JP2669921B2 - 難燃性樹脂組成物よりなる表面実装対応電子部品 - Google Patents

難燃性樹脂組成物よりなる表面実装対応電子部品

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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は表面実装対応電子部品に供し得る樹脂組成物
に関し、さらに詳しくは優れた吸水特性、寸法特性、及
びリフロー半田性を示す難燃化されたガラス繊維強化ポ
リテトラメチレンアジパミド(ナイロン46)樹脂組成
物、及びこの樹脂組成物よりなる表面実装により得られ
た電子部品に関する。
[従来技術] 電子部品の分野では最近の電化製品の小型化、高性能
化等に伴い、また生産性向上等を狙い、各種の電子部品
を基板へ実装する方法として、部品の実装密度も高く効
率もよい表面実装方式(SMT方式)が広まりつつある。
そのためこの方法に対応して電子部品用の樹脂材料に対
しても、小型化、薄肉化に伴って機械強度や成形時の流
動性の向上が要求される。更に、その表面実装方式では
リフロー炉中での加熱による半田付け方式に帰因しコネ
クター等の電子部品材料の上部より加熱されることにな
り、従来の実装方式に比べてより過酷な温度条件に曝さ
れることになる。この結果、電子部品用の樹脂材料に対
して耐熱性の向上が要求され、例えば、ナイロン6樹脂
やナイロン66樹脂等のポリアミド樹脂、ポリエチレンテ
レフタレートやポリブチレンテレフタレート等のポリエ
ステル樹脂等の従来の材料では耐熱性が不足する。そこ
で、この表面実装対応電子部品用の樹脂材料としてポリ
フェニレンサルファイド樹脂や芳香族ポリアミド樹脂等
の適用が検討されているが、これら樹脂は耐熱性には優
れるものの先述の機械特性、流動特性等に欠点があるた
め工業的な利用には大きな制約がある。このように、優
れた機械特性、流動特性、耐熱性を併せ持つ表面実装対
応電子部品の基材となり得る樹脂材料がこの分野におい
て強く嘱望されている。
ナイロン46樹脂はこの要求に応え得る材料として注目
を集めている。ナイロン46樹脂とは、テトラメチレンジ
アミンまたはその機能誘導体とアジピン酸またはその機
能誘導体とから得られる樹脂であり、耐久性に優れ、ま
た引張強度、曲げ強度などの機械特性や流動特性等にも
優れるため有用なエンジニアリングプラスチックスとし
てその利用上の価値が大きいと考えられている。電子部
品用材料としてもガラス繊維による強化系も含めてハロ
ゲン化化合物と金属酸化物により難燃性を付与させた組
成物により利用が提案されつつある(特開昭61−18846
3、同61−188872、同63−51456、同63−118368、同63−
128073、同63−139942、同63−161056、同63−195907、
同63−195909、同63−223060、同63−317552、同64−11
158号公報等)。
しかし、このナイロン46樹脂は、ナイロン6樹脂、ナ
イロン66樹脂などの通常のポリアミド樹脂よりもアミド
基の比率が高いため吸水率がそれらに比べ大きくなると
いう欠点をもっている。このことは、ナイロン46樹脂が
成形直後の乾燥状態では一般のポリアミド樹脂よりも優
れた耐熱性、機械的特性をもちながら、実使用時におい
ては通常のポリアミド樹脂よりも吸水率が高いことによ
り耐熱性、機械特性の低下が大きくなり、場合によって
はナイロン46樹脂の優位性が失われることにもなる。ま
た吸水率が高いということはそれだけ寸法変化も大きく
なるということになる。ナイロン46樹脂は一般にポリア
ミド樹脂に較べて吸水率当りの寸法変化率は小さいもの
の、吸水率が高いためその寸法精度は必ずしも満足のい
くレベルではなく、高い精度を要求される部品に適用す
るには改良を要する。更に先述のリフロー炉を使った表
面実装方式による基板への実装を行なう時には、乾燥状
態のナイロン46樹脂製の電子部品ではその耐熱性を発揮
するものの、吸水状態では場合により部品表面にフクレ
と呼ばれる損傷が現れ、部品としての価値が著しく低下
するため、表面実装方式の条件範囲が狭くなってしまう
ことになる。側ち、ナイロン46樹脂製電子部品は、ナイ
ロン46樹脂の吸水性に基づく欠点のため寸法特性、リフ
ロー半田性が劣ってしまい、この樹脂の持つ優れた耐熱
性を表面実装対応電子部品用の材料として活かす上で大
きな障害となっている。
[発明の目的] 本発明は上述の事情を背景としてなされたものであ
り、その目的は優れた吸水特性、寸法特性、リフロー半
田性を示す表面実装対応電子部品材料としてのナイロン
46樹脂組成物を得て、それにより表面実装対応電子部品
を提供することにある。
[発明の構成] 本発明者らは、難燃化されたガラス繊維強化ナイロン
46樹脂の吸水特性、寸法特性、耐リフロー性を改良すべ
く鋭意研究した結果、難燃化されたガラス繊維強化ナイ
ロン46樹脂に特定のポリマーを特定量配合した組成物が
上述の目的に合致し、表面実装対応電子部品を提供でき
ることを見いだし本発明に到達した。
即ち、本発明は、 (A)ナイロン46樹脂 100重量部当り、 (B)ポリマー主鎖中のメチレン基数とアミド基数の比
が6以上である脂肪族ポリアミド樹脂 5〜100重量部、 (C)臭素化ポリスチレン 2〜100重量部、 (D)難燃助剤 1〜50重量部、及び (E)ガラス繊維 5〜200重量部 を配合してなる難燃性樹脂組成物(但し、該難燃性樹脂
組成物はポリアリーレンスルフィドを含まない。)より
なる表面実装対応電子部品。
本発明を説明する。
本発明の表面実装対応電子部品とは基板上に半田付け
する際、表面実装方式によって行われる電子部品をい
う。ここに、表面実装方式とは、配線基板へ電子部品を
実装する方法として、基板のスルーホールから電子部品
のリードを通し、電子部品を装着した面と反対の面に直
接半田付け(フローソルダリングまたはウェーブソルダ
リング)する従来の挿入実装に対して、配線基板上にプ
リント印刷された半田の上に電子部品を載せ、基板ごと
リフロー炉と呼ばれる加熱炉を通することにより半田を
溶かして電子部品を固定する方法である。この表面実装
方式により実装密度が上げられること、表面両面の実装
が可能となること、効率化によりコストを低減できるこ
と等様々の利点を生む出すことができるため、最近の電
子機器の軽薄短小化、高機能化、低価格化等の流れに乗
って半田付け方法の主流となりつつあり、その応用分野
はカメラ一体型VTR、電卓、カメラ、時計、液晶テレ
ビ、電子ゲーム、ハンディパソコン等の民生用電子機器
やコンピュータ、オフコン、ワークステーション、パソ
コン、周辺装置、末端機器、計測機等の産業用電子機
器、更には宇宙航空用機器等へ広がっている。
表面実装におけるリフロー炉中での基板の加熱の方法
としては、ヒーター上を移動する耐熱ベルトの上に基板
を乗せ加熱する熱伝導方式、沸点が約220℃のフッ素系
液体の凝集時の潜熱を利用するVPS方式、熱風を強制的
に循環させているところに基板を通す熱風対流熱伝達方
式、遠赤外線により基板の上からまたは上下両面から加
熱する遠赤外線方式、また熱風による加熱と遠赤外線に
よる加熱を組み合わせて用いる方式などがあるが、ラン
ニングコスト等の理由から遠赤外線方式及び熱風対流熱
伝達方式が多く採られている。そしてこれらの加熱方式
では従来の挿入実装方式と違い、実装される部品も半田
溶融温度に加熱されるため、電子部品に使用される樹脂
材料にとっては非常に過酷な条件となる。
これらの表面実装対応電子部品の具体的な例としてコ
ネクター、スイッチ、ボリューム、コンデンサー、IC、
リレー、抵抗器、LED等の部品の本体およびケース等樹
脂により作られる部品が挙げられる。本発明はこのよう
な表面実装方式により基板に実装される樹脂製電子部品
を対象とする。
本発明に用いられる(A)成分のナイロン46樹脂と
は、酸成分としてアジピン酸またはその機能誘導体を用
い、アミン成分としてテトラメチレンジアミンまたはそ
の機能誘導体を用いて縮合反応により得られるポリアミ
ドを主たる対象とするが、そのアジピン酸成分またはテ
トラメチレンジアミン成分の一部を他の共重合成分で置
き換えたものでもよい。
ナイロン46樹脂の好ましい態様は特開昭56−149430号
公報および特開昭56−149431号公報に記載されている。
本発明で用いられるナイロン46樹脂は、電子部品中に
おいて、m−クレゾールを用い35℃で測定したときの極
限粘度が、0.90〜1.90、更には1.10〜1.50の範囲にある
ことが望ましい。
1.90を超える極限粘度のナイロン46樹脂を用いる場合
には電子部品の成形の際における流動性が悪く、得られ
る電子部品の外観の光沢が失われるのみならず、その機
械特性、熱特性のバラツキが大きくなるため適当でな
い。
一方0.90よりも低い極限粘度では、電子部品の機械的
強度が小さくなる欠点を生ずる。
本発明に用いられる(B)成分のポリマー主鎖中のメ
チレン基数とアミド基数の比が6以上であり脂肪族ポリ
アミドとしては、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6
9、ナイロン610、ナイロン611、ナイロン612、ナイロン
613、ナイロン636、ナイロン644、ナイロン1212等が挙
げられる。これらのポリアミドは、対応するジアミンと
ジカルボン酸の縮合重合、対応するアミノカルボン酸の
縮合重合、または対応する環状ラクタムの開環重合から
容易に得ることができる。本発明では、結晶性を損なわ
ない範囲で他のアミンやエステル形成性化合物を共重合
したものでもよい。これらの脂肪族ポリアミドの中では
ナイロン11、ナイロン12、ナイロン612、ナイロン636、
ナイロン66/636共重合体が好ましい。もっとも、ポリマ
ー主鎖中のメチレン基数とアミド基数の比が5以下であ
る脂肪族ポリアミドではナイロン46の吸水寸法変化率の
低減やリフロー半田性向上に効果を示さないので、不適
当なポリマーとなる。
本発明に用いられる(C)成分の下記一般式(I)で (上記式(I)においてpは1〜5の整数、nは2以上
の整数を示す。) 表される臭素化ポリスチレンは、臭素化スチレンを重合
するか、またはポリスチレンを臭素化することによって
製造される。また一般式(I)には他のビニル系化合物
が共重合されていても使用可能である。この場合のビニ
ル化合物としてはスチレン、α−メチルスチレンなどが
あげられる。一般式(I)で表される臭素化ポリスチレ
ンの重合度に特に制限はないが、重量平均分子量で5,00
0〜1,000,000のものが好ましく用いられる。一般式
(I)で表される臭素化ポリスチレンは本発明のナイロ
ン46樹脂製樹脂組成物や表面実装対応電子部品を難燃化
する目的で配合され、その配合量は、ナイロン46樹脂10
0重量部に対して2〜100重量部である。配合量が2重量
部以下では難燃化効果が十分でなく、100重量部以上で
は得られる組成物や電子部品の機械的性質、熱的性質が
損なわれるため好ましくない。
本発明に用いられる(D)成分の難燃助剤は(C)成
分の臭素化ポリスチレンの相剰効果によりナイロン46樹
脂製樹脂組成物や表面実装対応電子部品の難燃性を高め
る働きをするものである。そのような化合物としては周
期律表第Va族の金属の化合物や酸化ホウ素、酸化ジルコ
ニウム、酸化鉄、酸化亜鉛等の金属酸化物があげられ、
特に周期律表第Va族の金属の化合物としてはアンチモン
化合物が好ましい。アンチモン化合物としては三酸化ア
ンチモン、五酸化アンチモン、アンチモン酸ナトリウム
などがあげられるが、特に三酸化アンチモンが好ましく
用いられる。また、これらの難燃助剤は1種のみの使用
であっても、2種以上の化合物の併用であってもよい。
これらの難燃助剤の配合量(C)成分の臭素化ポリス
チレンの臭素原子2〜5に対しアンチモン等の金属原子
1の割合にあるときが適当である。
本発明に用いられる(E)成分のガラス繊維は、樹脂
組成物や電子部品の機械的強度及び耐熱性を高める目的
で配合されるものであり、一般に樹脂の強化用に用いら
れるものであれば特に限定はない。例えば長繊維タイプ
(ガラスロービング)や短繊維のチョップドストラン
ド、ミルドファイバーなどから選択して用いることがで
きる。またガラス繊維は集束剤(例えばポリ酢酸ビニ
ル、ポリエステル集束剤等)、カップリング剤(例えば
シラン化合物、ポロン化合物、チタン化合物等)、その
他の表面処理剤で処理されていてもよい。通常、長繊維
タイプのガラス繊維は樹脂とのブレンド前または後に所
望の長さに切断されて用いられるが、この使用態様も本
発明には有用である。
ガラス繊維の配合量は、ナイロン46樹脂100重量部に
対して5〜200重量部が好ましい。この配合量が5重量
部より少ないところでは電子部品の機械的強度や耐熱性
が充分でなく、また200重量部を超える場合には、電子
部品等の成形の際の流動性が著しく劣ってくるため外観
の良好な成形品を得ることができず、また強度的にも飽
和に達してくるため好ましくない。
ガラス繊維長は組成物または電子部品中において主た
る部分が0.2mm以上の長さになるようなものが好ましく
用いられる。
ナイロン46樹脂に臭素化ポリスチレン、難燃助剤及び
ガラス繊維を配合した組成物からなる電子部品は、乾燥
状態では表面実装方式に充分耐え得るだけの耐熱性を持
つ優れた電子部品であるが、実使用状態ではナイロン46
樹脂は大気中の水分により吸湿し、それによる寸法変化
が起こるだけでなく、その状態で表面実装を行なうと、
乾燥状態では問題のなかった温度条件においても電子部
品表面にフクレとよばれる損傷が多く現れるようにな
る。しかし、組成物として更に上述のポリマー主鎖中の
メチレン基数とアミド基数の比が6以下である脂肪族ポ
リアミド樹脂を配合した組成物からなる電子部品では、
電子部品の吸水性が低下して寸法変化が抑制され、かつ
フクレの損傷が起こりにくくなる。このフクレと呼ばれ
る現象は電子部品内部に入り込んだ水分が加熱により内
部で蒸気化して起こると一般に説明されており、電子部
品の吸水性を低下させることによりその発生が抑えられ
るこは容易に推測できる。しかしながら、他の低吸水性
のポリアミド樹脂、例えば非晶性芳香族ナイロン樹脂な
どを配合した組成物からなる電子部品では、ポリマー主
鎖中のメチレン基数とアミド基数の比が6以上である脂
肪族ポリアミド樹脂を配合した場合と同様に吸水性は低
下するにも拘らず、表面実装としたときのフクレの発生
は抑えられないという予期せざる結果を得た。またポリ
マー主鎖中のメチレン基数とアミド基数の比が5である
ナイロン6樹脂、ナイロン66樹脂では、それらを配合し
た組成物からなる電子部品の吸水特性の改良やフクレ現
象の発生の抑制は起こらない。即ち、これらの吸水特
性、寸法特性、フクレ現象の発生を同時に改良できるの
は、ポリアミド樹脂の中でもポリマー主鎖中のメチレン
基数とアミド基数の比が6以上である脂肪族ポリアミド
樹脂を配合したときのみに見られる特異的な挙動である
ことを知見した。
本発明に用いられる(B)成分のポリマー主鎖中のメ
チレン基数とアミド基数の比が6以上である脂肪族ポリ
アミド樹脂の配合量は、ナイロン46樹脂100重量部当り
5〜100重量部である。配合量が5重量部より少ないと
きには、その組成物からなる電子部品のフクレ現象の抑
制効果は充分ではなく、また100重量部より多いときに
は成形品の耐熱性、機械的強度の低下が大きくなってし
まう。
本発明の表面実装対応電子部品を構成するナイロン46
樹脂組成物には、必要に応じて顔料その他の配合剤をそ
の発現量添加してもよい。このような配合剤としては、
充填剤、例えばアラミド繊維、炭素繊維、スチール繊
維、セラミックス繊維、チタン酸カリウムウィスカー、
ボロンウィスカー等の繊維状物、カオリン、クレー、ウ
ォラストナイト、タルク、マイカ、炭酸カルシウム、硫
酸バリウム、ガラスビーズ、ガラスフレークス等の粉末
状、粒状あるいは板状の無機充填剤が例示できる。
これらの充填材は、通常補強材、表面改質材として、
あるいは電気的、熱的特性等の改質を目的として配合さ
れるが、配合による効果発現の最小量と過剰配合による
組成物本来の優れた特性、成形上の利点を損失しない範
囲で配合されるべきである。
また他の難燃剤、例えば臭素化ポリフェニレンエーテ
ル、臭素化エポキシ、臭素化ビスフェノール−A−ジグ
リシジルエーテルおよびそのオリゴマー、臭素化ビスフ
ェノール−Aを原料として製造されるポリカーボネート
オリゴマー、臭素化ビフェニルエーテル、臭素化ジフタ
ルイミド化合物、塩素化ヘキサペンタジエンの2量体等
のハロゲン含有化合物;赤リン、トリフェニルホスフェ
ート等のリン化合物;ホスホン酸アミド等のリン−窒素
化合物;メラミン、メラム、メレム、メロン、ジアヌー
ル酸、シアヌール酸メラミン等のトリアジン化合物;水
酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ドーソナイ
ト、2水和石コウ等の金属水酸化物等を併用して用いる
ことも可能である。
更に、耐熱性向上を目的としてヨウ化銅等の銅化合
物、ヒンダードフェノール化合物、芳香族アミン化合
物、有機リン化合物、硫黄化合物等の酸化防止剤あるい
は熱安定剤を添加することもできる。また溶融粘度安定
性、耐加水分解性の改良等の目的には、各種のエポキシ
化合物、オキサゾリン化合物等を添加してもよい。エポ
キシ化合物としては、例えばビスフェノール−Aとエピ
クロルヒドリンを反応させて得られるビスフェノール−
A型エポキシ化合物、各種グリコールやグリセロールと
エピクロルヒドリンとの反応から得られる脂肪族グリシ
ジルエーテル、ノボラック型エポキシ化合物、芳香族ま
たは脂肪族カルボン酸型エポキシ化合物、脂環化合物型
エポキシ化合物などが好ましく、オキサゾリン化合物と
しては芳香族または脂肪族ビスオキサゾリン、特に2,
2′−ビス(2−オキサゾリン)、2,2′−m−フェニレ
ンビス(2−オキサゾリン)が好ましい。
その他安定剤、着色剤、滑剤、紫外線吸収剤、帯電防
止剤の添加もできる。
更に、少量の割合で他の熱可塑性樹脂、例えば他のポ
リアミド樹脂、他のポリエステル樹脂、ポリフェニレン
エーテル樹脂、ポリカーボネート樹脂、フェノキシ樹
脂、ポリエチレンおよびその共重合体、ポリプロピレン
およびその共重合体、ポルスチレンおよびその共重合
体、アクリル樹脂およびアクリル系共重合体、ポリアミ
ドエラストマー、ポリエステルエラストマー等;熱硬化
性樹脂、例えばフェノール樹脂、メラミン樹脂、不飽和
ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂等を配合してもよ
い。
本発明の表面実装対応電子部品を形成するためのナイ
ロン46樹脂組成物を得るには任意の配合方法を用いるこ
とができる。
通常これらの配合成分はより均一に分散させることが
好ましく、その全部もしくは一部を同時にあるいは別々
に例えばブレンダー、ニーダー、ロール、押出機等の混
合機で混合し均質化させる方法や、混合部分の一部を同
時にあるいは別々に例えばブレンダー、ニーダー、ロー
ル、押出機等で混合し、更に残りの成分をこれらの混合
機あるいは押出機で混合し均質化させる方法を用いるこ
とができる。更に予めドライブレンドされた組成物を加
熱した押出機で溶融混練して均質化したあと針金状に押
出し、次いで所望の長さに切断して粒状化する方法があ
る。
このようにして得られた成形用んペレットを用いての
電子部品の成形は、通常の射出成形機により行うことが
できる。その際成形用ペレットは十分乾燥された状態で
成形機のホッパーに供されることが多くの場合必要であ
る。
[実施例] 以下実施例により本発明を詳述する。
樹脂組成物ペレットの作成 110℃,10Torrの減圧下で12時間乾燥した極限粘度1.40
のナイロン46樹脂(「STANYL」オランダ国DSM社製)
と、ナイロン12樹脂(ダイアミドX−1988」ダイセル・
ヒュルス(株)社製)、ナイロン11樹脂(「東レナイロ
ン11リルサンBMNO」東レ(株)社製)、分子量約80.00
0、融点160℃のナイロン66/636共重合体(「PRIADIT 20
54」オランダ国UNICHEMA社製)、極限粘度1.30のナイロ
ン6樹脂(帝人(株)製)、非晶性芳香族ナイロン樹脂
(「TROGAMID T」西ドイツ国Dynamit Nobel社製)、臭
素化ポリスチレン(「パイロチェック68−PB」日産フェ
ロ有機化学(株)製)、三酸化アンチモン(「パトリッ
クスC」日本精鉱(株)社製)及びガラス繊維チョップ
ドストランド(日本電気硝子(株)社製)を表−1に示
す量割合にて、予めタンブラーで均一に混合した後スク
リュー径各44mmのベント付き二軸押出機を用いて真空を
引きながらシリンダー温度320℃、スクリュー回転数150
rpm、吐出量40kg/hにて溶融混練し、ダイスから吐出す
るスレッドを冷却切断して成形用ペレットを得た。
成形品特性の測定 上記方法で作成したペレットを用いて射出容量5オン
スの射出成形機にてシリンダー温度300℃、金型温度120
℃、射出圧力800kg/cm2、冷却時間15秒、および全成形
サイクル40秒の条件で各特性測定用の成形品を成形し
た。
これらの成形品を用いて各特性を測定した。成形品は
測定前にJIS K7100に従い、23℃,相対湿度50%の雰囲
気中で88時間状態調節を行った。
なお、実施例中の各種特性の測定は以下の方法によっ
た。
(1) 機械的強度: 衝撃試験……ASTM D256(アイゾット、ノッチ付、厚さ 3.2mm) (2) 荷重たわみ温度: ASTM D648に準拠。(荷重18.6kg/cm2) (3) 吸水特性: 80℃,相対湿度95%雰囲気中に24時間放置した後の重
量増加より算出。(成形品厚さ1.5mm) (4) 寸法特性: 80℃,相対湿度95%雰囲気中に24時間放置した後の寸
法変化より算出。(成形品;流れ方向100mm×直角方向6
0mm×厚さ1.5mm、フィルムゲート) (5) 燃焼性: 米国アンダーライターラボラトリー社の定める方法
(UL94)により評価。(厚さ0.8mm) (6) 極限粘度: 溶媒としてm−クレゾールを用い、オストワルド粘度
管により35℃にて測定した。
これらの結果を表−1に示す。ガラス繊維で強化され
臭素化ポリスチレン及び三酸化アンチモンで難燃化され
たナイロン46樹脂組成物は、優れた衝撃強度、荷重たわ
み温度を示すが、吸水率が高くそれに伴う寸法変化も大
きいという欠点をもつ(比較例1)。しかし、この組成
物に更にナイロン12樹脂、ナイロン11樹脂やナイロン66
/636共重合体を配合すると、吸水率、寸法変化率は低減
される(実施例1〜5)。またそれらの組成物はナイロ
ン46樹脂の特徴である高い荷重たわみ温度を保持し、コ
ネクターとして用いるのに充分な衝撃強度も有している
(実施例1〜4)。他のポリアミド樹脂を配合した場
合、ナイロン6樹脂では吸水率、寸法変化率の改良はみ
られないが、非晶性芳香族ナイロン樹脂ではナイロン12
樹脂等のときと同様に吸水率が低減される(比較例3〜
5)。
コネクター成形品の作成 電子部品の例として、先の方法で作成した表−1に示
す組成ペレットを用いて射出容量1オンスの射出成形機
にてシリンダー温度300℃、金型温度120℃、射出圧力1,
000kg/cm2、冷却時間5秒、および全成形サイクル20秒
の条件で、寸法14×7×4(mm)、平均肉厚約0.5mmの
6穴箱型コネクターを成形した。
それらのコネクターを80℃,95%相対湿度の状態の中
で1時間調湿することにより吸水促進して吸水状態のコ
ネクターを得た。
コネクター成形品の耐リフロー性 上記方法によって得た各種コネクター成形品の耐リフ
ロー半田性試験を卓上型簡易リフロー炉(東洋電装
(株)社製)により行った。加熱の温度パターンは、15
0℃での40秒間予熱した後に所望の温度で20秒加熱され
るように設定し、リフロー半田付け温度は赤外線検知式
の温度計で基板の表面温度を測定することにより求め
た。耐リフロー半田性の評価は、リフロー炉中での加熱
の後にコネクター成形品表面にフクレの発生する個数の
頻度で行った。
それらの結果を表−1に示す。ガラス繊維で強化した
難燃性ナイロン46樹脂は、乾燥状態では優れた耐熱性を
示し、リフロー炉を通した後もその表面状態は変化はな
い(比較例1)。しかしコネクターが実際に使用される
ときにはコネクターは吸水しており、その吸水状態のナ
イロン46樹脂ではリフロー炉を通った後にはフクレと呼
ばれる表面の損傷がおこり、250℃でほぼ全量のコネク
ターに見られるようになった(比較例1)。しかしなが
らガラス繊維で強化した難燃性ナイロン46樹脂にさらに
ナイロン12樹脂、ナイロン11樹脂やナイロン66/636共重
合体を配合した組成のコネクターでは、配合しないとき
に比べ同条件の調湿の後での吸水量が減少し、かつリフ
ロー炉を通した後のフクレが約270℃まで全く起こらな
くなる(実施例1〜5)。これによりナイロン12樹脂、
ナイロン11樹脂やナイロン66/636共重合体を配合した組
成物からなるコネクターではその耐リフロー性が著しく
改善されることがわかる。更に、非晶性芳香族ナイロン
樹脂を配合した組成のコネクターを用いて同様な試験を
行うと、ナイロン12樹脂等の場合と同じくそれらを配合
した組成のコネクターでは吸収率の値は低減されるが、
それにもかかわらずリフロー炉を通した後のフクレの発
生は抑えられない(比較例2〜3)。すなわちフクレ現
象の抑制はナイロン12樹脂、ナイロン11樹脂やナイロン
66/636共重合体のポリアミド樹脂を配合した組成物から
なるコネクターに特異的に起こる現象であり、これらの
組成の組合せによってはじめて耐リフロー性の改良効果
が現れる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 //(C08L 77/06 77:00 25:18)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)ナイロン46樹脂100重量部当たり、
    (B)ポリマー主鎖中のメチレン基数とアミド基数の比
    が6以上である脂肪族ポリアミド樹脂5〜100重量部、
    (C)臭素化ポリスチレン2〜100重量部、(D)難燃
    助剤1〜50重量部、及び(E)ガラス繊維5〜200重量
    部を配合してなる難燃性樹脂組成物(但し、該難燃性樹
    脂組成物はポリアリーレンスルフィドを含まない。) よりなる表面実装対応電子部品。
  2. 【請求項2】(B)成分がナイロン11である請求項1記
    載の表面実装対応電子部品。
  3. 【請求項3】(B)成分がナイロン612である請求項1
    記載の表面実装対応電子部品。
  4. 【請求項4】(B)成分がナイロン66/636共重合体であ
    る請求項1記載の表面実装対応電子部品。
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