JP3588014B2 - 新規トリカルボニル化合物およびこれを用いた金属表面処理剤 - Google Patents
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【発明の属する技術分野】
本発明は金属表面の防錆の改善等を行うための表面処理剤、またはそれにより表面処理された基材に関するものであり、機械工業、電気機器工業、建築材料、自動車工業などアルミ製品を使用する各種産業分野で幅広く利用できるものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から各種金属の耐食性改善を目的に、各種処理を行うことは公知である。クロム酸を含む化合物を用いた表面処理であるクロメート処理は、金属の耐食性が良好であり、塗料との密着性においても良好な特性を示し、一般的に用いられている。しかし、近年の環境問題からクロムに関する規制が大幅に強化されつつあり、クロムを用いない材料が提案されている。この点に関して、表面技術49(3),221(1998)に記載されているようにタンニン酸、有機リン化合物、シラン系皮膜、界面活性剤などがある。また、例えば不飽和カルボン酸を共重合したもの(特開平5−222324号)、グリシジル基含有不飽和単量体−アクリル酸エステルの共重合体(特開平3−192166号)などが知られている。これらの材料は何れもアクリル系の樹脂を用いたものであるが、十分な防錆性を発現させるには、皮膜を厚くする必要がある。しかし、これらの材料と鉄やアルミなど各種金属との密着性が必ずしも十分とは言えず、ウエットな環境下では密着性が著しく低下し皮膜が剥離する。一方、基材との密着性を高める材料としては特許2682168号に開示されているようなエポキシ樹脂系の材料がある。しかし、これらの材料は密着性が高いものの防錆性を高めるには厚膜化する必要がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はこうした要請に対応できる、即ち金属、特にアルミニウム、鉄鋼製品等の金属材料に対して、その表面に強く吸着し、薄膜においても優れた防錆作用を有する新規トリカルボニル化合物、新規トリカルボニル基含有アクリル(共)重合体およびそれらを用いた金属表面処理剤を提供することを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、鋭意検討した結果、下記一般式(1)で表される新規トリカルボニル化合物が金属表面に対して優れた防錆作用を有することを見出した。本発明はかかる知見に基づきなされるものであり、その要旨は、
(1)下記一般式(1)で表される三つのカルボニル基を有する化合物、
【0005】
【化2】
【0006】
但し、該化合物は互変異性体であるエノール型も含む。また上記一般式R1はHまたはメチル基、R2、R3は炭素数2〜10の末端に2重結合を有するアルケニル基または炭素数1〜10のアルキル基、lは炭素数1〜3までのアルキレン、x、y、zは0または1を示す。
【0007】
(2)一般式(1)で表されるトリカルボニル化合物の重合体または一般式(1)で表される化合物と1種または2種以上の重合性不飽和モノマーとの共重合体、
(3)重合性不飽和モノマーがアルコキシシリル基を有することを特徴とする前記(2)記載の共重合体、
(4)前記(1)〜前記(3)記載のトリカルボニル化合物を有効成分とする金属表面処理剤、
(5)▲1▼前記(2)記載の重合体または共重合体、▲2▼イミダゾール基とアルコキシシリル基を有する有機珪素化合物および▲3▼1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂を有効成分とする金属表面処理剤、
(6)前記(4)または前記(5)記載の金属表面処理剤で処理された金属材料、
である。
【0008】
以下に本発明をさらに詳細に説明する。上記一般式(1)におけるアクリロイル基は金属表面に塗布された後に、熱または紫外線処理することにより表面で重合しポリマー化させることも可能である。分子中に含まれるトリカルボニル基は金属イオンとキレート反応したり、アルデヒド、アミン等と室温で反応するなど極めて反応性に高いものである。但し、上記化合物はケト型のみを記載しているが、下記に示すように互変異性体であるエノール型で存在しており、エノール型についても本発明に含まれる(以下、ケト型のみを記載するが、エノール型も含まれるものとする)。
【0009】
【化3】
【0010】
本発明の一般式(1)で表されるトリカルボニル基含有化合物は、以下の反応式(2)で表される反応により合成される。即ち、ジカルボニル化合物と化合物Aを塩化マグネシウムおよびアミンの存在下で反応させることにより得られる。
【0011】
【化4】
【0012】
但し、該化合物は互変異性体であるエノール型も含む。また上記一般式R1はHまたはメチル基、R2、R3は炭素数2〜10の末端に2重結合を有するアルケニル基または炭素数1〜10のアルキル基、lは炭素数1〜3までのアルキレン、x、y、zは0または1を示す。
【0013】
また、上記反応式(2)に表される化合物Aとして好ましいものは、アセチルクロリド、プロピオニルクロリド、ブチリルクロリド、t−ブチルアセチルクロリド、バレリルクロリド、ヘプタノイルクロリド、デカノイルクロリド、2−エチルヘキサノイルクロリド、オクタノイルクロリド、10−ウンデセノイルクロリドである。
【0014】
本発明に用いられる一般式(1)で表される化合物と重合性を有する不飽和モノマーとして好ましいものは、メチルアクリレート、イソプロピルアクリレートなどのアルキルアクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、ポリエチレングリコールアクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレート、グリシジルアクリレート、2−シアノアクリレート、ベンジルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、テトラヒドロフリルアクリレート、ジシクロペンテニルオキシアクリレート、フロロアクリレート、スルフォプロピルアクリレート、β−エトキシエチルアクリレート、γ−アクリロキシプロピルアルコキシシランやこれらのメタクリレートである。また、4−クロロスチレン、ペンタフルオロスチレンなどのスチレン類である。特に好ましくは、アルコキシシリル基を有するものであり、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン及びそのメタクリロキン体、あるいは4−ビニルフェニルトリメトキシシラン等が例示される。これらの材料については1種類の材料を併用するだけでなく複数の材料を併用しても良い。
【0015】
本発明で使用されるラジカル重合開始剤としては有機過酸化物、有機アゾ化合物、過硫酸塩類が使用できる。有機過酸化物として好ましいものは、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシピバレート、有機アゾ化合物としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)などである。
【0016】
本発明の(共)重合体は、下記一般式(3)に示すように、実質上線状構造として得ることができる。一般式(1)においてR2および/またはR3がアルケニル基である場合には、そのアルケニル基が垂下した構造の硬化性(共)重合体として得ることができる。このような(共)重合体は金属表面に塗布された後、熱、紫外線、あるいは硬化触媒や硬化剤により架橋硬化させることができる。本発明の線状(共)重合体の分子量は特に制限されるものではないが、約1000〜約100万、好ましくは5000〜20万である。
【0017】
【化5】
【0018】
本発明のトリカルボニル化合物は、単独で金属表面処理剤として使用できるが、これと他の材料とともに使用することもできる。このような材料としては、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂等である。
【0019】
また、本発明に用いられるイミダゾール基とアルコキシシリル基とを有する有機珪素化合物としては、イミダゾールシラン等が例示されるが、好ましくは、特開平6−17753号公報にその合成法とともに開示されている以下の化合物である。
【0020】
【化6】
【0021】
(但し、R1は水素、ビニル基または炭素数が1〜5のアルキル基、R2は水素または炭素数が1〜20のアルキル基、R3、R4は炭素数が1〜3のアルキル基、nは1〜3)
ここに開示された方法では、一般式(1’)、(2’)、(3’)で表される化合物の混合物として得られるが、本発明においてはこれらをとくに分離する必要はなく、混合物のままで使用することができる。
【0022】
一方、本発明で用いられる1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂としては、ビスフェノールAをベースとしたビスフェノールAおよびF型エポキシ樹脂を挙げることができる。その他のものとしては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂のベンゼン環の水素を一部臭素で置換した臭素化エポキシ樹脂、ダイマー酸系グリシジルエステルエポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂などが挙げられる。
【0023】
なお、本発明においては上記組成物を均一に被着体に塗布するために有機溶媒を使用することが望ましい。有機溶媒としては、トルエン、キシレン等の芳香族溶媒、メトキシエタノール、エトキシエタノール等のセルソルブ系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒、酢酸エチルなどのエステル類、メタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類などが挙げられる。
【0024】
本発明の金属表面処理剤は、金属材料に対して適用されるものであるが、特にアルミニウム及びアルミニウム合金に対しては優れた防錆作用を示す。本発明による金属表面処理剤を金属表面に塗布する方法としては、スプレーコート、ディップコート、刷毛塗り、ロールコートなど公知の塗布方法が適用できる。
【0025】
本発明の効果を引き出すには塗布後、加熱乾燥することが望ましい。加熱乾燥は100〜230℃で30秒〜60分乾燥することが望ましい。乾燥後の塗膜厚みは0.1〜100μmであることが望ましい。より好ましくは0.5〜10μmである。0.1μm未満では十分な防錆性を付与できず、また100μmを越えると均一な塗膜が得られない。
【0026】
本発明においては、樹脂、シランカップリング剤、粘度調整剤、消泡剤、紫外線吸収剤、防腐剤、界面活性剤等を添加してもよい。
【0027】
【発明の実施の形態】
実施例1
新規トリカルボニル化合物1の合成
塩化マグネシウム9.52g(0.1mol)、塩化メチレン110ml、ピリジン15.82g(0.2mol)を500mlのフラスコに入れ油温60℃で10分加熱撹拌後、2−アセトアセトキシエチルメタクリレート(アクロス社製)21.41g(0.1mol)を添加し、更に浴温60℃で10分撹拌した。10−ウンデセノイルクロリド20.27g(0.1mol)をゆっくりと滴下した後、油温60℃で8時間撹拌した。室温まで冷却し水80mlを加え撹拌し有機層を抽出した。溶媒を留去した後、減圧乾燥し黄色液体(下記式で表される化合物)36.3gを得た。
【0028】
【化7】
【0029】
化合物の同定は1H−NMR(図1)、13C−NMR(図2)、FT−IR(図3)により行った。
【0030】
実施例2
新規トリカルボニル化合物2の合成
塩化マグネシウム9.52g(0.1mol)、塩化メチレン110ml、ピリジン15.82g(0.2mol)を500mlのフラスコに入れ油温60℃で10分加熱撹拌後、2−アセトアセトキシエチルアクリレート20.01g(0.1mol)を添加し、更に浴温60℃で10分撹拌した。10−ウンデセノイルクロリド20.27g(0.1mol)をゆっくりと滴下した後、油温60℃で8時間撹拌した。室温まで冷却し水80mlを加え撹拌し有機層を抽出した。溶媒を留去した後、減圧乾燥し黄色液体(下記式で表される化合物)35.1gを得た。
【0031】
【化8】
【0032】
化合物の同定は1H−NMR(図4)、13C−NMR(図5)、FT−IR(図6)により行った。
【0033】
実施例3
トリカルボニル重合物1の合成
実施例1で得られた新規トリカルボニル化合物1 7.6g(20mmol)、アゾビスイソブチロニトリル66mg(0.4mmol)のトルエン溶液30.4gを100mlのフラスコに入れ、80℃で8時間撹拌した。メタノールを300g加え重合物を析出させ、重合物を単離し減圧乾燥することにより下記式で表される数平均分子量4万(ポリスチレン換算)の黄色固体5.3gを得た。
【0034】
【化9】
【0035】
化合物の同定は13C−NMR(図7)、FT−IR(図8)により行った。
【0036】
実施例4
トリカルボニル重合物2の合成
実施例1で得られた新規トリカルボニル化合物1 3.8g(10mmol)、2−ジメチルアミノエチルメタクリレート1.52g(10.0mmol)、アゾビスイソブチロニトリル66mg(0.40mmol)のトルエン溶液21.5gを100mlのフラスコに入れ、80℃で8時間撹拌した。溶媒を留去した後、減圧乾燥して、下記式で表される数平均分子量4万(ポリスチレン換算)の黄色固体5.1gを得た。
【0037】
【化10】
【0038】
化合物の同定は13C−NMR(図9)、FT−IR(図10)により行った。
【0039】
実施例5
溶剤系表面処理剤の調製
実施例1で合成したトリカルボニルを1.7g、エポキシ樹脂(エピコート1004:油化シェルエポキシ社製)を3.7g、特開平6−177535号の実施例1に従い合成したイミダゾールシランを4.7gとり、これにエチルセルソルブ190gを加え、組成Aとした。同様に実施例2、3および4で合成したトリカルボニルの種類を変更し、組成B、CおよびDの溶液を調製した。
【0040】
【表1】
【0041】
実施例6
溶剤系表面処理剤の調製
実施例1で得られた新規トリカルボニル化合物7.6g(20mmol)、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン5.8g(20mmol)、アゾビスイソブチロニトリル0.067g(0.4mmol)、エチルセルソルブ120gを100mlのフラスコに入れ、窒素雰囲気下85℃で4時間撹拌した。溶媒を留去した後、減圧乾燥で数平均分子量4万(ポリスチレン換算)の黄色固体13.4gを得た。
【0042】
得られた共重合体、エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ製エピコート1004)、イミダゾールシランを固形分比が5:5:1となるようにエチルセルソルブで調整したもの(総固形分を10%とした)を組成Eとした。
【0043】
実施例7
水溶性表面処理剤の調製
実施例1で得られた新規トリカルボニル化合物1 3.8g(10mmol)、2−ジメチルアミノエチルメタクリレート0.99g(6.5mmol)、ヒドロキシエチルメタクリレート0.84g(6.7mmol)、アゾビスイソブチロニトリル75mg(0.46mmol)のトルエン溶液22.5gを100mlのフラスコに入れ、80℃で8時間撹拌した。溶媒を留去した後、減圧乾燥で数平均分子量4万(ポリスチレン換算)の黄色固体5.3gを得た。得られた重合物5.0gに乳酸1.5gを加えた後、43.5gの純水を加え、トリカルボニル化合物の水溶液を得た。これに事前に純水で10%濃度に希釈した水溶性のエポキシ樹脂(旭電化工業(株)製アデカレジンEM−0434)を15.0gと純水で10%濃度に希釈したイミダゾールシラン35.0gとを混合したものを組成Fとした。
【0044】
実施例8
水溶性表面処理剤の調製
実施例1で得られた新規トリカルボニル化合物1 3.8g(10mmol)、アクリル酸0.74g(10mmol)、アゾビスイソブチロニトリル0.067g(0.4mmol)のトルエン溶液21.5gを100mlのフラスコに入れ、80℃で8時間撹拌した。溶媒を留去した後、減圧乾燥で数平均分子量4万(ポリスチレン換算)の黄色固体4.3gを得た。得られた重合物3.0gに29%アンモニア水1.2g(19.0mmol)を加えた後、25.8gの純水を加え、トリカルボニル化合物の水溶液を得た。これに事前に純水で10%濃度に希釈した水溶性のエポキシ樹脂(旭電化工業(株)製アデカレジンEM−0436)を70.0gと純水で10%濃度に希釈したイミダゾールシラン100gとを混合したものを組成Gとした。
【0045】
実施例9
水溶性表面処理剤の調製
実施例1で得られた新規トリカルボニル化合物1 3.72g(9.8mmol)、メタクリル酸メチル0.6g(6mmol)、イソブチルメタクリレート1.42g(10mmol)、スチレン0.16g(1.5mmol)、ヒドロキシエチルメタクリレート0.52g(4mmol)、メタクリル酸0.67g(7.8mmol)、アゾビスイソブチロニトリル0.067g(0.4mmol)、トルエン18g、イソプロピルアルコール18gを100mlのフラスコに入れ、85℃で4時間撹拌した。溶媒を留去した後、減圧乾燥で数平均分子量4万(ポリスチレン換算)の黄色固体5.9gを得た。得られた重合物3.0gに29%アンモニア水0.38g(6.1mmol)を加えた後、26.62gの純水を加え、トリカルボニルの水溶液を得た。これに事前に純水で10%濃度に希釈した水溶性のエポキシ樹脂(旭電化工業(株)製アデカレジンEM−0434)を30.0g、メタノールで50%に希釈したイミダゾールシラン12.0gとを混合したものを組成Hとした。
【0046】
試験片作成条件
サイズ55×55×1のアルミ板をアルカリ脱脂液(サーフクリーナ:日本ペイント製)を用い、前処理した後、スピンコータを用い乾燥後の塗膜が1μmとなるように前記表面処理剤組成物を塗布し、200℃で1分間熱処理を行い、表面処理アルミ板を作成した。
【0047】
防錆性評価方法
JIS−Z−2371記載の塩水噴霧試験を240時間行った。
【0048】
比較例1 組成Aにおいてトリカルボニル化合物を含まない組成物
比較例2 組成Cにおいてトリカルボニル化合物を含まない組成物
比較例3 組成Fにおいてトリカルボニル化合物を含まない組成物
比較例4 組成Gにおいてトリカルボニル化合物を含まない組成物
比較例5 アルミ板
【0049】
【表2】
【0050】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明による新規トリカルボニル化合物を有する組成物は金属表面処理剤、特にアルミニウムの表面処理剤として有用なものであり、優れた防錆性を示すものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で合成された本発明のトリカルボニル化合物1の1H−NMRチャート。
【図2】同上13C−NMRチャート。
【図3】同上FT−IRチャート。
【図4】実施例2で合成された本発明のトリカルボニル化合物2の1H−NMRチャート。
【図5】同上13C−NMRチャート。
【図6】同上FT−IRチャート。
【図7】実施例3で合成された本発明のトリカルボニル化合物1の重合体の13C−NMRチャート。
【図8】同上FT−IRチャート。
【図9】実施例4で合成された本発明のトリカルボニル化合物1と2−ジメチルアミノエチルメタクリレートとの共重合体の13C−NMRチャート。
【図10】同上FT−IRチャート。
Claims (6)
- 一般式(1)で表されるトリカルボニル化合物の重合体または一般式(1)で表される化合物と1種または2種以上の重合性不飽和モノマーとの共重合体。
- 重合性不飽和モノマーがアルコキシシリル基を有することを特徴とする請求項2記載の共重合体。
- 請求項1〜請求項3記載のトリカルボニル化合物を有効成分とする金属表面処理剤。
- ▲1▼請求項2記載の重合体または共重合体、▲2▼イミダゾール基とアルコキシシリル基を有する有機珪素化合物および▲3▼1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂を有効成分とする金属表面処理剤。
- 請求項4または請求項5記載の金属表面処理剤で処理された金属材料。
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