明したが、音声伝達手段が外部スピーカ14の場合も同様である。
すなわち、主制御部3は取引画面を表示した直後に記憶部6の音声伝達手段格納エリアを確認したときに音声伝達手段格納エリアに「外部スピーカ」が格納されている場合は、記憶部6の外部秘匿項目リストから外部秘匿項目を読出し、表示した取引画面が読出した外部秘匿項目に該当する項目の入力画面(本実施例ではステップSD17の振込先口座番号入力画面(図45)、ステップSD19の依頼人氏名入力画面(図47)、ステップSD21の依頼人電話番号入力画面(図49)、ステップSD23の振込金額入力画面(図51))である場合に、主制御部3は文字ボタンによる入力毎に文字音声変換手段によるボタン名の音声データへの変換を実行しないで、顧客が「次に進む」の操作ボタンを押下したときに次のステップへ移行して次取引画面、つまり確認画面を表示し、その取引画面で文字音声変換手段により変換された入力結果の音声データにより音声文章生成手段によって生成された文章音声データを記憶部6の音声伝達手段格納エリアを確認して外部スピーカ14により音声で顧客に伝達するときに文字音声変換手段により変換された入力結果の音声データを主制御部3が外部スピーカ14に送らないことにより消音して外部スピーカ14からは定型音声データのみが音声で伝達されるようにする。これにより外部秘匿項目の情報が他人に洩れることを防止することができる。
以上説明したように、本実施例では、現金自動預払機の主制御部が取引モードを高齢者モードと認識したときに、取引画面を表示部に表示した直後に、表示した案内文言の案内音声データを音声伝達手段により音声で顧客に伝達するようにしたことによって、音声案内に注意を引き付けられやすい高齢者との取引における誤操作を防止することができる結果、取引処理に要する時間を短縮して現金自動預払機の稼動効率を向上させることができる。
更に、取引画面に表示する次画面切替ボタンは常に同一の形状、同一の表示色で同一の位置に表示するようにしたことによって、高齢者の顧客に次画面切替ボタンの意味を確実に把握させることができると共に、次画面切替ボタンの表示の相違による戸惑いを確実に防止することができる。
更に、次画面切替ボタンは「次に進む」の操作ボタンとして説明したが、次画面切替ボタンのボタン名は前記に限らず、「確認」等のボタン名であってもよい。要は押下された操作ボタンにより次取引画面への切替えを認識することができればボタン名はどのようなものであってもよい。
更に、上記各実施例においては、自動取引装置は現金自動預払機として説明したが、自動取引装置は前記に限らず、無人契約機や発券装置等であっても本発明を適用すれば同様の効果を得ることができる。
2 ホストコンピュータ
3 主制御部
4 通信部
5 時計部
6 記憶部
7 顧客操作部
7a 表示部
7b 入力部
8 カード取扱部
9 通帳取扱部
10 紙幣入出金部
11 硬貨入出金部
12 顧客検知部
13 ハンドセット
14 外部スピーカ
21 案内文言表示部
31 上部表示領域
32 中央表示領域
33 下部表示領域
Claims (2)
- 取引における取引操作の案内文言と文字ボタンおよび操作ボタンを1つまたは複数表示した取引画面を表示する表示手段と、前記文字ボタンおよび操作ボタンによる入力を受付ける入力受付手段とを備えた自動取引装置において、
前記取引画面を、複数の表示領域に分割する画面分割手段と、
取引が高齢者モードによる取引であることを認識する高齢者モード認識手段と、
前記表示手段に表示している現在取引画面の主要部を表示する主表示領域の画面と、次の取引画面である次取引画面の主表示領域の画面とを連結して主表示領域連結画面を作成する連結画面作成手段と、
連結画面を前記表示手段の画面でスクロールさせる画面スクロール手段とを備え、
前記高齢者モード認識手段が取引を前記高齢者モードによる取引と認識した場合に、前記連結画面作成手段が作成した主表示領域連結画面を、前記画面スクロール手段が前記表示手段の画面の主表示領域でスクロールさせ、現在取引画面の主表示領域の画面が次取引画面の主表示領域の画面に切替わった時に、他の表示領域の表示内容を前記次取引画面の表示内容に変更して、前記現在取引画面を次取引画面に切替えることを特徴とする自動取引装置。 - 請求項1において、
前記現在取引画面を次取引画面に切替えるときに、該切替えを報知する報知手段を備えることを特徴とする自動取引装置。
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