JP2003096295A - ポリアミド組成物 - Google Patents

ポリアミド組成物

Info

Publication number
JP2003096295A
JP2003096295A JP2001286568A JP2001286568A JP2003096295A JP 2003096295 A JP2003096295 A JP 2003096295A JP 2001286568 A JP2001286568 A JP 2001286568A JP 2001286568 A JP2001286568 A JP 2001286568A JP 2003096295 A JP2003096295 A JP 2003096295A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polyamide
polyamide composition
weight
parts
acid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2001286568A
Other languages
English (en)
Inventor
Hideaki Oka
秀明 岡
Hideji Matsuoka
秀治 松岡
Toru Kuki
徹 九鬼
Shigeru Sasaki
繁 佐々木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kuraray Co Ltd filed Critical Kuraray Co Ltd
Priority to JP2001286568A priority Critical patent/JP2003096295A/ja
Publication of JP2003096295A publication Critical patent/JP2003096295A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶融成形時や燃焼時にハロゲン化合物、ホス
フィン等の有毒ガスを発生することなく、耐熱性、機械
強度、流動性および難燃性に優れたポリアミド組成物を
提供すること 【解決手段】 ポリアミド(A)100重量部に対し
て、水酸化マグネシウム(B)10〜200重量部、ア
ンチモン酸ナトリウム、バーミキュライトおよびスメク
タイトからなる群より選ばれる少なくとも1種の無機化
合物(C)5〜100重量部並びに強化材(D)5〜2
00重量部を含有してなるポリアミド組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ハロゲン元素を含
まない難燃性のポリアミド組成物に関する。本発明のポ
リアミド組成物は、難燃性に優れ、燃焼時の有毒ガスの
発生が少なく、廃棄の際の環境への影響も少ないばかり
でなく、耐熱性にも優れていることから、コネクタ、ソ
ケット、リレー、スイッチ、ブレーカー、電子基板、モ
ールド基板等の電気・電子部品、その他の工業用部材と
して好適に使用することができる。
【0002】
【従来の技術】従来からナイロン6、ナイロン66など
に代表される結晶性の脂肪族ポリアミドは、その優れた
特性と溶融成形の容易さから、衣料用、産業資材用繊
維、汎用のエンジニアリングプラスチックとして広く用
いられているが、一方では、耐熱性不足、吸水による寸
法安定性不良などの問題点が指摘されている。特に近年
の表面実装技術(SMT)の発展に伴うリフローハンダ
耐熱性を必要とする電気・電子分野などにおいては、難
燃性、高耐熱性、寸法安定性などが高度に要求され、従
来のポリアミドの使用が困難となってきており、より優
れた材料が要求されている。
【0003】このような世の中の要求に対し、半芳香族
ポリアミドにハロゲン系の難燃剤を配合した難燃性ポリ
アミド組成物が多数提案されている。これらのポリアミ
ド組成物は、耐熱性、寸法安定性においては従来のポリ
アミドを凌ぐものであるが、溶融成形時にハロゲン化合
物を含有するガスが発生し、ポリアミドの劣化を促進す
るため溶融滞留安定性が悪く、金型が汚染され易いとい
う欠点を有している。さらに燃焼時にも、ハロゲン化合
物を含有する有毒ガスが発生するため、環境面において
も満足できるものではなかった。
【0004】近年、ハロゲン系の難燃剤に代わって、ハ
ロゲンを含有しない難燃剤を使用したポリアミド組成物
も提案されている。例えば、特開平6−57134号公
報および特開平6−234913号公報には、ナイロン
6、ナイロン66などの脂肪族ポリアミドや、1,6−
ヘキサンジアミンとテレフタル酸からなるポリアミドを
主成分とした6T系ポリアミドと呼ばれる半芳香族ポリ
アミドに、難燃剤として水酸化マグネシウムを配合した
難燃性ポリアミド組成物が提案されている。その他、特
開平10−182965号公報には、6T系ポリアミド
に難燃剤として赤燐を配合した難燃性ポリアミド組成物
が提案されている。さらに特開2000−230118
には9T系ポリアミドに水酸化マグネシウムと赤燐を配
合した難燃性ポリアミド組成物が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、水酸化
マグネシウムを難燃剤として使用する場合には、実用に
足るレベルの難燃性を確保するためには多量に配合する
必要があり、組成物の強度および流動性が低いことが課
題であった。一方、赤燐を難燃剤として使用する場合に
は、燃焼時にホスフィンのような有毒ガスが発生するこ
と、埋め立て廃棄時に燐が溶出し環境を汚染する可能性
があること、赤色に材料が着色するため組成物を種々の
色に調色できないこと、また赤燐はもともと可燃性であ
るので組成物を製造する際に発火する危険性があること
等の課題があった。したがって、これらの課題を解決し
たノンハロゲン難燃材料が強く求められている。
【0006】しかして、本発明の目的は、溶融成形時や
燃焼時にハロゲン化合物、ホスフィン等の有毒ガスを発
生することなく、耐熱性、機械強度、流動性および難燃
性に優れたポリアミド組成物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、上記の
課題は、ポリアミド(A)100重量部に対して、水酸
化マグネシウム(B)10〜200重量部、アンチモン
酸ナトリウム、バーミキュライトおよびスメクタイトか
らなる群より選ばれる少なくとも1種の無機化合物
(C)5〜100重量部並びに強化材(D)5〜200
重量部を含有してなるポリアミド組成物を提供すること
によって達成される。
【0008】
【発明の実施の形態】以下に本発明について詳細に説明
する。本発明に用いられるポリアミド(A)は熱可塑性
のポリアミドであり、例えば、ポリアミド6(PA
6)、PA9、PA11、PA12、ポリアミド46
(PA4−6)、PA4−9、PA4−10、PA4−
12、PA6−6、PA6−9、PA6−10、PA6
−12、PA9−6、PA9−9、PA9−10、PA
9−12、PA10−6、PA10−9、PA10−1
0、PA10−12、PA12−6、PA12−9、P
A12−10、PA12−12などの脂肪族ポリアミ
ド;アジピン酸、イソフタル酸等を共重合して融点を2
50℃〜340℃に低下させた変性PA6−T、PA8
−T、PA9−T、PA10−T、PA11−T、PA
12−Tなどのテレフタル酸単位と炭素数6〜18の脂
肪族アルキレンジアミン単位とからなる半芳香族ポリア
ミド;メタキシリレンジアミンとアジピン酸からなるP
AMXD−6などが挙げられる。これらの中でも、得ら
れる組成物の耐熱性の観点から、PA4−6、半芳香族
ポリアミドが好ましい。また、ポリアミドの欠点とされ
る吸水性およびそれに伴う物性変化が小さく、熱安定性
にも優れる点からは、PA11、PA12、PA6−1
0、PA6−12、PA9−9、PA9−12、PA1
2−12などの高級脂肪族ポリアミド、半芳香族ポリア
ミドが好ましく、耐熱性、低吸水性、得られる組成物の
熱安定性、成形性の観点から、PA9−Tがより好まし
い。
【0009】上記の半芳香族ポリアミドを表す略号にお
いて、例えばPA6−Tは、炭素数6のジアミン単位と
テレフタル酸単位からなるポリアミドを表す。上記のP
A9−Tとしては、1,9−ノナンジアミン単位および
/または2−メチル−1,8−オクタンジアミン単位か
らなる炭素数9の脂肪族ジアミン単位とテレフタル酸単
位とからなるポリアミドが好ましい。PA9−Tにおけ
る1,9−ノナンジアミン単位および/または2−メチ
ル−1,8−オクタンジアミン単位の含有率としては、
PA9−Tの全ジアミン単位に基いて70〜100モル
%の範囲内が好ましく、80〜100モル%の範囲内が
より好ましい。また、1,9−ノナンジアミン単位:2
−メチル−1,8−オクタンジアミン単位のモル比は9
9:1〜20:80であるのが好ましく、99:1〜6
0:40であるのがより好ましい。1,9−ノナンジア
ミン単位および/または2−メチル−1,8−オクタン
ジアミン単位を上記の割合で用いると、特に吸湿時の耐
熱性、低吸水性に優れたポリアミド組成物が得られる。
【0010】本発明におけるポリアミド(A)としてP
A9−Tを使用する場合には、耐熱性、低吸水性、力学
物性などの各種性能を低下させない範囲内で、または特
定の性能を改質する目的でテレフタル酸以外の他のジカ
ルボン酸単位、1,9−ノナンジアミンおよび2−メチ
ル−1,8−オクタンジアミン単位以外の他のジアミン
単位、アミノカルボン酸単位を含ませても差し支えな
い。
【0011】PA9−Tに含ませ得るテレフタル酸単位
以外の他のジカルボン酸単位としては、アジピン酸、ア
ゼライン酸、セバシン酸、スベリン酸などの脂肪族ジカ
ルボン酸;1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などの
脂環式ジカルボン酸;イソフタル酸、2,6−ナフタレ
ンジカルボン酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸な
どの芳香族ジカルボン酸から誘導される単位を例示する
ことができ、これらのうち1種または2種以上を用いる
ことができる。脂肪族ジカルボン酸から誘導される単位
を含ませると、ポリアミドのガラス転移温度が低下する
ために低い金型温度で成形が可能となる、流動性が向上
するなどの点で有利である。また、脂環式ジカルボン酸
や芳香族ジカルボン酸から誘導される単位を含ませる
と、ポリアミドのガラス転移温度を下げることなく融点
を下げることができるので耐熱性を保って成形性を改善
するという点で有利である。これらの他のジカルボン酸
単位の含有率としては、PA9−Tの全ジカルボン酸単
位に基いて、0〜30モル%の範囲内が好ましく、0〜
20モル%の範囲内がより好ましい。さらに、トリメリ
ット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸などの多価カル
ボン酸から誘導される単位を、溶融成形が可能な範囲内
で含ませることもできる。これらの単位を導入すること
で低剪断速度領域の流動性が低くなり、成形品のバリの
低減などの点で有利である。
【0012】PA9−Tに含ませ得る1,9−ノナンジ
アミンおよび2−メチル−1,8−オクタンジアミン単
位以外の他のジアミン単位としては、1,6−ヘキサン
ジアミン、1,8−オクタンジアミン、1,10−デカ
ンジアミン、1,11−ウンデカンジアミン、1,12
−ドデカンジアミン等の直鎖状脂肪族アルキレンジアミ
ン;2−メチル−1,5−ペンタンジアミン、3−メチ
ル−1,5−ペンタンジアミン、2,2,4−トリメチ
ル−1,6−ヘキサンジアミン、2,4,4−トリメチ
ル−1,6−ヘキサンジアミン、5−メチル−1,9−
ノナンジアミン等の分岐鎖状脂肪族アルキレンジアミ
ン;シクロヘキサンジアミン、イソホロンジアミン、ノ
ルボルナンジメチルアミン、トリシクロデカンジメチル
アミン等の脂環式ジアミン;p−フェニレンジアミン、
m−フェニレンジアミン、p−キシリレンジアミン、m
−キシリレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニル
メタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,
4’−ジアミノジフェニルエーテル等の芳香族ジアミン
などから誘導される単位を挙げることができ、これらの
うち1種または2種以上を用いることができる。これら
のうち、直鎖状脂肪族アルキレンジアミン単位を含ませ
ると、ポリアミドの結晶性を高く保持でき、得られるポ
リアミド組成物の力学強度や寸法安定性が高くなる。ま
た、分岐鎖状脂肪族アルキレンジアミン単位、脂環式ジ
アミン単位、芳香族ジアミン単位を含ませると、ポリア
ミドのガラス転移温度が上昇し、得られるポリアミド組
成物の熱変形温度などの耐熱性が高くなる。これらの他
のジアミン単位の含有率としては、PA9−Tの全ジア
ミン単位に基いて、0〜30モル%の範囲内が好まし
く、0〜20モル%の範囲内がより好ましい。
【0013】PA9−Tに含ませ得るアミノカルボン酸
単位としては、カプロラクタム、ラウリルラクタムなど
のラクタムから誘導される単位;1−アミノラウリン
酸、1−アミノドデシル酸などのアミノカルボン酸から
誘導される単位を挙げることができる。これらを含ませ
ると、ポリアミドのガラス転移温度が低下するために低
い金型温度での成形が可能となる、流動性が向上するな
どの点で有利である。これらのアミノカルボン酸単位の
含有率としては、PA9−Tの全ジカルボン酸単位に基
いて、0〜30モル%の範囲内が好ましく、0〜20モ
ル%の範囲内がより好ましい。
【0014】本発明に用いられるポリアミド(A)は、
安息香酸、酢酸などの末端封止剤により、その分子鎖の
末端基の10%以上が封止されているのが好ましい。分
子鎖の末端基が末端封止剤により封止されている割合
(末端封止率)としては、40%以上であるのがより好
ましく、70%以上であるのがさらに好ましい。末端封
止率が10%以上のポリアミドを用いると、得られるポ
リアミド組成物の溶融成形性が向上する。
【0015】本発明に用いられるポリアミド(A)は、
結晶性ポリアミドを製造する方法として知られている任
意の方法を用いて製造することができ、例えば、酸クロ
ライドとジアミンを原料とする溶液重合法または界面重
合法、ジカルボン酸とジアミンを原料とする溶融重合
法、固相重合法、溶融押出機重合法などの方法により製
造することができる。
【0016】本発明に用いられるポリアミド(A)の、
融点より20℃高い温度、剪断速度1000s−1の条
件で測定した溶融粘度は、5〜500Pa・sであるの
が好ましく、10〜200Pa・sであるのがより好ま
しい。ポリアミドの溶融粘度が上記の範囲内であれば、
機械的特性、耐熱特性、成形性に優れたポリアミド組成
物が得られる。
【0017】本発明のポリアミド組成物は、ポリアミド
(A)100重量部に対して、水酸化マグネシウム
(B)を10〜200重量部含有する。水酸化マグネシ
ウム(B)としては、例えば、粒状(燐片状)、針状の
ものを使用することができる。粒状(燐片状)のものを
用いる場合には、その平均粒径は0.05〜10μmで
あるのが好ましく、0.1〜5μmであるのがより好ま
しい。針状のものを用いる場合には、その平均径は0.
01〜10μmであるのが好ましく、0.1〜5μmで
あるのがより好ましく、平均長は5〜2000μmであ
るのが好ましく、10〜1000μmであるのがより好
ましい。また、水酸化マグネシウムは、耐熱性の観点か
ら、塩素、カルシウム、鉄、アルミニウム、イオウなど
の不純物の含有量が少ないものが好ましい。さらに、水
酸化マグネシウムの表面は、ポリアミド中への分散性を
高めたり、熱安定性の向上を図る目的で、シランカップ
リング剤、チタンカップリング剤、脂肪酸およびその誘
導体、その他の高分子または低分子の表面処理剤、ニッ
ケル等の金属の固溶体などで表面処理されているのが好
ましい。
【0018】水酸化マグネシウム(B)の含有量は、ポ
リアミド(A)100重量部に対して10〜200重量
部であり、20〜180重量部であるのが好ましく、3
0〜150重量部であるのがより好ましい。水酸化マグ
ネシウムを上記の範囲内の割合で含有させると、難燃性
のみならず機械的特性にも優れたポリアミド組成物が得
られる。
【0019】本発明のポリアミド組成物は、ポリアミド
(A)100重量部に対して、アンチモン酸ナトリウ
ム、バーミキュライトおよびスメクタイトからなる群よ
り選ばれる少なくとも1種の無機化合物(C)を5〜1
00重量部含有する。これらの無機化合物の平均粒径は
0.05〜200μmであるのが好ましく、0.1〜1
00μmであるのがより好ましい。さらに、無機化合物
(C)は、ポリアミド中への分散性を高める目的で、シ
ランカップリング剤、チタンカップリング剤、脂肪酸お
よびその誘導体、その他の高分子または低分子の表面処
理剤で表面処理されているのが好ましい。これらの無機
化合物を含有させることにより、燃焼時に燃焼表面に不
燃性の層が形成されるため、材料の難燃性がより高くな
る。膨張性粘土鉱物であるバーミキュライトまたはスメ
クタイトを使用する場合には、焼成処理していないもの
を使用するのが好ましい。これらの無機化合物の中で
も、アンチモン酸ナトリウム、バーミキュライトが好ま
しく、アンチモン酸ナトリウムがより好ましい。
【0020】無機化合物(C)の含有量は、ポリアミド
(A)100重量部に対して5〜100重量部であり、
10〜80重量部であるのが好ましく、20〜60重量
部であるのがより好ましい。無機化合物(C)を上記の
範囲内の割合で含有させると、難燃性のみならず機械的
特性にも優れたポリアミド組成物が得られる。
【0021】本発明のポリアミド組成物は、ポリアミド
(A)100重量部に対して、強化材(D)5〜200
重量部を含有する。強化材(D)としては、ガラス繊
維、炭素繊維、アラミド繊維、LCP繊維等の樹脂強化
材用の繊維、ワラストナイト、セピオライト、マイカ、
タルク等の無機フィラー、チタン酸カリウムウィスカ
ー、ホウ酸アルミニウムウィスカー、炭酸カルシウムウ
ィスカー、硫酸マグネシウムウィスカー、ゾノトライ
ト、酸化亜鉛ウィスカー等のウィスカーなどが挙げられ
る。これらのうちでも、力学強度が高い点からは、ガラ
ス繊維、炭素繊維が好ましく、安価なガラス繊維がより
好ましい。ガラス繊維の平均直径としては、強度の高い
ポリアミド組成物を得る観点から、13μm以下である
のが好ましく、11μm以下であるのがより好ましい。
また、表面の平滑性に優れ、物性の異方性が少ない点か
らは、無機フィラー、ウィスカーが好ましく、ワラスト
ナイト、チタン酸カリウムウィスカー、ホウ酸アルミニ
ウムウィスカー、炭酸カルシウムウィスカー、ゾノトラ
イト、酸化亜鉛ウィスカーがより好ましい。無機フィラ
ーの平均粒径は0.5〜100μmであるのが好まし
い。無機フィラーの平均粒径がこの範囲であれば高強度
のポリアミド組成物が得られる。また、ウィスカーの平
均直径は0.1〜5μm、平均長さは0.5μm〜100
μmであるのが好ましい。ウィスカーの形状がこの範囲
であれば高強度のポリアミド組成物が得られる。これら
の強化材は1種または2種以上を使用することができ
る。これらの強化材は、ポリアミドへの分散性を高め、
かつポリアミドとの接着界面を強固にして機械強度を挙
げる目的で、シランカップリング剤、チタンカップリン
グ剤、脂肪酸およびその誘導体、その他の高分子または
低分子の表面処理剤で表面処理されているのが好まし
く、またポリアミドへの配合作業の作業性を高める目的
で、バインダーなどを用いて集束されているのが好まし
い。
【0022】強化材(D)の含有量は、ポリアミド
(A)100重量部に対して5〜200重量部であり、
20〜170重量部であるのが好ましく、30〜130
重量部であるのがより好ましい。強化材(D)の含有量
がこの範囲であると、得られるポリアミド組成物の強度
が高く、成形性も向上する。
【0023】本発明のポリアミド組成物は、難燃性を確
保するために水酸化マグネシウム(B)および無機化合
物(C)の他に、例えば、シリコーンオイル、シリコー
ンゴム等のシリコーン化合物;軟化点が800℃以下の
低融点ガラス;カーボンブラック;ホウ酸、ホウ酸亜
鉛、スズ酸亜鉛、酸化スズ、酸化カルシウム、酸化亜
鉛、酸化鉄、酸化銅等の酸化金属;水酸化カルシウム、
スズ酸亜鉛水和物、ホウ酸カルシウム水和物、ホウ酸亜
鉛水和物等の酸化金属水和物;メラミンおよびその加熱
縮合物;LCP(全芳香族溶融液晶ポリエステル)、P
PS(ポリフェニレンスルフィド)、PPO(ポリフェ
ニレンオキシド)、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メ
ラミン樹脂等の高分子物質;テフロン(登録商標)等の
ドリップ防止剤などの難燃効果を高める作用をもつ物質
を含有してもよい。
【0024】さらに、本発明のポリアミド組成物には、
ヒンダードフェノール系、アミン系、リン系、イオウ系
などの酸化防止剤;紫外線吸収剤;離型剤;可塑剤;顔
料;結晶核剤;テフロン、二硫化モリブデンなどの摺動
性改良剤などを必要に応じて配合することができる。
【0025】本発明のポリアミド組成物は、前記のポリ
アミド(A)、水酸化マグネシウム(B)、無機化合物
(C)、強化材(D)および必要に応じて他の成分を所
望の方法で混合することにより製造することができ、例
えば、樹脂の混合に通常用いられる縦型または水平型の
混合機を用いて、上記の成分を所定の割合で混合した
後、単軸押出機、2軸押出機、ニーダー、バンバリーミ
キサー等の溶融混練機を使用して溶融混練することによ
り製造することができる。強度の高いポリアミド組成物
を製造する観点から、まず強化材(D)以外の成分、す
なわちポリアミド(A)、水酸化マグネシウム(B)、
無機化合物(C)および必要に応じて配合される他の成
分をタンブラー、ヘンシェルミキサーなどのブレンダー
に投入し十分に混合した後、得られた混合物を2軸押出
機に投入して溶融混練を行い、強化材(D)を2軸押出
機のサイドフィーダーから供給する方法が好ましく用い
られる。
【0026】上記のようにして得られるポリアミド組成
物は、通常の成形方法、例えば、圧縮成形法、射出成形
法、押出成形法などにより成形することができる。例え
ば、本発明のポリアミド組成物を、その融点よりも約2
0℃高い温度に調整された射出成形機のシリンダ内で溶
融させ、所定の形状の金型内に導入(射出)することに
より、所定の形状を有する成形品を製造することができ
る。また、上記のシリンダ温度に調整された押出機内で
ポリアミド組成物を溶融させ、口金ノズルより紡出する
ことにより、繊維状の成形品を製造することができる。
さらに、上記のシリンダ温度に調整された押出機内でポ
リアミド組成物を溶融させ、Tダイから押し出すことに
より、フィルムやシート状の成形品を製造することがで
きる。また、このような方法で製造された成形品の表面
に、塗料、金属または他種ポリマー等からなる被覆層を
形成した状態で使用することもできる。
【0027】本発明のポリアミド組成物は、コネクタ、
ソケット、リレー、スイッチ、ブレーカー、電子基板、
モールド基板等の電気電子部品;ギヤ、カム等の機械部
品;自動車、列車、飛行機、船舶、建物等の内外装部
材;その他工業用のフィルム、シート、繊維など種々の
用途に使用することができる。
【0028】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれらにより何ら制限されるものでは
ない。なお、実施例中の燃焼性、引張強さ、バーフロー
流動長、耐ハンダ性は以下の方法により測定または評価
した。
【0029】難燃性:以下に示すUL−94規格の規定
に準じて行った。厚さ0.8mm、長さ127mm、幅
12.7mmの大きさの射出成形品の上端をクランプで
止めて試験片を垂直に固定し、下端に所定の炎を10秒
間当てて離し、試験片の燃焼時間(1回目)を測定す
る。消火したら直ちに再び下端に炎を当てて離し、試験
片の燃焼時間(2回目)を測定する。5片について同じ
測定を繰り返し、1回目の燃焼時間のデータ5個と、2
回目の燃焼時間のデータ5個の、計10個のデータを得
る。10個のデータの合計をT、10個のデータのうち
最大値をMとする。Tが50秒以下、Mが10秒以下で
クランプまで燃え上がらず、炎のついた溶融物が落ちて
305mm下の木綿に着火するようなことがなければ
「V−0」、Tが250秒以下、Mが30秒以下でその
他はV−0と同様の条件を満たせば「V−1」、Tが2
50秒以下、Mが30秒以下でクランプまで燃え上がら
ず、炎のついた溶融物が落ちて305mm下の木綿に着
火した場合には「V−2」となる。上記のいずれも満た
さないものはV−2未満とした。
【0030】引張強さ:ポリアミドがPA46の場合は
シリンダー温度305℃、金型温度80℃;ポリアミド
が変性PA6TおよびPA9Tの場合はシリンダー温度
320℃、金型温度140℃の条件で、東芝機械製「I
S−80」型射出成形機を使用して、JIS 1号ダン
ベル(厚み3.2mm)を成形し、JIS K7113
に準拠して測定した。
【0031】バーフロー流動長:ポリアミドがPA46
の場合はシリンダー温度305℃、金型温度80℃;ポ
リアミドが変性PA6TおよびPA9Tの場合はシリン
ダー温度320℃、金型温度140℃の条件で、東芝機
械製「IS−80」型射出成形機を使用して、射出圧力
750kgf/cmで厚み0.5mm、幅40mm
(ファンゲート)の板状成形品を成形し、得られた成形
品の長さを測定して、バーフロー流動長を求めた。
【0032】耐ハンダ性:バーフロー流動長の試験で得
られた成形品のゲート部分から長さ20mmの部分を切
り出し、これを40℃、95%RHの条件で100時間
放置した。この試験片を赤外線加熱炉中で150℃で1
分間加熱し、次いで100℃/分の速度で昇温し成形品
に変形や膨れが発生した温度を耐ハンダ性の指標とし
た。
【0033】下記の実施例および比較例で使用したポリ
アミドは以下のとおりである。PA9T:1,9−ノナ
ンジアミン/2−メチル−1,8−オクタンジアミン=
85/15(モル比)であるジアミン成分とテレフタル
酸とからなる[η]=0.70dl/gのポリアミド
(クラレ製「ジェネスタN1000」)。変性PA6
T:1,6−ヘキサンジアミンと、テレフタル酸/アジ
ピン酸=55/45(モル比)であるジカルボン酸成分
とからなるポリアミド。PA46:1,4−テトラメチ
レンジアミンとアジピン酸とからなるポリアミド(DS
M製「TS300」)。
【0034】実施例1〜7、比較例1 下記の表1に示すポリアミド、水酸化マグネシウム、無
機化合物をヘンシェルミキサーを使用してプリブレンド
した。得られた混合物をプラスチック工学研究所製「B
T−30」型2軸押出機(30mmφ,L/D=32)
を使用して、シリンダ温度(PA46の場合300℃、
変性PA6Tの場合320℃、PA9Tの場合320
℃)、スクリュー回転数(200rpm)、吐出速度
(15kg/h)の条件で溶融混練し、強化材をサイド
フィーダーより供給した。ダイから押出されたポリアミ
ド組成物を水槽で冷却してペレタイザでカットしペレッ
トを得た。これを120℃で12時間真空乾燥して前記
の測定または評価に供した。結果を表1に示す。
【0035】
【表1】
【0036】
【発明の効果】本発明によれば、溶融成形時や燃焼時に
ハロゲン化合物、ホスフィン等の有毒ガスを発生するこ
となく、耐熱性、機械強度、流動性および難燃性に優れ
たポリアミド組成物が提供される。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 7/02 C08K 7/02 (72)発明者 佐々木 繁 茨城県つくば市御幸が丘41番地 株式会社 クラレ内 Fターム(参考) 4F071 AA48 AA54 AA55 AA56 AB03 AB18 AB19 AB26 AB28 AD01 AE17 AF15 AF45 AF47 AF53 AH11 AH13 AH16 AH17 4J002 CF162 CL011 CL031 CL051 CL062 DA018 DE076 DE187 DJ007 DL008 FA016 FA032 FA038 FA076 FB086 FB098 FB166 FB168 FD018 GK00 GL00 GM00 GN00 GQ00 GQ01

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリアミド(A)100重量部に対し
    て、水酸化マグネシウム(B)10〜200重量部、ア
    ンチモン酸ナトリウム、バーミキュライトおよびスメク
    タイトからなる群より選ばれる少なくとも1種の無機化
    合物(C)5〜100重量部並びに強化材(D)5〜2
    00重量部を含有してなるポリアミド組成物。
  2. 【請求項2】 ポリアミド(A)が、テレフタル酸単位
    と炭素数6〜18の脂肪族アルキレンジアミン単位とか
    らなるポリアミドである請求項1記載のポリアミド組成
    物。
  3. 【請求項3】 炭素数6〜18の脂肪族アルキレンジア
    ミン単位が1,9−ノナンジアミン単位および/または
    2−メチル−1,8−オクタンジアミン単位である請求
    項2記載のポリアミド組成物。
  4. 【請求項4】 ポリアミド(A)がポリアミド46であ
    る請求項1記載のポリアミド組成物。
  5. 【請求項5】 無機化合物(C)がアンチモン酸ナトリ
    ウムである請求項1〜4のいずれか1項記載のポリアミ
    ド組成物。
  6. 【請求項6】 強化材(D)が、ガラス繊維、炭素繊
    維、アラミド繊維、LCP繊維、ウィスカーおよび無機
    フィラーからなる群より選ばれる少なくとも1種の強化
    材である請求項1〜5のいずれか1項記載のポリアミド
    組成物。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれか1項記載のポリ
    アミド組成物からなる成形品。
JP2001286568A 2001-09-20 2001-09-20 ポリアミド組成物 Withdrawn JP2003096295A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001286568A JP2003096295A (ja) 2001-09-20 2001-09-20 ポリアミド組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001286568A JP2003096295A (ja) 2001-09-20 2001-09-20 ポリアミド組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003096295A true JP2003096295A (ja) 2003-04-03

Family

ID=19109523

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001286568A Withdrawn JP2003096295A (ja) 2001-09-20 2001-09-20 ポリアミド組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003096295A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006137878A (ja) * 2004-11-12 2006-06-01 Takayasu Co Ltd 複合材料及び該複合材料からなる成形品
JP2006273998A (ja) * 2005-03-29 2006-10-12 Du Pont Toray Co Ltd 難燃性樹脂組成物及び該樹脂組成物からなる成形品、繊維
JP2007297564A (ja) * 2006-05-08 2007-11-15 Du Pont Toray Co Ltd 難燃剤組成物及び難燃性樹脂組成物、並びに該樹脂組成物からなる成形品、繊維
JP2012237616A (ja) * 2011-05-11 2012-12-06 Mitsubishi Electric Corp 光学式エンコーダおよびその製造方法
JP6138321B1 (ja) * 2016-06-30 2017-05-31 ユニチカ株式会社 熱可塑性樹脂組成物およびそれを成形してなる成形体
CN111171563A (zh) * 2020-03-06 2020-05-19 广州华新科智造技术有限公司 聚酰胺材料及制备方法

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006137878A (ja) * 2004-11-12 2006-06-01 Takayasu Co Ltd 複合材料及び該複合材料からなる成形品
JP2006273998A (ja) * 2005-03-29 2006-10-12 Du Pont Toray Co Ltd 難燃性樹脂組成物及び該樹脂組成物からなる成形品、繊維
JP2007297564A (ja) * 2006-05-08 2007-11-15 Du Pont Toray Co Ltd 難燃剤組成物及び難燃性樹脂組成物、並びに該樹脂組成物からなる成形品、繊維
JP2012237616A (ja) * 2011-05-11 2012-12-06 Mitsubishi Electric Corp 光学式エンコーダおよびその製造方法
JP6138321B1 (ja) * 2016-06-30 2017-05-31 ユニチカ株式会社 熱可塑性樹脂組成物およびそれを成形してなる成形体
JP2018002818A (ja) * 2016-06-30 2018-01-11 ユニチカ株式会社 熱可塑性樹脂組成物およびそれを成形してなる成形体
CN111171563A (zh) * 2020-03-06 2020-05-19 广州华新科智造技术有限公司 聚酰胺材料及制备方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0605005B1 (en) Reinforced polyamide resin composition and process for producing the same
US6258927B1 (en) Polyamide composition
US6414064B1 (en) Polyamide resin composition
JPH06279673A (ja) 無ハロゲン、耐炎性ポリアミド成形材料
JP2014500391A (ja) 三酸化アンチモンフリーの難燃性熱可塑性組成物
JP2002284989A (ja) ガラス繊維強化難燃性ポリアミド樹脂組成物
JP3366675B2 (ja) ポリフェニレンスルフィドを基材とする組成物
JPH11100505A (ja) ポリアリーレンサルファイド樹脂組成物
JP2003119378A (ja) ポリアミド樹脂組成物
JP2003096295A (ja) ポリアミド組成物
JP4529218B2 (ja) ポリアミド樹脂組成物
JP2010229232A (ja) ポリアミド樹脂組成物
JPH07196875A (ja) 難燃性ポリアミド樹脂組成物
JPH1121447A (ja) 難燃性ポリアミド樹脂組成物およびその製造方法
JP2002309083A (ja) ポリアミド組成物
JP3341974B2 (ja) 難燃性ポリアミド樹脂組成物
JP3742244B2 (ja) ポリアミド組成物
JP3175889B2 (ja) ポリアミド樹脂組成物及びそれからなるスライドスイッチ用絶縁材料
JP2002284988A (ja) 難燃性強化ポリアミド樹脂組成物の製造方法
JP2018193437A (ja) 熱可塑性樹脂組成物およびそれを成形してなる成形体
JPH10212407A (ja) 機械的特性を向上させた高融点ポリアミド樹脂組成物およびその電気・電子部品用成形品
JP2002275372A (ja) 強化難燃性ポリアミド樹脂組成物
JP4480823B2 (ja) ポリアミド組成物
JP2000109686A (ja) 難燃性樹脂組成物およびその成形品
JP2001106904A (ja) 成形用ポリアミド組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080312

A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20091204