JP5122116B2 - 熱伝導性樹脂組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、成形性及び摩耗特性に優れた絶縁性の熱伝導性樹脂組成物に関するものであり、更に詳しくは、放熱性を要求される各種自動車部品・電気電子部品等に用いられる熱伝導性に優れた液晶性ポリマー組成物に関する。
異方性溶融相を形成し得る液晶性ポリマーは、熱可塑性樹脂の中でも寸法精度、制振性に優れ、成形時のバリ発生が極めて少ない材料として知られている。従来、このような特徴を活かし、ガラス繊維強化による液晶性ポリマー組成物が各種電気電子部品の材料として多く採用されてきた。しかし、近年、これらの部品が軽薄短小化され、部品等の内部の放熱が問題となってきており、放熱性を付与した材料の要求がでてきている。
このような理由から、熱可塑性樹脂に特定粒径のアルミナを添加し、成形性と熱伝導率を向上させる方法が提案されているが(特許文献1)、この方法では成形性は向上するものの、アルミナのモース硬度が高いことから、樹脂との混練時や成形時に押出機、成形機のスクリュー、シリンダーや成形金型が激しく摩耗し、金属が混入する問題があった。
一方、液晶性ポリマーに黒鉛を配合し、熱伝導性を付与する方法が提案されているが(特許文献2)、この方法ではフィラーによるスクリュー等の摩耗は起きないものの、熱伝導性と同時に電気伝導性が付与されるため、電気絶縁性が要求されるような分野では使用できないという問題があった。
また、熱可塑性樹脂にアスペクト5以上の熱伝導性フィラーを添加することが提案されているが(特許文献3)、実施例として挙げられているのはPBO(ポリベンザゾール)繊維のみであり、他の繊維状熱伝導性フィラーについては検討されておらず、また繊維状フィラーだけでは熱伝導性を向上させるためにフィラーを大量に添加した際に流動性が著しく低下する問題があった。
その他、熱可塑性樹脂に不定形の酸化チタンを添加し、光反射性、遮光性の向上や、光触媒として用いることが提案されているが(特許文献4、5)、これらには熱伝導性向上についての検討は行われていない。
特開2002−146187号公報 特開2006−257174号公報 特開2006−116894号公報 特開2004−75770号公報 特開2003−253130号公報
本発明は、かかる従来技術の欠点を解決し、絶縁性で、成形性及び摩耗特性に優れた熱伝導性の高い材料を提供することを目的とする。
本発明者等は上記問題点に鑑み、成形性及び摩耗特性に優れた熱伝導性の高い液晶性ポリマー組成物について鋭意探索、検討を行ったところ、液晶性ポリマーに対し、特定の繊維状熱伝導性フィラーと特定の板状・球状・不定形の熱伝導性フィラーを併用配合することが極めて有効であることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち本発明は、
(A) 液晶性ポリマー100重量部に対し、
(B) 熱伝導率3W/m・K以上、アスペクト比10以上の繊維状酸化チタン10〜200重量部、
(C) 熱伝導率2W/m・K以上の板状・球状・不定形の何れか1種以上の熱伝導性フィラー10〜400重量部を添加してなり、
(B) 、(C) 成分の総添加量が(A) 液晶性ポリマー100重量部に対し30〜500重量部であり、熱伝導率0.8W/m・K以上であることを特徴とする絶縁性の熱伝導性樹脂組成物である。
以下、本発明を詳細に説明する。本発明で使用する液晶性ポリマー(A) とは、光学異方性溶融相を形成し得る性質を有する溶融加工性ポリマーを指す。異方性溶融相の性質は、直交偏光子を利用した慣用の偏光検査法により確認することが出来る。より具体的には、異方性溶融相の確認は、Leitz偏光顕微鏡を使用し、Leitzホットステージに載せた溶融試料を窒素雰囲気下で40倍の倍率で観察することにより実施できる。本発明に適用できる液晶性ポリマーは直交偏光子の間で検査したときに、たとえ溶融静止状態であっても偏光は通常透過し、光学的に異方性を示す。
前記のような液晶性ポリマー(A) としては特に限定されないが、芳香族ポリエステル又は芳香族ポリエステルアミドであることが好ましく、芳香族ポリエステル又は芳香族ポリエステルアミドを同一分子鎖中に部分的に含むポリエステルもその範囲にある。これらは60℃でペンタフルオロフェノールに濃度0.1重量%で溶解したときに、好ましくは少なくとも約2.0dl/g、さらに好ましくは2.0〜10.0dl/gの対数粘度(I.V.)を有するものが使用される。
本発明に適用できる液晶性ポリマー(A) としての芳香族ポリエステル又は芳香族ポリエステルアミドとして特に好ましくは、芳香族ヒドロキシカルボン酸、芳香族ヒドロキシアミン、芳香族ジアミンの群から選ばれた少なくとも1種以上の化合物を構成成分として有する芳香族ポリエステル、芳香族ポリエステルアミドである。
より具体的には、
(1)主として芳香族ヒドロキシカルボン酸およびその誘導体の1種又は2種以上からなるポリエステル;
(2)主として(a)芳香族ヒドロキシカルボン酸およびその誘導体の1種又は2種以上と、(b)芳香族ジカルボン酸、脂環族ジカルボン酸およびその誘導体の1種又は2種以上と、(c)芳香族ジオール、脂環族ジオール、脂肪族ジオールおよびその誘導体の少なくとも1種又は2種以上、とからなるポリエステル;
(3)主として(a)芳香族ヒドロキシカルボン酸およびその誘導体の1種又は2種以上と、(b)芳香族ヒドロキシアミン、芳香族ジアミンおよびその誘導体の1種又は2種以上と、(c)芳香族ジカルボン酸、脂環族ジカルボン酸およびその誘導体の1種又は2種以上、とからなるポリエステルアミド;
(4)主として(a)芳香族ヒドロキシカルボン酸およびその誘導体の1種又は2種以上と、(b)芳香族ヒドロキシアミン、芳香族ジアミンおよびその誘導体の1種又は2種以上と、(c)芳香族ジカルボン酸、脂環族ジカルボン酸およびその誘導体の1種又は2種以上と、(d)芳香族ジオール、脂環族ジオール、脂肪族ジオールおよびその誘導体の少なくとも1種又は2種以上、とからなるポリエステルアミドなどが挙げられる。さらに上記の構成成分に必要に応じ分子量調整剤を併用してもよい。
本発明に適用できる前記液晶性ポリマー(A) を構成する具体的化合物の好ましい例としては、p−ヒドロキシ安息香酸、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸等の芳香族ヒドロキシカルボン酸、2,6−ジヒドロキシナフタレン、1,4−ジヒドロキシナフタレン、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキノン、レゾルシン、下記一般式(I)および下記一般式(II)で表される化合物等の芳香族ジオール;テレフタル酸、イソフタル酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸および下記一般式(III)で表される化合物等の芳香族ジカルボン酸;p−アミノフェノール、p−フェニレンジアミン等の芳香族アミン類が挙げられる。
Figure 0005122116
(但し、X :アルキレン(C1〜C4)、アルキリデン、-O- 、-SO-、-SO- 、-S-、-CO-より選ばれる基、Y :-(CH)-(n =1〜4)、-O(CH)O-(n =1〜4)より選ばれる基)
本発明が適用される特に好ましい液晶性ポリマー(A) としては、p−ヒドロキシ安息香酸、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、テレフタル酸を主構成単位成分とする芳香族ポリエステルである。
次に、本発明で用いる(B) 繊維状酸化チタンであるが、その熱伝導率は重要である。熱伝導率が低いとフィラーを添加した樹脂組成物としての熱伝導率の向上がほとんど望めないため、繊維状酸化チタンの熱伝導率としては3W/m・K以上であり、好ましくは10W/m・K以上である。また、そのアスペクト比も重要であり、小さすぎると樹脂組成物内の熱伝達経路が発達しづらく樹脂組成物の熱伝導率の向上が少ないという問題が発生するため、アスペクト比としては10以上、好ましくは15以上が必要である。繊維状酸化チタンは、上記の条件を満たし、且つ液晶性ポリマーに対し分解等の悪影響を与えず、また導電性を持たず、本発明における(B) 成分の繊維状熱伝導性フィラーとして選択的に用いられる。
また、繊維状酸化チタンの添加量であるが、添加量が少なすぎると樹脂組成物内の熱伝達経路が発達しないため、充分な熱伝導率が発揮されず、逆に多すぎると繊維同士の絡み合いが激しくなり、熱伝導率は高くなるものの、成形流動性が著しく低下する問題、混練時に押出機内圧力が上昇し混練性が極めて悪化する問題、樹脂組成物の増粘により繊維が折れ、むしろ熱伝導率が低下する問題等が発生する。そのため、(B) 繊維状酸化チタンの添加量は、(A) 液晶性ポリマー100重量部に対し10〜200重量部であり、好ましくは20〜150重量部、更に好ましくは20〜100重量部、最も好ましくは30〜100重量部である。
次に本発明で用いる(C) 板状・球状・不定形の熱伝導性フィラーであるが、板状・球状・不定形の熱伝導性フィラーを添加する理由は、(B) 繊維状酸化チタンだけでは繊維方向の熱伝導は高くなるものの直角方向の熱伝導率の向上が少なくなるため、板状・球状・不定形の二次元以上の方向に広がりを持つフィラーを添加することにより、樹脂組成物として均一な熱伝導性を与えることが可能となることと、繊維状酸化チタンだけを多量に添加すると上記のように著しい流動性の低下を招くことから、成形性に優れ且つ高い熱伝導性を持つ樹脂組成物を得るのが困難であることが挙げられる。そのため、板状・球状・不定形の熱伝導性フィラーの熱伝導率も繊維状酸化チタン同様重要である。熱伝導率が低いと繊維状熱伝導性フィラーで伝えた熱を伝えづらくなり、その部分での熱伝達が律速になってしまう。そのため、板状・球状・不定形の熱伝導性フィラーの熱伝導率としては2W/m・K以上であり、好ましくは3W/m・K以上である。
また、板状・球状・不定形の熱伝導性フィラーの添加量であるが、添加量が少なすぎると樹脂組成物内の熱伝達経路が発達しないため、充分な熱伝導率が発揮されず、逆に多すぎると樹脂組成物の増粘により繊維が折れ、むしろ熱伝導率が低下する問題、混練時に押出機内圧力が上昇し混練性が極めて悪化する問題等が発生する。そのため、(C) 板状・球状・不定形の熱伝導性フィラーの添加量は、(A) 液晶性ポリマー100重量部に対し10〜400重量部であり、好ましくは20〜100重量部、更に好ましくは30〜80重量部である。
本発明で使用することのできる (C) 板状・球状・不定形の熱伝導性フィラーは、上記の条件を満たす物質であれば如何なるものでも使用可能である。具体的な物質としては、タルク、無水炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、アルミナ、シリカ、ベリリア、窒化ホウ素、炭化ケイ素、窒化アルミニウム等が挙げられるが、これらの中でもフィラーの硬度、毒性、経済性の点からタルク、無水炭酸マグネシウム、酸化マグネシウムが好ましい。
(B) 繊維状酸化チタンと(C) 板状・球状・不定形の熱伝導性フィラーの総添加量は、少なすぎると熱伝導性が向上せず、逆に多すぎると混練時に押出機内圧力が上昇し混練性を極めて悪化させるため、総添加量としては、上記の(B) 、(C) 成分夫々の添加量を満たしつつ、(A) 液晶性ポリマー100重量部に対し30〜500重量部であり、好ましくは50〜250重量部、更に好ましくは50〜200重量部である。
次に、(C) 成分として用いる無水炭酸マグネシウムであるが、一般に炭酸マグネシウムは三水塩として存在し、その結晶水を100℃で放出することが知られている。そのため一般の炭酸マグネシウムを樹脂に混入する際には結晶水の放出により、発泡、樹脂の分解等のトラブルが発生し混練することができない。しかし、本発明で用いる無水炭酸マグネシウムとは三水塩で存在する一般の炭酸マグネシウムを高温・高圧下で処理することにより無水の結晶としたものであり、上記問題がない。このような方法で製造した無水炭酸マグネシウムは、高純度マグネサイトMSL(神島化学工業(株)製)等として一般に入手可能である。
次に、(C) 成分として用いる酸化マグネシウムであるが、そのままでの使用も可能であるが、耐湿熱性を向上させるためにリン含有被覆酸化マグネシウムを用いることが好ましい。本発明で用いるリン含有被覆酸化マグネシウムとは、酸化マグネシウムの表面に複酸化物を形成する化合物を存在させた状態で、高温で溶融することにより表面に複酸化物の被覆を行ったものである。具体的な方法としては、複酸化物を形成する化合物を酸化マグネシウム粉末に湿式添加した後、混合攪拌する方法や、酸化マグネシウムの表面に複酸化物を形成する化合物を存在させた状態で、被覆材の融点以上の温度で焼成する方法にて製造することが可能である。
複酸化物を形成するために使用される化合物は、アルミニウム化合物、鉄化合物、ケイ素化合物及びチタン化合物からなる群から選択される1種以上の化合物であることが好ましい。化合物の形態は限定されないが、硝酸塩、硫酸塩、塩化物、オキシ硝酸塩、オキシ硫酸塩、オキシ塩化物、水酸化物、酸化物等が用いられる。この化合物の具体例としては、ヒュームドシリカ、硝酸アルミニウム、硝酸鉄等を挙げることができる。
リン含有被覆酸化マグネシウムの製造方法は、上記の方法により製造した酸化マグネシウムまたは複酸化物よりなる被覆層を有する酸化マグネシウムに対して、リン化合物による表面処理を行い、その表面にリン酸マグネシウム系化合物による被覆層を形成する。
この表面処理に使用するリン化合物としては、リン酸、リン酸塩、酸性リン酸エステル等を挙げることができ、これらは単独で使用しても、2種以上を同時に使用してもよい。リン酸塩としては、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸アンモニウム等が挙げられ、また、酸性リン酸エステルとしては、イソプロピルアシッドホスフェート、メチルアシッドホスフェート、エチルアシッドホスフェート、プロピルアシッドホスフェート、ブチルアシッドホスフェート、ラウリルアシッドホスフェート、ステアリルアシッドホスフェート、2−エチルヘキシルアシッドホスフェート、オレイルアシッドホスフェート等が挙げられる。中でも、耐水性に優れた被覆層を容易に形成可能である点からイソプロピルアシッドホスフェートが好ましい。
リン含有被覆酸化マグネシウムのリン化合物による表面処理の具体的方法としては、酸化マグネシウムまたは複酸化物よりなる被覆層を有する酸化マグネシウムに所定量のリン化合物を添加し、例えば5〜60分間攪拌後、300℃以上の温度で、0.5〜5時間焼成することにより行う。
このような方法にて製造したリン含有被覆酸化マグネシウムは、クールフィラーCF2−100A(タテホ化学工業(株))として一般に入手可能である。
次に本発明では、更に(D) アルコキシシラン化合物を添加することが、耐湿熱性向上の点から好ましい。特に(C) 成分としてリン含有被覆酸化マグネシウムを用いる場合にその効果が顕著である。
本発明に用いるアルコキシシラン化合物とは、アミノアルコキシシラン、ビニルアルコキシシラン、エポキシアルコキシシラン、メルカプトアルコキシシラン及びアリルアルコキシシランからなる群より選ばれる少なくとも1種であればよい。
アミノアルコキシシランとしては、1分子中にアミノ基を1個以上有し、アルコキシ基を2個あるいは3個有するシラン化合物であればいずれのものも有効で、例えばγ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。ビニルアルコキシシランとしては、1分子中にビニル基を1個以上有し、アルコキシ基を2個あるいは3個有するシラン化合物であればいずれのものも有効で、例えばビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン等が挙げられる。エポキシアルコキシシランとしては、1分子中にエポキシ基を1個以上有し、アルコキシ基を2個あるいは3個有するシラン化合物であればいずれのものも有効で、例えばγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。メルカプトアルコキシシランとしては、1分子中にメルカプト基を1個以上有し、アルコキシ基を2個あるいは3個有するシラン化合物であればいずれのものも有効で、例えばγ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。アリルアルコキシシランとしては、1分子中にアリル基を1個以上有し、アルコキシ基を2個あるいは3個有するシラン化合物であればいずれのものも有効で、例えばγ−ジアリルアミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アリルアミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アリルチオプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。本発明の目的のためには、上記アルコキシシラン化合物の内、アミノアルコキシシランが最も好ましい。
本発明にてアルコキシシラン化合物の添加量は重要であり、アルコキシシラン化合物が少ないとPCT後の機械物性の低下が著しく、また逆に多すぎると樹脂が増粘し成形性が著しく低下する。そのため、アルコキシシラン化合物の添加量は、(A) 液晶性ポリマー100重量部に対して0.1〜5重量部、好ましくは0.4〜4重量部である。
また、本発明の高熱伝導性樹脂組成物は、本発明の目的範囲内で、機械的強度、耐熱性、寸法安定性(耐変形、そり)、電気的性質等の性能の改良のため、(B) 、(C) 成分以外の無機又は有機充填剤を配合したものでもよく、これには目的に応じて繊維状、粉粒状、板状の充填剤が用いられる。
また、一般に熱可塑性樹脂に添加される公知の物質、すなわち難燃剤、染料や顔料等の着色剤、酸化防止剤や紫外線吸収剤等の安定剤、潤滑剤、結晶化促進剤、結晶核剤等も要求性能に応じ適宜添加したものも本発明の組成物として使用できる。
このようにして得られた本発明の熱伝導性樹脂組成物を用い、射出成形や押出成形、ブロー成形等で得られた成形品は、高い耐湿熱性、耐化学薬品性、寸法安定性、難燃性、優れた放熱性を示す。この利点を活かして熱交換器、放熱板、光ピックアップ等といった内部で発生した熱を外部に放熱する部品に好適に用いることができる。
また、その他の用途として、例えばLED、センサー、コネクター、ソケット、端子台、プリント基板、モーター部品、ECUケース等の電気・電子部品、照明部品、テレビ部品、炊飯器部品、電子レンジ部品、アイロン部品、複写機関連部品、プリンター関連部品、ファクシミリ関連部品、ヒーター、エアコン用部品等の家庭・事務電気製品部品に用いることができる。
次に実施例、比較例で本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。尚、実施例中の物性測定の方法は以下の通りである。
(1)熱伝導率
直径30mm、厚さ2mmの円板状成形品を重ねたサンプルを用い、ホットディスク法にて熱伝導率を測定した。
(2)射出成形性
シリンダー温度370℃、射出速度15m/minの条件で、幅5mm、厚さ0.3mmで最大流動距離70mmの棒状成形品を成形し、流動距離を測定し、射出成形性とした。
(3)耐湿熱性
80×10×4mmのISO標準試験片を用い、121℃、湿度100%、2気圧条件下でプレッシャークッカーテストを48時間行い、その試験片についてISO178に準拠して曲げ強さの測定を行い、初期値に対する保持率を求めた。
実施例1〜6、比較例1〜5
液晶性ポリマー、熱伝導性フィラー及びアルコキシシラン化合物を、表1に示す組成にて、二軸押出機((株)日本製鋼所製TEX30α型)を用いて混練しペレットを形成後、射出成形機にて上述の試験片を成形し、各種評価を行った。結果を表1に示す。
尚、使用した各成分及びアルコキシシラン化合物添加方法は以下の通りである。
(A) 液晶性ポリマー(LCP)
ポリプラスチックス(株)製S950、熱伝導率0.45W/m・K
(B) 繊維状酸化チタン
針状酸化チタン;石原産業(株)製FTL−300、繊維径0.27μm 、繊維長5.15μm 、熱伝導率20W/m・K
(C) 板状・球状・不定形の熱伝導性フィラー
タルク;松村産業(株)製クラウンタルクPP、板状、平均粒径8μm 、熱伝導率3.2W/m・K
無水炭酸マグネシウム;神島化学工業(株)製高純度マグネサイトMSL(無水炭酸マグネシウム合成品)、不定形、平均粒径8μm 、熱伝導率15W/m・K
リン含有被覆酸化マグネシウム;タテホ化学工業(株)製CF2−100A、球状、平均粒径27μm、最大粒径100μm、熱伝導率35W/m・K
酸化チタン;堺化学工業(株)製TITONE SR−1、不定形、平均粒径0.25μm 、熱伝導率20W/m・K
(D) アミノシラン化合物
3−アミノプロピルトリエトキシシラン
Figure 0005122116

Claims (4)

  1. (A) 液晶性ポリマー100重量部に対し、
    (B) 熱伝導率3W/m・K以上、アスペクト比10以上の繊維状酸化チタン10〜200重量部、
    (C) 熱伝導率2W/m・K以上の板状・球状・不定形の何れか1種以上の熱伝導性フィラー10〜400重量部を添加してなり、
    (B) 、(C) 成分の総添加量が(A) 液晶性ポリマー100重量部に対し30〜500重量部であり、熱伝導率0.8W/m・K以上であることを特徴とする絶縁性の熱伝導性樹脂組成物であって、
    前記(C)成分が、タルク、無水炭酸マグネシウム及び酸化マグネシウムより選ばれた1種以上である絶縁性の熱伝導性樹脂組成物
  2. (B) 成分の添加量が20〜100重量部、(C) 成分の添加量が20〜100重量部であり、(B) 、(C) 成分の総添加量が50〜200重量部である請求項1記載の絶縁性の熱伝導性樹脂組成物。
  3. 酸化マグネシウムがリン含有被覆酸化マグネシウムである請求項1又は2記載の絶縁性の熱伝導性樹脂組成物。
  4. 更に、(D) アルコキシシラン化合物を(A) 液晶性ポリマー100重量部に対して0.1〜5重量部配合量してなる請求項記載の熱伝導性樹脂組成物。
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