JP5125183B2 - ビルドアップ多層配線基板の製造法 - Google Patents

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Description

本発明は、ビルドアップ多層配線板及びビルドアップ多層配線基板の製造法に関するものである。特に本発明は、層間の電気的に結合にビアを用いたビルドアップ多層配線板及びビルドアップ多層配線基板の製造法に関するものである。
電子機器は、小型、軽量化が進み、使用する配線基板においても、小型、高密度実装化等が要求されている。
配線基板は、微細な配線回路の配線層と樹脂絶縁層とが複数積層された多層配線基板が要求されている。
特許文献1には、樹脂絶縁層と、上記樹脂絶縁層を貫通する貫通孔内にめっきで充填形成されたフィルドビアと、上記樹脂絶縁層及びフィルドビア上にめっきで形成された所定パターンの導体層と、を備える配線基板の製造方法であって、上記貫通孔を有する樹脂絶縁層、並びに、上記貫通孔内及び上記樹脂絶縁層上に形成された無電解めっき層、を備える基板のうち、上記無電解めっき層上に、孔を含む部分にめっきをしたときに孔外よりも孔内でめっきが成長する第1めっき液により電解めっきを施し、上記貫通孔をめっきで充填して上記フィルドビアを形成すると共に、このフィルドビア上及び上記樹脂絶縁層の無電解めっき層上の略全面に、第1電解めっき層を形成する第1電解めっき工程と、上記第1電解めっき層を薄くする第1電解めっき層薄化工程と、薄くされた上記第1電解めっき層上に、所定パターンのめっきレジスト層を形成するめっきレジスト層形成工程と、上記めっきレジスト層から露出する上記第1電解めっき層上に、孔を含む部分にめっきをしたときに孔内と同程度以上に孔外でめっきが成長する第2めっき液により電解めっきを施し、所定パターンの第2電解めっき層を形成する第2電解めっき工程と、上記第2電解めっき層上に、所定パターンのガード金属層を形成するガード金属層形成工程と、上記めっきレジスト層を除去するめっきレジスト層除去工程と、上記ガード金属層を溶解しないエッチング液を用いて、露出した上記第1電解めっき層及びその下の上記無電解めっき層をエッチング除去するパターンニング工程と、上記ガード金属層を除去し、上記第2電解めっき層と第1電解めっき層と無電解めっき層とからなる上記所定パターンの導体層を形成するガード金属層除去工程と、を備える配線基板の製造方法が開示されている。
また絶縁性基板に孔を形成して、孔形成で生じるバリの除去、孔内のクリーニングに検討されています。
特許文献2には、樹脂基材の表面をウエットブラストにより粗化する工程と、この粗化された樹脂基材の表面をパラジウム触媒により導電性を持たせる工程と、この導電性を持った樹脂基材の表面に電解めっきをする工程とを有する配線基板の製造方法が開示されています。
特許文献3には、少なくとも以下の工程(a)〜(g)を含んでいることを特徴とするフィルムキャリアの製造方法が開示されています。
(a)長尺状の絶縁性フィルムの両面に第一導体層及び第二導体層を有する基材を使用し、前記絶縁性フィルムの両端に長手方向に沿って複数のスプロケットホールを形成する工程。
(b)前記絶縁性フィルムの一方の面よりレーザ光を照射し、第一導体層と絶縁性フィルムを貫通し、第二導体層に達する直径120μm以下の導通用孔を形成する工程。
(c)前記第一導体層及び第二導体層の表面を、研磨して平坦化する工程。
(d)前記導通用孔の壁面に、パラジウム微粒子、カーボン、導電性ポリマーから選ばれる導電物を付着させる工程。
(e)電解めっきにより、少なくとも導通用孔内に導電層を形成する工程。
(f)前記第一導体層及び第二導体層をエッチングし、配線層を形成する工程。
(g)第一導体層及び第二導体層上に、ソルダーレジスト層を形成する工程。
特許文献4には、金属層がポリイミドフィルムの両面に積層された両面金属積層体を出発材料とし、少なくとも片面の金属層とポリイミド層とにビア形成後、ウエットブラスト法によってビア形成工程で発生した金属のバリの除去と孔内のクリ−ニング処理とを達成してなるフレキシブル両面基板が開示されています。
特開2002−324968号公報 特開2000−124583号公報 特開2002−110747号公報 特開2003−318519号公報
配線基板を積層して製造されるビルドアップ多層配線板では、異種の材料を用いて層構成を行うため、層間の接続に用いるビアの側面の平滑性が重要になってくる、特にビア径が100μmを切るような小径ビアの場合は多少の樹脂残渣が接続不良を起こしたり、ビア穴の多少の窪みが湿式工程の気泡残りによる不処理を発生させる場合が考えられる。
多層配線板の製造工程では、ビア加工で生じた残渣を導体表面から除去して接続信頼性を得るために、異なる樹脂材料にまたがるビアを形成する場合であっても、過マンガン酸塩のような強力な酸化剤などで化学的にデスミアを行っていた。このとき、絶縁層に対して接着層が処理液に侵されにくい場合、接着層の残渣をビア底などから除去するためには絶縁層にとって過剰な処理となり絶縁層にダメージが発生したりオーバーエッチングによる窪みを生じる場合がある(図7(d)のビアの模式的断面図を参照)。
逆に絶縁層に対して接着層が処理液に侵されやすい場合、絶縁層の残渣を除去するためには接着層にダメージや窪みが生じる場合がある(図7(d)のビアの模式的断面図を参照)。
このようなダメージが生じた場合、後の環境変化により膨潤やクラックが発生して接続信頼性が確保出来ない、あるいは残留した薬剤によりビア近傍の接続信頼性が低下する等の問題があった。また、極端な窪みが生じた場合は後工程の湿式処理特に浸漬処理において、気泡が残って液に触れず処理不良発生の確率があがる。特に導通化工程やめっき工程の場合はビア接続に不良が発生し、回路として機能しなくなるという問題が考えられる。
一般に接着剤は様々な成分から構成されるため一概には言えないが、デスミア液に強アルカリ過マンガン酸塩水溶液を用い絶縁層がポリイミドの場合、接着層がシロキサン系やエポキシ系の場合は絶縁層より強く、ウレタン系やアクリル系の場合は絶縁層より弱い場合が多い。またポリイミド系と称する場合であっても、接着剤の場合は一部にイミド結合を有するだけで骨格の大半はシロキサンやウレタンなど他の性質を持つ樹脂で構成される場合が多く、熱硬化性の場合には樹脂を硬化させる成分はエポキシ等の架橋に頼る場合が多く事実上別成分の樹脂であり、良否の判定には多数のテストを重ねる必要がある。
このため接着層の選定には機械的強度や電気的特性だけでなく、ビア加工性、特に化学デスミアに対する絶縁層材料との相性に制約され真に特性の良い接着層を使用できないという問題があった。特に、フレキシブル多層配線板に適した接着材料は限定されたものとなるため大きな問題と考える。
本発明は、上記問題点を解決し、真に機械的強度や電気的特性の良い接着層を用いて信頼性に優れた多層配線板を提供する事である。更に具体的には異種材質による接着層によって外層を積層しても、確実なビア接続を実現し、信頼性に優れた積層配線板の製造方法を提供するものであり、化学デスミア耐性の差に制約される事無く良好な多層配線板、特にポリイミドをコアとするフレキシブル多層配線板及びその製造方法を提供することである。
本発明の第一は、
内層絶縁層の少なくとも片面に導体配線回路パターンとを有する内層回路基板に、接着層、外層絶縁層及び外層導体層とを積層してビルドアップ多層配線基板を製造する方法であり、
接着層と外層絶縁層とは化学デスミア耐性の異なる成分のものを用いて、
内層回路基板の導体配線回路パターンを有する面に、内層回路基板の導体配線回路パターンの一部又は全部を覆うように、接着層、外層絶縁層及び外層導体層を積層する工程と、
少なくとも外層導体層、外層絶縁層及び接着層を穴あけ加工して複数のビアを形成する工程と、
穴あけ加工で生じたビア内残渣のクリーニング処理を物理的洗浄で行う工程と、
ビア内に導通化処理を行い、ビア内に導体層を形成して、内層回路基板の導体配線と外層導体層とをビアの導体層を介して電気的に接続させ、その後外層導体層から導体配線回路パターンを形成する工程又は、ビア内に導通化処理を行い、内層回路基板の導体配線と外層導体層とをビアの導体層を介して電気的に接続させると同時に導体配線回路パターンとして外層導体層を形成する工程と、
を有することを特徴とするビルドアップ多層配線基板の製造法に関する。
本発明の第一のビルドアップ多層配線基板の製造法の好ましい態様を以下に示し、これら態様は複数組み合わせることが出来る。
1)少なくとも外層導体層、外層絶縁層及び接着層を穴あけ加工して複数のビアを形成する工程は、内層回路基板としてアライメントマークを有する基板を用いて、内層回路基板のアライメントマークを基準として、少なくとも外層導体層、外層絶縁層及び接着層を穴あけ加工して複数のビアと外層アライメントマークを形成する工程であり、
外層導体層から導体配線回路パターンを形成する工程は、外層アライメントマークを基準として外層導体層から導体配線回路パターンを形成する工程、
又は、内層回路基板の導体配線と外層導体層とをビアの導体層を介して電気的に接続させると同時に導体配線回路パターンとして外層導体層を形成する工程は、内層回路基板の導体配線と外層導体層とをビアの導体層を介して電気的に接続させると同時に外層アライメントマークを基準として導体配線回路パターンとして外層導体層を形成する工程、
であることが、外層のアライメントマークを基準として外側の導体層から導体配線回路パターンを形成するために、外層基材の導体配線回路パターンは、内層絶縁層、接着層及び外層絶縁層の線膨張係数や接着層の硬化収縮などの材料起因による影響を受けにくく、精度のよい配線を形成できるために好ましい。
2)内層回路基板はさらに導体配線回路パターンを有する面に電解めっき用給電部を有するものを用いて、
内層回路基板の導体配線回路パターンを有する面に、内層回路基板の導体配線回路パターンの一部又は全部を覆うように、接着層、外層絶縁層及び外層導体層を積層する工程が、
内層回路基板の導体配線回路パターンの一部又は全部と、内層回路基板の電解めっき用給電部の一部とを覆うように、接着層、外層絶縁層及び外層導体層とを積層する工程、
であることにより、ビア内と、外層基材の導通層の電解めっきを同時に、内層基板の電解めっき用給電部から外層基材の端部側面を通しておこなうことができるために好ましい。
3)ビア内に導通化処理を行い、ビア内に導体層を形成して、内層回路基板の導体配線と外層導体層とを電気的に接続させる工程が、
ビア内をダイレクトプレーティングシステム又は無電解金属めっきにより導通化してビア内に導通化部を形成し、さらにビア内の導通化部と外層導体層とを同時に電解金属めっきを行い内層回路基板の導体配線と外層導体層とを電気的に接続させる工程、
であることが、高いビア接続信頼性が得られるために好ましい。
4)内層絶縁層及び外層絶縁層は、耐熱性樹脂フィルムであり、
接着層は熱硬化型成分を含む接着層であり、
外層導体層は、外層絶縁層の片面に直接又は接着層(A)を介して積層されていることが簡単な工程で信頼性の高い薄型積層板を得られ、さらにフレキシビリティーを付与する事も可能であるため好ましい。
本発明の第二は、
内層絶縁層の少なくとも片面に導体配線回路パターンを有する内層回路基板に、接着層及び接着層とは反対側の面がめっき法にて導体層を形成可能である外層絶縁層とを積層してビルドアップ多層配線基板を製造する方であり、
接着層と外層絶縁層とは化学デスミア耐性の異なる成分のものを用いて、
内層回路基板の導体配線回路パターンを有する面に、内層回路基板の導体配線回路パターンの一部又は全部を覆うように、接着層及び接着層とは反対側の面がめっき法にて導体層を形成可能である外層絶縁層を積層する工程と、
少なくとも外層絶縁層及び接着層を穴あけ加工して複数のビアを形成する工程と、
穴あけ加工で生じたビア内残渣のクリーニング処理を物理的洗浄で同時に行う工程と、
ビア内及び外層絶縁層の外側表面にめっき法により導体層(以後、外層導体層という)を形成して内層回路基板の導体配線と外層導体層とをビアの導体層を介して電気的に接続させ、その後外層導体層から導体配線回路パターンを形成する工程又は、ビア内及び外層絶縁層の外側表面にめっき法により導通化処理を行い、配線回路パターン形状に外層導体層を設けると同時に、内層回路基板の導体配線と外層導体層とをビアの導体層を介して電気的に接続させる工程、又はビア内及び外層絶縁層の外側表面にめっき法により、配線回路パターン形状に外層導体層を設けると同時に、内層回路基板の導体配線と外層導体層とをビアの導体層を介して電気的に接続させる工程と、
を有することを特徴とするビルドアップ多層配線基板の製造法に関する。
本発明の第二のビルドアップ多層配線基板の製造法の好ましい態様を以下に示し、これら態様は複数組み合わせることが出来る。
1)少なくとも外層絶縁層及び接着層を穴あけ加工して複数のビアを形成する工程は、内層回路基板としてアライメントマークを有する基板を用いて、内層回路基板のアライメントマークを基準として、少なくとも外層絶縁層及び接着層を穴あけ加工して複数のビアと外層アライメントマークを形成する工程であり、
外層導体層から導体配線回路パターンを形成する工程が、外層アライメントマークを基準として外層導体層から導体配線回路パターンを形成する工程、
又は配線回路パターン形状に外層導体層を設けると同時に、内層回路基板の導体配線と外層導体層とをビアの導体層を介して電気的に接続させる工程が、外層アライメントマークを基準として配線回路パターン形状に外層導体層を設けると同時に、内層回路基板の導体配線と外層導体層とをビアの導体層を介して電気的に接続させる工程
であることが、外層のアライメントマークを基準として外側の導体層から導体配線回路パターンを形成するために、外層基材の導体配線回路パターンは、内層絶縁層、接着層及び外層絶縁層の線膨張係数や接着層の硬化収縮などの材料起因による影響を受けにくく、精度のよい配線を形成できるために好ましい。
2)内層回路基板はさらに導体配線回路パターンを有する面に電解めっき用給電部を有するものを用いて、
内層回路基板の導体配線回路パターンを有する面に、内層回路基板の導体配線回路パターンの一部又は全部を覆うように、接着層及び接着層とは反対側の面がめっき法にて導体層を形成可能である外層絶縁層を積層する工程が、
内層回路基板の導体配線回路パターンの一部又は全部と、内層回路基板の電解めっき用給電部の一部とを覆うように、接着層及び接着層とは反対側の面がめっき法にて導体層を形成可能である外層絶縁層を積層する工程、
であることにより、ビア内と、外層基材の導通層の電解めっきを同時に、内層基板の電解めっき用給電部から外層基材の端部側面を通しておこなうことができるために好ましい。
3)ビア内及び外層絶縁層の外側表面にめっき法により導体層(以後、外層導体層という)を形成して内層回路基板の導体配線と外層導体層とをビアの導体層を介して電気的に接続させ、その後外層導体層から導体配線回路パターンを形成する工程、又はビア内及び外層絶縁層の外側表面にめっき法により導通化処理を行い、配線回路パターン形状に外層導体層を設けると同時に、内層回路基板の導体配線と外層導体層とをビアの導体層を介して電気的に接続させる工程が、
洗浄したビア内の導通化および外層絶縁層の外側表面の導通化は少なくとも無電解金属めっきを含んだ無電解めっきプロセスによって同時に行い、さらにビア内の導通化部と外層基材の導通層とを同時に電解金属めっきを行うことにより内層の導体配線と外側の導体層とを電気的に接続する工程であることが、高いビア接続信頼性が得られるために好ましい。
4)内層絶縁層及び外層絶縁層は、耐熱性樹脂フィルムであり、
接着層は熱硬化型成分を含む接着層であることが簡単な工程で信頼性の高い薄型積層板を得られ、さらにフレキシビリティーを付与する事も可能であるため好ましい。
本発明の第一及び第二のビルドアップ多層配線基板の製造法を用いることにより、基板間をビアにより導通化したビルドアップによる多層基板において、
1)ビア側面の接着層と絶縁層の境界部や、或いは接着層部分や絶縁層部分のビア側面で、窪みや段差、クラックなどを生じることがなく、導通化工程やめっき工程などの後工程での不良の発生を抑制でき、さらに導通部としての不良も防ぐことができ信頼性が向上する(図7(b)及び図8(b)のビアの模式的断面図を参照)、
2)接着層や絶縁層の材料の選択を、化学デスミア耐性の差による制約を受けることがなく、材料構成の自由度が向上し、材料面での基板設計の制約をなくし、特性的に真に最適な材料を選定することができる。
本発明の第一及び第二のビルドアップ多層配線基板の製造法の好ましい態様を以下に示し、これら態様は複数組み合わせることが出来る。
1)物理的洗浄法が、250nm以下の深紫外光照射法又はプラズマ処理法であること、洗浄処理能力が劣るものの、処理深さが浅い為洗浄対象物による差異が実質少なく、外層表面を荒らす事が無いため、穴あけ加工で生じたビア内残渣が少ない第二のビルドアップ多層配線基板の製造法においては好ましい。特にめっき性向上のために表面を変性した外層絶縁層を用いた場合は、表面変性に対するダメージが少なく特に好ましい。
2)物理的洗浄法が、ウェットブラスト法であることは、洗浄処理能力が高くて洗浄対象物による差異が特に少なく、大気中で連続処理が可能であり、また粉塵の発生も無いためクリーンルーム内での処理が容易なために好ましく、特に第一のビルドアップ多層配線基板の製造法においては穴あけ加工で生じたバリの除去とビア内のクリーニング処理を物理的洗浄で同時に行うことができる。
3)内層回路基板は、基板表面より銅箔の表面処理剤であるNi、Cr、Co、Zn、Sn及びMoから選ばれる少なくとも1種の金属及びこれらの金属を少なくとも1種含む合金を除去する洗浄処理が行われた内層回路基板であることが、接着層との密着性が向上するために好ましい。
4)耐熱性樹脂フィルムはポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリエステルイミド、ポリエステル及び液晶ポリマーから選択される素材を用いていること信頼性の高い薄型積層板を得られるため好ましい。
5)内層回路基板は直径250mmφのロールに巻き取り可能である長尺状の基板であり、内層絶縁層及び外層絶縁層の厚みは5〜150μm及び5〜50μmであるフレキシブル性を有する基板であることにより、生産性の高いロールツーロールのよる連続処理が可能であり、また多層配線基板にもフレキシビリティーを付与する事が可能であるために好ましい。
接着層と外層絶縁層とは化学デスミア性が異なるとは、接着層と外層絶縁層とを化学デスミアを行った場合に、接着層と外層絶縁層とがダメージの度合いが異なることを意味し、どちらか一方がダメージを受け易いことを意味し、例えば過マンガン酸塩のような強力な酸化剤などで化学デスミアを行った際に、接着層と外層絶縁層とがダメージの度合いが異なるものであればよい。ここでいう、ダメージとはエッチングすなわち体積減少の他クラックの発生や脆弱化など変質の総称を意味する。
接着層と外層絶縁層とは化学デスミアによるダメージの度合いが異なるものを用いるとは、接着層と外層絶縁層とを化学デスミアを行った場合に、接着層と外層絶縁層とがダメージの度合いが異なる層を用いることを意味し、どちらか一方がダメージを受けやすい層を用いることを意味し、例えば過マンガン酸塩のような強力な酸化剤などで化学デスミアを行い、接着層と外層絶縁層とがダメージの度合いが異なるものであればよい。
接着層と外層絶縁層とは、各層を構成する材料の成分、一般的には樹脂を中心とする成分の主成分あるいは特性を支配する成分、特に化学デスミアに対する耐性を支配する成分が異なる成分である場合を挙げることができる。具体的な例としては、外層絶縁層としてポリイミドフィルムと、接着層としてエポキシ系、シロキサン系、アクリル系、ウレタン系などのポリイミド以外を主成分とする樹脂とを組合せた場合、あるいは接着層の樹脂硬化成分としてエポキシ基を用いた場合があげられる。また、外層絶縁層としてポリイミドフィルムを用いた場合で、接着層の樹脂成分の一部にイミド基を有していても主成分が異なる樹脂成分であったり、化学デスミア耐性がポリイミド以外の樹脂成分が支配的であれば同様の効果が得られるため本発明における化学デスミア耐性の異なる成分の範疇である。
本発明の第三は、本発明の第一及び第二のビルドアップ多層配線基板の製造法より得られるビルドアップ多層配線基板である。
本発明の第三のビルドアップ多層配線基板は、基板間をビアにより導通化したビルドアップによる多層基板において、1)ビア側面の接着層と絶縁層の境界部や、或いは接着層部分と絶縁層部分とのビア側面間で、処理液浸漬時の気泡抜けを阻害するような窪みや段差などを生じることがなく、導通化工程やめっき工程などの後工程での不良の発生を抑制でき、さらに導通部としての不良も防ぐことができ信頼性が向上する、
2)接着層や絶縁層の材料の選択を、化学デスミア耐性の差による制約を受けることがなく、材料構成の自由度が向上し、材料面での基板設計の制約をなくし、特性的に真に最適な材料を選定することができる。
本発明により、基板間をビアにより導通化したビルドアップによる多層基板において、1)ビア側面の接着層と絶縁層の境界部や、或いは接着層部分と絶縁層部分とのビア側面間で、処理液浸漬時の気泡抜けを阻害するような窪みや段差などを生じることがなく、導通化工程やめっき工程などの後工程での不良の発生を抑制でき、さらに導通部としての不良も防ぐことができ信頼性が向上する、
2)接着層や絶縁層の材料の選択を、化学デスミア耐性の差による制約を受けることがなく、材料構成の自由度が向上し、材料面での基板設計の制約をなくし、特性的に真に最適な材料を選定することができる。
本発明のビルドアップ多層配線基板の製造法の一実施態様について、図を用いて説明する。但し、本発明は下記の一実施態様により制限されるものでない。
図1は、アライメントマークと内層絶縁層の少なくとも片面に導体配線回路パターンとを有する内層回路基板に、接着層、外層絶縁層及び外層導体層とを積層してビルドアップ多層配線基板を製造する、本発明のビルドアップ多層配線基板の製造法より得られる4層構造のビルドアップ多層配線基板の模式構成断面図である。
ビルドアップ多層配線基板154は、4層構成の配線基板である。
ビルドアップ多層配線基板154の構成を詳細に説明すると、A面側とB面側に各々配線回路パターンを有し、
内層絶縁層114を中心基材として内層絶縁層114のA面側に複数の導体配線102aを、B面側に複数の導体配線102bの配線回路パターンを有し、
内層絶縁層のビア116cでA面側の導体配線102aとB面側の導体配線102bが電気的に結合し、
内層絶縁層114のA面側に接着層106aと外層絶縁層104aが積層され、
外層絶縁層104aの外側に複数の導体配線117aとからなる回路パターンを有し、
導体配線117aは外層絶縁層104a側から導体層105a、電解めっき層115a(実質的に導体層105aと一体化、以下も同様)の順に積層され、
外層絶縁層104aと接着層106aのビア116aで内層絶縁層114上の導体配線102aと外層絶縁層上の導体配線117aが電気的に結合し、
内層絶縁層114のB面側に接着層106bと外層絶縁層104bが積層され、
外層絶縁層104bの外側に複数の導体配線117bの配線回路パターンを有し、
導体配線117bは外層絶縁層104b側から導体層105b、電解めっき層115bの順に積層され、
外層絶縁層104bと接着層106bのビア116bで内層絶縁層114の導体配線102bと外層絶縁層の導体配線117bが電気的に結合されている。
外層絶縁層のビアは、高密度化のため複数形成されている。
外層絶縁層の導体配線117aと外層絶縁層の導体配線117bとは、直接、或いは内層絶縁層の導体配線102a及び/又は導体配線102bを介して、1カ所又は2カ所以上で電気的に結合されていてもよい。
外層絶縁層の導体配線は、内層絶縁層の導体配線102a及び/又は導体配線102bと、1カ所又は2カ所以上で電気的に結合されていてもよい。
図2(a)から図2(e)及び図3(f)から図3(j)は、本発明のビルドアップ多層配線基板の製造方法の一実施例を工程順に示す模式構成断面図である。
以下、本発明のビルドアップ多層配線基板の製造方法について図2及び図3を用いて説明する。
図2(a)は、中心回路基板として用いる内層回路基板151を示している。
中心回路基板として、図2(a)に示す絶縁性樹脂フィルムなどの内層絶縁層114の両端側にアライメントマーク(103a,103b)を有し、内層絶縁層114の両面に複数の導体配線(102a、102b)からなる配線回路パターンを有し、ビア116cでA面側の導体配線102aとB面側の導体配線102bとが電気的に結合され、
内層絶縁層114の両面の両端部に導体層102dを有する内層回路基板151を用いる。内層回路基板151は、内層絶縁層と導体層からなる中心基材から形成することができる。
図2(b)では、外層絶縁層104aの一方の面に導体層105aを、他方の面に接着層106aとが積層されている外層基材152aを内層回路基板151のA面側から、
外層絶縁層104bの一方の面に導体層105bを、他方の面に接着層106bとが積層されている外層基材152bを内層回路基板151のB面側から、ラミネートする前を示している。
図2(c)では、図2(b)から、内層回路基板151の両面に、接着層(106a、106b)を介して、内層回路基板151の内層アライメントマークを覆うことなく、内層回路基板151の導体配線回路パターン(102a、102b)の全部を覆うように外層基材(152a、152b)の導体層(105a、105b)が外側となるように、外層基材(152a、152b)を積層して、基板151aを作製する。
基板151aでは、内層回路基板151の両端部の導体層102dの一部が外層基材(152a、152b)に覆われて、導体層102dの外層基材(152a、152b)に覆われていない銅体層を102eとして示し、外層基材(152a、152b)に覆われていない銅体層102eは電解めっき用給電部として利用することができる。
図2(c)では、内層回路基板151の導体配線回路パターン(102a、102b)の全部を覆うように外層基材(152a、152b)を積層しているが、内層回路基板151の導体配線回路パターン(102a、102b)の一部を覆うように外層基材(152a、152b)を積層してもよく、片面は内層回路基板151の導体配線回路パターンの一部を覆い、残る片面は全部覆ってもよい。
図2(b)から図2(c)において、外層基材(152a、152b)は、接着層、外層絶縁層及び外層導体層とから構成されている。
外層基材(152a、152b)は、接着層、外層絶縁層及び外層導体層とから構成されていればよく、例えば
1)接着層、外層絶縁層及び外層導体層とを予め積層している基材を用いる、
2)接着層と、片面に外層導体層を有する外層絶縁層とを別々のフィルムとして用いる、
3)接着層を予め内層回路基板151に設けて、片面に外層導体層を有する外層絶縁層と接着層とを積層している場合、などがある。
図2(b)から図2(c)において、外層基材も上記内層基材と同様の導体層を積層した外層絶縁層を用いる事が出来るが、ここで導体層を積層した外層絶縁層は、片面に導体層が形成されている外層絶縁層、所謂片面CCLを用いる。内層回路基板への積層は、内層回路基板の少なくとも一方のパターン形成面上に、接着層、外層絶縁層、外層導体層の順に重なるように積層すればよく、特に制限はないが例えば内層回路基板の配線パターン形成面上に液状の接着剤を塗布し絶縁層側が接する様にCCLを重ねてプレス硬化すればよい。または、ボンディングシートをCCLの絶縁層側と内層絶縁層間に内層の配線パターンの一部或いは全部を覆うように重ね合わせ、真空中で加熱プレスしても良く、特に予めCCLの絶縁層側にボンディングシートを例えばロールラミネーターで積層しておき、必要に応じて外形加工したものを内層回路基板に仮貼りして真空中で加熱プレスすると正確で効率的に多様な外層基材を積層する事が出来る。また内外層の基材ともロールツーロール搬送の場合は真空中で内層回路基板にロールラミネーターで連続的に積層してもよい。逆に、真空中で内層回路基板にロールラミネーターでボンディングシートを積層したものに、CCLの絶縁層側がボンディングシートに接するようにロールラミネーターやプレス装置で積層してもよい。ボンディングシートにはエポキシ系、アクリル系、ウレタン系、シロキサン系などがあり、熱可塑性により充填接着するものや熱可塑性と熱硬化性を併用するとものがある。ここで熱硬化性とは必ずしも熱架橋成分などを有していなくとも、加熱によるゲル化や自然架橋により実質的に熱可塑性を失う物も効果は同等であり含まれる。熱可塑性と熱硬化性を併用するとものは、熱可塑性を利用して真空中で短時間加熱プレスして内層配線間の充填を確実に行い、その後まとめて所定時間オーブンで加熱硬化するとプレス装置の占有時間が短く十分な密着強度を得られ有利である。
両面に外層基材を積層する場合は、上記方法を繰り返しても良いし、途中まで例えば仮貼りまであるいは真空中での加熱プレスまでを表裏個々に行い以降の工程は同時に行っても良い。また内外層ともロールツーロール搬送の場合は両面同時に真空中でロールラミネーターで連続積層してもよい。
図2(d)では、図2(c)から、基板151aの両面の基材(152a、152b)に、内層絶縁層のアライメントマークを基準として、レーザーを用いて、外層基材(152a、152b)にビア(108a、108b)を形成する。特にビアの形成と同時にアライメントマーク(107a、107b)を形成すると外層パターンの位置精度を高める事が出来る。
ビアを形成する場合に、外層導体層に先に穴を開け、次に外層絶縁層及び接着層に穴を開ける2ステップでも良いし、外層導体層、外層絶縁層及び接着層を一度に穴を開けるワンステップでもよい。
次にアライメントマーク(107a、107b)内及びビア(108a、108b)内を、ウェットブラスト法などの物理的洗浄により洗浄し、基板151bを作成する。
図2(c)から図2(d)において、内層回路基板の配線と外層基材の導体層とをつなぐビア用穴の形成は、公知の方法で形成することが出来、特に主にレーザー光を用いて加工することが好ましい。
図2(e)では、図2(d)から、基板151bの内層アライメントマーク(103a、103b)の内部外層アライメントマーク(107a、107b)の内部及び洗浄したビア(108a、108b)の側面と、外層基材(152a、152b)の外層絶縁層(104a、104b)と接着層(106a、106b)の端部側面(記号131で示す部分)の一部又は全部とを、導通化して(図省略)、内層の導体部102eより給電して(図省略)、基板151bの外面に電解めっきを行い、電解めっき層109を有する基板151cを形成する。ここで、内層アライメントマーク(103a、103b)及び外層アライメントマーク(107a、107b)内はめっきしなくても良い。
図2(d)から図2(e)において、内層導体と外層導体を電気的に接続する導通化工程は、一般的な無電解金属めっき工程やダイレクトプレーティング工程によって行い、これらは両面同時処理が可能である。
無電解金属めっきにはニッケル、銅など既知の各種プロセスが適用可能であるが、導体層の厚付けに多用される電解銅めっきとの密着性が優れる事から配線板のビアめっきには主に無電解銅めっきが適している。
ダイレクトプレーティング法はグラファイト系やパラジウム系などがあり、工程が短く薬液管理が比較的容易であり特に望ましいプロセスである。特に絶縁層にポリイミドを用いた場合は、パラジウム−スズコロイド触媒を用いてパラジウム−スズ皮膜を得るダイレクトプレーティング法は密着性に優れ環境に対する悪影響も少ない。
パラジウム−スズコロイド系のダイレクトプレーティング法では、モノエタノ−ルアミン、ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤等を用いて、穴内の金属およびポリイミドフィルムおよび接着層表面を脱脂するとともに表面状態をコロイドが吸着しやすい状態に整えて、次いで過硫酸ソ−ダ等を用いてソフトエッチングを行った後、塩化ナトリウム、塩酸等にプレディップする。 これらの工程の後、パラジウム−スズコロイドの液に浸漬するアクチベ−ティング工程でPd−Sn被膜を形成し、最後に炭酸ソ−ダ、炭酸カリおよび銅イオンを含むアルカリアクセラレ−タ−浴および酸性アクセラレ−タ−浴で活性化する際に、活性化に用いるアルカリ性アクセラレ−タ−浴に還元剤を添加すれば良い。上記工程によりPdを主成分とする導電皮膜が形成される。また、積層した外層基材の端部側面と接着層の端部側面にも導電皮膜が形成され、接着層の端部側面が内層回路基板の導体層と接する部位を通して内層導体層の露出部と外層も電気的に導通する。この時、内外層の導体表面は上記ソフトエッチングによりコロイドが吸着しやすい状態に整えた部分が除去されており導電皮膜の形成が抑制されている。なお、本工程は液中で基材を処理する事により両面同時に処理される。
電解めっき工程は、酸洗浄した後、代表的には電解銅めっきする。電解めっきにおいては、硫酸中に硫酸銅、塩素イオンならびに表面を平滑にする為の添加剤を溶解した電解銅めっき液中に基材を浸漬し、代表的には電流密度を1〜8A/dmでめっきを行い配線層を形成する。このとき外層導体層とめっき層の合計銅厚みが概ね20μm以下にするとエッチングにより60μmピッチ以下のファインピッチパターンが容易に形成出来る。ここで、電解めっきの電流は基板両端の露出した内層の導体部にカソード給電ローラー等を接して供給し、外層基材の端部側面と接着層の端部側面の導電皮膜を通り外層導体ならびにビア内側壁及びビア底にめっき電流が供給される。また、液中に含リン銅からなるアノードボールを両面の対向する位置に設置してアノード電流とともに銅イオンを供給してもよい。
本工程も両面同時に処理される。
図3(f)では、図2(e)から、基板151cの外層基板の両面に、外層基板のアライメントマーク(107a、107b)を覆うことなくレジスト層(111a、111b)を形成し、レジスト層(111a、111b)を有する基板151dを作成する。
図2(e)から図3(f)において、レジスト層はパターン形成の為に形成し、一般的にはフォトレジストを使用する。フォトレジストは代表的に液状のものを塗布乾燥させる場合とドライフィルムタイプのものをラミネートする場合があり、一般的に前者はポジ型が多く後者はネガ型が多い。形成工程が容易でビアの保護が確実なドライフィルムタイプのレジストが特に適している。
ドライフィルムレジストは一方の面が保護フィルム、他方の面がキャリア保護フィルムで覆われた状態でロール状に巻かれているのが一般的である。保護フィルムを剥がしつつ大気中で基板と一緒に搬送し、ロールラミネーターのロール部で保護フィルムを剥がした側を基板表面に重ね合わせて適切な温度と圧力を印加しつつ貼り付ける。ここでビア内部は、ビア周辺を覆ういわゆるテンティングによって保護される。基板の両面側でドライフィルムレジストを供給する事により両面同時に貼り付ける事ができる。
図3(g)では、図3(f)から、基板151dのレジスト層(111a、111b)を、外層アライメントマーク(107a、107b)を基準としてフォトマスクを用いて露光し現像して、残存レジスト層(113a、113b)とレジスト層が現像除去されて電解めっき層が現れた部分(112a、112b)とを有する基板151eを作成する。
図3(g)において、図3(f)から、基板151dのレジスト層(111a、111b)を、内層アライメントマーク(103a、103b)を基準としてフォトマスクを用いて露光し現像して、残存レジスト層(113a、113b)とレジスト層が現像除去されて電解めっき層が現れた部分(112a、112b)とを有する基板151eを作成してもよいが、基板151dのレジスト層(111a、111b)を、外層アライメントマーク(107a、107b)を基準として露光現像することにより、内層のアレイメントマークを利用するより、内層基材と接着剤や外層基材との線膨張率や接着層の硬化収縮の影響を受けにくく、精度が向上するため好ましい。
図3(f)から図3(g)において、フォトマスクに描かれた外層配線パターンは、例えば高圧水銀ランプを光源とした投影露光機や密着露光機によってフォトレジストに転写される。ネガ型のドライフィルムレジストを用いる場合、パターンを形成する部位のフォトマスクを光が透過するように描かれており、適切な露光量照射する事でレジスト層は感光する。両面の場合は表裏これを繰り返せば良く、各々の外層に形成されたアライメントマークを基準として位置合せを行うと外層ビアとの位置精度を高く出来るため好ましい。次に、保護キャリアフィルムを剥離して例えば炭酸ソーダ水溶液をスプレーで噴射して、ネガ型の場合は未露光部の即ちパターンを形成しない部位のレジストを除去する。
図3(h)では、図3(g)から、基板151eのエッチングを行い、残存レジスト層(113a、113b)下部の導体層(105a、105b)及び電解めっき層(109)を除く、基板151eの外側の導体部分を除去して、基板151fを作成する。勿論基板の剛性を残してハンドリングを良くする為に、外層基材(152a、152b)の外側の導体部分102eを残しても良い。
基板151fでは、内層絶縁層114の一部と外層絶縁層の一部が露出している。
図3(g)から図3(h)において、エッチングは塩化第二鉄に代表されるエッチング液をスプレーにより噴射したり、あるいはエッチング液に浸漬して不要部の配線層、すなわちレジストの無い部位の導体層と電解めっき層を除去し配線パターンを形成する。
図3(i)では、図3(h)から、基板151fの残存レジスト層(113a、113b)を除去して、基板153を作成する。
基板153は、4層構造のビルドアップ多層配線基板として用いることができる。
図3(h)から図3(i)において、エッチングマスクとして使用したレジスト層は例えば水酸化ナトリウム溶液などの強アルカリ剥離液で除去する。レジスト除去は剥離液への浸漬やスプレー噴射により行う。剥離液には有機溶剤系を用いる事も可能であるが、ベーパー対策や環境対策が必要である為無機アルカリ水溶液であることが望ましい。また、ポジ型レジストを用いる場合は剥離処理に先立ち紫外線照射を行うと確実に剥離する事が出来る。
ここではサブトラクティブ法により外層パターンを形成する例を示したが、セミアディティブにより外層配線を形成してもよく、この場合、上記導通化工程の後、レジスト層形成、露光工程、現像工程を上記同様に行った後、上記電解めっき工程でめっき層すなわち配線パターンを形成すると同時に内層回路基板の導体配線と外層導体層とをビアの導体層を介して電気的に接続させ、上記レジスト剥離工程を行った後に、フラッシュエッチングにより外層の導体層を除去してパターン間を分離して配線パターンを完成させる。ここで、フラッシュエッチングは例えば硫酸過酸化水素水や過硫酸塩、薄い塩化第二鉄水溶液に代表される弱いエッチング液をスプレー噴射や浸漬することで実施出来、これらの液は適切な添加剤を加えたものが多数市販されており適切な液を選定使用すればよい。
図3(j)では、図3(i)から、基板153の内層絶縁層の一部、或いは内層絶縁層の一部と外層基板の一部とを切断して、4層構造のビルドアップ多層配線基板154を作成する。
図3(i)から図3(j)において、本工程はいわゆる外形抜きであり、金型を用いて製品形状に打抜いても良いし、レーザー加工により切断してもよい。また、ここでは、4層構造形成直後に外形加工を行っているが、実際に使用する際に切断されていればよく、パターン保護層形成後やニッケル金めっきや錫めっきなどの電極めっき後、更には部品搭載後に切断してもよく、実装上都合が良い時点で切断すればよい。特に、ロールツーロール搬送においてはICチップなどの部品を搭載後、更にはチップ保護部材も搭載して部品として使用可能な状態で個片に切断する事も可能である。
図4は、アライメントマークと内層絶縁層の少なくとも片面に導体配線回路パターンとを有する内層回路基板に、接着層及び接着層とは反対側の面がめっきにて導体層を形成可能である外層絶縁層とを積層してビルドアップ多層配線基板を製造する、本発明のビルドアップ多層配線基板の製造法より得られる別の4層構造のビルドアップ多層配線基板の模式構成断面図である。
ビルドアップ多層配線基板174は、4層構成の配線基板である。
ビルドアップ多層配線基板174の構成を詳細に説明すると、A面側とB面側に各々配線回路パターンを有し、
内層絶縁層114を中心基材として内層絶縁層114のA面側に複数の導体配線102aを、B面側に複数の導体配線102bの配線回路パターンを有し、
内層絶縁層のビア116cでA面側の導体配線102aとB面側の導体配線102bが電気的に結合し、
内層絶縁層114のA面側に接着層106aと外層絶縁層104aが積層され、
外層絶縁層104aの外側に複数の導体配線117aとからなる回路パターンを有し、
導体配線117aは外層絶縁層104aの外側の電解めっき層115aより形成され、
外層絶縁層104aと接着層106aのビア116aで内層絶縁層114の導体配線102aと外層絶縁層の導体配線117aが電気的に結合し、
内層絶縁層114のB面側に接着層106bと外層絶縁層104bが積層され、
外層絶縁層104bの外側に複数の導体配線117bの配線回路パターンを有し、
導体配線117bは外層絶縁層104bの外側の電解めっき層115bより形成され、
外層絶縁層104bと接着層106bのビア116bで内層絶縁層114の導体配線102bと外層絶縁層の導体配線117bが導通化電気的に結合されている。
外層絶縁層のビアは、外層絶縁層のビアは、高密度化のため複数形成されている。
外層絶縁層の導体配線117aと外層絶縁層の導体配線117bとは、直接、或いは内層絶縁層の導体配線102a及び/又は導体配線102aを介して、1カ所又は2カ所以上で電気的に結合されていてもよい。
外層絶縁層の導体配線は、内層絶縁層の導体配線102a及び/又は導体配線102aと、1カ所又は2カ所以上で電気的に結合されていてもよい。
図5(a)から図5(e)及び図6(f)から図6(j)は、本発明のビルドアップ多層配線基板の製造方法の別の一実施例を工程順に示す模式構成断面図である。
以下、本発明のビルドアップ多層配線基板の製造方法について図5及び図6を用いて説明する。
図5(a)は、図2(a)に示す内層回路基板151である。
図5(b)では、外層絶縁層104aの一方の面に接着層106aが積層されている外層基材172aを内層回路基板151のA面側から、
外層絶縁層104bの一方の面に接着層106bとが積層されている外層基材172bを内層回路基板151のB面側から、ラミネートする前を示している。外層基材は、外層絶縁層と接着層とで構成されている。
図5(c)では、図5(b)から、内層回路基板151の両面に、内層回路基板151の内層アライメントマークを覆うことなく、内層回路基板151の導体配線回路パターン(102a、102b)の全部を覆うように外層基材(172a、172b)を積層して、基板171aを作製する。
基板171aでは、内層回路基板151の両端部の導体層102dの一部が外層基材(172a、172b)に覆われて、導体層102dの外層基材(172a、172b)に覆われていない銅体層を102eとして示し、外層基材に覆われていない銅体層102eは電解めっき用給電部として利用することが出来る。
図5(c)では、内層回路基板151の導体配線回路パターン(102a、102b)の全部を覆うように外層基材(172a、172b)を積層しているが、内層回路基板151の導体配線回路パターン(102a、102b)の一部を覆うように外層基材(172a、172b)を積層してもよく、片面は内層回路基板151の導体配線回路パターンの一部を覆い、残る片面は全部覆ってもよい。
図5(b)から図5(c)において、外層基材(172a、172b)は、接着層及び接着層とは反対側の面がめっき法にて導体層を形成可能である外層絶縁層とから構成されている。
外層基材(172a、172b)は、例えば、
1)接着層及び外層絶縁層とを予め積層している基材を用いる、
2)接着層と外層絶縁層とを別々のフィルムとして、分かれているものを用いる、
3)接着層を予め内層回路基板に設け、接着層に外層絶縁層を積層する場合、などがある。
外層基材(172a、172b)の接着層とは反対側の面がめっき法にて導体層を形成可能である外層絶縁層は、絶縁性フィルムの表面にめっき法にて導体層を形成可能である公知の方法で表面処理をしているものを用いることが出来る。
外層絶縁層の表面処理の方法としては、
1)少なくとも表面をセラミック変性又は擬セラミック変性したポリイミドフィルム、
2)ポリイミドフィルムなどの外層絶縁層の表面に、必要に応じて減圧放電処理を行ったもの、
3)ポリイミドフィルムなどの外層絶縁層の表面をプラズマ処理し、さらにシランカップリング処理しているもの、さらに必要に応じて貴金属化合物を含んだ触媒層を形成させているもの、
4)ポリイミドフィルムなどの外層絶縁層の表面にPd化合物を塗布して得られるもの、
などの公知の方法を用いることができる。
外層絶縁層の内層回路基板への積層は、内層回路基板の少なくとも一方のパターン形成面上に、接着層及び外層絶縁層の順に重なるように積層すればよく、特に制限はないが例えば内層回路基板の配線パターン形成面上に液状の接着剤を塗布し絶縁層側が接する様に外層絶縁層を重ねてプレス硬化すればよい。または、ボンディングシートを外層絶縁層と内層絶縁層間に内層の配線パターンの一部或いは全部を覆うように重ね合わせ、真空中で加熱プレスしても良く、特に予め外層絶縁層にボンディングシートを例えばロールラミネーターで積層しておき、必要に応じて外形加工したものを内層回路基板に仮貼りして真空中で加熱プレスすると正確で効率的に多様な外層基材を積層する事が出来る。また内外層の基材ともロールツーロール搬送の場合は真空中で内層回路基板にロールラミネーターで連続的に積層してもよい。逆に、真空中で内層回路基板にロールラミネーターでボンディングシートを積層したものに、外層絶縁層をロールラミネーターやプレス装置で積層してもよいボンディングシートにはエポキシ系、アクリル系、ウレタン系、シロキサン系などがあり、熱可塑性により充填接着するものや熱可塑性と熱硬化性を併用するとものがある。ここで熱硬化性とは必ずしも熱架橋成分などを有していなくとも、加熱によるゲル化や自然架橋により実質的に熱可塑性を失う物も効果は同等であり含まれる。熱可塑性と熱硬化性を併用するとものは、熱可塑性を利用して真空中で短時間加熱プレスして内層配線間の充填を確実に行い、その後まとめて所定時間オーブンで加熱硬化するとプレス装置の占有時間が短く十分な密着強度を得られ有利である。
両面に外層基材を積層する場合は、上記方法を繰り返しても良いし、途中まで例えば仮貼りまであるいは真空中での加熱プレスまでを表裏個々に行い以降の工程は同時に行っても良い。また内外層ともロールツーロール搬送の場合は両面同時に真空中でロールラミネーターで連続積層してもよい。
図5(d)では、図5(c)から、基板171aの両面の基材(172a、172b)に、内層絶縁層のアライメントマークを基準として、レーザーを用いて、外層基材(172a、172b)にビア(108a、108b)を形成する。特にビアの形成と同時にアライメントマーク(107a、107b)を形成すると外層パターンの位置精度を高める事が出来る。
ビアを形成する場合に、外層導体層の先に穴を開け、次に外層絶縁層及び接着層に穴を開ける2ステップでも良いし、外層導体層、外層絶縁層及び接着層を一度に穴を開けるワンステップでもよい、ワンステップで穴を開けることにより、工程を簡略化でき、穴の位置精度及び口径の精度が向上すために好ましい。
次にアライメントマーク(107a、107b)内及びビア(108a、108b)内を、物理的洗浄により洗浄し、基板151bを作成する。ここでは外層導体が存在しない為比較的弱いエネルギーでビア加工が可能であり、特に外層絶縁層並びに接着層に例えばガラス繊維の様な無機物による補強が無い場合は特に弱いエネルギーで加工が可能である。この場合ビア内の加工残渣は少なくまた固着性も弱い為、エキシマ光に代表される250nm以下の深紫外光の照射やプラズマ処理法による物理的洗浄が外層絶縁層の表面を荒らす事が少ない為好ましい。
図5(c)から図5(d)の操作は、図2(c)から図2(d)の操作と同様にして行うことが出来、内層回路基板の配線と外層基材の導体層とをつなぐビア用穴の形成は、主にレーザー光を用いて加工する。
図5(e)では、図5(d)から、外層絶縁層(104a、104b)表面、基板171bの内層アライメントマーク(103a、103b)の内部、外層アライメントマーク(107a、107b)の内部及び洗浄したビア(108a、108b)の側面と、外層基材(172a、172b)の外層絶縁層(104a、104b)と接着層(106a、106b)の端部側面(記号131で示す部分)の一部又は全部とを、導通化して(図省略)、内層の導体部102eより給電して(図省略)、基板151bの外面に電解めっきを行い、電解めっき層109を有する基板151cを形成する。
図5(d)から図5(e)において、外層導体層のベースとなる導通化層の形成と内層導体と外層導体を電気的に接続するための導通化工程は、一般的な無電解金属めっき工程やダイレクトプレーティング工程によって行う事が出来るが、外層表面はビアに比べて面積が広い為、無電解金属めっき工程を含む無電解めっき工程であることが導電性を高く出来る為好ましい。これらは両面同時処理が可能である。
無電解金属めっきにはニッケル、銅など既知の各種プロセスが適用可能であるが、バリア層あるいは緩衝層としての無電解ニッケルめっきや無電解金属酸化物めっきなどを行った上に続いて無電解銅めっきを行うと、外層絶縁層との密着性を高め更に密着性を保持出来る為ため好ましい。特に、外層絶縁層に表面をセラミック変性又は擬セラミック変性したポリイミドフィルムを用いた場合には、無電解金属酸化物めっきに続いて無電解銅めっきを行う方法が密着性の保持と絶縁信頼性の高さから特に好ましい。
擬セラミック変性したポリイミドフィルム上に無電解金属酸化物めっきを行う方法は、例えば特開2005−225228に示された方法により行い、具体的には
1)脱脂・表面調整工程:例えば、表面調整剤で25〜80℃、15秒〜30分浸漬処理。
2)触媒付与工程:例えば、センシタイザー、例えば塩化錫等の水溶性第1錫塩の1〜50g/L、塩酸等の酸5〜100mL含有し、pH1〜5の溶液を用いてセンシタイジング、水洗、キャタリスト、例えば塩化Pd等の水溶性Pd塩0.01〜1g/L、塩酸等の酸0.01〜1mL/Lを含有し、pH1〜5のパラジウム活性化溶液に10〜50℃で5秒〜5分浸漬、あるいは/および水溶性Ag塩(硝酸銀等)0.1〜2g/L、pH5〜8の銀活性化溶液に10〜50℃で5秒〜5分浸漬して、触媒付与。
3)無電解めっき用下地処理層形成工程:亜鉛イオン(硝酸亜鉛等)を0.001〜5mol/L、インジウムイオン(硝酸インジウム等)を0.00001〜0.1mol/L各々含有する処理液に50〜90℃、1分以上浸漬することによって処理して、亜鉛含有酸化インジウム下地層形成する方法が挙げられる。
続いて一般的な無電解銅めっき工程により導通化層を形成する。
4)触媒付与工程:例えば、水溶性Pd塩(塩化Pd等)などの水溶性金属塩の濃度0.01〜1g/L、pH1〜5の水溶液に、10〜80℃で、5秒〜5分間、浸漬、スプレー、塗布法で接触。
5)無電解金属めっき工程:例えば、硫酸銅等の水溶性金属塩0.01〜0.5mol/L、ホルムアルデヒド等の還元剤0.1〜1mol/L、EDTA等の錯化剤0.01〜1mol/L含有し、pH9〜14の溶液に、10〜70℃で5〜60分間浸漬。
なお、本工程は液中で基材を処理する事により両面同時に処理される。
電解めっき工程は、酸洗浄した後、代表的には電解銅めっきする。電解めっきにおいては、硫酸中に硫酸銅、塩素イオンならびに表面を平滑にする為の添加剤を溶解した電解銅めっき液中に基材を浸漬し、代表的には電流密度を1〜8A/dmでめっきを行い配線層を形成する。このとき外層導体層とめっき層の合計銅厚みが概ね20μm以下にするとエッチングにより60μmピッチ以下のファインピッチパターンが容易に形成出来る。ここで、電解めっきの電流は基板両端の露出した内層の導体部にカソード給電ローラー等を接して供給し、外層基材の端部側面と接着層の端部側面の導電皮膜を通り外層導体ならびにビア内側壁及びビア底にめっき電流が供給される。また、液中に含リン銅からなるアノードボールを両面の対向する位置に設置してアノード電流とともに銅イオンを供給してもよい。
本工程も両面同時に処理される。
図6(f)では、図5(e)から、基板171cの外層基板の両面に、外層基板のアライメントマーク(107a、107b)を覆うことなくレジスト層(111a、111b)を形成し、レジスト層(111a、111b)を有する基板171dを作成する。
図5(e)から図6(f)の操作は、図2(e)から図3(f)の操作と同様にして行うことが出来る。
図6(g)では、図6(f)から、基板171dのレジスト層(111a、111b)を、外層アライメントマーク(107a、107b)を基準としてフォトマスクを用いて露光し現像して、残存レジスト層(113a、113b)とレジスト層が現像除去されて電解めっき層が現れた部分(112a、112b)とを有する基板171eを作成する。
図6(g)において、図6(f)から、基板171dのレジスト層(111a、111b)を、内層アライメントマーク(103a、103b)を基準としてフォトマスクを用いて露光し現像して、残存レジスト層(113a、113b)とレジスト層が現像除去されて電解めっき層が現れた部分(112a、112b)とを有する基板171eを作成してもよいが、
基板171dのレジスト層(111a、111b)を、外層アライメントマーク(107a、107b)を基準として露光現像することにより、内層のアレイメントマークを利用するより、内層基材と接着剤や外層基材との線膨張率や接着層の硬化収縮の影響を受けにくく、精度が向上するため好ましい。
図6(f)から図6(g)の操作は、図3(f)から図3(g)の操作と同様にして行うことが出来る。
図6(h)では、図6(g)から、基板171eのエッチングを行い、残存レジスト層(113a、113b)下部の電解めっき層(109)を除く、基板171eの外側の導体部分を除去して、基板171fを作成する。勿論基板の剛性を残してハンドリングを良くする為に、外層基材(172a、172b)の外側の導体部分102eを残しても良い。
基板171fでは、内層絶縁層114の一部と外層絶縁層の一部が露出している。
図6(g)から図6(h)において、エッチングは塩化第二鉄に代表されるエッチング液をスプレーにより噴射したり、あるいはエッチング液に浸漬して不要部の配線層、すなわちレジストの無い部位の導体層と電解めっき層を除去し配線パターンを形成する。
図6(i)では、図6(h)から、基板171fの残存レジスト層(113a、113b)を除去して、基板173を作成する。
基板173は、4層構造のビルドアップ多層配線基板として用いることができる。
図6(h)から図6(i)の操作は、図3(h)から図3(i)の操作と同様にして行うことが出来る。
ここではサブトラクティブ法により外層パターンを形成する例を示したが、セミアディティブにより外層配線を形成してもよく、この場合、上記導通化工程の後、レジスト層形成、露光工程、現像工程を上記同様に行った後、上記電解めっき工程でめっき層すなわち配線パターンを形成すると同時に内層回路基板の導体配線と外層導体層とをビアの導体層を介して電気的に接続させ、上記レジスト剥離工程を行った後に、フラッシュエッチングにより外層の導体層を除去してパターン間を分離して配線パターンを完成させる。ここで、フラッシュエッチングは例えば硫酸過酸化水素水や過硫酸塩、薄い塩化第二鉄水溶液に代表される弱いエッチング液をスプレー噴射や浸漬することで実施出来、これらの液は適切な添加剤を加えたものが多数市販されており適切な液を選定使用すればよい。
図6(j)では、図6(i)から、基板173の内層絶縁層の一部、或いは内層絶縁層の一部と外層基板の一部とを切断して、4層構造のビルドアップ多層配線基板174を作成する。
図6(i)から図6(j)の操作は、図3(i)から図3(j)の操作と同様にして行うことが出来る。
図2(a)及び/又は図5(a)に示す内層回路基板151の一例として、中心回路基板としてテープ状の基板を用いる例を図9に示す。
図9には、内層回路151を複数有するテープ基板150の模式的な平面図を示す。テープ基板150は、両面に複数の配線回路が形成され、テープ両端部に複数のアライメント用のホール(103a、103b、121a、121b)と複数のテープキャリア用のスプロケットホール(122a、122b)を有し、テープ両端部に導体層を有し、ロールとして取り扱うことができる。
テープ基板150のX1−X1線の模式的な断面図を図2(a)及び/又は図5(a)に示す。
図10には、内層回路(151a,171a)を複数有するテープ基板150の模式的な平面図を示し、内層回路基板151に、内層回路の導体配線回路パターンの全部を覆うように外層基材(152a,172a)をラミネートして作製する。
テープ基板150のX2−X2線の模式的な断面図を図2(c)及び/又は図5(c)に示す。
図6には、図2(d)に示す基板151dのビアのある部分を拡大して示す模式的断面図である。
図7(a)は、レーザーを用いて外層基板等に形成されているビアの模式的断面図を示す。図7(a)において、基板にレーザーを用いてビア108を形成すると、ビア内部及びビア径の周辺部に加工残渣141が多数残存し、後加工のためには、加工残渣141を除去する必要がある。加工残渣を除去する方法として、種々の方法があるが、本発明では物理的洗浄で行う。物理的洗浄を行うことにより、ビア内面を構成する接着層や外層絶縁層の材料に影響を受けることなく、図7(b)に示すように内面形状のきれいなビアを形成することができる。
本発明の物理的洗浄以外の化学的洗浄を行うと、ビア内面を構成する接着層或いは外層絶縁層のどちらかが、オーバーエッチされるため、図7(c)又は図7(d)に示すように、ビア内面の形状のきれいなビアを形成することは、極めて難しいし、事前に各材料の化学的洗浄による影響を把握しておく必要があり、不便である。
図7(c)及び図7(d)では、各層のオーバーエッチングした部分を、記号145或いは146で示す。
ビアは円柱状に形成してもよいが図7(a)に示すようにテーパー形状であるほうが処理液浸漬の際の気泡抜けがよく好ましい。
図8には、図5(d)に示す基板171dのビアのある部分を拡大して示す模式的断面図である。
図8(a)は、レーザーを用いて外層基板等に形成されているビアの模式的断面図を示す。図8(a)において、基板にレーザーを用いてビア108を形成すると、ビア内部及びビア径の周辺部に加工残渣141が多数残存し、後加工のためには、加工残渣141を除去する必要がある。加工残渣を除去する方法として、種々の方法があるが、本発明では物理的洗浄で行う。物理的洗浄を行うことにより、ビア内面を構成する接着層や外層絶縁層の材料に影響を受けることなく、図8(b)に示すように内面形状のきれいなビアを形成することができる。
本発明の物理的洗浄以外の化学的洗浄を行うと、ビア内面を構成する接着層或いは外層絶縁層のどちらかが、オーバーエッチされるため、図8(c)又は図7(d)に示すように、ビア内面の形状のきれいなビアを形成することは、極めて難しい。特に、外層絶縁層が接着層よりも侵されやすい場合にはビア内面だけでなく外層絶縁層の表面もダメージを受けるため外層導体が正常に形成されなかったり、密着性が低下するなどの問題につながる。このため事前に各材料の化学的洗浄による影響を把握しておく必要があり、不便である。
図8(c)及び図8(d)では、各層のオーバーエッチングした部分を、記号145或いは146で示す。
ビアは円柱状に形成してもよいが図8(a)に示すようにテーパー形状であるほうが処理液浸漬の際の気泡抜けがよく好ましい。
内層回路基板の有するアライメントマークは、内層絶縁層内に設けられた穴や変色部位、内層絶縁層上に形成された導体パターンなどがあげられ、ピンなどによる機械的位置決めの基準あるいはカメラなどのセンサーにより認識して位置決めの基準とする事が可能なものである。また、内層回路基板の有するアライメントマークは、内層の導体配線回路パターン形成の基準に用いたマーク、あるいは該マークと同工程で形成されたマーク、あるいは内層の導体配線回路パターン形成工程で形成されたパターンを用いる事が出来る。
上記のビルドアップ多層配線基板の製造法、例えば図2(a)や図5(a)において、内層回路配線板は、内層絶縁層と導体層からなる中心コア基材から形成されている基板を用いることが好ましい。
限定はしないが内層絶縁層は樹脂を含んだ成分で形成され、導体層は金属から構成されるのが一般的である。
内層回路配線板は代表的にはエッチング処理を利用したサブトラクティブ法で形成されたものや、電解めっきを利用したセミアディティブ法で形成したものがあげられ、いずれの工法で形成されたものを用いてもよい。
また内層回路配線板は、片面に配線を有する基板でも両面に配線を有する基板でも良いが、両面に配線を有し両面の配線がビアで電気的に接続されていると高密度化の点から特に有利である。
内層回路配線板を形成するコア基材としては、代表的には銅貼り積層板(以下、CCLと略す)が用いられ、絶縁層としてはガラスエポキシ材やポリイミドフィルム、ポリアミドフィルム、液晶フィルム、アラミド等を用いる事が出来るが、特に絶縁層にポリイミドフィルムを用いたものは、耐熱性や寸法安定性に優れ、薄くて強度があり高密度化に適しているだけでなくフレキシビリティーもあるため適用範囲が広い。絶縁層にポリイミドを用いたCCLとして、ポリイミドフィルムに融着性ポリイミド層を介して銅箔を加熱圧着したものや、銅箔にポリイミド前駆体をキャストして加熱したもの、ポリイミドフィルムに表面処理を施した後シード層としてニクロムなどのシード層をスパッタした後導体層として銅をスパッタしたもの、更にその上に電解銅めっきを行って銅箔層を形成したものなどがあげられる。
内層回路配線板は、本製造方法に問題なく使用できるものであればどのような形態でも用いることが出来るが、好ましくは直径250mmφのロールに巻き取り可能である長尺状の基板であり、内層絶縁層及び外層絶縁層の厚みは5〜150μm及び5〜50μmであるフレキシブル性を有する基板を用いることにより、生産性の高いロールツーロールのよる連続処理が可能であり好ましい。
接着層としては、外層絶縁層と内層絶縁層とをはり合わせることが出来るものであれば、どのような厚みでもよいが、好ましくは5〜150μmのものが好ましい。
内層回路配線板の導体層としては、銅、アルミニウム、金、銀、ニッケル、ステンレスなどの金属箔、金属めっき層(好適には蒸着金属下地層−金属めっき層あるいは化学金属めっき層等の多くの公知技術が適用できる)などを用いることが出来、箔の形状で絶縁層と積層しているもの、絶縁層の表面にスパッタリングなどの方法で金属などの導体層を形成しているもの、更に電解めっき層を積み上げたものなどがあげられるが、何れの場合も導体層としては銅を主成分とした金属を用いるのが最も一般的である。導体層が5μm〜35μmと比較的厚手の箔はサブトラクティブ法に用いられ、1〜5μmの極薄箔はセミアディティブ法あるいは両面の配線をビアで接続する場合など電解金属めっきを積み上げて用いる場合に適している。最近は除去可能なキャリア層を有する極薄銅箔をポリイミドフィルムに融着層を介して加熱圧着したものも用いることが可能であり、特に極薄銅箔が1〜3μmの場合には電解銅めっきを積み上げても40μmピッチ以下の微細配線が形成可能である。
コア基材としては、テープ形状、ロール状のテープ形状、フィルム状、シート状などの内層絶縁層を用いることができる。
内容絶縁層としては、どのような厚みのものでも用いることができるが、操作性や搬送性などを考慮した設計が必要であり、特に配線パターンを形成した状態で芯材に巻き取り可能ないわゆるフレキシブルな配線板を用いると、ロールツーロール工程が可能であり、またフレキシブル多層配線板への展開出来るため特に好ましい。
ビルドアップ多層配線基板の製造法において、例えば、図2(c)から図2(d)や図5(c)から図5(d)において、内層回路基板の配線と外層基材の導体層とをつなぐビア用穴の形成は、公知の方法で形成することが出来、特に主にレーザー光を用いて加工することが好ましい。
ビア用穴は、用いる目的に応じて孔の大きさを考えればよく、好適には20〜100μmφ、特に約30〜100μmφの孔を形成することができる。
ここで用いるレーザー光は炭酸ガスレーザー(波長9.3〜10.6μm)、YAGレーザー(波長1064nm)、YAGレーザーの高調波(3倍波:波長355nm、4倍波:波長266nm)に代表される紫外線レーザーなどが上げられ、また各種ガスによるエキシマレーザー(波長はガス種で異なる)を用いてもよい。
炭酸ガスレーザーは現状大きなパワーを得る事が容易であるが、金属の吸収する波長帯とは異なる光である。金属を直接加工する場合には黒化処理などの表面処理を行う。外層の金属表面全面を黒化処理してビア穴を加工する部位にビーム径を絞り込んだパルスレーザー光を照射して金属層と絶縁層ならびに接着層を除去しビア用穴を順次形成する。あるいはビア用穴を形成する部位を選択的に黒化処理してレーザー光をスキャンして金属層と絶縁層ならびに接着層を除去してもよい。ここで金属層、絶縁層、接着層は一度に除去してもよいが内層の熱ダメージを軽減する必要がある場合にはまず金属層を主体として除去し、次にレーザー光のパワー密度を下げて絶縁層と接着層を除去してもよい。また別の方法としてビア用穴を形成する部位の金属層をエッチングなどで選択的に除去し、レーザー光をスキャンして接着層と絶縁層を除去してもよい。
YAGレーザーの高調波に代表される紫外線レーザー光は金属が吸収する波長帯に属するため、金属層の直接加工が可能である。また、主に有機物からなる絶縁層や接着層の分子結合を直接切断する効果が寄与すると考えられ、主に熱的に除去している炭酸ガスレーザーに比べて加工形状が良い。また、YAGに代表される固体励起レーザーはビーム形状が良く更に高調波は紫外光と波長が短いためビームを絞り込む事が可能で50μm以下の小径ビアを形成するのに適している。ビア用穴を形成する方法としては外層の金属層表面からビア穴を加工する部位に小径に絞り込んだレーザー光のパルスを照射し、金属層と絶縁層ならびに接着層を除去しビア用穴を形成する。このときパスルは複数ショット照射してもよいし、ビーム径に比べて大きな穴の場合にはショット毎に例えばスパイラル状に走査しても良い。また金属層、絶縁層、接着層は一度に除去してもよいが内層のダメージを軽減する必要がある場合にはまず金属層を主体として除去し、次にレーザー光のパワー密度を下げて接着層と絶縁層を除去してもよく、金属層除去後に残った金属をマスクにして焦点を外したレーザー光を照射して絶縁層と接着層を除去すると特に良好な穴形状を得る事が出来る。この操作を穴毎に位置を変えて順次繰返し加工する。
エキシマレーザーはガスレーザーでありガス種により発振波長は異なるものの深紫外光を出し、マスクを用いて照射することで金属層、絶縁層、接着層を除去して微小径の穴加工が可能であるがランニングコストがかかる為高価な製品用となる。
両面に外層を形成した場合は上記ビア穴加工を表裏繰り返せばよい。
また、ここでは外層の金属層、絶縁層、接着層を除去して内層金属層の表面までの加工、すなわち標準的ブラインドビアの形成について記載したが、反対側の内層裏面までの穴、あるいは反対側の外層裏面までの穴、さらには貫通孔としてもよくレーザー光のパワーやショット数で適切に調整すればよい。
また、外層導体層がキャリア層を伴った極薄金属箔の場合、キャリア層を剥離してからビア用穴を形成してもよいし、剥離する前に形成してもよい。前者の場合、比較的弱いレーザーパワーで金属箔の加工が可能なため良好な穴形状を得やすく、後者はキャリアごと除去するためレーザーパワーは必要であるが、金属箔表面が保護されている為、レーザー加工による表面の汚染を防止出来る。
内層導体と外層導体を電気的に接続する為の導通化層の密着性を上げる為、レーザー加工によって生じたビア用穴内の汚染、特に金属部の汚染を除去するいわゆるデスミア工程を行う。汚染は主としてレーザーで溶融した金属かす、接着層の樹脂成分、絶縁層の樹脂成分ならびにこれらの変質物が付着してなり、特に内外導電層の露出部の樹脂成分による汚染は導通化層の密着性を低下させ電気的接続不良の原因となり、また絶縁層と接着層は異なる成分を有しデスミア工程においていずれか一方が過剰に侵食されると密着不良や後工程での気泡残りなどにより導通不良の原因となる。これらの不具合防止のため、本発明ではビア用穴内の洗浄は物理的に行う。物理的洗浄では化学的な作用が無いために一方が過剰に侵食される事を防止する事が出来る。勿論、硬度などの違いによる微小な差はあるが物理的な除去量も微小であるため実質的に問題ない。
具体的な物理洗浄の方法としては、エキシマ光に代表される250nm以下の深紫外光の照射、プラズマ処理、ドライブラスト処理、ウェットブラスト処理があげられる。プラズマ処理は低圧下でガスを放電させて発生したプラズマにより樹脂をエッチングするものであり、煩雑な真空工程が必要であり、また樹脂のエッチング速度が遅いため激しい汚染には対応出来ない。ドライブラスト処理は高圧の空気と共に研磨粉を吹付けて研磨する方法であり、細かな穴内も処理可能であるが噴射後の失速があり研磨力がやや弱く、また粉塵が大量に発生する為にクリーンルームでの使用に難がある。ウェットブラスト処理は砥粒と水を混合したスラリーを高圧のエアーでスプレーする方法であり、細かな穴内も処理され、また水に不溶のアルミナ粒子、ジルコニア粒子など硬度が高く研磨力の高い砥粒を用いて、微細な水滴とともに吹付けられ失速も少ない。このため十分な研磨力を発生する事が出来、物理的洗浄方法として特に望ましい。
前記のウェットブラスト装置としては、例えばビア用穴形成した両面金属積層体である被処理体を載置する載置部を磁石で構成し、該載置部の上面に載置された被処理体上に載置され前記砥粒を混入した液体を通過させる所望形状の窓孔を形成したマスクを設け、このマスクが前記磁石に着磁される部材で形成されている装置が挙げられる。前記のウェットブラスト装置において、マスクとして、前記磁石に着磁される金属部材の下側に被処理体の上面に当接するウレタンゴムなどのゴム部材を設け、この金属部材及びゴム部材には前記砥粒を混入した液体を通過させる所望形状の窓孔が形成されているマスクを備えたものが好ましい。このようなウェットブラスト装置は、例えば特開平9−295266号公報に記載されている。
ウェットブラスト法においては、穴あけ加工で生じたバリの除去とビア内のクリーニング処理を同時に行うことが好ましく、例えば、好適には砥粒を混入した液(好ましくは砥粒を5〜20容量%を含むもの)、好適にはアルミナ粒子、ジルコニア粒子など硬度が高く研磨力の高い直径が1〜10μm程度の砥粒を用いて、砥粒と水などの液体とを被処理体の孔に向けて加工エアーとともに約10m〜約300m/秒程度、好ましくは約20〜約100m/秒、さらに好ましくは約30〜約70m/秒の流速で高圧噴射して被処理体を処理することができる。
両面に外層を形成した場合は空中に担持して両面同時に上記物理洗浄を行うか表裏繰り返せばよい。
以下、実施例に基づいて本発明のビルドアップ多層配線基板の製造法の一例について詳細に説明する。
(実施例1)
内層配線板にはピーラブルなキャリアを伴った厚さ3μm銅箔が厚み25μmのポリイミドの両面に形成されたユピセルN(宇部興産社製)を用いてアライメントホールを基準として紫外線YAGレーザーでビア穴を形成し導通化処理を行なった後、ビア内及び両面の銅箔上に銅厚みが8μmになるように電解銅めっきを施した後、サブトラクティブ法でロールツーロールで形成された配線板を用いた。
ピーラブルなキャリアを伴った厚さ3μm銅箔が厚み15μmのポリイミドの片面に形成されたユピセルN(宇部興産社製)に4%苛性ソーダをスプレーした後、銅箔の無い面にエポキシを主要硬化成分とする厚さ20μmの熱可塑熱硬化併用型ボンディングシートをロールラミネーターで120℃、0.5MPaのもとにラミネートして外層部材を得た。
個片にした外層部材からキャリア銅とボンディングシートのキャリアPETを剥離し、連続搬送された内層配線板の表面に配線回路パターンの全部を覆い電解めっき用給電部を残して外層基材の導体層が外側となるように熱チップで仮止めした。同様に裏面にも外層部材を仮止めした。次に連続バッチ式真空ホットプレス機において温度140℃真空度0.2kPaプレス圧1.5MPaのもと60秒、パターン毎に順次プレスした。
次に基材を搬送しつつ、内層の露出したアライメントホールを基準にして、紫外YAGレーザー加工機(ESI社)にて、外層基材にブラインドビア用穴及び外層アライメントホールを形成した。これを表裏繰返した後オーブンで180℃に加熱して60分接着層を硬化した。
次に、基材を連続搬送しながらウェットブラスト装置(マコー製)に1000番のアルミナ砥粒を16容量%水に混合したものを0.2MPaのエアーとともに順次表裏に吹き付け、外層導体表面とビア用穴内部を物理的に洗浄した。4%苛性ソーダ水をスプレーして穴内の砥粒を洗浄した。
次に基材を連続搬送しながらダイレクトプレーティング(ライザトロンDPSプロセス:荏原ユージライト製)の工程に従ってビア用穴内及び外層部材周囲の導通化処理を行った。
続いて、基材を搬送しつつ市販の酸性脱脂液、10%硫酸中に浸漬したのち、内層基材上に形成され露出している電解めっき用給電部にカソード給電ローラーを接触しつつ電解銅めっき液(キューブライトシステム:荏原ユージライト製)中で両面とも3A/dmの電流密度で25分間めっきを行った。
続いて連続搬送しながら厚さ15μmのドライフィルムレジスト(サンフォート:旭化成製)をロールラミネーターで温度110℃ロール圧0.4MPaで両面同時に貼り付けた。
次ぎに基材を順次搬送しつつ投影露光器(ウシオ電機製)でマスクパターンを120mJ露光した。裏面もマスクを変えて同様に露光した。
次いで、連続搬送しながらドライフィルムレジストの保護PETフィルムを剥離して、1%炭酸ソーダ水を両面にスプレーして現像し、未露光部のレジストを除去した。続いて、42ボーメの塩化第二鉄液を0.2MPaでスプレーしてエッチングを行い、レジスト除去部の銅を除去して配線パターンを得た。次ぎに4%苛性ソーダ水溶液で残ったレジストを剥離して4層配線板を得た。
得られた4層配線板のビア十万接続の導通を調べた結果接続不良箇所は無かった。切り出しビアチェーン部分の抵抗を測定しながら(150℃、30分→室温で5分→−55℃で30分)を1サイクルとして、500サイクル繰り返し接続信頼性を調べたところ抵抗変化は1%以内であった。
本発明における多層ビルドアップ配線板は、携帯機器など用の薄型モジュール用多層配線板、携帯映像機器などのボディー曲面にそうようなフレキシブルな多層配線板、フレキシブルなリード部を兼ね半導体チップを搭載した携帯用液晶モジュール用基板、半導体パッケージ用のインターポーザー特に半導体を積層し折り曲げ可能な配線板でチップ間が接続されているインターポーザーなど、薄くて高密度な更にはフレキシビリティーを必要とする部位に特に制約無く幅広く利用可能である。
ビルドアップ多層配線基板の一実施例を示す模式構成断面図である。 図1に示すビルドアップ多層配線基板の製造方法の一実施例を工程順の一部を示す模式構成断面図である。 図1に示すビルドアップ多層配線基板の製造方法の一実施例を工程順の一部を示す模式構成断面図である。 ビルドアップ多層配線基板の別の一実施例を示す模式構成断面図である 図4に示すビルドアップ多層配線基板の製造方法の一実施例を工程順の一部を示す模式構成断面図である。 図4に示すビルドアップ多層配線基板の製造方法の一実施例を工程順の一部を示す模式構成断面図である。 図2(d)に示す基板151dのビア又はアライメントマークのある部分を拡大して示す模式的断面図である。 図5(d)に示す基板171dのビア又はアライメントマークのある部分を拡大して示す模式的断面図である。 内層回路基板151を複数有するテープ基板150の模式的な平面図を示す。 内層回路基板(151a,171a)を複数有するテープ基板150の模式的な平面図を示す。
符号の説明
102a,102b:内層回路基板の導体配線(複数の導体配線)、
102d:内層回路基板の両端部の導体層、
102e:内層回路基板の両端部の導体層で外層基材に覆われていない部分、
103a,103b,121a,121b:内層回路基板のアライメントマーク、
104a,104b:外層絶縁層、
105a,105b:外層基材の導体層、
106a,106b:接着層、
107a,107b:外層基材のアライメントマーク、
108a,108b:ビア、
109,115a,115b:電解めっき層、
111a,111b:レジスト層、
112a,112b:レジスト層が現像除去されて電解めっき層が現れた部分、
113a,113b:残存レジスト層、
114:内層絶縁層、
116a,116b:ビア、
116c:内層回路基板のビア、
117a,117b:外層基材の導体配線(複数の導体配線)、
122a,122b:テープキャリア用のスプロケットホール、
141:加工残渣、
145,146:オーバーエッチングした部分、
150,170:内層回路基板を複数有するテープ基板、
151:内層回路基板、
151a,151b,151c,151d,151e,151f:ビルドアップ多層配線基板作成途中の基板、
152a,152b:外層基材、
153,154:4層のビルドアップ多層配線基板、
171a,171b,151c,171d,151e,171f:ビルドアップ多層配線基板作成途中の基板、
172a,172b:外層基材、
173,174:4層のビルドアップ多層配線基板。

Claims (14)

  1. 内層絶縁層の少なくとも片面に導体配線回路パターンとを有する内層回路基板に、接着層
    、外層絶縁層及び外層導体層とを積層してビルドアップ多層配線基板を製造する方法であ
    り、
    接着層と外層絶縁層とは化学デスミア耐性の異なる成分のものを用いて、
    内層回路基板の導体配線回路パターンを有する面に、内層回路基板の導体配線回路パターンの一部又は全部を覆うように、接着層、外層絶縁層及び外層導体層を積層する工程と、少なくとも外層導体層、外層絶縁層及び接着層を穴あけ加工して複数のビアを形成する工程と、
    穴あけ加工で生じたビア内残渣のクリーニング処理を物理的洗浄で行う工程と、
    ビア内に導通化処理を行い、ビア内に導体層を形成して、内層回路基板の導体配線と外層
    導体層とをビアの導体層を介して電気的に接続させ、その後外層導体層から導体配線回路パターンを形成する工程又は、ビア内に導通化処理を行い、内層回路基板の導体配線と外層導体層とをビアの導体層を介して電気的に接続させると同時に導体配線回路パターンとして外層導体層を形成する工程と、
    を有し、
    前記物理的洗浄法が、ウェットブラスト法である
    ことを特徴とするビルドアップ多層配線基板の製造法。
  2. 少なくとも外層導体層、外層絶縁層及び接着層を穴あけ加工して複数のビアを形成する工程は、内層回路基板としてアライメントマークを有する基板を用いて、内層回路基板のアライメントマークを基準として、少なくとも外層導体層、外層絶縁層及び接着層を穴あけ加工して複数のビアと外層アライメントマークを形成する工程であり、
    外層導体層から導体配線回路パターンを形成する工程は、外層アライメントマークを基準として外層導体層から導体配線回路パターンを形成する工程、
    又は、内層回路基板の導体配線と外層導体層とをビアの導体層を介して電気的に接続させると同時に導体配線回路パターンとして外層導体層を形成する工程は、内層回路基板の導体配線と外層導体層とをビアの導体層を介して電気的に接続させると同時に外層アライメントマークを基準として導体配線回路パターンとして外層導体層を形成する工程、
    であることを特徴とする請求項1に記載のビルドアップ多層配線基板の製造法。
  3. 内層回路基板はさらに導体配線回路パターンを有する面に電解メッキ用給電部を有するものを用いて、
    内層回路基板の導体配線回路パターンを有する面に、内層回路基板の導体配線回路パターンの一部又は全部を覆うように、接着層、外層絶縁層及び外層導体層を積層する工程が、内層回路基板の導体配線回路パターンの一部又は全部と、内層回路基板の電解メッキ用給
    電部の一部とを覆うように、接着層、外層絶縁層及び外層導体層とを積層する工程、
    であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のビルドアップ多層配線基板の製造法。
  4. 内層絶縁層の少なくとも片面に導体配線回路パターンを有する内層回路基板に、接着層及び接着層とは反対側の面がめっき法にて導体層を形成可能である外層絶縁層とを積層してビルドアップ多層配線基板を製造する方法であり、
    接着層と外層絶縁層とは化学デスミア耐性の異なる成分のものを用いて、
    内層回路基板の導体配線回路パターンを有する面に、内層回路基板の導体配線回路パター
    ンの一部又は全部を覆うように、接着層及び接着層とは反対側の面がめっき法にて導体層を形成可能である外層絶縁層を積層する工程と、
    少なくとも外層絶縁層及び接着層を穴あけ加工して複数のビアを形成する工程と、
    穴あけ加工で生じたビア内残渣のクリーニング処理を物理的洗浄で同時に行う工程と、
    ビア内及び外層絶縁層の外側表面にめっき法により導体層(以後、外層導体層という)を形成して内層回路基板の導体配線と外層導体層とをビアの導体層を介して電気的に接続させ、その後外層導体層から導体配線回路パターンを形成する工程又は、ビア内及び外層絶縁層の外側表面にめっき法により導通化処理を行い、配線回路パターン形状に外層導体層を設けると同時に、内層回路基板の導体配線と外層導体層とをビアの導体層を介して電気的に接続させる工程、又はビア内及び外層絶縁層の外側表面にめっき法により、配線回路パターン形状に外層導体層を設けると同時に、内層回路基板の導体配線と外層導体層とをビアの導体層を介して電気的に接続させる工程と、
    を有し、
    前記物理的洗浄法が、250nm以下の深紫外光照射法である
    ことを特徴とするビルドアップ多層配線基板の製造法。
  5. 少なくとも外層絶縁層及び接着層を穴あけ加工して複数のビアを形成する工程は、内層回路基板としてアライメントマークを有する基板を用いて、内層回路基板のアライメントマークを基準として、少なくとも外層絶縁層及び接着層を穴あけ加工して複数のビアと外層アライメントマークを形成する工程であり、
    外層導体層から導体配線回路パターンを形成する工程が、外層アライメントマークを基準として外層導体層から導体配線回路パターンを形成する工程、
    又は、配線回路パターン形状に外層導体層を設けると同時に、内層回路基板の導体配線と外層導体層とをビアの導体層を介して電気的に接続させる工程が、外層アライメントマークを基準として配線回路パターン形状に外層導体層を設けると同時に、内層回路基板の導体配線と外層導体層とをビアの導体層を介して電気的に接続させる工程
    であることを特徴とする請求項4に記載のビルドアップ多層配線基板の製造法。
  6. 内層回路基板はさらに導体配線回路パターンを有する面に電解メッキ用給電部を有するものを用いて、
    内層回路基板の導体配線回路パターンを有する面に、内層回路基板の導体配線回路パターンの一部又は全部を覆うように、接着層及び接着層とは反対側の面がめっき法にて導体層を形成可能である外層絶縁層を積層する工程が、
    内層回路基板の導体配線回路パターンの一部又は全部と、内層回路基板の電解メッキ用給電部の一部とを覆うように、接着層及び接着層とは反対側の面がめっき法にて導体層を形成可能である外層絶縁層を積層する工程、
    であることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載のビルドアップ多層配線基板の製造法。
  7. ビア内に導通化処理を行い、ビア内に導体層を形成して、内層回路基板の導体配線と外層導体層とを電気的に接続させる工程が、
    ビア内をダイレクトプレーティングシステム又は無電解金属めっきにより導通化してビア内に導通化部を形成し、さらにビア内の導通化部と外層導体層とを同時に電解金属めっきを行い内層回路基板の導体配線と外層導体層とを電気的に接続させる工程、
    であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のビルドアップ多層配線基板の製造法。
  8. ビア内及び外層絶縁層の外側表面にめっき法により導体層(以後、外層導体層という)を形成して内層回路基板の導体配線と外層導体層とをビアの導体層を介して電気的に接続させ、その後外層導体層から導体配線回路パターンを形成する工程又は、ビア内及び外層絶縁層の外側表面にめっき法により導通化処理を行い、配線回路パターン形状に外層導体層を設けると同時に、内層回路基板の導体配線と外層導体層とをビアの導体層を介して電気的に接続させる工程が、
    洗浄したビア内の導通化および外層絶縁層の外側表面の導通化は少なくとも無電解金属めっきを含んだ無電解めっきプロセスによって同時に行い、さらにビア内の導通化部と外層基材の導通層とを同時に電解金属めっきを行うことにより内層の導体配線と外側の導体層とを電気的に接続する工程、
    であることを特徴とする請求項4〜6のいずれか1項に記載のビルドアップ多層配線基板
    の製造法。
  9. 内層回路基板は、基板表面より銅箔の表面処理剤であるNi、Cr、Co、Zn、Sn及びMoから選ばれる少なくとも1種の金属及びこれらの金属を少なくとも1種含む合金を除去する洗浄処理が行われた内層回路基板であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載のビルドアップ多層配線基板の製造法。
  10. 内層絶縁層及び外層絶縁層は、耐熱性樹脂フィルムであり、
    接着層は熱硬化型成分を含む接着層であり、
    外層導体層は、外層絶縁層の片面に直接又は接着層を介して積層されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のビルドアップ多層配線基板の製造法。
  11. 内層絶縁層及び外層絶縁層は、耐熱性樹脂フィルムであり、
    接着層は熱硬化型成分を含む接着層であることを特徴とする請求項4〜6のいずれか1項に記載のビルドアップ多層配線基板の製造法。
  12. 耐熱性樹脂フィルムはポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリエステルイミド、ポリエステル及び液晶ポリマーから選択される素材を用いていることを特徴とする請求
    項1〜11のいずれか1項に記載のビルドアップ多層配線基板の製造法。
  13. 内層回路基板は直径250mmφのロールに巻き取り可能である長尺状の基板であり、
    内層絶縁層及び外層絶縁層の厚みは5〜150μm及び5〜50μmであるフレキシブル性を有する基板、
    であることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載のビルドアップ多層配線基板の製造法。
  14. 請求項1〜13のいずれか1項に記載のビルドアップ多層配線基板の製造法より得られるビルドアップ多層配線基板。
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