JP3234503B2 - 樹脂組成物 - Google Patents

樹脂組成物

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JP3234503B2 JP22651696A JP22651696A JP3234503B2 JP 3234503 B2 JP3234503 B2 JP 3234503B2 JP 22651696 A JP22651696 A JP 22651696A JP 22651696 A JP22651696 A JP 22651696A JP 3234503 B2 JP3234503 B2 JP 3234503B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はポリブチレンテレフ
タレート樹脂組成物に関し、さらに詳しくは優れた難燃
性、電気特性を示すポリブチレンテレフタレート樹脂組
成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリブチレンテレフタレート(以下、
「PBT」と表すことがある)樹脂は、優れた耐熱性、
機械特性、電気特性、成形性、耐薬品性を備えた樹脂と
して、電気・電子部品、自動車部品、機構部品等に広く
用いられてきた。
【0003】近年、家庭用電気機器や、オーディオ、A
V機器等の電気製品には小型化、高性能化が求められて
いることから、それに応じて電気・電子部品の軽薄短小
化、高性能化、高密度化が進んでおり、同時に電気製品
の火災に対する安全性を確保する必要もある。よって、
電気・電子部品に用いられる熱可塑性樹脂に対しては、
より高度な難燃性や耐トラッキング性等の電気絶縁性、
また電気・電子部品の性能を害する物質の発生のないも
のが求められてきている。
【0004】PBT樹脂自体は優れた耐トラッキング性
を有している樹脂ではあるが、電気・電子部品用には一
般に臭素系難燃剤と酸化アンチモン系難燃助剤の併用に
より難燃化されたものが用いられ、その場合難燃剤、難
燃助剤の配合により耐トラッキング性は大きく損なわれ
るために、難燃剤として赤リン(特開昭54−8643
号公報)、メラミンのシアヌール酸塩類(特開昭54−
112958号公報)等を用いたり、また難燃助剤につ
いても耐トラッキング性低下のより小さいアンチモン酸
ナトリウムを用いたり(特開昭51−44154、51
−80351号公報)、耐トラッキング性の低下を抑え
るために多くの試みがなされてきた。しかしながら、こ
れらの技術では機械特性等を保ちながら高度に難燃化す
ることが困難であった。
【0005】樹脂の耐トラッキング性を向上させる手段
としては、タルク等に代表されるケイ酸金属塩系充填剤
を配合する方法(特開昭48−66652、51−46
344、51−80351、52−58752、51−
127149、53−94531号公報等)や、ポリオ
レフィン類を配合する方法(特開昭51−11685
4、特開平6−228411、7−188529号公報
等)があるが、充填剤の配合は機械的強度、成形性を低
下させ、またポリオレフィン類の配合は成形品外観を損
ねる等の問題があった。
【0006】
【発明の解決するべき課題】本発明は上述の事情を背景
としてなされたものであり、PBT樹脂に難燃性を付与
しつつ、かつPBT樹脂本来のレベルに近い高度な耐ト
ラッキング性を備えたPBT樹脂組成物を得ることを課
題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、高度な難
燃性と優れた耐トラッキング性を併せ持つPBT樹脂を
得るべく鋭意研究した結果、難燃化されたPBT樹脂
に、フッ素を含む重合体を配合し、さらにポリオレフィ
ンとケイ酸金属塩系充填剤とガラス繊維を特定割合で配
合することにより、上述の課題を解決することができる
ことを見出した。
【0008】すなわち、本発明は、 (A)ポリブチレンテレフタレート22〜58重量部、 (B)臭素系難燃剤4〜12重量部、 (C)アンチモン系難燃助剤2〜6重量部 (D)フッ化エチレン系重合体3〜10重量部 (E)ポリオレフィン3〜10重量部及び (F)ケイ酸金属塩系充填剤とガラス繊維の合計量30
〜40重量部からなり、かつケイ酸金属塩系充填剤とガ
ラス繊維の合計量中におけるケイ酸金属塩系充填剤の割
合が15〜65重量%である樹脂組成物である。
【0009】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
用いられる(A)成分のポリブチレンテレフタレート
(以下、「PBT」ということがある)は、テレフタル
酸を酸成分とし、テトラメチレングリコールをジオール
成分としてなるポリエステルである。
【0010】このPBTはその一部を共重合成分で置換
したものでもよい。その場合、テレフタル酸成分、テト
ラメチレングリコール成分がそれぞれ全酸成分、全グリ
コール成分に対して80モル%以上存在することが必要
である。
【0011】共重合可能な成分としては、イソフタル
酸、フタル酸、メチルテレフタル酸、メチルイソフタル
酸等のフタル酸誘導体;2,6−ナフタレンジカルボン
酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタ
レンジカルボン酸等のナフタレンジカルボン酸およびそ
の誘導体;4,4’−ジフェニルジカルボン酸、3,
4’−ジフェニルジカルボン酸等のジフェニルカルボン
酸およびその誘導体;4,4’−ジフェノキシメタンジ
カルボン酸、4,4’−ジフェノキシエタンジカルボン
酸、4,4’−ジフェニルケトンジカルボン酸、4,
4’−ジフェニルスルホンジカルボン酸、4,4’−ジ
フェニルエーテルジカルボン酸等の芳香族ジカルボン
酸;コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、アゼライン
酸、デカンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸
等の脂肪族または脂環族ジカルボン酸;エチレングリコ
ール、プロピレングリコール、ヘキサメチレングリコー
ル、オクタメチレングリコール、ネオペンチルグリコー
ル、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、
ポリプロピレングリコール等の脂肪族ジオール;1,4
−シクロヘキサンジメタノール等の脂環族ジオール;ハ
イドロキノン、レゾルシン等のジヒドロキシベンゼンお
よびその誘導体;4,4’−ジヒドロキシジフェニル等
の芳香族ジオール;2,2−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)スルホン等のビスフェノール化合物;ビスフェノー
ル化合物とエチレングリコール等のグリコールとから得
られるエーテルジオール等の芳香族ジオール等があげら
れる。
【0012】またオキシ安息香酸、ヒドロキシナフトエ
酸、ヒドロキシジフェニルカルボン酸、ω−ヒドロキシ
カプロン酸等のオキシカルボン酸成分も共重合可能であ
る。
【0013】更に、ポリエステルが実質的に成形性等を
失わない範囲で3官能以上の化合物、例えばグリセリ
ン、ペンタエリスリトール、トリメリット酸、ピロメリ
ット酸等を共重合してもよい。
【0014】本発明に用いられるPBTの極限粘度数
は、o−クロロフェノールを用い35℃で測定したと
き、0.5以上のものを用いることができるが、0.6
〜1.2の極限粘度数を持つものが好ましい。極限粘度
数が0.6より小さいと得られる樹脂組成物の機械的特
性が劣り、また1.2より大きいと樹脂組成物の成形時
の流動性が劣る。
【0015】本発明に用いられるPBTは通常のポリエ
ステルの製造方法、例えば溶融重縮合反応またはこれと
固相重縮合反応とを組み合わせた方法によって製造でき
る。例えば、テレフタル酸またはそのエステル形成性誘
導体(例えばジメチルエステル、モノメチルエステル等
の低級アルキルエステル)とテトラメチレングリコール
またはそのエステル形成性誘導体とを触媒の存在下、加
熱反応させ、得られるテレフタル酸のグリコールエステ
ルを触媒の存在下、所定の重合度まで重合反応させる方
法によってPBTを製造することができる。
【0016】本発明に用いられる(B)成分の臭素系難
燃剤は一般に難燃剤として用いられているものが使用で
きる。
【0017】この臭素系難燃剤の具体的な例としては、
例えば臭素化ポリスチレン、臭素化ポリアクリレート、
臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂及び/またはそ
の末端グリシジル基の一部または全部を封鎖した変性
物、臭素化ポリフェニレンエーテル、臭素化ビスフェノ
ール−Aを原料として製造されるポリカーボネートオリ
ゴマー、臭素化ビフェニルエーテル、臭素化ジフタルイ
ミド化合物等が代表的なものとして例示できる。これら
の中で、PBT樹脂組成物の電気特性、特に耐トラッキ
ング性の低下が少ないものとして、臭素化ポリスチレ
ン、臭素化ポリアクリレートが特に好ましい。
【0018】臭素化ポリスチレンは、ポリスチレンのベ
ンゼン環の水素原子のうち1〜5個が臭素原子により置
換されたものであり、あらかじめ臭素化されたスチレン
を重合するか、またはポリスチレンを臭素化することに
よって製造される。
【0019】また臭素化ポリスチレンには他のビニル系
化合物が共重合されていても使用可能である。この場合
のビニル化合物としてはスチレン、α−メチルスチレン
などがあげられる。これらの共重合割合は20モル%以
下が好ましい。共重合割合が20モル%を超えるとPB
T樹脂樹脂組成物の難燃化の効率が低下し、過大な配合
により機械的特性の低下等が起こる。臭素化ポリスチレ
ンは重量平均分子量で10000〜1000000のも
のが好ましく用いられる。
【0020】臭素化ポリアクリレートは臭素化ベンジル
アクリレートまたは臭素化ベンジルメタクリレートを単
独で重合させたものか、2種以上を共重合または他のビ
ニル系モノマーと共重合させることによって得られる重
合体である。臭素化ポリアクリレートの具体的な例とし
ては、ポリペンタブロムベンジルアクリレート、ポリテ
トラブロムベンジルアクリレート、ポリトリブロムベン
ジルアクリレート、ポリペンタブロムベンジルメタクリ
レート等があげられる。
【0021】また、臭素化ポリアクリレートに共重合可
能なビニル系モノマーとしては、アクリル酸、メチルア
クリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレー
ト、ベンジルアクリレート等のアクリル酸エステル類、
メタクリル酸、メチルメタクリレート、エチルメタクリ
レート、ブチルメタクリレート、ベンジルメタクリレー
ト等のメタクリル酸エステル類、スチレン、アクリロニ
トリル、フマル酸、マレイン酸等の不飽和カルボン酸ま
たはその無水物、酢酸ビニル、塩化ビニル等があげられ
る。これらの共重合成分の共重合割合は20モル%以下
が好ましい。共重合割合が20モル%を超えるとPBT
樹脂組成物の難燃化の効率が低下し、過大な配合により
機械的特性の低下等が起こる。
【0022】臭素化ポリアクリレートの重合度は、押出
性及び流動性の点から重合度10〜500のものが好ま
しい。
【0023】(B)成分の臭素系難燃剤の配合量は、好
ましくは本発明の樹脂組成物100重量部あたり4〜1
2重量部である。この配合量が4重量部より少ないと、
組成物の難燃化効果が十分でなく、また12重量部より
多くなると、組成物の流動性低下、機械特性の低下が起
こり好ましくない。
【0024】本発明において用いられる(C)成分のア
ンチモン系難燃助剤は(B)成分の臭素系難燃剤との相
乗効果によりPBT樹脂の難燃性を高める働きをするも
のである。
【0025】アンチモン系難燃助剤としては三酸化アン
チモン、四酸化アンチモン、及び(NaO)p・(Sb
25)・qH2O (p=0〜1,q=0〜4)で表され
る五酸化アンチモンまたはアンチモン酸ナトリウムを使
用することができる。これらの中で、アンチモン酸ナト
リウムが好ましく、これを使用すると難燃剤の配合によ
るPBT樹脂組成物の電気特性、特に耐トラッキング性
の低下が抑制され、この抑制の程度は他の難燃助剤、例
えば三酸化アンチモンを使用したときより大きい。アン
チモン酸ナトリウムを配合した場合には臭素系難燃剤か
らの臭素の脱離も著しく少なくなるという利点が得られ
る。
【0026】粒径は0.02〜5μmが好ましい。ま
た、アンチモン系難燃助剤は必要に応じてエポキシ化合
物、シラン化合物、イソシアネート化合物、チタネート
化合物等で表面処理することができる。
【0027】この(C)成分のアンチモン系難燃助剤の
配合量は(B)成分の臭素系難燃剤の臭素原子2〜5に
対しアンチモン金属原子1の割合にあるときが適当であ
り、好ましくは本発明の樹脂組成物100重量部あたり
2〜6重量部である。この配合量が2重量部より小さい
ときには難燃助剤としての効果が小さく、また6重量部
より多いときにはそれ以上の配合による効果の増大が期
待されないばかりでなく、PBT樹脂の機械特性や流動
性等の成形性等が劣るため好ましくない。
【0028】本発明に用いられる(D)成分のフッ化エ
チレン系重合体は、一般にフッ素樹脂と呼ばれる重合体
及び共重合体の1種または2種以上であり、ポリテトラ
フルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレ
ン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(P
TA)、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロ
ピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン・
エチレン共重合体(ETFE)、ポリクロロトリフルオ
ロエチレン(PCTTE)、クロロトリフルオロエチレ
ン・エチレン共重合体(ECTFE)、ポリビニリデン
フルオライド(PVDF)、ポリビニルフルオライド
(PVF)等が例として挙げられる。これらの中で、フ
ッ素含有量の多いPTFE、FEPが好ましい。
【0029】本発明の(D)成分のフッ化エチレン系重
合体をPBT樹脂組成物中に配合するとその耐トラッキ
ング性が大きく向上する。このフッ化エチレン系重合体
の配合量は、好ましくは本発明の樹脂組成物100重量
部あたり3〜10重量部である。この配合量が3重量部
より小さいと目的とする耐トラッキング性の向上効果が
十分発現せす、また10重量部より多いと組成物の機械
特性や流動性が損なわれるため好ましくない。
【0030】本発明に用いられる(E)成分のポリオレ
フィンは、エチレンや、プロピレン、1−ブテン、3−
メチル−1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−
ペンテン、1−ヘキセン、5−メチル−1−ヘキセン等
のα−オレフィンの重合体、2種以上の共重合体、また
はそれら重合体の2種以上の混合物である。
【0031】このポリオレフィンは、更に他の共重合可
能な他種モノマー成分が共重合されてもよい。共重合可
能な成分としては、ジエン系化合物、α,β−不飽和カ
ルボン酸誘導体、スチレン系化合物、酢酸ビニル誘導体
等が挙げられるが、これらのうちPBTへの相溶性から
α,β−不飽和カルボン酸誘導体が特に好ましい。α,
β−不飽和カルボン酸誘導体の例としては、アクリル
酸、メタアクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン
酸、クロトン酸、メチルマレイン酸、メチルフマル酸、
メサコン酸、シトラコン酸、グルタコン酸、アクリル酸
メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリ
ル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ヒドロキシエチ
ル、メタアクリル酸メチル、メタアクリル酸2−エチル
ヘキシル、メタアクリル酸ヒドロキシエチル、メタアク
リル酸アミノエチル、マレイン酸ジメチル、イタコン酸
ジメチル、メタアクリル酸ナトリウム、メタアクリル酸
カリウム、メタアクリル酸マグネシウム、アクリル酸亜
鉛、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン
酸、アクリル酸グリシジル、メタアクリル酸グリシジル
が挙げられる。これら成分の共重合量の範囲は好ましく
は40モル%以下である。
【0032】本発明に用いられる(E)成分のポリオレ
フィンの粘度は、メルトフローレート(MFR、JIS
K7210、250℃、2.16kg)の値として、1
〜80g/10分のものを用いることができるが、30
〜80g/10分のものが特に好ましい。メルトフロー
レート1〜80g/10分のものはPBT樹脂組成物の
耐トラッキング性の向上効果を発現するが、15〜80
g/10分のものでは耐トラッキング性の向上効果が特
に著しく現れる。メルトフローレートが1g/10分よ
り小さいとPBT樹脂組成物中に均一に分散させること
が困難であるのみならず、組成物の流動性が低下して成
形性が悪化し、また80g/10分より大きいと組成物
の機械的特性が劣る。
【0033】本発明に用いられる(E)成分のポリオレ
フィンの配合量は、好ましくは本発明の樹脂組成物中1
00重量部あたり3〜10重量部である。この配合量が
3重量部より小さいとPBT樹脂組成物の耐トラッキン
グ性改良効果が十分でなく、また10重量部より多いと
組成物の流動性が低下し、また成形品の外観が劣る。
【0034】本発明に用いられる(F)成分のケイ酸金
属塩系充填剤は粒状あるいは板状の無機充填剤であり、
例えばタルク(ケイ酸マグネシウム塩)、カオリン(ケ
イ酸アルミニウム塩)、ウォラストナイト(ケイ酸カル
シウム塩)、マイカ(ケイ酸アルミニウム−カリウム
塩)である。
【0035】本発明に用いられる(F)成分としてケイ
酸金属塩系充填剤と共に用いられるガラス繊維は、一般
に樹脂の強化用に用いられるものである。例えば長繊維
タイプ(ガラスロービング)や短繊維状のチョップドス
トランド、ミルドファイバーなどから選択して用いるこ
とができる。ガラス繊維は集束剤(例えばポリ酢酸ビニ
ル、ポリエステル集束剤等)、カップリング剤(例えば
シラン化合物、ボロン化合物、チタン化合物等)、その
他の表面処理剤で処理されていてもよい。
【0036】ガラス繊維の繊維長は組成物中の主たる部
分が0.2mm以上の長さになるようなものが好ましく
用いられる。
【0037】本発明の(F)成分のケイ酸金属塩系充填
剤とガラス繊維の配合量は、好ましくは両者の合計量が
本発明の組成物100重量部あたり30〜40重量部で
ある。この配合量が30重量部より小さいときには、P
BT樹脂組成物の耐トラッキング性の改良効果が十分で
なく、また40重量部より大きいと組成物の流動性が不
良となり、成形性が損なわれてくる。
【0038】ケイ酸金属塩系充填剤の割合は、ケイ酸金
属塩系充填剤とガラス繊維との合計量の15〜65重量
%である。この割合が15重量%より小さいと耐トラッ
キング性の改良効果が不十分であり、また65重量%以
上になると組成物の機械特性及び成形時の流動性が劣っ
てくる。
【0039】本発明の樹脂組成物には、必要に応じて酸
化防止剤、安定剤、着色剤、滑剤、離型剤、紫外線吸収
剤、帯電防止剤等の他の配合剤をその効果の発現量添加
してもよい。
【0040】また、難燃性を一層高めるため、燃焼時の
溶融粒の滴下を抑制する化合物を配合してもよい。この
ような効果を発現する化合物としては、乳化重合して作
られ剪断による繊維化能を有するポリテトラフルオロエ
チレンやフュームドコロイダルシリカ等が公知である。
これらを用いることは、より少ない臭素系難燃剤とアン
チモン系難燃助剤の配合量にて同等の難燃性を得ること
ができるため、PBT樹脂組成物の耐トラッキング性を
高める意味からも有用である。
【0041】更に溶融粘度安定性、耐加水分解性の改良
等の目的には、各種のエポキシ化合物、オキサゾリン化
合物、カルボジイミド化合物等を添加してもよい。エポ
キシ化合物としては、例えばビスフェノール−Aとエピ
クロルヒドリンを反応させて得られるビスフェノール−
A型エポキシ化合物、各種グリコールやグリセロールと
エピクロルヒドリンとの反応から得られる脂肪族グリシ
ジルエーテル、ノボラック型エポキシ化合物、芳香族ま
たは脂肪族カルボン酸型エポキシ化合物、脂環化合物型
エポキシ化合物などが好ましく、オキサゾリン化合物と
しては芳香族または脂肪族ビスオキサゾリン、特に2,
2’−ビス(2−オキサゾリン)、2,2’−m−フェ
ニレンビス(2−オキサゾリン)が好ましい。
【0042】更にまた、少量の割合で他の熱可塑性樹
脂、例えば他のポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポ
リフェニレンサルファイド樹脂、ポリフェニレンエーテ
ル樹脂、ポリカーボネート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリ
スチレンおよびその共重合体、アクリル樹脂およびアク
リル系共重合体、ポリアミドエラストマー、ポリエステ
ルエラストマー等;熱硬化性樹脂、例えばフェノール樹
脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、シリコー
ン樹脂等を配合してもよい。
【0043】本発明の樹脂組成物は、これらの配合成分
が均一に分散されていることが好ましく、その配合方法
は任意の方法を用いることができる。例えば配合成分の
全部または一部を加熱した単軸、二軸等の押出機に一括
または分割して供給し、溶融混練により均質化された後
に針金状に押出された溶融樹脂を冷却固化させ、次いで
所望の長さに切断して粒状化する方法があるが、ブレン
ダー、ニーダー、ロール等他の混合機を用いた方法でも
よい。また、これらを組合わせて用いたり、複数回繰り
返すことにより配合成分を順次加える方法等もとること
ができる。
【0044】このようにして造られた成形用樹脂組成物
から樹脂成形品を得るには、通常十分乾燥された状態に
保ったまま射出成形機等の成形機に供して成形する。更
にまた、組成物の構成原料をドライブレンドして直接成
形機ホッパー内に投入し成形機中で溶融混練することも
可能である。
【0045】本発明の樹脂組成物は、優れた難燃性、耐
トラッキング性を有するため、電気・電子部品用材料と
して有用な材料となる。特に電源から電圧の供給を受け
る端子が外部や電気製品内部の空間部に露出しており、
水や溶液、塵、埃の付着、吸着によって電圧が印可され
る部分の製品表面の絶縁性が破壊される可能性のある部
品の安全性向上が得られ、リレー、コネクター、トラン
ス、ボビン、スイッチ、ブレーカー、電源部品等の各種
部品から、内部で高電圧を使用する家電、産業機械等の
ハウジングに至るまで幅広く適用することができる。
【0046】
【実施例】以下実施例により本発明を詳述する。なお、
実施例中の各種特性の測定は以下の方法によった。 (1)荷重たわみ温度:ASTM D648に準拠。 (2)燃焼性:米国アンダーライターラボラトリー社の
定める方法(UL94)により評価。(試験片厚さ0.
8mm) (3)耐トラッキング性:IEC規格 Publ.11
2 第2版に準拠。 (4)機械特性:引張試験はASTM D638に、衝
撃試験はASTM D256(アイゾット、ノッチ付)
にそれぞれ準拠。 (5)極限粘度:溶媒としてo−クロロフェノールを用
い、オストワルド粘度管により35℃にて測定。
【0047】[実施例1〜3、比較例1〜3] (A)130℃で8時間熱風乾燥した、極限粘度0.8
8のPBT樹脂(帝人(株)製)、(B)臭素化ポリス
チレン(PDBS−80、イスラエル国GLC社)、
(B)臭素化ポリアクリレート(FR−1025、イス
ラエル国デッド・シー・ブロミン社製)、(C)アンチ
モン酸ナトリウム(サンエポックNA1030、日産化
学(株)製)、(C)三酸化アンチモン(PATOX−
M、日本精鉱(株)製)、(D)ポリテトラフルオロエ
チレン(ルブロンL−5、ダイキン工業(株)製)、
(E)ポリプロピレン(ノーブレンBJ5H−MF、三
井東圧化学(株)製)、(F)タルク(PKNN、林化
成(株)製)、(F)ガラス繊維(T−124(平均繊
維径13μ、3mmチョップドストランド)、日本電気
硝子(株)製)、及び難燃性を高めるための乳化重合P
TFEファインパウダー(フルオンCD076、旭IC
Iフロロポリマーズ(株)製)を表1に示す割合にて、
予めタンブラーで均一に混合した後スクリュー径各44
mmのベント付き二軸押出機を用いて真空に引きながら
シリンダー温度260℃、スクリュー回転数100rp
m、吐出量30kg/hrにて溶融混練し、ダイスから
吐出するスレッドを冷却切断して成形用ペレットを得
た。
【0048】
【表1】
【0049】次いでこのペレットを用いて射出容量5オ
ンスの射出成形機にてシリンダー温度260℃、金型温
度90℃、射出圧力90MPa、冷却時間12秒、およ
び全成形サイクル40秒の条件で各特性測定用の成形品
を成形した。これらの成形品を用いて各特性を測定し
た。それらの結果を表2に示す。
【0050】
【表2】
【0051】PBT樹脂はそれ自体優れた耐トラッキン
グ性を示すが、その難燃性、荷重たわみ温度で表される
耐熱性、引張強度等の機械特性は電子部品等に用いるの
に不十分である(比較例1)。しかし、PBT樹脂を臭
素化ポリスチレンや臭素化ポリアクリレート、三酸化ア
ンチモンやアンチモン酸ナトリウムで難燃化し、更にポ
リテトラフルオロエチレン、ポリプロピレン、タルク、
ガラス繊維を配合すると、優れた難燃性と非常に高度な
耐トラッキング性を示す組成物が得られる(実施例1〜
3)。ポリプロピレンとタルク、ガラス繊維のみでもあ
る程度の耐トラッキング性は得られるが、高度な耐トラ
ッキング性を得るにはポリテトラフルオロエチレンの配
合が必要である(比較例2、実施例1)。
【0052】また、タルクとガラス繊維の配合量の増量
により耐トラッキング性を向上しようとすると、押出加
工時の取扱性が不良となり、また組成物の流動性や機械
特性が損なわれる(比較例3)。
【0053】
【発明の効果】本発明によれば、難燃性を備え、かつ、
高度な耐トラッキング性を備えたPBT樹脂組成物を得
ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C08L 23:10 C08L 23:10 27:12) 27:12) (56)参考文献 特開 昭64−29454(JP,A) 特開 平1−223157(JP,A) 特開 平10−60241(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 67/00 - 67/02

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)ポリブチレンテレフタレート22
    〜58重量部、 (B)臭素系難燃剤4〜12重量部、 (C)アンチモン系難燃助剤2〜6重量部 (D)フッ化エチレン系重合体3〜10重量部 (E)250℃、2.16kgにおけるメルトフローレ
    ートが15〜80g/10分であるポリプロピレン3〜
    10重量部及び (F)ケイ酸金属塩系充填剤とガラス繊維の合計量30
    〜40重量部からなり、かつケイ酸金属塩系充填剤とガ
    ラス繊維の合計量中におけるケイ酸金属塩系充填剤の割
    合が15〜65重量%である樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 臭素系難燃剤(B)が臭素化ポリスチレ
    ンである請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 臭素系難燃剤(B)が臭素化ポリアクリ
    レートであり、かつアンチモン系難燃助剤(C)がアン
    チモン酸ナトリウムである請求項1に記載の樹脂組成
    物。
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