JP5099732B2 - 水系金属表面処理剤 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属表面の防錆性及び塗膜密着性が良好な表面処理剤に関し、特にカラーアルミをはじめとするアルミニウム製品に良好に用いられる金属表面処理剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
金属表面の耐食性を向上させるためには、従来、表面処理が行われており、数種の金属表面処理剤が用いられている。これら金属表面処理のうち、クロム酸を含む化合物を用いたクロメート処理は、金属の耐食性に優れ、塗料との密着性においても良好な特性を示すので、一般的に用いられている。
【0003】
しかし、クロメート処理に用いるクロムは、環境汚染の原因として指摘されていることから、近年クロメート処理の代替としての金属表面処理方法又は表面処理剤の開発が行われている。このような表面処理剤の材料として、表面技術49(3),221(1998)に記載されているようにタンニン酸、有機リン化合物、シラン系被膜、界面活性剤などがある。また、不飽和カルボン酸を共重合したもの(特開平5−222324号)、グリシジル基含有不飽和単量体−アクリル酸エステルの共重合体(特開平3−192166号)などが知られている。これらの材料は何れもアクリル系の樹脂を用いたものであるが、十分な防錆性を発現させるには、被膜を厚くする必要がある。しかも、これらの材料と鉄やアルミなど各種金属との密着性が必ずしも十分とは言えず、ウエットな環境下では密着性が著しく低下し被膜が剥離する。一方、基材との密着性を高める材料としてはエポキシ樹脂系の材料がある。例えば、P−OH結合を有するリン酸とエポキシ樹脂とグリシジル(メタ)アクリレートとの反応生成物のアルカリ中和物および水とからなる水溶性被覆組成物(特開平5−148447号公報)、リン酸類とモノグリシジルエーテルまたはエステル化合物とのP−OH結合を有するリン酸エステルおよびポリグリシジル化合物からなるエポキシ樹脂組成物(特開平9−176285号公報)が提案されている。しかし、これらの材料は密着性が高いものの防錆性を高めるには厚膜化する必要がある。
【0004】
これに対し、本発明者らは、薄膜であっても金属表面に強く密着し、耐食性及び防錆性に優れた表面処理剤として新規トリカルボニル化合物、新規トリカルボニル基含有アクリル共重合体およびそれらを用いた金属表面処理剤を特願平11−213889号において開示した。さらに、リン酸系化合物とエポキシ樹脂とのエポキシエステル反応混合物をシラン化合物又はチタン化合物と組み合わせた金属表面処理剤を特願2000−129547号において開示した。
【0005】
[発明が解決しようとする課題]
しかしながら、上記の従来技術による金属表面処理剤は、防錆性に優れ、その処理を仕上げとする用途(例えば自動車のエバポレータ)には適しているものの、カラーアルミと呼ばれるポリエステル、フッ素樹脂、エポキシ樹脂等でさらに塗装される、金属表面処理剤で表面処理して得られるプレコートアルミニウム板への適用が困難であった。上記のエバポレーターに用いるアルミニウム板は、第一に防錆性が要求され、塗膜密着性はさほど要求されない。一方でカラーアルミは表面が塗装されているため、塗装後のアルミ板として様々な特性が要求される。すなわち、塗装されたアルミ板が錆びないことは勿論のことであるが、ユーザーが曲げ加工をして用いるため、塗膜密着性、可撓性や折り曲げ易さが重要となる。加えて、カラーアルミに適用する表面処理剤は、有機溶剤から水系溶媒への移行が要望されている。
【0006】
さらに、カラーアルミに適用する表面処理剤は、使用環境によってはカラーアルミ表面に耐酸性を持たせることが要求される。
【0007】
そこで、本発明の目的は、カラーアルミを含む様々な金属表面に適用でき、防錆性、塗膜密着性及び可撓性に優れた被膜を形成する水系金属表面処理剤並びにこの水系金属表面処理剤で処理したプレコートアルミニウム材及び亜鉛メッキ鋼板を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは鋭意検討した結果、上記目的を達成するには、以下の(1)〜(3)を必須成分とする水系金属表面処理剤が有効であることを見出した。
(1)ケト型とエノール型を互変異性体とすることができるジケテンまたはケトエステルを側鎖に含有し、カチオン基、アニオン基またはノニオン基を含有する親水性側鎖を少なくとも一つ含有する共重合体。
(2)リン酸系化合物で変性されたエポキシ樹脂
(3)水溶性硬化剤
【0009】
本発明の水系金属表面処理剤に用いる重合体のモノマーの一つとして、特に下記構造式(1)で示される化合物を含むことが好ましい。
【化2】
Figure 0005099732
式(1)中、R1は水素原子又はメチル基、R2は炭素数2〜10の末端に二重結合を有するアルケニル基又は炭素数1〜10のアルキル基、lは1〜3、x及びyは0又は1を表す。ただし、上記の化合物はケト型のみを記載しているが、下記に示すように互変異性体であるエノール型で存在する場合もあり、エノール型についても本発明に含まれるものとする。
【0010】
【化3】
Figure 0005099732
【0011】
上記式(1)の化合物と共重合体を形成する不飽和モノマーとしては、メチルアクリレート、イソプロピルアクリレートなどのアルキルアクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、ポリエチレングリコールアクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレート、グリシジルアクリレート、2−シアノアクリレート、ベンジルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、テトラヒドロフリルアクリレート、ジシクロペンテニルオキシアクリレート、フロロアクリレート、スルフォプロピルアクリレート、β−エトキシエチルアクリレート、γ−アクリロキシプロピルアルコキシシランやこれらのメタクリレート、アクリル酸、メタクリル酸等の不飽和結合含有カルボン酸等が挙げられるが、共重合体を水溶化させるためには、アミノ基、イミノ基、第三アミン基、第四アンモニウム塩基またはヒドラジン基等のカチオン基、カルボキシル基、スルホン基、硫酸エステル基、リン酸エステル基等のアニオン基、またはヒドロキシル基、エーテル基、アシド基等のノニオン基を少なくとも一つ含有する側鎖が必要である。また、前記不飽和モノマーとしては4−ビニルフェニルトリメトキシシラン等も挙げられる。また、前記のγ−アクリロキシプロピルアルコキシシランのようなアルコキシシリル基を有するものとして、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルメチルジメトトキシシラン及びそのメタクリロキン体、あるいは4−ビニルフェニルトリメトキシシラン等が例示できる。更に、4−クロロスチレン、ペンタフルオロスチレンなどのスチレン類も好ましく用いられる。これらの材料については、複数を併用して用いてもよい。
【0012】
重合体又は共重合体を形成する際のラジカル重合開始剤としては、有機過酸化物、有機アゾ化合物、過硫酸塩類が使用できる。有機過酸化物として好ましいものは、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシピバレート等であり、有機アゾ化合物としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等が好ましい。
【0013】
本発明の(共)重合体は、下記一般式で例示するように、実質上線状構造として得ることができる。一般式(1)においてR2がアルケニル基である場合には、アルケニル基が垂下した構造の硬化性(共)重合体として得られる。このような(共)重合体は、金属表面に塗布された後、熱、紫外線、硬化触媒や硬化剤により架橋硬化させることができる。本発明の線状(共)重合体の分子量は、特に制限されるものではないが、約1000〜約100万、好ましくは5000〜20万がよい。
【0014】
【化4】
Figure 0005099732
【0015】
本発明の金属表面処理剤は上記重合物以外に、リン酸系化合物で変性されたエポキシ樹脂と水溶性硬化剤を必須成分とする。
上記リン酸系化合物で変性されたエポキシ樹脂は、リン酸系化合物とエポキシ樹脂とをエポキシエステル反応させることによって得られる。
ここで、リン酸系化合物とは、リン酸、亜リン酸、次亜リン酸又はそのエステルが好ましく、前記エステルは低級アルキルモノリン酸エステルが好ましい。
また、リン酸系化合物と反応させるエポキシ樹脂としては、特に制限はないが、例えばビスフェノールAなどのビスフェノール型エポキシ樹脂が好ましい。
リン酸系化合物とエポキシ樹脂との反応は、エポキシ基1当量当たりリン酸系化合物をそのP−OH基あたり0.5〜4.0当量で反応させる。反応温度は60℃〜150℃で行うのが好ましい。またこの反応は溶媒中で行うことができる。その溶媒としては、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、メチルプロピレングリコール等のアルコール系溶媒、それらのエーテル化合物、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸セロソルブ、メチルエチルケトン、ジメチルホルムアミド、ジオキサンなどが使用できる。反応終了後、反応混合物に水を加えて水溶液を得る。また、この混合物をアルカリで処理して生成物中の活性水素基を中和してもよい。
ここで使用するアルカリとしては、アンモニア、ジメチルアミン、ジエチルアミン、メチルアミン、エチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジメチルアミノエタノールアミンが挙げられる。使用するアルカリの量は樹脂中の活性水素1当量に対して0.8〜1.5当量が好ましい。
【0016】
上記水溶性硬化剤としては、特に制限はないが、メラミン樹脂、ブロックイソシアネート樹脂などを挙げることができる。
【0017】
本発明の金属表面処理剤には、水溶性樹脂を含有させることができる。水溶性樹脂は、表面処理剤の造膜性の向上に寄与し、表面被膜の耐食性を一層向上する。このような水溶性樹脂としては、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニルけん化物、セルロース、アルキッド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレングリコール、エポキシ樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン樹脂、アクリルシリコーンなどが挙げられる。
【0018】
本発明の金属表面処理剤は、該処理剤100重量部、リン酸変性エポキシ樹脂10〜50重量部、好ましくは20〜40重量部、アクリルジカルボニル共重合体30〜70重量部、好ましくは40〜60重量部、水溶性硬化剤5〜40重量部、好ましくは10〜30重量部から成る。
【0019】
本発明の金属表面処理剤には、さらに、粘度調整剤、消泡剤、紫外線吸収剤、防腐剤、界面活性剤等を添加して用いてもよい。
【0020】
本発明の金属表面処理剤を金属表面に塗布する方法としては、スプレーコート、ディップコート、刷毛塗り、ロールコート、スピンコートなど公知の塗布方法を適用できる。
【0021】
本発明の金属表面処理剤により、金属材料の防錆性をさらに向上させるには、処理剤を塗布後に加熱乾燥することが望ましい。加熱乾燥は、100〜230℃で30秒〜60分間行うのが好ましい。乾燥後の塗膜厚さは、0.1〜100μmであることが好ましく、より好ましくは0.5〜10μmである。0.1μm未満では、十分な防錆性を得られず、一方、100μmを超えると均一な塗膜が得られない。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下に、実施例及び比較例に基づいて本発明の水系金属表面処理剤を詳細に説明する。
【0023】
<実施例1>
本実施例では、まず、本発明の水系金属処理剤に用いるリン酸変性エポキシ樹脂及びアクリルジカルボニル共重合体を合成した。次いで、これらを用いて金属表面処理剤を調製し、アルミニウム板に表面処理を施した。最後に、処理後の金属表面の評価方法とその結果について説明する。
【0024】
(1)リン酸変性エポキシ樹脂の合成
85%リン酸42.85gとメチルプロピレングリコール33.8gを3口1Lフラスコに入れ、攪拌し、フラスコ内に窒素ガスを30分間パージした。このリン酸溶液を120℃まで加熱し、窒素雰囲気下で、エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ(株)製エピコート828)141.25gをメチルプロピレングリコール24.95gに溶解させた溶液を、60分間かけてリン酸溶液に滴下した。滴下終了後、同温度(120℃)で30分間反応させた。その後、31.7gのイオン交換水をこれに滴下し、さらに2時間反応させた。その後、この溶液を70℃まで冷却し、トリエチルアミン83.8gを添加し15分間反応させた。次に、反応溶液を室温まで冷却し、イオン交換水を1482.65g加え、リン酸変性エポキシ樹脂の10wt%水溶液を得た。
【0025】
(2)アクリルジカルボニル共重合体の合成
メチルメタクリレート6g、イソブチルメタクリレート14.22g、スチレン1.56g、メタクリル酸6.70g、ヒドロキシエチルメタクリレート5.21g、アセトアセトキシエチルメタクリレート20.95g、2,2’−アゾイソブチロニトリル0.66g、メチルプロピレングリコール55.30g、イソプロパノール304.70gを3口フラスコに入れ、フラスコ内に窒素ガスを30分間パージした。その後、この反応容器をオイルバスにて加熱し、窒素雰囲気にて85℃で4時間撹拌し、重合反応を行った。次に、得られた重合溶液からイソプロパノールを留去した。その後、トリエチルアミン15.75gを添加し攪拌した後、イオン交換水を426.65g加え、アクリルジカルボニル共重合体の10wt%水溶液を得た。
【0026】
(3)金属表面処理剤の調製
以下の表1の質量比で、上記(1)で合成したリン酸変性エポキシ樹脂、メラミン樹脂(三井サイテック製サイメル350を不揮発分10wt%に、純水で希釈した溶液)および上記(2)で合成したアクリルジカルボニル共重合体の各成分を混合し、表面処理剤を調製した。なお、表1には後述する比較例1及び2の成分比も合わせて示した。
【0027】
【表1】
Figure 0005099732
【0028】
(4)アルミニウム板への表面処理
(3)で調製した表面処理剤を、スピンコート法によりアルミニウム基板(A1050P、55×55×0.6mm、神戸製鋼製)上に塗布した。その後、220℃で10分間加熱処理したものを試験基板とした。乾燥後の表面処理被膜の膜厚は約1μmであった。
【0029】
(5)試験基板の評価
1)防錆性の評価
(4)で作製した試験基板に対し、JIS−Z−2371記載の塩水噴霧試験を行い、防錆性を目視で評価した。試験時間は168時間とした。評価基準は、以下の3段階とし、評価結果は後述する表2に示した。
○:ほとんど錆なし
△:所々に孔食がみられる
×:全面腐食
【0030】
2)塗膜下地(プライマー)としての評価
(4)で作製した試験基板の表面処理被膜上に、スピンコート法によりポリエステル塗料を塗布した。その後245℃で5分間加熱処理を行った。試験基板上に形成したポリエステル塗膜の膜厚は約15μmであった。この試験基板を用いて、塗膜密着性、可撓性及び耐酸性について下記のような試験を行った。評価結果は、後掲の表3に示した。
【0031】
(a)塗膜密着性
試験基板を沸騰水に5時間浸漬した後、JIS−K−5400に記載の碁盤目テープ剥離試験を行った。評価基準は以下の3段階とし、評価は目視で行った。
○:剥離なし
△:碁盤目の交点部でわずかに剥離がみられる
×:全面剥離
【0032】
(b)可撓性
JIS−K−5400に記載の屈曲試験器を用い、まず、心棒直径3mm 、補助板厚さ3.5mmの条件で 180゜の目盛りまで試験基板を屈曲した。
その後、沸騰水に5時間浸漬し、試験基板の屈曲部を目視にて観察した。評価基準は以下の3段階とした。
○:屈曲部に亀裂なし
△:屈曲部にわずかに亀裂がみられる
×:屈曲部から塗膜が剥離する
【0033】
(c)耐酸性
試験基板の中央付近にカッターにてクロスカットを付け、5w/v% 硫酸溶液に24時間浸漬した後、クロスカット部分に対しテープ剥離試験を行った。評価基準は以下の3段階とし、評価は目視で行った。
○:剥離なし
△:クロスカットの交点部でわずかに剥離がみられる
×:全面剥離
【0034】
<実施例2>
実施例1の成分を所定量秤量し、固形分が20%となるように純水で希釈溶解した溶液をスピンコート法により亜鉛めっき鋼板(ジンコートノンクロメート品、新日本製鐵製60×80×0.6mm)上に塗布した。その後220℃で10分間熱処理したものを試験基板とし、JIS-K-5400記載の鉛筆引っかき試験を行った。結果は鉛筆硬度で5H以上であった。なお、表面処理膜の膜厚は約3μmであった。
【0035】
<比較例1、2>
比較例1では、実施例1のアクリルジカルボニル共重合体を含まない組成で金属表面処理剤を調製した。また、比較例2では、実施例1のリン酸変性エポキシ樹脂を含まない組成で金属表面処理剤を調製した。
これらの金属表面処理剤を用い、実施例1と同様にアルミニウム試験基板を作製し、その評価を行った。評価結果は後述する表2及び表3に示した。
【0036】
<比較例3> (クロメート処理との比較−その1)
アルミニウム基板(A1050P、55×55×0.6mm、神戸製鋼製)に下地処理としてリン酸クロメート(アルサーフ407-47、日本ペイント製、化成被膜クロム量約20mg/m2 )を施した。この基板を実施例と同様の塩水噴霧試験に供した。
また同様にリン酸クロメート処理したアルミニウム基板に、エポキシ樹脂系プライマーをスピンコート法により塗布した後、245℃で5分間加熱処理を行った。このプライマーの膜厚は約5μmであった。その後、このアルミニウム基板にトップコートとしてポリエステル樹脂をスピンコート法により塗布した後、245℃で5分間加熱処理を行った。このトップコートの膜厚は約15μmであった。この基板について、実施例1と同様にして塗膜下地としての評価を行った。
【0037】
<比較例4> (クロメート処理との比較−その2)
比較例3と同様にリン酸クロメート処理したアルミニウム基板に、プライマーを施さず直接トップコートとしてポリエステル樹脂をスピンコート法により塗布した後、245℃で5分間加熱処理を行った。このトップコートの膜厚は約15μmであった。この基板について実施例1と同様にして塗膜下地としての評価を行った。
【0038】
【表2】
Figure 0005099732
【0039】
【表3】
Figure 0005099732
【0040】
表2及び表3の結果から明らかなように、本発明の表面処理剤を用いて表面処理した試験基板は、防錆性、塗膜密着性、可撓性及び耐酸性の全ての特性において優れた結果を示した。
【0041】
【発明の効果】
本発明の水系金属表面処理剤を用いれば、環境汚染の原因となるクロムを用いなくとも、表面処理後に優れた防錆性効果を発揮する。これと共に、本発明の水系金属処理剤はシラン化合物を含まないので、形成した金属表面の塗膜は耐酸性に優れ、かつ、その金属表面塗膜は塗膜密着性および可撓性に優れているため、特にカラーアルミ等のアルミニウム製品に対して良好に用いられる。

Claims (8)

  1. 以下の(1)〜(3)を必須成分とすることを特徴とする水系金属表面処理剤。
    (1)ケト型とエノール型を互変異性体とすることができるジケテンまたはケトエステルを側鎖に含有し、カチオン基、アニオン基またはノニオン基を含有する親水性側鎖を少なくとも一つ含有する共重合体。
    (2)リン酸系化合物で変性されたエポキシ樹脂
    (3)水溶性硬化剤
  2. 上記(1)の重合体のモノマーの少なくとも一つが下記構造式(I)で表されるジカルボニル化合物であることを特徴とする請求項1に記載の水系金属表面処理剤。
    Figure 0005099732
    ただし、該化合物は互変異性体であるエノール型化合物も含み、式(1)中、R1は水素原子又はメチル基、R2は炭素数2〜10の末端に二重結合を有するアルケニル基又は炭素数1〜10のアルキル基、lは1〜3、x及びyは0又は1を表す。
  3. アルミニウム用または亜鉛メッキ鋼板用の水系金属表面処理剤であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の水系金属表面処理剤。
  4. プレコートアルミニウム用水系金属表面処理剤であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の水系金属表面処理剤。
  5. 請求項1又は請求項2に記載の水系金属表面処理剤で処理したことを特徴とする金属材。
  6. 請求項1又は請求項2に記載の水系金属表面処理剤で処理したことを特徴とするアルミニウム材。
  7. 請求項1又は請求項2に記載の水系金属表面処理剤で処理したことを特徴とする亜鉛メッキ鋼板
  8. 請求項1又は請求項2に記載の水系金属表面処理剤で処理したことを特徴とするプレコートアルミニウム材。
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