JPH1077404A - ポリアミド樹脂組成物及び表面実装対応電子部品 - Google Patents

ポリアミド樹脂組成物及び表面実装対応電子部品

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JPH1077404A
JPH1077404A JP23418396A JP23418396A JPH1077404A JP H1077404 A JPH1077404 A JP H1077404A JP 23418396 A JP23418396 A JP 23418396A JP 23418396 A JP23418396 A JP 23418396A JP H1077404 A JPH1077404 A JP H1077404A
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JP
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resin
nylon
resin composition
polyamide resin
surface mounting
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English (en)
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Nobuyuki Sueyasu
信行 末安
Kiyoaki Nishijima
清明 西嶋
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Teijin Ltd
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Teijin Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】優れた吸水特性、寸法特性、及び極めて優れた
耐リフロー半田性を示す表面実装対応電子部品材料とし
てのナイロン46樹脂を得て、それにより表面実装対応
電子部品を提供する。 【解決手段】(A)ナイロン46樹脂100重量部当た
り、(B)ポリマー主鎖中のメチレン基数とアミド結合
の比が6以上である脂肪族ポリアミド樹脂5〜100重
量部、(C)加熱時に発生する無機塩素量が10ppm
以下かつ無機臭素量が300ppm以下の臭素化ポリス
チレン2〜100重量部、(D)難燃助剤1〜50重量
部、及び(E)ガラス繊維5〜250重量部を配合して
なる表面実装対応電子部品用樹脂組成物、並びにその樹
脂組成物よりなる表面実装対応電子部品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は表面実装対応電子部
品に供し得る樹脂組成物に関し、さらに詳しくは優れた
吸水特性、寸法特性、及び極めて優れた耐リフロー半田
性を示す難燃化されたガラス繊維強化ポリテトラメチレ
ンアジパミド(以下、「ナイロン46」と称する場合が
ある)樹脂組成物及びこの樹脂組成物よりなる表面実装
対応電子部品に関する。
【0002】
【従来の技術】電子部品の分野では最近の電化製品の小
型化、高性能化に伴い、また生産性向上等を狙い、各種
電子部品を基板へ実装する方法として、部品の実装密度
も高く効率もよい表面実装技術(SMT)が広まりつつ
ある。この表面実装技術を用いた表面実装方式に対応
し、電子部品用が小型化、薄肉化することに伴い、樹脂
材料に対しても、機械強度や成形時の流動性の向上が要
求されるようになった。さらに、表面実装方式ではリフ
ロー炉内での加熱による半田付け方式により、コネクタ
ー等の電子部品材料は上部や下部より加熱されることに
なり、従来の実装方式に比べてより過酷な温度条件に曝
されることになる。この結果、電子部品用の樹脂材料に
対して更なる耐熱性の向上が要求され、例えばナイロン
6樹脂やナイロン66樹脂等のポリアミド樹脂、ポリエ
チレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレート等
のポリエステル樹脂等の従来の材料では耐熱性が不足す
ることになった。
【0003】そこで、この表面実装対応電子部品用の樹
脂材料としてポリフェニレンサルファイド樹脂や芳香族
ポリアミド樹脂等の適用が検討されているが、これら樹
脂は耐熱性には優れるものの先述の機械特性、流動性等
に欠点があるため工業的な利用には大きな制約がある。
このように、優れた機械特性、流動特性、耐熱性を併せ
持つ表面実装対応電子部品の基材となりうる樹脂材料が
この分野において強く求められている。
【0004】ナイロン46樹脂はこの要求に応えうる材
料として注目を集めている。ナイロン46樹脂とはテト
ラメチレンジアミンまたはその機能誘導体とアジピン酸
またはその機能誘導体とから得られる樹脂であり、耐熱
性、耐久性に優れ、また引張強度、曲げ強度との機械特
性や、流動特性等にも優れるため有用なエンジニアリン
グプラスチックとしてその利用上の価値が大きいと考え
られている。電子部品用材料としてもガラス繊維による
強化系を含めてハロゲン化化合物と金属酸化物により難
燃性を付与させた組成物が利用されている。
【0005】しかし、このナイロン46樹脂は、ナイロ
ン6樹脂、ナイロン66樹脂などの通常のポリアミド樹
脂よりもアミド結合の比率が高いため吸水率がそれらに
比べて大きくなるという欠点を持っている。このこと
は、ナイロン46樹脂が成形直後の乾燥状態では一般の
ポリアミド樹脂よりも優れた耐熱性、機械特性をもちな
がら、実使用時においては通常のポリアミド樹脂より高
い吸水率をしめすので、耐熱性、機械特性の低下が大き
くなり、場合によってはナイロン46樹脂の優位性が失
われることにもなる。また、吸水率が高いということは
それだけ寸法変化も大きくなるということにもなる。ナ
イロン46樹脂は一般のポリアミド樹脂に比べて吸水率
あたりの寸法変化率は小さいものの、吸水率が高いため
にその寸法精度は必ずしも満足のいくレベルではなく、
高い寸法精度が要求される部品に適用するには改良を要
する。さらに先述のリフロー炉を使った表面実装方式に
よる基板への実装を行う際には、乾燥状態のナイロン4
6樹脂製の電子部品ではその耐熱性を発揮するものの、
吸水状態では場合により部品表面にフクレと呼ばれる損
傷が現れ、部品としての価値が著しく低下するため、表
面実装方式の条件範囲が狭くなってしまうことになる。
すなわち、ナイロン46樹脂製電子部品は、ナイロン4
6樹脂の吸水性に基づく欠点のため寸法特性、リフロー
半田性が劣ってしまい、この樹脂の持つ優れた耐熱性を
表面実装対応電子部品の材料として活かす上で大きな障
害となっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上述の事情を
背景としてなされたものであり、本発明の目的は優れた
吸水特性、寸法特性、及び極めて優れた耐リフロー半田
性を備え、成形時のガスの発生量が少なく、金型汚れの
発生が少ないポリアミド樹脂組成物を提供することにあ
る。本発明の他の目的はこのような特性を備えた表面実
装対応電子部品を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、表面実装
対応電子部品においてリフロー半田付けの際のフクレの
要因として、該電子部品中に封じ込まれているガスの量
が重要であり、これを低く抑えることによって、リフロ
ー半田付けの際のフクレを抑制することができること知
見した。本発明はこの知見に基づくものであり、表面実
装対応電子部品中のガスの含有量を特定の難燃剤を用い
ることにより低く抑えることにより、リフロー半田付け
の際のフクレを実質的に問題にならない程度に抑制した
ものである。
【0008】すなわち本発明は(A)ナイロン46樹脂
100重量部当たり、(B)ポリマー主鎖中のメチレン
基数とアミド結合の比が6以上である脂肪族ポリアミド
樹脂5〜100重量部、(C)加熱時に発生する無機塩
素量が10ppm以下かつ無機臭素量が300ppm以
下の臭素化ポリスチレン2〜100重量部、(D)アン
チモン化合物1〜50重量部、及び(E)ガラス繊維5
〜250重量部を配合してなる樹脂組成物、並びに該組
成物よりなる表面実装対応電子部品である。
【0009】本発明を詳述する。
【0010】本発明において表面実装対応電子部品とは
基板上に半田付けする際、表面実装方式によって行われ
る電子部品をいう。ここに、表面実装方式とは、配線基
板へ電子部品を実装する方法として、基板のスルーホー
ルから電子部品のリードを通し、電子部品を装着した面
と反対の面に直接半田付け(フローソルダリングまたは
ウェーブソルダリング)する従来の挿入実装に対して、
配線基板上にプリント印刷された半田の上に電子部品を
載せ、基板ごとリフロー炉と呼ばれる加熱炉を通すこと
により半田を溶かして電子部品を固定する方法である。
この表面実装方式により実装密度が上げられること、表
裏両面への実装が可能となること、効率化によりコスト
を低減できること等様々の利点を生み出すことができる
ため、最近の電子機器の軽薄短小化、高機能化、低価格
化などの流れに乗って半田付け方法の主流になりつつあ
り、その応用分野は、カメラ一体型VTR、電卓、カメ
ラ、時計、液晶テレビ、電子ゲーム、パソコン、PCカ
ード等の民生用電子機器や、ミニコン、オフコン、ワー
クステーション、周辺機器、端末機器、計測機器等の産
業用電子機器、さらには宇宙航空用機器などへ広がって
いる。
【0011】表面実装におけるリフロー炉中での基板の
加熱方法としては、ヒーター上を移動する耐熱ベルトの
上に基板を乗せ加熱する熱伝導方式、沸点が約220℃
のフッ素系液体の凝集時の潜熱を利用するVPS方式、
熱風を強制的に循環させているところに基板を通す熱風
対流熱伝達方式、遠赤外線により基板の上からまたは上
下両面から加熱する遠赤外線方式、また熱風による加熱
と遠赤外線による加熱を併せて用いる方式などがある
が、ランニングコスト等の理由から遠赤外線方式及び熱
風対流熱伝達方式が多く採られている。そしてこれらの
加熱方式では従来の挿入実装方式と違い、実装される部
品も半田溶融温度以上に加熱されるため、電子部品に使
用される樹脂材料にとっては非常に過酷な条件になる。
【0012】これらの表面実装対応電子部品の具体的な
例としてコネクター、スイッチ、ボリューム、コンデン
サー、IC、リレー、抵抗器、LED等の部品の本体お
よびケース等の樹脂により作られる部品が挙げられる。
本発明はこのような表面実装方式により基板に実装され
る樹脂製電子部品を対象とする。
【0013】本発明に用いられる(A)成分のナイロン
46樹脂とは、酸成分としてアジピン酸、またはその機
能誘導体を用い、アミン成分としてテトラメチレンジア
ミンまたはその機能誘導体を用いて縮合反応より得られ
るポリアミドを主たる対象とするが、そのアジピン酸成
分またはテトラメチレンジアミン成分の一部を他の共重
合体成分で置き換えたものでもよい。
【0014】ナイロン46樹脂の好ましい態様は特開昭
56−149430号公報及び特開昭56−14943
1号公報に記載されている。
【0015】本発明で用いられるナイロン46樹脂は、
m−クレゾールを用い35℃で測定したときの固有粘度
が0.80〜1.90、更には0.90〜1.50の範
囲にあることが望ましい。
【0016】1.90を超える固有粘度のナイロン46
を用いた場合には成形の際における流動性が悪く、得ら
れる成形品の外観の光沢が失われるのみならず、その機
械的特性、熱特性のバラツキが大きくなるため好ましく
ない。一方、0.80よりも低い固有粘度では、成形品
の機械的強度が小さくなる欠点を生ずる。
【0017】本発明に用いられる(B)成分のポリマー
主鎖中のメチレン基とアミド結合の比が6以上である脂
肪族ポリアミド樹脂としては、ナイロン11、ナイロン
12、ナイロン69、ナイロン610、ナイロン61
1、ナイロン612、ナイロン613、ナイロン63
6、ナイロン644、ナイロン1212等が挙げられ
る。これらのポリアミドは対応するジアミンとジカルボ
ン酸の縮合重合、対応するアミノカルボン酸の縮合重
合、または、対応する環状ラクタムの開環重合から容易
に得ることができる。本発明では、結晶性を失わない範
囲で他のアミンやエステル形成性化合物を共重合したも
のでもよい。これらの脂肪族ポリアミドの中ではナイロ
ン11、ナイロン12、ナイロン612、ナイロン63
6、ナイロン6/636共重合体が好ましい。もっと
も、ポリマー主鎖中のメチレン基数とアミド結合数の比
が5以下である脂肪族ポリアミドではナイロン46の吸
水寸法変化率の低減やリフロー半田性向上に効果を示さ
ないので不適当なポリマーとなる。
【0018】本発明に用いられる(C)成分の臭素化ポ
リスチレンは、加熱時に発生する無機塩素量がClとし
て10ppm以下かつ無機臭素量がBrとして300p
pm以下の臭素化ポリスチレンである。ここで加熱時に
発生する無機ハロゲン量とは、試料1.0gを窒素気流
下(50cc/分)に320℃で10分間加熱し、発生
したガス中の無機ハロゲン分を1%過酸化水素水溶液で
トラップし、イオンクロマトグラフィー(DIONEX
社製/MODEL DX100)で定量したものであ
る。この測定において臭素化ポリスチレン(C)は32
0℃では溶融するため、サンプルの形状、粒度は無機ハ
ロゲンの発生量に影響を与えない。また、無機ハロゲン
分は加熱後に速やかに発生し、窒素気流により過酸化水
素水溶液にトラップされることから、窒素気流の流量は
無機ハロゲンの発生量に影響を与えない。
【0019】加熱時に発生する無機塩素量及び無機臭素
量について本発明の上述の範囲を外れる場合、成形時の
ガスの発生及び金型汚れの発生が多い。成形時に発生す
るガスは本発明者等の知見によれば通常、金型内で成形
物中または表面実装対応電子部品中に封じ込められ、リ
フロー炉中での半田付けの際に成形物中または表面実装
対応電子部品中で膨張しフクレの原因となる。本発明は
特定の難燃剤を用い、成形物中または表面実装対応電子
部品中に含有されるガスの量を低く抑えることによっ
て、リフロー炉中での半田付けに耐える耐フクレ性を備
える表面実装対応電子部品を提供するものである。
【0020】他方、金型汚れの発生が多いと表面実装対
応電子部品に成形するときの不良品発生率が高くなる。
【0021】本発明に用いられる(C)臭素化ポリスチ
レンの重量平均分子量(ポリスチレン換算分子量)は2
0000〜100000、好ましくは30000〜80
000である。20000より小さいと、使用環境下で
成形品表面にブリードアウトが起こり好ましくない。1
00000を越えると、流動性が損なわれ成形性が悪く
なるので好ましくない。
【0022】臭素化ポリスチレンの配合量は、ナイロン
46樹脂100重量部当たり2〜100重量部である。
配合量が2重量部以下だと、ポリアミド樹脂の難燃化効
果が十分でなく、100重量部以上では、成形品の機械
的強度において強度低下等の問題が生じる。
【0023】本発明に用いられる(D)成分のアンチモ
ン化合物は、(C)成分の臭素化ポリスチレンとの相乗
効果により、ポリアミド樹脂の難燃性を高める働きをす
るものである。アンチモン化合物としては三酸化アンチ
モン、四酸化アンチモン、五酸化アンチモン、アンチモ
ン酸ナトリウム等が挙げられるが、特に、三酸化アンチ
モンが好ましく用いられる。また、これらの難燃助剤は
1種のみの配合であっても2種以上の化合物の併用であ
ってもよい。
【0024】これらのアンチモン化合物(D)の配合量
は(C)成分の臭素化ポリスチレンのハロゲン原子2〜
5に対しアンチモン等の金属原子1の割合にあるときが
適当であり、本発明の場合、ナイロン46樹脂100重
量部当たり1〜50重量部である。この配合量が1重量
部より少ないときには難燃助剤としての効果が小さく、
また50重量部より多いときにはそれ以上の配合による
効果の増大が期待されないばかりでなく、機械的特性や
流動性等の成形特性等が劣ってくるため好ましくない。
【0025】本発明に用いられる(E)成分のガラス繊
維は一般に樹脂の強化用に用いられるものであれば特に
限定はなく、例えば長繊維タイプ(ガラスローピング)
や短繊維状のチョップドストランドを用いることが出来
る。このガラス繊維径は平均で6〜13μmの範囲にあ
るものが、集束性等の取扱性や樹脂の補強効果から通常
好ましく用いられる。
【0026】ガラス繊維の配合量は、ナイロン46樹脂
100重量部当たり5〜250重量部である。この配合
量が250重量部を超える場合には、組成物の溶融状態
における流動性が著しく劣ってくるため外観の良好な成
形品を得ることが出来ず、また強度的にも飽和に達して
くるため好ましくない。
【0027】本発明の表面実装対応電子部品に用いられ
る樹脂組成物には、必要に応じて顔料その他の配合剤と
しては充填剤、例えばガラス繊維以外の炭素繊維、スチ
ール繊維、ガラスフレークス等の粉末状、粒状あるいは
板状の無機充填剤が例示できる。
【0028】また、耐熱性向上を目的としてヨウ化銅等
の銅化合物、芳香族アミン化合物、有機リン化合物、硫
黄化合物等の酸化防止剤あるいは熱安定剤を添加するこ
ともできる。また溶融粘度安定性、耐加水分解性の改良
等の目的には、各種のエポキシ化合物、オキサゾリン化
合物等を添加してもよい。
【0029】その他安定剤、着色剤、滑剤(例えば、ス
テアリン酸塩、モンタン酸塩、ポリエチレンワックスの
酸化タイプ:米国アライドシグナル社製/AC316
A、ポリエチレンワックスのエチレン−アクリル酸共重
合タイプ:米国アライドシグナル社製/AC540A等
があげられる。)、紫外線吸収剤、帯電防止剤の添加も
できる。
【0030】本発明の表面実装対応電子部品に用いられ
る樹脂組成物を得るには任意の配合方法を用いることが
できる。通常これらの配合成分はより均一に分散させる
ことが好ましく、その全部もしくは一部を同時にあるい
は別々に例えばブレンダー、ニーダー、パンバリーミキ
サー、ロール、押出機等の混合機で混合し均質化させる
方法を用いることができる。更に、予めドライブレンド
された組成物を加熱した押出機で溶融混練して均質化し
た後針金状に押出し、次いて所望の長さに切断して粒状
化する方法などがある。
【0031】本発明の表面実装対応電子部品は、上述の
樹脂組成物を一般の熱可塑性樹脂に用いられる成形方
法、例えば射出成形によって極めて容易に得ることがで
きる。
【0032】
【実施例】以下実施例により本発明を詳述する。
【0033】温度110℃、圧力1300Paの減圧条
件下で12時間乾燥した極限粘度数1.42のナイロン
46樹脂(「STANYL」オランダ国DSM社製)、
臭素化ポリスチレン(C−1)(「パイロチェック68
PB」日産フェロ有機化学(株)社製)、臭素化ポリス
チレン(C−2)(「PDBS80」グレートレイクス
社製)、臭素化ポリスチレン(C−3)(「特開平5−
287014号公報記載による難燃剤」帝人化成(株)
社製)、ナイロン11樹脂(「東レナイロン11リルサ
ンBMNO」東レ(株)社製)、ナイロン12樹脂
(「ダイアミドX−1988」ダイセル・ヒュルス
(株)社製)、三酸化アンチモン(「パトックスC」日
本精鉱(株)社製)及び平均繊維径10.5μmのガラ
ス繊維の3mmチョップドストランド(日本電気ガラス
(株)社製)を表−1に示す割合にて、予めブレンダー
で均一に混合した後スクリュー径各44mmのベント付
き二軸押出機を用いて真空に引きながらシリンダー温度
330℃、スクリュー回転数160rpm、吐出量40
Kg/hにて溶融混練し、ダイスから吐出するスレッド
を冷却切断して樹脂組成物ペレットを得た。
【0034】
【表1】
【0035】上記方法で作成したペレットを用いて東芝
機械(株)社製のIS75E射出成形機にてシリンダー
温度280〜300℃、金型温度:120℃、射出圧力
800Kg/cm2、冷却時間15秒の成形条件で各種
測定用の成形品を成形した。なお、実施例中の各種特性
の測定は以下の方法によった。
【0036】(1)機械的強度:引張試験はASTM
D638に、曲げ試験はASTM D790に、衝撃試
験はASTM D256(アイゾット、ノッチ付)にそ
れぞれ準処。
【0037】(2)燃焼性:米国アンダーライターラボ
ラトリー社の定める方法(UL94)により評価(厚さ
0.7mm)。
【0038】(3)加熱時発生無機ハロゲン量:市販の
灰分測定用磁製ボード(幅14mm×高さ11mm×長
さ80mm)に試料1.0gを入れ、温度を+−1℃の
精度で制御可能な加熱炉中で窒素気流下(流量:50c
c/分)にて温度320℃で10分間加熱した。この加
熱において試料は320℃到達時点では完全に溶融して
いた。この加熱の際に用いた窒素気流は全て1%過酸化
水素水溶液でトラップし、加熱時に発生した無機ハロゲ
ン分を1%過酸化水素水溶液に捕捉した。この水溶液中
の無機塩素量及び無機臭素量をイオンクロマトグラフィ
ー(DIONEX社製/MODEL DX100)を用
いて定量した。
【0039】この測定による3種類の難燃剤の加熱時発
生無機ハロゲン量は次のとおりであった。
【0040】(C−1)「パイロチェック68PB」
(日産フェロ有機化学社製) Cl:744ppm、 Br:759ppm (C−2)「PDBS80」(グレートレイクス社製) Cl:2ppm、 Br:74ppm (C−3)特開平5−287014公報記載による難燃
剤(帝人化成社製) Cl:6ppm、 Br:267ppm (4)荷重撓み温度:ASTM D648に準拠(荷重
18.6Kg/cm2)。
【0041】(5)吸水特性:80℃、相対湿度95%
雰囲気に24時間放置した後の重量増加より算出(成形
品厚さ1.5mm)。
【0042】(6)寸法特性:80℃、相対湿度95%
雰囲気中に24時間放置した後の寸法変化により、算
出。(成形品:流れ方向100mm×直角方向60mm
×厚さ1.5mm、フィルムゲート) (7)コネクター成形品のフクレ発生温度:電子部品の
例として、上記方法で作成したペレットを用いて日精樹
脂(株)社製のPS40E射出成形機にてシリンダー温
度280〜300℃、金型温度:120℃、射出圧力9
00Kg/cm2、冷却時間15秒の成形条件で、寸法
30×5×5(mm)、肉厚0.4mmの箱形コネクタ
ーを成形した。
【0043】これらのコネクターを80℃、相対湿度9
5%の状態で1時間調湿し、吸水状態のコネクターを得
た。
【0044】さらに、コネクターの耐リフロー性試験
を、赤外線−熱風併用タイプのリフロー炉(TPF−2
0L、(株)アサヒエンジニアリング社製)により行っ
た。加熱の温度パターンは、150℃で60秒加熱した
後に所望の温度で約20秒加熱されるように設定し、リ
フロー温度はリフローチェッカーで基板の表面温度を測
定することにより求めた。耐リフロー半田性の評価は、
1℃刻みでリフロー温度を上げていき、リフロー炉内で
の加熱の後にコネクター成形品表面にフクレの発生する
温度を調べることで評価した。
【0045】[比較例1〜4、実施例1〜4]比較例
1、2は(B)成分を配合しない例であり、優れた機械
的特性をしめすものの、吸水率が大きく寸法変化も大き
い。さらに、フクレ発生温度も低く、十分な耐リフロー
性を示さない。
【0046】比較例3、4は(B)成分としてナイロン
11樹脂を配合し、(C)成分の臭素化ポリスチレンと
して加熱時発生ハロゲン量の多い(C−1)を用いた例
であり、改良された吸水特性を示すものの、十分な耐リ
フロー性を示さない。
【0047】実施例1、2、4は(B)成分としてナイ
ロン11樹脂を配合し、さらに(C)成分の臭素化ポリ
スチレンとして(C−2)「PDBS80」(グレート
レイクス社製)または、(C−3)特開平5−2870
14公報記載による難燃剤(帝人化製社製)を配合した
例である。これらの例は改良された吸水特性を示す上
に、高いフクレ発生温度を示し、極めて良好な耐リフロ
ー性を示した。
【0048】また、実施例3は(B)成分としてナイロ
ン12樹脂を配合した例であり、この場合もナイロン1
1樹脂を用いた場合と同様に極めて良好な耐リフロー性
を示した。
【0049】
【表2】
【0050】
【表3】
【0051】比較例4と実施例1〜4の比較から明らか
なように、加熱時発生ハロゲン量の少ない臭素化ポリス
チレンを用いる本発明の構成により、耐リフロー半田性
の向上、即ち、フクレ発生温度の向上は、吸水率、コネ
クター水分率に依存することなく達成されている。
【0052】
【発明の効果】本発明によって、優れた吸水特性、寸法
特性、及び極めて優れた耐リフロー半田性を示す難燃化
されたガラス繊維強化ポリアミド(ナイロン46)樹脂
組成物、並びにこの樹脂組成物よりなる表面実装対応電
子部品を得ることが可能となる。
【0053】本願発明のポリアミド樹脂組成物及び表面
実装対応電子部品は成形時のガスの発生及び金型汚れの
発生が少ない。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)ナイロン46樹脂100重量部当
    たり、(B)ポリマー主鎖中のメチレン基数とアミド結
    合の比が6以上である脂肪族ポリアミド樹脂5〜100
    重量部、(C)加熱時に発生する無機塩素量が10pp
    m以下かつ無機臭素量が300ppm以下の臭素化ポリ
    スチレン2〜100重量部、(D)アンチモン化合物1
    〜50重量部、及び(E)ガラス繊維5〜250重量部
    を配合してなるポリアミド樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 脂肪族ポリアミド樹脂(B)がナイロン
    11樹脂である請求項1に記載のポリアミド樹脂組成
    物。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の何れかのポリア
    ミド樹脂組成物よりなる表面実装対応電子部品。
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