JP2581840B2 - 表面実装用電子部品及びその成形方法 - Google Patents

表面実装用電子部品及びその成形方法

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JP2581840B2
JP2581840B2 JP2295504A JP29550490A JP2581840B2 JP 2581840 B2 JP2581840 B2 JP 2581840B2 JP 2295504 A JP2295504 A JP 2295504A JP 29550490 A JP29550490 A JP 29550490A JP 2581840 B2 JP2581840 B2 JP 2581840B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は表面実装用電子部品の成形方法に関し、さら
に詳しくは難燃化されたガラス繊維強化ポリテトラメチ
レンアジパミド(ナイロン46)樹脂からなる、優れたリ
フロー半田性を示す表面実装用電子部品及びその成形方
法に関する。
[従来技術] 電子部品の分野では最近の電化製品の小型化、高性能
化等に伴い、また生産性向上等を狙い、各種の電子部品
を基板へ実装する方法として、部品の実装密度も高く効
率もよい表面実装方式(SMT方式)が広まりつつある。
しかし、その表面実装方式ではリフロー炉中での遠赤外
線加熱による半田付け方式のためコネクター等の電子部
品材料の上部より加熱されることになり、従来の実装方
式に比べてより過酷な温度条件になる。即ち、それらの
電子部品の樹脂材料としてもナイロン6樹脂やナイロン
66樹脂等のポリアミド樹脂,ポリエチレンテレフタレー
トやポリブチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂
等の従来の材料では耐熱性が不足するため、より高い耐
熱性を持つ表面実装の樹脂材料が嘱望されている。
ナイロン46樹脂はこの要求に応え得る材料として注目
を集めている。ナイロン46樹脂とは、テトラメチレンジ
アミンまたはその機能誘導体とアジピン酸またはその機
能誘導体とから得られる樹脂であり、耐熱性に優れ、ま
た引張強度,曲げ強度などの機械特性や摺動特性等にも
優れるため有用なエンジニアリングプラスチックとして
その利用上の価値が大きいと考えられている。電子部品
用材料としてもガラス繊維による強度系も含めてハロゲ
ン化化合物と金属酸化物により難燃性を付与させた組成
物によるそれらの利用が提案されつつある(特開昭61−
188463,61−188872,63−51456,63−118368,63−128073,
63−139942,63−161056,63−195907,63−195909,63−22
3060,63−317552,64−11158号公報等)。
しかしこのナイロン46樹脂は、ナイロン6樹脂,ナイ
ロン66樹脂などの通常のポリアミド樹脂よりもアミド基
の比率が高いため吸水率がそれらに比べ大きくなるとい
う欠点をもっている。このことは、ナイロン46樹脂が成
形直後の乾燥状態では一般のポリアミド樹脂よりも優れ
た耐熱性,機械的特性をもちながら、実使用時において
は通常のポリアミド樹脂より吸水率が高いことにより耐
熱性,機械特性の低下はそれらよりも大きくなり、場合
によってはナイロン46樹脂の優位性が失われることにも
なる。また吸水率が高いということはそれだけ寸法変化
も大きくなる。ナイロン46樹脂は一般のポリアミド樹脂
に比べて吸水率当りの寸法変化率は小さいものの、吸水
率が高いためその寸法精度は必ずしも満足のいくレベル
ではなく、高い精度を要求される部品に適用するには改
良を要する。更に先述のリフロー炉を使った表面実装方
式による基板への実装を行なう時には、乾燥状態のナイ
ロン46樹脂を電子部品ではその耐熱性を発揮するもの
の、吸水状態のそれでは場合により部品表面にフクレと
呼ばれる損傷が現れ、部品としての価値が著しく低下す
るため、表面実装方式の条件範囲が狭くなってしまうと
いうことになる。即ち、ナイロン46樹脂製電子部品は、
ナイロン46樹脂の吸水特性における欠点のためリフロー
半田性が劣ってしまい、この樹脂の持つ優れた耐熱性を
表面実装対応電子部品用の材料として活かす上で大きな
障害となっている。
[発明の目的] 本発明は上述の事情を背景としてなされたものであ
り、その目的は優れたリフロー半田性を示すナイロン46
樹脂製表面実装用電子部品を提供する点にある。
[発明の構成] 本発明者らは、耐リフロー性に優れたナイロン46樹脂
製表面実装用電子部品を提供すべく鋭意研究した結果、
難燃化されたガラス繊維強化ナイロン46樹脂にポリテト
ラメチレンテレフタレートを特定量配合した組成物から
なる電子部品が上述の目的に合致すること、更にその電
子部品は難燃化されたガラス繊維強化ナイロン46樹脂と
難燃化されたポリテトラメチレンテレフタレートの別々
のペレットを成形時に混合て成形することにより良好な
状態で成形できることを見いだし本発明に到達した。
即ち、本発明の表面実装用電子部品は、 (A)ナイロン46樹脂100重量部当り、 (B)ポリテトラメチレンテレフタレート5〜100重量
部、 (C)臭素化ポリスチレン2〜100重量部、 (D)難燃助剤1〜50重量部、及び (E)ガラス繊維5〜200重量部 を配合した組成物からなる表面実装用電子部品、及び、 (A)ナイロン46樹脂100重量部当り、 (C)臭素化ポリスチレン2〜100重量部、 (D)難燃助剤1〜50重量部、及び (E)ガラス繊維5〜200重量部 を配合した組成物からなるペレットIと、 (B)ポリテトラメチレンテレフタレート100重量部当
り (C)臭素化ポリスチレン2〜100重量部、 (D)難燃助剤1〜50重量部、及び (E)ガラス繊維0〜200重量部 を配合した組成物からなるペレットIIとを、混合して成
形機に供する表面実装用電子部品の成形方法に関する。
本発明を説明する。
本発明の表面実装対応電子部品とは基板上に半田付け
する際、表面実装方式(SMT方式)によって行われる部
品全てを対象とする。表面実装方式とは、配線基板へ電
子部品を実装する方法として、基板のスルーホールから
電子部品のリードを通し、電子部品を装着した面と反対
の面に直接半田付け(フローソルダリングまたはウェー
ヴソルダリング)する従来の挿入実装方式に対して、配
線基板上にプリント印刷された半田の上に電子部品を載
せ、基板ごとリフロー炉と呼ばれる加熱炉を通すことに
より半田を溶かして電子部品を固定する方法である。こ
の表面実装方式により実装密度が上げられる、表裏両面
の実装が可能となる、効率化によりコストを低減できる
等様々の利点を生み出すことができるため、最近の電子
機器の軽薄短小化,高機能化,低価格化等の流れに乗っ
て半田付け方法の主流となりつつあり、その応用分野は
カメラ一体型VTR,電卓,カメラ,時計,液晶テレビ,電
子ゲーム,ハンディパソコン等の民生用電子機器やコン
ピュータ,オフコン,ワークステーション,パソコン,
周辺装置,未端機器,計測機等の産業電子機器、更には
宇宙航空用機器等である。
表面実装におけるリフロー炉中での基板の加熱の方法
としては、ヒーター上を移動する耐熱ベルトの上に基板
を乗せて加熱する熱伝導方式、沸点が約220℃のフッ素
系液体の凝集時の潜熱を利用するVPS方式、熱風を強制
的に循環させているところに基板を通す熱風対流熱伝達
方式、遠赤外線により基板の上からまたは上下両面から
加熱する遠赤外線方式、また熱風による加熱と遠赤外線
による加熱を組み合わせて用いる方式などがあるが、ラ
ンニングコスト等の理由から遠赤外線方式及び燃風対流
熱伝達方式が多く採られている。そしてこれらの加熱方
式では従来の挿入実装方式と違い実装される部品も半田
溶融温度に加熱されるため、電子部品に使用される樹脂
材料にとっては非常に過酷な条件となる。
これらの表面実装対応電子部品の具体的な例としてコ
ネクター,スイッチ,ボリューム,コンデンサー,IC,リ
レー,抵抗器,LED等の部品の本体およびケース等樹脂に
よる作られる部品が挙げられるがこれらに限定されず、
表面実装方式により基板に実装される樹脂製電子部品全
てを対象とする。
本発明の表面実装用電子部品を構成する(A)成分の
ナイロン46樹脂とは、酸成分としてアジピン酸またはそ
の機能誘導体を用い、アミン成分としてテトラメチレン
ジアミンまたはその機能誘導体を用いて縮合反応により
得られるポリアミドを主たる対象とするが、そのアジピ
ン酸成分またはテトラメチレンジアミン成分の一部を供
重合成分で置き換えたものでもよい。
ナイロン46樹脂の好ましい態様は特開昭56−149430号
公報および特開昭56−149431号公報に記載されている。
本発明で用いられるナイロン46樹脂は、電子部品中に
おいて、m−クレゾールを用いて35℃で測定したときの
極限粘度が、0.90〜1.90、更には1.10〜1.50の範囲のあ
ることが望ましい。
1.90を越える極限粘度のナイロン46樹脂を用いる場合
には電子部品の成形の際における流動性が悪く、得られ
る電子部品の外観の光沢が失われるのみならず、その機
械特性,熱特性のバラツキが大きくなるため好ましくな
い。
一方、0.90よりも低い極限粘度では、電子部品の機械
的強度が小さくなる欠点を生ずる。
本発明の表面実装用電子部品を構成する(B)成分の
ポリテトラメチレンテレフタレートは、その酸成分がテ
レフタル酸であり、ジオール成分がテトラメチレングリ
コールよりなるポリエステルである。またこのテトラメ
チレンテレフタレートはその一部を共重合成分で置換し
たものでもよく、そのような共重合成分としては、イソ
フタル酸,フタル酸,メチルテレフタル酸,メチルイソ
フタル酸等のフタル酸誘導体;2,6−ナフタレンジカルボ
ン酸,2,7−ナフタレンジカルボン酸,1,5−ナフタレンジ
カルボン酸等のナフタレンジカルボン酸およびその誘導
体;4,4′−ジフェニルジカルボン酸,3,4′−ジフェニル
ジカルボン酸等のジフェニルカルボン酸およびその誘導
体;4,4′−ジフェノキシメタンジカルボン酸,4,4′−ジ
フェノキシエタンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン
酸;コハク酸,アジピン酸,セバチン酸,アゼライン
酸,デカンジカルボン酸,シクロホヘキサンジカルボン
酸等の脂肪族または脂環族ジカルボン酸;1,4−シクロヘ
キサンジメタノール等の脂環族ジオール;ハイドロキノ
ン,レゾルシン等のジヒドロキシベンゼンおよびその誘
導体;2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン,
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン等のビ
スフェノール化合物;ビスフェノール化合物とエチレン
グリコール等のグリコールとから得られるエーテルジオ
ール等の芳香族ジオール;ε−オキシカプロン酸,ヒド
ロキシ安息香線,ヒドロキシエトキシ安息香酸等のオキ
シジカルボン酸等があげられる。
また上述のポリテトラメチレンテレフタレートに分岐
成分、例えばトリカルバリル酸,トリメシン酸,トリメ
リット酸等の三官能または四官能のエステル形成能をも
つ酸、またはグリセリン,トリメチロールプロパン,ペ
ンタエリトリット等の三官能または四官能のエステル形
成能をもつアルコールを1.0モル%以下、好ましくは0.5
モル%以下、さらに好しくは0.3モル%以下を共重合し
てもよい。
本発明の表面実装用電子部品を構成するポリテトラメ
チレンテレフタレートは、電子部品中において、o−ク
ロロフェノールを用い35℃で測定したときの極限粘度
が、0.5以上、更には0.6以上であることが好ましい。
本発明の表面実装用電子部品を構成するポリテトラメ
チレンテレフタレートは通常の製造方法、例えば溶融縮
合反応またはこれと固相重縮合反応とを組み合わせた方
法等によって製造できる。例えば、テレフタル酸または
そのエステル形成性誘導体(例えばジメチルエステル,
モノメチルエステル等の低級アルキルエステル)とテト
ラメチレングリコールまたはそのエステル形成性誘導体
とを触媒の存在下、加熱反応させ、得られるテレフタル
酸のグリコールエステルを触媒の存在下、所定の重合度
まで重合反応させる方法によって製造することができ
る。
本発明の表面実装用電子部品を構成する(C)成分の
下記一般式(I) (上記式(I)においてpは1〜5の整数、nは2以上
の整数を示す。) で表わされる臭素化ポリスチレンは臭素化スチレンを重
合するか、またはポリスチレンを臭素化することによっ
て製造される。また一般式(I)には他のビニル系化合
物が共重されていても使用可能である。この場合のビニ
ル化合物としてはスチレン,α−メチルスチレンなどが
あげられる。一般式(I)で表わされる臭素化ポリスチ
レンの重合度に特に制限はないが、重量平均分子量で50
00〜1000000のものが好ましく用いられる。一般式
(I)で表わされる臭素化ポリスチレンは本発明のナイ
ロン46樹脂製表面実装用電子部品を難燃化する目的で配
合され、その配合量は、ナイロン46樹脂100重量部に対
して2〜100重量部である。配合量が2重量部以下では
電子部品の難燃化効果が十分でなく、100重量部以上で
は得られる電子部品の機械的性質,熱的性質が損なわれ
るため好ましくない。
本発明の表面実装用電子部品を構成する(D)成分の
難燃助剤は(D)成分の臭素化ポリスチレンとの相乗効
果によりナイロン46樹脂製表面実層用電子部品の難燃性
を高める働きをするものである。そのような化合物とし
ては周期律表第V a族の金属の化合物や酸化ホウ素,酸
化ジルコニウム,酸化鉄,酸化亜鉛等の金属酸化物があ
げられ、特に周期律表第V a族の金属の化合物としてア
ンチモン化合物が好ましい。アンモチン化合物としては
三酸化アンチモン,五酸化アンチモン,アンチモン酸ナ
トリウムなどがあげられるが、特に三酸化アンチモンが
好ましく用いられる。また、これらの難燃助剤は1種の
みの配合であっても2種以上の化合物の併用であっても
よい。
これらの難燃助剤の配合量は(C)成分の臭素化ポリ
スチレンの臭素原子2〜5に対しアンチモン等の金属原
子1の割合にあるときが適当である。
本発明の表面実装電子部品を構成する(E)成分のガ
ラス繊維は、電子部品の機械的強度及び耐熱製を高める
目的で配合されるものであり、一般に樹脂の強化用に用
いられるものであれば特に限定はない。例えば長繊維タ
イプ(ガラスロービング)や短繊維状のチョップドスト
ランド,ミルドファイバーなどから選択して用いること
ができる。またガラス繊維は集束剤(例えばポリ酢酸ビ
ニル,ポリエステル集束剤等)、カップリング剤(例え
ばシラン化合物,ボロン化合物,チタン化合物等)、そ
の他の表面処理剤で処理されていてもよい。通常、長繊
維タイプのガラス繊維は樹脂とのブレンド前または後に
所望の長さに切断されて用いられるが、この使用態様も
本発明には有用である。
ガラス繊維の配合量は、ナイロン46樹脂100重量部に
対して5〜200重量部が好ましい。この配合量が5重量
部より少ないところでは電子部品の機械的強度や耐熱性
が十分でなく、また200重量部を越える場合には、電子
部品の成形の際の流動性が著しく劣ってくるため外観の
良好な電子部品を得ることができず、また強度的にも飽
和に達してくるため好ましくない。
ガラス繊維長は電子部品中において主たる部分が0.2m
m以上の長さになるようなものが好ましく用いられる。
ナイロン46樹脂に臭素化ポリスチレン,難燃助剤及び
ガラス繊維を配合した組成物からなる電子部品は、乾燥
状態では表面実装方式に十分耐え得るだけの耐熱性を持
つ優れた電子部品であるが、実使用状態ではナイロン46
樹脂は大気中の水分により吸湿し、その状態で表面実装
を行なうと乾燥状態では問題のなかった温度条件におい
ても電子部品表面にフクレとよばれる損傷が多く現れる
ようになる。しかし組成物として更にポリテトラメチレ
ンテレフタレートを配合した電子部品では、電子部品の
吸水性が低下し、かつフクレの損傷が起りにくくなる。
このフクレと呼ばれる現象は電子部品内部に入り込んだ
水分が加熱により内部で蒸気化して起こると一般に説明
されており、電子部品の吸水性を低下させることにより
その発生が抑えられることは容易に推測できる。しかし
ながら、他のポリマー例えばナイロン46樹脂との相溶性
を高めるために酸変性したポリフェニレンエーテルやポ
リテトラメチレンテレフタレートと同じポリエステル樹
脂であるポリエチレンテレフタレートを配合して得られ
る組成物からなる電子部品は、ポリテトラメチレンテレ
フタレートと同様に吸水性は低下するにもかかわらず、
表面実装したときのフクレの発生はおさえられないとい
う予測せざる結果を得、ポリテトラメチレンテレフタレ
ートを配合したときのみに見られる特異的な挙動である
ことを知見した。
本発明の表面実装用電子部品を構成する(B)成分の
ポリテトラメチレンテレフタレートの配合量は、ナイロ
ン46樹脂100重量部あたり5〜100重量部である。配合量
が5重量部より少ないときには、その組成物からなる電
子部品のフクレの抑制効果は十分ではなく、また100重
量部より多いときには電子部品の機械的強度の低下が大
きくなってしまう。
本発明の表面実装用電子部品を構成するナイロン46樹
脂組成物には、必要に応じて顔料その他の配合剤をその
発現量添加してもよい。このような配合剤としては充填
剤、例えばアラミド繊維,炭素繊維,スチール繊維,ア
スベスト,セラミック繊維,チタン酸カリウムウィスカ
ー,ボロンウィスカー等の繊維状物,カオリン,クレ
ー,ウォラストナイト,タルク,マイカ,炭酸カルシウ
ム,硫酸バリウム,ガラスビーズ,ガラスフレークス等
の粉末状,粒状あるいは板状の無機充填剤が例示でき
る。
これらの充填剤は、通常補強剤,表面改質材として、
あるいは電気的,熱的特性の改質を目的として配合され
るが、配合による効果発現の最小量と過剰配合による組
成物本来の優れた特性,成形上の利点を損失しない範囲
で配合されるべきである。
また他の難燃剤、例えば臭素化ポリフェニレンエーテ
ル,臭素化エポキシ,臭素化ビスフェノール−A−ジグ
リシジルエーテルおよびそのオリゴマー、臭素化ビスフ
ェノール−Aを原料として製造されるポリカーボネート
オリゴマー、臭素化ビフェニルエーテル,臭素化ジフタ
ルイミド化合物,塩素化ヘキサペンタジエンの2量体等
のハロゲン含有化合物;赤リン,トリフェニルホスフェ
ート等のリン化合物;ホスホン酸アミド等のリン−窒素
化合物;メラミン,メラム,メレム,メロン,シアヌー
ル酸,シアヌール酸メラミン等のトリアジン化合物;水
酸化アルミニウム,水酸化マグネシウム,ドーソナイ
ト,2水和石コウ等の金属水酸化物等を併用して用いるこ
とも可能である。
更に、耐熱性向上を目的としてヨウ化銅等の銅化合
物、ヒンダードフェノール化合物,芳香族アミン化合
物,有機リン化合物,硫黄化合物等の酸化防止剤あるい
は熱安定剤を添加することもできる。また溶融粘度安定
性,耐加水分解性の改良等の目的には、各種のエポキシ
化合物,オキサゾリン化合物等を添加してもよい。エポ
キシ化合物としては、例えばビスフェノール−Aとエピ
クロルヒドリンを反応させて得られるビスフェノール−
A型エポキシ化合物、各種グリコールやグリセロールと
エピクロルヒドリンとの反応から得られる脂肪族グリシ
ジルエーテル,ノボラック型エポキシ化合物、芳香族ま
たは脂肪族カルボン酸型エポキシ化合物、脂環化合物型
エポキシ化合物などが好ましく、オキサゾリン化合物と
しては芳香族または脂肪族ビスオキサゾリン、特に2,
2′−ビス(2−オキサゾリン),2,2′−m−フェニレ
ンビス(2−オキサゾリン)が好ましい。
その他安定剤,着色剤,滑剤,紫外線吸収剤,帯電防
止剤の添加もできる。
更にまた、少量の割合で他の熱可塑性樹脂、例えば他
のポリアミド樹脂,他のポリエステル樹脂,ポリフェニ
ルサルファイド樹脂,ポリフェニレンエーテル樹脂,ポ
リカーボネート樹脂,フェノキシ樹脂,ポリエチレンお
よびその共重合体、ポリプロピレンおよびその共重合
体、ポリスチレンおよびその共重合体、アクリル樹脂お
よびアクリル系共重合体、ポリアミドエラストマー,ポ
リエステルエラストマー等;熱硬化性樹脂、例えばフェ
ノール樹脂,メラミン樹脂,不飽和ポリエステル樹脂,
シリコーン樹脂等を配合してもよい。
本発明の表面実装用電子部品を成形するためのナイロ
ン46樹脂組成物を得るには、電子部品を構成する組成物
すべてを含有するペレットを作成しそれを成形する方法
も可能であるが、難燃加されたガラス繊維強化ナイロン
46樹脂組成物のペレットと難燃化されたポリテトラメチ
レンテレフタレート樹脂組成物のペレットを別々に作成
し成形時に混合する方法が、ペレットの形状や成形の安
定性から有効である。
通常各々のペレット共それらに含まれる配合成分はそ
り均一に分散させることが好ましく、予めドライブレン
ドされた配合成分を加熱した押出機で溶融混練して均質
化したあと針金状に押出し、次いで所望の長さに切断し
て粒状化する方法等で作成することができる。本発明の
電子部品を構成する全ての配合を含有するペレットを作
成しようとした場合このような方法では良好な形状のペ
レットを成形することが非常に困難であり、形状の悪い
ペレットでは続いて射出成形する際に成形の安定性が損
なわれるため好ましくない。しかし難燃化されたガラス
繊維強化ナイロン46樹脂組成物のペレットと難燃化され
たポリテトラメチレンテレフタレート樹脂組成物のペレ
ットを混合して成形する方法では、それぞれのペレット
は良好な形状で作成することが可能であるため成形性に
ついての問題はなく、また得られる成形品の外観や特性
も全ての配合成分を含むペレットを成形した場合に比べ
て全く劣ることはないことを知見した。
本発明の電子部品は、一般の熱可塑性樹脂用の射出成
形機によって通常の方法で成形することが可能である。
その際、金型温度は、100℃以上にあらかじめ加熱した
金型中で成形した場合、より耐熱性の高い成形品が得ら
れるため好ましい。先述の方法により作成した各々の成
形用ペレットは、通常十分乾燥された状態に保たれて成
形機ホッパー内に投入され成形に供される。
[実施例] 以下実施例により本発明を詳述する。
コネクター成形品の成形(1) 110℃,10Torrの減圧下で12時間乾燥した極限粘度1.42
のナイロン46樹脂(「STANYL」オランダ国DSM社製)と1
30℃で5時間熱風乾燥した極限粘度1.10のポリテトラメ
チレンテレフタレート(帝人(株)社製)、臭素化ポリ
スチレン(「パイロチェック68−PB」日産フェロ有機化
学(株)社製)、三酸化アンチモン(「パトックスC」
日本精鉱(株)社製)およびガラス繊維チョップドスト
ランド(日本電気硝子(株)社製)を表−1に示す量割
合にて、予めタンブラーで均一に混合した後スクリュー
径各44mmのベント付き二軸押出機を用いて真空に引きな
がらシリンダー温度320℃,スクリュー回転数150rpm,吐
出量40kg/hにて溶融混練し、ダイスから吐出するスレッ
ドを冷却切断して成形用ペレットを得た。
次いでこのペレットを用いて射出容量1オンスの射出
成形機にてシリンダー温度300℃,金型温度120℃,射出
圧力1000kg/cm2,冷却時間5秒、および全成形サイクル2
0秒の条件で、寸法14×7×4(mm),平均肉厚約0.5mm
の6穴箱型コネクターを成形した。
それらのコネクターを80℃,95%相対湿度の状態の中
で1時間調湿することにより吸水を促進して吸水状態の
コネクターを得た。
また、先述のポリテトラメチレンテレフタレートを用
いる代わりに、ポリエチレンテレフタレート(帝人
(株)社製)または酸変性したポリフェニレンエーテル
を表−1の量割合で用いるほかはすべてポリテトラメチ
レンテレフタレートの場合と同様な方法で同形状のコネ
クターを作成した。
ポリフェニレンエーテルの製造 無水塩化第一銅3.8gとジ−n−ブチルアミン54.5gを
溶かしたトルエン溶液500mlを仕込んだ重合槽に55重量
%2,6−キシレノールのトルエン溶液2を加え、30℃
に保たれたこの混合溶液に酸素を吹き込みながら拡販す
ることにより酸化重合を行なった。重合後酢酸水溶液を
加えて触媒を失活させ反応を停止した。この反応溶液を
濃縮し、メタノールを加えることによりポリマーを析出
させた。析出したポリマーを瀘過、洗浄後乾燥させるこ
とによってポリフェニレンエーテルを製造した。固有粘
度は0.49であった。
酸変性ポリフェニレンエーテルの製造 130℃にて5時間乾燥した上記ポリフェニレンエーテ
ル樹脂100重量部,無水マレイン酸0.6重量部および2,3
−ジメチル−2,3−ジフェニルブタン0.1重量部をスクリ
ュー径各44mmのベント付き二軸押出機を用いて280℃に
て溶融混練した後ペレット化した。
コネクター成形品の耐リフロー性(1) 上記方法によって得た各種コネクター成形品の耐リフ
ロー半田性試験を卓上型簡易リフロー炉(東洋電装
(株)社製)により行なった。加熱の温度パターンは、
150℃での50秒間予熱した後に所望の温度で15秒加熱さ
れるように設定し、リフロー半田付け温度は赤外線検知
式の温度計で基板の表面温度を測定することにより求め
た。耐リフロー半田性の評価は、リフロー炉中での加熱
の後にコネクター成形品表面にフクレの発生する頻度で
行った。
それらの結果を表−1に示す。
ガラス繊維で強化した難燃性ナイロン46樹脂は、乾燥
状態では優れた耐熱性を示し、リフロー炉を通した後も
その表面状態に変化はない(比較例1)。しかしナイロ
ン46樹脂は経時すると大気中の水分により吸水し、そう
なるとリフロー炉を通った後にはフクレと呼ばれる表面
の損傷がおこり、265℃ではほぼ全量のコネクターに見
られるようになった(比較例2,3)。しかしながらガラ
ス繊維で強化した難燃性ナイロン46樹脂にさらにポリテ
トラメチレンテレフタレートを配合した組成のコネクタ
ーでは、配合しないときに比べ同条件の調湿の後での吸
水量が減少し、かつリフロー炉を通した後のフクレが26
5℃まで全く起こらなくなる(実施例1〜3)。これに
よりポリテトラメチレンテレフタレートを配合した組成
物からなるコネクターではその耐リフロー性が著しく改
善されることがわかる。更に、ポリテトラメチレンテレ
フタレートの代わりにポリエチレンテレフタレートまた
は酸変性したポリフェニレンエーテルを用いて同様な試
験を行うと、ポリテトラメチレンテレフタレートの場合
と同じくそれらを配合した組成のコネクターの場合と同
じくそれらを配合した組成のコネクターでは吸水率の値
は低減されるが、それにもかかわらずリフロー炉を通し
た後のフクレの発生は抑えられず、ポリエチレンテレフ
タレートの場合ではむしろ増加する傾向にある(比較例
4〜9)。すなわち、フクレ現象の抑制はポリテトラメ
チレンテレフタレートを配合した組成物からなるコネク
ターに特異的に起こる現象であり、これらの組成の組合
せによってはじめて耐リフロー性の改良効果が現れる。
コネクター成形品の成形(2) 110℃,10Torrの減圧下で12時間乾燥した極限粘度1.42
のナイロン46樹脂(「STANYL」オランダ国DSM社製)と
臭素化ポリスチレン(「パイロチェック68−PB」日産フ
ェロ有機化学(株)社製)、三酸化アンチモン(「パト
ックスC」日本精鉱(株)社製)およびガラス繊維チョ
ップドストランド(日本電気硝子(株)社製)を表−2
に示す量割合にて、予めタンブラーで均一に混合した後
スクリュー径各44mmのベント付き二軸押出機を用いて真
空に引きながらシリンダー温度320℃,スクリュー回転
数150rpm,吐出量40kg/hにて溶融混練し、ダイスから吐
出するスレッドを冷却切断して成形用ペレットIを得
た。
また130℃で5時間乾燥した極限粘度1.10のポリテト
ラメチレンテレフタレート(帝人(株)社製)、臭素化
ポリスチレン(「パイロチェック68−PB」日産フェロ有
機化学(株)社製)、三酸化アンチモン(「パトックス
C」日本精鉱(株)社製)およびガラス繊維チョップド
ストランド(日本電気硝子(株)社製)を表−2に示す
量割合にて、予めタンブラーで均一に混合した後スクリ
ュー径各44mmのベント付き二軸押出機を用いて真空に引
きながらシリンダー温度260℃,スクリュー回転数150rp
m,吐出量40kg/hにて溶融混練し、ダイスから吐出するス
レッドを冷却切断して成形用ペレットIIを得た。先のコ
ネクターの成形(I)のときの全組成物を一活して押出
したときのペレットはカッターで切断するときの破砕が
多いため形状が悪いのに対し、ペレットI,ペレットIIは
正常な形に切断された良好なペレットとして得られた。
次いでこれらのペレットを表−2に示す量割合で混合
し、射出容量1オンスの射出成形機にてシリンダー温度
300℃,金型温度120℃,射出圧力1000kg/cm2,冷却時間
5秒、および全成形サイクル20秒の条件で、寸法14×7
×4(mm),平均肉厚約0.5mmの6穴箱型コネクターを
成形した。コネクターにおける組成も表−2に示す。形
状の良好なペレットIとペレットIIの混合物では成形時
における計量樹脂の計量時間が短くかつ安定し、良好な
成形性を示すことが判る(実施例4〜7)。
コネクター成形品の耐リフロー性(2) 成形したコネクターを80℃,95%相対湿度の状態の中
で1時間調湿することにより吸水を促進して吸水状態の
コネクターを得た。それらのリフロー時のフクレ性を表
−2に示す。実施例1〜3のときと同様に吸水した状態
でも優れたリフロー半田性を示している。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 67/02 LNZ C08L 67/02 LNZ 77/06 LQS 77/06 LQS H05K 3/34 507 7128−4E H05K 3/34 507 // H05K 13/04 13/04 B (56)参考文献 特開 平3−190962(JP,A) 特開 平3−152162(JP,A) 特開 平3−95264(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)ナイロン46樹脂100重量部当り、 (B)ポリテトラメチレンテレフタレート5〜100重量
    部、 (C)臭素化ポリスチレン2〜100重量部、 (D)難燃助剤1〜50重量部、及び (E)ガラス繊維5〜200重量部 を配合した組成物からなる表面実装用電子部品。
  2. 【請求項2】請求項第1項の電子部品を成形する際に、 (A)ナイロン46樹脂100重量部当り、 (C)臭素化ポリスチレン2〜100重量部、 (D)難燃助剤1〜50重量部、及び (E)ガラス繊維5〜200重量部 を配合した組成物からなるペレットIと、 (B)ポリテトラメチレンテレフタレート100重量部当
    り (C)臭素化ポリスチレン2〜100重量部、 (D)難燃助剤1〜50重量部、及び (E)ガラス繊維0〜200重量部 を配合した組成物からなるペレットIIとを、混合して成
    形機に供する表面実装用電子部品の成形方法。
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