JP4370490B2 - ビルドアップ多層プリント配線板及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ビルドアップ多層プリント配線板の製造方法に関する。
【0002】
近年、電子機器の小型化、軽量化、多機能化が一段と進み、これに伴い、LSIやチップ部品等の高集積化が進展し、その形態も多ピン化、小型化へと急速に変化している。このため、多層プリント配線板には、電子部品の実装密度を向上するために、配線パターンの高密度化が一層求められるようになった。
これらの要望を満たすために、層間の薄型化、配線の微細化、層間接続穴の小径化が行われ、また、隣接する層間の導体のみを接続するインタースティシャルバイアボール(以下、IVHという。)や、ベリードバイアボール(以下、BVHという。)が用いられるようになり、このIVHやBVHも更に小径化されつつある。
配線の多層化には、通常、複数の回路層と該間の層間絶縁層をまとめて重ね、加熱加圧して積層一体化し、必要な箇所に穴をあけ接続する多層配線板と、回路を形成した上に層間絶縁層を形成し、その上に更に回路を形成し、必要な箇所に穴を設け、というように回路層と絶縁層とを順次形成するビルドアップ多層配線板とがある。
ビルドアップ多層配線板の一例を示すと、めっきスルーホールと内層回路とが形成された内層回路板のスルーホールに、シルクスクリーン印刷法などによって熱硬化性樹脂を穴が塞がるように埋め、加熱して硬化した後、穴からはみ出した樹脂を研磨などにより除去し、熱硬化性の樹脂を塗布し、加熱硬化して絶縁層を形成し、その絶縁層の一部を選択的に除去することによって層間接続用の穴を設け、無電解めっきなどによってその層間接続用の穴内壁の金属化を行った後、基板表面にめっきレジストを形成しパターン電気めっき後めっきレジストを剥離しクイックエッチングにより下地銅めっきをエッチングすることにより回路を形成する。この回路を形成したものを内層回路板とすれば、上記と同様の操作によりさらに1層の絶縁層及び回路層の形成ができ、これを繰り返すことによって、必要とする多層回路が形成できる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このようなビルドアップ多層配線板は、回路を形成するために下地銅めっきをエッチングした後、表面処理の無電解ニッケル/金めっきのふり抑制及びイオンマイグレーション性向上のため、無電解銅めっきの触媒であるパラジウムを除去する必要がある。しかし、パラジウムの剥離剤や過マンガン酸の粗化剤を用いた場合、配線の細りや配線の剥離などが発生する不具合のため、歩留まりの低下をまねいていた。本発明は、工程の簡略化が図れ、微細配線の形成性に優れ、無電解ニッケル/金めっきのふりがなく、生産性に優れ、微細配線に適した多層プリント配線板の製造方法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明の製造方法からなる多層プリント配線板は、下地銅上にめっきレジストを形成しパターンめっきを行い、めっきレジストを剥離した後下地銅を除去して回路を形成した後無電解ニッケル金めっきを施すことからなるビルドアップ多層プリント配線板において、下地銅としてキャリア銅と下地銅の間に中間層を有する複合金属箔を使用することを特徴とするビルドアップ多層プリント配線板である。本発明の製造方法からなるビルドアップ多層プリント配線板は、内層基板にスルーホールがあり、内層基板の上にバイアホールが形成された絶縁層と導体回路が積層されたビルドアップ多層プリント配線板において、内層基板のスルーホールがビルドアップ層と同一の絶縁樹脂で充填されており、キャリア銅と下地銅の間に中間層を有する複合金属箔を使用することを特徴とする。
【0005】
本発明のビルドアップ多層プリント配線板の製造方法は、以下の工程を、この順序に行うことを特徴とする。
a1 熱硬化性樹脂ワニスに電気絶縁性セラミック系ウィスカを配合し、均一に分散させた後、樹脂との接着に適した粗さを有する0.1〜1μmの厚さの下地銅層と、全体としての金属層として取り扱いに十分な強度を有する厚さ10〜150μmのキャリア銅層と、その2層の中間に設けられた厚さが0.04〜1.5μmのニッケル−リン合金層からなる複合金属箔の下地銅層の粗化面に塗布し、加熱半硬化させ、熱硬化性樹脂層を形成し、予めめっきスルーホールと第1の導体回路を形成した内層板の上に、前記熱硬化性樹脂層を重ね、加熱加圧して積層一体化する工程(但し、厚さ1μmの下地銅層は除く)。
a2 キャリア層のみを除去する工程。
a3 ニッケル−リン合金層のみを除去する工程。
b IVHを形成するための穴の形状にレーザ光を照射することにより、前記内層板の回路導体が露出するまで除去して、バイアホールとする工程。
c バイアホール壁面の前記硬化した熱硬化性樹脂層を、粗化剤を用いて粗化する工程。
d 前記内層回路導体と前記銅箔とを電気的に接続するために、無電解銅めっきを行う工程。
e 前記銅箔上にめっきレジストを形成し、該めっきレジストで形成されたスペース部に電気銅めっきを施し、第2の導体回路を形成する工程。
f 前記めっきレジストを除去する工程。
g 下地銅を除去する工程。
h 導体回路表面に凹凸を形成し、層間の接着力を高める工程。
i aからhでの工程を必要な回数繰り返すことによりビルドアップ層を形成する工程。
j ソルダーレジストを形成する工程。
k 無電解ニッケル・金めっきを施す工程。
【0006】
【発明の実施の形態】
(熱硬化性樹脂)
本発明の熱硬化性樹脂には、種々のものが使用でき、従来においてガラス布に含浸して使用していた樹脂、例えば、分子量が30,000を超えない樹脂であって、エポキシ樹脂、ビストリアジン樹脂、ポリイミド樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、珪素樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、シアン酸エステル樹脂、イソシアネート樹脂、またはこれらの変性樹脂などがある。
中でも、エポキシ樹脂、ビストリアジン樹脂及びポリイミド樹脂は、Tg 弾性率、硬度が高く好ましい。
エポキシ樹脂としては、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、サリチルアルデヒドノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールFノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジアルアミン型エポキシ樹脂、ヒダントイン型エポキシ樹脂、イソシアヌレート型エポキシ樹脂、脂肪族環状エポキシ樹脂ならびにこれらのハロゲン化物、水素添加物から選択されたものを使用でき、併用することもできる。中でも、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂とサリチルアルデヒドノボラック型エポキシ樹脂は、耐熱性に優れ好ましい。
【0007】
(電気絶縁性セラミック系ウィスカ)
本発明に使用する電気絶縁性セラミック系ウィスカには、弾性率が200MPa以上必要であり、200MPa未満では剛性が不足し板厚が薄い場合、チップ搭載後のそりが大きくマザーボードヘの実装性が低下する。
このような電気絶縁性セラミック系ウィスカには、例えば、ほう酸アルミニウム、ウォラスナイト、チタン酸カリウム、塩基性硫酸マグネシウム、窒化珪素、及びα−アルミナの中から選択して用いることができる。中でも、ほう酸アルミニウムとチタン酸カリウムは、モース硬度が従来のEガラスと同程度であり、従来のプリプレグと同等のワイヤボンディング性が得られ、さらに、ほう酸アルミニウムは、弾性率が400MPaと高い上に、ワニスと混合しやすく好ましい。
この電気絶縁性セラミック系ウィスカの形状としては、平均直径が0.3〜3μm、平均長さが平均直径の5倍以上であることが必要である。平均直径が0.3μm未満であると、樹脂ワニスヘの混合が困難となり、3μmを超えると、樹脂への分散が十分でなく、塗布した表面の凹凸が大きくなり、好ましくない。この平均直径は、0.3〜1μmの範囲がより好ましい。平均長さが、5倍未満であると、樹脂の剛性が得られず、さらには20倍以上であることがより好ましい。また、上限として、30μm以下であることが好ましく、この数値は、内層回路の回路間隔より小さいことが必要であり、現状では内層回路間隔が30μm未満のものが無いためである。この平均長さが、内層回路の間隔を超えると、両回路に接触した場合に、電気絶縁性セラミック系ウィスカに沿って銅のイオンマイグレーションが起こり易く、回路が短絡する可能性が高いので好ましくない。
この電気絶縁性セラミック系ウィスカと熱硬化性樹脂との濡れ性を高めるために、電気絶縁性セラミック系ウィスカの表面をカップリング剤で処理したものを用いることが好ましく、このようなカップリング剤には、シリコン系カップリング剤、チタン系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、ジルコニウム系カップリング剤、ジルコアルミニウム系カップリング剤、クロム系カップリング剤、ボロン系カップリング剤、リン系カップリング剤、アミノ系カップリング剤などから選択して使用できる。
【0008】
(硬化剤)
本発明の熱硬化性樹脂に用いる硬化剤には、上記した樹脂に用いる硬化剤であればどのようなものでも使用でき、例えば、樹脂にエポキシ樹脂を用いる場合には、ジシアンジアミド、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ポリビニルフェノール樹脂、ノボラック樹脂、ビスフェノールAノボラック樹脂が耐熱性に優れ好ましい。
この硬化剤の前記熱硬化性樹脂に対する配合比は、前記熱硬化性樹脂100重量部に対して、2〜100重量部の範囲が好ましく、ジシアンジアミドであれば、2〜5重量部、それ以外の上記硬化剤であれば、30〜80重量部の範囲が好ましい。2重量部未満であると硬化不足となり、耐熱性が低下し、100重量部を超えると、電気特性や耐熱性が低下する。
【0009】
(硬化促進剤)
本発明の熱硬化性樹脂と硬化剤には、さらに、硬化促進剤を用いることが望ましく、熱硬化性樹脂がエポキシ樹脂の場合には、硬化促進剤には、イミダゾール化合物、有機リン化合物、第3級アミン、第4級アンモニウム塩などを使用することができる。
この硬化促進剤の配合比は、前記熱硬化性樹脂100重量部に対し、0.01〜20重量部の範囲が好ましく、0.1〜1.0重量部の範囲がより好ましい。0.01重量部未満であると、硬化不足となり耐熱性が低下し、20重量部を超えると、Bステージの寿命が短くなり耐熱性が低下する。
【0010】
(希釈剤)
上記熱硬化性樹脂、電気絶縁性セラミック系ウィスカ、硬化剤、硬化促進剤は、溶剤に希釈して用いる。この溶剤には、アセトン、メチルエチルケトン、トルエン、キシレン、メチルイソブチレン、酢酸エチル、エチレングリコールモノメチルエーテル、メタノール、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等が使用できる。
この希釈剤の上記熱硬化性樹脂に対する配合比は、上記熱硬化性樹脂100重量部に対し、1〜200重量部の範囲が好ましく、30〜100重量部の範囲がより好ましい。1重量部未満であると、粘度が高くなり塗りムラができやすく、200重量部を超えると、粘度が低くなりすぎ必要な厚さにまで塗布することができない。
【0011】
(熱硬化性樹脂と電気絶縁性セラミック系ウィスカの割合)
熱硬化性樹脂と電気絶縁性セラミック系ウィスカの割合は、硬化した熱硬化性樹脂の中で電気絶縁性セラミック系ウィスカが、5〜50容積%となるように調整することが必要である。さらには、20〜40容積%であることがより好ましい。5容積%未満であると、熱硬化性樹脂のフィルム形成能が小さく、切断時に飛散する等、取り扱いが困難であり、剛性も低く、チップ実装後の基板のそりが大きくなり実装性が低下する。50容積%を超えると、前記工程a1において、加熱加圧成型時に、内層回路板の穴や回路間隔への埋め込みが不十分で、成形後にボイドやかすれを生じ、絶縁性が低下する。
【0012】
(工程a1)
この工程において、銅箔に、熱硬化性樹脂と電気絶縁性セラミック系ウィスカを塗布するには、上記熱硬化性樹脂、硬化剤、硬化促進剤、及び希釈剤を混合した溶液(以下、熱硬化性樹脂ワニスという)に、電気絶縁性セラミック系ウィスカを均一に混合したワニスを塗布し、加熱して、半硬化させるものであり、ブレードコータ、ロッドコータ、ナイフコータ、スクイズコータ、リバースロールコータ、あるいはトランスファロールコータ等、銅箔と平行な方向にせん断力を負荷できるか、あるいは銅箔の面に垂直な方向に、圧縮力を負荷できる塗布方法を選択することが好ましい。
この熱硬化性樹脂ワニスの樹脂フローは、500μm以上あり、熱硬化性樹脂層の半硬化後の厚さが、25〜100μmの範囲であることが好ましい。この樹脂フローとは、樹脂の厚さが50μmの銅箔付きプリプレグに30mm角の穴をあけ、銅張り積層板の銅箔面に樹脂が接触するように重ね、170℃、2.5MPaで60分間、加熱加圧して積層接着したときに、30mm角の穴の縁から銅箔表面に流れ出した樹脂の最小距離である。
この樹脂フローは、500μmから10mmの範囲に調節することが好ましく、500μm未満であると、内層銅箔の埋め込み性が小さく表面に凹凸を生じ、10mmを超えると積層後の端部の厚さが薄く絶縁性が低下する。
【0013】
(工程a2,a3)
この工程は、薄い銅箔を扱う場合に、物理的に剥離可能なキャリアでは、取り扱いの工程で、銅箔表面に傷の発生や異物の付着が起こることもあり、これを防ぐために、密着度の高い複合金属箔を用い、キャリアの除去に、回路導体と異なる化学的除去条件を有する金属を用いるものである。ところで、このような金属層は、厚くすると経済的でなく、また、工程も長くなるので、エッチングを止めたい位置に、中間層を用いるものである。
また、キャリア銅層のみをエッチング除去する溶液としては、塩素イオンとアンモニウムイオンと銅イオンを含む溶液(以下、アルカリエッチャントという)を用いる。処理方法は、浸漬、噴霧などの溶液に接触させることによって行う。さらに、ニッケル−リン合金のみを除去する工程では、硝酸と過酸化水素を主成分とする液に、添加剤としてカルボキシル基を有する有機酸、環構成員として、−NH−、−N=の形で窒素を含む複素環式化合物を配合した水溶液に浸漬するか、あるいはそのような水溶液を噴霧して行う。
【0014】
(工程a4)
この工程a4は、上記工程a1に代えて用いることができるものであり、工程a1 おいて扱う絶縁性樹脂が単独でフイルム状となるものであればどのようなものでも良く、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、シアネートエステル樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂等はTgや弾性率、硬度が高く好ましい。
【0015】
(工程b)
この工程では、レーザ光を照射して下地銅層と樹脂を同時に、内層板の銅箔が露出するまで除去しバイアホールを形成する工程である。この工程において使用できるレーザーは、炭酸ガスレーザ、YAGレーザ、エキシマレーザ等があり、生産性の点から炭酸ガスレーザが好ましい。このときのレーザ光の照射条件は、時間が短く、出力の大きなパルス状の発振をするものが好ましく、例えば、1パルスの幅が1〜40μ秒、パルス繰り返し周波数が150〜10,000Hz、繰り返しパルス数が1〜10パルスの条件で、出力の大きさが、2〜5パルスの範囲で、穴加工できる出力の出せるレーザ発振器が、発振、制御が容易となり好ましい。この出力は、エネルギー密度にして、15〜40J/cm2の範囲である。
時間当たりの出力が、上記範囲未満であると、樹脂層を蒸発、発散することができず、上記範囲を超えると、必要以上の穴径となり制御が困難で、一旦蒸発した樹脂が炭化して付着することもあり、付着した炭化物の除去を行わなければならない。
下地銅層の厚さは0.1〜1μm以下の範囲がよく、レーザの加工性、パターンめっきの膜厚均一性、クイックエッチングによる配線形成性等の点から0.3〜0.6μmの範囲が好ましい。
【0016】
(工程c)
この工程で用いる粗化剤は、樹脂を膨潤、溶解するものであればどのようなものでも使用でき、通常は、アルカリ過マンガン酸水溶液を使用することが好ましい。
【0017】
(工程d)
この工程で行う無電解銅めっきは、通常の配線板のスルーホルめっきと同様の技術を用いる。すなわち、パラジウム等のめっきの核になる物質を、前記粗化した樹脂層に付着させ、イオン化しためっき金属と、めっき金属の錯化剤と、そのめっき金属の還元剤とを有する無電解めっき液に接触させ、壁全体にめっき金属を析出させる。このように、めっきを行うと、外層の銅箔と、IVHの壁面と、内層板の回路導体とを電気的に接続することができる。
この工程で行う無電解銅めっきは、内層回路と基板表面を電気的に接続できる厚さであればよく、1μm未満とすることが好ましく、更に好ましくは0.3から0.5μmがよい。
【0018】
(工程e)
この工程では、前記無電解めっきを1μm未満施した基板に感光性ドライフィルムフォトレジストをラミネートし、回路のスペースとなる部分に紫外線を照射し回路部分にある樹脂を現像液を用いて除去する。
この工程で行う電気めっきは、通常の電気めっきの技術を使うことができ、めっき液としてはシアン化銅めっき、ほう弗化銅めっき、ピロ燐酸銅めっき、硫酸銅めっき等があり安全性、浴管理の容易な硫酸銅めっきが好ましい。
【0019】
(工程f)
この工程では、一般的な剥離液である苛性ソーダやモノエタノールアミン等の剥離液が使用でき、なかでも浸透性の高いモノエタノールアミンが好ましい。
【0020】
(工程g)
この工程における下地銅及び導体回路の表面処理液としては、種々のものが使用できるが、エッチング速度の遅い酸系のエッチング液が好ましい。
【0021】
(工程h)
この工程における下地銅及び導体回路の表面処理液としては、種々のものが使用できるが、エッチング速度の遅い硫酸・過酸化水素系、有機酸系、硝酸系のエッチング液が好ましい。
【0022】
(工程i)
aからhでの工程を繰り返すことによりビルドアップ層を形成する工程。
【0023】
(工程j)
この工程におけるソルダーレジストとしては、一般的な熱硬化性及び感光性のフォトソルダーレジストを使用することができるが、微細なパターンを形成できることからフォトソルダーレジストが好ましい。
【0024】
(工程k)
この工程における無電解ニッケル・金めっきには、市販のものが適用できる。以下、本発明を実施例に基づき詳細に説明するが本発明はこれに限定されるものではない。
【0025】
【実施例】
実施例1
工程a1
図1(a)に示すように、厚さ0.4mmのガラス布−エポキシ樹脂含浸両面銅張り積層板であるMCL-E-679(日立化成工業(株)製、商品名)を使用し、穴あけ、無電解銅めっきを行い、スルーホール101に穴埋め材として熱硬化性樹脂M-650TH(アサヒ科研製、商品名)を印刷穴埋めし加熱硬化させ通常のサブトラクト法によって穴埋めしたスルーホール101を有する内層回路板1を作製した。
次に、図1(b)に示すように、厚さ0.5μmの下地銅層/厚さ0.2μmのニッケル−リン合金層/厚さ15μmのキャリア銅層からなる複合金属箔3の下地銅層の面に、下記の組成の熱硬化性樹脂ワニスに対して、30容積%のほう酸アルミニウムウィスカを混合、攪拌し、ナイフコータで塗布し、150℃で10分間乾燥して、半硬化させた厚さ50μmの熱硬化性樹脂2を有する銅箔付き接着フィルムを作製した。
【0026】
(熱硬化性樹脂ワニスの組成)
・ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ当量:200)
100重量部
・ビスフェノールAノボラック樹脂(水酸基当量:106) 60重量部
・2−エチル−4−メチルイミダゾール(硬化剤) 0.5重量部
・メチルエチルケトン(希釈剤) 100重量部
このようにして作製した内層板1と銅箔付き接着フイルムとを、内層板1の両面の回路導体と接着フィルムの熱硬化性樹脂層2とが接するように重ね、170℃で、60分間、2.5MPaの圧力で、加熱加圧して積層一体化した。この条件による樹脂フローは3mmであった。
【0027】
工程a2
キャリア銅層のみを、以下のアルカリエッチャントでエッチング除去した。
(アルカリエッチャント組成)
・Cucl2・・・・・・・・・・・・・175g/1
・NH4OH・・・・・・・・・・・・・154g/1
・NH4cl・・・・・・・・・・・・・236g/1
液温:50℃
【0028】
工程a3
ニッケル−リン合金層のみを以下のエッチング液で、エッチング除去した。
(エッチング液組成)
・硝酸・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・200g/1
・過酸化水素水(35%)・・・・・・・・・・・・・10m1/1
・カルボキシル基を含む有機酸(DL−リンゴ酸)・・・100g/1
・ベンゾトリアゾール・・・・・・・・・・・・・・5g 1
【0029】
工程b
前記硬化した熱硬化性樹脂層を、炭酸ガスレーザー光によって、エネルギー密度20J/cm2、発振時間5μ秒、発振周波数500Hz、4パルスの条件で、照射することにより、前記内層板の回路導体が露出するまで除去して、IVH4を形成した。(図1e)
【0030】
工程c
前記硬化した熱硬化性樹脂層の基板表面とIVH壁面を、粗化剤である7%のアルカリ過マンガン酸水溶液を用いて、液温70℃、時間10分間の条件で粗化した。
【0031】
工程d
前記粗化を施した基板の表面及びバイアホール壁面に無電解銅めっき触媒付与処理液であるHS-202B(日立化成工業(株)製、商品名)に、室温で10分間基板を接触させ基板表面及びバイアホール壁面に触媒を付与した。前記触媒を付与した基板の表面およびバイアホールの壁面に、無電解銅めっき液であるCUST-201(日立化成工業(株)製、商品名)に、基板を浸漬し下地銅層を0.3μm行った。めっき膜厚の測定は、SFT8000(セイコー電子製、商品名)を使用した。(図1f)
【0032】
工程e
前記銅表面に、ドライフィルムフォテックRY3025(日立化成工業(株)製、商品名)を使用し、間隙となる部分にめっきレジスト5を形成した。前記めっきレジストを形成した基板を、硫酸銅めっき液を用いて導体回路の厚さが15μmとなるようにパターン電気めっき6を行った。(図1g)
【0033】
工程f
前記電気めっきを行った基板を、剥離液RS-2000(アトテツク製、商品名)を用いて、50℃、スプレー圧0.2MPa、1分間の条件で一般的なスプレー式剥離機を用いてめっきレジストを剥離した。(図1h)
【0034】
工程g
下地銅のエッチング液として、コブラエッチ(荏原電産製、商品名)を用いて、30℃、スプレー圧0.2MPa、1分間の条件で一般的なスプレー式エッチング機を用いて下地銅を除去した。(図1i)
【0035】
工程h
導体回路の表面に凹凸を形成する液として、CZ-8100(メック(株)製、商品名)を用いて下地銅と導体回路表面の粗化を同時に行った。エッチング量は、3μmの設定で行った。
【0036】
工程i
工程aから工程hでを繰り返し、2段ビルドアップ基板を作製する工程。
【0037】
工程j
前記2段ビルドアップ基板表面にソルダーレジストSR-7000を印刷し、80℃、20分間乾燥した後、開口部となる部分に紫外光をさえぎるようにパターンを作製したフォトマスクを位置合わせし、450mJ/cm2の露光量で露光した後、炭酸ナトリウム1.5%溶液でスプレー圧0.2MPaで現像し、後露光1J/cm2、後加熱150℃、60分を行いソルダーレジストを形成した。
【0038】
工程k
以下の工程を用いて無電解ニッケル金めっきを行った。
・脱脂処理:Z-200((株)ワールドメタル社製、商品名)に、50℃で、1分間浸漬処理する。
・水洗:室温で、2分間、流水で洗浄する。
・ソフトエッチング:100g/1過硫酸アンモニウムに、室温で、1分間浸漬処理する。
・水洗:室温で、2分間、流水で洗浄する。
・酸洗処理:10%硫酸に、室温で、1分間浸漬処理する。
・水洗:室温で、2分間、流水で洗浄する。
・活性化:無電解めっき用触媒溶液SA-100(日立化成工業(株)製、商品名)に、室温で、5分間浸漬処理する。
・水洗:室温で、2分間、流水で洗浄する。
・無電解ニッケルめっき:無電解ニッケルめっき液であるNIPS-100(日立化成工業(株)製、商品名)に85℃で、20分間浸漬処理する。この無電解ニッケルめっき皮膜の析出形態は層状であった。
・水洗:室温で、2分間、流水で洗浄する。
・無電解金めっき:無電解金めっきであるHGS-500(日立化成工業(株)製、商品名)に、85℃で、5分間浸漬処理する。
・水洗:室温で、2分間、流水で洗浄する。
【0039】
実施例2
熱硬化性樹脂ワニスに対して、10容積%のほう酸アルミニウムウィスカを配合した以外は、全て実施例1と同様に行った。
実施例3
工程a1に代えて単独でフイルム状となる熱硬化性樹脂としてMCF-7000LX(日立化成工業(株)製、商品名)を使用した以外は、実施例1と同様にして作製した。
【0040】
比較例1
工程a1で使用した樹脂付き複合金属箔に代えて、アルカリ過マンガン酸に粗化性のあるエポキシ樹脂を用いてラミネートした以外は実施例1と同様にして作製した。
比較例2
工程a1で使用した複合金属箔に代えて、5μmキャリア付き銅箔を使用した以外は、施例1と同様にして作製した。
実施例及び比較例における結果を表1に示す。
【0041】
【表1】
【0042】
【発明の効果】
以上詳細に説明したとおり、本発明によれば、配線の微細化、無電解ニッケルめっきのふりのない、また、IVH,BVHの小径化に優れ、かつ強度に優れ、接続信頼性に優れ、生産性に優れた多層プリント配線板及びその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(i) は、本発明の一実施例を説明するための各工程を示す断面図。
【符号の説明】
1.内層板
2.電気絶縁性セラミック含有絶縁樹脂層
3.複合金属箔
4.バイアホール
5.めっきレジスト
6.パターン銅めっき
7.ソルダーレジスト
8.無電解ニッケル・金めっき
101.スルーホール
301.下地銅
Claims (4)
- 以下の工程を、この順に行うことを特徴とするビルドアップ多層プリント配線板の製造方法。
a1 熱硬化性樹脂ワニスに電気絶縁性セラミック系ウィスカを配合し、均一に分散させた後、樹脂との接着に適した粗さを有する0.1〜1μmの厚さの下地銅層と、全体としての金属層として取り扱いに十分な強度を有する厚さ10〜150μmのキャリア銅層と、その2層の中間に設けられた厚さが0.04〜1.5μmのニッケル−リン合金層からなる複合金属箔の下地銅層の粗化面に塗布し、加熱半硬化させ、熱硬化性樹脂層を形成し、予めめっきスルーホールと第1の導体回路を形成した内層板の上に、前記熱硬化性樹脂層を重ね、加熱加圧して積層一体化する工程(但し、厚さ1μmの下地銅層は除く)。
a2 キャリア層のみを除去する工程。
a3 ニッケル−リン合金層のみを除去する工程。
b IVHを形成するための穴の形状にレーザ光を照射することにより、前記内層板の回路導体が露出するまで除去して、バイアホールとする工程。
c バイアホール壁面の前記硬化した熱硬化性樹脂層を、粗化剤を用いて粗化する工程。
d 前記内層回路導体と前記銅箔とを電気的に接続するために、無電解銅めっきを行う工程。
e 前記銅箔上にめっきレジストを形成し、該めっきレジストで形成されたスペース部に電気銅めっきを施し、第2の導体回路を形成する工程。
f 前記めっきレジストを除去する工程。
g 下地銅を除去する工程。
h 導体回路表面に凹凸を形成し、層間の接着力を高める工程。
i aからhでの工程を必要な回数繰り返すことによりビルドアップ層を形成する工程。
j ソルダーレジストを形成する工程。
k 無電解ニッケル・金めっきを施す工程。 - 工程a1代えて、工程a4として充填材を含まないフイルムを使用して積層一体化する請求項1に記載のビルドアップ多層プリント配線板の製造方法。
- 熱硬化性樹脂の樹脂フローが500μm以上あり、熱硬化性樹脂層の半硬化後の厚さが25〜100μmの範囲である請求項1又は2に記載のビルドアップ多層プリント配線板の製造方法。
- 熱硬化性樹脂に配合する電気絶縁性セラミック系ウィスカの配合量が、5〜50容積%である請求項1乃至3のいずれかに記載のビルドアップ多層プリント配線板の製造方法。
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