JP6242010B2 - 水性金属表面処理組成物 - Google Patents

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本発明は、塗装性および貯蔵安定性に優れ、かつ脱脂処理前後の耐食性、導電性、耐指紋性及び上塗密着性に優れた、皮膜中に6価クロムなどの公害規制物質を含まないクロメートフリー表面処理皮膜を形成可能な水性金属表面処理組成物、この表面処理組成物を用いた金属材の表面処理方法、及びこの表面処理組成物による皮膜が形成されてなる表面処理金属材に関する。
一般的に金属材料表面への密着性に優れ、金属材料表面に耐食性などを付与する技術として、金属材料表面に、クロム酸、重クロム酸又はそれらの塩を主成分として含有する処理液によりクロメート処理を施す方法、リン酸塩処理を施す方法、主として無機成分により処理を施す方法、シランカップリング剤による処理を施す方法、有機樹脂皮膜処理を施す方法、などが知られており、実用に供されている。
無機成分による処理を施す技術としては、バナジウム化合物と、ジルコニウム、チタニウム、モリブデン、タングステン、マンガン及びセリウムから選ばれる少なくとも1種の金属を含む金属化合物とを含有する金属表面処理剤が特許文献1に挙げられている。
シランカップリング剤を用いる技術としては、有機官能シランおよびポリシロキサンを含有する表面処理剤が教示されている。有機官能シランとポリシロキサンから、基材に対する密着性が改善されたシロキサンフィルムを形成する方法が特許文献2に開示されている。
有機樹脂皮膜処理を施す技術としては、特定の樹脂化合物(A)と、第1〜3級アミノ基及び第4級アンモニウム塩基から選ばれる少なくとも1種のカチオン性官能基を有するカチオン性ウレタン樹脂(B)と、特定の反応性官能基を有する1種以上のシランカップリング剤(C)と、特定の酸化合物(E)とを含有し、且つカチオン性ウレタン樹脂(B)及びシランカップリング剤(C)の含有量が所定の範囲内である表面処理剤を用いた、耐食性に優れ、耐指紋性、耐黒変性および塗装密着性に優れたノンクロム系表面処理鋼板が特許文献3に開示されている。
また、特許文献4には、水溶性ジルコニウム化合物と、エポキシ基を有する化合物と、キレート剤と、バナジン酸化合物と、Tiなどの金属を含有する金属化合を含有し、水溶性ジルコニウム化合物のZr換算重量/テトラアルコキシシランの質量比が1.0〜6.0である表面処理剤による表面処理皮膜を有する亜鉛めっき鋼板が、耐食性、電磁波シールド性に優れることが開示されている。
しかしながら、これら従来の技術は、塗装性および貯蔵安定性に優れること、かつ脱脂処理前後の耐食性、導電性、耐指紋性及び上塗密着性に優れた皮膜を形成すること、クロメートフリーであることの全てを満足できる水性金属表面処理剤ではなく、さらなる改善が求められている。
特開2002−30460号公報 特開平11−43647号号公報 特開2003−105562号公報 特開2010−255105号公報
本発明は、従来技術の有する前記課題を解決して、塗装性および貯蔵安定性に優れ、かつ脱脂処理前後の耐食性、導電性、耐指紋性及び上塗密着性に優れた、皮膜中に6価クロムなどの公害規制物質を含まないクロメートフリー表面処理皮膜を形成可能な水性金属表面処理剤を提供することを目的とするものである。また、この表面処理剤を用いた亜鉛系めっき鋼板等の金属材の表面処理方法、及びこの表面処理剤による皮膜が形成されてなる表面処理金属材を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、これらの問題を解決すべく鋭意検討を行った結果、オルガノポリシロキサンをバインダ主成分とする水性金属表面処理組成物中に、プロパルギル基、水酸基及びポリオキシアルキレン鎖を有する特定の化合物を含有させることによって上記課題を解決できることを見出し本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、バインダ主成分としてのオルガノポリシロキサン(A)、ならびにプロパルギル基及び水酸基を有し、且つモノもしくはポリ−オキシアルキレン基を有する、分子量100〜800の化合物(B)を含有する組成物であって、該化合物(B)におけるモノもしくはポリ−オキシアルキレン基が、オキシエチレン基、ポリオキシエチレン基、オキシプロピレン基、ポリオキシプロピレン基及びエチレンオキシドとプロピレンオキシドとの2価の共重合体鎖から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする水性金属表面処理組成物を提供するものである。
また、本発明は、金属材の表面上に、上記水性金属表面処理組成物を乾燥膜質量0.05〜3.0g/mとなるように塗装し、乾燥させてなることを特徴とする金属材の表面処理方法を提供するものである。
さらに、本発明は、金属材の表面上に、上記水性金属表面処理組成物による皮膜が乾燥皮膜質量0.05〜3.0g/mにて形成されてなる表面処理金属材を提供するものである。
本発明の水性金属表面処理組成物は、6価クロムなどの公害規制物質を含まないクロメートフリー表面処理組成物であって、塗装性、貯蔵安定性に優れ、本発明の金属表面処理組成物から形成された皮膜は、脱脂処理前後の耐食性、導電性、耐指紋性及び上塗密着性の全てを満足することができる。また、この表面処理皮膜が形成されてなる亜鉛系めっき鋼板などの金属材は、表面処理皮膜が薄い場合にも耐食性に優れるものであるため、処理皮膜を薄くできる点からも導電性に有利なものである。
水性金属表面処理組成物
本発明の水性金属表面処理組成物は、バインダ主成分としてのオルガノポリシロキサン(A)、ならびにプロパルギル基、水酸基及びポリオキシアルキレン鎖を有する化合物(B)を含有する水性金属表面処理組成物であり、(A)成分及び(B)成分が、水性媒体中に安定に溶解ないしは分散されてなるものである。本発明において、「水性媒体」とは、水と有機溶剤とを含有し水の含有率が80質量%以上である、20℃において均一な液体、又は水を意味する。「水性媒体」を構成できる有機溶剤種は、水溶性または水分散性を有する溶剤であれば特に限定されるものではなく、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、t−ブチルアルコールおよびプロピレングリコールなどのアルコール類;エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルなどのグリコールエーテル類;酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類;アセトンなどのケトン類などを挙げることができる。
オルガノポリシロキサン(A)
本発明の水性金属表面処理組成物におけるバインダ成分としてのオルガノポリシロキサン(A)は、オルガノシランが縮合した複数のシロキサン結合を有する化合物である。オルガノポリシロキサン(A)は、オルガノシランが縮合した複数のシロキサン結合を有する化合物である限り制限されるものではない。
オルガノポリシロキサン(A)の代表例としては、例えば、エポキシ基含有シランカップリング剤及びアミノ基含有シランカップリング剤から選ばれる少なくとも1種のシランカップリング剤(a)と、モノ−、ジ−、トリ−及びテトラ−アルコキシシランから選ばれる少なくとも1種のアルコキシシラン又は該アルコキシシランの低縮合体(b)との反応生成物を挙げることができる。
なかでも、オルガノポリシロキサン(A)は、上記シランカップリング剤(a)と上記アルコキシシラン又は該アルコキシシランの低縮合体(b)との合計量に基づいて、シランカップリング剤(a)100〜30質量部と、アルコキシシラン又は該アルコキシシランの低縮合体(b)0〜70質量部との反応生成物であることが好ましい。
特に、オルガノポリシロキサン(A)が、上記シランカップリング剤(a)と上記アルコキシシラン又は該アルコキシシランの低縮合体(b)との合計量に基づいて、エポキシ基含有シランカップリング剤10〜50質量部、アミノ基含有シランカップリング剤10〜50質量部及び上記アルコキシシラン又は該アルコキシシランの低縮合体(b)10〜60質量部との反応生成物であることがより好適である。
シランカップリング剤(a)
上記シランカップリング剤(a)におけるエポキシ基含有シランカップリング剤としては、エポキシ基を含有するシランカップリング剤であれば特に限定されるものではなく、その代表例としては、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン等が挙げられる。
上記シランカップリング剤(a)におけるアミノ基含有シランカップリング剤としては、アミノ基を含有するシランカップリング剤であれば特に限定されるものではなく、その代表例としては、例えば、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
シランカップリング剤(a)として、エポキシ基含有シランカップリング剤とアミノ基含有シランカップリング剤とを併用する場合には、オルガノポリシロキサン(A)は、加水分解・縮合反応によるポリシロキサン結合に加え、エポキシ基含有シランカップリング剤中のエポキシ基とアミノ基含有シランカップリング剤中のアミノ基との付加反応による化学結合を有することができる。
アルコキシシラン又は該アルコキシシランの低縮合体(b)
上記(b)成分は、モノ−、ジ−、トリ−及びテトラ−アルコキシシランから選ばれる少なくとも1種のアルコキシシラン又は該アルコキシシランの低縮合体である。
上記モノアルコキシシランとしては、例えば、メトキシトリメチルシラン、メトキシトリエチルシラン、メトキシメチルジエチルシラン、エトキシトリメチルシラン、エトキシトリエチルシラン、エトキシトリフェニルシラン、プロポキシトリメチルシラン、プロポキシトリプロピルシラン、ブトキシトリブチルシラン等が挙げられる。
上記ジアルコキシシランとしては、例えば、ジメトキシジメチルシラン、ジメトキシジエチルシラン、ジメトキシジフェニルシラン、ジエトキシジメチルシラン、ジエトキシジエチルシラン、ジエトキシジフェニルシラン、ジプロポキシジメチルシラン、ジプロポキシジエチルシラン、ジプロポキシジプロピルシラン、ジプロポキシジフェニルシラン、ジブトキシジメチルシラン、ジブトキシジエチルシラン、ジブトキシジブチルシラン、ジブトキシジフェニルシラン等が挙げられる。
上記トリアルコキシシランとしては、例えば、トリメトキシメチルシラン、トリメトキシエチルシラン、トリメトキシプロピルシラン、トリメトキシブチルシラン、トリメトキシフェニルシラン、トリエトキシメチルシラン、トリエトキシエチルシラン、トリエトキシブチルシラン、トリエトキシフェニルシラン、トリプロポキシメチルシラン、トリプロポキシプロピルシラン、トリプロポキシフェニルシラン、トリブトキシフェニルシラン等が挙げられる。
上記テトラアルコキシシランとしては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン及びジメトキシジエトキシシランなどが挙げられる。
上記アルコキシシランのうち、トリアルコキシシラン、テトラアルコキシシランが架橋性などの点から好ましい。
これらアルコキシシランのアルコキシ基としては特に限定されず、例えば、炭素数が1〜4のアルコキシ基が挙げられ、好ましくは炭素数1〜3、さらに好ましくは炭素数1〜2である。
モノ−、ジ−、トリ−及びテトラ−アルコキシシランのうちの少なくとも1種の低縮合体は、モノ−、ジ−、トリ−及びテトラ−アルコキシシランの単独のアルコキシシランの低縮合体であっても2種以上のアルコキシシランの低縮合体であってもよい。上記低縮合体は、重合度が10以下、特に2〜6程度であることが好適である。
上記オルガノポリシロキサン(A)の好ましい製造方法の代表例について以下に説明する。
上記オルガノポリシロキサン(A)は、オルガノシランを加水分解縮合反応してなる加水分解縮合物である。オルガノシランが、エポキシ基含有シランカップリング剤とアミノ基含有シランカップリング剤との両者を含有する場合には、オルガノポリシロキサン(A)は、加水分解縮合によるポリシロキサン結合に加え、エポキシ基含有シランカップリング剤中のエポキシ基とアミノ基含有シランカップリング剤中のアミノ基との付加反応による結合を有することができる。
上記オルガノポリシロキサン(A)を得るための加水分解縮合反応は、水及び酸触媒の存在下で行うことができる。上記酸触媒としては、アルコキシシランなどオルガノシランの加水分解反応の触媒として用いられる酸であれば、その種類は特に制限はなく、例えば塩酸、硫酸、硝酸、リン酸などの無機酸;蟻酸、酢酸、乳酸、酒石酸などの有機酸が挙げられる。また、上記加水分解縮合反応の際には、適宜、有機溶媒を使用してもよく、オルガノシランを溶解する水溶性有機溶剤(例えばアルコール系溶剤、グリコールエーテル系溶剤など)を使用することができる。水溶性溶剤としては、なかでも、例えばメタノ−ル、エタノ−ル、プロパノ−ルなどアルコール系溶剤が好適である。
この加水分解反応の反応条件は、通常、pH7以下、好ましくはpH1.5〜7.0、さらに好ましくはpH3.0〜6.5にて、20℃〜100℃程度で30分〜20時間程度撹拌することによって行うことができ、加水分解反応とともに、縮合反応も進行する。この反応により得られるオルガノポリシロキサン(A)の分子量などは、使用する水の量、触媒の種類・量、反応温度および反応時間などによって適宜調整することができる。
上記オルガノポリシロキサン(A)製造の原料として、エポキシ基含有シランカップリング剤とアミノ基含有シランカップリング剤との両者を含有する場合には、加水分解反応、及びエポキシ基とアミノ基とに基づく付加反応を行うが、その反応は、水性媒体中で反応させる方法、又はアルコール溶剤中もしくは無溶剤下で一部反応させた後、水性媒体中でさらに反応を行う方法などによって行うことができる。反応順序は、特に制限されるものではないが、エポキシ基含有シランカップリング剤とアミノ基含有シランカップリング剤とを別々にしておき、一方のシランカップリング剤と必要に応じて(b)成分とを加水分解させ、ついで残りのシランカップリング剤を添加して加水分解・縮合反応及び付加反応させることが好ましい。上記付加反応は、加水分解・縮合反応時に同時に起こることができる。
上記した反応によって、バインダ成分としてのオルガノポリシロキサン(A)が溶解ないしは分散した水性媒体を得ることができる。
オルガノポリシロキサン(A)が溶解ないしは分散した水性媒体は、加水分解によって生じたアルコール成分などの有機溶剤を含有するが、安全衛生上の観点から、例えば、加熱・減圧により有機溶剤を留去することができ、これによって引火点を有さない、消防法における非危険物とすることができる。
オルガノポリシロキサン(A)の重量平均分子量は、400〜20000の範囲内が好ましく、1000〜10000の範囲内であることがより好ましい。オルガノポリシロキサン(A)の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)を用いて測定した保持時間(保持容量)を、同一条件で測定した分子量既知の標準ポリスチレンの保持時間(保持容量)によりポリスチレンの分子量に換算して求めた値である。ゲルパーミエーションクロマトグラフ装置として、「HLC−8120GPC」(商品名、東ソー社製)を使用し、カラムとして、「TSKgel GMHHR−L」(商品名、東ソー社製)を1本使用し、検出器として、示差屈折率計を使用し、 移動相:ジメチルホルムアミド(トリエタノールアミン0.5質量%含む)、測定温度:25℃、流速:1mL/minの条件下で測定することができる。
また、オルガノポリシロキサン(A)中の縮合によるシロキサン結合は、29Si NMR(核磁気共鳴スペクトル)測定により確認することができる。
化合物(B)
本発明組成物における(B)成分は、プロパルギル基及び水酸基を有し、且つモノもしくはポリ−オキシアルキレン基を有する、分子量100〜800の化合物であって、上記モノもしくはポリ−オキシアルキレン基が、オキシエチレン基、ポリオキシエチレン基、オキシプロピレン基、ポリオキシプロピレン基及びエチレンオキシドとプロピレンオキシドとの2価の共重合体鎖から選ばれる少なくとも1種である。
化合物(B)は、オルガノポリシロキサン(A)と相俟って、金属表面上に、脱脂処理前後の耐食性、導電性、耐指紋性及び上塗密着性の全てを満足する皮膜を形成できる。化合物(B)において、プロパルギル基は金属表面に配向し、水酸基は水素結合を生成したり、皮膜硬化時にオルガノポリシロキサン(A)中のシラノール基と反応し、また、上記モノもしくはポリ−オキシアルキレン基は、バインダ成分との親和性、分散安定性などに寄与するものと考えられる。
化合物(B)としては、例えば、炭素数3〜6のアセチレンアルコールとエチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドとの付加物を挙げることできる。この付加物は、アセチレンアルコール1モルに対してエチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドを1〜12モル、好ましくは1〜6モル付加した付加物であることが好適である。
上記アセチレンアルコールとしては、例えば、2−プロピン−1−オール、3−ブチン−1−オール、1−ヘキシン−3−オール、3−メチル−1−ブチン−3−オール、3−メチル−1−ペンチン−3−オールなどが挙げられ、なかでも2−プロピン−1−オールが好適である。
化合物(B)の好適なものの代表例として、例えば、2−プロピン−1−オールに上記アルキレンオキシドを付加した下記式(1)で表される化合物を挙げることができる。
Figure 0006242010
(式中、Xは、オキシエチレン基及びオキシプロピレン基から選ばれる少なくとも1種のオキシアルキレン基を表し、繰返し数nは1〜12、好ましくは1〜6の整数を表し、nが2以上のとき、繰返し単位中の各Xは、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。)
上記化合物(B)は、市販品であってもよく、好適なものとして、例えば、BASF社製の、Korantin PM、Korantin PPなどを挙げることができる。Korantinは、登録商標である。
本発明組成物において、化合物(B)の配合量は、表面処理組成物の安定性、得られる表面処理皮膜の耐食性、特に脱脂後の耐食性などの観点から、オルガノポリシロキサン(A)の固形分量100質量部に基づいて、0.1〜10質量部が好ましく、1〜5質量部がより好ましく、2〜5質量部であることが特に好適である。
リン酸化合物(C)
本発明の金属表面処理組成物において、貯蔵安定性の向上などの目的で、必要に応じて、リン酸化合物(C)を配合することが好ましい。金属表面処理組成物中にリン酸化合物(C)を配合することにより金属表面処理組成物の安定性の向上に効果があり、バインダ成分であるポリオルガノシロキサン(A)中のシラノール基が反応し高分子量化することを抑制することができるものと推測される。
リン酸化合物(C)としては、その種類は特に限定されず、有機リン酸化合物、無機リン酸化合物のいずれであってもよい。有機リン酸化合物としては、代表例として、例えば、1−ヒドロキシメタン−1、1−ジホスホン酸、1−ヒドロキシエタン−1、1−ジホスホン酸、1−ヒドロキシプロパン−1、1−ジホスホン酸などのヒドロキシル基含有有機亜リン酸;2−ヒドロキシホスホノ酢酸、2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸などのカルボキシル基含有有機亜リン酸、及びこれらの塩などが好適なものとして挙げられる。無機リン酸化合物としては、代表例として、例えば、オルトリン酸、メタリン酸、亜リン酸、メタ亜リン酸、次リン酸、次亜リン酸、ピロリン酸、トリポリリン酸、テトラリン酸、ヘキサリン酸、トリメタリン酸、ピロ亜リン酸、及びリン酸誘導体;これらのリン酸化合物のアルカリ金属塩又はアンモニウム塩などが挙げられる。
上記リン酸化合物のうち、中でもオルトリン酸が金属表面処理組成物の貯蔵安定性を向上させる効果が大きいことから特に好ましい。
本発明組成物中にリン酸化合物(C)を配合させる場合、その配合量は、オルガノポリシロキサン(A)の固形分100質量部に基づき、0.5〜10質量部であること好適である。リン酸化合物(C)は、オルガノポリシロキサン(A)の製造時に配合することもできる。
防錆金属化合物(D)
本発明の金属表面処理組成物には、得られる処理皮膜の防錆性向上の目的で、必要に応じて、防錆金属化合物(D)を配合することができる。
防錆金属化合物(D)としては、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、マンガン、コバルト、亜鉛、マグネシウム、ニッケル、バナジウム、スズ、カルシウム、珪素、タングステン、モリブデン及びアルミニウムなどの金属の金属化合物を挙げることができ、水溶性ないしは水分散性であることが好ましい。かかる金属化合物としては、例えば炭酸塩、リン酸塩、硝酸塩、硫酸塩、酢酸塩、フルオロ酸及びその塩、酸化物等であることができる。これらの金属化合物は、無水物であっても存在する場合の水和物であってもよい。
上記金属化合物(D)としては、なかでも、チタン、ジルコニウム及び/又はハフニウムの金属化合物であることが好ましい。
金属化合物(D)の代表例としては、例えば、硫酸チタニル、硝酸チタニル、硝酸チタン、塩化チタニル、塩化チタン、チタニアゾル、酸化チタン、シュウ酸チタン酸カリウム、六フッ化チタン酸(HTiF)、六フッ化チタン酸の塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、アンモニウム塩、アミン塩、亜鉛塩など)、チタンラクテート、チタンテトライソプロポキシド、チタンアセチルアセトネート、ジイソプロピルチタニウムビスアセチルアセトン、メタチタン酸、メタチタン酸塩、オルソチタン酸、オルソチタン酸塩などのチタニウム化合物;塩基性炭酸ジルコニウム(ZrCO・ZrO・8HO)、炭酸ジルコニウムアンモニウム、硝酸ジルコニウム、硫酸ジルコニウム、酢酸ジルコニウム、六フッ化ジルコニウム酸(HZrF)、六フッ化ジルコニウム酸の塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、アンモニウム塩、アミン塩、亜鉛塩など)などのジルコニウム化合物;六フッ化ハフニウム酸(HHfF)、六フッ化ハフニウム酸の塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、アンモニウム塩、アミン塩、亜鉛塩など)などのハフニウム化合物が挙げられる。
上記チタン、ジルコニウム、ハフニウム化合物以外の金属化合物の具体例としては、例えば、硫酸ニッケル、硫酸アルミニウム、硫酸バナジル、硫酸亜鉛、硝酸亜鉛、硝酸アルミニウム、酢酸ニッケル、酸化アルミニウム、酸化バナジウム、炭酸亜鉛、酸化亜鉛、水酸化アルミニウム、水酸化亜鉛、リン酸アルミニウム、塩化アルミニウム、塩化亜鉛、リン酸亜鉛、メタバナジン酸アンモニウム、六フッ化ケイ酸(HSiF)、六フッ化アルミニウム酸(HAlF)、四フッ化ホウ酸(HBF)等が挙げられる。
上記防錆金属化合物(D)は、必要に応じて配合される成分であり、その配合量は、前記オルガノポリシロキサン(A)の固形分量100質量部に基づいて、好ましくは100質量部以下であり、より好ましくは2〜40質量部、さらに好ましくは5〜30質量部である。上記防錆金属化合物(D)の配合量が、上記範囲内にあることが、得られる処理皮膜の耐食性、特にアルカリ脱脂処理後の耐食性、導電性、ならびに表面処理剤の塗装性および貯蔵安定性の面から好適である。
本発明の水性金属表面処理組成物は、上記オルガノポリシロキサン(A)、化合物(B)、水性媒体、必要に応じて配合される、リン酸化合物(C)及び防錆金属化合物(D)のほかに、レベリング剤、消泡剤、界面活性剤、着色剤、防菌防カビ剤;エチレンジアミン、トリエチレンペンタミン、グアニジン、ピリミジンなどのアミン化合物であるエッチング抑制剤;酢酸、乳酸、アンモニウム塩やアミン類などのpH調整剤;酒石酸、リンゴ酸等のヒドロキシカルボン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、クエン酸、アジピン酸等のジカルボン酸等のポリカルボン酸及びグリシン等のアミノカルボン酸、EDTA、DTPA等のキレート剤;ジルコニアゾル、アルミナゾル、シリカゾル(コロイダルシリカ水分散液)等の充填剤;水溶性又は水分散性を有する水性有機樹脂;ワックス成分等を含有することができる。
上記キレート剤は、防錆性金属化合物(D)を表面処理組成物中に安定に溶解させる働きを有することができる。
上記必要に応じて本発明の水性金属表面処理組成物中に配合できる水性有機樹脂は、本発明の水性金属表面処理組成物中に安定に溶解又は分散することのできる有機樹脂であり、具体的には、単独で又は塩基性化合物で中和して水溶化や水分散化できる官能基(例えば、水酸基、ポリオキシアルキレン基、カルボキシル基などの酸基等)を含有するノニオン性又はアニオン性の有機樹脂;ノニオン系界面活性剤(乳化剤)で乳化された有機樹脂エマルションなどを挙げることができる。
上記水性有機樹脂の樹脂種としては、例えば、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、オレフィン−カルボン酸系樹脂、ナイロン系樹脂、ポリオキシアルキレン鎖を有する樹脂、ポリビニルアルコール、ポリグリセリン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースなどが挙げられる。これらの水性有機樹脂は単独で又は2種類以上併用して用いることができる。
これらの中でも特に、アクリル系樹脂エマルション、ウレタン系樹脂エマルションが、表面処理剤の貯蔵安定性と表面処理皮膜性能とのバランスの面から好ましい。本発明組成物中に水性有機樹脂を配合することによって、基材への濡れ性、上塗密着性や耐食性の向上に寄与できる場合がある。水性有機樹脂を配合する場合、その配合量は、オルガノポリシロキサン(A)の固形分に対し、70質量%以下、好ましくは5〜50質量%の範囲内であることが、得られる表面処理皮膜の導電性、耐食性などの観点から好適である。
上記ワックス成分は、得られる皮膜表面に潤滑性を付与する成分であり、例えば、ポリオール化合物と脂肪酸とのエステル化物である脂肪酸エステルワックス、シリコン系ワックス、フッ素系ワックス、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィンワックス、ラノリン系ワックス、モンタンワックス、マイクロクリスタリンワックス及びカルナウバワックスなどを挙げることができる。これらは、1種で又は2種以上を組合せて使用することができる。ワックスを配合する場合、その配合量は、成型加工性、耐食性などの点から、金属表面処理組成物の全固形分に対して、固形分量として、0.1〜10質量%、好ましくは0.3〜5質量%の範囲内であることが適している。
本発明の水性金属表面処理組成物は、pH2〜7、好ましくはpH3〜6、さらに好ましくは3.5〜5.5の範囲であることが好適である。表面処理液組成物のpHが2未満であると表面処理液組成物の貯蔵安定性が低下しやすく、また素材である金属材の溶解が著しくなり、亜鉛系めっき鋼板などの金属材表面に形成される表面処理皮膜の耐食性および金属材表面への密着性が低下しやすくなる。一方、pHが7を越える場合には、ポリオルガノシロキサンの安定性が悪くなり、ゲル化などの不具合を引き起こす。
本発明において、pHの調整に用いられるアルカリ化合物としては、アンモニア、アミン、アミンの誘導体およびアミノポリカルボン酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等を挙げることができ、pHの調整に用いられる酸化合物としては、蟻酸、酢酸、乳酸、酒石酸などの有機酸;塩酸、硝酸、硫酸、リン酸などの無機酸などを挙げることができる。
本発明の水性金属表面処理組成物の固形分濃度は、特に限定されるものではないが、表面処理組成物の粘性、塗装して得られる表面処理皮膜の付着量、流展性、塗装性などの観点から、通常、1〜40質量%、好ましくは5〜30質量%の範囲内であることが好適である。
本発明の水性金属表面処理組成物は、測定温度20℃、B型回転粘度計にて60rpmの条件にて測定した粘度が、2.5mPa・s以下であることが、表面処理剤の塗装性の面から好適である。
金属材の表面処理方法
本発明の金属材の表面処理方法は、金属材の表面上に、上記本発明の水性金属表面処理組成物を、塗装し、乾燥させて金属材の表面に水性金属表面処理組成物による表面処理皮膜を形成する方法である。
本発明の表面処理方法を適用可能な金属材としては、特に限定されるものではなく、例えば、鉄、鉄基合金、アルミニウム、アルミニウム基合金、銅、銅基合金、金属材上にめっきしためっき金属材を挙げることができ、中でも亜鉛系めっき鋼板が金属材として最も好適に適用できる。亜鉛系めっき鋼板としては、亜鉛めっき鋼板;亜鉛−ニッケルめっき鋼板、亜鉛−鉄めっき鋼板、亜鉛−クロムめっき鋼板、亜鉛−アルミニウムめっき鋼板、亜鉛−チタンめっき鋼板、亜鉛−マグネシウムめっき鋼板、亜鉛−マンガンめっき鋼板、亜鉛−アルミニウム−マグネシウムめっき鋼板、亜鉛−アルミニウム−マグネシウム−シリコンめっき鋼板等の亜鉛合金めっき鋼板;さらにはこれらのめっき層に少量の異種金属元素又は不純物としてコバルト、モリブデン、タングステン、ニッケル、チタン、クロム、アルミニウム、マンガン、鉄、マグネシウム、鉛、ビスマス、アンチモン、錫、銅、カドミウム、ヒ素等を含有したもの、シリカ、アルミナ、チタニア等の無機物を分散させたものなどを挙げることができる。更には以上のめっきを2種以上組み合わせた複層めっきも適用可能である。めっき方法は特に限定されるものではなく、公知の電気めっき法、溶融めっき法、蒸着めっき法、分散めっき法、真空めっき法等のいずれの方法でもよい。本発明の金属表面処理剤によって表面処理する金属材料としては、なかでも亜鉛めっき鋼板、亜鉛合金めっき鋼板を好適に使用することができる。
金属材の表面上に、本発明の水性金属表面処理組成物を、浸漬塗装、スプレー塗装、ロール塗装など種々の塗装方法により塗装し、乾燥させて金属材の表面に水性金属表面処理組成物による表面処理皮膜を形成することができる。上記金属材の表面は、表面処理組成物を塗布する前に、必要に応じて、金属材表面上の油分や汚れの除去を目的に、湯洗、溶剤洗浄、アルカリ脱脂洗浄などの前処理を施してもよい。
表面処理皮膜の乾燥条件は、通常、素材到達温度が約50〜約250℃となる条件で約2秒〜約30秒間乾燥させることが好適である。
金属材表面上の表面処理皮膜の付着量は、乾燥皮膜質量で0.05〜3.0g/m、好ましくは0.2〜2.0g/m、さらに好ましくは0.4〜1.5g/mの範囲内であることが、表面処理皮膜を形成した金属材表面の皮膜の耐食性、上塗密着性、導電性、耐指紋性などの観点から好適である。
表面処理金属材
上記金属材の表面上に、本発明の水性金属表面処理組成物による皮膜を形成することによって、本発明の表面処理金属材を得ることできる。本発明の水性金属表面処理組成物による皮膜の形成は、上記金属材の表面処理方法によって行うことができる。
本発明の表面処理金属材の表面に形成されてなる表面処理皮膜は、脱脂処理前後の耐食性、導電性、耐指紋性及び上塗密着性に優れ、皮膜外観も良好であることができる。この理由は以下のように推測されるが、本発明はこの推測に縛られるものではない。
本発明に用いる水性金属表面処理組成物を用いて形成される皮膜は、バインダ成分が、主にポリオルガノシロキサンによるものであり、前記ポリオルガノシロキサンが乾燥などにより濃縮されたときに前記ポリオルガノシロキサンに基づく加水分解されたシラノール基などが互いに反応して連続皮膜を形成すること、シラノール基が金属表面と結合を形成すること、前記化合物(B)が金属材表面に配向し金属材表面と結合し、また、化合物(B)中の水酸基がポリオルガノシロキサンのシラノール基と結合することなどによって、本発明の水性金属表面処理組成物による皮膜は、著しいバリアー効果を発揮するものと推定される。これによって、密着性に優れ、脱脂処理されても除去され難く、脱脂処理前後における耐食性を向上させることができ、緻密な皮膜形成が可能なため、耐指紋性に優れ皮膜の薄膜化が可能となり導電性にも優れるものとできると考えられる。
本発明の水性金属表面処理剤を用いることによって、耐食性、導電性、耐指紋性及び上塗密着性の諸性能を有し、特に脱脂されても耐食性を低下することなく、導電性に優れた亜鉛系めっき鋼板などの表面処理金属材を提供することができる。
金属材表面上の表面処理皮膜の付着量は、乾燥皮膜質量で0.05〜3.0g/m、好ましくは0.2〜2.0g/m、さらに好ましくは0.4〜1.5g/mの範囲内であることが、表面処理皮膜を形成した金属材表面の皮膜の耐食性、導電性、耐指紋性及び上塗密着性などの観点から好適である。
本発明の水性金属表面処理剤の皮膜を形成した亜鉛めっき鋼板等の表面処理金属材は、種々の用途に適用することができ、例えば、そのまま、潤滑金属板、耐食性金属板、電気製品の筐体などとして用いることができる。
また、上記表面処理金属材は、その上に塗料を塗装して塗膜を形成した塗装金属材として使用することもできる。この場合、塗料塗装前に、必要に応じて、表面処理金属材上に付着した汚れ、油脂などを除去するために、アルカリ脱脂処理が行われる。本発明の表面処理金属材の皮膜は、この脱脂処理の前後のいずれにおいても優れた耐食性を示すとともに、この上に塗装される塗料塗膜との密着性にも優れている。
本発明の表面処理金属材の皮膜の上に塗装される塗料は、特に制限されるものではなく、クリヤ塗料、着色塗料のいずれであってもよく、塗料樹脂としては、ポリエステル、アクリル、シリコンポリエステル、アルキド、ウレタン、エポキシ樹脂など、種々の樹脂が、必要に応じて、メラミン樹脂、ポリイソシアネート化合物などの架橋剤と組合せて使用できる。
上記表面処理金属材及び上記表面処理金属材に塗膜を形成した塗装金属材は、建築、電気、自動車等の各種分野で使用される材料などとして好適に用いることができる。
以下に、本発明の実施例及び比較例を挙げて本発明を具体的に説明する。本発明はこれらの実施例などにより限定されるものではない。なお、以下、「部」及び「%」は特に断りのない限り、「質量部」及び「質量%」を示すものとする。
オルガノポリシロキサン(A)の製造
製造例1
還流冷却器、温度計、攪拌機を取り付けたセパラブルフラスコに、脱イオン水850部及び酢酸23部を配合し、ついで氷浴で冷却しながらγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン61部とメチルトリメトキシシラン35部との混合物を投入し、30分間攪拌して溶解させた。ついで、この中に、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン29部を徐々に投入し溶解させ、80℃で5時間反応させてオルガノポリシロキサンの水性媒体を得た。1H−NMR測定結果からこのオルガノポリシロキサンにはエポキシ基は残存していないことを確認した。ついで、このオルガノポリシロキサンの水性媒体を60〜70℃で、減圧蒸留して固形分濃度が15質量%となるまで濃縮した。このようにして加水分解で生じたアルコールを水分とともに留去した後、200メッシュのフィルターでろ過し、オルガノポリシロキサンA1水溶液を得た。オルガノポリシロキサンA1水溶液は、pH4.5を有していた。ガスクロマトグラフによって測定したアルコール濃度は1.5%未満であり、引火点は観測されなかった。オルガノポリシロキサンA1の樹脂固形分は、アルコキシシリル基を有しておらず、アルコキシシリル基は加水分解されていた。使用されたγ−グリシドキシプロピルトリエトキシシランのエポキシ基1当量に対する、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシランのアミノ基の活性水素の量は3.0当量である。このアミノ基に対する酸中和当量は1.0である。
下記29Si NMR測定方法により各原材料の減少と加水分解縮合物の生成を確認した。
29Si NMR測定方法:FT−NMR EX−400(商品名、JEOL社製)を使用し、溶媒に重水、内部標準物質にテトラメチルシランを用いて測定した。シランカップリング剤について−55〜−35ppm付近のシグナルで、テトラアルコキシシランについて−100〜−80ppm付近のシグナルで、原材料由来のアルコキシ基の減少と加水分解縮合物の生成を確認した。
製造例2〜9
製造例1において、配合組成を表1に示すとおりに変更する以外は、製造例1と同様にしてオルガノポリシロキサンA2〜A9水溶液を調製した。オルガノポリシロキサンA2〜A9水溶液は、いずれもガスクロマトグラフによって測定したアルコール濃度は1.5%未満であり、引火点は観測されなかった。
製造例10
還流冷却器、温度計、攪拌機を取り付けたセパラブルフラスコに、脱イオン水850部、60%硝酸1部及び酢酸5部を配合し、ついで、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン93部とテトエトキシシラン93部とを投入し、30分間攪拌して溶解させ、加水分解反応させてオルガノポリシロキサンの水性媒体を得た。ついで、このオルガノポリシロキサンの水性媒体を、60〜70℃で、減圧蒸留して固形分濃度が15質量%となるまで濃縮した。このようにして加水分解で生じたアルコールを水分とともに留去した後、200メッシュのフィルターでろ過し、オルガノポリシロキサンA10水溶液を得た。
製造例1〜10で得られたオルガノポリシロキサンA1〜A10水溶液は、いずれもガスクロマトグラフによって測定したアルコール濃度は1.5%未満であり、引火点は観測されなかった。オルガノポリシロキサンA1〜A10水溶液のエポキシ基1当量に対するアミノ基の活性水素の当量、固形分、pH、重量平均分子量等の特数値を表1に示す。
Figure 0006242010
金属表面処理組成物の調製
実施例1〜26及び比較例1〜7
金属表面処理組成物の配合及び液安定性を下記表2に示す。下記表2に示す配合組成となるように、各成分を配合し、酢酸又はアンモニア水を用いてpH4.5に調整して各金属表面処理組成物を得た。表2における各成分の配合量は、水、有機溶剤を除いた固形分量又は有効成分量による表示である。
Figure 0006242010
Figure 0006242010
上記表2における(注)は、下記の意味を有する。
(注1)化合物B−1:商品名「Korantin PM」(BASF製、登録商標)、プロパルギル基、水酸基及びポリオキシエチレン基を有し、ピーク分子量約230を有する、前記式(1)で表される化合物、
(注2)化合物B−2:商品名「Korantin PP」(BASF製、登録商標)、プロパルギル基、水酸基及びオキシプロピレン基を有し、ピーク分子量約260を有する、前記式(1)で表される化合物、
(注3)アクリル樹脂エマルション:ヘンケルテクノロジーズジャパン(株)製、商品名「ヨドゾールAD123」、アニオン性水性アクリル樹脂分散液、
(注4)ウレタン樹脂エマルション:(株)ADEKA社製、商品名「アデカボンタイターHUX540」、アニオン性水性ウレタン樹脂分散液、
(注5)ポリエチレンワックス:三井化学(株)製、商品名「ケミパールW−700」、環球法軟化点132℃、粒子径約1μmのポリエチレンワックス。
上記表2における初期の液状態は、目視によって観察を行い、沈殿物や浮遊物がなく、流動性に問題のないものを○とした。
上記表2における貯蔵安定性は、30℃で30日間貯蔵した後の液状態及び液粘度に基づいて下記基準で評価した。液粘度は、測定温度20℃、B型回転粘度計にて60rpmの条件で測定した。
○:液に沈殿物や浮遊物がなく、かつ液粘度2.5mPa・s以下
△:液にわずかに沈殿物もしくは浮遊物が見られる、又は液粘度が2.5mPa・sを超えるが著しい増粘やゲル化は認めらない。
×:液にかなりの沈殿物もしくは浮遊物が見られる、又は著しい増粘もしくはゲル化が認められる。
表面処理板の製造
実施例27〜56及び比較例8〜14
板厚0.6mm両面電気亜鉛めっき鋼板(EG材、片面の目付量20g/m)の表面を、アルカリ脱脂剤(日本シービーケミカル社製、商品名「ケミクリーナー561B」)を溶解した濃度2%の水溶液を使用して、温度60℃の条件で2分間スプレー処理して脱脂することにより表面に付着しているゴミや油を除去し、ついで水洗した後に乾燥した。得られた脱脂処理した亜鉛めっき鋼板に、下記表3に示すように前記実施例及び比較例で得た各金属表面処理組成物をロールコート法により塗布し、素材到達温度が100℃になるように20秒間焼付けて表面処理板を得た。
得られた各表面処理板について下記試験方法に基づき耐食性、脱脂処理後耐食性、耐指紋性、導電性及び上塗塗膜密着性の試験を行った。その試験結果を下記表3に示す。
Figure 0006242010
試験方法:
耐食性:得られた各表面処理板について、各表面処理板の端面部及び裏面部をシールし、JIS Z 2371による塩水噴霧試験(SST)を行った。試験時間72時間及び120時間での錆の発生程度を下記基準により評価した。
a:錆発生が認められない。
b:錆発生が全面積の5%未満。
c:錆発生が全面積の5%以上でかつ10%未満。
d:錆発生が全面積の10%以上でかつ50%未満。
e:錆発生が全面積の50%以上。
脱脂処理後耐食性:得られた各表面処理板を、アルカリ脱脂剤(日本パーカラインジング(株)製「CLN−364」)を溶解した濃度2%の水溶液を使用して、65℃、2分間スプレー処理の条件で脱脂し、ついで水洗、乾燥して脱脂後表面処理板を得た。この脱脂後表面処理板の端面部及び裏面部をシールし、JIS Z 2371による塩水噴霧試験(SST)を行った。試験時間72時間及び120時間での錆の発生程度を上記耐食性におけると同じ基準により評価した。
耐指紋性:表面処理板の皮膜に指紋を付着させ、指紋の見えやすさを目視で判定した。
◎:指紋跡が見えない。
○:極くわずかに指紋跡が見える。
□:指紋跡がわずかに見える。
△:指紋跡が目立つ。
×:指紋跡が非常に目立つ。
導電性:三菱化学アナリテック(株)製ロレスタGP、ASP端子を用いて、表面処理板の任意の10箇所の表面抵抗値を測定し、10−4Ω以下を示す回数で評価した。
a :10回全て
b :6〜9回
c :1〜5回
d :0回。
上塗塗膜密着性:表面処理板上に、「マジクロン1000ホワイト」(関西ペイント社製、アクリル−メラミン樹脂系塗料、白色)を乾燥膜厚が25μmになるようにして塗布し、150℃で20分間焼付けて上塗塗装板を得た。この上塗塗装板の塗膜面にナイフにて素地に達する縦横各11本の傷を碁盤目状に入れて1mm角の桝目を100個作成した。この碁盤目部の塗膜面の反対側からエリクセン押出し試験機(エリクセン社製)により5mm押し出し、押出された碁盤目塗膜面にセロハン粘着テープを密着させて瞬時にテープを剥がした際の碁盤目塗膜の剥離状態から上塗塗膜密着性を以下の基準で評価した。
◎:上塗塗膜の剥離が認められない、
○:1〜2個の上塗塗膜の剥離が認められる、
△:3〜10個の上塗塗膜の剥離が認められる、
×:11個以上の上塗塗膜の剥離が認められる。
また、金属表面処理組成物は、いずれも塗装性が良好であり、得られた表面処理板はハジキなどの皮膜欠陥のない良好な処理皮膜が形成されていた。
上記試験結果から明らかなように、本発明の表面処理組成物は、塗装性および貯蔵安定性に優れ、かつ脱脂処理前後の耐食性、耐指紋性、導電性及び上塗密着性の全てを満足できるものであった。

Claims (10)

  1. バインダ主成分としてのオルガノポリシロキサン(A)、ならびにプロパルギル基及び水酸基を有し、且つモノもしくはポリ−オキシアルキレン基を有する、分子量100〜800の化合物(B)、及び防錆金属化合物(D)を含有する組成物であって、該化合物(B)におけるモノもしくはポリ−オキシアルキレン基が、オキシエチレン基、ポリオキシエチレン基、オキシプロピレン基、ポリオキシプロピレン基及びエチレンオキシドとプロピレンオキシドとの2価の共重合体鎖から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする水性金属表面処理組成物。
  2. オルガノポリシロキサン(A)が、エポキシ基含有シランカップリング剤及びアミノ基含有シランカップリング剤から選ばれる少なくとも1種のシランカップリング剤(a)100〜30質量部と、モノ−、ジ−、トリ−及びテトラ−アルコキシシランから選ばれる少なくとも1種のアルコキシシラン又は該アルコキシシランの低縮合体(b)0〜70質量部との反応生成物であることを特徴とする請求項1記載の水性金属表面処理組成物。
  3. オルガノポリシロキサン(A)が、エポキシ基含有シランカップリング剤10〜50質量部、アミノ基含有シランカップリング剤10〜50質量部及び上記アルコキシシラン又は該アルコキシシランの低縮合体(b)10〜60質量部との反応生成物である請求項2記載の水性金属表面処理組成物。
  4. 上記化合物(B)が、下記式(1)で表される化合物であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の水性金属表面処理組成物。
    Figure 0006242010
    (式中、Xは、オキシエチレン基及びオキシプロピレン基から選ばれる少なくとも1種のオキシアルキレン基を表し、繰返し数nは1〜12の整数を表し、nが2以上のとき、繰返し単位中の各Xは、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。)
  5. オルガノポリシロキサン(A)の固形分量100質量部に基いて、該化合物(B)の量が0.1〜10質量部の範囲内である請求項1〜4のいずれか一項に記載の水性金属表面処理組成物。
  6. さらに、リン酸化合物(C)を含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の水性金属表面処理組成物。
  7. 防錆金属化合物(D)が、チタン、ジルコニウム及び/又はハフニウムの金属化合物であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の水性金属表面処理組成物。
  8. さらに、水性有機樹脂及び/又はワックスを含有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の水性金属表面処理組成物。
  9. 金属材の表面上に、請求項1〜8のいずれか一項に記載の水性金属表面処理組成物を乾燥皮膜質量0.05〜3.0g/mとなるように塗装し、乾燥させてなることを特徴とする金属材の表面処理方法。
  10. 金属材の表面上に、請求項1〜8のいずれか一項に記載の水性金属表面処理組成物による皮膜が乾燥皮膜質量0.05〜3.0g/mにて形成されてなる表面処理金属材。
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