JPH1072550A - 難燃性ポリアミド樹脂組成物及びそれよりなる表面実装用部品 - Google Patents

難燃性ポリアミド樹脂組成物及びそれよりなる表面実装用部品

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JPH1072550A
JPH1072550A JP24793596A JP24793596A JPH1072550A JP H1072550 A JPH1072550 A JP H1072550A JP 24793596 A JP24793596 A JP 24793596A JP 24793596 A JP24793596 A JP 24793596A JP H1072550 A JPH1072550 A JP H1072550A
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JP
Japan
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component unit
weight
flame
dicarboxylic acid
aromatic polyamide
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Application number
JP24793596A
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English (en)
Inventor
Yoshimasa Ogo
佳正 小合
Masaru Goto
後藤  勝
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Original Assignee
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】所要の難燃性と強度を確保しつつ、その成形性
(特に、流動性)とリフロー耐熱性とを改善した難燃性
芳香族ポリアミド樹脂組成物を提供することにある。 【解決手段】本発明による難燃性芳香族ポリアミド樹脂
組成物は、 (A)(a)テレフタル酸成分単位50〜100モル%
とテレフタル酸以外の芳香族ジカルボン酸成分単位0〜
50モル%と脂肪族ジカルボン酸成分単位0〜50モル
%とからなるジカルボン酸成分単位と、(b)炭素原子
数4〜18の脂肪族ジアミン成分単位50〜100モル
%と炭素原子数4〜18の脂環族ジアミン成分単位0〜
50モル%とからなるジアミン成分単位とからなる芳香
族ポリアミド100重量部に対して、 (B)臭素化ポリスチレン30〜60重量部を含み、上
記臭素化ポリスチレンが(a)臭素含有量58〜63重
量%の臭素化ポリスチレン50〜90重量%と(b)臭
素含有量63重量%を越えて、70重量%以下の臭素化
ポリスチレン50〜10重量%とからなることを特徴と
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、難燃性ポリアミド
樹脂組成物に関し、詳しくは、耐熱性、成形性(特に、
流動性)、強度等にすぐれる難燃性芳香族ポリアミド樹
脂組成物と、そのような難燃性芳香族ポリアミド樹脂組
成物からなるコネクター等の表面実装用部品に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ε−カプロラクタムの開環重合に
よって得られるナイロン6や、ヘキサメチレンジアミン
とアジピン酸との重縮合によって得られるナイロン6
6、ヘキサメチレンジアミンとセバシン酸との重縮合に
よって得られるナイロン610等のような脂肪族ポリア
ミド樹脂(ナイロン)がエンジニアリングプラスチック
として種々の分野において広く用いられている。しか
し、このような脂肪族ポリアミド樹脂は、成形性にはす
ぐれるものの、融点が低く、例えば、ナイロン66の融
点は、通常、260℃前後であり、従って、高温環境下
で用いられることが多いエンジニアリングプラスチック
としては、必ずしも十分なものではない。
【0003】そこで、近年、ジカルボン酸成分が主とし
て芳香族ジカルボン酸からなる芳香族ポリアミド樹脂が
実用化されるに至っている。このような芳香族ポリアミ
ドは、耐熱性や強度の点において、上記ナイロン6、ナ
イロン66等の脂肪族ポリアミドよりもすぐれており、
難燃性の要求される用途には、従来、種々の難燃剤が配
合されて用いられている。しかし、その用途によって
は、難燃性を確保しつつ、成形性(特に、流動性)と耐
熱性が要求される。
【0004】例えば、電気、電子分野において、最近、
コネクター等の各種部品の基板への実装方法として、よ
り効率の高い表面実装方式(SMT方式)に移行しつつ
あり、この表面実装方式によれば、リフロー炉による半
田付け工程において、コネクター等の部品に、従来の実
装方式に比べて、一層過酷な温度条件、例えば、250
〜270℃程度の高温にまで、コネクター等の部品の温
度が上昇することがある。しかし、従来の難燃性芳香族
ポリアミド樹脂組成物によれば、難燃性を確保し得て
も、成形性(特に、流動性)とリフロー耐熱性が十分で
ない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の難燃
性芳香族ポリアミド樹脂組成物における上述したような
問題を解決するためになされたものであって、所要の難
燃性と強度を確保しつつ、その成形性(特に、流動性)
とリフロー耐熱性とを改善した難燃性芳香族ポリアミド
樹脂組成物と、そのような難燃性芳香族ポリアミド樹脂
組成物からなる表面実装用部品とを提供することを目的
とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明による難燃性芳香
族ポリアミド樹脂組成物は、 (A)(a)テレフタル酸成分単位50〜100モル%
とテレフタル酸以外の芳香族ジカルボン酸成分単位0〜
50モル%と脂肪族ジカルボン酸成分単位0〜50モル
%とからなるジカルボン酸成分単位と、(b)炭素原子
数4〜18の脂肪族ジアミン成分単位50〜100モル
%と炭素原子数4〜18の脂環族ジアミン成分単位0〜
50モル%とからなるジアミン成分単位とからなる芳香
族ポリアミド100重量部に対して、 (B)臭素化ポリスチレン30〜60重量部を含み、上
記臭素化ポリスチレンが(a)臭素含有量58〜63重
量%の臭素化ポリスチレン50〜90重量%と(b)臭
素含有量63重量%を越えて、70重量%以下の臭素化
ポリスチレン50〜10重量%とからなることを特徴と
する。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明において、芳香族ポリアミ
ド(A)は、(a)テレフタル酸成分単位50〜100
モル%とテレフタル酸以外の芳香族ジカルボン酸成分単
位0〜50モル%と脂肪族ジカルボン酸成分単位0〜5
0モル%とからなるジカルボン酸成分単位と、(b)炭
素原子数4〜18の脂肪族ジアミン成分単位50〜10
0モル%と炭素原子数4〜18の脂環族ジアミン成分単
位0〜50モル%とからなるジアミン成分単位とからな
る繰返し単位から構成されている。
【0008】上記ジカルボン酸成分単位(a)は、必須
の成分単位として、テレフタル酸成分単位(a−1)を
有する。このようなテレフタル酸成分単位(a−1)を
有する繰返し単位は、次式〔I−a〕
【0009】
【化1】
【0010】で表わされる。上記式〔I−a〕におい
て、R1 は、後述するジアミン成分単位における炭素原
子数4〜18のアルキレン基又はシクロアルキレン基を
示す。本発明によれば、上記ジカルボン酸成分単位
〔a〕は、すべてが上記式〔I−a〕で表わされる成分
単位である必要はなく、上記テレフタル酸成分単位(a
−1)の一部がほかのジカルボン酸成分単位であっても
よい。
【0011】このようなテレフタル酸成分単位以外のジ
カルボン酸成分単位としては、テレフタル酸以外の芳香
族ジカルボン酸成分単位(a−2)と脂肪族ジカルボン
酸成分単位(a−3)とを挙げることができる。上記テ
レフタル酸以外の芳香族ジカルボン酸成分単位(a−
2)の具体例としては、例えば、イソフタル酸成分単
位、2−メチルテレフタル酸成分単位、ナフタレンジカ
ルボン酸成分単位等を挙げることができる。このような
テレフタル酸以外の芳香族ジカルボン酸成分単位として
は、特に、イソフタル酸成分単位が好ましい。
【0012】このように、芳香族ポリアミドがテレフタ
ル酸以外の芳香族ジカルボン酸成分単位として、イソフ
タル酸成分単位を有する場合には、芳香族ポリアミド
は、次式〔I−b〕
【0013】
【化2】
【0014】で表わされる繰返し単位を含む。上記式
〔I−b〕において、R1 は、後述するジアミン成分単
位における炭素原子数4〜18のアルキレン基又はシク
ロアルキレン基を示す。
【0015】上記脂肪族ジカルボン酸成分単位(a−
3)は、通常、炭素原子数4〜20、好ましくは、6〜
12のアルキレン基を有する脂肪族ジカルボン酸から誘
導される。このような脂肪族ジカルボン酸成分単位(a
−3)を誘導するために用いられる脂肪族ジカルボン酸
の具体例としては、例えば、コハク酸、アジピン酸、ア
ゼライン酸、セバシン酸成分単位等を挙げることができ
る。芳香族ポリアミドがこのような脂肪族ジカルボン酸
成分単位を有する場合、このような成分単位としては、
特に、アジピン酸成分単位やセバシン酸成分単位が好ま
しい。
【0016】このように、ジカルボン酸成分単位(a)
を構成する他のジカルボン酸成分単位として、脂肪族ジ
カルボン酸成分単位(a−3)を有する場合、芳香族ポ
リアミドは、次式〔II〕
【0017】
【化3】
【0018】で表わされる繰返し単位を含む。上記式
〔II〕において、R1 は、前述したように、ジアミン成
分単位における炭素原子数4〜18のアルキレン基又は
シクロアルキレン基を示し、nは、通常、2〜18の整
数を示し、好ましくは、4〜10の整数を示す。
【0019】本発明において用いるポリアミドは、上述
したように、その繰返し単位は、ジカルボン酸成分単位
(a)とジアミン成分単位(b)とからなる。ここに、
ジアミン成分単位(b)は、好ましくは、炭素原子数4
〜18の脂肪族アルキレンジアミン成分単位50〜10
0モル%と炭素原子数4〜18の脂環族ジアミン成分単
位0〜50モル%とからなる。
【0020】このような脂肪族アルキレンジアミンの具
体例としては、例えば、1,4−ジアミノブタン、1,6−
ジアミノヘキサン、2,4,4−トリメチル−1,6−ジアミ
ノヘキサン、1,7−ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノ
オクタン、1,9−ジアミノノナン、1,10−ジアミノデカ
ン、1,11−ジアミノウンデカン、1,12−ジアミノドデカ
ン等を挙げることができる。これらのなかでは、1,6−
ジアミノヘキサン、1,8−ジアミノオクタン、1,10−ジ
アミノデカン又は1,12−ジアミノドデカンが好ましく、
特に、1,6−ジアミノヘキサンが好ましい。また、脂環
族ジアミンの具体例としては、例えば、1,3−ジアミノ
シクロヘキサン、1,4−ジアミノシクロヘキサン等を挙
げることができる。
【0021】本発明において、芳香族ポリアミド(A)
を構成する全ジカルボン酸成分単位(100モル%)中
におけるテレフタル酸成分単位(a−1)の含有率は、
40〜100モル%、好ましくは、40〜80モル%、
更に好ましくは、50〜70モル%であり、テレフタル
酸以外の芳香族ジカルボン酸成分単位(a−2)の含有
率は、0〜60モル%、好ましくは、0〜40モル%、
更に好ましくは、0〜20モル%であり、脂肪族ジカル
ボン酸成分単位(a−3)の含有率は、0〜60モル
%、好ましくは、20〜60モル%、特に、好ましく
は、30〜50モル%の範囲である。
【0022】本発明においては、芳香族ポリアミド
(A)は、ジカルボン酸成分単位(a)として、上述し
たような主成分単位であるテレフタル酸成分単位(a−
1)や、また、イソフタル酸成分単位に代表されるテレ
フタル酸以外の二価の芳香族ジカルボン酸から誘導され
る成分単位(a−2)や、前記脂肪族ジカルボン酸成分
単位(a−3)を有する繰返し単位のほかに、少量のト
リメリット酸やピロメリット酸のような三塩基性以上の
多価カルボン酸から誘導される成分単位を含んでいても
よい。芳香族ポリアミド(A)中にこのような多価カル
ボン酸から誘導される成分単位は、ジカルボン酸成分単
位(a)において、通常、5モル%以下の範囲で含まれ
てもよい。
【0023】また、本発明においては、芳香族ポリアミ
ド(A)は、前記式〔1−a〕で表わされる繰返し単位
を主な繰返し単位とする芳香族ポリアミドと、前記式
〔1−b〕で表わされる繰返し単位を主な繰返し単位と
する芳香族とからなる混合物であってもよい。
【0024】本発明において用いる芳香族ポリアミド
は、結晶性の重合体であって、濃硫酸中、30℃で測定
した極限粘度〔η〕が、通常、0.6〜1.5dl/gの範
囲にあり、好ましくは、0.7〜1.2の範囲にあり、特に
好ましくは、0.8〜1.05dl/gの範囲にある。ま
た、非晶部におけるガラス転移点は、通常、70〜12
5℃、好ましくは、80〜125℃の範囲内にある。更
に、このような芳香族ポリアミドは、融点が、260〜
360℃の範囲にあり、多くの場合、280〜330℃
の範囲にある。
【0025】また、本発明においては、必要に応じて、
芳香族ポリアミドは、上述した成分単位と共に、ε−カ
プロラクタム由来の脂肪族ポリアミド(ナイロン6)成
分、ω−ラウロラクタム又はアミノドデカン酸由来の脂
肪族ポリアミド(ナイロン12)、ω−アミノウンデカ
ン酸由来の脂肪族ポリアミド(ナイロン11)、ω−ア
ミノデカン酸由来の脂肪族ポリアミド(ナイロン10)
等を共重合成分として有する多元共重合芳香族ポリアミ
ドであってもよい。
【0026】このような芳香族ポリアミドを樹脂成分と
して用いる本発明による難燃性芳香族ポリアミド樹脂組
成物は、コネクター等の成形体を表面実装方式によって
回路基板に実装する場合に、高温に曝されても、成形体
が溶融することがなく、また、寸法変化も発生し難い。
【0027】本発明による難燃性ポリアミド樹脂組成物
は、芳香族ポリアミド100重量部に対して、難燃剤と
して、臭素化ポリスチレン(B)を30〜60重量部の
範囲で含み、ここに、上記臭素化ポリスチレン(B)
は、(a)臭素含有量58〜63重量%の臭素化ポリス
チレン50〜90重量%と(b)臭素含有量63重量%
を越えて、70重量%以下の臭素化ポリスチレン50〜
10重量%とからなる。
【0028】上記臭素化ポリスチレンは、ポリスチレン
を核臭素化触媒の存在下に臭素化剤で臭素化することに
よって得ることができ、また、臭素化スチレンの(共)
重合によって得ることができる。本発明においては、芳
香核あたりにほぼ2つの臭素原子を有し、その臭素含有
量が58〜63重量%のもの(以下、ジブロモポリスチ
レンという。)と、芳香核あたりに平均して2.5〜3個
の臭素原子を有し、その臭素含有量が63重量%を越え
て、70重量%以下のもの(以下、トリブロモポリスチ
レンという。)とが所定の割合で組合わせて用いられ
る。これらジブロモポリスチレンとトリブロモポリスチ
レンは、いずれも、市販品として入手することができ
る。但し、本発明において用いる臭素化ポリスチレン
は、高分子鎖を形成する脂肪族炭素における水素が一
部、臭素で置換されていてもよい。
【0029】例えば、ジブロモポリスチレンは、日産フ
ェロ有機化学製のパイロチェック60PB(臭素含有量
60〜62重量%)やGLC社製のPDBS80(臭素
含有量60〜62重量%)等として入手することができ
る。また、トリブロモポリスチレンは、例えば、日産フ
ェロ有機化学製のパイロチェック68PB(臭素含有量
65〜67重量%)等として入手することができる。本
発明においては、特に、ジブロモポリスチレンは、温度
230℃、試験荷重3800gの条件下に測定したメル
ト・フロー・レート(以下、MFRという。)が15〜
25g/10分、特に、18〜23g/10分の範囲に
あるものが好ましく用いられ、トリブロモポリスチレン
は、MFRが1〜5g/10分、特に、1〜3g/10
分の範囲にあるものが好ましく用いられる。
【0030】本発明によれば、芳香族ポリアミド100
重量部に対して、臭素化ポリスチレンを30〜60重量
部の範囲で含むと共に、上記臭素化ポリスチレンが上記
ジブロモポリスチレン50〜90重量%とトリブロモポ
リスチレン50〜10重量%とからなり、このように、
芳香族ポリアミドに対して、臭素含有量の異なる2種類
の臭素化ポリスチレンを所定の割合で組合わせてなる難
燃剤を所定の割合にて配合することによって、強度を確
保しつつ、その成形性(特に、流動性)とリフロー耐熱
性とを改善した芳香族ポリアミド樹脂組成物を得ること
ができる。
【0031】尚、本発明による難燃化技術によれば、従
来より知られているナイロン66等、芳香族ポリアミド
以外のポリアミドについても、その成形性(特に、流動
性)を改善し得ることが本発明の完成に至る過程で確認
されているが、しかし、そのような場合には、リフロー
耐熱性が十分ではない。本発明によれば、前述したよう
なジカルボン酸成分単位とジアミン成分単位とからなる
芳香族ポリアミドに臭素含有量の異なる2種類の臭素化
ポリスチレンを配合することによって、その成形性(特
に、流動性)とリフロー耐熱性とを共に改善することが
できる。
【0032】本発明においては、難燃助剤として、上記
臭素化ポリスチレンからなる難燃剤と共に、酸化アンチ
モンやアンチモン酸ナトリウム等を用いることができ
る。このような難燃助剤は、通常、芳香族ポリアミド1
00重量部に対して、30重量部以下の範囲で用いられ
る。
【0033】本発明による芳香族ポリアミド樹脂組成物
は、必要に応じて、無機繊維強化材として含むことがで
きる。無機繊維強化材としては、例えば、ガラス繊維、
炭素繊維、ホウ素繊維等を挙げることができるが、なか
でも、ガラス繊維が好ましく用いられる。ガラス繊維の
好ましい具体例としては、例えば、旭ファイバーグラス
製CS03JAFT2AやCS03MA486A等を挙
げることができる。このような無機繊維強化材を芳香族
ポリアミド樹脂組成物に配合することによって、引張強
度、曲げ強度、曲げ弾性率等の機械的特性や、熱変形温
度等の耐熱特性や、更には、耐炎性が向上する。特に、
限定されるものではないが、無機繊維強化材、特に、ガ
ラス繊維は、平均長さが0.1〜20mm、好ましくは、
0.3〜6mmの範囲であり、アスペクト比が10〜20
00、好ましくは、30〜600の範囲である。このよ
うな無機繊維強化材は、ポリアミド100重量部に対し
て、必要に応じて、100重量部以下の範囲で配合され
る。
【0034】また、本発明による芳香族ポリアミド樹脂
組成物は、必要に応じて、充填剤、酸化防止剤、老化防
止剤、耐熱安定剤、着色剤等を適宜量配合してもよい。
充填剤としては、例えば、シリカ、シリカ−アルミナ、
アルミナ、二酸化チタン、タルク、珪藻土、クレー、カ
オリン、ガラス、マイカ、石膏、べんがら、酸化亜鉛、
チタン酸カリウム等を挙げることができる。
【0035】更に、本発明においては、樹脂成分とし
て、前述した芳香族ポリアミドと共に、炭素数8以上、
好ましくは、10〜12のカプロラクタムの開環重合
体、例えば、ナイロン8、ナイロン11、ナイロン12
等を用いることができる。また、樹脂成分として、ポリ
ヘキサメチレンセバカミド(ナイロン6/10)やポリ
ヘキサメチレンデカミド(ナイロン6/12)も、用い
ることができる。このような樹脂成分は、芳香族ポリア
ミド100重量部に対して、通常、10重量部以下の範
囲で含まれていてもよい。本発明による芳香族ポリアミ
ド樹脂組成物は、上述した成分をポリアミドの溶融下に
混合混練することによって得ることができる。
【0036】
【発明の効果】このようにして得られる本発明による芳
香族ポリアミド樹脂組成物は、難燃性と強度とにすぐれ
ると共に、成形性(特に、流動性)にすぐれるので、例
えば、薄肉で強度ある成形体をも容易に射出成形にて製
造することができ、しかも、得られる成形品は、リフロ
ー炉でリフロー半田が溶融する高温、例えば、270℃
程度まで加熱されるリフロー工程を行なっても、溶融し
たり、変形、寸法変化等を起こすことがない。このよう
に、本発明による難燃性芳香族ポリアミド樹脂組成物
は、難燃性、強度、流動性及び耐熱性のすべてにすぐれ
るので、電気、電子分野における種々の表面実装用部
品、例えば、コネクター、スイッチ、集積回路ソケット
等の製造に好適に用いることができる。
【0037】
【実施例】以下に実施例と共に芳香族ポリアミドの製造
例を示す参考例を挙げて本発明を説明するが、本発明は
これら実施例により何ら限定されるものではない。以下
において、物性は次の方法に従って測定した。
【0038】(リフロー耐熱性)射出成形にて調製した
厚さ0.6mm、幅6mm、長さ60mmの試験片を温度
40℃、相対湿度90%で96時間調湿した。赤外線及
び熱風併用型リフロー半田装置(日本アントム工業
(株)製SOLSYS−2001R)を用いて、図1に
示す温度プロファイルのリフロー工程を行なった。試験
片を厚み1mmのガラスエポキシ基板上に載置すると共
に、この基板上に温度センサーを設置して、プロファイ
ルを測定した。図1中、所定の設定温度(aは240
℃、bは230℃、cは220℃、dは210℃)まで
加熱し、20秒間加熱保持して、試験片が溶融せず、且
つ、表面にボイドが発生しない設定温度の最大値を求
め、この設定温度の最大値をリフロー耐熱性とした。
【0039】ここに、上記設定温度とは、リフロー半田
を十分に溶融させるために、試験片を20秒間以上加熱
保持する温度を意味する。用いるリフロー半田装置によ
って異なるが、試験片は、リフロー工程においては、図
1に示すように、上記設定温度よりも10℃程度高い温
度まで加熱される。
【0040】(スパイラルフロー試験)断面が直径0.4
8cmの半円形のスパイラル型金型に以下の条件で射出
し、流動長(cm)を測定した。 射出成形機:東芝機械製IS−50EP 射出圧力: 1000kg/cm2 シリンダー温度:NT/C1/C2/C3=320℃/
320℃/310℃/300℃ 金型温度:120℃
【0041】参考例1 常法に従って、1,6−ジアミノヘキサン99.8kg(85
9モル)とテレフタル酸78.1kg(470モル)とアジ
ピン酸56.0kg(384モル)を重縮合させて、1,6−
ジアミノヘキサンとテレフタル酸とからなる繰り返し単
位が55重量%であり、1,6-ジアミノヘキサンとアジピ
ン酸とからなる繰り返し単位が45重量%である芳香族
ポリアミドのペレットを調製した。この芳香族ポリアミ
ドは、融点300〜310℃、ガラス転移点80〜90
℃、極限粘度〔η〕は1.00dl/gであった。
【0042】実施例1〜3及び比較例1〜3 表1に示すように、参考例1で調製した芳香族ポリアミ
ドを難燃剤としてのトリブロモポリスチレンとジブロモ
ポリスチレン、難燃助剤(アンチモン酸ナトリウム)及
びガラス繊維(旭ファイバーグラス製CS03JAFT
2A)と共に混合し、温度320℃に設定した直径65
mmの二軸ベント付押出機に装入し、溶融混練して、ペ
レット化した。
【0043】得られたペレットについて、スパイラルフ
ロー試験とリフロー耐熱性試験を行なうと共に、曲げ強
度を測定した。結果を表1に示す。
【0044】
【表1】
【0045】表1において、難燃剤aはトリブロモポリ
スチレン(日産フェロ有機化学製パイロチェック68P
B、臭素含有量65〜67%、温度230℃、MFR3
g/10分以下)、bはジブロモポリスチレン(日産フ
ェロ有機化学製パイロチェック60PB、臭素含有量6
0〜62%、MFR3〜5g/10分)、cはジブロモ
ポリスチレン(GLC社製PDBS80、臭素含有量6
0〜62%、MFR22〜25g/10分)である。
【図面の簡単な説明】
【図1】は、リフロー耐熱性試験におけるリフロー工程
の温度プロファイルを示す。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)(a)テレフタル酸成分単位40〜
    100モル%とテレフタル酸以外の芳香族ジカルボン酸
    成分単位0〜60モル%と脂肪族ジカルボン酸成分単位
    0〜60モル%とからなるジカルボン酸成分単位と、
    (b)炭素原子数4〜18の脂肪族ジアミン成分単位5
    0〜100モル%と炭素原子数4〜18の脂環族ジアミ
    ン成分単位0〜50モル%とからなるジアミン成分単位
    とからなる芳香族ポリアミド100重量部に対して、 (B)臭素化ポリスチレン30〜60重量部を含み、上
    記臭素化ポリスチレンが(a)臭素含有量58〜63重
    量%の臭素化ポリスチレン50〜90重量%と(b)臭
    素含有量63重量%を越えて、70重量%以下の臭素化
    ポリスチレン50〜10重量%とからなることを特徴と
    する難燃性芳香族ポリアミド樹脂組成物。
  2. 【請求項2】ジカルボン酸成分単位(a)がテレフタル
    酸成分単位40〜80モル%とテレフタル酸以外の芳香
    族ジカルボン酸成分単位0〜40モル%と脂肪族ジカル
    ボン酸成分単位20〜60モル%とからなり、ジアミン
    成分単位(b)が脂肪族アルキレンジアミン成分単位か
    らなる請求項1記載の難燃性芳香族ポリアミド樹脂組成
    物。
  3. 【請求項3】テレフタル酸以外の芳香族ジカルボン酸が
    イソフタル酸である請求項1又は2に記載の難燃性芳香
    族ポリアミド樹脂組成物。
  4. 【請求項4】芳香族ポリアミドが融点270〜335
    ℃、濃硫酸中、30℃で測定した極限粘度〔η〕が0.6
    〜1.5dl/gの結晶性ポリマーである請求項1乃至3
    のいずれかに記載の難燃性芳香族ポリアミド樹脂組成
    物。
  5. 【請求項5】230℃、試験荷重3800gの条件下に
    測定した臭素含有量58〜63重量%の臭素化ポリスチ
    レンのメルト・フロー・レートが15〜30g/10分
    であり、臭素含有量63重量%を越えて、70重量%以
    下の臭素化ポリスチレンのメルト・フロー・レートが1
    〜5g/10分である請求項1に記載の難燃性芳香族ポ
    リアミド樹脂組成物。
  6. 【請求項6】請求項1乃至5のいずれかに記載の難燃性
    芳香族ポリアミド樹脂組成物からなる表面実装用部品。
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