JP5046476B2 - 絶縁材料部品 - Google Patents

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本発明は、難燃性を有し、電気絶縁性に優れたポリエステル樹脂製絶縁材料部品に関する。詳しくは本発明はポリハロゲン化ベンジル(メタ)アクリレートと五酸化アンチモンを含有するポリブチレンテレフタレート樹脂組成物を用いて成形された絶縁材料部品に関するものである。
近年、電気電子部品における電気安全性に対する要求が、以前にも増して高くなりつつある。例えば、最近改定された国際電気標準会議(International Electrotechnical Commission、略称IEC)のIEC60335−1規格によると、冷蔵庫、全自動洗濯機などの家庭用電気製品において、オペレータが付かない状態で動作する機器の部品のうち、通常の動作中に0.2Aを超える電流が流れる接続部を支持している絶縁材料部品、及びこれらの接続部から3mm以内の距離にある電気絶縁材料部品(プリント回路基板、端子台、プラグなど)の材料は、赤熱棒燃焼指数(Glow-wire Flamability Index、略称:GWFI)が850℃以上であること、かつ赤熱棒着火温度(Glow-wire Ignition Temperature、略称:GWIT)が775℃以上であることを満足させねばならなくなった。
勿論これらの部品は、既に同様の電気電子部品には必要であるとされている、アンダーライターズ・ラボラトリーズ(Underwriter's Laboratories Inc.)のUL−94規格の難燃性や比較トラッキング指数(Comparative Tracking Index、略称CTI)等の要求事項をも同時に満たさねばならない。
このように、難燃性や耐トラッキング性に加えて、着火および炎の伝播に対しての耐性、即ち電気安全性についても厳しい規定が設けられ、全てをバランスよく満たす部品が求められている。
ところで、ポリエステル樹脂、中でもポリブチレンテレフタレート樹脂(以下、「PBT樹脂」と略称することがある。)は機械的性質、電気的性質、耐熱性などに優れているため、近年、電機機器部品、機械部品等の多くの用途に使用されている。特に、優れた難燃性が容易に得られ、同時に機械的性質も優れている点から、オペレータが付かない状態で動作する電気電子機器の部品の絶縁材料としても広く使用されてきた。
PBT樹脂などポリエステル樹脂に、難燃性を付与する方法としては、ハロゲン化芳香族ビスイミド化合物、ハロゲン化ポリカーボネート、ハロゲン化芳香族エポキシ化合物、ハロゲン化ベンジルアクリレートなどのハロゲン含有有機難燃剤と、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムなどの無機系難燃助剤とを組合わせ、更に特定のグラフト共重合体を併用した樹脂組成物が知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、ポリエステル樹脂に、ハロゲン化芳香族エポキシ化合物、ハロゲン化芳香族ビスイミド化合物、ハロゲン化ベンジルアクリレートから選ばれるハロゲン含有化合物と、平均粒径1μm以下の三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、ハロゲン化アンチモンなどのアンチモン系難燃助剤とを組合わせ、更に多層構造のコアシェル型化合物を併用した樹脂組成物が知られている(例えば、特許文献2参照)。
また、ポリエステル樹脂に、臭素化ビスフェノール系エポキシ樹脂のようなハロゲン化芳香族化合物と、五酸化アンチモンのアルカリ(土類)金属複塩とを組合わせ、更にポリアルキレングリコールのような多価アルコールを併用した樹脂組成物が知られている(例えば、特許文献3参照)。
また、ポリエステル樹脂に、ポリハロゲン化(メタ)アクリル樹脂と、三酸化アンチモン、五酸化アンチモンのようなアンチモン化合物とを組合わせ、更にハイドロタルサイト類化合物を併用した樹脂組成物が知られている(例えば、特許文献4参照)。
しかしながらこれら従前技術の具体例においての難燃性試験は、主として前記したUL規格に基づくものであって、本発明者らの知見による限り、GWIT、GWFI、CTI等の規格試験を満足するには至っていない。
また、難燃PBT樹脂の耐湿熱特性を改良するためにポリハロゲン化ベンジル(メタ)アクリレートとアンチモン系難燃助剤を組合わせたポリブチレンナフタレートが知られている(例えば、特許文献5参照)。しかしながらポリブチレンナフタレートはPBT樹脂に比べて流動性が不足して成形性に問題があり、芳香族性に起因して絶縁性にも問題を含むなど、PBT樹脂のように広い用途まで普及するに至っていない。
特開平8−109320号公報 特開平8−183896号公報 特開平8−183877号公報 特開平9−59475号公報 特開平6−41406号公報
本発明の目的は、改定IEC60335−1規格を満足した難燃ポリエステル樹脂材料よりなる絶縁材料電気電子部品を提供することにある。
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意検討した結果、ハロゲン系有機難燃剤であるポリハロゲン化ベンジル(メタ)アクリレートを、難燃助剤として五酸化アンチモン系化合物と組合わせた場合に、優れた難燃性やGWFI、CTI等の要求特性を具備する成形体が得られることを見出した。これは五酸化アンチモン系化合物に特有の現象であり、同族化合物として最もよく知られている三酸化アンチモンを難燃助剤として使用した場合には、上記特性を満足することができなかった。
更に、五酸化アンチモン系化合物を使用しても、ハロゲン系有機難燃剤として臭素化ビスフェノール系エポキシ樹脂(ハロゲン化芳香族エポキシ化合物)、ハロゲン化芳香族ビスイミド化合物、ハロゲン化ポリカーボネートなどを組合わせる場合には、同様に、上記特性を満足することができず、特にCTI特性に劣ることを知得した。
更に、PBT樹脂組成物中に低分子量フッ素樹脂を含有させる場合には、GWIT特性を顕著に改善できることも知得した。
更に、厚さ2mm以下の肉薄絶縁材料部品のGWITを更に向上させるため、耐熱性材料を内接して配置することが好ましいことを見出した。
本発明は上記の諸知見に基づき達成されたものであって、その要旨とするところは、
(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂100重量部に対して
(B)ポリハロゲン化ベンジル(メタ)アクリレート3〜50重量部
(C)五酸化アンチモン1〜30重量部
(D)無機充填材0〜200重量部
を含有するポリエステル樹脂組成物を用いて形成された樹脂成形部を有し、該樹脂成形部が0.2Aを超える定格電流が流れる接続部を直接支持しているか、またはこれらの接続部から3mm以内の距離にあることを特徴とする絶縁材料部品に存する。
また本発明は、樹脂成形部における厚さ2mm以下の肉薄部分に接して、耐熱性材料が配置されている上記絶縁材料部品にも存する。
また本発明は、上記の絶縁材料部品を使用してなるリレー、スイッチ、コネクター、センサー、アクチュエーター、マイクロセンサー及びマイクロアクチュエーターからなる群から選ばれる有接点電気・電子部品にも存する。
本発明の電気電子機器用の絶縁材料部品は、動作中の着火および炎の伝播に対しての耐性の向上が図られており、オペレータが付かない状態で動作する機器の部品で、通常の動作中に0.2Aを超える電流が流れる、即ち、定格電流が0.2Aを超える接続部を支持している絶縁材料部品、及びこれらの接続部から3mm以内の距離にある電気絶縁材料部品における安全性が向上し、幅広く使用することができる。
本発明における、(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT樹脂)とは、テレフタル酸が全ジカルボン酸成分の50モル%以上を占め、1,4−ブタンジオールが全ジオールの50重量%以上を占めることをいう。テレフタル酸は全ジカルボン酸成分の80モル%以上を占めることがより好ましく、95モル%以上占めることがさらに好ましい。1,4−ブタンジオールは全ジオール成分の80モル%以上を占めることがより好ましく、95モル%以上占めることがさらに好ましい。PBT樹脂の固有粘度は、1,1,2,2−テトラクロロエタン/フェノール=1/1(重量比)の混合溶媒を用いて、温度30℃で測定した場合、0.50以上、好ましくは0.7以上であり、一方上限は3.0以下、好ましくは1.5以下である。固有粘度が、0.50より小さいと機械的強度が低く、3.0より大きいと成形が困難になる。本発明のPBT樹脂としては、固有粘度を異にする2種類以上のPBT樹脂を併用してもよい。
テレフタル酸以外のジカルボン酸成分としては、フタル酸、イソフタル酸、4,4'−ジフェニルジカルボン酸、4,4'−ジフェニルエーテルジカルボン酸、4,4'−ベンゾフェノンジカルボン酸、4,4'−ジフェノキシエタンジカルボン酸、4,4'−ジフェニルスルホンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式ジカルボン酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸などの脂肪族ジカルボン酸、これらの低級アルキルあるいはグリコールのエステルなどの1種又は2種以上を併用しても良い。
1,4−ブタンジオール以外のジオール成分としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ジブチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール等の脂肪族ジオール、1,2−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,1−シクロヘキサンジメチロール、1,4−シクロヘキサンジメチロール等の脂環式ジオール、キシリレングリコール、4,4'−ジヒドロキシビフェニル、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン等の芳香族ジオール等の1種又は2種以上を併用しても良い。
本発明においては、更に、乳酸、グリコール酸、m−ヒドロキシ安息香酸、p−ヒドロキシ安息香酸、6−ヒドロキシ−2−ナフタレンカルボン酸、p−β−ヒドロキシエトキシ安息香酸などのヒドロキシカルボン酸、アルコキシカルボン酸、ステアリルアルコール、ベンジルアルコール、ステアリン酸、安息香酸、t−ブチル安息香酸、ベンゾイル安息香酸などの単官能成分、トリカルバリル酸、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸、没食子酸、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセロール、ペンタエリスリトール等の三官能以上の多官能成分などを共重合成分として使用することができる。
上記ジカルボン酸又はその誘導体とジオールとからなるポリエステルを製造するには、任意の方法が採用される。例えば、テレフタル酸と1,4−ブタンジオールを直接エステル化反応させる直接重合法と、テレフタル酸ジメチルを主原料として使用するエステル交換法とに大別される。前者は初期のエステル化反応で水が生成し、後者は初期のエステル交換反応でアルコールが生成するという違いがある。直接エステル化反応は原料コスト面から有利である。
また、ポリエステルの製造方法は、原料供給またはポリマーの払い出し形態から回分法と連続法に大別される。初期のエステル化反応またはエステル交換反応を連続操作で行って、それに続く重縮合を回分操作で行ったり、逆に、初期のエステル化反応またはエステル交換反応を回分操作で行って、それに続く重縮合を連続操作で行う方法もある。
本発明で用いられる(B)ポリハロゲン化ベンジル(メタ)アクリレートは、ハロゲンを含有するベンジル(メタ)アクリレートを単独で重合、または2種以上を共重合、もしくは他のビニル系モノマーと共重合させることによって得られる重合体であり、ハロゲン原子は、ベンゼン環に付加しており、付加数はベンゼン環1個あたり1〜5個、好ましくは4〜5個の範囲である。
ハロゲンを含有するベンジルアクリレートとしては、ペンタブロムベンジルアクリレート、テトラブロムベンジルアクリレート、トリブロムベンジルアクリレート、ペンタクロルベンジルアクリレート、テトラクロルベンジルアクリレート、トリクロルベンジルアクリレート、またはそれらの混合物などがあげられる。また、ハロゲンを含有するベンジルメタクリレートとしては、上記したアクリレートに対応するメタクリレートがあげられる。
ハロゲンを含有するベンジル(メタ)アクリレートと共重合させるために使用されるビニル系モノマーとしては、アクリル酸、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、ベンジルアクリレートのようなアクリル酸エステル類、メタクリル酸、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、ベンジルメタクリレートのようなメタクリル酸エステル類、スチレン、アクリルニトリル、フマル酸、マレイン酸のような不飽和カルボン酸またはその無水物、酢酸ビニル、塩化ビニル、などがあげられる。これらは通常、ハロゲンを含有するベンジル(メタ)アクリレートに対し等モル量以下、好ましくは0.5倍モル量以下が使用できる。
また、架橋性のビニル系モノマーとしては、キシレンジアクリレート、キシレンジメタクリレート、テトラブロムキシレンジアクリレート、テトラブロムキシレンジメタクリレート、ブタジエン、イソブレン、ジビニルベンゼンなどを使用することもでき、これらは通常、ハロゲンを含有するベンジルアクリレートまたはベンジルメタクリレートに対し0.5倍モル量以下が使用できる。
ハロゲンは、塩素、臭素、沃素等が使用できるが、熱安定性、安全性、難燃性を考慮すると臭素が好ましい。好ましいポリハロゲン化ベンジル(メタ)アクリレートとして、ポリペンタブロモベンジルアクリレートが高臭素含有量である点で好ましい。配合量は、PBT樹脂100重量部に対して3〜50重量部、好ましくは5〜22.5重量部、更に好ましくは10〜22重量部である。配合量が3重量部未満では難燃性の向上効果が得られず、50重量部を超えた場合にはポリエステル樹脂の機械的性質を損なう傾向があり好ましくない。
本発明では難燃助剤として(C)五酸化アンチモンが使用される。(C)五酸化アンチモンはSb25 単独でもよいが、他の金属酸化物との複塩として使用する態様は、入手や配合が容易であるので好ましい。例えば、下記一般式(1)又は(2)で示される複塩を使用することが好ましい。
Figure 0005046476
更に好ましくは、下記一般式(3)で示される複塩を使用することができる。
Figure 0005046476
上式(1)(2)(3)中、Xとしては、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウムなどが挙げられ、Yとしてはカルシウム、マグネシウム、バリウムなどが挙げられる。nは、0より大、好ましくは0.3以上、特に0.65〜1.5の範囲が好ましい。nが0.65未満であると、吸着水の脱離速度が小さいために、溶融粘度が変化しやすい。nが1.5より大きいと相対的にアンチモンの量が低下することにより難燃助剤としての効果が発揮されない。mは0〜4の数であり、好ましくは0〜2であり、4を超えるとPBTが加水分解され好ましくない。特に、耐加水分解性の点から(Na2 O)1.0 ・Sb2 5 で表される酸化ナトリウムと五酸化アンチモンの1対1の複塩が好ましく、例えば日産化学社製NA−1070L等の商品名で市販されているものが挙げられる。
なお、本発明の(C)五酸化アンチモンとして、式(1)及び式(2)で示される化合物を2種以上混合して使用することもできる。この場合、上式中において、n及びmはそれぞれ独立に決定されるものである。また、五酸化アンチモンの同類化合物として三酸化アンチモンSb2 3が知られているが、本発明においてこれを併用するとGWIT性能が低下するので好ましくはない。
(C)五酸化アンチモンの配合量は、PBT樹脂100重量部に対して、1〜30重量部、好ましくは5〜10重量部である。1重量部より少ないと、難燃助剤効果が発揮されない。30重量部を超えると配合効果が飽和し、また樹脂成形部材の機械的強度を低下させる。
本発明のPBT樹脂組成物は、(A)PBT樹脂100重量部に対して、(B)ポリハロゲン化ベンジル(メタ)アクリレート3〜50重量部及び(C)五酸化アンチモン1〜30重量部を必須の成分として含有するものであるが、特に、剛性または寸法安定性が必要とされる場合には、任意成分として(D)無機充填材を配合してもよい。また、燃焼時の樹脂の滴下をより一層防止したい場合には、(E)滴下防止剤を配合してもよい。
本発明において使用される(D)無機充填材としては、繊維状物、板状物、粒状物及びこれらの混合物が挙げられる。具体的にはガラス繊維、炭素繊維、鉱物繊維、金属繊維、セラミックスウイスカー、ワラストナイト等の繊維状物;ガラスフレーク、マイカ、タルクなどの板状物及び/又は層状珪酸塩;シリカ、アルミナ、ガラスビーズ、カーボンブラック、炭酸カルシウム等の粒状物など周知のものが挙げられる。これらの選定の基準は製品の必要とされる特性によるが、機械的強度や剛性については繊維状物、特にガラス繊維が選定され、成形品の異方性およびソリの低減が重要な際は板状物、特にマイカが選ばれる。また、粒状物は成型時の流動性も加味された全体的なバランスのもとで最適なものが選ばれる。
層状珪酸塩としては、層状珪酸塩、変性層状珪酸塩(層間に4級有機オニウムカチオンを挿入した層状珪酸塩)、反応性官能基を付与した層状珪酸塩または変性層状珪酸塩が挙げられるが、層状珪酸塩の本発明樹脂組成物への分散性および滴下防止能の観点から、変性層状珪酸塩、反応性官能基を付加した層状珪酸塩または変性層状珪酸塩が好ましく、特にはエポキシ基、アミノ基、オキサゾリン基、カルボキシル基、酸無水物等の反応性官能基を付加した層状珪酸塩または変性層状珪酸塩が好適に使用される。官能基付与方法としては、官能化試薬(シランカップリング剤)で処理する方法が簡単で好ましい。
官能化試薬としては、例えは、エポキシ基を有するクロロシラン類、カルボキシル基を有するクロロシラン類、メルカプト基を有するクロロシラン類、アミノ基を有するアルコキシシラン類、エポキシ基を有するアルコキシシラン類などが挙げられる。特に、3-グリシジルオキシプロピルジメチルクロロシラン、β-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルジメチルクロロシラン、3-グリシジルオキシプロピルトリクロロシラン等のエポキシ基を有するクロロシラン類、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン等のアミノ基を有するアルコキシシラン類、3-グリシジルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシ基を有するアルコキシシラン類が好ましい。これら官能化試薬の層状珪酸塩への接触は、無溶媒または極性溶媒中での混合により行なうのが好ましい。
本発明で使用する層状珪酸塩の具体例としては、モンモリロナイト、ヘクトライト、フッ素ヘクトライト、サポナイト、バイデライト、スブチンサイト等のスメクタイト系粘土鉱物、Li型フッ素テニオライト、Na型フッ素テニオライト、Na型四珪素フッ素雲母、Li型四珪素フッ素雲母などの膨潤性合成雲母、バーミキュライト、フッ素バーミキュライト、ハロイサイト等が挙げられ、天然品、合成品の何れでもよい。特に、モンモリロナイト、ヘクトライト等のスメクタイト系粘土鉱物、Li型フッ素テニオライト、Na型フッ素テニオライト、Na型四珪素フッ素雲母などの膨潤性合成雲母が好ましい。
本発明で使用する変性層状珪酸塩の層間に挿入される4級オニウムカチオンとしては、例えば、トリメチルオクチルアンモニウム、トリメチルデシルアンモニウム、トリメチルドデシルアンモニウム、トリメチルテトラデシルアンモニウム、トリメチルヘキサデシルアンモニウム、トリメチルオクタデシルアンモニウム等のトリメチルアルキルアンモニウム、ジメチルジオクチルアンモニウム、ジメチルジデシルアンモニウム、ジメチルジドデシルアンモニウム、ジメチルジテトラアンモニウム、ジメチルジヘキサデシルアンモニウム、ジメチルジオクタデシルアンモニウム等のジメチルジアルキルアンモニウム等が挙げられる。
以上のような層状珪酸塩を使用した場合には、該珪酸塩は(D)無機充填材として機能するばかりではなく、後で述べる(E)滴下防止剤としての機能を副次的に果たす。
(D)無機充填材の配合量は、PBT樹脂100重量部に対して0〜200重量部であり、要求される剛性や寸法安定性のレベルに応じて配合量を決定すればよい。柔軟性を目的とする場合など無機充填材を配合しない場合もあるが、配合する際には、通常、5〜120重量部、さらに好ましくは10〜100重量部である。200重量部を超えると、機械的強度が低下する。
また、本発明において用いられる(E)滴下防止剤とは、燃焼時の樹脂の滴下を防止する性質を有する化合物を指し、前記(D)無機充填材に該当するものは除外される。その具体例としては、シリコンオイル、フッ素(含有)樹脂、などが挙げられ、特に、組成物の難燃性の観点から好ましい滴下防止剤は、フッ素含有樹脂である。
(E)滴下防止剤として使用されるフッ素樹脂としては、例えば、ASTM D−1457-56Tに示された熱処理条件で成形した試料の比重(Standard specific gravity(SSG)と、放射性末端基法や溶融粘度および高温での溶液粘度法から求めて補正した数平均分子量が100万以上、好ましくは200万以上であるフッ素樹脂が挙げられる。具体例としては、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン/エチレン共重合体、フッ化ビニリデン、ポリクロロトリフルオロエチレン等のフッ素化ポリオレフィン等が挙げられる。これらの中では、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン/エチレン共重合体が好ましく、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体が更に好ましい。
また、(E)滴下防止剤として使用されるフッ素樹脂としては、フィブリル形成能を有するものが好ましい。すなわち、樹脂中に容易に分散し、且つ重合体同士が結合して繊維状材料を作る傾向を示すものであり、滴下防止剤として好適に機能する。
これらは、例えば、ファインパウダーやモールディングパウダー等と称してして市販されており、具体的には、ダイキン化学工業社の「ポリフロンFA-500」「ポリフロンF-201L」、「ポリフロンM−18」旭硝子社の「フレオンCD-123」、「フレオンG−190」、三井・デュポンフロロケミカル社の「テフロン(R)6−J」「テフロン(R)7A−J」(テフロンは登録商標)、ダイニオン社の「TF−2071」「TF−1750」等があげられる。
(E)滴下防止剤として使用されるフッ素樹脂の350℃における溶融粘度は、通常1.0×102〜1.0×1015(Pa・s)、好ましくは1.0×103〜1.0×1014(Pa・s)、更に好ましくは1.0×1010〜1.0×1012(Pa・s)である。溶融粘度が1.0×102(Pa・s)未満の場合は燃焼時の滴下防止能が不充分であり、1.0×1015(Pa・s)より大きい場合は組成物の流動性が著しく低下する。
(E)滴下防止剤としてはシリコンオイルも好ましい。シリコンオイルとしては、ジメチルポリシロキサン骨格を有する化合物であり、末端または側鎖の一部もしくは全部がアミノ変性、エポキシ変性、カルボキシル変性、カルビノール変性、メタクリル変性、メルカプト変性、フェノール変性、ポリエーテル変性、メチルスチリル変性、アルキル変性、高級脂肪酸エステル変性、高級アルコキシ変性、フッ素変性を受け官能基化されていてもよい。
(E)滴下防止剤として使用するシリコンオイルの粘度は、25℃において、通常1000〜30000(cs.)、好ましくは2000〜25000(cs.)、更に好ましくは3000〜20000(cs.)である。粘度が1000(cs.)未満の場合は、燃焼中の滴下防止作用が充分でなくなり難燃性が低下し、30000(cs.)より大きい場合は、増粘効果により組成物の流動性が低下する。
本発明の難燃性PBT樹脂組成物において、(E)滴下防止剤の含有量は、PBT樹脂100重量部に対し、通常、0〜15重量部、好ましくは0.01〜15重量部である。(E)滴下防止剤の含有量が15重量部を超える場合は、流動性や機械的物性の低下を招く恐れがある。
本発明の難燃性PBT樹脂組成物において、(F)成分として分子量100万未満のフッ素樹脂を含有させることにより、GWITを更に向上することができるため好ましい。分子量100万未満フッ素樹脂としては、(E)滴下防止剤の項で挙げたものと同様の樹脂が挙げられる。好ましい樹脂の種類も同様であるが、最も好ましくはポリテトラフルオロエチレンである。分子量100万未満のフッ素樹脂としては、例えば、ダイキン化学工業社製の「ルブロンL−5」「ルブロンL−2」などとして市販されている。(F)成分の含有量はPBT樹脂100重量部に対して、通常、0〜20重量部、好ましくは1〜20重量部であり、1重量部未満ではGWIT向上の効果は低く、20重量部を超える場合は機械物性が低下する。
本発明の樹脂組成物は、上記成分(A)(B)(C)(D)(E)及び(F)以外に、必要に応じて、組成物の特性を阻害しない範囲で、周知の種々の添加剤を配合することができる。例えば、パラフィンワックス、ポリエチレンワックス、脂肪酸(例えば、ステアリン酸等)及びその塩またはエステル、シリコンオイル等の離型剤;そして、ヒンダードフェノール系、亜燐酸エステル系、硫黄含有エステル化合物系等の熱安定剤;結晶化促進剤;紫外線吸収剤あるいは耐候性付与剤;染料、顔料、発泡剤等を含有してもよい。
また、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12、ナイロンMXD6等の各種ナイロン、各種ナイロンエラストマー、液晶ポリマー、ポリカーボネート樹脂、PBT樹脂以外のポリエステル樹脂(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンナフタレート等)、ポリスチレン、ABS、AS、MS等のスチレン系樹脂、各種アクリル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンープロピレン共重合体等のオレフィン系樹脂、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂、そして、エラストマーとして、イソブチレンーイソプレンゴム、スチレンーブタジエンゴム、スチレンーブタジエンゴムースチレン、エチレンープロピレンゴム、アクリル系エラストマー、アイオノマー樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカプロラクタム等、フェノール樹脂、メラミン樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂を含有してもよい。さらに、接点の腐食防止のため、多価アルコールまたはその誘導体、ハイドロタルサイト類化合物、エポキシ化合物などを少量配合してもよい。
本発明の絶縁材料部品の原料であるポリエステル樹脂組成物は、前記の各成分(A)(B)(C)(D)(E)及び(F)、並びに必要に応じて用いられる各種添加成分を配合し、混練りすることによって得ることができる。 配合は通常用いられる方法、例えば、リボンブレンダー、ヘンセルミキサー、ドラムブレンダー等で行われる。溶融混練りには各種押出機 、ブラベンダープラストグラフ、ラボプラストミル、ニーダー、バンバリーミキサー等が使われる。溶融混練りに際しての加熱温度は、通常230〜290℃である。混練り時の分解を抑制する為、前記の熱安定剤を用いるのが好ましい。各成分は、付加的成分を含め、混練機に一括して供給することができ、または、順次供給することもできる。また、付加的成分を含め、各成分から選ばれた2種以上の成分を予め混合しておくこともできる。ガラス繊維などの繊維状無機充填材は、押出機の途中から樹脂が溶融した後に添加することにより、破砕を避け、高い特性を発揮させることができる。
本発明の絶縁材料部品は、上述した難燃性PBT樹脂組成物を用いて形成された樹脂成形部を有し、該樹脂成形部が、通常の動作中に0.2Aを超える電流、即ち0.2Aを超える定格電流が流れる接続部を直接支持しているか、またはこれらの接続部から3mm以内の距離にある、絶縁材料部品である。このように、高い電気安全性を求められる部品の場合、上述した難燃性PBT樹脂組成物を使用して形成された樹脂成形部は、高GWFI値、高GWITを実現し、かつ従来から必要とされている、UL規格の難燃性やCTI等の要求事項をも満たすことができるため好ましい。
ここで「該樹脂成形部が、通常の動作中に0.2Aを超える電流が流れる接続部から3mm以内の距離にある」とは、例えばリレー部品などの場合、樹脂成形部の内側に接続部(接点)が内接して直接支持しているのではなく、接点と樹脂成形部との間に数ミリの空間を設ける場合を表す。このような場合にも、やはり高い電気安全性は必要であり、本発明が有効である。
一般に、GWITは肉薄になると低下する。例えば、厚さ2mm以下の肉薄の樹脂成形部を有する場合、その部分は局部的にGWITが低下する。本発明の絶縁材料部品は、樹脂成形部が、上述した特定の難燃性PBT樹脂組成物を用いて形成されているため、肉薄部のGWITも高い値を有するが、GWITを更に向上する手段として、樹脂成形部の内側に内接して、耐熱性材料の板あるいは接点を配置することも有効である。耐熱性の材料とは金属やセラミックスが好ましく、更には融点が900℃以上の金属、Cu,Au,Pt,Fe,Co,Ni,Ti等の金属が好ましい。
本発明の絶縁材料部品は、上述の方法により得られた原料を既知の種々の成形方法、例えば、射出成形、中空成形、押出成形、圧縮成形、カレンダー成形、回転成形等により得ることができる。特に好ましい成形方法は、流動性の良さから、射出成形である。射出成形に当たっては、樹脂温度を240〜280℃にコントロールするのが好ましい。
上記の方法で成形された本発明の絶縁材料部品は、金属接点、銅版などと組合わせることにより、リレー、スイッチ、コネクター、センサー、アクチュエーター、マイクロセンサー及びマイクロアクチュエーターなどの電気・電子部品に加工される。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
1.[試験片の作成]
各種の樹脂組成物について、射出成型機(住友重機械社製、型式SH-100)を使用して、シリンダ温度250℃、金型温度80℃の条件で成形した。試験片の寸法は、縦横10cm、厚さ3mm;縦横10cm、厚さ0.5mm又は厚さ1/32インチであるUL−94規格規定の試験片のいずれかである。
2.[原材料の調達]
*ポリエステル樹脂
(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂
(三菱エンジニアリングプラスチックス社製、ノバデュラン、[η]=0.70)
*ハロゲン系有機難燃剤
(B−1)ポリペンタブロモベンジルアクリレート
(ブロモケム・ファーイースト社製、PBBPA−FR1025)
(B−2)テトラブロモビスフェノールA−テトラブロモビスフェノールAジグリシジルエーテル・コポリマー
(阪本薬品工業社製、SR−T5000)
(B−3)臭素化ポリカーボネートオリゴマー
(三菱ガス化学社製、FR−53)
*アンチモン化合物
(C−1)酸化ナトリウムと五酸化アンチモンの複塩(n=1)
(日産化学社製、サンエポックNA1070L)
(C−2)酸化ナトリウムと五酸化アンチモンの複塩(n=0.7)
(日産化学社製、サンエポックNA1030)
(C−3)三酸化アンチモン(森六製)
*無機充填材
(D)ガラス繊維(日本電気硝子社製、T187)
*滴下防止剤
(E)ポリテトラフルフルオロエチレン(PTFE)
(ダイキン工業社製、ポリフロンM−18、分子量 800万)
(F)ポリテトラフルフルオロエチレン(PTFE)
(ダイキン工業社製、ルブロンLA−5、分子量 30万)
3.[性能評価法]
(1)難燃性試験
試験片(厚み1/32インチ)について、アンダーライターズ・ラボラトリーズ(Underwriter's Laboratories Inc.)のUL−94規格垂直燃焼試験により実施した。難燃性レベルはV−0>V−1>V−2>HBの順に低下する。
(2)比較トラッキング指数(Comparative Tracking Index)試験
(略称:CTIランク試験)
試験片(厚み3mm)について、UL−746Aに定める試験法によりCTIランクを決定した。このランクは、固体電気絶縁材料の表面に電界が加わった状態で湿潤汚染されたとき、600V以下におけるトラッキングに対する対抗性を示すものである。ランク2は250〜400Vの対抗性を示し、ランク3は175〜250Vの対抗性を示す。従って、CTIランクは、数字が小さい方が特性としては良好である。
(3)赤熱棒燃焼指数(Glow-wire Flamability Index)試験
(略称:GWFI試験)
試験片(厚み3mm)について、IEC60695−2−12に定める試験法に従った。即ち、所定形状の赤熱棒(外形4mmのニッケル/クロム(80/20)線をループ形状にしたもの)を30秒間接触させ、その後引き離す。この間に着火しないか,着火しても引き離し後30秒以内に火が消える先端の最高温度として定義される。難燃用途には850℃以上が求められる。
(4)赤熱棒着火温度(Glow-wire Ignition Temperature)試験
(略称:GWIT試験)
各種の試験片(厚み3mmの平板、並びに、厚み0.5mmの平板に0.5mmの銅版を平板の背面にクリップで固定した状態のもの)について、IEC60695−2−13に定める試験法に従った。即ち、所定形状の赤熱棒(外形4mmのニッケル/クロム(80/20)線をループ形状にしたもの)を30秒間接触させ、着火しない先端の最高温度より25℃高い温度として定義される。難燃用途には、GWITとして775℃以上が求められる。
(5)引張試験:ISO527に準拠して測定した。
(6)曲げ試験:ISO178に準拠して測定した。
[実施例1]
表1に示す通り、(A)PBT樹脂100重量部、(B−1)ハロゲン系難燃剤13.5重量部、(C−1)アンチモン化合物8.5重量部、(D)ガラス繊維56.7重量部を一括してスーパーミキサー(新栄機械社製SK−350型)で混合し、L/D=42の2軸押出機(日本製鋼所社製、TEX30HSST)を使用して、吐出量20kg/h、スクリュー回転数150rpm、バレル温度260℃の条件下押出してPBT樹脂組成物のペレットを得た。
[実施例2〜4および比較例1〜3]
実施例1における各成分の種類及び配合割合を表1に示すように変更した以外は実施例1と同様にしてPBT樹脂組成物を調製し、同様に各種の試験を実施した。
Figure 0005046476
表1に示されているように、(B−1)ハロゲン系難燃剤と(C−1)アンチモン化合物という特定の組み合わせにおいて難燃性、CTIランク、GWFI、GWITおよび機械的特性が良好であり、IEC60335−1に示される、通常の作動中に0.2Aを超える電流が流れる接続部を支持している絶縁材料部品およびこれらの接続部から3mm以内にある絶縁材料部品に適合したものであることがわかる。
また、平板を薄くすることによりGWITは低下するが、平板の後ろに金属板を配置することにより、本発明の樹脂組成物で作った平板のGWITは著しく上昇した。リレーやコネクターなどの絶縁材料部品は厚さ2mm以内の肉薄部分もあるが、本発明の樹脂組成物は耐熱性の材料を内側に配置することにより、著しくグローワイヤーにおける難燃性を向上することができる。
本発明の成形品は、冷蔵庫、全自動洗濯機などの家庭用電気製品において、オペレータが付かない状態で動作する機器の部品で、動作中に0.2Aを超える電流が流れる接続部を支持している絶縁材料部品およびこれらの接続部から3mm以内の距離にある電気絶縁材料部品(プリント回路基板、端子台、プラグなど)として適応し、電気的安全性が向上している。
本発明の成形品は難燃性に優れ、電気的安全性が向上しているので、電気・電子機器分野、自動車分野、機械分野等に利用可能である。

Claims (7)

  1. (A)ポリブチレンテレフタレート樹脂100重量部に対して
    (B)ポリハロゲン化ベンジル(メタ)アクリレート3〜22.5重量部
    (C)五酸化アンチモン8.5〜30重量部
    (D)無機充填材5〜120重量部
    を含有するポリエステル樹脂組成物を用いて形成された樹脂成形部を有し、該樹脂成形部が厚さ2mm以下の肉薄部分を有し、該肉薄部分に接して融点が900℃以上の耐熱性材料が配置されており、かつ、0.2Aを超える定格電流が流れる接続部を直接支持しているか、またはこれらの接続部から3mm以内の距離にある絶縁材料部品であって、該樹脂成形部は自己消火性評価試験結果がV−0以上、グローワイヤー試験結果が775℃以上、耐トラッキング試験結果がランク2以上であることを特徴とする絶縁材料部品(但し、自己消火性評価試験はUL−94規格垂直燃焼試験に基づき、グローワイヤー試験はIEC60695−2−13に定める試験に基づき、また耐トラッキング試験はUL−746Aに定める試験に基づくものとする)
  2. (B)ポリハロゲン化ベンジル(メタ)アクリレートがポリペンタブロモベンジルアクリレートである請求項1に記載の絶縁材料部品。
  3. (C)五酸化アンチモンを、五酸化アンチモンと他の金属酸化物との複塩として配合してなる請求項1又は2に記載の絶縁材料部品。
  4. (C)五酸化アンチモンと他の金属酸化物との複塩が、下記一般式(1)又は(2)で示されることを特徴とする請求項3に記載の絶縁材料部品。
    Figure 0005046476
  5. (C)五酸化アンチモンと他の金属酸化物との複塩が、下記一般式(3)で示されることを特徴とする請求項4に記載の絶縁材料部品。
    Figure 0005046476
  6. (D)無機充填材がガラス繊維である請求項1〜5のいずれか一項に記載の絶縁材料部品。
  7. 請求項1〜のいずれか一項に記載の絶縁材料部品を使用してなるリレー、スイッチ、コネクター、センサー、アクチュエーター、マイクロセンサー及びマイクロアクチュエーターからなる群から選ばれる有接点電気・電子部品。

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