JP4744911B2 - 高熱伝導性樹脂組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、成形性に優れ、耐湿熱性に優れた高熱伝導性樹脂組成物に関する。
ポリフェニレンサルファイド(以下PPSと略す場合がある)樹脂に代表されるポリアリーレンサルファイド(以下PASと略す場合がある)樹脂は、高い耐熱性、機械的物性、耐化学薬品性、寸法安定性、難燃性を有していることから、電気・電子機器部品材料、自動車機器部品材料、化学機器部品材料等に広く使用されている。近年、これらの部品が軽薄短小化され、部品等の内部の放熱が問題となってきており、放熱性を付与した材料の要求がでてきている。
このような理由から、PPS樹脂に特定粒径のアルミナを添加し、成形性と熱伝導率を向上させる方法が提案されているが(特許文献1)、この方法では、成形性は向上するものの、アルミナのモース硬度が高いことから、樹脂との混練時や成形時に押出機、成形機のスクリュー、シリンダーや成形金型が激しく摩耗し、金属が混入する問題があった。
一方、PPS樹脂に黒鉛を配合し、熱伝導性を付与する方法が提案されているが(特許文献2)、この方法ではフィラーによるスクリュー等の摩耗という問題は起きないものの、熱伝導性と同時に電気伝導性が付与されるため、電気絶縁性を要求されるような分野では使用できないという問題があった。
そのため、樹脂添加用の熱伝導性フィラーとして、絶縁性でありながら比較的熱伝導率が高く、且つモース硬度がアルミナよりも低い酸化マグネシウムを採用し、耐湿性向上目的でその表面をシリカで被覆したフィラーが提案されている(特許文献3)。しかしながら、このフィラーを用いた場合、常温での耐湿性は向上するものの、高温高湿下での耐湿性(耐湿熱性)に劣るため、プレッシャークッカーテスト(以下PCTと略す場合がある)のような試験では、酸化マグネシウムが水酸化マグネシウムに変化し、樹脂の白化、膨張、機械物性の著しい低下を引き起こすという問題があった。
特開2002−146187号公報 特開2003−41119号公報 特開2003−34523号公報
本発明は、上記従来技術の問題を解決し、スクリュー等の摩耗という問題がなく、且つ成形性、耐湿熱性に優れた熱伝導率の高い材料の提供を目的とするものである。
本発明者らは上記目的を達成するため鋭意検討した結果、PAS樹脂に対し、特定のリン含有被覆酸化マグネシウムとアルコキシシラン化合物を併用配合すると、スクリュー等の摩耗という問題がなく、且つ成形性、耐湿熱性が向上することを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち本発明は、ポリアリーレンサルファイド樹脂100重量部に対し、リン含有被覆酸化マグネシウム100〜500重量部及びアルコキシシラン化合物0.1〜5重量部を配合してなる高熱伝導性樹脂組成物である。
以下、本発明について詳細に説明する。本発明に用いるPAS樹脂は、繰返し単位として-(Ar-S)-(但しArはアリーレン基)で主として構成されたものである。アリーレン基としては、例えば、p−フェニレン基、m−フェニレン基、o−フェニレン基、置換フェニレン基、p,p’−ジフェニレンスルフォン基、p,p’−ビフェニレン基、p,p’−ジフェニレンエーテル基、p,p’−ジフェニレンカルボニル基、ナフタレン基などが使用できる。この場合、前記のアリーレン基から構成されるアリーレンサルファイド基の中で、同一の繰返し単位を用いたポリマー、すなわちホモポリマーの他に、組成物の加工性という点から、異種繰返し単位を含んだコポリマーが好ましい場合もある。
ホモポリマーとしては、アリーレン基としてp−フェニレン基を用いた、p−フェニレンサルファイド基を繰返し単位とするものが特に好ましく用いられる。また、コポリマーとしては、前記のアリーレン基からなるアリーレンサルファイド基の中で、相異なる2種以上の組み合わせが使用できるが、中でもp−フェニレンサルファイド基とm−フェニレンサルファイド基を含む組み合わせが特に好ましく用いられる。この中で、p−フェニレンサルファイド基を70モル%以上、好ましくは80モル%以上含むものが、耐熱性、流動性(成形性)、機械的特性等の物性上の点から適当である。
また、これらのPAS樹脂の中で、2官能性ハロゲン芳香族化合物を主体とするモノマーから縮重合によって得られる実質的に直鎖状構造の高分子量ポリマーが、特に好ましく使用できるが、直鎖状構造のPAS樹脂以外にも、縮重合させさせるときに、3個以上のハロゲン置換基を有するポリハロ芳香族化合物等のモノマーを少量用いて、部分的に分岐構造又は架橋構造を形成させたポリマーも使用できるし、比較的低分子量の直鎖状構造ポリマーを酸素又は酸化剤の存在下、高温で加熱して酸化架橋又は熱架橋により溶融粘度を上昇させ、成形加工性を改良したポリマー、あるいはこれらの混合物も使用可能である。
また、本発明で用いるPAS樹脂は、前記直鎖状PAS樹脂(310℃・ズリ速度1200sec-1における粘度が10〜300Pa・s)を主体とし、その一部(1〜30重量%、好ましくは2〜25重量%)が、比較的高粘度(300〜3000Pa・s、好ましくは500〜2000Pa・s)の分岐又は架橋PAS樹脂との混合系でも構わない。また、本発明に用いるPAS樹脂は、重合後、酸洗浄、熱水洗浄、有機溶剤洗浄(或いはこれらの組合せ)等を行って副生不純物等を除去精製したものが好ましい。
次に、本発明の高熱伝導性樹脂組成物とは、前記PAS樹脂にリン含有被覆酸化マグネシウムとアルコキシシラン化合物を配合したものである。
本発明で用いるリン含有被覆酸化マグネシウムとは、リン酸マグネシウム系化合物よりなる被覆層を有する酸化マグネシウム、及び表面に複酸化物よりなる被覆層を有し、その表面の少なくとも一部にリン酸マグネシウム系化合物よりなる被覆層を更に有する酸化マグネシウムである。
ここで、複酸化物よりなる被覆層を有する酸化マグネシウムとは、酸化マグネシウムの表面にアルミニウム、鉄、ケイ素及びチタンの内の1種以上の元素とマグネシウムを含むものである。この複酸化物として具体的には、フォルステライト(MgSi)、スピネル(AlMg)、マグネシウムフェライト(FeMgO)、チタン酸マグネシウム(MgTiO)等があり、好ましくはフォルステライトである。
次に、本発明で用いるリン含有被覆酸化マグネシウムの製造方法について説明を行う。
先ず、リン含有被覆酸化マグネシウムの製造に用いる、酸化マグネシウム及び複酸化物よりなる被覆層を有する酸化マグネシウムの内、酸化マグネシウムの製造方法について説明する。本発明の特性を有する酸化マグネシウムは、公知の方法、例えば、電融法、焼結法等を用いて製造することができる。
次に、複酸化物よりなる被覆層を有する酸化マグネシウムの製造方法は、上記の方法で製造した酸化マグネシウムの表面に複酸化物を形成する化合物を存在させた状態で、高温で溶融することにより表面に複酸化物の被覆を行う。具体的な方法としては、複酸化物を形成する化合物を酸化マグネシウム粉末に湿式添加した後、混合攪拌する方法や、酸化マグネシウムの表面に複酸化物を形成する化合物を存在させた状態で、被覆材の融点以上の温度で焼成する方法にて製造することが可能である。
複酸化物を形成するために使用される化合物は、アルミニウム化合物、鉄化合物、ケイ素化合物及びチタン化合物からなる群から選択される1種以上の化合物であることが好ましい。化合物の形態は限定されないが、硝酸塩、硫酸塩、塩化物、オキシ硝酸塩、オキシ硫酸塩、オキシ塩化物、水酸化物、酸化物等が用いられる。この化合物の具体例としては、ヒュームドシリカ、硝酸アルミニウム、硝酸鉄等を挙げることができる。
リン含有被覆酸化マグネシウムの製造方法は、上記の方法により製造した酸化マグネシウムまたは複酸化物よりなる被覆層を有する酸化マグネシウムに対して、リン化合物による表面処理を行い、その表面にリン酸マグネシウム系化合物による被覆層を形成する。
この表面処理に使用するリン化合物としては、リン酸、リン酸塩、酸性リン酸エステル等を挙げることができ、これらは単独で使用しても、2種以上を同時に使用してもよい。リン酸塩としては、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸アンモニウム等が挙げられ、また、酸性リン酸エステルとしては、イソプロピルアシッドホスフェート、メチルアシッドホスフェート、エチルアシッドホスフェート、プロピルアシッドホスフェート、ブチルアシッドホスフェート、ラウリルアシッドホスフェート、ステアリルアシッドホスフェート、2−エチルヘキシルアシッドホスフェート、オレイルアシッドホスフェート等が挙げられる。中でも、耐水性に優れた被覆層を容易に形成可能である点からイソプロピルアシッドホスフェートが好ましい。
リン含有被覆酸化マグネシウムのリン化合物による表面処理の具体的方法としては、酸化マグネシウムまたは複酸化物よりなる被覆層を有する酸化マグネシウムに所定量のリン化合物を添加し、例えば5〜60分間攪拌後、300℃以上の温度で、0.5〜5時間焼成することにより行う。
このような方法にて製造したリン含有被覆酸化マグネシウムは、クールフィラーCF2−100A(タテホ化学工業(株))として一般に入手可能である。
また、本発明においては、リン含有被覆酸化マグネシウムの添加量は重要であり、添加量が少なすぎると所望の熱伝導率が発現せず、逆に添加量が多すぎると成形性を悪化させる。そのため、リン含有被覆酸化マグネシウムの添加量はPAS樹脂100重量部に対し、100〜500重量部、好ましくは150〜400重量部である。
また、リン含有被覆酸化マグネシウムの粒径分布も重要であり、平均粒径が小さすぎると樹脂と混練した場合、増粘が激しく成形性が著しく低下する問題が発生する。逆に大きすぎると熱伝導率は向上するものの機械物性が低下する問題が発生する。また、最大粒径は大きすぎると射出成形時に金型ゲート部分にフィラー粒子が詰まりショートショット等の問題を引き起こす。そのため、平均粒径としては10〜50μm、好ましくは15〜30μmであり、また、最大粒径は300μm以下、好ましくは150μm以下である。
次に本発明に用いるアルコキシシラン化合物とは、アミノアルコキシシラン、ビニルアルコキシシラン、エポキシアルコキシシラン、メルカプトアルコキシシラン及びアリルアルコキシシランからなる群より選ばれる少なくとも1種であればよい。
アミノアルコキシシランとしては、1分子中にアミノ基を1個以上有し、アルコキシ基を2個あるいは3個有するシラン化合物であればいずれのものも有効で、例えばγ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
ビニルアルコキシシランとしては、1分子中にビニル基を1個以上有し、アルコキシ基を2個あるいは3個有するシラン化合物であればいずれのものも有効で、例えばビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン等が挙げられる。
エポキシアルコキシシランとしては、1分子中にエポキシ基を1個以上有し、アルコキシ基を2個あるいは3個有するシラン化合物であればいずれのものも有効で、例えばγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
メルカプトアルコキシシランとしては、1分子中にメルカプト基を1個以上有し、アルコキシ基を2個あるいは3個有するシラン化合物であればいずれのものも有効で、例えばγ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
アリルアルコキシシランとしては、1分子中にアリル基を1個以上有し、アルコキシ基を2個あるいは3個有するシラン化合物であればいずれのものも有効で、例えばγ−ジアリルアミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アリルアミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アリルチオプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
本発明の目的のためには、上記アルコキシシラン化合物の内、アミノアルコキシシランが最も好ましい。
本発明にてアルコキシシラン化合物の添加量は重要であり、アルコキシシラン化合物が少ないとPCT後の機械物性の低下が著しく、また逆に多すぎると樹脂が増粘し成形性が著しく低下する。そのため、アルコキシシラン化合物の添加量は、PAS樹脂100重量部に対して0.1〜5重量部、好ましくは0.5〜4重量部である。
また、本発明の高熱伝導性樹脂組成物の製造方法であるが、(1) 全ての原料を混ぜて混練する方法、(2) アルコキシシラン化合物をPAS樹脂に添加し、溶融混練後、リン含有被覆酸化マグネシウムを添加する方法、(3) PAS樹脂を溶融させた後、リン含有被覆酸化マグネシウムにアルコキシシラン化合物を添加したフィラーとして添加する方法等、何れの方法でも本発明の効果は発揮されるが、PAS樹脂とアルコキシシラン化合物が反応することにより機械強度が向上するため、より効率良くPAS樹脂とアルコキシシラン化合物が反応するように、(2) のアルコキシシラン化合物をPAS樹脂に添加し、溶融混練後、リン含有被覆酸化マグネシウムを添加する方法にて製造することが好ましい。
また、本発明の高熱伝導性樹脂組成物は、本発明の目的範囲内で、機械的強度、耐熱性、寸法安定性(耐変形、そり)、電気的性質等の性能の改良のため無機又は有機充填剤を配合したものでもよく、これには目的に応じて繊維状、粉粒状、板状の充填剤が用いられる。
繊維状充填剤としては、ガラス繊維、アスベスト繊維、硼素繊維、チタン酸カリウム繊維等の無機質繊維状物質が挙げられる。特に代表的な繊維状充填剤はガラス繊維である。尚、ポリアミド、フッ素樹脂、アクリル樹脂などの高融点有機質繊維物質も使用することができる。
一方、粉粒状充填剤としては、石英粉末、ガラスビーズ、ガラス粉、珪酸カルシウム、珪酸アルミニウム、カオリン、タルク、クレー、珪藻土、ウォラストナイトのごとき珪酸塩、酸化鉄、酸化チタン、酸化亜鉛のごとき金属の酸化物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムのごとき金属の炭酸塩、硫酸カルシウム、硫酸バリウムのごとき金属の硫酸塩が挙げられる。
また、板状充填剤としてはマイカ、ガラスフレークが挙げられる。
これらの無機充填剤は1種又は2種以上併用することができる。
また、一般に熱可塑性樹脂に添加される公知の物質、すなわち難燃剤、染料や顔料等の着色剤、酸化防止剤や紫外線吸収剤等の安定剤、潤滑剤、結晶化促進剤、結晶核剤等も要求性能に応じ適宜添加したものも本発明の組成物として使用できる。
このようにして得られた本発明の高熱伝導性樹脂組成物を用い、射出成形や押出成形、ブロー成形等で得られた成形品は、高い耐湿熱性、耐化学薬品性、寸法安定性、難燃性、優れた放熱性を示す。この利点を活かして熱交換器、放熱板、光ピックアップ等といった内部で発生した熱を外部に放熱する部品に好適に用いることができる。
また、その他の用途として、例えばLED、センサー、コネクター、ソケット、端子台、プリント基板、モーター部品、ECUケース等の電気・電子部品、照明部品、テレビ部品、炊飯器部品、電子レンジ部品、アイロン部品、複写機関連部品、プリンター関連部品、ファクシミリ関連部品、ヒーター、エアコン用部品等の家庭・事務電気製品部品に用いることができる。
次に実施例、比較例で本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。尚、実施例中の物性測定の方法は以下の通りである。
(1)熱伝導率
直径30mm、厚さ2mmの円板状成形品を重ねたサンプルを用い、ホットディスク法にて熱伝導率を測定した。
(2)流動性
シリンダー温度340℃、射出圧力100MPaの条件で、幅20mm、厚さ1mmの棒状成形品を成形し、流動距離を測定した。
(3)曲げ試験
80×10×4mmのISO標準試験片を用い、ISO178に準拠して曲げ強さ及び曲げ弾性率の測定を行った。
(4)耐湿熱性
80×10×4mmのISO標準試験片を用い、121℃、湿度100%、2気圧条件下でプレッシャークッカーテストを48時間行い、その試験片についてISO178に準拠して曲げ強さの測定を行い、初期値に対する保持率を求めた。また、プレッシャークッカーテスト後の試験片について、X線回折分析による酸化マグネシウムの水酸化マグネシウムへの変化の有無を確認した。
実施例1〜6、比較例1〜5
ポリフェニレンサルファイド樹脂、フィラー及びアルコキシシラン化合物を、表1に示す組成及びアルコキシシラン化合物添加方法にて、二軸押出機((株)日本製鋼所製TEX30α型)を用いて混練しペレットを形成後、射出成形機にて上述の試験片を成形し、各種評価を行った。結果を表1に示す。
尚、使用した各成分及びアルコキシシラン化合物添加方法は以下の通りである。
・ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS樹脂);呉羽化学工業(株)製フォートロンW202A
・フィラー1;リン含有被覆酸化マグネシウム、平均粒径27μm、最大粒径100μm(タテホ化学工業(株)製クールフィラーCF2−100A)
・フィラー2(比較品);シリカ被覆酸化マグネシウム、平均粒径27μm、最大粒径100μm(タテホ化学工業(株)製クールフィラーCF2−100)
・アルコキシシラン;γ−アミノプロピルトリエトキシシラン
(アルコキシシラン化合物の添加方法)
・方法A;PPS樹脂とアルコキシシランを溶融混練後、フィラーをサイドフィードで添加
・方法B;PPS樹脂を溶融混練後、アルコキシシランを添加したフィラーをサイドフィードで添加
Figure 0004744911

Claims (5)

  1. ポリアリーレンサルファイド樹脂100重量部に対し、平均粒径10〜50μm、最大粒径300μm以下の粒径分布を有するリン含有被覆酸化マグネシウム100〜500重量部及びアルコキシシラン化合物0.1〜5重量部を配合してなる高熱伝導性樹脂組成物。
  2. リン含有被覆酸化マグネシウムが、リン酸マグネシウム系化合物よりなる被覆層を有するものである請求項1記載の高熱伝導性樹脂組成物。
  3. リン含有被覆酸化マグネシウムが、表面に複酸化物よりなる被覆層を有し、その表面の少なくとも一部にリン酸マグネシウム系化合物よりなる被覆層を更に有するものである請求項1記載の高熱伝導性樹脂組成物。
  4. 複酸化物が、アルミニウム、鉄、ケイ素及びチタンの内の1種以上の元素とマグネシウムを含むものである請求項3記載の高熱伝導性樹脂組成物。
  5. アルコキシシラン化合物をポリアリーレンサルファイド樹脂に添加し、溶融混練後、リン含有被覆酸化マグネシウムを添加することを特徴とする請求項1〜4の何れか1項記載の高熱伝導性樹脂組成物の製造方法。
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