JP6943870B2 - 水性金属表面処理剤、金属表面処理方法及び表面処理金属板 - Google Patents

水性金属表面処理剤、金属表面処理方法及び表面処理金属板 Download PDF

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Description

本発明は、従来のクロム酸塩処理及びリン酸塩処理に替わる、クロム化合物を含まない水性金属表面処理剤、該水性金属表面処理組剤を用いた金属表面処理方法及び該水性金属表面処理組剤を用いた表面処理金属板に関する。
従来、金属表面の耐食性を向上させるためクロム酸塩処理及びリン酸塩処理が一般に行われている。しかしながら、近年クロムの毒性が社会問題になっている。クロム酸塩を使用する表面処理方法は、処理工程でのクロム酸塩ヒュームの飛散の問題、排水処理設備に多大な費用を要する問題、さらには、化成処理皮膜からクロム酸の溶出による問題等がある。
また、リン酸塩処理では、リン酸亜鉛系、リン酸鉄系の表面処理が通常行われているが、耐食性を付与する目的でリン酸塩処理後、通常クロム酸によるリンス処理を行うため、クロム処理の問題がある。また、金属表面のエッチングを行うため、金属イオン等の排水処理、および被処理金属からの金属イオンの溶出によるスラッジ処理等の問題がある。
クロム酸塩処理やリン酸亜鉛処理以外の処理方法としては、例えば、特許文献1には、重燐酸アルミニウムを含有する水溶液で亜鉛メッキ鋼材を処理した後、150〜550℃の温度で加熱する亜鉛メッキ鋼材の表面処理方法が開示されており、特許文献2には、タンニン酸を含有する水溶液で亜鉛メッキ鋼材を処理する方法等が開示されている。
特許文献3には、膜厚数μm以下の薄膜の表面処理被膜を有する亜鉛系メッキ鋼板として、亜鉛系メッキ鋼板を基材とし、これにクロメート被膜を形成し、さらにこの上に最上層として有機複合シリケート被膜を形成した、カチオン電着塗装用防錆鋼板が開示されており、この防錆鋼板は、加工性及び耐食性に優れた性能を有する。
特許文献4には、カチオン性ウレタン樹脂、特定のフェノール樹脂、シランカップリング剤、チタン化合物、ならびに特定の酸もしくはその塩を含む表面処理液を用いて亜鉛系又はアルミニウム系めっき鋼板を表面処理した表面処理鋼板が開示されている。
特許文献5には、カチオン性アクリル樹脂、特定式で表される樹脂化合物、及びZr、Ti、V、Mo、W、Mn又はCeの化合物を水に配合してなる金属表面処理剤であって、金属が鋼板、メッキ鋼板及びアルミニウム系金属材料から選ばれる金属表面処理剤が開示されている。
特許文献6には、水溶性、水分散性又はエマルション性のいずれかであって、少なくともアミノ基もしくはアンモニウム基のいずれか一方、水酸基及び疎水基を含むアクリル樹脂と、重金属又はその塩と、を含有することを特徴とするアクリル樹脂含有金属表面処理組成物が開示されている。
特許文献7には、水溶性、水分散性又はエマルション性のいずれかであって、少なくとも窒素原子を1原子以上含有する有機高分子化合物又はその塩と、重金属又はその塩と、を含有する金属表面処理組成物が開示されている。
日本国特公昭53−28857号公報 日本国特開昭51−71233号公報 日本国特開昭60−50180号公報 日本国特開2003−105562号公報 日本国特開2008−163462号公報 日本国特開平11−106939号公報 日本国特開平9−25436号公報
しかしながら、特許文献1に記載の方法では、亜鉛メッキ鋼材の上に塗料を塗装する場合、塗料の密着性が十分ではなく、特許文献2に記載の方法では、耐食性が劣るという問題があった。
特許文献3に記載の防錆鋼板は、クロメート被膜を有するため、クロメートイオンによる安全衛生面の問題があった。また、この防錆鋼板からクロメート被膜を除いた鋼板では、耐食性が大幅に低下する。
特許文献4に記載の表面処理鋼板では、平面部耐食性、アルカリ脱脂後耐食性、加工部耐食性等の耐食性、耐水性、上塗密着性、耐酸性等の特性の性能バランスが必ずしも良好ではなかった。
特許文献5に記載の金属表面処理剤、特許文献6及び7に記載の金属表面処理組成物では、耐食性、特に金属処理板の加工後の耐食性が不十分であるという問題があった。
すなわち、これまでに提案されたクロムフリーの表面処理金属板は、クロメート皮膜上に有機樹脂をコーティングした従来の表面処理金属板に比べて、耐食性、特に表面処理金属板の加工後の耐食性、耐水性、耐薬品性等の要求特性に関する性能バランスが十分ではなかった。
本発明の目的は、耐水性、耐変色性、耐食性、耐エタノールラビング性及び耐摩耗性に優れ、かつエリクセン加工後の耐食性を満足できる表面処理金属板を形成できる水性金属表面処理剤を提供することである。
また、本発明は、該水性金属表面処理剤を用いた表面処理金属板、及び該水性金属表面処理剤を用いた金属表面処理方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、アミノ基含有アクリル樹脂粒子(A)、及びリン酸系化合物(B)を用いることで上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は下記<1>〜<11>に関するものである。
<1>コアシェル構造を有し、アミン価が14〜72mgKOH/gであるアミノ基含有アクリル樹脂粒子(A)、及びリン酸系化合物(B)を含有する水性金属表面処理剤であって、前記アミノ基含有アクリル樹脂粒子(A)の固形分総量に対し、前記リン酸系化合物(B)を0.5〜10質量%含有する水性金属表面処理剤。
<2>さらに、フルオロ金属酸及びその塩の少なくとも一方(C)を含有する<1>に記載の水性金属表面処理剤。
<3>さらに、バナジウム化合物(D)を含有する<1>又は<2>に記載の水性金属表面処理剤。
<4>さらに、シランカップリング剤及びその加水分解縮合物の少なくとも一方(E)を含有する<1>〜<3>のいずれか1つに記載の水性金属表面処理剤。
<5>さらに、平均粒子径が0.1〜3μmのポリオレフィンワックス(F)を含有する<1>〜<4>のいずれか1つに記載の水性金属表面処理剤。
<6>前記リン酸系化合物(B)が、オルトリン酸、ヒドロキシメタンジホスホン酸及び1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物である<1>〜<5>のいずれか1つに記載の水性金属表面処理剤。
<7>前記フルオロ金属酸及びその塩の少なくとも一方(C)の金属が、チタン又はジルコニウムである<2>〜<6>のいずれか1つに記載の水性金属表面処理剤。
<8>前記バナジウム化合物(D)が、メタバナジン酸アンモウニム、メタバナジン酸ナトリウム、メタバナジン酸カリウム及び硫酸バナジルからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物である<3>〜<7>のいずれか1つに記載の水性金属表面処理剤。
<9>pHが3〜7で、固形分濃度が5〜30質量%である<1>〜<8>のいずれか1つに記載の水性金属表面処理剤。
<10><1>〜<9>のいずれか1つに記載の水性金属表面処理剤を、金属基材上に塗布し、乾燥させる金属表面処理方法。
<11><1>〜<9>のいずれか1つに記載の水性金属表面処理剤による表面処理が金属基材の表面になされてなる表面処理金属板。
本発明の水性金属表面処理剤によれば、クロム化合物を含有しない水性金属表面処理剤でありながら、耐水性、耐変色性、耐食性、耐エタノールラビング性及び耐摩耗性に優れ、かつエリクセン加工後の耐食性を満足できる表面処理皮膜が形成された表面処理金属板を得ることができる。
したがって、本発明の水性金属表面処理剤、この処理剤による表面処理がなされた表面処理金属板は、環境上の問題を克服でき、かつ、前記各性能を満たすため、極めて大きな産業上の利用価値を有する。
本発明の水性金属表面処理剤における各成分について以下に述べるが、これらは望ましい実施態様の一例を示すものであり、これらの内容に特定されるものではない。
なお、本明細書において、「質量」は「重量」と同義である。
また、本明細書において、「X及び/又はY」とは、「X及びYの少なくとも一方」を意味する。
[アミノ基含有アクリル樹脂粒子(A)]
本発明の水性金属表面処理剤は、アミノ基含有アクリル樹脂粒子(A)を含有する。アミノ基含有アクリル樹脂粒子(A)は、中心部としてのコア部、外殻部としてシェル部の、コアシェル構造を有し、コア部とシェル部はそれぞれ組成の異なるモノマー混合物から得られる。
なお、コアシェル構造とは、具体的には同一ミセル中に異なる樹脂組成の成分が存在し、中心部分(コア)と外殻部分(シェル)とで異なる樹脂組成からなっている構造をいう。
上記コアシェル構造は、通常、コア部がシェル部によって完全に被覆された層構造が一般的であるが、コア部とシェル部の質量比率、その他の条件等により、シェル部が層構造を形成するのに不十分な場合もあり得る。そのような場合は、上記のような完全な層構造である必要はなく、コア部の一部をシェル部が被覆した構造であってもよい。
コア部とシェル部との構成比率は、分散安定性の観点から、コア部:シェル部=90:10〜10:90(質量比)とすることが好ましく、より好ましくは70:30〜20:80、さらに好ましくは70:30〜30:70である。
アミノ基含有アクリル樹脂粒子(A)中のコア部比率が10質量%未満であると耐食性が低下する場合がある。また、コア部比率が90質量%を超えると分散安定性が低下するため、アミノ基含有アクリル樹脂粒子(A)の分散性が低下する場合がある。
コア部およびシェル部の重合に用いるモノマー混合物はいずれも、重合性不飽和モノマーを含む。コア部およびシェル部は、重合性不飽和モノマーについて、その種類及び/又は配合比がそれぞれ異なるモノマー混合物を用いて重合することにより得ることが好ましい。
上記重合性不飽和モノマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、i−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、メチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、tert−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロドデシル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート等のアルキル又はシクロアルキル(メタ)アクリレート;イソボルニル(メタ)アクリレート等のイソボルニル基を有する重合性不飽和モノマー;アダマンチル(メタ)アクリレート等のアダマンチル基を有する重合性不飽和モノマー;トリシクロデセニル(メタ)アクリレート等のトリシクロデセニル基を有する重合性不飽和モノマー;ベンジル(メタ)アクリレート、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等の芳香環含有重合性不飽和モノマー;ビニルトリメトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリイソプロポキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリ−n−プロポキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリイソプロポキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、β−(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメトキシシラン等の加水分解性シリル基を有する重合性不飽和モノマー;パーフルオロブチルエチル(メタ)アクリレート、パーフルオロオクチルエチル(メタ)アクリレート等のパーフルオロアルキル(メタ)アクリレート;フルオロオレフィン等のフッ素化アルキル基を有する重合性不飽和モノマー;N−ビニルピロリドン、エチレン、ブタジエン、クロロプレン、プロピオン酸ビニル、酢酸ビニル等のビニル化合物;(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、メチレンビス(メタ)アクリルアミド、エチレンビス(メタ)アクリルアミド、2−(メタクリロイルオキシ)エチルトリメチルアンモニウムクロライド、グリシジル(メタ)アクリレートとアミン類との付加物等の含窒素重合性不飽和モノマー;グリシジル(メタ)アクリレート、β−メチルグリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルエチル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルプロピル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル等のエポキシ基含有重合性不飽和モノマー;アリル(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート等の重合性不飽和基を1分子中に少なくとも2個有する重合性不飽和モノマー;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸と炭素数2〜8の2価アルコールとのモノエステル化物;該(メタ)アクリル酸と炭素数2〜8の2価アルコールとのモノエステル化物のε−カプロラクトン変性体;アリルアルコール等の水酸基含有重合性不飽和モノマー;末端にヒドロキシル基、又は炭素数1〜3のアルキレンオキシ基を有し、且つポリオキシエチレン基、又はポリオキシプロピレン基を有するアクリルモノマー等のポリオキシアルキレン基含有(メタ)アクリルモノマー;を挙げることができる。
上記重合性不飽和モノマーは、それぞれ単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
なお、本発明において、各化合物における「(メタ)アクリレート」は「アクリレート又はメタクリレート」を意味する。「(メタ)アクリル」は「アクリル又はメタクリル」を意味する。「(メタ)アクリロイル」は「アクリロイル又はメタクリロイル」を意味する。
上記重合性不飽和モノマーにおいて、付着性の観点から水酸基含有重合性不飽和モノマーを、耐食性の観点から重合性不飽和基を1分子中に少なくとも2個有する重合性不飽和モノマーを好適に使用することができる。
水酸基含有重合性不飽和モノマーを使用する場合、その使用量としてはアミノ基含有アクリル樹脂粒子(A)を構成する全モノマー成分の総量中、0.1質量%以上、好ましくは1質量%以上、さらに好ましくは1〜10質量%の範囲内にあることが適している。
重合性不飽和基を1分子中に少なくとも2個有する重合性不飽和モノマーを使用する場合、その使用量としてはアミノ基含有アクリル樹脂粒子(A)を構成する全モノマー成分の総量中、0.05質量%以上、好ましくは0.1質量%以上、さらに好ましくは0.1〜10質量%の範囲内にあることが適している。
アミノ基含有アクリル樹脂粒子(A)は、アミノ基を含有するカチオン性のコアシェル構造を有するアクリル樹脂粒子である。
アミノ基含有アクリル樹脂粒子(A)の分散安定性の観点から、アミノ基はシェルに存在することが好ましい。
アミノ基含有アクリル樹脂粒子(A)は、アミノ基含有モノマーを含むモノマー混合物を重合して得られるアミノ基含有シェル部を有することが好ましい。
上記アミノ基含有モノマーとしては、例えば、ジメチルアミノメチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノメチル(メタ)アクリレート、ジブチルアミノメチル(メタ)アクリレート、ジヘキシルアミノメチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジイソヘキシルアミノエチルアクリレート、ジヘキシルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジ(tert−ブチル)アミノヘキシル(メタ)アクリレート等のモノマーを挙げることができる。
上記のうち、分散安定性の観点から、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノメチル(メタ)アクリレートが好ましい。
アミノ基含有アクリル樹脂粒子(A)のアミン価は14〜72mgKOH/gであり、好ましくは20〜72mgKOH/g、さらに好ましくは20〜65mgKOH/gである。
なお、本明細書においてアミン価(mgKOH/g)とは、試料1g(樹脂の場合は固形分)中に含まれるアミノ基の量を、水酸化カリウムに換算したときの水酸化カリウムのmg数で表したものである。水酸化カリウムの分子量は56.1とする。
また、本明細書において水酸基価(mgKOH/g)とは、試料1g(樹脂の場合は固形分)中に含まれる水酸基の量を、水酸化カリウムに換算したときの水酸化カリウムのmg数で表したものである。水酸化カリウムの分子量は56.1とする。
アミノ基含有アクリル樹脂粒子(A)の製造方法としては、例えば、予め重合しておいたシェル部の存在下、水を主溶媒として前述の重合性不飽和モノマーを含むコア部形成用のモノマー混合物を重合する方法を挙げることができる。
シェル部、およびコア部形成用のモノマー混合物の仕込み量比は、所望のコア部/シェル部の固形分質量比に応じて、適宜、適切な仕込み比を採用することができる。
本発明の水性金属表面処理剤においては、造膜性に起因する耐食性、耐水性等の塗膜性能の観点から、シェル部は有機溶媒中で溶液重合により合成されたものを使用することが好ましい。溶液重合により合成されたシェル部を採用することにより、耐水性にはマイナスとなる乳化剤の使用量を低減することができる。
アミノ基含有アクリル樹脂粒子(A)の重合の際に用いられる重合開始剤としては、任意の適切な重合開始剤を採用し得る。
該重合開始剤としては、油溶性、水溶性のいずれのタイプのものも使用できるが、水溶性のものを好適に使用することができる。
油溶性の重合開始剤としては、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ステアロイルパーオキサイド等の有機過酸化物;アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ化合物等を挙げることができる。
水溶性の重合開始剤としては、例えば、過酸化水素水;クメンハイドロパーオキサイド、tert−ブチルパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシラウレート、tert−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、tert−ブチルパーオキシアセテート、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド等の有機過酸化物;アゾビス(2−メチルプロピオンニトリル)、アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、4,4´−アゾビス(4−シアノブタン酸)、ジメチルアゾビス(2−メチルプロピオネート)、アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)−プロピオンアミド]、アゾビス{2−メチル−N−[2−(1−ヒドロキシブチル)]−プロピオンアミド}等のアゾ化合物;過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム等の過硫酸塩等を挙げることができる。
これらはそれぞれ単独でもしくは2種以上組み合わせて用いることができる。
さらに、上記重合開始剤に、必要に応じて、糖、アスコルビン酸ナトリウム、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート、鉄錯体等の還元剤を併用し、レドックス重合系とすることもできる。
上記重合開始剤は、使用される全モノマーの合計質量を基準にして、一般に0.1〜5質量%、特に0.2〜3質量%の範囲内で使用することが好ましい。該重合開始剤の添加方法は、特に制限されるものではなく、その種類や量等に応じて適宜選択することができ、例えば、予めモノマー混合物又は水性媒体に含ませてもよく、或いは重合時に一括して添加してもよく又は滴下してもよい。
耐水性等の塗膜性能の観点から、乳化剤は使用しないことが好ましいが、アミノ基含有アクリル樹脂粒子(A)の重合の際に、乳化剤を用いることができる。該乳化剤としては任意の適切な乳化剤を採用することができる。例えば、アルキルアミン塩、第四級アンモニウム塩等のカチオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックコポリマー、反応性ノニオン界面活性剤等のノニオン性界面活性剤;(変性)ポリビニルアルコール等を挙げることができる。
上記乳化剤は、単独で、又は2種類以上を組合せて使用することもできる。
上記乳化剤の含有量は、アミノ基含有アクリル樹脂粒子(A)の重合の際に用いられるモノマーの全量に対して、好ましくは0.01〜10質量%である。さらに、必要に応じて、tert−ドデシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、メルカプト酢酸、メルカプトプロピオン酸、2−メルカプトエタノール、α−メチルスチレンダイマー等の連鎖移動剤を使用することができる。
アミノ基含有アクリル樹脂粒子(A)の重合における重合温度は、好ましくは40〜110℃、さらに好ましくは40〜90℃である。重合時間は、好ましくは1〜12時間、さらに好ましくは1〜6時間である。
上記シェル部は、上述の重合性不飽和モノマー及びアミノ基含有モノマーを含むシェル部形成用のモノマー混合物を重合することにより得ることができる。
上記シェル部を重合する際に用いられる溶媒としては、任意の適切な溶媒を採用することができる。該溶媒としては、例えば、アルコール系溶剤、セロソルブ系溶剤、カルビトール系溶剤等が好ましい。具体的には、例えば、n−ブタノール等のアルコール系溶剤;エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノn−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノn−ブチルエーテル等のセロソルブ系溶剤;ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のカルビトール系溶剤等を挙げることができる。
また、上記以外の水と混合しない有機溶剤も、アミノ基含有アクリル樹脂粒子(A)の水分散安定性に支障を来たさない範囲で使用可能である。このような有機溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤等を挙げることができる。
上記シェル部を重合する際に用いられる重合開始剤としては、任意の適切な重合開始剤を採用することができる。該重合開始剤としては、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ステアロイルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、tert−ブチルパーオキサイド、ジ−tert−アミルパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、tert−ブチルパーオキシラウレート、tert−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、tert−ブチルパーオキシアセテート、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド等の有機過酸化物;アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、アゾビス(2−メチルプロピオンニトリル)、アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、4、4’−アゾビス(4−シアノブタン酸)、ジメチルアゾビス(2−メチルプロピオネート)、アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)−プロピオンアミド]、アゾビス{2−メチル−N−[2−(1−ヒドロキシブチル)]−プロピオンアミド}等のアゾ化合物;を挙げることができる。
これら重合開始剤は単独で又は2種以上併用してもよい。
重合開始剤の配合量としては、使用される重合性不飽和モノマーの総量に基づいて、重合反応性等の観点から、通常、0.01〜20質量%、好ましくは0.1〜15質量%、さらに好ましくは0.3〜10質量%の範囲内とすることができる。
上記シェル部の重合における重合温度は、好ましくは80〜250℃、さらに好ましくは100〜210℃である。重合時間は、好ましくは1〜12時間、さらに好ましくは2〜8時間である。
上記シェル部の重量平均分子量は、通常、5,000〜400,000、特に10,000〜200,000の範囲内にあることが、アミノ基含有アクリル樹脂粒子(A)の水分散性や貯蔵安定性及び製造の観点から適している。
上記シェル部は、不飽和基、エポキシ基、水酸基、カルボキシル基、イソシアネート基等の官能基を有していてもよく、これらの基は公知の方法によりシェル部に導入することができる。
なお、本明細書における数平均分子量及び重量平均分子量は、ゲルパーミュエーションクロマトグラフ(東ソー株式会社製、商品名「HLC8120GPC」)で測定した数平均分子量及び重量平均分子量を、標準ポリスチレンの分子量を基準にして換算した値である。この測定において、カラムは、東ソー株式会社製「TSKgel Super−H3000」を1本、及び東ソー株式会社製「TSKge Super−H2500」を2本(いずれも商品名)の計3本を用い、移動相:テトラヒドロフラン(トリエタノールアミンを0.5質量%含む)、測定温度;25℃、流速:0.6mL/min、検出器:示差屈折率計の条件下で測定する。
(アミノ基含有アクリル樹脂粒子(A)の製造方法)
アミノ基含有アクリル樹脂粒子(A)は、上記シェル部を分散安定剤として、上記コア部が水系媒体中に分散された形態を有するアクリル樹脂粒子である。
アミノ基含有アクリル樹脂粒子(A)の代表的な製造方法を以下に示すが、アミノ基含有アクリル樹脂粒子(A)の製造方法はこの方法に限定されるものではない。
1.水系媒体中に予め合成された分散安定剤であるシェル部の重合体を添加する。
2.次いで、シェル部アミノ基の中和剤及び脱イオン水を添加して、水分散液を得る。
該中和剤としては、アミノ基を中和できるものであれば特に制限はなく、例えば、酢酸、蟻酸等の有機酸又は無機酸等の酸性化合物を挙げることができる。
これらの中和剤は、最終的にアミノ基含有アクリル樹脂粒子(A)の水分散液のpHが4.0〜8.0程度となるような量で用いることが望ましい。
これらの中和剤は、通常、アミノ基等の塩基性基に対して、0.1〜1.0当量、好ましくは0.3〜1.0当量用いることが適当である。
該水分散液は、通常の撹拌機による分散によって得ることができるが、より粒子径の細かい均一な水分散液を得るためにホモミキサー、ホモジナイザー、ディスパー、ラインミキサー等を使用することもできる。
3.この水分散液にコア部を構成する重合性モノマー混合物及びラジカル重合開始剤を添加して、常法により、コア部を構成する重合性不飽和モノマーの重合反応を行う。
以上の工程を行うことにより、アミノ基含有アクリル樹脂粒子(A)の水分散体を製造することができる。
アミノ基含有アクリル樹脂粒子(A)は、分散性及び貯蔵安定性の観点から、一般に10〜5,000nm、好ましくは10〜1,000nm、より好ましくは20〜500nm、さらに好ましくは50〜300nmの範囲内の平均粒子径を有することができる。
本明細書において、アミノ基含有アクリル樹脂粒子(A)の平均粒子径は、サブミクロン粒度分布測定装置を用いて、常法により脱イオン水で希釈してから23℃で測定した値である。サブミクロン粒度分布測定装置としては、例えば、「COULTER N5型」(商品名、ベックマン・コールター社製)を用いることができる。
アミノ基含有アクリル樹脂粒子(A)の水分散体中の固形分濃度は20〜50質量%が好ましく、より好ましくは30〜40質量%である。固形分濃度が50質量%を超えると乳化が困難となり、水分散体が得難くなる場合がある。固形分濃度が20質量%未満であると、低濃度であるため溶媒(主として水)成分が多くなり、例えば、水性金属表面処理剤の構成成分として使用し難くなる場合がある。
[リン酸系化合物(B)]
本発明の水性金属表面処理剤は、リン酸系化合物(B)をも含有する。リン酸系化合物(B)は、リン酸基、ホスホン酸基又はこれらの基の塩を含有し、水溶性を有する化合物である。リン酸系化合物(B)としては、リン酸及び有機ホスホン酸並びにそれらの塩であることができる。
上記リン酸は、例えば、オルトリン酸、及び縮合リン酸を包含し、縮合リン酸はメタリン酸及びポリリン酸を包含する。メタリン酸は環状のリン酸縮合物であって、トリメタリン酸、テトラメタリン酸、ヘキサメタリン酸等を包含し、ポリリン酸は鎖状のリン酸縮合物であって、ピロリン酸、トリポリリン酸、テトラポリリン酸等を包含する。
上記有機ホスホン酸としては、例えば、ヒドロキシメタンジホスホン酸、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸(HEDP)、1−ヒドロキシプロパン−1,1−ジホスホン酸等のヒドロキシル基含有有機ホスホン酸;2−ヒドロキシホスホノ酢酸、2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸(PBTC)等のカルボキシル基含有有機ホスホン酸;ニトリロトリス(メチレンホスホン酸)(NTMP)、ニトリロトリス(エチレンホスホン酸)、ニトリロトリス(プロピレンホスホン酸)、ニトリロビス(エチレンホスホン酸)モノ(メチレンホスホン酸)、ニトリロビス(メチレンホスホン酸)モノ(プロピレンホスホン酸)等の、アルキレン基が同一のもしくは異なる炭素数1〜4のアルキレン基であるニトリロトリス(アルキレンホスホン酸);エチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸、エチレンジアミンテトラエチレンホスホン酸、エチレンジアミンテトラプロピレンホスホン酸等の、アルキレン基が炭素数1〜4のアルキレン基であるエチレンジアミンテトラアルキレンホスホン酸;ヘキサメチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸;ジエチレントリアミンペンタメチレンホスホン酸等が挙げられる。
上記リン酸及び有機ホスホン酸の塩としては、例えば、アルカリ金属塩(リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩等)、アルカリ土類金属塩(カルシウム塩、マグネシウム塩、バリウム塩等)、アンモニウム塩等を挙げることができる。また、溶解性を考慮して亜鉛、マンガン、ニッケル等の塩も使用し得る。
リン酸系化合物(B)1分子中にリン酸基やホスホン酸基が複数ある場合、それらの一部が塩になっていても、全部が塩になっていてもよい。また、リン酸基やホスホン酸基の活性水素原子の一部がアルカリ金属イオンやアンモニウムイオンに置換しても、全部が置換してもよい。
これらのリン酸系化合物(B)は、各々単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
リン酸系化合物(B)は、本発明の表面処理剤の貯蔵安定性を向上させるとともに、表面処理皮膜の耐食性を向上させる効果があり、中でも特に、オルトリン酸、ヒドロキシメタンジホスホン酸、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸が好ましい。
リン酸系化合物(B)の配合量は、アミノ基含有アクリル樹脂粒子(A)の固形分総量に対し、0.5〜10質量%であり、好ましくは3〜8質量%であることが、耐食性と耐水性の両立の観点から適している。
[フルオロ金属酸及び/又はその塩(C)]
本発明の水性金属表面処理剤に必要に応じて配合される、フルオロ金属酸及び/又はその塩(C)は、本発明の水系金属表面処理剤から得られる表面処理皮膜の耐食性の向上等を目的に配合される。
上記フルオロ金属酸は、フッ素原子と、金属を含有する酸であり、該金属としては、例えば、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、マグネシウム、マンガン、亜鉛、タングステン、モリブデン、アルミニウム、ニッケル、コバルト、カルシウム等の金属の1種又は2種以上であることができる。これらのなかでも、特に、チタン又はジルコニウムが、安価で工業用途として比較的入手しやすいので好ましい。
上記フルオロ金属酸としては、例えば、六フッ化チタン酸(HTiF)、六フッ化ジルコニウム酸(HZrF)、六フッ化ハフニウム酸(HHfF)、六フッ化アルミニウム酸(HAlF)、テトラフルオロホウ酸(HBF)等を挙げることができる。
上記フルオロ金属酸の塩としては、例えば、上記フルオロ金属酸のナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、アンモニウム塩、アミン塩、亜鉛塩等が挙げられる。
フルオロ金属酸及び/又はその塩(C)としては、上記各フルオロ金属酸及びその塩を単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
フルオロ金属酸及び/又はその塩(C)としては、なかでも六フッ化チタン酸(HTiF)、六フッ化ジルコニウム酸(HZrF)、これらのフルオロ金属酸のアンモニウム塩、アミン塩が耐食性の点から好適である。
フルオロ金属酸及び/又はその塩(C)は、水中でイオンを発生し、腐食環境における金属表面の腐食電位のコントロールおよび酸化還元反応のコントロール、金属表面への極薄皮膜の成膜および皮膜成分中の官能基との架橋反応による皮膜密度の向上等により耐食性を向上させる効果を有すると考えられる。
フルオロ金属酸及び/又はその塩(C)の配合量は、アミノ基含有アクリル樹脂粒子(A)の固形分総量に対し、1〜5質量%、好ましくは2〜4質量%であることが、耐食性向上と処理液の安定性の観点から適している。
[バナジウム化合物(D)]
本発明の水性金属表面処理剤に必要に応じて配合される、バナジウム化合物(D)は、本発明の水系金属表面処理剤から得られる表面処理皮膜の耐食性の向上等を目的に配合される。
バナジウム化合物(D)は、水溶性ないしは水分散性であることが好ましい。また、バナジウム化合物(D)は、例えば、炭酸塩、リン酸塩、硝酸塩、硫酸塩、酢酸塩、酸化物等であることができ、無水物であっても水和物であってもよい。
バナジウム化合物(D)としては、例えば、メタバナジン酸アンモウニム、メタバナジン酸ナトリウム、メタバナジン酸カリウム、硫酸バナジル、酸化バナジウム等が挙げられ、その中でも、特に、酸性水溶液への溶解性の観点から、メタバナジン酸アンモニウム、メタバナジン酸ナトリウム、メタバナジン酸カリウム及び硫酸バナジルが好ましい。
バナジウム化合物(D)の配合量は、アミノ基含有アクリル樹脂粒子(A)の固形分総量に対し、0.1〜5質量%、好ましくは0.3〜1質量%であることが、処理液の安定性の観点から適している。
[シランカップリング剤及び/又はその加水分解縮合物(E)]
本発明の水性金属表面処理剤に必要に応じて配合される、シランカップリング剤及び/又はその加水分解縮合物(E)は、得られる表面処理皮膜の基材表面への密着性の向上や、皮膜の耐食性、耐水性向上等に寄与することができる場合がある。
上記シランカップリング剤としては、例えば、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、N−β(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン−塩酸塩、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、γ−アニリノプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、オクタデシルジメチル[3−(トリメトキシシリル)プロピル]アンモニウムクロライド、トリメチルクロロシラン等を挙げることができる。
なかでもγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のエポキシ基含有シランカップリング剤が好適である。
これらシランカップリング剤は1種類を単独で使用してもよいし、又は2種類以上を併用してもよい。
上記シランカップリング剤の加水分解縮合物とは、シランカップリング剤を原料とし、加水分解縮合させたシランカップリング剤のオリゴマーを意味する。
シランカップリング剤及び/又はその加水分解縮合物(E)の配合量は、アミノ基含有アクリル樹脂粒子(A)の固形分総量に対し、0.1〜20質量%、好ましくは2〜15質量%であることが、表面処理剤の貯蔵安定性、得られる表面処理皮膜の耐食性及び上塗密着性等の観点から適している。
[ポリオレフィンワックス(F)]
本発明の水性金属表面処理剤に必要に応じて配合されるポリオレフィンワックス(F)は、得られる表面処理皮膜に潤滑性を付与する成分である。
ポリオレフィンワックス(F)としては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン、マイクロクリスタリン等が挙げられる。
ポリオレフィンワックス(F)の配合量は、成型加工性、耐食性等の点から、水性金属表面処理剤の全固形分に対して、固形分量として、0.1〜10質量%、好ましくは0.3〜8質量%の範囲内であることが適している。
ポリオレフィンワックス(F)の平均粒子径としては、低動摩擦係数を維持する観点から、0.1〜3μmであり、好ましくは0.5〜2μmである。
[溶媒、その他の成分]
本発明の水性金属表面処理剤は水性である。水性とは、溶媒が水を主成分とすることを意味する。溶媒は水のみでもよいが、皮膜の乾燥性、処理剤の粘度等を調整する目的で、1価又は多価のアルコール、ケトン、エーテルアルコール系等の各種の水溶性有機溶剤を1種又は2種以上併用してもよい。本発明の水性金属表面処理剤は、溶媒中に水を70質量%以上含有することが好ましく、特に80質量%以上含有することが好ましい。
本発明の水性金属表面処理剤は、所望により、溶媒及び上記した成分以外に、必要に応じて、pH調整剤(酸又は塩基)、チタン含有水性液、充填剤、コロイダルシリカ、着色剤、界面活性剤、消泡剤、レベリング剤、抗菌剤等を配合することができる。これらは、得られる処理皮膜の性能や表面処理剤の安定性を損なわない範囲で添加することができる。
上記pH調整剤としては、例えば、酢酸、ギ酸、乳酸、アンモニア水等を好適に用いることができる。
本発明の水性金属表面処理剤は、液安定性の観点から、pH3〜7が好ましく、pH3.5〜6.5がより好ましい。
また、本発明の水性金属表面処理剤の固形分濃度は、塗装作業性及び処理液の安定性の観点から、5〜30質量%が好ましく、特に10〜25質量%が好ましい。
上記チタン含有水性液は、得られる処理皮膜の耐食性の向上に効果がある場合がある。該チタン含有水性液は、加水分解性チタン、加水分解性チタン低縮合物、水酸化チタン及び水酸化チタン低縮合物から選ばれる少なくとも1種のチタン化合物と過酸化水素水とを反応させて得られる(例えば、日本国特開2006−22370号公報参照)。チタン含有水性液を配合する場合、その配合量は、アミノ基含有アクリル樹脂粒子(A)の固形分総量に対し、固形分量で、5.0質量%以下であることが、貯蔵安定性等の観点から好適である。
上記充填剤としては、例えば、シリカ、タルク、バリタ、炭酸カルシウム、マイカ等の微粉末を挙げることができ、体質顔料として使用されるものが例示できる。上記着色剤としては、着色顔料、染料等を挙げることができる。
[金属表面処理方法]
本発明の金属表面処理方法は、本発明の水性金属表面処理剤を、金属基材上に塗布し、乾燥させる金属表面処理方法であり、金属基材表面に本発明の水性金属表面処理剤による処理皮膜を形成する方法である。本発明において、「処理皮膜」とは、連続した処理皮膜のみならず、処理付着量が少ないため連続した処理皮膜とならず、不連続となった処理物をも包含する。
上記金属基材とは、金属素材であれば何ら制限を受けず、例えば、鉄、銅、アルミニウム、スズ、亜鉛ならびにこれらの金属を含む合金、及びこれらの金属によるメッキ鋼板もしくは蒸着製品等が挙げられる。なかでも、上記金属による金属板を好適に使用することができる。
上記金属基材として用いられる金属板としては、例えば、冷延鋼板、溶融亜鉛メッキ鋼板、電気亜鉛メッキ鋼板、亜鉛合金(亜鉛−鉄、亜鉛−アルミニウム、亜鉛−ニッケル等の合金)メッキ鋼板、アルミニウムメッキ鋼板、ステンレス鋼板、銅メッキ鋼板、錫メッキ鋼板、アルミニウム板、銅板等を挙げることができる。なかでも、亜鉛メッキ鋼板(溶融亜鉛メッキ鋼板、電気亜鉛メッキ鋼板のいずれも包含する)、亜鉛合金メッキ鋼板が好適である。
上記金属基材上に本発明の水性金属表面処理剤を塗布する前に、金属基材を、脱脂、酸洗、湯洗、洗剤洗浄等の1又は2以上により表面調整することができ、いずれの場合も、最後に十分に水洗することが好ましい。また、塗布時の本発明の水性金属表面処理剤の液温は常温でよいが、所望により冷却又は加温することも可能である。
また、上記金属基材表面には、他の表面処理による第1層を形成してもよい。該第1層は、本発明の水性金属表面処理剤による処理皮膜と金属表面との密着性強化等の目的で形成されるものであり、クロムフリーの表面処理剤によるものであることが好ましい。
上記金属基材上に、ロールコート法、スプレー塗装法、刷毛塗り法、静電塗装法、浸漬法、電着塗装法、カーテン塗装法、ローラー塗装法等の公知の方法により本発明の水性金属表面処理剤を塗装し、乾燥させることにより表面処理皮膜を形成させることができる。なお、上述した表面処理皮膜の形成は、金属基材の片面のみ、両面のいずれであってもよい。
本発明の水性金属表面処理剤による処理皮膜の皮膜量は、特に限定されるものではないが、通常0.4〜3.6g/m、好ましくは0.5〜2.5g/mの範囲であることが、耐食性、加工性の観点から好適である。処理皮膜の乾燥条件は、適宜設定すればよいが、コイルコーティング法等によって塗装したものを連続的に焼付ける場合には、通常、素材到達最高温度が60〜200℃、好ましくは70〜120℃となる条件で、5〜60秒間加熱することにより行なうことができる。バッチ式で焼付ける場合には、例えば、雰囲気温度100〜180℃で、1〜30分間加熱することによっても行なうことができる。
[表面処理金属板]
本発明の表面処理金属板は、本発明の水性金属表面処理剤による表面処理が金属基材の表面になされてなる表面処理金属板である。本発明の表面処理金属板は、金属基材が板状形状であって、上記本発明の金属表面処理方法によって得ることができる。
本発明の表面処理金属板は、本発明の水性金属表面処理剤による処理皮膜の皮膜量が、0.4〜3.6g/m、好ましくは0.5〜2.5g/mの範囲であることが耐食性、加工性の観点から好適である。
本発明の表面処理金属板の処理皮膜上には、さらに、美粧性向上、耐久性向上、その他機能性向上等の目的で、着色塗膜、クリヤ塗膜等の上層膜を形成することができる。この上層膜の形成は、本発明の表面処理金属板を成型加工する前に行うこともできるが、成型加工後に行うことが好ましい。
以下、製造例、実施例及び比較例を挙げて、本発明をより具体的に説明する。但し、本発明は、これらにより限定されるものではない。
各例において、「部」及び「%」は、特記しない限り、質量基準によるものとする。また、処理皮膜の皮膜量は、乾燥皮膜量に基づくものとする。
[アミノ基含有アクリル樹脂粒子のシェル部の製造例]
(アミノ基含有アクリル樹脂(S1)溶液の製造)
温度計、サーモスタット、撹拌装置、還流冷却器、窒素ガス導入管及び滴下装置を備えた反応容器に、プロピレングリコール(PG)モノメチルエーテル50部を仕込み、窒素気流中で撹拌混合し、105℃に昇温後、スチレン(St)20部、メチルメタクリレート(MMA)45部、n−ブチルアクリレート(nBA)5部、2−ヒドロキシエチルアクリレート(2−HEA)5部及び2−(N,N−ジメチルアミノ)エチルメタクリレート(DMAEMA)25部の混合物とtert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(PBO)2部及びプロピレングリコール(PG)モノメチルエーテル15部の混合物を3時間かけて同時に滴下し、滴下終了後1時間熟成した。
その後、プロピレングリコールモノメチルエーテルで希釈して30分間撹拌混合し、固形分濃度(NV値)45%のアミノ基含有アクリル樹脂(S1)溶液を得た。
得られたアミノ基含有アクリル樹脂(S1)のアミン価は90mgKOH/g、水酸基価は22mgKOH/g、重量平均分子量(Mw)は45,000であった。
(アミノ基含有アクリル樹脂(S2)〜(S14)溶液の製造)
上記と同様の方法にて、下記表1及び表2に示す組成に従って、アミノ基含有アクリル樹脂(S2)〜(S14)溶液を得た。
Figure 0006943870
Figure 0006943870
[Core/Shellエマルションの合成例]
(アミノ基含有アクリル樹脂粒子(A1)水分散液の製造)
温度計、サーモスタット、撹拌装置、還流冷却器、窒素ガス導入管及び滴下装置を備えた反応容器に、固形分濃度45%のアミノ基含有アクリル樹脂(S1)溶液111部を仕込んで撹拌混合し、80℃に昇温した後、固形分濃度69%になるまで減圧下で脱溶媒した。
次に、60℃まで冷却し、スチレン20部、メチルメタクリレート20部、n−ブチルアクリレート7部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(2−HEMA)2.5部、アリルメタクリレート(AMA)0.5部、酢酸3部を反応容器に添加し、15分間撹拌混合した。
次いで、40℃まで冷却した後、脱イオン水(DIW)180部を1時間かけて滴下し、滴下終了後15分間熟成した。
その後60℃に昇温し、アスコルビン酸ナトリウム0.3部と5%硫酸第一鉄水溶液0.3部を添加した後、30%過酸化水素水0.4部と脱イオン水30部との混合物を1時間かけて滴下し、次いで1時間熟成して、平均粒子径75nm[サブミクロン粒度分布測定装置「COULTER N5型」(ベックマン・コールター社製)を用いて、23℃の条件下で測定した平均粒子直径]を有する、固形分濃度30%のアミノ基含有アクリル樹脂粒子(A1)水分散液を得た。
得られたアミノ基含有アクリル樹脂粒子(A1)のアミン価は45mgKOH/g、水酸基価は23mgKOH/g、重量平均分子量は1,200,000であった。
(A2〜A15の製造)
上記と同様の方法にて、下記表3及び表4に示す組成に従って、アミノ基含有アクリル樹脂粒子(A2)〜(A15)水分散液を得た。
なお、アミノ基含有アクリル樹脂粒子(A1)〜(A15)において、コア部とシェル部との構成比率(質量比)は、下記のとおりである。
(A1)〜(A13)コア部:シェル部=50:50
(A14)コア部:シェル部=90:10
(A15)コア部:シェル部=10:90
Figure 0006943870
Figure 0006943870
(アミノ基含有アクリル樹脂粒子(A16)水分散液の製造)
固形分濃度45%のアミノ基含有アクリル樹脂(S13)溶液111部、酢酸6部を用いること以外はアミノ基含有アクリル樹脂粒子(A1)水分散液と同様にして、平均粒子径55nmで、固形分濃度30%のアミノ基含有アクリル樹脂粒子(A16)水分散液を得た。
得られたアミノ基含有アクリル樹脂粒子(A16)のアミン価は90mgKOH/g、水酸基価は23mgKOH/g、重量平均分子量は1,200,000であった。
(アミノ基含有アクリル樹脂粒子(A17)水分散液の製造)
固形分濃度45%のアミノ基含有アクリル樹脂(S14)溶液111部、酢酸0.6部を用いること以外はアミノ基含有アクリル樹脂粒子(A1)水分散液と同様にして、平均粒子径240nmで、固形分濃度30%のアミノ基含有アクリル樹脂粒子(A17)水分散液を得た。
得られたアミノ基含有アクリル樹脂粒子(A17)のアミン価は9mgKOH/g、水酸基価は23mgKOH/g、重量平均分子量は1,200,000であった。
(アミノ基含有アクリル樹脂粒子(A18)水分散液の製造)
温度計、サーモスタット、撹拌装置、還流冷却器、窒素ガス導入管及び滴下装置を備えた反応容器に、脱イオン水110部、「アデカリアソープER−40」(商品名、株式会社ADEKA製、乳化剤、有効成分60%)8部を仕込み、窒素気流中で撹拌混合し、60℃に昇温した。
次いで、下記コア部用モノマー乳化物の全量のうちの5%量、10%「カヤブチルH−70」(商品名、化薬アクゾ株式会社製、重合開始剤、tert−ブチルハイドロパーオキサイド、有効成分70%)水溶液1部及び3%アスコルビン酸ナトリウム水溶液1部を反応容器内に添加し60℃で1時間保持した。
その後、下記コア部用モノマー乳化物の残部、10%「カヤブチルH−70」水溶液7部及び3%アスコルビン酸ナトリウム水溶液10部を2時間かけて、同温度に保持した反応容器内に滴下し、滴下終了後1時間熟成を行った。
次に、下記シェル部用モノマー乳化物、10%「カヤブチルH−70」水溶液5部及び3%アスコルビン酸ナトリウム水溶液10部を2時間かけて滴下し、1時間熟成した後、酢酸0.6部を反応容器内に添加し30分間保持した。
次に、30℃まで冷却し、脱イオン水で希釈して、平均粒子径170nmを有する、固形分濃度30%のアミノ基含有アクリル樹脂粒子(A18)水分散液を得た。
得られたアミノ基含有アクリル樹脂粒子(A18)のアミン価は10mgKOH/g、水酸基価は16mgKOH/g、数平均分子量は約65,000であった。
シェル部用モノマー乳化物:脱イオン水20部、「アデカリアソープER−40」3.5部、スチレン3部、メチルメタクリレート19部、n−ブチルメタクリレート(nBMA)3部、n−ブチルアクリレート2部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート2部及び2−(N,N−ジメチルアミノ)エチルメタクリレート1部を混合してなるモノマー乳化物。
コア部用モノマー乳化物:脱イオン水40部、「アデカリアソープER−40」7部、メチルメタクリレート44部、n−ブチルメタクリレート17部、n−ブチルアクリレート5部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート2部及び2−(N,N−ジメチルアミノ)エチルメタクリレート2部を混合してなるモノマー乳化物。
(アミノ基含有アクリル樹脂粒子(A19)水分散液の製造)
温度計、サーモスタット、撹拌装置、還流冷却器、窒素ガス導入管及び滴下装置を備えた反応容器に、プロピレングリコールモノメチルエーテル50部を仕込み、窒素気流中で撹拌混合し、105℃に昇温後、スチレン20部、メチルメタクリレート45部、n−ブチルアクリレート5部、2−ヒドロキシエチルアクリレート5部、2−(N,N−ジメチルアミノ)エチルメタクリレート25部及びtert−ブチルパーオキシ−2エチルヘキサノエート2部の混合物を3時間かけて滴下し、滴下終了後1時間熟成した。
その後60℃に冷却し、酢酸14部を反応容器内に添加し30分間保持した後、脱イオン水(DIW)で希釈して平均粒子径25nmを有する、固形分濃度20%のアミノ基含有アクリル樹脂粒子(A19)水分散液を得た。
得られたアミノ基含有アクリル樹脂粒子(A19)のアミン価は90mgKOH/g、水酸基価は23mgKOH/g、重量平均分子量は45,000であった。
なお、アミノ基含有アクリル樹脂粒子(A16)〜(A19)は比較例用であり、便宜上、アミノ基含有アクリル樹脂粒子(A16)〜(A19)としているが、本発明の水性金属表面処理剤のアミノ基含有アクリル樹脂粒子(A)には該当しない樹脂粒子である。
また、アミノ基含有アクリル樹脂粒子(A16)〜(A18)において、コア部とシェル部との構成比率(質量比)は、下記のとおりである。
(A16)〜(A17)コア部:シェル部=50:50
(A18)コア部:シェル部=70:30
Figure 0006943870
[実施例及び比較例]
下記表に示す配合割合に従って各成分を配合し、固形分濃度が15質量%となるように脱イオン水を加えて調整し、十分撹拌を行って各金属表面処理剤を得た。下記表の配合量は固形分質量又は有効成分質量による。
なお、下記表における、アミノ基含有アクリル樹脂粒子(A)、リン酸系化合物(B)、フルオロ金属酸及び/又はその塩(C)、バナジウム化合物(D)、シランカップリング剤及び/又はその加水分解縮合物(E)及びポリオレフィンワックス(F)の成分は下記のとおりである。
下記表における、アミノ基含有アクリル樹脂粒子(A)の成分
A1〜A19:上記[Core/Shellエマルションの合成例]で得た、アミノ基含有アクリル樹脂粒子(A1)〜(A19)水分散液
下記表における、リン酸系化合物(B)の成分
B1:正リン酸
B2:1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸
B3:ニトリロトリス(メチレンホスホン酸)
下記表における、フルオロ金属酸及び/又はその塩(C)の成分
C1:六フッ化チタン酸アンモニウム
C2:六フッ化ジルコン酸アンモニウム
C3:六フッ化チタン酸
C4:六フッ化ジルコニウム酸
C5:六フッ化ハフニウム酸
下記表における、バナジウム化合物(D)の成分
D1:メタバナジン酸アンモニウム
D2:メタバナジン酸ナトリウム
D3:硫酸バナジル
下記表における、シランカップリング剤及び/又はその加水分解縮合物(E)の成分
E1:γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン
E2:3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン
E3:3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン
下記表における、ポリオレフィンワックス(F)の成分
F1:三井化学株式会社製 ケミパール W−700 平均粒子径1.5μm
F2:株式会社岐阜セラツク製造所製 HIDISPER AC−90 平均粒子径1.3μm
F3:株式会社岐阜セラツク製造所製 HIDISPER A−206N 平均粒子径1μm
F4:株式会社岐阜セラツク製造所製 HIDISPER AG−73 平均粒子径0.1μm
F5:三井化学株式会社製 ケミパール W−500 平均粒子径2.5μm
[耐水性試験]
(表面処理金属板作製条件)
メッキ付着量が片面20g/mで、板厚0.8mmの両面電気亜鉛メッキ鋼板を、濃度2%のアルカリ脱脂剤(日本シー・ビー・ケミカル株式会社製、商品名「ケミクリーナー561B」、珪酸3号相当品)溶液にて、液温65℃で60秒間スプレー脱脂し、ついで液温50℃、スプレー時間20秒間の条件にて湯洗を行い乾燥してアルカリ脱脂金属板を得た。得られたアルカリ脱脂金属板に、上記[実施例及び比較例]で得られた表面処理剤をバーコータにて乾燥皮膜重量が0.9g/mとなるように塗布し、金属板の最高到
達温度が60℃となるように12秒間加熱乾燥し、各表面処理金属板を得た。
(評価基準)
各表面処理金属板を室温にて5分間放置し、脱イオン水を直径3cm程度になるよう表面処理金属板に2分間乗せて、その後、ガーゼ等で水滴を除去し、処理面の外観変化を目視観察し下記基準にて評価し、結果を下記表に示した。
◎:全く変化が認められなかった。
○:わずかに白く変色した。
×:明らかに白く変色した。
なお、実用レベルは「◎」又は「○」とした。
[硫酸銅変色試験]
(表面処理金属板作製条件)
メッキ付着量が片面20g/mで、板厚0.8mmの両面電気亜鉛メッキ鋼板を、濃度2%のアルカリ脱脂剤(日本シー・ビー・ケミカル株式会社製、商品名「ケミクリーナー561B」、珪酸3号相当品)溶液にて、液温65℃で60秒間スプレー脱脂し、ついで液温50℃、スプレー時間20秒間の条件にて湯洗を行い乾燥してアルカリ脱脂金属板を得た。得られたアルカリ脱脂金属板に、上記[実施例及び比較例]で得られた表面処理剤をバーコータにて乾燥皮膜重量が0.9g/mとなるように塗布し、金属板の最高到
達温度が80℃となるように12秒間加熱乾燥し、各表面処理金属板を得た。
(評価基準)
各表面処理金属板の処理面に濃度5%の硫酸銅水溶液を20μL乗せ、15秒間経過した後、ガーゼ等で硫酸銅水溶液を除去し、処理面の外観変化を目視観察し下記基準にて評価し、結果を下記表に示した。
◎:全く変色が認められなかった。
○:わずかな変色が認められた。
×:変色が明確に認められた。
なお、実用レベルは「◎」又は「○」とした。
[耐食性試験]
(表面処理金属板作製条件)
上記硫酸銅変色試験と同様の条件及び方法で、各表面処理金属板を得た。
(一般部評価基準)
各表面処理金属板を幅7cm、長さ15cmに切断し、耐食性試験用表面処理金属試験板を得た。得られた試験板の端面部及び裏面部をシールし、JIS Z 2371による塩水噴霧試験(SST)により、処理面における錆の発生面積をレイティングナンバー法に従い、レイティングナンバーが9となるまでの時間を下記基準にて評価し、結果を下記表に示した。
SS:レイティングナンバーが9となるまでの時間が96時間以上であった。
S:レイティングナンバーが9となるまでの時間が72時間以上、96時間未満であった。
A:レイティングナンバーが9となるまでの時間が48時間以上、72時間未満であった。
B:レイティングナンバーが9となるまでの時間が24時間以上、48時間未満であった。
C:レイティングナンバーが9となるまでの時間が24時間未満であった。
なお、実用レベルは「SS」、「S」、「A」又は「B」とした。
(加工部評価基準)
各表面処理金属板を幅7cm、長さ15cmに切断し、エリクセン加工機にて押し出し、高さ7mmとなるまでドーム状の加工部を有する加工部耐食性試験用表面処理金属試験板を得た。得られた試験板の端面部及び裏面部をシールし、JIS Z 2371による塩水噴霧試験(SST)により、ドーム状加工部の天頂部に錆が発生するまでの時間を下記基準にて評価し、結果を下記表に示した。
S:錆が発生するまでの時間が72時間以上であった。
A:錆が発生するまでの時間が48時間以上、72時間未満であった。
B:錆が発生するまでの時間が24時間以上、48時間未満であった。
C:錆が発生するまでの時間が24時間未満であった。
なお、実用レベルは「S」、「A」又は「B」とした。
[耐エタノールラビング性試験]
(表面処理金属板作製条件)
上記硫酸銅変色試験と同様の条件及び方法で、各表面処理金属板を得た。
(評価基準)
4枚重ねのガーゼにエタノールをしみ込ませて、荷重1kgにて各表面処理金属板の処理面を10往復こすり、処理面の外観変化を目視観察し下記基準にて評価し、結果を下記表に示した。
◎:全く変化が認められなかった。
○:わずかにこすった跡が認められた。
×:こすった跡が明確に認められた。
なお、実用レベルは「◎」又は「○」とした。
[動摩擦係数測定試験]
(表面処理金属板作製条件)
上記硫酸銅変色試験と同様の条件及び方法で、各表面処理金属板を得た。
(評価基準)
各表面処理金属板に対して、バウデン磨耗試験機(神鋼造機株式会社製、曽田式付着滑り試験機、摩擦部ボール圧子3/16インチ鋼球、荷重200gf、摩擦速度7往復/分)にて摩擦試験を行い、動摩擦係数を測定した。得られた動摩擦係数の値が0.4になるまでの摩擦回数を下記基準にて評価し、結果を下記表に示した。
S:動摩擦係数の値が0.4になるまでの摩擦回数が20回以上であった。
A:動摩擦係数の値が0.4になるまでの摩擦回数が10回以上、20回未満であった。
B:動摩擦係数の値が0.4になるまでの摩擦回数が5回以上、10回未満であった。
C:動摩擦係数の値が0.4になるまでの摩擦回数が5回未満であった。
なお、実用レベルは「S」、「A」又は「B」とした。
Figure 0006943870
Figure 0006943870
Figure 0006943870
Figure 0006943870
Figure 0006943870
上記実施例及び比較例から明らかなように、本発明の表面処理剤が塗布された表面処理金属板は、耐水性、耐食性(特に、エリクセン加工後の表面処理金属板の耐食性)及び耐エタノールラビング性に優れ、かつ硫酸銅変色試験及び動摩擦係数等の性能を満足できるものであった。
本発明を詳細にまた特定の実施態様を参照して説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは当業者にとって明らかである。本出願は2016年10月19日出願の日本特許出願(特願2016−205570)に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。

Claims (11)

  1. コアシェル構造を有し、アミン価が14〜72mgKOH/gであるアミノ基含有アクリル樹脂粒子(A)、及び
    リン酸系化合物(B)を含有する水性金属表面処理剤であって、
    前記アミノ基含有アクリル樹脂粒子(A)の固形分総量に対し、前記リン酸系化合物(B)を0.5〜10質量%含有する水性金属表面処理剤。
  2. さらに、フルオロ金属酸及びその塩の少なくとも一方(C)を含有する請求項1に記載の水性金属表面処理剤。
  3. さらに、バナジウム化合物(D)を含有する請求項1又は2に記載の水性金属表面処理剤。
  4. さらに、シランカップリング剤及びその加水分解縮合物の少なくとも一方(E)を含有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の水性金属表面処理剤。
  5. さらに、平均粒子径が0.1〜3μmのポリオレフィンワックス(F)を含有する請求項1〜4のいずれか1項に記載の水性金属表面処理剤。
  6. 前記リン酸系化合物(B)が、オルトリン酸、ヒドロキシメタンジホスホン酸及び1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物である請求項1〜5のいずれか1項に記載の水性金属表面処理剤。
  7. 前記フルオロ金属酸及びその塩の少なくとも一方(C)の金属が、チタン又はジルコニウムである請求項2〜6のいずれか1項に記載の水性金属表面処理剤。
  8. 前記バナジウム化合物(D)が、メタバナジン酸アンモウニム、メタバナジン酸ナトリウム、メタバナジン酸カリウム及び硫酸バナジルからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物である請求項3〜7のいずれか1項に記載の水性金属表面処理剤。
  9. pHが3〜7で、固形分濃度が5〜30質量%である請求項1〜8のいずれか1項に記載の水性金属表面処理剤。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の水性金属表面処理剤を、金属基材上に塗布し、乾燥させる金属表面処理方法。
  11. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の水性金属表面処理剤による表面処理金属基材の表面に行う、表面処理金属板の製造方法
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