JP2001123062A - ポリアリーレンサルファイド樹脂組成物 - Google Patents
ポリアリーレンサルファイド樹脂組成物Info
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Abstract
提供する。 【解決手段】 (A) ポリアリーレンサルファイド樹脂 1
00重量部に対し、(B) 2,2'−ジチオビスベンゾチアゾー
ル0.005 〜0.05重量部を配合する。
Description
されたポリアリーレンサルファイド樹脂組成物に関す
る。
ェニレンサルファイド(以下PPSと略す場合がある)
樹脂に代表されるポリアリーレンサルファイド(以下P
ASと略す場合がある)樹脂は、高い耐熱性、機械的物
性、耐化学薬品性、寸法安定性、難燃性を有しているこ
とから、電気・電子機器部品材料、自動車機器部品材
料、化学機器部品材料等に広く使用されている。しかし
ながら、PAS樹脂は耐化学薬品性に優れているとはい
え、溶剤中で長時間使用すると、微量の溶剤可溶成分が
溶剤中へ溶出し、そのため、PAS樹脂が、水、熱水、
オイル、フロン系冷媒、有機溶剤などに接する使用法
(例えば、パイプ、モーター周りの絶縁体など)に制約
があった。
鑑み、溶剤溶出性が改善されたPAS樹脂組成物を提供
する目的で検討を重ねた結果、特定の化合物の配合が極
めて有効であることを見出し、本発明を完成するに至っ
たものである。
ァイド樹脂 100重量部に対し、(B) 2,2'−ジチオビスベ
ンゾチアゾール0.005 〜0.05重量部を配合してなるポリ
アリーレンサルファイド樹脂組成物樹脂組成物である。
詳細に説明する。本発明に用いる(A) 成分としてのPA
S樹脂は、繰返し単位として-(Ar-S)-(ただし、Arはア
リーレン基)で主として構成されたものである。アリー
レン基としては、例えば、p−フェニレン基、m−フェ
ニレン基、o−フェニレン基、置換フェニレン基、p,p'
−ジフェニレンスルフォン基、p,p'−ビフェニレン基、
p,p'−ジフェニレンエーテル基、p,p'−ジフェニレンカ
ルボニル基、ナフタレン基などが使用できる。この場
合、前記のアリーレン基から構成されるアリーレンサル
ファイド基の中で、同一の繰返し単位を用いたポリマ
ー、すなわちホモポリマーの他に、組成物の加工性とい
う点から、異種繰返し単位を含んだコポリマーが好まし
い場合もある。ホモポリマーとしては、アリーレン基と
してp−フェニレン基を用いた、p−フェニレンサルフ
ァイド基を繰返し単位とするものが特に好ましく用いら
れる。又、コポリマーとしては、前記のアリーレン基か
らなるアリーレンサルファイド基の中で、相異なる2種
以上の組み合わせが使用できるが、中でもp−フェニレ
ンサルファイド基とm−フェニレンサルファイド基を含
む組み合わせが特に好ましく用いられる。この中で、p
−フェニレンサルファイド基を70モル%以上、好まし
くは80モル%以上含むものが、耐熱性、流動性(成形
性)、機械的特性等の物性上の点から適当である。又、
これらのPAS樹脂の中で、2官能性ハロゲン芳香族化
合物を主体とするモノマーから縮重合によって得られる
実質的に直鎖状構造の高分子量ポリマーが、特に好まし
く使用できるが、直鎖状構造のPAS樹脂以外にも、縮
重合させるときに、3個以上のハロゲン置換基を有する
ポリハロ芳香族化合物等のモノマーを少量用いて、部分
的に分岐構造または架橋構造を形成させたポリマーも使
用できるし、比較的低分子量の直鎖状構造ポリマーを酸
素又は酸化剤存在下、高温で加熱して、酸化架橋又は熱
架橋により溶融粘度を上昇させ、成形加工性を改良した
ポリマーも使用可能である。
PAS(310℃、ズリ速度1200 sec-1における粘
度が10〜300Pa・s )を主体とし、その一部(1〜
30重量%、好ましくは2〜25重量%)が、比較的高
粘度(300〜3000Pa・s 、好ましくは500〜2
000Pa・s )の分岐又は架橋PAS樹脂との混合系で
も構わない。又、本発明に用いるPAS樹脂は重合後、
酸洗浄、熱水洗浄、有機溶剤洗浄(或いはこれらの組合
せ)等の脱イオン処理を行って副生不純物等を除去精製
したものが好ましい。
オビスベンゾチアゾール(以下DTBと略す場合があ
る)について説明する。DTBの分子構造式及びCAS
番号は以下の通りである。
脂100 重量部に対し、0.005 〜0.05重量部、好ましくは
0.01〜0.03重量部である。配合量が0.005 重量部未満で
は所期の効果が得られず、0.05重量部を越えると機械的
物性が低下するだけで、所期の効果がこれ以上に良くな
らず、好ましくない。
の抑制及び機械的強度の向上のために、公知の各種アル
コキシシラン化合物(特開昭55−29526号公報、
特開昭63−251430号公報、特開平1−1469
55号公報等)を配合することができる。本発明に用い
るアルコキシシラン化合物は、1分子中に最低2個以上
のアルコキシ基を有するシラン化合物であり、例えば、
γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプ
ロピルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ
−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等が挙げ
られ、1種又は2種以上を用いてもかまわない。また、
本発明では、アルコキシシラン化合物の加水分解生成物
及び/又は重合物を用いることもできる。
は、(A) PAS樹脂100 重量部に対し、0.01〜20重量
部、好ましくは0.05〜10重量部である。配合量が0.01重
量部未満では所期の効果が得られず、20重量部を越える
と成形時のガス発生量が多くなるだけで、所期の効果が
これ以上に良くならず、好ましくない。
熱性、寸法安定性(耐変形、そり)、電気的性質等の性
能の改良のため、無機又は有機充填剤を配合することも
でき、これには目的に応じて繊維状、粉粒状、板状の充
填剤が用いられる。繊維状充填剤としては、ガラス繊
維、アスベスト繊維、カーボン繊維、シリカ繊維、シリ
カ・アルミナ繊維、ジルコニア繊維、窒化硅素繊維、硼
素繊維、チタン酸カリ繊維、さらにステンレス、アルミ
ニウム、チタン、銅、真鍮等の金属の繊維状物などの無
機質繊維状物質があげられる。特に代表的な繊維状充填
剤はガラス繊維、カーボン繊維である。尚、ポリアミ
ド、フッ素樹脂、アクリル樹脂などの高融点の有機質繊
維状物質も使用することができる。一方、粉粒状充填剤
としてはカーボンブラック、シリカ、石英粉末、ガラス
ビーズ、ガラス粉、硅酸カルシウム、硅酸アルミニウ
ム、カオリン、タルク、クレー、硅藻土、ウォラストナ
イトの如き硅酸塩、酸化鉄、酸化チタン、酸化亜鉛、ア
ルミナの如き金属の酸化物、炭酸カルシウム、炭酸マグ
ネシウムの如き金属の炭酸塩、硫酸カルシウム、硫酸バ
リウムの如き金属の硫酸塩、その他炭化硅素、窒化ホウ
素、窒化硅素、各種金属粉末が挙げられる。又、板状充
填剤としてはマイカ、ガラスフレーク、各種の金属箔等
が挙げられる。これらの充填剤は一種又は二種以上併用
することができる。これらの充填剤の使用にあたっては
必要ならば収束剤又は表面処理剤にて表面処理、又は収
束して使用することが望ましい。この処理剤の例を示せ
ば、エポキシ系化合物、イソシアネート系化合物、シラ
ン系化合物、チタネート系化合物等の官能性化合物であ
る。これらの化合物は予め表面処理又は収束処理を施し
て用いるか、又は材料調製の際同時に添加してもよい。
部あたり10〜300 重量部である。過小の場合は機械的強
度がやや劣り、過大の場合は成形作業が困難になるほ
か、成形品の機械的強度にも問題がでる。
応じ前記成分の他に、他の熱可塑性樹脂を補助的に少量
併用することも可能である。ここで用いられる他の可塑
性樹脂としては、高温において安定な熱可塑性樹脂であ
れば、いずれのものでもよい。例えばポリエチレン、ポ
リプロピレン、又はこれらを変性した共重合体等のオレ
フィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチ
レンテレフタレート等の芳香族ジカルボン酸とジオール
あるいはオキシカルボン酸などからなる芳香族ポリエス
テル、ナイロン66、ナイロン6、ナイロン12、ナイロン
46等のポリアミド、ポリスチレン、AS、ABS等のス
チレン系樹脂、ポリフェニレンオキサイド、ポリカーボ
ネート、ポリアルキルアクリレート、ポリアセタール、
ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリエーテルイ
ミド、ポリエーテルケトンなどをあげることができる。
またこれらの熱可塑性樹脂は2種以上混合して使用する
こともできる。
可塑性樹脂に添加される公知の物質、即ち難燃剤、染料
や顔料等の着色剤、酸化防止剤や紫外線吸収剤等の安定
剤、潤滑剤、結晶化促進剤、結晶核剤等も要求性能に応
じ適宜添加することができる。
樹脂組成物の調製に用いられる設備と方法により調製す
ることができる。一般的には必要な成分を混合し、1軸
又は2軸の押出機を使用して溶融混練し、押出して成形
用ペレットとすることができる。また、溶融混練時間は
処理温度及び(B) 成分の配合量により異なるが、30秒以
上15分以内、好ましくは1〜10分である。また、樹脂成
分を溶融押出し、その途中でガラス繊維の如き無機成分
を添加配合することも好ましい方法の一つである。
形、押出成形、真空成形、圧縮成形等、一般に公知の熱
可塑性樹脂の成形法を用いて成形することができるが、
最も好ましいのは射出成形である。
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例及び比較例で評価した評価方法は以下の通りであ
る。 (溶剤溶出性)評価材料のペレットを粉砕機で粉砕し、
350 μm の篩を通過させ、105 μm の篩上に残った成分
について、クロロホルムによるソックスレー抽出を6時
間行い、その抽出量を測定した。 (引張強さ)ASTM D-638に準じて引張強さを測定した。 実施例1〜4及び比較例1〜4 表1に示す各成分を、シリンダー温度320 ℃の2軸押出
機にて溶融混練し、樹脂組成物のペレットを作り、上記
の評価を行った。結果を表1に示す。
具体的物質は以下の通りである。 ・(A) ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂;呉
羽化学工業(株)製、フォートロンKPS、310℃、
ズリ速度1200 sec-1における溶融粘度;40Pa・s ・(B) 2,2'−ジチオビスベンゾチアゾール(DTB);
東京化成工業(株)製 ・アルコキシシラン化合物;γ−アミノプロピルトリエ
トキシシラン ・ガラスファイバー;日本電気硝子(株)製、13μm
φ、繊維長3mm、チョップドガラスファイバー
Claims (1)
- 【請求項1】(A) ポリアリーレンサルファイド樹脂 100
重量部に対し、 (B) 2,2'−ジチオビスベンゾチアゾール0.005 〜0.05重
量部を配合してなるポリアリーレンサルファイド樹脂組
成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30872899A JP2001123062A (ja) | 1999-10-29 | 1999-10-29 | ポリアリーレンサルファイド樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30872899A JP2001123062A (ja) | 1999-10-29 | 1999-10-29 | ポリアリーレンサルファイド樹脂組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001123062A true JP2001123062A (ja) | 2001-05-08 |
Family
ID=17984581
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP30872899A Pending JP2001123062A (ja) | 1999-10-29 | 1999-10-29 | ポリアリーレンサルファイド樹脂組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001123062A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010001340A (ja) * | 2008-06-19 | 2010-01-07 | Tosoh Corp | ポリアリーレンスルフィド組成物 |
CN115768835A (zh) * | 2020-08-06 | 2023-03-07 | 株式会社吴羽 | 聚苯硫醚树脂组合物和包含该聚苯硫醚树脂组合物的减振材料 |
-
1999
- 1999-10-29 JP JP30872899A patent/JP2001123062A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2010001340A (ja) * | 2008-06-19 | 2010-01-07 | Tosoh Corp | ポリアリーレンスルフィド組成物 |
CN115768835A (zh) * | 2020-08-06 | 2023-03-07 | 株式会社吴羽 | 聚苯硫醚树脂组合物和包含该聚苯硫醚树脂组合物的减振材料 |
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